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特開2024-167168航空機推力レーティングモデル処理用のシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167168
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】航空機推力レーティングモデル処理用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 31/00 20240101AFI20241126BHJP
   B64D 45/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B64D31/00
B64D45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024078989
(22)【出願日】2024-05-14
(31)【優先権主張番号】18/317,477
(32)【優先日】2023-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/317,497
(32)【優先日】2023-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシュ, テレサ ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】キム, グン アイ.
(72)【発明者】
【氏名】アライモ, ジョン ウィリアム ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ウーリッヒ, マーク アーロン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航空機によって使用される推力レーティングモデルデータの決定に関する。
【解決手段】航空機には、エンジン、エンジンに関連付けられた電子エンジンコントローラ(EEC)及び飛行管理コンピュータ(FMC)が含まれる。(FMC)のエラーチェック動作は、エンジンデータに関連付けられたエンジンレーティング識別子に基づいて、エンジン推力モデルを選択するかどうかを判定するために行われる。プロセッサはまた、複数のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子に基づいて、航空機の飛行中に(FMC)によって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択するように構成されている。インターミックス推力モデルデータは、航空機の2つ以上のエンジンに共通な推力モデル識別子に関連付けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)の飛行管理コンピュータ(FMC)(110)の1以上のプロセッサ(112)によって、前記FMCの不揮発性メモリ(114)から第1のエンジンデータ(120)にアクセスすること(204)、及び
前記1以上のプロセッサによって、前記第1のエンジンデータに関連付けられた第1のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の推力モデル(124)用のエンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、少なくとも前記第1のエンジンデータに基づいて、1以上のエラーチェック動作(300~600)を実行することを含む、方法(200)。
【請求項2】
前記1以上のエラーチェック動作は、電子エンジンコントローラ(EEC)(104)から受け取られた巡回冗長性チェック(CRC)値を、前記FMCの前記不揮発性メモリからの対応するCRC値と比較すること(312)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1以上のエラーチェック動作の結果に基づいて、前記FMCの前記不揮発性メモリから前記第1のエンジンデータをクリアすること(306)を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記FMCの前記1以上のプロセッサにおいて、前記航空機の第1の電子エンジンコントローラ(EEC)(104)から、前記航空機の第1のエンジン(102)に関連付けられた第1の推力レーティング識別子を受け取ること(206)、
前記FMCの前記1以上のプロセッサにおいて、前記航空機の第2のEECから、前記航空機の第2のエンジンに関連付けられた第2の推力レーティング識別子を受け取ること(206)、及び
前記第1の推力レーティング識別子、前記第2の推力レーティング識別子、及び前記第1のエンジンレーティング識別子に基づいて、単一のレーティング識別子(614の共通のレーティング識別子)を決定すること(502)を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記単一のレーティング識別子を決定することは、
前記第1のエンジンについて、前記第1の推力レーティング識別子と前記第1のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第1のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること(406)、
前記第1のローカルエンジンレーティング識別子を第1のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子にマッピングすること(432)、
前記第2のエンジンについて、前記第2の推力レーティング識別子と前記FMCの前記不揮発性メモリからの第2のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第2のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること(406)、
前記第2のローカルエンジンレーティング識別子を第2のローカルTRM識別子にマッピングすること(432)、
単一のローカルTRM識別子を比較ターゲットとして指定すること(502)、及び
共通のレーティング識別子を前記単一のレーティング識別子として特定するために、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子、又はそれらの両方を、前記比較ターゲットと比較すること(614)を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記FMCのパワーアップ後に、センサデータを受け取ること(208)を更に含み、前記センサデータが、エンジンデータ処理条件が満たされているのを示すことに応じて、前記第1のエンジンデータがアクセスされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために前記1以上のエラーチェック動作を実行することが、前記エンジン推力レーティングを選択することを示していることに応じて、
前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択すること、及び
前記エンジン推力レーティングに基づいて、1以上の機内計算を実行することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記FMCの前記不揮発性メモリから、前記航空機の1以上の更なるエンジンの各エンジン用の更なるエンジンデータにアクセスすること、及び
前記1以上のプロセッサによって、前記更なるエンジンデータに関連付けられた1以上のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、前記更なるエンジンデータに基づいて、1以上の更なるエラーチェック動作を実行することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
2つ以上のエンジン(102)、
2つ以上の電子エンジンコントローラ(EEC)(104)であって、各EECは、前記2つ以上のエンジンのうちの対応する1つに関連付けられている、2つ以上のEEC(104)、並びに
前記2つ以上のEECに通信可能に結合された飛行管理コンピュータ(FMC)(110)を備える、航空機(100)であって、前記FMCは、不揮発性メモリ(114)と1以上のプロセッサ(112)とを含み、前記1以上のプロセッサ(112)は、
前記不揮発性メモリから第1のエンジンデータにアクセスすること(204)、及び
前記第1のエンジンデータに関連付けられた第1のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の推力モデル用のエンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、少なくとも前記第1のエンジンデータに基づいて、1以上のエラーチェック動作(300~600)を実行すること、を実行するように構成されている、航空機。
【請求項10】
前記1以上のエラーチェック動作は、前記EECから受け取られた巡回冗長性チェック(CRC)値を、前記FMCの前記不揮発性メモリからの対応するCRC値と比較すること(312)を含む、請求項9に記載の航空機。
【請求項11】
前記1以上のプロセッサは、前記1以上のエラーチェック動作の結果に基づいて、前記FMCの前記不揮発性メモリから前記第1のエンジンデータをクリアする(306)ように更に構成されている、請求項10に記載の航空機。
【請求項12】
前記1以上のプロセッサは、
前記2つ以上のEECのうちの第1のEECから、前記航空機の第1のエンジンに関連付けられた第1の推力レーティング識別子を受け取ること(206)、
前記2つ以上のEECのうちの第2のEECから、前記航空機の第2のエンジンに関連付けられた第2の推力レーティング識別子を受け取ること(206)、並びに
前記第1の推力レーティング識別子、前記第2の推力レーティング識別子、及び前記第1のエンジンレーティング識別子に基づいて、単一のレーティング識別子(614の共通のレーティング識別子)を決定すること(502)、を実行するように更に構成されている、請求項9に記載の航空機。
【請求項13】
前記単一のレーティング識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、
前記第1のエンジンについて、前記第1の推力レーティング識別子と前記第1のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第1のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること(406)、
前記第1のローカルエンジンレーティング識別子を第1のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子にマッピングすること(432)、
前記第2のエンジンについて、前記第2の推力レーティング識別子と前記FMCの前記不揮発性メモリからの第2のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第2のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること(406)、
前記第2のローカルエンジンレーティング識別子を第2のローカルTRM識別子にマッピングすること(432)、
単一のローカルTRM識別子を比較ターゲットとして指定すること(502)、及び
共通のレーティング識別子を前記単一のレーティング識別子として特定するために、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子、又はそれらの両方を、前記比較ターゲットと比較すること(614)、を実行するように構成されている、請求項12に記載の航空機。
【請求項14】
エンジンデータ処理条件が満たされているかどうかを示すセンサデータを生成するように構成された1以上のセンサ(130)を更に備え、前記1以上のプロセッサは、前記不揮発性メモリからエンジンデータにアクセスし、前記エンジンデータ処理条件が満たされていることを示す前記センサデータに基づいて、前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択するように構成されている、請求項9に記載の航空機。
【請求項15】
前記1以上のプロセッサは、前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択した後で、前記エンジン推力レーティングに基づいて1以上の機内計算を実行するように更に構成されている、請求項14に記載の航空機。
【請求項16】
前記1以上のプロセッサは、
前記不揮発性メモリから、前記2つ以上のエンジンのうちの各更なるエンジン用の更なるエンジンデータにアクセスすること、及び
前記更なるエンジンデータに関連付けられた1以上のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、前記更なるエンジンデータに基づいて、1以上の更なるエラーチェック動作を実行すること、を実行するように更に構成されている、請求項9に記載の航空機。
【請求項17】
1以上のプロセッサ(112)によって実行可能な複数の命令(118)を記憶する非一過性のコンピュータ可読媒体(114)であって、前記複数の命令は実行されると、前記1以上のプロセッサに、
飛行管理コンピュータ(FMC)(110)の不揮発性メモリから、航空機のエンジンに関連付けられたエンジンデータ(120)にアクセスすること(204)、
前記不揮発性メモリからアクセスされた少なくとも前記エンジンデータに基づいて、1以上のエラーチェック動作(300~600)を実行すること、及び
前記航空機の推力モデル(124)用のエンジン推力レーティングを選択すること(806)、を実行させ、
前記エンジン推力レーティングは、前記1以上のエラーチェック動作の結果に少なくとも部分的に基づいて、前記不揮発性メモリからアクセスされた前記エンジンデータの中から、又は前記航空機の電子エンジンコントローラ(EEC)から受け取られたエンジンデータから選択される、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記1以上のエラーチェック動作は、前記EECから受け取られた巡回冗長性チェック(CRC)値を、前記FMCの前記不揮発性メモリからの対応するCRC値と比較すること(312)を含む、請求項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記複数の命令は、1以上のプロセッサによって実行可能であり、前記複数の命令は実行されると、前記1以上のプロセッサに、前記1以上のエラーチェック動作の結果に基づいて、前記FMCの前記不揮発性メモリから前記エンジンデータをクリアさせる(306)、請求項18に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
1以上のプロセッサによって実行可能な前記複数の命令は、実行されると、前記1以上のプロセッサに、
前記航空機の第1のエンジンについて、前記FMCからの前記エンジンデータに基づく第1のローカルエンジンレーティング識別子と前記第1のエンジンに関連付けられた第1のEECから受け取られる第1の推力レーティング識別子とを決定すること(406)、
前記第1のローカルエンジンレーティング識別子を第1のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子にマッピングすること(432)、
前記航空機の第2のエンジンについて、前記FMCからの前記エンジンデータに基づく第2のローカルエンジンレーティング識別子と前記第2のエンジンに関連付けられた第2のEECから受け取られる第2の推力レーティング識別子とを決定すること(406)、
前記第2のローカルエンジンレーティング識別子を第2のローカルTRM識別子にマッピングすること(432)、
単一のローカルTRM識別子を比較ターゲットとして指定すること(506)、
前記第1のローカルエンジンレーティング識別子、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子、又はそれらの両方を、前記比較ターゲットと比較すること(600)を実行すること、及び
前記比較に基づいて単一のレーティング識別子を決定すること(614)、を実行させる、請求項17に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、航空機によって使用される推力レーティングモデルデータの決定に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 現代の航空機内に設置されている飛行管理コンピュータ(FMC)は、航行、誘導、飛行計画、データリンク、及び性能管理などの、様々な機能を実行する。例えば、FMCの性能管理機能は、飛行機及びエンジンモデルと最適化アルゴリズムとを使用して、飛行計画の制約の範囲内で選択された性能モードと一貫した、フルフライトレジームの垂直プロファイルを生成する。性能管理機能への入力は、例えば、燃料流量、全燃料量、エンジンデータ及びリミット、高度、対気速度、マッハ数、温度、垂直速度、飛行計画に沿った進捗、並びに飛行ディスプレイユニット(CDU)からのパイロット入力を含む。これらの入力と航空機及びエンジンモデルとに基づいて、性能管理機能は、推力リミット計算(TLC)の結果、目標マッハ数値、目標較正対気速度(CAS)値、目標推力値、及び乗務員への助言データなどの、情報を出力する。性能管理機能はまた、性能データベース(PDB)内に記憶されている空力及び推進性能データも使用して、予測される飛行プロファイルと、エコノミー速度、最適高度、予想される到着時刻、及び予測される燃料消費量などの、関連するトリップ予測パラメータと、を計算することができる。
【0003】
[0003] 性能管理機能の様々な計算を実行するために、FMCは、大きなデータセットテーブル(性能データ精密化(PDR)テーブル)を使用する。これらのデータテーブルの少なくとも幾つかは、航空機の各エンジンの電子エンジンコントローラ(EEC)にも記憶されているデータを複製する。例えば、FMCによって使用されるデータの一種は、推力レーティングモデル(TRM)データである。航空機の各エンジン用のTRMデータは、従来、FMCとエンジンのEECとの両方に記憶されている。このようなデータ記憶の重複は、非効率であり、一方のテーブルセットが更新され、もう一方のテーブルセットが更新されない場合、エラーが生じ得る可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 特定の一実施態様では、方法が、航空機の飛行管理コンピュータ(FMC)の1以上のプロセッサによって、FMCの不揮発性メモリから第1のエンジンデータにアクセスすることを含む。該方法はまた、1以上のプロセッサによって、第1のエンジンデータに関連付けられた第1のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、航空機の推力モデル用のエンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、少なくとも第1のエンジンデータに基づいて、1以上のエラーチェック動作を実行することも含む。
【0005】
[0005] 別の特定の一実施態様では、航空機が、2つ以上のエンジンと2つ以上の電子エンジンコントローラ(EEC)を含む。各EECは、2つ以上のエンジンのうちのそれぞれの1つに関連付けられている。航空機はまた、2つ以上のEECに通信可能に結合されたFMCも含む。FMCは、不揮発性メモリと、不揮発性メモリから第1のエンジンデータにアクセスするように構成された1以上のプロセッサとを含む。1以上のプロセッサはまた、第1のエンジンデータに関連付けられた第1のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、航空機の推力モデル用のエンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、少なくとも第1のエンジンデータに基づいて、1以上のエラーチェック動作を実行するようにも構成されている。
【0006】
[0006] 別の特定の一実施態様では、非一過性のコンピュータ可読媒体が、1以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を記憶する。複数の命令は実行されると、1以上のプロセッサに、FMCの不揮発性メモリから航空機のエンジンに関連付けられたエンジンデータにアクセスすることを実行させる。複数の命令は、更に、1以上のプロセッサに、少なくともエンジンデータに基づいて1以上のエラーチェック動作を実行させる。複数の命令は、更に、1以上のプロセッサに、航空機の推力モデル用のエンジン推力レーティングを選択させる。エンジン推力レーティングは、1以上のエラーチェック動作の結果に少なくとも部分的に基づいて、不揮発性メモリからアクセスされたエンジンデータの中から、又は航空機のEECから受け取られたエンジンデータから選択される。
【0007】
[0007] 別の特定の一実施態様では、方法が、航空機のFMCのパワーアップとそれに続く航空機の離陸との間に、FMCの1以上のプロセッサによって、航空機の複数のエンジンのうちの各それぞれの1つ用の少なくとも1つのローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子を含む、複数のローカルTRM識別子を決定することを含む。該方法はまた、FMCの1以上のプロセッサによって、複数のローカルTRM識別子に基づいて、航空機の飛行中にFMCによって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択することも含む。インターミックス推力モデルデータは、複数のエンジンに共通な推力モデル識別子に関連付けられる。
【0008】
[0008] 別の特定の一実施態様では、航空機が、2つ以上のエンジンと2つ以上のEECを含む。各EECは、2つ以上のエンジンのうちのそれぞれの1つに関連付けられている。航空機はまた、2つ以上のEECに通信可能に結合されたFMCも含む。FMCは、1以上のプロセッサを含む。1以上のプロセッサは、FMCのパワーアップとそれに続く航空機の離陸との間で、2つ以上のエンジンのうちの各それぞれの1つ用の少なくとも1つのローカルTRM識別子を含む、複数のローカルTRM識別子を決定するように構成されている。1以上のプロセッサはまた、複数のローカルTRM識別子に基づいて、航空機の飛行中にFMCによって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択するようにも構成されている。インターミックス推力モデルデータは、2つ以上のエンジンに共通な推力モデル識別子に関連付けられる。
【0009】
[0009] 別の特定の一実施態様では、非一過性のコンピュータ可読媒体が、1以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を記憶する。複数の命令は実行されると、1以上のプロセッサに、航空機FMCのパワーアップとそれに続く航空機の離陸との間に、航空機の複数のエンジンのうちの各それぞれの1つ用の少なくとも1つのTRM識別子を含む、複数のローカルTRM識別子を決定することを実行させる。複数の命令は、更に、1以上のプロセッサに、複数のローカルTRM識別子に基づいて、航空機の飛行中にFMCによって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択させる。インターミックス推力モデルデータは、複数のエンジンに共通な推力モデル識別子に関連付けられる。
【0010】
[0010] 本明細書に記載された特徴、機能、及び利点は、様々な実装形態において単独で実現することが可能であり、又は、更に別の実装形態において組み合わせることも可能である。これらの更なる詳細は、以下の明細書の記載及び図面を参照して理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011] 本開示の特定の複数の実施態様による航空機の一実施例を示す図である。
図2】[0012] 本開示の特定の複数の態様による航空機用の推力モデルデータを動的に決定する方法の一実施例を示すフローチャートである。
図3】[0013] 図2の方法の一態様として実行され得る初期化の方法の一実施例を示すフローチャートである。
図4】[0014] 図4図5、及び図6は、図2の方法の一態様として実行され得る選択範囲を狭める処理の方法の一実施例を示すフローチャートである。
図5図4図5、及び図6は、図2の方法の一態様として実行され得る選択範囲を狭める処理の方法の一実施例を示すフローチャートである。
図6図4図5、及び図6は、図2の方法の一態様として実行され得る選択範囲を狭める処理の方法の一実施例を示すフローチャートである。
図7】[0015] 図2の方法の一態様として実行され得るレーティング処理の方法の一実施例を示すフローチャートである。
図8】[0016] 図2の方法の一態様として実行され得る選択処理の方法の一実施例を示すフローチャートである。
図9】[0017] 図1の航空機のライフサイクルの一実施例を示すフローチャートである。
図10】[0018] 図1の航空機の特定の一実施態様のブロック図である。
図11】[0019] 本開示によるコンピュータに実装可能な方法及びコンピュータで実行可能なプログラム命令(又はコード)の複数の態様をサポートするように構成されたコンピューティングデバイスを含むコンピューティング環境のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0020] 本明細書で開示されるシステム及び方法は、航空機のFMCとEECによる重複データストレージを削減する。特に、FMCは、不揮発性メモリ内に、直近の飛行中のエンジン構成に関連するエンジンデータを記憶する。他のTRMテーブル及びエンジンデータは、EECに記憶されるが、FMCと重複しない。このような構成の技術的な利点の1つは、より効率的にメモリを利用することである。というのも、重複したデータが複数の場所に記憶されないからである。別の技術的な利点の1つは、1つのデータセット(例えば、EECに記憶されるデータ)が、他のデータセット(例えば、FMCに記憶されるデータ)と異なることによる、エラーの機会が減少することである。例えば、以下で詳細に説明されるように、新しいエンジンデータがFMCで必要とされるときに、エンジンデータは、EECからアクセスされ、それによって、データのミスマッチを回避することができる。
【0013】
[0021] 本開示のシステム及び方法では、EECとFMCのTRMとの間で共通なエンジンデータが、EECからFMCへオンデマンドでアップロードされる。FMCは、EECからのエンジンデータのコピーをFMCの不揮発性メモリ(NVM)内に保持することになる。初期化中、FMCのNVM内に記憶されているエンジンデータの整合性が、内部的な一貫性、ならびにEECに記憶されているエンジンデータとの一貫性についてチェックされる。例えば、巡回冗長性チェック(CRC)又は他のエラー検出動作を使用して、NVMに記憶されているエンジンデータが使用されるべきかどうか、又はEECのうちの1以上からのデータが要求されるべきかどうかを判定することができる。通常の動作では、FMCのNVM内に記憶されているエンジンデータが、データ整合性チェックに合格することが期待される。その場合、FMCは、それに続く飛行中に推力モデル計算用にNVMからのエンジンデータを使用する。
【0014】
[0022] 通常ではない動作では、FMCのMVM内に記憶されているエンジンデータが、データ整合性チェックに合格すると期待できない。例えば、FMCのNVMにおいて記憶されているエンジンデータに基づいて計算されたCRC値は、そのエンジンデータの期待されるCRC値と一致しないことがある。それは、NVMの電磁干渉又は別の故障の結果としてのビット反転などに起因する。別の一実施例として、FMCのNVMにおいて記憶されているエンジンデータに基づいて計算されたCRC値は、EECの1つからのCRC値と一致しないことがある。それは、NVMにおいて記憶されているエンジンデータが、EECにおいて記憶されているエンジンデータと一致しない(例えば、エンジンの変更に起因する)ことを示す。このような通常ではない条件では、FMCが、EECのうちの1以上からエンジンデータを取得し、取得されたエンジンデータをNVM内に記憶し、取得されたエンジンデータを、それに続く飛行中の推力モデル計算用に使用する。
【0015】
[0023] FMCは、直近に検出された構成に関連するエンジンデータを保持するため、新しいエンジンデータがEECのうちの1以上から取得されたときに、本開示のシステム及び方法は、航空機のエンジンの全てに適合するエンジン推力レーティングの選択範囲を動的に狭める。航空機のエンジンの全てに適合するエンジン推力レーティングの選択範囲を動的に狭めることの技術的な利点は、エラーの機会を減らすことである。例えば、FMCがEEC内に記憶されているTRMデータの全てを複製するシステムでは、選択範囲を狭めることが手作業で実行され、構成設定として保存される。航空機の1以上のエンジンが、交換されるか又は大幅にオーバーホールされて更新されるときに、エンジンの全てに適合するエンジン推力レーティングを示す構成設定は、手作業で更新されるはずである。航空機のエンジン用の適合するエンジン推力レーティングの選択範囲を狭めるための動作を動的に実行することによって、手作業の更新が省略されたり又は不正確に実行されたりする可能性を回避できる。
【0016】
[0024] 図面及び以下の説明により、具体的で例示的な複数の実施形態が示される。当業者は、本明細書に明示的に記載又は図示されていなくとも、本明細書に記載の原理を具現化し、且つ、本明細書に続く特許請求の範囲に含まれる様々な構成を考案し得ることが認識されよう。更に、本明細書に記載のいかなる例も、本開示の原理の理解を支援するためのものであり、限定を含まないものと見做される。結果として、本開示は、後述する具体的な実施形態又は実施例に限定されるものではいが、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【0017】
[0025] 特定の複数の実施態様が、図面を参照しながら本明細書で説明される。説明の中で、共通の特徴には、図面全体を通して共通の参照番号が付される。一部の図面では、特定の種類の特徴の複数の例が使用される。これらの特徴は、物理的及び/又は論理的に異なるが、それぞれに同じ参照番号が使用され、異なる例が、参照番号に文字を追加することで区別される。群又は種類としての特徴が本明細書で言及される場合(例えば、特徴の特定の1つが参照されていない場合)、参照番号は区別する文字なしで使用される。しかし、本明細書で同じ種類の複数の特徴のうちの1つの特定の特徴が言及されるときに、参照番号は、区別するための文字を伴って使用される。例えば、図1を参照すると、複数のエンジンが示され、参照番号102A及び102Bに関連付けられている。エンジン102Aなどのこれらのエンジンのうちの特定の1つを参照するときに、区別するための文字「A」が使用される。しかし、これらのエンジンの任意の1つ又はこれらのエンジンを群として参照するときに、参照番号102が、区別する文字なしに使用される。
【0018】
[0026] 本明細書で使用されるときに、様々な用語は、特定の実施態様を説明することのみが目的で使用され、限定することを意図していない。例えば、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限りは、複数形も含むことが意図されている。更に、本明細書で説明される幾つかの特徴は、幾つかの実施態様では単数で存在し、他の実施態様では複数で存在する。示されているように、図1は、1以上のプロセッサ(図1の「(1以上)のプロセッサ」112)を含む飛行管理コンピュータ110を示す。これは、幾つかの実施態様では、飛行管理コンピュータ110が、単一のプロセッサ112を含み、他の複数の実施態様では、飛行管理コンピュータ110が、複数のプロセッサ112を含むことを示す。本明細書での参照を容易にするために、このような特徴は、概して、「1以上の」特徴として導入され、続いて単一の又は任意選択的な複数の特徴(典型的には「s」によって示されるように)として言及される。これは、複数の態様が複数の特徴に関連することが明示されない限りである。
【0019】
[0027] 更に、「備える(comprise、comprises、comprising)」という用語は、「含む(include、includes、including)」と交換可能に使用される。更に、「ここで(wherein)」という用語は、「その場合に(where)」という用語と交換可能に使用される。本明細書で使用される際に、「例示的な(exemplary)」は、一実施例(an example)、一実施態様(an implementation)、及び/又は一態様(an aspect)を示し、限定的なものとして、又は好適さ若しくは好適な一実施態様を示すものとして解釈されるべきでない。本明細書で使用される際に、構造、構成要素、動作などの要素を変形するために使用される、順序を示す用語(例えば、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」など)は、それ自体、別の1つの要素に対するその要素の優先度又は順序を示すものではないが、(順序を示す用語の使用を除いて)むしろ単に同じ名前を有する別の1つの要素からその要素を区別するものである。本明細書で使用される「組み(set)」という用語は、1以上の要素の群化のことを指し、「複数の(plurality)」という用語は、複数の要素のことを指す。
【0020】
[0028] 本明細書で使用されるときに、「生成する(generating)」、「計算する(calculating)」、「使用する(using)」、「選択する(selecting)」、「アクセスする(accessing)」、及び「特定する(determining)」は、文脈がそうでないことを示さない限り交換可能である。例えば、パラメータ(若しくは信号)を「生成する」、「計算する」、若しくは「特定する」ことは、パラメータ(若しくは信号)を能動的に生成、計算、若しくは特定することを指し、又は、例えば他の構成要素若しくはデバイスによって、既に生成されているパラメータ(若しくは信号)を使用、選択、若しくはアクセスすることを指し得る。本明細書で使用される「結合(coupled)」は、「通信可能に結合」、「電気的に結合」、又は「物理的に結合」を含むことができ、更に(又は代替的に)その任意の組み合わせを含むことができる。2つのデバイス(又は構成要素)は、1以上の他のデバイス、構成要素、ワイヤ、バス、ネットワーク(有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はその組み合わせ)などを介して直接又は間接的に結合(通信可能に結合、電気的に結合、又は物理的に結合)することができる。電気的に結合される2つのデバイス(又は構成要素)は、同じデバイス又は異なるデバイスに含めることができ、例示的な非限定的実施例として、電子機器、1以上のコネクタ、又は誘導結合を介して接続することができる。幾つかの実施態様では、電気通信などで通信可能に接続された2つのデバイス(若しくは構成要素)が、1以上の配線、バス、ネットワークなどを介して直接又は間接的に電気信号(デジタル信号若しくはアナログ信号)を送受信することが可能である。本明細書では、「直接結合された(directly coupled)」は、構成要素を介在させることなく結合される(例えば、通信可能に接続され、電気的に結合され、若しくは物理的に結合された)2つのデバイスを記述するために使用される。
【0021】
[0029] 図1は、本開示の特定の複数の実施態様による航空機100の一実施例を示す図である。図1の航空機100は、第1のエンジン102Aと第2のエンジン102Bとして示されている2つ以上のエンジン102を含む。エンジン102の各々は、図1では第1のEEC104Aと第2のEEC104Bとして示されているそれぞれの電子エンジンコントローラ(EEC)104に関連付けられる。各EEC104は、EEC104に関連付けられたエンジン102に関連付けられたエンジンデータ106を含む(例えば、ローカルメモリ内に記憶する)。例えば、第1のEEC104Aは、第1のエンジン102Aに関連付けられたエンジンデータ106Aを記憶し、第2のEEC104Bは、第2のエンジン102Bに関連付けられたエンジンデータ106Bを記憶する。エンジンデータ、エンジンレーティング識別子、推力レーティング識別子、及び推力レーティングモデル識別子を含む、様々な種類のエンジンデータが、本明細書で言及される。本明細書で使用されるときに、「エンジンデータ」は、エンジンレーティング識別子、推力レーティング識別子、推力レーティングモデル識別子、及びおそらく他のエンジンデータを含み得る、包括的な用語として使用される。本明細書で使用されるときに、「エンジンレーティング識別子」と「推力レーティング識別子」という用語は、同義であり、「推力レーティングモデル識別子」という用語は、エンジン用の部品表(BOM)から独立したエンジン用の一意に規定されたレーティングデータを指す。
【0022】
[0030] 航空機100はまた、飛行管理コンピュータ(FMC)110も含む。図1で示されている一実施例では、FMC110が、1以上のプロセッサ112、不揮発性メモリ(NVM)114、及びランダムアクセスメモリ(RAM)116を含む。この文脈では、RAM116が、キャッシュやレジスタなどのFMC110の作業メモリ及び同様な揮発性メモリを含む。NVMは、フラッシュメモリ、電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気抵抗メモリ(MRAM)、ならびに他の種類の不揮発性メモリなどの、電力が供給されていないときに記憶されている情報を保持する任意の種類のメモリを含む。FMC110は、航空機100の1以上のバス又は他のデータ接続を介して、EEC104の各々と通信することができる。
【0023】
[0031] 図1で示されている一実施例では、NVM114が、エンジンデータ120と(1以上の)プロセッサ112によって実行可能な複数の命令118とを含む(例えば、記憶する)。図2図8を参照しながら詳細に説明されるように、NVM114によって記憶されているエンジンデータ120は、概して、航空機100の直近の飛行で使用されたデータに対応するが、特定の状況下では、エンジンデータ120が、EEC104のうちの1つからのエンジンデータ106を含むように更新される。例えば、技術者が、エンジンデータ120が不正確であることに気付いた場合、技術者は、NVM114内のエンジンデータ120を更新し得る。示されるように、エンジン102のうちの1つが変更された後で、技術者はエンジンデータ120を更新し得る。特定の一態様では、以下に更に説明されるように、FMC110は、エンジンデータ120が疑わしいかのように、各始動時に動作する。したがって,FMC110は、各始動時にエンジンデータ120を検証し、妥当性を確認するか、又は交換するために、様々なエラーチェック動作を実行する。
【0024】
[0032] 対照的に、EEC104によって記憶されているエンジンデータ106は、正確であることが知られている。EEC104は、関連付けられたエンジン102内のプラグセットの構成を読み取り、それに基づいてエンジンデータを決定する。例えば、第1のエンジン102Aに関連付けられたプラグセットの構成は、エンジン102Aの推力レーティング識別子を示す。同様に、第2のエンジン102Bに関連付けられたプラグセットの構成は、エンジン102Bの推力レーティング識別子を示す。エンジン102のうちの1つが、交換された場合(例えば、航空機100の定期整備の一環として)、新しいエンジンは、異なる推力レーティング識別子を示すように構成され得るプラグセットを有することになる。EEC104は、異なる推力レーティング識別子を検知し、解釈して、エンジンの推力レーティングを示すデータを生成することができる。EEC104A及び104Bは、連続的に、又は定期的に、それぞれ、エンジン102A及び102Bのプラグの構成を検知し、その構成を解釈して、各エンジン102用の正しいエンジンデータ106を決定する。
【0025】
[0033] 図1で示されている一実施例では、FMC110のNVM114において記憶されている複数の命令118が、エンジンデータセレクタ122及び推力モデル124を含む。推力モデル124は、側方及び垂直方向の軌跡、様々なウェイポイントでの予想される燃料消費量、様々なウェイポイントでの予想される重量などの、様々な性能に関連する計算を実行するように、(1以上の)プロセッサ112によって実行可能である。本明細書で使用されるときに、「推力モデル」は、FMC110によって使用される性能モデルの一態様である。例えば、推力モデル124は、性能モデルを含み、性能モデル内に含まれ、又は性能モデルに対応する。幾つかの実施態様では、推力モデル124が、燃料流量、全燃料量、フラップ位置、エンジンデータ及びリミット、高度、対気速度、マッハ数、空気温度、垂直速度、飛行計画に沿った進捗及びパイロット入力、並びにエンジンデータ120などの、入力データを受け取るように構成されている。幾つかの実施態様では、推力モデル124が、入力データを処理して、マッハ数の目標値、飛行機の最適な制御のための較正された対気速度及び推力、並びに乗務員への助言データなどの、出力データを生成するように構成されている。他の複数の実施態様では、推力モデル124が、より多くの、より少ない、又は異なる入力データを受け取ることができ、より多くの、より少ない、又は異なる出力データを生成することができる。
【0026】
[0034] エンジンデータセレクタ122は、エンジンデータ106A、106B、及び120の中から推力モデル124によって使用されることになるエンジンデータを選択するように、(1以上の)プロセッサ112によって実行可能な複数の命令を含む。特定の一態様では、エンジンデータセレクタ122が、FMC110のパワーアップとそれに続く航空機100の離陸との間で、推力モデル124によって使用されることになるエンジンデータを動的に選択する。
【0027】
[0035] 例えば、動作中(例えば、FMC110のパワーアップ中又はパワーアップ後)、エンジンデータセレクタ122は、エンジンデータ処理条件が満たされているかどうかを判定するために、1以上のセンサ130からのセンサデータをモニタする。一般に、エンジンデータ処理は、FMCが利用可能なエンジンデータを変更することが安全な状況において実行され、エンジンデータ処理条件は、そのような状況に処理を制限するように指定される。例えば、エンジンデータ処理条件は、航空機100が地上にあるときに満たされ得る。この実施例では、航空機100が地上にある間、エンジンデータセレクタ122が、終了条件が満たされるまで一連の動作を繰り返し実行し得る。その場合、終了条件は、例えば、推力モデル124用のエンジンデータ120が選択されたときに満たされる。他の複数の実施例では、エンジンデータ処理条件が、検知された航空機100の速度、航空機100のスロットル位置に基づいて、又は別の設定、他のデータ、若しくはパイロット入力に基づいて満たされ得る。繰り返し実行される一連の動作は、以下で要約され、図2図8を参照しながら詳細に説明される。
【0028】
[0036] 初期化プロセス中、エンジンデータセレクタ122は、FMC110のNVM114からエンジンデータ120にアクセスする。エンジンデータセレクタ122は、エンジンデータ120に関連付けられたエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、推力モデル124用のエンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、エンジンデータ120(及び潜在的には他のデータ)に基づいて、1以上のエラーチェック動作を実行する。エンジン102が始動すると、EEC104は、データをエンジンデータセレクタ122に送り始め、エンジンデータセレクタ122は、初期化プロセスにおいてEEC104から受け取られたデータが利用可能なときに、そのデータを含む。例えば、エンジンデータセレクタ122の動作の1以上の初期の繰り返し中、NVM114において記憶されているデータのみが、エンジンデータセレクタ122にとって利用可能であり得る。その後、エンジン102Aが始動され得る。EEC104Aは、エンジン102Aのエンジンレーティング識別子、エンジンデータ106Aに関連付けられたエラーチェックデータ(例えば、巡回冗長性チェック(CRC)データ)、又はそれらの一部分などの、データを送り始めてよい。この期間中、エンジンデータセレクタ122は、NVM114からのデータ及びEEC104Aによって送信されるデータに基づいて、1以上の繰り返しを実行し得る。更にその後、エンジン102Bが始動され得る。EEC104Bは、エンジン102Bのエンジンレーティング識別子、エンジンデータ106Bに関連付けられたエラーチェックデータ(例えば、巡回冗長性チェック(CRC)データ)、又はそれらの一部分などの、データを送り始めてよい。この期間中、エンジンデータセレクタ122は、NVM114からのデータ、EEC104Aによって送信されるデータ、及びEEC104Bによって送信されるデータに基づいて、1以上の繰り返しを実行し得る。図1で示されている一実施例では、航空機100が、2つのみのエンジン102を含むが、他の複数の実施態様では、航空機100が3つ以上のエンジンを含む。このような複数の実施態様では、これらの更なるエンジンも、EECに関連付けられる。EECは、それらのそれぞれのエンジンが始動したときにデータを送信する。エンジンデータセレクタ122は、これらのEECからのデータが利用可能になったときに、そのデータを利用する。
【0029】
[0037] エンジンデータセレクタ122によって実行される(1以上の)エラーチェック動作は、例えば、NVM114内に記憶されているエンジンデータ120用のCRC値を計算し、計算されたCRC値を、以前に決定され、NVM114内に記憶されているCRC値と比較することを含み得る。計算されたCRC値と記憶されているCRC値とを比較することで、エンジンデータセレクタ122は、エンジンデータ120がNVM114に記憶されて以来、エンジンデータ120に何らかの変更が生じたかどうかを判定する。例えば、エンジンデータ120の1以上のビットを変更するやり方でNVM114が損傷を受けた場合、計算されたCRC値は、記憶されているCRC値と一致しないはずであり、これは、エンジンデータ120が信頼できないことを示す。この状況では、エンジンデータセレクタ122が、エンジンデータ120が消去、上書き、又は無効にされることをもたらし、エンジンデータ120は、推力モデル124によって使用されるエンジン推力レーティングの選択中に使用されない。
【0030】
[0038] 計算されたCRC値が記憶されているCRC値と一致する場合、NVM114内のエンジンデータ120がEEC104のうちの1つのエンジンデータ106と一致するかどうかを判定するための更なる処理が実行される。例えば、EEC104Aは、エンジンデータ106Aに関連付けられたCRC値を送信し、エンジンデータセレクタ122は、EEC104Aから受け取られたCRC値と、NVM114内に記憶されているエンジン102A用のCRC値とを比較する。同様に、EEC104Bがエンジンデータ106Bに関連付けられたCRC値を送信したときに、エンジンデータセレクタ122は、EEC104Bから受け取られたCRC値と、NVM114内に記憶されているエンジン102B用のCRC値とを比較する。特定のEEC104から受け取られたCRC値が、NVM114内に記憶されている対応するエンジン102用のCRC値と一致しない場合、エンジンデータセレクタ122は、そのエンジン102用のエンジンデータ120の少なくとも一部分が、消去、上書き、又は無効にされることをもたらし、エンジンデータ120の少なくともその部分が、推力モデル124によって使用されるエンジン推力レーティングの選択中に使用されない。
【0031】
[0039] 特定のEEC104から受け取られたCRC値がNVM114内に記憶されている対応するエンジン102用のCRC値と一致する場合、エンジンデータセレクタ122は、2つ以上のエンジン102に適合するエンジン推力レーティングを選択するための動作を開始するのに十分なデータが受け取られるのを待つ。例えば、エンジンデータセレクタ122は、少なくとも2つのEEC104がそれらのそれぞれのエンジン102用の推力レーティング識別子を報告するまで(例えば、EEC104Aからのエンジン102Aに関連付けられた第1の推力レーティング識別子を受け取り、EEC104Bからエンジン102Bに関連付けられた第2の推力レーティング識別子を受け取るまで)待機する。エンジンデータセレクタ122は、次いで、受け取られた推力レーティング識別子に基づいて、1つのレーティング識別子(例えば、EEC104Aからの第1の推力レーティング識別子及びEEC104Bからの第2の推力レーティング識別子に基づく単一のレーティング識別子)を決定することに進む。NVM114内のエンジンデータ120が、エラーチェック動作に合格した場合、エンジンデータセレクタ122はまた、単一のレーティング識別子を選択するときに、NVM114からの第1のエンジンレーティング識別子も考慮し得る。
【0032】
[0040] 特定の一態様では、エンジンデータセレクタ122による単一のレーティング識別子の決定が、航空機100の複数のエンジン102のうちの各それぞれの1つ用の少なくとも1つのローカルTRM識別子を含む、複数のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子を決定し、複数のローカルTRM識別子に基づいて、航空機100の飛行中にFMC110によって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択する。この文脈では、インターミックス推力モデルデータが、推力モデル124によって使用される特定のエンジンデータであって、航空機100のエンジン102の全てに適合する特定のエンジンデータを指す。例えば、インターミックス推力モデルデータは、航空機100のエンジン102に共通な推力モデル識別子に関連付けられる。
【0033】
[0041] 特定の一態様では、複数のローカルTRM識別子を決定することが、NVM114から特定のエンジン102用のFMCエンジンレーティングにアクセスし、特定のエンジンに関連付けられたEEC104から、特定のエンジン102用のEECエンジンレーティングを取得することを含む。エンジンデータセレクタ122は、特定のエンジン用のFMCエンジンレーティング又は特定のエンジン用のEECエンジンレーティングとのうちの選択された一方に基づいて、特定のエンジン用のローカルレーティング識別子を決定し得る。例えば、NVM114内のエンジンデータ120は、航空機100のエンジン102Aと102Bの各々用のFMCエンジンレーティングを含み得る。更に、EEC104Aのエンジンデータ106Aは、エンジン102A用のEECエンジンレーティングを含み得る。EEC104Bのエンジンデータ106Bは、エンジン102B用のEECエンジンレーティングを含み得る。この実施例では、エンジンデータセレクタ122が、EEC104Aからエンジン102A用のEECエンジンレーティングを取得し、エンジン102A用のローカルレーティング識別子として、エンジン102A用のEECエンジンレーティングとエンジン102A用のFMCエンジンレーティングの中から選択し得る。同様に、この実施例では、エンジンデータセレクタ122が、EEC104Bからエンジン102B用のEECエンジンレーティングを取得し、エンジン102B用のローカルレーティング識別子として、エンジン102B用のEECエンジンレーティングとエンジン102B用のFMCエンジンレーティングの中から選択し得る。
【0034】
[0042] 幾つかの実施態様では、EECエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、特定のエンジン用のEECエンジンレーティング(特定のエンジン用のFMCエンジンレーティングではなくむしろ)が、ローカルレーティング識別子として選択される。このような複数の実施態様では、EECエンジンレーティングが有効でなく、かつ、FMCエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、特定のエンジン用のFMCエンジンレーティングが、ローカルレーティング識別子として選択される。幾つかのそのような実施態様では、特定のエンジン用のEECエンジンレーティングが有効であり、かつ、特定のエンジン用のFMCエンジンレーティングが有効でないとの判断に基づいて、エンジンデータセレクタ122は、特定のエンジン用の変更されたエンジンデータの検出を示すフラグ(例えば、1以上のデータビットや信号など)を設定する。
【0035】
[0043] 各エンジン102用のローカルレーティング識別子を選択した後で、エンジンデータセレクタ122は、各エンジン102用のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子を決定する。この文脈では,TRM識別子が、エンジン用の部品表(BOM)から独立したエンジン用のレーティングデータを一意に規定する。対照的に、レーティング識別子は、レーティングデータとエンジンのBOMについての情報との両方を含む。各エンジン用のローカルTRM識別子は、例えば、レーティング識別子(例えば、各エンジン102用のローカルレーティング識別子)をTRM識別子にマッピングするマッピングデータに基づいて決定される。
【0036】
[0044] エンジンデータセレクタ122は、ローカルTRM識別子に基づいて、インターミックス推力モデルデータを選択する。例えば、幾つかの実施態様では、単一のローカルTRM識別子(例えば、航空機100のエンジン102の全て用のローカルTRM識別子の中からの代表的なローカルTRM識別子)が、比較ターゲットとして選択される。この実施例では、他のローカルTRM識別子が、比較ターゲットと比較されて、共通のレーティング識別子を単一のレーティング識別子として特定する。例えば、エンジン102A用の第1のローカルTRM識別子が、比較ターゲットとして選択されたときに、エンジン102B用の第2のローカルTRM識別子が、比較ターゲットと比較される。単一のローカルTRM識別子(例えば、代表的なローカルTRM識別子)は、複数のローカルTRM識別子の各々が、代表的なローカルTRM識別子と一致したとの判断に基づいて、共通のレーティング識別子として指定される。
【0037】
[0045] エンジンデータセレクタ122は、共通のレーティング識別子を、それに続く航空機の飛行において使用される推力モデル124に提供する。例えば、推力モデル124は、共通のレーティング識別子によって示されるエンジン推力レーティングに基づいて、1以上の機内計算を実行する。
【0038】
[0046] 図2は、本開示の特定の複数の態様による航空機用の推力モデルデータを動的に決定する方法200の一実施例を示すフローチャートを示す。図3図8は、図2の方法200の様々な態様を示す。図3図8で説明される複数の態様の各々を含む方法200は、図1の複数の命令118を実行するFMC110の(1以上の)プロセッサ112によるなど、複数の命令を実行する1以上のプロセッサによって実行され得る。
【0039】
[0047] 方法200は、ブロック202において、FMC110の初期化で開始する。例えば、方法200は、飛行のための準備としてFMC110のパワーアップ又はリブートで開始し得る。
【0040】
[0048] ブロック204において、方法200は、FMC110のNVM114からレーティング識別子(任意のそのようなレーティング識別子が利用可能である場合)にアクセスすることを含む。例えば、レーティング識別子は、NVM114内のエンジンデータ120のコンポーネント(例えば、データフィールド)として記憶され得る。NVM114において記憶されている任意のレーティング識別子は、概して、航空機100の以前の飛行以降にNVM114によって保持されているものである。
【0041】
[0049] ブロック206において、方法200は、定期的な入力/出力(I/O)処理を開始する。定期的なI/O処理の入力処理は、例えば、EEC104からデータを受け取ることを含む。定期的なI/O処理の出力処理は、例えば、推力モデル124に(1以上の)機内計算を実行するために使用されるエンジン推力レーティングを提供することを含む。幾つかの状況では、出力処理がまた、又は代替的に、EEC104の1以上からのデータが利用できない、エンジン102が不適合である(利用可能な推力レーティング識別子に基づいて)、エラーチェックを満たす特定のデータがないことなどの、エラー又は故障状態を示すアラートを航空機100の乗務員に提供することも含み得る。
【0042】
[0050] ブロック208において、方法200は、エンジンデータ処理が続行できるかどうか、例えば、航空機100が地上にあるか又は別のエンジンデータ処理条件が満たされているかどうかの判定を含む。定期的なI/O処理は、ブロック208における判定が、エンジンデータ処理条件がもはや満たされなくなる(例えば、航空機100がもはや地上にない)まで、又は定期的なI/O処理が故障状態により停止するまで繰り返し続く。したがって、ブロック208における判定が、エンジンデータ処理が続行できないというものである場合、定期的なI/O処理はブロック210において終了する。
【0043】
[0051] ブロック208における判定が、エンジンデータ処理が続行できるというものである場合、方法200は、ブロック212において初期化プロセスを開始する。初期化プロセスは、NVM114からのエンジンデータ120についてエラーチェックを実行することを含む。任意のデータがEEC104から受け取られた場合、初期化プロセスはまた、EEC104からのデータについてエラーチェックを実行することを含む。図3は、初期化プロセスの一部として実行され得る動作の特定の一実施例を示す。
【0044】
[0052] 図3を参照すると、特定の一実施態様に従って図2の初期化プロセスを実行する方法300は、ブロック304において、エンジンデータ120及び関連付けられたCRCデータが、FMC110のNVM114において利用可能であるかどうかの判定を含む。ブロック304に関連付けられた判定において使用されるCRCデータは、エンジンデータ120に基づいて以前に計算され、NVM114において記憶されているCRC値である。エンジンデータ120及び関連付けられたCRCデータが利用可能でない場合、該方法300は、ブロック306に続き、ブロック306において、NVM114内のエンジンデータ及びCRCデータ(本明細書で以後、後の動作においてEEC104から受け取られる同様な値と区別するために「NVM CRCデータ」及び「NVMエンジンデータ」と呼ばれる)がクリアされる。NVM CRCデータ及びNVMエンジンデータをクリアすることは、例えば、これらのデータを記憶することに割り当てられたNVM114の部分を上書きすること、これらのデータを記憶することに割り当てられたNVM114の部分を無効若しくは利用可能としてマークすること、又は、任意のNVM CRCデータ及びNVMエンジンデータ(例えば、部分的なデータ若しくは潜在的に破損しているデータ)を、後続の処理ステップで利用可能でないようにする、他のメモリ管理動作を含み得る。
【0045】
[0053] NVMエンジンデータ及びNVM CRCデータが、利用可能でない場合、方法300は、ブロック308に続き、ブロック308において、EEC104のいずれかがCRCチェック値を送ったかどうかの判定が行われる。EEC104が、特定のエンジン102用のCRCチェック値を提供した場合、方法300は、ブロック312において、特定のエンジン102用のCRCチェック値が、特定のエンジン102用のNVM CRCデータのNVM CRC値に等しいかどうかを判定することを含む。特定のエンジン102用のCRCチェック値が、特定のエンジン102用のNVM CRC値に等しくない場合、方法300は、ブロック306に続き、ブロック306において、NVM114の特定のデータ(例えば、NVMエンジンデータ及びNVM CRCデータ)がクリアされる。
【0046】
[0054] ブロック308に戻って、特定のエンジン102用のEEC104が、エンジン102用のCRCチェック値を提供していない場合、方法300は、特定のエンジン102用のNVMデータのNVM CRC値に等しい特定のエンジン102用のCRCチェック値を設定することを含む。方法300は、その後、ブロック312に続き、ブロック312において、特定のエンジン102用のCRCチェックが特定のエンジン102用のNVM CRC値に等しいかどうかを判定する。ブロック310において実行される動作は、特定のエンジン102用のCRCチェック値が特定のエンジン102用のNVM CRC値に等しいことを確実にする。それによって、特定のEECから受け取られたCRCチェック値が存在しないときに、方法300は、ブロック306において、NVM CRCデータ及びエンジンデータをクリアするデフォルトにならない。むしろ、この状況では、初期化プロセスが、ブロック214で終了し、その後の繰り返しにおいて反復され得る。
【0047】
[0055] 図2に戻って参照すると、初期化プロセスがブロック214で終了した後で、方法200は、ブロック216において、エンジンデータ120の一部としてNVM114内に記憶されているレーティング(又は複数のレーティング)が、EEC104のうちの1つからのものであるかどうかの判定を含む。ブロック216における判定が、NVM114内に記憶されている(1以上の)レーティングが、EEC104から受け取られていないというものである場合、方法200は、ブロック218において、故障状態を報告し、EEC104からのデータを待つことを含む。典型的な動作では、NVM114内に記憶されているエンジンデータ120が、EEC104から受け取られたデータを含むが、幾つかの状況では、エンジンデータ120が、エンジン保守作業の一部として手作業で行われるなど、他のやり方で更新され得る。
【0048】
[0056] 方法200は、ブロック220に続き、ブロック220において、少なくとも1つの推力レーティング識別子(推力レーティングID)が、EEC104から受け取られたかどうかを判定する。方法200の残りの動作は、EEC104からの推力レーティングIDの受け取りに依存する。したがって、EEC104から受け取られた推力レーティングIDが存在しない場合、方法200は、ブロック208に戻る。
【0049】
[0057] 少なくとも1つの推力レーティングIDが、EEC104から受け取られている場合、方法200は、ブロック222において、EEC104から受け取られた推力レーティングIDのカウントが、2つ以上であるかどうかを判定することを含む。2つ以上の推力レーティングIDが、EEC104から受け取られている場合、方法200は、ブロック224において、受け取られた推力レーティングIDが、互いに互換性があるかどうかを判定する(例えば、FMC110において記憶されている互換性マトリックスに基づいて)。ブロック224において、推力レーティングIDのうちの2つ以上が互いに互換性がないと判定された場合、方法200は、ブロック226において、故障状態を報告し、ブロック228において、定期的なI/O処理を終了することを含む。
【0050】
[0058] ブロック224において、受け取られた推力レーティングIDが互いに互換性があると判定された場合、又は、ブロック222において、1つだけの推力レーティングIDが受け取られたと判定された場合、方法200は、ブロック230において、選択範囲を狭める処理を開始する。選択範囲を狭める処理は、インターミックス推力モデルデータ(例えば、航空機100のエンジン102の全てに適合する推力モデルデータのセット)を選択するための動作を含む。各エンジン102は、様々なレベルで動作され得るので、インターミックス推力モデルデータは、エンジンが動作し得るレベルの中で最も大きな共通ファクター(例えば、エンジンの全てが共通に有する最も高い性能)として考えられ得る。図4図6は、選択範囲を狭める処理の一部として実行され得る複数の動作の一実施例を示す。
【0051】
[0059] 図4は、エンジンのセット用のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子を決定する方法400を示す。図4では、方法400が、FMC E(n)レーティングID402及びEEC E(n)レーティングID404に基づく。FMC E(n)レーティングID402は、FMC110のNVM114からのエンジンレーティング識別子を含む。EEC E(n)レーティングID404は、EEC104から受け取ったエンジンレーティング識別子を含む。FMC E(n)レーティングID402の各エンジンレーティング識別子は、指標nによって示されているように、航空機100のエンジン102のうちの対応する1つ用のものである。同様に、EEC E(n)レーティングID404の各エンジンレーティング識別子は、指標nによって示されているように、航空機100のエンジン102のうちの対応する1つ用のものである。各指標nは、航空機のエンジン102のセットの中から1つのエンジン102を一意に特定するために割り当てられた整数値である。例えば、エンジン102Aは、指標値n=1が割り当てられてよく、エンジン102Bは、指標値n=2が割り当てられ得る。この実施例では、FMC E(1)レーティングID402が、エンジン102A用のNVM114内に記憶されているエンジンレーティング識別子を指し、EEC E(1)レーティングID404は、EEC104Aから受け取られた同じエンジン(すなわち、エンジン102A)用のエンジンレーティング識別子を指す。同様に、FMC E(2)レーティングID402は、エンジン102B用のNVM114内に記憶されているエンジンレーティング識別子を指し、EEC E(2)レーティングID404は、EEC104Bから受け取られた同じエンジン(すなわち、エンジン102B)用のエンジンレーティング識別子を指す。3つ以上のエンジン102を含む航空機100では、3以上の指標値nが他のエンジン102に割り当てられる。
【0052】
[0060] 方法400は、各エンジン102用のローカルエンジンレーティング識別子(ローカルE(n)レーティングID)430を選択するための動作406のセットを含む。図4で示されている一実施例では、ローカルE(n)レーティングID430を選択するための動作406が、各エンジンについて、EEC E(n)レーティングID404及びFMC E(n)レーティングID402が有効であるかどうかを判定することを含む。図4で示されている一実施例では、これらの判定が、特定の順序で順次実行されるように示されているが、これらの判定は、並行して又は図4で示されているものとは異なる順序で実行され得る。図4で示されている特定の一実施例では、方法400が、ブロック408において、各EEC E(n)レーティングID404が有効であるかどうかを判定すること、その後、ブロック410又はブロック420において、対応するFMC E(n)レーティングID402が有効であるかどうかを判定することを含む。特定の一態様では、FMC110が、EEC E(n)レーティングID404及びFMC E(n)レーティングID402の有効性を判断するために使用される、有効なエンジンレーティング識別子のリストを記憶し得る。
【0053】
[0061] 図4では、特定のエンジンE(n)について、EEC E(n)レーティングID404が有効であり、かつ、対応するFMC E(n)レーティングID402も有効である場合、方法400は、ブロック412において、FMC E(n)レーティングID402がEEC E(n)レーティングID404に等しいかどうかを判定することを含む。FMC E(n)レーティングID402がEEC E(n)レーティングID404に等しい場合、エンジン用のローカルE(n)レーティングID430が、ブロック414において、エンジン用のEEC E(n)レーティングID404に等しくなるように設定される。FMC E(n)レーティングID402がEEC E(n)レーティングID404に等しくない場合、ブロック416において、エンジン用のFMC E(n)レーティングID402が変更されたことを示すフラグが設定されて、ブロック418において、エンジン用のローカルE(n)レーティングID430が、エンジン用のEEC E(n)レーティングID404に等しくなるように設定される。
【0054】
[0062] 図4では、特定のエンジンE(n)について、EEC E(n)レーティングID404が有効であり、かつ、対応するFMC E(n)レーティングID402が有効でない場合、方法400は、ブロック416において、エンジン用のFMC E(n)レーティングID402が変更されたことを示すフラグを設定して、ブロック418において、エンジン用のローカルE(n)レーティングID430が、エンジン用のEEC E(n)レーティングID404に等しくなるように設定することを含む。
【0055】
[0063] 特定のエンジンE(n)用のEEC E(n)レーティングID404が有効でなく、かつ、対応するFMC E(n)レーティングID402が有効である場合、方法400は、ブロック422において、エンジン用のローカルE(n)レーティングID430が、エンジン用のFMC E(n)レーティングID402に等しくなるように設定することを含む。特定のエンジンE(n)用のEEC E(n)レーティングID404が有効でなく、かつ、対応するFMC E(n)レーティングID402が有効でない場合、方法400は、ブロック424において、エンジン用のローカルE(n)レーティングID430を無効に設定することを含む。
【0056】
[0064] エンジン用のローカルE(n)レーティングID430が決定された後で、方法400は、ブロック432において、ローカルE(n)レーティングID430を対応するローカルE(n) TRM ID434にマッピングすることを含む。マッピングは、エンジンレーティング識別子を推力モデル識別子にマッピングするマッピングデータを使用して、ルックアップ動作を介して実行され得る。
【0057】
[0065] 図5は、比較ターゲットとして方法600において使用される単一のローカルTRM ID520を決定するための動作502の特定の一実施例を示す方法500を示す。動作502は、ローカルE(n) TRM ID434の中からローカルTRM ID520を選択するために使用され得る動作の単なる一実施例を示す。
【0058】
[0066] 図5では、動作502が、ブロック504において、エンジンレーティング変更フラグが真(TRUE)に設定されているかどうかを判定する。例えば、エンジンレーティング変更フラグが、偽(FALSE)値に初期化され、エンジン用のEEC E(n)レーティングID404が有効であり、かつ、FMC E(n)レーティングID402が有効でないという判定に応じて、又は、エンジン用のEEC E(n)レーティングID404が有効であり、かつ、FMC E(n)レーティングID402が有効であり、かつ、エンジン用のFMC E(n)レーティングID402がエンジン用のEEC E(n)レーティングID404に等しくないという判定に応じて、図4のブロック416において真に変更され得る。
【0059】
[0067] 図5では、エンジンレーティング変更フラグが真に設定されている場合、方法500は、ブロック506において、デフォルトエンジン(図5のエンジンE(1))用のローカルE(n) TRM ID434を、比較ターゲットとして使用されるローカルTRM ID520として選択することを含む。エンジンレーティング変更フラグが真に設定されていない場合(例えば、偽である)、動作502は、エンジン用のFMC E(n)レーティングID508を読み出して、ブロック510において、FMC E(n)レーティングID508が有効であるかどうかを判定することを含む。FMC E(n)レーティングID508が有効でない場合、デフォルトエンジンは、ブロック506において、比較ターゲットとして使用されるローカルTRM ID520として選択される。FMC E(n)レーティングID508が有効である場合、方法500は、ブロック512において、FMC E(n)レーティングID508をローカルE(n) TRM IDにマッピングし(例えば、ブロック432において使用されるマッピングデータを使用して)、ローカルE(n) TRM IDを比較ターゲットとして使用されるローカルTRM ID520として使用することを含む。
【0060】
[0068] 図6は、エンジンの全てに共通な推力モデルレーティング識別子(例えば、共通のTRMレーティングID)を決定するための方法600の特定の一実施例を示す。方法600は、ローカルE(n) TRM IDの中から共通のTRM IDを選択するために使用され得る動作の単なる一実施例を示す。
【0061】
[0069] 図6では、ブロック650において、プレースホルダー変数(p)がゼロに初期化され、ブロック602において、指標nの特定の値が設定される(最初の反復中に)か又はインクリメントされる(その後の反復において)。方法600はまた、ブロック604において、指標nの現在の値に対応するエンジン用のローカルE(n) TRM IDが有効かどうかを判定することも含む。ローカルE(n) TRM IDが有効でない場合、方法600は、ブロック602に戻り、指標n値をインクリメントする。
【0062】
[0070] ローカルE(n) TRM IDが有効である場合、方法600は、ブロック606において、ローカルE(n) TRM IDがローカルTRM ID520(例えば、以前に選択された比較ターゲット)に等しいかどうかを判定することを含む。ローカルE(n) TRM IDがローカルTRM ID520に等しい場合、方法600は、ブロック608において、プレースホルダー変数pの値を指標nの値に設定すること、及び、ブロック610において、エンジンの全て(例えば、指標nの各値)がチェックされたかどうかを判定することを含む。
【0063】
[0071] エンジンの全てがチェックされていない場合、方法600は。ブロック602に戻り、指標nをインクリメントする。エンジンの全てがチェックされた場合、方法600は、ブロック612において、プレースホルダー変数pの値がゼロかどうかを判定することを含む。ブロック612においてプレースホルダー変数pの値がゼロに等しい場合、これは次のことを示す。すなわち、プレースホルダー変数pの値をゼロからエンジンの指標nにリセットする(例えば、ブロック608において)条件を満たすエンジンが存在しない。したがって、ブロック612において、プレースホルダー変数pの値がゼロに等しい場合、方法600は、ブロック624において故障表示をもたらし、その場合、方法600が、定期的なI/O処理を終了し得る(例えば、ブロック228において)。
【0064】
[0072] ブロック612においてプレースホルダー変数pの値がゼロに等しくない場合、方法600は、ブロック614において、共通のTRMレーティングIDをE(p) TRMレーティングIDに等しく設定する(ここで、プレースホルダー変数pの値は、エンジンを指定するための指標として使用される)。
【0065】
[0073] ブロック606に戻って、ローカルE(n) TRM IDがローカルTRM ID520に等しくない場合、方法600は、ブロック620において、問題の特定のエンジン用のローカルE(n) TRM IDに関連付けられた許可されたプロキシ(AP)E(n) TRM IDのセットを特定することを含む。この文脈では、AP E(n) TRM IDが、エンジンに関連付けられたTRM IDのスーパーセットを含む。ローカルE(n) TRM IDは、そのスーパーセットのサブセットである。AP E(n) TRM IDの他のTRM IDは、(ローカルE(n) TRM IDに関連付けられたベースライン値に対して)ステップダウンした性能条件、又はステップアップした性能条件に関連付けられる。エンジンは、ステップダウンした及びステップアップした性能条件で動作することができるが、それらは、エンジンに関連付けられたデフォルトの(例えば、最適な)性能条件ではない。
【0066】
[0074] 方法600は、ブロック622において、任意のAP E(n) TRM IDがローカルTRM ID520に一致するかどうかを判定することを含む。AP E(n) TRM IDのうちの1つが、ローカルTRM ID520に一致する場合、方法600は、ブロック610に進む。AP E(n)TRM IDのいずれも、ローカルTRM ID520に一致しない場合、方法600は、ブロック638において、エンジンの全てが、AP E(n)TRM IDに等しいローカルTRM IDに関連付けられているかどうかの判定を含む。エンジンの全てが、AP E(n)TRM IDに等しいローカルTRM IDに関連付けられている場合、方法600は、ブロック640において、ローカルTRM ID520
をローカルE(n) TRM IDに等しく設定すること、及び、ブロック608に戻ることを含む。エンジンの全てがAP E(n)TRM IDに等しいローカルTRM IDに関連付けられているわけではない場合、方法600は、ブロック642において、故障表示をもたらす(例えば、少なくとも1つのエンジンが互換性のあるTRM IDを有さないので)。
【0067】
[0075] 図2戻って参照すると、選択範囲を狭める処理が終了した後で、ブロック232において、方法200は、ブロック234において、レーティング処理を開始することを含む。レーティング処理は、必要に応じて、NVM114において記憶されているエンジンデータ120を更新するための動作、ならびにエラーチェック動作を含む。例えば、特定のエンジン用のNVM CRCデータ及びエンジンデータ120がクリアされた場合、図3のブロック306において、エンジン102用のEEC104から受け取られた新しいCRCデータ及びエンジンデータが、レーティング処理の一部としてNVM114に記憶される。
【0068】
[0076] 図7は、レーティング処理を実行するための方法700の特定の一実施例を示す。方法700は、レーティングを処理するために使用され得る動作の単なる一実施例を示す。方法700によって実行されるレーティング処理は、方法200内の異なる時間において実行され得る。例えば、レーティング処理は、選択範囲を狭める処理の前に実行され得る。
【0069】
[0077] 方法700は、処理が生じたときに受け取られた各EEC E(n)レーティングID対して実行される動作のセットを含む。方法700の動作は、ブロック704において、FMC E(n)レーティングIDがNVM114において利用可能であるかどうかを判定することを含む。例えば、FMC E(n)レーティングIDが、ブロック306において、NVM114からクリアされた場合、FMC E(n)レーティングIDは、ブロック704において判定が実行されるときに、利用可能ではないだろう。FMC E(n)レーティングIDがNVM114において利用可能でない場合、方法700は、ブロック706において、EECからのE(n)レーティングID(すなわち、EEC E(n)レーティングID)をFMC110のNVM114内に記憶することを含む。したがって、EEC E(n)レーティングIDは、この状況ではFMC E(n)レーティングIDになる。
【0070】
[0078] ブロック704において、FMC E(n)レーティングIDがNVM114において利用可能である場合、方法700は、ブロック708において、EEC E(n)レーティングIDがFMC E(n)レーティングIDに等しいかどうかを判定することを含む。EEC E(n)レーティングIDがFMC E(n)レーティングIDに等しくない場合、方法700は、ブロック706に進み、EEC E(n)レーティングIDをFMC E(n)レーティングIDとして記憶する。EEC E(n)レーティングIDがFMC E(n)レーティングIDに等しい場合、方法700は、ブロック710において、EEC E(n)CRCデータが利用可能かどうかを判定することを含む。
【0071】
[0079] ブロック710において、EEC E(n) CRCデータが利用可能でない場合、又は、ブロック706において、EEC E(n) CRCデータがFMC E(n)レーティングIDとして記憶された場合、方法700は、ブロック712において、特定のエンジン用のEECからのE(n) CRCデータを要求することと、ブロック714において、特定のエンジン用のEECからのE(n) エンジンデータを要求することとを含む。方法700はまた、ブロック716において、EECから受け取ったE(n) エンジンデータに基づいて、E(n) CRC値を計算すること、及び、ブロック718において、受け取られたE(n) CRCデータが、EECから受け取られたE(n)エンジンデータに基づいて計算されたE(n) CRC値と一致するかどうかを判定することを含む。受け取られたE(n) CRCデータが、EECから受け取られたE(n)エンジンデータに基づいて計算されたE(n) CRC値と一致しない場合、方法700は、ブロック720において、故障状態を報告すること、及び、ブロック228において、定期的なI/O処理を終了することを含む。
【0072】
[0080] 受け取られたE(n) CRCデータが、EECから受け取られたE(n)エンジンデータに基づいて計算されたE(n) CRC値と一致する場合、又は、ブロック710において、EEC E(n) CRCデータが利用可能である場合、方法700は、ブロック722において、全ての受け取られたレーティングIDが処理されたかどうかを判定することを含む。受け取られたレーティングIDの全てが、処理されていない場合、方法700は、ブロック704に戻り、他の受け取られたレーティングIDを処理する。受け取られたレーティングIDの全てが処理された場合、方法700は、ブロック236において、レーティング処理を終了する。
【0073】
[0081] 図2戻って参照すると、ブロック236において、レーティング処理が終了した後で、方法200が、ブロック238において、選択処理を開始することを含む。選択処理は、後続の使用のためのレーティング情報を選択するための動作を含む。図8は、選択処理を実行するための方法800の特定の一実施例を示す。方法800は、選択処理のために使用され得る動作の単なる一実施例を示す。
【0074】
[0082] 方法800は、ブロック802において、航空機100の全てのEECからのエンジンデータが、受け取られ、チェックされたかどうかを判定することを含む。航空機100のEECの全てからのエンジンデータが、受け取られ、チェックされた場合、方法800は、ブロック240において、選択処理を終了する。
【0075】
[0083] 航空機100のEECの全てからのエンジンデータが、受け取られ、チェックされていない場合、方法800は、航空機100のエンジン102に関連付けられたエンジンレーティングを比較することを繰り返す。エンジンレーティングを繰り返すことは、ブロック804において、指標nを1に等しく設定することを含む。方法800はまた、ブロック806において、E(n)レーティングIDが、選択範囲を狭める処理を介して特定された共通のレーティングIDに等しいかどうかを判定することも含む。E(n)レーティングIDが共通のレーティングIDに等しくない場合、方法800は、ブロック808において、指標nをインクリメントすることを含む。方法800は、更に、ブロック810において、エンジンの全て用のデータがチェックされたかどうか(例えば、指標nの値が航空機100のエンジンのカウントNを超えたかどうか)を判定することを含む。エンジンの全て用のデータがチェックされた場合、方法800は、ブロック812において、無効なインターミックスダウンミックス選択による故障状態を報告することを含む。エンジンの全て用のデータがチェックされていない場合、方法800は、ブロック806に戻る。
【0076】
[0084] ブロック806において、E(n)レーティングIDが、選択範囲を狭める処理を介して特定された共通のレーティングIDに等しい場合、方法800は、ブロック816において、エンジンn用のE(n) CRCデータが、FMC110のNVM114内に記憶されているかどうかを判定することを含む。E(n) CRCデータが、NVM114内に記憶されている場合、方法800は、ブロック820において、FMC E(n) CRCデータがEEC E(n) CRCデータと一致するかどうかを判定することを含む。
【0077】
[0085] FMC E(n) CRCデータがEEC E(n) CRCデータと一致するか、又はエンジン用のE(n) CRCデータがNVM114内に記憶されていない場合、方法800は、ブロック818において、E(n) CRCデータ及びエンジンデータをFMC110のNVM114に記憶することを含む。方法800は、FMC E(n) CRCデータがEEC E(n) CRCデータと一致するという判定に基づいて、又はE(n) CRCデータ及びエンジンデータがNVM114に記憶された後で、ブロック240において、選択プロセスを終了する。図2に戻って参照すると、選択プロセスが終了した後で、ブロック240において、方法200は、ブロック208に戻る。
【0078】
[0086] 図9は、図1のFMC110を含む航空機のライフサイクルを表す方法900を示すフローチャートである。製造前の段階で、例示的な方法900は、902において、図1を参照しながら説明された航空機100などの航空機の仕様及び設計を含む。航空機の仕様及び設計中に、方法900は、FMC110の仕様及び設計を含み得る。904において、方法900は、材料の調達を含む。材料の調達は、FMC110用の材料を調達することを含み得る。
【0079】
[0087] 製造の段階で、方法900は、906において、構成要素及びサブアセンブリの製造を含み、908において、航空機のシステムインテグレーションを含む。例えば、方法900は、FMC110の構成要素及びサブアセンブリの製造、並びにFMC110のシステムインテグレーションを含み得る。910において、方法900は、航空機の認可及び納品を含み、912において、航空機を運航させることを含む。認可及び納品は、FMC110を供用するためのFMC110の認可を含み得る。顧客により運行される間、航空機は、定期的な整備及び保守(改造、再構成、改修等も含み得る)が予定され得る。914において、方法900は、航空機の整備及び保守を実行することを含む。整備及び保守は、FMC110の整備及び保守を実行することを含み得る。
【0080】
[0088] 方法900のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって、実行され得るか又は実施され得る。この説明目的で、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システムの下請業者を含んでよいがこれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者及び供給業者を含んでよいがこれらに限定されず、且つ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってよい。
【0081】
[0089] 本開示の複数の態様は、ビークル(vehicle)の一実施例の文脈において説明され得る。図1の航空機100の特定の一実施例が、図10で示されている。
【0082】
[0090] 図10の一実施例では、航空機100が、複数のシステム1020を有する機体1018と内装1022とを含む。複数のシステム1020の複数の例は、推進システム1024、電気システム1026、環境システム1028、及び液圧システム1030のうちの1以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。図10で示されている一実施例では、推進システム1024が、エンジン102及びEEC104を含む。図10の一実施例のシステム1020はまた、図1のFMC110も含む。
【0083】
[0091] 図11は、本開示による、コンピュータに実装される方法及びコンピュータで実行可能なプログラム命令(又はコード)の諸態様をサポートするように構成されたコンピューティングデバイス1110を含むコンピューティング環境1100のブロック図である。例えば、コンピューティングデバイス1110又はその部分は、複数の命令を実行して、図1から図10を参照しながら説明された1以上の動作を、開始、実行、又は制御するように構成されている。
【0084】
[0092] コンピューティングデバイス1110は、1以上のプロセッサ1120を含む。(1以上の)プロセッサ1120は、システムメモリ1130、1以上の記憶デバイス1140、1以上の入力/出力インターフェース1150、1以上の通信インターフェース1160、又はこれらの任意の組み合わせと通信するように構成されている。システムメモリ1130は、揮発性メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)デバイス)、不揮発性メモリデバイス(例えば、読み出し専用メモリ(ROM:read-only memory)デバイス、プログララム可能な読み出し専用メモリ、及びフラッシュメモリ)、又はその双方を含む。システムメモリ1130は、オペレーティングシステム1132を記憶しており、このオペレーティングシステム1132は、コンピューティングデバイス1110を起動するための基本入力/出力システムと、コンピューティングデバイス1110が、ユーザ、他のプログラム、又は他のデバイスと連携することを可能にする完全なオペレーティングシステムとを含み得る。システムメモリ1130は、エンジンデータ120などのシステム(プログラム)データ1136を記憶する。
【0085】
[0093] システムメモリ1130は、(1以上の)プロセッサ1120によって実行可能な1以上のアプリケーション1134(例えば、命令の集合)を含む。一実施例として、1以上のアプリケーション1134には、図1図10を参照しながら説明された1以上の動作を、開始、制御、又は実施するために(1以上の)プロセッサ1120によって実行可能な命令が含まれる。図示されているように、1以上のアプリケーション1134には、特徴抽出モデル122、訓練済み自律エージェント124、又はそれらの組み合わせを参照しながら説明された1以上の動作を開始、制御、又は実行するために(1以上の)プロセッサ1120によって実行可能な複数の命令が含まれる。
【0086】
[0094] 1以上のストレージデバイス1140は、磁気ディスク、光ディスク、又はフラッシュメモリデバイスなどの、不揮発性のストレージデバイスを含む。特定の一実施例では、ストレージデバイス1140が、取り外し可能なメモリデバイスと取り外し不可能なメモリデバイスとの両方を含む。ストレージデバイス1140は、オペレーティングシステム、オペレーティングシステムの画像、アプリケーション(例えば、1以上のアプリケーション1134)、及びプログラムデータ(例えば、プログラムデータ1136)を記憶するよう構成されている。特定の一態様では、システムメモリ1130、ストレージデバイス1140、又はその両方が、有形のコンピュータ可読媒体を含む。特定の一態様では、ストレージデバイス1140のうちの1以上が、コンピューティングデバイス1110の外部に存在する。
【0087】
[0095] 1以上の入力/出力インターフェース1150は、ユーザとの相互作用を容易にするために、コンピューティングデバイス1110が1以上の入力/出力デバイス1170と通信することを可能にする。例えば、1以上の入力/出力インターフェース1150は、ディスプレイインターフェース、入力インターフェース、又はその双方を含み得る。例えば、入力/出力インターフェース1150は、ユーザから入力を受け取り、他のコンピューティングデバイスから入力を受け取り、又はこれらを組み合わせて行うよう適合されている。幾つかの実施態様において、入力/出力インターフェース1150は、シリアルインターフェース(例えば、USB(universal serial bus)インターフェース、又は、(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)インターフェース標準)、パラレルインターフェース、表示アダプタ、音声アダプタ、又は、カスタムインターフェースを含む、1つ以上の標準インターフェースプロトコルに準拠している(「IEEE」は、Institute of Electrical and Electronics Engineers、Inc. of Piscataway(ニュージャージー州)の登録商標である)。幾つかの実施態様では、入力/出力デバイス1170が、ボタン、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、タッチスクリーン、及び他のデバイスの何らかの組み合わせを含む、1以上のユーザインターフェースデバイス、及びディスプレイを含む。
【0088】
[0096] (1以上の)プロセッサ1120は、1以上の通信インターフェース1160を介して、デバイス又はコントローラ1180と通信するように構成されている。例えば、1以上の通信インターフェース1160は、ネットワークインターフェースを含み得る。デバイス又はコントローラ1180は、例えば、EEC104、1以上の他のデバイス、又は、これらの任意の組み合わせを含み得る。
【0089】
[0097] 幾つかの実施態様では、非一過性のコンピュータ可読媒体が、命令を記憶する。該命令は、1以上のプロセッサによって実行されると、1以上のプロセッサに、上述された機能の一部又は全部を実行するための動作を開始、実行、又は制御させる。例えば、命令は、図1図11の動作又は方法のうちの1以上を実施するために実行可能であってよい。幾つかの実施態様では、図1図11の動作又は方法のうちの1以上の一部又は全部が、専用のハードウェア回路によって命令を実行する1以上のプロセッサ(例えば、1以上の中央処理装置(CPU:central processing unit)、1以上のGPU(graphics processing unit)、1以上のデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor))、又はこれらの任意の組み合わせによって実施されてよい。
【0090】
[0098] 本開示の特定の複数の態様は、相互に関連する複数の実施例のセットとして以下で説明される。
【0091】
[0099] 実施例1によれば、方法が、航空機の飛行管理コンピュータ(FMC)の1以上のプロセッサによって、前記FMCの不揮発性メモリから第1のエンジンデータにアクセスすること、及び、前記1以上のプロセッサによって、前記第1のエンジンデータに関連付けられた第1のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の推力モデル用のエンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、少なくとも前記第1のエンジンデータに基づいて、1以上のエラーチェック動作を実行することを含む。
【0092】
[00100] 実施例2は、実施例1の方法を含む。その場合、前記1以上のエラーチェック動作は、前記第1のエンジンデータに基づいて巡回冗長検査(CRC)値を計算すること、及び計算された前記CRC値を前記FMCの前記不揮発性メモリからのCRC値と比較することを含む。
【0093】
[00101] 実施例3は、実施例1又は2の方法を含む。その場合、前記1以上のエラーチェック動作は、電子エンジンコントローラ(EEC)から受け取られたCRC値を、前記FMCの前記不揮発性メモリからの対応するCRC値と比較することを含む。
【0094】
[00102] 実施例4は、実施例3の方法を含み、更に、前記1以上のエラーチェック動作の結果に基づいて、前記FMCの前記不揮発性メモリから前記第1のエンジンデータをクリアすることを含む。
【0095】
[00103] 実施例5は、実施例1から4のいずれか1つの方法を含み、更に、前記FMCの前記1以上のプロセッサにおいて、前記航空機の第1のEECから、前記航空機の第1のエンジンに関連付けられた第1の推力レーティング識別子を受け取ること、前記FMCの前記1以上のプロセッサにおいて、前記航空機の第2のEECから、前記航空機の第2のエンジンに関連付けられた第2の推力レーティング識別子を受け取ること、及び、前記第1の推力レーティング識別子、前記第2の推力レーティング識別子、及び前記第1のエンジンレーティング識別子に基づいて、単一のレーティング識別子を決定することを含む。
【0096】
[00104] 実施例6は、実施例5の方法を含む。その場合、前記単一のレーティング識別子を決定することは、前記第1のエンジンについて、前記第1の推力レーティング識別子と前記第1のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第1のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子を第1のローカル推力レーティングモデル(TRM)識別子にマッピングすること、前記第2のエンジンについて、前記第2の推力レーティング識別子と前記FMCの前記不揮発性メモリからの第2のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第2のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子を第2のローカルTRM識別子にマッピングすること、単一のローカルTRM識別子を比較ターゲットとして指定すること、及び、共通のレーティング識別子を前記単一のレーティング識別子として特定するために、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子、又はそれらの両方を、前記比較ターゲットと比較することを含む。
【0097】
[00105] 実施例7は、実施例1から6のいずれか1つの方法を含み、更に、前記FMCのパワーアップ後に、センサデータを受け取ることを含む。その場合、前記航空機が地上にあることを前記センサデータが示していることに応じて、前記第1のエンジンデータはアクセスされる。
【0098】
[00106] 実施例8は、実施例7の方法を含み、更に、前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択した後で、前記エンジン推力レーティングに基づいて、1以上の機内計算を実行することを含む。
【0099】
[00107] 実施例9は、実施例1から8のいずれか1つの方法を含み、更に、前記FMCの前記不揮発性メモリから、前記航空機の1以上の更なるエンジンの各エンジン用の更なるエンジンデータにアクセスすること、及び、前記1以上のプロセッサによって、前記更なるエンジンデータに関連付けられた1以上のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、前記更なるエンジンデータに基づいて、1以上の更なるエラーチェック動作を実行することを含む。
【0100】
[00108] 実施例10によれば、デバイス(ライン交換ユニット(LRU)など)が、複数の命令を記憶するように構成されたメモリ、及び、前記複数の命令を実行して、実施例1から9のいずれか1つの方法を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0101】
[00109] 実施例11によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体が、複数の命令を記憶する。前記複数の命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに実施例1から9のいずれか1つの方法を実行させる。
【0102】
[00110] 実施例12によれば、装置が、実施例1から9のいずれか1つの方法を実施するための手段を含む。
【0103】
[00111] 実施例13によれば、航空機が、2つ以上のエンジン、2つ以上のEECであって、各EECは、前記2つ以上のエンジンのうちの対応する1つに関連付けられている、2つ以上のEEC、及び、前記2つ以上のEECに通信可能に結合されたFMCを含む。その場合、前記FMCは、不揮発性メモリと1以上のプロセッサとを含む。前記1以上のプロセッサは、前記不揮発性メモリから第1のエンジンデータにアクセスすること、及び、前記第1のエンジンデータに関連付けられた第1のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の推力モデル用のエンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、少なくとも前記第1のエンジンデータに基づいて、1以上のエラーチャック動作を実行すること、を実行するように構成されている。
【0104】
[00112] 実施例14は、実施例13の航空機を含む。その場合、前記1以上のエラーチェック動作は、前記第1のエンジンデータに基づいてCRC値を計算すること、及び計算された前記CRC値を前記FMCの前記不揮発性メモリからのCRC値と比較することを含む。
【0105】
[00113] 実施例15は、実施例13又は14の航空機を含む。その場合、前記1以上のエラーチェック動作は、EECから受け取られたCRC値を、前記FMCの前記不揮発性メモリからの対応するCRC値と比較することを含む。
【0106】
[00114] 実施例16は、実施例15の航空機を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、更に、前記1以上のエラーチェック動作の結果に基づいて、前記FMCの前記不揮発性メモリから前記第1のエンジンデータをクリアするように構成されている。
【0107】
[00115] 実施例17は、実施例13から16のいずれか1つの航空機を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、更に、前記2つ以上のEECのうちの第1のEECから、前記航空機の第1のエンジンに関連付けられた第1の推力レーティング識別子を受け取ること、前記2つ以上のEECのうちの第2のEECから、前記航空機の第2のエンジンに関連付けられた第2の推力レーティング識別子を受け取ること、並びに、前記第1の推力レーティング識別子、前記第2の推力レーティング識別子、及び第1のエンジンレーティング識別子に基づいて、単一のレーティング識別子を決定すること、を実行するように構成されている。
【0108】
[00116] 実施例18は、実施例17の航空機を含む。その場合、前記単一のレーティング識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記第1のエンジンについて、前記第1の推力レーティング識別子と前記第1のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第1のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子を第1のローカルTRM識別子にマッピングすること、前記第2のエンジンについて、前記第2の推力レーティング識別子と前記FMCの前記不揮発性メモリからの第2のエンジンレーティング識別子とに基づいて、第2のローカルエンジンレーティング識別子を決定すること、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子を第2のローカルTRM識別子にマッピングすること、単一のローカルTRM識別子を比較ターゲットとして指定すること、及び、共通のレーティング識別子を前記単一のレーティング識別子として特定するために、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子、又はそれらの両方を、前記比較ターゲットと比較すること、を実行するように構成されている。
【0109】
[00117] 実施例19は、実施例13から18のいずれか1つの航空機を含み、更に、前航空機が地上にあるかどうかを示すセンサデータを生成するように構成された1以上のセンサを含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、前記不揮発性メモリからエンジンデータにアクセスし、前記航空機が前記地上にあることを示す前記センサデータに基づいて、前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択するように構成されている。
【0110】
[00118] 実施例20は、実施例19の航空機を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、更に、前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択した後で、前記エンジン推力レーティングに基づいて1以上の機内計算を実行するように構成されている。
【0111】
[00119] 実施例21は、実施例13から20のいずれか1つの航空機を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、更に、前記不揮発性メモリから、前記2つ以上のエンジンの各更なるエンジン用の更なるエンジンデータにアクセスすること、及び、前記更なるエンジンデータに関連付けられた1以上のエンジンレーティング識別子に部分的に基づいて、前記航空機の前記推力モデル用の前記エンジン推力レーティングを選択するかどうかを判定するために、前記更なるエンジンデータに基づいて、1以上の更なるエラーチェック動作を実行すること、を実行するように構成されている。
【0112】
[00120] 実施例22によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体が、1以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を記憶する。前記複数の命令は実行されると、前記1以上のプロセッサに、FMCの不揮発性メモリから、航空機のエンジンに関連付けられたエンジンデータにアクセスすること、前記不揮発性メモリからアクセスされた少なくとも前記エンジンデータに基づいて、1以上のエラーチェック動作を実行すること、及び、前記航空機の推力モデル用のエンジン推力レーティングを選択すること、を実行させる。その場合、前記エンジン推力レーティングは、前期1以上のエラーチェック動作の結果に少なくとも部分的に基づいて、前記不揮発性メモリからアクセスされた前記エンジンデータの中から、又は前記航空機のEECから受け取られたエンジンデータから選択される。
【0113】
[00121] 実施例23は、実施例22の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記複数の命令は1以上のプロセッサによって実行可能であり。前記複数の命令は実行されると、前記1以上のプロセッサに、前記航空機の第1のエンジンについて、前記FMCからの前記エンジンデータに基づく第1のローカルエンジンレーティング識別子と前記第1のエンジンに関連付けられた第1のEECから受け取られる第1の推力レーティング識別子とを決定すること、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子を第1のローカルTRM識別子にマッピングすること、前記航空機の第2のエンジンについて、前記FMCからの前記エンジンデータに基づく第2のローカルエンジンレーティング識別子と前記第2のエンジンに関連付けられた第2のEECから受け取られる第2の推力レーティング識別子とを決定すること、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子を第2のローカルTRM識別子にマッピングすること、単一のローカルTRM識別子を比較ターゲットとして指定すること、前記第1のローカルエンジンレーティング識別子、前記第2のローカルエンジンレーティング識別子、又はそれらの両方を、前記比較ターゲットと比較することを実行すること、及び、前記比較に基づいて単一のレーティング識別子を決定すること、を実行させる。
【0114】
[00122] 実施例24によれば、方法が、航空機のFMCのパワーアップとそれに続く前記航空機の離陸との間に、前記FMCの1以上のプロセッサによって、前記航空機の複数のエンジンのうちの各それぞれの1つ用の少なくとも1つのローカルTRM識別子を含む、複数のローカルTRM識別子を決定すること、及び、前記FMCの前記1以上のプロセッサによって、前記複数のローカルTRM識別子に基づいて、前記航空機の飛行中に前記FMCによって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択することを含む。その場合、前記インターミックス推力モデルデータは、前記複数のエンジンに共通の推力モデル識別子に関連付けられている。
【0115】
[00123] 実施例25は、実施例24の方法を含む。その場合、前記複数のローカルTRMを決定することは、前記FMCの不揮発性メモリから、前記複数のエンジンのうちの特定のエンジン用のFMCエンジンレーティングにアクセスすること、前記特定のエンジンに関連付けられたEECから、前記特定のエンジン用のEECエンジンレーティングを取得すること、及び、前記特定のエンジン用の前記FMCエンジンレーティング又は前記特定のエンジン用の前記EECエンジンレーティングのうちの選択された一方に基づいて、前記特定のエンジン用のローカルレーティング識別子を決定することを含む。
【0116】
[00124] 実施例26は、実施例25の方法を含む。その場合、前記複数のローカルTRMを決定することは、前記特定のエンジン用の前記ローカルレーティング識別子と、レーティング識別子をTRM識別子にマッピングするマッピングデータとに基づいて、前記特定のエンジン用のローカルTRM識別子を決定することを含む。
【0117】
[00125] 実施例27は、実施例25又は26の方法を含む。前記複数のローカルTRMを決定することは、前記EECエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、前記特定のエンジン用の前記EECエンジンレーティングを前記ローカルレーティング識別子として選択することを含む。
【0118】
[00126] 実施例28は、実施例25から27のいずれか1つの方法を含む。その場合、前記複数のローカルTRM識別子を決定することは、前記EECエンジンレーティングが有効でなく、かつ、前記FMCエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、前記特定のエンジン用の前記FMCエンジンレーティングを前記ローカルレーティング識別子として選択することを含む。
【0119】
[00127] 実施例29は、実施例25から28のいずれか1つの方法を含み、更に、前記特定のエンジン用のEECエンジンレーティングが有効であり、かつ、前記特定のエンジン用のFMCエンジンレーティングが有効でないとの判断に基づいて、特定のエンジン用のエンジンデータ変更の検出を示すフラグを設定することを含む。
【0120】
[00128] 実施例30は、実施例24から29のいずれか1つの方法を含む。その場合、前記インターミックス推力モデルデータを選択することは、前記複数のローカルTRM識別子に基づいて、共通のレーティング識別子を決定することを含む。
【0121】
[00129] 実施例31は、実施例30の方法を含む。その場合、前記共通のレーティング識別子を決定することは、前記複数のローカルTRM識別子の中から代表的なローカルTRM識別子を選択すること、及び、前記複数のローカルTRM識別子の各々を、前記代表的なローカルTRM識別子と比較することを含む。
【0122】
[00130] 実施例32は、実施例31の方法を含む。その場合、前記代表的なローカルTRM識別子は、前記複数のローカルTRM識別子の各々が、前記代表的なローカルTRM識別子に一致するとの判断に基づいて、前記共通のレーティング識別子として指定される。
【0123】
[00131] 実施例33によれば、デバイス(LRUなど)が、複数の命令を記憶するように構成されたメモリ、及び、前記複数の命令を実行して、実施例24から32のいずれか1つの方法を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0124】
[00132] 実施例34によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体が、複数の命令を記憶する。前記複数の命令はプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに実施例24から32のいずれか1つの方法を実行させる。
【0125】
[00133] 実施例35によれば、装置が、実施例24から32のいずれか1つの方法を実施するための手段を含む。
【0126】
[00134] 実施例36によれば、航空機が、2つ以上のエンジン、2つ以上のEECであって、各EECは、前記2つ以上のエンジンのうちの対応する1つに関連付けられている、2つ以上のEEC、及び、前記2つ以上のEECに通信可能に結合されたFMCを含む。その場合、前記FMCは、前記FMCのパワーアップとそれに続く前記航空機の離陸との間に、前記2つ以上のエンジンのうちの各それぞれの1つ用の少なくとも1つのローカルTRM識別子を含む、複数のローカルTRM識別子を決定すること、及び、前記複数のローカルTRM識別子に基づいて、前記航空機の飛行中に前記FMCによって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択すること、を実行するように構成された1以上のプロセッサを含む。その場合、前記インターミックス推力モデルデータは、前記2つ以上のエンジンに共通な推力モデル識別子に関連付けられる。
【0127】
[00135] 実施例37は、実施例36の航空機を含む。その場合、前記複数のローカルTRM識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記FMCの不揮発性メモリから、前記2つ以上のエンジンのうちの第1のエンジン用の第1のFMCエンジンレーティングにアクセスすること、前記第1のエンジンに関連付けられた第1のEECから、前記第1のエンジン用の第1のEECエンジンレーティングを取得すること、及び、前記第1のFMCエンジンレーティング又は前記第1のEECエンジンレーティングのうちの選択された一方に基づいて、前記第1のエンジン用の第1のローカルレーティング識別子を決定すること、を実行するように構成されている。
【0128】
[00136] 実施例38は、実施例36又は37の航空機を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、前記第1のローカルレーティング識別子とレーティング識別子をTRM識別子にマッピングするマッピングデータとに基づいて、前記複数のローカルTRM識別子のうちの第1のローカルTRM識別子を決定するように構成されている。
【0129】
[00137] 実施例39は、実施例38の航空機を含む。その場合、前記第1のローカルTRM識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記第1のEECエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、前記第1のEECエンジンレーティングを前記第1のローカルレーティング識別子として選択するように構成されている。
【0130】
[00138] 実施例40は、実施例38又は39の航空機を含む。その場合、前記第1のローカルTRM識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記第1のEECエンジンレーティングが有効でなく、かつ、前記第1のFMCエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、前記第1のFMCエンジンレーティングを前記第1のローカルレーティング識別子として選択するように構成されている。
【0131】
[00139] 実施例41は、実施例37から40のいずれか1つの航空機を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、更に、前記特定のエンジン用のEECエンジンレーティングが有効であり、かつ、前記特定のエンジン用のFMCエンジンレーティングが有効でないとの判断に基づいて、特定のエンジン用のエンジンデータ変更の検出を示すフラグを設定するように構成されている。
【0132】
[00140] 実施例42は、実施例36又は41のいずれか1つの航空機を含む。その場合、前記インターミックス推力モデルデータを選択するために、前記1以上のプロセッサは、前記複数のローカルTRM識別子に基づいて、共通のレーティング識別子を決定するように構成されている。
【0133】
[00141] 実施例43は、実施例42の航空機を含む。その場合、前記共通のレーティング識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記複数のローカルTRM識別子の中から代表的なローカルTRM識別子を選択すること、及び、前記複数のローカルTRM識別子の各々を前記代表的なローカルTRM識別子と比較すること、を実行するように構成されている。
【0134】
[00142] 実施例44は、実施例43の航空機を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、前記複数のローカルTRM識別子の各々が前記代表的なローカルTRM識別子に一致するとの判断に基づいて、前記代表的なローカルTRM識別子を前記共通のレーティング識別子として指定するように構成されている。
【0135】
[00143] 実施例45によれば、非一過性のコンピュータ可読媒体が、1以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を記憶する。前記複数の命令は実行されると、前記1以上のプロセッサに、航空機のFMCのパワーアップとそれに続く前記航空機の離陸との間に、前記航空機の複数のエンジンのうちの各それぞれの1つ用の少なくとも1つのローカルTRM識別子を含む、複数のローカルTRM識別子を決定すること、前記複数のローカルTRM識別子に基づいて、前記航空機の飛行中に前記FMCによって使用されるインターミックス推力モデルデータを選択すること、を実行させる。前記インターミックス推力モデルデータは、前記複数のエンジンに共通な推力モデル識別子に関連付けられている。
【0136】
[00144] 実施例46は、実施例45の非一過性のコンピュータ可読媒体がを含む。その場合、前記複数のローカルTRM識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記FMCの不揮発性メモリから、前記複数のエンジンのうちの第1のエンジン用の第1のFMCエンジンレーティングにアクセスすること、前記第1のエンジンに関連付けられた第1のEECから、前記第1のエンジン用の第1のEECエンジンレーティングを取得すること、及び、前記第1のFMCエンジンレーティング又は前記第1のEECエンジンレーティングのうちの選択された一方に基づいて、前記第1のエンジン用の第1のローカルレーティング識別子を決定すること、を実行するように構成されている。
【0137】
[00145] 実施例47は、実施例45又は46の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、前記第1のローカルレーティング識別子とレーティング識別子をTRM識別子にマッピングするマッピングデータとに基づいて、前記複数のローカルTRM識別子のうちの第1のローカルTRM識別子を決定するように構成されている。
【0138】
[00146] 実施例48は、実施例47の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記第1のローカルTRM識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記第1のEECエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、前記第1のEECエンジンレーティングを前記第1のローカルレーティング識別子として選択するように構成されている。
【0139】
[00147] 実施例49は、実施例47又は48の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記第1のローカルTRM識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記第1のEECエンジンレーティングが有効でなく、かつ、前記第1のFMCエンジンレーティングが有効であるとの判断に基づいて、前記第1のFMCエンジンレーティングを前記第1のローカルレーティング識別子として選択するように構成されている。
【0140】
[00148] 実施例50は、実施例46から49のいずれか1つの非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、更に、前記特定のエンジン用のEECエンジンレーティングが有効であり、かつ、前記特定のエンジン用のFMCエンジンレーティングが有効でないとの判断に基づいて、エンジンデータ変更の検出を示すフラグを設定するように構成されている。
【0141】
[00149] 実施例51は、実施例45から50のいずれか1つの非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記インターミックス推力モデルデータを選択するために、前記1以上のプロセッサは、前記複数のローカルTRM識別子に基づいて、共通のレーティング識別子を決定するように構成されている。
【0142】
[00150] 実施例52は、実施例51の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記共通のレーティング識別子を決定するために、前記1以上のプロセッサは、前記複数のローカルTRM識別子の中から代表的なローカルTRM識別子を選択し、前記複数のローカルTRM識別子の各々を前記代表的なローカルTRM識別子と比較するように構成されている。
【0143】
[00151] 実施例53は、実施例52の非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。その場合、前記1以上のプロセッサは、前記複数のローカルTRM識別子の各々が前記代表的なローカルTRM識別子に一致するとの判断に基づいて、前記代表的なローカルTRM識別子を前記共通のレーティング識別子として指定するように構成されている。
【0144】
[00152] 本明細書で説明される複数の実施例の例示は、様々な実施態様の構造の概略的な理解をもたらすことを意図している。これらの例示は、本明細書で説明される構造又は方法を利用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴を網羅的に説明することを意図していない。本開示を精査することで、当業者には、他の多くの実現が明らかになり得る。本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更が行うことができるように、他の実現が利用され、本開示からもたらされ得る。例えば、図面に示す順序とは異なる順序で方法の工程を実施してもよく、又は、1以上の方法の工程を省略してもよい。これに対応して、本開示及び図面は、限定的というより例示的なものと見なすべきである。
【0145】
[00153] 更に、本明細書では具体的な例を図示及び説明してきたが、同一又は類似の結果を実現するよう設計された任意の後続の構成を、示された特定の実施態様と置き換えてもよい。本開示は、様々な実施態様の後続する任意の又は全ての適用例又は変形例を含むことが意図されている。上述の実施態様の組み合わせ、及び、本明細書で特段に説明していない他の実施態様は、本明細書を精査することで当業者には明らかになろう。
【0146】
[00154] 本開示の要約は、特許請求の範囲又は意味を解釈したり、又は限定したりするために使用されるものではないとの理解の下に提出される。加えて、上記の発明を実施するための形態では、本開示を簡潔にする目的で、様々な特徴が、群化されたり、又は、単一の実施態様内で説明されたりする場合がある。上述の例は、本開示を例示しているのであって、限定しているわけではない。本開示の原則にしたがって数多くの修正例及び変形例が可能であることも理解されたい。以下の特許請求の範囲に反映されているように、特許請求される発明の主題は、開示される実施例のいずれかの全ての特徴よりも少ない特徴を対応としている場合がある。これに対応して、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
【外国語明細書】