(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167170
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】コンテナ内の液体の水位を感知するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01F 23/292 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
G01F23/292 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024079686
(22)【出願日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】63/502,449
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/479,935
(32)【優先日】2023-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(71)【出願人】
【識別番号】524185157
【氏名又は名称】アドバンスト ファイバーオプティクス エンジニアリング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドラー, ジョン アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ライト, イレイン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ウィーラー, ティモシー ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】グロート, ジョン エバレット
(72)【発明者】
【氏名】ルーウィン, クリストファー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, マーク ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ノウルズ, パトリック デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ザノーラ, マルコ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】輸送体の燃料タンクなどのコンテナ内の液体の水位を効果的に、効率的に、かつ安全に感知するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システム(100)及び方法が、一又は複数の液体(102)を保持するように構成されたコンテナを含む。液体レベルセンサ(114)が、コンテナ(104)内に配置される。液体レベルセンサ(114)は、コンテナ(104)内の一又は複数の液体(102)の水位を感知するように構成された複数の感知要素(122)を含む。少なくとも1つの実施例では、感知要素(122)は光ファイバである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(100)であって、
一又は複数の液体(102)を保持するように構成されたコンテナ(104)と、
前記コンテナ(104)内に配置された液体レベルセンサ(114)と
を備え、前記液体レベルセンサ(114)が、前記コンテナ(104)内の前記一又は複数の液体(102)の水位を感知するように構成された複数の感知要素(122)を含む、システム(100)。
【請求項2】
前記感知要素(122)が、光ファイバである、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記液体(102)レベルセンサに連結されたマルチプレクサ(126)を更に備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記マルチプレクサ(126)が、前記コンテナ(104)内にある、請求項3に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記マルチプレクサ(126)が、モノリシック光集積回路を備える、請求項3に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記マルチプレクサ(126)に連結されたミラー(127)を更に備える、請求項3に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記コンテナ(104)内の温度が、前記マルチプレクサ(126)によって出力された信号によってモニタリングされる、請求項3に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記液体(102)レベルセンサと通信する制御ユニット(116)を更に備え、前記制御ユニット(116)が、前記複数の感知要素(122)から受信した光信号に基づき、前記コンテナ(104)内の前記一又は複数の液体(102)の前記水位を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記制御ユニット(116)が、前記コンテナ(104)内の異なる液体(102)を決定するように更に構成されている、請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項10】
光源を更に含み、前記制御ユニット(116)が、前記光源を動作させて、前記液体レベルセンサ(114)内に光を発するように更に構成されている、請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記制御ユニット(116)が、前記複数の感知要素(122)及び固定された反射チャネルから受信された信号の出力レべルに基づき、前記液体レベルセンサ(114)の健全性を決定するように更に構成されている、請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記コンテナ(104)が燃料タンクであり、前記一又は複数の液体(102)がジェット燃料を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項13】
前記液体レベルセンサ(114)に通信可能に連結する光回線(118)を更に備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項14】
前記光回線(118)が、前記コンテナ(104)の一部分を貫通する光ファイバである、請求項13に記載のシステム(100)。
【請求項15】
前記複数の感知要素(122)が、前記液体レベルセンサ(114)の高さに沿って、垂直に配置されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項16】
前記液体レベルセンサ(114)が、自己較正されるように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項17】
コンテナ(104)内に一又は複数の液体(102)を保持することと、
前記コンテナ(104)内に液体レベルセンサ(114)を配置することと
を含み、前記液体レベルセンサ(114)が、前記コンテナ(104)内の前記一又は複数の液体(102)の水位を感知するように構成された複数の感知要素(122)を含む、方法。
【請求項18】
前記感知要素(122)が、光ファイバである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
マルチプレクサ(126)を、前記複数の感知要素(122)に近接した前記液体レベルセンサ(114)に連結することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記マルチプレクサ(126)を、前記コンテナ(104)内に配置することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記マルチプレクサ(126)が、モノリシック光集積回路を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
ミラー(127)を前記マルチプレクサ(126)に連結することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記コンテナ(104)内の温度を、前記マルチプレクサ(126)によって出力された信号によってモニタリングすることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記液体レベルセンサ(114)と通信する制御ユニット(116)によって、前記複数の感知要素(122)から受信した光信号に基づき、前記コンテナ(104)内の前記一又は複数の液体(102)の前記水位を決定することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記制御ユニット(116)によって、前記コンテナ(104)内の異なる液体(102)を決定することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記制御ユニット(116)によって、光源を動作させて、前記液体レベルセンサ(114)内に光を発することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記制御ユニット(116)によって、前記複数の感知要素(122)から受信された信号の出力レべルに基づき、前記液体レベルセンサ(114)の健全性を決定することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記コンテナ(104)が燃料タンクであり、前記一又は複数の液体(102)がジェット燃料を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記液体レベルセンサ(114)に光回線(118)を通信可能に連結することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記光回線(118)が、前記コンテナ(104)の一部分を貫通する光ファイバである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の感知要素(122)が、前記液体レベルセンサ(114)の高さに沿って、垂直に配置される、請求項17に記載の方法。
【請求項32】
システム(100)であって、
一又は複数の液体(102)を保持するように構成されたコンテナ(104)と、
前記コンテナ(104)内に配置された液体レベルセンサ(114)であって、前記液体レベルセンサ(114)が、前記コンテナ(104)内の前記一又は複数の液体(102)の水位を感知するように構成された複数の感知要素(122)を含み、前記感知要素(122)が光ファイバである、液体レベルセンサ(114)と、
前記液体レベルセンサ(114)に連結されたマルチプレクサ(126)と、
前記マルチプレクサ(126)の一又は複数のチャネルに連結された反射面と、
前記液体レベルセンサ(114)と通信する制御ユニット(116)であって、前記制御ユニット(116)が、前記複数の感知要素(122)から受信した光信号に基づき、前記コンテナ(104)内の前記一又は複数の液体(102)の前記水位を決定するように構成された、制御ユニット(116)と、
光源であって、前記制御ユニット(116)が、前記光源を動作させて前記液体レベルセンサ(114)内に光を発するように更に構成された、光源と、
前記制御ユニット(116)を前記マルチプレクサ(126)に通信可能に連結する光回線(118)であって、前記光回線(118)が、前記コンテナ(104)の一部分を貫通する光ファイバである、光回線(118)と
を備える、システム(100)。
【請求項33】
前記マルチプレクサ(126)が、モノリシック光集積回路を備える、請求項32に記載のシステム(100)。
【請求項34】
前記コンテナ(104)内の温度が、前記マルチプレクサ(126)によって出力された信号によってモニタリングされる、請求項32に記載のシステム(100)。
【請求項35】
前記制御ユニット(116)が、前記コンテナ(104)内の異なる液体(102)を決定するように更に構成されている、請求項32に記載のシステム(100)。
【請求項36】
前記制御ユニット(116)が、前記複数の感知要素(122)及び固定された反射チャネルから受信された信号の出力レべルに基づき、前記液体レベルセンサ(114)の健全性を決定するように更に構成されている、請求項32記載のシステム(100)。
【請求項37】
前記液体レベルセンサ(114)が、自己較正されるように構成されている、請求項32に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2023年5月16日に出願された米国仮特許出願第63/502,449号の非仮変更であり、またこの優先権を主張し、同特許は、その全体が参照により本願に援用される。
【0002】
[0002]本開示の実施例は、広くは、燃料タンク内の液体燃料などの、コンテナ内の液体の水位を感知するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]様々なコンテナが、液体を保持するために使用され得る。例えば、貯水槽が水を保持し得る。輸送体の燃料タンクが燃料を保持する。
【0004】
[0004]多くの産業上、商業上、及び軍事上の用途において、コンテナの内部の液体の存在、特に水位を決定する必要がある。場合によっては、一又は複数の液体は、揮発性及び/又は可燃性の炭化水素など、危険性があり得る。例として、航空機、車、トラックなどの様々な輸送体は、燃料を保持する燃料タンクを含む。別の例として、精油所、燃料ステーション、空港、化学処置工場などは、燃料、他の液体、化学製品などを保存するための様々なタンクを含み得る。
【0005】
[0005]コンテナ内の液体レベルを感知するための既知の方法は、コンデンサ、抵抗器、又は超音波トランスデューサなどの一又は複数の電子装置を使用することを含む。しかしながら、かかる感知装置は、コンテナの内部への点火の潜在源を導入し、したがって、望ましくないことがあり、かつ/又は安全な使用を確保するために、注意深い設計、管理、及びメンテナンスを必要とし得る。
【発明の概要】
【0006】
[0006]輸送体の燃料タンクなどのコンテナ内の液体の水位を効果的に、効率的に、かつ安全に感知するためのシステム及び方法が必要とされている。
【0007】
[0007]このことを念頭に置いて、本開示の特定の実施例が、一又は複数の液体を保持するように構成されたコンテナを含むシステムを提供する。一又は複数の液体レベルセンサが、コンテナ内に配置(例えば設置)される。液体レベルセンサは、コンテナ内の一又は複数の液体の水位を感知するように構成された複数の感知要素を含む。少なくとも1つの実施例では、感知要素は光ファイバである。
【0008】
[0008]少なくとも1つの実施例では、システムは、液体レベルセンサに連結されたマルチプレクサも含む。更なる例として、マルチプレクサはコンテナ内にある。マルチプレクサは、モノリシック光集積回路を含み得る。
【0009】
[0009]少なくとも1つの実施例では、ミラーがマルチプレクサに連結される。
【0010】
[0010]少なくとも1つの実施例では、コンテナ内の温度が、マルチプレクサによって出力された信号によってモニタリングされる。
【0011】
[0011]少なくとも1つの実施例では、システムは、液体レベルセンサと通信する制御ユニットも含む。少なくとも1つの実施例では、制御ユニットはコンテナの外側にある。制御ユニットは、複数の感知要素から受信した光信号に基づき、コンテナ内の一又は複数の液体の水位を決定するように構成される。制御ユニットは、コンテナ内の異なる液体を決定するように更に構成され得る。
【0012】
[0012]少なくとも1つの実施例では、制御ユニットは、光源を動作させて一又は複数の液体レベルセンサ内に光を発するように更に構成される。
【0013】
[0013]制御ユニットは、複数の感知要素から受信された信号の出力レべルに基づき、液体レベルセンサの健全性を決定するように更に構成され得る。
【0014】
[0014]少なくとも1つの実施例では、コンテナは燃料タンクであり、一又は複数の液体はジェット燃料を含む。
【0015】
[0015]システムはまた、液体レベルセンサに通信可能に連結する光回線を含み得る。例として、光回線は、コンテナの一部分を貫通する光ファイバである。
【0016】
[0016]少なくとも1つの実施例では、複数の感知要素は、液体レベルセンサの高さに沿って、垂直に配置される。
【0017】
[0017]本開示の特定の実施例は、コンテナ内に一又は複数の液体を保持することと、コンテナ内に液体レベルセンサを配置する(例えば、設置する)こととを含む方法を提供する。液体レベルセンサは、コンテナ内の一又は複数の液体の水位を感知するように構成された複数の感知要素を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】[0018]本開示の実施例に係る、コンテナ内の液体の水位を感知するためのシステムの概略図である。
【
図2】[0019]本開示の実施例に係る、コンテナの内部空間内の液体レベルセンサの概略である。
【
図3】[0020]本開示の実施例に係る、ガス内の感知要素の端部の簡略図である。
【
図4】[0021]本開示の実施例に係る、液体内の感知要素の端部の簡略図である。
【
図5】[0022]本開示の実施例に係る、異なる液体に関する感知要素から予期される光信号のグラフである。
【
図6】[0023]本開示の実施例に係る、コンテナ内の液体の水位を感知するための方法のフロー図である。
【
図7】[0024]本開示の実施例に係る、航空機の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0025]上記の概要、並びに特定の実施例の以下の詳細な記載は、添付の図面と併せて読むことによってより良く理解されるであろう。本明細書で使用される際に、単数形で、及び、「1つの(「a」又は「an」)」という語の後に記載される要素又はステップは、複数のかかる要素又はステップを必ずしも除外しないと理解すべきである。なお、「一実施例」に言及する際には、同様に本明細書に記載の特徴が組み込まれている、更なる実施例の存在が除外されるという解釈は意図していない。更に、特定の条件を有する一又は複数の要素を「備える(comprising)」又は「有する(having)」実施例は、そうではないと明示的に述べられていない限り、かかる条件を有しない追加の要素を含み得る。
【0020】
[0026]
図1は、本開示の実施例による、コンテナ104内の液体102の水位を感知するためのシステム100の概略図を示す。コンテナ104は、液体102を保持するように構成された、容器、タンク、貯水槽などである。コンテナ104は、閉じられ得る。任意選択的に、コンテナ104は、例えば、開いた上端部を有し得る。少なくとも1つの実施例では、コンテナ104は、水などの液体102を保持するように構成された貯水槽である。別の実施例として、コンテナ104は、輸送体のなどの燃料タンクであり、液体102は輸送体用の燃料である。別の実施例として、コンテナ104は、様々な他の液体、化学製品などを保持するように構成されたタンクである。
【0021】
[0027]コンテナ104は、基部106、及び基部106から上方に延在する一又は複数の壁108を含む。少なくとも1つの実施例では、基部106から対向する上壁110が、一又は複数の壁108に接続する。上壁110は、開口部を含まない場合がある。任意選択的に、一又は複数の開口部は、上壁110に形成され得る。別の実施例として、コンテナ104は、上壁110を含まない場合がある。
【0022】
[0028]内部空間112は、基部106、一又は複数の壁108、及び上壁110の間に画定される。液体102は内部空間112内に保持される。
【0023】
[0029]光プローブなどの液体レベルセンサ114が、コンテナ104の内部空間112内に配置(例えば、据え付け、設置、取り付け、配設など)される。本明細書に記載のように、液体レベルセンサ114は、コンテナ104内の液体102の水位を感知、あるいはその他の方法で検出するように構成される。少なくとも1つの実施例では、液体レベルセンサ114は、例えば、有線接続又は無線接続を介して、制御ユニット116と通信している。例えば、光回線118は、一又は複数の壁108の一部分を貫通し、液体レベルセンサ114を制御ユニット116に通信可能に連結し得る。
【0024】
[0030]
図2は、本開示の実施例による、コンテナ104の内部空間112内の液体レベルセンサ114の概略を示す。液体レベルセンサ114は、複数の感知要素122を保持するハウジング120を含む。少なくとも1つの実施例では、感知要素122は、ファイバ光ストランドなどの光ファイバである。感知要素122は、液体レベルセンサ114の高さに沿って、垂直に配置される。したがって、感知要素122は、コンテナ104の内部空間112内の異なる水位に配置される。
【0025】
[0031]装着ブラケット124が、液体レベルセンサ114をコンテナ104の一部分に固定するために使用され得る。例えば、装着ブラケット124は、液体レベルセンサ114を、壁108、基部106、及び/又は上壁110の内面に固定し得る。少なくとも1つの実施例では、マルチプレクサ126は液体レベルセンサ114に連結される。少なくとも1つの実施例では、液体レベルセンサ114は、既知の場所でコンテナ104に固定される。更なる実施例として、液体レベルセンサ114は、自己較正し得る。特に、制御ユニット116は、液体レベルセンサ114の既知の場所、及び液体レベルセンサ114内の各感知要素の場所に関するデータを受信、あるいはさもなければ、このデータでプログラミングされる。このようにして、次いで制御ユニット116は、液体レベルセンサ114を較正し、そうしないと非離散センサによって受けられ得る較正ドリフトを回避し得る。
【0026】
[0032]示されるように、液体102は、感知要素122のサブセット122aが液体102内に沈められるコンテナ104内の水位にあり、一方、感知要素122のサブセット122bは、液体102の上面水位103の上方にある。本明細書に記載のように、液体レベルセンサ114は、感知要素122のどれが沈められるかを検出することによって、コンテナ104内に液体102の水位を決定するように構成される。
【0027】
[0033]
図1及び2を参照すると、少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116によって、一又は複数の光信号(例えば、広帯域光信号)が生成され、これは光感知プローブなどの、オプトエレクトロニクス調査ユニット、及び液体レベルセンサ114への出力であり得る。制御ユニット116は、コンテナ104の外側にあり得る。制御ユニット116は、光回線118によって液体レベルセンサ114と通信し得、光回線118は、一又は複数の光ファイバであり得るか、あるいはその他の方法で光ファイバを含む。液密フィードスルー119が、光回線118をコンテナ104内に及びコンテナ104を通って固定するために使用され得る。任意選択的に、フィードスルー119は液体の上方にあり得、液密フィードスルーでない場合がある。
【0028】
[0034]少なくとも1つの実施例では、液体レベルセンサ114は、光ファイバなどの数多くの感知要素122を含み、これはサブセンサとして使用される。マルチプレクサ126は、単一の入出力光ファイバである光回線118からの光信号を、複数の感知要素122に分割するように構成される。少なくとも1つの実施例では、各感知要素は、特定の光信号を戻し、その強度は主に、各所与の場所での液体102の存在又は不在によって決まる。複数の光信号はマルチプレクサ126に戻り、光回線118を通じて制御ユニット116に至り、制御ユニット116は各感知要素122からの一又は複数の信号を解析して、コンテナ104内の液体102の水位を決定する。
【0029】
[0035]コンテナ104内の液体102の上面水位103は、制御ユニット116に光を反射する感知要素の数に影響を及ぼす。例えば、感知要素122のサブセット122aは、低減した量の光を制御ユニット116に反射し、一方、感知要素122のサブセット122bは、増大した量の光を制御ユニット116に反射する。したがって、制御ユニット116は、異なる感知要素122からの光に基づき、液体102の水位103を決定する。例えば、各個々の感知要素122の2値の応答をモニタリングすることによって、制御ユニット116は、コンテナ104内の液体102の水位を決定する。
【0030】
[0036]本明細書に記載のように、システム100は、一又は複数の液体102を保持するように構成されたコンテナ104を含む。液体レベルセンサ114は、コンテナ104内に(例えば、内部空間112内に)配置される。液体レベルセンサ114は、コンテナ104内に一又は複数の液体102の水位を(例えば、蒸気及び/又は、空気などのガスの光学的品質に関して一又は複数の液体102の光学的品質に基づき)感知するように構成された複数の感知要素122を含む。少なくとも1つの実施例では、感知要素122は光ファイバである。少なくとも1つの実施例では、システム100は、液体レベルセンサ114に連結されたマルチプレクサ126も含む。少なくとも1つの実施例では、システム100は、液体レベルセンサ114と通信する制御ユニット116も含む。制御ユニット116は、複数の感知要素122から受信した光信号に基づき、コンテナ104内の一又は複数の液体102の水位を決定するように構成される。
【0031】
[0037]
図3は、本開示の実施例による、ガス130内の感知要素122の端部128の簡略図を示す。実施例として、ガス130は空気である。
図1~3を参照すると、制御ユニット116によって出力された光132が各感知要素122に到達するとき、光132の部分132aは光回線118を介して制御ユニット116に反射される。各感知要素122から反射される光132の量は、感知要素122の幾何学的形状、及び感知される液体102の屈折率によって決まる。少なくとも1つの実施例では、感知要素122は円錐状の光ファイバから作製され得る。別の実施例として、感知要素122は平面状に裂かれた光ファイバから作製され得る。感知要素の形状と液体102の屈折率との関数として、感知要素122によって反射された光の量を計算するために、フレネル反射方程式が使用され得る。例えば、所与の感知要素122が平面状に裂かれた標準通信ファイバから作製され、空気に晒される場合、約3.37%の入射光の後方反射が予期され得る。
【0032】
[0038]
図4は、本開示の実施例による、液体102内の感知要素122の端部128の簡略図を示す。
図1~4を参照すると、感知要素122が、空気よりも高い屈折率を有する液体に晒されたとき、反射される光132の部分132bは、大幅に減少する。例えば、液体102が水(n=1.33)である場合、反射される部分132bは~0.19%まで減少する。液体102がジェット燃料(n=1.44)である場合、反射される部分132bは~0.001パーセントまで減少する。制御ユニット116は反射した光を検出し、次いで、感知要素122が液体102に沈められているか又は液体102の上面水位103の上方にあるかを判定することができる。例えば、制御ユニット116が光132の部分132aを検出した場合、制御ユニット116は、感知要素122が液体102に沈められていないと判定する。逆に、制御ユニット116が光132の部分132bを検出した場合、制御ユニット116は、感知要素122が液体102に沈められていると判定する。このようにして、液体レベルセンサ114は、コンテナ104内の液体102の水位を感知するように構成される。各感知要素122及びコンテナ104内の各感知要素122の固定場所に関する液体102の存在又は不在に関する情報を知ることによって、制御ユニット116はコンテナ104内の液体102の水位を決定することができる。
【0033】
[0039]更に、液体レベルセンサ114は、自己較正する。すなわち、各感知要素122の位置は、コンテナ104の形状に関して知られ、固定される。各感知要素122の位置は、固定されたままであり、経時的に変化しない。更に、反射された信号の強度は、測定されている液体102の屈折率に結び付けられ得、容器の内部の液体の性質を識別する(例えば、水又はジェット燃料)能力を与え得る。このようにして、制御ユニット116は、コンテナ104内の異なる液体の存在を更に検出し得る。
【0034】
[0040]感知要素122は、液体感知の感度を増大させ、液体残留物を取り除く能力を向上させ、液体レベルセンサ114の許容可能な形状及び体積を維持するために、コンテナ104の内部で数多くの向きで配置され得る。実施例では、各感知要素122は、特定の方向(例えば、上向き、下向き、又は横向き)に方向付けられる。別の実施例として、感知要素122の複数の異なる向きは、内部空間112の高さにわたって感度を増大させるために使用され得る。
【0035】
[0041]少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116は、光源117に連結され、光源117の動作を制御するように構成される。例えば、制御ユニット116は、光源117を動作させて、広帯域光を光回線118(例えば、一又は複数の光ファイバ)内に、その後液体レベルセンサ114内に発するように構成される。光源117は、白熱光源、放電ランプ源、スーパーコンティニウムレーザ源、一又は複数の発光ダイオード(LED)、スーパールミネセントダイオード、波長可変レーザ源などであり得る。マルチプレクサ126は、各感知要素122が、制御ユニット116によって解析されるような光の別の波長により独自に対処され得るように、波長依存マルチプレクサであり得る。広帯域発光及び波長識別可能光検出は、(例えば、波長感知装置又は検出器/源同期技法を含む)様々な方法によって達成され得る。
【0036】
[0042]液体レベルセンサ114の分解能は、感知要素122の数と直接結び付けられ得る。少なくとも1つの実施例では、液体レベルセンサ114は、20、30、40、50、100、又はそれ以上の感知要素122を含む。マルチプレクサ126は、光回線118内の光信号出力を、幾つかのファイバに分割又は再結合、及びその逆にするように構成される光学装置である。少なくとも1つの実施例では、マルチプレクサ126は、コンテナ104の内部空間112内に配置される。したがって、光回線118は、コンテナ104内に送られ、マルチプレクサ126に連結される単一の光ファイバであり得、それにより、多数の感知要素122がコンテナ104の内部に展開されることが可能になる。
【0037】
[0043]少なくとも1つの実施例では、マルチプレクサ126は、内部空間112内のモノリシック光集積回路であるか、あるいはその他の方法でこれを含む。マルチプレクサ126は、感知要素122に(6インチ以下など)近接し得る。マルチプレクサ126は、光回線118によって送信される入射光信号が、入射光の波長にしたがって各感知要素122の間に分割されることを可能にする。感知要素122の端部128から反射される光は、次いで、マルチプレクサ126を通って最小の光学的損失で移動し、制御ユニット116に戻ることができ、次いで、各感知要素122から入射する信号をその波長に応じて割り当てる。マルチプレクサ126は、入射光信号を(十分50は超える)多数の出力ファイバに分割するように構成され、それにより、光回線118が、コンテナ104内に、及びコンテナ104を通って延在する単一の光ファイバであるか、あるいはその他の方法でこれを含むことを可能にし、このことは、全体の重量を低減し、簡略化した効率的なシステムを提供する。
【0038】
[0044]上述したように、少なくとも1つの実施例では、感知要素122は光学液体レベルセンサ(例えば光ファイバ)であり、動作させるのに電力を必要としない場合がある。受動的な光学液体レベルセンサの固有の安全性は、これらのセンサが、測定される液体102が潜在的に危険(例えば、可燃性又は爆発性)である用途において望ましくさせる。かかる安全危険センサは、フェイルセーフ機能を要求することが多い。例えば、潜在的に危険で誤った液体レベル感知につながり得るセンサの故障を検出する能力を必要とする。したがって、本明細書に記載のシステム及び方法は、液体レベルセンサ114の健全性及び性能に関する情報を提供し得る。
【0039】
[0045]少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116は、複数の感知要素122から受信される信号の出力レベルに基づき、液体レベルセンサ114の健全性のステータス(例えば、操作可能か又はパフォーマンス機能的能力)を決定するように更に構成される。例えば、マルチプレクサ126の出力チャネル(例えば、波長依存性光集積回路マルチプレクサ)は、反射構成要素又は反射面(例えば、対象の波長で既知及び固定された反射率を有するミラー127)に直接連結され得、その反射率は、コンテナ104内の状態などの外部要因によって影響されない。かかるミラー127に到達する光信号の一部分は、制御ユニット116に反射され得る。例えば、制御ユニット116が許容可能な出力範囲内の関連のある光信号を受信したとき、制御ユニット116は、システム100の健全性が許容可能であり、全ての光学相互接続及び移送ファイバが、予期した通りに機能していると決定する。別の実施例として、制御ユニット116が、所定の予期された大きさ未満の出力を有する光信号を受信したとき、制御ユニット116は、液体レベルセンサ114及び/又は光回線118はメンテナンスの必要があり得ると決定する。別の実施例として、制御ユニット116が光信号を受信しないとき、制御ユニット116は、液体レベルセンサ114及び/又は光回線118が正常に動作していないと決定し得る。
【0040】
[0046]上述したように、マルチプレクサ126及びその固定された反射基準チャネルは、感知要素122に近接している(例えば、6インチ以下)コンテナ104の内部空間112内に位置する。したがって、生じ得る信号混乱は、感知要素122と(任意選択的な)固定された反射ミラー127の両方に大きく影響を及ぼす可能性がある。対照的に、感知要素122から遠く離れて位置する制御チャネルは、光学伝播リンクの場所を越えて生じる障害を見逃す可能性がある。
【0041】
[0047]少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116は、各感知要素122からの光出力をモニタリングし、この光出力を、固定反射基準チャネルによって戻された光出力と比較するように構成される。制御ユニット116は、各感知要素122に関する理論的なフレネル反射を計算し、基準チャネルから受け取られた出力に正比例する要因によってかかる反射を調整し得る。所与の感知要素122から受け取られた光出力が予期していたよりも低い場合には、制御ユニット116はかかる感知要素122を識別する。このようにして、制御ユニット116は、液体の存在を示す光の一部分を反射する感知要素122とは対照的に、潜在的に欠陥のある感知要素122を区別することができる。少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116は、ユーザインターフェースと通信することができ、ユーザインターフェースは電子ディスプレイを含み、液体レベルセンサ114の健全性に基づき、自動的にステータス及びサービスレポートを生成し得る。
【0042】
[0048]少なくとも1つの実施例では、コンテナ104内の(液体及び/又は空気のなどの)温度が、マルチプレクサ126によって出力された信号によってモニタリングされる。例えば、マルチプレクサ126は、モノリシック光集積回路マルチプレクサであり得、高度の温度感度を有する。マルチプレクサ126は、可干渉の光干渉を使用して、入射光信号を波長に応じて様々な出力チャネルに分割する。マルチプレクサ126を取り囲む環境の温度は、波長応答に影響を及ぼし、それにより、増加する温度に対しては赤方偏移、低下する温度に対しては青方偏移を生み出す。少なくとも1つの実施例では、かかる偏移は、基準チャネルの固定されたリフレクタによって反射された光の波長を、(コンテナ104内の液体又は空気のなどの)周囲の環境の温度と直接関連させるために、利用され得る。例えば、温度が増加するにつれて、基準チャネルによって反射される光の波長は増大し(例えば、赤方偏移)、一方、低下する温度に対しては、波長は減少する(例えば、青方偏移)。マルチプレクサ126の干渉性質とは、温度の非常に小さなばらつきは、(例えば、数pm/Kほどの)大幅な波長偏移につながることを意味し、制御ユニット116に関して使用される光学構成要素の分解能に適合する。温度測定は、較正ルーティンの使用により更に改善され、コンテナ104の内部の環境の温度を正確にモニタリングするために利用され得る(例えば、潜在的に爆発性の状態の進展を回避するため、凍結状態を回避するため、又は、複数のセンサが使用される場合、コンテナ104の内部の液体の温度の階層化をモニタリングするため)。異なる実施例では、液体レベルセンサ114は、マルチプレクサ126が異なるプローブに対して異なる高さに配置されるように構成され得、コンテナ104内により多くの分配された温度感知点を与える。温度感知能力は、他の健全性モニタリング能力と共に、制御ユニット116が、液体レベルセンサ114の健全性及び動作環境に関する情報を提供できるようにし、更に安全重要用途におけるその回復力及び信頼性を増大させる。
【0043】
[0049]少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116によって戻される温度読み取りは、温度制御装置(例えば熱交換器)とのフィードバックループにおいて接続され得、更なるセンサなしに容器の内部の液体の能動的な温度制御を可能にする。
【0044】
[0050]少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116が、各感知要素122によって戻される予期した光出力を推定あるいはその他の方法で決定する能力は、液体102に関する更なる情報を提供するために、更に利用され得る。したがって、制御ユニット116は、感知される液体102の性質を決定し、液体汚染物質との望ましくない混合に応答して液体102の水位を高く見積もり過ぎることを回避し得る。例えば、水及びジェット燃料の誘電率における大きな差異のため、補償センサが使用されない場合は、静電容量液体レベルセンサは、1cmの水を何十cmのジェット燃料と誤り得る。
【0045】
[0051]少なくとも1つの実施例では、システム100の較正ルーティンは、測定の精度を更に高めるために採用され得る。正確な較正ルーティンがなくても、光学センサとしての感知要素122の固有のデジタル挙動(すなわち、感知要素122が空気に沈められたときの高い反射、液体に浸されたときの低い反射)は、対象の液体の過大評価を回避する(例えば、望ましくない汚染物質の場合、水とのなどのジェット燃料)。感知要素122の離散的かつデジタル性質により、及び、液体102の中の感知要素122と対照的に、空気の中の感知要素122から反射される予期した光を区別するために、所定の閾値を使用することのみによって、制御ユニット116は補償装置を必要とすることなく、コンテナ104内の液体102の真の上面水位103を感知することができ、それにより、過大評価を回避する。
【0046】
[0052]少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116は、液体102から入射するフレネル反射を測定するように構成される。各感知要素122の端部128で反射される光出力が基準チャネルによって提供される予期した反射出力に対して重みを加えると、制御ユニット116は各感知要素122から受け取られたフレネル反射を異なる液体(例えば、水又はジェット燃料)の典型的な予期した反射と比較することができる。全ての感知要素122に対してこの測定を繰り返すことにより、制御ユニット116はコンテナ104内の異なる液体の階層化を決定することができ、特定の所望の液体の高さを考慮する。例えば、制御ユニット116は、ジェット燃料などのより軽量の液体を含むコンテナ104の底部で水の層を識別し、別の対象の液体の水位の計算からかかる液体を除外することができる。
【0047】
[0053]少なくとも1つの実施例では、少なくとも1つの感知要素122は、液体102に常に沈められる内部空間112内の位置に配置され得る。かかる感知要素122は、液体102に関するフレネル反射を測定するために十分に取っておかれ得る。
【0048】
[0054]少なくとも1つの実施例では、制御ユニット116は、異なるタイプの液体の間を判別して、感知要素122の一部(例えば端部128)での氷の液滴の形成を識別するように構成され、それにより、システム健全性モニタリングを更に増大させる。氷の液滴の形成は、コンテナ104の内部での感度の感知を低減させ得る。氷からのフレネル反射は、空気又は燃料からの予期した反射とは異なり、例えば、それにより、制御ユニット116が、氷の液滴を燃料と誤る感知要素122からの出力を破棄できるようにする。
【0049】
[0055]
図5は、本開示の実施例による、異なる液体に関する感知要素122から予期される光信号のグラフを示す。
図1~5を参照すると、本明細書に記載のシステム100のデジタル性質は、感知される液体に関わりなく応答を標準化するために使用され得る。感知要素122の端部128でのフレネル反射の大きさは、感知される液体102の屈折率によって決まる。少なくとも1つの実施例では、信号閾値は、空気に晒された感知要素122と液体102に晒された感知要素122とからの読み込みを分離させるように設定され得る。かかる閾値に割り当てられた値に応じて、制御ユニット116は、異なるタイプの液体(例えば、航空機タンクの中で使用される異なるタイプのジェット燃料)からくる応答を等しく処理するように構成され得るが、空気又は水に晒された感知要素122の応答との明確な対照を依然として提供する。様々なジェット燃料が現在使用され、又は将来使用されると予期され、例えば、Jet-A1、JP-5及びSAFに限定されるわけではないが、特に空気と比較されたとき、著しく類似した光学的特性(例えば屈折率)を有する。かかる異なる燃料の屈折率は、いかなる予期された運転温度でもn=1.43+/-0.06の領域内にある。対照的に、空気の屈折率はn=1であることにより、空気と上述のジェット燃料のいずれとの間の明確で認識できるセンサ応答を提供し、したがって、制御ユニット116がコンテナ104の中に存在するジェット燃料のタイプに依存しないことを可能にする。制御ユニット116は、かかる概念を更にのばして、閾値決定を動的に移動させ(例えば、
図5に示される閾値3のように)、コンテナ104の中の燃料の具体的なタイプを識別し得る。
【0050】
[0056]本明細書で使用する「制御ユニット(control unit)」、「中央処理装置(central processing unit)」、「CPU」、「コンピュータ(computer)」などの用語は、プロセッサベース又はマイクロプロセッサベースの、任意のシステムを含み得、この任意のシステムには、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本明細書に記載の機能を実行可能なハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを含む他の任意の回路又はプロセッサを使用するシステムが含まれる。上記の例は例示的なものにすぎず、したがって、上記の用語の定義及び/又は意味をいかなる形でも限定することを意図していない。例えば、制御ユニット116は、本明細書に記載されたように、動作を制御するように構成された一又は複数プロセッサであり得るか、又はこれらを含み得る。
【0051】
[0057]制御ユニット116は、データを処理するために、一又は複数のデータ記憶ユニット又は要素(例えば、一又は複数のメモリ)に記憶された命令のセットを実行するよう構成される。例えば、制御ユニット116は、一又は複数のメモリを含み得る、又は一又は複数のメモリに連結され得る。データ記憶ユニットは、所望通りに又は必要に応じて、データ又はその他の情報も記憶し得る。データ記憶ユニットは、情報源、又は処理マシン内部の物理的メモリ素子という形態であり得る。
【0052】
[0058]命令のセットは、様々なコマンドを含んでよく、これらのコマンドは、処理マシンとしての制御ユニット116に、特定の動作(例えば、本明細書に記載の主題の様々な実施例の方法及びプロセス)を実行するように命令する。命令のセットは、ソフトウェアプログラムの形態であり得る。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアといった様々な形態であり得る。更に、ソフトウェアは、別々のプログラムの集合体、より大きなプログラム内のプログラムサブセット、又はプログラムの一部分という形態であってもよい。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュラープログラミングを更に含んでもよい。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザのコマンドに応答したものか、以前の処理の結果に応答したものか、又は、別の処理マシンによってなされた要求に応答したものであってもよい。
【0053】
[0059]本明細書における実施例の図は、一又は複数の制御ユニット又は処理ユニット(例えば制御ユニット116)を示し得る。この処理ユニット又は制御ユニットは、本明細書に記載の動作を実行する、関連する命令(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどといった有形で非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェア)を有するハードウェアとして実装され得る、回路、回路網、又はこれらの一部を表し得ることを理解されたい。ハードウェアは、本明細書に記載された機能を実行するように配線接続されたステートマシン回路網を含んでもよい。任意選択的に、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの一又は複数の論理ベースの装置を含みかつ/又はこれらに接続された電子回路を含んでもよい。任意選択的に、制御ユニット116は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、一又は複数のマイクロプロセッサなどのうちの一又は複数といった、処理回路網を表し得る。様々な実施例における回路は、本明細書に記載の機能を実行するための一又は複数のアルゴリズムを実行するように構成され得る。一又は複数のアルゴリズムは、フロー図又は方法で明示的に特定されているか否かに関わらず、本明細書に開示の実施例の態様を含み得る。
【0054】
[0060]本明細書で使用される「ソフトウェア(software)」及び「ファームウェア(firmware)」という用語は、入れ替え可能であり、かつ、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び、非揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むデータ記憶ユニット(例えば、一又は複数のメモリ)に記憶されている、コンピュータによって実行される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットの種類は例示にすぎず、ゆえに、コンピュータプログラムの記憶装置に対して使用可能なメモリの種類について、限定を課すものではない。
【0055】
[0061]
図6は、本開示の実施例による、コンテナ内の液体の水位を感知するための方法のフロー図を示す。
図1~6を参照すると、200において、感知要素122を有する液体レベルセンサ114は、コンテナ104の内部空間112内に配置される。202において、制御ユニット116は、液体102に沈められた一又は複数の第1の感知要素122(例えば、サブセット122a)から信号出力(例えば光信号)を受信する。204において、制御ユニット116は、液体102の外側の一又は複数の第2の感知要素122(例えば、空気によって囲まれたサブセット122b)から信号出力を受信する。ステップ202とステップ204とは、同時に行われ得る。206において、制御ユニット116は、第1の感知要素122の信号出力と第2の感知要素122の信号出力とを区別する。208において、制御ユニット116は、一又は複数の第1の感知要素122からの信号出力と一又は複数の第2の感知要素122からの信号出力との間の差異に基づき、コンテナ104内の液体102の水位103を決定する。
【0056】
[0062]
図7は、本開示の実施例による、航空機300の正面斜視図を示す。航空機300は、例えば、エンジン314を含む推進システム312を含む。任意選択的に、推進システム312は、図示したものよりも多くのエンジン314を含んでもよい。エンジン314は、航空機300の翼316によって担持される。他の実施例では、エンジン314は、胴体318及び/又は尾部320によって担持され得る。尾部320は、水平安定板322及び垂直安定板324も支持し得る。航空機300の胴体318は内部キャビン330を画定し、該キャビンは、フライトデッキ、又はコックピット、一又は複数の作業区域(例えば、ギャレー、乗務員の手荷物エリアなど)、一又は複数の乗客区域(例えば、ファーストクラス、ビジネスクラス、及びコーチ区域)、一又は複数の化粧室などを含む。
図1~7を参照すると、航空機300は、液体を保持する一又は複数のコンテナを含む。例えば、航空機300は、ジェット燃料を保持する燃料タンクを含む。本開示の実施例は、一又は複数のコンテナ内の一又は複数の液体の水位(例えば、燃料タンク内のジェット燃料の水位)を検出するために使用される。
【0057】
[0063]
図7は、航空機300の一例を示している。航空機300は、
図7に示すものとは異なる大きさに寸法が定められ、形作られ、及び構成され得ることを理解されたい。任意選択的に、本開示の実施例は、様々な他の輸送体で使用され得る。例えば、航空機の代わりに、輸送体は、自動車、バス、列車などといった、陸上ベースの輸送体であり得る。別の例としては、輸送体は船舶であり得る。別の例としては、輸送体は宇宙船であり得る。任意選択的に、本開示の実施例は、住居用又は商業用の建物などの固定構造体に対して使用され得る。
【0058】
[0064]更に、本開示は以下の条項による例を含む。
【0059】
[0065]条項1.
システムであって、
一又は複数の液体を保持するように構成されたコンテナと、
前記コンテナ内に配置された液体レベルセンサと
を備え、前記液体レベルセンサが、前記コンテナ内の前記一又は複数の液体の水位を感知するように構成された複数の感知要素を含む、システム。
【0060】
[0066]条項2.
前記感知要素が、光ファイバである、条項1に記載のシステム。
【0061】
[0067]条項3.
前記液体レベルセンサに連結されたマルチプレクサを更に備える、条項1又は2に記載のシステム。
【0062】
[0068]条項4.
前記マルチプレクサが、前記コンテナ内にある、条項3に記載のシステム。
【0063】
[0069]条項5.
前記マルチプレクサが、モノリシック光集積回路を備える、条項3又は4に記載のシステム。
【0064】
[0070]条項6.
前記マルチプレクサに連結されたミラーを更に備える、条項3から5のいずれか一項に記載のシステム。
【0065】
[0071]条項7.
前記コンテナ内の温度が、前記マルチプレクサによって出力された信号によってモニタリングされる、条項3から6のいずれか一項に記載のシステム。
【0066】
[0072]条項8.
前記液体レベルセンサと通信する制御ユニットを更に備え、前記制御ユニットが、前記複数の感知要素から受信した光信号に基づき、前記コンテナ内の前記一又は複数の液体の前記水位を決定するように構成されている、条項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【0067】
[0073]条項9.
前記制御ユニットが、前記コンテナ内の異なる液体を決定するように更に構成されている、条項8に記載のシステム。
【0068】
[0074]条項10.
光源を更に含み、前記制御ユニットが、前記光源を動作させて、前記液体レベルセンサ内に光を発するように更に構成されている、条項8又は9に記載のシステム。
【0069】
[0075]条項11.
前記制御ユニットが、前記複数の感知要素(及び任意選択的に固定された反射チャネル)から受信された信号の出力レべルに基づき、前記液体レベルセンサの健全性を決定するように更に構成されている、条項8から10のいずれか一項に記載のシステム。
【0070】
[0076]条項12.
前記コンテナが燃料タンクであり、前記一又は複数の液体がジェット燃料を含む、条項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【0071】
[0077]条項13.
前記液体レベルセンサに通信可能に連結する光回線を更に備える、条項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【0072】
[0078]条項14.
前記光回線が、前記コンテナの一部分を貫通する光ファイバである、条項13に記載のシステム。
【0073】
[0079]条項15.
前記複数の感知要素が、前記液体レベルセンサの高さに沿って、垂直に配置されている、条項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【0074】
[0080]条項16.
コンテナ内に一又は複数の液体を保持することと、
前記コンテナ内に液体レベルセンサを配置することと
を含み、前記液体レベルセンサが、前記コンテナ内の前記一又は複数の液体の水位を感知するように構成された複数の感知要素を含む、方法。
【0075】
[0081]条項17.
前記感知要素が、光ファイバである、条項16に記載の方法。
【0076】
[0082]条項18.
マルチプレクサを前記液体レベルセンサに連結することを更に含む、条項16又は17に記載の方法。
【0077】
[0083]条項19.
前記マルチプレクサを、前記コンテナ内に配置することを更に含む、条項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
[0084]条項20.
前記マルチプレクサが、モノリシック光集積回路を備える、条項18又は19に記載の方法。
【0079】
[0085]条項21.
ミラーを前記マルチプレクサに連結することを更に含む、条項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
[0086]条項22.
前記コンテナ内の温度を、前記マルチプレクサによって出力された信号によってモニタリングすることを更に含む、条項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
[0087]条項23.
前記液体レベルセンサと通信する制御ユニットによって、前記複数の感知要素から受信した光信号に基づき、前記コンテナ内の前記一又は複数の液体の前記水位を決定することを更に含む、条項16から22のいずれか一項に記載の方法。
【0082】
[0088]条項24.
前記制御ユニットによって、前記コンテナ内の異なる液体を決定することを更に含む、条項23に記載の方法。
【0083】
[0089]条項25.
前記制御ユニットによって、光源を動作させて、前記液体レベルセンサ内に光を発することを更に含む、条項23又は24に記載の方法。
【0084】
[0090]条項26.
前記制御ユニットによって、前記複数の感知要素(及び固定された反射チャネル)から受信された信号の出力レべルに基づき、前記液体レベルセンサの健全性を決定することを更に含む、条項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【0085】
[0091]条項27.
前記コンテナが燃料タンクであり、前記一又は複数の液体がジェット燃料を含む、条項16から26のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
[0092]条項28.
前記液体レベルセンサに光回線を通信可能に連結することを更に含む、条項16から27のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
[0093]条項29.
前記光回線が、前記コンテナの一部分を貫通する光ファイバである、条項28に記載の方法。
【0088】
[0094]条項30.
前記複数の感知要素が、前記液体レベルセンサの高さに沿って、垂直に配置されている、条項16から29のいずれか一項に記載の方法。
【0089】
[0095]条項31.
システムであって、
一又は複数の液体を保持するように構成されたコンテナと、
前記コンテナ内に配置された液体レベルセンサであって、前記液体レベルセンサが、前記コンテナ内の前記一又は複数の液体の水位を感知するように構成された複数の感知要素を含み、前記感知要素が光ファイバである、液体レベルセンサと、
前記液体レベルセンサに連結されたマルチプレクサと、
前記マルチプレクサに連結されたミラーと、
前記液体レベルセンサと通信する制御ユニットであって、前記制御ユニットが、前記複数の感知要素から受信した光信号に基づき、前記コンテナ内の前記一又は複数の液体の前記水位を決定するように構成された、制御ユニットと、
光源であって、前記制御ユニットが、前記光源を動作させて前記液体レベルセンサ内に光を発するように更に構成された、光源と、
前記制御ユニットを前記マルチプレクサに通信可能に連結する光回線であって、前記光回線が、前記コンテナの一部分を貫通する光ファイバである、光回線と
を備える、システム。
【0090】
[0096]条項32.
前記マルチプレクサが、モノリシック光集積回路を備える、条項31に記載のシステム。
【0091】
[0097]条項33.
前記コンテナ内の温度が、前記マルチプレクサによって出力された信号によってモニタリングされる、条項31又は32に記載のシステム。
【0092】
[0098]条項34.
前記制御ユニットが、前記コンテナ内の異なる液体を決定するように更に構成されている、条項31から33のいずれか一項に記載のシステム。
【0093】
[0099]条項35.
前記制御ユニットが、前記複数の感知要素(及び固定された反射チャネル)から受信された信号の出力レべルに基づき、前記液体レベルセンサの健全性を決定するように更に構成されている、条項31から34のいずれか一項に記載のシステム。
【0094】
[00100]本明細書に記載のように、本開示の実施例は、輸送体の燃料タンクなどのコンテナ内の液体の水位を効果的に、効率的に、かつ安全に感知するためのシステム及び方法を開示する。
【0095】
[00101]本開示の実施例の記載のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方向などの空間及び方向に関する様々な用語が使用される場合があるが、かかる用語は図面中で示す向きに関するものとして使用されているにすぎないことが理解される。これらの向きは、上部が下部に、又はその逆になることや、水平が垂直になることなどのように、反転し、回転し、あるいはその他の方法で変更され得る。
【0096】
[00102]本明細書において、タスク又は動作を実行する「よう構成/設定され(configured to)」ている構造体、制約、又は要素は、タスク又は動作に対応する様態で、特に構造的に形成、構成又は適合されている。分かりやすくするため、かつ誤解を避けるために、タスク又は動作を実行するために改変されることが可能であるだけの対象物は、本明細書における、タスク又は動作を実行する「よう構成/設定」されているものではない。
【0097】
[00103]上記の記載は、限定ではなく例示を意図するものであると理解されたい。例えば、上述した実施例(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の様々な実施例の教示には、その範囲から逸脱することなく特定の状況又は材料に適合させるために、多くの修正が行われ得る。本明細書に記載の材料の寸法及び種類は、本開示の様々な実施例の態様を規定することを意図しているが、これらの実施例は決して限定のためのものではなく、例示的な実施例である。上記の記載を精査することによって、当業者には他の多くの実施例が明らかになるであろう。したがって、本開示の様々な実施例の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲に関連して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲及び本明細書における発明を実施するための形態において、「含む(including)」及び「これにおいて(in which)」という用語はそれぞれ、「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」という用語の明白な同義語として使用される。更に、「第1の」、「第2の」及び「第3の」等の用語は、単にラベルとして使用されており、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造を欠く機能の記述が後続する、「~のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0098】
[00104]ここに記述した説明で実施例を使用しているのは、ベストモードを含む本開示の様々な実施例を開示するためと、当業者が任意の装置又はシステムを作成及び使用すること、並びに組み込まれた任意の方法の実行することを含めて本開示の様々な実施例を実施することを可能にするためである。本開示の様々な実施例の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものであり、当業者が想起する他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【外国語明細書】