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▶ グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ディベロップメント、リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167261
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】抗原結合タンパク質
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20241126BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20241126BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20241126BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20241126BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20241126BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241126BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241126BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241126BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241126BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20241126BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241126BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61K45/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07K16/28
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024139180
(22)【出願日】2024-08-20
(62)【分割の表示】P 2023078141の分割
【原出願日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】62/906,876
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/057,508
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513032275
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ディベロップメント、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY DEVELOPMENT LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ワイ、デゲンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、グアン
(72)【発明者】
【氏名】ケネス、ウィリアム、ヘンス
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、ジョセフ、モーリー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】CD96媒介性疾患を処置するための組成物、及び関連する方法を提供する。
【解決手段】CD96結合タンパク質であって、(a)(i)特定の配列からのCDRH1、CDRH2、CDRH3、ならびに/又は特定の配列からのCDRL1、CDRL2、CRDL3から選択されるCDRのいずれか1つもしくは組合せ;又は(ii)(i)のCDR変異体であって、1、2もしくは3個のアミノ酸修飾を有する変異体;あるいは、(b)特定の配列と少なくとも80%同一である配列を含むVH領域;及び/又は特定の配列と少なくとも80%同一である配列を含むVL領域、を含んでなるCD96結合タンパク質、CD96結合タンパク質及び薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD96結合タンパク質であって、
(a)(i)配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、及び94からのCDRH1、CDRH2、CDRH3、ならびに/又は配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89,及び93からのCDRL1、CDRL2、CRDL3から選択されるCDRのいずれか1つもしくは組合せ;又は(ii)(i)のCDR変異体であって、1、2もしくは3個のアミノ酸修飾を有する変異体;あるいは
(b)配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、もしくは94の配列と少なくとも80%同一である配列を含むVH領域;及び/又は配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、もしくは93の配列と少なくとも80%同一である配列を含むVL領域
を含んでなるCD96結合タンパク質。
【請求項2】
前記(a)(i)のCDRが、
(1)配列番号:105~125から選択されるCDRH1;配列番号:126~146から選択されるCDRH2;及び/又は配列番号:147~150から選択されるCDRH3;配列番号:97~98から選択されるCDRL1;配列番号:99~100から選択されるCDRL2;及び/又は配列番号:101~104から選択されるCDRL3である、請求項1に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項3】
前記結合タンパク質が、配列番号:147、148、149、又は150と100%同一であるCDRH3を含んでなる、請求項1又は2に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項4】
前記結合タンパク質が、配列番号:105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124又は125と100%同一であるCDRH1;配列番号:126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、又は146と100%同一であるCDRH2;及び/又は配列番号147、148、149、又は150と100%同一であるCDRH3;配列番号:97又は98と100%同一であるCDRL1;配列番号:99又は100と100%同一であるCDRL2;配列番号:101、102、103又は104と100%同一であるCDRL3を含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項5】
6つ全てのCDRが結合タンパク質中に存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項6】
以下の6つのCDRを含んでなるCD96結合タンパク質:
配列番号:115のCDRH1;
配列番号:145のCDRH2;及び
配列番号:147のCDRH3;及び
配列番号:97のCDRL1;
配列番号:99のCDRL2;及び
配列番号:101のCDRL3。
【請求項7】
前記結合タンパク質が、
配列番号:86と75%同一であるVH領域;及び/又は
配列番号:85と75%同一であるVL領域を含んでなる、請求項6に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項8】
前記結合タンパク質が、
配列番号:86と100%同一であるVH領域;及び/又は
配列番号:85と100%同一であるVL領域を含んでなる、請求項1~7のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項9】
前記結合タンパク質が、合成ポリペプチド、ヒト化配列、又はキメラ配列を含んでなる、請求項1~8のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項10】
前記タンパク質が、CD155の結合親和性(KD)と等しいかもしくはそれよりも良好な結合親和性(KD)でCD96に結合するか、又はCD155がCD96に結合するのを妨ぐことができるかもしくは置き換えることができる、請求項1~9のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項11】
少なくとも約30nMの結合親和性(KD)でCD96に結合する、請求項1~10のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項12】
抗体であり、Fcガンマ受容体に結合することができ、かつ/又はIFNガンマ放出を促進することができる抗体Fc領域を含んでなる、請求項1~11のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項13】
前記Fc領域が、野生型IgG1Fc又はその機能的変異体である、請求項12に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項14】
抗体であって、前記結合タンパク質が、配列番号:165のアミノ酸配列と100%同一である重鎖;及び/又は配列番号:166のアミノ酸配列と100%同一である軽鎖を含んでなる、CD96結合タンパク質。
【請求項15】
抗体であって、前記結合タンパク質が、配列番号170のアミノ酸配列と100%同一である重鎖;及び/又は配列番号169のアミノ酸配列と100%同一である軽鎖を含んでなる、CD96結合タンパク質。
【請求項16】
抗体であって、前記結合タンパク質が、配列番号:174のアミノ酸配列と100%同一である重鎖;及び/又は配列番号:173のアミノ酸配列と100%同一である軽鎖を含んでなる、CD96結合タンパク質。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項において定義されるCD96結合タンパク質をコードする核酸配列。
【請求項18】
前記配列が、重鎖をコードする配列番号:4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、80、84、88、92、96、167、172、もしくは176;及び/又は軽鎖をコードする配列番号:3、7、11、15、19、23、27、31、35、39、43、47、51、55、59、63、67、71、75、79、83、87、91、95、168、171、もしくは175を含んでなる、請求項17に記載の核酸配列。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の核酸配列を含んでなる発現ベクター。
【請求項20】
以下:(i)配列番号:167の重鎖及び配列番号:168の軽鎖の核酸配列をコードするベクター、(ii)配列番号:172の重鎖及び配列番号:171の軽鎖の核酸配列をコードするベクター、ならびに(iii)配列番号:176の重鎖及び配列番号:175の軽鎖の核酸配列をコードするベクターから選択される、請求項19に記載の発現ベクター。
【請求項21】
請求項17又は18に記載の核酸配列、あるいは請求項19又は20に記載の発現ベクターを含んでなる、組換え宿主細胞。
【請求項22】
請求項21に記載の宿主細胞を、前記核酸配列又はベクターの発現に適した条件下で培養することを含んでなる方法であって、それによってCD96結合タンパク質を含んでなるポリペプチドが産生される、C96結合タンパク質を産生する方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法によって産生されたCD96結合タンパク質。
【請求項24】
請求項1~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質を発現するように操作された細胞株。
【請求項25】
請求項1~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質及び薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項26】
請求項6、8又は14~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質及び薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
それを必要とする対象における疾患の治療方法であって、該対象に、治療有効量の、請求項1~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質又は請求項25~26のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含んでなる、方法。
【請求項28】
それを必要とする対象における疾患の治療方法であって、前記対象に、治療有効量の、請求項6、8又は14~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質を投与することを含んでなる、方法。
【請求項29】
前記対象がCD96を発現するか否かを決定することをさらに含んでなる、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
療法において使用するための、請求項1~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質、又は請求項25~26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
対象における疾患の処置において使用するための、請求項1~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質、又は請求項25~26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記患者がヒト対象である、請求項31に記載の使用のためのCD96結合タンパク質。
【請求項33】
固形腫瘍を処置することにおいて使用するための、請求項31~32に記載のCD96結合タンパク質。
【請求項34】
前記タンパク質が、請求項14~16に記載の抗体であり、前記固形腫瘍が、卵巣、肺(例えば、NSCLC)、胃、膀胱、結腸直腸、肝臓(例えば、HCC)、腎臓(例えば、RCC)、及び頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)から選択される、請求項31又は32に記載の使用のためのCD96結合タンパク質。
【請求項35】
疾患の処置において使用するための医薬品の製造における、請求項1~16のいずれか一項に記載のCD96結合タンパク質、又は請求項25又は26に記載の医薬組成物の使用。
【請求項36】
PD-1アンタゴニスト及び/又は抗TIGIT抗体をさらに含んでなる、請求項25又は26に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記PD-1アンタゴニストが、配列番号:160の重鎖配列及び配列番号:162の軽鎖配列を含んでなる抗体である、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
PD-1アンタゴニスト及び/又は抗TIGIT抗体を投与することをさらに含んでなる、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項39】
前記疾患が癌であり、前記CD96結合タンパク質及び前記PD-1アンタゴニスト及び/又は抗TIGIT抗体が、ヒト患者などの患者に、同時に又は任意の順序で逐次的に投与される経路で投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記癌が固形腫瘍であり、前記PD1アンタゴニストが、配列番号:160の重鎖配列及び配列番号:162の軽鎖配列を含んでなる抗体である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記固形腫瘍が、卵巣、肺(例えば、NSCLC)、胃、膀胱、結腸直腸、肝臓(例えば、HCC)、腎臓(例えば、RCC)、及び頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)から選択される、請求項40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD96、特にヒトCD96に特異的に結合する抗原結合タンパク質及びその断片に関する。本発明はまた、その抗原結合断片を用いて疾患又は障害を治療する方法、その抗原結合断片を含む医薬組成物、及び製造方法にも関する。本発明の他の実施態様は、以下の説明から明らかになるであろう。
【背景技術】
【0002】
CD96/TACTILE(「T細胞活性化後期発現増加」(T cell activation increased late expression))は、免疫グロブリンスーパーファミリーにおける細胞表面受容体であり、主にT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びナチュラルキラーT(NKT)細胞上で発現する。CD96は、ネクチン及びネクチン様リガンドと相互作用することが知られているCD226及びTIGIT(「Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体」)を含む受容体のファミリーに属する。CD155nECL5(「ネクチン様タンパク質-5」)は、3つ全ての受容体(CD96、TIGIT及びCD226)の一次リガンドである。TIGITは、CD226(119nM)よりも高い親和性(3.15nM)でCD155に結合し、CD96結合は中間(37.6nM)である(Martinet L. & Smyth M.J. Nat Rev Immunol. 2015 Apr; 15(4): 243-54)。CD155に加えて、TIGITとCD226は共に、はるかに低い親和性で別のリガンドCD112にも結合する。最近、CD112にも結合する新たな受容体CD112Rが発見された(Zhu Y., et al. J Exp Med. 2016 Feb 8; 213(2): 167-76)。
【0003】
この軸における受容体の中で、CD226(DNAM-1)は、NK細胞の主要な活性化受容体の1つである。CD226は、がん細胞に対するNK細胞の細胞毒性を増強することが報告されており、腫瘍免疫監視に重要である(Lakshmikanth T., et al. J Clin Invest. 2009; 119(5): 1251-63; Chan C.J., et al. J Immunol. 2010; 184(2): 902-11; Gilfillan S., et al. J Exp Med. 2008; 205(13): 2965-73; Iguchi-Manaka A., et al. J Exp Med. 2008; 205(13): 2959-64)。逆に、CD96(Chan C.J., et al. Nat Immunol. 2014; 15(5): 431-8)及びTIGIT(Lozano E., et al. J Immunol. 2012; 188(8): 3869-75)は共に、NK及び/又はT細胞機能の阻害を介して免疫応答を弱めることが知られている。TIGIT発現は、T細胞消耗(Lozano E., et al. 2012; Kurtulus S., et al. J Clin Invest. 2015; 125(11): 4053-62)及びNK細胞消耗(Zhang Q., et al. Nat Immunol. 2018; 19(7): 723-32)と関連付けられ、いくつかの抗TIGIT抗体が臨床開発中である。
【0004】
全体的に、CD96と比較してCD226及びTIGITに関してかなり多くの文献及び機構的理解がある。CD226は、他の免疫活性化受容体におけるような古典的なITAMモチーフを有さない。リガンド結合及び受容体二量体化の際に、PKC及びVav1タンパク質を含む一連のリン酸化事象を介して正のシグナル伝達を行う。TIGITの細胞質尾部は、ITTモチーフ及び古典的阻害性ITIMモチーフを含有する。CD155が結合すると、ITTモチーフのチロシンリン酸化が起こり、免疫阻害性シグナル伝達がSHIP1を含む下流に伝達される。対照的に、CD96についてのシグナル伝達は未だ解明されていない。CD96の細胞質尾部に潜在的に阻害性のITIMモチーフ、ならびに複数の免疫活性化受容体(例えば、ICOS及びCD28)に存在する潜在的に活性化するYXXMモチーフが存在することが知られている(Georgiev H., et al. Front Immunol. 2018; 9: 1072)。
【0005】
CD96は、25年以上前に発見されたものの(Wang P.L., et al. J Immunol. 1992; 148(8): 2600-8)、CD96の機能についてはリガンドCD155をCD226及びTIGITと共有する免疫グロブリンファミリーのメンバーであるという事(Fuchs A., et al. J Immunol. 2004; 172(7): 3994-8)以外に、ほとんど知られていなかった。CD96を癌に関連付けるその後の刊行物は、白血病幹細胞(LSC)マーカーとしてのCD96に主に集中していた。CD96を潜在的な免疫腫瘍学標的として示す最初の論文は、2014年にMark Smyth教授の研究室によって公開された;CD96は、NK細胞におけるCD155結合についてCD226と競合することが示され、CD96は、LPSによる活性化後のマウスにおけるIFNγ(ガンマ)を含む炎症促進性サイトカインの産生を負に調節した(Chan C.J., et al. 2014)。CD96ノックアウトマウス及び抗CD96抗体で処置したマウスは、MCA誘導性肉腫形成に対して感受性が低かった(同上)。同じ研究において、CD226又はCD155の遮断は、より悪い結果をもたらし、これは、CD155:CD226活性化経路の喪失に起因すると仮定される(同上)。
【0006】
その後、がん処置のためのCD96の阻害を支持するさらなるin vivo研究が公開されている(例えば、Blake S.J., et al. Cancer Discov. 2016; 6(4): 446-59; Brooks J., et al. 2018; 78(2): 475-88; Harjunpaeae H., et al. Oncoimmunology. 2018; 7(7): e1445949を参照のこと)。したがって、疾患の治療に使用するための、CD96を標的とする改善された抗原結合タンパク質及びその断片が必要とされている。そのような組成物及び関連する方法を本開示において提供する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、第1の態様において、CD96結合タンパク質を提供する。本発明はまた、第2の態様において、CD96結合タンパク質をコードする核酸構築物を提供する。第3の態様において、本発明は、第2の態様による核酸を含む発現ベクターを提供する。第4の態様において、本発明は、先の態様に記載される核酸又は発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。本発明はさらに、第5の態様において、CD96結合タンパク質を産生する方法であって、核酸配列又はベクターの発現に適した条件下で、先の態様に記載される宿主細胞を培養することを含む方法であって、それによってCD96結合タンパク質を含むポリペプチドが産生される、方法を提供する。本開示の第6の態様は、先の態様に記載される産生方法によって産生されるCD96結合タンパク質である。本発明はまた、第7の態様において、先の態様のいずれか1つに記載されるCD96結合タンパク質及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。本開示の別の態様は、それを必要とする対象における疾患の治療方法であって、その対象に、治療有効量の先の態様のいずれか1つに記載されるCD96結合タンパク質又は医薬組成物を投与することを含む、方法である。本開示のさらなる態様は、その対象がCD96を発現するかどうかをさらに含む、先の態様に記載される治療方法である。本開示の別の態様は、疾患の治療をするための、又は疾患の治療において使用するための、先の態様のいずれか1つに記載されるようなCD96結合タンパク質又は医薬組成物である。
【0008】
本発明の好ましい実施態様の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよりよく理解されるであろう。本発明を例示する目的で、現時点で好ましい実施態様が図面に示されている。しかしながら、本発明は、図面に示された実施態様の正確な配置及び手段に限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、CD96結合タンパク質のヒトCD3T細胞への結合(A)、及びCD96結合タンパク質がヒトCD96を発現するCHO細胞へのCD155の結合を妨げる能力(B)を示す図である。
図2図2は、ヒト(a)、カニクイザル(b)又はマウス(c)CD96へのCD96結合タンパク質の結合についての溶液平衡滴定(SET)データを示す図である。
図3図3は、ヒト又はカニクイザルCD96アイソフォームで一時的にトランスフェクトされたHEK細胞へのCD96結合タンパク質の結合を示す図である。
図4図4は、初代ヒトT細胞(全CD3T細胞対CD4又はCD8サブセット)へのCD96結合タンパク質の結合(アイソタイプ対照に対する)を示す図である。
図5図5は、活性化された初代カニクイザルT細胞へのCD96結合タンパク質の結合を示す図である。
図6図6は、イメージングサイトメトリーを用いてヒトPBMCに結合させた後のCD8T細胞におけるイメージングサイトメトリーを用いたCD96内在化;CD8T細胞の代表的な細胞画像(灰色=CD8染色、白色=CD96結合タンパク質-PE染色)を示す図である。
図7図7は、初代ヒトT細胞において膜CD96に予め複合体化させた場合のCD96結合タンパク質を示し、CD155:FcのT細胞への結合を防止することを示す図である。
図8図8は、CD96結合タンパク質によってヒトT細胞に予め結合されたCD155:Fcの置換を示す図である。
図9図9は、初代ヒトT細胞上のCD96に対するCD96結合タンパク質の結合が、Fcγ受容体を介した架橋及び/又はシグナル伝達を誘発しないことを実証する、ヒトFcγレポーターアッセイデータを示す図である。
図10図10は、CD4及びCD8T細胞におけるヒトADCC標的細胞死滅アッセイデータを示す図である;CD96結合タンパク質の存在下でCD4又はCD8T細胞のいずれにおいても細胞死の増加の証拠は観察されなかった。
図11図11は、CD4T細胞におけるヒトCDC標的細胞死滅アッセイを示す図である;CD96結合タンパク質から誘発された相補依存性の細胞毒性の証拠は観察されなかった。
図12図12は、混合PMBC-MLRアッセイにおける(CHO又はHEK細胞から発現された)CD96結合タンパク質のIFNγ放出についてのEC50データを示す図である。
図13図13は、CD4(A)又はCD8(B)T細胞の有無にかかわらず、混合PBMC-MLRアッセイにおけるIFNγ産生に対する(HEK細胞から発現された)CD96結合タンパク質の活性を示す図である。
図14図14は、混合PBMC-MLRアッセイにおけるIFNγ及びグランザイムBの分泌に対するCD96結合タンパク質の効果を示す図である。
図15図15は、CD96結合タンパク質及び対照群の存在下での、混合PBMC-MLRアッセイにおける3日目の異なる細胞集団中のIFNγ細胞の頻度を示す図である。
図16図16は、混合PBMC-MLRアッセイにおけるCD96結合タンパク質及び対照群で治療した上でのCD4、CD8及びNK細胞集団中のCD96細胞の頻度を示す図である。
図17図17は、混合PBMC-MLRアッセイにおけるCD96結合タンパク質及び対照群で治療した上でのCD4、CD8及びNK細胞集団中のCD96細胞の頻度を示す図である。
図18図18は、混合PBMC-MLRアッセイにおけるCD226単一陽性NK細胞対CD226CD96二重陽性NK細胞の比に対するCD96結合タンパク質の効果を示すFACs特徴付けを示す図である。
図19図19は、混合PBMC-MLRアッセイにおけるNK細胞全集団の中のIFNγGrzB二重陽性細胞に対するCD96結合タンパク質の効果を示すFACs特徴付けを示す図である。
図20図20は、ヒトPBMCアッセイにおけるIFNγ産生に対するプレートに結合したCD155-Fcの阻害効果を示す図である。
図21図21は、単独又は抗PD1抗体もしくは抗TIGIT抗体と組み合わせた、腎癌TIL機能アッセイにおけるCD96結合タンパク質の活性を示す図である。
図22図22は、NK細胞依存性B16F10黒色腫肺コロニー形成モデルにおけるCD96結合タンパク質の生物発光イメージング研究データを示し、B16F10 RFluc黒色腫細胞の注射の約15分後に取得された代表的な生物発光画像を示す図である。
図23図23は、CD4、CD8、又はNK細胞の枯渇を伴う、枯渇なしのマウスにおけるB16F10細胞注射後14日目の肺生物発光シグナルを示す図である。
図24図24は、様々な群における肺転移に対するCD96結合タンパク質(対照群に対する)の効果を示す14日目及び20日目のin vivo生物発光肺シグナルを示す図である。
図25図25は、20日目(試験終了時)のCD96結合タンパク質で処置したCD4/CD8枯渇マウス肺対対照群の画像を示す図である。
図26図26は、MSDによって評価した場合の、CD96結合タンパク質の存在下でのCD155コーティングPBMCアッセイ又は抗TIGIT mAbの存在下でのアイソタイプ対照群におけるIFNγ産生を示す図である。
図27図27は、MSDによって評価した場合の、CD96結合タンパク質の存在下でのCD155コーティングPBMCアッセイ又は抗TIGIT mAbの存在下でのアイソタイプ対照におけるTNFα産生を示す図である。
図28図28は、MSDによって評価した場合の、CD96結合タンパク質の存在下でのCD155コーティングPBMCアッセイ又は抗TIGIT mAbの存在下でのアイソタイプ対照群におけるIFNγ産生を示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0010】
本開示は、CD96結合タンパク質、そのタンパク質をコードする核酸、及び関連する主題を提供する。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」(and)及び「その(the)」は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数の言及を含む。したがって、例えば、「ペプチド鎖(a peptide chain)」への言及は、1つ又は複数のペプチド鎖への言及であり、当業者に知られているその等価物を含む。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、用語「含んでなる(comprising)」は、「含む(including)」又は「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含んでなる(comprising)」組成物は、Xのみからなってもよく、又は何らかの追加のものを含んでもよい、例えば、X+Y。
【0013】
用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特徴の範囲を、指定された材料又は工程、及び特許請求される特徴の基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない材料又は工程に限定する。
【0014】
用語「からなる(consisting of)」は、任意の追加の成分(複数可)の存在を除外する。
【0015】
特に反対の定義がなされない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本開示の方法の実施又は試験において、本明細書に記載の組成物及び方法又は同等の任意の組成物及び方法を使用することができるが、例示的な組成物及び方法を本明細書に記載する。また本明細書に記載される本開示の態様及び実施態様のいずれかを組み合わされてもよい。例えば、本明細書に開示される任意の従属項又は独立項の主題は、多重に組み合わせてもよい(例えば、各従属項からの1つ又は複数の記載は、それらが従属する独立項に基づいて単一の請求項に組み合わせてもよい)。
【0016】
本明細書に提供される範囲は、記載された特定の範囲内の全ての値、及び特定の範囲の終点についての値を含む。本開示の図及び表はまた、本明細書に開示される方法のいずれかの要素を構成し得る範囲及び離散値を記載する。
【0017】
本明細書に記載される濃度は、周囲温度及び圧力で決定される。これは、例えば、室温での又はプロセス流の特定の部分内の温度及び圧力であってもよい。好ましくは、濃度は25℃及び1バールの圧力の標準状態で決定される。
【0018】
用語「約(about)」は、任意の特定の測定値についての平均の2つの標準偏差内の値を意味する。
【0019】
「親和性(affinity)」は、1つの分子の別の分子への結合の強度である。抗原結合タンパク質のその標的への結合親和性は、平衡法(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)もしくはラジオイムノアッセイ(RIA))又は動態(例えば、BIACORE(TM)分析)によって決定され得る。
【0020】
本明細書で使用される「抗原(antigen)」という用語は、抗原結合タンパク質によって選択的に認識される巨大分子の構造を指す。抗原には、タンパク質(多糖を含む又は含まない)又は1つもしくは複数のT細胞エピトープを含むタンパク質組成物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で企図されるように、抗原結合タンパク質の標的結合ドメインは、特定のアミノ酸配列又は巨大分子ではなく、糖タンパク質の糖側鎖を認識し得る。したがって、糖部分又は硫酸化糖部分は、抗原として機能する。
【0021】
本明細書で使用される「抗原結合タンパク質(antigen binding protein)」という用語は、CD96に結合することができるドメイン(例えば、ドメイン抗体など)を含むものなどの、単離されたタンパク質、抗体、抗体断片(例えば、Fabなど)及び他の抗体由来タンパク質構築物を指す。そのような代替的な抗体形式としては、トリアボディ、テトラボディ、ミニ抗体、及びミニボディが挙げられる。本開示による任意の分子の1つ以上のCDRが、アフィボディ(affibody)、SpA骨格、LDL受容体クラスAドメイン、アビマー(avimer)(例えば、米国特許出願公開第2005/0053973号、同第2005/0089932号、同第2005/0164301号を参照されたい)又はEGFドメインなどの好適な非免疫グロブリンタンパク質骨格(scaffold)又は骨格(skeleton)上に配置され得る代替的な骨格もまた含まれる。ABPは、そのような抗体又は他の分子の抗原結合断片も含む。さらに、ABPは、適切な軽鎖と対合させた場合に、全長抗体、(Fab’)2断片、Fab断片、二重特異性もしくは二パラトープ性分子又はその等価物(例えば、scFv、バイ-、トリ-、又はテトラ-ボディ、Tandabなど)にフォーマットされた本発明のVH領域を含んでもよい。ABPは、IgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4;又はIgM;IgA、IgEもしくはIgD、又はそれらの修飾変異体である抗体を含んでもよい。抗体重鎖の定常ドメインは、それに応じて選択することができる。軽鎖定常ドメインは、カッパ又はラムダ定常ドメインであってもよい。ABPはまた、抗原結合領域及び非免疫グロブリン領域を含む、国際公開第86/01533号パンフレットに記載されている種類のキメラ抗体であってもよい。本開示の抗原結合タンパク質は、薬学的に許容可能な担体(例えば、滅菌水)で再構成することができる抗体及び賦形剤を含有する凍結乾燥粉末として提供することができる。次いで、この再構成された医薬組成物を(例えば、さらに希釈して)皮下又は静脈内のいずれかで投与することができる。本開示の抗原結合タンパク質はまた、抗体、賦形剤及び薬学的に許容可能な担体を含有する液体製剤として提供することもできる。次いで、この液体医薬組成物を(例えば、さらに希釈し
て)皮下又は静脈内のいずれかに投与することができる。「ABP」、「抗原結合タンパク質」及び「結合タンパク質(binding protein)」という用語は、本明細書において互換的に使用される。本明細書において使用される場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され、ペプチド結合によって共有結合されたアミノ酸残基から構成される化合物を指す。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質又はペプチドの配列を含むことができるアミノ酸の最大数に制限は課されない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに結合連結された2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチド又はタンパク質を含む。本明細書中で使用される場合、この用語は、短鎖(これはまた、当該分野で一般に、例えば、ペプチド、オリゴペプチド及びオリゴマーともいわれる)及びより長鎖(これは一般に、当該分野でタンパク質といわれる)の両方を指し、これらの多くの型が存在する。「ポリペプチド」としては、例えば、とりわけ、生物学的に活性なフラグメント、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドの変異体、変性ポリペプチド、誘導体、アナログ、融合タンパク質が挙げられる。ポリペプチドとしては、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
本明細書で使用される「抗体変異体(antibody variant)」という用語は、親抗体と比較して構造変化(例えば、異なるアミノ酸側鎖、異なる翻訳後修飾又は他の修飾)をもたらす、少なくとも1つの重鎖、軽鎖、又はこれらの組み合わせにおける少なくとも1つのアミノ酸修飾(例えば、異なるアミノ酸側鎖を有することによる)、翻訳後修飾又は他の修飾によって親抗体と異なる抗体を意味する。構造変化は、当該分野で周知の種々の方法(例えば、LC-MS、直接配列決定)によって直接的に、又は等電点電気泳動などの方法を介して間接的に決定され得る。このような方法は、当業者に周知である。
【0023】
用語「エピトープ」は、本明細書中で使用される場合、特定の結合ドメインと接触する抗原の部分をいう。エピトープは、直線状又は立体配座的/不連続であり得る。立体配座的又は不連続エピトープは、他の配列によって分離されている(すなわち、抗原の一次配列中の連続配列中にない)アミノ酸残基を含む。残基はペプチド鎖の異なる領域からのものであり得るが、それらは抗原の三次元構造中で近接している。多量体抗原の場合、立体配座的エピトープ又は不連続エピトープは、異なるペプチド鎖からの残基を含み得る。エピトープ内に含まれる特定の残基は、コンピュータモデリングプログラムによって、又はX線結晶学などの当技術分野技術分野で公知の方法を通じて得られる三次元構造を介して決定することができる。本明細書で企図されるように、エピトープという用語は、抗原結合タンパク質又はドメイン、例えばグリコシル化タンパク質の糖部分によって認識され得るポリペプチドに対する翻訳後修飾を含む。
【0024】
本明細書で使用される「単離された」という用語は、天然の状態から変更又は除去されたことを意味する。例えば、生きている動物中に天然に存在する核酸又はペプチドは「単離された」ものではないが、その天然の状態の共存する物質から部分的又は完全に分離された同じ核酸又はペプチドは「単離された」ものである。単離された核酸又はタンパク質は、実質的に精製された形態で存在することもでき、又は非天然の環境(例えば、宿主細胞など)中に存在することもできる。
【0025】
TACTILEとしても知られるCD96(分化抗原群96)は、T細胞及びNK細胞上に発現する受容体であり、CD226(DNAM01)と配列類似性を共有し、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する1型膜貫通糖タンパク質である。
【0026】
ヒトCD96は、3つのアイソフォーム:2つの膜(V1;V2)及び可溶性形態を有する。より長いV1アイソフォームは、65,634DaのMWを有する585アミノ酸タンパク質である。より短いアイソフォームV2(569aa)は、63,888DaのMWを有する。V2は、第2のドメインのIgフォールドの短い欠失を有することによってV1とは異なる。CD96の第1のドメインは、CD155結合に必要とされるエピトープ(複数可)を含有するが、第2のドメインは、結合の大きさ/強度を調節することが報告されている。CD96V2は、CD96V1よりもはるかに強くCD155に結合し、急性骨髄性白血病AML(細胞)を除いて主に発現される形態でもある。CD96の可溶性形態(sCD96)についてはほとんど知られていない。sCD96は、健康なドナー血液中で検出され(1~3ng/ml)、より高いレベルがB型肝炎ウイルス(HBV)HBV/肝硬変患者において検出されたことが報告されている。
【0027】
正常なヒト組織のmRNA分析に基づいて、CD96の最も高い発現(CD96のV1及びV2の両方を検出するプローブ)が、造血細胞において観察される。CD96発現はまた、多数のリンパ球を含む組織(例えば、脾臓、肺、甲状腺及び小腸)において観察される。造血細胞の中で、CD96は、T細胞及びNK細胞において最も豊富であり、いくつかのB細胞においてより低い発現である。CD96と同様に、TIGIT及びCD226は、造血細胞において最も豊富であり、T細胞及びNK細胞の両方において発現される。CD226はまた、従来のDC細胞においても発現される。リガンドCD155は、ヒト正常組織において広範な発現パターンを示し、DC細胞及びマクロファージ(抗原提示細胞)においても発現される。CD155は、T細胞又はNK細胞において発現されない。
【0028】
抗原結合タンパク質-標的抗原相互作用の結合親和性(KD)は、1mM以下、100nM以下、10nM以下、2nM以下又は1nM以下であり得る。あるいは、KDは、5~10nMの間;又は1~2nMの間であり得る。KDは、1pM~500pMの間;又は500pM~1nMの間であり得る。例えば、特定の有用なそのような変異体は、少なくとも約40nM又は少なくとも約35nM又は少なくとも約30nM、例えば約10pM~約30nMである結合親和性(KD)を有する。
【0029】
抗原結合タンパク質の結合親和性は、会合定数(Ka)及び解離定数(Kd)(KD=Kd/Ka)によって決定される。結合親和性は、BIACORE(TM)によって、例えば、プロテインAでコーティングされたセンサー表面上に試験抗体を捕捉し、この表面上に標的抗原を流すことによって測定することができる。あるいは、結合親和性は、FORTEBIOによって、例えば、プロテインAでコーティングされた針上に試験抗体受容体を捕捉し、この表面上に標的抗原を流すことによって測定することができる。あるいは、結合親和性(KD)は、MSD-SET分析(MSD溶液平衡滴定)を使用することによって、例えば、標準的な結合MSDプレート上に試験抗体を滴定(titrarated)し、MSD SECTOR IMAGERを使用して検出することによって測定することができる。MSD-SETは、溶液相、抗体の平衡親和性を決定する。この公知の方法は、滴定された一連の抗体濃度における平衡状態での遊離抗原の検出に依存する。
【0030】
Kdは、1×10-3Ms-1以下、1×10-4Ms-1以下、又は1×10-5Ms-1以下であり得る。Kdは、1×10-5Ms-1~1×10-4Ms-1の間;又は1×10-4Ms-1~1×10-3Ms-1の間であり得る。遅いKdは、抗原結合タンパク質-標的抗原複合体の遅い解離及び標的抗原の改善された中和をもたらし得る。
【0031】
本明細書で使用される「特異的抗原結合活性」という用語は、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定される抗原結合活性を意味する。CD96特異的結合活性は、例えば結合モードで実施される、BIACORETM装置を使用するSPRによって決定することができる。それは、結合活性を試料中の総タンパク質含有量で除算したものである。
【0032】
「VH」及び「VL」という用語は、本明細書において、抗原結合タンパク質の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をそれぞれ指すために使用される。
【0033】
「CDR」は、抗原結合タンパク質の相補性決定領域アミノ酸配列として定義される。これらは、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の超可変領域である。免疫グロブリンの可変部分には、3つの重鎖及び3つの軽鎖CDR(又はCDR領域)が存在する。したがって、本明細書で使用される「CDR」は、3つ全ての重鎖CDR、3つ全ての軽鎖CDR、全ての重鎖及び軽鎖CDR、又は少なくとも1つのCDRを指し、少なくとも1つのCDRはCDRH3である。フレームワーク領域は、これらのCDR領域のそれぞれに続く。許容される重鎖可変領域及び軽鎖可変領域領域のフレームワーク1、フレームワーク2及びフレームワーク3領域は、当業者によって容易に認識される。許容される重鎖定常領域(ヒンジ領域を含む)及び軽鎖定常領域も当業者によって容易に認識される。許容される抗体アイソタイプも同様に、当業者によって容易に認識される。
【0034】
本明細書全体を通して、可変ドメイン配列及び全長抗体配列中のアミノ酸残基は、Kabat ナンバリング規則に従ってナンバリングされる。同様に、本明細書中で使用される用語「CDR」、「CDRL1」、「CDRL2」、「CDRL3」、「CDRH1」、「CDRH2」、「CDRH3」も、Kabatナンバリング規則に従う。
【0035】
可変ドメイン配列及び完全長抗体配列中のアミノ酸残基について代替的なナンバリング規則が存在することは、当業者には明らかであろう。CDR配列についても代替的なナンバリング規則、例えば、Chothiaナンバリング規則に従って記載されるものが存在する。抗体の構造及びタンパク質フォールディングは、他の残基がCDR配列の一部と考えられ、当業者によってそのように理解されることを意味し得る。
【0036】
当業者に利用可能なCDR配列についての他のナンバリング慣例としては、「AbM」(University of Bath)及び「contact」(University College London)法が挙げられる。Kabat、Chothia、AbM及び接触法のうちの少なくとも2つを使用する最小重複領域は、「最小結合単位」を提供するために決定することができる。最小結合単位は、CDRの下位部分であり得る。
【0037】
以下の表1は、各CDR又は結合単位についての各ナンバリング規則を使用する1つの定義を表す。Kabatナンバリングスキームを表1において使用して、可変ドメインアミノ酸配列にナンバリングする。CDR定義のいくつかは、使用される個々の刊行物に応じて変動し得ることに留意すべきである。
【0038】
【表1】
【0039】
本開示の一実施態様は、(a)(i)配列番号2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46,50,54,58,62,66,70,74,78,82,86,90,及び94からのCDRH1、CDRH2、CDRH3及び/又は配列番号1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45,49,53,57,61,65,69,73,77,81,85,89及び93からのCDRL1、CDRL2、CDRL3から選択されるCDRのいずれか1つ又は組合せ;又は(ii)(i)のCDR変異体であって、1、2又は3個のアミノ酸修飾を有する変異体;あるいは(b)配列番号2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46,50,54,58,62,66,70,74,78,82,86,90,又は94の配列と少なくとも80%同一(又は少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%同一)の配列を含むVH領域;及び/又は配列番号1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45,49,53,57,61,65,69,73,77,81,85,89,又は93の配列と少なくとも80%同一(又は少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%同一)の配列を含むVL領域を含むCD96結合タンパク質である。
【0040】
別の実施態様では、CD96結合タンパク質は、(a)(i)配列番号2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46,50,54,58,62,66,70,74,78,82,86,90,及び94からのCDRH1、CDRH2、CDRH3、及び/又は配列番号1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45,49,53,57,61,65,69,73,77,81,85,89,及び93からのCDRL1、CDRL2、CRDL3から選択されるCDRのいずれか1つ又は組合せ;又は(ii)(i)のCDR変異体であって、1、2又は3個のアミノ酸修飾を有する変異体;あるいは(b)配列番号2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46,50,54,58,62,66,70,74,78,82,86,90,又は94の配列を含むVH領域;及び/又は配列番号1,5,9,13,17,21,25,29,33,37,41,45,49,53,57,61,65,69,73,77,81,85,89,又は93の配列と少なくとも80%同一(又は少なくとも85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5%同一)の配列を含むVL領域を含む。
【0041】
本開示の別の実施態様は、配列番号105~125から選択されるCDRH1;配列番号126~146から選択されるCDRH2;及び/又は配列番号147~150から選択されるCDRH3;配列番号97~98から選択されるCDRL1;配列番号99~100から選択されるCDRL2;及び/又は配列番号101~104から選択されるCDRL3を含む、前の態様に記載のCD96結合タンパク質である。
【0042】
本開示の別の実施態様は、配列番号147、148、149、又は150と100%同一であるCDRH3を含む、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0043】
本開示の別の実施態様は、配列番号105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124又は125と100%同一であるCDRH1;配列番号126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,141,142,143,144,145,又は146と100%同一であるCDRH2;及び/又は配列番号147,148,149,又は150と100%同一であるCDRH3;配列番号97又は98148と100%同一であるCDRL1;配列番号99又は100と100%同一であるCDRL2;及び/又は配列番号101,102,103,又は104と100%同一であるCDRL3を含む、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0044】
本開示の別の実施態様は、6つ全てのCDRが結合タンパク質中に存在する、先行する態様のいずれか1つに記載されるCD96結合タンパク質である。
【0045】
本開示の別の実施態様は、配列番号115のCDRH1;配列番号145のCDRH2;及び配列番号147のCDRH3;及び/又は配列番号97のCDRL1;配列番号99のCDRL2;及び配列番号101のCDRL3を含む、先行する態様のいずれか1つに記載されるCD96結合タンパク質である。
【0046】
本開示の別の実施態様は、結合タンパク質が、配列番号86と75%同一であるVH領域;及び/又は配列番号85と75%同一である(又はこれらの配列と少なくとも85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5%同一である)VL領域を含む、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。本開示の別の態様は、結合タンパク質が、配列番号86と100%同一であるVH領域;及び/又は配列番号85と100%同一であるVL領域を含む、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0047】
本開示の一実施態様において、本発明は、本明細書に記載のCDRのいずれかを(単独で又は記載の組合せで)含み、Fcガンマ受容体に結合することができ、かつ/又はIFNガンマ放出を促進することができるFc領域も含む、CD96結合タンパク質を提供する。そのようなFc領域は、野生型IgG1Fcであり得る。
【0048】
本開示の一実施態様において、本発明は、本明細書に記載されるVH領域のいずれかを(単独で又は記載される組み合わせで)含み、かつFcガンマ受容体に結合することができ、かつ/又はIFNガンマ放出を促進することができるFc領域も含むCD96結合タンパク質を提供する。そのようなFc領域は、野生型IgG1Fcであり得る。
【0049】
本開示の一実施態様において、本発明は、本明細書に記載のVL領域のいずれかを(単独で又は記載の組合せで)含み、かつFcガンマ受容体に結合することができ、かつ/又はIFNガンマ放出を促進することができるFc領域も含むCD96結合タンパク質を提供する。そのようなFc領域は、野生型IgG1Fcであり得る。
【0050】
本開示の別の実施態様は、抗体である先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質であって、結合タンパク質が、配列番号165と75%同一(又は少なくとも80%,85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5%同一)である(完全)重鎖;及び/又は配列番号166と75%同一(又は少なくとも80%,85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5%同一)である(完全)軽鎖を含む。
【0051】
本開示の別の態様は、結合タンパク質が、配列番号86と100%同一であるVH領域;及び/又は配列番号85と100%同一であるVL領域を含む、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0052】
本開示の別の態様は、抗体であり、結合タンパク質が、配列番号165のアミノ酸配列と100%同一である(完全)重鎖;及び/又は配列番号166のアミノ酸配列と100%同一である(完全)軽鎖(配列番号165及び166においてCDRに下線が引かれている)を含むか、あるいはCD96に結合する抗体であって、重鎖が配列番号167の核酸配列によってコードされ、及び/又は軽鎖が配列番号168の核酸配列によってコードされる抗体である、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0053】
本開示の別の態様は、抗体であり、結合タンパク質が、配列番号170のアミノ酸配列と100%同一である(完全)重鎖;及び/又は配列番号169のアミノ酸配列と100%同一である(完全)軽鎖(CDRに下線が引かれている)を含むか、あるいはCD96に結合する抗体であって、重鎖が配列番号172の核酸配列によってコードされ、及び/又は軽鎖が配列番号171の核酸配列によってコードされる抗体である、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0054】
本開示の別の態様は、抗体であり、結合タンパク質が、配列番号174のアミノ酸配列と100%同一である(完全)重鎖;及び/又は配列番号173のアミノ酸配列と100%同一である(完全)軽鎖(CDRに下線が引かれている)を含むか、あるいはCD96に結合する抗体であって、重鎖が配列番号176の核酸配列によってコードされ、及び/又は軽鎖が配列番号175の核酸配列によってコードされる抗体である、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0055】
本発明は、本明細書中に記載されるアミノ酸配列のいずれかと100%同一である結合タンパク質、及び本明細書中に記載されるアミノ酸配列の変異体であるタンパク質(例えば、本明細書中の配列と少なくとも75%同一又は少なくとも80%,85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5同一である配列)を含む。
【0056】
本発明はまた、本発明の結合タンパク質をコードする核酸(本明細書中に記載される核酸配列のいずれかに対して100%同一である核酸を含む)、及び本明細書中に記載される配列の変異体である核酸(例えば、本明細書中の配列に対して少なくとも75%同一又は少なくとも80%,85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,99.5%同一である配列)を含む。
【0057】
本出願において提供されるアミノ酸配列を有するCDR及び可変領域は、CD155の結合親和性と同等もしくはそれよりも良好なCD96に対する結合親和性を有し、かつ/又はCD155がCD96に結合するのを防止もしくは置換することができる可変領域である(これを決定するために使用することができる結合アッセイの例は、本明細書の実施例1及び2に記載されている)。本明細書において記載される配列の有用な変異体は、可変領域がCD155の結合親和性と同等もしくはそれよりも良好なCD96に対する結合親和性を有し、又はCD155がCD96に結合するのを防止もしくは置換することができる変異体である(これを決定するために使用することができる結合アッセイの例は、本明細書の実施例1及び2に記載されている)。例えば、ある特定の有用なそのような変異体は、例えば、結合親和性が本明細書に詳述されるMSD-SETアッセイによって決定される場合、少なくとも約40nM又は少なくとも約35nM又は少なくとも約30nM、例えば、約10pM~約30nMである結合親和性(KD)を有する。
【0058】
本発明による有用なCD96結合タンパク質(抗体など)は、そのような可変領域と、本明細書に記載されるFc領域とを含むことができ、そのFc領域は、Fcガンマ受容体に結合することができ、かつ/又はIFNガンマ放出を促進することができる。本発明によるそのようなFc領域は、野生型IgG1Fc又はその機能的変異体(例えば、Fcガンマ受容体に結合することができ、かつ/又はIFNガンマ放出を促進することができるFc無効化変異体)である。したがって、本発明のCDR及び/又は可変領域のいずれかを、本発明のFc領域、例えば、野生型IgG1Fc又はその機能的変異体と組み合わせることができる。
【0059】
本開示の別の実施態様は、結合タンパク質が、合成ポリペプチド、ヒト化配列、又はキメラ配列を含む、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質である。
【0060】
本明細書で使用される場合、「保存配列改変(conservative sequence modifications)」という用語は、アミノ酸配列を含有する抗体又は抗体断片の結合特性に有意に影響を及ぼさない又はそれを変化させないアミノ酸改変を指すことが意図される。そのような保存的改変には、アミノ酸置換、付加及び欠失が含まれる。改変は、当該分野で公知の標準的な技術(例えば、部位特異的変異誘発及びPCR媒介変異誘発)によって、本発明の抗体又は抗体フラグメントに導入され得る。保存アミノ酸置換(Conservative amino acid substitutions)は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が含まれる。
【0061】
「ドメイン」という用語は、タンパク質の残りの部分から独立してその三次構造を保持する折り畳まれたタンパク質構造を指す。一般に、ドメインは、タンパク質の別個の機能特性に関与し、多くの場合、タンパク質及び/又はドメインの残りの部分の機能を喪失することなく、他のタンパク質に付加、除去又は転移され得る。
【0062】
「核酸」又は「ポリヌクレオチド」という用語は、一本鎖又は二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)及びそのポリマーを指す。特に限定されない限り、この用語は、参照核酸と同様の結合特性を有する天然ヌクレオチドの公知の類似体を含む核酸を包含し、天然に存在するヌクレオチドと同様の様式で代謝されるものである。他に示されない限り、特定の核酸配列はまた、その保存改変変異体(例えば、縮重コドン置換)、対立遺伝子、オルソログ、SNP、及び相補的配列、ならびに明示的に示される配列を暗黙的に包含する。具体的には、1つ以上の選択された(又は全ての)コドンの第3の位置が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換される配列を生成することによって、縮重コドン置換が達成され得る(Batzer et al., Nucleic Acid Res. 19:5081 (1991); Ohtsuka et al., J. Biol. Chem. 260:2605-2608 (1985); and Rossolini et al., Mol. Cell. Probes 8:91-98 (1994)を参照のこと)。
【0063】
本開示の一実施態様は、先行する実施態様のいずれか1つに記載されるCD96結合タンパク質をコードする核酸配列である。
【0064】
本開示のさらなる実施態様は、配列が、重鎖をコードする配列番号4,8,12,16,20,24,28,32,36,40,44,48,52,56,60,64,68,72,76,80,84,88,92,又は96;及び/又は軽鎖をコードする配列番号3,7,11,15,19,23,27,31,35,39,43,47,51,55,59,63,67,71,75,79,83,87,91,又は95を含む、先行する実施態様に記載される核酸配列である。本開示の別の実施態様は、先行する実施態様のいずれかに記載される核酸を含む発現ベクターである。
【0065】
本明細書に記載される組成物は、任意の数の従来の技術によって生成され得る。例えば、組成物は、組換え発現系において発現され得、そして組換え発現系から精製され得る。一実施態様において、組成物は、先行する実施態様のいずれかに記載されるCD96結合タンパク質の発現に適した条件下で宿主細胞を培養する方法によって産生され、その組成物は、発現され、そして必要に応じて精製され、そして必要に応じて薬学的組成物内に剤型化される。
【0066】
いくつかの異なる発現系及び精製レジームを使用して、組成物を生成することができる。一般に、宿主細胞は、抗体をコードする組換え発現ベクターで形質転換される。哺乳動物起源の真核細胞株(例えば、CHO、Perc6、HEK293、HeLa、NS0)を含む広範囲の宿主細胞を使用することができる。適切な宿主細胞として、CHO(例えば、CHOK1及びCHO-DG44)などの哺乳動物細胞が挙げられる。
【0067】
宿主細胞は、単離された宿主細胞であってもよい。宿主細胞は、通常、多細胞生物(例えば、植物又は動物)の一部ではない。宿主細胞は、非ヒト宿主細胞であってもよい。
【0068】
真核生物又は哺乳動物細胞宿主とともに使用するための適切なクローニングベクター及び発現ベクターならびにクローニングの方法は、当該分野で公知である。
【0069】
細胞は、抗体の発現を促進する条件下で培養され得る。例えば、細胞を培養するためには産生バイオリアクター(production bioreactor)を使用する。産生バイオリアクターの容量は、(i)約20,000リットル、約10,000リットル;約5,000リットル;約2,000リットル;約1,000リットル;もしくは約500リットル;又は(ii)500~20,000リットル;500~10,000リットル;500~5,000リットル;1,000~10,000リットル、もしくは2,000~10,000リットルであり得る。例えば、細胞は、約6.75~pH 7.00のpHで産生バイオリアクター中で培養され得る。あるいは、細胞は、約12~約18日間産生バイオリアクター中で培養され得る。あるいは、細胞は、約6.75~約7.00のpHで約12~約18日間産生バイオリアクター中で培養され得る。この培養工程は、脱アミド化抗体変異体のレベルを制御する、例えば、脱アミド化抗体変異体のレベルを低下させるのに役立ち得る。
【0070】
組成物は、従来のタンパク質精製手順によって回収及び精製され得る。例えば、組成物は、培養培地から直接収集され得る。細胞培養培地の収集は、例えば遠心分離及び/又は深層濾過による清澄化を介してもよい。組成物の回収後、適切な純度を確保するために精製を行う。
【0071】
本開示のさらなる実施態様は、先行する実施態様のいずれかに記載される核酸配列又は発現ベクターを含む組換え宿主細胞である。本開示の別の実施態様は、先行する実施態様に記載される宿主細胞を、前記核酸配列又はベクターの発現に適した条件下で培養することを含み、それによってCD96結合タンパク質を含むポリペプチドが産生される、CD96結合タンパク質を産生するための方法である。本開示のさらなる実施態様は、先行する実施態様に記載される産生方法によって産生されるCD96結合タンパク質である。本開示の別の実施態様は、先行する実施態様のいずれか1つに記載されるCD96結合タンパク質を発現するように操作された細胞株である。
【0072】
クエリー核酸配列と対象核酸配列との間の「パーセント同一性」はパーセンテージとして表される「同一性」値であって、それはペアワイズBLASTNアラインメントが行われた後に対象核酸配列がクエリー核酸配列と100%のクエリーカバレッジを有する場合にBLASTNアルゴリズムによって計算されるものである。クエリー核酸配列と対象核酸配列との間のそのようなペアワイズBLASTNアラインメントは、National Center for Biotechnology Instituteのウェブサイトで利用可能なBLASTNアルゴリズムのデフォルト設定を使用して、低複雑性領域用のフィルターをオフにして実施される。重要なことに、クエリー核酸配列は、本明細書中の1つ又は複数の請求項において同定される核酸配列によって記載され得る。
【0073】
クエリーアミノ酸配列と対象アミノ酸配列との間の「パーセント同一性」は、パーセンテージとして表される「同一性」値であって、それは対象アミノ酸配列が、ペアワイズBLASTPアラインメントが行われた後にクエリーアミノ酸配列と100%のクエリーカバレッジを有する場合にBLASTPアルゴリズムによって計算されるものである。そのようなクエリーアミノ酸配列と対象アミノ酸配列との間のペアワイズBLASTPアラインメントは、National Center for Biotechnology Instituteのウェブサイトで利用可能なBLASTPアルゴリズムのデフォルト設定を使用して、低複雑性領域のためのフィルターをオフにして実施される。重要なことに、クエリーアミノ酸配列は、本明細書の1つ又は複数の請求項において特定されるアミノ酸配列によって記載され得る。
【0074】
クエリー配列は、対象配列と100%同一であってもよく、又はそれは、同一性%が100%未満であるように、対象配列と比較して特定の整数個までのアミノ酸又はヌクレオチド改変を含んでもよい。例えば、クエリー配列は、対象配列と少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99%同一である。そのような改変には、少なくとも1つのアミノ酸欠失、置換(保存及び非保存置換を含む)、又は挿入が含まれ、その改変は、クエリー配列のアミノ末端位置もしくはカルボキシ末端位置、又はそれらの末端位置の間のどこかで、クエリー配列中のアミノ酸もしくはヌクレオチドの間に個々に、又はクエリー配列内の1つもしくは複数の連続した群に散在して生じ得る。
【0075】
本明細書で使用される「配列同一性」は、配列を比較することによって決定される、2つ以上のアミノ酸配列間、又は2つ以上の核酸配列間の関連性の程度である。配列の比較及び配列同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成され得る;当業者は、2つの配列を整列させ、それらの間のパーセント同一性を決定するために利用可能なコンピュータプログラムを知っている。当業者は、異なるアルゴリズムがわずかに異なる結果をもたらし得ることを理解するであろう。
【0076】
抗体に関して本明細書で使用される「特異的に結合する(specifically binds)」という用語及びその文法的変形は、特定の抗原を認識し、それと結合するが、試料中の他の分子を実質的に認識又は結合しない抗体又は抗体断片を意味する。例えば、1つの種に由来する抗原に特異的に結合する抗体はまた、1つ又は複数の種に由来するその抗原に結合し得る。しかし、そのような異種間の反応性自体は、特異的なものとしての抗体の分類を変更しない。別の例において、抗原に特異的に結合する抗体はまた、抗原の異なる対立遺伝子形態に結合し得る。しかしながら、そのような交差反応性自体は、特異的なものとしての抗体の分類を変化させない。いくつかの例において、「特異的結合(specific binding)」又は「特異的に結合する(specifically binding)」という用語は、抗体、タンパク質、又はペプチドと第2の化学種との相互作用に関して使用され得、相互作用が、化学種上の特定の構造(例えば、抗原決定基又はエピトープ)の存在に依存することを意味する;例えば、抗体は、一般にタンパク質ではなく、特定のタンパク質構造を認識し、結合する。抗体がエピトープ「A」に特異的である場合、標識された「A」及び抗体を含む反応において、エピトープA(又は遊離の非標識A)を含む分子の存在は、抗体に結合した標識されたAの量を低下させる。
【0077】
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は、患者への投与に適した組成物を意味する。
【0078】
本明細書に記載される医薬組成物は、本明細書に記載されるCD96結合タンパク質の精製された調製物を含み得る。
【0079】
例えば、医薬調製物は、薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、本明細書に記載されるCD96結合タンパク質の精製された調製物を含み得る。
【0080】
典型的には、そのような医薬組成物は、許容される薬務によって知られ、かつ要求されるような薬学的に許容可能な担体を含む。そのような担体の例としては、場合により適切な緩衝液で5~8の範囲内のpHに緩衝されてもよい、生理食塩水、リンゲル液、又はデキストロース溶液などの滅菌担体が挙げられる。
【0081】
薬学的組成物は、注射又は注入(例えば、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、筋肉内、又は門脈内)によって投与され得る。そのような組成物は、好適には、目に見える粒子状物質を含まない。薬学的組成物は、1mg~10gの抗原結合タンパク質、例えば、5Mg~1gの抗原結合タンパク質を含み得る。あるいは、組成物は、5Mg~500mgの抗原結合タンパク質、例えば、5Mg~50mgを含み得る。
【0082】
このような医薬組成物の調製方法は、当業者に周知である。医薬組成物は、場合により使用説明書と共に、単位投与形態(unit dosage form)中に1mg~10gの抗原結合タンパク質を含み得る。医薬組成物は、当業者に周知又は明らかな方法に従って、投与前に再構成するために凍結乾燥(フリーズドライ)され得る。抗体がIgG1アイソタイプを有する場合、このアイソタイプの抗体の銅媒介性分解の程度を低減するために、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)又はEDTA又はヒスチジンなどの銅のキレート剤を医薬組成物に添加してもよい。医薬組成物はまた、アルギニンなどの可溶化剤、ポリソルベート80などの界面活性剤/抗凝集剤、及びバイアルヘッドスペースの酸素(vial headspace oxygen)を置き換えるための窒素などの不活性ガスを含んでもよい。
【0083】
本開示の一実施態様は、先行する実施態様のいずれかに記載されるCD96結合タンパク質と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物である。本開示のさらなる実施態様は、先行する実施態様のいずれか1つに記載される治療有効量のCD96結合タンパク質を含む医薬組成物である。
【0084】
「抗腫瘍効果(anti-tumor effect)」という用語は、本明細書で使用される場合、腫瘍増殖速度の低下、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、転移数の減少、平均余命の増加、又は癌状態に関連する様々な生理学的症状の改善によって明らかにされ得る生物学的効果を指す。「抗腫瘍効果」はまた、第一に腫瘍の発生の予防に対する、本発明のペプチド、ポリヌクレオチド、細胞及び抗体による能力によっても明らかにされ得る。
【0085】
本明細書中で使用される場合、用語「癌」、「新生物」及び「腫瘍」は、交換可能に使用され、そして単数形又は複数形のいずれかで使用され、悪性形質転換を経た結果、宿主生物に対して病的な細胞をいう。特定の実施態様において企図される組成物及び方法によって標的化され得る細胞の例示的な例としては、以下の癌が挙げられるが、これらに限定されない:滑膜肉腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、粘液様円形細胞脂肪肉腫(MRCLS)、及び多発性骨髄腫(MM)。原発性癌細胞は、十分に確立された技術、特に組織学的検査によって非癌性細胞から容易に区別することができる。本明細書で使用される癌細胞の定義には、原発性癌細胞だけでなく、癌細胞祖先に由来する任意の細胞も含まれる。これには、転移した癌細胞、ならびに癌細胞に由来するin vitro培養物及び細胞株が含まれる。固形腫瘍として通常現れる癌の種類に言及する場合、「臨床的に検出可能な」腫瘍は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、X線、超音波又は身体検査での触診などの手順によって、腫瘍塊に基づいて検出可能であり、かつ/又は患者から入手可能な試料中の1つ又は複数の癌特異的抗原の発現により検出可能であるものである。腫瘍は造血性(又は血液に関する(hematologic)(hematological)(blood-related))の癌、例えば血液細胞又は免疫細胞に由来する癌でよく、それらは「液性腫瘍」とも称される。血液腫瘍に基づく臨床状態の具体的な例としては、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病及び急性リンパ性白血病などの白血病;多発性骨髄腫、MGUS及びヴァルデンストレームマクログロブリン血症などの形質細胞悪性腫瘍;非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫などのリンパ腫などが挙げられる。
【0086】
癌は、異常な数の芽細胞又は望ましくない細胞増殖が存在するか、又はリンパ性悪性疾患及び骨髄性悪性疾患の両方を含む血液癌と診断される任意の癌であり得る。骨髄性悪性疾患としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:急性骨髄性白血病(又は骨髄球性もしくは骨髄性もしくは骨髄芽球性)白血病(未分化もしくは分化)、急性前骨髄球性(又は前骨髄球性もしくは前骨髄性もしくは前骨髄芽球性)白血病、急性骨髄単球性(又は骨髄単芽球性)白血病、急性単球性(又は単芽球性)白血病、赤白血病及び巨核球性(又は巨核芽球性)白血病。これらの白血病は、併せて、急性骨髄性白血病(又は骨髄球性もしくは骨髄性)白血病(AML)と呼ばれ得る。骨髄性悪性腫瘍はまた、慢性骨髄性(又は骨髄性)白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、本態性血小板血症(又は血小板増加症)、及び真性赤血球増加症(PCV)を含むがこれらに限定されない骨髄増殖性障害(MPD)を含む。骨髄性悪性腫瘍はまた、難治性貧血(RA)、過剰芽球を伴う難治性貧血(RAEB)、及び形質転換中の過剰芽球を伴う難治性貧血(RAEBT)と称され得る脊髄形成異常症(又は骨髄異形成症候群もしくはMDS);ならびに原因不明の骨髄様化生を伴う又は伴わない骨髄線維症(MFS)を含み得る。
【0087】
造血器癌はまた、リンパ節、脾臓、骨髄、末梢血、及び/又は節外部位に影響を及ぼし得るリンパ系悪性腫瘍を含む。リンパ系癌は、B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)を含むが、これに限定されないB細胞悪性腫瘍を含む。B-NHLは、無痛性(又は低悪性度)、中悪性度(又は侵攻性)又は高悪性度(非常に侵攻性)であってもよい。無痛性B細胞リンパ腫には、濾胞性リンパ腫(FL);小リンパ球性リンパ腫(SLL);節MZL、節外MZL、脾臓MZL及び絨毛リンパ球を有する脾臓MZLを含む辺縁帯リンパ腫(MZL);リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);ならびに粘膜関連リンパ組織(MALT又は節外辺縁帯)リンパ腫が含まれる。中悪性度B-NHLには、白血病の関与を伴う又は伴わないマントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)、濾胞性大細胞(又は悪性度3もしくは悪性度3B)リンパ腫、及び原発性縦隔リンパ腫(PML)が含まれる。高悪性度B-NHLには、バーキットリンパ腫(BL)、バーキット様リンパ腫、小非切断型細胞リンパ腫(SNCCL)及びリンパ芽球性リンパ腫が含まれる。他のB-NHLには、免疫芽球性リンパ腫(又は免疫細胞腫)、原発性滲出液リンパ腫、HIV関連(又はAIDS関連)リンパ腫、及び移植後リンパ増殖性障害(PTLD)又はリンパ腫が含まれる。B細胞悪性腫瘍にはまた、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、大顆粒リンパ球(LGL)白血病、急性リンパ性白血病(又はリンパ球もしくはリンパ芽球性白血病)、及びキャッスルマン病が含まれるが、これらに限定されない。NHLにはまた、T細胞非ホジキンリンパ腫(T-NHL)が含まれてもよく、これには、限定されないが、他に特定されていない(NOS)T細胞非ホジキンリンパ腫、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、血管免疫芽球性リンパ系障害(AILD)、鼻ナチュラルキラー(NK)細胞/T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、及びセザリー症候群が含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
造血系癌には、古典的ホジキンリンパ腫、結節性硬化型ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球優位型(LP)ホジキンリンパ腫、結節性LPホジキンリンパ腫、及びリンパ球枯渇型ホジキンリンパ腫を含むホジキンリンパ腫(又は疾患)も含まれる。造血系癌には、形質細胞疾患又は癌、例えば、くすぶり型MMを含む多発性骨髄腫(MM)、意義不明(又は未知もしくは不明瞭)の単クローン性高ガンマグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(骨、髄外)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、形質細胞白血病、及び原発性アミロイドーシス(AL)も含まれる。造血癌には、多形核白血球(又は好中球)、好塩基球、好酸球、樹状細胞、血小板、赤血球、及びナチュラルキラー細胞を含む、さらなる造血細胞の他の癌も含まれ得る。本明細書中で「造血細胞組織」と呼ばれる造血細胞を含む組織としては、骨髄;末梢血;胸腺;ならびに脾臓、リンパ節、粘膜に関連するリンパ組織(例えば、腸管関連リンパ組織)、扁桃、パイエル板及び虫垂などの末梢リンパ組織、ならびに他の粘膜に関連するリンパ組織(例えば、気管支内膜)が挙げられる。
【0089】
一実施態様では、本発明の結合タンパク質によってされ得る癌は、固形腫瘍(例えば、再発性、転移性又は進行性固形腫瘍)を含み得る。そのような固形腫瘍の例としては、卵巣、肺(例えば、NSCLC)、胃、膀胱、結腸直腸、肝臓(例えば、HCC)、腎臓(例えば、RCC)、ならびに頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)が挙げられる。
【0090】
「治療的(therapeutic)」という用語は、本明細書で使用される場合、処置及び/又は予防を意味する。治療効果は、疾患状態の抑制、寛解、又は根絶によって得られる。
【0091】
本明細書中で使用される場合、「治療有効量」又は「有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医によって探求されている組織、系、又は対象の生物学的又は医学的応答を誘発するか、又は治療的もしくは予防的利益を提供する量を意味する。治療有効量及び治療レジメンは、一般に経験的に決定され、患者の年齢、体重及び健康状態ならびに治療される疾患又は障害などの因子に依存し得る。そのような因子は、主治医の範囲内である。
【0092】
本明細書中で使用される場合、用語「処置すること」及びその文法的変形は、治療的治療を意味する。特定の状態に関して、処置するとは:(1)その状態の1つ以上の生物学的発現の状態を改善又は予防すること、(2)(a)その状態を導くか又はその状態の原因である生物学的カスケードにおける1つ以上の点、あるいは(b)その状態の1つ以上の生物学的発現を妨害すること、(3)その状態又はその処置に関連する1つ以上の症状、効果又は副作用を緩和すること、(4)その状態又はその状態の1つ以上の生物学的発現の進行を遅らせること、及び/又は(5)その状態又はその状態の1つ以上の生物学的発現を、その発現についての寛解の状態であると考えられる期間にわたってさらなる処置なしに除去するか又は検出不可能なレベルまで減少させることによって治癒することを意味する。当業者は、特定の疾患又は状態について寛解と考えられる期間を理解する。予防的治療もまた、それによって企図される。当業者は、「予防」が絶対的な用語ではないことを理解するであろう。医学において、「予防」は、状態もしくはその生物学的発現の可能性もしくは重症度を実質的に減少させるため、又はそのような状態もしくはその生物学的発現の発症を遅延させるための薬物の予防的投与を指すと理解される。予防的治療は、例えば、対象が癌を発症するリスクが高いと考えられる場合、例えば、対象が強い癌の家族歴を有する場合、又は対象が発癌物質に曝露されている場合に適切である。
【0093】
「個体」、「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用される。一実施態様において、対象は、霊長類、例えば、マーモセットもしくはサル、又はヒトなどの哺乳動物である。さらなる実施態様において、対象は、ヒトである。
【0094】
対象に投与される抗原結合タンパク質の投与量は、一般に、対象の体重の1μg/kg~150mg/kg、0.1mg/kg~100mg/kg、0.5Mg/kg~50mg/kg、1~25Mg/kg、約0.3Mg/kg~約3Mg/kg又は1~10mg/kgである。例えば、用量は、10mg/kg、30mg/kg、又は60mg/kgであり得る。用量はまた、10mg/kg~110mg/mg、15Mg/kg~25Mg/kg、又は15Mg/kg~100mg/kgであり得る。抗原結合タンパク質は、例えば、非経口的、皮下、静脈内、又は筋肉内に投与され得る。用量はまた、対象当たり約20mg~対象当たり約750mg、対象当たり約75Mg~対象当たり約750mg、対象当たり約20mg~対象当たり約200mgなどの対象当たりベースで投与され得る。用量は、これらの投与範囲を有する任意の個別の部分範囲であり得る。例えば、用量はまた、約100mg/対象(例えば、4週間に1回)、又は300mg/対象などの対象ベースで皮下投与されてもよい(又は投与される他の用量は、静脈内投与とほぼ同じ又は同等のバイオアベイラビリティが達成される場合、皮下に投与されてもよい、例えば、対象につき総用量で300mgの皮下投与を達成するために、対象につき100mgの用量を三回)。
【0095】
本明細書に提供される範囲はいかなる類であれ、記載される特定の範囲内の全ての値、及び特定の範囲の終点についての値を含む。
【0096】
所望に応じて、本開示の抗体又は抗原結合タンパク質の有効1日用量(例えば、医薬組成物として)は、1日を通して適切な間隔で別々に2、3、4、5、6回又はそれ以上の用量として、場合により単位投与形態で投与され得る。
【0097】
用量の投与は、2~24時間、例えば2~12時間、又は2~6時間の期間にわたるゆっくりとした連続注入によるものであり得る。そのような投与は、副作用の低減をもたらし得る。
【0098】
用量の投与は、必要に応じて1回又は複数回、例えば、1日3回、毎日1回、2日毎に1回、週1回、14日毎に1回、月1回、3ヶ月毎に1回、4ヶ月毎に1回、6ヶ月毎に1回、又は12ヶ月毎に1回繰り返すことができる。抗原結合タンパク質は、維持療法によって、例えば、6ヶ月以上の期間にわたって週1回投与されてもよい。抗原結合タンパク質は、断続的療法によって、例えば、3~6ヶ月の期間にわたって投与してもよく、次いで、3~6ヶ月間にわたって投与せず、その後、抗原結合タンパク質を再び3~6ヶ月間にわたって投与する、等のサイクルで投与してもよい。
【0099】
例えば、用量は、14又は28日毎に1回、投与の各日に複数用量の形態で皮下投与されてもよい。一実施態様では、組成物の投与量は、4週間(28日)毎に1回100mgである。
【0100】
抗原結合タンパク質は、特定の部位に治療を標的化するような方法で対象に投与され得る。
【0101】
本開示の方法におけるCD96結合タンパク質は、抗体、小分子阻害剤などの1つ以上の他の治療的に活性な薬剤と組み合わせて使用されるか、又は同時投与され得るか、又は細胞療法と組み合わせて使用され得る。本明細書で使用される「同時投与(co-administration)」という用語は、本明細書に記載されるCD96結合タンパク質と、化学療法及び放射線治療を含む癌の治療に有用であることが知られているさらなる活性薬剤(複数可)との同時投与又は任意の様式の別個の逐次投与のいずれかを意味する。本明細書で使用されるさらなる活性薬剤(複数可)という用語は、癌の治療を必要とする患者に投与された場合に有利な特性を示すことが知られている任意の化合物又は治療薬を含む。好ましくは、投与が同時でない場合、化合物は互いに時間的に近接して投与される。さらに、化合物が同じ投与形態で投与されるかどうかは問題ではなく、例えば、1つの化合物を注射によって投与し、別の化合物を経口投与してもよい。
【0102】
典型的には、処置されている感受性腫瘍に対して活性を有する任意の抗新生物剤を本発明における癌の処置において同時投与してもよい。そのような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T. Devita, T.S. Lawrence, and S.A. Rosenberg (editors), 10th edition (December 5, 2014), Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見出すことができる。当業者は、関与する薬物及び癌の特定の特徴に基づいて、薬剤のどの組み合わせが有用であるかを識別することができるであろう。本発明において有用な典型的な抗新生物剤としては、抗微小管剤又は抗有糸分裂剤;白金配位錯体;アルキル化剤;抗生物質;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;代謝拮抗物質;ホルモン及びホルモン類似体;シグナル伝達経路阻害剤;非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤;免疫療法剤;アポトーシス促進剤;細胞周期シグナル伝達阻害剤;プロテアソーム阻害剤;ヒートショックタンパク質阻害剤;癌代謝の阻害剤;ならびに癌遺伝子治療剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
本開示のCD96結合タンパク質と組み合わせて使用するか又は同時投与するためのさらなる活性成分の例は、抗新生物剤である。抗新生物剤の例としては、化学療法剤;免疫調節剤;免疫モジュレーター;及び免疫刺激性アジュバントが挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
本開示のCD96結合タンパク質はまた、抗TIGIT抗体と組み合わせて使用されてもよい。そのような組み合わせは、CD155/CD226活性化をさらに増強し得る。抗TIGIT抗体との組み合わせを使用して、腎腫瘍、例えば腎細胞癌(RCC)などの固形腫瘍を処置することができる。そのような抗TIGIT抗体の例はtiragolumabである。
【0105】
抗微小管剤又は抗有糸分裂剤は、細胞周期のM期又は有糸分裂期の間に腫瘍細胞の微小管に対して活性な期特異的薬剤である。抗微小管剤の例としては、ジテルペノイド及びビンカアルカロイドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
白金配位錯体は、DNAと相互作用する非期特異的抗癌剤である。白金錯体は、腫瘍細胞に入り、アクア化を受け、DNAと鎖内及び鎖間架橋を形成し、腫瘍に対して有害な生物学的効果を引き起こす。白金配位錯体の例としては、シスプラチン及びカルボプラチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
アルキル化剤は、非期抗癌特異的薬剤及び強力な求電子剤である。典型的には、アルキル化剤は、アルキル化により、ホスフェート、アミノ、スルフヒドリル、ヒドロキシル、カルボキシル及びイミダゾール基などのDNA分子の求核部分を介してDNAと共有結合を形成する。そのようなアルキル化は、核酸機能を破壊して細胞死をもたらす。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド、メルファラン、及びクロラムブシルなどのナイトロジェン・マスタード;ブスルファンなどのスルホン酸アルキル;カルムスチンなどのニトロソ尿素;ならびにダカルバジンなどのトリアゼンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
抗生物質抗新生物剤は、DNAと結合又はインターカレートする非期特異的薬剤である。この作用は、核酸の通常の機能を破壊し、細胞死をもたらす。抗生物質抗新生物剤の例としては、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン;ダウノルビシン及びドキソルビシンなどのアントラサイクリン;ならびにブレオマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
トポイソメラーゼI阻害剤としては、カンプトテシンが挙げられるが、これらに限定されない。カンプトテシンの細胞毒性活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連すると考えられている。
【0110】
トポイソメラーゼII阻害剤としては、エピポドフィロトキシンが挙げられるが、これらに限定されない。エピポドフィロトキシンは、マンドレーク植物に由来する期特異的抗新生物剤である。エピポドフィロトキシンは、典型的には、トポイソメラーゼII及びDNAと三元複合体を形成してDNA鎖切断を引き起こすことにより、細胞周期のS期及びG2期の細胞に影響を及ぼす。鎖切断は蓄積し、細胞死が続く。エピポドフィロトキシンの例としては、エトポシド及びテニポシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
代謝拮抗新生物剤は、細胞周期のS期(DNA合成)において、DNA合成を阻害することによって、又はプリンもしくはピリミジン塩基合成を阻害し、それによってDNA合成を制限することによって作用する期特異的抗新生物剤である。その結果、S期は進行せず、細胞死が続く。代謝拮抗性抗新生物剤の例としては、フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン及びゲムシタビンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
ホルモン及びホルモン類似体は、ホルモン(複数可)と癌の成長及び/又は成長の欠如との間に関係がある癌を治療するのに有用な化合物である。癌治療に有用なホルモン及びホルモン類似体の例としては、限定されないが、副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾン及びプレドニゾロン;アミノグルテチミド及び他のアロマターゼ阻害剤、例えばアナストロゾール、レトラゾール、ボトラゾール及びエクセメスタン;プロゲステロン(progestrins)、例えば酢酸メゲストロール;エストロゲン、アンドロゲン及び抗アンドロゲン、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン及び5α-レダクターゼ、例えばフィナステライド及びデュタステリド;抗エストロゲン剤、例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン、ならびに選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS);ならびにゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)及びその類似体(黄体形成ホルモン(LH)及び/又は卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激する)、LHRHアゴニスト、ならびにアンタゴニスト、例えば酢酸ゴセレリン及びロイプロリドが挙げられる。
【0113】
シグナル伝達経路阻害剤は、細胞内変化を引き起こす化学プロセスを遮断又は阻害する阻害剤である。本明細書で使用される場合、この変化は、細胞増殖又は分化である。本発明において有用なシグナル伝達阻害剤としては、受容体チロシンキナーゼ、非受容体チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメインブロッカー、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスファチジルイノシトール-3キナーゼ、ミオイノシトールシグナル伝達、及びRas癌遺伝子の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
いくつかのタンパク質チロシンキナーゼは、細胞増殖の調節に関与する様々なタンパク質中の特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。そのようなタンパク質チロシンキナーゼは、受容体又は非受容体キナーゼとして広く分類することができる。
【0115】
受容体チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン及びチロシンキナーゼドメインを有する膜貫通タンパク質である。受容体チロシンキナーゼは、細胞成長の調節に関与し、一般に成長因子受容体と呼ばれる。例えば、過剰発現又は突然変異による、これらのキナーゼの多くの不適切又は制御されない活性化、すなわち、異常なキナーゼ成長因子受容体活性は、制御されない細胞成長をもたらすことが示されている。したがって、そのようなキナーゼの異常な活性は、悪性組織成長に関連付けられている。結果的に、そのようなキナーゼの阻害剤は、癌治療方法を提供することができる。成長因子受容体としては、例えば、上皮成長因子受容体(EGFr)、血小板由来成長因子受容体(PDGFr)、erbB2、erbB4、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、免疫グロブリン様及び上皮成長因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(TIE-2)、インスリン成長因子-I(IGFI)受容体、マクロファージコロニー刺激因子(Cfms)、BTK、ckit、cmet、線維芽細胞成長因子(FGF)受容体、Trk受容体(TrkA、TrkB、及びTrkC)、エフリン(eph)受容体、ならびにRET癌原遺伝子が挙げられる。成長受容体のいくつかの阻害剤が開発中であり、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害剤及びアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。成長因子受容体及び成長因子受容体機能を阻害する薬剤は、例えば、Kath J.C., Exp. Opin. Ther. Patents, 10(6):803-818 (2000); Shawver L.K., et al., Drug Discov. Today, 2(2): 50-63 (1997); 及びLofts, F. J. and Gullick W.J., “Growth factor receptors as targets.” in New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, Kerr D.J. and Workman P. (editors), (June 27, 1994), CRC Pressに記載されている。増殖因子受容体阻害剤の非限定的な例としては、パゾパニブ及びソラフェニブが挙げられる。
【0116】
増殖因子受容体キナーゼではないチロシンキナーゼは、非受容体チロシンキナーゼと呼ばれる。抗癌剤の標的又は潜在的な標的である、本発明において有用な非受容体チロシンキナーゼとしては、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(焦点接着キナーゼ)、ブルトンチロシンキナーゼ、及びBcr-Ablが挙げられる。そのような非受容体キナーゼ及び非受容体チロシンキナーゼ機能を阻害する薬剤は、Sinha S. and Corey S.J., J. Hematother. Stem Cell Res., 8(5): 465-480 (2004)及びBolen, J.B., Brugge, J.S., Annu. Rev. Immunol., 15: 371-404 (1997)に記載されている。
【0117】
SH2/SH3ドメイン遮断薬は、PI3-Kp85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)及びRas-GAPを含む様々な酵素又はアダプタータンパク質におけるSH2又はSH3ドメイン結合を破壊する薬剤である。抗癌剤の標的としてのSH2/SH3ドメインは、Smithgall T.E., J. Pharmacol. Toxicol. Methods, 34(3): 125-32 (1995)において議論されている。
【0118】
セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤としては、限定されるものではないが、Rafキナーゼ(rafk)、マイトジェン又は細胞外調節キナーゼ(MEKs)、及び細胞外調節キナーゼ(ERKs)のブロッカーを含むMAPキナーゼカスケードブロッカー;PKCs(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)のブロッカーを含むプロテインキナーゼCファミリーメンバーブロッカー;IkBキナーゼ(IKKa、IKKb);PKBファミリーキナーゼ;AKTキナーゼファミリーメンバー;TGFベータ受容体キナーゼ;ならびにラパマイシン(FK506)及びラパログ、RAD001又はエベロリムス(AFINITOR(商標))、CCI-779又はテムシロリムスを含むがこれらに限定されないラパマイシン(mTOR)阻害剤の哺乳動物標的、AP23573、AZD8055、WYE-354、WYE-600、WYE-687及びPp121が挙げられる。セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤の例としては、トラメチニブ、ダブラフェニブ、ならびにAkt阻害剤アフレセルチブ及びN-{(1S)-2-アミノ-1-[(3,4-ジフルオロフェニル)メチル]エチル}-5-クロロ-4-(4-クロロ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-2-フランカルボキサミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼファミリーメンバーの阻害剤(PI3-キナーゼ、ATM、DNA-PK、及びKuのブロッカーを含む)もまた、本発明において有用である。そのようなキナーゼは、Abraham R.T., Curr. Opin. Immunol., 8(3): 412-418 (1996); Canman C.E., and Lim D.S., Oncogene, 17(25): 3301-3308 (1998); Jackson S.P., Int. J. Biochem. Cell Biol., 29(7): 935-938 (1997);及び Zhong H., et al., Cancer Res., 60(6): 1541-1545 (2000)を参照されたい。
【0120】
ホスホリパーゼCブロッカー及びミオイノシトール類似体などのミオイノシトールシグナル伝達阻害剤も本発明において有用である。そのようなシグナル阻害剤は、Powis G., and Kozikowski A., “Inhibitors of Myo-Inositol Signaling.” in New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, Kerr D.J. and Workman P. (editors), (June 27, 1994), CRC Pressに記載されている。
【0121】
シグナル伝達経路阻害剤の別の群は、Ras癌遺伝子の阻害剤である。そのような阻害剤としては、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニル-ゲラニルトランスフェラーゼ及びCAAXプロテアーゼの阻害剤、ならびにアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及び他の免疫療法が挙げられる。このような阻害剤は、野生型変異体rasを含有する細胞においてras活性化をブロックし、それによって抗増殖剤として作用することが示されている。Ras癌遺伝子阻害は、Scharovsky O.G., et al., J. Biomed. Sci., 7(4): 292-298 (2000); Ashby M.N., Curr. Opin. Lipidol., 9(2): 99-102 (1998); 及びBennett C.F. and Cowsert L.M., Biochem. Biophys. Acta., 1489(1): 19-30 (1999)にて論じられている。
【0122】
受容体キナーゼリガンド結合に対するアンタゴニストはまた、シグナル伝達阻害剤として作用し得る。シグナル伝達経路阻害剤のこの群は、受容体チロシンキナーゼの細胞外リガンド結合ドメインに対するヒト化抗体又は他のアンタゴニストの使用を含む。受容体キナーゼリガンド結合に対する抗体又は他のアンタゴニストの例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:セツキシマブ(ERBITUX(商標))、トラスツズマブ(HERCEPTIN(商標));トラスツズマブエムタンシン(KADCYLA(商標));ペルツズマブ(PERJETA(商標));ラパチニブ、エルロチニブ、及びゲフィチニブを含むErbB阻害剤;ならびに2C3 VEGFR2特異的抗体(Brekken R.A., et al., Cancer Res., 60(18): 5117-5124 (2000)を参照のこと)。
【0123】
非受容体キナーゼ血管形成阻害剤もまた、本発明において使用され得る。血管形成関連VEGFR及びTIE2の阻害剤は、シグナル伝達阻害剤に関して上記で考察されている(両方の受容体は受容体チロシンキナーゼである)。erbB2及びEGFRの阻害剤は血管形成、主にVEGF発現を阻害することが示されているので、血管形成は一般にerbB2/EGFRシグナル伝達に関連する。したがって、非受容体チロシンキナーゼ阻害剤を本発明のEGFR/erbB2阻害剤と組み合わせて使用してもよい。例えば、VEGFR(受容体チロシンキナーゼ)を認識しないがリガンドに結合する抗VEGF抗体;血管新生を阻害するインテグリン(アルファベータ3)の小分子阻害剤;エンドスタチン及びアンジオスタチン(非RTK)もまた、開示される化合物と組み合わせて有用であることが判明し得る。(Bruns C.J., et al., Cancer Res., 60(11): 2926-2935 (2000); Schreiber A.B., et al., Science, 232(4755): 1250-1253 (1986); Yen L., et al., Oncogene, 19(31): 3460-3469 (2000)を参照のこと)。
【0124】
免疫療法レジメンにおいて使用される薬剤もまた、本発明と組み合わせて有用であり得る。erbB2又はEGFRに対する免疫応答を生成するための多くの免疫学的戦略が存在する。これらの戦略は、一般的に腫瘍ワクチン接種の領域にある。免疫学的アプローチの有効性は、小分子阻害剤を使用したerbB2/EGFRシグナル伝達経路の複合阻害によって大幅に増強され得る。erbB2/EGFRに対する免疫学的/腫瘍ワクチンアプローチの考察は、Reilly R.T., et al., Cancer Res., 60(13): 3569-3576 (2000);及びChen Y., et al., Cancer Res., 58(9): 1965-1971 (1998)に見出される。
【0125】
アポトーシス促進性レジメンにおいて使用される薬剤(例えば、Bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチド)もまた、本発明の組み合わせにおいて使用され得る。タンパク質のBcl-2ファミリーのメンバーは、アポトーシスをブロックする。したがって、Bcl-2の上方調節は、化学療法抵抗性に関連付けられている。研究では、上皮増殖因子(EGF)がBcl-2ファミリーの抗アポトーシスメンバー(すなわち、Mcl-1)を刺激することが示されている。したがって、腫瘍におけるBcl-2の発現を下方調節するように設計された戦略は、臨床的有益性を実証している。Bcl-2のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド戦略を使用するそのようなアポトーシス促進戦略は、Waters J.S., et al., J. Clin. Oncol., 18(9): 1812-1823 (2000);及びKitada S., et al., Antisense Res. Dev., 4(2): 71-79 (1994)において論じられている。
【0126】
細胞周期シグナル伝達阻害剤は、細胞周期の制御に関与する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)と呼ばれるプロテインキナーゼのファミリー、及びサイクリンと呼ばれるタンパク質のファミリーとのそれらの相互作用は、真核細胞周期の進行を制御する。異なるサイクリン/CDK複合体の協調的な活性化及び不活性化は、細胞周期の正常な進行に必要である。細胞周期シグナル伝達のいくつかの阻害剤が開発中である。例えば、サイクリン依存性キナーゼ(CDK2、CDK4、及びCDK6を含む)及びその阻害剤の例は、例えば、Rosania G.R., and Chang Y.T., Exp. Opin. Ther. Patents, 10(2): 215-230 (2000)に記載されている。さらに、p21WAF1/CIP1は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdks)の強力かつ普遍的な阻害剤として記載されている(Ball K.L., Prog. Cell Cycle Res., 3: 125-134 (1997))。p21WAF1/CIP1の発現を誘導することが知られている化合物は、細胞増殖の抑制に関与し、腫瘍抑制活性を有するとされており(Richon V.M., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97(18): 10014-10019 (2000))、細胞周期シグナル伝達阻害剤として含まれる。ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤は、p21WAF1/CIP1の転写活性化に関与し(Vigushin D.M., and Coombes R.C., Anticancer Drugs, 13(1): 1-13 (2002))、本明細書において組み合わせて使用するのに適した細胞周期シグナル伝達阻害剤である。そのようなHDAC阻害剤の例としては、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸、及びモセチノスタットが挙げられるが、これらに限定されない。
【0127】
プロテアソーム阻害剤は、p53タンパク質のようなタンパク質を分解する細胞複合体であるプロテアソームの作用を遮断する薬物である。いくつかのプロテアソーム阻害剤が市販されているか、又は癌の治療のために研究されている。本明細書において組み合わせて使用するための好適なプロテアソーム阻害剤としては、ボルテゾミブ、ジスルフィラム、没食子酸エピガロカテキン、サリノスポラミドA、及びカーフィルゾミブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
70キロダルトンのヒートショックタンパク質(Hsp70)及び90キロダルトンのヒートショックタンパク質(Hsp90)は、遍在的に発現されるヒートショックタンパク質のファミリーである。Hsp70及びHsp90は、特定の癌型で過剰発現される。いくつかのHsp70及びHsp90阻害剤が、癌の治療において研究されている。本明細書において組み合わせて使用するためのHsp70及びHsp90阻害剤の例としては、タネスピマイシン及びラディシコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
多くの腫瘍細胞は、正常組織とは著しく異なる代謝を示す。例えば、グルコースをピルビン酸に変換する代謝プロセスである解糖の速度が増加し、生成されたピルビン酸は、トリカルボン酸(TCA)サイクルを介してミトコンドリア中でさらに酸化されるのではなく、乳酸に還元される。この効果は、好気性条件下でもしばしば見られ、ワールブルグ効果として知られている。
【0130】
筋肉細胞において発現される乳酸デヒドロゲナーゼのアイソフォームである乳酸デヒドロゲナーゼA(LDH-A)は、ピルビン酸から乳酸への還元を行うことによって腫瘍細胞代謝において極めて重要な役割を果たし、その後、乳酸は細胞から外に輸送され得る。この酵素は、多くの腫瘍型において上方制御されることが示されている。Warburg効果に記載されるグルコース代謝の変化は、がん細胞の成長及び増殖に重要であり、RNA-iを使用したLDH-Aのノックダウンは、異種移植片モデルにおける細胞増殖及び腫瘍成長の低減をもたらすことが示されている(Tennant D.A., et al., Nat. Rev. Cancer, 10(4): 267-277 (2010); Fantin V.R., et al., Cancer Cell, 9(6): 425-434 (2006))。
【0131】
高レベルの脂肪酸シンターゼ(FAS)が、癌前駆病変において見出されている。FASの薬理学的阻害は、癌の発生及び維持の両方に関与する重要な癌遺伝子の発現に影響を及ぼす。Alli P.M., et al., Oncogene, 24(1): 39-46 (2005)。
【0132】
LDH-Aの阻害剤及び脂肪酸生合成の阻害剤(又はFAS阻害剤)を含む癌代謝の阻害剤は、本明細書において組み合わせて使用するのに好適である。
【0133】
癌遺伝子治療は、ウイルス又は非ウイルス遺伝子送達ベクターを使用する組換えDNA/RNAの選択的移入をして治療を目的に癌細胞を改変することを含む。癌遺伝子治療の例としては、自殺遺伝子治療及び腫瘍溶解性遺伝子治療、ならびに養子T細胞治療が挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
本明細書中で使用される場合、「免疫調節因子」とは、免疫系に影響を及ぼすモノクローナル抗体を含む任意の物質をいう。本発明のCD96結合タンパク質は、免疫調節因子と考えられ得る。免疫調節因子は、癌の処置のための抗新生物剤として使用され得る。例えば、免疫調節因子としては、CTLA-4に対する抗体又は他のアンタゴニスト(例えば、イピリムマブ(YERVOY(商標))及びPD-1(例えば、dostarlimab、ニボルマブ(OPDIVO(商標))、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(商標))及びセミプリマブ(LIBTAYO(商標))が挙げられるが、これらに限定されない。他の免疫調節因子としては、PD-L1、OX-40、LAG3、TIM-3、41BB、及びGITRに対する抗体又は他のアンタゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
本明細書で使用される場合、「PD-1アンタゴニスト」は、癌細胞上で発現されるPD-L1の、免疫細胞(T細胞、B細胞又はNKT細胞)上で発現されるPD-1への結合を遮断し、好ましくは癌細胞上で発現されるPD-L2の免疫細胞発現PD-1への結合も遮断する任意の化学化合物又は生物学的分子を意味する。PD-1及びそのリガンドの別名又は同義語には、PD-1についてPDCD1、PD1、CD279及びSLEB2;PD-L1についてPDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、CD274及びB7-H;ならびにPD-L2についてPDCD1L2、PDL2、B7-DC、Btdc及びCD273が含まれる。ヒトPD-1アミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号:NP_005009に見出すことができる。ヒトPD-L1及びPD-L2アミノ酸配列は、それぞれ、NCBI遺伝子座番号:NP_054862及びNP_079515に見出すことができる。
【0136】
本発明の態様のいずれかにおいて有用なPD-1アンタゴニストとしては、PD-1又はPD-L1に特異的に結合し、好ましくはヒトPD-1又はヒトPD-L1に特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)又はその抗原結合断片が挙げられる。mAbは、ヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体であってもよく、ヒト定常領域を含んでもよい。いくつかの実施態様において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4定常領域からなる群より選択され、好ましい態様において、ヒト定常領域はIgG1又はIgG4定常領域である。いくつかの実施態様において、抗原結合断片は、Fab、Fab’-SH、F(ab’)2、scFv及びFv断片からなる群より選択される。
【0137】
ヒトPD-1に結合し、本発明の様々な態様及び実施態様において有用なmAbの例は、米国特許第8552154号;米国特許第8354509号;米国特許第8168757号;米国特許第8008449号;米国特許第7521051号;米国特許第7488802号;国際公開第2004072286号;国際公開第2004056875号;及び国際公開第2004004771号に記載される。
【0138】
本発明の態様及び実施態様のいずれかにおいて有用な他のPD-1アンタゴニストとしては、PD-1に特異的に結合し、好ましくはヒトPD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン(immunoadhesin)、例えば、免疫グロブリン分子のFc領域などの定常領域に融合されたPD-L1又はPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含有する融合タンパク質が挙げられる。PD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン分子の例は、国際公開第2010027827号パンフレット及び国際公開第2011066342号パンフレットに記載されている。本発明の治療方法、医薬及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特定の融合タンパク質としては、PD-L2-FC融合タンパク質であり、ヒトPD-1に結合するAMP-224(B7-DCIgとしても知られる)が挙げられる。
【0139】
ニボルマブは、OPDIVO(商標)として市販されているヒト化モノクローナル抗PD1抗体である。ニボルマブは、いくつかの切除不能又は転移性黒色腫の処置に適応される。ニボルマブは、Igスーパーファミリー膜貫通タンパク質であるPD-1に結合し、そのリガンドPD-L1及びPD-L2によるその活性化を遮断し、T細胞の活性化及び腫瘍細胞又は病原体に対する細胞媒介性免疫応答をもたらす。活性化されたPD-1は、P13k/Akt経路活性化の抑制を介してT細胞活性化及びエフェクター機能を負に調節する。ニボルマブの他の名称には、BMS-936558、MDX-1106及びONO-4538が含まれる。ニボルマブのアミノ酸配列ならびに使用及び作製方法は、米国特許第US8008449号に開示されている。
【0140】
ペムブロリズマブは、KEYTRUDA(商標)として市販されているヒト化モノクローナル抗PD1抗体である。ペムブロリズマブは、いくつかの切除不能又は転移性黒色腫の治療に適応される。ペムブロリズマブのアミノ酸配列及び使用方法は、米国特許第8168757号に開示されている。
【0141】
一実施態様では、PD-1アンタゴニストは、以下のCDRいずれか1つ又は組み合わせを含む:
CDRH1:SYDMS(配列番号151)。
CDRH2:TISGGGSYTYYQDSVKG(配列番号152)。
CDRH3:PYYAMDY(配列番号153)。
CDRL1:KASQDVGTAVA(配列番号154)
CDRL2:WASTLHT(配列番号155)
CDRL3:QHYSSYPWT(配列番号156)
【0142】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号151に記載されるアミノ酸配列に対して1つ又は2つのアミノ酸変異(複数可)(「CDR変異体」)を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR1(「CDRH1」)を含む。
【0143】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号152に記載されるアミノ酸配列に対して5つ又はそれ未満、例えば4つ又はそれ未満、3つ又はそれ未満、2つ又はそれ未満、又は1つのアミノ酸変異(複数可)(「CDR変異体」)を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR2(「CDRH2」)を含む。さらなる実施態様において、CDRH2は、配列番号152に記載されるアミノ酸に対して1又は2のアミノ酸変異(複数可)を有するアミノ酸を含む。
【0144】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号153に記載されるアミノ酸配列に対して1つ又は2つのアミノ酸変異(複数可)を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域CDR3(「CDRH3」)(「CDR変異体」)を含む。
【0145】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号154に記載されるアミノ酸に対して1又は2のアミノ酸変異(複数可)を有するアミノ酸を含む軽鎖可変領域CDR1(「CDRL1」)(「CDR変異体」)を含む。
【0146】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号155に記載されるアミノ酸配列に対して1つ又は2つのアミノ酸変異(複数可)を有するアミノ酸を配列含む軽鎖可変領域CDR2(「CDRL2」)(「CDR変異体」)を含む。
【0147】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号156に記載されるアミノ酸配列に対して3つ又はそれ未満、例えば1つ又は2つのアミノ酸変異(複数可)を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域CDR3(「CDRL3」)(「CDR変異体」)を含む。特定の実施態様において、CDRL3は、配列番号156に記載されるアミノ酸配列に対して1のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様において、変異体CDRL3は、配列番号157に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0148】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号151に記載されるアミノ酸配列に対して1つのアミノ酸変異(複数可)を有するアミノ酸配列を含むCDRH1;配列番号152に記載されるアミノ酸配列に対して最大5つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含むCDRH2;配列番号153に記載されるアミノ酸配列に対して最大1つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含むCDRH3;配列番号154に記載されるアミノ酸配列に対して最大3つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含むCDRL1;配列番号155に記載されるアミノ酸配列に対して最大1つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含むCDRL2;及び/又は配列番号156に記載されるアミノ酸配列に対して最大3つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含むCDRL3を含む。
【0149】
本発明の一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号158に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域にCDRH1(配列番号151)、CDRH2(配列番号151)、及びCDRH3(配列番号153)を含む。いくつかの実施態様において、本発明の抗PD1抗体は、配列番号158に対して少なくとも90%配列同一性を有する重鎖可変領域を含む。好適には、本発明のPD-1アンタゴニストは、配列番号158に対して約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する重鎖可変領域を含み得る。
【0150】
PD-1アンタゴニスト重鎖(VH)可変領域:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSS(配列番号158)
【0151】
一実施態様では、PD-1アンタゴニストは、配列番号158に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(「V」)を含む。一実施態様では、Vは、配列番号158に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも1つのアミノ酸変異、例えば、1~5つ、例えば、1~3つ、特に最大2つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。
【0152】
本発明の一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号159に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域中にCDRL1(配列番号154)、CDRL2(配列番号155)及びCDRL3(配列番号156)を含む。一実施態様において、本発明のPD-1アンタゴニストは、配列番号158の重鎖可変領域及び配列番号159の軽鎖可変領域を含む。
【0153】
いくつかの実施態様において、本発明のPD-1アンタゴニストは、配列番号159に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含む。好適には、本発明のPD-1アンタゴニストは、配列番号159に対して約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含み得る。
【0154】
PD-1アンタゴニスト軽鎖(V)可変領域:
DIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIK(配列番号159)
【0155】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号159に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(「V)を含む。一実施態様において、Vは、配列番号159に記載のアミノ酸配列に対して1~5つ、1~3つなど、特に最大2つのアミノ酸変異など、配列番号159に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも1つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。
【0156】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号158に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むV;及び配列番号159に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVを含む。一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号158のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のV及び/又は配列番号159のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一のVを含む。
【0157】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号158に記載されるアミノ酸配列を有するV及び配列番号159に記載されるアミノ酸配列を有するVを含む。
【0158】
一実施態様において、PD-1アンタゴニストは、配列番号160に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する重鎖(HC)アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体である。
【0159】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号160)
【0160】
一実施態様では、HCは、配列番号160に示されるアミノ酸配列に対して1~10個、例えば1~7個、特に最大6個のアミノ酸変異など、配列番号160に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも1つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様では、HCは、配列番号160に示されるアミノ酸配列に対して1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は7つのアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。
【0161】
一実施態様では、HC鎖は、配列番号160の位置380及び/又は385に変異を有する。これらの位置のアスパラギン残基は、例えば脱アミド化(アスパラギン(N)残基のアスパラギン酸(D)残基への変換)によって修飾されてもよい。したがって、一実施態様では、HCは、配列番号162(N380D)、配列番号163(N385D)又は配列番号164(N380D及びN385D)のアミノ酸配列を含む。
【0162】
一実施態様では、PD-1アンタゴニストは、配列番号161に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する軽鎖(LC)アミノ酸配列を含むモノクローナル抗体である。
【0163】
DIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号161)
【0164】
一実施態様では、LCは、配列番号161に記載のアミノ酸配列に対して1~10個、例えば1~5個、特に最大3個のアミノ酸変異など、配列番号161に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも1個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施態様では、LCは、配列番号161に記載のアミノ酸配列に対して1個、2個又は3個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含む。
【0165】
一実施態様では、PD-1アンタゴニストは、配列番号160に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHCと、配列番号161に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むLCとを含む。したがって、抗体は、配列番号160の重鎖アミノ酸配列と少なくとも約90%同一である重鎖及び/又は配列番号161の軽鎖アミノ酸配列と少なくとも約90%同一である軽鎖を有する抗体である。
【0166】
一実施態様では、PD-1アンタゴニストは、配列番号160のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一である重鎖アミノ酸配列及び/又は配列番号161のアミノ酸配列と少なくとも約90%同一である軽鎖アミノ酸配列を含む。
【0167】
一実施態様では、PD-1アンタゴニストは、配列番号160の重鎖配列及び配列番号161の軽鎖配列を含む。一実施態様では、PD-1アンタゴニストは、配列番号160の重鎖配列及び配列番号162の軽鎖配列を含むdostarlimabである。
【0168】
抗PD-L1抗体及びそれを作製する方法は、当技術分野で公知である。PD-L1に対するかかる抗体は、ポリクローナル又はモノクローナル、及び/又は組換え、及び/又はヒト化であり得る。PD-L1抗体は、癌の処置のための免疫調節剤として開発中である。
【0169】
例示的なPD-L1抗体は、米国特許第9212224号;米国特許第8779108号;米国特許第8552154号;米国特許第8383796号;米国特許第8217149号;米国特許出願公開第20110280877号;国際公開第2013079174号;及び国際公開第2013019906号に開示されている。PD-L1(CD274又はB7-H1とも呼ばれる)に対するさらなる例示的な抗体及び使用方法は、米国特許第8168179号;米国特許第7943743号;米国特許第7595048号;国際公開第2014055897号;国際公開第2013019906号;及び国際公開第2010077634号に開示されている。本発明の処置方法、医薬及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特異的抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体には、MPDL3280A、BMS-936559、MEDI4736、MSB0010718Cが含まれる。
【0170】
アテゾリズマブは、TECENTRIQ(商標)として市販されている完全ヒト化モノクローナル抗PD-L 1抗体である。アテゾリズマブは、いくつかの局所的に進行した又は転移性の尿路上皮癌の治療に適応される。アテゾリズマブは、PD-L1とPD-1及びCD80との相互作用を遮断する。他の例示的なPD-L1抗体としては、アベルマブ(BAVENCIO(商標))、デュルバルマブ(IMFINZI(商標))が挙げられる。
【0171】
OX40としても知られるCD134は、CD28とは異なり、休止中のナイーブT細胞上で構成的に発現されない受容体のTNFRスーパーファミリーのメンバーである。OX40は、活性化後24~72時間後に発現される二次共刺激分子であり、そのリガンドであるOX40Lもまた、休止中の抗原提示細胞上で発現されないが、それらの活性化に続く。OX40の発現は、T細胞の完全な活性化に依存し;CD28なしでは、OX40の発現は遅延し、4分の1のレベルである。OX-40抗体、OX-40融合タンパク質及びそれらを使用する方法は、米国特許第7504101号;同第7758852号;同第7858765号;同第7550140号;同第7960515号;国際公開第2012027328号;国際公開第2013028231号に開示されている。
【0172】
本開示のCD96結合タンパク質と組み合わせて使用するか又は同時投与するためのさらなる活性成分(抗新生物剤)のさらなる例は、CD20に対する抗体もしくは他のアンタゴニスト、レチノイド、又は他のキナーゼ阻害剤である。このような抗体又はアンタゴニストの例としては、リツキシマブ(RITUXAN(商標)及びMABTHERA(商標))、オファツムマブ(ARZERRA(商標))、及びベキサロテン(TARGRETIN(商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
本開示のCD96結合タンパク質と組み合わせて使用するか又は同時投与されるさらなる活性成分(抗新生物剤)のさらなる例は、Toll様受容体4(TLR4)アンタゴニストであり、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート(AGP)が挙げられるが、これに限定されない。
【0174】
AGPは、免疫された動物においてサイトカイン産生を刺激し、マクロファージを活性化し、自然免疫応答を促進し、抗体産生を増強するためのワクチンアジュバント及び免疫刺激剤として有用であることが公知である。AGPは、TLR4の合成リガンドである。AGP及びTLR4を介したそれらの免疫調節効果は、国際公開第2006016997号、国際公開第2001090129号、及び/又は米国特許第6113918号などの特許公報に開示されており、文献に報告されている。さらなるAGP誘導体は、米国特許第7129219号、米国特許第6911434号、及び米国特許第6525028号に開示されている。ある種のAGPはTLR4のアゴニストとして作用するが、他のものはTLR4アンタゴニストとして認識されている。
【0175】
本開示のCD96結合タンパク質と組み合わせて使用するか又は同時投与するためのさらなる活性成分(抗新生物剤)のさらなる非限定的な例は、ICOSに対する抗体である。
【0176】
アゴニスト活性を有するヒトICOSに対するマウス抗体のCDRは、PCT/EP2012/055735(国際公開第2012131004号)に示されている。ICOSに対する抗体はまた、国際公開第2008137915号、国際公開第2010056804号、欧州特許第1374902号、欧州特許第1374901号及び欧州特許第1125585号に開示されている。
【0177】
本開示のCD96結合タンパク質と組み合わせて使用するか、又は同時投与するためのさらなる活性成分(抗新生物剤)のさらなる例は、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤である。そのような阻害剤の 非限定的な例としては、ニラパリブ、オラパリブ、ルカパリブ、及びタラゾパリブが挙げられる。
【0178】
本開示のCD96結合タンパク質と組み合わせて使用する又は同時投与するためのさらなる活性成分(抗新生物剤)のさらなる非限定的な例は、STING調節化合物、CD39阻害剤、ならびにA2a及びA2aアデノシンアンタゴニストである。
【0179】
CD96結合タンパク質又はその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて使用され得る選択された抗新生物剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アバレリクス、アベマシクリブ、アビラテロン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルドキソルビシン、アレクチニブ、アレムツズマブ、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、AZD-9291、ベリノスタット、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ブリナツモマブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、カバジタキセル、カボザンチニブ、カペシタビン、セリチニブ、クロファラビン、コビメチニブ、クリゾチニブ、ダラツムマブ、ダサチニブ、デガレリクス、デノスマブ、ディヌツキシマブ、ドセタキセル、エロツヅマブ、エンチノスタット、エンザルタミド、エピルビシン、エリブリン、フィルグラスチム、フルマチニブ、フルベストラント、フルキニチニブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、イリノテカン、イキサベピロン、イキサゾミブ、レナリドマイド、レンバチニブ、レウコボリン、メクロレタミン、ネシツムマブ、ネララビン、ネツピタント、ニロチニブ、オビヌツヅマブ、オラパリブ、オマセタキシン、オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ、パロノセトロン、パニツムマブ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペメトレキセド、ペリキサホル、ポマリドミド、ポナチニブ、プララトレキサート、キザルチニブ、ラジウム-223、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ロラピタント、ルカパリブ、シプロイセル-T、ソニデギブ、スニチニブ、タリモジンラヘルパレプベク、チピラシル、トポテカン、トラベクテジン、トリフルリジン、トリプトレリン、ウリジン、バンデタニブ、ベラパリブ、ベムラフェニブ、ベネトクラクス、ビンクリスチン、ビスモデギブ及びゾレドロン酸。
【0180】
処置は、治療的、予防的又は防止的であり得る。対象は、それを必要とするものである。処置を必要とするものは、将来疾患を発症し得るものに加えて、特定の医学的疾患に既に罹患している個体を含み得る。
【0181】
したがって、本明細書に記載される本開示の方法、抗原結合タンパク質及び組成物は、特定される場合、予防的処置又は防止的処置のために使用され得る。この場合、本開示の方法、抗原結合タンパク質及び組成物は、疾患の1つ又は複数の局面又は症状の発症を予防又は遅延させるために使用され得る。対象は無症候性であり得る。対象は、疾患に対する遺伝的素因を有し得る。予防有効量の抗原結合タンパク質が、そのような個体に投与される。予防有効量は、本明細書に記載される疾患の1つ又は複数の態様又は症状の発症を予防又は遅延させる量である。
【0182】
本開示の方法、抗原結合タンパク質及び組成物は、完全な治癒に影響を及ぼす必要はなく、又は疾患のあらゆる症状もしくは発現を根絶して、実行可能な治療的処置を構成する必要はない。当技術分野で認識されているように、治療方法において治療剤として使用される薬物は、所与の疾患状態の重症度を低減することができるが、有用な治療剤と見なされる疾患のあらゆる発現を消失させる必要はない。同様に、予防的に投与される処置は、実行可能な予防剤を構成するために疾患の発症を予防するのに完全に有効である必要はない。対象において、単に疾患の影響を低減すること(例えば、その症状の数もしくは重症度を低減することによって、又は別の処置の有効性を増加させることによって、又は別の有益な効果をもたらすことによって)、又は疾患が生じるか悪化する可能性(例えば、疾患の発症を遅延させる事によって)低減させることで十分である
【0183】
本開示の別の態様は、それを必要とする対象における疾患の治療方法であって、その対象に、先行する態様のいずれか1つに記載の治療有効量のCD96結合タンパク質又は医薬組成物を投与することを含む、方法である。本開示のさらなる態様は、対象がCD96を発現するかどうかをさらに含む、先行する態様に記載の治療方法である。
【0184】
本開示の別の態様は、疾患の療法又は治療において使用するための、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質又は医薬組成物である。
【0185】
本開示の別の態様は、疾患の治療において使用するための医薬の製造における、先行する態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質又は医薬組成物の使用である。
【0186】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれか1つに記載の治療有効量のCD96結合タンパク質を含む医薬組成物である。
【0187】
本開示の一実施態様は、それを必要とする対象(ヒト対象など)に先行する態様のいずれか1つに記載の治療有効量のCD96結合タンパク質又は先行する態様のいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象(ヒト対象など)における疾患を治療するための方法である。
【0188】
本開示の一実施態様は、それを必要とする対象(ヒト対象など)に先行する態様のいずれか1つに記載の治療有効量のCD96結合タンパク質又は先行する態様のいずれか1つに記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象における疾患を治療するための方法である。本開示の更なる実施態様は、その対象がCD96結合タンパク質を発現するか否か決定することをさらに含む、それを必要とする対象における疾患を治療するための方法である。本開示の更なる実施態様は、療法において使用するための、先行する実施態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質又は医薬組成物である。本開示の更なる実施態様は、疾患の治療において使用するための、先行する実施態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質又は医薬組成物である。更なる実施態様は、疾患の治療において使用するための医薬の製造における、先行する実施態様のいずれか1つに記載のCD96結合タンパク質又は医薬組成物の使用である。本開示の追加の実施態様は、治療される疾患が癌である、先行する実施態様のいずれか1つに記載のCD96結合又は医薬組成物の治療有効量を対象に投与することを含む、疾患の治療方法又は療法である。さらなる態様において、癌は、固形腫瘍(例えば、再発性、転移性又は進行性固形腫瘍)である。癌は肝臓癌(例えばHCC)、卵巣癌、非小細胞肺癌(NSCLC)などの肺癌、腎臓癌(例えばRCC)、結腸癌、胃癌、膀胱癌、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)であり得るか、又は白血病及び/もしくは任意のB細胞悪性腫瘍であり得る。
【実施例0189】
実施例1
CD96結合タンパク質の生成
結合タンパク質生成
ヒトCD96に特異的な完全ヒト抗体を、細胞選別及びFACSベースの選択技術と組み合わせたビオチン化組換えヒト及びカニクイザルCD96を使用してナイーブ真核生物ライブラリーから単離した。ナイーブ真核生物ライブラリー選択からの重鎖アウトプットを軽鎖ライブラリーに対してシャッフルし、さらなる選択を行って最適な軽鎖対合を同定した。
【0190】
抗体の親和性/効力を改善するために親和性成熟を行った。これには、抗体42Y073-86F08-1のCDRH3(配列番号2のGAGYYGDKDPMDV)を、CDRH1又はCDRH2に多様性を有する予め作製されたライブラリーに組み込むことが含まれていた。この多様化されたライブラリーに対してさらなる選択を行い、リード分子を同定し、配列決定した。リード分子の可変軽鎖及び重鎖のアミノ酸及び核酸配列を配列番号1~96に示す。CDR領域のアミノ酸配列を配列番号97~150に示す。
【0191】
Fc選択
リード分子の選択の過程で、結合タンパク質をヒトIgG1 WT分子として、又はFc無効化ヒトIgG1分子として評価した。Fc無効化分子を作製するために、234位、235位、及び237位のアミノ酸残基、具体的には、L234及びL235、又はL235及びG237をアラニンに変異させて、hIgG1’LALA’(L234A/L235A)、及びhIgG1’LAGA’(L235A/G237A)Fc無効化ヒトIgG1分子を生成した。これらの結合タンパク質は、CD96結合及びCD155結合の中和を示した。3つのCD96結合タンパク質、42Y073-86F08-66(86F08-66)、42Y073-86F08-16(86F08-16)、及び42Y073-86F04-23(86F04-23)をさらなる評価のために選択した。結合タンパク質42Y073-86F08-66は、GSK 6097608(モノクローナル抗体)としても知られている。これらの3つのCD96結合タンパク質を、異なるIgG変異体(ヒトIgG1、IgG2、IgG4PE、又はIgG1 Fc無効化)を用いて、一次T細胞結合ならびにCD155中和活性について評価した。図1に示されるように、Fcにおける変異は、CD96発現細胞への結合、又はCD96発現細胞へのCD155結合の中和に影響を及ぼさなかった。
【0192】
実施例2
CD96結合タンパク質の特徴付け
ヒト又はカニクイザルCD96を発現するCHO細胞への結合
ヒトCD96v2又はカニクイザルCD96v2を発現するCHO細胞をPBS中で調製した。カニクイザルCD96v2細胞を1μMバイオレット増殖色素(VPD450)で染色した。細胞を予め温めた培地(10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI)で希釈し、37℃でさらに10分間インキュベートした後、400gで5分間遠心分離し、フロー緩衝液(PBS+0.5%BSA+2mM EDTA)に再懸濁して1.5×106/mlとした。染色されたCHO-cyCD96及び染色されていないCHO-huCD96細胞を合わせ、384ウェルアッセイプレートのウェルに、試験抗CD96結合タンパク質の希釈物と共に4℃で1時間添加した。細胞を抗IgG APCコンジュゲート抗体と共にさらにインキュベートし、CHO-cyCD96及びCHO-huCD96細胞のそれぞれにおける表面結合抗体の量をフローサイトメトリーによって決定した。中央蛍光強度(MFI)値を、4パラメータロジスティックモデルを用いて適合させて、結合のEC50を計算した。データを表2に要約する。
【0193】
ヒトCD96v2を発現するCHO細胞へのヒトCD155結合の中和
CD96結合タンパク質を、U底96ウェルプレート中のPBS中で調製した。ヒトCD96v2を発現するCHO細胞を添加し、室温で30分間インキュベートした。遠心分離によって細胞を3回洗浄した後、ヒトCD155-Fc-AF647コンジュゲートを室温でさらに30分間添加した。3回洗浄した後、細胞を固定し、フローサイトメトリーによってCD155-Fc-AF647染色のレベルについて分析した。中央蛍光強度(MFI)値を、4パラメータロジスティックモデルを使用して適合させて、IC50値を計算した。データを表2に要約する。
【0194】
CD96結合タンパク質の初代ヒトT細胞への結合
ヒトPBMCを、Histopaque-1077を用いた密度勾配遠心分離を使用して白血球減少フィルターから単離した。その後、CD3T細胞を、Pan T cell Isolation Kit(Miltenyi)を使用して製造業者の説明書に従って単離した。試験CD96結合タンパク質の段階希釈物をヒトT細胞と共に4℃で1時間インキュベートした。緩衝液中で3回洗浄した後、抗ヒトIgG-APCコンジュゲートを4℃で1時間添加した。3回洗浄した後、細胞を固定し、フローサイトメトリーによってAPC染色について分析した。中央蛍光強度(MFI)値を、4パラメータロジスティックモデルを使用して適合させて、結合のEC50を計算した。データを表2に要約する。
【0195】
表2.CD96結合タンパク質によるhCD96v2発現CHO細胞へのヒトCD155結合の結合データ及び中和
【表2】
【0196】
さらなる特徴付けのための42Y073-86F08-66の選択
リード分子の選択を補助するために、抗CD96結合タンパク質の生物物理学的特性を評価した。すなわち、免疫原性、脱アミド化、グリコシル化、酸化、アスパラギン酸異性化をインシリコ(in silico)分析によって予測し、凝集、断片化及び化学的分解特性を以下の条件で評価した:10mg/ml又は1mg/mlのいずれかの50mMリン酸ナトリウムpH7.5及び50mM酢酸ナトリウムpH5.0、ならびにストレスを受けていない条件及びストレスを受けた(40℃で2週間の熱ストレス)条件。抗CD96結合タンパク質をHEK一過性系で発現させ、タンパク質A親和性及びサイズ排除クロマトグラフィーを使用して精製した。抗CD96結合タンパク質を以下のようにスコア化した。
【0197】
【表3】
【0198】
【表4】
【0199】
【表5】
【0200】
BIAcoreによる抗原結合:
ストレスを受けていない試料とストレスを受けた試料との間で±10%以内の抗原結合の変化を許容範囲(低リスク)とみなした。この範囲外の分子は、結合活性の喪失による潜在的リスクを示す可能性がある。
【0201】
データを表6及び7に要約する。表6において、配列中の予測されるリスクの位置を同定する(Kabatナンバリング)。表7において、以下の略語を、観察されたリスク及びそれらが観察された条件に対して使用する:Agg=凝集;incr.%Mass=異型遺伝子性の増加;Binding loss=アッセイ限界を超える結合損失が観察された。Binding incr.=結合の増加(凝集する偏向の可能性を示す);HMwS=高分子量種;LmwS=低分子量種;Rh=流体力学的半径(より大きな半径は可能な凝集を示す);PBS=リン酸緩衝生理食塩水;U=ストレスなし;S=ストレスあり;A=50mM酢酸ナトリウム(pH5.0);及びP=50mMリン酸ナトリウム(pH7.5)。
【0202】
42Y073-86F08-66、42Y073-86F08-16及び42Y073-86F04-23は、最小の発生傾向及び最小のインシリコリスクを示した。しかしながら、以下の属性が観察されたため、42Y073-86F08-66を進行及びさらなる特徴付けのために選択した。
・分析用サイズ排除クロマトグラフィー(aSEC)によって決定される、許容可能なレベルのパーセンテージの全高分子量種(HMwS;<5%)、低分子量種(LmwS;<2.5%)及びモノマー(95%)。
・動的光散乱(DLS)によって決定される、サイズ分布(SECのピーク2において>98%)及び流体力学的半径(4.5~7nm)の期待値;
・毛細管等電点電気泳動(CIeF)によって決定される、ストレスを受けていないものとストレスを受けたものとの間の化学的不均一性の最小の予想外の変化;及び
・抗原結合について、<10%の変化が抗原結合アッセイによって決定された。
【0203】
【表6】
【0204】
【表7】
【0205】
CD96結合タンパク質の低エピトープビニング
エピトープビニング競合アッセイを実施して、本明細書に提示される抗CD96結合タンパク質が結合するCD96のエピトープを決定した。簡潔に述べると、HuCD96-Hisを第1のCD96結合タンパク質と共に室温で1時間インキュベートした後、タンパク質Aセンサー上に捕捉された第2の結合タンパク質の結合をBLIによって測定した。第2のCD96結合タンパク質の結合が観察された場合、2つの結合タンパク質は非競合的であるとみなし、異なるエピトープビンに割り当てた。第2のCD96結合タンパク質の結合が観察されなかった場合、2つの結合タンパク質は競合的であるとみなし、同じエピトープビンに割り当てた。第1及び第2の結合タンパク質の両方と同じ結合タンパク質を使用して、各CD96結合タンパク質に対してセルフビニング対照を含めた。
【0206】
42Y073-2B04-46を除いて全てのCD96結合タンパク質間の競合が観察され、42Y073-2B04-46を除く全てがCD96の類似のエピトープに結合することが示された。このデータは、42Y073-2B04-46を除いて、本明細書に提示される全てのCD96結合タンパク質が、CD96の同じエピトープ又は空間的に近接したエピトープに結合し、その結果、さらなるCD96結合タンパク質の結合が阻害される(すなわち、それらは同じエピトープビンに属する)ことを示唆する。しかしながら、42Y073-2B04-46が本明細書に提示される他のCD96結合タンパク質と競合しないという知見は、このクローンがCD96の別個のエピトープに結合する(したがって、別個のエピトープビンに属する)ことを示唆する。したがって、表2に提示されるデータと合わせて、本明細書に提示されるCD96結合タンパク質によるhCD96v2発現CHO細胞へのヒトCD155結合の結合及び中和は、CD96の任意の特定のエピトープへの結合に限定されないことが理解されるであろう。
【0207】
CD96アイソフォームへのCD96結合タンパク質のさらなる結合親和性研究
CHO細胞から発現及び精製された、野生型Fcを有する完全ヒトIgG1抗体である42Y073-86F08-66の組換えCD96への結合親和性を、溶液平衡滴定(MSD-SET)アッセイを使用して決定した。42Y073-86F08-66は、20pMの平均KDで組換えヒトCD96v2に、及び278pMの平均KDで組換えカニクイザルCD96v2に結合した(図2)。加えて、42Y073-86F08-66は、479pMの平均KDで組換えマウスCD96v2に結合したことが実証された。
【0208】
表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイにおいて、42Y073-86F08-66は、経路中の相同体である組換えヒトCD155、ヒトCD226、ヒトTIGIT又はヒトネクチン-1に結合しなかった。
【0209】
MSD-SETアッセイ手順:
要約:MSD-SET(MSD溶液平衡滴定)分析を使用して、これらの抗体のヒト及びマウスCD96タンパク質に対する親和性を25℃で(解離速度が遅すぎて、この温度でBIACOREによって測定することができなかったため)決定した。MSD-SETは、抗体の溶液相、平衡親和性を決定する。この方法は、滴定された一連の抗体濃度における平衡状態での遊離抗原の検出に依存する。
【0210】
手順
ビオチン化ヒトCD96タンパク質を1.5nMの一定濃度で使用し、カニクイザルビオチン化CD96タンパク質を3nMで使用した。5個中1個の抗体試料を、ヒトCD96及びカニクイザルCD96について6nMから22点曲線にわたって滴定した。滴定された抗体及びCD96タンパク質を室温で24時間インキュベートした。24時間後、5nM抗体を標準的な結合MSDプレート(Meso Scale Discovery、L15XA)上に室温で30分間コーティングした。次いで、プレートを700rpmで振盪しながらSTARTING BLOCKブロッキング緩衝液(Thermo Scientific、#37542)で30分間ブロックし、続いて洗浄緩衝液で3回洗浄した。インキュベートした溶液を700rpmで振盪しながら150秒間MSDプレートに添加し、続いて1回洗浄した。プレート上に捕捉された抗原を、SULFOTAG標識ストレプトアビジン(Meso Scale Discovery、R32AD-1)を用いてプレート上で3分間インキュベートすることによって検出した。プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、次いで、界面活性剤を含む1×Read Buffer T(Meso Scale Discovery、R92TC-1)を使用してMSD SECTOR IMAGER機器で読み取った。遊離抗原パーセントを、GRAPHPAD PRISMソフトウェアを使用して滴定した抗体の関数としてプロットし、二次方程式に当てはめた。
【0211】
CD96タンパク質を過剰発現するHEK細胞に結合するCD96結合タンパク質
42Y073-86F08-66の既知のヒトまたはカニクイザルの細胞膜上CD96のアイソフォームへの結合を、これらの異なるアイソフォームで導入されたHEK細胞を使用してフローサイトメトリーによって決定した(図3)。発現されたアイソフォームに対する最大結合応答及び実験間の差にもかかわらず(発現効率の変動による可能性が最も高い)、42Y073-86F08-66のEC50によって示される同等の結合活性が、これらのCD96アイソフォームに対して実証された(表8)。まとめると、これらのデータは、42Y073-86F08-66が、ヒト及びカニクイザルにおいて提示されるCD96の全ての膜形態を認識することができることを示唆する。
【0212】
【表8】
【0213】
ヒト及びカニクイザルT細胞上の天然CD96に対するCD96結合タンパク質の結合親和性
42Y073-86F08-66が初代ヒト及びサル細胞上に発現される天然CD96に結合することを確認するために、両方の種におけるCD3T細胞及びサブセット(CD4又はCD8)に対する42Y073-86F08-66の結合をフローサイトメトリーによって決定した。42Y073-86F08-66は、ヒトCD4及びCD8T細胞に高い親和性で結合した(それぞれ47pM及び45pMのEC50)(図4及び表9)。42Y073-86F08-66は、強力な構成的プロモーター要素の制御下でのCD96アイソフォームの一過性導入後のCD96の発現と比較して初代細胞上のCD96の比較的低い発現の結果として、CD96(nM)を過剰発現するHEK細胞と比べ、初代ヒトT細胞への結合に関してより高い効力(pM)を有する。
【0214】
【表9】
【0215】
カニクイザルにおいて42Y073-86F08-66がCD96に結合することを確認するために、初代サルT細胞への結合を決定した。42Y073-86F08-66と市販の抗CD96抗体6F9との結合に基づいて、カニクイザルT細胞は、ヒトT細胞と比較してはるかに低いレベルのCD96を発現することが見出された。同様の観察がアカゲザルT細胞についてもなされた。CD96標的会合をロバストに定量化するために、精製カニクイザルCD3T細胞を、抗CD2/3/28ビーズを使用して17日間活性化して、CD96発現を上方調節した。42Y073-86F08-66結合を、カニクイザル由来の3つの異なる活性化T細胞試料について決定し、42Y073-86F08-66結合をこれらの試料全てにおいて確認した。試料間で差次的最大シグナルが存在したが、EC50は非常に類似しており(平均76.6pM)、ヒトT細胞について観察されたもの(49.9pM)の2倍以内であった(図5)。
【0216】
ヒトT細胞及びNK細胞に結合した際のCD96結合タンパク質の内在化
結合後の42Y073-86F08-66の運命を、イメージングサイトメトリーを用いてヒトPBMC培養物において決定した。42Y073-86F08-66による高度に点状の染色が、ベースラインで3体のドナー全てからの3つの細胞集団(CD4T細胞、CD8T細胞及びNK細胞)全てにおいて細胞膜上で観察され、この染色パターンは45時間の時間経過にわたって維持された(図6)。定義された3つの細胞集団(CD4、CD8T細胞及びNK細胞)全てにおいて、42Y073-86F08-66-PEの内部移行は遅く、45時間の時間経過にわたって完全ではなかった。これらのデータは、42Y073-86F08-66内部移行が、T細胞表面受容体を標的とする他の抗体と比較して遅いことを示唆している。
【0217】
CD96結合タンパク質は、CD96リガンドCD155のCD96発現細胞への結合を阻害する
初代ヒトT細胞において、膜CD96への42Y073-86F08-66の事前複合体化は、後者がそのリガンド(組換えヒトCD155:Fc)に結合するのを阻害することが実証された(IC50 0.16nM)(図7)。
【0218】
CD96結合タンパク質による確立されたCD96:CD155相互作用の破壊
CD155:Fcを初代ヒトT細胞に予め結合させた場合、42Y073-86F08-66は、用量依存的にCD155と競合し得(IC50 1.93nM)(図8)、これは、42Y073-86F08-66が、CD96の天然リガンドであるCD96結合CD155を置換し得ることを示す。
【0219】
CD96結合タンパク質によるFc受容体結合
42Y073-86F08-66は、WTFcを有する完全ヒトIgG1抗体であるため、関連するFc受容体に結合することが予想される。
【0220】
活性化ヒトFcγ受容体レポーター(FcγRI、FcγRIIa(R)、FcγRIIa(H)、FcγRIIIa(V)及びFcγRIIIa(F))を発現する組換え細胞株(Promega)のパネルを使用して、本発明者らは、初代ヒトT細胞上のCD96への42Y073-86F08-66の結合が、ヒトFcγ受容体の活性化をもたらさないことを実証した(図9)。対照的に、対照抗CD52抗体(Campath)は、試験したFcγ受容体発現細胞の全てでFcγR活性化シグナルを効率的に誘発した。
【0221】
初代ヒト細胞を用いた細胞死滅アッセイによってレポーターアッセイの知見を確認することが重要であった。NK細胞を含有する新鮮なヒトPBMC培養物では、42Y073-86F08-66の存在下でCD4又はCD8T細胞のいずれかの細胞死の増加の証拠はなかった(図10)。同じ実験において、CD4及びCD8T細胞の両方が、抗CD52抗体(Campath)の存在下で効果的に枯渇した。
【0222】
補体活性化の古典的経路の第1のステップは、抗体でオプソニン化された細胞への補体成分C1qの結合によって媒介される。42Y073-86F08-66に結合するヒト補体成分C1qの親和性は、SPRを使用して決定され、IgG1 WTアイソタイプ対照(KD 643.5nM)よりも高かった(KD 94.4nM)。標的として初代ヒトT細胞を使用して、42Y073-86F08-66が補体依存性細胞毒性(CDC)を誘導する可能性を調査した。
【0223】
補体の供給源としてヒト血清を使用するCDCアッセイにおいて、42Y073-86F08-66によるCD4又はCD8T細胞のいずれかの枯渇の証拠はなかったが、対照抗CD52抗体は、両方のサブセットの枯渇を効率的に媒介した(図11)。まとめると、これらのデータは、42Y073-86F08-66で修飾されたCD96発現T細胞のADCC又はCDC媒介性枯渇のリスクがわずかであることを示唆する。
【0224】
実施例3
CD96結合タンパク質のin vitro有効性及び機序研究
初代混合ヒトPBMC-MLRアッセイにおける42Y073-86F08-66のin vitro有効性
CHO細胞及びHEK細胞から発現及び精製された42Y073-86F08-66の効果を、CD155、抗CD3又は抗TIGITを添加せずに初代PBMCアッセイで試験した。このアッセイでは、8人の異なるヒトドナーからのPBMCを一緒に混合し、溶液中の異なる抗体と共にウェルに添加した。3日間インキュベートした後、均質時間分解蛍光(HTRF)検出法を用いて上清中のIFNγを測定した。このアッセイでは、異なるドナー間のMHCミスマッチによってPBMCが活性化されたため、抗CD3は必要とされなかった。効力は、両方のCD96結合タンパク質(CHO又はHEK細胞において発現された)について同様であった(図12)。両方とも、Tecentriq(EC50 49pM)よりも強力であるようであった。同じ実験の別個の反復において、EC50は、42Y073-86F08-66(HEK)、42Y073-86F08-66(CHO)及びTecentriqについてそれぞれ22pM、10pM及び140pMであった(図12)。細胞生存率も3日後に測定したところ、Tecentriqのみが細胞生存率のいくらかの低下を示した。抗CD96 mAb又はアイソタイプ対照はいずれも細胞生存率を低下させず、ADCCアッセイにおいて観察された細胞枯渇の欠如と一致した。
【0225】
CD4T細胞は、混合ヒトPBMC-MLRアッセイにおける42Y073-86F08-66誘導性IFNγの主要な供給源である
どの細胞亜集団が、PBMCアッセイにおける42Y073-86F08-66(HEK)及び42Y073-86F08-66(CHO)処置の際に上清中に分泌されたIFNγの観察された増加に関与するかという疑問に取り組むために、細胞枯渇研究を行った。4体の異なるドナーからのPBMCを、リンパ球活性化及び抗体処理のために一緒に混合する前に、別々にCD4T細胞又はCD8T細胞を枯渇させた。ヒトCD4又はCD8 MicroBeads(Miltenyi)を使用して枯渇を実施し、CD4又はCD8T細胞枯渇の純度をフローサイトメトリーによって検証した。PBMCからCD4細胞を98.5~99.5%枯渇させ、PBMCからCD8細胞を97.2~100%枯渇させた。非枯渇細胞と比較して、T細胞枯渇による混合PBMC-MLRアッセイから得られたデータは、CD4T細胞が、このアッセイにおいて42Y073-86F08-66(HEK)によるIFNγの誘導に関与する主要なサブセットであるが、CD8T細胞はそうではないことを示した(図13)。
【0226】
CD96結合タンパク質の作用機序を理解するためのフローサイトメトリー研究
抗CD96についての作用機序をさらに理解するために、フローサイトメトリー研究を実施して、ヒトPBMC中の異なる細胞集団における細胞表面受容体ならびに細胞内サイトカインの発現変化を研究した。同じ混合PBMC-MLRアッセイ系を使用した。MHCミスマッチによる細胞活性化のために、8体のドナーからのPBMCを一緒に混合した。抗CD96又はアイソタイプ対照抗体を添加した後、PBMCを0日間(ベースライン)又は3日間インキュベートし、続いて細胞を固定し、様々なマーカーをフローサイトメトリーによって定量化した。この実験における42Y073-86F08-66の活性を確認するために、上清中の分泌されたIFNγ及びグランザイムBもまた、3日後にMSD及びELISAによって測定した。以前に観察されたように、42Y073-86F08-66は、IFNγ及びグランザイムB放出を増強した(図14)。分泌されたIFNγ又はグランザイムBの増加は、抗TIGIT mAbクローン1F4(Roche、hIgG1-WT)では観察されなかった。
【0227】
どの細胞集団が42Y073-86F08-66によるIFNγの増加に寄与したかを理解するために、フローサイトメトリーによって異なる細胞集団におけるIFNγの細胞内染色を測定した。IgG1アイソタイプ対照処理群においてさえ、0日目と比較して3日目にIFNγCD4、CD8及びNK細胞サブセットの発現(データ示さず)ならびに頻度の有意な増加があり、異なるドナー由来のPBMCを混合することによるリンパ球活性化を示した(図15)。42Y073-86F08-66による処理は、3つ全ての免疫サブセット、すなわちCD4、CD8及びNK細胞におけるIFNγ細胞の頻度をさらに有意に増加させた(図15)。抗TIGIT抗体(クローン1F4)は、NK細胞集団の中でIFNγ細胞の頻度を増加させたのみであった。
【0228】
さらに、CD96発現は、チェックポイントタンパク質について一般的に観察されるプロファイルである0日目と比較して、3日目の細胞活性化の際に3つ全ての細胞集団において有意に増加した。抗CD96抗体処置は、対応するアイソタイプ対照群と比較して、3つ全てのサブセット、CD4、CD8及びNK細胞におけるCD96 MFI及びCD96細胞頻度を有意に減少させた。Fc無効化86F08-66-LAGA抗体処置もまた、CD96プロファイルの減少をもたらしたが、42Y073-86F08-66処置群におけるCD96発現の減少ははるかに有意であった(図16~17)。抗TIGITabクローン1F4は効果を示さなかった。42Y073-86F08-66処理によるCD96発現のこの明らかな減少は、抗CD96検出抗体と治療用抗体による受容体占有を示す治療用Abとの間の競合に起因し得るか、又は42Y073-86F08-66の結合によるCD96受容体の内在化に起因し得る。分析に使用した検出抗体は、市販のAbクローン6F9(BD Biosciences)である。
【0229】
CD226は、NK細胞における主要な活性化受容体の1つであるが、T細胞におけるその役割は十分に確立されていない。機構をより詳細に理解するために、本発明者らは、PBMC-MLRアッセイにおいてNK細胞のCD226集団を特徴付けることに注力した。3日目の細胞活性化の際のCD96発現の上方調節は、CD226CD96NK細胞の頻度を増加させた。42Y073-86F08-66による処置は、アイソタイプ対照(5.91%/46.4%=0.127)ならびに86F08-66 IgG1 LAGA Fc無効化抗体(13.8%/47.2%=0.29)の両方と比較して、3日目にCD226単一陽性NK細胞対CD226CD96二重陽性NK細胞のより高い比(26.2%/25.2%=1)をもたらした(図18)。CD226は軸における活性化受容体であり、CD96は同じ軸における推定チェックポイント受容体であるので、CD226単一陽性細胞は、226CD96二重陽性細胞よりも活性化されたNK細胞を表し得る。
【0230】
42Y073-86F08-66処置は、42Y073-86F08-66処置後3日目にCD226NK細胞の中でIFNγ細胞及びGrzB細胞のより高い頻度をもたらした。Fc無効化IgG1-LAGAリード抗体(86F08-66-LAGA)では効果は観察されなかった。
【0231】
全体として、42Y073-86F08-66処置は、アイソタイプ対照Ab又はFc無効化IgG1-LAGAリード抗体(86F08-66-LAGA)と比較して、3日目に全NK細胞の中でより多くのIFNγ+GrzB+二重陽性細胞をもたらした(図19)。
【0232】
CD96結合タンパク質のスクリーニングのためのCD155-PBMCアッセイ
ヒトPBMCにおけるIFNγ産生に対するプレート結合CD155-Fcの阻害効果を決定するために、丸底96ウェル非TCプレート(#351177)を、4℃で一晩、異なる用量のrhCD155-Fc(カタログ番号9174-CD-050、R&D Systems)でコーティングし、室温で30分間、5%BSA(カタログ番号9576、Sigma)を含有するAIM-V培地(カタログ番号12055-091、Therrmo Fisher)でブロッキングした。PBMC(カタログ番号70025、Stemcell Technologies)を、CD96結合タンパク質、抗TIGIT mAb(カタログ番号MAB7898、R&D Systems)又はアイソタイプ対照で室温にて10分間前処理し、0.01μg/mlの抗CD3 MAbを含有するAIM-V培地中2×10個の細胞/ウェルでウェルに添加し、3日間培養した。上清を回収し、MSD又はELISAによるIFNγ及びグランザイムBの測定のために-20℃で保存した。ヒトPMBCにおけるIFNγ産生に対するプレート結合CD155-Fcの阻害効果を図20に示す。CD96結合タンパク質は、(IgG1-WTアイソタイプ対照抗体に対して)CD155-Fc媒介性IFNγ阻害を軽減するようである(図26)。CD96結合タンパク質が、(抗TIGIT mAbの存在下で)CD155-Fc媒介性TNFα抑制を軽減する能力を決定するさらなるアッセイを行った(図27)。抗TIGIT mAbを用いて(そして用いずに)行われたさらなるアッセイは、CD96結合タンパク質が、IFNγ産生に対するCD155-Fc阻害を軽減する能力が、抗TIGIT mAbの存在下及び非存在下の両方で明らかであることを示す(図28)。
【0233】
ヒト腫瘍浸潤リンパ球(TIL)アッセイにおけるCD96結合タンパク質の活性
腫瘍微小環境(TME)は免疫抑制性であり、腫瘍中に見出される腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、多くの場合、免疫機能不全であるか、又は「疲弊している」。初代ヒトTILアッセイを開発して、in vitroでの42Y073-86F08-66の潜在的な治療効果を評価した。新鮮な一次切除腫瘍を機械的及び酵素的に解離させて、腫瘍細胞及びTILの両方を含有する単一細胞懸濁液にした。細胞懸濁液中のTILを準最適用量の可溶性抗CD3(クローンHIT3a)で穏やかに活性化し、96ウェル超低接着丸底回転楕円体形成プレートに3連で播種した。次いで、抗体をウェルに添加し、6日後に上清中のIFNγを測定した。42Y073-86F08-66を、単独で、又は抗PD-1(Keytruda/ペンブロリズマブ)(10μg/mL)もしくは抗TIGIT(100μg/mL)のいずれかと組み合わせて、3つの濃度(10、2、及び0.5μg/mL)でこのアッセイにおいて評価した。抗PD-1単独もまた、抗CD3単独を上回るIFNγの誘導についての陽性対照として試験した。適切なアイソタイプ対照も含めた。
【0234】
合計6個の腫瘍(子宮内膜4個及び腎臓2個)をこのアッセイで試験した。4個の子宮内膜腫瘍について、抗PD-1を抗CD3処置と一緒にすると、抗CD3単独と同等のIFNγレベルが誘導され、これは、抗CD3刺激が高すぎる可能性があり、さらなる技術開発が必要であり得ることを示している。2個の腎腫瘍のうちの1個(試料5001063)において、抗PD-1処置は抗CD3処置単独よりも高いIFNγレベルを増大させた(一元Anovaによりp<0.05)。さらに、抗PD-1+42Y073-86F08-66(10μg/mL)組み合わせ処置は、10μg/mLの42Y073-86F08-66単独(599pg/mL)、抗PD-1単独(2692pg/mL)、又は2つの単純な相加効果よりも高い7764pg/mLに有意に(一元Anovaによりp<0.001)増強した(図21)。第2の腎腫瘍(試料1002273)については、抗PD-1処置は、抗CD3刺激単独よりもIFNγ産生を増強しなかった。これらの腫瘍は、PD-1軸発現又はCD96軸発現について事前スクリーニングされなかった。これらのTILアッセイの複雑性は広く認識されており、患者腫瘍間での抗PD-1処置に対する応答の変動が観察されている。これは、スクリーニングされていない患者における抗PD-1(Keytruda)への応答率が25%未満であることを考慮すると、驚くべきことではない。
【0235】
実施例4
in vivoでの有効性及び機序研究
NK細胞依存性B16F10黒色腫肺コロニー形成モデルにおけるCD96結合タンパク質の生物発光イメージング研究
NK細胞は、自然リンパ球ファミリーの一部であり、細胞毒性活性及び炎症性サイトカインの放出を介して初期腫瘍増殖及び転移の広がりを制御する際に顕著な役割を果たす。NK細胞依存性抗癌活性を研究するために頻繁に使用されるin vivoモデルは、B16F10黒色腫肺コロニー形成モデルである。このモデルは、CD96癌関連刊行物(Blake S.J., et al. 2016)にも記載されている。本発明者らは、42Y073-86F08-66(HEK細胞において産生される)活性をin vivoで研究するために同じモデルを使用することを決定した。肺転移の制御における抗CD96 mAbの有効性をリアルタイムで、より定量的な方法で測定するために、通常のB16F10黒色腫細胞を使用する代わりに、赤色ホタルルシフェラーゼ(RFluc)をコードするB16F10細胞を使用して、腫瘍負荷を示す肺からのルシフェラーゼシグナルのin vivoイメージングを可能にした。
【0236】
最大500000個のB16F10 RFluc転移性黒色腫細胞を尾静脈投与した後、0日目(細胞の注射後最大15分以内)、7日目、10日目、14日目、17日目、及び20日目にin vivo生物発光イメージングを行った。(初期細胞コロニー形成は、以前のモデル開発研究から、注射後15分ほどの早さで肺において生じる)。投与頻度は、週2回であった(図22)。20日目のin vivoイメージング後、マウス肺のエクスビボ生物発光イメージングのためにマウスを採取した。
【0237】
この系における特定の免疫細胞型(CD4、CD8、及びNK細胞)の役割をさらに評価するために、確立された抗体処理方法を用いて、CD4細胞、CD8細胞、NK細胞又はCD4及びCD8細胞の両方を枯渇させた。その後のフローサイトメトリー分析により、CD4/CD8枯渇群におけるNK細胞及びT細胞の枯渇が確認された。
【0238】
14日目の生物発光イメージングにより、NK細胞枯渇群の肺においてシグナルが有意に増加したことが明らかになった(図23)。より低い肺シグナル(p/s)が存在する場合、転移はより少ない。実際に、20個体のマウスのうち19個体は、おそらく重度の肺腫瘍負荷に起因して、研究の終わりまで生存しなかった。このデータは、このモデルにおける肺転移の抑制に主に関与するものとしてのNK細胞の重要な役割を明らかに支持する。
【0239】
NK枯渇マウスがまだ生存していた14日目に実施したin vivo生物発光イメージングは、NK枯渇群について、42Y073-86F08-66(HEK細胞において産生された)処置が、アイソタイプ対照処置と比較して肺転移を有意に減少させた(*P<0.05)ことを示した(図24、A)。非枯渇群についても傾向が観察されたが、統計的に有意ではなかった。20日目に、非枯渇群について、肺シグナルは42Y073-86F08-66処置群において減少したが、統計的に有意ではなかった(ns)。T細胞枯渇群について、42Y073-86F08-66は、アイソタイプ対照と比較して肺シグナルを有意に減少させた(**P<0.01)(図24、B)。より低い肺シグナル(p/s)が存在する場合、転移はより少ない。20日目にマウスを屠殺した後の肺のデジタル写真により、42Y073-86F08-66の効果が確認された(図25)。
【0240】
実施例5
有効性データ及び機序の概要
T細胞に対する42Y073-86F08-66の活性のエビデンス
ヒト:CD96は、PBMC中ならびに腫瘍微小環境中のCD4及びCD8T細胞の両方において容易に検出可能なレベルで発現される。TILでは、NK細胞に加えて、CD96がCD8、CD4Teff細胞ならびにTreg上に見出された。その発現パターンと一致して、フローサイトメトリー分析は、42Y073-86F08-66処理が、混合PBMC-MLRアッセイにおいてIFNγCD4及びCD8T細胞のパーセンテージを増加させることを示した。枯渇研究は、CD4T細胞が枯渇した場合に、混合PBMC-MLRアッセイにおいて42Y073-86F08-66によるIFNγ放出の劇的な損失を示した。しかしながら、CD8枯渇は、この特定のアッセイにおいてあまり影響を与えなかった。
マウス:in vivo設定において、B16F10肺コロニー形成(colorization)アッセイについて、腫瘍細胞注射後14日目に、NK枯渇マウスがなお生存していたとき、NK細胞が枯渇したとき、42Y073-86F08-66処置は、おそらくT細胞を活性化したことによって、アイソタイプ対照と比較して肺転移の統計的に有意な減少をなお示した。
【0241】
NK細胞活性のエビデンス
ヒト:CD96は、PBMC中及び腫瘍微小環境中のNK細胞上で容易に検出可能なレベルで発現される。実際に、TIL亜集団の中で、最高レベルのCD96発現がNK細胞上で見出された。CD226は、NK細胞の主要な活性化受容体の1つであり、CD96についての強力なNK活性標的検証データも文献に報告されている。in vitro設定において、フローサイトメトリーを使用した細胞内サイトカイン染色研究は、混合PBMC-MLRアッセイにおいて42Y073-86F08-66処理時にIFNγ+GrzB+NK細胞の増加を示した。
マウス:in vivo設定において、十分に認識された高度にNK細胞依存性のモデルであるB16F10肺コロニー形成モデルを使用して、42Y073-86F08-66は、CD4及びCD8T細胞の両方が枯渇した場合に肺転移を有意に抑制することができ、NK活性を介していたことが強く示唆した。
【0242】
実施例6:抗CD96 mAb-非臨床毒性研究
GSK6097608B(以下、GSK6097608と称され、42Y073-86F08-66と同じである)は、癌の治療のために開発されている分化クラスター(CD)96を標的とするモノクローナル抗体(mAb)である。抗CD96 mAbを用いた静脈内(IV)用量範囲及び4週間反復用量毒性試験を、カニクイザル及びBALB/cマウスにおいて行った。さらに、単回用量PK及びPD試験をサルにおいて行った。ヒト血液試料におけるin vitroCRA及びdostarlimabとの組み合わせCRA(抗PD-1mAb)を行った。結合プロファイルの評価を、ヒトマイクロアレイを使用して、追跡確認結合アッセイを用いて実施した。予備免疫組織化学(IHC)研究を、選択されたヒト及びカニクイザル組織を使用して実施した。
【0243】
BALB/cマウス及びカニクイザルを、抗CD96 mAbの安全性プロファイルを評価するための非臨床種として選択した。抗CD96 mAbはヒト及びサルのCD96受容体に対して同様の親和性で交差反応するので、サルは、抗CD96 mAbの潜在的な毒性を評価するための適切な非臨床種であると考えられた。最初のPK及び有効性試験結果、ならびにマウス脾細胞への抗CD96 mAbのin vitro結合及びCD3/CD28で予め刺激し、抗CD96 mAbと共にインキュベートしたマウス脾細胞によるサイトカイン産生に基づいて、BALB/cマウスにおいてさらなる非臨床安全性試験を行った。
【0244】
抗CD96 mAbは、100mg/kg/週までの週1回の4回投与後のサル毒性試験において良好な忍容性を示した。CD8T細胞、CD4T細胞及びNK細胞上でのCD96受容体占有率(RO)又は標的結合は、全ての試験を通して維持された。受容体結合又は全身曝露に影響を及ぼさなかった低力価抗薬物抗体(ADA)の低い発生率が観察された。CD96を発現する循環細胞の数に変化はなく、一次及び二次免疫組織を含む組織における組織病理学所見もなく、CD96発現エフェクター細胞の結晶化可能断片(Fc)依存性枯渇のリスクが低いことが示唆された。抗CD96 mAbは、マウスにおいて100mg/kg/週で4週間忍容された;しかしながら、10mg/kg/週のより低い用量は、3回目の週用量投与後にADA又は循環免疫複合体による免疫媒介性アナフィラキシーを引き起こした。
【0245】
5人の男性及び5人の女性の健康なドナーから単離されたPBMCを使用して、抗CD96 mAb単独、dostarlimab単独、及び抗CD96 mAbとdostarlimabとの組み合わせを評価するin vitroCRAを行った。培地対照と比較して、抗CD96 mAb単独及びdostarlimab単独条件のそれぞれにおいて、各抗体処置を受けたほとんどのドナーにおいて、免疫調節抗炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-10の最小限の増加、ならびに1人のドナーについて、IL-6及び/又は腫瘍壊死因子α(TNF-α)の軽度から中等度の処置関連の増加があった。これらのレベルは、汎サイトカイン応答を誘導した抗CD3及び抗CD28陽性対照より低かった。全体的に、併用処置によるサイトカイン応答の増強はなかった;しかし、抗CD96 mAb単独条件において増加したIL-6及びTNF-αを有する1人のドナーもまた、組み合わせ処置に対してより感受性であった。結果は、サイトカイン放出症候群(CRS)の全体的に低いリスクを示すが、サイトカインの誘導に対する個々の参加者の応答が存在し得る。
【0246】
忍容性及び関連する有害な知見の非存在に基づいて、副作用非観察レベル(NOAEL)は、サル(性別平均4週平均曲線下面積[AUC]0~168h:580mg・h/mL[範囲:483~647mg・h/mL]及びCmax:5.54Mg/mL[範囲:5.10~6.54Mg/mL])及びマウス(性別平均4週平均AUC 0~168h:319mg・h/mL及びCmax:2.98mg/mL)の両方において100mg/kg/週(試験した最高用量)であると決定した。
【0247】
実施例7:単一療法としての、及びdostarlimab(TSR042としても知られる)と組み合わせた抗CD96 mAbの初回のヒト研究(First time in human study)
GSK6097608B(以下、GSK6097608と称され、42Y073-86F08-66と同じである)は、癌の治療のために開発されている分化抗原群(CD)96(抗CD96 mAb)を標的とするモノクローナル抗体(mAb)である。関連受容体であるCD155によるCD96の結合は、「オフスイッチ」又は免疫チェックポイントとして機能し、免疫応答を下方調節する。このCD96アンタゴニスト抗体はCD96:CD155阻害軸を遮断し、T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞の抗腫瘍活性を増加させるために開発された。この初回のヒト(FTIH)研究では、単一療法として、及びdostarlimabと組み合わせて与えられたGSK6097608の安全、忍容性、薬物動態(PK)、薬力学(PD)、及び予備臨床活性を評価される。Dostarlimab(TSR-042としても知られる)は、免疫グロブリン(Ig)G4(IgG4)アイソタイプの研究用ヒト化mAbであり、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)への結合に高い親和性を有し、その結果、プログラム細胞死リガンド(PD-L)1及びPD-L2への結合が阻害される。同じクラスにおける他の抗体の観察された抗癌活性に基づいて、dostarlimabは、広範囲の癌において臨床活性を示すことが予想される。
【0248】
経路間の分子相互作用及び多様な免疫集団に対処することの有用性を支持する証拠に基づいて、GSK6097608は、PD-(L)1(プログラム細胞死タンパク質1及び/又はプログラム細胞死リガンド1)阻害と協調して作用するだけでなく、現在のT細胞ベースの治療に対して難治性であるか、又は耐性を発達させた患者にも利益を与え得る。
【0249】
抗PD1との組み合わせについての科学的理論的根拠
複数の腫瘍型にわたって免疫チェックポイント経路PD-(L)1及びCTLA-4を遮断する治療的利益にもかかわらず、ほとんどの患者は、チェックポイント阻害剤での単剤療法に応答せず、組み合わせアプローチによってそれらの活性を増加させるための戦略が活発に探索されている。抗CD96 mAb(GSK6097608)を、PD-(L)1経路を遮断するように設計された薬剤(dostarlimab、抗PD-1mAb)と組み合わせる理論的根拠は、経路間の分子相互作用、多様な免疫集団に対処する有用性、及び介入戦略間の治療相補性を支持する証拠に基づく。
【0250】
機序レベルでは、PD-1シグナル伝達はCD226の細胞内ドメインを脱リン酸化し、CD96媒介性CD155再指向後の共刺激の可能性を減弱することが示されている。特に、CD96の発現は、ニボルマブ(抗PD-1)処置後に黒色腫腫瘍組織において上方調節され、PD1遮断に対する可能性のある適応的抵抗性機序としてCD96阻害軸が関与している。インターフェロンガンマ(IFNγ)のGSK6097608介在誘導は、PD-L1発現を上方調節する可能性があるため、経路成分の相互上方調節もCD96遮断で観察され得る。まとめると、これらの観察は、CD96及びPD-(L)1の同時遮断が、有効な抗腫瘍免疫応答を可能にするために必要であり得ることを示唆する。
【0251】
Dostarlimabによる臨床経験
Dostarlimabは、現在、子宮内膜がん(ミクロサテライト安定及びミクロサテライト不安定性-高[MSI-H]腫瘍)、非小細胞肺がん(NSCLC)、ならびに非子宮内膜MSI-H固形腫瘍及びポリメラーゼε変異がんを含む再発性又は進行性の固形腫瘍を有する患者のための単一療法として開発されている。加えて、dostarlimabは、進行性固形腫瘍(メラノーマ、NSCLC、及び結腸直腸がんを含む)又は進行性もしくは転移性がん(内皮卵巣がん、トリプルネガティブ乳がん、及び尿路上皮がんを含む)を有する患者のための他の治療剤との組合せ療法として開発されている。
【0252】
2019年1月21日の時点で、dostarlimabを用いた4つの進行中の第1フェーズ試験、2つの進行中の第2フェーズ試験、及び1つの進行中の第3フェーズ試験があった。
【0253】
dostarlimabの安全及び忍容性は、少なくとも1用量のdostarlimabを受けた進行性癌を有する627人を超える参加者において評価されている。FTIH研究4010-01-001(GARNET)においてdostarlimab単一療法で処置された335人の参加者のうち、93.7%が、少なくとも1つの処置下発現有害事象(TEAE)を報告し、疲労、悪心、及び下痢の事象が最も頻繁に報告された。研究介入関連TEAE≧グレード3が36人の参加者(10.7%)において報告された。研究介入関連TEAE≧グレード3の大部分は、疲労(6人の参加者)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の増加(4人の参加者)、貧血(4人の参加者)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の増加(3人の参加者)、及びリパーゼの増加(3人の参加者)を除いて、それぞれ2人の参加者のみにおいて生じた。重篤な有害事象(SAE)は、106人の参加者(31.6%)において生じた;これらの参加者のうちの21人において、これらのSAEは、研究介入関連とみなされた。全ての研究介入関連SAEは、肺炎(4人の参加者)、呼吸困難(2人の参加者)、発熱(2人の参加者)及び発疹黄斑丘疹(2人の参加者)を除いて、それぞれ1人の参加者において生じた。dostarlimab単独治療を受けた23人の参加者(6.9%)は、≧グレード3の重篤度を有する少なくとも1つの免疫関連有害事象(irAE)を経験した;≧グレード3 irAEを有する23人の参加者のうちの18人について、有害事象(AE)を研究者による研究介入関連として評価した。≧グレード3 irAEの大部分は、それぞれ≦2人の参加者において報告された。>2人の参加者において報告されたirAE≧グレード3は、ASTが増加し(4人の参加者)、ALTが増加し(4人の参加者)、リパーゼが増加し(4人の参加者)、発疹(3人の参加者)があった。
【0254】
他の治療剤と組み合わせてdostarlimabで処置された292人の参加者のうち、94.5%が少なくとも1つのTEAEを報告し、疲労、悪心、及び呼吸困難の事象が最も頻繁に報告された。SAEは、108人の参加者(37.0%)において生じた;これらの108人の参加者のうち20人において、SAEは研究介入に関連していた。
【0255】
ヒト経験からの安全データならびに利用可能な非臨床薬理及び毒性情報に基づいて、dostarlimabは、承認されたmAb PD-1阻害剤、ペンブロリズマブ及びニボルマブの安全経験と一致すると思われる許容される臨床及び非臨床安全プロファイルを実証した。
【0256】
同じクラスにおける他の抗体の観察された抗腫瘍活性に基づいて、dostarlimabは、広範囲の癌において臨床活性を示すことが予想される。少なくとも1つの腫瘍評価を有した、MSI-H子宮内膜がんを有する15人の参加者及びNSCLCを有する24人の参加者からの予備的効力データを、米国癌学会の2018年4月の年次会議で提示した。応答は、固形腫瘍における免疫関連応答評価基準(irRECIST)を使用して研究者によって評価された。MSI-H子宮内膜がんを有する15人の参加者のうち、全体的な応答率は47%であり、全ての部分応答(PR)からなっていた;20%は安定疾患(SD)を有し、33%は疾患進行を有していた。NSCLCを有する24人の参加者のうち、ORRは29%であり、全ての部分応答(PR)からなっていた;42%はSDを有し、17%は疾患進行を有していた。したがって、dostarlimabで処置されたNSCLCを有する参加者からの予備的効力データは、進行性及び再発性の癌を有する参加者において、ペンブロリズマブなどの他のPD(L)1阻害剤の報告された効力に匹敵するようである(ORR:19%)[Herbst,2016]。
【0257】
目的及びエンドポイント
このFTIH非盲検用量漸増試験は、単一療法(ArmA)として、又はdostarlimab(ArmB)と組み合わせて、局所進行性、再発性、又は転移性の固形腫瘍を有する参加者におけるGSK6097608の安全、忍容性、PK、PD、及び予備的臨床活性を評価する;この試験を使用して、推奨される第2フェーズ用量(RP2D)を定義する。
【0258】
【表10】
略語:ADA=抗薬物抗体;AE=有害事象;AUC=曲線下面積;Cmax=最大濃度;Cmin=最小濃度;DCR=疾患制御率;DLT=用量制限毒性;DNA=デオキシリボ核酸;DoR=応答期間;IHC=免疫組織化学;iRECIST=免疫療法のための改変された固形腫瘍中の応答評価基準、バージョン1.1(modified Response Evaluation Criteria in Solid Tumors, version 1.1 for immune-based therapeutics);IV=静脈内(ly);ORR=全応答率;P D=薬効;PK=薬物動態;RNA=リボ核酸;RECIST 1.1=固形腫瘍中の応答評価基準、バージョン1.1(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors, version 1.1);RP2D=推奨第2相用量;SAE=重篤な有害事象;t1/2=半減期;TTP=進行までの時間;TTR=応答までの時間。
【0259】
全体的な設計
これは、局所進行性、再発性、又は転移性の固形腫瘍を有する参加者に、単一療法(Arm A)として、又はdostarlimab(Arm B)と組み合わせてIV投与される漸増用量のGSK6097608の安全、忍容性、PK、PD、及び予備的臨床活性を調査するように設計された、FTIH、非盲検、非無作為化、多施設研究である。
【0260】
3週間毎にIV投与されるGSK6097608(Q3W)を、用量漸増委員会(Dose Escalation Committee)(DEC)の指導の下で、漸増用量(アームA)における単一療法として評価する。PK及びPDをさらに評価するために、さらなる参加者を、以下の腫瘍型:非小細胞肺癌(NSCLC)、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)、又は出現する非臨床及び/もしくは臨床データに基づいて定義される他の腫瘍型において、RP2DにおけるPK/PDコホートに登録する(最大15人の参加者)。追加の参加者はまた、用量探索のために、以前にクリアされた用量レベルでPK/PDコホートに登録されてもよい(コホート当たり最大15人の参加者)。これらの追加の参加者は、安全性及び予備的な抗癌活性、ならびに全体的なPK/PDデータプロファイルの評価に寄与する。
【0261】
忍容性であり、かつPKデータに基づいて適切な薬物曝露を有するGSK6097608の用量が同定されると、組合せアーム(Arm B)への登録が開始され得る。Arm Bにおいて、漸増用量のGSK6097608が、dostarlimabの固定投与レジメンを用いて評価される。PK及びPDをさらに評価するために、さらなる参加者を、以下の腫瘍型:NSCLC、HNSCC、又は新たな非臨床データ及び/もしくは臨床データに基づいて定義される他の腫瘍型において、RP2DでPK/PDコホートに登録する(最大15人の参加者)。RP2Dで処置されるコホートに加えて、参加者はまた、用量探索のために、以前にクリアされた用量レベル(コホート当たり最大15人の参加者)でPK/PDコホートに登録されてもよい。
【0262】
これらのさらなる参加者は、安全性及び予備的な抗癌活性、ならびに全体的なPK/PDデータプロファイルの評価に寄与する。
【0263】
スクリーニング時及び試験介入訪問中の病状の評価は、固形腫瘍中の応答評価基準、バージョン1.1(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors, version 1.1)及び免疫療法のための改変RECIST(iRECIST)に従って、研究者によって行われる。病気の進行に起因して治療を中止する決定は、iRECISTに基づくが、いくつかの二次及び探索的抗癌活性分析は、RECIST 1.1に基づく。スキャンは、一点中心的に収集し、保存することで中心的な検討の選択肢が可能である。
【0264】
分析
各投与コホートの後、ノイエンシュワンダー連続再評価方法(NCRM)を使用して、単一療法及び組み合わせ療法の用量漸増を導く。用量漸増の決定は、主に用量制限毒性(DLT)に基づくが、臨床安全性評価、PK、及びPDデータの全体が考慮される。正式な統計的仮説は試験されず、分析は記述的である。
これは、2アーム非盲検介入研究である。
【0265】
参加者の数
約100人の参加者が、研究介入を受けるために登録される。登録される参加者の総数は推定値であり、DLTプロファイルを適切に特徴付け、RP2Dを決定するために必要とされる数に依存する。
【0266】
介入のグループ及び期間
Arm A(単一療法)において、GSK6097608を、研究者又は適切に資格を与えられた被指名人の医学的監督下で参加者に約30分間かけてIV投与する。
【0267】
Arm B(組み合わせ療法)において、GSK6097608を最初にIV投与する。次いで、DostarlimabをGSK6097608注入の終了後30分間にわたってIV投与する。両方の研究介入は、研究者又は被指名者の医学的監督下で行われる。
【0268】
研究は、3つの期間を含む:スクリーニング(初回投与の28日前までの評価)、処置(疾患の進行、許容できない毒性、死亡、又は同意の撤回まで)、ならびに処置の中止及び経過観察(90日間)。研究参加の全期間は、インフォームドコンセント用紙(ICF)の署名から開始し、最終のプロトコルで定義された経過観察評価期間を通して継続する。研究参加の最大期間は、参加者の研究介入の期間に依存し、およそ2年までの期間である。
【0269】
腫瘍の画像化及び疾患の評価
病変の評価方法及びタイミング、疾患の評価、疾患の進行、ならびに応答基準は、固形腫瘍中の応答評価基準、バージョン1.1(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors, version 1.1)(RECIST 1.1)に従って行われる。RECIST 1.1は、スクリーニング時の疾患負荷の評価(標的及び非標的病変の決定)において、及び腫瘍応答エンドポイントの主要な尺度として使用される。iRECISTは、腫瘍応答及び進行を評価し、処置決定を行うために研究者によって使用される。
【0270】
[配列表]
Kabatにより定義されたCDRに下線を付す。
42Y073-86F08-1可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号1
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0271】
42Y073-86F08-1可変重鎖アミノ酸配列
配列番号2
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTASYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0272】
42Y073-86F08-1 可変軽鎖核酸配列
配列番号3
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0273】
42Y073-86F08-1可変重鎖核酸配列
配列番号4
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCAGCTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTTTCGGCACCGCCAGCTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0274】
42Y073-86F04-3可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号5
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0275】
42Y073-86F04-3可変重鎖アミノ酸配列
配列番号6
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSYNAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIMGTARYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0276】
42Y073-86F04-3可変軽鎖核酸配列
配列番号7
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0277】
42Y073-86F04-3可変重鎖核酸配列
配列番号8
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCTACAACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTATGGGCACCGCCAGGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0278】
42Y073-86F04-4可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号9
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0279】
42Y073-86F04-4可変重鎖アミノ酸配列
配列番号10
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFESEAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGRARYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0280】
42Y073-86F04-4可変軽鎖核酸配列
配列番号11
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0281】
42Y073-86F04-4可変重鎖核酸配列
配列番号12
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCGAGAGCGAGGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTTTCGGCAGGGCCAGGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0282】
42Y073-86F04-5可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号13
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0283】
42Y073-86F04-5可変重鎖アミノ酸配列
配列番号14
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSHAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGRGKYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0284】
42Y073-86F04-5可変軽鎖核酸配列
配列番号15
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0285】
42Y073-86F04-5可変重鎖核酸配列
配列番号16
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCAGCCACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTTTCGGCAGGGGCAAGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0286】
42Y073-86F04-6可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号17
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0287】
42Y073-86F04-6可変重鎖アミノ酸配列
配列番号18
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSGHAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGRARYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0288】
42Y073-86F04-6可変軽鎖核酸配列
配列番号19
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0289】
42Y073-86F04-6可変重鎖核酸配列
配列番号20
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCGGCCACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTTTCGGCAGGGCCAGGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0290】
42Y073-86F04-18可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号21
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0291】
42Y073-86F04-18可変重鎖アミノ酸配列
配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSRAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIMGTARYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0292】
42Y073-86F04-18可変軽鎖核酸配列
配列番号23
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0293】
42Y073-86F04-18可変重鎖核酸配列
配列番号24
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCAGCAGGGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTATGGGCACCGCCAGGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0294】
42Y073-86F04-33可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号25
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0295】
42Y073-86F04-33可変重鎖アミノ酸配列
配列番号26
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGILPIFGRANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0296】
42Y073-86F04-33可変軽鎖核酸配列
配列番号27
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0297】
42Y073-86F04-33可変重鎖核酸配列
配列番号28
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCAGCTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCCTGCCCATTTTCGGCAGGGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0298】
42Y073-86F04-88可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号29
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0299】
42Y073-86F04-88可変重鎖アミノ酸配列
配列番号30
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSSAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGRANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0300】
42Y073-86F04-88可変軽鎖核酸配列
配列番号31
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0301】
42Y073-86F04-88可変重鎖核酸配列
配列番号32
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCAGCAGCGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTTTCGGCAGGGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0302】
42Y073-86F08-3可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号33
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0303】
42Y073-86F08-3可変重鎖アミノ酸配列
配列番号34
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFVNYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPALGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0304】
42Y073-86F08-3可変軽鎖核酸配列
配列番号35
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0305】
42Y073-86F08-3可変重鎖核酸配列
配列番号36
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCGTGAACTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCGCCCTGGGCACCGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0306】
42Y073-86F08-4可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号37
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0307】
42Y073-86F08-4可変重鎖アミノ酸配列
配列番号38
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSEYAIHWVRQAPGQGLEWMGNIIPIFGTAGYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0308】
42Y073-86F08-4可変軽鎖核酸配列
配列番号39
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0309】
42Y073-86F08-4可変重鎖核酸配列
配列番号40
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCGAGTACGCCATCCACTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCAACATCATCCCCATTTTCGGCACCGCCGGCTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0310】
42Y073-86F08-8可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号41
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0311】
42Y073-86F08-8可変重鎖アミノ酸配列
配列番号42
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFWLYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPQLGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0312】
42Y073-86F08-8可変軽鎖核酸配列
配列番号43
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0313】
42Y073-86F08-8可変重鎖核酸配列
配列番号44
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCTGGCTGTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCCAGCTGGGCACCGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0314】
42Y073-86F08-17可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号45
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0315】
42Y073-86F08-17可変重鎖アミノ酸配列
配列番号46
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFREYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPVFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0316】
42Y073-86F08-17可変軽鎖核酸配列
配列番号47
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0317】
42Y073-86F08-17可変重鎖核酸配列
配列番号48
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGGGAGTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCGTGTTCGGCACCGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0318】
42Y073-86F08-22可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号49
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0319】
42Y073-86F08-22可変重鎖アミノ酸配列
配列番号50
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFDSYAMHWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTAWYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0320】
42Y073-86F08-22可変軽鎖核酸配列
配列番号51
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0321】
42Y073-86F08-22可変重鎖核酸配列
配列番号52
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCGCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCGACAGCTACGCCATGCACTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTTTCGGCACCGCCTGGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0322】
42Y073-86F08-47可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号53
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0323】
42Y073-86F08-47可変重鎖アミノ酸配列
配列番号54
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSQYAIHWVRQAPGQGLEWMGVIIPIFGKANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0324】
42Y073-86F08-47可変軽鎖核酸配列
配列番号55
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0325】
42Y073-86F08-47可変重鎖核酸配列
配列番号56
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCCAGTACGCCATCCACTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGTGATCATCCCCATTTTCGGCAAGGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0326】
42Y073-2B04-46可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号57
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASKRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQLDNWPITFGGGTKVEIK
【0327】
42Y073-2B04-46可変重鎖アミノ酸配列
配列番号58
QVQLQQWGAGLLKPSETLSLTCAVYGGSFRRYYWSWIRQPPGKGLEWIGEIDGWGSTNYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARGGSVDFWSGSDYYYYMDVWGKGATVTVSS
【0328】
42Y073-2B04-46可変軽鎖核酸配列
配列番号59
GAGATCGTGCTGACCCAGAGCCCCGCAACCCTGTCCCTGAGCCCCGGCGAAAGGGCCACTCTGAGCTGCAGGGCCAGCCAGAGCGTGAGCAGCTACCTCGCCTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCCAGGCCCCTAGGCTGCTGATCTACGACGCCAGCAAGAGGGCCACCGGCATTCCCGCCAGGTTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGGAGCCCGAGGACTTCGCCGTCTACTACTGCCAGCAGCTGGACAACTGGCCC
ATCACCTTCGGGGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAG
【0329】
42Y073-2B04-46可変重鎖核酸配列
配列番号60
CAGGTGCAGCTGCAGCAGTGGGGCGCCGGACTGCTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCGCCGTGTACGGCGGGTCCTTCAGGAGGTACTACTGGAGCTGGATCAGGCAGCCCCCCGGCAAAGGCCTGGAGTGGATCGGCGAGATCGACGGCTGGGGCAGCACCAACTACAACCCCAGCCTCAAGAGCAGGGTGACCATCAGCGTGGACACCAGCAAGAACCAGTTCAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTATTGC
GCCAGGGGCGGCAGCGTGGACTTCTGGAGCGGCAGCGACTACTACTACTACATGGACGTGTGGGGCAAGGGCGCCACCGTCACCGTGAGCAGC
【0330】
42Y073-1A01-85可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号61
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSLYPPRTFGGGTKVEIK
【0331】
42Y073-1A01-85可変重鎖アミノ酸配列
配列番号62
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYPMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGFTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARETAYYTTKGNWFDPWGQGTLVTVSA
【0332】
42Y073-1A01-85可変軽鎖核酸配列
配列番号63
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCCTGTACCCCCCC
AGGACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0333】
42Y073-1A01-85可変重鎖核酸配列
配列番号64
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAAGTGAAAAAGCCCGGCGCCAGCGTGAAGGTCAGCTGCAAGGCCTCCGGGTACACCTTCACCAGCTACCCCATGCACTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTCGAGTGGATGGGCATCATCAACCCCAGCGGAGGCTTCACCAGCTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCAGGGTGACCATGACAAGGGACACCAGCACCAGCACCGTGTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTATTACTGCGCAAGGGAGACCGCCTACTACACCACCAAGGGCAACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCGCC
【0334】
42Y073-1A01-97可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号65
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSLYPPRTFGGGTKVEIK
【0335】
42Y073-1A01-97可変重鎖アミノ酸配列
配列番号66
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTRAAMHWVRQAPGQGLEWMGIINPAGGYTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARETAYYTTKGNWFDPWGQGTLVTVSS
【0336】
42Y073-1A01-97可変軽鎖核酸配列
配列番号67
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCCTGTACCCCCCCAGGACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0337】
42Y073-1A01-97可変重鎖核酸配列
配列番号68
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAAGTGAAAAAGCCCGGCGCCAGCGTGAAGGTCAGCTGCAAGGCCTCCGGGTACACCTTCACCAGGGCCGCCATGCACTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTCGAGTGGATGGGCATCATCAACCCCGCCGGAGGCTACACCAGCTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCAGGGTGACCATGACAAGGGACACCAGCACCAGCACCGTGTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTATTAC
TGCGCAAGGGAGACCGCCTACTACACCACCAAGGGCAACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCTCT
【0338】
42Y073-1A01-100可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号69
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSLYPPRTFGGGTKVEIK
【0339】
42Y073-1A01-100可変重鎖アミノ酸配列
配列番号70
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTTYRMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGLTQYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARETAYYTTKGNWFDPWGQGTLVTVSS
【0340】
42Y073-1A01-100可変軽鎖核酸配列
配列番号71
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCCTGTACCCCCCC
AGGACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0341】
42Y073-1A01-100可変重鎖核酸配列
配列番号72
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAAGTGAAAAAGCCCGGCGCCAGCGTGAAGGTCAGCTGCAAGGCCTCCGGGTACACCTTCACCACCTACAGGATGCACTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTCGAGTGGATGGGCATCATCAACCCCAGCGGAGGCCTGACCCAGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCAGGGTGACCATGACAAGGGACACCAGCACCAGCACCGTGTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTATTAC
TGCGCAAGGGAGACCGCCTACTACACCACCAAGGGCAACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCTCT
【0342】
42Y073-1A01-103可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号73
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSLYPPRTFGGGTKVEIK
【0343】
42Y073-1A01-103可変重鎖アミノ酸配列
配列番号74
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTAYQMHWVRQAPGQGLEWMGIINPAGGWTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARETAYYTTKGNWFDPWGQGTLVTVSS
【0344】
42Y073-1A01-103可変軽鎖核酸配列
配列番号75
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCCTGTACCCCCCCAGGACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0345】
42Y073-1A01-103可変重鎖核酸配列
配列番号76
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAAGTGAAAAAGCCCGGCGCCAGCGTGAAGGTCAGCTGCAAGGCCTCCGGGTACACCTTCACCGCCTACCAGATGCACTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTCGAGTGGATGGGCATCATCAACCCCGCCGGAGGCTGGACCAGCTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCAGGGTGACCATGACAAGGGACACCAGCACCAGCACCGTGTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTATTACTGCGCAAGGGAGACCGCCTACTACACCACCAAGGGCAACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCTCT
【0346】
42Y073-1A01-126可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号77
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSLYPPRTFGGGTKVEIK
【0347】
42Y073-1A01-126可変重鎖アミノ酸配列
配列番号78
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTRYNMHWVRQAPGQGLEWMGWINPAGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARETAYYTTKGNWFDPWGQGTLVTVSA
【0348】
42Y073-1A01-126可変軽鎖核酸配列
配列番号79
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCCTGTACCCCCCCAGGACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0349】
42Y073-1A01-126可変重鎖核酸配列
配列番号80
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAAGTGAAAAAGCCCGGCGCCAGCGTGAAGGTCAGCTGCAAGGCCTCCGGGTACACCTTCACCAGGTACAACATGCACTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTCGAGTGGATGGGCTGGATCAACCCCGCCGGAGGCAGCACCAGCTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCAGGGTGACCATGACAAGGGACACCAGCACCAGCACCGTGTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTATTACTGCGCAAGGGAGACCGCCTACTACACCACCAAGGGCAACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCGCC
【0350】
42Y073-1A01-191可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号81
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSLYPPRTFGGGTKVEIK
【0351】
42Y073-1A01-191可変重鎖アミノ酸配列
配列番号82
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTKYRMHWVRQAPGQGLEWMGIINPQGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARETAYYTTKGNWFDPWGQGTLVTVSA
【0352】
42Y073-1A01-191可変軽鎖核酸配列
配列番号83
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCCTGTACCCCCCCAGGACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0353】
42Y073-1A01-191可変重鎖核酸配列
配列番号84
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAAGTGAAAAAGCCCGGCGCCAGCGTGAAGGTCAGCTGCAAGGCCTCCGGGTACACCTTCACCAAGTACAGGATGCACTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTCGAGTGGATGGGCATCATCAACCCCCAGGGAGGCAGCACCAGCTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCAGGGTGACCATGACAAGGGACACCAGCACCAGCACCGTGTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTATTAC
TGCGCAAGGGAGACCGCCTACTACACCACCAAGGGCAACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCGCC
【0354】
42Y073-86F08-66可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号85
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0355】
42Y073-86F08-66可変重鎖アミノ酸配列
配列番号86
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFVEYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPAFGTAQYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0356】
42Y073-86F08-66可変軽鎖核酸配列
配列番号87
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCA GGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCT GATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGAC TTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0357】
42Y073-86F08-66可変重鎖核酸配列
配列番号88
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCAGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGG CCTCCGGCGGGACCTTCGTGGAGTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTG GATGGGCGGCATCATCCCCGCCTTCGGCACCGCCCAGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATC ACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGT ACTATTGCGCCAGGGGAGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCAC CGTGACTGTGAGCAGC
【0358】
42Y073-86F08-16可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号89
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIK
【0359】
42Y073-86F08-16可変重鎖アミノ酸配列
配列番号90
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFNEYAISWVRQAPGQGLEWMGGIVPVFGTAKYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSS
【0360】
42Y073-86F08-16可変軽鎖核酸配列
配列番号91
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0361】
42Y073-86F08-16可変重鎖核酸配列
配列番号92
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAACGAGTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCGTGCCCGTGTTCGGCACCGCCAAGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0362】
42Y073-86F04-23可変軽鎖アミノ酸配列
配列番号93
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIK
【0363】
42Y073-86F04-23可変重鎖アミノ酸配列
配列番号94
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSGYPISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIMGTARYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSS
【0364】
42Y073-86F04-23可変軽鎖核酸配列
配列番号95
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
【0365】
42Y073-86F04-23可変重鎖核酸配列
配列番号96
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCGGCTACCCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTATGGGCACCGCCAGGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
【0366】
CDRL1アミノ酸配列1
配列番号:97
RASQSISSYLN
【0367】
CDRL1アミノ酸配列2
配列番号:98
RASQSVSSYLA
【0368】
CDRL2アミノ酸配列1
配列番号:99
AASSLQS
【0369】
CDRL2アミノ酸配列2
配列番号:100
DASKRAT
【0370】
CDRL3アミノ酸配列1
配列番号:101
QQVLHTIT
【0371】
CDRL3アミノ酸配列2
配列番号:102
QQPYFSPPT
【0372】
CDRL3アミノ酸配列3
配列番号:103
QQLDNWPIT
【0373】
CDRL3アミノ酸配列4
配列番号:104
QQSLYPPRT
【0374】
CDRH1アミノ酸配列1
配列番号:105
SYAIS
【0375】
CDRH1アミノ酸配列2
配列番号:106
YNAIS
【0376】
CDRH1アミノ酸配列3
配列番号:107
SEAIS
【0377】
CDRH1アミノ酸配列4
配列番号:108
SHAIS
【0378】
CDRH1アミノ酸配列5
配列番号:109
GHAIS
【0379】
CDRH1アミノ酸配列6
配列番号:110
SRAIS
【0380】
CDRH1アミノ酸配列7
配列番号:111
SSAIS
【0381】
CDRH1アミノ酸配列8
配列番号:112
NYAIS
【0382】
CDRH1アミノ酸配列9
配列番号:113
EYAIH
【0383】
CDRH1アミノ酸配列10
配列番号:114
LYAIS
【0384】
CDRH1アミノ酸配列11
配列番号:115
EYAIS
【0385】
CDRH1アミノ酸配列12
配列番号:116
SYAMH
【0386】
CDRH1アミノ酸配列13
配列番号:117
QYAIH
【0387】
CDRH1アミノ酸配列14
配列番号:118
RYYWS
【0388】
CDRH1アミノ酸配列15
配列番号:119
SYPMH
【0389】
CDRH1アミノ酸配列16
配列番号:120
RAAMH
【0390】
CDRH1アミノ酸配列17
配列番号:121
TYRMH
【0391】
CDRH1アミノ酸配列18
配列番号:122
AYQMH
【0392】
CDRH1アミノ酸配列19
配列番号:123
RYNMH
【0393】
CDRH1アミノ酸配列20
配列番号:124
KYRMH
【0394】
CDRH1アミノ酸配列21
配列番号:125
GYPIS
【0395】
CDRH2アミノ酸配列1
配列番号:126
GIIPIFGTASYAQKFQG
【0396】
CDRH2アミノ酸配列2
配列番号:127
GIIPIMGTARYAQKFQG
【0397】
CDRH2アミノ酸配列3
配列番号:128
GIIPIFGRARYAQKFQG
【0398】
CDRH2アミノ酸配列4
配列番号:129
GIIPIFGRGKYAQKFQG
【0399】
CDRH2アミノ酸配列5
配列番号:130
GILPIFGRANYAQKFQG
【0400】
CDRH2アミノ酸配列6
配列番号:131
GIIPIFGRANYAQKFQG
【0401】
CDRH2アミノ酸配列7
配列番号:132
GIIPALGTANYAQKFQG
【0402】
CDRH2アミノ酸配列8
配列番号:133
NIIPIFGTAGYAQKFQG
【0403】
CDRH2アミノ酸配列9
配列番号:134
GIIPQLGTANYAQKFQG
【0404】
CDRH2アミノ酸配列
10配列番号:135
GIIPVFGTANYAQKFQG
【0405】
CDRH2アミノ酸配列11
配列番号:136
GIIPIFGTAWYAQKFQG
【0406】
CDRH2アミノ酸配列12
配列番号:137
VIIPIFGKANYAQKFQG
【0407】
CDRH2アミノ酸配列13
配列番号:138
EIDGWGSTNYNPSLKS
【0408】
CDRH2アミノ酸配列14
配列番号:139
IINPSGGFTSYAQKFQG
【0409】
CDRH2アミノ酸配列15
配列番号:140
IINPAGGYTSYAQKFQG
【0410】
CDRH2アミノ酸配列16
配列番号:141
IINPSGGLTQYAQKFQG
【0411】
CDRH2アミノ酸配列17
配列番号:142
IINPAGGWTSYAQKFQG
【0412】
CDRH2アミノ酸配列18
配列番号:143
WINPAGGSTSYAQKFQG
【0413】
CDRH2アミノ酸配列19
配列番号:144
IINPQGGSTSYAQKFQG
【0414】
CDRH2アミノ酸配列20
配列番号:145
GIIPAFGTAQYAQKFQG
【0415】
CDRH2アミノ酸配列21
配列番号:146
GIVPVFGTAKYAQKFQG
【0416】
CDRH3アミノ酸配列1
配列番号:147
GAGYYGDKDPMDV
【0417】
CDRH3アミノ酸配列2
配列番号:148
LLGESGMDV
【0418】
CDRH3アミノ酸配列3
配列番号:149
GGSVDFWSGSDYYYYMDV
【0419】
CDRH3アミノ酸配列4
配列番号:150
ETAYYTTKGNWFDP
【0420】
PD-1アンタゴニストCDRH1
配列番号:151
SYDMS
【0421】
PD-1アンタゴニストCDRH2
配列番号:152
TISGGGSYTYYQDSVKG
【0422】
PD-1アンタゴニストCDRH3
配列番号:153
PYYAMDY
【0423】
PD-1アンタゴニストCDRL1
配列番号:154
KASQDVGTAVA
【0424】
PD-1アンタゴニストCDRL2
配列番号:155
WASTLHT
【0425】
PD-1アンタゴニストCDRH3
配列番号:156
QHYSSYPWT
【0426】
PD-1アンタゴニスト代替CDRL3
配列番号:157
QHYNSYPWT
【0427】
PD-1アンタゴニスト重鎖可変領域
配列番号:158
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSS
【0428】
PD-1アンタゴニスト軽鎖可変領域
配列番号:159
DIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIK
【0429】
PD-1アンタゴニストモノクローナル抗体重鎖
配列番号:160
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0430】
PD-1アンタゴニストモノクローナル抗体軽鎖
配列番号:161
DIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0431】
N380D修飾を有するPD-1アンタゴニスト重鎖配列
配列番号:162
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESDGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0432】
N385D修飾を有するPD-1アンタゴニスト軽鎖配列
配列番号:163
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPEDNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0433】
N380D及びN385D修飾を有するPD-1アンタゴニスト重鎖配列
配列番号:164
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESDGQPEDNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0434】
42Y073-86F08-66完全長重鎖アミノ酸配列
配列番号:165
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFVEYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPAFGTAQY
AQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTV
SSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQ
SSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELL
GGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQ
YNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSR
DELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKS
RWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0435】
42Y073-86F08-66完全長軽鎖アミノ酸配列
配列番号:166
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPS
RFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPS
DEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTL
SKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0436】
42Y073-86F08-66完全長重鎖DNA配列
配列番号:167
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCAGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCGTGGAGTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCGCCTTCGGCACCGCCCAGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGAGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGCGCCAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTCCCCCTGGCCCCCAGCAGCAAGAGCACCAGCGGCGGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGACTACTTCCCCGAGCCCGTGACCGTGTCCTGGAACAGCGGAGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCCGCCGTGCTGCAGAGCAGCGGCCTGTACAGCCTGAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCAGCAGCAGCCTGGGCACCCAGACCTACATCTGTAACGTGAACCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCCAAGAGCTGTGACAAGACCCACACCTGCCCCCCCTGCCCTGCCCCCGAGCTGCTGGGAGGCCCCAGCGTGTTCCTGTTCCCCCCCAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCAGCAGAACCCCCGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGATGTGAGCCACGAGGACCCTGAGGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACCAAGCCCAGGGAGGAGCAGTACAACAGCACCTACCGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGTAAGGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACC
ATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCCAGAGAGCCCCAGGTGTACACCCTGCCCCCTAGCAGAGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGACAGCGATGGCAGCTTCTTCCTGTACAGCAAGCTGACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGCAGGGCAACGTGTTCAGCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGTCCCCTGGCAAG
【0437】
42Y073-86F08-66完全長軽鎖DNA配列
配列番号:168
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAGCGTACGGTGGCCGCCCCCAGCGTGTTCATCTTCCCCCCCAGCGATGAGCAGCTGAAGAGCGGCACCGCCAGCGTGGTGTGTCTGCTGAACAACTTCTACCCCCGGGAGGCCAAGGTGCAGTGGAAGGTGGACAATGCCCTGCAGAGCGGCAACAGCCAGGAGAGCGTGACCGAGCAGGACAGCAAGGACTCCACCTACAGCCTGAGCAGCACCCTGACCCTGAGCAAGGCCGACTACGAGAAGCACAAGGTGTACGCCTGTGAGGTGACCCACCAGGGCCTGTCCAGCCCCGTGACCAAGAGCTTCAACCGGGGCGAGTGC
【0438】
42Y073-86F08-16完全長軽鎖アミノ酸配列
配列番号:169
DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQVLHTITFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0439】
42Y073-86F08-16完全長重鎖アミノ酸配列
配列番号:170
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFNEYAISWVRQAPGQGLEWMGGIVPVFGTAKYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGAGYYGDKDPMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0440】
42Y073-86F08-16完全長軽鎖DNA配列
配列番号:171
GACATCCAGCTGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGGTGCTGCACACCATCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAG
CGTACGGTGGCCGCCCCCAGCGTGTTCATCTTCCCCCCCAGCGATGAGCAGCTGAAGAGCGGCACCGCCAGCGTGGTGTGTCTGCTGAACAACTTCTACCCCCGGGAGGCCAAGGTGCAGTGGAAGGTGGACAATGCCCTGCAGAGCGGCAACAGCCAGGAGAGCGTGACCGAGCAGGACAGCAAGGACTCCACCTACAGCCTGAGCAGCACCCTGACCCTGAGCAAGGCCGACTACGAGAAGCACAAGGTGTACGCCTGTGAGGTGACCCACCAGGGCCTGTCCAGCCCCGTGACCAAGAGCTTCAACCGGGGCGAGTGC
【0441】
42Y073-86F08-16完全長重鎖DNA配列
配列番号:172
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAACGAGTACGCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCGTGCCCGTGTTCGGCACCGCCAAGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGGGCGCCGGCTACTACGGCGACAAGGACCCCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGC
GCCAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTCCCCCTGGCCCCCAGCAGCAAGAGCACCAGCGGCGGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGACTACTTCCCCGAGCCCGTGACCGTGTCCTGGAACAGCGGAGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCCGCCGTGCTGCAGAGCAGCGGCCTGTACAGCCTGAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCAGCAGCAGCCTGGGCACCCAGACCTACATCTGTAACGTGAACCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCCAAGAGCTGTGACAAGACCCACACCTGCCCCCCCTGCCCTGCCCCCGAGCTGCTGGGAGGCCCCAGCGTGTTCCTGTTCCCCCCCAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCAGCAGAACCCCCGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGATGTGAGCCACGAGGACCCTGAGGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACCAAGCCCAGGGAGGAGCAGTACAACAGCACCTACCGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGTAAGGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCCAGAGAGCCCCAGGTGTACACCCTGCCCCCTAGCAGAGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGACAGCGATGGCAGCTTCTTCCTGTACAGCAAGCTGACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGCAGGGCAACGTGTTCAGCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGTCCCCTGGCAAG
【0442】
42Y073-86F04-23完全長軽鎖アミノ酸配列
配列番号:173
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQPYFSPPTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0443】
42Y073-86F04-23完全長重鎖アミノ酸配列
配列番号:174
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSGYPISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIMGTARYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARLLGESGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0444】
42Y073-86F04-23完全長軽鎖DNA配列
配列番号:175
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGAGACAGGGTGACCATCACCTGCAGGGCCAGCCAGTCCATCAGCAGCTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGCCGCAAGCTCACTGCAGAGCGGCGTGCCCTCTAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATC
AGCAGCCTCCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGCCCTACTTCAGCCCCCCCACTTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATTAAGCGTACGGTGGCCGCCCCCAGCGTGTTCATCTTCCCCCCCAGCGATGAGCAGCTGAAGAGCGGCACCGCCAGCGTGGTGTGTCTGCTGAACAACTTCTACCCCCGGGAGGCCAAGGTGCAGTGGAAGGTGGACAATGCCCTGCAGAGCGGCAACAGCCAGGAGAGCGTGACCGAGCAGGACAGCAAGGACTCCACCTACAGCCTGAGCAGCACCCTGACCCTGAGCAAGGCCGACTACGAGAAGCACAAGGTGTACGCCTGTGAGGTGACCCACCAGGGCCTGTCCAGCCCCGTGACCAAGAGCTTCAACCGGGGCGAGTGC
【0445】
42Y073-86F04-23完全長重鎖DNA配列
配列番号:176
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAAAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGGACCTTCAGCGGCTACCCCATCAGCTGGGTGAGGCAGGCTCCCGGACAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCCATTATGGGCACCGCCAGGTACGCCCAGAAGTTCCAGGGAAGGGTCACCATCACCGCCGACGAGAGC
ACCAGCACCGCCTACATGGAACTCAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCGCCAGGCTGCTGGGCGAGAGCGGCATGGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACTGTGAGCAGCGCCAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTCCCCCTGGCCCCCAGCAGCAAGAGCACCAGCGGCGGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGACTACTTCCCCGAGCCCGTGACCGTGTCCTGGAACAGCGGAGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCCGCCGTGCTGCAGAGCAGCGGCCTGTACAGCCTGAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCAGCAGCAGCCTGGGCACCCAGACCTACATCTGTAACGTGAACCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCCAAGAGCTGTGACAAGACCCACACCTGCCCCCCCTGCCCTGCCCCCGAGCTGCTGGGAGGCCCCAGCGTGTTCCTGTTCCCCCCCAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCAGCAGAACCCCCGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGATGTGAGCCACGAGGACCCTGAGGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACCAAGCCCAGGGAGGAGCAGTACAACAGCACCTACCGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGTAAGGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCCAGAGAGCCCCAGGTGTACACCCTGCCCCCTAGCAGAGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGACAGCGATGGCAGCTTCTTCCTGTACAGCAAGCTGACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGCAGGGCAACGTGTTCAGCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGTCCCCTGGCAAG
【0446】
実施例で使用したCD155-fcアミノ酸配列(太字の配列はリーダー配列を有さない成熟CD155 ECD(細胞外ドメイン)であり、残りはヒトIgG1 Fc領域である)。
配列番号177
【表11】
【0447】
CD155アミノ酸配列(天然のリーダー配列を下線で示し、膜貫通部分及び細胞質部分を太字で示す)。
配列番号178
【表12】
【0448】
ヒトIgG1 Fc領域アミノ酸配列
配列番号:179
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0449】
ヒトIgG1 Fc領域核酸配列
配列番号:180
GCCAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTCCCCCTGGCCCCCAGCAGCAAGAGCACCAGCGGCGGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGACTACTTCCCCGAGCCCGTGACCGTGTCCTGGAACAGCGGAGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCCGCCGTGCTGCAGAGCAGCGGCCTGTACAGCCTGAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCAGCAGCAGCCTGGGCACCCAGACCTACATCTGTAACGTGAACCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCCAAGAGCTGTGACAAGACCCACACCTGCCCCCCCTGCCCTGCCCCCGAGCTGCTGGGAGGCCCCAGCGTGTTCCTGTTCCCCCCCAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCAGCAGAACCCCCGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGATGTGAGCCACGAGGACCCTGAGGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACCAAGCCCAGGGAGGAGCAGTACAACAGCACCTACCGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGTAAGGTGTCCAACAAGGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCCAGAGAGCCCCAGGTGTACACCCTGCCCCCTAGCAGAGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGACAGCGATGGCAGCTTCTTCCTGTACAGCAAGCTGACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGCAGGGCAACGTGTTCAGCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGTCCCCTGGCAAG
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15-1】
図15-2】
図16-1】
図16-2】
図17-1】
図17-2】
図17-3】
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【配列表】
2024167261000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD96に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片と他の治療的に活性な薬剤とを含んでなる組合せ医薬であって、前記抗体又はその抗原結合断片が、
配列番号:115のCDRH1;
配列番号:145のCDRH2;
配列番号:147のCDRH3;
配列番号:97のCDRL1;
配列番号:99のCDRL2;及び
配列番号:101のCDRL3
を含んでなる、組合せ医薬。
【請求項2】
抗体又はその抗原結合断片が、
配列番号:86と少なくとも90%同一であるVH領域;及
列番号:85と少なくとも90%同一であるVL領域
を含んでなる、請求項に記載の組合せ医薬
【請求項3】
前記抗体又はその抗原結合断片が、
配列番号:86と100%同一であるVH領域;及
列番号:85と100%同一であるVL領域
を含んでなる、請求項1又は2に記載の組合せ医薬
【請求項4】
前記抗体又はその抗原結合断片、ヒト化配列、又はキメラ配列を含んでなる、請求項1~のいずれか一項に記載の組合せ医薬
【請求項5】
前記抗体又はその抗原結合断片が、抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組合せ医薬。
【請求項6】
前記抗体が、ヒト野生型IgG1 Fcドメインをさらに含んでなる、請求項に記載の組合せ医薬。
【請求項7】
前記他の治療的に活性な薬剤がPD-1アンタゴニストである、請求項1~6のいずれか一項に記載の組合せ医薬。
【請求項8】
前記PD-1アンタゴニストが、PD-1又はPD-L1に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片である、請求項7に記載の組合せ医薬。
【請求項9】
前記PD-1アンタゴニストが、
配列番号:151のCDRH1;
配列番号:152のCDRH2;
配列番号:153のCDRH3;
配列番号:154のCDRL1;
配列番号:155のCDRL2;及び
配列番号:156のCDRL3
を含んでなる、請求項7又は8に記載の組合せ医薬。
【請求項10】
前記PD-1アンタゴニストが、
配列番号:158と少なくとも90%同一であるVH領域;及び
配列番号:159と少なくとも90%同一であるVL領域
を含んでなる、請求項7~9のいずれか一項に記載の組合せ医薬。
【請求項11】
前記PD-1アンタゴニストがドスタルリマブ(dostarlimab)である、請求項7~10のいずれか一項に記載の組合せ医薬。
【請求項12】
ヒトにおける癌を処置するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の組合せ医薬。
【請求項13】
前記癌が、肝臓癌、卵巣癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、腎臓癌、結腸癌、結腸直腸癌、膀胱癌、又は頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)である、請求項12に記載の組合せ医薬。
【請求項14】
前記癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)である、請求項13に記載の組合せ医薬。
【請求項15】
CD96に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片を含んでなる医薬組成物であって、前記医薬組成物が他の治療的に活性な薬剤と組合せて投与され、前記抗体又はその抗原結合断片が、
配列番号:115のCDRH1;
配列番号:145のCDRH2;
配列番号:147のCDRH3;
配列番号:97のCDRL1;
配列番号:99のCDRL2;及び
配列番号:101のCDRL3
を含んでなる、医薬組成物。
【請求項16】
他の治療的に活性な薬剤を含んでなる医薬組成物であって、前記医薬組成物がCD96に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片と組合せて投与され、前記抗体又はその抗原結合断片が、
配列番号:115のCDRH1;
配列番号:145のCDRH2;
配列番号:147のCDRH3;
配列番号:97のCDRL1;
配列番号:99のCDRL2;及び
配列番号:101のCDRL3
を含んでなる、医薬組成物。
【外国語明細書】