(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167276
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】殺菌剤としての置換トリル
(51)【国際特許分類】
C07D 231/12 20060101AFI20241126BHJP
C07D 249/08 20060101ALI20241126BHJP
C07D 249/06 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
C07D231/12 C CSP
C07D231/12 D
C07D231/12 E
C07D249/08 535
C07D249/06 501
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024141783
(22)【出願日】2024-08-23
(62)【分割の表示】P 2021523906の分割
【原出願日】2019-11-05
(31)【優先権主張番号】62/756,308
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・フランシス・ベレズナク
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・エドマンド・タギー
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ピー・ボルグナス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特定のトリル殺菌剤、それらのN-オキシド、塩、及び組成物、並びに殺菌剤としてのそれらの使用方法を提供する。
【解決手段】全てのその幾何異性体及び立体異性体、互変異性体、N-オキシド、及び塩を含む、式1の化合物が開示される。式1の化合物を含有する組成物、及び有効量の本発明の化合物または組成物を施用することを含む真菌病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
[式中、
Aは、
【化2】
からなる群より選択されるラジカルであり、
式中、右に伸びる結合はQを含有する環に結合しており、そして左に伸びる結合は、Y-N(R
3)C(=W)R
4置換基を有するフェニル環に結合しており;
QはCR
6又はNであり;
YはCR
7aR
7b、O又はNR
8であり;
WはO又はSであり;
R
1及びR
2はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6ハロアルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
2-C
6ハロアルキニル、C
2-C
6シアノアルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
3-C
6ハロシクロアルキル、C
4-C
8シクロアルキルアルキル、C
2-C
6アルコキシアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、C
2-C
6アルケニルオキシ、C
2-C
6ハロアルケニルオキシ、C
2-C
6アルキニルオキシ、C
2-C
6ハロアルキニルオキシ、C
2-C
6シアノアルコキシ、C
3-C
6シクロアルコキシ、C
4-C
8シクロアルキルアルコキシ、C
2-C
6アルコキシアルコキシ、C
1-C
6アルキルチオ、C
1-C
6ハロアルキルチオ、C
1-C
6アルキルスルフィニル、C
1-C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1-C
6アルキルスルホニル又はC
1-C
6ハロアルキルスルホニルであり;
R
3は、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、シクロプロピル、C
2-C
4アルキルカルボニル、C
2-C
4ハロアルキルカルボニル、C
2-C
4アルコキシカルボニル又はC
2-C
4ハロアルコキシカルボニルであり;
R
4は、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3ハロアルコキシ、C
1-C
3アルキルアミノ又はC
2-C
4ジアルキルアミノであり;
各R
5は独立して、ハロゲン、シアノ、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
1-C
3アルコキシ又はC
1-C
3ハロアルコキシであり;
nは0、1又は2であり;
R
6は、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6ハロアルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
2-C
6ハロアルキニル、C
2-C
6シアノアルキル、C
1-C
6ヒド
ロキシアルキル、C
2-C
6アルコキシアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、C
2-C
6アルケニルオキシ、C
2-C
6ハロアルケニルオキシ、C
2-C
6アルキニルオキシ、C
2-C
6ハロアルキニルオキシ、C
2-C
6シアノアルコキシ、C
2-C
6アルコキシアルコキシ、C
1-C
6アルキルアミノ、C
1-C
6アルキルチオ、C
1-C
6ハロアルキルチオ、C
1-C
6アルキルスルフィニル、C
1-C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1-C
6アルキルスルホニル、C
1-C
6ハロアルキルスルホニル、-ZC(=O)V、CR
10a=NOR
10b、ON=CR
11aR
11b、CR
12a=NNR
12bR
12c又は-L-Jであり;
R
7aは、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルコキシアルキル、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3ハロアルコキシ、C
1-C
3アルキルスルフィニル又はC
1-C
3アルキルスルホニルであり;
R
7bは、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルコキシアルキル、C
1-C
3アルコキシ又はC
1-C
3ハロアルコキシであり;
R
8は、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルキルカルボニル又はC
2-C
3ハロアルキルカルボニルであり;
Zは、直接結合、O、S又はNH;又はハロゲン、メチルもしくはメトキシから独立して選択される2つまでの置換基で場合により置換されたCH
2であり;
VはR
9又はOR
9であり;
R
9、R
10b、R
11a及びR
12cはそれぞれH、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4ハロアルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
6シクロアルキル、C
3-C
6ハロシクロアルキル又はC
4-C
8シクロアルキルアルキルであり;
R
10a、R
11b、R
12a及びR
12bはそれぞれ独立して、H、C
1-C
3アルキル又はC
1-C
3ハロアルキルであり;
Lは、直接結合、CH
2、O、S、NR
13、OCH
2、CH
2O、C(=O)、S(=O)又はS(=O)
2であり;
Jは3~6員非芳香族炭素環式環であり、ここで3個までの炭素原子環員はC(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環は、R
14から独立して選択される4つまでの置換基で場合により置換され;又は
Jは3~6員複素環式環であり、各環は、炭素原子並びに2個までのO原子、2個までのS原子及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで3個までの炭素原子環員はC(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環は、R
14から独立して選択される4つまでの置換基で場合により置換され;
R
13は、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルキルカルボニル又はC
2-C
3ハロアルキルカルボニルであり;
各R
14は独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4ハロアルケニル、C
1-C
4アルコキシ、C
1-C
4ハロアルコキシ又はC(=O)OR
15であり;そして
各R
15は独立して、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4ハロアルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
6シクロアルキル又はC
3-C
6ハロシクロアルキルである]、その互変異性体、N-オキシド、及び塩から選択される化合物。
【請求項2】
式中:
AはA-1、A-3又はA-4であり;
QはCR
6であり;
YはCR
7aCR
7bであり;
WはOであり;
R
1及びR
2はそれぞれ独立して、ハロゲン、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロア
ルキル、C
2-C
4アルコキシアルキル、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3ハロアルコキシ、C
2-C
4アルケニルオキシ、C
2-C
4ハロアルケニルオキシ、C
2-C
4アルコキシアルコキシ又はC
1-C
3アルキルチオであり;
R
3はH、メチル、メチルカルボニル又はメトキシカルボニルであり;
R
4はメチル、メトキシ、エトキシ、メチルアミノ又はジメチルアミノであり;
各R
5は独立してハロゲン又はメチルであり;
R
6は、H、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6ハロアルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
2-C
6ハロアルキニル、C
2-C
6アルコキシアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、C
2-C
6アルケニルオキシ、C
2-C
6ハロアルケニルオキシ、C
2-C
6アルキニルオキシ、C
2-C
6ハロアルキニルオキシ、C
2-C
6アルコキシアルコキシ、C
1-C
6アルキルチオ、C
1-C
6ハロアルキルチオ、-ZC(=O)V、CR
10a=NOR
10b、CR
12a=NNR
12bR
12c又は-L-Jであり;
R
7aは、H、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
R
7bはH又はメチルであり;
Zは、直接結合、O、NH、CH
2又はCH(OCH
3)であり;
R
9、R
10b及びR
12cはそれぞれ、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
4アルケニル又はC
2-C
4ハロアルケニルであり;
R
10a、R
12a及びR
12bはそれぞれ独立して、H、メチル又はハロメチルであり;
Lは、直接結合、CH
2、O、OCH
2又はCH
2Oであり;
Jは、J-1~J-71
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
から選択され、
ここで浮動結合は、示された環の任意の利用可能な炭素原子又は窒素原子を介してLに接続されており;そしてxは0、1、2又は3であり;
各R
14は独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ又はC(=O)OR
15であり;そして
各R
15は独立して、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル又はシクロプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式中:
AはA-1であり;
R1及びR2はそれぞれ独立して、Br、Cl、F、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシであり;
R3はH又はメチルであり;
R4は、メチル、メトキシ又はエトキシであり;
各R5はメチルであり;
R6は、H、ハロゲン、アミノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、C2-C4ハロアルケニルオキシ、CR10a=NOR10b又は-L-Jであり;
R7aはH又はメチルであり;
R7bはH又はメチルであり;
R10bはH、メチル、C2-C4アルケニル又はC2-C4ハロアルケニルであり;
R10aはH又はメチルであり;
Lは直接結合、O又はOCH2であり;
Jは、J-6、J-22、J-35、J-37、J-58、J-64、J-65、J-66、J-67、J-69又はJ-70であり;そして
各R14は独立してハロゲン又はメチルである、
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式中:
R1及びR2はそれぞれ独立して、Cl、F又はメチルであり;
R3はHであり;
R4はメトキシであり;
nは0であり;
R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メチル、i-プロピル、トリフルオロメチル、CH2F、CHF2、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、CH2FO、CHF2O、CH=NOCH3、CH=NOCH2CH3、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jであり;
R7aはHであり;
R7bはHであり;そして
JはJ-65、J-66又はJ-67である、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式中:
R1及びR2はそれぞれ独立してCl又はFであり;
R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、CHF2O、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jであり;
JはJ-66又はJ-67であり;
xは0、1又は2であり;そして
R14はBr、Cl、F又はメチルである、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式中:
R1及びR2はそれぞれFであり;
R6は、H、Br、Cl、アミノ、メトキシ、エトキシ又はi-プロピルオキシである、
請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-エトキシ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[4-(シクロブチルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメトキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(2-プロピン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロ
フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[4-(シクロプロピルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチル-フェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]安息香酸メチル;
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメチル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[2-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル;及び
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル
の群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
(a)請求項1に記載の化合物;及び(b)少なくとも1つの他の殺菌剤を含む、殺菌性組成物。
【請求項9】
(a)請求項1に記載の化合物;並びに(b)界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を含む殺菌性組成物。
【請求項10】
植物若しくはその部分に、又は植物の種子に、殺菌有効量の請求項1に記載の化合物を施用することを含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特定のトリル殺菌剤、それらのN-オキシド、塩、及び組成物、並びに殺菌剤としてのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
真菌植物病原体により引き起こされる植物病害の防除は、高い収穫効率を達成する際に非常に重要である。観賞植物、野菜、農作物、穀物、及び果実作物に損害を与える植物病害は、生産性の重大な減少を引き起こし得、そしてそれにより消費者に対して増加した費用を生じ得る。多くの製品がこれらの目的のために市販されているが、より効率的で、費用がより少なく、毒性がより低く、環境により安全な、又は異なる作用部位を有する新規な化合物の必要性が持続している。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4は、トリル殺菌剤及びそれらの農業における使用を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】PCT国際公開公報WO2015157005
【特許文献2】PCT国際公開公報WO2014066120
【特許文献3】PCT国際公開公報WO2011059619
【特許文献4】PCT国際公開公報WO2008124092
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
本発明は、式1:
【化1】
[式中、
Aは、
【化2】
からなる群から選択されるラジカルであり、
ここで、右に伸びる結合はQを含有する環に結合しており、そして左に伸びる結合は、
Y-N(R
3)C(=W)R
4置換基を有するフェニル環に結合しており;
QはCR
6又はNであり;
YはCR
7aR
7b、O又はNR
8であり;
WはO又はSであり;
R
1及びR
2はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6ハロアルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
2-C
6ハロアルキニル、C
2-C
6シアノアルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
3-C
6ハロシクロアルキル、C
4-C
8シクロアルキルアルキル、C
2-C
6アルコキシアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、C
2-C
6アルケニルオキシ、C
2-C
6ハロアルケニルオキシ、C
2-C
6アルキニルオキシ、C
2-C
6ハロアルキニルオキシ、C
2-C
6シアノアルコキシ、C
3-C
6シクロアルコキシ、C
4-C
8シクロアルキルアルコキシ、C
2-C
6アルコキシアルコキシ、C
1-C
6アルキルチオ、C
1-C
6ハロアルキルチオ、C
1-C
6アルキルスルフィニル、C
1-C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1-C
6アルキルスルホニル又はC
1-C
6ハロアルキルスルホニルであり;
R
3は、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、シクロプロピル、C
2-C
4アルキルカルボニル、C
2-C
4ハロアルキルカルボニル、C
2-C
4アルコキシカルボニル又はC
2-C
4ハロアルコキシカルボニルであり;
R
4は、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3ハロアルコキシ、C
1-C
3アルキルアミノ又はC
2-C
4ジアルキルアミノであり;
各R
5は独立して、ハロゲン、シアノ、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
1-C
3アルコキシ又はC
1-C
3ハロアルコキシであり;
nは0、1又は2であり;
R
6は、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6ハロアルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
2-C
6ハロアルキニル、C
2-C
6シアノアルキル、C
1-C
6ヒドロキシアルキル、C
2-C
6アルコキシアルキル、C
1-C
6アルコキシ、C
1-C
6ハロアルコキシ、C
2-C
6アルケニルオキシ、C
2-C
6ハロアルケニルオキシ、C
2-C
6アルキニルオキシ、C
2-C
6ハロアルキニルオキシ、C
2-C
6シアノアルコキシ、C
2-C
6アルコキシアルコキシ、C
1-C
6アルキルアミノ、C
1-C
6アルキルチオ、C
1-C
6ハロアルキルチオ、C
1-C
6アルキルスルフィニル、C
1-C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1-C
6アルキルスルホニル、C
1-C
6ハロアルキルスルホニル、-ZC(=O)V、CR
10a=NOR
10b、ON=CR
11aR
11b、CR
12a=NNR
12bR
12c又は-L-Jであり;
R
7aは、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルコキシアルキル、C
1-C
3アルコキシ、C
1-C
3ハロアルコキシ、C
1-C
3アルキルスルフィニル又はC
1-C
3アルキルスルホニルであり;
R
7bは、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルコキシアルキル、C
1-C
3アルコキシ又はC
1-C
3ハロアルコキシであり;
R
8は、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルキルカルボニル又はC
2-C
3ハロアルキルカルボニルであり;
Z は、直接結合、O、S又はNH;又はハロゲン、メチル若しくはメトキシから独立して選択される2つまでの置換基で場合により置換されたCH
2であり;
Vは、R
9又はOR
9であり;
R
9、R
10b、R
11a及びR
12cはそれぞれ、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4ハロアルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
6シクロアルキル、C
3-C
6ハロシクロアルキル又はC
4-C
8シクロアルキルアルキルであり;
R
10a、R
11b、R
12a及びR
12bはそれぞれ独立して、H、C
1-C
3アル
キル又はC
1-C
3ハロアルキルであり;
Lは、直接結合、CH
2、O、S、NR
13、OCH
2、CH
2O、C(=O)、S(=O)又はS(=O)
2であり;
Jは3~6員非芳香族炭素環式環であり、ここで3個までの炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環は、R
14から独立して選択される4つまでの置換基で場合により置換され;又は
Jは3~6員複素環式環であり、各環は、炭素原子並びに2個までのO原子、2個までのS原子及び4個までのN原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで3個までの炭素原子環員はC(=O)及びC(=S)から独立して選択され、各環は、R
14から独立して選択される4つまでの置換基で場合により置換され;
R
13は、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
3アルキルカルボニル又はC
2-C
3ハロアルキルカルボニルであり;
各R
14は独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4ハロアルケニル、C
1-C
4アルコキシ、C
1-C
4ハロアルコキシ又はC(=O)OR
15であり;そして
各R
15は独立して、H、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4ハロアルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
6シクロアルキル又はC
3-C
6ハロシクロアルキルである]
の化合物(全ての立体異性体を含む)、そのN-オキシド、及び塩、それらを含有する農業用組成物並びに殺菌剤としてのそれらの使用に関する。
【0006】
より詳細には、本発明は、式1の化合物(全ての立体異性体を含む)、そのN-オキシド又は塩に関する。
【0007】
本発明はまた、(a)本発明の化合物(すなわち、殺菌有効量で);並びに(b)界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を含む殺菌性組成物に関する。
【0008】
本発明はまた、(a)本発明の化合物;及び(b)少なくとも1つ他の殺菌剤(例えば、異なる作用部位を有する少なくとも1つの他の殺菌剤)を含む殺菌性組成物に関する。
【0009】
本発明はさらに、植物若しくはその部分に、又は植物の種子に、殺菌有効量の本発明の化合物を(例えば本明細書に記載される組成物として)施用することを含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法に関する。
【0010】
本発明はまた、式1、そのN-オキシド、又は塩、及び少なくとも1つの有害無脊椎動物防除化合物又は薬剤を含む組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細
本明細書で使用されるように、用語「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含む(includes)」、「含むこと(including)」、「有する」、「有すること」、「含有する」、「含有すること」、「を特徴とする」又はそれらの任意の変形は、明示的に示される任意の限定の支配下での包括的な包含を対象とすることを意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されないが、明確にリストに記載されていないか又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含んでいてもよい。
【0012】
移行句「からなる」は、特定されていないいずれの要素、工程、又は成分も除外する。特許請求の範囲の場合、上記句は、通常付随している不純物を除いて、記載されるもの以外の物質の包含に対してその請求項を閉じるだろう。句「からなる」が序文の直後ではなく請求項の本文の一節に現れる場合、これはその節に記載される要素のみを限定し;他の要素は請求項全体からは除外されない。
【0013】
移行句「から本質的になる」は、文字通り開示されているものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む組成物、方法又は装置を定義するために使用されるが、ただしこれらの追加の材料、工程、特徴、成分、又は要素は、特許請求される発明の基本的及び新規の特徴に実質的な影響を及ぼさない。用語「から本質的になる」は、「含むこと」と「からなること」の間の中間にある。
【0014】
出願人らが本発明又はその部分を、「含むこと」のような非限定的な用語を用いて定義した場合、当然のことながら、(別の記載がなければ)その記載は、用語「から本質的になること」又は「からなること」を使用したような発明も記載すると解釈されるものとする
さらにそれとは反対であると明確に述べられていなければ、「又は」は両立的な又はを指し、かつ排他的な又はを指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つにより満たされる: Aが真であり(又は存在し)かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)かつBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0015】
また、本発明の要素又は成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、その要素又は成分の事例(すなわち存在)の数に関して非限定的であることを意図される。したがって、「a」又は「an」は、1つ又は少なくとも1つを含むと読まれるものとし、そして数が単数であると明らかに意味していなければ、要素又は成分の単数語形は複数も含む。
【0016】
本開示及び特許請求の範囲において言及されるように、「植物」は、若い植物(例えば、実生へと発達する出芽している種子)及び成熟生殖段階(例えば、花及び種子を産生する植物)を含む全てのライフステージの植物界のメンバー、特に種子植物(Spermatopsida)を含む。植物の部分は、根、塊茎、鱗茎及び球茎のような、典型的には成長媒体(例えば、土)の表面下で成長する向地性メンバー、並びに枝葉(茎及び葉を含む)、花、果実及び種子のような成長媒体の上に成長するメンバーも含む。
【0017】
本明細書で言及されるように、単独で又は語の組み合わせのいずれかで使用される用語「実生」は、種子の胚から発生する若い植物を意味する。
【0018】
本明細書で言及されるように、単独で又は「広葉農作物」のような語のいずれかで使用される用語「広葉」は、2つの子葉を有する胚を特徴とする被子植物の群を記載するための用語である双子葉植物又は双子葉類を意味する。
【0019】
本開示において言及されるように、用語「真菌病原体」及び「真菌植物病原体」は、観葉植物、芝生、野菜、競技場、穀草類及び果実農作物に影響を及ぼす経済的に重要な広範囲の植物病害の病因である子嚢菌門、担子菌門及び接合菌門、並びに真菌様の卵菌類における病原体を含む。本開示の文脈において、「病害から植物を防疫すること」又は「植物病害の防除」は、予防的作用(感染、定着、症状の発生及び胞子産生の真菌サイクルの妨害)並びに/又は治療的作用(植物宿主組織の定着の阻害)を含む。
【0020】
本明細書で使用されるように、用語「作用機構」(MOA)は、殺菌剤耐性菌対策委員会(Fungicide Resistance Action Committee)
(FRAC)により定義されるとおりであり、そして植物病原体の生合成経路におけるそれらの生化学的作用機構、並びにそれらの抵抗性リスクに従って殺菌剤を識別するために使用される。FRACにより定義された作用機構は、(A)核酸合成、(B)有糸分裂及び細胞分裂、(C)呼吸、(D)アミノ酸及びタンパク質合成、(E)シグナル伝達、(F)脂質合成及び細胞膜完全性、(G)細胞膜のステロール生合成、(H)細胞壁生合成、(I)細胞壁のメラニン合成、(P)宿主植物防御誘導、(U)不明な作用機構、(NC)分類されない、(M)多作用点接触活性、並びに(BM)複数の作用機構を有する生物製剤を含む。各作用機構(すなわち、文字A~BM)は、個々の有効な標的作用部位のいずれかに基づいて、又は正確な標的部位が未知である場合には、群内で若しくは他のグループとの関連で交差抵抗性プロフィールに基づいて、1つ又はそれ以上のサブグループ(例えば、AはサブグループA1、A2、A3及びA4)を含有する。これらのサブグループ(例えば、A1、A2、A3及びA4)の各々は、FRACコード(番号及び/又は文字)に割り当てられる。例えば、サブグループA1についてのFRACコードは4である。標的部位及びFRACコードに関するさらなる情報は、例えばFRACにより維持される、公開で利用可能なデータベースから入手することができる。
【0021】
本明細書で使用されるように、用語「交差抵抗性」は、病原体が1つの殺菌剤に対する抵抗性を生じ、そして同時に1つ又はそれ以上の他の殺菌剤に対して抵抗性になる場合に発生する現象を指す。これらの他の殺菌剤は、常にではないが典型的に、同じ化学クラスであるか若しくは同じ標的作用部位を有するか、又は同じ機構により解毒され得る。
【0022】
一般に、分子フラグメント(すなわち、ラジカル)は、一連の原子記号(例えば、C、H、N、O及びS)により示される場合、結合の潜在点又は結合点は、当業者により容易に認識される。本明細書におけるいくつかの例において、特に代替の結合点が可能である場合、結合点はハイフン(「-」)により明示的に示され得る。例えば、「-NCS」は、結合点が窒素原子である(すなわち、チオシアナトではなくイソチオシアナト)ことを示す。
【0023】
本明細書で使用されるように、用語「アルキル化剤」は、炭素含有ラジカルが、ハライド又はスルホナートのような脱離基に炭素原子を介して結合されている化学化合物を指し、この脱離基は、求核試薬の上記炭素原子への結合により置換可能である。別の指示がなければ、用語「アルキル化」は、炭素含有ラジカルをアルキルに限定せず;アルキル化剤における炭素含有ラジカルは、例えばR1及びR2に関して特定された様々な炭素結合置換基ラジカルを含む。
【0024】
上の記述において、単独又は「アルキルチオ」若しくは「ハロアルキル」のような複合語のいずれかで使用される用語「アルキル」は、直鎖又は分枝のアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル及びi-プロピル、又は様々なブチル、ペンチル若しくはヘキシル異性体を含む。「アルケニル」は、直鎖又は分枝のアルケン、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、並びに様々なブテニル、ペンテニル及びヘキセニル異性体を含む。「アルケニル」はまた、1,2-プロパジエニル及び2,4-ヘキサジエニルのようなポリエンも含む。「アルキニル」は、直鎖又は分枝アルキン、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル及び様々なブチニル、ペンチニル及びヘキシニル異性体を含む。「アルキニル」は、2,5-ヘキサジイニルのような複数の三重結合から構成される部分も含み得る。
【0025】
「アルコキシ」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、i-プロピルオキシ並びに様々なブトキシ、ペントキシ及びヘキシルオキシ異性体を含む。「アルコキシアルキル」は、アルキル上のアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例としては、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2C
H2CH2OCH2及びCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。「アルケニルオキシ」は、酸素原子に結合し、そして酸素原子を介して連結された直鎖又は分枝アルケニルを含む。「アルケニルオキシ」の例としては、H2C=CHCH2O、(CH3)2C=CHCH2O、CH3CH=CHCH2O、CH3CH=C(CH3)CH2O及びCH2=CHCH2CH2Oが挙げられる。「アルキニルオキシ」は、酸素原子に結合し、そして酸素原子を介して連結された直鎖又は分枝アルキニルを含む。「アルキニルオキシ」の例としては、HC≡CCH2O、CH3C≡CCH2O及びCH3C≡CCH2CH2Oが挙げられる。「アルコキシアルコキシ」は別のアルコキシ部分上のアルコキシ置換基を示す。「アルコキシアルコキシ」の例としては、CH3OCH2O、CH3OCH2O及びCH3CH2OCH2Oが挙げられる。
【0026】
「アルキルチオ」は、分枝又は直鎖アルキルチオ部分、例えば、メチルチオ、エチルチオ、並びに様々なプロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルチオ異性体を含む。「アルキルスルフィニル」は、アルキルスルフィニル基の両方の鏡像異性体を含む。「アルキルスルフィニル」の例としては、CH3S(=O)、CH3CH2S(=O)、CH3CH2CH2S(=O)、(CH3)2CHS(=O)並びに様々なブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル及びヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CH3S(=O)2、CH3CH2S(=O)2、CH3CH2CH2S(=O)2、(CH3)2CHS(=O)2並びに様々なブチルスルホニル、ペンチルスルホニル及びヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。
【0027】
「アルキルアミノ」は、直鎖又は分枝アルキルで置換されたNHラジカルを含む。「アルキルアミノ」の例としては、CH3NH、CH3CH2NH、CH3CH2CH2NH及び(CH3)2CHNHが挙げられる。「ジアルキルアミノ」の例としては、(CH3)2N、(CH3CH2)2N及びCH3CH2(CH3)Nが挙げられる。
【0028】
用語「シクロアルキル」は、単結合により互いに連結された3~6個の間の炭素原子からなる飽和炭素環式環を示す。「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル基上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例としては、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、及び直鎖又は分枝アルキル基に結合した他のシクロアルキルが挙げられる。用語「シクロアルコキシ」は、酸素原子に結合し、そして酸素原子を介して連結されたシクロアルキル、例えばシクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシを示す。「シクロアルキルアルコキシ」は、アルコキシ基上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルコキシ」の例としては、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルエトキシ、及び直鎖又は分枝アルコキシ基に結合した他のシクロアルキル部分が挙げられる。
【0029】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合した直鎖又は分枝アルキル基を示す。「アルキルカルボニル」の例としては、CH3C(=O)、CH3CH2CH2C(=O)及び(CH3)2CHC(=O)が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CH3OC(=O)、CH3CH2OC(=O)、CH3CH2CH2OC(=O)及び(CH3)2CHOC(=O)が挙げられる。
【0030】
用語「ハロゲン」は、単独で若しくは「ハロアルキル」のような複合語のいずれかにおいて、又は「ハロゲンで置換されたアルキル」のような記載において使用される場合、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」のような複合語において使用される場合、又は「ハロゲンで置換されたアルキル」のような記載において使用される場合、上記アルキルは、同じでも異なっていてもよいハロゲン原子で部分的に置換されていても完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」又は「ハロゲンで置換されたア
ルキル」の例としては、F3C、ClCH2、CF3CH2及びCF3CCl2が挙げられる。用語「ハロアルコキシ」などは、「ハロアルキル」と同様にして定義される。「ハロアルコキシ」の例としては、CF3O、CCl3CH2O、F2CHCH2CH2O及びCF3CH2Oが挙げられる。
【0031】
「シアノアルキル」は、1つのシアノ基で置換されたアルキル基を示す。「シアノアルキル」の例としては、NCCH2、NCCH2CH2及びCH3CH(CN)CH2が挙げられる。用語「シアノアルコキシ」は、1つのシアノ基で置換されたアルキルオキシ基を示す。「シアノアルコキシ」の例としては、NCCH2O、NCCH2CH2O及びCH3CH(CN)CH2Oが挙げられる。「ヒドロキシアルキル」は、1つのヒドロキシ基で置換されたアルキル基を示す。「ヒドロキシアルキル」の例としては、HOCH2CH2、CH3CH2(OH)CH及びHOCH2CH2CH2CH2が挙げられる。
【0032】
置換基における炭素原子の総数は「Ci-Cj」接頭辞により示され、ここでi及びjは1~6の数である。例えば、C1-C3アルキルスルホニルは、メチルスルホニルからプロピルスルホニルを指定し;C2アルコキシアルキルはCH3OCH2を指定し;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3OCH2CH2又はCH3CH2OCH2を指定し;そしてC4アルコキシアルキルは、合計で4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されたアルキル基の様々な異性体を指定し、例としては、CH3CH2CH2OCH2及びCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。
【0033】
環のような基に関連する用語「非置換」は、その基が式1の残りの部分への1つ又はそれ以上のその結合以外いずれの置換基も有していないことを意味する。用語「場合により置換された」は、置換基の数がゼロであってもよいということを意味する。他に指示がなければ、場合により置換された基は、いずれかの利用可能な炭素原子又は窒素原子上の非水素置換基で水素原子を置き換えることにより適合され得る程度に多くの任意の置換基で置換されていてもよい。一般に、任意の置換基の数(存在する場合)は1~3の範囲に及ぶ。本明細書で使用されるように、用語「場合により置換された」は、句「置換されていても非置換でも」又は用語「(非)置換」と交換可能に使用される。
【0034】
任意の置換基の数は、示された限定により制限され得る。例えば、句「R14から独立して選択された4つまでの置換基で場合により置換された」は、0、1、2、3又は4つの置換基が存在する場合がある。
【0035】
その置換基の数が変化し得ることを示す下付き文字を有する置換基で化合物が置換される場合(例えば、nが0~2である式1における(R5)n)、その置換基は、他に指示がなければ、定義された置換基の群から独立して選択される。可変基がある位置に場合により置換されると示される場合、例えばnが0であってもよい(R5)n、水素は、可変基の定義に記載されていなくとも、その位置に存在し得る。
【0036】
本開示における置換基の命名は、当業者にその化学構造を正確に伝える際に簡潔さを提供する認識された用語を使用する。簡潔さのために、ロカント記述子は省略され得る。
【0037】
別の指示がなければ、式1の成分としての「環」(例えば、J)は、炭素環式又は複素環式である。用語「環員」は、環又は関係の骨格を形成する原子(例えば、C、O、N又はS)又は他の部分(例えば、C(=O)及びC(=S))を指す。用語「芳香族」は、環原子がそれぞれ本質的に同じ平面内にあり、かつp軌道が環平面に対して垂直であり、そして(4n+2)個のπ電子[ここでnは正の整数である]がヒュッケル則を満たすように環に付随していることを示す。
【0038】
用語「炭素環式環」は、環骨格を形成する原子が炭素からのみ選択される環を意味する。他の指示がなければ、炭素環式環は、飽和環でも、部分的に不飽和の環でも、又は完全に不飽和の環でもよい。完全に不飽和の炭素環式環がヒュッケル則を満たす場合、その環は「芳香環」とも呼ばれる。「飽和炭素環式」は、互いに単結合により連結された炭素原子からなる骨格を有する環を指し;他に特定されていなければ、残りの炭素原子価は水素原子により占められる。
【0039】
本明細書で使用されるように、用語「部分的に不飽和の環」又は「部分的に不飽和の複素環」は、不飽和環原子及び1つ又はそれ以上の二重結合を含有するが芳香族ではない環を指す。
【0040】
用語「複素環式環」又は「複素環」は、環骨格を形成する原子の少なくとも1個が炭素以外である環を意味する。他に指示がなければ、複素環式環は、飽和でも部分的に不飽和でも完全に不飽和の環でもよい。完全に不飽和の複素環式環がヒュッケル則を満たす場合、その環は「ヘテロ芳香族環」又は芳香族複素環式環とも呼ばれる。「飽和複素環式環」は、環員間に単結合しか含有しない複素環式環を指す。
【0041】
他の指示がなければ、複素環式環は、いずれかの利用可能な炭素原子又は窒素原子を介して、その炭素原子又は窒素原子上の水素を置き換えることにより、式1の残りの部分に結合される。
【0042】
本発明の化合物は1つ又はそれ以上の立体異性体として存在する場合がある。立体異性体は、同一の構成であるが、それらの原子の空間配置が異なる異性体であり、そしてこれらとしては、鏡像異性体、ジアステレオマー、cis-及びtrans-異性体(幾何異性体としても知られる)及びアトロプ異性体が挙げられる。アトロプ異性体は、回転障壁が異性体種の単離を可能にするほど十分高い場合に、単結合の周りの制限された回転の結果として生じる。当業者には当然のことながら、1つの立体異性体は、他の立体異性体と比較して濃縮された場合、又は他の立体異性体から分離された場合に、より活性であり得、かつ/又は有益な効果を示し得る。さらに、当業者には、上記の立体異性体を分離、濃縮及び/又は選択的に製造する方法が公知である。立体異性の全ての態様の包括的な考察については、Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen、Stereochemistry of Organic Compounds、John Wiley & Sons、1994を参照のこと。
【0043】
本発明の化合物は、式1中のアミド結合(例えば、C(=O)-N)の周りの制限された回転に起因して、1つ又はそれ以上の配座異性体として存在する場合がある。本発明は配座異性体の混合物を含む。さらに、本発明は、他方と比較して一方の配座異性体が濃縮されている化合物を含む。
【0044】
本発明は、全ての立体異性体、配座異性体及びそれらの全ての比率の混合物、さらには重水素化化合物のような同位体形態も含む。
【0045】
当業者には当然のことながら、窒素はオキシドへの酸化のために利用可能な非共有電子対を必要とするので、全ての窒素含有複素環がN-オキシドを形成できるわけではない;当業者には、N-オキシドを形成することができる窒素含有複素環が分かるだろう。当業者には、第三級アミンがN-オキシドを形成することができるということも分かる。複素環及び第三級アミンのN-オキシドの製造のための合成方法は当業者に十分周知であり、これらとしては、過酢酸及びm-クロロ過安息香酸(MCPBA)のようなペルオキシ酸、過酸化水素、t-ブチルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、並びにジメチルジオキシランのようなジオキシランを用いた複素環及
び第三級アミンの酸化が挙げられる。N-オキシドの製造のためのこれらの方法は、文献において広範囲に記載及び再考察されており、例えば:T.L.gilchrist,Comprehensive Organic Synthesis、第7巻、748-750頁、S.V.Ley編、Pergamon Press;M.Tisler and
B.Stanovnik,Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第3巻、18-20頁、A.J.Boulton及びA.McKillop編、Pergamon Press;M.R.Grimmett and B.R.T.Keene,Advances in Heterocyclic Chemistry、第43巻、149-161頁、A.R.Katritzky編、Academic Press;M.Tisler and B.Stanovnik in Advances in Heterocyclic Chemistry、第9巻、285-291頁、A.R.Katritzky及びA.J.Boulton編、Academic Press;並びにG.W.H.Cheeseman and E.S.g.Werstiuk in Advances in Heterocyclic Chemistry、第22巻、390-392頁、A.R.Katritzky及びA.J.Boulton編、Academic Pressを参照のこと。
【0046】
環境において及び生理条件下で、化学化合物の塩はそれらの対応する非塩形態と平衡状態にあるので、塩は非塩形態の生物学的有用性を共有するということを当業者は認識する。したがって、式1の化合物の多種多様な塩が、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害の防除に有用である(すなわち、農学的に適している)。式1の化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸又は吉草酸のような無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる。式1の化合物がカルボン酸のような酸性部分を含有する場合、塩には、ピリジン、トリエチルアミン若しくはアンモニアのような有機塩基若しくは無機塩基と形成されたもの、又はナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム若しくはバリウムのアミド、ヒドリド、ヒドロキシド若しくはカーボネートも含まれる。したがって、本発明は、式1から選択される化合物、そのN-オキシド及び農学的に適した塩を含む。
【0047】
式1から選択される化合物、その立体異性体、N-オキシド、及び塩は、典型的には1つより多くの形態で存在し、したがって式1は、式1が表す化合物の全ての結晶形態及び非結晶形態を含む。非結晶形態としては、ワックス及びゴムのような固形物である実施形態、さらには溶液及び溶解物のような液体である実施形態が挙げられる。結晶形態は、本質的に単一の結晶型を表す実施形態及び多形(すなわち、異なる結晶型)の混合物を表す実施形態を含む。用語「多形」は、異なる結晶形で結晶化することができる化学化合物の特定の結晶形態を指し、これらの形態は、結晶格子において分子の異なる配置及び/又はコンホメーションを有する。多形は同じ化学組成を有し得るが、それらはまた、共結晶化した水又は他の分子の存在又は不在により組成が異なる場合もあり、これらは格子中で弱く又は強く結合され得る。多形は、結晶形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度及び生物学的利用能のような化学的、物理的及び生物学的特性が異なっていてもよい。当業者には当然のことながら、式Iにより表される化合物の多形は、同じ式Iにより表される化合物の別の多形又は多形の混合物と比較して、有益な効果(例えば、有用な製剤の製造への適性、改善された生物学的性能)を示す場合がある。式Iにより表される化合物の特定の多形の製造及び単離は、当業者に公知の方法により達成することができ、これらとしては、例えば、選択された溶媒及び温度を使用した結晶化が挙げられる。
【0048】
発明の要旨において記載された本発明の実施形態は、以下に記載されるものを含む。以下の実施形態において、式1は、その立体異性体、N-オキシド及び塩を含み、そして「
式1の化合物」への言及は、実施形態においてさらに定義されていなければ、発明の要旨において特定された置換基の定義を含む。
【0049】
実施形態1. AはA-1、A-3又はA-4である、式1の化合物。
【0050】
実施形態1a. AはA-1又はA-3である、実施形態1の化合物。
【0051】
実施形態2. AはA-1である、実施形態1の化合物。
【0052】
実施形態3. AはA-3である、実施形態1の化合物。
【0053】
実施形態4. AはA-4である、実施形態1の化合物。
【0054】
実施形態5. AはA-2である、式1の化合物。
【0055】
実施形態6. QはCR6である、式1又は実施形態1~5のいずれか1つの化合物。
【0056】
実施形態7. QはNである、式1又は実施形態1~5のいずれか1つの化合物。
【0057】
実施形態8. YはCR7aR7b又はOである、式1又は実施形態1~7のいずれか1つの化合物。
【0058】
実施形態9. YはCR7aR7b又はNR8である、式1又は実施形態1~7のいずれか1つの化合物。
【0059】
実施形態10. YはCR7aR7bである、実施形態8又は9の化合物。
【0060】
実施形態11. YはOである、実施形態8の化合物。
【0061】
実施形態12. YはNR8である、実施形態9の化合物。
【0062】
実施形態13. WはOである、式1又は実施形態1~12のいずれか1つの化合物。
【0063】
実施形態14. WはSである、式1又は実施形態1~12のいずれか1つの化合物。
【0064】
実施形態15. R1及びR2はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4ハロアルケニル、C2-C4アルキニル、C2-C4ハロアルキニル、C2-C4シアノアルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6ハロシクロアルキル、C4-C6シクロアルキルアルキル、C2-C4アルコキシアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、C2-C4ハロアルケニルオキシ、C2-C4アルキニルオキシ、C2-C4ハロアルキニルオキシ、C2-C4シアノアルコキシ、C3-C6シクロアルコキシ、C4-C6シクロアルキルアルコキシ、C2-C4アルコキシアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ハロアルキルチオ、C1-C3アルキルスルフィニル、C1-C3ハロアルキルスルフィニル、C1-C3アルキルスルホニル又はC1-C3ハロアルキルスルホニルである、式1又は実施形態1~14のいずれか1つの化合物。
【0065】
実施形態16. R1及びR2はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4ハロアルケニル、
C2-C4シアノアルキル、C2-C4アルコキシアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、C2-C4ハロアルケニルオキシ、C2-C4シアノアルコキシ、C2-C4アルコキシアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ハロアルキルチオ、C1-C3アルキルスルフィニル、C1-C3ハロアルキルスルフィニル、C1-C3アルキルスルホニル又はC1-C3ハロアルキルスルホニルである、実施形態15の化合物。
【0066】
実施形態17. R1及びR2はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C2-C4アルコキシアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、C2-C4ハロアルケニルオキシ、C2-C4アルコキシアルコキシ又はC1-C3アルキルチオである、実施形態16の化合物。
【0067】
実施形態18. R1及びR2はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ又はC1-C3アルキルチオである、実施形態17の化合物。
【0068】
実施形態19. R1及びR2はそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、ハロメチル、メトキシ又はハロメトキシである、実施形態18の化合物。
【0069】
実施形態20. R1及びR2はそれぞれ独立して、Br、Cl、F、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシである、実施形態19の化合物。
【0070】
実施形態21. R1及びR2はそれぞれ独立して、Cl、F又はメチルである、実施形態20の化合物。
【0071】
実施形態22. R1及びR2はそれぞれ独立してCl又はFである、実施形態21の化合物。
【0072】
実施形態23. R1及びR2はそれぞれFである、実施形態22の化合物。
【0073】
実施形態24. R3は、H、C1-C3アルキル、C2-C4アルキルカルボニル又はC2-C4アルコキシカルボニルである、式1又は実施形態1~23のいずれか1つの化合物。
【0074】
実施形態25. R3は、H、メチル、メチルカルボニル又はメトキシカルボニルである、実施形態24の化合物。
【0075】
実施形態26. R3はH又はメチルである、実施形態25の化合物。
【0076】
実施形態27. R3はHである、実施形態26の化合物。
【0077】
実施形態28. R4は、メチル、メトキシ、エトキシ、メチルアミノ又はジメチルアミノである、式1又は実施形態1~27のいずれか1つの化合物。
【0078】
実施形態29. R4は、メチル、メトキシ又はエトキシである、実施形態28の化合物。
【0079】
実施形態30. R4はメトキシである、実施形態29の化合物。
【0080】
実施形態31. 各R5は独立して、ハロゲン、シアノ、メチル又はメトキシである、式1又は実施形態1~30のいずれか1つの化合物。
【0081】
実施形態32. 各R5は独立してハロゲン又はメチルである、実施形態31の化合物。
【0082】
実施形態33. 各R5はメチルである、実施形態32の化合物。
【0083】
実施形態34. nは0又は1である、式1又は実施形態1~33のいずれか1つの化合物。
【0084】
実施形態35. nは0である、実施形態34の化合物。
【0085】
実施形態36. R6は、H、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6ハロアルケニル、C2-C6アルキニル、C2-C6ハロアルキニル、C2-C6アルコキシアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6ハロアルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C6ハロアルキニルオキシ、C2-C6アルコキシアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、-ZC(=O)V、CR10a=NOR10b、ON=CR11aR11b、CR12a=NNR12bR12c又は-L-Jである、式1又は実施形態1~35のいずれか1つの化合物。
【0086】
実施形態37. R6は、H、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6ハロアルケニル、C2-C6アルキニル、C2-C6ハロアルキニル、C2-C6アルコキシアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6ハロアルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C6ハロアルキニルオキシ、C2-C6アルコキシアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、-ZC(=O)V、CR10a=NOR10b、CR12a=NNR12bR12c又は-L-Jである、実施形態36の化合物。
【0087】
実施形態38. R6は、H、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6ハロアルケニル、C2-C6アルキニル、C2-C6ハロアルキニル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6ハロアルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C6ハロアルキニルオキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、CR10a=NOR10b又は-L-Jである、実施形態37の化合物。
【0088】
実施形態39. R6は、H、ハロゲン、アミノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、C2-C4ハロアルケニルオキシ、CR10a=NOR10b又は-L-Jである、実施形態38の化合物。
【0089】
実施形態40. R6は、H、ハロゲン、アミノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、CR10a=NOR10b又は-L-Jである、実施形態39の化合物。
【0090】
実施形態40a. R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メチル、i-プロピル、トリフルオロメチル、CH2F、CHF2、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、CH2FO、CHF2O、CH=NOCH3、CH=NOCH2CH3である、実施形態40の化合物。
【0091】
実施形態41. R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メチル、i-プロピル、トリフルオロメチル、CHF2、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、CHF2O、CH=NOCH3、CH=NOCH2CH3、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jである、実施形態40aの化合物。
【0092】
実施形態41a. R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、CHF2O、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jである、実施形態41の化合物。
【0093】
実施形態42. R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jである、実施形態41の化合物。
【0094】
実施形態43. R6は、H、Br、Cl、アミノ、メトキシ、エトキシ又はi-プロピルオキシである、実施形態42の化合物。
【0095】
実施形態44. R6は、H、Br、Cl、アミノ又はメトキシである、実施形態43の化合物。
【0096】
実施形態45. R7aは、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、メチル、ハロメチル、メトキシ又はハロメトキシである、式1又は実施形態1~44のいずれか1つの化合物。
【0097】
実施形態46. R7aは、H、ハロゲン、メチル又はメトキシである、実施形態45の化合物。
【0098】
実施形態47. R7aはH又はメチルである、実施形態46の化合物。
【0099】
実施形態48. R7aはHである、実施形態47の化合物。
【0100】
実施形態49. R7bは、H、メチル、ハロメチル、メトキシ又はハロメトキシである、式1又は実施形態1~48のいずれか1つの化合物。
【0101】
実施形態50. R7bは、H、メチル又はメトキシである、実施形態49の化合物。
【0102】
実施形態51. R7bはH又はメチルである、実施形態50の化合物。
【0103】
実施形態52. R7bはHである、実施形態51の化合物。
【0104】
実施形態53. R8は、H、メチル、ハロメチル又はメチルカルボニルである、式1又は実施形態1~44のいずれか1つの化合物。
【0105】
実施形態54. R8は、H又はメチルである、実施形態53の化合物。
【0106】
実施形態55. R8はHである、実施形態54の化合物。
【0107】
実施形態56. Zは、直接結合、O、NH、CH2又はCH(OCH3)である、式1又は実施形態1~55のいずれか1つの化合物。
【0108】
実施形態57. Zは、直接結合、O又はCH2である、実施形態56の化合物。
【0109】
実施形態58. Zは直接結合である、実施形態57の化合物。
【0110】
実施形態59. ZはOである、実施形態57の化合物。
【0111】
実施形態59a. ZはCH2である、実施形態57の化合物。
【0112】
実施形態60. R9、R10b、R11a及びR12cはそれぞれ、H、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4ハロアルケニル又はC2-C4アルキニルである、式1又は実施形態1~59aのいずれか1つの化合物。
【0113】
実施形態61. R9、R10b、R11a及びR12cはそれぞれ、H、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C2-C4アルケニル又はC2-C4ハロアルケニルである、実施形態60の化合物。
【0114】
実施形態62. R9、R10b、R11a及びR12cはそれぞれ、H、メチル、エチル又はC2-C4アルケニルである、実施形態61の化合物。
【0115】
実施形態63. R9、R10b、R11a及びR12cはそれぞれH又はメチルである、実施形態62の化合物。
【0116】
実施形態64. R9、R10b、R11a及びR12cはそれぞれHである、実施形態63の化合物。
【0117】
実施形態65. R9、R10b、R11a及びR12cはそれぞれメチルである、実施形態63の化合物。
【0118】
実施形態66. R10a、R11b、R12a及びR12bはそれぞれ独立して、H、メチル又はハロメチルである、式1又は実施形態1~65のいずれか1つの化合物。
【0119】
実施形態67. R10a、R11b、R12a及びR12bはそれぞれ独立してH又はメチルである、実施形態66の化合物。
【0120】
実施形態68. R10a、R11b、R12a及びR12bはそれぞれHである、実施形態67の化合物。
【0121】
実施形態69. R10a、R11b、R12a及びR12bはそれぞれメチルである、実施形態68の化合物。
【0122】
実施形態70. Lは直接結合、CH2、O、S、NR13、OCH2、CH2O又はC(=O)である、式1又は実施形態1~69のいずれか1つの化合物。
【0123】
実施形態71. Lは、直接結合、CH2、O、OCH2、CH2O又はC(=O)である、実施形態70の化合物。
【0124】
実施形態72. Lは、直接結合、CH2、O、OCH2又はCH2Oである、実施形態71の化合物。
【0125】
実施形態73. Lは、直接結合、O又はOCH2である、実施形態72の化合物。
【0126】
実施形態74. Lは直接結合である、実施形態72の化合物。
【0127】
実施形態75. LはCH2である、実施形態72の化合物。
【0128】
実施形態76. LはOである、実施形態72の化合物。
【0129】
実施形態77. LはOCH2又はCH2Oである、実施形態72の化合物。
【0130】
実施形態78. Jは、別表Aに示されるJ-1~J-71から選択される、式1又は実施形態1~797のいずれか1つの化合物。
【0131】
別表A
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
ここで、浮動結合は、示された環のいずれかの利用可能な炭素原子又は窒素原子を介してLに接続され;そしてxは0、1、2又は3である。
【0132】
実施形態79. Jは、J-4、J-5、J-6、J-7、J-8、J-9、J-18、J-19、J-20、J-21、J-22、J-23、J-24、J-25、J-26、J-27、J-34、J-35、J-36、J-37、J-38、J-56、J-57、J-58、J-59、J-60、J-61、J-63、J-64、J-65、J-66、J-67、J-69又はJ-70である、実施形態78の化合物。
【0133】
実施形態80. Jは、J-4、J-5、J-6、J-22、J-23、J-24、J-35、J-36、J-37、J-38、J-57、J-58、J-63、J-64、J-65、J-66、J-67、J-69又はJ-70である、実施形態79の化合物。
【0134】
実施形態81. Jは、J-6、J-22、J-35、J-37、J-58、J-64、J-65、J-66、J-67、J-69又はJ-70である、実施形態80の化合物。
【0135】
実施形態82. JはJ-35である、実施形態81の化合物。
【0136】
実施形態83. JはJ-58である、実施形態81の化合物。
【0137】
実施形態84. JはJ-66である、実施形態81の化合物。
【0138】
実施形態85. JはJ-67である、実施形態81の化合物。
【0139】
実施形態86. JはJ-69である、実施形態81の化合物。
【0140】
実施形態87. JはJ-70である、実施形態81の化合物。
【0141】
実施形態88. JはJ-65、J-66又はJ-67である、実施形態81の化合物。
【0142】
実施形態88a. JはJ-66又はJ-67である、実施形態88の化合物。
【0143】
実施形態89. xは0、1又は2である、実施形態78~88aのいずれか1つの化合物。
【0144】
実施形態89a. xは0又は1である、実施形態89の化合物。
【0145】
実施形態90. xは0である、実施形態89又は89aのいずれか1つの化合物。
【0146】
実施形態91. 各R14は独立して、ハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルコキシ又はC(=O)OR15である、式1又は実施形態1~89のいずれか1つの化合物。
【0147】
実施形態92. 各R14は独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、ハロメチル、メトキシ、ハロメトキシ又はC(=O)OR15である、実施形態91の化合物。
【0148】
実施形態93. 各R14は独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ又はC(=O)OR15である、実施形態92の化合物。
【0149】
実施形態94. 各R14は独立して、ハロゲン、メチル又はC(=O)OR15である、実施形態93の化合物。
【0150】
実施形態95. 各R14は独立してハロゲン又はメチルである、実施形態94の化合物。
【0151】
実施形態95a. 各R14は独立してBr、Cl、F又はメチルである、実施形態95の化合物。
【0152】
実施形態96. 各R15は独立してC1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル又はシクロプロピルである、式1又は実施形態1~94のいずれか1つの化合物。
【0153】
実施形態97. 各R15は独立してC1-C3アルキル又はC1-C3ハロアルキルである、実施形態96の化合物。
【0154】
実施形態98. 各R15は独立してメチル又はエチルである、実施形態97の化合物。
【0155】
実施形態99. 各R15はメチルである、実施形態98の化合物。
【0156】
上記の実施形態1~99に加えて本明細書に記載される任意の他の実施形態を含む本発明の実施形態は、いかなるようにも組み合わせることができ、そして実施形態中の変数の記載は、式1の化合物だけでなく、式1の化合物を製造するために有用な出発化合物及び中間体化合物にも関連するものである。さらに、上記の実施形態1~99に加えて本明細書に記載される任意の他の実施形態、及びそれらの任意の組み合わせを含む本発明の実施形態は、本発明の組成物及び方法に関連する。
【0157】
実施形態1~99の組み合わせは以下により例示される:
実施形態A. 式中、
AはA-1、A-3又はA-4であり;
QはCR6であり;
YはCR7aCR7bであり;
WはOであり;
R1及びR2はそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C2-C4アルコキシアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、C2-C4ハロアルケニルオキシ、C2-C4アルコキシアルコキシ又はC1-C3アルキルチオであり;
R3は、H、メチル、メチルカルボニル又はメトキシカルボニルであり;
R4は、メチル、メトキシ、エトキシ、メチルアミノ又はジメチルアミノであり;
各R5は独立してハロゲン又はメチルであり;
R6は、H、ハロゲン、ニトロ、アミノ、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6ハロアルケニル、C2-C6アルキニル、C2-C6ハロアルキニル、C2-C6アルコキシアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6ハロアルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C6ハロアルキニルオキシ、C2-C6アルコキシアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、-ZC(=O)V、CR10a=NOR10b、CR12a=NNR12bR12c又は-L-Jであり;
R7aは、H、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
R7bは、H又はメチルであり;
Zは、直接結合、O、NH、CH2又はCH(OCH3)であり;
R9、R10b及びR12cはそれぞれ、H、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C2-C4アルケニル又はC2-C4ハロアルケニルであり;
R10a、R12a及びR12bはそれぞれ独立して、H、メチル又はハロメチルであり;
Lは、直接結合、CH2、O、OCH2又はCH2Oであり;
【0158】
Jは、J-1~J-71
【化7】
【化8】
【化9】
から選択され、
ここで浮動結合は、示された環の任意の利用可能な炭素原子又は窒素原子を介してLに接続され;そしてxは0、1、2又は3であり;
各R
14は独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ又はC(=O)OR
15であり;そして
各R
15は独立して、C
1-C
3アルキル、C
1-C
3ハロアルキル又はシクロプロピルである、
式1の化合物。
【0159】
実施形態B. 式中、
AはA-1であり;
R1及びR2はそれぞれ独立してBr、Cl、F、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシであり;
R3はH又はメチルであり;
R4は、メチル、メトキシ又はエトキシであり;
各R5はメチルであり;
R6は、H、ハロゲン、アミノ、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ハロアルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、C2-C4ハロアルケニルオキシ、CR10a=NOR10b又は-L-Jであり;
R7aはH又はメチルであり;
R7bはH又はメチルであり;
R10bは、H、メチル、C2-C4アルケニル又はC2-C4ハロアルケニルであり;
R10aはH又はメチルであり;
Lは、直接結合、O又はOCH2であり;
Jは、J-6、J-22、J-35、J-37、J-58、J-64、J-65、J-66、J-67、J-69又はJ-70であり;そして
各R14は独立してハロゲン又はメチルである、
実施形態Aの化合物。
【0160】
実施形態C. 式中、
R1及びR2はそれぞれ独立して、Cl、F又はメチルであり;
R3はHであり;
R4はメトキシであり;
nは0であり;
R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メチル、i-プロピル、トリフルオロメチル、CH2F、CHF2、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、CH2FO、CHF2O、CH=NOCH3、CH=NOCH2CH3、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jであり;
R7aはHであり;
R7bはHであり;そして
Jは、J-65、J-66又はJ-67である、
実施形態Bの化合物。
【0161】
実施形態D. 式中、
R1及びR2はそれぞれ独立してCl又はFであり;
R6は、H、Br、Cl、I、アミノ、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、CHF2O、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jであり;
JはJ-66又はJ-67であり;
xは0、1又は2であり;そして
R14は、Br、Cl、F又はメチルである、
実施形態Cの化合物。
【0162】
実施形態E. 式中、
R1及びR2はそれぞれFであり;そして
R6は、H、Br、Cl、アミノ、メトキシ、エトキシ又はi-プロピルオキシである、
実施形態Dの化合物。
【0163】
特定の実施形態としては:
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物1);
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物3);
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物4);
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物5);
N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物6);
N-[[5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物7);
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物8);
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物10);
N-[[5-[1-(4-エトキシ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物11);
N-[[5-[1-[4-(シクロブチルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物13);
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物14);
N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメトキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物15);
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(2-プロピン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物30);
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物33);
N-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物41);
N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物42);
N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物43);
N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物53);
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物63);
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物64);
N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物65);
N-[[5-[1-[4-(シクロプロピルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物66);
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物67);
N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物68);
3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチルフェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]安息香酸メチル (化合物70);
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物71);
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物78);
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物83);
N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメチル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物87);
N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物108);
N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物115);
N-[[5-[2-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物117);
N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物118);
N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物121);
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物131);及び
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル (化合物132)
からなる群から選択される式1の化合物が挙げられる。
【0164】
本発明は、式1の化合物(その全ての立体異性体、N-オキシド、及び塩を含む)、及び少なくとも1つの他の殺菌剤を含む殺菌性組成物を提供する。この組成物の実施形態と
して注目すべきは、上記の化合物実施形態のいずれかに対応する化合物を含む組成物である。
【0165】
本発明は、式1の化合物(その全ての立体異性体、N-オキシド、及び塩を含む)(すなわち、殺菌有効量で)、並びに界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を含む殺菌性組成物を提供する。この組成物の実施形態として注目すべきは、上記の化合物実施形態のいずれかに対応する化合物を含む組成物である。
【0166】
本発明は、植物若しくはその部分に、又は植物の種子に、殺菌有効量の式1の化合物(その全ての立体異性体、N-オキシド、及び塩を含む)を施用することを含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法を提供する。この方法の実施形態として注目すべきは、殺菌有効量の、上記の化合物実施形態のいずれかに対応する化合物を施用することを含む方法である。特に注目すべきは、化合物が本発明の組成物として施用される実施形態である。
【0167】
以下の方法及びスキーム1~12に記載される変形の1つ又はそれ以上を使用して、式1の化合物を製造することができる。以下の式1~16の化合物におけるA、Q、R1、R2、R3、R4、R5、W、Y及びnの定義は、他に示されていなければ、発明の要旨において上で定義されたとおりである。式1a~1eの化合物は式1のサブセットであり、そして式1a~1eについての全ての置換基は、他に示されていなければ式1について上で定義されたとおりである。
【0168】
スキーム1に示されるように、式2の化合物を式3の化合物と、銅又はパラジウム触媒クロスカップリング条件下で反応させることにより、式1の化合物を製造することができる。Xがハロゲン又はトリフラートである式3の化合物について、ウルマン又はバックワルド・ハートウィグ条件を使用することができる。関連する参考文献については、例えば、Chemical Reviews 2002、102(5)、1359-1470;Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2008、47(34)、6338-6361;及びChem. Sci. 2010、1(1)、13-31;及びPCT国際公開公報WO2014/066120を参照のこと。また、本実施例1はスキーム1の方法を例示する。これらの反応は、典型的には塩基、例えば炭酸カリウムのような金属炭酸塩、並びに適切な触媒及びリガンド、例えばヨウ化銅(I)及びトランス-1,2-ジアミノ-N,N’-ジメチルシクロヘキサンのようなリガンドの存在を必要とする。この反応は一般的に、ジオキサン又はトルエンのような非プロトン溶媒中で、周囲温度と溶媒の沸点との間の温度で行われる。式3の化合物が電子吸引性置換基(例えば、R1、R2及び/又はR6がニトロ、シアノ又はエステルである)を含有し、かつXがハロゲンである場合、式2の化合物によるXの直接求核置換を達成することができる。これらの反応は、アルカリ金属炭酸塩、ヒドリド、アルコキシド又はトリアルキルアミンのような塩基の存在下にて、およそ周囲温度から130℃の間の温度で、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はアセトニトリルのような溶媒中で行われる。反応条件については、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2014、24(24)、5805-5813;Bioorganic&Medicinal
Chemistry Letters 2010、20(15)、4521-4525;及びJournal of Materials Chemistry A:Materials for Energy and Sustainability 2014、2(21)、7917-7926;並びにPCT国際公開公報WO2016/187667を参照のこと。また、本実施例2、7、11及び17(工程A)は、直接求核置換による式1の化合物の製造を例示する。Xがボロン酸である式3の化合物については、チャ
ン・ラム条件を使用することができる。これらの反応は、ピリジン又はトリエチルアミンのような適切な塩基及び酢酸銅(II)のような触媒の存在下で行われる。典型的には、反応はジクロロメタン又はクロロホルムのような非プロトン溶媒中で、およそ周囲温度と溶媒の沸点との間の温度で、そして酸素の存在下で行われる。主な参考文献については、例えば、Tetrahedron 2018、74(5)、606-617;及びTetrahedron Lett.1998、39(19)、2933-2936を参照のこと。
【0169】
【0170】
式3の化合物は、商業供給源から広く入手可能であり、そして市販の前駆体及び公知の方法を使用して容易に製造することができる(例えば、US2013/0158004及びWO2018/011094を参照のこと)。
【0171】
いくつかの場合、スキーム1の方法は2つの位置異性体を生じる。例えば、スキーム2に示されるように、式2a(すなわち、AがA-3である式2)の化合物の式3の化合物との反応は、典型的には式1a(すなわち、AがA-3である式1)の化合物と式1b(すなわち、AがA-4である式1)の化合物との異性体混合物を生じる。位置異性体の精製は、カラムクロマトグラフィーのような標準的な技術を使用して達成され得る。関連する参考文献としては、例えば、PCT国際公開公報WO2009/013211を参照のこと。また、スキーム2の方法は実施例18、工程Fにおいて例示される。
【0172】
【0173】
スキーム3に示されるように、式4のアルキンを銅(I)塩の存在下でアジドイオンの適切な供給源と反応させることにより、式2aの化合物を製造することができる。適切なアジド供給源としては、例えば、トリメチルシリルアジド及びアジ化ナトリウムが挙げられる。適切な銅(I)塩としては、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)及び塩化銅(I)が挙げられる。あるいは、銅(II)塩を穏やかな還元剤と組み合わせて、例えばアスコルビン酸ナトリウムとともに硫酸銅(II)を使用することができる。反応は典型的には、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、tert-ブタノール、ジメチルスルホキシド(場合により水を含む)のような溶媒中で、約25~100℃の温度で行われる。低沸点溶媒の使用は、いくつかの場合には、溶媒の通常の沸点より高い温度で反応を行うことを容易にするために圧力を上げる必要がある場合がある。主な参考文献については、例えば、Organic Letters 2009、11(23)、5490-5493;European J.Organic Chem.2004、(18)、3789-3791;Synlett 2005、(19)、2941-2947;及びTetrahedron Letters 2006、47(18)、3035-3038;並びにPCT国際公開公報WO2004/072243を参照のこと。スキーム3の方法は、本実施例18、工程Eにおいても例示される。
【0174】
【0175】
以下のスキーム4、方法Aに示されるように、式4の化合物を、式5の化合物及び式6のアルキンから園頭反応カップリング条件を使用して製造することができる。園頭カップリングは文献で周知である。例えば、Molecules 2010、15、9157-9173;Sonogashira、K. In Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis;Negishi、E.、Ed.;Wiley-Interscience:New
York、2002、pp 493-529;Palladium in Heterocyclic Chemistry、A Guide for the Synthetic Chemist、Li、J.;Gribble、G.、Eds. in Tetrahedron Organic Series、Volume 20;Pergamon Press: New York、2000を参照のこと。
【0176】
スキーム4、方法Bに示されるように、式5の化合物をエチニルトリメチルシラン(式7)と適切なパラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)及び適切な銅触媒(上記ヨウ化銅(I))の存在下で反応させることにより、式4の化合物を製造することができる。この反応は、好ましくはアミン塩基、例えばトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン又はピペリジンの存在下で行われる。反応は典型的には、テトラヒドロフラン、トルエン又はN,N-ジメチルホルムアミドのような溶媒中で行われるが;いくつかの場合、反応は、式5の化合物、エチニルトリメチルシラン及びアミン塩基以外の溶媒を用いずに行われる場合もある。式4の化合物を得るためのトリメチルシラン基の除去は、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属炭酸塩、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は炭酸カリウムでのメタノール又はエタノール中での処理のような周知の条件を使用して行われ得る。反応は好ましくは適切な有機溶媒中で行われる。典型的には、この方法は、約0℃から溶媒の還流温度までの範囲の温度で最も満足のいくように行われる。代表的な手順については、JACS 2003、125(38)、11545-11552及びBioorganic & Medicinal Chemistry 2009、17(24)、8149-8160;並びに本実施例18、工程A及びBを参照のこと。
【0177】
【0178】
スキーム5に示されるように、式5の化合物の式8のホウ素中間体[式中、A(すなわち、A-1、A-2、A-3又はA-4)は炭素原子環員を介してホウ素に結合され、そしてN原子環員上は非置換である(すなわち、Aは-(NH)-及び-(C-B(OH)2)-)の環員を含む5員ヘテロ芳香族環である)]との鈴木カップリングにより式2の化合物を製造することができる。この反応は、Pd(0)又はPd(II)塩、適切なリガンド及び塩基の存在下で行われる。この変換に適した塩基は、炭酸カリウム又は炭酸セシウムであるが、Pd(OAc)2又はPdCl2のようなPd(II)塩は、トリフェニルホスフィン又は1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)のようなリガンドと組み合わせて使用される。鈴木カップリングのための条件は、文献において十分に文書化されている;例えば、Angewandte Chemie International Edition 2006、45(21)、3484-3488及びTetrahedron Letters 2002、43(16)、2885-2888を参照のこと。式8のホウ素中間体は市販されており、そして対応するハロゲン化物又はトリフルオロスルホナートから文献において公知の方法により製造され得る;例えば、PCT国際公開公報WO2007/043278;米国特許第8080566号;Organic Letters 2011、13(6)、1366-1369;European Journal of Medicinal Chemistry 2014、87、529-539及びOrganic Letters 2012、14(2)、600-603を参照のこと。
【0179】
他のカップリング手順は、式5上の複素環式A環の導入の多数の代替を提供し、これらとしては、Heck、Stille及びKumadaにより公開されたカップリング方法が挙げられる。また、例えばZificsak et al.、Tetrahedron
2004、60、8991-9016も参照のこと。
【0180】
【0181】
スキーム6において示されるように、式9のアミンを式10の酸塩化物と炭酸カリウム、トリエチルアミン又はピリジンのような塩基の存在下で反応させることにより、式5の化合物を製造することができる。この反応は、式9、10及び塩基以外の溶媒を用いずに、又はアセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル若しくはテトラヒドロフランのような溶媒中で、約0~50℃の範囲に及ぶ温度で行われ得る。反応条件については、例えばPCT国際公開公報WO2004/037770及び欧州特許第EP1586552号を参照のこと。また、スキーム6の方法は、本実施例18、工程Dにおいて例示される。
【0182】
式10の化合物の合成については、Advanced Organic Synthesis、第四版、Wiley&Sons 1992、437、及びそれらの引用文献を参照のこと。式9の化合物は市販されており、当業者に公知の一般的な方法により容易に合成することができる。
【0183】
【0184】
スキーム7に示されるように、式11の化合物から、スキーム6の方法と同様の、式10の酸塩化物との反応により式1の化合物を製造することができる。スキーム7の方法は、本明細書の実施例17、工程Fにおいて例示される。
【0185】
【0186】
スキーム8に示されるように、式12のニトリルから、水素化リチウムアルミニウム又はボラン/テトラヒドロフラン錯体又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのような適切な還元剤を、テトラヒドロフランのような非プロトン性溶媒中で周囲温度と溶媒の沸点との間の温度で使用して式11の化合物を製造することができる。関連する例については、PCT国際公開公報WO2011/079102及びWO2011/073444内に含まれる手順及び参考文献を参照のこと。また、スキーム8の方法は、本明細書の実施例17、工程Eにおいて例示される。
【0187】
式12のニトリルを、接触水素化により式11のアミンに変換することもできる。これらの反応は伝統的に、炭素担持パラジウム(0)、ラネーニッケル、又は酸化白金のような遷移金属の存在下で、メタノール又はエタノールのような低級アルコール溶媒中で周囲温度と100℃との間の温度ので水素ガス雰囲気下にて1と7500kPaとの間の圧力で行われる。関連する例については、PCT特許出願公開WO2009/152868及びWO2010/023161内に含まれる手順及び参考文献を参照のこと。
【0188】
【0189】
スキーム9に示されるように、式13[式中、A(すなわち、A-1、A-2、A-3又はA-4)はN原子環員上で非置換である(すなわち、Aは環員-(NH)-)を含む5員ヘテロ芳香族環である)]の化合物を、スキーム1と同様の方法を使用して式3の化合物とカップリングさせることにより式12の化合物を製造することができる。本明細書の実施例17、工程Aはスキーム9の方法を例示する。
【0190】
【0191】
スキーム10に示されるように、式13の化合物を式14の化合物から製造することができる。典型的な手順において、式14の化合物を、シアン化銅(I)又はシアン化亜鉛(II)のようなシアン化物塩と、ヨウ化銅(I)又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のような適切な遷移金属触媒の存在下で、N,N-ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドのような極性非プロトン性溶媒中にて、約50~150℃の間の温度で接触させる。関連する手順については、PCT特許出願公開WO2012/032528及びWO2011/133882並びに含まれる参考文献を参照のこと。
【0192】
【0193】
スキーム11に示されるように、最初に式15の化合物をN,N-ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(DMF-DMA)と約40~100℃の間の温度でトルエン又はベンゼンのような溶媒中にて反応させて、式16の中間体化合物を得ることにより式14の化合物を製造することができる。その後の工程において、式16の化合物をヒドラジン又はヒドラジン塩と、メタノール又はエタノールのような低級アルコール溶媒中で反応させて、式14の化合物を得る。
【0194】
【0195】
本明細書に記載される式1の化合物及びそれらの中間体を、置換基を加えるため又は存在する置換基を修飾するために様々な求電子反応、求核反応、有機金属反応、酸化及び還元反応にかけて、それにより、式1の他の官能基化された化合物を得ることができる。例えば、スキーム13に示されるように、式1cの化合物(すなわち、式中QがCR6であり、そしてR6がNH2である式1)は、Fe、Zn又はSnCl2を酸性水溶液中で周囲温度から還流温度の範囲に及ぶ温度で使用して、式1eの対応するニトロ化合物(すなわち、式中QがCR6であり、そしてR6がNO2である式1)を還元することにより製造され得る。メタノール、エタノール及びi-プロパノールのようなアルコール共溶媒を使用してもよい。その後の反応において、式1cのアミノ化合物を、ジアゾ化条件下でハロゲン源の存在下でハロゲンに変換して、式1d(すなわち、式中QはCR6であり、かつR6はハロゲンである式1)を得ることができる。様々なハロゲン源がスキーム12の方法において使用され得る。チタン(IV)イソプロポキシドのようなルイス酸の存在も有利な場合がある。例えば、tert-ブチルニトリルを式1cのアミノ化合物の溶液にCuBr2の存在下でアセトニトリルのような溶媒中で加えて、式1dの対応する臭化化合物を得る。同様に、式1cのアミノ化合物を、当業者に周知の一般的な手順に従って、ジアゾニウム塩に変換し、次いで水、酢酸又はトリフルオロ酢酸のような溶媒中で典型的には同じハロゲン化物原子を含有する鉱酸(例えば、IであるR6についてHI水溶液)の存在下で亜硝酸ナトリウムで処理し、続いて対応する銅(I)又は銅(II)塩で処理することにより対応する式1dの化合物に変換することができる。多くの公知の還元、ジアゾ化及びハロゲン化の方法を、式1c及び1dの化合物を製造するために容易に適合することがでる、例えば、米国特許出願US2017/0121300、US2017/069105、及びUS2017/038909、並びにPCT特許出願公開WO2017/036357内に含まれる手順及び参考文献を参照のこと。また、スキーム12の方法は本明細書の実施例3及び4において例示される。
【0196】
【0197】
式1の化合物を製造するための上に記載されたいくつかの試薬及び反応条件は、中間体に存在する特定の官能基には適合しないかもしれないということが認識される。これらの例において、保護/脱保護シーケンス又は官能基相互変換を合成に組み込むことは、所望の生成物を得る助けとなる。保護基の使用及び選択は、化学合成の当業者には明らかだろう(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、2nd ed.;Wiley: New York、1991)を参照のこと。当業者には、いくつかの場合において、個々のスキームに示される所定の試薬を導入した後、式1の化合物の合成を完
了するために、詳細には記載されていない追加の慣用の合成工程を行うことが必要かもしれないということがわかるだろう。当業者はまた、式1の化合物を製造するために提示された特定の順番により示される順序以外の順序で上記のスキームにおいて説明される工程の組み合わせを行うことが必要かもしれないということもわかるだろう。
【0198】
当業者はまた、本明細書に記載される式1の化合物及び中間体が、置換基を加えるため又は存在する置換基を修飾するために様々な求電子反応、求核反応、ラジカル反応、有機金属反応、酸化反応及び還元反応にかけられ得るということを理解するだろう。
【0199】
さらに入念にしなくとも、当業者は前の記載を使用して本発明をその完全な程度まで利用することができると考えられる。したがって以下の実施例は、単に説明のためのものであり、いかなるようにも本開示の限定するものと解釈されるべきではない。以下の実施例における工程は、合成変換全体における各工程についての手順を説明し、そして各工程の出発物質は、その手順が必ずしも他の実施例又は工程に記載されている特定の製造の実行により製造されたものではないかもしれない。パーセンテージは、クロマトグラフィー溶媒混合物又は他の指示がある場合を除いて質量による。クロマトグラフィー溶媒混合物についての部数及びパーセンテージは、他の指示がなければ体積による。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランからの低磁場シフトをppmで報告される;「s」はシングレットを意味し、「d」はダブレットを意味し、「t」はトリプレットを意味し、「m」はマルチプレットを意味し、「br s」はブロードシングレットを意味し、そして「dd」はダブルダブレットを意味する。質量スペクトルは、H+(分子量1)の分子への付加により形成される最も高い同位体存在度の親イオン(M+1)の分子量として報告され、これらは質量分析計に接続された液体クロマトグラフィー(LCMS)により大気圧化学イオン化(AP+)又はエレクトロスプレーイオン化(ESI+)のいずれかを使用して観察される。
【0200】
実施例1
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物3)の製造
N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバミン酸メチル(1.12g、4.57mmol)(製造方法についてはPCT国際公開公報WO2008124092を参照のこと)、ヨウ化銅(I)(0.17g、0.914mmol)及び2-ブロモ-1,3-ジフルオロ-5-メトキシ-ベンゼン(1.32g、5.94mmol)の混合物に、炭酸カリウム(11.4mmol)、続いてN,N-ジメチルホルムアミド(8mL)を加えた。窒素ガスで反応混合物中に30分間バブリングし、次いでtrans-N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.26g、1.83mmol)を加えた。反応混合物を80℃で終夜加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し(4x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20~80%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である標題化合物を無色油状物として得た(0.43g)。
1H NMR (CDCl3): δ 7.74(d、1H)、7.67(dd、1H)、7.59(d、1H)、7.22(d、1H)、6.74(d、1H)、6.61(d、2H)、4.87(br s、1H)、4.41(d、2H)、3.84(s、3H)、3.69(s、3H)、2.36(s、3H)。
LCMS: m/z: 388 [M+H]+
【0201】
実施例2
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-
3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物1)の製造
N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバミン酸メチル(0.45g、1.84mmol)(製造方法についてはPCT国際公開公報WO2008124092を参照のこと)のジメチルスルホキシド(5mL)中の撹拌した溶液に、炭酸カリウム(762mg、5.52mmol)及び1,2,3-トリフルオロ-5-ニトロベンゼン(0.235mL、2.02mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、そして酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し(4x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を黄色固体として得た(0.44g)。
1H NMR (CDCl3): δ 8.02(d、2H)、7.79(dd、1H)、7.75(d、1H)、7.69(dd、1H)、7.25(d、1H)、6.85(d、1H)、4.86(br s、1H)、4.44(d、2H)、3.71(s、3H)、2.38(s、3H)。
【0202】
実施例3
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物5)の製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例2の生成物)(0.4g、0.995mmol)及び塩化アンモニウム(32mg、0.597mmol)のエタノール/水(9:1、20mL)中混合物に、鉄粉末(555mg、9.95mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を1.5時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、そしてセライト(登録商標)のパッド(珪藻土濾過助剤)を通して濾過し、酢酸エチルですすいだ。濾液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し(4x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30~100%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を明黄色固体(0.3g)として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 7.75(d、1H)、7.66(dd、1H)、7.56(d、1H)、7.21(d、1H)、6.72(d、1H)、6.31(d、2H)、4.82(br s、1H)、4.41(d、2H)、4.04(br s、2H)、3.69(s、3H)、2.36(s、3H)。
【0203】
実施例4
N-[[5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物7)の製造
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例3の生成物)(90mg、0.242mmol)のアセトニトリル(2mL)中混合物に、臭化銅(II)(65mg、0.290mmol)を加えた。反応混合物を約0℃に冷却し、そして亜硝酸n-ブチル(0.043mL、0.363mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで塩酸(1N水溶液)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し(2x)、そして合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~40%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0~10%酢酸エチルのグラジエントで溶出)によりさらに精製して、本発明の化合物である表題化合物を黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 7.74(d、1H)、7.67-7.65 (
m、2H)、7.29(d、2H)、7.23(d、1H)、6.78(d、1H)、4.83(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)。
LCMS: m/z: 436 [M+H]+
【0204】
実施例5
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物10)の製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例1の生成物)(1.20g、3.10mmol)のジクロロメタン(30mL)中混合物に、0℃にて三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1M溶液、9.40mL、9.30mmol)を滴下した。反応混合物を室温まで昇温させて、終夜撹拌した。この反応混合物をゆっくりと水(35mL)でクエンチし、続いてメタノール(35mL)を滴下し、次いで室温で1時間撹拌した。層を分離し、そして水層ジクロロメタン(2x)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20~70%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により溶出して、本発明の化合物である表題化合物を白色固体として得た(0.87g)。
1H NMR (CDCl3): δ 7.74(br s、1H)、7.63(dd、1H)、7.60(d、1H)、7.24(d、1H)、6.75(d、1H)、6.46(d、2H)、4.95(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.69(s、3H)、2.37(s、3H)。
【0205】
実施例6
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物14)の製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例5の生成物)(87mg)のテトラヒドロフラン(3mL)中混合物に、トリフェニルホスフィン(122mg、0.46mmol)、続いて2-プロパノール(0.035mL、0.46mmol)及びアゾジカルボン酸ジエチル(0.073mL、0.46mmol)を加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して本発明の化合物である表題化合物を白色固体として得た(85mg)。
1H NMR (CDCl3): δ 7.75(d、1H)、7.67(dd、1H)、7.59(d、1H)、7.22(d、1H)、6.74(d、1H)、6.58(d、2H)、4.54 (m、1H)、4.83(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.36(s、3H)、1.37(d、6H)。
LCMS: m/z: 416 [M+H]+
【0206】
実施例7
3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチルフェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]安息香酸メチル(化合物70)の製造
N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバミン酸メチル(2.58g、10.5mmol)(製造方法についてはPCT国際公開公
報WO2008124092を参照のこと)及び3,4,5-トリフルオロ安息香酸メチル(2.41g、12.6mmol)のジメチルスルホキシド(10mL)中混合物に、炭酸カリウム(4.35g、31.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌し、そして酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し(4x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を淡赤色固体として得た(3.55g)。
1H NMR(CDCl3): δ 7.76(d、2H)、7.74(m、2H)、7.68(d、1H)、7.24(d、1H)、6.80(d、1H)、4.87(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.97(s、3H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)。
【0207】
実施例8
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物71)の製造
3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチルフェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]安息香酸メチル(すなわち、実施例7の生成物)(3.55g、8.55mmol)のメタノール(45mL)中混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(1.94g、51.3mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで塩酸(1N水溶液)でクエンチし、そして濾過した。濾液を酢酸エチルで抽出し(3x)、そして合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20~100%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を白色固体として得た(2.52g)。
1H NMR(DMSO-d6,): δ 8.11(d、1H)、7.73(d、1H)、7.65(t、1H)、7.62(dd、1H)、7.29(d、1H)、7.22(d、1H)、6.94(d、1H)、5.59(t、1H)、4.60(d、2H)、4.21(d、2H)、3.55(s、3H)、2.30(s、3H)。
【0208】
実施例9
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物67)の製造
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例8の生成物)(2.30g、5.94mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)中混合物に、デス-マーチンペルヨージナン(2.52g、5.94mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した(2x)。合わせた抽出物を濾過し、酢酸エチルですすいだ。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し(3x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20~60%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製し、本発明の化合物である表題化合物を白色固体として得た(1.78g)。
1H NMR(CDCl3): δ 9.98(t、1H)、7.76 (m、2H)、7.69(dd、1H)、7.62(d、2H)、7.24(d、1H)、6.83(d、1H)、4.86(br s、1H)、4.43(d、2H)、3.71(s、3H)、2.38(s、3H)。
【0209】
実施例10
N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメチル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物87)の製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例9の生成物)(0.25g、0.65mmol)のジクロロメタン(10mL)中混合物に、約0℃でDeoxo-Fluor(登録商標)(0.36mL、1.95mmol)を滴下し、続いてエタノール(1滴)を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液(200mL)中にゆっくりと注いだ。30分後に層を分離し、そして水層をジクロロメタン(1x)で抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を無色油状物として得た(0.23g)。
1H NMR(CDCl3): δ 7.75(d、1H)、7.71-7.68 (m、2H)、7.27(d、2H)、7.23(d、1H)、6.80(d、1H)、6.78-6.55(t、1H)、4.85(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)。
LCMS: m/z:408 [M+H]+
【0210】
実施例11
N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物68)の製造
N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバミン酸メチル(2.0g、8.16mmol)(製造方法についてはPCT国際公開公報WO2008124092を参照のこと)及び1-(3,4,5-トリフルオロフェニル)エタノン(2.0g、11.4mmol)のジメチルスルホキシド(9mL)中の混合物に、炭酸カリウム(3.38g、24.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し(4x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~70%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を淡橙色固体として得た(2.10g)。
1H NMR (CDCl3): δ 7.75 (m、2H)、7.69(dd、1H)、7.67(d、2H)、7.24(d、1H)、6.81(d、1H)、4.87(br s、1H)、4.43(d、2H)、3.70(s、3H)、2.64(s、3H)、2.37(s、3H)。
【0211】
実施例12
N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物83)の製造
N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例11の生成物)(0.24g、0.602mmol)、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(60.3mg、0.722mmol)及び酢酸ナトリウム(59.2mg、0.722mmol)のエタノール中混合物を終夜加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、そして水で希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し(2x)、そして合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して本発明の化合物である表題化合物を琥珀色固体として得た(239mg)。
1H NMR(CDCl3): δ 7.75(d、1H)、7.68(m、2H)、7
.41(d、2H)、7.23(d、1H)、6.78(d、1H)、4.85(br s、1H)、4.42(d、2H)、4.04(s、3H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)、2.21(s、3H)。
LCMS:m/z: 429 [M+H]+
【0212】
実施例13
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物8)の製造
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例3の生成物)(2.38g、6.40mmol)のアセトニトリル(50mL)中の混合物に、ジヨードメタン(2.1mL、25.6mmol)を加えた。反応混合物を約0℃に冷却し、次いで亜硝酸tert-ブチル(0.84mL、7.04mmol)を滴下した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いでさらにジヨードメタン(12mL、150mmol)を加えた。終夜撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして飽和メタ重亜硫酸ナトリウム(3x)、飽和塩化ナトリウム溶液(2x)、そして塩酸(1N水溶液)で洗浄した。混合物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して本発明の化合物である表題化合物を灰色がかった白色の固体として得た(1.0g)。
1H NMR(CDCl3): δ 7.73(d、1H)、7.66-7.64 (m、2H)、7.47(d、2H)、7.22(d、1H)、6.77(d、1H)、4.86(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.36(s、3H)。
【0213】
実施例14
N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物53)の製造
工程A: N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル-4-(2-(トリメチルシリル)エチニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルの製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例13の生成物)(0.2g、0.414mmol)、ヨウ化銅(I)(8mg、0.041mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)、エチニルトリメチルシラン(0.088mL、0.621mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(29mg、0.041mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.063mL、0.455mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し(4x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5~40%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して表題化合物を淡褐色油状物として得た(0.17g)。
1H NMR (CDCl3): δ 7.74(d、1H)、7.67 (m、2H)、7.23(d、1H)、7.16(d、2H)、6.77(d、1H)、4.84(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)、0.27(s、9H)。
【0214】
工程B: N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物53)の製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル-4-(2-(トリメチルシリル)エチニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、工程Aの生成物)(0.12g、0.265mmol)のメタノール(6mL)中混合物に、炭酸カリウム(44mg、0.318mmol)を加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで酢酸エチル及び水で希釈し、そして室温で終夜放置した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し(2x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を琥珀色油状物として得た(0.109g)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d、1H)、7.68-7.66(m、2H)、7.23(d、1H)、7.20(d、2H)、6.78(d、1H)、4.84(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、3.24(s、1H)、2.37(s、3H)。
LCMS m/z:382[M+H]+
【0215】
実施例15
N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物42)の製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例13の生成物)(0.217g、0.450mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)の混合物を、窒素気流で10~15分間パージし、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(52mg、0.045mmol)を加え、続いて2-メチル-2-プロパンチオール(0.100mL、0.900mmol)及びトリエチルアミン(0.20mL、1.35mmol)を加えた。反応混合物を70℃で1時間加熱し、次いで室温まで冷却し、そして酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し(3x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を橙色油状物として得た(0.189g)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d、1H)、7.69-7.67(m、2H)、7.27(d、2H)、7.23(d、1H)、6.79(d、1H)、4.84(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)、1.37(s、9H)。
【0216】
実施例16
N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物43)の製造
工程A: N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メルカプトフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルの製造
N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例15の生成物)(0.16g、0.360mmol)のジクロロメタン(5mL)中混合物に、約0℃で三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1M溶液、1.10mL、1.08mmol)を滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、そして水(6mL)及びメタノール(6mL)でクエンチした。2時間撹拌した後、層を分離し、そして水層をジクロロメタン(2x)で抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン中20~100%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して表題化合物を固体(77mg)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.74(d、1H)、7.67(dd、1H)、7.62 (m、1H)、7.22(d、1H)、6.98(d、2H)、6.75(d、1H)、4.83(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.36(s、3H)。
【0217】
工程B: N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルの製造
N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メルカプトフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、工程Aの生成物)(77mg、0.198mmol)のアセトニトリル及び水(1:1、2mL)中混合物に、水酸化カリウム(222mg、3.96mmol)、続いてホスホン酸ジエチル(ブロモジフルオロメチル)(0.070mL、0.396mmol)を加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し(2x)、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%酢酸エチルのグラジエントで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を灰色がかった白色の固体として得た(64mg)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d、1H)、7.70-7.68(m、2H)、7.34(d、2H)、7.24(d、1H)、7.02-6.80(t、1H)、6.80(d、1H)、4.84(br s、1H)、4.42(d、2H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)。
LCMS m/z:440[M+H]+
【0218】
実施例17
N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルの製造(化合物65)
工程A: 5-[1-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリルの製造
2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)ベンゾニトリル (3.0g、16.4mmol)(製造方法についてはPCT国際公開公報WO2014066120を参照のこと)、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(4.12g、19.6mmol)及び炭酸カリウム(2.72g、19.6mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(51mL)中混合物を80℃で4時間加熱し、次いで室温で終夜撹拌した。反応混合物を水で希釈し、そして得られた沈殿物を濾過により集め、そして水ですすいだ。固形沈殿物をヘキサン/1-クロロブタンの混合物でトリチュレーションし、濾過し、そして空気乾燥して表題化合物(3.59g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.37(s、2H)、8.11(s、1H)、7.96(d、1H)、7.64(s、1H)、7.38(d、1H)、6.87(s、1H)、2.60(s、3H)。
【0219】
工程B: 5-[1-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリルの製造
塩化すず(II)二水和物(12.82g、56.82mmol)、酢酸(51.78mL)及び濃塩酸(34.57mL)の混合物に、反応温度を約25℃に維持しながら5-[1-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリル(すなわち、工程Aの生成物)(6.07g、16.26mm
ol)を少しずつ加えた。反応混合物を終夜撹拌し、次いで水酸化カリウム(200g)、水(200g)及び氷(400g)の混合物中にゆっくりと注いだ。得られた固形沈殿物を濾過により集め、そして乾燥して表題生成物(6.8g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.22(s、1H)、7.98(d、1H)、7.55(s、1H)、7.35(d、1H)、6.76(s、1H)、6.71(s、2H)、4.06(s、2H)、2.57(s、3H)。
【0220】
工程C: 5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリルの製造
5-[1-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリル(すなわち、工程Bの生成物)(6.75g、18.67mmol)及び亜硝酸n-ブチル(27.38mL、233.7mmol)の混合物を終夜加熱還流し、次いで室温まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチルで溶出)により精製して表題化合物(4.3g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.22(s、1H)、7.96(d、1H)、7.66(s、2H)、7.58(s、1H)、7.36(d、1H)、6.80(s、1H)、2.57(s、3H)。
【0221】
工程D: 5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリルの製造
5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリル(すなわち、工程Cの生成物)(2.19g、5.37mmol)、シクロプロピルボロン酸(0.53g、6.31mmol)、炭酸ナトリウム(1.99g、18.75mmol)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.46g、0.66mmol)の1,2-ジメトキシエタン(43.7mL)及び水(10.03mL)中の混合物を85℃で終夜加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、そして水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10%酢酸エチル)により精製して表題化合物(0.90g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.13(s、1H)、7.97(d、1H)、7.55(s、1H)、7.34(d、1H)、7.15(s、2H)、6.78(s、1H)、2.57(s、3H)、1.98-1.90(m、1H)、1.14-1.08(m、2H)、0.81-0.75(m、2H)。
【0222】
工程E: 5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩の製造
5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリル(すなわち、工程Dの生成物(0.88g、2.39mmol)のジクロロメタン(5mL)中混合物に、トリス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)ボラン(0.01g、0.07mmol)、続いてジエチルシラン(0.53g、5.97mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、約0~5℃に冷却し、次いで塩酸(ジオキサン中4N溶液、2.02mL)を滴下した。得られた沈殿物を濾過により集め、そして空気乾燥して表題化合物を固体(0.82g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.30(br s、3H)、8.03(s、1H)、7.95(s、1H)、7.77(d、1H)、7.43(s、2H)、7.32(d、1H)、6.97(s、1H)、3.57(s、2H)、2.36(s、3H)、2.13-2.05(m、1H)、1.14-1.05(m、2H)、0.91-0.85(
m、2H)。
【0223】
工程F: N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルの製造
5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩(すなわち、工程Eの生成物)(0.82g、2.01mmol)及び炭酸カリウム(0.83g、6.02mmol)のアセトニトリル(10mL)中混合物に、約0~5℃でクロロギ酸メチル(0.21g、2.21mmol)を加えた。反応混合物を終夜室温で撹拌し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0%~100%酢酸エチルで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を固体(0.87g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.78(s、1H)、7.70(d、1H)、7.63(s、1H)、7.22(d、1H)、7.15(s、2H)、6.76(s、1H)、4.82(br s、1H)、4.41(br s、2H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H)、1.95-1.88(m、1H)、1.12-1.08(m、2H)、0.80-0.72(m、2H)。
LCMS: m/z 430[M+H]+
【0224】
実施例18
N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物118)、及びN-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物132)の製造
工程A: 2-メチル-5-[2-(トリメチルシリル)エチニル]ベンゾニトリルの製造
2-アミノ-5-ブロモベンゾニトリル(50g、255mmol)及びエチニルトリメチルシラン(181mL、1275mmol)のテトラヒドロフラン(600mL)中混合物に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(26g、38mmol)、ヨウ化銅(I)(14.5g、76.5mmol)、トリフェニルホスフィン(20g、76.5mmol)及びトリエチルアミン(600mL)を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中5%酢酸エチルで溶出)により精製して表題化合物を固体として得た(45g)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.68(d、J=1.6Hz、1H)、7.63(dd、J=8.0、1.6 Hz、1H)、7.24(s、1H)、2.53(s、3H)、0.24(s、9H)。
【0225】
工程B: 5-エチニル-2-メチルベンゾニトリルの製造
2-メチル-5-[2-(トリメチルシリル)エチニル]ベンゾニトリル(すなわち、工程Aの生成物)(40g、187.7mmol)のメタノール(800mL)中混合物に、水酸化カリウム(67mL、メタノール中1%)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで蒸留してメタノールを除去した。得られた混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中12%酢酸エチルで溶出)により精製して表題化合物を固体として得た(15g)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.70(d、J=1.2Hz、1H)、7.57(
dd、J=8.4、2.0 Hz、1H)、7.28(d、J=7.6 Hz、1H)、3.12(s、1H)、2.55(s、3H)。
【0226】
工程C: 5-エチニル-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩の製造
ジフェニルシラン(81mL、443mmol)のクロロホルム(250mL)中混合物に、トリス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)ボラン(2.7g、5.3mmol)、続いてクロロホルム中の5-エチニル-2-メチルベンゾニトリル(すなわち、工程Bの生成物)(25g、177.3mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして減圧下で濃縮した。塩酸(ジエチルエーテル中2N溶液)を得られた物質に加え、そしてこの混合物を1時間撹拌した。得られた固形沈殿物を濾過により集め、そして乾燥して表題化合物を固体(30g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ 8.26(br s、3H)、7.53(s、1H)、7.37-7.39(m、1H)、7.27-7.25(m、1H)、4.19(s、1H)、4.01(s、2H)、2.35(s、3H)。
【0227】
工程D: [(5-エチニル-2-メチルフェニル)メチル]カルバミン酸メチルの製造
5-エチニル-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩(すなわち、工程Cの生成物)(30g、165.7mmol)及び炭酸カリウム(68.5g、497mmol)のアセトニトリル(330mL)中混合物に、0℃でクロロギ酸メチル(23.3g、248.6mmol)を20分かけて滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで水(200mL)で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中30%酢酸エチルで溶出)により精製して、表題化合物を固体(25g)として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 7.38(br s、1H)、7.33-7.31(m、1H)、7.13-7.11 (m、1H)、4.83(brs、1H)4.34(d、J=5.6Hz、2H)、3.71(s、3H)、3.04(s、1H)、2.32(s、3H)。
【0228】
工程E: N-[[5-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチルの製造
[(5-エチニル-2-メチルフェニル)メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、工程Dの生成物)(30g、165.7mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(117mL)中混合物に、メタノール(12mL)、トリメチルシリルアジド(11.7mL、88.6mmol)及びヨウ化銅(I)(0.56g、2.9mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間加熱し、次いで飽和塩化アンモニウム溶液で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中20%酢酸エチルで溶出)により精製して、表題化合物を固体(4g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 11.8(br s、1H)、7.94(s、1H)、7.71(s、1H)、7.64-7.61(m、1H)、7.24(s、1H)、4.93(br s、1H)、4.43(d、J=6.0Hz、2H)、3.71(s、3H)、2.37(s、3H)。
【0229】
工程F: N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物118)及びN-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カ
ルバミン酸メチル(化合物132)の製造
N-[[5-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、工程Eの生成物)(4g、16.2mmol)のジメチルスルホキシド(40mL)中混合物に、炭酸カリウム(6.7g、48.6mmol)、続いて1,2,3-トリフルオロ-5-ニトロベンゼン(3.1g、17.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで水(30mL)で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中20%酢酸エチルで溶出)により精製して、本発明の化合物であるN-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物118)を固体(2g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ 8.77(s、1H)、8.45(dd、J=9.2、2 Hz、2H)、7.80(s、1H)、7.76-7.74(m、1H)、7.69-7.66(m、1H)、7.32(d、J=8.0Hz、1H)、4.24(d、J=5.6 Hz、2H)、3.55(s、3H)、2.33(s、3H)。
LCMS: m/z: 404 [M+H]+。
【0230】
N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物118)及びN-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物132)の混合物を含む固形物も得られた。この固形物をシリカゲルクロマトグラフィーによりさらに精製して、本発明の化合物であるN-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,300-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物132)を固体(800mg)として得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ 9.08(s、1H)、8.50(d、J=7.6 Hz、2H)、7.83-7.82(m、2H)、7.71-7.67(m、2H)、7.29(d、8.4Hz、1H)、4.24(d、J=6.4Hz、2H)、3.57(s、3H)、2.32(s、3H)。
LCMS: m/z:404[M+H]+。
【0231】
実施例19
N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物115)の製造
N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例18、工程Fの生成物、化合物118)(2g、4.9mmol)のエタノール(18mL)及び水(2mL)中の混合物に、鉄粉末(2.7g、49.6mmol)及び塩化アンモニウム(0.16g、2.9mmol)を加えた。反応混合物を1.5時間加熱還流し、室温で16時間撹拌し、次いでCelite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)のパッドを通して濾過し、酢酸エチル(30mL)ですすいだ。濾液を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中30%酢酸エチルで溶出)により精製して、本発明の化合物である表題化合物を固体(1.6g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.08(s、1H)、7.74-7.73(m、1H)、7.67-7.65(m、1H)、7.24(s、1H)、6.33-6.30(
m、2H)、4.89(br s、1H)、4.42(d、J=5.2Hz、2H)、4.13(s、2H)、3.70(s、3H)、2.37(s、3H
LCMS: m/z:374[M+H]+。
【0232】
以下の化合物を実施例19の方法と同様にして製造した:
N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物131)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.91(s、1H)、7.81(s、1H)、7.70(d、1H)、7.25(s、1H)、6.35(d、2H)、4.93(brs、1H)、4.45(s、2H)、4.19(brs、2H)、3.71(s、3H)、2.39(s、3H)。
【0233】
実施例20
N-[[5-[2-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物117)の製造
N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(すなわち、実施例19の生成物)(1g、2.68mmol)の四塩化炭素(125mL)中の混合物に、亜硝酸n-ブチル(3.3g、32.17mmol)を加えた。反応混合物を16時間加熱還流し、次いでCelite(登録商標)(珪藻土濾過助剤)のパッドを通して濾過し、酢酸エチル(20mL)ですすいだ。濾液を水(60mL)で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中30%酢酸エチルで溶出)により精製し、本発明の化合物である表題化合物を固体として得た(0.12g)。
1H NMR (CDCl3): δ 8.13(s、1H)、7.74-7.73 (m、1H)、7.66(dd、J=8.0、1.6 Hz、1H)、7.28(s、1H)、7.19-7.15 (m、2H)、4.90 (brs、1H)、4.43(d、J=5.6 Hz、2H)、4.71(s、3H)、2.38(s、3H).
LCMS:m/z:393[M+H]+。
【0234】
以下の化合物を実施例20の方法と同様にして製造した:
N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバミン酸メチル(化合物121)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.98(s、1H)、7.79(brs、1H)、7.70(d、J=6.4 Hz、1H)、7.27-7.20(m、3H)、4.91(br s、1H)、4.44-4.43(m、2H)、3.71(s、3H)、2.38(s、3H)。
LCMS:m/z:393[M+H]+。
【0235】
本明細書に記載される手順により、当該分野で公知の方法と一緒にして、表1A~33Dの以下の化合物を製造することができる。以下の略号を下の表において使用する:nはノルマルを意味し、iはイソを意味し、cはシクロを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、MeOはメトキシを意味し、EOtはエトキシを意味し、MeSはメチルチオを意味し、EtSはエチルチオを意味し、-CNはシアノを意味し、そして-NO2はニトロを意味する。
【0236】
【0237】
本開示は表2A~33Aも含み、これらはそれぞれ、表1Aの列の見出し(すなわち、「R1及びR2はFである」)が、以下に示されるそれぞれの列の見出しで置き換えられることを除いて、上の表1Aと同じ構成である。例えば、表2Aにおいて、列の見出しは「R1及びR2はClである」であり、そしてR6は上の表1Aにおいて定義されるとおりである。
【0238】
【0239】
表1B
表1Bは、表1Aにおける化学構造が以下の構造で置き換えられていること以外は表1Aと同じである:
【化22】
【0240】
表2B~33B
表2B~33Bは、表2A~33Aと同様のやり方で構成される。
【0241】
表1C
表1Cは、表1Aにおける化学構造が以下の構造で置き換えられていること以外は表1Aと同じである:
【化23】
【0242】
表2C~33C
表2C~33Cは、表2A~33Aと同様のやり方で構成される。
【0243】
表1D
表1Dは、表1Aにおける化学構造が以下の構造で置き換えられていること以外は表1Aと同じである:
【化24】
【0244】
表2D~33D
表2D~33Dは、表2A~33Aと同様のやり方で構成される。
【0245】
製剤/実用性
本発明の式1の化合物(そのN-オキシド、水和物、及び塩を含む)は一般に、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される、担体として機能する少なくとも1つのさらなる成分とともに、組成物、すなわち製剤で殺菌活性成分として使用される。製剤又は組成物の成分は、活性成分の物理特性、施用様式、並びに土壌の種類、湿度及び温度のような環境因子と調和するように選択される。
【0246】
有用な製剤は、液体及び固体の両方の組成物を含む。液体組成物としては、液剤(乳濁
液を含む)、懸濁剤、エマルション剤(マイクロエマルション及び/又はサスポエマルションを含む)などが挙げられ、これらは場合により粘度を高くしてゲルにされ得る。水性液体組成物の一般的な種類は、液剤、SC剤(suspension concentrate)、CS剤(capsule suspension)、濃厚エマルション、マイクロエマルション、及びサスポエマルションである。非水性液体組成物の一般的な種類は、乳濁液、マイクロ乳濁液(microemulsifiable concentrate)、DC剤(dispersible concentrate)及びOD剤(oil dispersion)である。
【0247】
固体組成物の一般的な種類は、粉剤、粉末、粒剤、ペレット、丸剤(pill)、芳香錠、錠剤、充填膜(filled films)(種子コーティングを含む)などであり、これらは水分散性(「水和性」)でも水溶性でもよい。膜形成性溶液又は流動性の懸濁液から形成される膜及びコーティングは、種子処理のために特に有用である。活性成分を(マイクロ)カプセル封入して、さらに懸濁液又は固形の剤形に形成することができ;あるいは、活性成分の製剤全体をカプセル封入(又は「上塗り」)することができる。カプセル封入は活性成分の放出を制御又は遅延することができる。乳化可能な顆粒剤は、乳濁液製剤及び乾燥顆粒製剤の両方の利点を組み合わせる。高強度の組成物は、主にさらなる製剤化のための中間物として使用される。
【0248】
噴霧可能製剤は、典型的には噴霧前に適切な媒体中に広げられる。このような液体及び固体の製剤は、噴霧媒体、通常は水であるが、芳香族若しくはパラフィン系炭化水素又は植物油のような別の適切な媒体であることもある媒体で容易に希釈されるように製剤化される。散布量は、1ヘクタールあたり約1リットルから数千リットルまでの範囲に及び得るが、より典型的には、1ヘクタールあたり約10リットルから数百リットルの範囲に及び得る。噴霧可能な製剤は、空中散布若しくは地上散布による葉処理のため、又は植物の成長媒体への施用のために、水又は別の適切な媒体とタンク混合され得る。液体及び乾燥製剤は、点滴灌漑システム中に直接測って入れられても、種まきの間に畝間に測って入れられてもよい。液体及び固体製剤を、発生する根及び他の地中植物部分及び/又は葉を全身取り込みにより防疫するために、種まきの前に種子処理として農作物及び望ましい植生の種子上に施用してもよい。
【0249】
製剤は、典型的には、合計で100質量%になる以下の適切な範囲内の有効量の活性成分、希釈剤及び界面活性剤を含有する。
【0250】
【0251】
固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト及びカオリンのような粘土、石こう、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、ラクトース、スクロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム、並びに硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤は、Watkins etal.、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers、第二版、Dorland Books、Caldwell、New Jerseyに記載されている。
【0252】
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリドン)、リン酸アルキル(例えば、リン酸トリエチル)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、パラフィン類(例えば、白色鉱油、直鎖パラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化(dearomatized)脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ケトン、例えばシクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセテート、例えば酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシル及び酢酸イソボルニル、その他のエステル、例えばアルキル化乳酸エステル、二塩基性エステル、安息香酸アルキル及び安息香酸アリール並びにγ-ブチロラクトン、並びに直鎖でも分枝でも飽和でも不飽和でもよいアルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール及びベンジルアルコールが挙げられる。液体希釈剤はまた飽和及び不飽和脂肪酸(典型的にはC6-C22)のグリセロールエステル、例えば、植物種子及び果実油(例えば、オリーブ、トウゴマ、リンシード、ゴマ、トウモロコシ(メイズ)、落花生、ヒマワリ、ブドウ種子、ベニバナ、綿実、ダイズ、ナタネ、ココナツ及びパーム核の油)、動
物由来脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)、及びそれらの混合物も含む。液体希釈剤はまた、アルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)も含み、ここで脂肪酸は植物及び動物由来のグリセロールエステルの加水分解により入手され得、蒸留により精製することができる。典型的な液体希釈剤は、Marsden、Solvents guide、第二版、Interscience、New York、1950に記載される。
【0253】
本発明の固体及び液体組成物は、しばしば1つ又はそれ以上の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(「表面活性剤」としても知られる)は、一般的には、液体の表面張力を改変し、最も頻繁には減少させる。界面活性剤分子中の親水性及び親油性基の性質に依存して、界面活性剤は湿潤剤、分散剤、乳化剤又は消泡剤として有用であり得る。
【0254】
界面活性剤は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性として分類され得る。本発明の組成物に有用な非イオン性界面活性剤としては、限定されないが:アルコキシル化アルコール、例えば天然及び合成のアルコール(分枝でも直鎖でもよい)に基づき、そしてアルコールとエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造されるアルコキシ化アルコール;エトキシル化アミン、アルカノールアミド及びエトキシル化アルカノールアミド;アルコキシル化トリグリセリド、例えばエトキシル化ダイズ油、ヒマシ油及び菜種油;アルキルフェノールアルコキシラート、例えばオクチルフェノールエトキシラート、ノニルフェノールエトキシラート、ジノニルフェノールエトキシラート及びドデシルフェノールエトキシラート(フェノールとエチレンオキシドプロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される);エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから製造されるブロックポリマー及び末端ブロックがプロピレンオキシドから製造される逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステル及びオイル;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物から製造されたものを含む);脂肪酸エステル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシル化エステル、例えば、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステル;他のソルビタン誘導体、例えば、ソルビタンエステル;ポリマー界面活性剤、例えば、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキルペグ(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフト又は櫛形ポリマー及び星形ポリマー;ポリエチレングリコール(ペグ);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベースの界面活性剤;並びに糖誘導体、例えばスクロースエステル、アルキルポリグリコシド及びアルキルポリサッカライドが挙げられる。
【0255】
有用なアニオン性界面活性剤としては、限定されないが:アルキルアリールスルホン酸及びそれらの塩;カルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシラート;ジフェニルスルホナート誘導体;リグニン及びリグニン誘導体、例えば、リグノスルホナート;マレイン酸又はコハク酸又はそれらの無水物;オレフィンスルホナート;リン酸エステル、例えば、アルコールアルコキシラートのリン酸エステル、アルキルフェノールアルコキシラートのリン酸エステル、及びスチリルフェノールエトキシラートのリン酸エステル;タンパク質ベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテル硫酸塩;オイル及び脂肪酸の硫酸塩及びスルホン酸塩;エトキシル化アルキルフェノールの硫酸塩及びスルホン酸塩;アルコールの硫酸塩;エトキシル化アルコールの硫酸塩;アミン及びアミドのスルホン酸塩、例えば、N,N-アルキルタウレート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、並びにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホン酸塩;縮合ナフタレンのスルホン酸塩;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホン酸塩;分留石油のスルホン酸塩;スルホスクシンアミド酸塩;並びにスルホコハク酸塩及びそれらの誘導
体、例えばジアルキルスルホコハク酸塩が挙げられる。
【0256】
有用なカチオン性界面活性剤としては、限定されないが:アミド及びエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラミンのようなアミン類、並びにエトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミン(アミンとエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される);アミン塩、例えば酢酸アミン及びジアミン塩;第四級アンモニウム塩、例えば、第四級塩、エトキシル化第四級塩及び二第四級塩;並びにアミンオキシド、例えばアルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドが挙げられる。
【0257】
非イオン性及びアニオン性界面活性剤の混合物又は非イオン性及びカチオン性界面活性剤の混合物も本発明の組成物に有用である。非イオン性、アニオン性及びカチオン性界面活性剤並びにそれらの推奨される使用は、様々な公開された参考文献に開示されており、これらの参考文献としては、McCutcheon’s Division、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.により発行されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents、年刊国際版及び北米版;Sisely and Wood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ. Co.、Inc.、New York、1964;並びにA. S. Davidson and B. Milwidsky、Synthetic Detergents、第7版、John Wiley and Sons、New York、1987が挙げられる。
【0258】
本開示の組成物はまた、製剤化助剤として当業者に知られる製剤補助剤及び添加剤を含有していてもよい。このような製剤化補助剤及び添加剤は:pH(緩衝剤)、処理の間の発泡(ポリオルガノシロキサン類のような消泡剤(例えば、Rhodorsil(登録商標)416))、活性成分の沈降作用(懸濁化剤)、粘性(チキソトロピック増粘剤)、容器内微生物増殖(抗菌剤)、製品凍結(不凍剤)、色(色素/顔料分散(例えば、Pro-lzed(登録商標) Colorant Red))、洗い流し(塗膜形成剤又はステッカー(stickers))、蒸発(蒸発遅延剤)、及び他の製剤化属性を制御し得る。塗膜形成剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びワックスが挙げられる。製剤化補助剤の例及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Division、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.により発行されたMcCutcheon’s Volume 2: Functional Materials、年刊国際版及び北米版;並びにPCT国際公開公報第WO03/024222号に列挙されるものが挙げられる。
【0259】
式Iの化合物及び任意の他の活性成分は、典型的には活性成分を溶媒に溶解することによって、又は液体若しくは乾燥希釈剤中で粉砕することにより本発明の組成物中に組み込まれる。乳濁液を含む液剤は、単に成分を混合することにより製造することができる。乳濁液としての使用を意図された液体組成物の溶媒が水不混和性である場合、水で希釈する際に活性成分含有溶媒を乳化させるために典型的には乳化剤を加える。2,000μmまでの粒径を有する活性成分スラリーを、媒体ミルを使用して湿式粉砕し、3μm未満の平均直径を有する粒子を得ることができる。水性スラリーを、完成したSC剤にすることができ(例えば、U.S.3,060,084を参照のこと)、又は噴霧乾燥によりさらに処理して水和性粒剤を形成することができる。乾燥製剤は通常、乾式粉砕プロセスを必要とし、これは2~10μm範囲内の平均粒径を生じる。粉剤及び粉末は、混合及び通常は
粉砕(例えば、ハンマーミル又は流体エネルギーミルを用いて)により製造され得る。粒剤及びペレットは、活性物質を予め形成された粒状担体に噴霧することにより、又は凝集技術により製造され得る。Browning、「Agglomeration」、Chemical Engineering、1967年12月4日、147-48頁、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、第4版、McGraw-Hill、New York、1963、8-57頁及び下記、並びにWO91/13546を参照のこと。ペレットは、U.S.4,172,714に記載されるように製造され得る。水和性及び水溶性粒剤は、U.S.4,144,050、U.S.3,920,442及びDE3,246,493において教示されるように製造され得る。錠剤は、U.S.5,180,587、U.S.5,232,701及びU.S.5,208,030において教示されるように製造され得る。フィルムはgB2,095,558及びU.S.3,299,566において教示されるように製造され得る。
【0260】
本発明の一実施形態は、本発明の殺菌性組成物(界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤とともに製剤化された式1の化合物、又は式1の化合物及び少なくとも1つの他の殺菌剤との製剤化混合物)を水で希釈すること、及び場合によりアジュバントを加えて希釈された組成物を形成すること、並びに真菌病原体又はその環境を有効量の上記希釈された組成物と接触させることを含む、真菌病原体を防除するための方法に関する。
【0261】
十分な濃度の本発明の殺菌性組成物を水で希釈することにより形成されたスプレー組成物は、真菌病原体を防除するために十分な有効性を提供し得るが、別々に製剤化されたアジュバント製品をスプレータンク混合物に加えてもよい。これらの追加のアジュバントは、一般的に「スプレーアジュバント」又は「タンクミックスアジュバント」として知られ、これらとしては、殺虫剤の性能を改善するため又はスプレー混合物の物理的特性を変更するためにスプレータンクにおいて混合される任意の物質が挙げられる。アジュバントは、アニオン性若しくは非イオン性の界面活性剤、乳化剤、石油ベースの作物オイル、作物由来の種油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤又は消泡剤であり得る。アジュバントは、有効性の増強(例えば、生物学的利用率、接着、浸透、被覆率の均一性及び防疫の永続性)、又は不適合性、発泡、ドリフト、蒸発、揮発及び分解に関連する噴霧施用の問題を最少にするか若しくは排除するために使用される。最適な性能を得るために、アジュバントは、活性成分の特性、製剤及び標的(例えば、農作物、有害昆虫)に関して選択される。
【0262】
スプレー混合物に加えられるアジュバントの量は、一般には約2.5体積%~0.1体積%の範囲内である。スプレー混合物に加えられるアジュバントの施用量は、典型的には1ヘクタールあたり約1~5Lである。スプレーアジュバントの代表例としては:Adigor(登録商標)(Syngenta)液体炭化水素中47%メチル化菜種油、Silwet(登録商標)(Helena Chemical Company) ポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサン及びAssist(登録商標)(BASF) 83%パラフィン系鉱油中17%界面活性剤ブレンドが挙げられる。
【0263】
種子処理の1つの方法は、種を播く前に本発明の化合物を(すなわち、製剤化された組成物として)種子に噴霧又は散布することによるものである。種子処理のために製剤化された組成物は、一般に塗膜形成剤又は接着剤を含む。したがって、典型的には本発明の種子コーティング組成物は、生物学的有効量の式1の化合物及び塗膜形成剤又は接着剤を含む。種子は、フロアブル製剤を種子の回転床に直接噴霧し、次いで種子を乾燥することにより被覆され得る。あるいは、水和剤、液剤、サスポエマルション、乳濁液及び水中エマルションのような他の剤型を種子上に噴霧してもよい。このプロセスは、種子上に塗膜形成するために特に有用である。様々なコーティング機及びコーティングプロセスが当業者に利用可能である。適切なプロセスとしては、P. Kosters et al.、Seed Treatment: Progress and Prospects、19
94 BCPC Mongraph No.57、及びその中で列挙される参考文献において列挙されるものが挙げられる。
【0264】
製剤化技術に関するさらなる情報については、Pesticide Chemistry and Bioscience、The Food-Environment Challenge、T. Brooks及びT. R. Roberts編、 Proceedings of the 9th International Congress
on Pesticide Chemistry、The Royal Society of Chemistry、Cambridge、1999、120-133頁におけるT.S. Woods、「The Formulator’s Toolbox -
Product Forms for Modern Agriculture」を参照のこと。U.S.3,235,361、第6欄、16行~第7欄、19行及び実施例10~41;U.S.3,309,192、第5欄、43行~第7欄、62行及び実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138-140、162-164、166、167及び169~182;U.S.2,891,855、第3欄、66行~第5欄、17行及び実施例1~4;Klingman、Weed Control as a Science、John Wiley and Sons、Inc.、New
York、1961、81~96頁;Hance etal.、Weed Control Handbook、8thEd.、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1989;並びにDevelopments
in formulation technology、PJB Publications、Richmond、UK、2000も参照のこと。
【0265】
以下の実施例において、全てのパーセンテージは質量によるものであり、そして全ての製剤は従来の方法で製造される。化合物番号は索引表A~Gにおける化合物を指す。さらに入念にしなくとも、当業者は以前の記載を使用して、本発明をその完全な程度まで利用することができると考えられる。したがって以下の実施例は、単に説明のためのものであり、本開示をいかなるようにも限定しないと解釈されるべきである。
【0266】
実施例A
高強度濃縮物
化合物1 98.5%
シリカエアロゾル 0.5%
合成非晶質微細シリカ 1.0%
【0267】
実施例B
水和剤
化合物3 65.0%
ドデシルフェノール ポリエチレングリコールエーテル 2.0%
リグニンスルホン酸ナトリウム 4.0%
アルミノケイ酸ナトリウム 6.0%
モンモリロナイト(焼成) 23.0%
【0268】
実施例C
粒剤
化合物4 10.0%
アタパルジャイト顆粒(低揮発性物質、0.71/0.30mm;U.S.S. No.25-50篩) 90.0%
【0269】
実施例D
押出成形ペレット
化合物5 25.0%
無水硫酸ナトリウム 10.0%
粗製リグニンスルホン酸カルシウム 5.0%
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 1.0%
カルシウム/マグネシウムベントナイト 59.0%
【0270】
実施例E
乳濁液
化合物6 10.0%
ヘキサオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール 20.0%
C6-C10脂肪酸メチルエステル 70.0%
【0271】
実施例F
マイクロエマルション
化合物7 5.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 30.0%
アルキルポリグリコシド 30.0%
モノオレイン酸グリセリル 15.0%
水 20.0%
【0272】
実施例G
種子処理
化合物8 20.00%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 5.00%
モンタン酸ワックス 5.00%
リグニンスルホン酸カルシウム 1.00%
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー 1.00%
ステアリルアルコール(POE20) 2.00%
ポリオルガノシラン 0.20%
赤色顔料色素 0.05%
水 65.75%
【0273】
実施例H
肥料スティック
化合物10 2.50%
ピロリドン-スチレンコポリマー 4.80%
トリスチリルフェニル 16-エトキシラート 2.30%
タルク 0.80%
コーンスターチ 5.00%
持続放出肥料 36.00%
カオリン 38.00%
水 10.60%
【0274】
実施例I
SC剤
化合物33 35%
ブチル ポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
水 53.7%
【0275】
実施例J
EW剤(Emulsion in Water)
化合物41 10.0%
ブチル ポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油系炭化水素 20.0
水 58.7%
【0276】
実施例K
OD剤(Oil Dispersion)
化合物68 25%
ヘキサオレイン酸 ポリオキシエチレンソルビトール 15%
有機的に改良されたベントナイト粘土 2.5%
脂肪酸メチルエステル 57.5%
【0277】
実施例L
サスポエマルション
化合物115 10.0%
イミダクロプリド 5.0%
ブチル ポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンガム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーン系消泡剤 0.1%
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油系炭化水素 20.0%
水 53.7%
【0278】
水溶性及び水和性の製剤は、典型的には施用前に水で希釈されて水性組成物を形成する。植物又はその一部への直接施用のための水性組成物(例えば、スプレータンク組成物)は、典型的には少なくとも約1ppm又はそれ以上(例えば、1ppm~100ppm)の本発明の化合物を含有する。
【0279】
種子は通常は種子1キログラムあたり約0.001g(より典型的には約0.1g)~約10g(すなわち、処理前の種子の約0.0001~1質量%)の量で処理される。種子処理のために製剤化されたフロアブル製剤は、典型的には活性成分約0.5~約70%、塗膜形成性接着剤約0.5~約30%、分散剤約0.5~約20%、増粘剤0~約5%、顔料及び/又は色素0~約5%、消泡剤0~約2%、保存料約1%、並びに揮発性液体
希釈剤0~約75%を含む。
【0280】
本発明の化合物は、植物病害防除薬剤として有用である。したがって本発明は、防疫しようとする植物若しくはその部分に、又は防疫しようとする植物種子に、有効量の本発明の化合物又は該化合物を含有する殺菌性組成物を施用することを含む、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除するための方法をさらに含む。本発明の化合物及び/又は組成物は、子嚢菌門、担子菌門、接合菌門、及び真菌様の卵菌門における広範囲の真菌植物病原体により引き起こされる病害の防除を提供する。これらは観賞植物、芝土、野菜、グランド、穀草類、及び果実農作物の広範囲の植物病害、特に葉の病害を防除する際に有効である。これらの病原体としては、限定されないが、表1-1に列挙されるものが挙げられる。子嚢菌類及び担子菌類については、有性/有性世代/完全時代についての名称に加えて無性/無性世代/不完全時代(括弧内)の両方の名称を知られている場合にリストに記載する。病原体の同義語は等号により示される。例えば、有性/有性世代/完全時代の名称ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)の後に、対応する無性/無性世代/不完全時代の名称スタグノスポラ・ノドルム(Stagnospora nodorum)及び同義の古い名称セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)が続く。
【0281】
【0282】
【0283】
それらの殺真菌性活性に加えて、組成物又は組み合わせは、火傷病菌(Erwinia
amylovora)、ザントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、及
び他の関連する種のような細菌に対する活性も有する。有害な微生物を防除することにより、本発明の化合物は、農作物植物若しくはそれらのムカゴ(例えば、種子、球茎、鱗茎、塊茎、挿し木)と接触しているか又は農作物若しくはそれらのムカゴの農学的環境中にある有害微生物に対する有益微生物の比率を改善する(すなわち、増加させる)ために有用である。
【0284】
本発明の化合物は、全ての植物、植物部分及び種子の処理において有用である。植物及び種子の変種及び品種は、従来の増殖及び育種方法により、又は遺伝子操作方法により得ることができる。遺伝子改変された植物又は種子(トランスジェニック植物又は種子)は、異種遺伝子(導入遺伝子)が植物又は種子のゲノム中に安定に組み込まれているものである。植物ゲノム中のその特定の位置により定義される導入遺伝子は、形式転換又はトランスジェニック事象で呼ばれる。
【0285】
本発明に従って処理することができる遺伝子改変された植物品種としては、1つ若しくはそれ以上の生物的ストレス(線虫、昆虫、ダニ、真菌などのような有害生物)若しくは非生物ストレス(乾燥、低温、土壌塩分など)に対して抵抗性のもの、又は他の望ましい特徴を含むものが挙げられる。植物は、例えば、除草剤耐性、昆虫抵抗性、改善された油分プロフィール又は乾燥耐性の特質を示すように遺伝子改変され得る。
【0286】
本発明の化合物を用いた遺伝子改変された植物及び種子の処理は、優加法性又は増強された効果を生じ得る。例えば、施用量の減少、活性範囲の拡大、生物・非生物ストレスに対する増加した耐性又は増強された貯蔵安定性は、遺伝子改変された植物及び種子に対する本発明の化合物の施用の単なる相加効果から期待されるよりも高くなり得る。
【0287】
本発明の化合物は、植物病害から種子を防疫するための種子処理において有用である。本開示及び特許請求の範囲の文脈において、種子を処理することは、種子を生物学的有効量の本発明の化合物と接触させることを意味し、該化合物は、典型的には本発明の組成物として製剤化される。この種子処理は、土壌伝搬性病害の病原体から種子を防疫し、そして一般的には、発芽する種子から発生する実生の土壌と接触している根及び他の植物部分も防疫することができる。種子処理はまた、本発明の化合物又は発生する植物内の第二の活性成分の転流により葉の防疫も提供し得る。種子処理は、特殊化された形質を発現するように遺伝的に形質転換された植物がその種子から出芽するものを含む全ての型の種子に施用され得る。代表例としては、無脊椎有害動物に対して毒性のタンパク質、例えばバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現するもの、又はグリホサートに対する抵抗性を与えるグリホサートアセチルトランスフェラーゼのような除草剤抵抗性を発現するものが挙げられる。本発明の化合物を用いた種子処理はまた、その種子から成長する植物の生命力を増大させ得る。
【0288】
単独並びに他の殺菌剤、殺線虫剤及び殺虫剤との組み合わせの両方での本発明の化合物及びそれらの組成物は、農作物のための種子処理において特に有用であり、これらとしては、限定されないが、メイズ又はトウモロコシ、ダイズ、綿実、穀物(例えば、コムギ、オートムギ、オオムギ、ライムギ及びイネ)、ジャガイモ、野菜類及び菜種が挙げられる。
【0289】
さらに、本発明の化合物は、真菌及び細菌により引き起こされる果実及び野菜類の収穫後の病害を処理する際に有用である。これらの感染は、収穫の前、間及び後に起こり得る。例えば、感染は収穫の前に起こり得、その後、成熟の間のある時点まで休眠状態のままであり得る(例えば、宿主は感染が進行し得るような方法で組織変化を開始する);また、感染は機械的又は昆虫の損傷により生じた表面の傷から生じ得る。これに関して、本発明の化合物は、収穫から消費までのいずれの時点でも発生し得る収穫後病害に起因する損
害(すなわち、量及び品質から生じる損害)を低減し得る。本発明の化合物を用いた収穫後病害の処置は、痛みやすい食用植物部分(例えば、果実、種子、葉、茎、鱗茎、塊茎)を収穫後に冷蔵又は非冷蔵で貯蔵できる期間を増加させ、そして食べられ、かつ真菌又は他の微生物による目立つか又は有害な分解又は汚染のない状態のままにすることができる。本発明の化合物を用いた収穫の前又は後の食用植物部分の処理はまた、真菌又は他の微生物の毒性代謝物、例えばアフラトキシンのような真菌毒の形成を減少させることができる。
【0290】
植物病害防除は、通常は有効量の本発明の化合物を、感染前又は感染後に、防疫しようとする植物の部分、例えば、根、茎、葉、果実、種子、塊茎若しくは鱗茎に、又は防疫しようとする植物が成長する媒体(土壌又は砂)に施用することにより達成される。化合物はまた、種子及び種子から発生する実生を防疫するために施用され得る。化合物はまた、植物を処理するために灌漑用水を介して施用され得る。農産物に感染する収穫後病原体の収穫前の防除は、典型的には本発明の化合物の田畑の施用により達成され、感染が収穫後に起きる場合には、化合物は収穫された農作物に、ディップ、スプレー、燻蒸剤、処理された包装材及び箱の裏打ちとして施用され得る。
【0291】
これらの化合物についての施用量(すなわち、殺菌有効量)は、防除しようとする植物病害、防疫しようとする植物種、周囲湿度及び温度のような因子に影響を受ける場合があり、そして実際の使用条件下で決定されるべきである。当業者は、植物病害防除の所望のレベルに必要な殺菌有効量を簡単な実験により容易に決定することができる。葉は通常は、活性成分約1g/ha未満から約5,000g/haまでの量で処理された場合に防疫され得る。種子及び実生は、通常は種子が種子1キログラムあたり約0.001g(より典型的には約0.1g)~約10gの量で処理された場合に防疫され得る。
【0292】
本開示の化合物はまた、1つ又はそれ以上の他の生物学的に活性な化合物又は薬剤と混合して、さらにより広範囲の農学的保護を与える多成分農薬を形成することができ、これらの化合物又は薬剤としては、殺菌剤(fungicides)、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤(bactericides)、殺ダニ剤、除草剤、除草剤薬害軽減剤、成長調整剤、例えば昆虫脱皮阻害剤及び発根刺激剤、化学不妊化剤、情報物質、忌避物質、誘引剤、フェロモン、摂食刺激薬、植物栄養素、他の生物学的に活性な化合物又は昆虫病原性細菌、ウイルス若しくは真菌が挙げられる。したがって、本開示はまた、式Iの化合物(殺菌有効量で)及び少なくとも1つのさらなる生物学的に活性な化合物又は薬剤(生物学的有効量で)を含む組成物に関し、そしてこれは少なくとも1つの界面活性剤、固体希釈剤又は液体希釈剤をさらに含んでいてもよい。他の生物学的に活性な化合物又は薬剤は、界面活性剤、固体又は液体希釈剤の少なくとも1つを含む組成物に製剤化され得る。本開示の混合物には、1つ若しくはそれ以上の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤が、式Iの化合物と一緒に製剤化されてプレミックスを形成することができ、又は1つ若しくはそれ以上の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤を、式Iの化合物と別々に製剤化することができ、そしてこれらの製剤は、施用前に(例えば噴霧タンクで)混合されるか、またあるいは、連続して施用される。
【0293】
本発明の要旨において述べたように、本発明の一態様は、式1の化合物、そのN-オキシド、又は塩(すなわち、成分a)、及び少なくとも1つの他の殺菌剤(すなわち、成分b)を含む(すなわち、混合物又は組み合わせ)殺菌性組成物である。注目すべきは、他の殺菌活性成分が、式1の化合物と異なる作用部位を有するような組み合わせである。ある特定の例において、類似した防除範囲を有するが、作用部位が異なる少なくとも1つの他の殺菌活性成分との組み合わせは、抵抗性管理のために特に有利である。したがって、本発明の組成物は、類似した防除範囲を有するが作用部位が異なる殺菌有効量の少なくとも1つのさらなる殺菌活性成分をさらに含んでいてもよい。
【0294】
注目すべきは、成分(a)の式1の化合物に加えて、成分(b)として、FRACにより定義された作用機構(MOA)クラス(A)核酸合成、(B)有糸分裂及び細胞分裂、(C)呼吸、(D)アミノ酸及びタンパク質合成、(E)シグナル伝達、(F)脂質合成及び細胞膜完全性、(G)細胞膜のステロール生合成、(H)膜における細胞壁生合成、(I)細胞壁におけるメラニン合成、(P)宿主植物防御誘導、多作用点接触活性及び不明な作用機構からなる群から選択される少なくとも1つの殺菌性化合物を含む。
【0295】
上のMOAクラスに属するそれらのFRAC標的部位コードとともにFRACに認められるか又は提案される標的作用部位は、(A1)RNAポリメラーゼI、(A2)アデノシンデアミナーゼ、(A3)DNA/RN生合成(提案中)、(A4)DNAトポイソメラーゼ、(B1-B3)有糸分裂におけるβ-チューブリン重合、(B4)細胞分裂(提案中)、(B5)スペクトリン様タンパク質の非局在化、(C1)複合体I NADH酸化還元酵素、(C2)複合体II:コハク酸脱水素酵素、(C3)複合体III:チトクロームbc1(ユビキノール酸化酵素)Qo部位、(C4)複合体III:チトクロームbc1(ユビキノン還元酵素)Qi部位、(C5)酸化的リン酸化の脱共役、(C6)酸化的リン酸化、ATP合成酵素の阻害剤、(C7)ATP産生(提案中)、(C8)複合体III:チトクロームbc1(ユビキノン還元酵素)Qx(不明)部位、(D1)メチオニン生合成(提案中)、(D2-D5)タンパク質生合成、(E1)シグナル伝達(作用機構不明)、(E2-E3)MAP/浸透圧シグナル伝達におけるヒスチジンキナーゼ、(F2)リン脂質生合成、メチルトランスフェラーゼ、(F3)脂質過酸化(提案中)、(F4)細胞膜透過性、脂肪酸(提案中)、(F6)病原菌細胞膜の微生物撹乱、(F7)細胞膜の撹乱(提案中)、(G1)ステロール生合成のC14-脱メチル化酵素、(G2)ステロール生合成におけるΔ14-還元酵素及びΔ8→Δ7-イソメラーゼ、(G3)3-ケト還元酵素、C4-脱メチル化、(G4)ステロール生合成のスクワレンエポキシダーゼ、(H3)トレハラーゼ及びイノシトール生合成、(H4)キチン合成酵素、(H5)セルロース合成酵素、(I1)メラニン生合成の還元酵素、並びに(I2)メラニン生合成の脱水酵素である。
【0296】
特に注目すべきは、成分(a)の式1の化合物に加えて、成分(b)として、クラス(b1)ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル(MBC)殺菌剤;(b2)ジカルボキシイミド殺菌剤;(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺菌剤;(b4)フェニルアミド殺菌剤;(b5)アミン/モルホリン殺菌剤;(b6)リン脂質生合成阻害剤殺菌剤;(b7)コハク酸脱水素酵素阻害剤殺菌剤;(b8)ヒドロキシ(2-アミノ-)ピリミジン殺菌剤;(b9)アニリノピリミジン殺菌剤;(b10)N-フェニルカルバミン酸殺菌剤;(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺菌剤;(b12)フェニルピロール殺菌剤;(b13)アザナフタレン殺菌剤;(b14)脂質過酸化阻害剤殺菌剤;(b15)メラニン生合成阻害剤-還元酵素(MBI-R)殺菌剤;(b16)メラニン生合成阻害剤-脱水酵素(MBI-D)殺菌剤;(b17)ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスIII殺菌剤;(b18)スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺菌剤;(b19)ポリオキシン殺菌剤;(b20)フェニル尿素殺菌剤;(b21)キノン内部阻害剤(QiI)殺菌剤;(b22)ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺菌剤;(b23)エノピランウロン酸(enopyranuronic acid)抗生物質殺菌剤;(b24)ヘキソピラノシル抗生物質殺菌剤;(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌剤;(b26)グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼ及びイノシトール生合成殺菌剤;(b27)シアノアセトアミドオキシム殺菌剤;(b28)カルバミン酸殺菌剤;(b29)酸化的リン酸化脱共役殺菌剤;(b30)有機スズ殺菌剤;(b31)カルボン酸殺菌剤;(b32)ヘテロ芳香族殺菌剤;(b33)ホスホネート殺菌剤;(b34)フタルアミド酸殺菌剤;(b35)ベンゾトリアジン殺菌剤;(b36)ベンゼン-スルホンアミド殺菌剤;(b37)ピリダジノン殺菌剤;(b38)チオフェン-カ
ルボキサミド殺菌剤;(b39)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤殺菌剤;(b40)カルボン酸アミド(CAA)殺菌剤;(b41)テトラサイクリン抗生物質殺菌剤;(b42)チオカルバミン酸殺菌剤;(b43)ベンズアミド殺菌剤;(b44)微生物殺菌剤;(b45)QxI殺菌剤;(b46)植物抽出物殺菌剤;(b47)宿主植物防御誘導殺菌剤;(b48)多作用点接触活性殺菌剤;(b49)クラス(b1)~(b48)の殺菌剤以外の殺菌剤;並びにクラス(b1)~(b48)の化合物の塩からなる群から選択される少なくとも1つの殺菌性化合物を含む。
【0297】
これらの殺菌性化合物のクラスのさらなる説明を以下に提供する。
【0298】
(b1)「ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル(MBC)殺菌剤」(FRACコード1)は、微小管重合の間β-チューブリンに結合することにより有糸分裂を阻害する。微小管重合の阻害は、細胞分裂、細胞内の輸送及び細胞構造を撹乱することができる。ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル殺菌剤としては、ベンゾイミダゾール及びチオファネート殺菌剤が挙げられる。ベンゾイミダゾール類としては、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール及びチアベンダゾールが挙げられる。チオファネート類としては、チオファネート及びチオファネート-メチルが挙げられる。
【0299】
(b2)「ジカルボキシイミド殺菌剤」(FRACコード2)は、浸透圧シグナル伝達におけるMAP/ヒスチジンキナーゼを阻害する。例としては、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン及びビンクロゾリンが挙げられる。
【0300】
(b3)「脱メチル化阻害剤(DMI)殺菌剤」(FRACコード3)(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスI)は、ステロール産生において役割を果たすC14-脱メチル化酵素を阻害する。エルゴステロールのようなステロールは、膜の構造及び機能に必要であり、機能的細胞壁の発生のために必須となっている。したがって、これらの殺菌剤への曝露は、異常な成長及び感受性の真菌の死さえ生じる。DMI殺菌剤はいくつかの化学クラスに分けられる:アゾール類(トリアゾール類及びイミダゾール類を含む)、ピリミジン類、ピペラジン類、ピリジン類及びトリアゾリンチオン類。トリアゾール類としては、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(diniconazole)(ジニコナゾール-Mを含む)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアホール(flutriafol)、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール(quinconazole)、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、及びrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾールが挙げられる。イミダゾール類としては、エコナゾール、イマザリル、オキスポコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエート及びトリフルミゾールが挙げられる。ピリミジン類としては、フェナリモル、ヌアリモル及びトリアリモール(triarimol)が挙げられる。ピペラジン類としてはトリホ
リンが挙げられる。ピリジン類としては、ブチオベート(buthiobate)、ピリフェノックス、ピリイソオキサゾール(pyrisoxazole) (3-[(3R)-5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチル3-イソオキサゾリジニル]ピリジン、3R,5R-及び3R,5S-異性体の混合物)及び(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノールが挙げられる。トリアゾリンチオン類としては、プロチオコナゾール及び2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)2-ヒドロキシブチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオンが挙げられる。生化学的研究は、上述の殺菌剤の全てが、Modern Selective Fungicides-Properties、Applications and Mechanisms of Action、H. Lyr (編)、Gustav Fischer Verlag: New York、1995、205-258においてK.H.Kuckらにより記載されるようなDMI殺菌剤であることを示した。
【0301】
(b4)「フェニルアミド殺菌剤」(FRACコード4)は、卵菌類真菌におけるRNAポリメラーゼの特異的阻害剤である。これらの殺菌剤に曝露された感受性真菌は、rRNAにウリジンを取り込む能力の減少を示す。感受性真菌における成長及び発生は、このクラスの殺菌剤への曝露により防止される。フェニルアミド殺菌剤としては、アシルアラニン、オキサゾリジノン及びブチロラクトン殺菌剤が挙げられる。アシルアラニン類としては、ベナラキシル、ベナラキシル-M(キララキシル(kiralaxyl)としても知られる)、フララキシル、メタラキシル及びメタラキシル-M(メフェノキサム(mefenoxam)としても知られる)が挙げられる。オキサゾリジノン類としてはオキサジキシルが挙げられる。ブチロラクトン類としてはオフラセ(ofurace)が挙げられる。
【0302】
(b5)「アミン/モルホリン殺菌剤」(FRACコード5)(SBI:クラスII)は、ステロール生合成経路内の2つの標的部位、Δ8 →Δ7イソメラーゼ及びΔ14還元酵素を阻害する。エルゴステロールのようなステロール類は、膜構造及び機能に必要であり、機能性細胞壁の発生に必須となる。したがって、これらの殺菌剤への曝露は、異常な成長及び感受性真菌の死さえ生じる。アミン/モルホリン殺菌剤(非DMIステロール生合成阻害剤としても知られる)としては、モルホリン、ピペリジン及びスピロケタール-アミン殺菌剤が挙げられる。モルホリン類としては、アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ(tridemorph)及びトリモルフアミド(trimorphamide)が挙げられる。ピペリジン類としては、フェンプロピジン及びピペラリンが挙げられる。スピロケタール-アミン類としてはスピロキサミンが挙げられる。
【0303】
(b6)「リン脂質生合成阻害剤殺菌剤」(FRACコード6)は、リン脂質生合成に影響を及ぼすことにより真菌の成長を阻害する。リン脂質生合成殺菌剤としては、ホスホロチオラート及びジチオラン殺菌剤が挙げられる。ホスホロチオラート類としては、エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス及びピラゾホスが挙げられる。ジチオラン類としてはイソプロチオランが挙げられる。
【0304】
(b7)「コハク酸脱水素酵素阻害剤(SDHI)殺菌剤」(FRACコード7)は、コハク酸脱水素酵素と呼ばれるクレブス回路(TCA回路)における鍵となる酵素を撹乱することにより複合体II真菌呼吸を阻害する。呼吸の阻害は、真菌がATPを作製することを防ぎ、それ故成長及び繁殖を阻害する。SDHI殺菌剤としては、フェニルベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、ピリジンカルボキサミド、フェニルオキソエチル
チオフェンアミド、及びピリジニルエチルベンズアミド類が挙げられる。ベンズアミド類としては、ベノダニル、フルトラニル及びメプロニルが挙げられる。フランカルボキサミド類としてはフェンフラムが挙げられる。オキサチインカルボキサミド類としては、カルボキシン及びオキシカルボキシンが挙げられる。チアゾールカルボキサミド類としてはチフルザミドが挙げられる。ピラゾール-4-カルボキサミド類としては、ベンゾビンジフルピル (N-[9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ビキサフェン、フルインダピル(fluindapyr)、フルキサピロキサド (3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(3’,4’,5’-トリフルオロ[1,1’-ビフェニル]-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、フラメトピル、イソフルシプラム(isoflucypram)、イソピラザム (3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ペンフルフェン (N-[2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル]-5-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ペンチオピラド、ピジフルメトフェン、セダキサン (N-[2-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、N-[2-(1S,2R)-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド及びN-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-N-[[2-(1-メチルエチル)フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドが挙げられる。ピリジンカルボキサミド類としてはボスカリドが挙げられる。フェニルオキソエチルチオフェンアミド類としては、イソフェタミド (N-[1,1-ジメチル-2-[2-メチル-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-2-オキソエチル]-3-メチル-2-チオフェンカルボキサミド)が挙げられる。ピリジニルエチルベンズアミド類としてはフルオピラムが挙げられる。
【0305】
(b8)「ヒドロキシ-(2-アミノ-)ピリミジン殺菌剤」(FRACコード8)は、アデノシンデアミナーゼを妨害するすることにより核酸合成を阻害する。例としては、ブピリメート、ジメチリモール及びエチリモールが挙げられる。
【0306】
(b9)「アニリドピリミジン殺菌剤」(FRACコード9)は、アミノ酸メチオニンの生合成を阻害し、そして感染の間に植物細胞を溶解させる加水分解酵素の分泌を撹乱すると提案される。例としては、シプロジニル、メパニピリム及びピリメタニルが挙げられる。
【0307】
(b10)「N-フェニルカルバミン酸殺菌剤」(FRACコード10)は、β-チューブリンに結合し、そして微小管重合を撹乱することにより有糸分裂を阻害する。微小管重合の阻害は、細胞分裂、細胞内の輸送及び細胞構造を撹乱し得る。例としてはジエトフェンカルブが挙げられる。
【0308】
(b11)「キノン外部阻害剤(QoI)殺菌剤」(FRACコード11)は、ユビキノールオキシダーゼに影響を及ぼすことにより真菌において複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する。ユビキノールの酸化は、真菌の内部ミトコンドリア膜に位置するチトクロムbc1複合体の「キノン外部」(Qo)部位において遮断される。ミトコンドリア呼吸の阻害は、正常な真菌の成長及び発生を妨害する。キノン外部阻害剤殺菌剤としては、
メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、オキシイミノアセテート、オキシイミノアセトアミド及びジヒドロジオキサジン殺菌剤(集合的にストロビルリン殺菌剤としても知られる)、並びにオキサゾリジンジオン、イミダゾリノン及びベンジルカルバメート殺菌剤が挙げられる。メトキシアクリレート類としては、アゾキシストロビン、クモキシストロビン(coumoxystrobin) ((αE)-2-[[(3-ブチル-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-7-イル)オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸メチル)、エノキサストロビン(enoxastrobin)((αE)-2-[[[(E)-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)-1-メチル-2-プロペン-1-イリデン]アミノ]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸メチル)(エネストロブリン(enestroburin)としても知られる)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)((αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸メチル)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、及びピラオキシストロビン(pyraoxystrobin) ((αE)-2-[[[3-(4-クロロフェニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸メチル)が挙げられる。メトキシカルバメート類としては、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン(pyrametostrobin) (N-[2-[[(1,4-ジメチル-3-フェニル-1H-ピラゾール-5-イル)オキシ]メチル]フェニル]-N-メトキシカルバミン酸メチル)及びトリクロピリカルブ(triclopyricarb) (N-メトキシ-N-[2-[[(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジニル)オキシ]メチル]フェニル]カルバミン酸メチル)が挙げられる。オキシイミノアセテート類としては、クレソキシム-メチル及びトリフロキシストロビンが挙げられる。オキシイミノアセトアミド類としては、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン(fenaminstrobin) ((αE)-2-[[[(E)-[(2E)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-2-プロペン-1-イリデン]アミノ]オキシ]メチル]-α-(メトキシイミノ)-N-メチルベンゼンアセトアミド)、メトミノストロビン、オリサストロビン及びα-[メトキシイミノ]-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミドが挙げられる。ジヒドロジオキサジン類としてはフルオキサストロビンが挙げられる。オキサゾリジンジオン類としてはファモキサドンが挙げられる。イミダゾリノン類としてはフェンアミドン(fenamidone)が挙げられる。ベンジルカルバメート類としてはピリベンカルブが挙げられる。クラス(b11)はマンデストロビン (2-[(2,5-ジメチルフェノキシ)メチル]-α-メトキシ-N-ベンゼンアセトアミド)も含む。
【0309】
(b12)「フェニルピロール殺菌剤」(FRACコード12)は、真菌における浸透圧シグナル伝達に関連するMAP/ヒスチジンキナーゼを阻害する。フェンピクロニル及びフルジオキソニルはこの殺菌剤クラスの例である。
【0310】
(b13)「アザナフタレン殺菌剤」(FRACコード13)は、未だ不明である機構によりシグナル伝達を阻害すると提案される。これらは、ウドンコ病を引き起こす真菌において発芽及び/又は付着器形成を妨害することが示されている。アザナフタレン殺菌剤としては、アリールオキシキノリン類及びキナゾリノン類が挙げられる。アリールオキシキノリン類としてはキノキシフェンが挙げられる。キナゾリノン類としてはプロキナジド(proquinazid)が挙げられる。
【0311】
(b14)「脂質過酸化阻害剤殺菌剤」(FRACコード14)は、真菌において膜合成に影響を与える脂質過酸化を阻害すると提案される。エトリジアゾール(etridiazole)のようなこのクラスのメンバーは、呼吸及びメラニン生合成のような他の生物学的プロセスにも影響を及ぼし得る。脂質過酸化殺菌剤としては、芳香族炭化水素及び
1,2,4-チアジアゾール殺菌剤が挙げられる。芳香族炭化水素殺菌剤としては、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン及びトルクロホス-メチルが挙げられる。1,2,4-チアジアゾール類としてはエトリジアゾールが挙げられる。
【0312】
(b15)「メラニン生合成阻害剤-還元酵素(MBI-R)殺菌剤」(FRACコード16.1)は、メラニン生合成におけるナフタール(naphthal)還元工程を阻害する。メラニンはいくつかの真菌による宿主植物感染に必要である。メラニン生合成阻害剤-還元酵素殺菌剤としては、イソベンゾフラノン、ピロロキノリノン及びトリアゾロベンゾチアゾール殺菌剤が挙げられる。イソベンゾフラノン類としてはフサライドが挙げられる。ピロロキオリノン類としてはピロキロンが挙げられる。トリアゾロベンゾチアゾール類としてはトリシクラゾールが挙げられる。
【0313】
(b16)「メラニン生合成阻害剤-脱水酵素(MBI-D)殺菌剤」(FRACコード16.2)は、メラニン生合成においてシタロンデヒドラターゼを阻害する。メラニンはいくつかの真菌による宿主植物感染に必要である。メラニン生合成阻害剤-脱水酵素殺菌剤としては、シクロプロパンカルボキサミド、カルボキサミド及びプロピオンアミド殺菌剤が挙げられる。シクロプロパンカルボキサミド類としてはカルプロパミドが挙げられる。カルボキサミド類としてはジクロシメットが挙げられる。プロピオンアミド類としてはフェノキサニルが挙げられる。
【0314】
(b17)「ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスIII殺菌剤(FRACコード17)は、ステロール産生におけるC4-脱メチル化の間に3-ケトレダクターゼを阻害する。SBI:クラスIII阻害剤としては、ヒドロキシアニリド殺菌剤及びアミノ-ピラゾリノン殺菌剤が挙げられる。ヒドロキシアニリド類としてはフェンヘキサミドが挙げられる。アミノ-ピラゾリノン類としては、フェンピラザミン (S-2-プロペン-1-イル 5-アミノ-2,3-ジヒドロ-2-(1-メチルエチル)-4-(2-メチルフェニル)-3-オキソ-1H-ピラゾール-1-カルボチオアート)が挙げられる。
【0315】
(b18)「スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺菌剤」(FRACコード18)(SBI:クラスIV)は、ステロール生合成経路においてスクアレン-エポキシダーゼを阻害する。エルゴステロールのようなステロールは、膜の構造及び機能に必要であり、機能性細胞壁の発生に必須となっている。したがって、これらの殺菌剤への曝露は、感受性真菌の異常な成長及び死さえも生じる。スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺菌剤としては、チオカルバメート及びアリルアミン殺菌剤が挙げられる。チオカルバメート類としてはピリブチカルブが挙げられる。アリルアミン類としてはナフチフィン及びテルビナフィンが挙げられる。
【0316】
(b19)「ポリオキシン殺菌剤」(FRACコード19)はキチン合成酵素を阻害する。例としてはポリオキシンが挙げられる。
【0317】
(b20)「フェニル尿素殺菌剤」(FRACコード20)は、細胞分裂に影響を及ぼすと提案される。例としてはペンシクロンが挙げられる。
【0318】
(b21)「キノン内部阻害剤(QiI)殺菌剤」(FRACコード21)は、ユビキノン還元酵素に影響を及ぼすことにより真菌における複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する。ユビキノンの還元は、チトクロムbc1複合体の「キノン内部」(Qi)部位で遮断され、これは真菌の内部ミトコンドリア膜に位置する。ミトコンドリア呼吸を阻害することにより、正常な真菌成長及び発生が妨害される。キノン内部阻害剤殺菌剤としては、シアノイミダゾール及びスルファモイルトリアゾール殺菌剤が挙げられる。シアノイミダゾール類としては シアゾファミドが挙げられる。スルファモイルトリアゾール類と
してはアミスルブロムが挙げられる。
【0319】
(b22)「ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺菌剤」(FRACコード22)は、β-チューブリンに結合し、微小管重合を撹乱することにより有糸分裂を阻害する。微小管重合の阻害は、細胞分裂、細胞内の輸送及び細胞構造を撹乱し得る。ベンズアミド類としてはゾキサミドが挙げられる。チアゾールカルボキサミド類としてはエタボキサムが挙げられる。
【0320】
(b23)「エノピランウロン酸抗生物質殺菌剤」(FRACコード23)は、タンパク質生合成に影響を及ぼすることにより真菌の成長を阻害する。例としては、ブラストサイジン-Sが挙げられる。
【0321】
(b24)「ヘキソピラノシル抗生物質殺菌剤」(FRACコード24)は、タンパク質生合成に影響を及ぼすことにより真菌の成長を阻害する。例としてはカスガマイシンが挙げられる。
【0322】
(b25)「グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌剤」(FRACコード25)は、タンパク質生合成に影響を及ぼすことにより真菌の成長を阻害する。例としてはストレプトマイシンが挙げられる。
【0323】
(b26)「グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼ及びイノシトール生合成殺菌剤」(FRACコード26)は、トレハラーゼ及びイノシトール生合成を阻害する。例としてはバリダマイシンが挙げられる。
【0324】
(b27)「シアノアセトアミドオキシム殺菌剤(FRACコード27)としてはシモキサニル(cymoxanil)が挙げられる。
【0325】
(b28)「カルバミン酸殺菌剤」(FRACコード28)は、真菌成長の多部位阻害剤と考えられている。これらは細胞膜において脂肪酸合成を妨害し、その後細胞核透過性を撹乱すると提案されている。プロパマカルブ(propamacarb)、ヨードカルブ(iodocarb)、及びプロチオカルブ(prothiocarb)はこの殺菌剤クラスの例である。
【0326】
(b29)「酸化的リン酸化脱共役殺菌剤」(FRACコード29)は、酸化的リン酸化を脱共役することにより真菌呼吸を阻害する。呼吸を阻害することにより、正常な真菌の成長及び発生が妨害される。このクラスとしては、フルアジナム(fluazinam)のような2,6-ジニトロアニリン類、並びにジノカップ、メプチルジノカップ及びビナパクリルのようなクロトン酸ジニトロフェニル類が挙げられる。
【0327】
(b30)「有機スズ殺菌剤」(FRACコード30)は、酸化的リン酸化経路においてアデノシン三リン酸(ATP)合成酵素を阻害する。例としては、フェンチンアセテート(fentin acetate)、フェンチンクロリド(fentin chloride)及びフェンチンヒドロキシド(fentin hydroxide)が挙げられる。
【0328】
(b31)「カルボン酸殺菌剤」(FRACコード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)トポイソメラーゼII型(ジャイレース)に影響を及ぼすことにより真菌の成長を阻害する。例としてはオキソリニン酸が挙げられる。
【0329】
(b32)「ヘテロ芳香族殺菌剤」(殺菌剤抵抗性対策委員会(FRAC)コード32
)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に影響を及ぼすと提案されている。ヘテロ芳香族殺菌剤としては、イソオキサゾール類及びイソチアゾロン類が挙げられる。イソオキサゾール類としてはヒメキサゾール(hymexazole)が挙げられ、イソチアゾロン類としてはオクチリノン(octhilinone)が挙げられる。
【0330】
(b33)「ホスホネート殺菌剤」(FRACコード33)としては、亜リン酸及びその様々な塩が挙げられ、これらとしてはホセチル-アルミニウムが挙げられる。
【0331】
(b34)「フタルアミド酸殺菌剤」(FRACコード34)としてはテクロフタラム(teclofthalam)が挙げられる。
【0332】
(b35)「ベンゾトリアジン殺菌剤」(FRACコード35)としてはトリアゾキシドが挙げられる。
【0333】
(b36)「ベンゼン-スルホンアミド殺菌剤」(FRACコード36)としてはフルスルファミドが挙げられる。
【0334】
(b37)「ピリダジノン殺菌剤」(FRACコード37)としてはジクロメジンが挙げられる。
【0335】
(b38)「チオフェン-カルボキサミド殺菌剤」(FRACコード38)は、ATP産生に影響を及ぼすと提案されている。例としてはシルチオファム(silthiofam)が挙げられる。
【0336】
(b39)「複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤殺菌剤」(FRACコード39)はミトコンドリアにおける電子伝達を阻害し、そしてこれらとしては、ジフルメトリムのようなピリミジンアミン類、及びトルフェンピラドのようなピラゾール-5-カルボキサミド類が挙げられる。
【0337】
(b40)「カルボン酸アミド(CAA)殺菌剤」(FRACコード40)は、セルロース合成酵素を阻害し、これが標的真菌の成長を妨害し、死に至る。カルボン酸アミド殺菌剤としては、経皮酸アミド、バリンアミド並びに他のカルバメート、及びマンデル酸アミド殺菌剤が挙げられる。経皮酸アミド類としては、ジメトモルフ、フルモルフ(flumorph)及びピリモルフ(pyrimorph) (3-(2-クロロ-4-ピリジニル)-3-[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-1-(4-モルホリニル)-2-プロペン-1-オン)が挙げられる。バリンアミド及び他のカルバメート類としては、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、イプロバリカルブ、トルプロカルブ (2,2,2-トリフルオロエチル N-[(1S)-2-メチル-1-[[(4-メチルベンゾイル)アミノ]メチル]プロピル]カルバミン酸)及びバリフェナラート(valifenalate) (メチル N-[(1-メチルエトキシ)カルボニル]-L-バリル-3-(4-クロロフェニル)-β-アラニナート) (バリフェナール(valiphenal)としても知られる)が挙げられる。マンデル酸アミド類としては、マンジプロパミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド及びN-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドが挙げられる。
【0338】
(b41)「テトラサイクリン抗生物質殺菌剤」(FRACコード41)は、タンパク質合成に影響を及ぼすことにより真菌の成長を阻害する。例としてはオキシテトラサイク
リンが挙げられる。
【0339】
(b42)「チオカルバミン酸殺菌剤」(FRACコード42)としてはメタスルホカルブが挙げられる。
【0340】
(b43)「ベンズアミド殺菌剤」(FRACコード43)は、スペクトリン様タンパク質の非局在化により真菌の成長を阻害する。例としては、フルオピコリドのようなピリジニルメチルベンズアミド殺菌剤(現在はFRACコード7、ピリジニルエチルベンズアミド類)が挙げられる。
【0341】
(b44)「微生物殺菌剤」(FRACコード44)は、真菌病原体細胞膜を撹乱する。微生物殺菌剤としては、バチルス・アミロリケファシエンス株QST 713、FZB24、MB1600、D747のようなバチルス(Bacillus)種及びそれらが産生する殺菌性リポペプチドが挙げられる。
【0342】
(b45)「QxI殺菌剤」(FRACコード45)は、チトクロムbc1複合体の未知の(Qx)部位においてユビキノン還元酵素に影響を及ぼすことにより真菌における複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する。ミトコンドリア呼吸の阻害は、真菌の正常な成長及び発生を妨害する。QxI殺菌剤としては、アメトクトラジン (5-エチル-6-オクチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン)のようなトリアゾロピリミジルアミン類が挙げられる。
【0343】
(b46)「植物抽出物殺菌剤」は、細胞膜破壊により作用すると提案されている。植物抽出物殺菌剤としては、テルペン炭化水素及びMelaleuca alternifolia(ティー・ツリー)からの抽出物のようなテルペンアルコール類が挙げられる。
【0344】
(b47)「宿主植物防御誘導殺菌剤」(FRACコードP)は宿主植物の防御機構を誘導する。宿主植物防御誘導殺菌剤としては、ベンゾチアジアゾール類、ベンゾイソチアゾール及びチアジアゾール-カルボキサミド殺菌剤が挙げられる。ベンゾチアジアゾール類としてはアシベンゾラル-S-メチルが挙げられる。ベンゾイソチアゾール類としてはプロベナゾールが挙げられる。チアジアゾール-カルボキサミド類としてはチアジニル及びイソチアニルが挙げられる。
【0345】
(b48)「多作用点接触活性殺菌剤」は、複数の作用点を介して真菌成長を阻害し、そして接触/予防作用を有する。このクラスの殺菌剤としては:(b48.1)「銅殺菌剤」(FRACコードM1)」、(b48.2)「硫黄殺菌剤」(FRACコードM2)、(b48.3) 「ジチオカルバメート殺菌剤」(FRACコードM3)、(b48.4)「フタルイミド殺菌剤」(FRACコードM4)、(b48.5)「クロロニトリル殺菌剤」(FRACコードM5)、(b48.6)「スルファミド殺菌剤」(FRACコードM6)、(b48.7)多作用点接触「グアニジン殺菌剤」(FRACコードM7)、(b48.8) 「トリアジン殺菌剤」(FRACコードM8)、(b48.9)「キノン殺菌剤」(FRACコードM9)、(b48.10)「キノキサリン殺菌剤」(FRACコードM10)及び(b48.11)「マレイミド殺菌剤」(FRACコードM11)が挙げられる。「銅殺菌剤」は、典型的には銅(II)酸化状態の銅を含有する無機化合物であり;例としては、オキシ塩化銅、硫酸銅及び水酸化銅が挙げられ、ボルドー液(三塩基性硫酸銅)のような組成物が含まれる。「硫黄殺菌剤」は硫黄原子の環又は鎖を含有する無機化学物質であり;例としては元素硫黄が挙げられる。「ジチオカルバメート殺菌剤」は、ジチオカルバメート分子部分を含有し;例としては、マンコゼブ(mancozeb)、メチラム、プロピネブ、フェルバム(ferbam)、マンネブ(maneb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)及びジラムが挙げられる。「フタル
イミド殺菌剤」はフタルイミド分子部分を含有し;例としては、ホルペット(folpet)、キャプタン及びカプタホール(captafol)が挙げられる。「クロロニトリル殺菌剤」は、クロロ及びシアノで置換された芳香環を含有し;例としてはクロロタロニルが挙げられる。「スルファミド殺菌剤」としては、ジクロフルアニド及びトリフルアニド(tolyfluanid)が挙げられる。多作用点接触「グアニジン殺菌剤」としては、グアザチン、イミノクタジンアルベシル酸塩及びイミノクタジン三酢酸塩が挙げられる。「トリアジン殺菌剤」としてはアニラジンが挙げられる。「キノン殺菌剤」としてはジチアノンが挙げられる。「キノキサリン殺菌剤」としてはキノメチオネート(quinomethionate)(キノメチオネート(chinomethionate)としても知られる)が挙げられる。「マレイミド殺菌剤」としてはフルオルイミドが挙げられる。
【0346】
(b49)「クラス(b1)~(b48)の殺菌剤以外の殺菌剤」は、その作用様式が不明である特定の殺菌剤を含む。これらとしては:(b49.1)、「フェニル-アセトアミド殺菌剤」(FRACコードU6)、(b49.2)「アリール-フェニル-ケトン殺菌剤」(FRACコードU8)、(b49.3)「グアニジン殺菌剤」(FRACコードU12)、(b49.4)「チアゾリジン殺菌剤」(FRACコードU13)、(b49.5)「ピリミジン-ヒドラゾン殺菌剤」(FRACコードU14)及び(b49.6)PCT国際公開公報WO2013/009971に記載されるオキシステロール結合タンパク質に結合する化合物が挙げられる。フェニル-アセトアミド類としてはシフルフェナミド及びN-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]-メチレン]ベンゼンアセトアミドが挙げられる。アリール-フェニルケトン類としては、メトラフェノンのようなベンゾフェノン類、及びピリオフェノン (5-クロロ-2-メトキシ-4-メチル-3-ピリジニル)(2,3,4-トリメトキシ-6-メチルフェニル)メタノン)のようなベンゾイルピリジン類が挙げられる。クアニジン類(quanidines)としてはドジン(dodine)(が挙げられる。チアゾリジン類としては、フルチアニル ((2Z)-2-[[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]-2-[3-(2-メトキシフェニル)-2-チアゾリジニリデン]アセトニトリル)が挙げられる。ピリミジノンヒドラゾン類としてはフェリムゾンが挙げられる。(b49.6)クラスは、オキサチアピプロリン (1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン)及び1-[4-[4-[5R-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン(登録番号1003319-79-6)であるそのR-鏡像異性体を含む。(b49)クラスは、ベトキサジン(bethoxazin)、フロメトキン 炭酸(2-エチル-3,7-ジメチル-6-[4-(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]-4-キノリニル メチル)、フルオルイミド、ネオ-アゾシン(neo-asozin)(メタンアルソン酸鉄)、ピカルブトラゾクス (N-[6-[[[[((Z)1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル)、ピロールニトリン、キノメチオネート、テブフロキン (酢酸6-(1,1-ジメチルエチル)-8-フルオロ-2,3-ジメチル-4-キノリニル)、トルニファニド(tolnifanide) (N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン、3-ブチン-1-イル、N-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート、(N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド)、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル
)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、N-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c’]ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトロン、5-フルオロ-2-[(4-メチルフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン及びN-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバミン酸4-フルオロフェニル、N-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバミン酸ペンチル、N-[4-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-チアゾリル]カルバミン酸ペンチル及びN-[6-[[[[(Z)-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバミン酸ペンチルも含む。(b46)クラスは、上記の特定のクラス(例えば、(b1)、(b10)及び(b22))に加えて、有糸分裂阻害及び細胞分裂阻害殺菌剤をさらに含む。
【0347】
その作用機構が不明であるか、又はいまだ分類されていないさらなる「クラス(1)~(46)の殺菌剤以外の殺菌剤」としては、以下に示される成分(b49.7)~(b49.12)から選択される殺菌性化合物が挙げられる。
【0348】
成分(b49.7)は、式49.7
【化25】
[式中、R
b1は
【化26】
である]の化合物に関する。
【0349】
式b49.7の化合物の例としては、(b49.7a) 2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボン酸(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メチル (登録番号1299409-40-7)及び(b49.7b) 2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボン酸(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレニル (登録番号1299409-42-9)が挙げられる。式b46.2の化合物を製造する方法は、PCT国際公開公報WO2009/132785号及び同WO2011/0
51243号に記載される。
【0350】
成分(b49.8)は、式b49.8
【化27】
[式中、R
b2は、CH
3、CF
3又はCHF
2であり;R
b3は、CH
3、CF
3又はCHF
2であり;R
b4は、ハロゲン又はシアノであり;そしてnは0、1、2又は3である]の化合物に関する。
【0351】
式b49.8の化合物の例としては、(b49.8a) 1-[4-[4-[5-[(2,6-ジフルオロフェノキシ)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノンが挙げられる。式b49.8の化合物の製造方法は、PCT国際特許出願第PCT/US11/64324号に記載される。
【0352】
成分(b4799)は、式b49.9
【化28】
[式中、R
b5は、-CH
2OC(O)CH(CH
3)
2、-C(O)CH
3、-CH
2OC(O)CH
3、-C(O)OCH
2CH(CH
3)
2又は
【化29】
である]の化合物に関する。
【0353】
式b49.9の化合物の例としては、(b49.9a) 2-メチルプロパン酸[[4-メトキシ-2-[[[(3S,7R,8R,9S)-9-メチル-8-(2-メチル-1-オキソプロポキシ)-2,6-ジオキソ-7-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-3-イル]アミノ]カルボニル]-3-ピリジニル]オキシ]メチル (登録番号517875-34-2)、(b49.9b) 2-メチルプロパン酸(3S,6S,7R,8R)-3-[[[3-(アセチルオキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カル
ボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル (登録番号234112-93-7)、(b49.9c) 2-メチルプロパン酸(3S,6S,7R,8R)-3[[[3[(アセチルオキシ)メトキシ]-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル (登録番号517875-31-9)、(b49.9d) 2-メチルプロパン酸(3S,6S,7R,8R)-3-[[[4-メトキシ-3-[[(2-メチルプロポキシ)カルボニル]オキシ]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル (登録番号328256-72-0)、及び(b49.9e) N-[[3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメトキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-O-[2,5-ジデオキシ-3-O-(2-メチル-1-オキソプロピル)-2-(フェニルメチル)L-アラビノノイル]-L-セリン、(1→4’)-ラクトン(登録番号1285706-70-8)が挙げられる。式b49.9の化合物の製造方法は、PCT国際公開公報WO99/40081、WO2001/014339、WO2003/035617及びWO2011044213に記載される。
【0354】
成分(b49.10)は、式49.10
【化30】
[式中、R
b6はH又はFであり、そしてR
b7は-CF
2CHFCF
3又は-CF
2CF
2Hである]の化合物に関する。式b49.10の化合物の例は、(b49.10a)
3-(ジフルオロメチル)-N-[4-フルオロ-2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (登録番号1172611-40-3)及び(b49.10b) 3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール4-カルボキサミド (登録番号923953-98-4)である。式49.10の化合物を、PCT国際公開公報WO2007/017450に記載される方法により製造することができる。
【0355】
成分b49.11は、式b49.11
【化31】
[式中、
R
b8は、ハロゲン、C
1-C
4アルコキシ又はC
2-C
4アルキニルであり;
R
b9は、H、ハロゲン又はC
1-C
4アルキルであり;
R
b10は、C
1-C
12アルキル、C
1-C
12ハロアルキル、C
1-C
12アルコ
キシ、C
2-C
12アルコキシアルキル、C
2-C
12アルケニル、C
2-C
12アルキニル、C
4-C
12アルコキシアルケニル、C
4-C
12アルコキシアルキニル、C
1-C
12アルキルチオ又はC
2-C
12アルキルチオアルキルであり;
R
b11はメチル又は-Y
b13-R
b12であり;
R
b12はC
1-C
2アルキルであり;そして
Y
b13はCH
2、O又はSである]
の化合物に関する。
【0356】
式b49.11の化合物の例としては、(b49.11a) 2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミド、(b49.11b) 2[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-N-[1-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-2-プロピン-1-イル]-2-(メチルチオ)アセトアミド、(b49.11c) N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-イル)-2-[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-2-(メチルチオ)アセトアミド、(b49.11d) 2-[(3-ブロモ-8-メチル-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-プロピン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミド及び(b49.11e) 2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチルエチル)ブタンアミドが挙げられる。式b49.11の化合物、殺菌剤としてのそれらの使用及び製造方法は、一般的に公知であり;例えば、PCT国際公開公報WO2004/047538、WO2004/108663、WO2006/058699、WO2006/058700、WO2008/110355、WO2009/030469、WO2009/049716及びWO2009/087098を参照のこと。
【0357】
成分49.12は、N’-[4-[[3-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,2,4-チアジアゾール-5-イル]オキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミドに関し、これはステロール類の生合成に関与するC24-メチルトランスフェラーゼを阻害すると考えられている。
【0358】
したがって、注目すべきは、式1の化合物及び上述のクラス(1)~(49)からなる群から選択される少なくとも1つの殺菌性化合物を含む混合物(すなわち、組成物)である。また、上記混合物(殺菌有効量で)を含み、そしてさらに界面活性剤、個体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分を含む組成物も注目すべきである。特に注目すべきは、式1の化合物及びクラス(1)~(49)に関連する上に列挙された具体的な化合物の群から選択される少なくとも1つの殺菌性化合物を含む混合物(すなわち、組成物)である。また、特に注目すべきは、上記混合物(殺菌有効量で)を含み、そしてさらに界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤を含む組成物である。
【0359】
成分(b)殺菌剤の例としては、アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクトラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(ベナラキシル-Mを含む)、ベノダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブ-イソプロピルを含む)、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、クロトリマゾール、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビ
ン、ジニコナゾール(ジニコナゾール-Mを含む)、ジノカップ、ジチアノン、ジチオラン類、ドデモルフ、ドジン、エコナゾール、エジフェンホス、エノキサストロビン(エネストロブリンとしても知られる)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フェナミンストロビン、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチンアセテート、フェンチンクロリド、フェンチンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フロメトキン、フロリルピコキサミド(florylpicoxamid)、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フロウロイミド(flouroimide)、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フサライド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソコナゾール、イソフェタミド、イソプロチオラン、イソフルシプラム、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンデプロパミド(mandepropamid)、マンデストロビン、マンネブ、メパニピリム、メプロニル、メプチルジノカップ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含む)、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ネオ-アゾシン、ヌアリモル、オクチリノン、オフラセ、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、亜リン酸(その塩、例えば、ホセチル-アルミニウムを含む)、ピカルブトラゾクス、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパマカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピリイソオキサゾール、ピロキロン、ピロールニトリン、キンコナゾール、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トルニファニド、トルプロカルブ、トリフルアニド、リアジメホン、トリアジメノール、トリアリモール、トリチコナゾール、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリシクラゾール、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリモルフアミド、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、バリダマイシン、バリフェナラート (バリフェナールとしても知られる)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、2-メチルプロパン酸(3S,6S,7R,8R)-3-[[[3-[(アセチルオキシ)メトキシ]-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル、2-メチルプロパン酸(3S,6S,7R,8R)-3-[[[3-(アセチルオキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル、N-[[3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメトキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-O-[2,5-ジデオキシ-3-O-(2-メチル-1-オキソプロピル)-2-(フェニルメチル)-L-アラビノノイル]-L-セリン、(1→4’)-ラクトン、N-[2-(1S,2R)-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-
(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミド、2-[(3-ブロモ-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチルエチル)ブタンアミド、2-[(3-ブロモ-8-メチル-6-キノリニル)オキシ]-N-(1,1-ジメチル-2-プロピン-1-イル)-2-(メチルチオ)アセトアミド、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピル-4H-1-ベンゾピラン-4-オン、N-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバミン酸3-ブチン-1-イル、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)-2-ヒドロキシブチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾール、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチル-3-イソオキサゾリジニル]ピリジン、2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボン酸(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メチル、N’-[4-[[3-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,2,4-チアジアゾール-5-イル]オキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチル-メタンイミドアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、N-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)-5-フルオロ-1-メチル-N-[[2-(1-メチルエチル)フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6-(ジフルオロメトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3’,4’-ジフルオロ[1,1’-ビフェニル]-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)-2-ピラジンカルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-[4-フルオロ-2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5,8-ジフルオロ-N-[2-[3-メトキシ-4-[[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ]フェニル]エチル]-4-キナゾリンアミン、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[2-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、1-[4-[4-[5R-[(2,6-ジフルオロフェノキシ)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、N-(1,1-ジメチル-2-ブチン-1-
イル)-2-[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-2-(メチルチオ)アセトアミド、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c’]ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトロン、2-[(3-エチニル-6-キノリニル)オキシ]-N-[1-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-2-プロピン-1-イル]-2-(メチルチオ)アセトアミド、N-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバミン酸4-フルオロフェニル、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、5-フルオロ-2-[(4-メチルフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、
(3S,6S,7R,8R)-3-[[[4-メトキシ-3-[[(2-メチルプロポキシ)カルボニル]オキシ]-2-ピリジニル]カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル-2-メチルプロパノアート、α-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミド、2-メチルプロパン酸[[4-メトキシ-2-[[[(3S,7R,8R,9S)-9-メチル-8-(2-メチル-1-オキソプロポキシ)-2,6-ジオキソ-7-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-3-イル]アミノ]カルボニル]-3-ピリジニル]オキシ]メチル、N-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバミン酸ペンチル、N-[4-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-チアゾリル]カルバミン酸ペンチル、及びN-[6-[[[[(Z)-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバミン酸ペンチル及び2-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジニル]-4-チアゾールカルボン酸(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレニルが挙げられる。したがって、注目すべきは、成分(a)として式1の化合物(又はそのN-オキシド若しくは塩)及び成分(b)として前のリストから選択される少なくとも1つの殺菌剤を含む殺菌性組成物である。
【0360】
特に注目すべきは、式1の化合物(又はそのN-オキシド若しくは塩)(すなわち、組成物における成分(a))と、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、キャプタン、カルプロパミド、クロロタロニル、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、エポキシコナゾール、エタボキサム、フェナリモル、フェンヘキサミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルインダピル、フルオピラム、フルシラゾール、フルチアニル、ルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、イプロジオン、イソフェタミド、イソフルシプラム、イソピラザム、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンデストロビン、メプチルジノカップ、メタラキシル(メタラキシル-M/メフェノキサムを含む)、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、メトラフェノン、ミクロブタニル、オキサチアピプロリン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、亜リン酸(その塩を含む、例えば、ホセチル-アルミニウム)、ピコキシストロビン、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピリメタニル、セダキサン
スピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、チオファネート-メチル、トリフロキシストロビン、ゾキサミド、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、2-[2-(1-クロロシクロプロピル)-4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)-2-ヒドロキシブチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、1-[4-[4-
[5R-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、N-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c’]ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトロン、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、5-フルオロ-2-[(4-メチルフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、及びrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾール (すなわち、組成物中の成分(b)として)との組み合わせである。
【0361】
本発明の化合物とともに製剤化され得る他の生物学的に活性な化合物又は薬剤の例は:
有害無脊椎動物防除化合物又は薬剤、例えばアバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン (シクロプロパンカルボン酸[(3S,4R,4aR,6S,6aS,12R,12aS,12bS)-3-[(シクロプロピルカルボニル)オキシ]-1,3,4,4a,5,6,6a,12,12a,12b-デカヒドロ-6,12-ジヒドロキシ-4,6a,12b-トリメチル-11-オキソ-9-(3-ピリジニル)-2H,11H-ナフト[2,1-b]ピラノ[3,4-e]ピラン-4-イル]メチル)、アミドフルメト (S-1955)、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、ブプロフェジン、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロチアニジン、シアントラニリプロール (3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[4-シアノ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクラニリプロール (3-ブロモ-N-[2-ブロモ-4-クロロ-6-[[(1-シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド)、シクロキサプリド(cycloxaprid) ((5S,8R)-1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-9-ニトロ-5,8-エポキシ-1H-イミダゾ[1,2-a]アゼピン)、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ディルドリン(dieldrin)、ジフルベンズロン、ジメフルトリン(dimefluthrin)、ジメトアート(dimethoate)、ジノテフラン(dinotefuran)、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェノキシストロビン ((αE)-2-[[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸メチル)、フルエンスルホン (5-クロロ-2-[(3,4,4-トリフルオロ-3-ブテン-1-イル)スルホニル]チアゾール)、フルピプロール(flupiprole) (1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(2-メチル-2-プロペン
-1-イル)アミノ]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル)、フルピラジフロン (4-[[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル](2,2-ジフルオロエチル)アミノ]-2(5H)-フラノン)、タウ-フルバリネート、フルフェネリム (UR-50701)、フルフェノクスロン、ホノホス(fonophos)、ハロフェノジド(halofenozide)、ヘプタフルトリン(heptafluthrin) (2,2-ジメチル-3-[(1Z)-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]シクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル)、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン(malathion)、メパーフルトリン ((1R,3S)-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸[2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル)、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトフルトリン、ミルべマイシンオキシム、モンフルオロトリン(momfluorothrin) ([2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)フェニル]メチル-3-(2-シアノ-1-プロペン-1-イル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート)、モノクロトホス(monocrotophos)、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン(nithiazine)、ノバルロン、ノビフルムロン(noviflumuron) (XDE-007)、オキサミル、ピフルブミド (1,3,5-トリメチル-N-(2-メチル-1-オキソプロピル)-N-[3-(2-メチルプロピル)-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン(phosphamidon)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロフェノホス、プロフルトリン、ピメトロジン、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピレトリン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン(pyriminostrobin) ((αE)-2-[[[2-[(2,4-ジクロロフェニル)アミノ]-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]メチル]-α-(メトキシメチレン)ベンゼン酢酸メチル)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン(BSN 2060)、スピロテトラマト、スルホキサフロル、スルプロホス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラメチルフルトリン(tetramethylfluthrin)、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン及びトリフルムロン;並びに昆虫病原性細菌を含む生物学的製剤、例えば、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ(Bacillus thuringiensis subsp. aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ(Bacillus thuringiensis subsp. kurstaki)、及びバチルス・チューリンゲンシスの被包性デルタ-エンドトキシン類(例えば、Cellcap、MPV、MPVII);昆虫病原性真菌、例えば、黒きょう病菌(green muscardine fungus);及びバキュロウイルス、HzNPV、AfNPVのような核多角体病ウイルス(NPV)を含む昆虫病原性ウイルス;並びにCpGVのような顆粒病ウイルス(GV)である。
【0362】
本発明の化合物及びその組成物は、有害無脊椎動物(例えばバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン)に対して毒性のタンパク質を発現するように遺伝的に形質転換された植物に施用され得る。本発明の外因的に施用される殺菌性化合物の効果は、発現された毒素タンパク質とともに増強された効果を提供し得る。
【0363】
農学的保護剤(すなわち、殺虫剤、殺菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び生物学的製剤)についての一般的な参考文献としては、The Pesticide Manual、13th Edition、C.D.S.Tomlin、Ed.、British Crop Protection Council、Farnham、Surrey、U.K.、2003及びThe BioPesticide Manual、2nd Edition、L. g. Copping、Ed.、British Crop Protection Council、Farnham、Surrey、U.K.、2001が挙げられる。
【0364】
これらの様々な混合パートナーの1つ又はそれ以上が使用される実施態様については、式1の化合物に対するこれらの様々な混合パートナー(合計で)の質量比は、典型的には約1:3000と約3000:1との間である。注目すべきは、約1:300と約300:1との間の質量比(例えば、約1:30と約30:1との間)である。当業者は、簡単な実験により、所望の生物学的活性の範囲に必要な活性成分の生物学的有効量を容易に決定することができる。これらのさらなる成分を含めることにより、式1の化合物単独により防除される範囲を超えて防除される疾患の範囲が広がり得るということは明らかだろう。
【0365】
特定の例において、本発明の化合物と他の生物学的に活性な(特に殺菌性)化合物又は薬剤(すなわち、活性成分)との組み合わせは、相加よりも大きい(greater-than-additive)(すなわち増強された)効果を生じ得る。有効な有害生物防除を確実にしながら環境に放出される活性成分の量を減少させることは常に望ましい。農学的に満足なレベルの真菌防除を生じる施用量で殺菌性活性成分の増強された効果が生じる場合、そのような組み合わせは、作物生産費用を減少させ、かつ環境負荷を減少させるために有利であり得る。
【0366】
また特定の例において、本発明の化合物と他の生物学的に活性な化合物又は薬剤との組み合わせは、農学的環境に対して有益な生物に対して相加よりも小さい(less-than-additive)(すなわち、薬害軽減)効果を生じ得る。例えば、本発明の化合物は、農作物植物に対して除草剤を薬害軽減し得るか、又は殺虫剤から有益な昆虫種(例えば、昆虫捕食生物、ミツバチのような花粉媒介者)を保護し得る。
【0367】
種子処理において有用な混合物を提供するために式1の化合物との製剤化のために注目すべき殺菌剤としては、限定されないが、アミスルブロム、アゾキシストロビン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、フロリルピコキサミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、イプコナゾール、イプロジオン、メタラキシル、メフェノキサム、メフェントリフルコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール(paclobutrazole)、ペンフルフェン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、チラム、トリフロキシストロビン及びトリチコナゾールが挙げられる。
【0368】
式1の化合物とともに製剤化されて、種子処理において有用な混合物を提供することができる有害無脊椎動物防除化合物又は薬剤としては、限定されないが、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アフィドピロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シフルトリ
ン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ディルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルフェノクスロン、フルフィプロール(flufiprole)、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタナート、ホスチアゼート、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ルフェヌロン、メパーフルトリン、メタフルミゾン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、モンフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリミノストロビン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルムロン、バチルス・チューリンゲンシス デルタ-エンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシスウイルス株及び核多角体病(Nucleo polyhydrosis)ウイルス株が挙げられる。
【0369】
種子処理に有用な式1の化合物を含む組成物は、植物病原性真菌若しくは細菌及び/又は線虫のような土壌伝搬性(soil born)動物の有害な効果からの保護を提供する能力を有する細菌及び真菌をさらに含んでいてもよい。殺線虫特性を示す細菌としては、限定されないが、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バシリウス・スブチリイス(Bacillius subtiliis)及びパストイリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)が挙げられ得る。適切なバチルス・フィルムス株は、CNCM I-1582株(GB-126)であり、これはBioNemTMとして市販されている。適切なバチルス・セレウス株はNCMM I-1592株である。両方のバチルス株がUS 6,406,690において開示されている。殺線虫活性を示す他の適切な細菌は、バチルス・アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)IN937a及び枯草菌(B. subtilis)株gB03である。殺菌特性を示す細菌としては、限定されないが、バチルス・プミルス(B. pumilus)株gB34が挙げられ得る。殺線虫特性を示す真菌種としては、限定されないが、クワ暗斑病菌(Myrothecium verrucaria)、パエシロミセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)及びプルプレオシリウム・リラシヌム(Purpureocillium lilacinum)が挙げられ得る。
【0370】
種子処理はまた、ハーピンと呼ばれ、火傷病菌(Erwinia amylovora)のような特定の細菌植物病原体から単離されるエリシタータンパク質のような天然起源の1つ又はそれ以上の殺線虫剤も含み得る。一例は、N-HibitTMゴールドCSTとして入手可能なHarpin-N-Tek種子処理技術である。
【0371】
種子処理はまた、微視的共生(microsymbiotic)窒素固定細菌ダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)のようなマメ科根粒細菌の1つ又はそれ以上の種を含み得る。これらの接種株(inocculants)は、場合により1つ又はそれ以上のリポキトオリゴ糖(lipo-chitooligosaccharides)(LCO)を含み得、これらは マメ科植物の根上の根粒形成の開始の間に根粒菌により産生される根粒形成(Nod)因子である。例えば、商品名Optimize(登録商標)の種子処理技術は、接種株と組み合わせてLCO Promoter
TechnologyTMを組み込む。
【0372】
種子処理はまた、菌根菌による根定着のレベルを増加させることができる1つ又はそれ以上のイソフラボンも含み得る。菌根菌は、水、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩及び金属のような栄養素の根取り込みを増強することにより植物の成長を改善する。イソフラボンの例としては、限定されないが、ゲニステイン、バイオチャニンA、ホルモノネチン、ダイゼイン、グリシテイン、ヘスペレチン、ナリンゲニ及びプラテンセインが挙げられる。ホルモノネチンは、PHC Colonize(登録商標)AGのような菌根接種剤製品における活性成分として入手可能である。
【0373】
種子処理はまた、病原体による接触後に植物において全身獲得抵抗性を誘導する1つ又はそれ以上の植物活性化因子も含み得る。このような保護機構を誘導する植物活性化因子の例はアシベンゾラル-S-メチルである。
【0374】
以下の試験は、特定の病原体に対する本発明の化合物の防除有効性を実証する。しかし化合物により提供される病原体防除保護はこれらの種に限定されない。化合物の説明については以下の索引表A~Eを参照のこと。以下の略号が索引表A~Eにおいて使用される。:Meはメチルを意味し、i-Prはイソプロピルを意味し、c-Prはシクロプロピルを意味し、i-Buはイソブチルを意味し、c-Buはシクロブチルを意味し、t-Buはtert-ブチルを意味し、そしてNO2はニトロを意味する。略号「Cmpd.」は「化合物」を表し、そして略号「Ex.」は「実施例」を表し、そしてその実施例において製造される化合物を示す番号が後に続く。略号「m.p.」は融点を表す。「AP+
(M+1)」欄に報告される数値は、最も高い同位体存在度を有する分子(すなわちM)へのH+(分子量1)の付加により形成される観察された分子イオンの分子量である。より低い存在度の1つ又はそれ以上のより大きい原子量の同位体(例えば、37Cl、81Br)を含有する分子イオンの存在は報告されない。報告されたMSピークは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI)を使用した質量分析により観察された。
【0375】
【0376】
【0377】
【0378】
【0379】
【0380】
【0381】
【0382】
【0383】
【0384】
本発明の生物学的実施例
試験A~Fについての試験懸濁剤を製造するための全体的なプロトコル:試験化合物を最初にアセトン中に最終体積の3%に等しい量で溶解し、次いで界面活性剤PEG400(多価アルコールエステル)250ppmを含有するアセトン及び精製水(50/50(体積)混合物)中に所望の濃度(ppm)で懸濁させた。次いで、得られた懸濁剤を試験A~Fで使用した。
【0385】
試験A
試験液剤をコムギ実生上の流出(run-off)点に噴霧した。次の日に実生にチモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)(コムギ葉枯病の病原)の胞子懸濁液を播種し、そして飽和雰囲気下で24℃で48時間インキュベートし、次いで20℃の成長室に17日間移し、その期間の後に病害評点を行った。
【0386】
試験B
試験液剤をコムギ実生上の流出点に噴霧した。次の日に実生にプッシニア レコンジタ
f.sp.トリチシ(Puccinia recondita f.sp.tritici)(コムギ赤さび病の病原)の胞子懸濁液を播種し、そして飽和雰囲気下で20℃で24時間インキュベートし、次いで20℃の成長室に7日間移動し、その期間の後に病害評点を行った。
【0387】
試験C
試験懸濁剤をコムギ実生上の流出点に噴霧した。次の日に実生にブルメリア グラミニス f.sp.トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici)(エリシフ グラミニス f.sp.トリチシ(Erysiphe graminis f.sp.tritici)としても知られる、コムギウドンコ病の病原)の胞子粉剤を播種し、そして20℃の成長室で8日間インキュベートし、その期間後に視覚的な病害評点を行った。
【0388】
試験D
試験液剤をダイズ実生の流出点に噴霧した。次の日に実生にファコプソラ パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)(アジアダイズさび病の病原)の胞子懸濁液を播種し、そして飽和雰囲気下で22℃で24時間インキュベートし、次いで22℃の成長室に8日間移動させ、その期間後に視覚的病害評点を行った。
【0389】
試験E
試験懸濁剤をトマト実生上の流出点に噴霧した。次の日に実生にボトリチス・シネレア(トマト灰色かび病の病原)の胞子懸濁液を播種し、そして飽和雰囲気下で20℃で48時間インキュベートし、次いで24℃の成長室に3日間移動させ、その期間後に視覚的病害評点を行った。
【0390】
試験F
試験懸濁剤をマト実生上の流出点に噴霧した。次の日に実生にアルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)(トマト夏疫病の病原)の胞子懸濁液を播種し、そして飽和雰囲気下で27℃で48時間インキュベートし、次いで20℃の成長室に3日間移動させ、その期間後に視覚的病害評点を行った。
【0391】
試験A~Fについての結果を以下の表Aに示す。100の評点は100%病害防除を示し、そして評点0は病害防除無しを示す(対照と比較)。ダッシュ(-)はその化合物が
試験されなかったことを示す。
【0392】
【0393】
【0394】
【0395】
【0396】
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式11
【化1】
[式中、
Aは、
【化2】
であり、
式中、右に伸びる結合はQを含有する環に結合しており、そして左に伸びる結合は、Y-N(R
3)H置換基を有するフェニル環に結合しており;
QはCR
6であり;
YはCR
7aR
7bであり;
R
1及びR
2は、それぞれFであり;
R
3はHであり;
nは0であり;
R
6は、Br、Cl、I、アミノ、メチル、i-プロピル、トリフルオロメチル、CHF
2、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ又はトリフルオロメトキシであり;
R
7aはHであり;
R
7bはHである]及びその塩から選択される化合物。
【請求項2】
R6はi-プロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R6はトリフルオロメチルである、請求項1に記載の化合物。
【外国語明細書】