(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167292
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】片面式MRIシステムにおけるボリューム取得のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A61B5/055 340
A61B5/055 331
A61B5/055 350
A61B5/055 370
A61B5/055 311
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024144171
(22)【出願日】2024-08-26
(62)【分割の表示】P 2022135606の分割
【原出願日】2020-03-25
(31)【優先権主張番号】62/823,511
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】521355832
【氏名又は名称】プロマクソ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】デ・マトス・ゴメス、ミュラー・フランシス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】磁気共鳴撮像を実行する方法を提供する。
【解決手段】方法は、磁気共鳴撮像システムを用意することを含み、磁気共鳴撮像システムは、無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムと、ハウジングとを備え、ハウジングは、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信システムと、片面式勾配コイルセットとを備える。方法は、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、送信システムを介してチャープパルス列を適用することと、不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することと、勾配コイルセットを介して不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、少なくとも2つのチャープパルスを含む標的被検体の信号を受信システムを介して取得することと、標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとをも含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を画定する永久勾配磁場を提供するように構成された磁気共鳴撮像システムであって、
被検体と隣り合わせに配置可能な受信コイルと、
制御回路とを備え、
前記制御回路は、
広帯域幅を有するチャープパルス列を適用し、
同じ広帯域幅を有するスライス選択勾配を選択し、
前記軸に沿ってマルチスライス励起技術を適用し、
前記軸に直交する複数の勾配パルスを適用し、
前記標的被検体の信号を取得し、
前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成する
ように構成されている、磁気共鳴撮像システム。
【請求項2】
前記チャープパルス、前記マルチスライス励起技術、および前記勾配パルスの適用は、前記永久勾配磁場の磁化が前記信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項3】
それぞれの磁化が、前記標的被検体を包含する対象領域内で集束する、請求項2に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項4】
前記撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに備え、前記片面式勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記片面式勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、請求項3に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項5】
前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルを備える、請求項3に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項6】
同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに備え、前記同調ボックスが前記無線周波数送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、請求項3に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項7】
前記無線周波数送信コイルが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、請求項6に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項8】
前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項9】
前記チャープパルスが、前記永久勾配磁場の前記軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項10】
前記1次元信号が第1の1次元信号を備えるものであり、前記勾配パルスがさらに、互いに直交しかつ前記永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、請求項9に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項11】
前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項12】
前記永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記永久勾配におけるスライス選択のために構成される、請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項13】
前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導するように構成されるとともに、前記受信コイルが該信号を受信するように構成される、請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項14】
信号処理ボックスおよび無線周波数送信システムをさらに備え、
前記無線周波数送信システムは無線周波数増幅器および送信コイルを備えるものであり、前記信号処理ボックスが前記無線周波数増幅器を有効化/無効化するように構成される、請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項15】
磁気共鳴撮像システムであって、
標的被検体と隣り合わせに配置可能な無線周波数受信コイルを備える無線周波数受信システムと、
不均一永久勾配磁場を提供するように構成された永久磁石と、
無線周波数送信システムと、
片面式勾配コイルセットと、
前記無線周波数受信システム、前記無線周波数送信システム、および前記片面式勾配コイルセットと通信可能に結合された制御回路とを備え、前記制御回路は、
前記無線周波数送信システムによってチャープパルス列を適用し、
前記不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起パルスを適用し、
前記片面式勾配コイルセットによって前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用し、
前記無線周波数受信システムを介して前記標的被検体の信号を取得し、
前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成する
ように構成されている、磁気共鳴撮像システム。
【請求項16】
前記無線周波数送信システムおよび前記片面式勾配コイルセットのうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記標的被検体を受け入れるように構成される対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源をさらに備える、請求項15に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項17】
前記マルチスライス励起パルスが、複数のスライスを前記不均一永久勾配磁場の軸に沿って励起することを備える、請求項15に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項18】
磁気共鳴撮像システムであって、
対象領域に配置された標的被検体と隣り合わせに配置されるように構成された無線周波数受信コイルを備える無線周波数受信システムと、
前記対象領域において不均一永久勾配磁場を提供するように構成された永久磁石と、
無線周波数送信システムと、
前記無線周波数受信システムおよび前記無線周波数送信システムと通信可能に結合された制御回路とを備え、前記制御回路は、
広帯域幅を有するチャープパルス列を適用し、
前記永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用するように構成されており、該マルチスライス励起が、前記広帯域幅を各スライスが備える複数のスライスを前記対象領域の前記永久勾配磁場の軸に沿って励起することを備えるものであり、
前記制御回路がさらに、
前記不均一永久勾配磁場の前記軸に垂直な軸に沿って位相符号化磁場を適用し、
前記標的被検体の磁気共鳴画像を取得する
ように構成されている、磁気共鳴撮像システム。
【請求項19】
前記チャープパルス、前記マルチスライス励起技術、および前記勾配パルスの適用は、前記永久勾配磁場の磁化が前記信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、請求項18に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項20】
前記無線周波数受信コイルが患者の解剖学的部位に当接するように構成される、請求項18に記載の磁気共鳴撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は一般的に、不均一磁場中で核磁気共鳴スペクトルおよび磁気共鳴画像を効果的に収集するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不均一磁場中で核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび磁気共鳴(MR)画像を収集するためのいくつかの方法が存在する。一般に、磁場の不均一性は回避すべき厄介なものである。不均一磁場が空間情報のソースであることは稀である。不均一磁場中での撮像に関連する方法には、広帯域幅パルスおよびマルチスライス励起の使用がある。しかし、両方とも不均一永久磁場中での撮像という課題を扱っている。したがって、不均一磁場中でNMRスペクトルおよびMR画像を収集するために広帯域幅パルスおよびマルチスライス励起を使用する改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法が提供される。方法は、磁気共鳴撮像システムを用意することを含み、磁気共鳴撮像システムは、無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムと、ハウジングとを備え、ハウジングは、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信システムと、片面式勾配コイルセットとを備える。方法は、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、前記送信システムを介してチャープパルス列を適用することと、前記不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することと、前記勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、少なくとも2つのチャープパルスを含む前記標的被検体の信号を前記受信システムを介して取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとをさらに含む。
【0004】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法が提供される。方法は、撮像システムを用意することを含み、撮像システムは、無線周波数受信コイルと、永久勾配磁場を提供する永久磁石とを備える。方法はさらに、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、前記永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することとを含み、該マルチスライス励起が、前記チャープパルスの前記広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを前記永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含むものであり、方法はさらに、前記永久勾配磁場の前記軸に垂直な2つの直交方向に沿って位相符号化磁場を適用することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を取得することとを含む。
【0005】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法が提供される。方法は、永久勾配磁場を提供することと、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、同じ広帯域幅を有するスライス選択勾配を選択することと、前記永久勾配磁場の軸に沿ってマルチスライス励起技術を適用することと、前記永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、前記受信コイルを介して前記標的被検体の信号を取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとを含む。
【0006】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが提供される。システムは、標的被検体に近接して配置されるように構成された無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムを含む。標的被検体の磁気共鳴画像を形成するために受信システムは、少なくとも2つのチャープパルスを含む前記標的被検体の信号を送出するように構成される。システムはハウジングを含み、ハウジングは、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石を備える。前記撮像システムが前記不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用するように構成され、無線周波数送信システムがチャープパルス列を送出するように構成され、片面式勾配コイルセットが前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを送出するように構成される。
【0007】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。方法は、磁気共鳴撮像システムを用意することを含む。システムは、無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムと、ハウジングとを含む。ハウジングは、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信システムと、片面式勾配コイルセットとを含む。方法は、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、前記送信システムを介してチャープパルス列を適用することと、前記不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することと、前記勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、少なくとも2つのチャープパルスを含む前記標的被検体の信号を前記受信システムを介して取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとをさらに含む。
【0008】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。方法は、撮像システムを用意することを含み、撮像システムは、無線周波数受信コイルと、永久勾配磁場を提供する永久磁石とを備える。方法はさらに、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、前記永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することとを含み、該マルチスライス励起が、前記チャープパルスの前記広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを前記永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含むものであり、方法はさらに、前記永久勾配磁場の前記軸に垂直な2つの直交方向に沿って位相符号化磁場を適用することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を取得することとを含む。
【0009】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。方法は、永久勾配磁場を提供することと、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、同じ広帯域幅を有するスライス選択勾配を選択することと、前記永久勾配磁場の軸に沿ってマルチスライス励起技術を適用することと、前記永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、前記受信コイルを介して前記標的被検体の信号を取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとを含む。
【0010】
これらおよび他の態様および実装形態が本明細書で詳細に説明される。上記の情報および下記の詳細な説明は、さまざまな態様および実装形態の説明的な例を含み、特許請求の範囲に記載される態様および実装形態の性質および特徴を理解するための概要または枠組を提供する。図面は、さまざまな態様および実装形態の例示およびさらなる理解を提供し、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は縮尺通りに描かれることを意図していない。さまざまな図面における同様の参照番号および符号は同様の要素を示す。明確さのため、あらゆる部品があらゆる図面でラベル付けされているとは限らない。
【0012】
【
図1】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0013】
【
図2A】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0014】
【
図2B】
図2Aに示す磁気共鳴撮像システムの分解組立図である。
【0015】
【
図2C】さまざまな実施形態による、
図2Aに示す磁気共鳴撮像システムの概略正面図である。
【0016】
【
図2D】さまざまな実施形態による、
図2Aに示す磁気共鳴撮像システムの概略側面図である。
【0017】
【
図3】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0018】
【
図4】さまざまな実施形態による、磁気撮像装置の実施態様の概略図である。
【0019】
【
図5】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム500の概略正面図である。
【0020】
【
図6A】さまざまな実施形態による、個別のコイル素子を含む無線周波数受信コイル(RF-RX)アレイの例示的概略図である。
【0021】
【
図6B】さまざまな実施形態による、ループコイル磁場に対する例示的計算とともにループコイルの例を示す図である。
【0022】
【
図6C】本明細書に開示されたさまざまな実施形態による、ループコイルの半径の関数として磁場を示す例示的なX-Yチャートである。
【0023】
【
図6D】人体の部位、すなわち前立腺のエリアにおける断面図である。
【0024】
【
図7A】さまざまな実施形態による、2次元パルス列についての例示的な模式的パルス列図である。
【0025】
【
図7B】さまざまな実施形態による、3次元パルス列についての例示的な模式的パルス列図である。
【0026】
【
図8】さまざまな実施形態による、チャープパルスおよび永久スライス選択勾配を有するシステムに対する模式的パルス列図である。
【0027】
【
図9】さまざまな実施形態による、例示的なパルス列の図である。
【0028】
【
図10】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システムで撮像するための患者の例示的体位の図である。
【0029】
【
図11】さまざまな実施形態による、例示的な磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0030】
【
図12】さまざまな実施形態による、例示的な磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0031】
【
図13】さまざまな実施形態による、例示的な磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0032】
【
図14】さまざまな実施形態による、例示的な磁気共鳴撮像システムの概略図である。
【0033】
【
図15】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する方法のフローチャートである。
【0034】
【
図16】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する別の方法のフローチャートである。
【0035】
【
図17】さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する別の方法のフローチャートである。
【0036】
【
図18】さまざまな実施形態による、コンピュータシステムを例示するブロック図である。
【0037】
図は必ずしも縮尺通りには描かれず、また、図中の物体は相互の関係において必ずしも縮尺通りには描かれていないと理解すべきである。図は、本明細書に開示される装置、システム、および方法のさまざまな実施形態に明確さおよび理解をもたらすことを意図した図示である。可能である限り、同一の参照番号は図面を通じて同一または同様の部分を指すために使用される。さらに、図面はいかなる意味でも本教示の範囲を限定することを意図していないと認識されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
さまざまな実施形態の以下の説明は例示的および説明的なだけであり、いかなる意味でも限定的または制限的なものと解釈されてはならない。本教示の他の実施形態、特徴、目的、および利点は、この説明および添付の図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0039】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0040】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
【0041】
本明細書で言及されるすべての刊行物は、当該刊行物に記載され本開示との関連で使用可能なデバイス、組成物、配合物および方法を説明し開示する目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「備える」、「含有する」、「有する」、「含む」およびそれらの変種は、限定的であることを意図しておらず、包括的または非限定的であり、追加的な、列挙されていない添加物、成分、整数、要素または方法ステップを排除しない。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、システム、組成物、キット、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、システム、組成物、キット、または装置に固有の他の特徴を含み得る。
【0043】
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、磁気共鳴撮像システムを含み得る。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムは、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムは、患者の解剖学的部位を撮像するために必要な磁場を提供する磁石アセンブリを含み得る。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムは、磁石アセンブリの外部にある対象領域において撮像するように構成され得る。
【0044】
現代の磁気共鳴撮像システムで使用される典型的な磁石共鳴アセンブリは、例えば、バードケージコイル構成を含む。典型的なバードケージ構成は、例えば、撮像領域(すなわち、患者が所在する対象領域)の両側に配置されそれぞれ1つ以上のラング(rung)によって電気的に接続された2つの大きなリングを含み得る無線周波数送信(送信)コイルを含む。コイルがより多く患者を包囲すればするほど撮像信号は改善するので、バードケージコイルは典型的に、撮像領域、すなわち、患者の解剖学的標的部位が所在する対象領域内から生成される信号が十分に一様になるように患者を取り囲むように構成される。患者の快適さを向上させ、現行の磁気共鳴撮像システムの煩わしい移動制限を低減するため、本明細書に記載された開示は一般に、片面式磁気共鳴撮像システムおよびその応用を含む磁気共鳴撮像システムに関する。
【0045】
本明細書に記載されるように、開示される片面式磁気共鳴撮像システムは、両側から患者へのアクセスを提供しながら片側から患者を撮像するように構成され得る。これは、アクセス開口(本明細書において「開口」、「穴」または「ボア」ともいう)を含む片面式磁気共鳴撮像システムにより可能となる。アクセス開口は、磁石アセンブリおよび磁気共鳴撮像システムの完全に外部にある対象領域に磁場を投射するように構成される。現行のシステムのように電磁場生成材料および撮像システム部品によって完全に包囲されていないため、本明細書に記載される新規な片面式構成では、磁気共鳴撮像システムから患者を出し入れする際の不要な負担が削減される一方、患者が動くことへの制限が少ない。本明細書に記載のさまざまな実施形態によれば、患者は、撮像中に患者の側に磁石アセンブリが配置されることで、開示される磁気共鳴撮像システム内に閉じ込められたと感じない。片面式すなわち一方の面からの撮像を可能にする構成は、本明細書で説明されるように、開示されるシステム部品によって可能となる。
【0046】
システム実施形態
さまざまな実施形態によれば、開示される磁気共鳴撮像システムのさまざまなシステム部品および実施形態を構成するさまざまなシステム、および特徴のさまざまな組合せが、本明細書に開示される。
【0047】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが本明細書に開示される。さまざまな実施形態によれば、システムは、前面と、静磁場を提供する永久磁石と、永久磁石アセンブリ内のアクセス開口(本明細書において「開口」、「穴」または「ボア」ともいう)と、無線周波数送信コイルと、片面式勾配コイルセットと、を有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、システムは、電磁石と、無線周波数受信コイルと、電源とを含む。さまざまな実施形態によれば、電源は、対象領域に電磁場を発生させるために無線周波数送信コイル、片面式勾配コイルセット、または電磁石のうちの少なくとも1つに電流を流すように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域が前面より外側にある。
【0048】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、前面が凹面である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。
【0049】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを含み、第1の位置および第2の位置が、片面式勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、片面式勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。
【0050】
さまざまな実施形態によれば、電磁石が対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mT乃至1Tである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、前面の中心領域の周りに配置された開口部を有するボアを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0051】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが本明細書に開示される。さまざまな実施形態によれば、システムは、凹型の前面と、静磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信コイルと、少なくとも1つの勾配コイルセットと、を有するハウジングを含む。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが凹型の前面に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に電磁場を発生させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、対象領域が凹型の前面より外側にある。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域における信号を検出する無線周波数受信コイルを含む。
【0052】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットが凹型の前面上に位置する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が1mTから1Tまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、永久磁石の静磁場が10mTから195mTまでにわたる。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが、1つ以上のキャパシタおよび/または1つ以上のラングを介して接続される第1のリングおよび第2のリングを備える。さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルが非平面状であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが非平面状であり、片面式であり、対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0053】
さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットが、第1の位置における1つ以上の第1の螺旋コイルおよび第2の位置における1つ以上の第2の螺旋コイルを備え、第1の位置および第2の位置が、少なくとも1つの勾配コイルセットの中心領域の周りで相互に対向する場所にある。さまざまな実施形態によれば、少なくとも1つの勾配コイルセットの立上り時間が10μs未満である。さまざまな実施形態によれば、永久磁石が、永久磁石の中心を貫く開口を有する。さまざまな実施形態によれば、システムは、対象領域内で永久磁石の静磁場を変化させるように構成された電磁石をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、電磁石の磁場強度が10mT乃至1Tである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルが、対象領域内で撮像する患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、コイルが対象領域よりも小さい。
【0054】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信コイルおよび少なくとも1つの勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが、磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムである。
【0055】
図1は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム100の概略図である。システム100はハウジング120を含む。
図1に示すように、ハウジング120は、永久磁石130と、無線周波数送信コイル140と、勾配コイルセット150と、任意選択的な電磁石160と、無線周波数受信コイル170と、電源180とを含む。さまざまな実施形態によれば、システム100は、例えば、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチ、固体リレー、もしくは機械式リレーを含むスイッチなどのさまざまな電子部品を含むことができるがそれに限定されることはない。さまざまな実施形態によれば、上に列挙したさまざまな電子部品は、無線周波数送信コイル140とともに構成され得る。
【0056】
図2Aは、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム200の概略図である。
図2Bは、磁気共鳴撮像システム200の分解組立図を示す。
図2Cは、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム200の概略正面図である。
図2Dは、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム200の概略側面図である。
図2Aおよび
図2Bに示すように、磁気共鳴撮像システム200はハウジング220を含む。ハウジング220は前面225を含む。さまざまな実施形態によれば、前面225は凹型の前面であり得る。さまざまな実施形態によれば、前面225はくぼんだ前面であり得る。
【0057】
図2Aおよび
図2Bに示すように、ハウジング220は、永久磁石230と、無線周波数送信コイル240と、勾配コイルセット250と、任意選択的な電磁石260と、無線周波数受信コイル270とを含む。
図2Cおよび
図2Dに示すように、永久磁石230は、アレイ構成で配置された複数の磁石を含み得る。永久磁石230の複数の磁石は、
図2Cの正面図に示すように全面を覆うように図示され、
図2Dの側面図に示すように水平方向の棒として図示されている。
図2Aに示すように、主永久磁石は、システムの複数の側から患者にアクセスするためのアクセス開口235を含んでもよい。
【0058】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0059】
永久磁石
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、永久磁石を含み得る。
【0060】
さまざまな実施形態によれば、永久磁石230は、対象領域290(本明細書において「所与の視野」ともいう)に静磁場を提供する。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230は、
図2Cおよび
図2Dに示すように、並列構成で複数の円筒形永久磁石を含み得る。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230は、例えば、Nd系磁性材料などのような希土類系磁性材料を含むがそれに限定されることのない任意の好適な磁性材料を含み得る。
図2Aに示すように、主永久磁石は、システムの複数の側から患者にアクセスするためのアクセス開口235を含んでもよい。
【0061】
さまざまな実施形態によれば、永久磁石230の静磁場は、約50mTから約60mTまで、約45mTから約65mTまで、約40mTから約70mTまで、約35mTから約75mTまで、約30mTから約80mTまで、約25mTから約85mTまで、約20mTから約90mTまで、約15mTから約95mTまでおよび約10mTから約100mTまで、所与の視野に対して変えることができる。磁場は、約10mTから約15mTまで、約15mTから約20mTまで、約20mTから約25mTまで、約25mTから約30mTまで、約30mTから約35mTまで、約35mTから約40mTまで、約40mTから約45mTまで、約45mTから約50mTまで、約50mTから約55mTまで、約55mTから約60mTまで、約60mTから約65mTまで、約65mTから約70mTまで、約70mTから約75mTまで、約75mTから約80mTまで、約80mTから約85mTまで、約85mTから約90mTまで、約90mTから約95mTまで、および約95mTから約100mTまで変えてもよい。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230の静磁場は、約1mTから約1Tまで、約10mTから約195mTまで、約15mTから約900mTまで、約20mTから約800mTまで、約25mTから約700mTまで、約30mTから約600mTまで、約35mTから約500mTまで、約40mTから約400mTまで、約45mTから約300mTまで、約50mTから約200mTまで、約50mTから約100mTまで、約45mTから約100mTまで、約40mTから約100mTまで、約35mTから約100mTまで、約30mTから約100mTまで、約25mTから約100mTまで、約20mTから約100mTまで、および約15mTから約100mTまで変えてもよい。
【0062】
さまざまな実施形態によれば、永久磁石230はその中心にボア235を含み得る。さまざまな実施形態によれば、永久磁石230はボアを含まなくてもよい。さまざまな実施形態によれば、ボア235の直径は1インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、ボア235の直径は、1インチ乃至4インチ、4インチ乃至8インチ、および10インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、
図2Aおよび
図2Bに示すように、所与の視野は球形または円筒形の視野であり得る。さまざまな実施形態によれば、球形の視野は直径が2インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、球形の視野の直径は、1インチ乃至4インチ、4インチ乃至8インチ、および10インチ乃至20インチであり得る。さまざまな実施形態によれば、円筒形の視野は長さがおよそ2インチ乃至20インチである。さまざまな実施形態によれば、円筒形の視野の長さは、1インチ乃至4インチ、4インチ乃至8インチ、および10インチ乃至20インチであり得る。
【0063】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0064】
無線周波数送信コイル
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、無線周波数送信コイルをも含み得る。
【0065】
図3は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置300の実施態様の概略図である。
図3に示すように、装置300は無線周波数送信コイル320を含み、これはコイル320から外向きにRFパワーを投射する。コイル320は、1つ以上のラング326によって接続された2つのリング322および324を有する。
図3に示すように、コイル320は電源350aおよび/または電源350b(本明細書ではまとめて「電源350」という)にも接続される。さまざまな実施形態によれば、電源350aおよび350bは電力入力および/または信号入力のために構成されることが可能であり、一般的にコイル入力と呼ぶことができる。さまざまな実施形態によれば、電源350aおよび/または350bは、電気接点352および354を1つ以上のラング326に取り付けることによって、電気接点352aおよび/または352b(本明細書ではまとめて「電気接点352」という)、ならびに電気接点354aおよび/または354b(本明細書ではまとめて「電気接点354b」という)を介して接点を提供するように構成される。コイル320は、視野340内に一様なRF磁場を投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、視野340は、患者が所在する磁気共鳴撮像のための対象領域(すなわち、撮像領域)である。患者はコイル320から離れて視野340に所在するので、装置300は片面式磁気共鳴撮像システムにおける使用に適している。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、例えば直交励磁によって、位相が互いに90度ずれた2つの信号によって電力供給され得る。
【0066】
さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、コイル320は、同じ軸に沿って同軸であるが互いにある距離に離れて配置されるリング322およびリング324を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は約0.1mから約10mまでにわたる距離だけ分離される。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は約0.2mから約5mまで、約0.3mから約2mまで、約0.2mから約1mまで、約0.1mから約0.8mまで、または約0.1mから約1mまで、にわたる距離だけ分離され、これらの間の任意の分離距離を含む。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、非同軸であるが同じ方向に沿って約0.2mから約5mまでにわたるある距離で分離されたリング322およびリング324を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は互いに対して傾斜することも可能である。さまざまな実施形態によれば、傾斜角は1度から90度まで、1度から5度まで、5度から10度まで、10度から25度まで、25度から45度まで、および45度から90度までであり得る。
【0067】
さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は同じ直径を有する。さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、リング322およびリング324は異なる直径を有し、リング322はリング324よりも大きい直径を有する。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は異なる直径を有し、リング322はリング324よりも小さい直径を有する。さまざまな実施形態によれば、コイル320のリング322およびリング324は、視野340内に一様なRFパワープロファイルを含む視野340に撮像領域を生成するように構成され、視野はRF-TXコイル内にセンタリングされず、代わりにコイル自体から空間的に外向きに投射される。
【0068】
さまざまな実施形態によれば、リング322の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、リング322の直径は、約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0069】
さまざまな実施形態によれば、リング324の直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、リング324の直径は、約0.001m乃至約9m、約0.01m乃至約8m、約0.03m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0070】
さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、リング322およびリング324は1つ以上のラング326によって接続される。さまざまな実施形態によれば、1つ以上のラング326は単一の電気回路ループ(または単一の電流ループ)を形成するようにリング322およびリング324に接続される。
図3に示すように、例えば、1つ以上のラング326の1つの端部が電源350の電気接点352に接続され、1つ以上のラング326の別の端部が電気接点354に接続されることで、コイル320は電気回路を完成する。
【0071】
さまざまな実施形態によれば、リング322は不連続リングであり、電気接点352および電気接点354は、電源350によって電力供給される電気回路を形成するようにリング322の2つの反対側の端部に電気的に接続され得る。同様に、さまざまな実施形態によれば、リング324は不連続リングであり、電気接点352および電気接点354は、電源350によって電力供給される電気回路を形成するようにリング324の2つの反対側の端部に電気的に接続され得る。
【0072】
さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は非円形であり、代わりに楕円、正方形、長方形、もしくは台形、または閉ループを有する任意の形状もしくは形態の断面を有し得る。さまざまな実施形態によれば、リング322およびリング324は、2つの異なる軸平面において変化する断面を有してもよく、一次軸は円形であり、二次軸は正弦波形状または何らかの他の幾何形状を有する。さまざまな実施形態によれば、コイル320は2つのリング322および324より多くのリングを含んでもよく、それぞれが、すべてのリングにまたがり接続するラングによって接続される。さまざまな実施形態によれば、コイル320は2つのリング322および324より多くのリングを含んでもよく、それぞれが、リング間の接続点を互い違いにするラングによって接続される。さまざまな実施形態によれば、リング322はアクセスのための物理的開口を含んでもよい。さまざまな実施形態によれば、リング322は物理的開口のない中実なシートであってもよい。
【0073】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は約1μT乃至約10mTの電磁場(本明細書では「磁場」ともいう)強度を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約10μT乃至約5mT、約50μT乃至約1mT、または約100μT乃至約1mTの磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。
【0074】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約1kHz乃至約2GHzの無線周波数でパルス状の電磁場を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約1kHz乃至約1GHz、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状の磁場を発生させる(数値間の任意の周波数を含む)。
【0075】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、および1つ以上のラング326は互いに非平面状である。別の言い方をすれば、リング322、リング324、および1つ以上のラング326は、患者が所在する対象領域を包囲する3次元構造体を形成する。さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、リング322はリング324よりも対象領域に近い。さまざまな実施形態によれば、対象領域のサイズは約0.1mから約1mである。さまざまな実施形態によれば、対象領域はリング322の直径よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、
図3に示すように、対象領域は、リング324の直径およびリング322の直径の両方よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、対象領域のサイズは、リング322の直径よりも小さくリング324の直径よりも大きい。
【0076】
さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は同じ材料を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は異なる材料を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は中空な管または中実な管を含む。さまざまな実施形態によれば、中空な管または中実な管は、空冷または液冷のために構成され得る。さまざまな実施形態によれば、リング322またはリング324またはラング326のそれぞれが1つ以上の電気伝導性の巻線を含む。さまざまな実施形態によれば、巻線はリッツ線または任意の電気伝導線を含む。これらの追加的な巻線は、所望の周波数における巻線の抵抗を低減させることによってパフォーマンスを改善するために使用され得る。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含む。さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326はメタマテリアルを含んでもよい。
【0077】
さまざまな実施形態によれば、リング322、リング324、またはラング326は、指定された設定に構造体の温度を維持するように設計された別個の電気的に非伝導性の熱制御チャネルを含んでもよい。さまざまな実施形態によれば、熱制御チャネルは、電気伝導性材料からなり電流を運ぶように一体化され得る。
【0078】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は、磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を含む。1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチ、固体リレー、もしくは機械式リレーを含むスイッチを含むことができる。さまざまな実施形態によれば、コイルは、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施形態によれば、コイルは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。さまざまな実施形態によれば、第1のリングおよび第2のリングは複数の巻線またはリッツ線を備える。
【0079】
さまざまな実施形態によれば、コイル320は、視野にわたって磁場勾配を有する磁気共鳴撮像システムのために構成される。磁場勾配は、追加的な電磁勾配を使用せずに視野のスライスを撮像することを可能にする。本明細書で開示されるように、コイルは、それぞれが固有の帯域幅を有する複数の中心周波数を組み合わせることによって大きい帯域幅を生成するように構成され得る。それぞれの帯域幅を有するこれらの複数の中心周波数を重畳することにより、コイル320は約1kHz乃至約2GHzの所望の周波数範囲にわたる大きい帯域幅を効果的に生成することができる。さまざまな実施形態によれば、コイル320は、約10kHz乃至約800MHz、約50kHz乃至約300MHz、約100kHz乃至約100MHz、約10kHz乃至約10MHz、約10kHz乃至約5MHz、約1kHz乃至約2MHz、約50kHz乃至約150kHz、約80kHz乃至約120kHz、約800kHz乃至約1.2MHz、約100kHz乃至約10MHz、または約1MHz乃至約5MHzの無線周波数でパルス状の磁場を発生させる(数値間の任意の周波数を含む)。
【0080】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0081】
勾配コイルセット
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、勾配コイルセットをも含み得る。
【0082】
図4は、さまざまな実施形態による、磁気撮像装置400の実施態様の概略図である。
図4に示すように、装置400は、勾配コイルセット420(本明細書では片面式勾配コイルセット420ともいう)を含み、これは勾配磁場を外向きにコイルセット420から離れる方へ、視野430内に投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、視野430は、患者が所在する磁気共鳴撮像のための対象領域(すなわち、撮像領域)である。患者はコイルセット420から離れて視野430に所在するので、装置400は片面式MRIシステムにおける使用に適している。
【0083】
図に示すように、コイルセット420は、螺旋コイル440a、440b、440c、および440d(まとめて「螺旋コイル440」という)のさまざまなセットで、さまざまな大きさの螺旋コイルを含む。螺旋コイル440の各セットは少なくとも1つの螺旋コイルを含み、
図4は3個の螺旋コイルを含むように示されている。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルは、その中心における電気接点および螺旋コイルの外縁上の電気接点出力を有することで、中心から外縁に、またはその逆に螺旋を巻く電気伝導性材料の単一連続ループを形成する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルは、螺旋コイルの第1の位置における第1の電気接点および螺旋コイルの第2の位置における第2の電気接点を有することで、第1の位置から第2の位置に、またはその逆に電気伝導性材料の単一連続ループを形成する。
【0084】
図4に示すように、コイルセット420はその中心に開口425をも含み、螺旋コイル440が開口425の周りに配置される。開口425自体は、磁性材料を生成するためにその内部にいかなるコイル材料も含まない。コイルセット420は、コイルセット420の外縁上に開口部427をも含み、そこに螺旋コイル440が配置され得る。別の言い方をすれば、開口425および開口部427は、内部に螺旋コイル440が配置され得るコイルセット420の境界を画定する。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は中心に穴を有するボウル形状を形成する。
【0085】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は開口425の両側に形成される。例えば、螺旋コイル440aは開口425に関して螺旋コイル440cの反対側に配置される。同様に、螺旋コイル440bは開口425に関して螺旋コイル440dの反対側に配置される。さまざまな実施形態によれば、
図4に示すコイルセット420内の螺旋コイル440は、視野430内の勾配磁場に空間的符号化を生成するように構成される。
【0086】
図4に示すように、コイルセット420は、電気接点452および454を螺旋コイル440のうちの1つ以上に取り付けることによって、電気接点452および454を介して電源450にも接続される。さまざまな実施形態によれば、電気接点452は螺旋コイル440のうちの1つに接続され、次いでその螺旋コイル440は直列および/または並列に他の螺旋コイル440に接続され、次いで他の1つの螺旋コイル440が電気接点454に接続されることで電流ループを形成する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440はすべて電気的に直列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440はすべて電気的に並列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440のうちのいくつかは電気的に直列接続される一方で、他の螺旋コイル440は電気的に並列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440aは電気的に直列接続される一方で、螺旋コイル440bは電気的に並列接続される。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440cは電気的に直列接続される一方で、螺旋コイル440dは電気的に並列接続される。螺旋コイル440における各螺旋コイルまたは螺旋コイル440の各セットの間の電気的接続は、視野430に磁場を発生させるように必要に応じて構成され得る。
【0087】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、
図4に示すように広がる螺旋コイル440を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれは、螺旋コイルの各セットが別のセットから90°の角度だけ離れるように、開口425から開口部427への直線上に構成される。さまざまな実施形態によれば、440aおよび440bは互いに45°に置かれ、440cおよび440dは互いに45°に置かれるが、440cは440bの反対側で135°に置かれ、440dは440aの反対側で135°に置かれる。要するに、螺旋コイル440のセットのいずれも、螺旋コイル440の任意の数「n」個のセットに対して任意の配置で構成され得る。
【0088】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は同じ直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれは同じ直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は異なる直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれは異なる直径を有する。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれにおける螺旋コイルは異なる直径を有する。さまざまな実施形態によれば、440aおよび440bは同じ第1の直径を有し、440cおよび440dは同じ第2の直径を有するが、第1の直径および第2の直径は同じでない。
【0089】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルの直径は約10μm乃至約10mである。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440における各螺旋コイルの直径は、約0.001m乃至約9m、約0.005m乃至約8m、約0.01m乃至約6m、約0.05m乃至約5m、約0.1m乃至約3m、約0.2m乃至約2m、約0.3m乃至約1.5m、約0.5m乃至約1m、または約0.01m乃至約3mである(数値間の任意の直径を含む)。
【0090】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は単一の電気回路ループ(または単一の電流ループ)を形成するように接続される。
図4に示すように、例えば、螺旋コイル440における1つの螺旋コイルが電源450の電気接点452に接続され、別の螺旋コイルが電気接点454に接続されることで、螺旋コイル440は電気回路を完成する。
【0091】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は約1μT乃至約10Tの電磁場強度(本明細書では「電磁場勾配」または「勾配磁場」ともいう)を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、約100μT乃至約1T、約1mT乃至約500mT、または約10mT乃至約100mTの電磁場強度を発生させることができる(数値間の任意の磁場強度を含む)。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、約1μT、約10μT、約100μT、約1mT、約5mT、約10mT、約20mT、約50mT、約100mT、または約500mTよりも大きい電磁場強度を発生させることができる。
【0092】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、立上り時間が約100μs未満の速度でパルス状の電磁場を発生させる。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、立上り時間約1μs、約5μs、約10μs、約20μs、約30μs、約40μs、約50μs、約100μs、約200μs、約500μs、約1ms、約2ms、約5ms、または約10ms未満の速度でパルス状の電磁場を発生させる。
【0093】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は、視野430において対象領域を部分的に包囲するように配向される。さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は互いに非平面状である。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットは互いに非平面状である。別の言い方をすれば、螺旋コイル440a、440b、440c、および440dのセットのそれぞれの螺旋コイル440は、患者が所在する視野430において対象領域を包囲する3次元構造体を形成する。
【0094】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は同じ材料を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は異なる材料を含む。さまざまな実施形態によれば、セット440a内の螺旋コイル440は同じ第1の材料を含み、セット440b内の螺旋コイル440は同じ第2の材料を含み、セット440c内の螺旋コイル440は同じ第3の材料を含み、セット440d内の螺旋コイル440は同じ第4の材料を含むが、第1、第2、第3および第4の材料は異なる材料である。さまざまな実施形態によれば、第1および第2の材料は同じ材料であるが、その同じ材料は、同じである第3および第4の材料とは異なる。要するに、螺旋コイル440のうちのいずれも、コイルセット420の構成によって同じ材料または異なる材料であり得る。
【0095】
さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は中空な管または中実な管を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は1つ以上の巻線を含む。さまざまな実施形態によれば、巻線はリッツ線または任意の電気伝導線を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440は、銅、アルミニウム、銀、銀ペースト、または、金属、合金もしくは超伝導金属、合金もしくは非金属を含む任意の高電気伝導性材料を含む。さまざまな実施形態によれば、螺旋コイル440はメタマテリアルを含む。
【0096】
さまざまな実施形態によれば、コイルセット420は磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を含む。1つ以上の電子部品は、PINダイオード、機械式リレー、固体リレー、または微小電気機械システム(MEMS)スイッチを含むスイッチを含むことができる。さまざまな実施形態によれば、コイルは、電気回路に沿って1つ以上の電子部品のいずれかを含むように構成され得る。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の部品は、能動的に電気を導通しないミューメタル、誘電体、磁性、または金属性部品を含むことができ、コイルを同調させることができる。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含む。さまざまな実施形態によれば、電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。いくつかの実施態様では、コイルは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。
【0097】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0098】
電磁石
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、電磁石をも含み得る。
【0099】
図5は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム500の概略正面図である。さまざまな実施形態によれば、システム500は、例えば、本明細書に開示されるような磁気共鳴撮像スキャナまたは磁気共鳴撮像スペクトロメータを備える片面式磁気共鳴撮像システムを含む、任意の磁気共鳴撮像システムであり得る。
【0100】
図5に示すように、システム500は、無線周波数磁場を生成するための例えば磁石、電磁石、コイルを含むがそれらに限定されることのないさまざまな部品と、システム500の例えば制御、電力供給、および/または監視のためのものであるがそれらに限定されることのないさまざまな電子部品とを収納することができるハウジング520を含む。さまざまな実施形態によれば、ハウジング520は、例えば、永久磁石230、無線周波数送信コイル240、および/または勾配コイルセット250をハウジング520内に収納し得る。さまざまな実施形態によれば、システム500は、その中心にボア535をも含む。
図5に示すように、ハウジング520は、システム500の前面525をも含む。さまざまな実施形態によれば、前面525は、曲面、平面、凹面、凸面であるか、またはさもなければ直線的もしくは曲線的な表面を有し得る。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システム500は、視野530に対象領域を提供するように構成され得る。
【0101】
図5に示すように、システム500は、システム500の前面525に近接して配置された電磁石560を含む。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、システム500の前側で前面525の中心に近接して配置される。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、例えば永久磁石230の磁場に加算または減算する磁場を生成するように構成されたソレノイドコイルであり得る。さまざまな実施形態によれば、この磁場は、核磁気共鳴からの信号またはコントラストを強めるための前分極磁場を生成することができる。
【0102】
図5に示すように、所与の視野530はシステム500の前面525の中心にある。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、所与の視野530内に配置される。さまざまな実施形態によれば、電磁石560は、所与の視野530と同心に配置される。さまざまな実施形態によれば、電磁石560はボア535に挿入され得る。さまざまな実施形態によれば、電磁石560はボア535に近接して配置され得る。例えば、電磁石560はボア535の前、後ろまたは中央に配置され得る。さまざまな実施形態によれば、電磁石560はボア535の入口部に近接して、または入口部に配置され得る。
【0103】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0104】
無線周波数受信コイル
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、無線周波数受信コイルをも含み得る。
【0105】
典型的なMRシステムは、撮像領域内に一様磁場を生成する。するとこの一様磁場は狭帯域の磁気共鳴周波数を発生させ、そしてこれが受信コイルによって捕捉され、増幅され、スペクトロメータによってデジタル化され得る。周波数は適切に定められた狭い帯域幅内にあるので、ハードウェアアーキテクチャは、最適なコイル品質係数を有する静的に同調されたRF-RXコイルを作成することを目標とする。大型の単一体積コイル、コイルアレイ、並列化コイルアレイ、または人体特異コイルアレイを探究したコイルアーキテクチャの多くの変形例が作成されている。しかし、これらの構造はすべて、高磁場強度で対象領域に近接し磁気ボア内でできるだけ小さい特定の周波数を撮像することに基づいている。
【0106】
さまざまな実施形態によれば、磁石の正面からずらされ、したがって従来のスキャナと比較して妨げられないことが可能な固有の撮像領域を含み得るMRIシステムが提供される。さらに、このフォームファクタは、対象領域にわたってある範囲の磁場の値を生成する組み込まれた磁場勾配を有し得る。最後に、このシステムは、典型的なMRIシステムと比較してより低い磁場強度で動作し得るため、RXコイル設計制約を緩和することが見込まれ、MRIと併用されるロボディクスのような追加機構が見込まれる。
【0107】
さまざまな実施形態によれば、MRIシステムの主磁場の固有のアーキテクチャは、異なる最適化制約のセットを生成することができる。この場合、撮像ボリュームは磁気共鳴周波数のより広い範囲にわたって広がるため、ハードウェアは、視野にわたって生成される特定の周波数を感受し捕捉するように構成され得る。この周波数スプレッドは通常、単一の周波数に同調された単一の受信コイルが感受し得るよりもずっと大きい。さらに、磁場強度は従来のシステムよりもずっと低いことが可能であるため、そして信号強度は磁場強度に比例し得るため、受信コイルネットワークの信号対雑音比を最大化することが一般的に有益であると考えられる。したがって、さまざまな実施形態によれば、感度の損失なしに視野内で発生される全範囲の周波数を取得するための方法が提供される。
【0108】
さまざまな実施形態によれば、MRIシステム内で撮像を可能にするいくつかの方法が提供される。これらの方法は、1)可変同調RF-RXコイルと、2)磁場の空間的不均一性による周波数に同調された素子を用いたRF-RXコイルアレイと、3)超低雑音前置増幅器設計と、4)特定の身体部位に対する所定の限定された視野からの信号を最適化するように設計された複数の受信コイルを用いたRF-RXアレイと、の組合せを含み得る。これらの方法は、必要に応じて任意の組合せで組み合わされ得る。
【0109】
さまざまな実施形態によれば、可変同調RF-RXコイルは、受信電磁場を同調させるための1つ以上の電子部品を備え得る。さまざまな実施形態によれば、1つ以上の電子部品は、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、インダクタ、MEMSスイッチ、固体リレー、または機械式リレーのうちの少なくとも1つを含み得る。さまざまな実施形態によれば、同調のために使用される1つ以上の電子部品は、誘電体、キャパシタ、インダクタ、導電性金属、メタマテリアル、または磁性金属のうちの少なくとも1つを含み得る。さまざまな実施形態によれば、受信電磁場を同調させることは、電流を変化させることまたは1つ以上の電子部品の物理的位置を変化させることによることを含む。さまざまな実施形態によれば、コイルは、抵抗を低減し効率を改善するために極低温に冷却される。
【0110】
さまざまな実施形態によれば、RF-RXアレイは、多様な周波数にそれぞれ同調される個別のコイル素子を備え得る。適切な周波数は、例えば、特定のコイルが位置する特定の空間的位置に位置する磁場の周波数に一致するように選択され得る。
図6Aに示すように、磁場は空間の関数として変化し得るため、コイルの磁場および周波数は空間的位置に近似的に一致するように調整され得る。ここでコイルは磁場位置B1、B2、およびB3を撮像するように設計されることが可能であり、これらの磁場位置は単一の軸に沿って物理的に分離されている。
【0111】
この低磁場システムの場合、さまざまな実施形態によれば、低雑音前置増幅器が、MRIシステムの低信号環境を活用するように設計および構成され得る。この低雑音増幅器は、所望の周波数(例えば、<3MHzかつ>2MHz)で顕著な電子および電圧雑音を発生させない部品を利用するように構成され得る。典型的な接合型電界効果トランジスタ設計(J-FET)は一般的にこの周波数で適切な雑音特性を有しておらず、測定される周波数範囲に流入し得るGHz範囲で、数十dB低いが、高い周波数不安定性を生じ得る。システムの利得は好ましくは例えば全体的に>80dBであり得るので、任意の小さい不安定性または固有の電気的雑音が増幅され、信号完全性を劣化させる可能性がある。
【0112】
図6Bを参照すると、RF-RXコイルは、標的の解剖学的構造に基づいて特定の限定された視野を撮像するように設計され得る。例えば、前立腺は人体内の深さ約60ミリメートルにあるため(
図6Dを参照)、前立腺撮像のためのRXコイルを設計するには、コイルは人体内部の深さ60mmを撮像することが可能であるように構成されるべきである。ビオ・サバールの法則によれば、ループコイルの磁場は次式によって計算され得る。
【数1】
ただし、μ0=4π*10-7H/mは真空の透磁率、Rはループコイルの半径、zはコイルの中心線に沿ったその中心からの距離、そしてIはコイル上の電流である(
図6Bを参照)。I=1アンペアと仮定し、z=60mmにおける磁場(Bz)の形を求めることを目標とすると、
図6Cに示すチャートによれば最大位置はRが85mmのときである。
【0113】
人体の幾何学的制約に基づいて、ループコイルは人間の胴上で両脚の間の空間に配置され得る。したがって、そこに直径170mmのコイルを収めることは、不可能ではないにしても極めて困難である。
図6Cによれば、Rが85mmよりも小さいとき、Bz磁場の値はループの半径に比例する。したがって、コイルはできるだけ大きいことが有利である。例えば、人の間に配置され得る最大のループコイルは大きさ約10mmである。
【0114】
コイルのサイズは両脚の間の空間によって制限されるので、直径10mmのコイルの磁場は一般に前立腺の深さに到達することができない。したがって、単一のコイルは前立腺撮像に十分でない可能性があるので、この場合、相異なる方向から信号を取得する際に複数のコイルが有益となり得る。MRIシステムのさまざまな実施形態では、磁場はz方向に提供され、RFコイルはxおよびy方向に感度が高い。この例示的な場合、xy平面内のループコイルはz方向に感度が高いので人間からのRF信号を収集しないが、バタフライコイルはこの場合に使用され得る。そこで位置および配向に基づいて、RFコイルはループコイルまたはバタフライコイルであり得る。さらに、コイルは人体の下に配置されることが可能であり、そのサイズに制限はない。
【0115】
複数のRXコイルの必要性に関して、さまざまな実施形態では、それらの間のデカップリングがMRIシステムRXコイルアレイのさまざまな実施形態のために有益となり得る。それらの場合、各コイルは他のコイルとデカップルされることが可能であり、デカップリング技術は、例えば1)幾何デカップリング、2)容量性/誘導性デカップリング、および3)低/高インピーダンス前置増幅器カップリングを含み得る。
【0116】
さまざまな実施形態によれば、MRIシステムは、磁石からの異なる磁場を有することが可能であり、その強度はz方向に沿って線型に変化し得る。RXコイルはz方向における相異なる位置に位置することが可能であり、各コイルは相異なる周波数に同調されることが可能であり、それらの周波数はシステム内のコイルの位置に依存し得る。
【0117】
単一コイルループの単純さに基づいて、これらのコイルは、所望の周波数に事前同調され、例えば使い捨て基板上に印刷されることが可能な簡単な導電性トレースから作成され得る。この安価に製造される技術により臨床医は、所与の手技のために対象領域で身体上にRXコイル(またはコイルアレイ)を配置し、その後にコイルを処分することができる。例えば、さまざまな実施形態によれば、RXコイルは表面コイルであることが可能であり、これは患者の身体に取り付けること、例えば装着またはテープ止め、が可能である。他の身体部位、例えば踵または手首の場合、表面コイルは対象領域の周りに巻き付けられた単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成であってもよい。大きな侵入深さを必要とする領域、例えば胴または膝の場合、コイルはヘルムホルツコイル対からなってもよい。受信コイルに対する主な制限は、他のMRIシステムと同様である。すなわち、コイルは、主磁場B0の軸に直交する平面に感度が高くなければならない。
【0118】
さまざまな実施形態によれば、コイルは受信前置増幅器に電気的に接続された別のループに誘導結合してもよい。この設計によれば、受信コイルにより容易に妨げられずにアクセスすることが見込まれる。
【0119】
さまざまな実施形態によれば、コイルのサイズは人体の構造によって制限され得る。例えば、前立腺を撮像する場合、コイルのサイズは人間の両脚の間の空間に収まるように配置および構成されるべきである。
【0120】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0121】
プログラマブルロジックコントローラ
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)をも含み得る。PLCは、過酷な使用環境および条件で確実に動作するように設計可能な産業用デジタルコンピュータである。PLCは、外部ハウジングにおいてだけでなく内部の部品および冷却装置においても、これらの種類の条件および環境に対処するように設計可能である。したがって、PLCは組立ラインなどの製造プロセスもしくはロボット装置の制御、または高信頼度の制御ならびにプログラミングおよびプロセス故障診断の容易性を必要とする任意の作業に適応可能である。
【0122】
さまざまな実施形態によれば、システムは、擬似リアルタイムでシステムを制御可能なPLCを含み得る。このコントローラは、勾配増幅器システム、無線周波数送信(送信)システム、周波数同調システムのパワーサイクリングおよび有効化を管理することが可能であり、キープアライブ信号(例えば、ある装置によって別の装置へ送信され、2つの装置の間のリンクが動作していることをチェックするため、またはリンクが切断することを防ぐためのメッセージ)をシステムウォッチドッグに送信する。システムウォッチドッグは、コンピュータシステムによって供給されるストローブ信号を継続的に探索することができる。コンピュータスレッドがストールすると、ストローブが消失し、故障条件に入るようにウォッチドッグをトリガすることができる。ウォッチドッグが故障条件に入ると、ウォッチドッグはシステムの電源を落とすように動作することができる。
【0123】
PLCは一般にシステムへの入力および出力信号に対して低レベルの論理機能を扱うことができる。このシステムは、サブシステムが電源投入または有効化される必要があるときにサブシステムの健全性および制御を監視することができる。PLCは相異なる方法で設計可能である。1つの設計例は、4個の拡張ボードを有する1つのメインマザーボードを用いたPLCを含む。PLC上のマイクロコントローラの速度により、サブシステムは擬似リアルタイムで管理され得る一方、リアルタイムアプリケーションはシステム上のコンピュータまたはスペクトロメータによって扱うことが可能である。
【0124】
PLCは、例えば、勾配増幅器(本明細書でさらに詳細に説明される)およびRF増幅器(本明細書でさらに詳細に説明される)の電源オン/オフ、勾配増幅器およびRF増幅器の有効化/無効化、RFコイル同調のためのデジタルおよびアナログ電圧の設定、ならびにシステムウォッチドッグへのストローブ送出を含む多くの機能的分担を果たすことができる。
【0125】
上記で説明したように、理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0126】
ロボット
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、ロボットをも含み得る。
【0127】
前立腺生検などのいくつかの医療手技では、患者が不快な伏臥位で長時間の手技を我慢することが典型的であり、これは手技全体の間に1つの特定の体位で静止したままでいることを含むことが多い。このような長い手技では、金属性の強磁性ニードルがMRIシステムからのガイダンスを用いて生検のために使用されると、ニードルはMRIシステムの強力な磁石からの引力を受けることがあり、そのために長い手技の間にニードルをその経路から逸脱させる可能性がある。非磁性ニードルを使用する場合であっても、局所的な磁場歪みが磁気共鳴画像における歪みを引き起こす可能性があるため、ニードルの周囲の画像品質が低品質になり得る。このような歪みを回避するため、複雑な圧縮空気機構を有する空気圧ロボットが従来のMRIシステムとともに動作するように設計されてきた。その場合でも、現在利用可能なMRIシステムのフォームファクタのため、標的の解剖学的構造へのアクセスは困難なままである。
【0128】
本明細書で提示されるさまざまな実施形態は、例えばロボット支援の侵襲的医療手技を含む医療手技におけるガイドのために使用するように構成された、改良されたMRIシステムを含む。本明細書に開示される技術、方法および装置は、医療手技におけるロボット(本明細書で一般的に「ロボットシステム」という)を自動的に誘導するためのガイダンスとして磁気共鳴撮像を使用するガイド下ロボットシステムに関する。さまざまな実施形態によれば、開示される技術は、ロボットシステムを、ガイダンスとしての磁気共鳴撮像と組み合わせる。さまざまな実施形態によれば、本明細書に開示されるロボットシステムは、他の好適な撮像技術、例えば超音波、X線、レーザ、または任意の他の好適な診断もしくは撮像方法、と組み合わされる。
【0129】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0130】
スペクトロメータ
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、スペクトロメータをも含み得る。
【0131】
スペクトロメータは、画像を生成するために使用されるすべてのリアルタイムシグナリングを制御するように動作することができる。スペクトロメータは、RF送信(RF-TX)波形、勾配波形、周波数同調トリガ波形、および消去ビット波形を生成する。そしてこれらの波形はRF受信機(RF-RX)信号と同期される。このシステムは、周波数掃引RF-TXパルスおよび位相サイクルRF-TXパルスを発生させることができる。掃引RF-TXパルスは、より効果的かつ効率的にサンプルボリュームを励起するための不均一なB1+磁場(RF-TX磁場)を見込んでいる。また、システムは、現在の構成セットを有する複数のRF-RXチャネルを4個の受信機チャネルにデジタル化することもできる。しかし、このシステムアーキテクチャは、基礎となるハードウェアまたはソフトウェアアーキテクチャを変更することを必要とせずに、送信および受信チャネルの数を最大で32個の送信チャネルおよび16個の受信チャネルに増加させるための容易なシステム拡張を見込んでいる。
【0132】
スペクトロメータは、例えば、RF-TX(本明細書でさらに詳細に説明される)波形、X勾配波形、Y勾配波形、消去ビット波形、周波数同調トリガ波形およびRF-RXウィンドウの発生および同期、ならびに、例えば直交復調の後に例えばカスケード接続積分櫛形(CIC)フィルタデシメーションなどの有限インパルス応答フィルタデシメーションを使用したRF-RXデータのデジタル化および信号処理を含む多くの機能的分担を果たすことができる。
【0133】
スペクトロメータは相異なる方法で設計可能である。1つの設計例は、3個の主要な部品、すなわち1)Basic RF-TXドーターカードおよびBasic RF-RXドーターカードで動作する第1のソフトウェア設計無線機(SDR1)と、2)LFRF TXドーターカードおよびBasic RF-RXドーターカードで動作する第2のソフトウェア設計無線機(SDR2)と、3)2個の装置を同期させることが可能なクロック分配モジュール(オクトクロック)と、を用いたスペクトロメータを含む。
【0134】
SDRは、送信信号と受信MRI信号との間のリアルタイム通信装置である。それらは、10Gbit光ファイバを通じてSmall Form-factor Pluggable Plusトランシーバ(SFP+)通信プロトコルを使用してコンピュータと通信可能である。この通信速度は、波形が高い忠実度および高い信頼度で発生されることを可能にすることができる。
【0135】
各SDRは、組込みフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル-アナログコンバータ、アナログ-デジタルコンバータ、および相異なるドーターカードを組み込むための4個のモジュールスロットを有するマザーボードを含み得る。これらのドーターカードのそれぞれは、関連するTXまたはRXチャネルの周波数応答を変化させるように機能することができる。さまざまな実施形態によれば、システムは、例えば、Basic RFバージョン、および低周波数(LF)RFバージョンを含む多くの変形ドーターカードを利用することができる。Basic RFドーターカードは、RF信号の発生および測定のために使用可能である。LF RFバージョンは、勾配、トリガおよび消去ビット信号の発生のために使用可能である。
【0136】
オクトクロックは、高精度の時間および周波数基準分配を提供しながら、共通のタイミングソースにマルチチャネルSDRシステムを同期させるために使用可能である。オクトクロックは、例えば、8ウェイの時間および周波数分配(1PPSおよび10MHz)を用いてそれを行うことができる。オクトクロックの一例はEttus Octoclock CDAであり、これは2つ以上のSDRソース間で位相コヒーレンシを保証するために8個までのSDRに共通クロックを分配することができる。
【0137】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0138】
RFアンプ/勾配アンプ
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、無線周波数増幅器(RF増幅器)および勾配増幅器をも含み得る。
【0139】
RF増幅器は、低パワーの無線周波数信号をより高いパワーの信号に変換することができる一種の電子増幅器である。動作時に、RF増幅器は低振幅で信号を受け取り、平坦な周波数応答で例えば60dBまでの利得を提供する。この増幅器は、3位相AC入力電圧を受け取ることができ、10%の最大デューティサイクルを有し得る。増幅器は、5Vのデジタル信号によってゲーティングされ得るため、MRIが信号を受信しているときに不要なノイズは発生しない。
【0140】
動作時に、勾配増幅器は、信号が勾配コイルに到達する前に信号のエネルギーを増大させることができ、それにより磁場強度は、後の受信信号の局在化のために主磁場における変動を生成するほど十分に強くなることができる。勾配増幅器は、独立に制御可能な2個のアクティブな増幅チャネルを有し得る。各チャネルはそれぞれXまたはYチャネルに電流を送出することができる。空間符号化の第3軸は一般に主磁場(B0)における永久勾配によって扱われる。パルスシーケンスの変動する組合せを用いて、信号は3次元的に局在化され、物体を生成するように再構成され得る。
【0141】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0142】
ディスプレイ/GUI
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなシステム、およびさまざまなシステムの実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せは、例えばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の形態でディスプレイをも含み得る。さまざまな実施形態によれば、GUIは、磁気共鳴撮像手順を実行するために必要な情報を伝達するために必要な任意の企図される形態をとり得る。
【0143】
さらに、認識されるべきであるが、ディスプレイは、例えば、ラックマウント型コンピュータ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、サーバ、クライアント、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えば、PDA、携帯電話、スマートフォン、パームトップなど)、クラスタグリッド、ネットブック、組込みシステム、または、所与のアプリケーションもしくは環境に望ましい、もしくは適している可能性のある任意の他の種類の特殊もしくは汎用ディスプレイ装置などの、いくつかの他の形態のうちの任意のものとして具現化され得る。
【0144】
GUIは、コンピュータソフトウェアのための対話型の視覚的コンポーネントのシステムである。GUIは、情報を伝達するオブジェクトを表示し、ユーザによってとられ得るアクションを表現することができる。オブジェクトは、ユーザがそれらと対話するときに色、大きさ、または可視性を変化させる。GUIオブジェクトは、例えば、アイコン、カーソル、およびボタンを含む。これらのグラフィカル要素は、サウンド、または透過性およびドロップシャドウのような視覚的効果で強調されることがある。
【0145】
ユーザは、入力装置を使用してGUIと対話することができる。入力装置は、例えば、方向情報およびコマンド選択をプロセッサに通信しディスプレイ上のカーソル移動を制御するための英数字および他のキー、マウス、トラックボールまたはカーソル方向キーを含み得る。入力装置は、タッチスクリーン入力機能とともに構成されたディスプレイであってもよい。この入力装置は典型的に、第1軸(すなわち、x)および第2軸(すなわち、y)の2つの軸における2個の自由度を有し、それにより装置は平面内の位置を指定することが可能である。しかし、理解されるべきであるが、3次元(x、yおよびz)カーソル移動を見込んだ入力装置も本明細書で企図されている。
【0146】
さまざまな実施形態によれば、タッチスクリーン、またはタッチスクリーンモニタは、ユーザがMRIと対話することを可能にする主要なヒューマンインタフェース装置として機能し得る。スクリーンは、対話型の仮想キーボードを有する投影された容量性タッチセンシティブディスプレイを有し得る。タッチスクリーンは、例えば、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)をユーザに表示すること、ユーザ入力をシステムのコンピュータに中継すること、およびスキャンを開始または停止することを含むいくつかの機能を有し得る。
【0147】
さまざまな実施形態によれば、GUIビューは、典型的には、適切なボタン、編集フィールド、ラベル、画像などを用いてユーザに表示された(Qtウィジェット)スクリーンであり得る。これらのスクリーンは、ウィジェットの配置、それらの配列、フォント、色などを制御するための、例えば、Qtデザイナツールなどのデザイナツールを使用して構築され得る。ユーザインタフェース(UI)サブコントローラが、それぞれのビューモジュールの挙動(表示および応答)を制御するように構成されたモジュールを所有し得る。
【0148】
いくつかのアプリケーションユーティリティ(App Util)モジュールが特定の機能を実行し得る。例えば、S3モジュールは、システムと、例えばアマゾンウェブサービス(AWS)との間のデータ通信を扱うことができる。イベントフィルタは、ユーザ入力が要求されるときに有効な文字がスクリーンに表示されることを保証するために存在し得る。ダイアログメッセージは、さまざまなステータス、プログレスメッセージを示し、またはユーザプロンプトを要求するために使用され得る。さらに、システムコントローラモジュールは、サブコントローラモジュールとシステム内の主要なデータ処理ブロック、すなわちパルスシーケンスジェネレータ、パルスインタプリタ、スペクトロメータおよび再構成との間の調整を扱うために利用され得る。
【0149】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0150】
処理モジュール
本明細書で説明されるように、さまざまな実施形態によれば、さまざまなワークフローまたは方法、およびさまざまなワークフローまたは方法の実施形態を構成するステップのさまざまな組合せは、処理モジュールをも含み得る。
【0151】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは多くの機能を果たす。例えば、処理モジュールは一般に、スキャン中に取得される信号データを受信し、データを処理し、それらの信号を再構成して、システムユーザによって視認され(例えば、ユーザにGUIを表示するタッチスクリーンモニタを介して)、分析され、注釈されることが可能な画像を生成するように動作可能である。一般に、画像を作成するため、NMR信号は3次元空間に局在化されなければならない。磁気勾配コイルは信号を局在化し、RF取得の前または最中に動作する。パルスシーケンスと呼ばれる、RFおよび勾配コイルの適用シーケンスを規定することにより、取得される信号は、特定の磁場およびRF磁場配置に対応する。数学的演算子および画像再構成技術を使用して、これらの取得された信号のアレイが画像に再構成され得る。通常、これらの画像は磁場勾配の簡単な線型結合から生成される。さまざまな実施形態によれば、システムは、例えば、勾配磁場、RF磁場、およびパルスシーケンスの事前知識から、取得された信号を再構成するように動作可能である。
【0152】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは、スキャン手順中に患者の動きを補償するようにも動作可能である。動き(例えば、拍動する心臓、呼吸する肺、全体的な患者の移動)は、MRIにおけるアーチファクトの最もありふれたソースのうちの1つであり、このようなアーチファクトは、画像における誤解釈および後続の診断品質における損失につながることによって画像品質に影響を及ぼす。したがって、動き補償プロトコルが、時間、空間解像度、時間解像度、および信号対雑音比における最小限のコストでこれらの問題に対処することに役立ち得る。
【0153】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは、信号を雑音除去し、画像の信号対雑音比を改善するように設計された人工知能機械学習モジュールを含んでもよい。
【0154】
さまざまな実施形態によれば、処理モジュールは、生検などの、後続の患者介入手技のためのパスを計画する際に臨床医を支援するためにも動作可能である。さまざまな実施形態によれば、介入手技を実行するためにロボットがシステムの一部として提供され得る。処理モジュールは、例えば生検を必要とする体の適切な領域に正しくアクセスするために、画像分析に基づいて、ロボットに命令を通信することができる。
【0155】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、以下に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0156】
チャープ磁気共鳴撮像モジュール
広帯域パルスに関して、無線周波数(RF)パルスの帯域幅をその長さと帯域幅との間のフーリエ関係の限界を超えて増大させる方法が2つ認識されており、それらはコンポジットパルスおよび断熱パルスである。特に、断熱パルスは、RF磁場の不完全さを補償し、永久磁場勾配を補償することを典型的な目標とする撮像に使用できる。関連する断熱パルスの一例がチャープパルスである。チャープパルスの既知の用法は、永久勾配およびパルス状電磁勾配を使用して空間情報を符号化するのに役立つ。
【0157】
本明細書に記載されるさまざまな実施形態によって開示されるシステムおよび方法は、RFチャープパルスを介して、広帯域幅パルスを使用して不均一磁場中でNMRスペクトルおよびMR画像を収集するための改善された手法に関する。
【0158】
不均一磁場を撮像するためのマルチスライス励起方法に関して、(例えば広帯域パルスを介して)RFパルスの帯域幅が増大できないまたは増大すべきでない場合に、撮像ボリューム全体から情報を収集するための方法が存在する。関連する方法は、ユーザが空間の異なる部分を測定したいときに異なる周波数にRFコイルの共鳴周波数を合わせることである。これにより、RFパルスの帯域幅が視野全体の周波数範囲よりも狭い場合であっても撮像視野全体をサンプリングすることが可能となる。このマルチスライス励起方法の結果として、ある軸に沿って複数のスライスを励起した後、他の2つの軸に沿って位相符号化することにより、3次元(3D)ボリュームを撮像することができる。強い永久勾配を用いたシステムで読出しパルスを使用することは、読出しの軸が永久勾配によって傾斜するため得策でない。このような技術の問題点は、各スライスを1つずつ測定しなければならず、各スライスが薄いことがスライス選択軸の無視につながるために、3Dボクセルが2D平面に射影され、2D平面の軸が位相符号化されることである。したがって、両方の軸を位相符号化しながら各スライスも1つずつ収集しなければならないために、画像取得の速度が極めて遅くなる。
【0159】
本明細書に記載されるさまざまな実施形態によって開示されるシステムおよび方法は、当技術分野に現在存在するよりも高速な画像取得の速度を有するマルチスライス励起方法を使用して不均一磁場中でNMRスペクトルおよびMR画像を収集するための改善された手法に関する。
【0160】
さまざまな実施形態によれば、不均一性は、均一性の欠如の程度、例えば、磁場の平均値からの局所磁場の偏差の割合、とみなすことができる。
【0161】
さまざまな実施形態によれば、パルス列図は、それぞれが異なる成分を表す複数の線を使用して、パルス列に組み込まれる基本的なハードウェア活動のステップを例示する。例えば、無線周波数送信機成分はパルス列図の一番上の線に、スライス選択勾配は第2の線に、位相符号化勾配は第3の線に、そして周波数符号化勾配/読出し勾配は第4すなわち一番下の線に表現され得る。
【0162】
図7Aは、さまざまな実施形態による、2次元(2D)パルス列についての例示的な模式的パルス列
図700aである。
図7Aに示すように、2Dパルス列のパルス列図の場合、列が反復されるたびに、スライス選択および信号検出が持続時間、相対タイミングおよび振幅において反復される。スライス選択パルスの持続時間は70マイクロ秒から10ミリ秒までにわたることが可能である一方、スライス選択パルスの振幅は1から180度までのフリップ角に達するように変更され得る。取得ウィンドウの持続時間は、その間に適用される読出し勾配の強度により変動する。取得持続時間は10マイクロ秒から10ミリ秒までにわたることが可能であり、この時間中に取得されるポイント数は16から512までにわたる。それぞれの実行される列に対して、単相符号化成分が存在する。水平線の上下の偏差は一般に勾配パルスを示す。パルス図は、RFパルスおよびスライス選択勾配などの同時成分活動を、同じ水平位置における両方の線からの非ゼロの偏差として示すことができる。ゼロからの単純な偏差は、一定の振幅勾配パルスを示す。測定中に変化する勾配振幅、例えば位相符号化が、図上に表現されている。
【0163】
図7Bは、さまざまな実施形態による、3次元パルス列についての例示的な模式的パルス列
図700bである。
図7Bに示すように、図示される3Dパルス列700bは、列が反復されるたびに持続時間、相対タイミングおよび振幅において反復されるボリューム励起および信号検出を含む。3Dパルス列の場合、列が実行されるたびに二相符号化成分が存在し、一方は位相符号化方向、他方はスライス選択方向である(振幅は無関係にインクリメントされる)。
【0164】
周知のように、静磁場、例えば永久勾配磁場の不均一性は、本明細書において不均一永久勾配磁場とも呼ばれ、スキャナによって、さらには対象物の磁化率によって生成されるが、磁気共鳴撮像(MRI)において回避することが困難である。一般に、磁場の不均一性は回避すべき厄介なものであり、不均一磁場が空間情報のソースであることは稀である。磁気回転係数の大きい値は、数ppmであっても磁場不均一性において有意な周波数シフトを引き起こすことがあり、これがさらに磁気共鳴(MR)画像のジオメトリおよび強度の両方における歪みを引き起こす。製造業者は、特にスキャナの中心部において、磁場をできるだけ均一化しようと常に努力することになる。理想的な磁石を用いても、不均一性はある程度残り、これは撮像対象物の磁化率によっても引き起こされ得る。幾何学的歪み(ピクセル位置の変位)は、例えば定位手術のようないくつかの場合には重要である。第2の問題点は、ピクセルの強度または明るさの望ましくない変化であり、これは、異なる組織を判定する際に問題を引き起こし、最大限達成可能な画像解像度を低下させる可能性がある。
【0165】
不均一磁場中での撮像に関連する方法には、広帯域幅パルスおよびマルチスライス励起の使用がある。しかし、両方とも不均一永久磁場中での撮像という課題を扱う。例えば、広帯域幅パルスは広範囲の周波数に影響する。広帯域幅パルスの帯域幅は、約1kHzから約1MHzまでにわたり得る。さまざまな実施形態によれば、帯域幅は1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、および400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたり得る。このような帯域幅を有し得るRFパルスの例として、チャープパルス、断熱半通過パルスおよびコンポジットハードパルスがある。磁場が不均一である場合、パルスの帯域幅を増大させることは、RFパルスがサンプルに対してより大きく影響し得ることを意味する。RFパルスの帯域幅をその長さと帯域幅との間のフーリエ関係の限界を超えて増大させるための多くの方法がある。注目すべき方法が2つあり、それらはコンポジットパルスおよび断熱パルスである。
【0166】
コンポジットパルスは、ある順序で互いに付加された従来のRFパルスであり、付加されるパルス間に位相シフトを有することが多い。このようにRFパルスを組み合わせることにより、それらの不完全性を補償することが可能である。また、そうすることにより、コンポジットパルスの帯域幅はそれを作るために使用されるパルスの帯域幅よりも大きくなる。これによりコンポジットパルスは不均一磁場中で使用するために理想的となる。
【0167】
断熱パルスは、従来のRFパルスとは異なる手段により磁化を励起、反転または再集束する。磁化が受ける有効磁場を急激に変化させる代わりに、断熱パルスは代わりに有効磁場を徐々に変化させ、磁場が変化するにつれて磁場とともに磁化を引きずる。有効磁場は、RFパルスの周波数を変化させることによって変化する。これらのパルスの持続時間は100マイクロ秒から20ミリ秒までにわたり得る。RFパルスが磁化と共鳴するまで、磁化は有効磁場の方向と整列する傾向があるが、共鳴すると断熱条件が破れ、断熱励起が可能となる。断熱反転の場合、磁化は有効磁場の方向に常に従う。これにより、従来のRFパルスよりもずっと広い帯域幅を有するRFパルスが可能となり、とりわけ有利である。油井検層は不均一磁場中で行われ得るので、断熱パルスを実施することにより、油井検層において広帯域幅を励起することができる。撮像においても断熱パルスを実施することができ、通常はRF磁場不完全性を補償するだけでなく、永久磁場勾配を補償するために行われる。
【0168】
永久勾配を補償するための断熱パルスの使用の一例は、クロスターム時空間符号化(cross-termspatiotemporal encoding)(xSPEN)のマルチスキャン拡張、すなわち、チャープパルスと呼ばれる一種の断熱パルスを使用したパルス列である。チャープパルスは、相異なる波長または色がパルスの時間エンベロープにわたって一様分布していないパルスである。結果として、このパルスは異なる時刻に空間の異なる部分に影響し、取得に沿った異なる点で再集束する信号を生成する。チャープパルスのこれらの特性を活用することにより、永久勾配およびパルス状勾配を使用した空間情報の符号化が可能となる。
【0169】
不均一磁場を撮像するためのマルチスライス励起方法に関して、(例えば広帯域パルスを介して)RFパルスの帯域幅が増大できないまたは増大すべきでない場合に、撮像ボリューム全体から情報を収集するための方法が存在する。関連する方法は、ユーザが空間の異なる部分を測定したいときに異なる周波数にRFコイルの共鳴周波数を合わせることである。これにより、RFパルスの帯域幅が視野全体の周波数範囲よりも狭い場合であっても撮像視野全体をサンプリングすることが可能となる。このマルチスライス励起方法の結果として、ある軸に沿って複数のスライスを励起した後、他の2つの軸に沿って位相符号化することにより、3Dボリュームを撮像することができるが、これは、このようなマルチスライス励起方法によって一般に生成される磁場に強い勾配が存在するので、両方の軸に沿って位相符号化するために必要である。2つの軸に沿った位相符号化は、信号を取得していないときに2つの直交する軸に沿って磁場勾配を適用することによりなされる。この位相符号化ステップ中に勾配強度または持続時間を配列することにより、2つの追加的な次元に沿って画像を符号化することが可能であり、第3の次元は信号取得ステップ中に符号化される。このような技術の問題点は、各スライスを1つずつ測定しなければならず、各スライスが薄いことがスライス選択軸の無視につながるために、3Dボクセルが2D平面に射影され、2D平面の軸が位相符号化されることである。したがって、両方の軸を位相符号化しながら各スライスも1つずつ収集しなければならないために、画像取得の速度が極めて遅くなる。
【0170】
さまざまな実施形態によれば、本明細書に記載される技術は、当技術分野に現在存在するよりも高速に画像を取得するマルチスライス励起方法を用いて不均一磁場中でNMRスペクトルおよびMR画像を収集することに関連する。したがって、出願人が認識したこととして、必要な空間情報を符号化するためにパルス勾配を利用することを回避しようとするスキャナ型の場合に、チャープパルスを介して広帯域幅パルス(例えば断熱パルス)を実施するための解決法が欠けている。出願人がさらに認識したこととして、当技術分野に現在存在するよりも高速な画像取得の速度が得られる、スキャナにおいてマルチスライス励起方法を実施するための解決法が欠けている。
【0171】
片面式MRIにおける永久勾配を線形または少なくとも全単射(例えば、データセット間の一対一対応)にすることができれば、その勾配からの情報を使用して空間情報を符号化することができる。永久勾配を符号化勾配として使用するために、その勾配によって生成される磁場中でスピンエコーを取得しなければならない。そして、このスピンエコーの時間領域データのフーリエ変換または非線形再構成を使用して、永久磁場の勾配の方向に沿って対象物または患者の1次元プロファイルを生成することができる。これが有用であるためには、その勾配内の磁化の大部分がRFパルスにアクセス可能なものでなければならない。
【0172】
さまざまな実施形態によれば、約200kHzまでの広いRF帯域幅励起を可能にする十分に弱い勾配であるが永久磁石方向における空間符号化のためには十分に強い勾配を生成するためのパターンに配列された小さい磁石要素を使用して特に最適化された、永久勾配を有するスキャナが提供される。スキャナはまた、全体的な磁場強度を増大させるための複数のレッグを有するRFコイルを有することが可能であり、これは断熱パルスを用いて広範囲の帯域幅の強い一様な励起を可能にする。これによりPromaxo社は、3D符号化のための独自のMRIパルス列を使用することが可能である。
【0173】
本明細書のさまざまな実施形態によれば、使用されるパルス列の基礎は、永久的であるスライス選択勾配が読出し勾配としても使用されることである。換言すれば、スライス軸に関する情報が2D平面に射影されない。このことは、主として永久勾配を使用するスキャナにとってこれは特に有利であり、その理由はパルス状の読出し勾配を使用すると画像が歪む可能性が高いからである。スライス選択軸以外の軸は、良好な画像忠実性のために位相符号化されなければならない。
【0174】
本明細書のさまざまな実施形態によるパルス列を実施するためには多くの方法がある。これらは、例えば、励起および再集束のためのチャープパルスなどの断熱パルスを介しての、広帯域幅パルスの使用を含む。例えば、チャープパルスを用いて、帯域幅を増大させることができる。例えば、チャープパルスを使用することにより、広帯域幅を励起することが可能であり、その帯域幅内の周波数は1つの軸に沿った空間情報を含むことが可能である。
【0175】
図8は、さまざまな実施形態による、チャープパルスおよび永久スライス選択勾配を有するシステムに対する模式的パルス列
図800である。
図8に示すように、さまざまな実施形態によれば、片面式MRIを用いて磁気共鳴画像またはスペクトルを収集するために広帯域パルス(例えばチャープパルス)を使用する手法が提供される。例えば、パルス
図800に示すように、不均一磁場などの永久勾配磁場がz方向の軸に沿っている場合、2つの位相符号化810および820がxおよびy軸で使用可能である。
図8に示す例では、単一のエコーが使用可能である。さらに、パルス
図800は、すべての磁化が取得850中の同じ瞬間に、例えば正確な期間に、再集束するように使用および較正することが可能な2つのチャープパルス830および840を含む。したがって、さまざまな実施形態によれば、両方のパルスが同じまたは実質的に類似の帯域幅を有する場合には、パルス
図800に示すように、第2のパルス840は第1のパルス830の半分の長さとすることができる。
【0176】
これらのパルスの帯域幅は、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、および400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたり得る。チャープパルスによって影響される磁化は、例えば、2D画像について、2つの直交する軸に沿って、または1つの軸のみに沿って位相符号化され得る。さまざまな実施形態では、撮像ボリューム全体が一度に符号化される。さまざまな実施形態では、撮像ボリュームの諸部分が1つずつ符号化される。これが生成する信号は、読出しについてはzに沿って、位相符号化についてはxおよびyに沿って符号化される。そうすることにより、ボリューム全体をより迅速に撮像することが可能である。ボリュームのスライス厚さは、信号対雑音比を増大させるための後処理により増大可能である。
【0177】
したがって、上記に鑑みて、出願人は、パルス状の勾配を必要とせずに、特定のMRIスキャナ(例えば片面式MRI)においてマルチスライス励起方法とともに特定の広帯域パルス(例えばチャープパルス)を使用して、不均一磁場中でNMRスペクトルおよびMR画像をより高速な画像取得速度で収集する方法を発見した。この方法によれば、マルチスライス取得を用いた他の方法で可能であるよりもずっと迅速にボリューム全体を撮像することが可能となる。さらに、スライス選択勾配を読出しとして使用することにより、z軸に沿った情報の損失はない。さまざまな実施形態によって開示される技術に鑑みると、開示される実施方法は、2つの方法を組み合わせることにおける既存の課題を克服する。例えば、克服される課題のうちのいくつかは、撮像のためのチャープパルスを実施しながら、それらの異常な挙動を補償すること、撮像のために有用な永久磁場を設計すること、効率的な信号平均化のためにチャープパルスによって励起されたデータスライスをインタリーブすること、および/または第3次元が直接測定されるときに3次元データを効率的に2次元スライスの系列に崩すこと、における困難を含む。
【0178】
高速化は、通常の視野を撮像するために何枚のスライスが必要とされるかを計算することによって最も良く評価し得る。例えば、さまざまな実施形態によれば、本明細書で論じられるスキャナにおける視野(本明細書では対象領域ともいう)は直径4乃至12インチの球である。例示的なスキャナは、0.5から5mmにわたる厚さを有する従来のスライス選択パルスを生成することが可能であり、これは、例えば、視野全体をカバーするために約34枚のスライスが選択されることを意味する。同じスキャナが、1インチの厚さを有するスライスを励起するチャープパルスを生成することも可能であり、これは、スライス方向が読出しとしても扱われる場合には、視野全体をカバーするために4枚だけのスライスが必要とされることを意味する。これは約8.5倍の高速化であるが、主としてスキャナのハードウェアに起因して高速化が制限される可能性がある。視野の帯域幅に等しい広帯域幅の受信および送信コイルを用いると、1枚のスライスで撮像ボリューム全体を選択することが可能である。
【0179】
図9は、さまざまな実施形態による、例示的なパルス列の図である。
図9に示すように、いくつかの例示的なデジタル波形がシステムコンピュータによって発生され、ソフトウェア設計無線機(SDR)へ送信される。一番上のチャネルに示す信号列910は無線周波数送信(RFTx)チャネルであり、これはRFシステムの送信システム(TX)セグメントへ送信されるすべての波形を有する。この例では、RFTxチャネル内のすべてのパルスは、同一の帯域幅であるが異なる持続時間を有するチャープパルスである。さまざまな実施形態によれば、発生されるパルスはこの反復では搬送波と混合しないが、これはそれらの中心周波数が0Hzであることを意味する。さまざまな実施形態によれば、パルスは、発生された後、SDRで搬送波と混合され、それらの中心周波数をシステムのラーモア周波数に適合するために必要とされる周波数に変化させる。
【0180】
図9に示すように、信号列920は無線周波数受信(RFRx)チャネルである。このチャネルは、RFTxチャネルとは異なり、アナログ信号に変換されない。代わりに、このチャネルは、RFシステムの受信システム(RX)セクションから受信しているアナログ信号をいつデジタル化するかについてのSDRに対する命令の系列である。さまざまな実施形態によれば、SDRはRXセクションから何らかの信号を常に受信しているが、RFRxチャネルが1にセットされるときに収集される信号のみが撮像に関連する。
【0181】
図9にさらに示すように、下の2つのチャネルに示す信号列930および940は勾配チャネルである。さまざまな実施形態によれば、これらの信号列930および940は、勾配増幅器によって増幅された後に、勾配コイルへ送信される波形に対応する。さまざまな実施形態によれば、勾配は、空間情報を収集される信号として符号化することを担当する。
【0182】
図10は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像システム1000で撮像するための患者の例示的体位を示す。
図10に示すように、受信(Rx)コイル1070は患者1100上に配置され得る。さまざまな実施形態によれば、受信コイル1070の構成は、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり得る。
図10に示すように、受信コイル1070は、患者1100の解剖学的部位上に配置される3ループコイルである。さまざまな実施形態によれば、受信コイル1070によって取得される信号は、RFシステムのRXセクションへ送信され得る。
【0183】
さまざまな実施形態によれば、チャープMRIスキャンを実行する方法は以下のステップを含む。第1のステップで、患者は、その身体の関連する部分が視野内に入るようにポジショニングされる。そして、受信コイルまたはコイルアレイが患者上に配置される。身体の異なる部分は、異なる受信コイルアレイを必要とし得る。さまざまな実施形態によれば、これらのアレイの設計は多様である。さまざまな実施形態によれば、いくつかの設計ではすべてのコイルが同調ボックスで変えられる周波数に調節されている。さまざまな実施形態によれば、他の設計でのコイルのアレイは、それぞれが別個に静的に調節されている。設計にかかわらず、受信コイルは、それらの空間感度が高感度である周波数と重畳するように配置される。患者および受信コイルがポジショニングされた後、それらの配置を確認するために信号が取得される。信号は、SDRからRFシステムのTXセクションへ2つのパルスを送出することによって取得される。これらの2つのパルスは両方ともチャープパルスであって、患者の体内に信号を誘導するように設計されている。信号は患者の身体上の受信コイルによって拾われる。そして、これらの信号は受信コイルからRFシステムのRXセクションへ送信される。信号が検出される場合、スキャンはその次のステップに進む。次の段階で、患者が正しい位置に配置されていることを確認するために患者の画像が撮られる。画像を収集するために、チャープパルスの列が患者に適用される。これらのパルスはRFシステムのTXセクションを通じて送信される。これらのチャープパルスの適用の合間に、RFシステムのRXセクションを介して、信号が受信コイルから取得される。また、空間情報を信号に符号化するために、勾配パルスがシステムへ送信される。患者の位置が確認された後、完全画像が撮られる。完全画像は、患者の位置を確認するために使用された画像と同様の方法で収集される。唯一の相違点は、完全画像はより高い解像度となるため、取得するのにより長くかかることである。
【0184】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが提供される。さまざまな実施形態によれば、システムは、標的被検体に近接して配置されるように構成された無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムを含む。さまざまな実施形態によれば、標的被検体の磁気共鳴画像を形成するために受信システムは、少なくとも2つのチャープパルスを含む標的被検体の信号を送出するように構成される。さまざまな実施形態によれば、システムはハウジングを含み、ハウジングは、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石を備える。さまざまな実施形態によれば、撮像システムが不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用するように構成され、無線周波数送信システムがチャープパルス列を送出するように構成され、片面式勾配コイルセットが不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを送出するように構成される。
【0185】
さまざまな実施形態によれば、システムは、無線周波数送信システムおよび片面式勾配コイルセットのうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、標的被検体を包含する対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、対象領域の直径が4乃至12インチである。
【0186】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが、チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを不均一永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含むマルチスライス励起を適用するように構成される。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる。
【0187】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、不均一永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、1次元信号が第1の1次元信号であり、勾配パルスが、互いに直交しかつ不均一永久勾配磁場の軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される。
【0188】
さまざまな実施形態によれば、勾配パルスが、空間情報を信号に符号化するように構成される。さまざまな実施形態によれば、不均一永久勾配磁場およびチャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および不均一永久勾配におけるスライス選択のために構成される。さまざまな実施形態によれば、標的被検体が身体の解剖学的部位である。
【0189】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが受信コイルのアレイを含み、受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが標的被検体に信号を誘導し、受信コイルがその信号を受信するように構成される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、90度位相がずれた2つの成分に分離される。さまざまな実施形態によれば、送信システムが、少なくとも2つのチャープパルスを発生するように構成された2つの別個のポートをさらに備える。
【0190】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに含み、信号処理ボックスがブランキング信号で制御システムをオン/オフするように構成される。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが無線周波数増幅器をさらに含み、制御システムがブランキング信号でオン/オフされると増幅器が有効化/無効化される。
【0191】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信システムが、非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向された送信コイルを含む。
【0192】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが同調ボックスをさらに含み、同調ボックスが送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される。
【0193】
さまざまな実施形態によれば、勾配コイルセットが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向され、勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0194】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが、対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。
【0195】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、受信コイルが対象領域よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、送信コイルおよび勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。
【0196】
図11は、さまざまな実施形態による、例示的な磁気共鳴撮像システム1100の概略図である。システム1100は、撮像システム1110、電源1180、および制御システム1190を含む。
図11に示すように、撮像システム1110は、ハウジング1120および無線周波数受信システム1170を含む。
図11に示すように、ハウジング1120は、永久磁石1130、無線周波数送信システム1140、勾配コイルセット1150、および任意選択的に電磁石1160を含む。さまざまな実施形態によれば、システム1100は、例えば、限定されることはないが、バラクタ、PINダイオード、キャパシタ、または、微小電気機械システム(MEMS)スイッチ、固体リレー、もしくは機械式リレーを含むスイッチなどのさまざまな電子部品を含み得る。さまざまな実施形態によれば、上に列挙したさまざまな電子部品は、無線周波数送信システム1140とともに構成され得る。
【0197】
さまざまな実施形態によれば、
図11に関して図示され記載される例示的システム1100は、
図1に関して図示され記載される例示的システム100と類似しているか、または類似の構成要素を含むため、別段の指定がない限り、構成要素のそれぞれについてさらに詳細には説明しない。例えば、さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信システム1140は、無線周波数送信コイル140と同一または実質的に同一であり得る無線周波数送信コイルを含み得る。同様に、さまざまな実施形態によれば、無線周波数受信システム1170は、無線周波数受信コイル170と同一または実質的に同一であり得る無線周波数受信コイルを含み得る。
【0198】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0199】
図12は、さまざまな実施形態による、例示的な磁気共鳴撮像システム1200の概略図である。
図12に示すように、撮像システム1200は、撮像システム1210および制御システム1290を含む。撮像システム1210は、無線周波数送信システム(RF-TX)1240、無線周波数受信システム(RF-RX)1270、同調ボックス1212、および信号処理ボックス1214を含む。制御システム1290は、ソフトウェア設計無線機(SDR)1292および制御・インタフェースシステム1294を含む。さまざまな実施形態によれば、システム1200のさまざまな構成要素のそれぞれは、システム1200の他の構成要素と通信可能に結合される。
【0200】
さまざまな実施形態によれば、
図12に示すさまざまな矢印は、システム1200内のさまざまな構成要素の相互接続およびそれらのワークフローを例示する。例えば、ワークフローは、制御・インタフェースシステム1294内に存在するコンピュータから開始し得る。例示的なワークフローは、必要とされるデジタル波形の計算を、それらが適用される必要のある特定の順序で含む。そして、デジタル波形はSDR1292へ送信され、SDR1292は、無線周波数送信システム1240へ送信されるアナログ波形を発生させ、無線周波数送信システム1240は、無線周波数増幅器および送信コイルを含む。これはSDR1292によって生成された波形を増幅し、それを標的被検体、例えば身体、患者またはファントム内に送出する。このシステムの特性は、信号処理ボックス1214および同調ボックス1212を用いて調節され、信号処理ボックス1214はブランキング信号で撮像システム1210をオン/オフし、同調ボックス1212はシステムの周波数応答を調節する。さまざまな実施形態によれば、同調ボックス1212は、撮像システム1210内の任意選択的な構成要素である。
【0201】
波形を受信した後、無線周波数送信システム1240は標的被検体内のスピンに信号を発生させ、これが無線周波数受信システム1270によって検出される。この無線周波数受信システム1270も、ブランキングおよび同調信号で作動および操作される。送信システム1240と同様に、受信システム1270は、同調信号を必ずしも必要とはしない。作動して信号を受信した後、受信システム1270は信号を撮像システム1210へ送信し、そこで信号はデジタル化される。
【0202】
図12に示すように、信号処理ボックスは、システム1200のさまざまな構成要素へ送信された制御信号を、それらの構成要素が受け入れる値に設定するように構成される。さまざまな実施形態によれば、RF増幅器を作動させるためには、SDR1292が生成可能であるよりも高い高電圧信号を必要とする。このような場合、SDR1292は信号処理ボックス1214へ信号を送信するように構成可能であり、その場合に信号処理ボックス1214はその信号をRF増幅器が認識するレベルに増幅する。
【0203】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0204】
図13は、さまざまな実施形態による、例示的な磁気共鳴撮像システム1300の概略図である。
図13に示すように、撮像システム1300は、撮像システム1310および制御システム1390を含む。撮像システム1310は、無線周波数送信システム1340、同調ボックス1312、および信号処理ボックス1314を含む。制御システム1390は、SDR1392および制御・インタフェースシステム1394を含む。
図13に示すように、無線周波数送信システム1340は、無線周波数電力増幅器1342、無線周波数コンバイナ1344、トランス(バランなど)1346、および無線周波数送信コイル1348を含む。さまざまな実施形態によれば、システム1300のさまざまな構成要素のそれぞれは、システム1300の他の構成要素と通信可能に結合される。
【0205】
さまざまな実施形態によれば、
図13に示すさまざまな矢印は、システム1300内のさまざまな構成要素の相互接続およびそれらのワークフローを例示する。例えば、ワークフローは、制御・インタフェースシステム1394内に存在するコンピュータから開始し得る。例示的なワークフローは、アナログ波形がSDR1392で発生され、無線周波数電力増幅器1342へ送信されるときを含む。さまざまな実施形態によれば、発生された波形はチャープ波形であり得る。制御信号も増幅器1342へ送信され、増幅器1342をオンにするとともに、SDR1392が送信パルスを送出しているときにのみ増幅器1342を有効化する。さまざまな実施形態によれば、この波形は、増幅されて無線周波数コンバイナ1344へ送信され、無線周波数コンバイナ1344はその波を90度位相がずれた2つの波に分離させる。さまざまな実施形態によれば、波を90度位相がずれた2つの波に分離せず、代わりに送信コイル1348の単一のポートへ直接送信することが可能である。これらの波は、送信コイル1348の2つのポートへ送信され、それから送信コイル1348は、受信システム1170または1270などの受信システムによって検出される信号を発生するRFパルスを生成する。さまざまな実施形態によれば、波はトランス1346を介して送信コイル1348へ送信される。さまざまな実施形態によれば、システムは、送信コイル1348の周波数応答を変化させる同調ボックス1312と、増幅器1342を有効化および無効化する信号処理ボックス1314とによって制御される。さまざまな実施形態によれば、同調ボックス1312およびトランスまたはバラン1346は、撮像システム1310の撮像における任意選択的な構成要素である。
【0206】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0207】
図14は、さまざまな実施形態による、例示的な撮像システム1400の概略図である。
図14に示すように、撮像システム1400は、撮像システム1410および制御システム1490を含む。制御システム1490は、制御・インタフェースシステム1494を含む。撮像システム1410は、無線周波数受信システム1470、および同調ボックス1412を含む。
図14に示すように、無線周波数受信システム1470は、無線周波数受信コイル1472、第1段前置増幅器1474、トランス(バランなど)1476、および第2段前置増幅器1478を含む。さまざまな実施形態によれば、システム1400のさまざまな構成要素のそれぞれは、システム1400の他の構成要素と通信可能に結合される。
【0208】
さまざまな実施形態によれば、
図14に示すさまざまな矢印は、システム1400内のさまざまな構成要素の相互接続およびそれらのワークフローを例示する。例えば、ワークフローは、制御・インタフェースシステム1494内に存在するコンピュータから開始し得る。例示的なワークフローは、標的被検体によって発生された無線周波数信号が受信システム1470で検出されるときを含む。これらの信号は、送信システム1140、1240、または1340などの送信システムによって誘導される。さまざまな実施形態によれば、同調ボックス1412は、受信コイル1472が高感度である周波数を設定するように構成される。受信コイル1472がその調節された周波数において信号を検出または受信した後、それらの信号は第1段前置増幅器1474へ送信され、第1段前置増幅器1474は受信信号を増幅する。さまざまな実施形態によれば、システム1400は、第1段前置増幅器1474による増幅によって、雑音に影響されにくくなる。そして、増幅された信号はトランス1476を通じて第2段前置増幅器1478における次段の増幅へ送信され、第2段前置増幅器1478は信号の雑音耐性をさらに向上させる。第2段から、今や完全に増幅された信号は制御・インタフェースシステム1494へ送信され、そこでデジタル化され処理される。コイルの分量は用途に応じて変わり得る。
【0209】
理解されるべきであるが、本明細書における小見出しの任意の使用は編成目的のためであり、それらの小見出し付きの特徴を本明細書のさまざまな実施形態に適用することを制限すると読むべきではない。本明細書に記載のあらゆる特徴は、本明細書で論じられるさまざまな実施形態すべてにおいて適用可能かつ使用可能であり、本明細書に記載のすべての特徴は、本明細書に記載される特定の例示的実施形態にかかわらず任意の企図される組合せにおいて使用可能である。さらに注意されるべきであるが、具体的な特徴の例示的記載は概ね情報提供の目的で使用されており、具体的に記載された特徴の設計、部分特徴、および機能をいかなる意味でも制限するものではない。
【0210】
ワークフロー実施形態
さまざまな実施形態によれば、開示される磁気共鳴撮像システムのさまざまなシステム、ならびにさまざまなシステム構成要素および実施形態を構成する特徴のさまざまな組合せが本明細書に開示される。
【0211】
図15は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する方法S100のフローチャートである。方法S100は、ステップS110で、磁気共鳴撮像システムを用意することを含む。システムは、無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムと、ハウジングとを含み、ハウジングは、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信システムと、片面式勾配コイルセットとを含む。
【0212】
図15に示すように、方法S100は、ステップS120で、標的被検体に近接して受信コイルを配置することを含む。方法S100は、ステップS130で、送信システムを介してチャープパルス列を適用することを含む。
【0213】
図15に示すように、方法S100は、ステップS140で、不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することを含む。方法S100は、ステップS150で、勾配コイルセットを介して不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することを含む。
【0214】
図15に示すように、方法S100は、ステップS160で、少なくとも2つのチャープパルスを含む標的被検体の信号を受信システムを介して取得することを含む。方法S100は、ステップS170で、標的被検体の磁気共鳴画像を形成することを含む。
【0215】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルス、マルチスライス励起、および勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が受信システムでの信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる。さまざまな実施形態によれば、システムは、無線周波数送信コイルおよび片面式勾配コイルセットのうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、標的被検体を包含する対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、対象領域の直径が4乃至12インチである。
【0216】
さまざまな実施形態によれば、マルチスライス励起が、チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを不均一永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含む。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる。
【0217】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、不均一永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、1次元信号が第1の1次元信号であり、勾配パルスが、互いに直交しかつ不均一永久勾配磁場の軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される。
【0218】
さまざまな実施形態によれば、勾配パルスが、空間情報を信号に符号化するように構成される。さまざまな実施形態によれば、不均一永久勾配磁場およびチャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および不均一永久勾配におけるスライス選択のために構成される。
【0219】
さまざまな実施形態によれば、標的被検体が身体の解剖学的部位である。さまざまな実施形態によれば、受信コイルが受信コイルのアレイを備え、受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される。
【0220】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが標的被検体に信号を誘導し、その信号が受信コイルによって受信される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、90度位相がずれた2つの成分に分離される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、送信システムの2つの別個のポートへ送信される2つの成分に分離される。
【0221】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、信号処理ボックスがブランキング信号で制御システムをオン/オフするように構成される。さまざまな実施形態によれば、ブランキング信号でシステムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する。
【0222】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信システムが、非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向された送信コイルを備える。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが同調ボックスをさらに備え、同調ボックスが送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される。
【0223】
さまざまな実施形態によれば、勾配コイルセットが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向され、勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。さまざまな実施形態によれば、受信コイルが、対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、受信コイルが対象領域よりも小さい。
【0224】
さまざまな実施形態によれば、送信コイルおよび勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。
【0225】
図16は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する方法S200のフローチャートである。方法S200は、ステップS210で、撮像システムを用意することを含む。システムは、無線周波数受信コイルと、永久勾配磁場を提供する永久磁石とを含む。
【0226】
図16に示すように、方法S200は、ステップS220で、標的被検体に近接して受信コイルを配置することを含む。方法S200は、ステップS230で、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することを含む。
【0227】
図16に示すように、方法S200は、ステップS240で、永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することを含み、マルチスライス励起が、チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含む。
【0228】
図16に示すように、方法S200は、ステップS250で、永久勾配磁場の軸に垂直な2つの直交方向に沿って位相符号化磁場を適用することを含む。方法S200は、ステップS260で、標的被検体の磁気共鳴画像を取得することを含む。
【0229】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルス、マルチスライス励起、および勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる。さまざまな実施形態によれば、それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する。さまざまな実施形態によれば、対象領域の直径が4乃至12インチである。
【0230】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる。
【0231】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、1次元信号が第1の1次元信号であり、勾配パルスが、互いに直交しかつ永久勾配磁場の軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される。
【0232】
さまざまな実施形態によれば、勾配パルスが、空間情報を信号に符号化するように構成される。さまざまな実施形態によれば、永久勾配磁場およびチャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および永久勾配におけるスライス選択のために構成される。
【0233】
さまざまな実施形態によれば、標的被検体が身体の解剖学的部位である。
【0234】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが受信コイルのアレイを備え、受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが標的被検体に信号を誘導し、その信号が受信コイルによって受信される。
【0235】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、信号処理ボックスがブランキング信号で制御システムをオン/オフするように構成される。さまざまな実施形態によれば、ブランキング信号でシステムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する。
【0236】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに含み、同調ボックスが送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、送信コイルが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向される。
【0237】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに備え、勾配コイルセットが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向され、勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0238】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが、対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、受信コイルが対象領域よりも小さい。
【0239】
図17は、さまざまな実施形態による、磁気共鳴撮像を実行する方法S300のフローチャートである。方法S300は、ステップS310で、永久勾配磁場を提供することを含む。
【0240】
図17に示すように、方法S300は、ステップS320で、標的被検体に近接して受信コイルを配置することを含む。方法S300は、ステップS330で、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することを含む。方法S300は、ステップS340で、同じ広帯域幅を有するスライス選択勾配を選択することを含む。
【0241】
図17に示すように、方法S300は、ステップS350で、永久勾配磁場の軸に沿ってマルチスライス励起技術を適用することを含む。方法S300は、ステップS360で、永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することを含む。方法S300は、ステップS370で、受信コイルを介して標的被検体の信号を取得することを含む。方法S300は、ステップS380で、標的被検体の磁気共鳴画像を形成することを含む。
【0242】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルス、マルチスライス励起技術、および勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる。さまざまな実施形態によれば、それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する。さまざまな実施形態によれば、対象領域の直径が4乃至12インチである。
【0243】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる。
【0244】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、1次元信号が第1の1次元信号であり、勾配パルスが、互いに直交しかつ永久勾配磁場の軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される。
【0245】
さまざまな実施形態によれば、勾配パルスが、空間情報を信号に符号化するように構成される。さまざまな実施形態によれば、永久勾配磁場およびチャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および永久勾配におけるスライス選択のために構成される。
【0246】
さまざまな実施形態によれば、標的被検体が身体の解剖学的部位である。
【0247】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが受信コイルのアレイを備え、受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが標的被検体に信号を誘導し、その信号が受信コイルによって受信される。
【0248】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、信号処理ボックスがブランキング信号で制御システムをオン/オフするように構成される。さまざまな実施形態によれば、ブランキング信号でシステムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する。
【0249】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに備え、同調ボックスが送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、送信コイルが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向される。
【0250】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに備え、勾配コイルセットが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向され、勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0251】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが、対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、受信コイルが対象領域よりも小さい。
【0252】
コンピュータ実装システム
図18は、さまざまな実施形態による、コンピュータシステム1800を例示するブロック図である。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法S100、S200、およびS300は、コンピュータソフトウェアまたはハードウェアを介して実装され得る。さまざまな実施形態によれば、制御システム1190、1290、1390、および1490などの制御システム、またはシステム1294、1394、および1494などの制御・インタフェースシステムは、「固定配線」された物理ネットワーク接続(例えばインターネット、LAN、WAN、VPNなど)または無線ネットワーク接続(例えばWi-Fi、WLANなど)のいずれかであり得るネットワーク接続を介してコンピュータシステム1800と通信可能に接続され得る。さまざまな実施形態では、コンピュータシステム1800は、ワークステーション、メインフレームコンピュータ、分散コンピューティングノード(「クラウドコンピューティング」または分散ネットワーキングシステムの一部)、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイスなどであり得る。
【0253】
さまざまな実施形態によれば、コンピュータシステム1800は、情報を通信するためのバス1802または他の通信メカニズム、および情報を処理するためにバス1802に結合されるプロセッサ1804を含み得る。さまざまな実施形態によれば、コンピュータシステム1800は、プロセッサ1804によって実行されるべき命令を決定するためにバス1802に結合されるメモリをも含み得る。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)1806または他のダイナミック記憶装置であり得る。メモリは、プロセッサ1804によって実行されるべき命令の実行中に一時変数または他の中間情報を記憶するためにも使用可能である。さまざまな実施形態によれば、コンピュータシステム1800は、プロセッサ1804のための静的情報および命令を記憶するためにバス1802に結合される読出し専用メモリ(ROM)1808または他のスタティック記憶装置をさらに含み得る。磁気ディスクまたは光ディスクなどの記憶装置1810が、情報および命令を記憶するために提供されバス1802に結合され得る。
【0254】
さまざまな実施形態によれば、コンピュータシステム1800は、バス1802を介して、コンピュータユーザに対して情報を表示するための陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ1812に結合され得る。英数字および他のキーを含む入力装置1814が、プロセッサ1804に情報およびコマンド選択を通信するためにバス1802に結合され得る。別の種類のユーザ入力装置が、プロセッサ1804に方向情報およびコマンド選択を通信し、ディスプレイ1812上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボールまたはカーソル方向キーなどのカーソルコントロール1816である。この入力装置1814は一般に2つの軸、すなわち第1の軸(すなわちx)および第2の軸(すなわちy)、における2つの自由度を有し、装置が平面内で位置を指定することを可能にする。しかし、理解されるべきであるが、3次元(x、yおよびz)カーソル移動を可能にする入力装置1814も本明細書で企図される。
【0255】
本教示のいくつかの実装形態と整合して、プロセッサ1804がメモリ1806に含まれる1つ以上の命令の1つ以上の列を実行することに応じて、結果がコンピュータシステム1800により提供され得る。このような命令は、記憶装置1810などの別のコンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読記憶媒体からメモリ1806に読み込まれ得る。メモリ1806に含まれる命令列の実行により、プロセッサ1804は、本明細書に記載されるプロセスを実行することができる。代替的に、本教示を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、固定配線論理を使用可能である。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアのいかなる特定の組合せにも限定されることはない。
【0256】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」(例えばデータストア、データストレージなど)または「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ1804に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む多くの形態をとり得るが、それらに限定されることはない。不揮発性媒体の例は、記憶装置1810などの光ディスク、ソリッドステートディスク、磁気ディスクを含み得るが、それらに限定されることはない。揮発性媒体の例は、メモリ1806などのダイナミックメモリを含み得るが、それらに限定されることはない。伝送媒体の例は、バス1802を含む配線を含む同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含み得るが、それらに限定されることはない。
【0257】
コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、またはコンピュータが読出し可能な任意の他の有形媒体を含む。
【0258】
コンピュータ可読媒体に加えて、命令またはデータは、実行のためにコンピュータシステム1800のプロセッサ1804に1つ以上の命令の列を提供するために通信装置またはシステムに含まれる伝送媒体上の信号として提供され得る。例えば、通信装置は、命令およびデータを示す信号を有する送受信機を含み得る。命令およびデータは、本明細書の開示に概説された機能を1つ以上のプロセッサに実装させるように構成される。データ通信伝送接続の代表例は、電話モデム接続、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、赤外線データ接続、NFC接続などを含み得るが、それらに限定されることはない。
【0259】
認識されるべきであるが、本明細書に記載された方法、フローチャート、図および添付の開示は、スタンドアローン装置として、またはクラウドコンピューティングネットワークなどの共有コンピュータ処理リソースの分散ネットワーク上で、コンピュータシステム1800を使用して実装可能である。
【0260】
本明細書に記載された方法は、応用によりさまざまな手段によって実装され得る。例えば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。ハードウェア実装形態について、処理ユニットは、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書に記載された機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せ内に実装され得る。
【0261】
さまざまな実施形態では、本教示の方法は、ファームウェアおよび/またはソフトウェアプログラム、ならびにC、C++、Pythonなどの従来のプログラミング言語で書かれたアプリケーションとして実装され得る。ファームウェアおよび/またはソフトウェアとして実装される場合、本明細書に記載される実施形態は、上述の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体上に実装され得る。理解されるべきであるが、本明細書に記載されるさまざまなエンジンは、コンピュータシステム1800などのコンピュータシステム上に提供されることが可能であり、それによりプロセッサ1804は、メモリ構成要素1806/1808/1810のうちのいずれか1つまたはそれらの組合せにより提供される命令および入力装置1814を介して提供されるユーザ入力に従って、これらのエンジンにより提供される分析および決定を実行する。
【0262】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。さまざまな実施形態によれば、方法は、磁気共鳴撮像システムを用意することを含む。さまざまな実施形態によれば、システムは、無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムと、ハウジングとを含む。さまざまな実施形態によれば、ハウジングは、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信システムと、片面式勾配コイルセットとを含む。さまざまな実施形態によれば、方法は、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、送信システムを介してチャープパルス列を適用することと、不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することと、勾配コイルセットを介して不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、少なくとも2つのチャープパルスを含む標的被検体の信号を受信システムを介して取得することと、標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとをさらに含む。
【0263】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルス、マルチスライス励起、および勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が受信システムでの信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる。さまざまな実施形態によれば、システムは、無線周波数送信システムおよび片面式勾配コイルセットのうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、標的被検体を包含する対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源をさらに含む。さまざまな実施形態によれば、対象領域の直径が4乃至12インチである。
【0264】
さまざまな実施形態によれば、マルチスライス励起が、チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを不均一永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含む。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる。
【0265】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、不均一永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、1次元信号が第1の1次元信号であり、勾配パルスが、互いに直交しかつ不均一永久勾配磁場の軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される。
【0266】
さまざまな実施形態によれば、勾配パルスが、空間情報を信号に符号化するように構成される。さまざまな実施形態によれば、不均一永久勾配磁場およびチャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および不均一永久勾配におけるスライス選択のために構成される。さまざまな実施形態によれば、標的被検体が身体の解剖学的部位である。
【0267】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが受信コイルのアレイを含み、受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが標的被検体に信号を誘導し、その信号が受信コイルによって受信される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、90度位相がずれた2つの成分に分離される。さまざまな実施形態によれば、少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、送信システムの2つの別個のポートへ送信される2つの成分に分離される。
【0268】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに含み、信号処理ボックスがブランキング信号で制御システムをオン/オフするように構成される。さまざまな実施形態によれば、ブランキング信号で制御システムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する。
【0269】
さまざまな実施形態によれば、無線周波数送信システムが、非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向された送信コイルを含む。さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが同調ボックスをさらに含み、同調ボックスが送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、勾配コイルセットが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向され、勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0270】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが、対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、受信コイルが対象領域よりも小さい。さまざまな実施形態によれば、送信コイルおよび勾配コイルセットが対象領域の周りで同心である。
【0271】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。さまざまな実施形態によれば、方法は、撮像システムを用意することを含み、撮像システムは、無線周波数受信コイルと、永久勾配磁場を提供する永久磁石とを備える。さまざまな実施形態によれば、方法は、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することとを含み、マルチスライス励起が、チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含むものであり、方法はさらに、永久勾配磁場の軸に垂直な2つの直交方向に沿って位相符号化磁場を適用することと、標的被検体の磁気共鳴画像を取得することとを含む。
【0272】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルス、マルチスライス励起、および勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる。さまざまな実施形態によれば、それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する。さまざまな実施形態によれば、対象領域の直径が4乃至12インチである。
【0273】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる。
【0274】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、方法は、勾配コイルセットを介して不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することをさらに含み、1次元信号が第1の1次元信号であり、勾配パルスが、互いに直交しかつ永久勾配磁場の軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される。
【0275】
さまざまな実施形態によれば、方法は、勾配コイルセットを介して不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することをさらに含み、勾配パルスが、空間情報を信号に符号化するように構成される。さまざまな実施形態によれば、永久勾配磁場およびチャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および永久勾配におけるスライス選択のために構成される。さまざまな実施形態によれば、標的被検体が身体の解剖学的部位である。
【0276】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが受信コイルのアレイを含み、受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが標的被検体に信号を誘導し、その信号が受信コイルによって受信される。
【0277】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに含み、信号処理ボックスがブランキング信号で制御システムをオン/オフするように構成される。さまざまな実施形態によれば、ブランキング信号でシステムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する。
【0278】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに含み、同調ボックスが送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、送信コイルが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向される。
【0279】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに含み、勾配コイルセットが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向され、勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0280】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが、対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、受信コイルが対象領域よりも小さい。
【0281】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。さまざまな実施形態によれば、方法は、永久勾配磁場を提供することと、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、同じ広帯域幅を有するスライス選択勾配を選択することと、永久勾配磁場の軸に沿ってマルチスライス励起技術を適用することと、永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、受信コイルを介して標的被検体の信号を取得することと、標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとを含む。
【0282】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルス、マルチスライス励起技術、および勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる。さまざまな実施形態によれば、それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する。さまざまな実施形態によれば、対象領域の直径が4乃至12インチである。
【0283】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる。
【0284】
さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが、永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される。さまざまな実施形態によれば、1次元信号が第1の1次元信号であり、勾配パルスが、互いに直交しかつ永久勾配磁場の軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される。
【0285】
さまざまな実施形態によれば、勾配パルスが、空間情報を信号に符号化するように構成される。さまざまな実施形態によれば、永久勾配磁場およびチャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および永久勾配におけるスライス選択のために構成される。さまざまな実施形態によれば、標的被検体が身体の解剖学的部位である。
【0286】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが受信コイルのアレイを備え、受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される。さまざまな実施形態によれば、チャープパルスが標的被検体に信号を誘導し、その信号が受信コイルによって受信される。
【0287】
さまざまな実施形態によれば、磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに含み、信号処理ボックスがブランキング信号で制御システムをオン/オフするように構成される。さまざまな実施形態によれば、ブランキング信号でシステムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する。
【0288】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに含み、同調ボックスが送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される。さまざまな実施形態によれば、送信コイルが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向される。
【0289】
さまざまな実施形態によれば、撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに含み、勾配コイルセットが非平面状であり対象領域を部分的に包囲するように配向され、勾配コイルセットが対象領域に磁場勾配を投射するように構成される。
【0290】
さまざまな実施形態によれば、受信コイルが、対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである。さまざまな実施形態によれば、受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、受信コイルが対象領域よりも小さい。
【0291】
実施形態の列挙
実施形態1.磁気共鳴撮像を実行する方法であって、磁気共鳴撮像システムを用意することを含み、該磁気共鳴撮像システムが、無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムと、ハウジングとを備え、ハウジングが、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信システムと、片面式勾配コイルセットとを備える、磁気共鳴撮像を実行する方法。方法は、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、前記送信システムを介してチャープパルス列を適用することと、前記不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することと、前記勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、少なくとも2つのチャープパルスを含む前記標的被検体の信号を前記受信システムを介して取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとをさらに含む。
【0292】
実施形態2.前記チャープパルス、前記マルチスライス励起、および前記勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が前記受信システムでの前記信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、実施形態1の方法。
【0293】
実施形態3.前記無線周波数送信システムおよび前記片面式勾配コイルセットのうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記標的被検体を包含する対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源をさらに備える、実施形態1~2のうちのいずれかの方法。
【0294】
実施形態4.前記対象領域の直径が4乃至12インチである、実施形態3の方法。
【0295】
実施形態5.前記マルチスライス励起が、前記チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを前記不均一永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含む、実施形態1~4のうちのいずれかの方法。
【0296】
実施形態6.前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、実施形態1~5のうちのいずれかの方法。
【0297】
実施形態7.前記チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる、実施形態1~6のうちのいずれかの方法。
【0298】
実施形態8.前記チャープパルスが、前記不均一永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、実施形態1~7のうちのいずれかの方法。
【0299】
実施形態9.前記1次元信号が第1の1次元信号であり、前記勾配パルスが、互いに直交しかつ前記不均一永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、実施形態8の方法。
【0300】
実施形態10.前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、実施形態1~9のうちのいずれかの方法。
【0301】
実施形態11.前記不均一永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記不均一永久勾配におけるスライス選択のために構成される、実施形態1~10のうちのいずれかの方法。
【0302】
実施形態12.前記標的被検体が身体の解剖学的部位である、実施形態1~11のうちのいずれかの方法。
【0303】
実施形態13.前記受信コイルが受信コイルのアレイを備え、該受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される、実施形態1~12のうちのいずれかの方法。
【0304】
実施形態14.前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導し、該信号が前記受信コイルによって受信される、実施形態1~13のうちのいずれかの方法。
【0305】
実施形態15.前記少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、90度位相がずれた2つの成分に分離される、実施形態1~14のうちのいずれかの方法。
【0306】
実施形態16.前記少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、前記送信システムの2つの別個のポートへ送信される2つの成分に分離される、実施形態1~15のうちのいずれかの方法。
【0307】
実施形態17.前記磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、前記信号処理ボックスがブランキング信号で前記制御システムをオン/オフするように構成される、実施形態1~16のうちのいずれかの方法。
【0308】
実施形態18.前記ブランキング信号で前記制御システムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する、実施形態17の方法。
【0309】
実施形態19.前記無線周波数送信システムが、非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向された送信コイルを備える、実施形態3の方法。
【0310】
実施形態20.前記磁気共鳴撮像システムが同調ボックスをさらに備え、該同調ボックスが前記送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、実施形態19の方法。
【0311】
実施形態21.前記勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態3の方法。
【0312】
実施形態22.前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態3の方法。
【0313】
実施形態23.前記受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記受信コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態3の方法。
【0314】
実施形態24.前記送信コイルおよび前記勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態19の方法。
【0315】
実施形態25.磁気共鳴撮像を実行する方法であって、撮像システムを用意することを含み、該撮像システムが、無線周波数受信コイルと、永久勾配磁場を提供する永久磁石とを備える、磁気共鳴撮像を実行する方法。方法は、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、前記永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することとを含み、該マルチスライス励起が、前記チャープパルスの前記広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを前記永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含むものであり、方法はさらに、前記永久勾配磁場の前記軸に垂直な2つの直交方向に沿って位相符号化磁場を適用することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を取得することとを含む。
【0316】
実施形態26.前記チャープパルス、前記マルチスライス励起、および前記勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、実施形態25の方法。
【0317】
実施形態27.それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する、実施形態26の方法。
【0318】
実施形態28.前記対象領域の直径が4乃至12インチである、実施形態27の方法。
【0319】
実施形態29.前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、実施形態25~28のうちのいずれかの方法。
【0320】
実施形態30.前記チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる、実施形態29の方法。
【0321】
実施形態31.前記チャープパルスが、前記永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、実施形態25~30のうちのいずれかの方法。
【0322】
実施形態32.勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することをさらに含み、前記1次元信号が第1の1次元信号であり、前記勾配パルスが、互いに直交しかつ前記永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、実施形態31の方法。
【0323】
実施形態33.勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することをさらに含み、前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、実施形態25~32のうちのいずれかの方法。
【0324】
実施形態34.前記永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記永久勾配におけるスライス選択のために構成される、実施形態25~33のうちのいずれかの方法。
【0325】
実施形態35.前記標的被検体が身体の解剖学的部位である、実施形態25~34のうちのいずれかの方法。
【0326】
実施形態36.前記受信コイルが受信コイルのアレイを備え、該受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される、実施形態25~35のうちのいずれかの方法。
【0327】
実施形態37.前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導し、該信号が前記受信コイルによって受信される、実施形態25~36のうちのいずれかの方法。
【0328】
実施形態38.前記磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、前記信号処理ボックスがブランキング信号で前記制御システムをオン/オフするように構成される、実施形態25~37のうちのいずれかの方法。
【0329】
実施形態39.前記ブランキング信号で前記システムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する、実施形態38の方法。
【0330】
実施形態40.前記撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに備え、前記同調ボックスが前記送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、実施形態27の方法。
【0331】
実施形態41.前記送信コイルが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態40の方法。
【0332】
実施形態42.前記撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに備え、該勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態27の方法。
【0333】
実施形態43.前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態27の方法。
【0334】
実施形態44.前記受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記受信コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態27の方法。
【0335】
実施形態45.磁気共鳴撮像を実行する方法であって、永久勾配磁場を提供することと、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、同じ広帯域幅を有するスライス選択勾配を選択することと、前記永久勾配磁場の軸に沿ってマルチスライス励起技術を適用することと、前記永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、前記受信コイルを介して前記標的被検体の信号を取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとを含む、磁気共鳴撮像を実行する方法。
【0336】
実施形態46.前記チャープパルス、前記マルチスライス励起技術、および前記勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が前記信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、実施形態45の方法。
【0337】
実施形態47.それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する、実施形態46の方法。
【0338】
実施形態48.前記対象領域の直径が4乃至12インチである、実施形態47の方法。
【0339】
実施形態49.前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、実施形態45~48のうちのいずれかの方法。
【0340】
実施形態50.前記チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる、実施形態49の方法。
【0341】
実施形態51.前記チャープパルスが、前記永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、実施形態45~50のうちのいずれかの方法。
【0342】
実施形態52.前記1次元信号が第1の1次元信号であり、前記勾配パルスが、互いに直交しかつ前記永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、実施形態51の方法。
【0343】
実施形態53.前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、実施形態45~52のうちのいずれかの方法。
【0344】
実施形態54.前記永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記永久勾配におけるスライス選択のために構成される、実施形態45~53のうちのいずれかの方法。
【0345】
実施形態55.前記標的被検体が身体の解剖学的部位である、実施形態45~54のうちのいずれかの方法。
【0346】
実施形態56.前記受信コイルが受信コイルのアレイを備え、該受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される、実施形態45~55のうちのいずれかの方法。
【0347】
実施形態57.前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導し、該信号が前記受信コイルによって受信される、実施形態45~56のうちのいずれかの方法。
【0348】
実施形態58.前記磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、前記信号処理ボックスがブランキング信号で前記制御システムをオン/オフするように構成される、実施形態45~57のうちのいずれかの方法。
【0349】
実施形態59.前記ブランキング信号で前記システムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する、実施形態58の方法。
【0350】
実施形態60.前記撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに備え、前記同調ボックスが前記送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、実施形態47の方法。
【0351】
実施形態61.前記送信コイルが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態60の方法。
【0352】
実施形態62.前記撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに備え、該勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態47の方法。
【0353】
実施形態63.前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態47の方法。
【0354】
実施形態64.前記受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記受信コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態47の方法。
【0355】
実施形態65.磁気共鳴撮像システムであって、標的被検体に近接して配置されるように構成された無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムであって、標的被検体の磁気共鳴画像を形成するために該受信システムは少なくとも2つのチャープパルスを含む前記標的被検体の信号を送出するように構成される、無線周波数受信システムと、ハウジングとを備え、該ハウジングが、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石であって、前記撮像システムが前記不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用するように構成される、永久磁石と、チャープパルス列を送出するように構成された無線周波数送信システムと、前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを送出するように構成された片面式勾配コイルセットとを備える、磁気共鳴撮像システム。
【0356】
実施形態66.前記無線周波数送信システムおよび前記片面式勾配コイルセットのうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記標的被検体を包含する対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源をさらに備える、実施形態65のシステム。
【0357】
実施形態67.前記対象領域の直径が4乃至12インチである、実施形態66のシステム。
【0358】
実施形態68.前記撮像システムが、前記チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを前記不均一永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含むマルチスライス励起を適用するように構成される、実施形態65~67のうちのいずれかのシステム。
【0359】
実施形態69.前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、実施形態65~68のうちのいずれかのシステム。
【0360】
実施形態70.前記チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる、実施形態65~69のうちのいずれかのシステム。
【0361】
実施形態71.前記チャープパルスが、前記不均一永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、実施形態65~70のうちのいずれかのシステム。
【0362】
実施形態72.前記1次元信号が第1の1次元信号であり、前記勾配パルスが、互いに直交しかつ前記不均一永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、実施形態71のシステム。
【0363】
実施形態73.前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、実施形態65~72のうちのいずれかのシステム。
【0364】
実施形態74.前記不均一永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記不均一永久勾配におけるスライス選択のために構成される、実施形態65~73のうちのいずれかのシステム。
【0365】
実施形態75.前記標的被検体が身体の解剖学的部位である、実施形態65~74のうちのいずれかのシステム。
【0366】
実施形態76.前記受信コイルが受信コイルのアレイを備え、該受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される、実施形態65~75のうちのいずれかのシステム。
【0367】
実施形態77.前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導し、前記受信コイルが前記信号を受信するように構成される、実施形態65~76のうちのいずれかのシステム。
【0368】
実施形態78.前記少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、90度位相がずれた2つの成分に分離される、実施形態65~77のうちのいずれかのシステム。
【0369】
実施形態79.前記送信システムが、前記少なくとも2つのチャープパルスを発生するように構成された2つの別個のポートをさらに備える、実施形態65~78のうちのいずれかのシステム。
【0370】
実施形態80.前記磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、前記信号処理ボックスがブランキング信号で前記制御システムをオン/オフするように構成される、実施形態65~79のうちのいずれかのシステム。
【0371】
実施形態81.無線周波数増幅器をさらに備え、前記制御システムが前記ブランキング信号でオン/オフされると前記増幅器が有効化/無効化される、実施形態80のシステム。
【0372】
実施形態82.前記無線周波数送信システムが、非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向された送信コイルを備える、実施形態66のシステム。
【0373】
実施形態83.前記磁気共鳴撮像システムが同調ボックスをさらに備え、該同調ボックスが前記送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、実施形態82のシステム。
【0374】
実施形態84.前記勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態66のシステム。
【0375】
実施形態85.前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態66のシステム。
【0376】
実施形態86.前記受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記受信コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態66のシステム。
【0377】
実施形態87.前記送信コイルおよび前記勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態82のシステム。
【0378】
実施形態88.磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、磁気共鳴撮像システムを用意することを含み、該磁気共鳴撮像システムが、無線周波数受信コイルを備えた無線周波数受信システムと、ハウジングとを備え、該ハウジングが、不均一永久勾配磁場を提供する永久磁石と、無線周波数送信システムと、片面式勾配コイルセットとを備える、非一時的コンピュータ可読媒体。方法は、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、前記送信システムを介してチャープパルス列を適用することと、前記不均一永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することと、前記勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、少なくとも2つのチャープパルスを含む前記標的被検体の信号を前記受信システムを介して取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとをさらに含む。
【0379】
実施形態89.前記チャープパルス、前記マルチスライス励起、および前記勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が前記受信システムでの前記信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、実施形態88の方法。
【0380】
実施形態90.前記無線周波数送信システムおよび前記片面式勾配コイルセットのうちの少なくとも1つに電流を流すことにより、前記標的被検体を包含する対象領域に電磁場を発生させるように構成された電源をさらに備える、実施形態88~89のうちのいずれかの方法。
【0381】
実施形態91.前記対象領域の直径が4乃至12インチである、実施形態90の方法。
【0382】
実施形態92.前記マルチスライス励起が、前記チャープパルスの広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを前記不均一永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含む、実施形態88~91のうちのいずれかの方法。
【0383】
実施形態93.前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、実施形態88~92のうちのいずれかの方法。
【0384】
実施形態94.前記チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる、実施形態88~93のうちのいずれかの方法。
【0385】
実施形態95.前記チャープパルスが、前記不均一永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、実施形態88~94のうちのいずれかの方法。
【0386】
実施形態96.前記1次元信号が第1の1次元信号であり、前記勾配パルスが、互いに直交しかつ前記不均一永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、実施形態95の方法。
【0387】
実施形態97.前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、実施形態88~96のうちのいずれかの方法。
【0388】
実施形態98.前記不均一永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記不均一永久勾配におけるスライス選択のために構成される、実施形態88~97のうちのいずれかの方法。
【0389】
実施形態99.前記標的被検体が身体の解剖学的部位である、実施形態88~98のうちのいずれかの方法。
【0390】
実施形態100.前記受信コイルが受信コイルのアレイを備え、該受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される、実施形態88~98のうちのいずれかの方法。
【0391】
実施形態101.前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導し、該信号が前記受信コイルによって受信される、実施形態88~100のうちのいずれかの方法。
【0392】
実施形態102.前記少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、90度位相がずれた2つの成分に分離される、実施形態88~101のうちのいずれかの方法。
【0393】
実施形態103.前記少なくとも2つのチャープパルスのそれぞれが、前記送信システムの2つの別個のポートへ送信される2つの成分に分離される、実施形態88~102のうちのいずれかの方法。
【0394】
実施形態104.前記磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、前記信号処理ボックスがブランキング信号で前記制御システムをオン/オフするように構成される、実施形態88~103のうちのいずれかの方法。
【0395】
実施形態105.前記ブランキング信号で前記制御システムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する、実施形態104の方法。
【0396】
実施形態106.前記無線周波数送信システムが、非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向された送信コイルを備える、実施形態90の方法。
【0397】
実施形態107.前記磁気共鳴撮像システムが同調ボックスをさらに備え、該同調ボックスが前記送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、実施形態106の方法。
【0398】
実施形態108.前記勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態90の方法。
【0399】
実施形態109.前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態90の方法。
【0400】
実施形態110.前記受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記受信コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態90の方法。
【0401】
実施形態111.前記送信コイルおよび前記勾配コイルセットが前記対象領域の周りで同心である、実施形態106の方法。
【0402】
実施形態112.磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、撮像システムを用意することを含み、該撮像システムが、無線周波数受信コイルと、永久勾配磁場を提供する永久磁石とを備える、非一時的コンピュータ可読媒体。方法は、標的被検体に近接して前記受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、前記永久勾配磁場に沿ってマルチスライス励起を適用することとを含み、該マルチスライス励起が、前記チャープパルスの前記広帯域幅に類似した帯域幅を各スライスが有する複数のスライスを前記永久勾配磁場の軸に沿って励起することを含むものであり、前記方法がさらに、前記永久勾配磁場の前記軸に垂直な2つの直交方向に沿って位相符号化磁場を適用することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を取得することとを含む。
【0403】
実施形態113.前記チャープパルス、前記マルチスライス励起、および前記勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、実施形態112の方法。
【0404】
実施形態114.それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する、実施形態113の方法。
【0405】
実施形態115.前記対象領域の直径が4乃至12インチである、実施形態114の方法。
【0406】
実施形態116.前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、実施形態112~115のうちのいずれかの方法。
【0407】
実施形態117.前記チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる、実施形態116の方法。
【0408】
実施形態118.前記チャープパルスが、前記永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、実施形態112~117のうちのいずれかの方法。
【0409】
実施形態119.勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することをさらに含み、前記1次元信号が第1の1次元信号であり、前記勾配パルスが、互いに直交しかつ前記永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、実施形態118の方法。
【0410】
実施形態120.勾配コイルセットを介して前記不均一永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することをさらに含み、前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、実施形態112~119のうちのいずれかの方法。
【0411】
実施形態121.前記永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記永久勾配におけるスライス選択のために構成される、実施形態112~120のうちのいずれかの方法。
【0412】
実施形態122.前記標的被検体が身体の解剖学的部位である、実施形態112~121のうちのいずれかの方法。
【0413】
実施形態123.前記受信コイルが受信コイルのアレイを備え、該受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される、実施形態112~122のうちのいずれかの方法。
【0414】
実施形態124.前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導し、該信号が前記受信コイルによって受信される、実施形態112~123のうちのいずれかの方法。
【0415】
実施形態125.前記磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、前記信号処理ボックスがブランキング信号で前記制御システムをオン/オフするように構成される、実施形態112~124のうちのいずれかの方法。
【0416】
実施形態126.前記ブランキング信号で前記システムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する、実施形態125の方法。
【0417】
実施形態127.前記撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに備え、前記同調ボックスが前記送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、実施形態114の方法。
【0418】
実施形態128.前記送信コイルが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態127の方法。
【0419】
実施形態129.前記撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに備え、該勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態114の方法。
【0420】
実施形態130.前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態114の方法。
【0421】
実施形態131.前記受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記受信コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態114の方法。
【0422】
実施形態132.磁気共鳴撮像を実行する方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、永久勾配磁場を提供することと、標的被検体に近接して受信コイルを配置することと、広帯域幅を有するチャープパルス列を適用することと、同じ広帯域幅を有するスライス選択勾配を選択することと、前記永久勾配磁場の軸に沿ってマルチスライス励起技術を適用することと、前記永久勾配磁場に直交する複数の勾配パルスを適用することと、前記受信コイルを介して前記標的被検体の信号を取得することと、前記標的被検体の磁気共鳴画像を形成することとを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0423】
実施形態133.前記チャープパルス、前記マルチスライス励起技術、および前記勾配パルスの適用は、それぞれの磁化が前記信号の取得時刻に再集束するように時間合わせされる、実施形態132の方法。
【0424】
実施形態134.それぞれの磁化が、標的被検体を包含する対象領域において集束する、実施形態133の方法。
【0425】
実施形態135.前記対象領域の直径が4乃至12インチである、実施形態134の方法。
【0426】
実施形態136.前記チャープパルスが、同一の帯域幅および相異なる持続時間を備える、実施形態132~135のうちのいずれかの方法。
【0427】
実施形態137.前記チャープパルスの帯域幅が、1kHzから10kHzまで、10kHzから40kHzまで、40kHzから100kHzまで、100kHzから400kHzまで、400kHzから1MHzまで、またはそれらの帯域幅の任意の範囲にわたる、実施形態136の方法。
【0428】
実施形態138.前記チャープパルスが、前記永久勾配磁場の軸に沿って1次元信号を生成するように構成される、実施形態132~137のうちのいずれかの方法。
【0429】
実施形態139.前記1次元信号が第1の1次元信号であり、前記勾配パルスが、互いに直交しかつ前記永久勾配磁場の前記軸に直交する第2の1次元信号および第3の1次元信号を生成するように構成される、実施形態138の方法。
【0430】
実施形態140.前記勾配パルスが、空間情報を前記信号に符号化するように構成される、実施形態132~139のうちのいずれかの方法。
【0431】
実施形態141.前記永久勾配磁場および前記チャープパルスの組合せが、周波数符号化勾配および前記永久勾配におけるスライス選択のために構成される、実施形態132~140のうちのいずれかの方法。
【0432】
実施形態142.前記標的被検体が身体の解剖学的部位である、実施形態132~141のうちのいずれかの方法。
【0433】
実施形態143.前記受信コイルが受信コイルのアレイを備え、該受信コイルのアレイの各受信コイルが、身体の特定の解剖学的部位のために構成される、実施形態132~142のうちのいずれかの方法。
【0434】
実施形態144.前記チャープパルスが前記標的被検体に信号を誘導し、該信号が前記受信コイルによって受信される、実施形態132~143のうちのいずれかの方法。
【0435】
実施形態145.前記磁気共鳴撮像システムが信号処理ボックスおよび制御システムをさらに備え、前記信号処理ボックスがブランキング信号で前記制御システムをオン/オフするように構成される、実施形態132~144のうちのいずれかの方法。
【0436】
実施形態146.前記ブランキング信号で前記システムをオン/オフすることで、それぞれ無線周波数増幅器を有効化/無効化する、実施形態145の方法。
【0437】
実施形態147.前記撮像システムが同調ボックスおよび無線周波数送信コイルをさらに備え、前記同調ボックスが前記送信コイルの周波数応答を変化させるように構成される、実施形態134の方法。
【0438】
実施形態148.前記送信コイルが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向される、実施形態147の方法。
【0439】
実施形態149.前記撮像システムが片面式勾配コイルセットをさらに備え、該勾配コイルセットが非平面状であり前記対象領域を部分的に包囲するように配向され、前記勾配コイルセットが前記対象領域に磁場勾配を投射するように構成される、実施形態134の方法。
【0440】
実施形態150.前記受信コイルが、前記対象領域内で撮像するために患者の解剖学的部位に取り付けられるように構成された可撓性コイルである、実施形態134の方法。
【0441】
実施形態151.前記受信コイルの構成が、単一ループコイル構成、8の字コイル構成、またはバタフライコイル構成のうちの1つであり、前記受信コイルが前記対象領域よりも小さい、実施形態134の方法。
【0442】
本明細書は多くの具体的な実装形態の詳細を含むが、これらは任意の発明または特許請求の範囲となり得る対象の範囲に対する限定と解釈されるべきではなく、特定の発明の特定の実装に固有の特徴の記述と解釈されるべきである。個別の実装形態の文脈で本明細書に記載されるいくつかの特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装されることも可能である。逆に、単一の実装形態の文脈で記載されるさまざまな特徴は、個別に複数の実装形態で、または、任意の好適な部分的組合せにおいて実装されることも可能である。さらに、諸特徴はいくつかの組合せにおいて作用するものとして上記に記載され、そのようなものとして最初に特許請求の範囲に記載されているかもしれないが、特許請求の範囲の組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってその組合せから削除されることが可能であり、特許請求の範囲の組合せは部分的組合せを、または部分的組合せの変形を対象としてもよい。
【0443】
同様に、動作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示された特定の順序もしくは逐次的順序で実行されること、または図示された動作のすべてが実行されることを要求していると理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上記の実装形態におけるさまざまなシステム構成要素の分離は、すべての実装形態におけるそのような分離を要求していると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品に統合されること、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることが可能であると理解されるべきである。
【0444】
「または」への言及は、「または」を用いて記載される任意の用語が、記載された用語の単一、複数、およびすべてのもののいずれをも示し得るように包括的と解釈され得る。「第1」、「第2」、「第3」などのラベルは、順序を示すことを必ずしも意味せず、同様または類似の項目または要素間を単に区別するために一般的に使用される。
【0445】
本開示に記載される実装形態へのさまざまな変更は当業者には直ちに明らかであろうし、本明細書に規定される一般的原理は本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の実装形態にも適用可能であろう。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図しておらず、本開示、すなわち本明細書に開示される原理および新規な特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきである。