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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167296
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】タッチ入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
G06F3/041 460
G06F3/041 495
G06F3/041 662
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024144358
(22)【出願日】2024-08-26
(62)【分割の表示】P 2020153687の分割
【原出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】志賀 直樹
(72)【発明者】
【氏名】礒田 丈司
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明はタッチ入力装置の防水性及び操作時の感触の向上を図る。
【解決手段】タッチ入力装置D1は、センサ部300と、遮水層410とを備えている。センサ部300は、Z方向側からのセンサ部300に対して接近する検出対象検出可能な構成である。遮水層410は、防水性を有する弾性体で構成されており、且つ、センサ部300に対してZ方向側に配置されており且つセンサ部300の少なくとも一部を覆っている。水や汗等の液体が遮水層によって遮断され、センサ部に到達し難くなるので、タッチ入力装置の防水性が向上する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式、抵抗膜方式又は光学方式のタッチセンサであるセンサ部であって、前記センサ部の厚み方向である第1方向の一方側から前記センサ部に対して接近する検出対象を検出可能な前記センサ部と、
検出対象が前記第1方向の一方側から接触可能なタッチ領域を有する外表部と、
前記外表部と前記センサ部との間に介在する少なくとも一つの第1中間層とを備えており、
前記少なくとも一つの第1中間層は、遮水層を有しており、前記遮水層は、防水性を有する弾性体で構成されており、前記外表部の少なくとも一部に対して前記第1方向の他方側に配置されており、前記センサ部に対して前記第1方向の一方側に配置されており且つ前記センサ部の少なくとも一部を覆う、タッチ入力装置。
【請求項2】
請求項1記載のタッチ入力装置において、
前記遮水層の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積は、前記センサ部の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積と略同じ又は大きく、
前記遮水層は、前記センサ部に対して前記第1方向の一方側に配置されており且つ前記センサ部の略全体を覆う、タッチ入力装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタッチ入力装置において、
前記センサ部は、前記第1方向の一方側の第1主面を有しており、
前記遮水層は、前記第1方向の一方側の第1主面と、前記第1方向の他方側の第2主面と、前記第2主面に対して交差する側面とを有しており、前記遮水層の前記第2主面が前記センサ部の前記第1主面に面接触又は層間部材を介して接触しており、
前記タッチ入力装置は、少なくとも一つの排気路を更に備えており、
前記少なくとも一つの排気路は、前記遮水層の前記第2主面及び前記センサ部の前記第1主面の少なくとも一方の面に設けられており、当該少なくとも一方の面に開放され、且つ当該少なくとも一方の面に交差する側面に開放された構成、又は、前記層間部材に設けられており、前記遮水層の前記第2主面及び前記センサ部の前記第1主面の少なくとも一方の面側に開放され、且つ当該層間部材の側面に開放された構成であるタッチ入力装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載のタッチ入力装置において、
前記少なくとも一つの第1中間層は、排気層を更に有しており、
前記センサ部は、前記第1方向の一方側の第1主面を有しており、
前記排気層は、前記遮水層と前記センサ部との間に配置されており、且つ、前記第1方向の一方側の第1主面と、前記第1方向の他方側の第2主面と、前記第2主面に対して交差する側面とを有しており、
前記排気層の前記第2主面が前記センサ部の前記第1主面に面接触又は層間部材を介して接触しており、
前記タッチ入力装置は、少なくとも一つの排気路を更に備えており、
前記少なくとも一つの排気路は、前記排気層の前記第2主面及び前記センサ部の前記第1主面の少なくとも一方の面に設けられており、前記少なくとも一方の面に開放され、且つ当該少なくとも一方の面に交差する側面に開放された構成、又は、前記層間部材に設けられており、前記排気層の前記第2主面及び前記センサ部の前記第1主面の少なくとも一方の面側に開放され、且つ当該層間部材の側面に開放された構成であるタッチ入力装置。
【請求項5】
請求項4記載のタッチ入力装置において、
前記排気層は、内部に複数の気泡が連続して設けられた連続発泡体で構成されており、
前記排気層の前記複数の気泡は、前記排気層の前記第2主面に開放された第1気泡と、前記排気層の前記側面に開放された第2気泡と、前記第1気泡と前記第2気泡との間をつなぐ少なくとも一つの第3気泡とを含んでおり、前記第1気泡、前記第2気泡及び前記少なくとも一つの第3気泡が、前記少なくとも一つの排気路を構成しているタッチ入力装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記センサ部は、少なくとも一つのセンサ層と、少なくとも一つの第1電極とを有しており、
前記少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層を有しており、前記第1センサ層は、前記第1方向の一方側の第1主面と、前記第1方向の他方側の第2主面とを有しており、
前記少なくとも一つの第1電極は、前記第1センサ層の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方の面上に設けられており且つ前記第1方向の一方側からの検出対象の接近による検出対象と前記少なくとも一つ第1電極との間の静電容量の変化に応じて前記少なくとも一つの第1電極の信号を変化させるようになっているタッチ入力装置。
【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記センサ部は、少なくとも一つのセンサ層と、少なくとも一つの第1電極と、少なくとも一つの第2電極とを有しており、
前記少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層を有しており、前記第1センサ層は、前記第1方向の一方側の第1主面と、前記第1方向の他方側の第2主面とを有しており、
前記少なくとも一つの第1電極は、前記第1センサ層の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方の面上に設けられており、
前記少なくとも一つ第2電極は、前記第1センサ層の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方の面上に設けられており、
前記少なくとも一つの第1電極は、前記第1方向の一方側からの検出対象の接近による前記少なくとも一つの第1電極と前記少なくとも一つの第2電極との間の静電容量の変化に応じて前記少なくとも一つの第1電極の信号を変化させるようになっているタッチ入力装置。
【請求項8】
請求項1~5の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記センサ部は、少なくとも一つのセンサ層と、少なくとも一つの第1電極と、少なくとも一つの第2電極とを有しており、
前記センサ部の前記少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層と、前記第1センサ層に対して前記第1方向の他方側に配置された第2センサ層とを有しており、
前記第1センサ層は、前記第1方向の一方側の第1主面と、前記第1方向の他方側の第2主面とを有しており、
前記第2センサ層は、前記第1方向の一方側の第1主面と、前記第1方向の他方側の第2主面とを有しており、
前記少なくとも一つの第1電極は、前記第1センサ層の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方の面上に設けられており、
前記少なくとも一つの第2電極は、前記第2センサ層の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方の面上に設けられており、
前記少なくとも一つの第1電極は、前記第1方向の一方側からの検出対象の接近による前記少なくとも一つの第1電極と前記少なくとも一つの第2電極との間の静電容量の変化に応じて前記少なくとも一つの第1電極の信号を変化させるようになっているタッチ入力装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載のタッチ入力装置において、
前記少なくとも一つの第1電極は、前記第1方向の一方側からの検出対象の接近による前記少なくとも一つの第1電極と前記検出対象との間の静電容量の変化に応じて前記少なくとも一つの第1電極の信号を変化させると共に、前記第1方向の一方側からの検出対象の接近による前記少なくとも一つの第1電極と前記少なくとも一つの第2電極との間の静電容量の変化に応じて前記少なくとも一つの第1電極の信号を変化させるようになっているタッチ入力装置。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記外表部には、貫通孔が設けられており、
前記遮水層が、前記外表部の前記貫通孔を前記第1方向の他方側から閉塞しているタッチ入力装置。
【請求項11】
請求項1~9の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記外表部は、複数のパーツを有しており、前記複数のパーツのうちの隣り合う二つのパーツが接合されており、
前記遮水層が、前記外表部の前記隣り合う二つのパーツの接合部に前記第1方向の他方側から面接触しているタッチ入力装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記センサ部を支持する筐体を更に備えており、
前記遮水層の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積は、前記センサ部の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積より大きく、
前記遮水層は、前記外表部と、前記センサ部及び前記筐体との間に配置されているタッチ入力装置。
【請求項13】
静電容量方式、抵抗膜方式又は光学方式のタッチセンサであるセンサ部であって、前記センサ部の厚み方向である第1方向の一方側から前記センサ部に対して接近する検出対象を検出可能な前記センサ部と、
検出対象が前記第1方向の一方側から接触可能なタッチ領域を有するカバー部と、
前記カバー部と前記センサ部との間に介在する少なくとも一つの第1中間層とを備えており、
前記少なくとも一つの第1中間層は遮水層を有しており、前記遮水層は、防水性を有する弾性体で構成されており、前記カバー部の少なくとも一部に対して前記第1方向の他方側に配置されており、前記センサ部に対して前記第1方向の一方側に配置されており且つ前記センサ部の少なくとも一部を覆う、タッチ入力装置。
【請求項14】
請求項13記載のタッチ入力装置において、
開口を有する外表部を更に備えており、
前記カバー部が前記外表部の前記開口から露出又は前記外表部の前記開口内に収容されているタッチ入力装置。
【請求項15】
請求項14記載のタッチ入力装置において、
前記センサ部を支持する筐体と、
前記外表部と前記筐体との間に配置された第2中間層とを更に備えており、
前記第2中間層は、収容孔を有しており、
前記少なくとも一つの第1中間層が前記収容孔に収容されているタッチ入力装置。
【請求項16】
請求項1~15の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記少なくとも一つの第1中間層は、印刷層を更に有しており、
前記印刷層は、少なくとも一つの透光部と、前記少なくとも一つの透光部以外の不透明部とを有しており、
前記遮水層は、透光性を有しているタッチ入力装置。
【請求項17】
請求項13記載のタッチ入力装置において、
収容部を有する筐体を更に備えており、
前記カバー部が前記収容部から露出又は前記収容部内に収容されているタッチ入力装置。
【請求項18】
請求項13~15及び17の何れかに記載のタッチ入力装置において、
前記カバー部の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積は、前記少なくとも一つの中間層の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積と略同じ又は大きく、
前記遮水層の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積は、前記センサ部の前記第1方向の一方側の平面視における投影面積と略同じ又は大きく、
前記遮水層は、前記センサ部に対して前記第1方向の一方側に配置されており且つ前記センサ部の略全体を覆う、タッチ入力装置。
【請求項19】
請求項1又は13記載のタッチ入力装置において、
前記遮水層は、防水性を有する独立発泡体で構成されており、前記独立発泡体は、その内部の複数の気泡が各々独立しており、互いに連通していない、タッチ入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来のタッチ入力装置が開示されている。このタッチ入力装置は、センサ部と、保護フィルムと、第1絶縁膜と、第2絶縁膜とを備えている。センサ部は、センサ基板と、センサ電極とを有する。センサ基板は、第1面と、その反対側の第2面とを有している。保護フィルムはセンサ基板の第1面上に設けられており且つタッチ領域を有している。センサ電極は、タッチ領域に対する人の指が触れたときの容量変化を信号として出力する静電容量式のセンサ電極であって、センサ基板の第2面上に設けられている。第1絶縁膜は、センサ電極を覆うようにセンサ基板の第2面上に設けられている。第2絶縁膜は、第1絶縁膜上に設けられており且つ表示パターンを有している。
【0003】
第2絶縁膜下には、第2絶縁膜の表示パターンを照光するためのバックライトが配置されている。第1絶縁膜は、バックライトの照光時に第2絶縁膜の表示パターンがタッチ領域上において看者に視認される一方、バックライトの消灯時に第2絶縁膜の表示パターンがタッチ領域上において看者に視認されない程度の透過率を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-086344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
保護フィルムは、経年劣化等によって、傷や破れが生じる可能性がある。保護フィルムに傷や破れが生じると、その傷や破れから内部に水が浸入する恐れがある。しかも、センサ基板は、ソーダライムガラス等で構成された誘電体であって、保護フィルム直下に位置している。すなわち、センサ基板は保護フィルム直下に位置するリジッド基板であるため、保護フィルムのタッチ領域にタッチしたときの感触が硬くなる。
【0006】
本発明は、タッチ入力装置の防水性及び操作時の感触の向上を図る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のタッチ入力装置は、センサ部と、遮水層とを備えた構成とすることが可能である。センサ部は、静電容量方式、抵抗膜方式又は光学方式のタッチセンサであって、第1方向の一方側からセンサ部に対して接近する検出対象を検出可能な構成である。第1方向は、センサ部の厚み方向である。遮水層は、防水性を有する弾性体で構成されており、センサ部に対して第1方向の一方側に配置されており且つセンサ部の少なくとも一部を覆っている。
【0008】
このような態様のタッチ入力装置による場合、第1方向の一方側からの水や汗等の液体が遮水層によって遮断され、遮水層に対して第1方向の他方側に位置するセンサ部に到達し難くなるので、タッチ入力装置の防水性が向上する。しかも、第1方向の一方側から検出対象によって押下されると遮水層が弾性変形するので、タッチ入力装置の操作時の感触が向上する。
【0009】
遮水層の第1方向の一方側からの平面視(以下、単に、平面視という)における投影面積は、センサ部の平面視における投影面積より小さくすることが可能である。
【0010】
又は、遮水層の平面視における投影面積は、センサ部の平面視における投影面積と略同じ又は大きくすることが可能である。この場合、遮水層は、センサ部に対して第1方向の一方側に配置されており且つセンサ部の略全体を覆う構成とすることが可能である。
【0011】
遮水層は、第1方向の一方側の第1主面と、第1方向の他方側の第2主面と、第2主面に対して交差する側面とを有する構成とすることが可能である。遮水層の第2主面がセンサ部の第1主面に面接触又は層間部材を介して接触する構成とすることが可能である。
【0012】
上記何れかの態様のタッチ入力装置は、排気層を更に備えた構成とすることが可能である。排気層は、遮水層とセンサ部との間に配置されており、且つ、第1方向の一方側の第1主面と、第1方向の他方側の第2主面と、第2主面に対して交差する側面とを有する構成とすることが可能である。この場合、排気層の第2主面がセンサ部の第1主面に面接触又は層間部材を介して接触する構成とすることが可能である。
【0013】
上記した何れかの態様のタッチ入力装置は、少なくとも一つの排気路を更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つの排気路は、遮水層の第2主面及びセンサ部の第1主面の少なくとも一方の面に設けられており、当該少なくとも一方の面に開放され、且つ当該少なくとも一方の面に交差する側面に開放された構成、又は、層間部材に設けられており、遮水層の第2主面及びセンサ部の第1主面の少なくとも一方の面側に開放され、且つ層間部材の側面に開放された構成とすることが可能である。
【0014】
又は、少なくとも一つの排気路は、排気層の第2主面及びセンサ部の第1主面の少なくとも一方の面に設けられており、当該少なくとも一方の面に開放され、且つ当該少なくとも一方の面に交差する側面に開放された構成、又は、層間部材に設けられており、且つ排気層の第2主面及びセンサ部の第1主面の少なくとも一方の面側に開放され、且つ層間部材の側面に開放された構成とすることが可能である。
【0015】
排気層は、内部に複数の気泡が連続して設けられた連続発泡体で構成された構成とすることが可能である。排気層の複数の気泡は、排気層の第2主面に開放された第1気泡と、排気層の側面に開放された第2気泡と、第1気泡と第2気泡との間をつなぐ少なくとも一つの第3気泡とを含む構成とすることが可能である。第1気泡、第2気泡及び少なくとも一つの第3気泡が、少なくとも一つの排気路を構成しても良い。
【0016】
センサ部は、少なくとも一つのセンサ層と、少なくとも一つの第1電極とを有する構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層を有しており、第1センサ層は、第1方向の一方側の第1主面と、第1方向の他方側の第2主面とを有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第1電極は、第1センサ層の第1主面及び第2主面の少なくとも一方の面上に設けられており且つ第1方向の一方側からの検出対象の接近による検出対象と少なくとも一つ第1電極との間の静電容量の変化に応じて少なくとも一つの第1電極の信号を変化させる構成とすることが可能である。
【0017】
センサ部は、第1センサ層の第1主面及び第2主面の少なくとも一方の面上に設けられた第2電極を更に有する構成とすることも可能である。
【0018】
センサ部の少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層に対して第1方向の他方側に配置された第2センサ層を更に有する構成とすることが可能である。第2センサ層は、第1方向の一方側の第1主面と、第1方向の他方側の第2主面とを有する構成とすることが可能である。第2電極は、第1センサ層の第1主面及び第2主面の少なくとも一方の面上ではなく、第2センサ層の第1主面及び第2主面の少なくとも一方の面上に設けられた構成とすることが可能である。
【0019】
第1電極は、第1方向の一方側からの検出対象の接近による第1電極と第2電極との間の静電容量の変化に応じて第1電極の信号を変化させる構成とすることが可能である。
【0020】
第1電極は、第1方向の一方側からの検出対象の接近による第1電極と検出対象との間の静電容量の変化に応じて第1電極の信号を変化させると共に、第1方向の一方側からの検出対象の接近による第1電極と第2電極との間の静電容量の変化に応じて第1電極の信号を変化させる構成とすることが可能である。
【0021】
上記何れかの態様のタッチ入力装置は、検出対象が第1方向の一方側から接触可能なタッチ領域を有する外表部又はカバー部と、少なくとも一つの第1中間層とを更に備えた構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの第1中間層は、遮水層を有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第1中間層は、排気層を更に有する構成とすることが可能である。
【0022】
外表部が設けられている場合、少なくとも一つの第1中間層は、外表部とセンサ部との間に介在しており且つ遮水層が外表部の少なくとも一部に対して第1方向の他方側に配置された構成とすることが可能である。
【0023】
カバー部が設けられている場合、少なくとも一つの第1中間層は、カバー部とセンサ部との間に介在する構成とすることが可能である。
【0024】
外表部又はカバー部には、貫通孔が設けられた構成とすることが可能である。この場合、遮水層が、外表部又はカバー部の貫通孔を第1方向の他方側から閉塞した構成とすることが可能である。
【0025】
外表部又はカバー部は、複数のパーツを有しており、複数のパーツのうちの隣り合う二つのパーツが接合された構成とすることが可能である。遮水層が、隣り合う二つのパーツの接合部分に第1方向の他方側から面接触する構成とすることが可能である。
【0026】
上記何れかの態様のタッチ入力装置は、筐体を更に備えた構成とすることが可能である。
【0027】
筐体はセンサ部を支持する構成とすることが可能である。遮水層の平面視における投影面積は、センサ部の平面視における投影面積より大きくすることが可能である。この遮水層は、外表部と、センサ部及び筐体との間に配置された構成とすることが可能である。
【0028】
カバー部が設けられている場合、タッチ入力装置は、外表部を更に備えた構成とすることが可能である。この外表部は、タッチ領域の代わりに、開口を有している。カバー部が外表部の開口から露出又は外表部の開口内に収容された構成とすることが可能である。
【0029】
カバー部が設けられている場合、タッチ入力装置は、外表部と筐体との間に配置された第2中間層とを更に備えた構成とすることが可能である。第2中間層は収容孔を有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第1中間層が第2中間層の収容孔に収容された構成とすることが可能である。
【0030】
少なくとも一つの第1中間層は、印刷層を更に有する構成とすることが可能である。印刷層は、少なくとも一つの透光部と、少なくとも一つの透光部以外の不透明部とを有する構成とすることが可能である。遮水層は、透光性を有する構成とすることが可能である。
【0031】
第2中間層は省略可能である。この場合、筐体は、収容部を有し、カバー部は収容部から露出又は収容部内に収容された構成とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施例1に係るタッチ入力装置の正面、平面及び左側面から表した斜視図である。
図2A】実施例1のコネクタの図1中の概略的2A-2A端面図である。
図2B】実施例1のコネクタの図2A中のα部分の概略的部分拡大図である。
図3A】実施例1のコネクタの第1設計変型例の図2Aに対応する概略的端面図である。
図3B】実施例1のコネクタの第2設計変型例の図2Aに対応する概略的端面図である。
図3C】実施例1のコネクタの第3設計変型例の図2Aに対応する概略的端面図である。
図4A】実施例1のコネクタの第4設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図4B】実施例1のコネクタの第5設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図5A】実施例1のコネクタの第6設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図5B】実施例1のコネクタの第7設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図6】実施例1のコネクタの第8設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図7】実施例1のコネクタの第9設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図8A】実施例1のコネクタの第10設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図8B】実施例1のコネクタの第11設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図9A】本発明の実施例2に係るタッチ入力装置の図2Aに対応する概略的端面図である。
図9B】実施例2のコネクタの第1設計変型例の図2Aに対応する概略的端面図である。
図9C】実施例2のコネクタの第2設計変型例の図2Aに対応する概略的端面図である。
図10A】本発明の実施例3に係るタッチ入力装置の図2Aに対応する概略的端面図である。
図10B】実施例3のコネクタの第1設計変型例の図2Aに対応する概略的端面図である。
図10C】実施例3のコネクタの第2設計変型例の図2Aに対応する概略的端面図である。
図11A】実施例1のコネクタの第12設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図11B】実施例1のコネクタの第13設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図12A】実施例1のコネクタの第14設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図12B】実施例1のコネクタの第15設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図13A】実施例1のコネクタの第16設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
図13B】実施例1のコネクタの第17設計変型例の図2Bに対応する概略的部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施例1、2、3及びその設計変形例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0034】
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係るタッチ入力装置D1について、図1図8Bを参照しつつ説明する。図1図2Bには、実施例1のタッチ入力装置D1が示されている。図3Aには、実施例1のタッチ入力装置D1の第1設計変型例が示されている。図3Bには、実施例1のタッチ入力装置D1の第2設計変型例が示されている。図3Cには、実施例1のタッチ入力装置D1の第3設計変型例が示されている。図4Aには、実施例1のタッチ入力装置D1の第4設計変型例が示されている。図4Bには、実施例1のタッチ入力装置D1の第5設計変型例が示されている。図5Aには、実施例1のタッチ入力装置D1の第6設計変型例が示されている。図5Bには、実施例1のタッチ入力装置D1の第7設計変型例が示されている。図6には、実施例1のタッチ入力装置D1の第8設計変型例が示されている。図7には、実施例1のタッチ入力装置D1の第9設計変型例が示されている。図8Aには、実施例1のタッチ入力装置D1の第10設計変型例が示されている。図8Bには、実施例1のタッチ入力装置D1の第11設計変型例が示されている。図2A図8Bには、Z-Z’方向(第1方向)が示されている。Z-Z’方向は、Z方向(第1方向の一方)とZ’方向(第1方向の他方)とを含んでいる。
【0035】
タッチ入力装置D1は、例えば、自動車の内装部(例えば、コンソール(図1図2A及び図3A図3C参照)、アームレスト、シート、ダッシュボード、ハンドル、ドアのインナーパネル又はヘッドライナー(内張り部))、家具(例えば、ソファ、スツール、チェア、デスク又はテーブル等)、スマートフォン等の携帯型情報端末、使用者が操作する固定式の情報端末(例えば、現金自動預け払い機(ATM)、切符販売装置、カードローン等のローン契約を行うための受付端末、チケット予約や商品購入申込みを行うためのマルチメディア端末、自動販売機、POS(Point of Sales)端末、空港や新幹線の駅等に配設された乗車券(搭乗券を含む。)を発券するための発券機等又はアミューズメント機器(例えば、パチンコ機、パチスロ機、スロットマシン又はゲーム機等))等である。
【0036】
タッチ入力装置D1は筐体100及び外表部200を備えている。筐体100は、前述の自動車の内装部、家具、携帯型情報端末又は固定式の情報端末等の筐体である。外表部200は、天然皮革、人工皮革、合成皮革、織物や編物といった繊維材料からなる布地又は樹脂フィルム等で構成されており且つ、筐体100の少なくとも一部分を覆っている。外表部200は、指やタッチペン等の検出対象によってZ方向側から接触可能なタッチ領域を有する。外表部200のタッチ領域には、ステッチ等の貫通孔が設けられていても良い。また、外表部200のタッチ領域は、複数のパーツを有し、複数のパーツのうちの隣り合うパーツの接合部分が設けられていても良い。なお、外表部200のタッチ領域の貫通孔及び/又は接合部分は省略可能である。
【0037】
タッチ入力装置D1は、静電容量方式のタッチセンサであるセンサ部300を更に備えている。センサ部300は、筐体100に支持されており且つ筐体100と当該筐体100を覆う外表部200との間に配置されている。センサ部300は、少なくとも一つのセンサ層を有している。少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層310を有している。なお、Z-Z’方向は、センサ部300及び第1センサ層310の厚み方向に相当する。
【0038】
第1センサ層310は、樹脂(例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂やデュラビオ(DURABIO(登録商標))樹脂など)で構成されたプレート又はフィルムである。第1センサ層310は、Z方向側の第1主面311と、Z’方向側の第2主面312と、第2主面312に対して交差する側面313とを有する。
【0039】
少なくとも一つのセンサ層が一つである場合(図2B図4A図4B及び図5参照)、その一つのセンサ層は第1センサ層310である。この場合、第1センサ層310は、一つのセンサ層の最もZ方向側に位置する最上センサ層でもあり、一つのセンサ層の最もZ’方向側の最下センサ層でもある。この場合、第1センサ層310の第1主面311は、センサ部300のZ方向側の第1主面であり、第1センサ層310の第2主面312は、センサ部300のZ’方向側の第2主面である。
【0040】
少なくとも一つのセンサ層が複数である場合(図6図8B参照)、複数のセンサ層はZ-Z’方向に積層されている。複数のセンサ層は、第1センサ層310を有する。第1センサ層310は、複数のセンサ層のうちの任意の一つの層であれば良く、最もZ方向側に位置する最上センサ層であっても良いし、最もZ’方向側の最下センサ層であっても良い。最上センサ層は、Z方向側の第1主面と、Z’方向側の第2主面と、第2主面に対して交差する側面とを有する。この場合、最上センサ層の第1主面がセンサ部300のZ方向側の第1主面である。
【0041】
上記した何れかの最上センサ層が第1センサ層310である場合、最上センサ層の第1主面は、第1センサ層310の第1主面311であり、最上センサ層の第2主面は、第1センサ層310の第2主面312であり、最上センサ層の側面は、第1センサ層310の側面313である。
【0042】
センサ部300は、少なくとも一つの第1電極320aを更に有している(図2B及び図4A図8B参照)。少なくとも一つの第1電極320aは、第1センサ層310の第1主面311及び第2主面312の少なくとも一方の面上に設けられた透明導電膜又は導体であって、外表部200のタッチ領域に対してZ’方向側に位置している。少なくとも一つの第1電極320aは、Z方向側からの検出対象の接近による静電容量の変化に応じて第1電極の信号(例えば、電圧又は電流)を変化させるようになっている。
【0043】
少なくとも一つの第1電極320aは、複数とすることが可能である。複数の第1電極320aは、第1センサ層310の同一主面上(第1主面311又は第2主面312)に設けられていても良い。又は、複数の第1電極320aのうちの一又は複数の第1電極320aが第1主面311及び第2主面312のうちの一方の主面上に設けられており、残りの第1電極320aが他方の主面上に設けられていても良い。
【0044】
一又は複数の第1電極320aは、図示しない制御部に電気的に接続される。この制御部は、タッチ入力装置D1に備えられていても良いし、タッチ入力装置D1に備えられておらず、前述の自動車、家具、携帯型情報端末又は固定式の情報端末等に内蔵されていても良い。以下、説明の便宜上、タッチ入力装置D1の制御部であるのか、タッチ入力装置D1外の制御部であるのかを区別せずに、単に「制御部」として説明する。
【0045】
センサ部300が自己容量型のタッチセンサである場合、制御部から一又は複数の第1電極320aに対して電荷の充放電が行われる。このとき、検出対象がZ方向側から外表部200のタッチ領域にタッチする(すなわち、一の第1電極320a又は複数の第1電極320aのうちの少なくとも一つに対してZ方向側から接近する)ことによって、検出対象と一の第1電極320a又は複数の第1電極320aのうちの少なくとも一つとの間の静電容量が変化する。この静電容量の変化に応じて、一の第1電極320a又は複数の第1電極320aのうちの少なくとも一つの信号(例えば、電圧又は電流)が変化するようになっている。制御部は、一又は複数の第1電極320aの信号をモニタリングしつつ、一又は複数の第1電極320aの信号と制御部のメモリ上の第1閾値とを比較している。制御部は、前記比較により一の第1電極320a又は複数の第1電極320aのうちの少なくとも一つの信号が第1閾値を超えたときに、タッチ領域における第1閾値を超えた信号の第1電極320aのZ方向側の部分に検出対象のタッチがあったと判断するようになっている。
【0046】
センサ部300は、少なくとも一つの第2電極320bを更に有する構成とすることが可能である(図2B及び図4A図8B参照)。少なくとも一つの第2電極320bは、第1センサ層310の第1主面311及び第2主面312の少なくとも一方の面上に設けられた透明導電膜又は導体であって、外表部200のタッチ領域に対してZ’方向側に位置している。少なくとも一つの第2電極320bは少なくとも一つの第1電極320aと第1センサ層310の同一主面上に配置されていても良いし(図2B図4A図4B及び図5参照)、異なる主面上に配置されていても良い。
【0047】
少なくとも一つの第2電極320bは、複数とすることが可能である。複数の第2電極320bは、第1センサ層310の同一主面上(第1主面311又は第2主面312)に設けられていても良い。又は、複数の第2電極320bのうちの一又は複数の第2電極320bが第1センサ層310の第1主面311及び第2主面312のうちの一方の主面上に設けられており、残りの第2電極320bが他方の主面上に設けられていても良い。なお、センサ部300が自己容量型のタッチセンサである場合、少なくとも一つの第2電極320bは、省略される。
【0048】
センサ部300の少なくとも一つのセンサ層が複数である場合、複数のセンサ層は、第2センサ層330を更に含む構成とすることが可能である(図6図8B参照)。第2センサ層330は、第1センサ層310と同様のプレート又はフィルムで構成されており且つ第1センサ層310に対してZ’方向側に位置する。第2センサ層330は、Z方向側の第1主面331と、Z’方向側の第2主面332とを有する。第2センサ層330の第1主面331は、第1センサ層310の第2主面312にOCA(Optical Clear Adhesive)等で張り合わされた構成とすることが可能であるが、第2センサ層330の第1主面331と第1センサ層310の第2主面312との間に別のセンサ層が介在していてもよい。第2センサ層330の第2主面332は、筐体100上に面接触する構成とすることが可能であるが、第2センサ層330の第2主面332と筐体100との間に別のセンサ層が介在していてもよい。
【0049】
少なくとも一つの第2電極320b及び第2センサ層330が設けられている場合、少なくとも一つの第2電極320bは、第1センサ層310ではなく、第2センサ層330の第1主面331及び第2主面332の少なくとも一方の面上に設けられた構成とすることが可能である(図6図8B参照)。
【0050】
少なくとも一つの第2電極320bが複数である場合、複数の第2電極320bは、第2センサ層330の同一主面上(第1主面331又は第2主面332)に設けられていても良い。又は、複数の第2電極320bのうちの一又は複数の第2電極320bが第1主面331及び第2主面332のうちの一方の主面上に設けられており、残りの第2電極320bが他方の主面上に設けられていても良い。
【0051】
センサ部300が少なくとも一つの第1電極320a及び少なくとも一つの第2電極320bを有する相互容量型のタッチセンサである場合、一又は複数の第2電極320bは駆動電極であり、一又は複数の第1電極320aが検出電極とすると良い。一又は複数の第1、第2電極320a、320bは、制御部に電気的に接続される。制御部は、一又は複数の第2電極320bに駆動パルスを供給する一方、一又は複数の第1電極320aの信号(電圧又は電流)をモニタリングしており、一又は複数の第1電極320aの信号と制御部のメモリ上の第2閾値とを比較している。制御部は、前記比較により一の第1電極320a又は複数の第1電極320aのうちの少なくとも一つの信号が第2閾値を超えたときに、タッチ領域における第2閾値を超えた信号の第1電極320aのZ方向側の部分に検出対象のタッチがあったと判断するようになっている。
【0052】
センサ部300が自己容量型及び相互容量型を兼ねた構成とすることも可能である。この場合、制御部から電荷の充放電が一又は複数の第1電極320aになされるときに、Z方向側から接近する検出対象と、一の第1電極320a又は複数の第1電極320aの少なくとも一つとの間の静電容量が変化することによって、一の第1電極320a又は複数の第1電極320aの少なくとも一つの信号が変化し、且つ、制御部から駆動パルスが一又は複数の第2電極320bに供給されるときに、検出対象がZ方向側から一の第1電極320a又は複数の第1電極320aのうちの少なくとも一つと、一の第2電極320b又は複数の第2電極320bの少なくとも一つとに接近し、一の第1電極320a又は複数の第1電極320aのうちの少なくとも一つと、一の第2電極320b又は複数の第2電極320bの少なくとも一つとの間の静電容量が変化することによって、一の第1電極320a又は複数の第1電極320aの信号が変化するようになっている。制御部は、一又は複数の第1電極320aの信号(電圧又は電流)をモニタリングしており、一又は複数の第1電極320aの信号と制御部のメモリ上の第3閾値とを比較している。制御部は、前記比較により一の第1電極320a又は複数の第1電極320aの少なくとも一つの信号が第3閾値を超えたときに、タッチ領域における第3閾値を超えた信号の第1電極320aのZ方向側の部分に検出対象のタッチがあったと判断するようになっている。
【0053】
タッチ入力装置D1は、外表部200とセンサ部300の最上センサ層との間に介在する少なくとも一つの中間層400(第1中間層)を更に備えている。少なくとも一つの中間層400は遮水層410を有している。遮水層410は、防水性を有する弾性体で構成されている。この遮水層410は、検出対象にZ方向側からタッチ領域を介して押圧されることによって弾性変形可能になっている。また、遮水層410の防水性は、国際電気標準会議の規格(JIS C0920)において、等級IPX1以上であれば良い。遮水層410は、例えば、前述の防水性を有する独立発泡体(例えば、汎用ポリエチレンフォーム又はゴムスポンジ等)で構成可能である。独立発泡体は、その内部の複数の気泡が各々独立しており、互いに連通していない。また、遮水層410は、Z方向側の第1主面411と、Z’方向側の第2主面412と、第2主面412に対して交差する側面413とを有している。遮水層410は、更に下記(1)~(4)の何れかの構成を有する構成とすることが可能である。
【0054】
(1)遮水層410のZ方向側からの平面視(以下、単に平面視という。)における投影面積は、外表部200の平面視における投影面積及びセンサ部300の平面視における投影面積よりも小さい(図3A参照)。この場合、遮水層410は、外表部200の一部と、センサ部300の一部との間に配置されおり且つセンサ部300の一部をZ方向側から覆っている。遮水層410の第1主面411は、外表部200の一部に接触していても良いが、第1主面411と、外表部200の一部との間に層間部材700(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。遮水層410の第2主面412は、センサ部300の最上センサ層の一部に接触していても良いが、第2主面412と、当該最上センサ層の一部との間に層間部材700(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。
【0055】
(2)遮水層410の平面視における投影面積は、外表部200の平面視における投影面積より小さく且つセンサ部300の平面視における投影面積と略同じである(図3B参照)。この場合、遮水層410は、外表部200の一部と、センサ部300との間に配置されており且つセンサ部300をZ方向側から覆っている。例えば、遮水層410は、外表部200のセンサ部300に対するZ方向側の部分(外表部200の一部)と、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域との間に配置されており且つ当該最上センサ層の第1主面の全領域をZ方向側から覆う構成とすることが可能である。遮水層410の第1主面411は、外表部200のセンサ部300に対するZ方向側の部分に面接触していても良いが、第1主面411と、外表部200のセンサ部300に対するZ方向側の部分との間に層間部材(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。遮水層410の第2主面412は、当該最上センサ層の全領域に面接触していても良いが、第2主面412と、当該最上センサ層の全領域との間に層間部材(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。
【0056】
(3)遮水層410の平面視における投影面積は、外表部200の平面視における投影面積よりも小さく且つセンサ部300の平面視における投影面積より大きい(図3C参照)。この場合、遮水層410は、外表部200の一部と、センサ部300の全部及び筐体100の一部との間に配置されており且つセンサ部300をZ方向側から覆っている。例えば、遮水層410は、外表部200のセンサ部300及び筐体100のセンサ部300周りの周縁部(筐体100の一部)に対するZ方向側の部分(外表部200の一部)と、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域及び筐体100のセンサ部300周りの周縁部との間に配置されており且つ当該最上センサ層の第1主面の全領域をZ方向側から覆う構成とすることが可能である。遮水層410の第1主面411は、外表部200のセンサ部300及び筐体100の周縁部に対するZ方向側の部分に面接触していても良いが、第1主面411と、外表部200のセンサ部300及び筐体100の周縁部に対するZ方向側の部分との間に層間部材(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。遮水層410の第2主面412は、当該最上センサ層の全領域及び筐体100の周縁部に面接触していても良いが、第2主面412と、当該最上センサ層の全領域及び筐体100の周縁部との間に層間部材(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。
【0057】
(4)遮水層410の平面視における投影面積は、外表部200の平面視における投影面積と略同じであり且つセンサ部300の平面視における投影面積より大きい(図2A参照)。この場合、遮水層410は、外表部200と、センサ部300の全部及び筐体100の少なくとも一部との間に配置されており且つセンサ部300をZ方向側から覆っている。遮水層410の第1主面411は、外表部200のZ’方向側の面の全領域に面接触していても良い(図2B図4A及び図4B参照)が、第1主面411と、外表部200のZ’方向側の面の全領域との間に層間部材(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。遮水層410の第2主面412は、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域及び筐体100の少なくとも一部に面接触していても良い(図2B及び図4A参照)が、第2主面412と、当該最上センサ層の第1主面の全領域及び筐体100の少なくとも一部との間に層間部材(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない(図4B参照)。
【0058】
外表部200のタッチ領域に上記した貫通孔及び/又は接合部分が設けられている場合、遮水層410の第1主面411が、上記(1)~(4)の何れかの通りに、外表部200に接触し、外表部200の貫通孔及び/又は接合部分を閉塞していると良い。
【0059】
タッチ入力装置D1は、少なくとも一つの排気路P1を更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つの排気路P1は、遮水層410の第2主面412及び最上センサ層の第1主面(例えば、第1センサ層310の第1主面311)の少なくとも一方の面に設けられた構成とすることが可能である(図4A及び図7参照)。この場合、少なくとも一つの排気路P1は、当該少なくとも一つの面に沿って延びており、当該少なくとも一つの面(Z方向及びZ’方向の少なくとも一方)に開放され、且つ当該少なくとも一つの面に対して交差する側面(例えば、遮水層410の側面413及び/又は第1センサ層310の側面313)に開放された貫通孔又は溝である。なお、最上センサ層がオーバーコート等の表面処理がなされている場合(これを表面処理部という。)、最上センサ層の表面処理部が第1主面及び/又は第2主面を有する。この場合、少なくとも一つの排気路P1は、上記の通り、最上センサ層の表面処理部の第1主面に設けられた貫通孔又は溝であっても良い。遮水層410の第2主面412が最上センサ層の第1主面に面接触するとき又は層間部材700を介して貼り合わされるときに、両主面間に挟まれるエアが一又は複数の排気路P1を通じて遮水層410の側面413及び最上センサ層の側面の少なくとも一方から外部に排出される。このため、遮水層410の第2主面412と最上センサ層の第1主面との間にエアが残る可能性が低減される。又は、少なくとも一つの排気路P1は、層間部材700に設けられた構成とすることが可能である(図4B参照)。この場合、少なくとも一つの排気路P1は、遮水層410の第2主面412及び最上センサ層の第1主面(例えば、第1センサ層310の第1主面311)の少なくとも一方の面に沿って延びており、当該少なくとも一つの面側(Z方向及びZ’方向の少なくとも一方側)に開放され、且つ層間部材700の側面に開放された貫通孔又は溝である。遮水層410の第2主面412が最上センサ層の第1主面に層間部材700で貼り合わせされるときに、両主面間に挟まれるエアが一又は複数の排気路P1を通じて層間部材700の側面から外部に排出される。このため、遮水層410の第2主面412と最上センサ層の第1主面との間にエアが残る可能性が低減される。なお、少なくとも一つの排気路P1は、複数とすることが可能である。複数の排気路P1の各々は、上記した構成の少なくとも一つの構成を有していれば良い。少なくとも一つの排気路P1は省略可能である(図3参照)。
【0060】
少なくとも一つの中間層400は、排気層420を更に有する構成とすることが可能である(図5A図5B図8A及び図8B参照)。排気層420は、内部に複数の気泡が連続して設けられた連続発泡体(例えば、ウレタンフォーム等)、又は第1センサ層310と同様のプレート若しくはフィルムで構成されている。排気層420は、Z方向側の第1主面421と、Z’方向側の第2主面422と、第2主面422に対して交差する側面423とを有している。排気層420の平面視における投影面積は、遮水層410の平面視における投影面積と略同じである。排気層420は、連続発泡体で構成されている場合、検出対象にZ方向側からタッチ領域を介して押圧されることによって弾性変形可能になっている。
【0061】
遮水層410が上記(1)の構成を有する場合、排気層420の平面視における投影面積はセンサ部300の平面視における投影面積より小さい(図3A参照)。この場合、排気層420は、遮水層410とセンサ部300の一部との間に配置されている。排気層420の第1主面421は、遮水層410の第2主面412に面接触していても良い(図5A図8A及び図8B参照)が、排気層420の第1主面421と遮水層410の第2主面412との間に層間部材700(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。排気層420の第2主面422は、センサ部300の一部に接触している。
【0062】
遮水層410が上記(2)の構成を有する場合、排気層420の平面視における投影面積は、センサ部300の平面視における投影面積と略同じである(図3B参照)。この場合、排気層420は、遮水層410とセンサ部300との間に配置されており且つセンサ部300をZ方向側から覆っている。例えば、排気層420は、遮水層410の第2主面412の全領域とセンサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域との間に配置されており且つ当該最上センサ層の第1主面の全領域をZ方向側から覆う構成とすることが可能である。排気層420の第1主面421は、遮水層410の第2主面412の全領域に面接触していても良い(図5A図8A及び図8B参照)が、排気層420の第1主面421と遮水層410の第2主面412との間に層間部材700(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。排気層420の第2主面422は、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域に面接触している。
【0063】
遮水層410が上記(3)の構成を有する場合、排気層420の平面視における投影面積は、センサ部300の平面視における投影面積より大きく且つ外表部200の平面視における投影面積よりも小さい(図3C参照)。この場合、排気層420は、遮水層410及び外表部200の一部と、センサ部300及び筐体100の一部との間に配置されており且つセンサ部300をZ方向側から覆っている。例えば、排気層420は、遮水層410の第2主面412の全領域及び外表部200の遮水層410周りの周縁部(外表部200の一部)と、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域及び筐体100のセンサ部300周りの周縁部(筐体100の一部)との間に配置されており且つ当該最上センサ層の第1主面の全領域をZ方向側から覆う構成とすることが可能である。排気層420の第1主面421は、遮水層410の第2主面412の全領域及び外表部200の遮水層410周りの周縁部に面接触していても良い(図5A図8A及び図8B参照)が、排気層420の第1主面421と、遮水層410の第2主面412の全領域及び外表部200の遮水層410周りの周縁部との間に層間部材(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。排気層420の第2主面422は、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域及び筐体100のセンサ部300周りの周縁部に面接触している。
【0064】
遮水層410が上記(4)の構成を有する場合、排気層420の平面視における投影面積は、外表部200の平面視における投影面積と略同じであり且つセンサ部300の平面視における投影面積より大きい(図2A参照)。この場合、排気層420は、遮水層410及び外表部200と、センサ部300及び筐体100の少なくとも一部との間に配置されており且つセンサ部300をZ方向側から覆っている。例えば、排気層420は、遮水層410の第2主面412の全領域と、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域及び筐体100の少なくとも一部との間に配置されており且つ当該最上センサ層の第1主面の全領域をZ方向側から覆う構成とすることが可能である。排気層420の第1主面421は、遮水層410の第2主面412の全領域に面接触していても良い(図5A図8A及び図8B参照)が、排気層420の第1主面421と、遮水層410の第2主面412の全領域との間に層間部材700(例えば、接着層や両面テープ等)が介在していても構わない。排気層420の第2主面422は、センサ部300の最上センサ層の第1主面の全領域及び筐体100の少なくとも一部に面接触している。
【0065】
タッチ入力装置D1は、少なくとも一つの排気路P2を更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つの排気路P2は、排気層420の第2主面422及び最上センサ層の第1主面(例えば、第1センサ層310の第1主面311)の少なくとも一方の面に設けられた構成とすることが可能である(図8B参照)。少なくとも一つの排気路P2は、当該少なくとも一つの面(Z方向及びZ’方向の少なくとも一方)に開放され、且つこの少なくとも一つの面に対して交差する側面(例えば、排気層420の側面423及び/又は第1センサ層310の側面313)に開放されている。なお、最上センサ層が上記表面処理部を有する場合、少なくとも一つの排気路P2は、上記の通り、最上センサ層の表面処理部の第1主面に設けられた貫通孔又は溝であっても良い。排気層420の第2主面422が最上センサ層の第1主面に面接触するとき又は層間部材700を介して貼り合わされるときに、両主面に挟まれるエアが一又は複数の排気路P2を通じて排気層420の側面423及び最上センサ層の側面の少なくとも一方から外部に排出される。このため、排気層420の第2主面412と最上センサ層の第1主面との間にエアが残る可能性が低減される。又は、少なくとも一つの排気路P2は、層間部材700に設けられた構成とすることが可能である(図5B参照)。この場合、少なくとも一つの排気路P2は、排気層420の第2主面422及び最上センサ層の第1主面(例えば、第1センサ層310の第1主面311)の少なくとも一方の面に沿って延びており、当該少なくとも一つの面側(Z方向及びZ’方向の少なくとも一方側)に開放され、且つ層間部材700の側面に開放された貫通孔又は溝である。排気層420の第2主面422が最上センサ層の第1主面に層間部材700を介して貼り合わされるときに、両主面間に挟まれるエアが一又は複数の排気路P2を通じて層間部材700の側面から外部に排出される。このため、排気層420の第2主面422と最上センサ層の第1主面との間にエアが残る可能性が低減される。
【0066】
なお、上記した層間部材700は、接着層や両面テープに限定されず、二つの層の間に挟まれるものである限りどのようなものであっても構わない。
【0067】
排気層420が連続発泡体で構成されている場合(図5A図5B図8A及び図8B参照)、排気層420の複数の気泡は、少なくとも一つの第1気泡424aと、少なくとも一つの第2気泡424bと、少なくとも一つの第3気泡424cとを含んでいる。少なくとも一つの第1気泡424aは、排気層420の第2主面422に設けられ且つ第2主面422に開放されている。少なくとも一つの第2気泡424bは、排気層420の側面423に設けられ且つ側面423に開放されている。
【0068】
少なくとも一つの第1気泡424a及び少なくとも一つの第2気泡424bがそれぞれ一つであり且つ少なくとも一つの第3気泡424cが一又は複数である場合、一つの第1気泡424aと一つの第2気泡424bとの間が、一又は複数の第3気泡424cによって繋がれている(連通している)。この場合、少なくとも一つの排気路P2は一つであって、一つの第1気泡424a、一つの第2気泡424b及び一又は複数の第3気泡424cによって構成されている。
【0069】
少なくとも一つの第1気泡424a、少なくとも一つの第2気泡424b及び少なくとも一つの第3気泡424cがそれぞれ複数である場合、各第1気泡424aと各第2気泡424bとの間が、複数の第3気泡424cのうちの一又は複数の第3気泡424cによって繋がれている(連通している)。この場合、排気路P2は複数であって、各排気路P2が、複数の第1気泡424aのうちの一つ、複数の第2気泡424bのうちの一つ及び複数の第3気泡424cのうちの一又は複数の第3気泡424cによって構成されている。
【0070】
なお、少なくとも一つの排気路P2は、複数とすることが可能である。複数の排気路P2の各々は、上記した構成の少なくとも一つの構成を有していれば良い。排気層420は省略可能である。
【0071】
以上のような構成のタッチ入力装置D1は、以下の技術的特徴及び効果(1)~(3)を奏する。
【0072】
技術的特徴及び効果(1)
タッチ入力装置D1の防水性が向上する。その理由は以下の通りである。少なくとも一つの中間層400の遮水層410がセンサ部300の少なくとも一部をZ方向側から覆っているので、水や汗等の液体が外表部200に経年劣化等によって生じた傷等から侵入したとしても、Z方向側からの液体が遮水層410で遮断され、センサ部300に付着する可能性が低減される。また、外表部200に貫通孔及び/又は接合部分が設けられている場合、外表部200の貫通孔及び/又は接合部分が少なくとも一つの中間層400の遮水層410によって閉塞されることによって、液体が外表部200の貫通孔及び/又は接合部分を通って侵入する可能性が低減される。更に、遮水層410の平面視における投影面積がセンサ部300の平面視における投影面積と略同じ又は大きく且つ遮水層410がセンサ部300全体をZ方向側から覆う場合、Z方向側からの液体が遮水層410で遮断され、センサ部300に付着する可能性が更に低減される。しかも、少なくとも一つの中間層400の遮水層410が、防水性を有する弾性体で構成されているので、少なくとも一つの中間層が、防水性を有し且つ弾性を有さない遮水層と、遮水層と別体の弾性部とを有する場合に比べて、遮水層410のZ-Z’方向の寸法を大きくすることができる。遮水層410のZ-Z’方向の寸法を大きくすることによって、タッチ入力装置D1の防水性が更に向上する。
【0073】
技術的特徴及び効果(2)
外表部200のタッチ領域が検出対象にタッチされることによって、外表部200に対してZ’方向側に位置する少なくとも一つの中間層400の遮水層410が弾性変形するので、タッチ入力装置D1の操作時の感触が向上する。また、少なくとも一つの中間層400が連続発泡体である排気層420を更に有する場合、外表部200のタッチ領域が検出対象にタッチされることによって、外表部200に対してZ’方向側に位置する少なくとも一つの中間層400の遮水層410及び排気層420が弾性変形するので、タッチ入力装置D1の操作時の感触が更に向上する。
【0074】
技術的特徴及び効果(3)
少なくとも一つの排気路P1が設けられている場合、遮水層410の第2主面412をセンサ部300の最上センサ層の第1主面に面接触させるときに、遮水層410の第2主面412と最上センサ層の第1主面との間に挟まれるエアが少なくとも一つの排気路P1から外部に排出されるため、遮水層410の第2主面412と最上センサ層の第1主面との間にエアが挟まった状態が維持される可能性が低減される。また、少なくとも一つの排気路P2が設けられている場合も、排気層420の第2主面422をセンサ部300の最上センサ層の第1主面に面接触させるときに、排気層420の第2主面422と最上センサ層の第1主面との間に挟まれるエアが少なくとも一つの排気路P2から外部に排出されるため、排気層420の第2主面422と最上センサ層の第1主面との間にエアが挟まった状態が維持される可能性が低減される。
【実施例0075】
以下、本発明の実施例2を含む複数の実施例に係るタッチ入力装置D2について、図9A図9Cを参照しつつ説明する。図9Aには、実施例2のタッチ入力装置D2が示されている。図9Bには、実施例2のタッチ入力装置D2の第1設計変型例が示されている。図9Cには、実施例2のタッチ入力装置D2の第2設計変型例が示されている。図9A図9Cにも、タッチ入力装置D1と同様に、Z-Z’方向が示されている。
【0076】
タッチ入力装置D2は、(a)外表部200’がタッチ領域の代わりに開口201’を有し、(b)タッチ入力装置D2がカバー部500及び中間層600(第2中間層)を更に備えている点で、タッチ入力装置D1と相違する以外、タッチ入力装置D1と同様の構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、タッチ入力装置D2の説明のうち、タッチ入力装置D1と重複する説明については省略する。
【0077】
カバー部500は、天然皮革、人工皮革、合成皮革、織物や編物といった繊維材料からなる布地又は樹脂フィルム等で構成されている。カバー部500は、指やタッチペン等の検出対象によってZ方向側から接触可能なタッチ領域を有する。カバー部500のタッチ領域には、ステッチ等の貫通孔が設けられていても良い。また、カバー部500のタッチ領域は、複数のパーツを有し、複数のパーツのうちの隣り合うパーツの接合部分が設けられていても良い。なお、カバー部500のタッチ領域の貫通孔及び/又は接合部分は省略可能である。
【0078】
カバー部500のZ方向側からの平面視(以下、単に平面視という)における投影面積の外形は少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積の外形と同じであっても良い。この場合、カバー部500の平面視における投影面積が少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積と略同じ(図9A及び図9C参照)又は大きい(図9B参照)。又は、カバー部500の平面視における投影面積の外形と少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積の外形とが相違していても良い。この場合、カバー部500の平面視における投影面積が少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積よりも大きい(図9B参照)。何れの場合も、カバー部500は、少なくとも一つの中間層400の遮水層410の第1主面411に対してZ方向側から面接触していても良いが、カバー部500と少なくとも一つの中間層400の遮水層410との間に少なくとも一つの中間層400の別の層が介在しており且つカバー部500が遮水層410の第1主面411をZ方向側から覆うように配置されていても良い。カバー部500、少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300は、この順でZ-Z’方向において積層され、ユニット化されている。以下、このユニットをセンサユニットUと称する。
【0079】
外表部200’の開口201’は、外表部200’をZ-Z’方向に貫通している。開口201’の平面視における投影面積の形は、カバー部500の平面視における投影面積の外形と略同じであり、開口201’の平面視における投影面積はカバー部500の平面視における投影面積と略同じである(図9A図9C参照)。開口201’のZ-Z’方向の寸法は、カバー部500のZ-Z’方向の寸法と略同じである。
【0080】
中間層600は、外表部200’と筐体100との間に介在しており且つ収容孔601を有する以外、少なくとも一つの中間層400と同様の構成とすることが可能である。収容孔601は、中間層600をZ-Z’方向に貫通する貫通孔又はZ方向に開放され、Z’方向に閉塞された有底穴であって、開口201’に対してZ’方向側に位置し且つ開口201’に連通している。
【0081】
収容孔601の平面視における投影面積の形は、センサユニットUの中間層400及びセンサ部300の平面視における投影面積の外形と略同じであり、収容孔601の平面視における投影面積は、センサユニットUの少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300の平面視における投影面積と略同じであり、且つ収容孔601のZ-Z’方向の寸法は、センサユニットUの少なくとも一つの中間層400のZ-Z’方向の寸法とセンサ部300のZ-Z’方向の寸法の和と略同じとすることが可能である。
【0082】
収容孔601が貫通孔である場合、筐体100には、収容凹部110を設けることが可能である。収容凹部110は、収容孔601に対してZ’方向側に位置し且つ収容孔601に連通している。この場合、収容凹部110の平面視における投影面積の形は、センサユニットUのセンサ部300の平面視における投影面積の外形と略同じであり、収容凹部110の平面視における投影面積はセンサユニットUのセンサ部300の平面視における投影面積と略同じであり、且つ収容凹部110のZ-Z’方向の寸法は、センサユニットUのセンサ部300のZ-Z’方向の寸法と略同じである。収容孔601の平面視における投影面積の形は、センサユニットUの少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積の外形と略同じであり、収容孔601の平面視における投影面積は、センサユニットUの少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積と略同じであり、且つ収容孔601のZ-Z’方向の寸法は、センサユニットUの少なくとも一つの中間層400のZ-Z’方向の寸法と略同じである。
【0083】
カバー部500の平面視における投影面積と少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積とセンサ部300の平面視における投影面積とが略同じであり且つ収容凹部110が設けられていない場合(図9A参照)、開口201’内にセンサユニットUのカバー部500が収容され且つ収容孔601内にセンサユニットUの少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300が収容されている。
【0084】
カバー部500の平面視における投影面積と、少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積と、センサ部300の平面視における投影面積とが略同じであり且つ収容凹部110が設けられている場合(図示なし)、開口201’内にセンサユニットUのカバー部500が収容され、収容孔601内にセンサユニットUの少なくとも一つの中間層400が収容され且つ収容凹部110内にセンサユニットUのセンサ部300が収容されている。
【0085】
カバー部500の平面視における投影面積が少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300の平面視における投影面積よりも大きく、少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積とセンサ部300の平面視における投影面積とが略同じであり且つ収容凹部110が設けられていない場合(図9B参照)、開口201’内にセンサユニットUのカバー部500が収容され、カバー部500の少なくとも一つの中間層400周りの周縁部が中間層600の収容孔601の周縁部にZ方向から接触して覆い、且つ収容孔601内にセンサユニットUの少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300が収容されている。
【0086】
カバー部500の平面視における投影面積が少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300の平面視における投影面積よりも大きく、少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積とセンサ部300の平面視における投影面積とが略同じであり且つ収容凹部110が設けられている場合(図示なし)、開口201’内にセンサユニットUのカバー部500が収容され、カバー部500の少なくとも一つの中間層400周りの周縁部が中間層600の収容孔601の周縁部にZ方向から接触して覆い、収容孔601内にセンサユニットUの少なくとも一つの中間層400が収容され、且つ収容凹部110内にセンサユニットUのセンサ部300が収容されている。
【0087】
カバー部500の平面視における投影面積と少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積とが略同じであり、カバー部500及び少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積がセンサ部300の平面視における投影面積よりも大きく、且つ収容凹部110が設けられていない場合(図示なし)、収容孔601は、Z方向側の第1孔と、Z’方向側の第2孔とを有する。開口201’内にセンサユニットUのカバー部500が収容され、収容孔601の第1孔内にセンサユニットUの少なくとも一つの中間層400が収容され、少なくとも一つの中間層400のセンサ部300周りの周縁部が収容孔601の第2孔の周縁部にZ方向から接触して覆い、且つ収容孔601の第2孔内にセンサユニットUのセンサ部300が収容されている。
【0088】
カバー部500の平面視における投影面積と少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積とが略同じであり、カバー部500及び少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積がセンサ部300の平面視における投影面積よりも大きく、且つ収容凹部110が設けられている場合(図9C参照)、開口201’内にセンサユニットUのカバー部500が収容され、収容孔601内にセンサユニットUの少なくとも一つの中間層400が収容され、少なくとも一つの中間層400のセンサ部300周りの周縁部が筐体100の収容凹部110の周縁部にZ方向から接触して覆い、且つ収容凹部110内にセンサユニットUのセンサ部300が収容されている。
【0089】
なお、外表部200’の開口201’の周縁部のZ方向側の面とカバー部500のZ方向側の面とは面一とすることが可能であるが、両者のZ-Z’方向の高さ位置が相違していても構わない。
【0090】
以上のような構成のタッチ入力装置D2は、以下の技術的特徴及び効果(1)~(4)を奏する。
【0091】
技術的特徴及び効果(1)
タッチ入力装置D2の防水性が向上する。その理由は以下の通りである。少なくとも一つの中間層400の遮水層410がセンサ部300の少なくとも一部をZ方向側から覆っているので、水や汗等の液体がカバー部500に経年劣化等によって生じた傷等から侵入したとしても、Z方向側からの液体が遮水層410で遮断され、センサ部300に付着する可能性が低減される。また、カバー部500に貫通孔及び/又は接合部分が設けられている場合、カバー部500の貫通孔及び/又は接合部分が少なくとも一つの中間層400の遮水層410によって閉塞されることによって、液体がカバー部500の貫通孔及び/又は接合部分を通って侵入する可能性が低減される。更に、少なくとも一つの中間層400の遮水層410の平面視における投影面積がセンサ部300の平面視における投影面積と略同じ又は大きく且つ遮水層410がセンサ部300全体をZ方向側から覆う場合、Z方向側からの液体が遮水層410で遮断され、センサ部300に付着する可能性が更に低減される。しかも、少なくとも一つの中間層400の遮水層410が、防水性を有する弾性体で構成されているので、少なくとも一つの中間層が、防水性を有し且つ弾性を有さない遮水層と、遮水層と別体の弾性部とを有する場合に比べて、遮水層410のZ-Z’方向の寸法を大きくすることができる。遮水層410のZ-Z’方向の寸法を大きくすることによって、タッチ入力装置D2の防水性が更に向上する。
【0092】
技術的特徴及び効果(2)
カバー部500のタッチ領域が検出対象にタッチされることによって、カバー部500に対してZ’方向側に位置する少なくとも一つの中間層400の遮水層410が弾性変形するので、タッチ入力装置D2の操作時の感触が向上する。また、少なくとも一つの中間層400が連続発泡体である排気層420を更に有する場合、カバー部500のタッチ領域が検出対象にタッチされることによって、カバー部500に対してZ’方向側に位置する少なくとも一つの中間層400の遮水層410及び排気層420が弾性変形するので、タッチ入力装置D2の操作時の感触が更に向上する。
【0093】
技術的特徴及び効果(3)
タッチ入力装置D2は、タッチ入力装置D1の技術的特徴及び効果(3)と同様の技術的特徴及び効果を奏する。
【0094】
技術的特徴及び効果(4)
タッチ入力装置D2のセンサユニットUを、外表部200’の開口201’から、外表部200’、中間層600及び筐体100に組み込むことが可能であるので、タッチ入力装置D2の組立が簡単になる。
【実施例0095】
以下、本発明の実施例3を含む複数の実施例に係るタッチ入力装置D3について、図10A図10Cを参照しつつ説明する。図10Aには、実施例3のタッチ入力装置D3が示されている。図10Bには、実施例3のタッチ入力装置D3の第1設計変型例が示されている。図10Cには、実施例3のタッチ入力装置D3の第2設計変型例が示されている。図10A図10Cにも、タッチ入力装置D1と同様に、Z-Z’方向が示されている。
【0096】
タッチ入力装置D3は、(a)外表部200’及び中間層600が省略されており、(b)センサユニットUが筐体100’に組み込まれている点で、タッチ入力装置D2と相違する以外、タッチ入力装置D2と同様の構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、タッチ入力装置D3の説明のうち、タッチ入力装置D2と重複する説明については省略する。
【0097】
筐体100’は収容部110’を有している。収容部110’は、筐体100’をZ-Z’方向に貫通した貫通孔であっても良いし、Z方向に開放され且つZ’方向側が閉塞された有底穴であっても良い。収容部110’が貫通孔である場合、収容部110’のZ-Z’方向の寸法は、任意に設定可能である。収容部110’が有底穴である場合、収容部110’のZ-Z’方向の寸法は、センサユニットUのZ-Z’方向の寸法と略同じ、大きい又は小さい。
【0098】
カバー部500の平面視における投影面積と、少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積と、センサ部300の平面視における投影面積とが略同じである場合、収容部110’の平面視における投影面積の形は、カバー部500の平面視における投影面積の外形と略同じであり、収容部110’の平面視における投影面積はカバー部500の平面視における投影面積と略同じとすることが可能である(図10A参照)。この場合、収容部110’内にセンサユニットUのカバー部500、センサユニットUのカバー部500及び少なくとも一つの中間層400、又は、センサユニットUのカバー部500、少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300が収容されている。
【0099】
カバー部500の平面視における投影面積が少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300の平面視における投影面積よりも大きく、少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積とセンサ部300の平面視における投影面積とが略同じである場合(図10B参照)、収容部110’は、Z方向側の第1孔111’と、Z’方向側の第2孔112’とを有する。第1孔111’内にカバー部500が収容され、カバー部500の少なくとも一つの中間層400周りの周縁部が第1孔111’の周縁部にZ方向側から接触して覆い、且つ第2孔112’内に少なくとも一つの中間層400、又は少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300が収容されている。
【0100】
カバー部500の平面視における投影面積と中間層400の平面視における投影面積とが略同じであり、カバー部500及び少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積がセンサ部300の平面視における投影面積よりも大きい場合(図10C参照)、収容部110’は、Z方向側の第1孔111’と、Z’方向側の第2孔112’とを有する。第1孔111’内にカバー部500及び少なくとも一つの中間層400が収容され、少なくとも一つの中間層400のセンサ部300周りの周縁部が第1孔111’の周縁部にZ方向側から接触して覆い、且つ第2孔112’内にセンサ部300が収容されている。この場合、第2孔112’を省略し、センサ部300を筐体100’内に収容しても良い。
【0101】
上記何れかの通りに、センサユニットUが筐体100’に組み込まれた状態で、センサユニットUが筐体100’に支持又は固定されていても良いし、筐体100’内の支持部(図示なし)に支持又は固定されていても良い。筐体100’の収容部110’の周縁部のZ方向側の面とカバー部500のZ方向側の面とは面一とすることが可能であるが、両者のZ-Z’方向の高さ位置が相違していても構わない。
【0102】
以上のような構成のタッチ入力装置D3は、タッチ入力装置D2の技術的特徴及び効果(1)~(3)と同様の技術的特徴及び効果を奏する。
【0103】
技術的特徴及び効果(4)
タッチ入力装置D3のセンサユニットUを、筐体100’の収容部110’に組み込むことができるので、タッチ入力装置D3の組立が簡単になる。
【0104】
なお、上記したタッチ入力装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0105】
本発明のタッチ入力装置は、上記した何れかの態様のセンサユニットUのみを備えた構成とすることが可能である。
【0106】
センサユニットUのカバー部500は、外表部200’の開口201’内に収容されるのではなく、外表部200’の開口201’から露出する構成とすることが可能である。この場合、カバー部500は、少なくとも一つの中間層400、又は少なくとも一つの中間層400及びセンサ部300と共に、中間層600の収容孔601に収容される構成とすると良い。センサユニットUのカバー部500は、筐体100’の収容部110’内に収容されるのではなく、収容部110’から露出する構成とすることが可能である。この場合、センサユニットUは、筐体100’内の収容部110’に対してZ’方向側に配置されていると良い。センサユニットUのカバー部500のZ方向側からの平面視における投影面積は、少なくとも一つの中間層400の平面視における投影面積よりも小さくすることが可能である。
【0107】
センサユニットUのカバー部500は省略可能である。この場合、センサユニットUの使用時において、カバー部500なしのセンサユニットUを筐体100及び中間層600又は筐体100’に組み込み、その後、センサユニットU、筐体100及び中間層600、又はセンサユニットU及び筐体100’に外表部200を被せるようにすると良い。又は、センサユニットUの少なくとも一つの中間層400のZ方向側の面がタッチ領域を有する構成としても良い。
【0108】
上記した何れかの態様の少なくとも一つの中間層400は、遮水層410以外の少なくとも一つの別の層、又は、遮水層410及び排気層420以外の少なくとも一つの別の層を更に有する構成とすることが可能である。遮水層410及び少なくとも一つの別の層、又は、遮水層410、排気層420及び少なくとも一つの別の層は、Z-Z’方向において積層されている。これらの層のうちZ-Z’方向で隣り合う二つ層の間には、上記層間部材700が介在していても良いし、介在せず二つの層が面接触していても良い。別の層としては、例えば、印刷層430等である(図11A及び図11B参照)。印刷層430は、少なくとも一つの透光部431と、少なくとも一つの透光部431以外の不透明部432とを有している。少なくとも一つの透光部431は、上記した何れかの態様のタッチ入力装置D1、D2又はD3に対してZ’方向側に配置された発光素子からZ方向に照射される光信号が、少なくとも一つの透光部431を透過できる程度の透光性を有している。不透明部432は、発光素子からZ方向に照射される光信号を遮断し、不透明部432に対するZ方向に透過させない構成となっている。少なくとも一つの透光部431が透過した光信号が、外表部200又はカバー部500のタッチ領域に投影される。この投影された光信号をアイコンとすることが可能である。この場合、外表部200又はカバー部500のタッチ領域の光信号が投影される部分も、前記光信号を透過させる透光性を有している。遮水層410、又は遮水層410及び排気層420も、前記発光素子からZ方向に照射される光信号が、遮水層410、又は遮水層410及び排気層420を透過できる程度の透光性を有している。センサ部300も、前記発光素子からZ方向に照射される光信号が、センサ部300を透過できる程度の透光性を有している。筐体100の少なくとも一部(例えば、少なくとも一つの透光部431に対してZ’方向側に位置する部分)も、前記発光素子からZ方向に照射される光信号が、透過できる程度の透光性を有している。なお、本発明における透光性は、透明を含む。
【0109】
上記した何れかの態様のタッチ入力装置D1、D2及びD3において、センサ部300に代えて、下記センサ部300’又はセンサ部300’’を備えた構成とすることが可能である。以下、センサ部300’及びセンサ部300’’について詳しく説明する。なお、上記した何れかの態様のタッチ入力装置D1、D2及びD3は、センサ部300に代えて、センサ部300’又はセンサ部300’’を備えている以外、上記した通りである。
【0110】
センサ部300’は抵抗膜方式のタッチセンサである。センサ部300’は、図12A及び図12Bに示すように、少なくとも一つのセンサ層と、少なくとも一つの第1電極320aと、少なくとも一つの第2電極320bと、絶縁性を有する少なくとも一つのスペーサ320cとを有する構成とすることが可能である。少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層310と、第2センサ層330とを有する構成とすることが可能である。第1センサ層310は、Z方向側の第1主面311と、Z’方向側の第2主面312とを有する。第2センサ層330は、Z方向側の第1主面331と、Z’方向側の第2主面332とを有する。少なくとも一つの第1電極320aは、第1センサ層310の第2主面312上に設けられており、少なくとも一つの第2電極320bは、第2センサ層330の第1主面331上に設けられており且つ少なくとも一つの第1電極320aに対してZ-Z’方向に間隔をあけて配置されている。少なくとも一つのスペーサ320cは、少なくとも一つの第1電極320aと少なくとも一つの第2電極320bとの間に介在し、両電極を離間させている。Z方向側からの検出対象の接近によって少なくとも一つの第1電極320aの一部に荷重が加えられることにより、少なくとも一つの第1電極310aの少なくとも一部が可撓して少なくとも一つの第2電極320bに接触することによって、両電極が導通する。上記した制御部は、前記導通を検出することによって、第1電極320aのZ方向側の部分に検出対象のタッチがあったと判断するようになっている。
【0111】
センサ部300’’は光学方式のタッチセンサである。センサ部300’’は、図13A及び図13Bに示すように、少なくとも一つのセンサ層と、少なくとも一つの発光素子320a’と、少なくとも一つの受光素子320b’とを有する構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つのセンサ層は、第1センサ層310と、第2センサ層330とを有する構成とすることが可能である。第1センサ層310は、Z方向側の第1主面311と、Z’方向側の第2主面312とを有する。第2センサ層330は、Z方向側の第1主面331と、Z’方向側の第2主面332とを有する。少なくとも一つの発光素子320a’及び少なくとも一つの受光素子320b’は、第1センサ層310の第2主面312と第2センサ層330の第1主面331との間に設けられており且つ互いに対向している。少なくとも一つの受光素子320b’は、少なくとも一つの発光素子320a’から照射される光信号を受光することによって、信号を出力する構成となっている。Z方向側からの検出対象の接近によって、少なくとも一つの発光素子320a’から照射される光信号が遮断される。この場合、少なくとも一つの受光素子320b’から信号が出力されない。上記した制御部は、少なくとも一つの受光素子320b’の信号が入力されないことを検出することよって、少なくとも一つの受光素子320b’と少なくとも一つの発光素子320a’との間の部分に対してZ方向側の部分に検出対象のタッチがあったと判断するようになっている。
【0112】
上記した何れかの態様のセンサ部300は、複数の第1電極320a、又は複数の第1電極320a及び複数の第2電極320bを有する構成とすることが可能である。上記した何れかの態様のセンサ部300’は、複数の第1電極320a及び複数の第2電極320bを有する構成とすることが可能である。上記した何れかの態様のセンサ部300’’は、複数の発光素子320a’及び複数の受光素子320b’’を有する構成とすることが可能である。何れの場合も、上記した何れかの態様のセンサ部300は、タッチ領域の座標軸を検出するタッチパネル(タッチセンサ)とすることが可能である。
【符号の説明】
【0113】
D1、D2、D3:タッチ入力装置
100、100’:筐体
200、200’:外表部
300:センサ部
310:第1センサ層
311:第1主面、312:第2主面、313:側面
320a:第1電極、320b:第2電極
330:第2センサ層
331:第1主面、332:第2主面
400:中間層(第1中間層)
410:遮水層
411:第1主面、412:第2主面、413:側面
420:排気層
421:第1主面、422:第2主面、423:側面、424a:第1気泡、424b:第2気泡、424c:第3気泡
500:カバー部
600:中間層(第2中間層)
P1:排気路
P2:排気路
U:センサユニット
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B