(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167306
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】スイッチの駆動制御の外部調節
(51)【国際特許分類】
H03K 17/16 20060101AFI20241126BHJP
H03K 17/695 20060101ALI20241126BHJP
H03K 17/689 20060101ALI20241126BHJP
H03K 17/567 20060101ALI20241126BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20241126BHJP
H02M 1/08 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H03K17/16 F
H03K17/695
H03K17/689
H03K17/567
H03K17/687 F
H02M1/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024146035
(22)【出願日】2024-08-27
(62)【分割の表示】P 2020151922の分割
【原出願日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】16/570,419
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125818
【弁理士】
【氏名又は名称】立原 聡
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ボイルレ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電力スイッチングアレイの伝導率変調デバイスを制御するための制御システム及びスイッチ制御装置を提供する。
【解決手段】制御システム100は、システム制御装置102、スイッチ制御装置114及び電力スイッチングアレイ104を備える。スイッチ制御装置は、伝導率変調デバイス106、108、110、112にかかる電圧の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を制御するための調節可能な駆動要素124、126と、伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を調節するために、調節可能駆動要素の制御により駆動特性を変えるための駆動特性制御部122と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷へのエネルギー送達を制御するように構成された伝導率変調デバイスを制御するように構成された制御システムであって、
前記制御システムが、
前記制御システムにおける電力イベントを検出することと、検出された前記電力イベントに応答してコマンド信号をアサートすることと、をするように構成されたシステム制御装置と、
前記システム制御装置に結合された、および、前記コマンド信号を受信するように構成された、スイッチ制御装置であって、前記スイッチ制御装置が、前記コマンド信号における第1のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間、立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方の変更により前記負荷への前記エネルギー送達を制御するために、前記伝導率変調デバイスのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するように更に構成されており、前記スイッチ制御装置が、前記コマンド信号における第2のコマンドに応答して、前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変えないように構成された、前記スイッチ制御装置と、
を備える、
制御システム。
【請求項2】
前記スイッチ制御装置が、
前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を制御するように構成された調節可能駆動要素と、
前記システム制御装置に結合された、および、前記コマンド信号を受信するように構成されたインターフェースであって、前記インターフェースが、前記コマンド信号を解釈するように、および、駆動特性信号を出力するように構成された、前記インターフェースと、
前記駆動特性信号を受信することと、前記コマンド信号における前記第1のコマンドに応答して、デフォルト値から前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を調節するために、前記調節可能駆動要素を変化させることと、をするように構成された駆動特性制御部であって、前記駆動特性制御部が、前記コマンド信号における前記第2のコマンドに応答して、前記デフォルト値から前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変えないように構成された、前記駆動特性制御部と、
を更に備える、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記調節可能駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合されたスイッチであって、前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスの伝導を有効化または無効化するために、前記スイッチをオンまたはオフに切り替えるように構成された、前記スイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記スイッチに直列に結合されたトリミング可能な電流源であって、前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変えるために、前記駆動特性信号に応答して、前記駆動特性制御部により制御される前記トリミング可能な電流源により提供される電流の大きさを制御するように構成された、前記トリミング可能な電流源と、
を更に備える、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記トリミング可能な電流源により提供される前記電流の前記大きさが、前記第1のコマンドに応答して大きくなる、
請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
伝導率変調デバイスのオン切り替えおよびオフ切り替えを制御することにより負荷へのエネルギー送達を制御するように構成されたスイッチ制御装置であって、
前記スイッチ制御装置が、
コマンド信号から駆動特性を受信するように構成された駆動特性制御部であって、前記コマンド信号が、前記伝導率変調デバイスの駆動電流を能動的に調節するように提供される、前記駆動特性制御部と、
前記駆動特性制御部に結合された第1の駆動要素と、
を備え、
前記第1の駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記伝導率変調デバイスを第1の状態から第2の状態に遷移させるためにオンまたはオフに切り替えられるように構成された、第1のスイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記第1のスイッチに直列に結合された、第1のトリミング可能な電流源であって、前記第1のトリミング可能な電流源が、前記コマンド信号の第1のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスを第1の速度で前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供することと、前記コマンド信号の第2のコマンドに応答して前記伝導率変調デバイスを第2の速度で前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供することと、をするように構成された、前記第1のトリミング可能な電流源と、
を備える、
スイッチ制御装置。
【請求項6】
前記コマンド信号が、システム制御装置から受信される、
請求項5に記載のスイッチ制御装置。
【請求項7】
前記コマンド信号が、トグル信号を受信するように結合された制御端子を含むトランジスタから受信される、
請求項5に記載のスイッチ制御装置。
【請求項8】
前記コマンド信号が、センサーから受信される、
請求項5に記載のスイッチ制御装置。
【請求項9】
前記駆動特性制御部に結合された第2の駆動要素を更に備え、
前記第2の駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記伝導率変調デバイスを前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるために、オンまたはオフに切り替えられるように構成された、第2のスイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記第2のスイッチに直列に結合された、第2のトリミング可能な電流源であって、前記第2のトリミング可能な電流源が、前記コマンド信号の前記第1のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスを前記第1の速度で前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供するように、および、前記コマンド信号の前記第2のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスを前記第2の速度で前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供するように構成された、前記第2のトリミング可能な電流源と、
を備える、
請求項5に記載のスイッチ制御装置。
【請求項10】
負荷へのエネルギー送達を制御するように構成された伝導率変調デバイスを制御するように構成された制御システムであって、前記制御システムが、
トグル信号を受信するように結合された制御端子を含むトランジスタであって、前記トランジスタが、前記トグル信号の高い値または低い値に応答して、コマンド信号におけるコマンドをアサートするように構成された、前記トランジスタと、
前記コマンド信号を受信するように構成されたスイッチ制御装置であって、前記スイッチ制御装置が、前記コマンド信号におけるコマンドに応答して前記伝導率変調デバイスにかかる電圧の、
立ち上がり時間、
立ち下がり時間、または、
前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方、
の変化により、前記負荷への前記エネルギー送達を制御するために前記伝導率変調デバイスのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するように更に構成された、前記スイッチ制御装置と、
を備え、
前記スイッチ制御装置が、
前記コマンド信号における第1のコマンドに応答して、第1の値の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方に達するように前記伝導率変調デバイスの制御端子を駆動するように、および、
前記コマンド信号における第2のコマンドに応答して、第2の値の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方に達するように前記伝導率変調デバイスの前記制御端子を駆動するように、
構成された、
制御システム。
【請求項11】
前記スイッチ制御装置が、
前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を制御するように構成された調節可能駆動要素と、
前記トランジスタに結合されたインターフェースであって、前記インターフェースが、前記コマンド信号を受信するように構成された、および、前記コマンド信号を解釈するように、および、駆動特性信号を出力するように構成された、前記インターフェースと、
前記駆動特性信号を受信するように、および、前記コマンド信号における前記第1のコマンドに応答して、前記第2の値から前記第1の値まで前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を調節するために前記調節可能駆動要素を変化させるように構成された駆動特性制御部であって、前記第2の値がデフォルト値である、前記駆動特性制御部と、
を更に備える、
請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記調節可能駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合されたスイッチであって、前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスの伝導を有効化または無効化するために前記スイッチをオンまたはオフに切り替えるように構成された、前記スイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記スイッチに直列に結合されたトリミング可能な電流源であって、前記駆動特性制御部が、前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変化させるために、前記駆動特性信号に応答して、前記駆動特性制御部により制御される前記トリミング可能な電流源により提供される電流の大きさを制御するように構成された、前記トリミング可能な電流源と、
を更に備える、
請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記第1の値が、前記第2の値より大きい、
請求項10に記載の制御システム。
【請求項14】
前記トグル信号が、ユーザーの手動選択を表すように構成された、
請求項10に記載の制御システム。
【請求項15】
前記トグル信号が、機械スイッチにより生成される、
請求項14に記載の制御システム。
【請求項16】
前記伝導率変調デバイスが、窒化ガリウム(GaN)半導体に基づくものである、
請求項10に記載の制御システム。
【請求項17】
前記スイッチ制御装置が、前記第1の値および前記第2の値に達するように前記伝導率変調デバイスの前記制御端子を駆動するようにゲート電流の大きさを調節するように構成された、
請求項10に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体スイッチのためのスイッチ制御装置に関し、特に、ユーザーまたはシステム制御装置により制御され得るスイッチ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用および産業用電化製品、例えば、通気ファン、冷却システム、冷却器、食器洗い機、洗濯/乾燥機、および、多くの他の白物家電/品は、典型的には、電源から機械的負荷までエネルギーを伝達する電動モーターを使用する。電動モーターを駆動するための電気エネルギーは、電源から(例えばAC低周波電源から)電気エネルギーを抽出する駆動システムを通して提供される。電源から受信された電気エネルギーは、電力コンバーターを通して処理され、所望の機械出力を達成するためにモーターに供給される所望の形態の電気エネルギーに変換される。モーターの所望の機械出力は、例えば、モーターの速度、トルク、またはモーターシャフトの位置であり得る。
【0003】
モーターおよびモーターに関係した回路、例えばモーター駆動部は、ユーティリティネットワーク負荷の大部分を象徴する。モーター駆動部の機能、効率、寸法、および価格は、困難を伴うとともに、これらの製品のサプライヤーが検討する競争力に関連した因子である。モーター駆動部における電力コンバーターの機能は、モーターシャフトにおける所望の機械出力負荷の動き(例えば、スピン/力)のための入力電気信号、例えば、電圧、電流、周波数、および位相をモーターに提供することを含む。一例における電力コンバーターは、DC入力を所望の電圧、電流、周波数、および位相のAC出力に伝達するインバーターであり得、概して、エネルギーの伝達を制御するための1つまたは複数のスイッチを含む。各スイッチは、電力コンバーターのためのスイッチ制御装置により制御される。
【0004】
以下の図を参照しながら、本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が説明され、異なる図の中の同様の参照符号は、別段の指定がない限り同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態によるスイッチの駆動特性を調節するシステム制御装置を含むシステムの機能ブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の実施形態による、スイッチオン切り替えイベント中における
図1のシステムの様々な波形のタイミング図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示の実施形態による、スイッチオフ切り替えイベント中における
図1のシステムの様々な波形の別のタイミング図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、スイッチを調節するためのシステム制御装置からの例示的なコマンドを示す、
図1のシステム制御装置およびスイッチ制御装置の機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による、ユーザーからの受信コマンドを示す、スイッチ制御装置の機能ブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の実施形態による、様々なハーフブリッジモジュールの1つまたは複数のスイッチを調節するためのシステム制御装置を含むモータードライバの機能ブロック図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示の実施形態による、
図5Aのシステム制御装置およびハーフブリッジモジュールの機能ブロック図である。
【
図6A】
図6Aは、本開示の実施形態による、1つまたは複数のスイッチを調節するためのシステム制御装置を含むハーフブリッジ構成をとる電力コンバーターの一例の機能ブロック図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示の実施形態による、1つまたは複数のスイッチを調節するためのシステム制御装置を含むハーフブリッジ構成をとる電力コンバーターの別の例の機能ブロック図である。
【
図6C】
図6Cは、本開示の実施形態による、
図6Aおよび
図6Bのシステム制御装置、インターフェース、およびスイッチ制御装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が、対応するコンポーネントを示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれるとは限らないことを理解する。例えば、図中の幾つかの要素の寸法は、本発明の様々な実施形態をより理解しやすくするために、他の要素より誇張される場合があり得る。更に、市販に適した実施形態において有用または必要な、一般的だが良く理解される要素は、多くの場合、本発明に係るこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように、描かれない。
【0007】
以下の説明では、本発明を十分に理解してもらうために、多くの特定の詳細事項が記載される。しかし、本発明を実施する際に特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが、当業者に明らかである。他の例では、よく知られた材料または方法については、本発明が理解しにくくなるのを防ぐために、詳細には説明されていない。
【0008】
本明細書中での、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例との関連で説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な箇所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」といった表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関連するとは限らない。更に、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態または例において、任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされてよい。特定の特徴、構造、または特性は、説明される機能を提供する集積回路、電子回路、結合論理回路、または他の適切なコンポーネントに含まれてよい。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていること、および図面が一定の縮尺で描かれるとは限らないことが理解される。
【0009】
本出願に関する文脈において、トランジスタが「オフ状態」または「オフ」であるとき、トランジスタは実質的に電流を流さない。逆に、トランジスタが「オン状態」または「オン」であるとき、トランジスタは実質的に電流を流すことができる。例示として、一実施形態において、高電圧トランジスタは、第1の端子であるドレインと第2の端子であるソースとの間において高電圧がサポートされるNチャネル金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(NMOS:N-channel metal-oxide-semiconductor)を包含する。別の実施形態において、高電圧トランジスタは、第1の端子であるコレクタと第2の端子であるエミッタとの間において高電圧がサポートされる絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:insulated-gate bipolar transistor)を包含する。本開示の目的において、「グランド」または「グランド電位」は基準電圧または基準電位を表し、この基準電圧または基準電位に対して、電子回路または集積回路(IC:integrated circuit)のすべての他の電圧または電位が規定または測定される。一例において、トランジスタまたはスイッチは、様々な大きさの電流を伝導するように制御され得る伝導率変調デバイス(conductivity modulated device)とも呼ばれ得る。
【0010】
ハーフブリッジスイッチング構成をとるインバーターは、モーター駆動部とともに一般的に使用される。フルブリッジスイッチング構成を実装する代わりに、1つの単一のパッケージ(例えばモジュール)の内部に(ロー側スイッチ制御装置およびハイ側スイッチ制御装置とも呼ばれる)ロー側制御ブロックとハイ側制御ブロックとを含むハーフブリッジスイッチング回路を使用することが、より高いレイアウトの柔軟性、および、各モジュールに対するより簡略化された温度管理を提供する、例えば単相および三相インバーターといった多相インバーターのサポートを可能にする。モーター駆動インバーターのためのモジュール式ハーフブリッジ回路構造の使用は、様々な理由によりシステム全体のコストを減らし得る。ハーフブリッジ回路構造の各スイッチは、概して、スイッチ制御装置により制御され、スイッチ制御装置は、システム制御装置により制御される。スイッチは、システム制御装置および/またはユーザーから受信された信号に応答してエネルギー送達を調節するようにスイッチ制御装置により制御される。
【0011】
伝導率変調デバイス、例えばトランジスタが、電力コンバーター、例えばインバーター、における1つまたは複数のスイッチのために使用されてよい。伝導率変調デバイスに関連した典型的な損失は、(クロスオーバー損失とも呼ばれる)伝導損およびスイッチング損失である。伝導率変調デバイスが電流を伝導するとき、伝導率変調デバイスを通る電流に応答して伝導率変調デバイスにかかる電圧が、伝導損を生成する。スイッチング損失は、概して、伝導率変調デバイスがオン状態とオフ状態との間で遷移しているとき、またはその逆のときに発生する損失に関連する。
【0012】
概して、伝導率変調デバイスは、伝導率変調デバイスの制御端子に提供される駆動信号に応答して、オン状態からオフ状態に遷移するために、および逆に遷移するために時間を必要とする。電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、またはSiCベースのトランジスタの制御端子は、一般的にゲート端子と呼ばれる。バイポーラ接合トランジスタ(BJT:bipolar junction transistor)の制御端子は、一般的にベース端子と呼ばれる。伝導率変調デバイスがオフ状態からオン状態に遷移するための時間は、オン切り替え時間と呼ばれ得るのに対し、伝導率変調デバイスがオン状態からオフ状態に遷移するための時間は、オフ切り替え時間と呼ばれ得る。スイッチング/クロスオーバー損失がこの遷移時間中に発生し、スイッチング/クロスオーバー損失は、オン切り替え時間およびオフ切り替え時間の持続期間を短くすることにより小さくされ得る。加えて、より短いオン切り替え時間およびオフ切り替え時間は、概して、伝導率変調デバイス(ひいてはシステム)のより低い温度に対応する。しかし、より短いオン切り替え時間およびオフ切り替え時間は、概して、より大きいシステムレベル電磁妨害(EMI:electromagnetic interference)にも対応する。したがって、概して、EMI、スイッチング損失、および温度の間にトレードオフが存在する。
【0013】
伝導率変調デバイスのオン切り替え時間およびオフ切り替え時間の持続期間は、伝導率変調デバイスの制御端子に提供される駆動信号の特性に関連する。伝導率変調デバイスは、ゲート端子において電圧制御され、または電流制御され得ることが理解されなければならない。電圧制御される伝導率変調デバイスは、典型的には、電圧源および駆動抵抗器(ゲート抵抗器とも呼ばれる)を使用して制御され、および、伝導率変調デバイスに対する駆動電流は、制御抵抗器を通した電圧降下により決定される。言い換えると、電圧源の値が伝導率変調デバイスの駆動特性を制御する。電流制御される伝導率デバイスは電流源を含み得、伝導率変調デバイスに対する駆動電流は電流源により送達される電荷により決定される。言い換えると、電流源の値が伝導率変調デバイスの駆動特性を制御する。一例において、駆動信号は、その大きさ、方向、および変化レートにより特徴付けられる電流である。駆動電流の特性が伝導率変調デバイスの制御端子を通る電荷を決定し、伝導率変調デバイスの伝導率を最終的に変調するのは電荷である。より高い大きさの駆動電流は、制御端子における、より短い時間における、より多くの電荷に対応し、より短いオン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間、および、より低いスイッチング/クロスオーバー損失を結果的にもたらす。スイッチングデバイスの最大許容温度を上回らずに、負荷に一時的により多くの電力を送達する必要性をシステム制御装置が特定し得る状態が、システム、例えばモーター駆動部に存在し得る。制御装置は、電力の一時的な増加を提供するために、スイッチングデバイスのオン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間を短くし得る。更に、システムは、より高い電力が必要とされる時間にわたってより高い電気的ノイズを許容するように構成され得る。本発明の実施形態において、伝導率変調デバイスのためのドライバの特性は、システム制御装置により、および/または、スイッチ制御装置を通してユーザーにより、および/または、特殊なハードウェアセンサーにより調節され得る。調節された駆動は、他のシステムパラメータの限度内において負荷に伝達される電力を大きくまたは小さくし得る。言い換えると、ユーザーおよび/またはシステム制御装置は、変化する要求を満たすように伝導率変調デバイスの駆動特性を調節し得る。これは、伝導率変調デバイスの1つまたは複数の駆動特性を表す駆動特性信号を受信し得る駆動特性制御部を含むスイッチ制御装置により実現され得る。更に、一実施形態において、伝導率変調デバイスは、システム制御装置および/またはユーザーにより、およびそれ自体、リアルタイムで調節され得、伝導率変調デバイスの駆動特性は、変化する要求を満たすように、要求に応じて調節され得る。
【0014】
図1は、本開示の実施形態による、伝導率変調デバイス106の駆動特性を調節するシステム制御装置102を含むシステム100を示す。システム100は、システム制御装置102と電力スイッチングアレイ104とを含む。電力スイッチングアレイ104は、1つまたは複数の伝導率変調デバイスを含み得る。示されるように、電力スイッチングアレイ104は、伝導率変調デバイス106、108、110、および112を含む。伝導率変調デバイス106、108、110、および112は、電力スイッチングアレイ104が様々な構成で結合され得ることを強調するために、点線により一緒に結合されたものとして示される。例えば、電力スイッチングアレイ104における伝導率変調デバイスは、ハーフブリッジスイッチング構成または他の電力コンバータートポロジーをとる1つまたは複数のインバーターのトランジスタを表し得る。別の例において、電力スイッチングアレイ104における伝導率変調デバイスは、フルブリッジスイッチング構成をとる1つまたは複数のインバータートランジスタを表し得る。
【0015】
各伝導率変調デバイス106、108、110、および112がスイッチ制御装置により制御されるが、説明を簡単にするために、伝導率変調デバイス106に対するスイッチ制御装置114のみが示される。伝導率変調デバイス106にかかる電圧が電圧VDS150(ドレイン・ソース電圧VDS150とも呼ばれる)として示されるのに対し、伝導率変調デバイス106の伝導電流は電流ID148(ドレイン電流ID148とも呼ばれる)である。示される例において、伝導率変調デバイス106は電流制御されるデバイスである。伝導率変調デバイス106に対する制御電流は、電流IG146(ゲート電流IG146とも呼ばれる)として示される。伝導率変調デバイスは、例えば、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)、バイポーラトランジスタ、注入促進ゲートトランジスタ(IEGT:injection enhancement gate transistor)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)およびゲートターンオフサイリスタ(GTO:gate turn-off thyristor)といったトランジスタであってよい。更に、伝導率変調デバイスは、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、または炭化ケイ素(SiC)半導体を基礎とするものであってよい。
【0016】
システム制御装置102は、インターフェース120を通してスイッチ制御装置114に結合している。一例において、インターフェース120は、スイッチ制御装置114からシステム制御装置102をガルバニック絶縁する。別の例において、インターフェース120は、スイッチ制御装置114からシステム制御装置102をガルバニック絶縁しない。示されるように、システム制御装置102は、電力イベントを表す検出信号116を受信する。一例において、電力イベントは、例えばモーターといった負荷に、より多くの電力を提供することについての、システム制御装置102に対する指示であってよい。一実施形態において、検出された電力イベントは、伝導率変調デバイス106の駆動特性を調節することをシステム制御装置102に指示し得る。一例において、システム制御装置102は、伝導率変調デバイス106の駆動電流(例えばゲート電流IG146)の大きさを大きくすることにより、伝導率変調デバイス106の駆動特性を調節する。更に、一実施形態において、システム制御装置102は、オン切り替え時間中に、オフ切り替え時間中に、または、その両方の時間中に駆動電流の大きさを大きくすることにより、伝導率変調デバイス106の駆動特性を調節する。一例において、駆動電流は、より大きい駆動強度に対応して、より大きい大きさの駆動電流を伴った駆動強度とも呼ばれ得る。または言い換えると、電力イベントは、伝導率変調デバイス106のドレイン電流ID148の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を短くするように、ゲート電流IG146の大きさを大きくすることにより、オン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間を短くすることを、システム制御装置102に指示し得る。幾つかの実施形態において、電力イベントは、ドレイン・ソース電圧VDS150の立ち下がり時間および/または立ち上がり時間を短くするように、ゲート電流IG146の大きさを大きくすることにより、オン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間を短くすることを、システム制御装置102に指示し得る。例えば、システム制御装置102は、電流源140および144の電流IENおよびIDISの値を変調することにより、オン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間を短くする。ゲート電流IG146の大きさを大きくする、検出された電力イベントの一例は、起こり得る風の吹いている状態に打ち勝つ必要があり得る始動中の屋外空調ファンを含み得る。検出された電力イベントの別の例は、食器洗い機のための排水部が想定外にあふれた場合に多量の水をポンプ搬送する必要がある食器洗い機の送水ポンプを含み得る。検出された電力イベントの更なる例は、冷却期間としても知られる、所望の温度までそれ自体を冷却する初期設置中の冷却器を含み得る。
【0017】
図1に示される実施形態において、システム制御装置102はスイッチ制御装置114にコマンド信号118を出力する。一例において、コマンド信号118は、受信された検出信号116に応答して出力される。コマンド信号118は、システム制御装置102によるスイッチ制御装置114のための、および逆のための1つまたは複数のコマンドを表す。一例において、システム制御装置102とスイッチ制御装置114との間の通信は双方向である。システム制御装置102により、および/またはシステム制御装置102に通信される例示的なコマンドは、システム制御装置102が、例えばスイッチ制御装置のステータスレジスタに記憶された情報といったスイッチ制御装置114の「ステータス」に関して、スイッチ制御装置114にpingを打つ、「ステータス問い合わせ」コマンドを含み得る。システム制御装置102と通信される別の例示的なコマンドは、スイッチ制御装置114がシステム100における異常状態(例えば、過電流、過電圧、過熱など)を検出しており、システム制御装置102に異常を通信する、「異常」コマンドを含み得る。概して、スイッチ制御装置114は、伝導率変調デバイス106をオフに切り替えることにより、検出された異常に応答する。システム制御装置102により通信される更なる例示的なコマンドは、スイッチ制御装置114が再開される、またはオンに切り替えられる「リセット」コマンドを含み得る。本開示の実施形態において、システム制御装置102は、伝導率変調デバイス106の1つまたは複数の駆動特性を調節することを表す調節コマンドを通信する。例示的な駆動特性は、ドレイン電流I
D148およびドレイン・ソース電圧V
DS150の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間に関連したゲート電流I
G146の大きさ(例えば駆動強度)を含む。ゲート電流I
G146の大きさは、電流源140および144により電流I
ENおよびI
DISの値を変調することにより変えられ得る。別の例示的な駆動特性は、伝導率変調デバイス106がゲート電流I
G146により駆動される持続期間を含み得る。更なる例示的な駆動特性は、伝導率変調デバイス106がゲート電流I
G146により駆動される周波数を含み得る。例えば、ゲート電流I
G146は、コマンド信号118に応答してパルス幅変調(PWM:pulse width modulated)され得る、または、パルス周波数変調(PFM:pulse frequency modulated)され得るパルス状信号であり得る。幾つかの実施形態において、コマンド信号118は、ゲート電流I
G146の第1の大きさまたはゲート電流I
G146の第2の大きさにおいて伝導率変調デバイス106を駆動することを表し得、ここで、第2の大きさは第1の大きさより大きい。コマンド信号118は、電圧信号または電流信号であり得る。一例において、コマンド信号118は、デジタルワードを表し得る。更に、システム制御装置102は、コマンド信号118にコーディングを適用し得る。
【0018】
インターフェース120はコマンド信号118を受信し、および、コマンド信号118を解釈/復調し、駆動特性信号128を出力する。実施形態において、駆動特性信号128は、伝導率変調デバイス106に対する1つまたは複数の駆動特性を表す。スイッチ制御装置114は、駆動特性制御部122と駆動要素124および126とを更に含む。示されるように、インターフェース120は、駆動特性制御部122に結合されており、駆動特性信号128を駆動特性制御部122に出力する。駆動特性制御部122は、駆動要素124、126に結合されており、駆動要素124、126を制御し、伝導率変調デバイス106を有効化する、または無効化する(すなわち、オンに切り替える、またはオフに切り替える)。実施形態において、駆動特性制御部122は、駆動特性信号128に応答して駆動要素124、126を制御する。更に、駆動特性制御部122は、駆動特性信号128により提供される1つまたは複数の駆動特性を使用して、駆動要素124、126を制御して、伝導率変調デバイス106を有効化する、または無効化する(すなわち、オンに切り替える、またはオフに切り替える)。
図1に示されるように、駆動特性制御部122は、有効化信号EN130および無効化信号DIS134を出力して、伝導率変調デバイス106をオンに切り替える、またはオフに切り替える。一例において、有効化信号EN130および無効化信号DIS134は、駆動特性信号128を介したシステム制御装置102からのコマンド信号118に応答して出力され得る。別の例において、有効化信号EN130および無効化信号DIS134は、スイッチ制御装置114により受信された、コマンド信号118とは別の1つまたは複数の信号に応答して出力され得る。更に、駆動特性制御部122は、コマンド信号118とは別の1つまたは複数の信号を受信し得、伝導率変調デバイス106をオンに切り替えるための、またはオフに切り替えるための、適用可能な有効化信号EN130または無効化信号DIS134を出力する。
【0019】
更に説明されるように、一実施形態において、駆動特性制御部122は、駆動要素124、126により提供される電流を調節することにより、伝導率変調デバイス106の駆動強度(例えば駆動電流)を調節する。示されるように、駆動特性制御部122は、駆動要素124および126に、それぞれ、有効化トリミング信号132および無効化トリミング信号136を出力し、有効化トリミング信号132および無効化トリミング信号136が、ゲート電流IG146の大きさと、それに伴う伝導率変調デバイス106のオン切り替え時間およびオフ切り替え時間とを調節する。
【0020】
駆動要素124は、スイッチ138と、伝導率変調デバイス106を有効化するための電流IENを伴う電流源140とを含む。電流源140は、制御端子(例えばゲート)に電流を提供するように、伝導率変調デバイス106に結合されている。駆動要素126は、スイッチ142と、伝導率変調デバイス106を無効化するための電流IDISを伴う電流源144とを含む。電流源144は、制御端子(例えばゲート)から電流を引き込むように、伝導率変調デバイス106に結合されている。幾つかの実施形態において、電流源140および144は、電流IENおよび電流IDISの大きさが駆動特性信号128に応答するトリミング可能な電流源である。
【0021】
駆動特性制御部122は、駆動要素124に、有効化信号EN130と有効化トリミング信号132とを出力するように結合されている。伝導するように伝導率変調デバイス106を有効化する(すなわちオンに切り替える)ために、駆動特性制御部122はスイッチ138をオンに切り替えるように、および、スイッチ140をオフに切り替えるように、有効化信号EN130を出力する。電流IENは伝導率変調デバイス106の制御端子に対する源となり、伝導率変調デバイス106のゲート電流IG146の大きさは、電流IENに実質的に等しい。一例において、有効化信号EN130は、論理ハイセクションおよび論理ローセクションの長さが変化する方形パルス波形であり得る。論理ハイセクションは、スイッチ138がオンであることに対応し得るのに対し、論理ローセクションは、スイッチ138がオフであることに対応し得る(またはその逆である)。一実施形態において、駆動特性制御部122はコマンド信号118および駆動特性信号128とは別の信号に応答して有効化信号EN130を出力する。駆動特性制御部122は、電流IENの値、ひいてはゲート電流IG146の大きさを調節するように、有効化トリミング信号132を出力する。本開示の実施形態において、有効化トリミング信号132は、駆動特性信号128に応答する。有効化トリミング信号132は電圧または電流信号であり得、電流IENの大きさは有効化トリミング信号の値に対応する。本開示の一例において、有効化トリミング信号132は、電流IENの値を第1の電流値I1または第2の電流値I2にトリミングし得るが、有効化トリミング信号132が電流IENの値を複数の電流値にトリミングし得ることが理解されなければならない。スイッチ138がオンである場合、かつ、スイッチ142がオフである間に電流源140が伝導率変調デバイス106に電流を提供する場合に、ゲート電流IG146の大きさが、ドレイン・ソース電圧VDS150の立ち下がり時間および伝導率変調デバイス106のオン切り替え時間を制御する。したがって、システム制御装置102は、例えばドレイン電流ID148の立ち上がり時間、および/または、ドレイン・ソース電圧VDS150の立ち下がり時間および、伝導率変調デバイス106のオン切り替え時間といった、駆動特性を調節し得る。
【0022】
同様に、駆動特性制御部122は、駆動要素126に、無効化信号DIS134と無効化トリミング信号136とを出力するように構成されている。伝導状態から伝導率変調デバイス106を無効化する(すなわちオフに切り替える)ために、駆動特性制御部122は、スイッチ142をオンに切り替えるための無効化信号DIS134を出力し、および、スイッチ138をオフに切り替える。伝導率変調デバイス106の制御端子から引き込まれる電流量は、電流源144により提供される電流IDISの値により制限される。一例において、無効化信号DIS134は、論理ハイセクションまたは論理ローセクションの長さが変化する方形パルス波形である。論理ハイセクションは、スイッチ142がオンであることに対応し得るのに対し、論理ローセクションは、スイッチ142がオフであることに対応し得る(またはその逆である)。一例において、無効化信号DIS134は、有効化信号EN130と実質的に逆である。一実施形態において、駆動特性制御部122は、コマンド信号118および駆動特性信号128とは別の信号に応答して無効化信号DIS136を出力する。駆動特性制御部122は、電流IDISの値、ひいてはゲート電流IG146の大きさを調節するように、無効化トリミング信号136を出力する。本開示の実施形態において、無効化トリミング信号136は駆動特性信号128に応答する。無効化トリミング信号136は電圧または電流信号であり得、電流IDISの大きさが無効化トリミング信号136の値に対応する。本開示の一例において、無効化トリミング信号136は、電流IDISの値を第1の電流値I1または第2の電流値I2にトリミングし得るが、無効化トリミング信号132は電流IDISの値を複数の電流値にトリミングし得ることが理解されなければならない。ゲート電流IG146の大きさが、ドレイン電流ID148の立ち下がり時間と、それに伴う伝導率変調デバイス106のオフ切り替え時間とを制御する。したがって、システム制御装置102は、例えばドレイン電流ID148の立ち下がり時間、および、それに伴う伝導率変調デバイス106のオフ切り替え時間といった、駆動特性を調節し得る。
【0023】
別の実施形態において、駆動特性制御部122は、有効化信号EN130または無効化信号DIS134をパルス幅変調すること、またはパルス周波数変調することにより、伝導率変調デバイス106に対する駆動特性を調節し得る。有効化信号EN130または無効化信号DIS134をパルス幅変調すること、またはパルス周波数変調することにより、駆動特性制御部122は、ゲート電流IG146の平均の大きさを調節する。したがって、ドレイン・ソース電圧VDS150またはドレイン電流ID148の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間が調節され得、および、それに伴う伝導率変調デバイス106のオン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間が調節され得る。
【0024】
図2Aは、
図1の伝導率変調デバイス106のオン切り替え遷移中の、有効化信号EN130、ゲート電流I
G146、ドレイン・ソース電圧V
DS150、およびドレイン電流I
D148の例示的なタイミング
図200を示す。
図2Aに示されるゲート電流I
G146、ドレイン電流I
D148、およびドレイン・ソース電圧V
DS150に対する例示的な波形は、直線近似である。更に、
図2Aは、異なる駆動強度に対する、ゲート電流I
G146、ドレイン電流I
D148、およびドレイン・ソース電圧V
DS150に対する例示的な波形を示す。ページの右側における例示的な波形は、ページの左側における例示的な波形より大きい駆動電流を伝導率変調デバイス106に提供することを示す。
【0025】
示される例において、有効化信号EN130は、駆動要素124のスイッチ138をオンに切り替えるために、論理ローから論理ハイに遷移する。同様に、無効化信号(図示されていない)は、スイッチ142をオフに切り替えるために、論理ハイから論理ローに遷移する。したがって、伝導率変調デバイス106は、駆動電流ID148を伝導することを可能にされる。
【0026】
有効化信号EN130によりスイッチ138がオンに切り替えられた(およびスイッチ142がオフに切り替えられた)後、ゲート電流IG146が電流源140の電流IENの大きさまで大きくなる。ページの左側において、電流源140の電流IENは、第1の電流値I1に実質的に等しい。
【0027】
スイッチ138がオンに切り替えられた後、伝導率変調デバイス106のドレイン電流I
D148は、ゼロから傾きm
1で増加する。示される例において、ドレイン電流ID148はピーク値まで増加した後、その伝導値まで減少する。
図2Aに示される実施形態において、伝導率変調デバイス106のドレイン・ソース電圧V
DS150は、ドレイン電流I
D148がそのピーク値に到達した後、傾きm
2でゼロまで低下し始める。傾きm
1およびm
2の大きさは、ゲート電流I
Gの大きさに関連しており、左側の例の場合、ゲート電流I
Gは、電流源I
EN140の第1の電流値I
1に実質的に等しい。示される例において、オン切り替え時間252は、有効化信号EN130が論理ハイ値に遷移したときに始まり、ドレイン・ソース電圧V
DS150が実質的にゼロであり、および、伝導率変調デバイス160のドレイン電流I
D148がその伝導値に既に達しているときに終了する。
【0028】
ページの右側において、電流源140の電流IENは、第2の電流値I2に実質的に等しい。示されるように、第2の電流値I2は、第1の電流値I1より大きい。(ドレイン電流ID148に対する)傾きm1、および、(ドレイン・ソース電圧VDS150に対する)傾きm2の大きさは、ページの左側に示される傾きm1およびm2の大きさに比べて大きい。したがって、ドレイン電流ID148に対する立ち上がり時間は、より短く(および、ドレイン・ソース電圧VDS150に対する立ち下がり時間は、より短く)、結果的に、ページの左側に示されるオン切り替え時間252に比べて、右側における伝導率変調デバイス106の動作の場合には全体的により短いオン切り替え時間254がもたらされる。言い換えると、電流源140の電流IENの値を変え、ひいては、伝導率変調デバイス106のゲート電流IG146を変えることは、伝導率変調デバイス106のオン切り替え時間を変える。ドレイン電流ID148およびドレイン・ソース電圧VDS150に対する波形の下方における陰影を付けられたエリアは、伝導率変調デバイス106のオン切り替え中におけるクロスオーバーエネルギー損を表す。示されるように、ページの左側における陰影を付けられたエリアはページの右側より大きく、ページの左側における伝導率変調デバイス106に対するクロスオーバー損失が、ページの右側におけるものより大きいことを示している。より短いオン切り替え時間は、スイッチング/クロスオーバー損失を少なくし、このことが更に、放散される熱の量を減らし、システム100により送達される電力量を増やす。しかし、より短いオン切り替え時間は、EMIを増やすことにつながり得る。
【0029】
図2Bは、
図1の伝導率変調デバイス106のオフ切り替え遷移中における、無効化信号DIS134、ゲート電流I
G146、ドレイン・ソース電圧V
DS150、およびドレイン電流I
D148の例示的なタイミング
図201を示す。
図2Aと同様に、示されるゲート電流I
G146、ドレイン電流I
D148、およびドレイン・ソース電圧V
DS150に対する例示的な波形は直線近似である。更に、
図2Bは、異なる駆動強度に対するゲート電流I
G146、ドレイン電流I
D148、およびドレイン・ソース電圧V
DS150に対する例示的な波形を示す。ページの右側におけるゲート電流I
G146、ドレイン電流I
D148、およびドレイン・ソース電圧V
DS150に対する例示的な波形は、ページの左側におけるゲート電流I
G146、ドレイン電流I
D148、およびドレイン・ソース電圧V
DS150に対する例示的な波形より大きい駆動電流をもつ。
【0030】
無効化信号DIS134は、駆動要素126のスイッチ142をオンに切り替えるために、論理ローから論理ハイに遷移する。同様に、有効化信号(図示されていない)は、スイッチ138をオフに切り替えるために、論理ハイから論理ローに遷移する。したがって、伝導率変調デバイス106は、駆動電流ID148を伝導しないように無効化される。
【0031】
無効化信号DIS134によりスイッチ142がオンに切り替えられた(およびスイッチ138がオフに切り替えられた)後、ゲート電流I
G146の大きさは、実質的に電流源144の電流I
DISの大きさになる。
図1に示される駆動要素126に対して、スイッチ142がオンに切り替えられた(およびスイッチ138がオフになった)後、ゲート電流I
G146が戻り127に流れる。電流の方向に起因して、
図2Bに示されるゲート電流I
G146が小さくなる。更に、ゲート電流I
G146の最大の大きさは、電流源144の電流I
DISの大きさに応答する。ページの左側において、電流源144の電流I
DISは第1の電流値I
1に実質的に等しい。
【0032】
スイッチ142がオンに切り替えられた後、伝導率変調デバイス106のドレイン・ソース電圧VDS150が傾きm2でゼロから上昇し始める。示される例に対して、伝導率変調デバイス106のドレイン電流ID148は、ドレイン・ソース電圧VDS150がそのピーク値に到達した後、傾きm1でゼロまで減少する。傾きm1およびm2の大きさは、ゲート電流IGの大きさに関連しており、左側の例に対するゲート電流IGは、電流源IDIS144の第1の電流値I1に実質的に等しい。示される例において、オフ切り替え時間256は、無効化信号DIS134が論理ハイ値に遷移したときに始まり、ドレイン電流ID148が実質的にゼロであり、および、伝導率変調デバイス160のドレイン・ソース電圧VDS150がその非伝導値に既に達しているときに終了する。
【0033】
ページの右側において、電流源144の電流IDISは、第2の電流値I2に実質的に等しい。示されるように、第2の電流値I2は第1の電流値I1より大きい。(ドレイン電流ID148に対する)傾きm1、および(ドレイン・ソース電圧VDS150に対する)傾きm2の大きさは、ページの左側に示される傾きm1およびm2の大きさに比べて大きい。したがって、ドレイン電流ID148に対する立ち下がり時間は、より短く(および、ドレイン・ソース電圧VDS150に対する立ち上がり時間は、より短く)、結果的に、ページの左側に示されるオフ切り替え時間256に比べて、右側における伝導率変調デバイス106の動作の場合において、全体的により短いオフ切り替え時間258をもたらす。言い換えると、電流源144の電流IDISの値を変え、ひいては伝導率変調デバイス106のゲート電流IG146を変えることにより、伝導率変調デバイス106のオフ切り替え時間が短くされる。ドレイン電流ID148およびドレイン・ソース電圧VDS150に対する波形の下方における陰影を付けられたエリアは、伝導率変調デバイス106のオン切り替え中におけるクロスオーバー損失を表す。示されるように、ページの左側における陰影を付けられたエリアはページの右側より大きく、ページの左側における伝導率変調デバイス106に対するクロスオーバー損失が、ページの右側におけるものより大きいことを示す。より短いオフ切り替え時間は、スイッチング/クロスオーバー損失を少なくし、このことが更に、放散される熱の量を減らし、システム100による電力送達量を増やす。
【0034】
図3は、伝導率変調デバイス106および/またはスイッチ制御装置114を調節するための異なるコマンドに対する、システム制御装置からの例示的なコマンド信号118を示す、
図1のシステム制御装置102およびスイッチ制御装置114の機能ブロック図である。システム制御装置102、スイッチ制御装置114、およびそれらのそれぞれの要素が上述のように結合すること、および機能することが理解されなければならない。
【0035】
示されるように、コマンド信号118は、ハイセクションとローセクションとをもつ方形パルス波形である。後述のように、ローセクションの持続期間は、どのコマンドがシステム制御装置102により送信されているかに対応しており、有効ローパルス持続期間エンコードと呼ばれる。デフォルト状態または定常状態のもとで、コマンドが送信されていないとき、コマンド信号118はハイ値に実質的に等しい。一例において、ハイ値は、実質的に5ボルト(V)であり得る。システム制御装置102がコマンド信号118を介してスイッチ制御装置114にコマンドを送信するとき、コマンド信号はロー値に遷移する。一例において、ロー値は実質的に0Vであり得る。コマンド信号118のロー値セクションの持続期間は、どのコマンドがシステム制御装置102により送信されているかに対応している。
図3における例示的なコマンド信号118は、ローセクションの持続期間が、どのコマンドが送信されているかに対応した、「アクティブロー」信号である。しかし、コマンド信号118は、ハイセクションの持続期間が、どのコマンドが送信されているかに対応した、「アクティブハイ」信号であってよいことが理解されなければならない。
【0036】
例えば、第1のコマンド360は、コマンド信号118が期間Tにわたって実質的にロー値であることに対応している。第2のコマンド361に対して、コマンド信号118は、期間2Tにわたって実質的にロー値であり得る。示される例において、第2のコマンド361のローセクションは、第1のコマンド360に対するローセクションの2倍の長さである。第3のコマンド362および第4のコマンド363に対しても同様である。コマンド信号118は、第3のコマンド362に対して、第1のコマンド360のローセクションの3倍の長さである期間3Tにわたって実質的にロー値であり得る。第4のコマンド363に対して、コマンド信号118は、第1のコマンド360のローセクションの4倍の長さである期間4Tにわたって実質的にロー値であり得る。言い換えると、各コマンドの持続期間は、前のコマンドの持続期間より期間Tぶん長いものであり得る。一例において、インターフェース120は、コマンド信号118におけるロー値セクションの持続期間を測定してどのコマンドが受信されたかを特定するために、タイマーまたはカウンターを含み得る。
【0037】
例示的なコマンドは、ステータス問い合わせ、リセット、駆動電流増加、および駆動電流減少を含み得る。駆動電流増加コマンドおよび駆動電流減少コマンドは、伝導率変調デバイス106の駆動特性を調節するための調節コマンド/信号である。第1のコマンド360に対して、システム制御装置102は、「ステータス問い合わせ」コマンドを送信し得る。システム制御装置102が例えばスイッチ制御装置のステータスレジスタに記憶された情報といったスイッチ制御装置114の「ステータス」に関して、スイッチ制御装置114にpingを打つ。
【0038】
第2のコマンド361に関して、スイッチ制御装置114が再開されること、またはオンに切り替えられることをシステム制御装置102が可能にする「リセット」コマンドを、システム制御装置102が送信し得る。
【0039】
第3のコマンド362に関して、システム制御装置102は、ドレイン電流I
D148の立ち上がり時間もしくはドレイン電流I
D148の立ち下がり時間、またはその両方(すなわち、ドレイン・ソース電圧V
DS150の立ち下がり時間もしくはドレイン・ソース電圧V
DS150の立ち上がり時間、またはその両方)を短くするために、スイッチ制御装置114が電流源140の電流I
ENもしくは電流源144の電流I
DIS、またはその両方を増加させなければならないことをシステム制御装置102が指示する「駆動電流増加」のための調節コマンドを送信し得る。より短い立ち上がり時間または立ち下がり時間は、それぞれ、伝導率変調デバイス106のオン切り替え時間またはオフ切り替え時間を短くする。通常の動作状態のもとで、電流源140の電流I
ENおよび電流源144の電流I
DISが(
図2Aおよび
図2Bの)第1の電流値I
1に実質的に等しくなるように、駆動特性制御部122が有効化トリミング信号132および無効化トリミング信号136を出力する。一例において、システム制御装置102は、システム制御装置102がより多くの電力を送達することを望み得るシステム100における電力イベントが存在することを示す検出信号115に応答して第3のコマンド362を出力する。第3のコマンド362に応答して、駆動特性制御装置122は、電流源140の電流I
ENまたは電流源144の電流I
DIS(またはその両方)の値を(
図2Aおよび
図2Bに示されるように)第2の電流値I
2に調節するために、有効化トリミング信号132または無効化トリミング信号(またはその両方)を出力し得、伝導率変調デバイス106の駆動電流を大きくする。
【0040】
第4のコマンド363に関して、システム制御装置102は、ドレイン電流I
D148の立ち上がり時間もしくはドレイン電流I
D148の立ち下がり時間、またはその両方を長くする(すなわち、ドレイン・ソース電圧V
DS150の立ち下がり時間もしくはドレイン・ソース電圧V
DS150の立ち上がり時間、またはその両方を長くする)ために、スイッチ制御装置114が電流源140の電流I
ENもしくは電流源144の電流I
DIS、またはその両方を減らさなければならない(または戻さなければならない)ことをシステム制御装置102が指示する「駆動電流減少」のための調節コマンド(または言い換えると「リターン駆動電流」コマンド)を送信し得る。または言い換えると、スイッチ制御装置114が電流源140の電流I
ENもしくは電流源144の電流I
DIS、またはその両方の値を、
図2Aおよび
図2Bの第1の電流値I
1に戻さなければならないことをシステム制御装置102が指示する。一例において、検出信号115は、システム100においてより高い電力イベントが過ぎたことをシステム制御装置102に示す。第4のコマンド363に応答して、駆動特性制御装置122は、電流源140の電流I
ENまたは電流源144の電流I
DIS(またはその両方)の値を、
図2Aおよび
図2Bの第1の電流値I
1に調節するために、有効化トリミング信号132または無効化トリミング信号(またはその両方)を出力し得、伝導率変調デバイス106の駆動電流をそのデフォルト電流値まで下げる(または戻す)。この例の場合、ステータス問い合わせ、リセット、駆動電流増加、および駆動電流減少のコマンドが、それぞれ、第1のコマンド360、第2のコマンド361、第3のコマンド362、および第4のコマンド363であることが理解されなければならないが、コマンドは、任意の順序であってよい。
【0041】
幾つかの実施形態において、システム制御装置102とスイッチ制御装置114との間の通信は、双方向であってよい。例えば、スイッチ制御装置114は、システム100における異常状態(例えば、過電流、過電圧、過熱など)を検出し得、システム制御装置102に異常を通信する。スイッチ制御装置114からの異常通信は、システム制御装置102に対して複数ビットワードとして符号化され得る。
【0042】
図4は、本開示の実施形態によるトグル465に応答してコマンド信号118を受信するスイッチ制御装置114を示す。一実施形態において、トグル465は、ユーザーに応答し得る。別の実施形態において、トグル465は、電力イベントを検出する特殊なハードウェアセンサーに応答し得る。スイッチ制御装置114およびその要素が、上述のように結合すること、および機能することが理解されなければならない。一例において、スイッチ制御装置114は、システム制御装置(図示されていない)とトグル465との両方からコマンドを受信し得る。別の例において、スイッチ制御装置114は、トグル465のみに応答してコマンド信号118を受信する。
【0043】
ユーザー465は、論理ハイセクションと論理ローセクションとの方形パルス波形であり得る。一実施形態において、トグル465は、ユーザーが例えば機械スイッチといった2つの選択肢から手動で選択することを表す。トグル465に対する論理ロー値は、例えば、ゲート電流I
G146が
図2Aおよび
図2Bに示されるように第1の電流値I
1に実質的に等しいときの、第1の値に実質的に等しいドレイン電流I
D148の立ち上がり時間/立ち下がり時間(ドレイン・ソース電圧V
DS150の立ち上がり時間/立ち下がり時間)に対応している。トグル465に対する論理ハイ値は、例えば、ゲート電流I
G146が
図2Aおよび
図2Bに示されるように第2の電流値I
2に実質的に等しいときの、第2の値に実質的に等しいドレイン電流I
D148の立ち上がり/立ち下がり時間(ドレイン・ソース電圧V
DS150の立ち上がり時間/立ち下がり時間)に対応し得る。
【0044】
一実施形態に示されるように、トランジスタ464はスイッチ制御装置114のインターフェース120と戻り127とに結合されている。トランジスタ464の制御端子はトグル465を受信するように構成されている。示される実施形態では、トランジスタ464はバイポーラ接合トランジスタ(BJT)である。トランジスタ464のベースは、トグル465を受信するように構成されており、トランジスタ464のエミッタは、戻り127に結合されており、およびトランジスタ464のコレクタはインターフェース120に結合されている。示される実施形態に対して、コマンド信号118は電圧信号であり、トランジスタ464のコレクタ電圧またはコレクタ・エミッタ電圧である。動作中、トグル465がローであるとき、トランジスタ464がオフであり、コマンド信号118がハイである。したがって、コマンド信号118に対するハイ値は、第1の値に実質的に等しいドレイン電流ID148の立ち上がり時間/立ち下がり時間(ドレイン・ソース電圧VDS150の立ち上がり時間/立ち下がり時間)に対応している。トグル465がハイであるとき、トランジスタ464がオンであり、コマンド信号118は戻り127(すなわちロー値)に実質的に等しい。したがって、コマンド信号118に対するロー値は、第2の値に実質的に等しいドレイン電流ID148の立ち上がり時間/立ち下がり時間(ドレイン・ソース電圧VDS150の立ち上がり時間/立ち下がり時間)に対応している。
【0045】
図5Aは、個々に高電圧(HV:high-voltage)バス576に結合された、および、例えば例として単相または三相モーターといったモーター569を駆動するように1つのシステム制御装置102により制御される、3つのハーフブリッジインバーターモジュール566、567、および568を含む多相モーター駆動システム500を示す。示されるように、ハーフブリッジインバーターモジュール566、567、および568の各々、およびシステム制御装置102は、戻り127を基準とする。更に、システム制御装置102は、本開示の教示により、様々なハーフブリッジインバーターモジュール566、567、および568の1つまたは複数のスイッチの駆動特性を調節し得る。示されるように、各スイッチは、n型金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)により表されており、ここまでに説明されている伝導率変調デバイスである。
【0046】
ハーフブリッジモジュール566、567、568の各々は、HVバス576に個々に結合されている。ハーフブリッジモジュール566、567、568の各々が、フルブリッジ構成をとる電力コンバーターまたはインバーターとしてそれぞれがまとまって結合されたハイ側スイッチ570、571、572とロー側スイッチ573、574、575とを含む。各スイッチ570、571、572、573、574、および575は、(
図5Bに更に示される)それ自体のスイッチ制御装置により制御され、電力スイッチングアレイを形成する。それらのそれぞれのハーフブリッジモジュール566、567、568の各ハイ側スイッチとロー側スイッチとの間のハーフブリッジ中点端子HB1、HB2、HB3が、多相モーター569の三相端子A、B、およびCに結合されている。一例において、モーター569は例えば、電化製品、電力式工具、ファンなどに含まれ得るブラシレス三相DCモーターである。動作中、ハーフブリッジモジュール566、567、および568は、HVバス576により供給される電気エネルギーからモーター569に(所望の機械出力負荷の動きのための電圧、電流、周波数、および位相などの)入力電気信号を提供する。スイッチ570、570、571、572、573、574、および575のスイッチング特性は、モーター569へのエネルギーの流れを調節するために、それらのそれぞれのスイッチ制御装置により制御される。言い換えると、スイッチ制御装置は、モーター569の目標動作を維持するためにモーター569への出力を調節する。
【0047】
システム制御装置102は、通信バス577を通して各ハーフブリッジモジュール566、567、および568に結合している。上記と同様に、実施形態において、システム制御装置102は電力イベントを表す検出信号116を受信する。一実施形態において、電力イベントは、スイッチ570、570、571、572、573、574、および575のうちの1つまたは複数の1つまたは複数の駆動特性を調節することについての、システム制御装置102に対する指示であってよい。実施形態に対して、システム制御装置は、検出された電力イベント116に応答して、スイッチ570、570、571、572、573、574、および575のうちの1つまたは複数の駆動電流を調節する。または言い換えると、電力イベントは、スイッチ570、570、571、572、573、574、および575のうちの1つまたは複数のドレイン電流ID148の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を長くするために、スイッチ570、570、571、572、573、574、および575のうちの1つまたは複数のゲート電流IG146の大きさを大きくすることにより、スイッチオン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間を短くすることを、システム制御装置102に指示し得る。ゲート電流IG146の大きさを大きくする検出された電力イベントの一例は、起こり得る風の吹いている状態に打ち勝つ必要があり得る始動中の屋外空調ファンを含み得る。検出された電力イベントの別の例は、食器洗い機のための排水部が想定外にあふれた場合に多量の水をポンプ搬送する必要がある食器洗い機の送水ポンプを含み得る。検出された電力イベントの更なる例は、初期設置中にそれ自体を所望の温度まで冷却する冷却器を含み得る。
【0048】
システム制御装置102は、1つまたは複数のハーフブリッジモジュール566、567、および568にコマンド信号を出力するように構成されている。一実施形態において、システム制御装置102は、通信バス577を介してコマンド信号を送信し得る。別の実施形態において、システム制御装置102は、別々の接続を介してコマンド信号を送信する。コマンド信号118は、電圧信号または電流信号であり得る。一例において、コマンド信号118は、デジタルワードを表し得る。更に、システム制御装置102は、コマンド信号118にコーディングを適用し得る。
図5Bに関連して更に示されるように、システム制御装置102は、通信バス577を介して1つまたは複数のハーフブリッジモジュール566、567、および568の少なくとも1つのスイッチ制御装置にコマンド信号118を出力する。一実施形態において、コマンド信号は受信された検出信号116に応答して出力され、それぞれのスイッチ制御装置に対するシステム制御装置102によるコマンドを表し得る。システム制御装置102により通信される例示的なコマンドは、ハーフブリッジモジュール566、567、および568のうちの1つまたは複数に対する「ステータス問い合わせ」コマンドを含み得る。システム制御装置102により通信される別の例示的なコマンドは、「異常」コマンドを含み得、この場合において、システム制御装置102がシステム100における異常状態(例えば、過電流、過電圧、過熱など)を検出しており、ハーフブリッジモジュール566、567、および568に異常を通信する。概して、ハーフブリッジモジュール566、567、および568は、それらのそれぞれのハイ側スイッチおよびロー側スイッチをオフに切り替えることにより、異常コマンドに応答する。
【0049】
本開示の実施形態において、システム制御装置102は、ハイ側スイッチ570、571、572およびロー側スイッチ573、574、および575のうちの1つまたは複数の駆動特性を表すコマンド信号118を通信する。例示的な駆動特性は、それぞれのスイッチに対するドレイン電流ID148およびドレイン・ソース電圧150の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間に関連した、それぞれのスイッチに対するゲート電流IG146の大きさを包含する。別の例示的な駆動特性は、スイッチ570、571、572、573、574、および575のうちの1つまたは複数がゲート電流IG146により駆動される持続期間を包含し得る。例えば、通信バス577を介して通信されるコマンドは、第1の大きさのゲート電流IGまたは第2の大きさのゲート電流IGにおいてスイッチ570、571、572、573、574、および575のうちの1つまたは複数を駆動することを表し得、第2の大きさが第1の大きさより大きい。しかしコマンド信号118は、2つより多くのゲート電流IGの大きさを使用して、スイッチ570、571、572、573、574および575のうちの1つまたは複数を駆動することを表し得ることが理解されなければならない。
【0050】
ハーフブリッジモジュール566、567、および568は通信バス577に結合されており、通信バス577はシステム制御装置102にも結合されている。一例においてオープンコレクタ構成である通信バス577は、プルアップ抵抗器R
UPを通して電源電圧V
UPに結合されている。更に、通信バス577は、一例において単線通信バスであってよい。上述のように、通信バス577は、1つまたは複数のハーフブリッジモジュール566、567、および568にコマンドを通信するためにシステム制御装置102により使用されてよい。一例において、通信バス577は正常な定常状態において電源電圧V
UPにプルアップされ、任意の通信中に、ハーフブリッジモジュール566、567、および568にコマンドを送信するためにシステム制御装置102によりプルダウンされ得る。一実施形態において、通信バス577は、デジタルマルチビットワードを通したコマンドの検出のためにプルダウンされ得る。別の実施形態において、通信バス577は、
図3に関連して説明されるようにコマンドを通信するためにプルダウンされ得る。幾つかの実施形態において、通信バス577がプルダウンされる持続期間は、システム制御装置102により送信されたコマンドに対応する。
【0051】
図5Bは、本開示の実施形態によるハーフブリッジモジュールの更なる詳細を提供する。特に、
図5Bはハーフブリッジモジュール566を示すが、他のハーフブリッジモジュール567、568が存在はするが詳細には示されていないことが理解されなければならない。更に、ハーフブリッジモジュール567、568に含まれる要素は、ハーフブリッジモジュール566に関連して
図5Bに示されるものと同様である。
【0052】
ハーフブリッジモジュール566は、一緒に直列に結合されたハイ側スイッチ570とロー側スイッチ537とを含む。ハイ側スイッチ570およびロー側スイッチ537は、それらのそれぞれのボディダイオードを伴うn型MOSFETにより例示される。ハイ側スイッチ570のドレインはHVバス576に結合されており、およびロー側スイッチ573のソースのソースは戻り127に結合されている。ハーフブリッジ中点HB1は、モーター569の相Aに結合されている。
【0053】
ハーフブリッジモジュール566は、スイッチ制御装置114および515を更に含む。スイッチ制御装置114はロー側スイッチ573を制御するように結合されており、スイッチ制御装置515はハイ側スイッチ570を制御するように結合されている。スイッチ制御装置114とスイッチ制御装置515との両方が、ここまでに説明されている、および本開示の実施形態によるそれらのそれぞれのスイッチに対する駆動特性制御部を含む。スイッチ制御装置114および515は、更に説明されるようにコマンド信号118を受信するためのインターフェースを更に含み得る。上記と同様に、スイッチ制御装置114、515は、それらのそれぞれのスイッチのオン切り替え時間およびオフ切り替え時間とともに、有効化および無効化を制御する。更に、スイッチ制御装置114、515は、システム制御装置102に応答して、それぞれ、ロー側スイッチ573およびハイ側スイッチ570の駆動特性を調節し得る。
【0054】
システム制御装置102は、ハーフブリッジモジュール566およびスイッチ制御装置114に結合されている。示されるように、システム制御装置102は、スイッチ制御装置114にコマンド信号118を出力する。システム制御装置102から受信されたコマンド信号118に応答して、スイッチ制御装置114は、ロー側スイッチ537の駆動特性を調節する。一実施形態において、スイッチ制御装置114のインターフェース(図示されていない)が、コマンド信号118を受信し、スイッチ制御装置114の駆動特性制御部に駆動特性信号を出力する。次に、駆動特性制御部は、ロー側スイッチ573を有効化および無効化する駆動要素に信号を出力する。システム制御装置102は、通信バス577を介して、または別の結合によりスイッチ制御装置114にコマンド信号118を送信し得る。
【0055】
破線に示されるように、幾つかの実施形態において、システム制御装置102は、スイッチ制御装置114を介してコマンド信号118を提供するのではなく、任意選択的に、コマンド信号118を提供するためにスイッチ制御装置515に結合され得る。コマンド信号118に応答して、スイッチ制御装置515は、ハイ側スイッチ570の駆動特性を調節する。一実施形態において、スイッチ制御装置515のインターフェース(図示されていない)は、コマンド信号118を受信し、スイッチ制御装置515の駆動特性制御部に駆動特性信号を出力する。次に、駆動特性制御部は、ハイ側スイッチ570を有効化および無効化する駆動要素に信号を出力する。システム制御装置102は、スイッチ制御装置515に別の結合により、または通信バス577を介してコマンド信号118を送信し得る。
【0056】
破線により示される別の代替的な実施形態において、スイッチ制御装置114がスイッチ制御装置515に結合している。スイッチ制御装置515がシステム制御装置102からコマンド信号118を受信するのではなく、スイッチ制御装置114がスイッチ制御装置515に、受信されたコマンド信号118または駆動特性信号128を送信する。ロー側スイッチ制御装置114からハイ側スイッチ制御装置515への通信は、ロー側スイッチ制御装置114とハイ側制御装置515との間の通信リンクを通して実現され得る。例えば、ハイ側スイッチ570とロー側スイッチ573との両方を制御するための制御信号が、システム制御装置102からロー側スイッチ制御装置114により受信され得る。ハイ側スイッチ570をスイッチングするための制御信号は、通信リンクを介してロー側スイッチ制御装置114からハイ側制御装置515に通信され得る。
【0057】
一実施形態において、ロー側スイッチ制御装置114は、例えばハイ側駆動電流といったハイ側スイッチ570の駆動特性を調節するために、システム制御装置102から受信されたコマンド信号118を、ハイ側スイッチ制御装置515に中継する。この例の場合、ハイ側スイッチ制御装置515は、ロー側スイッチ制御装置114からコマンド信号118を受信するためのインターフェース(図示されていない)を含み、スイッチ制御装置515の駆動特性制御部に駆動特性信号を出力する。次に、駆動特性制御部が、ハイ側スイッチ570を有効化および無効化する駆動要素に信号を出力する。
【0058】
別の実施形態において、ロー側スイッチ制御装置114は、インターフェース(図示されていない)において、例えばハイ側駆動電流といったハイ側スイッチ570の駆動特性を調節するためのコマンド信号118を受信する。インターフェース(図示されていない)が、ハイ側スイッチ570の駆動特性を調節するための駆動特性信号128を出力し、ロー側スイッチ制御装置114の駆動特性信号128がハイ側スイッチ制御装置515に通信される。この例の場合、ハイ側スイッチ制御装置515はロー側スイッチ制御装置114に結合された、および、ロー側スイッチ制御装置114の駆動特性信号128を受信する、それ自体の駆動特性制御部を含む。次に、スイッチ制御装置515の駆動特性制御部は、ハイ側スイッチ570を有効化および無効化する駆動要素に信号を出力する。
【0059】
図6Aは、本開示の実施形態による駆動特性制御部を含むスイッチ制御装置114、615を含む例示的な電力コンバーター600を示す。スイッチ制御装置114、615は、システム制御装置102に応答する駆動特性制御部を含む。更に、システム制御装置102は、本開示の実施形態により、スイッチ679、680の駆動特性を調節し得る。電力コンバーター600は入力電圧V
IN602を受信し、電力スイッチ679、680のスイッチングを制御することにより、エネルギー伝達要素L1 681を通して入力から負荷682に電気エネルギーを伝達するように設計されている。様々な実施態様において、電力コンバーター600は、負荷682に出力されるエネルギーの電圧、電流、または電力レベルを制御し得る。
図6Aに示される例において、エネルギー伝達要素L1 681および2つの電力スイッチ679、680がハーフブリッジ構成をとって一緒に結合されているが、他のトポロジーが使用され得る。電力スイッチ679、680は電力スイッチングアレイを形成する。スイッチ制御装置114はロー側スイッチ制御装置と呼ばれ得るのに対し、スイッチ制御装置615はハイ側スイッチ制御装置と呼ばれ得る。
【0060】
示される例において、電力スイッチ679、680はIGBTである。しかし、本発明の例は、他の電力スイッチ技術と組み合わせても使用され得る。例えば、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラトランジスタ、注入促進ゲートトランジスタ(IEGT)、およびゲートターンオフサイリスタ(GTO)が使用され得る。加えて、電力コンバーター600は、窒化ガリウム(GaN)半導体または炭化ケイ素(SiC)半導体をベースとした電力スイッチとともに使用され得る。
【0061】
システム制御装置102は、システム入力699、検出信号116を受信するように結合されており、コマンド信号118を提供する。システム制御装置102は、システム入力699に基づいて、スイッチ制御装置114、615が電力スイッチ679、680をオンに切り替えなければならないか、オフに切り替えなければならないかを判定する。例示的なシステム入力699は、汎用モーター駆動部、複数レベル電力コンバーターのオン切り替えおよびオフ切り替えのシーケンス、またはシステム異常オフ切り替え要求のためのパルス幅変調(PWM)信号を含む。検出信号116はシステム入力でもあり、一実施形態において電力イベントを表す。一実施形態において、電力イベントは、電力スイッチ679、680のいずれかまたはその両方の駆動特性を調節するための、システム制御装置102に対する指示であり得る。電力スイッチ679または680の駆動特性を調節することの一例において、電力イベントは、電力スイッチ679、680のいずれかまたはその両方の駆動電流を増やす指示であり得る。または言い換えると、電力イベントは、電力スイッチ679、680のいずれかまたはその両方により伝導される電流の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を長くするために、電力スイッチ679、680のいずれかまたはその両方に対する制御電流の大きさを大きくすることにより、オン切り替え時間および/またはオフ切り替え時間を短くするように、システム制御装置102に指示し得る。
【0062】
示される例において、システム制御装置102は、スイッチ制御装置114、615のインターフェース120に1つまたは複数のコマンドを表すコマンド信号118を出力する。例示的なコマンドは、電力スイッチ679、680を有効化または無効化すること、リセット、異常通知を含み、電力スイッチ679、680の駆動電流(すなわち伝導電流の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間)を調節する。コマンド信号118は、電圧信号または電流信号であり得る。一例において、コマンド信号118は、Nビットデジタルワードを表し得る。更に、システム制御装置102は、コマンド信号118にコーディングを適用し得る。一例において、システム制御装置102とインターフェース120との間の通信は双方向であってよい。
【0063】
インターフェース120はシステム制御装置102に結合されており、コマンド信号118を受信する。
図6Aは、スイッチ制御装置114、615の両方に対して1つのインターフェース120を示す。しかし、各スイッチ制御装置114、615は、それ自体のインターフェースを含んでよく、その場合、システム制御装置102が両方のインターフェースにコマンド信号118を出力することが理解されなければならない。インターフェース120とシステム制御装置102との両方が一次基準電位683を基準とするのに対し、スイッチ制御装置114は二次基準電位684を基準とし、スイッチ制御装置615は二次基準電位685を基準とする。二次基準電位684、685は異なる電位である。一例において、基準電位685がハイ側スイッチ679とロー側スイッチ680との間のハーフブリッジ点に結合されるのに対し、基準電位684はロー側スイッチ680のエミッタに結合される。スイッチ制御装置114、615は、絶縁された通信リンク678によりインターフェース120からガルバニック絶縁されている。絶縁された通信リンク678は、誘導結合、例えば信号変圧器または結合インダクタ、光結合、または容量結合として実装されてよい。更に、スイッチ制御装置114、615は、通信リンク678を介してインターフェース120と双方向に通信してよい。
【0064】
インターフェース120は、システム制御装置102により送信されたコマンド信号118を解釈し、電力スイッチ679、680を駆動するために、および、更には電力スイッチ679、680の駆動電流を調節するために、スイッチ制御装置114、615に駆動特性信号を送信する。スイッチ制御装置114、615は、それらのそれぞれの駆動特性信号を受信し、電力スイッチ670、680を制御するための駆動信号を生成する。ここまでに説明されているように、スイッチ制御装置114、615は駆動特性制御回路を含み、電力スイッチ680、679の駆動電流(すなわち駆動強度)を制御するために駆動要素を有効化および無効化する。したがって、システム制御装置102は、電力スイッチ680、679の駆動強度を調節する。
【0065】
図6Bは、電力スイッチ679、680の駆動特性、例えば例として駆動電流を調節するための、システム制御装置102を含むハーフブリッジ構成をとる電力コンバーター601の別の例を示す。電力コンバーター601が、
図6Bに示される電力コンバーター600と多くの類似性を共有することが理解されなければならない。しかし、少なくとも1つの差は、インターフェース120が絶縁インターフェース678を通してスイッチ制御装置114に結合しており、スイッチ制御装置615に結合していないことである。
図6Bに示される例において、インターフェース120は、コマンド信号118を解釈し、スイッチ制御装置114に駆動特性信号128を出力する。スイッチ制御装置815がインターフェース120から駆動特性信号を受信するのではなく、スイッチ制御装置114がスイッチ制御装置615に駆動特性信号128を送信する。ロー側スイッチ制御装置114からハイ側スイッチ制御装置615への通信は、ロー側スイッチ制御装置114とハイ側制御装置615との間の通信リンクを通して実現され得る。この例の場合、ハイ側スイッチ制御装置615は、ロー側スイッチ制御装置114に結合された、およびロー側スイッチ制御装置114の駆動特性信号128を受信するそれ自体の駆動特性制御部を含む。次に、スイッチ制御装置615の駆動特性制御部が、ハイ側スイッチ679を有効化および無効化する駆動要素に信号を出力する。
【0066】
図6Cは、例示的な絶縁された通信リンク678を示す。簡潔さを目的として、インターフェース120とスイッチ制御装置114との間の絶縁された通信リンク678のみが示される。インターフェース120とシステム制御装置102との両方が一次基準電位683を基準としており、スイッチ制御装置114は二次基準電位684を基準としている。スイッチ制御装置114は、絶縁された通信リンク678によりインターフェース120からガルバニック絶縁されている。示される絶縁された通信リンク678は、一次巻線687と二次巻線689とを含む信号変圧器である。インターフェース120は一次巻線687に結合されており、駆動特性信号128を出力する。スイッチ制御装置114は、二次巻線689に結合されており、駆動特性信号128に一次巻線687と二次巻線689との巻数比を乗じたものを受信する。
【0067】
本発明に関して示される例についての上述の説明は、要約で説明される事項を含め、網羅的であることも、開示される形態そのものへの限定であることも意図したものではない。本発明の特定の実施形態および例が、本明細書において例示を目的として説明されるが、本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく様々な同等な変更が可能である。実際、具体的で例示的な電圧、電流、周波数、出力範囲値、時間などが説明のために提示されること、および、本発明の教示による他の実施形態および例において他の値が使用されてもよいことが理解される。
【0068】
本発明は特許請求の範囲において規定されるが、本発明が代替的に以下の例により規定され得ることが理解されなければならない。
【0069】
例1.負荷へのエネルギー送達を制御するように構成された電力スイッチングアレイの伝導率変調デバイスを制御するように構成された制御システムであって、
制御システムが、
制御システムにおける電力イベントを検出することと、検出された電力イベントに応答して、伝導率変調デバイスの駆動特性を調節するためのコマンド信号を出力することと、をするように構成されたシステム制御装置と、
システム制御装置に結合された、および、コマンド信号を受信するように構成されたスイッチ制御装置であって、スイッチ制御装置が、伝導率変調デバイスのオン切り替えおよびオフ切り替えを制御することにより負荷へのエネルギー送達を制御するように更に構成された、スイッチ制御装置と、
を備え、
スイッチ制御装置が、
伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を制御するように構成された調節可能駆動要素と、
スイッチ制御装置と、コマンド信号を受信することと、伝導率変調デバイスの駆動特性を変えることと、をするように構成された駆動特性制御部であって、駆動特性制御部が、システム制御装置により生成されたコマンド信号に応答して、伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を調節するために、調節可能駆動要素を変化させるように更に構成された、駆動特性制御部と、
を備える、
制御システム。
【0070】
例2.駆動特性制御部が、伝導率変調デバイスにより伝導される電流の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を調節するように構成された、例1に記載の制御システム。
【0071】
例3.調節可能駆動要素が、
駆動特性制御部に結合されたスイッチであって、スイッチが、伝導率変調デバイスによる電流の伝導を有効化または無効化するようにオンまたはオフに切り替えられるように構成された、スイッチと、
駆動特性制御部に結合された、およびスイッチに直列に結合されたトリミング可能な電流源であって、駆動特性制御部が、伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を変えるためのコマンド信号に応答して、トリミング可能な電流源により提供される電流を制御するように更に構成された、トリミング可能な電流源と、
を備える、
例1または例2に記載の制御システム。
【0072】
例4.駆動特性制御部が、伝導率変調デバイスにより伝導される電流の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を変えるために、トリミング可能な電流源により提供される電流を制御するように更に構成された、例1から例3のいずれか1つに記載の制御システム。
【0073】
例5.駆動特性制御部が、トリミング可能な電流源により提供される電流の大きさを制御するように更に構成された、例1から例4のいずれか1つに記載の制御システム。
【0074】
例6.駆動特性制御部が、トリミング可能な電流源により提供される電流の持続期間を制御するように更に構成された、例1から例5のいずれか1つに記載の制御システム。
【0075】
例7.駆動特性制御部が、トリミング可能な電流源により提供される電流の周波数を制御するように更に構成された、例1から例6のいずれか1つに記載の制御システム。
【0076】
例8.スイッチ制御装置が、システム制御装置に結合された、および、コマンド信号を受信するように構成されたインターフェースであって、インターフェースが、コマンド信号を解釈することと、伝導率変調デバイスの立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を調節するために駆動特性制御部に駆動特性信号を出力することと、をするように更に構成された、インターフェースを更に備える、
例1から例7のいずれか1つに記載の制御システム。
【0077】
例9.インターフェースが、駆動特性制御部からガルバニック絶縁された、例1から例8のいずれか1つに記載の制御システム。
【0078】
例10.制御システムが、モーターへのエネルギー送達を制御する、例1から例9のいずれか1つに記載の制御システム。
【0079】
例11.伝導率変調デバイスが、トランジスタである、例1から例10のいずれか1つに記載の制御システム。
【0080】
例12.コマンド信号が、論理ハイセクションと論理ローセクションとの方形パルス波形であり、論理ローセクションの持続期間が、コマンド信号のコマンドに対応している、例1から例11のいずれか1つに記載の制御システム。
【0081】
例13.システム制御装置が、要求に応じて伝導率変調デバイスを調節するためにコマンド信号を出力するように構成された、例1から例12のいずれか1つに記載の制御システム。
【0082】
例14.負荷へのエネルギー送達を制御するように構成された伝導率変調デバイスを制御するように構成された制御システムであって、
制御システムが、
制御システムにおける電力イベントを検出することと、検出された電力イベントに応答してコマンド信号をアサートすることと、をするように構成されたシステム制御装置と、
システム制御装置に結合された、および、コマンド信号を受信するように構成されたスイッチ制御装置であって、スイッチ制御装置が、コマンド信号における第1のコマンドに応答して、伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間、立ち下がり時間、または立ち上がり時間と立ち下がり時間との両方の変更により負荷へのエネルギー送達を制御するために、伝導率変調デバイスのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するように更に構成されており、スイッチ制御装置が、コマンド信号における第2のコマンドに応答して、立ち上がり時間、立ち下がり時間、または、立ち上がり時間と立ち下がり時間との両方を変えないように構成された、スイッチ制御装置と、
を備える、
制御システム。
【0083】
例15.スイッチ制御装置が、
伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間、立ち下がり時間、または、立ち上がり時間と立ち下がり時間との両方を制御するように構成された調節可能駆動要素と、
システム制御装置に結合された、および、コマンド信号を受信するように構成されたインターフェースであって、インターフェースが、コマンド信号を解釈することと、駆動特性信号を出力することと、をするように構成された、インターフェースと、
駆動特性信号を受信することと、コマンド信号における第1のコマンドに応答して、デフォルト値から伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間、立ち下がり時間、または、立ち上がり時間と立ち下がり時間との両方を調節するために、調節可能駆動要素を変化させることと、をするように構成された駆動特性制御部であって、駆動特性制御部が、コマンド信号における第2のコマンドに応答して、デフォルト値から立ち上がり時間、立ち下がり時間、または、立ち上がり時間と立ち下がり時間との両方を変えないように構成された、駆動特性制御部と、
を更に備える、
例14に記載の制御システム。
【0084】
例16.調節可能駆動要素が、
駆動特性制御部に結合されたスイッチであって、駆動特性制御部が、伝導率変調デバイスの伝導を有効化または無効化するために、スイッチをオンまたはオフに切り替えるように構成された、スイッチと、
駆動特性制御部に結合された、および、スイッチに直列に結合されたトリミング可能な電流源であって、駆動特性制御部が、伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間、立ち下がり時間、または、立ち上がり時間と立ち下がり時間との両方を変えるために、駆動特性信号に応答して駆動特性制御部により制御されるトリミング可能な電流源により提供される電流の大きさを制御するように構成された、トリミング可能な電流源と、
を更に備える、
例14または例15に記載の制御システム。
【0085】
例17.トリミング可能な電流源により提供される電流の大きさが、第1のコマンドに応答して大きくなる、
例14から例16のいずれか1つに記載の制御システム。
【0086】
例18.伝導率変調デバイスのオン切り替えおよびオフ切り替えを制御することにより負荷へのエネルギー送達を制御するように構成されたスイッチ制御装置であって、
スイッチ制御装置が、
コマンド信号から駆動特性を受信するように構成された駆動特性制御部であって、コマンド信号が、伝導率変調デバイスの駆動電流を能動的に調節するように提供される、駆動特性制御部と、
駆動特性制御部に結合された第1の駆動要素と、
を備え、
第1の駆動要素が、
駆動特性制御部に結合された、および、伝導率変調デバイスを第1の状態から第2の状態に遷移させるためにオンまたはオフに切り替えられるように構成された第1のスイッチと、
駆動特性制御部に結合された、および、第1のスイッチに直列に結合された第1のトリミング可能な電流源であって、第1のトリミング可能な電流源が、コマンド信号の第1のコマンドに応答して伝導率変調デバイスを第1の速度で第1の状態から第2の状態に遷移させるために、伝導率変調デバイスに電流を提供するようにおよび、コマンド信号の第2のコマンドに応答して伝導率変調デバイスを第2の速度で第1の状態から第2の状態に遷移させるために、伝導率変調デバイスに電流を提供するように構成された第1のトリミング可能な電流源と、
を備える、
スイッチ制御装置。
【0087】
例19.駆動特性制御部に結合された第2の駆動要素を更に備え、
第2の駆動要素が、
駆動特性制御部に結合された、および、伝導率変調デバイスを第2の状態から第1の状態に遷移させるために、オンまたはオフに切り替えられるように構成された、第2のスイッチと、
駆動特性制御部に結合された、および、第2のスイッチに直列に結合された第2のトリミング可能な電流源であって、第2のトリミング可能な電流源が、コマンド信号の第1のコマンドに応答して伝導率変調デバイスを第1の速度で第2の状態から第1の状態に遷移させるために、伝導率変調デバイスに電流を提供することと、コマンド信号の第2のコマンドに応答して伝導率変調デバイスを第2の速度で第2の状態から第1の状態に遷移させるために、伝導率変調デバイスに電流を提供することと、をするように構成された、第2のトリミング可能な電流源と、
を備える、
例18に記載のスイッチ制御装置。
【0088】
例20.コマンド信号が、システム制御装置から受信される、
例18または例19に記載のスイッチ制御装置。
【0089】
例21.、コマンド信号が、ユーザートグルから受信された、
例18から例20のいずれか1つに記載のスイッチ制御装置。
【0090】
例22.コマンド信号が、センサーから受信される、
例18から例21のいずれか1つに記載のスイッチ制御装置。
【0091】
(付記項1)
負荷へのエネルギー送達を制御するように構成された電力スイッチングアレイの伝導率変調デバイスを制御するように構成された制御システムであって、
前記制御システムが、
前記制御システムにおける電力イベントを検出することと、検出された前記電力イベントに応答して、前記伝導率変調デバイスの駆動特性を調節するためのコマンド信号を出力することと、をするように構成された、システム制御装置と、
前記システム制御装置に結合された、および、前記コマンド信号を受信するように構成されたスイッチ制御装置であって、前記スイッチ制御装置が、前記伝導率変調デバイスのオン切り替えおよびオフ切り替えを制御することにより、前記負荷への前記エネルギー送達を制御するように更に構成された、前記スイッチ制御装置と、
を備え、
前記スイッチ制御装置が、
前記伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を制御するように構成された調節可能駆動要素と、
前記コマンド信号を受信することと、前記伝導率変調デバイスの前記駆動特性を変えることと、をするように構成された駆動特性制御部であって、前記駆動特性制御部が、前記システム制御装置により生成された前記コマンド信号に応答して、前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間および/または前記立ち下がり時間を調節するために、前記調節可能駆動要素を変化させるように更に構成された、前記駆動特性制御部と、
を備える、
制御システム。
【0092】
(付記項2)
前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスにより伝導される電流の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を調節するように構成された、
付記項1に記載の制御システム。
【0093】
(付記項3)
前記調節可能駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合されたスイッチであって、前記スイッチが、前記伝導率変調デバイスによる電流の伝導を有効化または無効化するために、オンまたはオフに切り替えられるように構成された、前記スイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記スイッチに直列に結合されたトリミング可能な電流源であって、前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間および/または前記立ち下がり時間を変えるための前記コマンド信号に応答して、前記トリミング可能な電流源により提供される電流を制御するように更に構成された、前記トリミング可能な電流源と、
を備える、
付記項1に記載の制御システム。
【0094】
(付記項4)
前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスにより伝導される前記電流の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間を変えるために、前記トリミング可能な電流源により提供される前記電流を制御するように更に構成された、
付記項3に記載の制御システム。
【0095】
(付記項5)
前記駆動特性制御部が、前記トリミング可能な電流源により提供される前記電流の大きさを制御するように更に構成された、
付記項3に記載の制御システム。
【0096】
(付記項6)
前記駆動特性制御部が、前記トリミング可能な電流源により提供される前記電流の持続期間を制御するように更に構成された、
付記項3に記載の制御システム。
【0097】
(付記項7)
前記駆動特性制御部が、前記トリミング可能な電流源により提供される前記電流の周波数を制御するように更に構成された、
付記項3に記載の制御システム。
【0098】
(付記項8)
前記スイッチ制御装置が、
前記システム制御装置に結合された、および、前記コマンド信号を受信するように構成されたインターフェースであって、前記インターフェースが、前記伝導率変調デバイスの前記立ち上がり時間および/または前記立ち下がり時間を調節するために、前記コマンド信号を解釈することと、前記駆動特性制御部に駆動特性信号を出力することと、をするように更に構成された、前記インターフェース
を更に備える、
付記項1に記載の制御システム。
【0099】
(付記項9)
前記インターフェースが、前記駆動特性制御部からガルバニック絶縁された、
付記項8に記載の制御システム。
【0100】
(付記項10)
前記制御システムが、モーターへのエネルギー送達を制御するように構成された、
付記項1に記載の制御システム。
【0101】
(付記項11)
前記伝導率変調デバイスが、トランジスタである、
付記項1に記載の制御システム。
【0102】
(付記項12)
前記コマンド信号が、論理ハイセクションと論理ローセクションとの方形パルス波形であり、前記論理ローセクションの持続期間が、前記コマンド信号のコマンドに対応した、
付記項1に記載の制御システム。
【0103】
(付記項13)
前記システム制御装置が、要求に応じて前記伝導率変調デバイスを調節するために、前記コマンド信号を出力するように構成された、
付記項1に記載の制御システム。
【0104】
(付記項14)
負荷へのエネルギー送達を制御するように構成された伝導率変調デバイスを制御するように構成された制御システムであって、
前記制御システムが、
前記制御システムにおける電力イベントを検出することと、検出された前記電力イベントに応答してコマンド信号をアサートすることと、をするように構成されたシステム制御装置と、
前記システム制御装置に結合された、および、前記コマンド信号を受信するように構成された、スイッチ制御装置であって、前記スイッチ制御装置が、前記コマンド信号における第1のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスにかかる電圧の立ち上がり時間、立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方の変更により前記負荷への前記エネルギー送達を制御するために、前記伝導率変調デバイスのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するように更に構成されており、前記スイッチ制御装置が、前記コマンド信号における第2のコマンドに応答して、前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変えないように構成された、前記スイッチ制御装置と、
を備える、
制御システム。
【0105】
(付記項15)
前記スイッチ制御装置が、
前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を制御するように構成された調節可能駆動要素と、
前記システム制御装置に結合された、および、前記コマンド信号を受信するように構成されたインターフェースであって、前記インターフェースが、前記コマンド信号を解釈するように、および、駆動特性信号を出力するように構成された、前記インターフェースと、
前記駆動特性信号を受信することと、前記コマンド信号における前記第1のコマンドに応答して、デフォルト値から前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を調節するために、前記調節可能駆動要素を変化させることと、をするように構成された駆動特性制御部であって、前記駆動特性制御部が、前記コマンド信号における前記第2のコマンドに応答して、前記デフォルト値から前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変えないように構成された、前記駆動特性制御部と、
を更に備える、
付記項14に記載の制御システム。
【0106】
(付記項16)
前記調節可能駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合されたスイッチであって、前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスの伝導を有効化または無効化するために、前記スイッチをオンまたはオフに切り替えるように構成された、前記スイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記スイッチに直列に結合されたトリミング可能な電流源であって、前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスにかかる前記電圧の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変えるために、前記駆動特性信号に応答して、前記駆動特性制御部により制御される前記トリミング可能な電流源により提供される電流の大きさを制御するように構成された、前記トリミング可能な電流源と、
を更に備える、
付記項15に記載の制御システム。
【0107】
(付記項17)
前記トリミング可能な電流源により提供される前記電流の前記大きさが、前記第1のコマンドに応答して大きくなる、
付記項16に記載の制御システム。
【0108】
(付記項18)
伝導率変調デバイスのオン切り替えおよびオフ切り替えを制御することにより負荷へのエネルギー送達を制御するように構成されたスイッチ制御装置であって、
前記スイッチ制御装置が、
コマンド信号から駆動特性を受信するように構成された駆動特性制御部であって、前記コマンド信号が、前記伝導率変調デバイスの駆動電流を能動的に調節するように提供される、前記駆動特性制御部と、
前記駆動特性制御部に結合された第1の駆動要素と、
を備え、
前記第1の駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記伝導率変調デバイスを第1の状態から第2の状態に遷移させるためにオンまたはオフに切り替えられるように構成された、第1のスイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記第1のスイッチに直列に結合された、第1のトリミング可能な電流源であって、前記第1のトリミング可能な電流源が、前記コマンド信号の第1のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスを第1の速度で前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供することと、前記コマンド信号の第2のコマンドに応答して前記伝導率変調デバイスを第2の速度で前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供することと、をするように構成された、前記第1のトリミング可能な電流源と、
を備える、
スイッチ制御装置。
【0109】
(付記項19)
前記コマンド信号が、システム制御装置から受信される、
付記項18に記載のスイッチ制御装置。
【0110】
(付記項20)
前記コマンド信号が、トグル信号を受信するように結合された制御端子を含むトランジスタから受信される、
付記項18に記載のスイッチ制御装置。
【0111】
(付記項21)
前記コマンド信号が、センサーから受信される、
付記項18に記載のスイッチ制御装置。
【0112】
(付記項22)
前記駆動特性制御部に結合された第2の駆動要素を更に備え、
前記第2の駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記伝導率変調デバイスを前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるために、オンまたはオフに切り替えられるように構成された、第2のスイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記第2のスイッチに直列に結合された、第2のトリミング可能な電流源であって、前記第2のトリミング可能な電流源が、前記コマンド信号の前記第1のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスを前記第1の速度で前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供するように、および、前記コマンド信号の前記第2のコマンドに応答して、前記伝導率変調デバイスを前記第2の速度で前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるために、前記伝導率変調デバイスに電流を提供するように構成された、前記第2のトリミング可能な電流源と、
を備える、
付記項18に記載のスイッチ制御装置。
【0113】
(付記項23)
負荷へのエネルギー送達を制御するように構成された伝導率変調デバイスを制御するように構成された制御システムであって、前記制御システムが、
トグル信号を受信するように結合された制御端子を含むトランジスタであって、前記トランジスタが、前記トグル信号の高い値または低い値に応答して、コマンド信号におけるコマンドをアサートするように構成された、前記トランジスタと、
前記コマンド信号を受信するように構成されたスイッチ制御装置であって、前記スイッチ制御装置が、前記コマンド信号におけるコマンドに応答して前記伝導率変調デバイスにかかる電圧の、
立ち上がり時間、
立ち下がり時間、または、
前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方、
の変化により、前記負荷への前記エネルギー送達を制御するために前記伝導率変調デバイスのオン切り替えとオフ切り替えとを制御するように更に構成された、前記スイッチ制御装置と、
を備え、
前記スイッチ制御装置が、
前記コマンド信号における第1のコマンドに応答して、第1の値の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方に達するように前記伝導率変調デバイスの制御端子を駆動するように、および、
前記コマンド信号における第2のコマンドに応答して、第2の値の前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方に達するように前記伝導率変調デバイスの前記制御端子を駆動するように、
構成された、
制御システム。
【0114】
(付記項24)
前記スイッチ制御装置が、
前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を制御するように構成された調節可能駆動要素と、
前記トランジスタに結合されたインターフェースであって、前記インターフェースが、前記コマンド信号を受信するように構成された、および、前記コマンド信号を解釈するように、および、駆動特性信号を出力するように構成された、前記インターフェースと、
前記駆動特性信号を受信するように、および、前記コマンド信号における前記第1のコマンドに応答して、前記第2の値から前記第1の値まで前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を調節するために前記調節可能駆動要素を変化させるように構成された駆動特性制御部であって、前記第2の値がデフォルト値である、前記駆動特性制御部と、
を更に備える、
付記項23に記載の制御システム。
【0115】
(付記項25)
前記調節可能駆動要素が、
前記駆動特性制御部に結合されたスイッチであって、前記駆動特性制御部が、前記伝導率変調デバイスの伝導を有効化または無効化するために前記スイッチをオンまたはオフに切り替えるように構成された、前記スイッチと、
前記駆動特性制御部に結合された、および、前記スイッチに直列に結合されたトリミング可能な電流源であって、前記駆動特性制御部が、前記立ち上がり時間、前記立ち下がり時間、または、前記立ち上がり時間と前記立ち下がり時間との両方を変化させるために、前記駆動特性信号に応答して、前記駆動特性制御部により制御される前記トリミング可能な電流源により提供される電流の大きさを制御するように構成された、前記トリミング可能な電流源と、
を更に備える、
付記項24に記載の制御システム。
【0116】
(付記項26)
前記第1の値が、前記第2の値より大きい、
付記項23に記載の制御システム。
【0117】
(付記項27)
前記トグル信号が、ユーザーの手動選択を表すように構成された、
付記項23に記載の制御システム。
【0118】
(付記項28)
前記トグル信号が、機械スイッチにより生成される、
付記項27に記載の制御システム。
【0119】
(付記項29)
前記伝導率変調デバイスが、窒化ガリウム(GaN)半導体に基づくものである、
付記項23に記載の制御システム。
【0120】
(付記項30)
前記スイッチ制御装置が、前記第1の値および前記第2の値に達するように前記伝導率変調デバイスの前記制御端子を駆動するようにゲート電流の大きさを調節するように構成された、
付記項23に記載の制御システム。