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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167414
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/42 20060101AFI20241126BHJP
   B41J 15/18 20060101ALI20241126BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241126BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B41J11/42
B41J15/18
B41J29/38 204
B41J29/42 E
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024155510
(22)【出願日】2024-09-10
(62)【分割の表示】P 2020147157の分割
【原出願日】2020-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】徳田 康平
(72)【発明者】
【氏名】時田 俊伸
(72)【発明者】
【氏名】野澤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】浅井 泰之
(72)【発明者】
【氏名】平 龍太郎
(57)【要約】
【課題】 記録装置にセットされた記録媒体が給紙されているかについてユーザが把握しやすくすることを目的とする。
【解決手段】 給紙状態に応じて点灯する給紙状態表示部2aを有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロール状の記録媒体をセットするための複数のセット部と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に搬送された前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、
記録媒体が前記記録手段で記録可能な所定の位置に給紙されているか否かを検知するための検知手段と、
前記セット部それぞれに対応して設けられ、前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示す表示部と、
を有し、
前記記録手段が記録媒体に記録を行っているとき、前記検知手段の検知結果に応じて、
前記表示部は対応する前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示すことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記記録手段が記録媒体への記録の待機状態にあるときも、前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示す
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記表示部は前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示す給紙状態点灯部を有するインジケータ部であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記検知手段の検知結果が、記録媒体が記録可能な位置に搬送されていることを示す場合には、前記給紙状態点灯部を第1の色に点灯し、
前記検知手段の検知結果が、記録媒体が記録可能な位置に搬送されていることを示さない場合には、前記給紙状態点灯部を第2の色に点灯する、または消灯することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記搬送手段は前記記録媒体をニップして搬送を行い、
前記検知手段は、記録媒体が前記搬送手段にニップされているか否かを検知するためのニップ検知手段と、前記ニップ検知手段よりも搬送の上流に位置する、前記セット部それぞれに対して設けられた供給検知手段と、を含み、
前記ニップ検知手段の検知結果が、前記搬送手段が記録媒体をニップしていることを示す場合に、前記供給検知手段の検知結果が記録媒体を検知したことを示す場合には、当該供給検知手段に対応する前記セット部に対応する前記インジケータ部の前記給紙状態点灯部の点灯状態を、前記記録媒体が記録可能な位置に搬送されていることを示す状態にし、
前記供給検知手段の検知結果が記録媒体を検知したことを示さない場合には、当該供給検知手段に対応する前記セット部に対応する前記インジケータ部の前記給紙状態点灯部の点灯状態を、前記記録媒体が記録可能な位置に搬送されていないことを示す状態にし、
前記ニップ検知手段の検知結果が、前記搬送手段が記録媒体をニップしていることを示さない場合には、前記インジケータ部の前記給紙状態点灯部の点灯状態を、前記記録媒体が記録可能な位置に搬送されていないことを示す状態にすることを特徴とする請求項3または4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記搬送手段は、前記記録手段によって記録媒体に記録を行う位置の近傍に位置することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記給紙状態点灯部は青色に点灯することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項8】
前記インジケータ部は、前記セット部の記録媒体の状態を示すセット状態点灯部を更に有することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記セット部にセットされている記録媒体を検知するセット検知手段を更に有し、
前記セット検知手段の検知結果が記録媒体を検知したことを示す場合には、前記セット状態点灯部を消灯し、前記セット検知手段の検知結果が記録媒体を検知したことを示さない場合には、前記セット状態点灯部を点灯することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記セット状態点灯部は赤色に点灯することを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記セット部にセットされている記録媒体の残量を検出する残量検出手段を更に有し、
前記インジケータ部は、前記セット部にセットされた記録媒体の残量を示す残量点灯部を更に有し、
前記残量検出手段の検出結果に応じて前記残量点灯部の点灯状態を変更することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項12】
前記残量点灯部はそれぞれの前記インジケータ部に複数設けられており、
前記残量検出手段の検出結果が示す記録媒体の残量に応じて、点灯する前記残量点灯部の数を変えることを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
【請求項13】
前記残量検出手段の検出結果が示す残量が第1の量であった場合には第1の数の残量点灯部を点灯させ、前記残量検出手段の検出結果が示す残量が前記第1の量より少ない第2の量であった場合には前記第1の数より少ない数の残量点灯部を点灯させることを特徴とする請求項12に記載の記録装置。
【請求項14】
前記残量点灯部は、前記残量検出手段の検出結果が示す残量が所定量以下であった場合に点灯する点灯部を含み、
前記残量検出手段の検出結果が示す残量が所定量以下であった場合に点灯する点灯部は、他の前記残量点灯部とは異なる色に点灯することを特徴とする請求項12または13に記載の記録装置。
【請求項15】
前記残量検出手段の検出結果が示す残量が所定量以下であった場合に点灯する点灯部は赤色に点灯し、前記他の前記残量点灯部は緑色に点灯することを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
【請求項16】
前記残量点灯部の点灯色は、前記給紙状態点灯部の点灯色とは異なることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項17】
前記セット部にセットされた記録媒体の幅を取得する幅取得手段を更に有し、
インジケータ部は、前記セット部にセットされた記録媒体の幅を示すための幅点灯部を複数有し、
前記幅取得手段が取得した幅に対応する前記幅点灯部の点灯を行うことを特徴とする請求項3乃至16のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項18】
前記セット部にセットされた記録媒体の種類を取得する種類取得手段を更に有し、
前記インジケータ部は、前記セット部にセットされた記録媒体の種類を示すための種類点灯部を複数有し、
前記種類取得手段が取得した種類に対応する前記種類点灯部の点灯を行うことを特徴とする請求項3乃至17のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項19】
前記記録手段による記録が完了するまでの時間を取得する時間取得手段を更に有し、
前記インジケータ部は、記録が完了するまでの時間を示す時間点灯部を有し、
前記時間取得手段が取得した記録が完了するまでの時間に応じて、前記時間点灯部の点灯の周期を変更することを特徴とする請求項3乃至18のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項20】
前記記録手段による記録が完了するまでの時間を取得する時間取得手段を更に有し、
前記インジケータ部は、記録が完了するまでの時間を示す時間点灯部を有し、
前記時間取得手段が取得した記録が完了するまでの時間に応じて、前記時間点灯部の点灯する色を変更することを特徴とする請求項3乃至18のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項21】
前記セット部に記録媒体をセットする際に開ける扉或いは引き出しを更に有することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項22】
記録可能な所定の位置に給紙されていない記録媒体がセットされている前記セット部の前記扉或いは前記引き出しを前記記録手段が記録媒体に記録を行っているときに開けても、記録を停止しないことを特徴とする請求項21に記載の記録装置。
【請求項23】
前記インジケータ部の点灯部の点灯色は、前記点灯部の周りの色とは異なる色であることを特徴とする請求項3乃至22のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項24】
前記点灯部の周りの色は、白系の色であることを特徴とする請求項23に記載の記録装置。
【請求項25】
ユーザが前記記録装置への指示を行うオペレーションパネルを更に有することを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項26】
前記表示部と、前記オペレーションパネルは、前記記録装置の左右のうち同じ側に配置されることを特徴とする請求項25に記載の記録装置。
【請求項27】
ロール状の記録媒体をセットするためのセット部と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に搬送された前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、
記録媒体が前記記録手段で記録可能な所定の位置に給紙されているか否かを検知するための給紙検知手段と、
を有し、
前記セット部にセットされている記録媒体の残量を検知する残量検出手段と、
前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示す給紙状態点灯部と、前記セット部にセットされた記録媒体の残量を示す残量点灯部を有するインジケータ部と、を更に有し、
前記給紙状態点灯部は前記給紙検知手段の検知結果に応じて、前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示し、前記残量点灯部は前記残量検出手段の検知結果に応じて、前記セット部にセットされた前記記録媒体の残量を示すことを特徴とする記録装置。
【請求項28】
前記セット部に記録媒体をセットする際に開ける扉或いは引き出しを更に有し、
前記インジケータ部は、前記記録装置の前記扉或いは引き出しを開ける面に備えられていることを特徴とする請求項27に記載の記録装置。
【請求項29】
複数の記録媒体をセットするための複数の前記セット部と、
それぞれの前記セット部に対応する複数の前記インジケータ部を有し、
前記インジケータ部は、対応する前記セット部の近傍に位置し、
前記インジケータ部は、対応する前記セット部の状態を示すことを特徴とする請求項27または28に記載の記録装置。
【請求項30】
同じ前記インジケータ部に属する前記給紙状態点灯部と、前記残量点灯部と近傍に位置し、一列に配置されることを特徴とする請求項27乃至29のいずれか1項に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール状の記録媒体を記録装置にセットできる記録装置が知られている。
【0003】
特許文献1は、プラテン上に取り付けられているシートが上段と下段のいずれにセットされているロールシートかを判別し、印刷開始前の待機時に操作パネルに表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-071194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1のような表示の形態であると、ユーザの利便性の観点で十分とは言えない場合が想定される。
【0006】
ユーザが記録装置にセットされた記録媒体にアクセスする場合には、装置に対してセットされた記録媒体が印刷可能に給紙されているかどうかをより簡便に把握することが求められる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、記録装置にセットされた記録媒体が給紙されているかについてユーザが把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数のロール状の記録媒体をセットするための複数のセット部と、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に搬送された前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、記録媒体が前記記録手段で記録可能な所定の位置に給紙されているか否かを検知するための検知手段と、前記セット部それぞれに対応して設けられ、前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示す表示部と、を有し、前記記録手段が記録媒体に記録を行っているとき、前記検知手段の検知結果に応じて、前記表示部は対応する前記セット部にセットされた記録媒体が給紙されているか否かについて示すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが記録媒体のセットの状態を把握しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る記録装置の斜視図である。
図2】第1の実施形態に係るインジケータ部を示す図である。
図3】第1の実施形態における他のインジケータ部の例を示す図である。
図4】第1の実施形態における他のインジケータ部の配置の例と、オペレーションパネルの表示を示す図である。
図5】第1の実施形態における給紙状態表示部の表示について説明する図である。
図6】第2の実施形態における紙残量表示部の表示について説明する図である。
図7】第2の実施形態における紙残量表示部の表示について説明する図である。
図8】第3の実施形態に係る記録装置の内部構成と、制御構成を示す図である。
図9】第4の実施形態に係る記録装置の内部構成と、制御構成を示す図である。
図10】第5の実施形態に係る記録装置のブロック図である。
図11】第5の実施形態におけるインジケータ部と、制御を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態の記録装置1の全体構成を示す斜視図である。図1(a)と図1(b)は全体構成図であり、図1(b)はロール紙をセットする際の扉を開けた状態を示した。1は、インクジェット方式でプリントする記録装置である。2は、プリントされる記録媒体の状態を表示させるインジケータ部である。3は、記録装置1を操作するためのオペレーションパネルであり、タッチパネルディスプレイが用いられる。4は、プリントされるシート状の記録媒体がロール状に芯に巻かれているロール紙である。記録媒体は紙に代表されるもののこれに限定されないが、便宜上、紙と記す。本実施形態の記録装置1は、ロール紙4をセットするセット部を二段有し、各段に対応した位置にインジケータ部2を設けている。ただし、セットする段の数はこれに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。5は、下方を中心に回動させることで開閉させる扉であり、記録装置1の通常動作では防汚のため扉5は閉めて使用されるが、ロール紙4をセットする際や交換する際には開けて使用される。ここで、ロール紙4のセットとは、ロール紙4の芯にスプール11を通して、記録装置1内のスプール11を設置するスプール保持部(不図示)に設置することを意味する。給紙とは、ロール紙4がセットされ、さらに紙先端をプリント可能な位置まで搬送することを意味する。以下の説明ではこれらの表現を用いる。なお、扉5に限定されず、引き出しにしても有効である。
【0012】
図2はインジケータ部2の正面図と、側面からの断面図を示したものである。図2の正面図に示すように、インジケータ部2の表示は、給紙状態を示す給紙状態表示部2aと、ロール紙4の残量を示す紙残量表示部2bからなる。本実施形態の表示部は点灯部を有する給紙状態点灯部、残量点灯部である。給紙状態点灯部、残量点灯部は、その点灯状態によってセット部の状態をユーザに通知する。給紙状態表示部2aは、ロール紙4が記録装置1内に給紙され、プリント可能な状態の時に点灯し、そうでないときに消灯する。具体的には、ロール紙4はセットされているが給紙されていないとき、ロール紙4がセットされていないときに消灯する。他にも、プリント可能な状態のときと、そうでないときの点灯色を変更することによって給紙状態の表示を行ってもよい。紙残量表示部2bは、複数の点灯部からなり、紙残量に応じて点灯数を変えることで残量を表す。
【0013】
本実施形態における、インジケータ部2の点灯部の配置と大きさを説明する。本実施形態において、給紙状態表示部2aと紙残量表示部2bはX方向に同じ位置で、一列に並べて配置されている。2つのインジケータ部2の点灯部を含めてX方向に同じ位置に位置するように配置してもよい。1つのインジケータ部の中の点灯部全部の長さはZ方向に10cmであり、給紙状態表示部2aと、給紙状態表示部2aと最も近い紙残量表示部2bのZ方向の距離は4cm、紙残量表示部2bの点灯部同士のZ方向の距離は1cmとする。
また、給紙状態表示部2aのY方向の長さは12mm、紙残量表示部2bのY方向の長さは10mmである。点灯部は、同じ給紙段の状態を示すことが認識できるような距離であればよく、これに限られない。また、給紙状態表示部2aと紙残量表示部2bのY方向の長さを変えることによって異なる状態を表示する点灯部であることをより認識しやすくすることができる。
【0014】
また、点灯する部分の形は図2に示すような形に限らず、丸や四角形などでもよい。また、給紙状態表示部2aと紙残量表示部2bとを異なる形にしてもよい。また、紙残量表示部2bがない、給紙状態表示部2aのみの形態でもよい。
【0015】
図2の側面図に示すように、インジケータ部2の構成は、一枚の基板に電気的に実装された発光部2fとライトガイド2g、点灯部2hからなる。発光部2fはLEDが好適である。発光部2fは所定の発散角をもって発光され、少なくとも片面が凹レンズとなっているライトガイド2gで略平行光に整形して、点灯部2hを介して記録装置1の外装と概ね同じ面まで光を導く。さらに点灯部2hやライトガイド2gは、少なくとも一つの面を粗らして光を散乱させ、光強度分布の差を軽減させることが好ましい。ライトガイド2gと点灯部2hはそれぞれ一体で成形される。こうすることで、記録装置1の部品点数の削減とコストダウンが図れ、記録装置1の組立時に行う光軸調整をまとめてできるようになる。本実施形態のインジケータ部2は記録装置1の外装の一部に埋め込まれているが、発光部2fとライトガイド2g、点灯部2hからなるインジケータユニットを記録装置1に搭載する構成としても良い。また、ライトガイド2gは省略することができるが、その場合好ましくは、外装表面からみて点灯部2hの裏面側を凹レンズにする。発光部2fの発光色は、記録装置1の外装色との関係で判別しやすい色にする。例えば、記録装置1の外装が白系のように薄い色の場合には、発光部2fの点灯色を青や緑、赤など、白とは異なる色にすることで点灯か消灯かを判別しやすくなる。また、記録装置1の外装が黒系のように濃い色の場合には青、緑、赤などの他に、黄色のような薄い色を発光部2fの点灯色としても判別しやすい。また、給紙状態表示部2aと紙残量表示部2bとを異なる色にする。本実施形態では、給紙状態表示部2aは青色、紙残量表示部2bの残量がある場合に点灯する部分の色は緑色、紙残量表示部2bの残量が無くなった場合に点灯する紙なしの部分の色は赤色を発光する。このように、表示機能に応じて発光色を変えることでユーザの視覚による認識のしやすさの向上が期待できる。
【0016】
以上のようにインジケータ部2にロール紙4の状態を表示することで、ユーザは、記録装置1の前まで移動しなくとも、少し遠くからロール紙4の状態を直感的に把握することができる。
【0017】
インジケータ部2の給紙状態表示部2a、紙残量表示部2bは、図2のように縦に並べたものに限定されない。例えば図3(a)や図3(b)のように横方向に並べても良いし、さらに給紙状態表示部2aや紙残量表示部2bの点灯部を縦長、横長いずれの向きで配置しても良い。そしてさらに、図3(c)のように円弧上に並べても有効である。
【0018】
図4にインジケータ部の別の配置と、オペレーションパネルの表示について示す。図4(a)のように、インジケータ部2の配置は扉5の表側に設けても良い。扉5の表側に設けると、よりそれぞれのインジケータ部2とそれぞれのロール紙4の給紙段とが対応付いていることをユーザに示すことができる。さらに扉5の上側に設けても良い。図1では、インジケータ部2を扉5の右側に配置させ、さらにオペレーションパネル3も記録装置1の右上に配置した。インジケータ部2、オペレーションパネル3の配置は記録装置1の左側でもよく、ユーザが見るべき情報を記録装置1の片側に集めることで、ユーザがより知覚しやすくすることができる。
【0019】
図4(b)は、オペレーションパネル3に各色インクの残量を棒グラフ状に表示したものである。図2のロール紙4の残量表示を縦方向に並べた場合には、インクの残量表示も縦方向に並べた表示に統一することで、ユーザが残量を把握しやすくすることができる。
【0020】
図5は給紙状態表示部2aの表示について説明するための図である。なお、図1を用いて説明した符号については、その説明を省略する。6は、ロール紙4をプラテン17上に搬送する搬送ローラで、ロール紙4をニップして搬送する。7は、図5の垂直方向に走査しながらインクを吐出してプリントを行う画像形成部(不図示)を搭載したキャリッジである。このキャリッジ7が走査される領域の近傍に搬送ローラ6が設けられる。搬送ローラ6がロール紙4をニップした状態のとき、ロール紙4はプラテン17上の画像形成部と対向する位置に搬送できる状態、つまりプリント可能な状態となる。8はロール紙4の有無を検出する紙検出センサであり、プラテンセンサ8a、上給紙口センサ8b、下給紙口センサ8cからなる。紙検出センサ8は、光学式センサであり、搬送ローラ6の近傍に設けられるプラテンセンサ8aと、ロール紙4のロール部から搬送ローラ6までの搬送経路に設けられる上給紙口センサ8bと下給紙口センサ8cを含む。上給紙口センサ8bと下給紙口センサ8cはプラテンセンサ8aよりも搬送の上流に位置し、ロール紙4の二段のセット位置のそれぞれの段に対応して設けられる。上給紙口センサ8bと下給紙口センサ8cはそれぞれの段にセットされたロール紙4がセンサの位置まで搬送され、供給された状態であるかを検知するための供給検知センサである。図5は、上段のロール紙4が搬送ローラ6にニップされた状態、すなわち給紙され、プリント可能な状態であるときを示す図である。ユーザがオペレーションパネル3を介して給紙を行うことを指示することによって搬送ローラ6と搬送経路に設けられる不図示のローラが駆動し、給紙を行うことを指示された段のロール紙4をプリント可能な状態に給紙する。この状態でプリントすることをユーザから指示されることで記録装置1は給紙されたロール紙4へのプリントを開始する。
【0021】
図5は下段のロール紙4はセットしてあるが、給紙されていない。この場合、プラテンセンサ8aと、上給紙口センサ8bが紙を検知し、下給紙口センサ8cは紙を検知しない。9は、紙検知センサ8の検知結果に応じて、各段のロール紙4が搬送ローラ6にニップされているかどうか判別し、インジケータ部2の給紙状態表示部2aの点灯を制御する制御部である。本実施形態では、プラテンセンサ8aはニップ検知センサ或いは給紙検知センサとして機能し、制御部9はプラテンセンサ8aがロール紙を検知するときはロール紙が搬送ローラ6にニップされた状態であると判定する。図5において制御部9は、上段のロール紙4が搬送ローラ6にニップされており、それに対応した給紙状態表示部2aを点灯し、ニップされていない下段の給紙状態表示部2aを消灯している。給紙状態表示部2aの発光色は青としたが、これに限定されない。給紙状態表示部2aが点灯すると、それに対応するロール紙4がプリント可能な状態であることを示すとともに、搬送ローラ6がロール紙4をニップしているので、この状態ではロール紙4を交換できないことをユーザに通知する。インジケータ部2による給紙状態の通知は少なくともプリント中に行う。プリント中とは、キャリッジ7が走査して画像形成部から記録媒体に対してインクを吐出する間を指す。また記録を行っていない待機状態のときに通知を行ってもよく、また電源オン時は通知を常時行うようにしてもよい。
【0022】
ユーザが記録中に、記録されていない方のロール紙を交換する場合には、記録動作を停止しない。つまり扉5を開けても記録動作を停止しない。また、記録可能な状態に給紙されたロール紙4の記録中に記録が行われている方のロール紙がセットされている扉5を開けた場合には記録を停止するようにしてもよい。
【0023】
記録装置1は、扉5をユーザが開けることができないようにするロック機構を有する構成としてもよい。その場合には、記録を行っているロール紙がセットされている段の扉5は、記録中はロック機構によってロックされる。一方で、ユーザが記録している方のロール紙を交換しようとしてもロック機構によって記録中のロール紙がセットされている段の扉5がロックされているので交換できない。
【0024】
以上のように給紙状態を通知することで、ユーザは扉5を開けたり、記録装置1の前まで移動したりせずとも、記録装置1少し遠くから、どの段にセットされたロール紙がプリント可能な状態であるかがわかる。給紙状態の通知はプリント中にも行われるため、プリント中にプリントしているロール紙4が収納される扉5をユーザが誤って開けることを防止でき、そのために生じる誤作動を軽減できる。例えば図5において、上段の扉5が開いていると、扉5にロール紙4の先端が引っ掛かって紙詰まりすることがある。上記構成によりユーザが誤って開けることを防止することにより、ロール紙4の給紙状態を確認するために扉5を開閉することによる紙詰まりを防止することができる。そのためユーザが誤って扉5を開けないようにするロック機構とその制御を記録装置1の構成からなくしても良い。また、プリント可能な状態でない方の段がどちらかが分かるので、プリント中に交換のための準備を行ったり、プリント中にプリント可能状態でない方の段の扉5を開けて、ロール紙4をセットしたりすることが可能となる。
【0025】
[第2の実施形態]
図6を用いて紙残量表示部2bについて説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分ついては、その説明を省略する。
【0026】
10は、ロール紙4の残量を検出するための残量検出センサであり、各ロール紙4に対応して設けられる。残量検出センサ10は光学式や機械式のいずれかのセンサを適用し、センサからロール紙4までの距離を測定することによって残量を検出する。残量検出センサ10の検出結果に応じて、制御部9は各ロール紙4の残量に換算し、インジケータ部2の給紙状態表示部2aと紙残量表示部2bの点灯を制御する。図6において、制御部9はセットされたロール紙4の残量、すなわち残りの長さを5段階に換算して、紙残量表示部2bの緑点灯四点と一番下の赤点灯一点の点灯を制御する。一例として、ロール紙4の紙残量が90mより長い時は、図7(a)のように、緑四点すべて点灯し赤は消灯する。紙残量が90mから40mの時は、図7(b)のように、一番上の緑を消灯し、それ以外の緑を点灯、赤を消灯する。紙残量が40mから10mの時は、図7(c)のように、上の緑二点を消灯し、下の緑二点点灯、赤を消灯する。紙残量が10m以下の時は、図7(d)のように、上の緑三点を消灯し、下の緑一点点灯、赤を消灯する。そして、紙残量がなくなると、図7(e)のように、緑四点をすべて消灯し、赤一点を点灯させる。残量検出センサ10はロール紙がセットされていない状態も検出するので、セット検知センサとしても機能しており、ロール紙4がセットされていないときも図7(e)のように紙残量表示部2bのうちの赤一点を点灯させる。そのため、紙なしを示す点灯部はロール紙4がセットされているか否かを示すセット状態点灯部としても機能する。
【0027】
発光色はこれに限定されないが、第1の実施形態で説明した給紙状態表示部2aと、紙残量表示部2b、さらに紙残量表示部2bの内、紙なしの表示色はそれぞれ異なる色にすることが好ましい。また、紙残量がなくなると、紙残量表示部2bの内、一番下の赤だけを点灯をさせたが、紙残量表示部2bは全て緑色に点灯するような構成とし、紙残量がない場合には紙残量表示部2bをすべて消灯させるような形態としても良い。ただし、ここまで説明したように紙残量がない場合に異なる色(ここでは赤色)を点灯することで、ユーザへ紙残量がないことを強調して通知することができる。また図7では、記録装置1の外装の表側から見える複数設けられた点灯部の内、紙残量表示部2bを全て同じ長さにしたが、変更してもよい。例えば図7(f)のように、残量が多い方が長くするようにしてもよい。紙残量表示部2bの数も5つに限定されない。さらに、上述した紙残量の長さの条件は一例であり、これに限定されない。特に紙残量なしの赤点灯は、著しく紙がなくなったこと意味し、紙残量が所定量以下であったときに赤点灯すれば良く、完全にゼロになる前に赤点灯することが好ましい。
【0028】
以上のように紙残量をインジケータ部に表示することにより、ユーザは、記録装置1の前まで移動したり、直接ロール紙4の残量を確認したりしなくとも、記録装置1から少し離れた位置からでも容易に紙残量を確認することができる。ユーザは一目で残量が確認できるので、残量が少ない場合にはプリントジョブを大量に記録装置1に送る前にロール紙4を交換するようにすることができ、プリントの途中でロール紙4が不足することによるプリント中断を軽減することができる。また、プリント中に交換するためのロール紙4の準備を行うこともできるため、ユーザは効率的にプリントを行うことができる。
【0029】
さらに、表示される紙残量表示部2bは、紙の長さに限らず、例えば図7(g)のように、残量の長さを、よく使う紙サイズで換算するとあと何枚プリントが可能かを制御部9で計算し、それに応じて紙残量表示部2bを点灯しても良い。こうすることによって、ユーザはあと何枚プリントできるのかを確認することができる。そのためユーザがプリントする枚数から、ロール紙4が足りるか否かより正確に把握することができる。
【0030】
[第3の実施形態]
ここまで、給紙状態と紙残量の表示について説明してきた。本実施形態のインジケータ部は、ロール紙4の幅を表示させることができる。図8を用いて、記録装置1にセットされたロール紙の幅を表示する構成について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については、その説明を省略する。
【0031】
図8は、記録装置の内部構成と、制御構成を示す図である。12は、記録装置1内にあり、スプール11を保持する保持部である。保持部12には、スプール11の有無を検知する機械式センサ12aが設けられている。
【0032】
スプール11を介してロール紙4を保持部12にセットして、ロール紙4を搬送すると、図8では不図示の搬送ローラ6にニップされる。搬送ローラ6は図1に示す構成と同様の構成である。そして制御部9は、第1の実施形態で説明した方法でロール紙4が搬送ローラ6にニップされていることを判別したら、走査部7aを駆動することでキャリッジ7を走査する。そのとき、キャリッジ7に搭載した光学式センサ7bで給紙したロール紙4の左右の紙端を検出する。そして、制御部9はキャリッジ7の走査距離と光学式センサ7bが検出した左右の紙端からロール紙4の紙幅取得を行い、取得した紙幅に応じてインジケータ部2の紙幅表示部2cの点灯制御を行い、検出した紙幅に対応する点灯部が点灯するようにする。紙幅表示部2c(幅点灯部)は図2のインジケータ部2と同様に、発光部、基板、ライトガイド、点灯部を備える構成とする。
【0033】
図8では、上段のロール紙4が不図示の搬送ローラ6にニップされている。ニップされているロール紙4の幅が例えば24インチ幅であると判定されると、制御部9は、上段に対応するインジケータ部2の紙幅表示部2cの24inchの点灯部を点灯する。また、以前給紙され、紙幅が検出された下段のロール紙4に対応するインジケータ部2の紙幅表示部2cは「A0」を点灯する。本実施形態のインジケータ部2は図1のインジケータ部2と同様の場所に配置されている。一度ロール紙4の紙幅を求めたら、機械式センサ12aがスプール11を外したことを検知するまで、給紙段と紙幅情報とを対応付けて記憶部13に記憶し、制御部9はインジケータ部2の紙幅表示部2cにて表示を続ける。以上のように紙幅をインジケータ部2に表示することで、不図示の扉5が閉められた状態でも、給紙状態に関わらず、ユーザは記録装置1にセットされたロール紙4の紙幅を簡単に知ることができる。さらに、第1の実施形態で説明した給紙状態表示部2aと組み合わせることにより、記録装置1がプリント中でもユーザは、搬送ローラ6がニップしていない方の段の扉5を開けて、所望する幅のロール紙4をセット、交換をすることが可能となる。
【0034】
また、ロール紙4の紙幅は多種存在し、それに応じて多数の紙幅表示部2cを設けると、記録装置1に対してインジケータ部2の表面積が大きくなってしまう。ただし、実際に使用するロール紙4の紙幅は、ユーザごとにある程度限定されていることが多い。そこで、インジケータ2にどの紙幅を紙幅表示部2cに表示させるのか予め設定できるようにしてもよい。予めの設定は、オペレーションパネル3を操作することで行い、通常よく使う紙幅をインジケータ部2の紙幅表示部2cに表示できるようにする。図8ではテーブルのセット例を示しており、図8ではテーブルの内黒く塗りつぶされた、24inch、36inch、A1、A0が選択されている。
【0035】
以上説明したように、ユーザが通常よく使うロール紙4の紙幅を少ない表示面積で紙幅表示部2cに表示させることができる。
【0036】
[第4の実施形態]
第3の実施形態では、インジケータ部2の紙幅表示部2cについて説明したのに対し、ここでは紙種表示について図9を用いて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については、その説明を省略する。
【0037】
スプール11を介してロール紙4を保持部12にセットして、ロール紙4を搬送すると、図9では不図示の搬送ローラ6にニップされる。搬送ローラ6は図1に示す構成と同様の構成である。ロール紙4を搬送ローラ6でニップした後、制御部9はオペレーションパネル3を介してユーザにオペレーションパネル3でロール紙4の紙種を設定することを求める。代表的な紙種としては、光沢紙(Glossy)、コート紙(Coated)、普通紙(Plain)がある。こうした紙種をユーザが入力設定したら、制御部9は、設定された紙の種類取得を行い、インジケータ部2に紙種表示部2d(種類点灯部)の点灯制御で取得した紙の種類に対応する点灯部が点灯するようにする。紙種表示部2dは図2のインジケータ部2と同様に、発光部、基板、ライトガイド、点灯部を備える構成とする。
ユーザが代表的な紙種を選択しない場合もあるのでインジケータ部2の紙種表示部2dにはその他の紙種のロール紙4がセットされていることを示す「Etc.」も点灯できる構成とする。本実施形態のインジケータ部2は図1のインジケータ部2と同様の場所に配置されている。以上のように紙種をインジケータ部2に表示することで、不図示の扉5が閉められた状態でも、ユーザは記録装置1にセットされたロール紙4の紙幅を簡単に知ることができる。
【0038】
図9では、上段のロール紙4が不図示の搬送ローラ6にニップされており、ユーザによって光沢紙が設定され紙種表示部2dの「Glossy」を点灯することで上段のロール紙4が光沢紙であることを示している。また、以前給紙され、紙種として普通紙が設定された下段のロール紙4に対応するインジケータ部2の紙種表示部2dは「Plain」を点灯する。一度ロール紙4の紙種を入力設定されたら、機械式センサ12aがスプール11を外したことを検知するまで、給紙段と紙種情報とを関連付けて記憶部13で記憶し、制御部9はインジケータ部2の紙種表示部2dにて表示を続ける。以上のように紙種をインジケータ部2に表示することで、不図示の扉5が閉められた状態でも、給紙状態に関わらず、ユーザは記録装置1にセットされたロール紙4の紙種を簡単に知ることができる。
【0039】
さらに、第1の実施形態で説明した給紙状態表示部2aと組み合わせることにより、プリント中でもユーザは、搬送ローラ6がニップしていないロール紙4が収納される段の扉5を開けて、所望の紙種のロール紙4をセット、交換することが可能となる。
【0040】
また、紙種によって紙厚が特定できる場合には、第2の実施形態2で説明した残量検出センサ10による検出値と併せて、さらに正確な紙残量を求めることができる。これにより、より正確な残量表示が紙残量表示部2bで可能となる。
【0041】
[第5の実施形態]
ここまで説明した実施形態はロール紙4の状態をインジケータ部2に表示させるものであった。本実施形態では、インジケータ部2にプリント完了までの時間を表示させる。なお、上述の実施形態と同様の部分ついては、その説明を省略する。
【0042】
図10は記録装置のブロック図である。記録装置1は、ホスト装置からネットワークを介して送られる、記録する画像情報を含むプリント情報を通信部14で受け取り、記憶部13に保存する。制御部9は記憶部13からプリント情報を抽出し、解析することでプリント時間の推定時間を算出し、時間取得を行う。そして図11(b)のように、その推定時間をプリント完了までの時間として図11(a)に示すインジケータ部2のプリント完了時間表示部2e(時間点灯部)にプリント完了までの時間を示すような表示を行う。さらに制御部9はキャリッジ7を走査しながらキャリッジ7に搭載された画像形成部7cからインクを吐出させ、ロール紙4にプリントを行う。
【0043】
本実施形態のインジケータ部2を図11(a)に示す。インジケータ部2はプリント完了時間表示部2eを備える。プリント完了時間表示部2eは図2のインジケータ部2と同様に、発光部、基板、ライトガイド、点灯部を備える構成とする。本実施形態では、プリント完了時間表示部2eを点滅させることで残りのプリント完了時間を通知する。図11(c)~(f)にプリント完了時間表示部2eの点滅パターンを示す。プリント完了時間表示部2eは、図11(c)のように、プリント完了時間が長い時は周波数を高く点滅させ、プリント完了までの残り時間が短くなるにしたがってその周波数を下げ、最終的には消灯させる。これによってユーザは点滅の周期が長くなってくるとプリント完了に近づいていることが分かる。
【0044】
プリント完了時間の表示はこれに限られない。他の形態の例を以下に示す。図11(d)のように、プリント完了までの残り時間が長い時は周波数を低く点滅させ、プリント完了までの残り時間が短くなるにしたがって点滅の周波数を上げ、最終的には点灯させる。
あるいは図11(e)のように、図11(c)(d)の点灯と消灯の時間を反転させて図11(e)(f)のような点滅パターンとしてもよい。
【0045】
以上のように、インジケータ部2のプリント完了時間表示部2eの点灯部を一点だけ設け、点灯部の点滅の周波数変調によってプリント完了までの時間を通知する。こうすることによって、最小面積でかつ単色でプリント完了時間を表示することが可能となる。プリント完了までの時間を簡単に知ることができるようになることで、ユーザがプリント完了までの時間が分からないことに対して感じるストレスの軽減が期待できる。
【0046】
また、上記では単色で点滅することで表示したが、複数色を使用してプリント完了までの時間を通知してもよい。プリント完了時間表示部2eは点滅以外にも、図11(g)のように、プリント完了時間が長い時は赤点灯し、次に黄色点灯、最終的には緑点灯するというように、色を変更させてもよい。この表示方法でも最小面積でプリント完了時間を表示することができる。なお、色やその点灯の順番については、これに限定されない。
【0047】
また、プリント完了時間表示部2eの点灯部を複数設けてもよい。図11(h)のように三点の場合、プリント完了時間が長い時は全チャンネル点灯し、ch1、ch2と順に消灯させ、最終的にはch3まですべて消灯させる。このようにプリント完了時間表示部2eが点灯部を複数有するようにすることでより直感的にプリント完了時間を表示することができる。さらにch1からch3までプリント完了時間表示部2eの幅を順に狭くすることで、プリント完了時間の表現力が向上する。なお、ここではプリント完了時間が減るごとに順番に消灯させる方法について説明したが、この反対に初めにすべて消灯させ順番に点灯させても良い。同様に、プリント完了時間表示部2eの幅を順に広げても良い。
【0048】
ここまではプリント完了までの残り時間を通知するための表示方法について説明したが、残りプリント枚数をインジケータ部2に表示させても良い。
【0049】
さらに記録装置1は、図10に示すようにネットワークに接続され、複数のユーザがそれぞれのプリント情報を記録装置1に送ることができる。制御部9は、プリント完了は1つのプリント情報に従ってプリントを行う時間について表示するようにしても良いし、現在受信している全てのプリント情報のプリント時間の総和についてインジケータ部2に表示させても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 記録装置
2 インジケータ部
2a 給紙状態表示部
2b 紙残量表示部
2c 紙幅表示部
2d 紙種表示部
2e プリント完了時間表示部
2f 発光部
2g ライトガイド
2h 点灯部
3 オペレーションパネル
4 ロール紙
5 扉
6 搬送ローラ
7 キャリッジ
7c 画像形成部
8 紙検出センサ
9 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロール状の記録媒体をそれぞれセットするための複数のセット部と、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に搬送された前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、
前記セット部それぞれに対応して設けられ、前記セット部の状態について示す表示部と、
を有し、
前記記録手段が記録媒体に画像の記録を行っているときに、前記複数の表示部は対応する前記セット部にセットされた記録媒体が交換可能であるか否かを示し、
前記表示部は対応する前記セット部にセットされている記録媒体が前記記録手段で記録可能な所定の位置まで搬送されている場合には、記録媒体が交換可能ではないことを示し、
前記表示部は対応する前記セット部にセットされている記録媒体が前記所定の位置まで搬送されていない場合には、記録媒体が交換可能であることを示すことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録手段が記録媒体への記録の待機状態にあるときも、前記複数の表示部は対応する前記セット部にセットされた記録媒体が交換可能であるか否かを示すことを特徴とする請求項1に記載の記録装置
【請求項3】
前記記録手段と対向する位置に設けられたプラテンを有し、
前記搬送手段の搬送ローラは、前記プラテンに近接し、記録媒体の搬送方向において前記プラテンの上流に配置されており、
前記所定の位置は記録媒体が前記搬送ローラにニップされる位置であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置
【請求項4】
前記表示部は第1点灯部を含み、
前記第1点灯部は、前記記録媒体が前記所定の位置まで搬送された場合には第1の色で点灯し、
前記第1点灯部は、前記記録媒体が前記所定の位置まで搬送されていない場合には前記第1の色とは異なる第2の色で点灯するか、または消灯することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項5】
前記セット部にセットされた記録媒体が所定の位置まで搬送されたかを検出する搬送検出部を備え、
前記複数の表示部は、前記記録手段が記録媒体に画像の記録を行っているとき、前記搬送検出部の検出結果に応じて前記セット部にセットされた記録媒体が交換可能であるか否かを示すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項6】
前記表示部は点灯部を含み、前記点灯部は、対応するセット部の状態を消灯または点灯、あるいは、第1の色で点灯または前記第1の色とは異なる第2の色で点灯して示すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項7】
前記表示部は第1点灯部を含み、前記第1点灯部が消灯することで、対応する前記セット部にセットされた記録媒体が交換可能であることを示すことを特徴とする請求項6に記載の記録装置
【請求項8】
前記表示部は、前記第1点灯部が点灯することで、対応する前記セット部にセットされた記録媒体が交換不可であることを示すことを特徴とする請求項7に記載の記録装置
【請求項9】
前記第1点灯部が青色に点灯しているときには、対応する前記セット部にセットされた記録媒体が交換不可であることを示すことを特徴とする請求項7に記載の記録装置
【請求項10】
前記表示部は、第2点灯部を含み、
前記セット部にセットされた記録媒体を検出するセット検出手段を、前記複数のセット部それぞれに有し、
前記セット検出手段の検出結果に応じて前記第2点灯部は点灯または消灯することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項11】
前記セット検出手段によって前記記録媒体を検出した場合には、当該セット検出手段に対応する前記表示部の前記第2点灯部を消灯し、
前記セット検出手段によって前記記録媒体を検出していない場合には、当該セット検出手段に対応する前記表示部の前記第2点灯部を点灯する
ことを特徴とする請求項10に記載の記録装置
【請求項12】
前記第2点灯部は複数の点灯部を有し、複数の点灯部のうち少なくとも一つが赤色で点灯することを特徴とする請求項10または11に記載の記録装置
【請求項13】
前記第2点灯部は複数の点灯部を有し、複数の点灯部のうち少なくとも一つが青色で点灯することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項14】
前記セット部にセットされている記録媒体の残量を検出する残量検出手段を有し、
前記表示部は対応する前記セット部にセットされている記録媒体の残量を表示する第3点灯部を有し、
前記残量検出手段の検出結果に応じて前記第3点灯部の点灯状態を変更することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項15】
前記第3点灯部はそれぞれの前記表示部に複数設けられており、
前記残量検出手段の検出結果が示す記録媒体の残量に応じて、点灯する前記第3点灯部の数を変えることを特徴とする請求項14に記載の記録装置
【請求項16】
前記表示部は前記セット部にセットされた記録媒体が交換可能であるか否かを示す第1点灯部と、前記セット部の記録媒体のセット状態を示す第2点灯部と、を有し、
前記第1点灯部の幅は、前記第2点灯部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項17】
前記表示部は対応する前記セット部にセットされている記録媒体の残量を表示する第3点灯部を有し、
前記第2点灯部の幅は前記第3点灯部の幅より大きいことを特徴とする請求項16に記載の記録装置
【請求項18】
前記記録手段と対向する位置に設けられたプラテンを有し、
前記搬送手段は搬送ローラを有し、前記搬送ローラは、前記プラテンに近接し、記録媒体の搬送方向において前記プラテンの上流に配置されており、
前記セット部にセットされた記録媒体が前記搬送ローラにニップされた位置である所定の位置まで搬送されたかを検出する搬送検出手段と、
前記複数のセット部毎に設けられた、前記セット部にセットされた記録媒体を検出するセット検出手段と、
を有し、
前記複数のセット部は第1のセット部を有し、
前記第1のセット部に対応して設けられるセット検出手段として第1のセット検出手段を有し、
前記搬送検出手段の検出結果が記録媒体が前記所定の位置まで搬送されていることを示し、かつ、前記第1のセット部に対応する前記第1のセット検出手段の検知結果が前記第1のセット部に記録媒体があることを示す場合には、前記第1のセット部に対応する前記表示部は前記第1のセット部にセットされた記録媒体が交換可能ではないことを示し、
前記搬送検出手段の検出結果が記録媒体が前記所定の位置まで搬送されていることを示し、かつ、前記第1のセット部に対応する前記第1のセット検出手段の検知結果が前記第1のセット部に記録媒体がないことを示す場合には、前記第1のセット部に対応する前記表示部は前記第1のセット部にセットされた記録媒体が交換可能であることを示し、
前記搬送検出手段の検出結果が記録媒体が前記所定の位置まで搬送されていないことを示す場合には、前記第1のセット部に対応する前記表示部は前記第1のセット部にセットされた記録媒体が交換可能であることを示すことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項19】
前記セット部に記録媒体をセットする際に開ける扉或いは引き出しを更に有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項20】
記録可能な所定の位置に給紙されていない記録媒体がセットされている前記セット部の前記扉或いは前記引き出しを前記記録手段が記録媒体に記録を行っているときに開けても、記録を停止しないことを特徴とする請求項19に記載の記録装置。
【請求項21】
前記表示部の点灯部の点灯色は、前記点灯部の周りの色とは異なる色であることを特徴とする請求項乃至17のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項22】
前記点灯部の周りの色は、白系の色であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項23】
ユーザが前記記録装置への指示を行うオペレーションパネルを更に有することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項24】
前記表示部と、前記オペレーションパネルは、前記記録装置の左右のうち同じ側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項25】
前記表示部は前記扉或いは前記引き出しが開かれた面に設けられていることを特徴とする請求項19に記載の記録装置
【請求項26】
ユーザが前記記録装置に対して指示を行うための操作パネルをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の記録装置
【請求項27】
前記表示部と前記操作パネルは、前記記録装置の左右いずれか同じ側に配置されていることを特徴とする請求項26に記載の記録装置
【請求項28】
前記表示部と前記操作パネルは前記記録装置の前面を正面から見て前記記録装置の右側に設けられていることを特徴とする請求項27に記載の記録装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、複数のロール状の記録媒体をそれぞれセットするための複数のセット部と、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段に搬送された前記記録媒体に画像の記録を行う記録手段と、前記セット部それぞれに対応して設けられ、前記セット部の状態について示す表示部と、を有し、前記記録手段が記録媒体に画像の記録を行っているときに、前記複数の表示部は対応する前記セット部にセットされた記録媒体が交換可能であるか否かを示し、前記表示部は対応する前記セット部にセットされている記録媒体が前記記録手段で記録可能な所定の位置まで搬送されている場合には、記録媒体が交換可能ではないことを示し、前記表示部は対応する前記セット部にセットされている記録媒体が前記所定の位置まで搬送されていない場合には、記録媒体が交換可能であることを示すことを特徴とする。