(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167428
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】表示装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04886 20220101AFI20241126BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20241126BHJP
【FI】
G06F3/04886
G06F3/04817
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157794
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2020141432の分割
【原出願日】2020-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】藤原 桃子
(57)【要約】
【課題】折り曲げ可能な表示部に対し、表示部の折り曲げ角度によらずに受付部を同じ態様で表示する場合と比較して、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制する。
【解決手段】表示制御装置は、プロセッサを有し、プロセッサは、折り曲げ可能な表示部の折り曲げ角度を取得し、ユーザによる入力を受け付ける受付部を、折り曲げ角度に応じて異なる態様で表示部に表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
折り曲げ可能な表示部の折り曲げ角度を取得し、
ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記表示部に表示させる
表示制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記折り曲げ角度に応じて、前記表示部における前記受付部の表示位置、当該表示部における当該受付部の表示面積、および前記受付部を構成する構成要素の少なくとも1つを異ならせて、当該表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記折り曲げ角度が小さいほど、前記表示部における前記受付部の表示面積を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記折り曲げ角度が小さいほど、前記受付部を、前記表示部の折り曲げ部から離れた位置に表示させることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記受付部を表示する態様を、前記折り曲げ角度に応じて連続して変化させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記表示部に対して予め定められた操作が行われた場合に、当該表示部に前記受付部を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記表示部に対し前記受付部を用いた入力を必要とする操作が行われた場合に、当該表示部に当該受付部の表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記表示部に前記受付部が表示されていない状態で当該表示部が予め定められた角度に折り曲げられた場合に、当該表示部に前記受付部の表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記表示部に前記受付部を表示した後、前記折り曲げ角度が変更された場合に、当該折り曲げ角度に応じて当該受付部を表示する態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記表示部に前記受付部を表示した後、前記折り曲げ角度が変更された場合であっても、当該表示部に表示される画像の内容が予め定められた条件を満たす場合には、当該受付部を表示する態様を変更しないことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、さらに、前記表示部の向きに関する情報を取得し、
前記表示部の向きおよび前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記受付部を当該表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、折り曲げ部を挟んで並ぶ第1表示領域と第2表示領域とを有する前記表示部に対し、当該表示部の向きおよび前記折り曲げ角度に応じて、当該第1表示領域および当該第2表示領域のいずれか一方または双方に前記受付部を表示させることを特徴とする請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項13】
折り曲げ可能な表示部と、
ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記表示部の折り曲げ角度に応じて異なる態様で当該表示部に表示させる表示制御部と
を備える表示装置。
【請求項14】
コンピュータに対し、
折り曲げ可能な表示部の折り曲げ角度を取得する機能と、
ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記表示部に表示させる機能と
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として特許文献1には、折り曲げ可能なタッチパネル表示手段を有する情報処理装置において、タッチパネル表示手段が折り曲げられた場合に、タッチパネル表示手段の表示領域に入力部を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
折り曲げ可能なディスプレイ等の表示部に対し、ユーザによる入力を受け付ける受付部を、表示部の折り曲げ角度によらずに同じ態様で表示する場合、表示部の折り曲げ角度によっては、ユーザによる受付部に対する入力の操作性が低下する場合がある。
本発明は、折り曲げ可能な表示部に対し、表示部の折り曲げ角度によらずに受付部を同じ態様で表示する場合と比較して、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、折り曲げ可能な表示部の折り曲げ角度を取得し、ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記表示部に表示させる表示制御装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記折り曲げ角度に応じて、前記表示部における前記受付部の表示位置、当該表示部における当該受付部の表示面積、および前記受付部を構成する構成要素の少なくとも1つを異ならせて、当該表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記折り曲げ角度が小さいほど、前記表示部における前記受付部の表示面積を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記折り曲げ角度が小さいほど、前記受付部を、前記表示部の折り曲げ部から離れた位置に表示させることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記受付部を表示する態様を、前記折り曲げ角度に応じて連続して変化させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記表示部に対して予め定められた操作が行われた場合に、当該表示部に前記受付部を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記表示部に対し前記受付部を用いた入力を必要とする操作が行われた場合に、当該表示部に当該受付部の表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記表示部に前記受付部が表示されていない状態で当該表示部が予め定められた角度に折り曲げられた場合に、当該表示部に前記受付部の表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記表示部に前記受付部を表示した後、前記折り曲げ角度が変更された場合に、当該折り曲げ角度に応じて当該受付部を表示する態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記表示部に前記受付部を表示した後、前記折り曲げ角度が変更された場合であっても、当該表示部に表示される画像の内容が予め定められた条件を満たす場合には、当該受付部を表示する態様を変更しないことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置である。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、さらに、前記表示部の向きに関する情報を取得し、前記表示部の向きおよび前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記受付部を当該表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、折り曲げ部を挟んで並ぶ第1表示領域と第2表示領域とを有する前記表示部に対し、当該表示部の向きおよび前記折り曲げ角度に応じて、当該第1表示領域および当該第2表示領域のいずれか一方または双方に前記受付部を表示させることを特徴とする請求項11に記載の表示制御装置である。
請求項13に記載の発明は、折り曲げ可能な表示部と、ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記表示部の折り曲げ角度に応じて異なる態様で当該表示部に表示させる表示制御部とを備える表示装置である。
請求項14に記載の発明は、コンピュータに対し、折り曲げ可能な表示部の折り曲げ角度を取得する機能と、ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記表示部に表示させる機能とを実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、折り曲げ可能な表示部に対し、表示部の折り曲げ角度によらずに受付部を同じ態様で表示する場合と比較して、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、折り曲げ角度によらずに受付部の表示位置、受付部の表示面積および受付部を構成する構成要素を同一とする場合と比べて、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
請求項3に記載の発明によれば、折り曲げ角度によらずに受付部の表示面積を一定とした場合と比べて、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、折り曲げ角度によらずに受付部を表示する位置を一定とした場合と比べて、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、受付部を表示する態様を連続して変化させない場合と比べて、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、表示部に対する操作によらずに受付部を表示させる場合と比べて、ユーザによる受付部の利便性の低下を抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、入力を必要とする操作が行われた場合に受付部の表示を行わない場合と比べて、迅速に受付部を表示することができる。
請求項8に記載の発明によれば、表示部が折り曲げられた場合に受付部の表示を行わない場合と比べて、迅速に受付部を表示することができる。
請求項9に記載の発明によれば、変更後の折り曲げ角度に応じて受付部を表示する態様を変更しない場合と比べて、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
請求項10に記載の発明によれば、折り曲げ角度が変更された後、表示部に表示される画像の内容によらずに変更後の折り曲げ角度に応じて受付部を表示する態様を変更する場合と比べて、ユーザによる受付部の利便性の低下を抑制することができる。
請求項11、12に記載の発明によれば、表示部の向きによらずに受付部を同じ態様で表示する場合と比べて、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
請求項13、14に記載の発明によれば、折り曲げ可能な表示部に対し、表示部の折り曲げ角度によらずに受付部を同じ態様で表示する場合と比較して、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)~(d)は、本実施の形態が適用される情報処理装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】本実施の形態が適用される情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施の形態の制御部により実行される処理の手順を示したフローチャートである。
【
図4】表示領域に表示される第1態様の受付部を示した図である。
【
図5】表示領域に表示される第2態様の受付部を示した図である。
【
図6】(a)~(b)は、表示領域に表示される第3態様の受付部を示した図である。
【
図7】表示領域に表示される第4態様の受付部を示した図である。
【
図8】表示領域に表示される第5態様の受付部を示した図である。
【
図9】(a)~(c)は、表示領域に表示される画像の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1(a)~(d)は、本実施の形態が適用される情報処理装置1の一例を示す斜視図である。
図1(a)は、情報処理装置1を開いた状態(後述する折り曲げ角度θが180°である状態)を示した図である。また、
図1(b)は、情報処理装置1を折り曲げた状態(折り曲げ角度θが120°である状態)を示した図である。さらに、
図1(c)は、情報処理装置1を折り曲げた状態(折り曲げ角度θが240°である状態)を示した図である。さらにまた、
図1(d)は、情報処理装置1を閉じた状態(折り曲げ角度θが0°である状態)を示した図である。また、
図2は、本実施の形態が適用される情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
本実施の形態の情報処理装置1は、画像を表示する表示部を備える装置であり、例えば、タブレット型端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム用機器、PC(Personal Computer)等である。
【0009】
本実施の形態の情報処理装置1は、画像を表示する表示領域20を有し折り曲げ可能な表示部10と、表示部10の折り曲げ角度θ等を検知する検知部30と、検知部30による検知結果に基づいて表示部10の表示領域20における表示を制御する表示制御装置または表示制御部の一例としての制御部50とを備えている。
【0010】
本実施の形態の表示部10は、長軸方向と短軸方向とを有する長方形の板形状を有しており、一方の面に表示領域20が設けられている。表示部10は、制御部50による制御に基づいて、表示領域20に画像を表示するとともに、表示領域20に対するユーザによる操作を受け付ける。表示部10としては、画像を表示する機能とユーザによる操作を受け付ける機能とを有していれば特に限定されず、例えば、タッチパネルを備えた液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を用いることができる。
【0011】
表示部10は、
図1(b)~(c)に示すように、短軸方向に沿って延びる折り曲げ部15を軸として折り曲げ可能になっている。なお、表示部10を折り曲げ可能にする構成としては、特に限定されないが、例えば、物理的な力により変形が可能な弾性材料や、一または複数のヒンジ等を採用することが挙げられる。
そして、表示領域20は、折り曲げ部15を挟んで長軸方向に並ぶ第1表示領域21と第2表示領域とにより構成されている。
【0012】
本実施の形態では、折り曲げ部15は、表示部10の長軸方向における中央に設けられている。これにより、第1表示領域21と第2表示領域22とは、面積が互いに等しくなっている。
なお、折り曲げ部15の位置は、表示部10の長軸方向における中央に限定されるものではなく、第1表示領域21と第2表示領域22との面積が異なるような位置であってもよい。また、折り曲げ部15は、表示部10の長軸方向に沿って延びていてもよい。
【0013】
検知部30は、表示部10の加速度を検知する。検知部30は、
図1(a)~(c)および
図2に示すように、表示部10の第1表示領域21における加速度を検知する第1加速度センサ31と、表示部10の第2表示領域22における加速度を検知する第2加速度センサ32とを有している。
第1加速度センサ31は、第1表示領域21の加速度として、表示部10の長軸方向の加速度、表示部10の短軸方向の加速度、および第1表示領域21に垂直な方向(すなわち、長軸方向と短軸方向とに垂直な方向)の加速度を検知する。同様に、第2加速度センサ32は、第2表示領域22の加速度として、表示部10の長軸方向の加速度、表示部10の短軸方向の加速度、および第2表示領域22に垂直な方向(すなわち、長軸方向と短軸方向とに垂直な方向)の加速度を検知する。
【0014】
第1加速度センサ31および第2加速度センサ32は、情報処理装置1が起動されている間、継続して、または予め定められたタイミングで定期的に、第1表示領域21および第2表示領域22の加速度の検知を行う。
そして、検知部30は、第1加速度センサ31により検知される第1表示領域21の加速度と、第2加速度センサ32により検知される第2表示領域22の加速度とを、制御部50に出力する。
詳細については後述するが、制御部50は、検知部30から出力された第1表示領域21の加速度および第2表示領域22の加速度から、表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きを取得する。
【0015】
ここで、表示部10の折り曲げ角度θとは、
図1(a)~(c)に示すように、表示部10における第1表示領域21と第2表示領域22とがなす角度を意味する。
本実施の形態の情報処理装置1は、折り曲げ角度θが、0°以上360°未満の範囲となるように、表示部10が折り曲げ可能に構成されている。例えば、折り曲げ角度θが0°とは、
図1(d)に示すように、表示部10を閉じた状態であって、第1表示領域21(
図1(a)参照)と第2表示領域22(
図1(a)参照)とが向かい合っている状態である。折り曲げ角度θが180°とは、
図1(a)に示すように、第1表示領域21と第2表示領域22とが互いに等しい方向を向き、第1表示領域21と第2表示領域22とが平坦になっている状態である。
【0016】
また、表示部10の向きとは、表示領域20に表示される画像の向きに対する表示部10の向きを意味する。本実施の形態の情報処理装置1では、表示部10の向きは、例えばユーザによる情報処理装置1の使用状態等によって、表示領域20に表示される画像の上下方向が表示部10の短軸方向に沿う第1の向き(後述する
図4~
図6参照)と、表示領域20に表示される画像の上下方向が表示部10の長軸方向に沿う第2の向き(後述する
図7、
図8参照)とに切り替えられる。
表示部10の向きが第1の向きである場合、表示部10では、第1表示領域21と第2表示領域22とが左右に並んだ状態で、表示領域20に画像が表示される。また、表示部10の向きが第2の向きである場合、表示部10では、第1表示領域21と第2表示領域22とが上下に並んだ状態で、表示領域20に画像が表示される。
【0017】
なお、本実施の形態の検知部30は、表示領域20の加速度を検知する第1加速度センサ31および第2加速度センサ32を用いているが、これに限られるものではない。制御部50が、検知部30による検知結果に基づいて表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きを取得することができれば、検知部30として角速度センサや地磁気センサ等を用いてもよく、複数種類のセンサを組み合わせて用いてもよい。
【0018】
制御部50は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)55を有している。
CPU51は、プロセッサの一例であって、ROM53等に記憶された各種プログラムをRAM55にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。RAM55は、CPU51の作業用メモリ等として用いられるメモリである。ROM53は、CPU51が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0019】
制御部50は、検知部30から出力された第1表示領域21の加速度および第2表示領域22の加速度を取得する。そして、制御部50は、第1表示領域21の加速度および第2表示領域22の加速度から、表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きを取得する。
【0020】
また、制御部50は、表示部10の表示領域20における表示を制御する。詳細については後述するが、制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きに基づいて、ユーザによる操作を受け付ける受付部70(後述する
図4等参照)を表示領域20に表示させる。
受付部70は、表示領域20に表示され、ユーザの指先やタッチペンによる接触(タッチ)等の操作により文字等の入力を受け付けるための画像である。受付部70としては、例えば、表示領域20に表示されるソフトウェアキーボードや表示領域20に表示される各種のボタン等が挙げられる。なお、本実施の形態の説明において、文字等とは、単語や文、数式等を作成する際に用いる記号であって、受付部70の操作により入力される文字の他、記号、絵文字、スタンプ等も含む。
【0021】
ところで、折り曲げ可能な表示部10を有する情報処理装置1では、表示部10の折り曲げ角度θによらずに受付部70を同じ態様で表示領域20に表示する場合、表示部10の折り曲げ角度θによっては、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下する場合がある。
これに対し、本実施の形態の情報処理装置1では、制御部50が、検知部30による検知結果から、表示部10の折り曲げ角度θを取得する。そして、制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θに応じて、受付部70を異なる態様で表示領域20に表示させる。これにより、本実施の形態の情報処理装置1では、表示部10の折り曲げ角度θによらずに受付部70を同じ態様で表示領域20に表示させる場合と比べて、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することを抑制する。
以下、制御部50が行う処理、および制御部50による制御に基づいて表示部10の表示領域20に表示される受付部70の態様について、詳細に説明する。
【0022】
図3は、本実施の形態の制御部50により実行される処理の手順を示したフローチャートである。
情報処理装置1では、電源が投入され起動されると、検知部30により、第1表示領域21および第2表示領域22の加速度の検知が開始される。また、制御部50により、表示部10の表示領域20に対し、予め定められたホーム画面等の画像が表示されるとともに、表示領域20へのユーザの操作入力の有無等の監視が開始される。なお、情報処理装置1では、表示部10が閉じた状態(すなわち、表示部10の折り曲げ角度θが0°の場合)には、表示領域20への画像の表示が行われない。したがって、以下の処理は、表示部10が開いた状態、すなわち、表示部10の折り曲げ角度が0°より大きい場合に行われる。
【0023】
まず、制御部50は、表示部10に対しユーザによって予め定められた操作が行われたか否かの判定を行う。この例では、制御部50は、表示部10に対する予め定められた操作として、表示部10の表示領域20に表示される画像に対し、ユーザによって予め定められた入力開始操作が行われたか否かの判定を行う(ステップ101)。
ここで、入力開始操作とは、受付部70を用いた文字等の入力が必要となる操作である。入力開始操作としては、例えば、表示領域20に表示される文字等の入力欄(例えば、検索エンジンの入力欄、メッセージ入力欄、個人情報入力欄等)を選択する操作が挙げられる。また、入力開始操作としては、文字等の入力を必要とするアプリケーション(例えば、メモ帳アプリ、メールアプリ、SNS(Social Networking Service)アプリ等)を起動する操作が挙げられる。さらに、入力開始操作としては、表示領域20に表示される画像を、文字等の入力が求められる画像(例えば、パスワード入力画面等)へ遷移させる操作が挙げられる。
【0024】
表示領域20に表示される画像に対し入力開始操作が行われない場合(ステップ101にてNO)、制御部50は、一連の処理を終了する。
【0025】
一方、表示領域20に表示される画像に対し入力開始操作が行われた場合(ステップ101にてYES)、制御部50は、検知部30から出力された検知結果を取得する(ステップ102)。より具体的には、制御部50は、検知部30から出力された検知結果として、第1加速度センサ31により検知された第1表示領域21の加速度、および第2加速度センサ32により検知された第2表示領域22の加速度を取得する。
そして、制御部50は、取得した第1表示領域21の加速度および第2表示領域22の加速度から、表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きを取得する。
【0026】
次いで、制御部50は、ステップ102にて取得した表示部10の向きが、第1の向きであるか否かの判定を行う(ステップ103)。本実施の形態では、上述したように、第1の向きとは、第1表示領域21と第2表示領域22とが左右に並ぶ向きである。また、第2の向きとは、第1表示領域21と第2表示領域22とが上下に並ぶ向きである。
【0027】
表示部10の向きが第1の向きである場合(ステップ103にてYES)、制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θが180°であるか(θ=180°)、90°より大きく180°未満であるか(90°<θ<180°)、0°より大きく90°以下である、または180°より大きく360°未満であるか(0°<θ≦90°、180°<θ<360°)を判定する。
【0028】
表示部10の折り曲げ角度θが180°であると判定された場合(ステップ104にてθ=180°)、制御部50は、表示部10の表示領域20に、予め定められた第1態様で受付部70を表示させる(ステップ105)。
図4は、表示領域20に表示される第1態様の受付部70を示した図である。なお、
図4では、図の上下方向が、表示部10の表示領域20に表示される画像の上下方向に対応する。
【0029】
図4に示すように、第1態様の受付部70は、表示領域20の第1表示領域21と第2表示領域22とに跨って表示されている。また、第1態様の受付部70では、表示領域20において受付部70が表示される面積(以下、受付部70の表示面積と表記する。)は、表示領域20の約45%となっている。さらに、この例では、第1態様の受付部70は、PC(Personal Computer)等で用いられる物理的なキーボードと同様のキー配置を有している。
【0030】
ここで、表示部10の折り曲げ角度θが180°である場合、ユーザは、情報処理装置1をテーブル等において両手で表示領域20を操作し、または、情報処理装置1を一方の手で把持するとともに他方の手で表示領域20を操作することが多い。そして、表示部10の折り曲げ角度θが180°である場合、第1表示領域21と第2表示領域22とが平坦となっており、折り曲げ部15の周囲においても表示領域20に対するユーザの操作が阻害されにくい。
したがって、本実施の形態の情報処理装置1では、表示部10の折り曲げ角度θが180°である場合に、
図4に示す第1態様で第1表示領域21と第2表示領域22とに跨って受付部70を表示することで、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が良好となる。
【0031】
図3に戻り、表示部10の折り曲げ角度θが90°より大きく180°未満であると判定された場合(ステップ104にて90°<θ<180°)、制御部50は、表示部10の表示領域20に、上述した第1態様とは異なる第2態様で、受付部70を表示させる(ステップ106)。
ここで、受付部70について「異なる態様」とは、ユーザが受付部70を操作する際の操作性が異なる態様を意味する。また、操作性は、受付部70に対するユーザの手指やタッチペン等の届きやすさ、受付部70を構成する構成要素に対するタッチのしやすさ等を基準として判断される受付部70の操作のしやすさである。このような操作性が異なる態様として具体的には、表示部10の表示領域20における受付部70の表示位置、表示部10の表示領域20における受付部70の表示面積、受付部70を構成する構成要素の少なくとも1つが異なる態様が挙げられる。なお、受付部70を構成する構成要素としては、例えば、受付部70を構成するキーの種類、配置、数等が挙げられる。
【0032】
図5は、表示領域20に表示される第2態様の受付部70を示した図である。なお、
図5には、表示部10の折り曲げ角度θが120°である場合を示している。また、
図5では、図の上下方向が、表示部10の表示領域20に表示される画像の上下方向に対応する。
【0033】
図5に示すように、第2態様の受付部70は、表示領域20の第1表示領域21と第2表示領域22とに分かれて表示されている。また、第2態様の受付部70では、表示領域20における受付部70の表示面積が、第1態様の受付部70と比べて小さくなっている。さらに、第2態様の受付部70は、第1態様の受付部70とは異なり、折り曲げ部15から離れた位置に表示されている。付言すると、
図5に示す表示領域20では、折り曲げ部15に受付部70が表示されていない。さらにまた、この例では、第2態様の受付部70は、物理的なキーボードを、第1表示領域21に表示される部分と、第2表示領域22に表示される部分とに分割したキー配置(所謂スプリットキーボード)となっている。
【0034】
ここで、表示部10の折り曲げ角度θが90°以上180°未満である場合、ユーザは、情報処理装置1を両手で把持し、第1表示領域21を一方の手の親指で操作し、第2表示領域22を他方の手の親指で操作することが多い。そして、この場合、折り曲げ部15に近い表示領域20の中央部は、ユーザの手指(例えば親指)が届きにくい。また、表示部10の折り曲げ角度θが90°以上180°未満である場合、表示部10の折り曲げ角度θが180°である場合と比較して、折り曲げ部15に近い表示領域20の中央部にユーザの手指を挿入しにくい。このため、表示部10の折り曲げ角度θが90°以上180°未満である場合には、折り曲げ部15に近い表示領域20の中央部の操作性が低くなりやすい。
【0035】
これに対し、本実施の形態の情報処理装置1では、表示部10の折り曲げ角度θが90°以上180°未満である場合に、第1態様と比べて表示面積が小さく、表示位置が折り曲げ部15から離れている第2態様で受付部70を表示することで、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することが抑制される。
【0036】
図3に戻り、表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく90°以下である、または180°より大きく360°未満である場合(ステップ104にて0°<θ≦90°、180°<θ<360°)、制御部50は、表示部10の表示領域20に、第1態様および第2態様とは異なる第3態様で、受付部70を表示させる(ステップ107)。
図6(a)~(b)は、表示領域20に表示される第3態様の受付部70を示した図である。
図6(a)は、第3態様の受付部70の第1の例を示しており、
図6(b)は、第3態様の受付部70の第2の例を示している。なお、
図6(a)~(b)では、折り曲げ角度θが90°である場合を示している。また、
図6(a)~(b)では、図の上下方向が、表示部10の表示領域20に表示される画像の上下方向に対応する。
【0037】
図6(a)~(b)に示すように、第3態様の受付部70は、表示領域20の第1表示領域21または第2表示領域22のいずれか一方(この例では、第1表示領域21)に表示されている。また、第3態様の受付部70では、表示領域20における受付部70の表示面積が、第1態様および第2態様の受付部70と比べて小さくなっている。さらに、この例では、
図6(a)に示す第3態様の受付部70は、全てのアルファベットが所謂qwerty配列で並んでいる。また、
図6(b)に示す第3態様の受付部70は、アルファベットがテンキー配列で並んでいる。
【0038】
ここで、表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく90°以下である、または180°より大きく360°未満である場合、ユーザは、第1表示領域21または第2表示領域22の一方を主に視認し、他方については視認せずに情報処理装置1を使用することが多い。例えば、
図6(a)~(b)に示す例では、第1表示領域21を主に視認し、第2表示領域22については視認していないことが多い。このため、ユーザが視認しにくい領域(
図6(a)~(b)に示す例では、第2表示領域22)を、ユーザが操作することは難しい。
【0039】
これに対し、本実施の形態の情報処理装置1では、表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく90°以下である、または180°より大きく360°未満である場合、第1表示領域21または第2表示領域22のいずれか一方(
図6(a)~(b)に示す例では、第1表示領域21)に受付部70を表示することで、ユーザが視認しにくい領域(
図6(a)~(b)に示す例では、第2表示領域22)に受付部70が表示されにくくなる。これにより、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することが抑制される。
ここで、制御部50は、第1表示領域21または第2表示領域22のいずれに受付部70を表示するかを、例えば、検知部30による検知結果、表示領域20に表示される画像の状態、表示領域20に表示される画像に対するユーザの操作等に応じて決定することができる。
【0040】
また、制御部50は、第3態様で受付部70を表示する場合、ユーザによる操作等に応じて、第1表示領域21または第2表示領域22において受付部70を表示する位置や受付部70を表示する面積を、変更可能としてもよい。言い換えると、第3態様では、受付部70を、表示領域20における表示位置や表示面積が変更可能な所謂フローティングキーボードとしてもよい。
これにより、第1表示領域21または第2表示領域22において受付部70をユーザにとってより操作性の高い位置に表示することが可能となる。
【0041】
図3に戻り、表示部10の向きが第2の向きである場合(ステップ103にてNO)、制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく180°以下であるか(0°<θ≦180°)、180°より大きく360°未満であるか(180°<θ<360°)を判定する(ステップ108)。
【0042】
表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく180°以下であると判定された場合(ステップ108にて0°<θ≦180°)、制御部50は、表示部10の表示領域20に、上述した第1態様~第3態様とは異なる第4態様で、受付部70を表示させる(ステップ109)。
図7は、表示領域20に表示される第4態様の受付部70を示した図である。なお、
図7には、表示部10の折り曲げ角度θが90°である場合を示している。
【0043】
図7に示すように、第4態様の受付部70は、表示領域20の第1表示領域21または第2表示領域22のいずれか一方(この例では、第2表示領域22)に表示されている。また、この例では、第4態様の受付部70は、第2表示領域22の略全面に亘って表示されている。さらに、この例では、第4態様の受付部70は、PC等で用いられる物理的なキーボードと同様のキー配置を有している。
【0044】
ここで、表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく180°以下である場合、ユーザは、情報処理装置1をテーブル等において両手で表示領域20を操作し、または、情報処理装置1を一方の手で把持するとともに他方の手で表示領域20を操作することが多い。付言すると、表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく180°以下である場合、ユーザは、表示領域20のいずれか一方(この例では、画像の上下方向の上側に位置する第1表示領域21)を視認しながら、表示領域20の他方(この例では、画像の上下方向の下側に位置する第2表示領域22)を操作することが多い。
【0045】
本実施の形態の情報処理装置1では、表示部10の折り曲げ角度θが0°より大きく180°以下である場合に、ユーザが操作を行いやすい表示領域20の一方(この例では、第2表示領域22)のほぼ全面に、
図7に示す第4態様で受付部70を表示することで、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することが抑制される。
【0046】
図3に戻り、表示部10の折り曲げ角度θが180°より大きく360°未満であると判定された場合(ステップ108にて180°<θ<360°)、制御部50は、表示部10の表示領域20に、上述した第1態様~第4態様とは異なる第5態様で、受付部70を表示させる(ステップ110)。
図8は、表示領域20に表示される第5態様の受付部70を示した図である。なお、
図8には、表示部10の折り曲げ角度θが270°である場合を示している。
【0047】
図8に示すように、第5態様の受付部70は、表示領域20の第1表示領域21または第2表示領域22のいずれか一方(この例では、第1表示領域21)に表示されている。また、第5態様の受付部70は、第1表示領域21の一部の領域(この例では、画像の上下方向における下半分の領域)に表示されている。さらに、この例では、第5態様の受付部70は、全てのアルファベットが所謂qwerty配列で並んでいる。
【0048】
ここで、表示部10の折り曲げ角度θが180°より大きく360°未満である場合、ユーザは、情報処理装置1をテーブル等において両手で表示領域20を操作し、または、情報処理装置1を一方の手で把持するとともに他方の手で表示領域20を操作することが多い。付言すると、表示部10の折り曲げ角度θが180°より大きく360°未満である場合、ユーザは、表示領域20のいずれか一方(この例では、画像の上下方向の上側に位置する第1表示領域21)のみを視認および操作し、他方(この例では、画像の上下方向の下側に位置する第2表示領域22)については使用していないことが多い。
【0049】
本実施の形態の情報処理装置1では、表示部10の折り曲げ角度θが180°より大きく360°未満である場合に、ユーザが視認および操作を行う表示領域20の一方(この例では、第1表示領域21)の一部の領域に、
図8に示す第5態様で受付部70を表示することで、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することが抑制される。また、ユーザが視認および操作を行う表示領域20の一方(この例では、第1表示領域21)の一部の領域に受付部70を表示することで、受付部70が表示されていない領域に、他の画像を表示することができ、表示領域20の他方(この例では、第2表示領域22)を視認できない場合であっても、ユーザによる情報処理装置1の利便性が低下することが抑制される。
【0050】
図3に戻り、それぞれの態様で表示部10の表示領域20に受付部70を表示した後、制御部50は、ユーザによる受付部70を用いた文字等を入力する操作(以下、入力操作と表記する。)が終了したか否かを判定する(ステップ111)。
【0051】
入力操作が終了していない場合(ステップ111にてNO)、制御部50は、ステップ102に戻り、処理を継続する。この場合、情報処理装置1に対するユーザの操作等によって、表示部10の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きが変わると、制御部50によって、変更後の表示部10の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きに応じて、受付部70を表示する態様(第1態様~第5態様)が決定される。言い換えると、制御部50は、表示部10に受付部70を表示した後、表示部10の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きが変更された場合に、変更後の表示部10の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きに応じて受付部70を表示する態様を変更する。これにより、受付部70を表示する態様を、ユーザによる情報処理装置1の使用状態に適した態様にすることができ、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することが抑制される。
【0052】
一方、入力操作が終了した場合(ステップ111にてYES)、制御部50は、表示領域20における受付部70の表示を終了し、一連の処理を終了する。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置1では、制御部50が、表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きに応じて異なる態様で、受付部70を表示部10の表示領域20に表示させる。
これにより、表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きによらずに受付部70を同じ態様で表示する場合と比べて、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性の低下が抑制される。
【0054】
また、本実施の形態の情報処理装置1では、上述したように、表示部10の向きが第1の向きであって表示部10の折り曲げ角度θが180°以下である場合に、表示部10の折り曲げ角度θが小さいほど、表示部10において受付部70を表示する表示面積を小さくしている。
ここで、表示部10の折り曲げ角度θが180°以下である場合には、折り曲げ角度θが小さいほど、折り曲げ部15に近い表示領域20の中央部にユーザの手指を挿入しにくい。このため、折り曲げ角度θが小さいほど、表示領域20においてユーザが操作しやすい領域が小さくなる。
【0055】
これに対し、表示部10の折り曲げ角度θが小さいほど、表示部10において受付部70を表示する表示面積を小さくすることで、表示領域20においてユーザが操作しやすい領域に受付部70を表示しやすくなる。この結果、受付部70においてユーザが操作しにくい部分ができにくくなり、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することがより抑制される。
【0056】
さらに、本実施の形態の情報処理装置1では、上述したように、表示部10の向きが第1の向きであって表示部10の折り曲げ角度が90°より大きく180°以下である場合に、表示部10の折り曲げ角度θが小さいほど、受付部70を、表示部10において折り曲げ部15から離れた位置に表示させている。
ここで、表示部10の折り曲げ角度θが180°以下である場合には、折り曲げ角度θが小さいほど、折り曲げ部15に近い表示領域20の中央部にユーザの手指を挿入しにくい。このため、折り曲げ角度θが小さいほど、折り曲げ部15に近い領域では、ユーザが受付部70を操作しにくい。
【0057】
これに対し、表示部10の折り曲げ角度θが小さいほど、受付部70を折り曲げ部15から離れた位置に表示させることで、表示領域20においてユーザが操作しにくい位置に受付部70が表示されることが抑制される。この結果、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することがより抑制される。
【0058】
さらにまた、本実施の形態の情報処理装置1では、上述したように、表示部10の折り曲げ角度θが予め定められた範囲に属するか否かを判断し、これに基づいて第1態様~第5態様の中から受付部70を表示する態様を決定しているが、これに限られるものではない。制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θに応じて、受付部70を表示する態様を連続して変化させてもよい。具体的には、制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θに応じて、表示部10の表示領域20における受付部70の表示位置、表示領域20における受付部70の表示面積、および受付部70を構成する構成要素の少なくとも一つを、連続的に変化させてもよい。これにより、表示部10の表示領域20に対し、受付部70を、表示部10の折り曲げ角度に応じてより適した態様で表示することができる。
【0059】
図3および上述した実施の形態では、ステップ101において、表示部10に対する予め定められた操作として、表示部10の表示領域20に表示される画像に対し予め定められた操作(具体的には、入力開始操作)が行われたか否かを判定しているが、これに限られるものではない。
制御部50は、ステップ101において、表示部10に対する予め定められた操作として、表示部10の折り曲げ角度θを変える操作が行われたか否かを判定してもよい。すなわち、制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θを変える操作が行われた場合に、表示部10の折り曲げ角度θに応じて、表示部10の表示領域20に受付部70を表示させてもよい。
【0060】
図9(a)~(c)は、表示領域20に表示される画像の一例を示した図であって、表示部10の折り曲げ角度θを変える操作が行われた場合に、表示領域20に受付部70を表示する態様を説明するための図である。
図9(a)は、表示部10(
図1等参照)の折り曲げ角度θを変える操作が行われる前(例えば、折り曲げ角度θが180°の場合)に表示される画像を示しており、
図9(b)~(c)は、
図9(a)に示した状態から折り曲げ角度θを変える操作が行われた後(例えば、折り曲げ角度θが180°から120°に変えられた場合)に表示される画像を示している。
【0061】
情報処理装置1を使用するユーザは、表示部10の表示領域20に表示された画像を単に視認するだけの場合と、表示領域20に表示された受付部70を用いて文字等の入力操作を行う場合とで、表示部10の折り曲げ角度θを変える場合がある。
本実施の形態では、表示部10の折り曲げ角度θを変える操作が行われた場合に受付部70を表示することで、例えば、表示領域20に表示される画像に対する入力開始操作が行われる前に、表示領域20に受付部70を表示することが可能となる。これにより、表示領域20に表示される画像に対する入力開始操作が行われた後に受付部70を表示する場合と比べて、迅速に表示領域20に受付部70を表示させることが可能となり、ユーザによる受付部70に対する入力の操作性が低下することがより抑制される。
【0062】
ところで、上述した実施の形態では、表示領域20に表示される画像の内容によらずに、表示部10の折り曲げ角度θに応じて、表示領域20に受付部70を表示している。例えば、
図5では、表示部10の折り曲げ角度θが120°である場合に、受付部70を、表示領域20に表示される画像の内容によらずに、第1表示領域21と第2表示領域22とに分けた第2態様で表示している。
しかしながら、表示部10の表示領域20に対して受付部70を表示する態様を、表示部10の表示領域20に表示される画像の内容に応じて異ならせてもよい。ここで、表示領域20に表示される画像の内容としては、画像を表示させるアプリケーションの種類、画像の性質(例えば、画像の上下方向または左右方向に一覧性を有するか等)、画像に文字が含まれる場合の文字の表示方法(例えば、縦書きか横書きか等)、画像の縦横比等が挙げられる。
【0063】
具体的に説明すると、
図9(a)では、表示領域20に対し、SNSアプリのメッセージ画面を表示している。このようなSNSアプリのメッセージ画面では、複数のメッセージが表示領域20の上下方向に順に並ぶことで、メッセージの時系列やメッセージの送り手等が分かりやすくなっている。言い換えると、
図9(a)では、表示領域20に対して、上下方向に一覧性が高い画像が表示されている。
このような場合に、表示部10に対し予め定められた操作(例えば、入力開始操作や表示部10を折り曲げる操作)が行われ、
図5に示した第2態様で受付部70を表示させると、上下方向の一覧性を維持した画像を表示することが困難になる。この場合、表示領域20に表示される画像の内容を把握しにくくなり、情報処理装置1の利便性が低下する場合がある。
【0064】
これに対し、例えば、表示領域20に対して上下方向の一覧性が高い画像が表示されている場合には、第1表示領域21または第2表示領域22のいずれか一方に受付部70を表示させることで、表示領域20に表示される画像の上下方向の一覧性を維持することができる。
具体的には、制御部50は、
図9(b)に示すように、第1表示領域21に対して上下方向の一覧性を維持した画像を表示した状態で、第2表示領域22に対して受付部70を表示させる。または、制御部50は、
図9(c)に示すように、第1表示領域21および第2表示領域22の一部の領域に対して上下方向の一覧性を維持した画像を表示した状態で、第2表示領域22に対して受付部70を表示させる。
これにより、上下方向の一覧性を維持した画像を表示した状態で表示領域20に受付部70を表示させることが可能となり、情報処理装置1の利便性の低下が抑制される。
【0065】
また、上述した実施の形態では、表示部10の表示領域20に受付部70を表示した後、表示部10の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きが変わった場合には、変更後の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きに応じて受付部70を表示する態様を変更しているが、これに限られるものではない。
【0066】
例えば、表示部10の表示領域20に表示される画像の内容に応じて、受付部70を表示する態様を変更することが好ましくない場合には、表示部10の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きが変わった場合であっても、受付部70を表示する態様を変更することなく維持してもよい。これにより、表示領域20に表示される画像の内容によらずに変更後の折り曲げ角度θまたは表示部10の向きに応じて受付部70を表示する態様を変更する場合と比べて、ユーザによる受付部70の利便性の低下が抑制される。
受付部70を表示する態様を変更することが好ましくない場合としては、例えば、受付部70を用いた文章等の入力操作中であって受付部70の表示を維持したい場合や、受付部70以外の画像が上下方向または左右方向に一覧性を有する画像であってこの一覧性を崩したくない場合等が挙げられる。
【0067】
さらにまた、上述した実施の形態では、制御部50は、表示部10の折り曲げ角度θおよび表示部10の向きの双方に応じて受付部70を表示する態様を決定しているが、例えば、表示部10の向きによらずに表示部10の折り曲げ角度θのみに応じて受付部70を表示する態様を決定してもよい。
【0068】
<プログラムの説明>
ここで、以上説明を行った本実施の形態の制御部50で行う処理は、例えば、ソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0069】
また、上述した実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
また、上述した実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上述した実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…情報処理装置、10…表示部、15…折り曲げ部、20…表示領域、21…第1表示領域、22…第2表示領域、30…検知部、31…第1加速度センサ、32…第2加速度センサ、50…制御部、70…受付部
【手続補正書】
【提出日】2024-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有し、折り曲げ部を軸として折り曲げ可能な表示部と、
ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記表示部の折り曲げ角度に応じて異なる態様で当該表示部の前記表示領域に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示部は、長軸方向と短軸方向とを有し、前記折り曲げ部が当該短軸方向に延び、
前記表示領域は、前記折り曲げ部を挟んで前記長軸方向に並ぶ第1の表示領域と第2の表示領域とを含み、
前記表示制御部は、画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像を表示させ、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を当該第1の表示領域における一部の領域に表示させる
表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像を表示させ、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を前記第1の表示領域における下側に表示させる請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
コンピュータに対し、
折り曲げ部を軸として折り曲げ可能な表示部であって、長軸方向と短軸方向とを有し、当該折り曲げ部が当該短軸方向に延び、当該折り曲げ部を挟んで当該長軸方向に並ぶ第1の表示領域と第2の表示領域とを含む表示領域を有する当該表示部の折り曲げ角度を取得する機能と、
前記表示領域に画像を表示させる機能と、
ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記表示部の前記表示領域に表示させる機能と、
画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像が表示され、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を当該第1の表示領域における一部の領域に表示させる機能と
を実現させるプログラム。
【請求項4】
画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像が表示され、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を当該第1の表示領域における下側に表示させる請求項3に記載のプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、表示装置およびプログラムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
請求項1に記載の発明は、表示領域を有し、折り曲げ部を軸として折り曲げ可能な表示部と、ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記表示部の折り曲げ角度に応じて異なる態様で当該表示部の前記表示領域に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示部は、長軸方向と短軸方向とを有し、前記折り曲げ部が当該短軸方向に延び、前記表示領域は、前記折り曲げ部を挟んで前記長軸方向に並ぶ第1の表示領域と第2の表示領域とを含み、前記表示制御部は、画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像を表示させ、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を当該第1の表示領域における一部の領域に表示させる表示装置である。
請求項2に記載の発明は、前記表示制御部は、画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像を表示させ、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を前記第1の表示領域における下側に表示させる請求項1に記載の表示装置である。
請求項3に記載の発明は、コンピュータに対し、折り曲げ部を軸として折り曲げ可能な表示部であって、長軸方向と短軸方向とを有し、当該折り曲げ部が当該短軸方向に延び、当該折り曲げ部を挟んで当該長軸方向に並ぶ第1の表示領域と第2の表示領域とを含む表示領域を有する当該表示部の折り曲げ角度を取得する機能と、前記表示領域に画像を表示させる機能と、ユーザによる入力を受け付ける受付部を、前記折り曲げ角度に応じて異なる態様で前記表示部の前記表示領域に表示させる機能と、画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像が表示され、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を当該第1の表示領域における一部の領域に表示させる機能とを実現させるプログラムである。
請求項4に記載の発明は、画像の上下方向が前記長軸方向に沿い且つ前記第1の表示領域が上側で前記第2の表示領域が下側になるように前記表示領域に画像が表示され、前記表示部の折り曲げ角度が180度より大きい場合に、前記受付部を当該第1の表示領域における下側に表示させる請求項3に記載のプログラムである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1~4に記載の発明によれば、折り曲げ可能な表示部に対し、表示部の折り曲げ角度によらずに受付部を同じ態様で表示する場合と比較して、ユーザによる受付部に対する入力の操作性の低下を抑制することができる。