(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167429
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】棒グラフ表示及び適応制御
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20241126BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20241126BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/60
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157804
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2022514516の分割
【原出願日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】19198018.4
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ゾミニー,クロード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エアロゾル発生装置内の消耗品の減耗レベルを推定及び提示する方法を提供する。
【解決手段】エアロゾル発生装置は、プロセッサ、メモリ、及びステータスインジケータを有する。方法は、ユーザによるエアロゾル発生装置の使用に関するメモリの使用データを生成及び記憶するステップを含む。使用データはメモリから読み取られ、減耗レベル、好ましくは消耗品上の残りのパフ数が、使用データに基づいて計算される。消耗品の計算された減耗レベル、及び/又は消耗品が消費されたかどうかが、ステータスインジケータに通知される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ(270)、メモリ(241、242)、及びステータスインジケータ(201)を有するエアロゾル発生装置(100)内の消耗品(114)の減耗レベルを推定及び提示する方法であって、
- ユーザによるエアロゾル発生装置の使用に関する前記メモリの使用データを生成及び記憶することと、
- 前記メモリから前記使用データを読み取り、前記使用データに基づいて、減耗レベル、好ましくは前記消耗品上の残りのパフ数を計算することと、
- 前記消耗品の前記計算された減耗レベル、及び/又は前記消耗品が消費されたかどうかを、前記ステータスインジケータに通知することと、
を含むステップを含み、
前記使用データがパフ記録及びイベント記録を含む、方法において、
前記イベント記録に基づいて、セッション内の前記パフ記録をグループ化するステップを含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗品の減耗レベルを推定及び提示する方法、制御回路、並びにプロセッサ、メモリ、及びステータスインジケータを有するエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置(リスク低減若しくはリスク変更装置、又は気化器としても知られる)の人気と使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及びローリングタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を止めようと望む常習的喫煙者を支援するための手助けとして、ここ数年で急速に成長してきた。従来のタバコ製品においてタバコを燃焼するのとは対照的に、担体基質を加熱又は撹拌して吸入用のエアロゾルを生成する様々な装置及びシステムが利用可能である。
【0003】
エアロゾル発生装置の1つのタイプは、加熱式基質エアロゾル発生装置又は加熱非燃焼式(heat-not-burn)装置である。このタイプの装置は、固体エアロゾル基質(通常は湿った葉タバコ)を150℃~300℃の範囲であり得る温度に加熱することによってエアロゾルを生成する。別のタイプのエアロゾル発生装置は、液体気化装置である。液体気化装置では、気化可能な基質がカートリッジ内に保持され得る。次いで、気化可能な基質は、エアロゾル化が行われるように、例えば振動によって、加熱又は他の方法で攪拌され得る。
【0004】
エアロゾル基質を燃焼させるか又は燃やすのではなく、加熱することにより、使用者が求める成分を含むが、燃焼及び燃やすことによる毒性及び発癌性のある燃焼の副生成物を含まないエアロゾルが放出される。更に、エアロゾル基質又は気化可能物質を加熱することによって生成されるエアロゾル、例えば、タバコは通常、ユーザにとって不快であり得る、燃焼がもたらす焦げた又は苦い味を含まない。このことは、エアロゾル基質が、典型的には煙をユーザにとってより口当たりの良いものにするために従来のタバコ製品のタバコに加えられる糖又は他の添加物を必要としないことを意味する。しかしながら、従来の紙巻きタバコとは対照的に、ユーザは、エアロゾル発生装置内のタバコ材料の減耗を直接観察することはできない。
【0005】
米国特許第10,143,235号明細書は、電子タバコの個人用気化器を開示している。電子タバコの個人用気化器は、アトマイザ及びパフカウンタを含む。個人用気化器は、一連の12個のLEDを含み得、これらは、個人用気化器が1本のタバコに相当するニコチンを消費するにつれて漸次点灯する。米国特許第10,143,235号明細書によれば、吸入ごとに1つのLEDが点灯し、ここで使用される電子液体の強度は、12回の吸入が1本のタバコの喫煙に対応することを意味する。或いは、ユーザは、タバコ全体に相当するニコチンが消費されたときに、1つのLEDが点灯するようにLEDを設定することができる。
【0006】
米国特許出願公開第2015/0142387A1号明細書は、喫煙活動に関連するデータを検出、監視、及びログするためのシステムを開示している。装置は、ハウジング、電源、アトマイザ、及びハウジング内に配置されるように構成されたデータログ装置を備える。データログ装置に含まれるマイクロコントローラは、ログデータを処理する。ログデータは、システムの特性及び状態に関連するデータ、例えば、発熱要素、液体貯蔵エリア、アトマイザ、バッテリ、及びユーザ活動ログデータを含む。このログデータに基づいて、マイクロコントローラは、エアロゾルペイロードをユーザに提供する量及びタイミングを制御する。
【0007】
国際公開第2018/098371A1号パンフレットは、蒸気吸入システム、並びに消費者の生理機能、消費者の経験的フィードバック、消費者の使用行動、特定の製品、及び環境要因の動的モデリングに基づく、治療上の及び娯楽的な使用管理の有効性に対する消費者固有モデルを開発するためのコンピューター化された方法に関する。国際公開第2018/098371A1号パンフレットは、複雑な多変数感知システムを使用して、ベーピング製品の全体的な有効性を向上させることを提案している。
【0008】
従来技術では、ユーザがエアロゾル発生装置を自身のニーズに対して同時に調整しながら、自身のエアロゾル発生装置を効果的に監視することができないという欠点に悩まされている。したがって、本発明の目的は、ユーザの習慣、ニーズ、及び使用法に対して柔軟に調整可能でありながら、簡単で直感的な取り扱いを可能にする、方法、制御回路、及びエアロゾル発生装置を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、エアロゾル発生装置内の消耗品の減耗レベルを推定及び提示する方法に関する。エアロゾル発生装置は、プロセッサ、メモリ、及びステータスインジケータを有する。方法は、ユーザによるエアロゾル発生装置の使用に関する使用データを生成及びメモリに記憶するステップを含む。使用データはメモリから読み取られ、減耗レベル、好ましくは消耗品上の残りのパフ数が使用データに基づいて計算される。消耗品の計算された減耗レベル、及び/又は消耗品が消費されたかどうかは、ステータスインジケータに通知される。使用データは、パフ記録及びイベント記録を含み得、方法は、イベント記録に基づいてセッション内のパフ記録をグループ化するステップを含み得る。
【0010】
消耗品には、タバコ材料の一部を含み得る。タバコ材料の一部は、例えば、液体エアロゾル形成剤又は液体エアロゾル基質を含浸させた、圧着シート又は再構成タバコ紙のストリップを含む。
【0011】
メモリ(本明細書ではデータ記憶ユニットと呼ばれることもある)は、使用データ、特にパフ記録及び/又はイベント記録を記憶することができる。データ記憶ユニットは、揮発性又は不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリ又はソリッドステートメモリを含み得る。データ記憶ユニットは、複数のパフ記録又はイベント記録を記憶するのに適し得る。一例では、6,000以上のパフ記録及び4,000以上のイベント記録をデータ記憶ユニットに記憶可能である。以下で詳細に説明するように、プロセッサ(例えば、CPU)は、データ記憶ユニットに記憶された使用データの全部又は一部を取得して、ユーザのベーピング行動及び嗜好に基づいて減耗信号を計算することができる。
【0012】
方法は、ステータスインジケータに通知される減耗レベルが個別化され、ユーザのニーズに対して調整されるという利点を有する。減耗レベルは、個別ベースで計算されてユーザに転送され得る。本発明によれば、減耗レベルは、使用行動(すなわち、使用データ)に基づいて計算される。したがって、減耗レベルは、ユーザの習慣に応じて表示されることになる。減耗レベルにより、タバコ部分が減耗し、変更される必要がある場合に、ユーザに知らせることができる。
【0013】
例えば、消耗品の高い交換頻度は、ユーザが高い用量を望んでいることを示し得、消耗品の低い交換頻度は、ユーザがニコチン摂取量を減らそうとしていることを示し得る。
【0014】
減耗レベルは、従来技術のように固定された機能ではなく使用データに基づいて計算されるため、ユーザの嗜好により適しており、それによってエアロゾル発生装置を使用する
ユーザの体験を向上させる。例えば、一部の使用では、より速い減耗を引き起こす強い味を好み得るが、他のユーザは、タバコ部分をより長い時間、保持したいと望み得る。本発明の一例では、ユーザが頻繁にベーピングセッションを行うと、そこから、ユーザがより強い味又はより多くのニコチン摂取を望んでいることが推測される。
【0015】
第1の態様の好ましい実施形態では、消耗品の挿入の検出に応じて、減耗レベルが計算される。
【0016】
第1の態様の好ましい実施形態では、使用データは、消耗品ごとのパフ数、容量、持続時間及び/又は強度などのパフの気流に関するパラメータ、パフの頻度、セッションの持続時間及び/又は頻度、並びにセッションの時間のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
第1の態様の好ましい実施形態では、使用データは、パフの気流に関するパラメータ、及びタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含むパフ記録を有する。気流に関するパラメータは、パフの存在、容量、持続時間及び/又は強度を含み得る。
【0018】
使用データの更なるパラメータは、パフ記録から計算され、計算に使用され得る。そのようなパラメータの例は、以前のパフからの経過時間、及びセッションにおけるパフの頻度である。特定の実施形態では、パフ記録は、環境データ、すなわち、現在の気温、場所、及び天気のうちの1つ以上を更に含み得る。
【0019】
第1の態様の好ましい実施形態では、使用データは、イベントのタイプ、消耗品のタイプ、消耗品の識別番号、及びタイムスタンプのうちの少なくとも1つを含むイベント記録を有する。イベントのタイプには、消耗品の挿入、消耗品の除去、消耗品の減耗、エアロゾル発生装置のスイッチオン(すなわち、装置のスイッチオン)、エアロゾル発生装置のスイッチオフ、及びエラーメッセージが含まれ得る。エラーメッセージの例には、ヒータの誤動作、(スティック)ホルダの誤動作、空のバッテリ、ヒータのクリーニングの必要性がある。
【0020】
記録に基づいて、連続するパフ間の時間、セッション、及び他のパフスタイルのインジケータなどの更なる指標が計算され得る。セッションは、装置を起動し且つ装置を使用してから、装置を再びスイッチオフするまでの時間として理解され得る。
【0021】
第1の態様の好ましい実施形態では、パフ記録は、イベント記録に基づいてセッションにグループ化される。特に、エアロゾル発生装置をスイッチオンするイベントのタイムスタンプと、エアロゾル発生装置をスイッチオフするイベントのタイムスタンプとの間のタイムスタンプを有するパフ記録が、セッションにグループ化され得る。ベーピングセッション、特に最近又は現在のベーピングセッションにおいてグループ化された使用データは、現在のユーザの行動及び嗜好に関する信頼できる情報を提供することができる。
【0022】
タイムスタンプには、特に時間及び/又は曜日が含まれ得る。更なる例では、タイムスタンプには月及び年が含まれ得る。上記の使用データを用いて、ユーザの行動が分析され、個々のユーザの行動に基づいて正確な個々の減耗レベルが計算され得る。
【0023】
第1の態様の好ましい実施形態では、挿入された消耗品のタイプ用のプロファイルが受け取られ、挿入された消耗品のタイプに基づいて、残りのパフ数が更に計算される。
【0024】
第1の態様の好ましい実施形態では、減耗レベルの計算は、以前の消耗品の平均パフ数に基づく。以前の消耗品の平均パフ数は、例えば、エアロゾル発生装置からの消耗品の挿入及び除去を示すイベント記録のタイムスタンプを使用して、パフ記録を用いて取得され
得る。
【0025】
第1の態様の好ましい実施形態では、減耗レベルの計算は、減耗レベルを計算するための機械学習アルゴリズムを使用する。
【0026】
第1の態様の好ましい実施形態では、減耗レベルの計算は、現在の時間、特に時間、直前のセッションの使用データ、及び/又は現在のセッションの使用データに基づく。例えば、朝のパフは、パフの強度がより低い可能性がある晩よりも通常は深いパフであるため、より速い減耗につながり得る。
【0027】
第1の態様の好ましい実施形態では、減耗レベルの計算は、現在のセッションに関する使用データの、平均的なセッションに関する使用データとの比較に基づく。
【0028】
第1の態様の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置の起動に応じて、使用データに基づいて減耗レベルが計算又は再計算され、ここで計算又は再計算は、好ましくは、直前のセッションでの時間及び/又は使用データに基づく。
【0029】
第1の態様の好ましい実施形態では、減耗レベルは、使用データに基づいて定期的に、又はパフの検出に応じて計算又は再計算される。計算又は再計算では、現在のセッションに関する使用データを使用することが好ましく、特に、使用データを以前のセッションの使用データと比較することが好ましい。
【0030】
第1の態様の好ましい実施形態では、使用データは、パフセンサ、消耗品交換検出器、特に排出センサ及び/又は挿入センサ、消耗品の識別タグを検出するための消耗品検出ユニット、並びにユーザ入力インターフェースのうちの少なくとも1つを用いて生成される。消耗品交換検出器は(例えば)、消耗品の挿入、(端部)位置センサ、近接センサ、光センサ、又はスイッチに応じて移動する可動ピストンによって形成され得る。
【0031】
パフセンサは、パフの存在を検出し、したがってパフの長さ、パフの時間(クロックによる)、及びパフの気流に対するパラメータに関する情報を提供することができる。パフセンサは、使用データをプロセッサに提供することができる。
【0032】
第1の態様の好ましい実施形態では、減耗レベルは、ディスプレイ、スピーカ、又はバイブレータを用いてユーザに示される。表示は、好ましくは棒グラフである。それによって、ユーザは、消耗品の現在の減耗に関して、グラフィカルに、聴覚的に、又は触覚的に通知され得る。当然、上記のステータス提示手段の組み合わせも可能である。
【0033】
第1の態様の好ましい実施形態では、減耗レベルは、少なくとも1つの発光装置を備えたディスプレイを用いて提示される。好ましい実施形態では、ディスプレイは、更により好ましくは直線配置で配置された、2つ以上の発光装置を備える。発光装置は、現在の減耗に基づいてその色が変わってもよい。例えば、新しい消耗品が挿入されると、発光装置は緑色を表示し、その後、現在の減耗レベルに応じて赤色に変化してもよい。
【0034】
好ましい実施形態では、ディスプレイは、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の発光装置、特にLEDを含み、ここで発光装置は直線配置になっている。直線配置上の進行により、プロセッサによって計算された、タバコ材料部分の適応的に計算された減耗レベルをユーザに表示する。2つの発光装置を使用した例では、第1の発光装置が点灯すると消耗品の半分が減耗し、第2の発光装置が点灯すると消耗品が完全に減耗している。或いは、発光装置は、進行が示され得る、円などの他のいずれかの配置を有してもよい。それによって、現在の減耗レベルをユーザに表示するための直感的で簡単な方法が提供される。
【0035】
本発明の第2の態様は、プロセッサ及びメモリを備える制御回路に関する。制御回路は、上述の方法を実行するように構成されている。
【0036】
本発明の第3の態様は、プロセッサ及びメモリ及びステータスインジケータを有するエアロゾル発生装置に関する。エアロゾル発生装置は、上述の方法を実行し、且つステータスインジケータによって、消耗品の現在の減耗レベル、及び/又は消耗品が消費されたかどうかを提示するように構成されている。
【0037】
エアロゾル発生装置は、加熱非燃焼式装置(「T-Vapor」)又は液体気化器(「E-Vapor」)であり得る。加熱非燃焼式製品及び/又は液体気化器の両方は、本発明の範囲内でエアロゾル発生装置と呼ばれ得る。
【0038】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置は、消耗品、例えば、ヒートスティック、又は電子液体を含むカートリッジを受容するように構成され得るインターフェースを備える。ユーザがヒートスティック又はカートリッジの減耗レベルを直接判定することは困難又は不可能であり得るため、提案されている現在の減耗レベルの計算は、ヒートスティック及び電子液体を含むカートリッジにとって特に有利である。
【0039】
パラメータ、例えば、消耗品の挿入/交換、時間、消耗品のタイプ(ニコチン、フレーバ)の検出などは、異なる又は同じ方法でT-vapor及びE-vapor装置に関連して使用され得る。
【0040】
パフが行われていない間の起動加熱時間に関連するパラメータは、T-vapor装置に特に関連し得る。一例は、パフ間隔、及び/又は2つの連続するパフ間の持続時間であり得る。T-vapor装置では、ヒータは、パフ間の時間を含む、ベーピングセッション全体中に、通常の作動温度で動作し続ける。タバコ部分はパフ間に加熱され得、したがって消耗品の消耗に影響を与え得る。したがって、特にT-Vapor装置の場合、計算では、ヒータの起動時間及びパフ間の時間を考慮することができる。
【0041】
E-vapor装置では、ヒータは、パフセンサによって起動されて、パフ中に加熱され得るが、パフがない場合はそうではない。パフ間に加熱はなく、パフ間の時間が、減耗レベルにほとんど又はまったく影響を与えない場合がある。
【0042】
消耗品は、計算の基礎としてデフォルトの残りのパフ数を有する、識別タグを含んでもよい。いくつかの実施形態では、装置は、消耗品の識別タグからデータを読み取るためのインターフェースを含み得る。デフォルトのプロファイルにより、特定のタイプの消耗品が挿入されるときに、ユーザの嗜好により近い残りのパフ数を用いて計算を開始することが可能になり得る。
【0043】
好ましい実施形態では、デフォルトの残りのパフ数は、消耗品のタイプに基づく。消耗品には様々なクラス、例えば、異なるブレンドの消耗品、又はメンソール、ハーブ、フルーツ味などの添加物を有する消耗品が存在してもよく、ユーザは自身の嗜好に基づいて選択することができる。装置は、識別タグを用いて消耗品のクラスを検出し、それに応じてデフォルトのパフ数を調整することができる。特に好ましいオプションによれば、ユーザは、消耗品上又は装置上で自身の好ましいデフォルトレベルを設定することができる場合がある。更に好ましい実施形態では、ユーザは、インターフェース(例えば、1つ以上のボタン)を用いてデフォルトのパフ数を提供してもよい。
【0044】
以下において、本発明は、例示的な方法で図面に示される実施形態を参照して更に詳細
に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】消耗品がエアロゾル発生装置内に装填されつつある、第1の実施形態によるエアロゾル発生装置の概略斜視図である。
【
図2】
図1のエアロゾル発生装置及び消耗品の側面からの概略断面図である。
【
図3】エアロゾル発生装置の第2の実施形態の概略斜視図である。
【
図4】エアロゾル発生装置の使用中の一連の減耗レベルの概略図である。
【
図5】エアロゾル発生装置の使用中の一連のイベントの概略図である。
【
図6】エアロゾル発生装置の構成要素のブロック図である。
【
図7】エアロゾル発生装置によって構成された制御回路のブロック図である。
【
図8】消耗品の挿入時での減耗レベルの適応計算のフローチャートである。
【
図9】新しいベーピングセッションの開始時での減耗レベルの適応計算のフローチャートである。
【
図10】ベーピングセッション中の減耗レベルの適応計算のフローチャートである。
【
図12】挿入/排出センサの第3の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1及び
図2は、エアロゾル発生装置100、及び基質担体114として実現された消耗品を示している。エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生装置100の様々な構成要素を収容する本体118を備える。
図1及び
図2に示されるように、本体118は、管状及び円筒形である。本体118は、管状又は円筒形を有する必要はなく、本明細書に示される様々な実施形態に記載される構成要素に適合するようにサイズ決めされる限り、任意の形状を有し得ることに留意されたい。本体118は、任意の適切な材料、又は材料の層で形成され得る。例えば、本体118の外側ケースは、金属製の内層及びプラスチック製の外層で形成され得る。これにより、本体118は、ユーザが保持するのに快適であることが可能になる。
【0047】
本体118は、第1の端部104及び第2の端部106を備える。使用中、ユーザは、典型的には、第1の端部104を下向きに及び/又はユーザの口に対して遠位位置に、且つ第2の端部106を上向きに及び/又はユーザの口に対して近接位置になるように、エアロゾル発生装置100を向ける。第2の端部106は、本体118の内部部分との締まりばめによって、一対のワッシャ107a、107b(
図2の断面を参照)を保持する。エアロゾル発生装置100は、基質担体114を受容するためのインターフェースを含み、このインターフェースは、エアロゾル発生装置100の第2の端部106に向かって配置された加熱チャンバ108として実現される。加熱チャンバ108は、エアロゾル発生装置100の第2の端部106に向かって開いており、加熱チャンバ108内に基質担体114を受容することができる。
【0048】
更に、装置100は、ユーザ操作可能ボタン116を有する。ボタン116は、本体118上に配置されている。ボタン116は、例えばボタンを押すことにより作動する際に、ユーザがエアロゾル発生装置100を起動させ、ベーピングセッションを開始することができるように配置されている。起動されると、基質担体114は、吸入用のエアロゾルを発生するために加熱され得る。装置100は、本体118の側壁上に、発光装置101a~101fを備えるディスプレイ101として実現されるステータスインジケータを更に含む。発光装置101a~fは、本体118の軸に沿って直線状に配置されている。
【0049】
加熱チャンバ108(
図2を参照)は、開放端部110、側壁126、及び基部112を含む。側壁126の内面上には、複数の突起部140が形成されている。突起部140は、基質担体114に向かって延び、基質担体114と係合する。
【0050】
図に示される実施形態では、エアロゾル発生装置100は、電気駆動式である。エアロゾルは、電力を使用してエアロゾル発生装置100で生成される。エアロゾル発生装置100は、例えばバッテリなどの電源120を有する。電源120は、ヒータ124に動作可能に接続された制御回路122に結合されている。ユーザ操作可能ボタンは、制御回路122を介した作動時に、電源122とヒータ124を結合するように構成されている。更に、制御回路122は、発光装置101a~fを制御する。
【0051】
エアロゾル発生装置100と併せて、
図1及び
図2に示される基質担体114は、第1の端部134及び第2の端部136を含む。担体114は、タバコ部分を含む。担体114の場合、タバコ部分は、第1の端部134に向かって配置されたエアロゾル基質128(
図4を参照)、及び第2の端部136に向かって配置された蒸気収集部分130である。蒸気収集部分130及びエアロゾル基質128の両方は、包装132によって保持される。
【0052】
エアロゾル基質及び基質担体114は、消耗品又は消耗可能物品と呼ばれ得る。図示の実施形態では、消耗品は、加工タバコ材料、例えば、再構成タバコ(Reconstituted Tobacco、RTB)紙の圧着シート又は配向ストリップに液体エアロゾル形成体を含浸させたものを含むロッドの形態であり得る。
【0053】
ユーザは、第1の端部134が基部112に接触するまで、第1の端部134で始まる基質担体114を加熱チャンバ108に挿入する。この位置では、ヒータ124は、エアロゾルが生成されるように、基質128を加熱するように動作可能である。エアロゾル発生装置100は、基質担体114の挿入及び除去を検出するための端部位置センサ(例えばピストン、図示せず)を含む。
【0054】
ユーザは、電力が電気ヒータ124に供給されるように、制御回路122及び電源122を制御するボタン116を押すことによって、装置100を起動する。ボタン116は、エアロゾル発生装置100の現在のステータスを提示するために、1つ又は複数のライト(例えば、1つ以上のLED又は他の適切な光源)を含み得る。ステータスは、バッテリ電力残量、減耗レベル、ヒータステータス(特にオン、オフ、エラーなど)、装置ステータス(例えば、パフを行う準備ができている)、又は他のステータス、例えばエラーモードの提示のうちの1つ以上を意味し得る。
【0055】
ユーザは、担体114を加熱チャンバ108内に挿入することができる。担体114が挿入されると、可動ピストン(図示せず)が担体114の挿入に応じて移動され、挿入信号をプロセッサに送信することができる。代替的又は追加的に、装置100は、位置センサ、近接センサ、光センサ、又はスイッチなどの、担体114を検出するための異なるセンサを含み得る。制御回路は、センサからの信号を検出することができ、イベント記録、すなわち、担体114の挿入記録を生成することができる。他方、担体114が除去されると、制御回路は、センサからの第2の信号を検出し、第2のイベント記録、すなわち、担体114の除去記録を生成することができる。イベント記録は、直ちに又は後で処理できるように、データ記憶ユニットに記憶される。
【0056】
制御回路122は、パフをカウントするように構成され得る。ユーザによる単一の吸入は、「パフ」と呼ばれ得る。制御回路122は、パフをカウントするように、すなわち、
パフセンサから信号を受信することによって構成され得る。いくつかの実施形態では、装置は、温度センサを用いてパフの存在を判定する。新鮮で冷たい気流が温度センサを通過することによりパフ中に温度が低下するため、温度の低下はパフを示し得る。他の実施形態では、制御回路は、気流センサ(図示せず)を用いて、装置100又はエアロゾル生成基質128を通る気流を判定することができる。
【0057】
制御回路122は、
図7に示されるように、プロセッサ270を含む。プロセッサ270は、発光装置101a~f(及び/又は同様の方法でボタン116内の追加の発光装置)を用いてディスプレイ101を制御する。ディスプレイ101は、基質担体114の現在の減耗レベルをユーザに表示する。
【0058】
例えば、基質担体は、60回のパフを可能にし得る。
図1及び2に示される例では、ディスプレイ101は、6個の発光装置101a~fを含む。したがって、最初の10回のパフの後、第1の発光装置101aが起動される。更なる10回のパフ後、第2の発光装置101bが起動されるが、第1の発光装置101aは起動されたままであってもよく、又はされなくてもよい。60回のパフ全体が消費された後、最後の発光装置101fが起動され、これにより基質担体114のエアロゾル基質128が減耗していて、基質担体114を交換する必要があることをユーザに示す。
【0059】
マウスピース50及びディスプレイ60を備えたエアロゾル発生装置100の第2の実施形態の概略図が、
図3に示されている。エアロゾル発生装置100は、棒グラフ60を備えた本体118を含む。棒グラフ60は、各々がLEDを備えた細長いセクション61~66を含む。セクションの1つ(セクション64)が起動される。これは、すなわち、タバコ部分の50%(6個のうち3個)が減耗したことを示している。細長いセクション61~66は、離間されている。有利には、細長いセクション61~66はまた、互いに直接隣接して配置され得る。
【0060】
発光装置101の第3の実施形態の概略図が、
図4a、
図4b、及び
図4cに示されている。第3の実施形態では、ステータスインジケータは、消耗品が消費されるにつれて長さが減少する棒を示すディスプレイ101として実現されている。
図4aでは、基質担体114が挿入されたばかりであり、ステータスインジケータは、減耗が生じていないことを示している。
図4bでは、基質担体の約50%が減耗しているが、一方、
図4cでは、基質担体が95%減耗している。
図4a、
図4b、及び
図4cに示される連続ディスプレイ101は、減耗レベルの微調整を可能にする。
【0061】
ユーザ体験を向上させるために、装置100は、内部に異なるプロファイルを記憶することができる。第1のモードである、事前プログラムモードでは、装置は、内部に異なるプロファイルが記憶されている制御回路122の一部であり得る電子メモリとして実現されるデータ記憶装置を含む。第1のプロファイル(「強い強度」)は、強い強度に対応する。このプロファイルでは、
図1の第1の発光装置101aは、最初の5回のパフの後に点灯する。次いで、パフ数が10に等しいときに、第2の発光装置101bが点灯する。したがって、減耗はすでに、30回のパフ(6つの発光装置×5回のパフ)後に達している。このプロファイルは、深くて長いパフを行うユーザにとって特に有利であり得、これは基質担体114の急速な減耗につながる。
【0062】
選択され得る第2のプロファイル(「マイルドな強度」)では、8回のパフ後に、1つの発光装置(例えば、発光装置101a)から次の発光装置(例えば、発光装置101b)に遷移する。このプロファイルでは、48回のパフ後に基質担体が減耗する。第3のプロファイル(「ソフトな強度」)は、各パフ中に装置上で短時間及び/又は軽くだけ吸うユーザに適し得る。第3のプロファイルでは、1つの発光装置から次の発光装置への遷移
は、12回のパフ後に行われる。ユーザは、ボタン(例えばボタン116)を押すことによってプロファイルを切り替えることができる。
【0063】
代替的に又は追加的に、遷移間のパフ数は、基質担体によって判定され得る。例えば、各基質担体114は、識別タグ、例えば、RFIDタグ、バーコード、又は装置100によって読み取ることができる基質担体上の任意の情報を含み得る。基質担体又は他の消耗品(特に、液体エアロゾル生成基質を有するカートリッジ)は、識別タグとして電子メモリを含み得る。識別タグから情報を読み取った後、装置100の制御回路122は、適切なプロファイルに切り替わる。消耗品は、(例えば)ニコチン又はフレーバの量が異なり得る。プロファイルを通して、減耗レベルを消耗品の特定のタイプに調整してもよい。
【0064】
第2のモードである、適応モードでは、装置は、ユーザのニーズに対して個別化され得る。第2のモードでは、第1のモードのように各消耗品又は各タイプの消耗品に対して固定された厳密な進行を使用するのではなく、発光装置101間の進行は、ユーザの行動に基づいて適応的に計算される。パフセンサは、挿入された各消耗品に対して実行されたパフ数をカウントし、顧客が自身にとって個別にその部分が減耗したと考える時期に関する情報を提供する。この情報に従って、ディスプレイ101の進行が計算される。例えば、ユーザが定期的に又は平均して54回のパフ後に基質担体114を交換する場合、1つの発光装置から次の発光装置への遷移は、9回のパフ後に生じ得る。
【0065】
このモードでは、装置は、新しい消耗品の導入を検出し、カウンタCT1を追跡する。新しい消耗品が挿入されると、プロセッサは、カウンタCT1をゼロにリセットする。装置が起動されると、装置は、パフを監視してそれらをカウントし、それに応じて(すなわち、パフごとに1つずつ)CT1を増分させる。装置をスイッチオフすると、パフ数はデータ記憶ユニットに記憶される。
【0066】
この手順の1つの簡略化された例が、
図5に示されている。
図5は、新しい消耗品の挿入から始まり、消耗品の排出で終わる時間枠で生じ得る、異なるイベントを示している。第1のタイムライン(
図5の上部の「消耗品検出」を参照)は、消耗品の挿入及び排出の検出を示している。第2のタイムライン(
図5の中央の「パフシーケンス」を参照)は、ユーザが吸ったパフを示し、第3のタイムライン(
図5の下部を参照)は、装置100がスイッチオンされている期間(「ベーピングセッション」)を示している。
【0067】
装置100は、消耗品の挿入10を検出する。次いで、装置100は、ユーザが時間22において装置をスイッチオフするまで、時間20において起動される。この第1ベーピングセッション21の間に、ユーザは4回のパフ12を行っている。装置100は、電子メモリ内に4回のパフを記憶している。その後の第3の時間24において、ユーザは、装置を再起動し、第2のベーピングセッション25を開始する。第2のセッション25では、ユーザは、装置を再びスイッチオフする前に、4回のパフ14を行っている。その後、消耗品の排出30が検出されている。
【0068】
ユーザは、消耗品が減耗したと考える前に、消耗品の使用中に合計8回のパフを行っている。次の消耗品が挿入されると、装置は、
図5に示されるセッションで収集された情報に従って、減耗レベルを表示することができる。例えば、第1のパフ後、ディスプレイの第1の部分である発光装置101aが点灯し、第3のパフ後、ディスプレイ101の第2の部分である、発光装置101bが点灯する、などである。ステータスインジケータ(ディスプレイ101)は、以前のセッションにおけるユーザの消費に応じた減耗レベルを示す。
更に、プロセッサは、以前の消耗品を消費している間に行われたパフの数を、更なる履歴データ、すなわち、消費された更なる消耗品のパフの数と比較することができる。プロセ
ッサは、そのような消耗品で通常吸われるパフの数を調整及び判定するためのアルゴリズムを実行することができる。このアルゴリズムは、ニューラルネットワークを含む機械学習などの、平均的又はより高度な統計分析を含み得る。
【0069】
本発明は、消耗品の使用中のパフの総数を数えることに限定されない。同様の方法で、パフの頻度、並びにベーピングセッション21及び25の長さ、又は本明細書で言及される任意の他の使用データを考慮することができる。一例では、消費者は通常よりも頻繁に連続的な蒸気を吸うベーピングセッションを行っており、これは、消費者がより多くの又はより強い味又はニコチン摂取を望んでいることを示し得る。したがって、単一の消耗品にわたる総消費は、ユーザの通常の20回のパフではなく、16回のパフに低減し得る。
【0070】
別の例では、新しい消耗品では、消費者は15秒ごとにパフを行っているが、以前の消耗品では、消費者は30秒ごとにパフを行っており、これはまた、より強い味又はニコチン摂取の要望を示し得る。同様の方法で、それに応じて減耗レベルを計算することによって、総消費を20回から16回のパフに低減し得る。
【0071】
更に、装置100は、その日の時間、及びその日のこの時間中のユーザのベーピング行動を記録するクロックを含み得る。例えば、朝に、ユーザは頻繁に、パフで短いベーピングセッションを開始し、同じユーザが昼に、頻繁でないパフで長いベーピングセッションを開始する場合がある。この場合、消耗品は朝により速く減耗するが、昼には減耗がより遅くなる。
【0072】
プロセッサは、ステータスインジケータを毎回、0%(すなわち、0%が消費され、どの発光装置も点灯していない)又は100%(消費のために100%が残っていて、全ての発光装置が点灯しているか、又は最後の発光装置が点灯している)にリセットすることができる。
図1~
図4cは、直線形態で又は棒グラフ形態の発光装置101a~f(特にLED)の進行を示しているが、本発明は、そのようなステータスインジケータに限定されない。追加的に又は代替的に、装置は、数値を示すディスプレイ、発光装置の円、又は任意の数の発光装置を有する棒グラフを含み得る。減耗レベルは、グラフ、特に、棒グラフ又は円グラフ、数字、点滅の頻度、色、又はそれらの任意の組み合わせに沿った進行として示され得る。例えば、発光装置101aは緑色の光を発してもよく、発光装置101cはオレンジ色の光を発してもよく、発光装置101fは赤色の光を発してもよい。
【0073】
図6は、エアロゾル発生装置200、例えば、
図1~
図4cのうちの1つに示されるエアロゾル発生装置100のブロック図を示している。しかしながら、
図6のブロック図に示されているユニットはまた、電子液体に基づく装置などの、他のエアロゾル発生装置に実装され得る。エアロゾル発生装置200は、減耗レベルをユーザに報告するステータスインジケータ201に減耗信号を送信する制御回路222を含む。
【0074】
制御回路は、使用データセンサ251~253及びクロック254からデータを収集し、そのデータに基づいて減耗レベルを計算する。制御回路によって受信された任意のデータは、データ記憶ユニット240に保存され得る。使用センサ251~253から収集されたデータはまた、データ記憶ユニットに直接記憶され得る。データ記憶装置は、センサ251~253から収集された使用データに基づいて、挿入された各消耗品用に対する減耗プロファイルを含み得る。そのような減耗プロファイルは、後の段階で分析されて、減耗レベルを適応的に推定することができる(特に
図8~10を参照)。
【0075】
データは、排出センサ251、パフセンサ252、消耗品認識ユニット253、及びクロック254から収集される。排出センサ251は、装置からの消耗品の排出又は除去を検出するために使用される。消耗品認識ユニット253は、挿入された消耗品を識別し、
ニコチンレベル、フレーバ、又は消耗品の他の関連する特性を示すデータを取得し/読み取るように構成されている。
【0076】
エアロゾル発生装置200は、ユーザインターフェース260を備え得る。ユーザインターフェースは、セットアップ用のユーザ入力を受信し、及び/又は減耗信号のデフォルト計算と減耗信号の適応計算との間で切り替わることができる。更に、ユーザインターフェースは、減耗レベル又はその計算を操作するためのユーザ入力を受信することができる。
【0077】
エアロゾル発生装置200は、外気温度、又はエアロゾル発生装置200のヒータの温度を測定するように適合された温度センサ、慣性動作センサ、又は傾斜センサなどの更なるセンサを備えてもよい。更なるセンサのデータはまた、ユーザの行動の適応計算において考慮され得る。
【0078】
排出センサが、消耗品がエアロゾル発生装置に挿入されているか、又はエアロゾル発生装置から排出されていることを示す信号を制御回路に送信すると、制御回路は、消耗品の挿入又は注入、及び消耗品が挿入された時間を含むエントリを有するイベント記録を生成する。更に、制御回路は、以前の挿入/排出の間の時間を計算し、その結果をイベント記録に追加することができる。その後、消耗品認識ユニット253は、RFIDタグ又は電子メモリなどの識別タグを検出し、それに含まれる識別データを読み取ることができる。識別データはイベント記録に追加することができ、又は別の追加のイベント記録を追加することができる。例えば、制御回路は、以下のエントリ、すなわち、時間:2019年5月8日、木曜日、20:15、新しいカートリッジの挿入、カートリッジタイプ「強い」、を含むイベント記録を生成し得た。データ記憶ユニット240は、ニコチン濃度、特定のアロマ、又はヒータに適した温度など、特定の検出されたカートリッジタイプに関する更なるデータを含んでもよい。或いは、そのような更なるデータは、識別情報データに含まれ得る。
【0079】
ユーザがタバコを吸うと、パフセンサ252がパフを検出し、制御回路がパフ記録を追加する。イベント記録と同様に、クロック254によって測定された時間がパフ記録に追加され得る。センサデータに応じて、追加のデータがパフ記録に追加され得る。例えば、パフセンサは、気流を検出及び測定することができ、そこから、制御回路又はパフセンサ自体によってパフ容量を計算することができる。制御回路は、パフ記録用の更なるエントリを計算することができる。特に、制御回路は、以前のパフと現在のパフとの間の時間を計算し、一連のパフを一緒にベーピングセッションにグループ化し、パフ記録を以前のイベント記録又はそのエントリにリンクさせることができる。パフは、装置がスイッチオンされている段階に基づいて、及び/又は他の方法で、セッションにグループ化され得る。制御回路は、全てのイベント及びパフ記録をデータ記憶ユニット240に記憶し、データ記憶ユニット240にアクセスして、適応計算のためにイベント及びパフ記録を読み取ることができる。
【0080】
図7は、制御回路222を詳細に示している。制御回路は、プロセッサ270、電力コントローラ260、ディスプレイコントローラ280、及び内部データ記憶ユニット241を備える。
図6に示されるデータ記憶ユニット240は、全ての記録が保存され得る、内部データ記憶ユニット241又は外部データ記憶ユニット242として実現され得る。制御回路は、例えば
図6に示されるように、様々なセンサ、ユーザインターフェース、及びユニットが接続され得る、入力インターフェース271~273を備え得る。更に、制御回路は、バッテリへの接続275及びヒータへの接続276を含む。ヒータは、電力コントローラ260によって制御される。制御回路222によって得られた任意のデータは、制御回路222又は外部データ記憶ユニット242により構成された、内部データ記憶
ユニット241内に保存され得る。更に、制御回路は、減耗信号をステータスインジケータ201に送信するためのインターフェース277を備える。
【0081】
減耗レベルの適応計算は、
図8~
図10のフローチャートに更に詳細に示されている。
図8は、新しい消耗品の挿入時での減耗レベルの適応計算を示している。まず、装置を起動する。起動後、ユーザは、新しい消耗品を挿入することができる。前述の排出センサは、消耗品の挿入を検出し、それぞれの信号を制御回路に送信することができる。次いで、制御回路は、デフォルト値を使用するか、又は以前に挿入及び排出された消耗品のイベント記録、並びに以前のパフ記録などの更なるデータを取得することができる。パフ記録、イベント記録、及び現在の時間に基づいて、制御回路は、残りのパフ数を計算及び設定することができ、例えば、挿入された消耗品が減耗するまで30回パフし、現在の減耗レベル(例えば、100%又は減耗するまでの30回のパフ)をユーザに示す。パフセンサによってパフが検出されるたびに、消耗品が減耗するまで、残りのパフ数が更新される。次いで、排出センサが、消耗品の除去を検出することができる。その後、新しい消耗品が挿入されると、制御回路は、以前の喫煙セッションの取得データに基づいて減耗したパフ数を再計算し、減耗したパフ数を同じ又は異なる数に設定することができる。例えば、ユーザは、高い摂取量及び急速な減耗を示す急速且つ深い吸引を行う場合があり、これは、制御回路が次に続く消耗品の減耗したパフ数をより低く(例えば、減耗するまで28又は27回のパフに)設定することにつながり得る。
【0082】
図9は、減耗レベルの別の適応計算のフローチャートを示している。
図9では、残りのパフ数の適応計算は、新しいベーピングセッションの開始によってトリガされている。ユーザが装置を起動すると、新しいセッションが開始される。新しいベーピングセッションの開始は、以前に挿入され、且つ部分的に減耗した消耗品が引き続き使用されるという点で、新しい消耗品の挿入とは異なる。したがって、残りのパフ数/減耗レベルは、より低い値から始まる。
【0083】
新しいセッションが開始されると、制御回路は、以前のセッションで計算された減耗レベルを単に使用することができ、又は例えば以前のセッション中に測定された減耗に基づいて、更新された減耗レベルを計算することができる。例えば、制御回路は、以前のセッションが朝であったのに対して、今回は晩であることを検出し、減耗レベルを再計算することができる。一般に、残りのパフ数(つまり、減耗レベル)は、すでに概説したような
図8の上記の例と同様に計算され、減耗レベルがユーザに表示される。
【0084】
図10は、別の適応計算を示している。
図10の実施形態では、適応計算は、パフがパフセンサによって検出されるたびにトリガされる。制御回路が新しいパフ記録を生成すると、パフは残りのパフ数から差し引かれる。制御回路は、上記のようにデータを取得し、取得したデータにより示されるようなユーザの(以前の)行動を更に考慮することによって、残りのパフ数を計算する。
【0085】
上記の実施形態では、データは、データ記憶装置から取得されるか、又はプロセッサに直接送信されて、計算に使用され得る。
【0086】
図8~
図10に示される適応計算は、個別に使用することも、任意の組み合わせで使用することもできる。好ましくは、
図8~
図10に示される全ての適応計算が同時に使用される。上記の例では、減耗レベルの適応計算は、装置をスイッチオンすること、消耗品を挿入すること、パフなどのイベントによってトリガされる。適応計算はトリガされる必要はなく、設定された時間枠において継続的に更新され得る。
【0087】
図11A~
図12Cは、挿入/排出センサの異なる実施形態の概略図を示している。図
は、ヒートスティックが受容される、エアロゾル発生装置の一部を示している。エアロゾル発生装置は、
図1~
図3に示される装置100と同様であり得る。簡略化された形態で示されるエアロゾル発生装置100は、消耗品114が受容されるインターフェース108(すなわち、加熱チャンバ)を含む。インターフェース内には、開位置に向かって付勢されているスイッチ301が提供される。スイッチ301は、接続線302、303を介して制御回路に接続されている。消耗品が開放端部110を通ってインターフェース108内に押し込まれると、消耗品114の第1の端部134は、回路が閉じられるようにスイッチ301を閉じる(
図11Bを参照)。その結果、消耗品114の挿入が検出される。消耗品114が除去されると、スイッチ301が再び開く。これにより、消耗品114の除去が検出される。
【0088】
そのような挿入/排出センサの変形例が、
図11C及び
図11Dに示されている。
図11A及び
図11Bに示されるスイッチ301と同様に、スイッチ305が開示されている。スイッチ305は、開位置に向かって付勢され、接続線306及び307を用いて制御回路に接続されている。しかしながら、スイッチ305は、インターフェース108の端部に配置され、消耗品114が完全に挿入されたときにのみ閉じられる。したがって、
図11Dに示されるように、挿入は、いったんユーザが消耗品114をその端部位置に押し込んだ時にのみ検出される。
【0089】
挿入/排出センサの更なる変形例が、
図12A~
図12Cに示されている。この実施形態では、ピストン310がインターフェース108内に配置されている。ピストンは、インターフェースの開放端部に向かって付勢されている。ピストンが
図12Aに示される位置にあるとき、すなわち第1の位置にあるとき、線312及び313を接続するスイッチ311は閉位置にある。
図12Bに矢印315によって示されるように、いったんユーザが消耗品114を挿入すると、ピストン310は開放端部110から押しのけられる。これにより、スイッチ311が開き、消耗品114の挿入の検出が可能になる。
【0090】
図12A~
図12Cに示される実施形態では、ピボット317を有するレバー316を更に含む。レバー316は、ピボットの周りを回転可能であり、ピストン311を起動させる。ユーザが矢印318によって示されるようにレバー317を作動させると、消耗品114は、矢印319によって示されるようにインターフェース108から押し出される。レバー316の作動は、スイッチ311による線313と312との間の電気的接触を引き起こして、消耗品114の排出の検出を可能にする。