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特開2024-167433ランプの封止構造、ランプ、およびランプの封止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167433
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ランプの封止構造、ランプ、およびランプの封止方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 61/36 20060101AFI20241126BHJP
   H01J 5/20 20060101ALI20241126BHJP
   H01J 9/26 20060101ALI20241126BHJP
   H01K 1/36 20060101ALI20241126BHJP
   H01K 3/26 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01J61/36 Z
H01J5/20
H01J9/26 B
H01K1/36
H01K3/26 F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158034
(22)【出願日】2024-09-12
(62)【分割の表示】P 2020169345の分割
【原出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】510138741
【氏名又は名称】フェニックス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩
(72)【発明者】
【氏名】池田 富彦
(57)【要約】
【課題】発光管の破損が生じにくく、かつ、照度ムラを生じさせにくいランプの封止構造を提供する。
【解決手段】気密された内部空間24、および、少なくとも1つの封止部22を有する発光管12を備えるランプ10の封止構造を以下のように構成する。発光管12の端部を発光管12の材料同士が融着するようにピンチシールすることで封止部22を形成し、封止部2に内部空間24と外部とを連通する連通孔26を設け、連通孔26の外側端には連通孔26を閉塞するチップ部28を形成する。連通孔26は、封止部22の幅方向の端部に形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密された内部空間、および、少なくとも1つの封止部を有する発光管を備えるランプの封止構造であって、
前記封止部は、前記発光管の端部を前記発光管の材料同士が融着するようにピンチシールすることで形成されたものであり、
前記封止部には、前記内部空間と外部とを連通する連通孔が設けられており、
前記連通孔の外側端には、前記連通孔を閉塞するチップ部が形成されており、
前記連通孔は、前記封止部の幅方向の端部に形成されている
ランプの封止構造。
【請求項2】
気密された内部空間、および、少なくとも1つの封止部を有する発光管を備えるランプの封止構造であって、
前記封止部は、前記発光管の端部を前記発光管の材料同士が融着するようにピンチシールすることで形成されたものであり、
前記封止部には、前記内部空間と外部とを連通する排気管が埋設されており、
前記排気管の外側端には、前記排気管を閉塞するチップ部が形成されており、
前記排気管は、前記封止部の幅方向の端部に埋設されている
ランプの封止構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の封止構造を備えるランプ。
【請求項4】
発光管における少なくとも1つの端部を封止して前記発光管内に気密された内部空間を形成するランプの封止方法であって、
前記端部に排気管を挿設した状態で前記端部を前記発光管の材料同士が融着するようにピンチシールすることで封止して封止部を形成するとともに、前記封止部の幅方向の端部に埋設された前記排気管を介して前記内部空間と外部とが連通する状態とし、
前記排気管を介して前記内部空間からの排気および前記内部空間への封入物の封入を行い、
前記封止部の外側端部で前記排気管を加熱溶融して前記排気管を閉塞するチップ部を形成する
ランプの封止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプの封止構造、ランプ、およびランプの封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従前、広く一般に使用されているガス入りランプは、発光管(ガラス容器)の両端、あるいは片方の端をピンチシール方式で封止することによって当該発光管の内側に密閉された空間を形成している。
【0003】
ガス入りランプの例としては、加熱用等に用いられるハロゲンランプ、照明用等に用いられるメタルハライドランプ、紫外線洗浄用の紫外線ランプ、さらに放電ランプ等を挙げることができる。(なお、特許文献1では「ガス放電ランプ」の例が開示されている。)
【0004】
例えば、図17に示す従前の放電ランプ1の場合、一対のマウント部2を挿入して発光管3の両端をピンチシール方式で封止した後、熱処理等の不純物除去工程を経て、図18に示すように予め内部空間4に連通するように発光管3に取り付けられていた排気管5を介して排気する。然る後、当該内部空間4に必要な封入物を入れ、内部空間4を負圧状態にしてから排気管5を加熱・溶融して内部空間4を封止するとともに排気管5を除去して放電ランプ1が形成される。
【0005】
なお、放電ランプのように発光管の内部空間において一対の電極間で放電を生じさせて水銀による発光を利用するものや、発光金属による発光を利用するもの、あるいは、点灯中に発光管内面が黒化するのを防止する目的でハロゲン化物を内部空間に封入する場合は、排気管を介して排気する前に必要な封入物を内部空間に入れる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-306547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従前のガス入りランプ1の場合、図17に示すように、内部空間4を封止した後に気密加工跡である「チップ部6」が発光管3における内部空間4を臨む表面に形成される。このチップ部6は発光管3に生じる応力が集中する箇所になることから強度的に最も弱く、かつ、ランプ1を発光させたときに700℃から900℃くらいまで温度が上昇して発光管3の材料である石英ガラス(SiO2)の構造破壊が進行することから、当該チップ部6から発光管3が破損しやすいという問題があった。
【0008】
さらに言えば、ランプ1の種類によってチップ部6が波長200nm以下の紫外線を受ける場合には、石英ガラスの構造破壊の進行がより顕著になるという問題もあった。
【0009】
また、チップ部6は電極等の発光部が設けられた内部空間4を臨む位置に存在することから、ランプ1から放射される光線が当該チップ部6に遮られてしまい、ランプ1が照らす照射対象において照度ムラが生じるという問題もあった。
【0010】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光管の破損が生じにくく、かつ、照度ムラを生じさせにくいランプの封止構造、ランプ、およびランプの封止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によれば、
気密された内部空間、および、少なくとも1つの封止部を有する発光管を備えるランプの封止構造であって、
前記封止部は、前記発光管の端部を前記発光管の材料同士が融着するようにピンチシールすることで形成されたものであり、
前記封止部には、前記内部空間と外部とを連通する連通孔が設けられており、
前記連通孔の外側端には、前記連通孔を閉塞するチップ部が形成されており、
前記連通孔は、前記封止部の幅方向の端部に形成されている
ランプの封止構造が提供される。
【0012】
本発明の他の局面によれば、
気密された内部空間、および、少なくとも1つの封止部を有する発光管を備えるランプの封止構造であって、
前記封止部は、前記発光管の端部を前記発光管の材料同士が融着するようにピンチシールすることで形成されたものであり、
前記封止部には、前記内部空間と外部とを連通する排気管が埋設されており、
前記排気管の外側端には、前記排気管を閉塞するチップ部が形成されており、
前記排気管は、前記封止部の幅方向の端部に埋設されている
ランプの封止構造が提供される。
【0013】
本発明の別の局面によれば、
上述したいずれかの封止構造を備えるランプが提供される。
【0014】
本発明のさらに別の局面によれば、
発光管における少なくとも1つの端部を封止して前記発光管内に気密された内部空間を形成するランプの封止方法であって、
前記端部に排気管を挿設した状態で前記端部を前記発光管の材料同士が融着するようにピンチシールすることで封止して封止部を形成するとともに、前記封止部の幅方向の端部に埋設された前記排気管を介して前記内部空間と外部とが連通する状態とし、
前記排気管を介して前記内部空間からの排気および前記内部空間への封入物の封入を行い、
前記封止部の外側端部で前記排気管を加熱溶融して前記排気管を閉塞するチップ部を形成する
ランプの封止方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るランプの封止構造および封止方法によれば、発光管の内部空間を封止閉塞させるチップ部が当該内部空間から離間した、封止部の外側端に形成される。封止部の外側端は、ランプが発光中であっても比較的低温(例えば、300℃以下)であることから、ランプの発光中に石英ガラスの構造破壊が進行してチップ部から発光管が破損する可能性を低減できる。
【0016】
また、封止部の外側端に形成されたチップ部は、発光管の内部空間から放射された光が当たりにくいことから、ランプの種類によって波長200nm以下の紫外線が放射される場合であっても石英ガラスの構造破壊の進行が顕著とならない。
【0017】
さらに、発光管の内部空間から放射された光がチップ部に当たりにくいことから、ランプから放射される光線が当該チップ部に遮られてしまい、ランプが照らす照射対象において照度ムラが生じる可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明が適用されたランプ10を示す図である。
図2】A-A線端面図である。
図3】本発明が適用されたランプ10の製造手順を示す図である。
図4】本発明が適用されたランプ10の製造手順を示す図である。
図5】本発明が適用されたランプ10の製造手順を示す図である。
図6】ランプ10の製造手順において、発光管12の端部をピンチシールする様子を示す図である。
図7】ランプ10の製造手順において、発光管12の端部をピンチシールする様子を示す図である。
図8】本発明が適用されたランプ10の製造手順を示す図である。
図9】変形例1に係るランプ10を示す図である。
図10】B-B線端面図である。
図11】変形例1に係るランプ10の製造手順を示す図である。
図12】変形例1に係るランプ10の製造手順において、発光管12の端部をピンチシールする様子を示す図である。
図13】変形例1に係るランプ10の製造手順において、発光管12の端部をピンチシールする様子を示す図である。
図14】変形例2に係るランプ10を示す図である。
図15】変形例2に係るランプ10を示す図である。
図16】本発明が適用されたハロゲンランプを示す図である。
図17】従来のガス入りランプ1を示す図である。
図18】従来のガス入りランプ1の製造手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(ランプ10の構造)
本発明が適用された一例に係るランプ10の構造について、図1および図2を用いて説明する。ランプ10は、放電ランプであり、大略、発光管12と、一対の電極14と、一対の箔16と、一対のリード棒18とで構成されている。
【0020】
発光管12は、例えば石英ガラスで形成されており、発光部20と、当該発光部20から延出する一対の封止部22とを有している。発光部20内には、一対の封止部22によって密閉された内部空間24が形成されている。
【0021】
また、発光部20の内部空間24には、所定量の水銀25およびハロゲン(ヨウ素、臭素、あるいは、ヨウ素と臭素との混合物)が封入されている。
【0022】
一対の電極14は、タングステンで形成された略棒状の部材であり、それぞれの一端が互いに対向するようにして内部空間24に配設されている。また、各電極14の他端は、各封止部22に埋設されたモリブデン製の各箔16の一端にそれぞれ電気的に接続されている。
【0023】
さらに、一対のリード棒18は、モリブデンで形成された略棒状の部材であり、それぞれの一端が各箔16の他端にそれぞれ電気的に接続されている。また、一対のリード棒18におけるそれぞれの他端は、各封止部22から外部へ延出している。
【0024】
封止部22の構造について説明すると、一方の封止部22には、発光管12の内部空間24とが外部とを連通する連通孔26が設けられている。
【0025】
また、連通孔26の外側端、つまり連通孔26が形成された封止部22の外側端には、当該連通孔26を閉塞するチップ部28が形成されている。このチップ部28により、連通孔26および内部空間24が外部から気密されている。
【0026】
(ランプ10の製造手順)
次に、上述したランプ10の製造手順について説明する。最初に、図3に示すように、封止前の発光管12を用意する。また、箔16に電極14およびリード棒18をそれぞれ溶接等の手段によって取り付けて一対のマウント部30を構成しておく。
【0027】
然る後、発光管12の端部に対し、電極14からマウント部30を挿入していき、当該マウント部30を所定の位置で保持しつつ発光管12の一方の(マウント部30を挿入した側の)端部をピンチシールすることにより封止する。これにより、図4に示すように、一方の封止部22が形成される。
【0028】
次に、他方のマウント部30を発光管12の他方の端部に挿入していき、当該他方の端部をピンチシールする。これにより、発光管12における略中央部に内部空間24が形成される。このとき、完全に封止してしまうのではなく、図5に示すように、発光管12の内部空間24と外部とを連通する連通孔26が形成されるように発光管12の他方の端部を封止する。このことは、例えば図6および図7に示すように、発光管12の端部を押圧して封止する押圧面52の一部に凹所54が形成されたピンチ部材50を用いることで実施できる。もちろん、連通孔26を有する封止部22を先に形成してもよいし、一対の封止部22をほぼ同時に形成することも考えられる。
【0029】
なお、連通孔26の形成位置は、封止部22の幅方向(発光管12の径方向(=図2中の上下方向))におけるいずれの位置に形成してもよいが、図2に示すように封止部22の幅方向の端部(発光管12の径方向の端部)に形成するのが好適である。その理由として、そもそも封止部22の幅方向の端部は発光管12の肉厚の問題で気密が難しい部分であることから、逆に連通孔26を形成するのが比較的容易であること、さらに、もし封止部22の幅方向の中央部寄りに連通孔26を形成すると封止部22の幅方向の端部の気密がさらに困難となってしまうからである。
【0030】
連通孔26が形成された後、図8に示すように、当該連通孔26の外側端(発光管12における封止部22の端)にパイプ状の排気管60を溶着等の手段で取り付ける。
【0031】
そして、この排気管60を介して発光管12の内部空間24からの排気および当該内部空間24への封入物の封入を行う。この封入物としては、上述のように水銀25およびハロゲン(ヨウ素、臭素、あるいは、ヨウ素と臭素との混合物)が考えられる。もちろん、ランプ10の種類に応じて適切な封入物が選択される。
【0032】
最後に、図1に示すように、排気管60の根元を加熱溶融して連通孔26を閉塞するチップ部28を形成する。このチップ部28は、連通孔26の外側端、つまり連通孔26が形成された封止部22の外側端に形成される。これにより、連通孔26および内部空間24が外部から気密され、ランプ10が完成する。
【0033】
ランプ10に設けられた一対のリード棒18に所定の高電圧を印加すると、発光部20の内部空間24に配設された一対の電極14間で開始したグロー放電がアーク放電に移行し、このアークによって蒸発および励起された水銀25によって光(主に紫外線)が放射される。
【0034】
(ランプ10の特徴)
本発明が適用されたランプ10の封止構造および封止方法によれば、発光管12の内部空間24を封止閉塞させるチップ部28が当該内部空間24から離間した、封止部22の外側端に形成される。封止部22の外側端は、ランプ10が発光中であっても比較的低温(例えば、300℃以下)であることから、ランプ10の発光中に石英ガラスの構造破壊が進行してチップ部28から発光管12が破損する可能性を低減できる。
【0035】
また、封止部22の外側端に形成されたチップ部28は、発光管12の内部空間24から放射された光が当たりにくいことから、ランプ10の種類によって波長200nm以下の紫外線が放射される場合であっても石英ガラスの構造破壊の進行が顕著とならない。
【0036】
さらに、発光管12の内部空間24から放射された光がチップ部28に当たりにくいことから、ランプ10から放射される光線が当該チップ部28に遮られてしまい、ランプ10が照らす照射対象において照度ムラが生じる可能性を低減できる。
【0037】
(変形例1)
上述した実施形態に係るランプ10では、少なくとも一方の封止部22に連通孔26を形成し、当該連通孔26の外側端に排気管60を接続するようになっていたが、これに変えて、図9および図10に示すように、少なくとも一方の封止部22に排気管60を埋設してもよい。なお、この場合、排気管60の材質として、発光管12と同じ石英ガラスを用いるのが好適である。
【0038】
この変形例1に係るランプ10について、上述した実施形態に係るランプ10と同じ構成については同ランプ10の説明を援用し、相違する構成についてのみ説明する。
【0039】
変形例1に係るランプ10における少なくとも1つの封止部22には、発光管12の内部空間24と外部とを連通する排気管60が埋設されており、当該排気管60の外側端(つまり、封止部22の外側端)には、排気管60を閉塞するチップ部が形成されている。
【0040】
次に、変形例1に係るランプ10の製造手順について説明する。この製造手順の説明においても、上述した実施形態に係るランプ10と同じ手順については同ランプ10の説明を援用し、相違する手順についてのみ説明する。
【0041】
少なくとも1つの封止部22を形成する際、図11から図13に示すように、マウント部30および排気管60を発光管12の端部に挿入していき、当該端部をピンチシールする。これにより、封止部22に埋設された排気管60を介して発光管12の内部空間24と外部とが連通する状態となる。
【0042】
然る後、の排気管60を介して発光管12の内部空間24からの排気および当該内部空間24への封入物の封入を行う。この封入物としては、上述のように水銀25およびハロゲン(ヨウ素、臭素、あるいは、ヨウ素と臭素との混合物)が考えられる。もちろん、ランプ10の種類に応じて適切な封入物が選択される。
【0043】
最後に、排気管60を封止部22の外側端の位置で加熱溶融して当該排気管60を閉塞するチップ部28を形成する。これにより、排気管60および内部空間24が外部から気密され、ランプ10が完成する(図9および図10を参照)。
【0044】
(変形例2)
また、上述した実施形態に係るランプ10(連通孔26を有するランプ10)の場合において、当該ランプ10の製造完了後、さらに、連通孔26を外部から加熱して当該連通孔26を塞いでもよい。これにより、ランプ10の封入物(例えば水銀やハロゲン化物)が比較的低温である連通孔26内に集まってしまい、ランプ10の発光量が低下したり、ハロゲンサイクルが阻害されたりするのを防止できる。
【0045】
連通孔26の塞ぎ方として、連通孔26全体を塞いでもよいし(図14を参照)、連通孔26における発光管12の内部空間24に近い方の端部のみを塞いでもよい(図15を参照)。
【0046】
(変形例3)
上述した実施形態では、ランプ10として放電ランプを構成する場合について説明したが、ランプ10は放電ランプに限定されるものではなく、図16に示すようなハロゲンランプであってもよいし、片電極誘電体バリア放電ランプや無電極放電ランプであってもよい。さらに言えば、誘電体バリア放電ランプであってもよい。つまり、電極の有無に係わらず、少なくとも1つの封止部を有しており、かつ、封止された内部空間にガス体を封入するランプであれば、本件発明を適用することができる。
【0047】
このように、ランプ10には少なくとも1つの封止部22が構成されていればよいし、逆に、一対の封止部22の両方に連通孔26およびチップ部28を形成し、あるいは、排気管60を埋設するとともにチップ部28を形成してもよい。また、マウント部30(電極14、箔16、およびリード棒18)は必須の構成要素ではない。
【0048】
また、発光管12(特に発光部20)の形状は、上述した実施形態のように断面真円状に限定されるものではなく、例えば断面楕円状であってもよいし、断面長方形状であってもよい。
【0049】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
10…ランプ、12…発光管、14…電極、16…箔、18…リード棒、20…発光部、22…封止部、24…内部空間、25…水銀、26…連通孔、28…チップ部、30…マウント部
50…ピンチ部材、52…押圧面、54…凹所
60…排気管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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