(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167441
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】鍵盤楽器の調号別音階表示機能
(51)【国際特許分類】
G10G 1/02 20060101AFI20241126BHJP
G09B 15/08 20060101ALI20241126BHJP
G09B 15/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G10G1/02
G09B15/08
G09B15/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024158763
(22)【出願日】2024-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】709004732
【氏名又は名称】米沢 歳征
(72)【発明者】
【氏名】米沢 歳征
(57)【要約】 (修正有)
【課題】これまで調号ごとの音階に対応した鍵盤の位置を目視確認ができなかったが、音階に対応した鍵盤位置を特定し表示することで常に目視確認が可能となる音階表示機能を提供する。
【解決手段】外付けの発光装置を鍵盤サイズに合わせて設置し、鍵盤と発光部を対応させた外付けタイプの音階発光装置3を装着する。または、電子キーボードは光を通しやすい素材の鍵盤を用いて発光装置を内蔵し、鍵盤発光させる内蔵タイプの装置を装着する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音階に該当する鍵盤の位置を発光または表示する外付け型の音階表示機能。
【請求項2】
音階に該当する鍵盤の位置を鍵盤内部で発光させる鍵盤内蔵型の音階表示機能。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵盤楽器で調号別に音階が把握できる音階表示機能を装備した装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピアノ、電子キーボードなどの鍵盤楽器を用いて楽曲の制作、演奏練習を行う際、調号ごとに音階を意識しながら演奏している。
【0003】
しかし、例えば調号がハ長調、イ短調の場合、主に白鍵盤のみを使用するため演奏は比較的容易であるが、他の調号の場合は音階が黒鍵盤も併用するため、特に初心者は音階と鍵盤の関係が把握しづらくまた演奏しづらいものとなっており演奏技術向上に時間がかかるものとなっていた。
図1は音階ごとの鍵盤位置を示したものである。調号ごとの音階に対する鍵盤位置が把握しづらいという欠点があった。
【0004】
楽曲の制作、演奏の際、あらかじめ鍵盤に対する音階を記憶しておき、次に演奏する音を記憶の中から鍵盤位置を見つけて打鍵しなければならず、多くの鍵盤の中から音階と鍵盤の位置関係に慣れるまで時間を要するという問題があった。 特に、曲の中で移調を頻繁に繰り返す場合や、ボーカルに合わせてキーを移調する際、鍵盤の主音は変化し鍵盤の位置関係が変わってくる。 一部の電子キーボードでは鍵盤の打鍵位置を変えず移調できるトランスポーズ機能があるが、打鍵する位置に対して実際に鳴動する音色が変わってくるので違和感があり、練習に支障を来たす恐れがあった。
図2は移調時の鍵盤の主音の位置を示したものである。
【0005】
この改善策として、あらかじめ調号ごとに使用すべき鍵盤を発光させ音階に対する鍵盤位置を明確にして視認性を向上する方法がある。
図3はあらかじめ音階ごとに該当鍵盤を光らせるものである。曲のほとんどはあらかじめ光らせた鍵盤の中から打鍵すればよいので作曲や演奏がしやすくなる。
主音になりうる音は長調、短調も含め多数あるが、主音が特定されれば打鍵すべき鍵盤の対象範囲を狭くすることができる。例えば上下3オクターブ使用する曲では36鍵盤が打鍵対象であるが、本機能導入により視認性向上することから実際は21鍵盤を打鍵の対象とすればよく、さらに曲中で実際に打鍵する数はさらに絞られることとなるため演奏者の心理的負担を軽減することができる。
また、電子キーボードの中には打鍵の際、該当鍵盤が発光するものや、曲の進行にあわせて演奏者に対して事前に鍵盤打鍵を誘導するため鍵盤を発光させる機能が存在しているが、調号単位で音階を発光する機能は見当たらない。そこで、新たな機能として鍵盤内に調号単位で音階を発光させる機能を付加する方法が考えられるが、それだけでは既設所有の鍵盤楽器使用者はその機能を使うことができないため、外付けタイプの装置が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、鍵盤上で調号ごとに音階を目視確認できない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、外付けで発光装置を鍵盤付近に設置して目視確認できること。また、調号ごとに音階を鍵盤内で発光することを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の調号別音階表示は、曲が設定している調号を指定することで打鍵すべき鍵盤をあらかじめ把握でき、打鍵すべく選択の範囲も狭まるので演奏者の演奏上達に寄与するとともに、演奏者の心理的負担を軽くするという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は音階ごとの鍵盤を示した説明図である。(実施例1)
【
図2】
図2は移調時の鍵盤の位置を示した説明図である。(実施例2)
【
図4】
図4は鍵盤に内蔵するタイプの装着図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発光装置を鍵盤の直近に設置して、鍵盤と発光部を対応させ調号の音階に該当する鍵盤の位置を知らせるため発光させることで実現した。
【実施例0013】
図3は、本考案装置の実施例であって、1、2は調号を設定するためのダイヤル、3は対象となる音階に対してそれに該当する鍵盤を示す表示装置である。
【0014】
調号設定ダイヤル1と2を使って調号を設定する。調号設定ダイヤル1は主となる音階を指定し、調号設定ダイヤル2は長調、短調別を指定する。例えばMを指定すれば長調に、mを指定すれば短調を指定する。
外付け型は
図3の3の音階表示装置において該当する発光部分を光らせる。
内蔵型は
図4の4の該当する鍵盤を光らせる。
【0015】
発光装置または、発光する鍵盤については音階の主音となる部分の色と主音以外の音階については別の色を指定することで視認性が向上する。例えば、主音に該当するころは緑色を発光素子とし、主音以外の音階部分は赤色の発光素子を使用する。
【0016】
図5は、装置のシステムダイヤグラムである。1のメモリー部はあらかじめそれぞれの調号単位で主音と主音以外の音階とその位置を記憶しておく。3では2つの設定用つまみから設定入力する4の入力用外部インターフェースを通りディジタル化し2のCPUを介してメモリー情報を参照する。検索し抽出した情報は5の設定表示部に設定した情報を表示するともに、6表示用外部インターフェースを経由して7の表示装置の該当鍵盤に対応した発光位置を特定し発光する。
【0017】
【表1】
発光表示に必要な調号と音階に関する調号一覧である。これらの情報はあらかじめメモリー内に格納しておく。
【0018】
ピアノ、オルガン、電子キーボードなどの鍵盤楽器に本装置を装着することで打鍵対象の鍵盤が発光するので把握が容易となる、視認性に優れているので心理的負担を軽減することができる。また演奏初心者や高齢者に対して音色と鍵盤の位置関係が明確になり演奏上達が期待できることから豊かな音楽文化の発展に寄与することができる。
【0019】
既設の鍵盤楽器は、外付けの装置はいつでも着脱可能である。また演奏技量に応じて取り付け、取り外すことができる。鍵盤に発光装置機能を付加した内蔵タイプでは電子キーボードに付属させた設定つまみで調号の設定を行う。