(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167445
(43)【公開日】2024-12-03
(54)【発明の名称】端末、基地局、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/02 20090101AFI20241126BHJP
H04W 74/08 20240101ALI20241126BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W74/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024159437
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2021574435の分割
【原出願日】2020-01-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】小原 知也
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(57)【要約】
【課題】NRのFR2の周波数帯域以上の高周波数帯においてランダムアクセスプリアンブルを送信するための設定を、端末が適切に行うことを可能とする技術を提供する。
【解決手段】所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる複数のスロットから、無線通信システムの第1の周波数帯におけるランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられるランダムアクセスチャネルスロットを決定する制御部と、前記ランダムアクセスチャネルスロットを用いて、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、を備え、前記ランダムアクセスチャネルスロットは、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に適用されるサブキャリア間隔及び前記所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる前記ランダムアクセスチャネルスロットの数に基づき決定され、前記無線通信システムにより用いられる周波数帯は、前記第1の周波数帯又は前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯である、端末。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる複数のスロットから、無線通信システムの第1の周波数帯におけるランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられるランダムアクセスチャネルスロットを決定する制御部と、
前記ランダムアクセスチャネルスロットを用いて、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、を備え、
前記ランダムアクセスチャネルスロットは、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に適用されるサブキャリア間隔及び前記所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる前記ランダムアクセスチャネルスロットの数に基づき決定され、
前記無線通信システムにより用いられる周波数帯は、前記第1の周波数帯又は前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯である、端末。
【請求項2】
前記ランダムアクセスチャネルスロットは、前記複数のスロットのうち、時間領域における最後のスロットを含む、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる前記ランダムアクセスチャネルスロットの数が2である場合、前記ランダムアクセスチャネルスロットは、前記複数のスロットの時間領域における前半のスロットのうちの最後のスロット及び前記複数のスロットの時間領域における後半のスロットのうちの最後のスロットである、請求項1に記載の端末。
【請求項4】
前記サブキャリア間隔は、240kHZ以上である、請求項1に記載の端末。
【請求項5】
前記所定サブキャリア間隔において用いられるスロットは、60kHZのスロットである、請求項1に記載の端末。
【請求項6】
前記第1の周波数帯は、24.25GHzから71GHzまでの周波数帯である、請求項1に記載の端末。
【請求項7】
無線通信システムの第1の周波数帯におけるランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられるプリアンブルフォーマットを示す情報を端末に送信する送信部と、
ランダムアクセスチャネルスロットを用いて前記端末から送信された前記ランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部と、を備え、
前記ランダムアクセスチャネルスロットは、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に適用されるサブキャリア間隔及び所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる前記ランダムアクセスチャネルスロットの数に基づき決定され、
前記無線通信システムにより用いられる周波数帯は、前記第1の周波数帯又は前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯である、基地局。
【請求項8】
端末により実行される通信方法であって、
所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる複数のスロットから、無線通信システムの第1の周波数帯におけるランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられるランダムアクセスチャネルスロットを決定するステップと、
前記ランダムアクセスチャネルスロットを用いて、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するステップと、を備え、
前記ランダムアクセスチャネルスロットは、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に適用されるサブキャリア間隔及び前記所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる前記ランダムアクセスチャネルスロットの数に基づき決定され、
前記無線通信システムにより用いられる周波数帯は、前記第1の周波数帯又は前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯である、通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける端末及び基地局に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)のリリース15のNR(New Radio)及びリリース16のNRでは、上限が52.6GHzまでの周波数帯を対象としている。52.6GHz以上の周波数帯にNRを拡張することについて、リリース16で、各種規制(regulation)、ユースケース、要求条件(requirement)等を検討するTSG RAN(Technical Specification Group Radio Access Network)レベルのstudy itemが存在する。このstudy itemの検討は、2019年12月に完了しており、リリース17で、仕様を実際に52.6GHz以上に拡張するためのstudy item及びwork itemが合意されている。
【0003】
リリース16での検討項目では、NRの周波数帯として、52.6GHzから114.25GHzまで拡張することを想定していたが、リリース17では、検討の時間が限られていることもあり、検討の対象とする周波数帯を、52.6GHzから71GHzまでに限定することが想定されている。さらに、NRの周波数帯を、52.6GHzから71GHzまでに拡張する際に、現在のNRのFR2(Frequency Range 2)のデザインに基づいて拡張を行うことが想定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TSG RAN Meeting #86、RP-193229、Sitges、Spain、December 9-12、2019
【非特許文献2】3GPP TS 38.101-2 V15.8.0 (2019-12)
【非特許文献3】3GPP TSG-RAN4 Meeting #92bis、R4-1912870、Chongqing、China、14-18 Oct、2019
【非特許文献4】3GPP TSG-RAN4 Meeting #93、R4-1916167、Reno、United States、18th-22nd November、2019
【非特許文献5】3GPP TSG-RAN4 Meeting #92bis、R4-1912982、Chongqing、China、14th-18th October 2019
【非特許文献6】3GPP TSG-RAN4 Meeting #93、R4-1915982、Reno、US、November 18-22、2019
【非特許文献7】3GPP TS 38.331 V15.8.0 (2019-12)
【非特許文献8】3GPP TS 38.213 V15.8.0 (2019-12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
52.6GHzから71GHzまでの周波数帯では、新しいサブキャリア間隔が導入されることが想定されている。
【0006】
NRのFR2の周波数帯域以上の高周波数帯においてランダムアクセスプリアンブルを送信するための設定を、端末が適切に行うことを可能とする技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる複数のスロットから、無線通信システムの第1の周波数帯におけるランダムアクセスプリアンブルの送信に用いられるランダムアクセスチャネルスロットを決定する制御部と、前記ランダムアクセスチャネルスロットを用いて、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、を備え、前記ランダムアクセスチャネルスロットは、前記ランダムアクセスプリアンブルの送信に適用されるサブキャリア間隔及び前記所定サブキャリア間隔において用いられるスロット長内に含まれる前記ランダムアクセスチャネルスロットの数に基づき決定され、前記無線通信システムにより用いられる周波数帯は、前記第1の周波数帯又は前記第1の周波数帯より低い第2の周波数帯である、端末、が提供される。
【発明の効果】
【0008】
実施例によれば、NRのFR2の周波数帯域以上の高周波数帯においてランダムアクセスプリアンブルを送信するための設定を、端末が適切に行うことを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態における通信システムの構成図である。
【
図3】
図3は、リリース15のNRのロングシーケンスに基づくPRACHフォーマットの例を示す図である。
【
図4】
図4は、リリース15のNRのショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットの例を示す図である。
【
図5】OCB(occupied channel bandwidth)の要求条件の例及びPSD(power spectral density)の要求条件の例を示す図である。
【
図6】PRACHフォーマットに適用する系列長、PRACHのSCS、及びPUSCHのSCSの組み合わせ例を示す図である。
【
図7】52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、新たに導入するテーブルの例を示す図である。
【
図8】フォーマットA0、A1、A2、A3、B1、B2、B3、B4、C0、C2の例を示す図である。
【
図9】PRACHの各OFDMシンボルに対してサイクリックプレフィックスが挿入されるフォーマットの例を示す図である。
【
図10】PRACH OFDMシンボルの繰り返しの回数が多いフォーマットの例を示す図である。
【
図11】サイクリックプレフィックス(又はガードピリオド)の長さが短いフォーマットの例を示す図である。
【
図12】FR2に適用可能なPRACH configurationとPRACH configuration indexとの間の対応関係を規定するテーブルの例を示す図である。
【
図13】テーブルにパラメータの新たな値を導入する例を示す図である。
【
図16】端末及び基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0011】
以下の実施の形態における無線通信システムは基本的にNRに準拠することを想定しているが、それは一例であり、本実施の形態における無線通信システムはその一部又は全部において、NR以外の無線通信システム(例:LTE)に準拠していてもよい。
【0012】
(システム全体構成)
図1に本実施の形態に係る無線通信システムの構成図を示す。本実施の形態に係る無線通信システムは、
図1に示すように、端末10、及び基地局20を含む。
図1には、端末10、及び基地局20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
【0013】
端末10は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。端末10は、DLで制御信号又はデータを基地局20から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局20に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。例えば、端末10から送信されるチャネルには、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)が含まれる。また、端末10をUEと称し、基地局20をgNBと称してもよい。
【0014】
本実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよい。
【0015】
また、実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される(Configure)」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)されることであってもよいし、基地局20又は端末10から通知される無線パラメータに基づいて設定されることであってもよい。
【0016】
基地局20は、1つ以上のセルを提供し、端末10と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。基地局20は、同期信号及びシステム情報を端末10に送信する。同期信号は、例えば、NR-PSS及びNR-SSSである。システム情報の一部は、例えば、NR-PBCHにて送信され、報知情報ともいう。同期信号及び報知情報は、所定数のOFDMシンボルから構成されるSSブロック(SS/PBCH block)として周期的に送信されてもよい。例えば、基地局20は、DL(Downlink)で制御信号又はデータを端末10に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータを端末10から受信する。基地局20及び端末10はいずれも、ビームフォーミングを行って信号の送受信を行うことが可能である。例えば、基地局20から送信される参照信号はCSI-RS(Channel State Information Reference Signal)を含み、基地局20から送信されるチャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を含む。
【0017】
(Multi-numerology)
5Gにおける幅広い周波数やユースケースをサポートするためには、複数のNumerology(サブキャリア間隔やシンボル長等の無線パラメータ)をサポートする必要がある。このため、LTEのNumerologyを基準として、スケーラブルに可変パラメータを設計することが有効である。この考え方の下で、NRのMulti-Numerologyが導入されている。具体的には、基準サブキャリア間隔は、LTEのサブキャリア間隔と同じで、15kHzとされている。基準サブキャリア間隔に2のべき乗を乗算することで、その他のサブキャリア間隔が規定されている。複数サブキャリア間隔構成(subcarrier spacing configuration)μが規定されている。具体的には、μ=0に対して、サブキャリア間隔Δf=15kHz、Cyclic prefix=Normal、μ=1に対して、サブキャリア間隔Δf=30kHz、Cyclic prefix=Normal、μ=2に対して、サブキャリア間隔Δf=60kHz、Cyclic prefix=Normal又はExtended、μ=3に対して、サブキャリア間隔Δf=120kHz、Cyclic prefix=Normal、μ=4に対して、サブキャリア間隔Δf=240kHz、Cyclic prefix=Normalが指定されてもよい。
【0018】
サブキャリア間隔構成μ=0、1、2、3、4のいずれに対しても、1つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、14とされている。しかしながら、サブキャリア間隔構成μ=0、1、2、3、4に対して、1フレームに含まれるスロット数は、10、20、40、80、160であり、かつ1サブフレームに含まれるスロット数は、1、2、4、8、16となっている。ここで、フレームの長さは、10msなので、サブキャリア間隔構成μ=0、1、2、3、4に対して、スロット長は、1ms、0.5ms、0.25ms、0.125ms、0.0625msとなる。サブキャリア間隔構成μ=0、1、2、3、4のいずれに対しても、1つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、14なので、サブキャリア間隔構成毎にOFDMシンボル長が異なる。サブキャリア間隔構成μ=0、1、2、3、4に対して、OFDMシンボル長は、(1/14)ms、(0.5/14)ms、(0.25/14)ms、(0.125/14)ms、(0.0625/14)msとなる。このように、スロット長及びOFDMシンボル長を短くすることで、低遅延の通信を実現することができる。例えば、基地局20は、情報要素BWPのパラメータであるsubcarrierSpacingにおいて、μ=0、1、2、3、4のいずれかを指定することにより、端末10に対してサブキャリア間隔を設定することができる。
【0019】
(52.6GHz以上の周波数帯へのNRの拡張)
3GPP(Third Generation Partnership Project)のリリース15のNR(New Radio)及びリリース16のNRでは、上限が52.6GHzまでの周波数帯を対象としている。52.6GHz以上の周波数帯にNRを拡張することについて、リリース16で、各種規制(regulation)、ユースケース、要求条件(requirement)等を検討するTSG RAN(Technical Specification Group Radio Access Network)レベルのstudy itemが存在する。このstudy itemの検討は、2019年12月に完了しており、リリース17で、仕様を実際に52.6GHz以上に拡張するためのstudy item及びwork itemが合意されている。
【0020】
リリース16での検討項目では、NRの周波数帯として、52.6GHzから114.25GHzまで拡張することを想定していたが、リリース17では、検討の時間が限られていることもあり、
図2に示されるように、検討の対象とする周波数帯を、52.6GHzから71GHzまでに限定することが想定されている。さらに、NRの周波数帯を、52.6GHzから71GHzまでに拡張する際に、現在のNRのFR2(Frequency Range 2)のデザインに基づいて拡張を行うことが想定されている。これは、新しいwave formの検討を行うには、かなり時間を費やすことが想定されるためである。
【0021】
また、検討の対象の周波数帯を、52.6GHzから71GHzに限定する理由として、例えば、71GHz以下では、既に、各国で使えるアンライセンス周波数帯として、54GHzから71GHzといった周波数帯が存在しており、かつWorld Radiocommunication Conference 2019(WRC-2019)でもIMT(International Mobile Telecommunications)向けの新しい周波数帯の候補として、66GHzから71GHzが最も高い周波数帯となっており、71GHz以上には、直ちにライセンスバンドとして使用できるような周波数帯が存在しない点が挙げられる。
【0022】
現在のNR用の周波数帯は、410MHzから7.125GHzまでの周波数帯に対応するFR1(Frequency Range 1)及び24.25GHzから52.6GHzまでの周波数帯に対応するFR2で構成されている。
【0023】
なお、52.6GHzから71GHzまでの周波数帯については、現状のFR2(24.25GHzから52.6GHzまでの周波数帯)の定義を変更して、変更後のFR2に含めてもよく、代替的に、FR2とは分けて、新しいFrequency Range(FR)としてもよい。
【0024】
(Work ItemのObjectives)
(RAN1:物理レイヤの特徴)
52.6GHzから71GHzまでの周波数帯で端末10及び基地局20が動作するための新しい1又は複数のニューメロロジー。Study Item(SI)で特定される物理信号/チャネルへの影響がある場合には、その影響に対処する。
【0025】
新しいニューメロロジーそれぞれに適合するタイムラインに関する特徴。例えば、BWP(Bandwidth Part)及びビーム切り替え時間、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)スケジューリング、UE(User Equipment)処理、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)/SRS(Sounding Reference Signal)及びCSI(Channel State Information)、それぞれを準備する時間及び計算する時間。
【0026】
52.6GHzから71GHzまでの周波数帯におけるライセンス周波数帯での動作及びアンライセンス周波数帯での動作のための最大で64のSSB(Synchronization Signal Block)ビーム。
【0027】
物理レイヤの処理は、52.6GHzから71GHzまでのアンライセンス周波数帯に適用可能な規制要件を満たすための、ビームベースの動作を想定したチャネルアクセスメカニズムを含んでもよい。
【0028】
図3及び
図4は、リリース15のNRのPRACH(Physical Random Access Channel)の概要を説明する図である。
【0029】
図3は、リリース15のNRのロングシーケンス(Long sequence)に基づくPRACHフォーマットの例を示す図である。ロングシーケンスに基づくPRACHフォーマットは、系列長839のZadoff-Chu系列を送信するためのPRACHフォーマットであり、LTEでサポートされるPRACHフォーマットと同様のフォーマットである。
【0030】
図4は、リリース15のNRのショートシーケンス(Short sequence)に基づくPRACHフォーマットの例を示す図である。ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットは、系列長139のZadoff-Chu系列を送信するためのPRACHフォーマットである。ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットは、例えば、PUSCH等のデータに適用されるサブキャリア間隔と同じサブキャリア間隔を使用して、より広い帯域、かつ短い時間長のPRACHを使う場合に使用することが可能である。ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットに対して、データに適用されるサブキャリア間隔(SCS:Subcarrier Spacing)と同様に、15kHzのSCS、30kHzのSCS、60kHzのSCS、及び120kHzのSCSを使用することが可能である。FR1では、ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットに対して、15kHzのSCS及び30kHzのSCSを使用することが可能である。また、FR2では、ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットに対して、60kHzのSCS及び120kHzのSCSを使用することが可能である。
【0031】
図4の表に示されるように、ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットとして、プリアンブルフォーマットA、B、Cが定義されている。プリアンブルフォーマットA、B、Cは、主に、ガードピリオド(GP)の有無、及びサイクリックプレフィックス(CP)の長さが相対的に長いか否かの違いにより分類されている。例えば、プリアンブルフォーマットA、B、Cについて、0、1、2、3、4というインデックスが定義されているが、これは時間長の違いを表している。例えば、「0」は1シンボル分の長さであり、「1」は2シンボル分の長さであり、「2」は4シンボル分の長さであり、「3」は6シンボル分の長さであり、「4」は12シンボル分の長さとなっている。
【0032】
図4に示されるように、プリアンブルフォーマットAに対して、ガードピリオド(T_GP)は0となっている。プリアンブルフォーマットAのユースケースとしては、例えば、複数のプリアンブルフォーマットAを並べてスロットを埋めて送信することが想定される。プリアンブルフォーマットB及びCに対しては、ゼロ以外のガードピリオド(T_GP)が定義されている。従って、プリアンブルフォーマットB及びCのユースケースとしては、例えば、フォーマットを単体で使用することが想定される。プリアンブルフォーマットBと、プリアンブルフォーマットCとは、サイクリックプレフィックスの長さ(T_CP)が異なっている。プリアンブルフォーマットBのサイクリックプレフィックスの長さは、プリアンブルフォーマットCのサイクリックプレフィックスの長さよりも短く、プリアンブルフォーマットBに対応する最大セル半径(Maximum Cell radius)は、プリアンブルフォーマットCに対応する最大セル半径よりも小さい。つまり、プリアンブルフォーマットBは、比較的小さいセルで使用されることが想定されており、プリアンブルフォーマットCは、比較的大きいセルで使用されることが想定されている。このように、プリアンブルフォーマットA、B、Cは、プリアンブルのユースケースで分類されていると言える。
【0033】
リリース15のNRのFR2では、ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットだけを使用することが可能であり、PRACHに対してサブキャリア間隔60kHz又は120kHzを使用することが可能である。
【0034】
リリース16のNR-U(アンライセンス周波数帯)対して、PRACHフォーマットの拡張が行われている。リリース16のNR-Uでは、リリース15のNRのショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットは、全て使用可能である。それに加えて、系列長1151のZadoff-Chu系列(15kHzのSCS向け)及び系列長571のZadoff-Chu系列(30kHzのSCS向け)が、フォーマットA、B、及びCに対して適用可能である。
【0035】
図5は、OCB(occupied channel bandwidth)の要求条件の例及びPSD(power spectral density)の要求条件の例を示す図である。ヨーロッパでは、アンライセンス周波数帯において、OCBの要求条件に基づき、電波の利用が規制されている。信号を送信する場合に、システム帯域幅の8割以上を使用しなければならないというルールである。リリース15の系列長139のZadoff-Chu系列では、帯域が狭すぎるため、OCBの要求条件を満たすことが困難である。このため、上述の系列長1151のZadoff-Chu系列及び系列長571のZadoff-Chu系列が導入されている。
【0036】
また、ヨーロッパでは、アンライセンス周波数帯において、OCBの要求条件以外に、PSD(power spectrum density)の上限に基づいて、電波の利用が各国で規制されている。例えば、ヨーロッパでは、5150MHzから5350MHzの周波数帯域において、10dBm/MHz以下でなければならないというルールがある。このようなOCBの要求条件及びPSDの上限に関する要求条件の下では、信号を送信するための帯域幅を広くとれば、トータルの電力としてより大きな電力で信号を送信することが可能であるが、信号を送信するための帯域幅が狭い場合には、トータルの電力として大きな電力で信号を送信することは困難である。このため、より系列長の長いZadoff-Chu系列が導入されている。
【0037】
(課題について)
52.6GHzから71GHzの周波数帯域において、SSB及びデータに対して、新しいサブキャリア間隔が導入されることが想定されている。この場合において、PRACHに対して使用可能なサブキャリア間隔がどのようになるか、現時点では不明である。例えば、ショートシーケンスに基づくPRACHフォーマットについては、データに適用されるサブキャリア間隔と同じサブキャリア間隔が適用されてもよいと考えられる。
【0038】
また、52.6GHzから71GHzの周波数帯域におけるアンライセンス周波数帯について、OCBの要求条件は適用されていないが、PSDの上限に関する要求条件は適用されている。このため、狭い帯域幅で信号を送信する場合、信号を送信するための送信電力は小さくなると考えられる。このため、信号を送信するための帯域幅として、より広い帯域幅を確保することで、信号を送信するためのトータルの送信電力を大きくすることが必要になると想定される。
【0039】
(Proposal 1)
52.6GHzから71GHzの周波数帯域(ライセンス周波数帯及びアンライセンス周波数帯を含む)において、PRACHフォーマットのうち、少なくともプリアンブルフォーマットA、B、及びCのうちのいずれかに対して、新しいニューメロロジー(例えば、μ=5に対して、サブキャリア間隔Δf=480kHz、Cyclic prefix=Normal又はExtendedが指定されるものであってもよい。または、既存のμ=4に対応するCyclic prefixとして、Normalに加えて更にExtendedが指定されるものであってもよい。なお、それぞれのμの値に対して、サブキャリア間隔ΔfやCyclic prefix以外の情報(例えば、周波数に関する情報)が規定されるものであってもよい。)が導入されてもよい。例えば、直交系列(例えば、Zadoff-Chu系列)の系列長が139であるプリアンブルフォーマットA、B、及び/又はCに対して、240kHzのSCS、及び/又は480kHzのSCSが適用可能とされてもよい。
【0040】
ライセンス周波数帯及びアンライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに同じ系列長の直交系列を適用してもよいし、異なる系列長の直交系列を適用してもよい。例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯域において、PRACHフォーマットに適用可能な系列長は、以下のAlt.1からAlt.5のうちのいずれか1つであってもよい。
【0041】
(Alt.1)ライセンス周波数帯及びアンライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が139である直交系列を適用することが可能であってもよく、かつPRACHフォーマットに系列長が571である直交系列及び/又は系列長が1151である直交系列を適用することが可能であってもよい。
【0042】
(Alt.2)ライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が139である直交系列を適用することが可能であってもよく、かつアンライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が571である直交系列及び/又は系列長が1151である直交系列を適用することが可能であってもよい。また、ライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が139である直交系列を適用することが可能であり、かつアンライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が139である直交系列と、系列長が571である直交系列及び系列長が1151である直交系列のうちの少なくとも1つと、を適用することが可能であってもよい。
【0043】
(Alt.3)ライセンス周波数帯及びアンライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が139である直交系列を適用することが可能であってもよく、かつPRACHフォーマットに新しい系列長(139よりも長い系列長)の直交系列を適用することが可能であってもよい。
【0044】
(Alt.4)ライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が139である直交系列を適用することが可能であってもよく、かつアンライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに新しい系列長(139よりも長い系列長)の直交系列を適用することが可能であってもよい。
【0045】
(Alt.5)ライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに新しい系列長(139よりも短い系列長)の直交系列を適用することが可能であってもよく、かつアンライセンス周波数帯において、PRACHフォーマットに系列長が139、571、及び/又は1151である直交系列、及び/又は新しい系列長(139よりも長い系列長)の直交系列を適用することが可能であってもよい。
【0046】
PRACHフォーマットに用いる系列長はニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔)に基づいて決定されてもよいし、複数のニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔)の値のうちいずれであるかに関わらず、PRACHフォーマットに用いる系列長が決定されてもよい。
【0047】
上述の例のように、新しい直交系列が導入される場合には、基地局20は、端末10に対して、どの系列長を適用してPRACHを送信するかを通知することが必要になることが想定される。そこで、基地局20から受信するPRACHに関する設定情報(例えば、情報要素prach-RootSequenceIndex)に、新たな系列長のroot sequence indexの候補値のうち、どの候補値を選択できるかを示すパラメータを追加してもよい。
【0048】
図6は、PRACHフォーマットに適用する系列長、PRACHのSCS、及びPUSCHのSCSの組み合わせの例を示す図である。例えば、3GPPのリリース15のNRのPRACHフォーマットに適用可能な系列長、PRACHのSCS、及びPUSCHのSCSの組み合わせ、及び3GPPのリリース16のNR-UのPRACHフォーマットに適用可能な系列長、PRACHのSCS、及びPUSCHのSCSの組み合わせに加えて、52.6GHzから71GHzまでの周波数帯において、PRACHフォーマットに適用可能な系列長、PRACHのSCS、及びPUSCHのSCSの組み合わせが追加されてもよい。この場合において、追加される新たな組み合わせは、系列長が139であり、かつPRACHのSCSとPUSCHのSCSとが同じである組み合わせを含んでもよい。追加的に、追加される新たな組み合わせは、PUSCHのSCSに対して、PRACHのSCSの方が広い組み合わせ、及びPRACHのSCSに対して、PUSCHのSCSの方が広い組み合わせを含んでもよい。或いは、追加される新たな組み合わせは、PUSCHのSCSと、PRACHのSCSとが同じである組み合わせのみを含んでもよい。
【0049】
なお、
図6の例において、L
RAは、系列の長さを示し、Δf
RA for PRACHは、PRACHのサブキャリア間隔を示し、Δf for PUSCHは、PUSCHのサブキャリア間隔を示してもよい。N
RA
RBは、PRACHの送信に使用するリソースブロック数をPUSCHのリソースブロック数で表した値を示してもよい。k(-)は、PRACHの生成に使用されるパラメータを示してもよい。
【0050】
(動作例1)
例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯において、初期アクセス時に、端末10は、基地局20から、PRACHの設定情報を含むシステム情報を受信する。端末10は、受信したPRACHの設定情報に含まれる情報要素prach-RootSequenceIndexで指定されるパラメータに基づいて、PRACHのフォーマットに適用可能な直交系列を選択する。また、端末10は、受信したシステム情報に含まれるPRACHの設定情報に基づき、PRACHのサブキャリア間隔を設定し、PUSCHのサブキャリア間隔を設定する。端末10は、選択したPRACHフォーマット及びPRACHのサブキャリア間隔を適用して、ランダムアクセスプリアンブルを基地局20に対して送信する。
【0051】
(Proposal 2)
(A)新しいサブキャリア間隔、(B)新しい系列長、及び(C)系列長、PRACHのSCS、及びPUSCHのSCSの組み合わせ、を適用可能な周波数帯は、所定の周波数帯であってもよい。例えば、以下のAlt.A1からAlt.A4のうちのいずれかであってもよい。
【0052】
(Alt.A1)52.6GHzから71GHzまでの周波数帯のみで適用可能。
【0053】
(Alt.A2)24.25GHzから71GHzまでの周波数帯で適用可能。
【0054】
(Alt.A3)上記(A)、(B)、(C)のうちの一部(もしくは全部)は、52.6GHzから71GHzまでの周波数帯のアンライセンス周波数帯で適用可能であり、かつ上記(A)、(B)、(C)のうちの一部(もしくは全部)は、52.6GHzから71GHzまでの周波数帯のライセンス周波数帯で適用可能であってもよい。
【0055】
(Alt.A4)上記(A)、(B)、(C)のうちの一部(もしくは全部)は、24.25GHzから71GHzまでの周波数帯のアンライセンス周波数帯で適用可能であり、かつ上記(A)、(B)、(C)のうちの一部(もしくは全部)は、24.25GHzから71GHzまでの周波数帯のライセンス周波数帯で適用可能であってもよい。
【0056】
図12は、FR2に適用可能なPRACH configurationとPRACH configuration indexとの間の対応関係を規定するテーブルの例を示す図である。
【0057】
(Alt.B1)
図12の例に示されるような、FR2に適用可能なPRACH configurationとPRACH configuration indexとの間の対応関係を規定するテーブルを、52.6GHzから71GHzの周波数帯に適用してもよい。この場合において、例えば、フォーマットA0、A1、A2、A3、B1、B2、B3、B4、C0、C2がプリアンブルフォーマットとして適用可能であってもよく、かつ直交系列の系列長は139、511、又は1151であってもよい。
【0058】
図12の例において、PRACHのSCSが120kHzである場合には、60kHzのスロット内に2つPRACHスロットが存在する。
図12の例における「Number of PRACH slots within a 60 kHz slot」の欄の値が1であることは、60kHzのスロット内の2つのPRACHスロットのうち、後半の1つのPRACHスロットにのみ、実際にPRACHを送信可能なリソースが存在することを示してもよい。また、「Number of PRACH slots within a 60 kHz slot」の欄の値が2であることは、60kHzのスロット内の2つのPRACHスロットのうち、各スロットに実際にPRACHを送信可能なリソースが存在することを示してもよい。これに対して、PRACHのSCSが240kHzである場合には、60kHzのスロット内に4つPRACHスロットが存在する。この場合、例えば、
図12の例に示される「Number of PRACH slots within a 60 kHz slot」の欄の値が2である場合に、4つのPRACHスロットのうちのどの2つのスロットであるか、不明となる可能性がある。
【0059】
そこで、
図12の例に示されるようなPRACH configurationとPRACH configuration indexとの間の対応関係を規定するテーブルにおいて、PRACHのSCSがより大きい場合(例えば、PRACHのSCSが240kHzの場合)、「Number of PRACH slots within a 60kHz slot」が、以下のAlt.C1からAlt.C3のうちのいずれかのように定義されてもよい。なお、以下のAlt.C1からAlt.C3に加えて、「Number of PRACH slots within a 60 kHz slot」の欄の値が2である場合、60kHzのスロット内の4つのPRACHスロットのうち、全てのスロットに、実際にPRACHを送信可能なリソースが存在してもよい。
【0060】
(Alt.C1)「Number of PRACH slots within a 60 kHz slot」の欄の値が2である場合、60kHzのスロット内の4つのPRACHスロットのうち、3番目のスロット及び4番目のスロットに、実際にPRACHを送信可能なリソースが存在してもよい。
【0061】
(Alt.C2)「Number of PRACH slots within a 60 kHz slot」の欄の値が2である場合、60kHzのスロット内の4つのPRACHスロットのうち、2番目のスロット及び4番目のスロットに、実際にPRACHを送信可能なリソースが存在してもよい。
【0062】
(Alt.C3)上記のAlt.C1及びAlt.C2のうちのいずれかをRRCシグナリングによって設定可能であってもよい。つまり、「Number of PRACH slots within a 60 kHz slot」の欄の値が2である場合、60kHzのスロット内の4つのPRACHスロットのうちのいずれかのスロットに、実際にPRACHを送信可能なリソースを基地局20により設定して、設定情報をRRCシグナリングによって端末10に通知してもよい。
【0063】
上述のように、単位となるスロット内に含まれるPRACHスロットの数が2より大きい場合には、
図12の例に示されるようなPRACH configuration indexで指定されるPRACHスロットがどのスロットであるかを規定してもよい。
【0064】
(Alt.B2)52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、PRACH configurationとPRACH configuration indexとの間の対応関係を規定するテーブルを、新たに導入してもよい。
図7は、52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、新たに導入するテーブルの例を示す図である。
【0065】
(Opt.1)52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、フォーマットA0、A1、A2、A3、B1、B2、B3、B4、C0、C2のうち、一部のフォーマットのみをサポートしてもよい。
【0066】
図8は、フォーマットA0、A1、A2、A3、B1、B2、B3、B4、C0、C2の例を示す図である。例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯では、セルのサイズが小さくなることが想定されるので、長いガードピリオドに対応するC0及びC2は、サポートされなくてもよい。また、例えば、ビームの切り替えに時間が必要であるため、ガードピリオドを含まないA0、A1、A2、A3は、サポートされなくてもよい。例えば、フォーマットA0、A1、A2、A3、B1、B2、B3、B4、C0、C2のうち、B1、B2、B3、B4だけがサポートされてもよい。
【0067】
(Opt.2)52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、新しいフォーマットが導入されてもよい。
【0068】
例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、基地局20における送信ビームの切り替えに対応する、PRACHの各OFDMシンボルに対してサイクリックプレフィックスが挿入されるフォーマットが導入されてもよい。
図9は、PRACHの各OFDMシンボルに対してサイクリックプレフィックスが挿入されるフォーマットの例を示す図である。
【0069】
また、例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、カバレッジの向上を目的として、PRACH OFDMシンボルの繰り返しの回数が多いフォーマットを導入してもよい。
図10は、PRACH OFDMシンボルの繰り返しの回数が多いフォーマットの例を示す図である。
【0070】
また、例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、サイクリックプレフィックス(又はガードピリオド)の長さが短いフォーマットを導入してもよい。
図11は、サイクリックプレフィックス(又はガードピリオド)の長さが短いフォーマットの例を示す図である。
【0071】
(Opt.3)52.6GHzから71GHzの周波数帯に対して、PRACH configurationとPRACH configuration indexとの間の対応関係を規定するテーブルに、パラメータの新たな値を導入してもよい。
【0072】
図13は、テーブルにパラメータの新たな値を導入する例を示す図である。例えば、
図13のテーブルの例に示されるように、スロット数として、44、49、54、59、64、69、74、70を新たに追加してもよい。また、「Number of PRACH slots」について、「Number of PRACH slots within a 120kHz slot」といったように、新たなサブキャリア間隔に対応するスロットの中のPRACHスロットの数が追加されてもよい。
【0073】
(Alt.B3)
図12の例に示されるような、FR2に適用可能なPRACH configurationとPRACH configuration indexとの間の対応関係を規定するテーブルを、52.6GHzから71GHzの周波数帯用に変更して適用してもよい。
【0074】
図7は、FR2用のテーブルを52.6GHzから71GHzの周波数帯用に変更した例を示す図である。
図7の例では、「Number of PRACH slots within a 60kHz slot」の欄に、PRACH SCS=120kHzの欄に加えて、PRACH SCS=240kHzの欄が追加されている。なお、
図7の例では、120kHzと240kHzのSCSを記載しているが、これは一例であり、120kHzと480kHzのように別の複数のSCSであってもよい。
【0075】
(動作例2)
例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯において、初期アクセス時に、端末10は、基地局20から、PRACHの設定情報を含むシステム情報を受信する。端末10は、受信したPRACHの設定情報に含まれるPRACH configuration indexの値に基づき、当該PRACH configuration indexの値に対応付けられるPRACH configurationを設定して、ランダムアクセスプリアンブルを基地局20に対して送信する。ここで、PRACH configuration indexの値に対応付けられるPRACH configurationは、Alt.B1からAlt.B3のうちのいずれかであってもよい。
【0076】
(UE capability)
端末10は、PRACHフォーマットの適用可否に関する能力情報(例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯に適用可能な全て(又は一部)のPRACHフォーマット(系列長及び/又はSCCを含む)を適用することが可能であるか否かを示す能力情報)を基地局に送信し、基地局はこの能力情報に基づいてPRCHに関する設定情報(Proposal 1及び/又は2に記載したような設定情報)を端末10に送信してもよい。
【0077】
(Alt.D1)52.6GHzから71GHzの周波数帯に対応する端末10に対して、52.6GHzから71GHzの周波数帯に適用可能な全てのPRACHフォーマット(系列長及び/又はSCSを含む)を適用することが可能であってもよい。
【0078】
(Alt.D2)52.6GHzから71GHzの周波数帯のアンライセンス周波数帯での動作に対応する端末10に対して、52.6GHzから71GHzの周波数帯に適用可能な全てのPRACHフォーマット(系列長及び/又はSCSを含む)を適用することが可能であってもよい。
【0079】
これに対して、52.6GHzから71GHzの周波数帯のライセンス周波数帯での動作のみに対応する端末10に対しては、52.6GHzから71GHzの周波数帯のアンライセンス周波数帯での動作に対応する端末10に適用可能なPRACHフォーマット(例えば、系列長1151又は571)を適用することができなくてもよい。
【0080】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理動作を実行する端末10及び基地局20の機能構成例を説明する。端末10及び基地局20は、本実施の形態で説明した全ての機能を備えている。ただし、端末10及び基地局20は、本実施の形態で説明した全ての機能のうちの一部のみの機能を備えてもよい。なお、端末10及び基地局20を総称して通信装置と称してもよい。
【0081】
<端末>
図14は、端末10の機能構成の一例を示す図である。
図14に示されるように、端末10は、送信部110と、受信部120と、制御部130を有する。
図14に示される機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部110を送信機と称し、受信部120を受信機と称してもよい。
【0082】
送信部110は、送信データから送信を作成し、当該送信信号を無線で送信する。また、送信部110は、1つ又は複数のビームを形成することができる。受信部120は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部120は受信する信号の測定を行って、受信電力等を取得する測定部を含む。
【0083】
制御部130は、端末10の制御を行う。なお、送信に関わる制御部130の機能が送信部110に含まれ、受信に関わる制御部130の機能が受信部120に含まれてもよい。
【0084】
例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯において、初期アクセス時に、端末10の受信部120は、基地局20から、PRACHの設定情報を含むシステム情報を受信する。端末10の制御部130は、受信したPRACHの設定情報に含まれる情報要素prach-RootSequenceIndexで指定されるパラメータに基づいて、PRACHのフォーマットに適用可能な直交系列を選択する。また、端末10の制御部130は、受信したシステム情報に含まれるPRACHの設定情報に基づき、PRACHのサブキャリア間隔を設定し、PUSCHのサブキャリア間隔を設定する。端末10の送信部110は、制御部130が選択したPRACHフォーマット及びPRACHのサブキャリア間隔を適用して、ランダムアクセスプリアンブルを基地局20に対して送信する。
【0085】
例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯において、初期アクセス時に、端末10の受信部120は、基地局20から、PRACHの設定情報を含むシステム情報を受信する。端末10の制御部130は、受信したPRACHの設定情報に含まれるPRACH configuration indexの値に基づき、当該PRACH configuration indexの値に対応付けられるPRACH configurationを設定し、送信部110は、ランダムアクセスプリアンブルを基地局20に対して送信する。ここで、PRACH configuration indexの値に対応付けられるPRACH configurationは、Alt.B1からAlt.B3のうちのいずれかであってもよい。
【0086】
<基地局20>
図15は、基地局20の機能構成の一例を示す図である。
図15に示されるように、基地局20は、送信部210と、受信部220と、制御部230を有する。
図15に示される機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部210を送信機と称し、受信部220を受信機と称してもよい。
【0087】
送信部210は、端末10側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部220は、端末10から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、受信部220は受信する信号の測定を行って、受信電力等を取得する測定部を含む。
【0088】
制御部230は、基地局20の制御を行う。なお、送信に関わる制御部230の機能が送信部210に含まれ、受信に関わる制御部230の機能が受信部220に含まれてもよい。
【0089】
例えば、52.6GHzから71GHzの周波数帯において、基地局20の制御部230は、情報要素prach-RootSequenceIndexにPRACHのフォーマットに適用可能な直交系列の候補を指定するパラメータを含め、当該prach-RootSequenceIndex等のPRACHの設定情報を含むシステム情報を端末10に対して送信する。基地局20の受信部220は、制御部230がPRACHの設定情報において指定したPRACHのサブキャリア間隔及びPUSCHのサブキャリア間隔を適用して、端末10から送信されるランダムアクセスプリアンブルを受信する。
【0090】
例えば、制御部230は、52.6GHzから71GHzの周波数帯において、端末10に対して設定可能な複数のPRACH configurationの中から、実際に端末10に対して設定するPRACH configurationを選択し、送信部210は、制御部230が選択したPRACH configurationに対応するPRACH configuration indexの値等のPRACHの設定情報を含むシステム情報を端末10に対して送信する。基地局20の受信部220は、制御部230が選択したPRACH configurationに基づいて、端末10から送信されるランダムアクセスプリアンブルを受信する。
【0091】
<ハードウェア構成>
上記実施の形態の説明に用いたブロック図(
図14~
図15)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0092】
また、例えば、本発明の一実施の形態における端末10と基地局20はいずれも、本実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図16は、本実施の形態に係る端末10と基地局20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の端末10と基地局20はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0093】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。端末10と基地局20のハードウェア構成は、図に示した1001~1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0094】
端末10と基地局20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0095】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
【0096】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、
図14に示される端末10の送信部110、受信部120、制御部130は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、
図15に示される基地局20の送信部210と、受信部220と、制御部230は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0097】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0098】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0099】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、端末10の送信部110及び受信部120は、通信装置1004で実現されてもよい。また、基地局20の送信部210及び受信部220は、通信装置1004で実現されてもよい。
【0100】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0101】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0102】
また、端末10と基地局20はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0103】
(実施の形態のまとめ)
本明細書には、少なくとも以下の端末及び基地局が開示されている。
【0104】
New Radio(NR)システムの低い周波数帯域であるFrequency Range1(FR1)及び高い周波数帯域であるFrequency Range 2(FR2)のうち、前記FR2の周波数帯域以上の高周波数帯域における設定情報を受信する受信部と、前記設定情報に含まれるインデックスに対応付けられるランダムアクセスプリアンブルのフォーマット、前記ランダムアクセスプリアンブルの系列、及び前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するチャネルに適用するサブキャリア間隔、のうちの少なくとも1つを設定する制御部と、を備える端末。
【0105】
上記の構成によれば、端末は、FR2の周波数帯域以上の高周波数帯域に適用可能なランダムアクセスプリアンブルの送信に関する設定を行うことが可能となる。
【0106】
前記ランダムアクセスプリアンブルのフォーマットは、前記FR2の周波数帯域以上の高周波数帯域における電波の伝搬損失特性に対応する短いガードピリオドを含んでもよい。
【0107】
上記の構成によれば、端末は、FR2の周波数帯域以上の高周波数帯域における電波の伝搬損失特性を考慮した小さいセルに対応するガードピリオドをランダムアクセスプリアンブルのフォーマットに適用することが可能となる。
【0108】
前記ランダムアクセスプリアンブルのフォーマットは、前記ランダムアクセスプリアンブルのOFDMシンボル毎にサイクリックプレフィックスが挿入されるフォーマットであってもよい。
【0109】
上記の構成によれば、端末は、基地局における受信ビームの切り替えに対応したランダムアクセスプリアンブルのフォーマットを適用することが可能となる。
【0110】
前記設定情報に含まれるインデックスと対応付けられる前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するチャネルに適用するサブキャリア間隔は、2以上のサブキャリア間隔であってもよい。
【0111】
上記の構成によれば、周波数帯毎にランダムアクセスプリアンブルを送信するチャネルに適用するサブキャリア間隔が異なる場合に、端末は、周波数帯に応じた適切なサブキャリア間隔を選択することが可能となる。
【0112】
New Radio(NR)システムの低い周波数帯域であるFrequency Range1(FR1)及び高い周波数帯域であるFrequency Range 2(FR2)のうち、前記FR2の周波数帯域以上の高周波数帯域において、端末に対して設定可能なランダムアクセスプリアンブルのフォーマット、前記ランダムアクセスプリアンブルの系列、及び前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するチャネルに適用するサブキャリア間隔、のうちの少なくとも1つと対応付けられるインデックスを含む設定情報を設定する制御部と、前記設定情報を前記端末に送信する送信部と、を備える基地局。
【0113】
上記の構成によれば、基地局は、FR2の周波数帯域以上の高周波数帯域において端末に対して適用可能なランダムアクセスプリアンブルの設定に関する情報を、端末に対して送信することが可能となる。
【0114】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、端末10と基地局20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って端末10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0115】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0116】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0117】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0118】
本明細書において基地局20によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局20を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末10との通信のために行われる様々な動作は、基地局20および/または基地局20以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局20以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
【0119】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
【0120】
端末10は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0121】
基地局20は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(enhanced NodeB)、ベースステーション(Base Station)、gNB、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0122】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0123】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0124】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0125】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0126】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0127】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0128】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0129】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0130】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0131】
本開示の全体において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
【0132】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0133】
10 端末
110 送信部
120 受信部
130 制御部
20 基地局
210 送信部
220 受信部
230 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置