(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167458
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】仕切体
(51)【国際特許分類】
E01F 15/04 20060101AFI20241127BHJP
A47C 11/00 20060101ALI20241127BHJP
A47C 9/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
E01F15/04 B
A47C11/00
A47C9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083556
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】馬場 康明
(72)【発明者】
【氏名】片岡 政人
(72)【発明者】
【氏名】大塚 真衣
【テーマコード(参考)】
2D101
3B095
【Fターム(参考)】
2D101CA01
2D101CB00
2D101DA04
2D101EA02
2D101FA13
2D101FA23
2D101FA27
2D101FB02
2D101FB12
2D101FB22
2D101GA00
3B095AC03
3B095AC06
3B095CA07
(57)【要約】
【課題】 使い勝手の良い仕切体の提供。
【解決手段】 支柱1a,1a,…と横桟2とを備え、支柱1aは、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部3と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部4を有し、横桟2は、すべての支柱1a,1a,…の傾斜部4に跨って架設してある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と横桟とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあることを特徴とする仕切体。
【請求項2】
支柱と横桟と座板とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあり、座板は、すべての支柱の鉛直部上に跨って架設してあることを特徴とする仕切体。
【請求項3】
支柱と横桟と座板とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあり、座板は、いくつかの支柱の鉛直部上に跨って架設してあることを特徴とする仕切体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩道の道路との境界部などに設けられる仕切体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歩道の道路との境界部などには仕切体が設けられている。かかる仕切体においては、より使い勝手の良いものが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、使い勝手の良い仕切体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による仕切体は、支柱と横桟とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による仕切体は、支柱と横桟と座板とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあり、座板は、すべての支柱の鉛直部上に跨って架設してあることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明による仕切体は、支柱と横桟と座板とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあり、座板は、いくつかの支柱の鉛直部上に跨って架設してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明による仕切体は、支柱と横桟とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあることで、歩行エリアから見て圧迫感が和らげられるとともに、横桟に寄り掛かかって休むことができるので、使い勝手が良い。
【0008】
請求項2記載の発明による仕切体は、支柱と横桟と座板とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあり、座板は、すべての支柱の鉛直部上に跨って架設してあることで、歩行エリアから見て圧迫感が和らげられるとともに、座板と横桟に体重を預けて休むことができるので、使い勝手が良い。
【0009】
請求項3記載の発明による仕切体は、支柱と横桟と座板とを備え、支柱は、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部を有し、横桟は、すべての支柱の傾斜部に跨って架設してあり、座板は、いくつかの支柱の鉛直部上に跨って架設してあることで、歩行エリアから見て圧迫感が和らげられるとともに、横桟に寄り掛かったり、座板と横桟に体重を預けたりして休むことができるので、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の仕切体の第1実施形態を示す正面図である。
【
図3】同仕切体における横桟の支柱との連結部を示す横断面図である。
【
図4】本発明の仕切体の第2実施形態を示す正面図である。
【
図6】第2実施形態の仕切体の変形例を示す縦断面図である。
【
図7】本発明の仕切体の第3実施形態を示す斜視図である。
【
図8】(a)は本発明の仕切体を歩道の車道との境界部に設置した状態を示す縦断面図であり、(b)は比較例であって、傾斜部を有しないまっすぐな支柱を用いた通常の仕切体を歩道の車道との境界部に設置した状態を示す縦断面図である。
【
図9】本発明の仕切体の使用状態の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~3は、本発明の仕切体の第1実施形態を示している。本仕切体は、歩道や公園等の公共の場所に設置されるものであって、歩道等の歩行エリアと車道等の非歩行エリアを仕切る柵としての機能を有するものである。
本仕切体は、
図2に示すように、所定の間隔で地面Gから立設した支柱1a,1a,…と、支柱1a,1a,…の上部に跨って架設した2本の横桟2,2とを備えている。
【0012】
支柱1aは、アルミニウム合金の鋳物で形成したものであり、
図1に示すように、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部3と、中間部から歩行エリアと反対側(非歩行エリア側)に傾斜して上方にのびる傾斜部4を有している。傾斜部4は、上部に向かうにつれて傾斜がきつくなるように弧状に湾曲しており、傾斜部4の上部は直線的に傾斜しており、傾斜部4の上部に横桟2,2が後方からのボルト6で取付けられている。
図3に示すように、支柱1aは、全長にわたって横断面が歩行エリアと反対側が開口したコ字型断面となっている。支柱1aは、下部が地面に埋設された基礎コンクリート7に埋め込まれている。
【0013】
横桟2は、
図1に示すように、アルミニウム合金の押出形材で中空状に形成してあり、支柱1aの傾斜部4の上部にボルト6で固定して取付けてある。横桟2は、
図2,3に示すように、中間の支柱1aの位置で左右に分割して形成され、その分割された横桟2同士を中空部内に配置したスリーブ8で繋いである。
【0014】
本仕切体は、上側の横桟2の上縁の地面Gからの高さH(
図1参照)が、800mm~950mmとしてある。具体的には、同高さHを約815mmとしてある。本仕切体は、横桟2の高さをこのような高さに設定することで、
図9に示すように、横桟2に寄り掛かって休むのに適したものとなっている。
【0015】
図8(a)は、本仕切体を歩道9の車道10との境界部に設置した状態を示しており、
図8(b)は比較例であって、傾斜部を有しないまっすぐな支柱100を用いた通常の仕切体を同じように歩道9の車道10との境界部に設置した状態を示している。
支柱1a,100は、基礎コンクリート7がある関係で、歩道9と車道10との境界11から歩道側に30cm程度入った位置に設置されるため、
図8(b)に示す通常の仕切体では、歩道を歩く歩行者に仕切体が圧迫感を与える。これに対し、
図8(a)に示す本仕切体では、支柱1aに中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部4を有していることで、歩道を歩く歩行者に与える圧迫感が和らげられる。
さらに、そのように支柱1aに傾斜部4を有していることで、
図9に示すように、横桟2に寄り掛かって休むのにも都合が良く、使い勝手が良い。
【0016】
図4,5は、本発明の仕切体の第2実施形態を示している。本仕切体は、所定の間隔で地面Gから立設した複数(図示のものは2つ)の支柱1b,1bと、支柱1b,1b間に跨って架設した横桟2と座板5とを備えている。
【0017】
支柱1bは、
図5に示すように、第1実施形態のものと同様に、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部3と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部4を有しており、鉛直部3上に座板取付部12が前方に突き出して設けてある点が、第1実施形態のものと異なっている。そして、傾斜部4の上部に2本の横桟2,2が後方からのボルト6で取付けてあり、座板取付部12上に座板5を載置し、下方からのボルト13で固定してある。
また支柱1bは、下端部に板状のフランジ部14が形成してあり、フランジ部14をアンカーボルト15とナット16とで基礎コンクリート7に固定して立設してある。
【0018】
座板5は、
図5に示すように、アルミニウム合金の押出形材よりなるベース材17と、同じくアルミニウム合金の押出形材で形成され、ベース材17に被せたカバー材18とで構成してある。座板5は、ベース材17の中空部内にナットを溶接した裏板19を配置し、支柱1bの座板取付部12に下方より挿通したボルト13を裏板19のナットに螺入して締め付けることで、座板取付部12に固定されている。座板5は、支柱1bの鉛直部3の上方に位置している。
【0019】
本仕切体は、座板5の上面の地面Gからの高さh(
図5参照)が、450mm~600mm、具体的には450mmとしてある。この座面の高さは、一般的なベンチの座面の高さからすれば高めの設定であり、これにより本仕切体は、短時間座板5に腰を下ろして休憩するのに適しており、また、立ち上がろうとしたときに立ち上がりやすいものとなっている。
上側の横桟2の上縁の地面Gからの高さHは、第1実施形態と同じ高さとしてある。
また、本仕切体の見込方向の幅寸法W(座板5の前縁から支柱1bの後端までの寸法)は、370mm~390mm、具体的には約380mmとしてある。このように本仕切体は、座板5を有するものでありながら、一般的なベンチと比べて見込寸法がコンパクトな設計となっており、歩行者の邪魔になりにくい。
【0020】
第2実施形態の仕切体は、第1実施形態と同様に、歩行エリアから見て圧迫感が和らげられるとともに、座板5と横桟2に体重を預けて休むことができるので、使い勝手が良い。さらに、一般的なベンチと比べて見込寸法がコンパクトな設計となっているため、歩行者の邪魔になりにくく、なお一層使い勝手が良い。
【0021】
図4のものは支柱1bが2本のものであったが、
図2に示す第1実施形態と同様に、支柱1bを3本以上設置し、それらの支柱1b,1b,…に跨って座板5を長く繋げて設置することもできる。
【0022】
図6は、第2実施形態の仕切体の変形例を示している。本実施形態は、座板5のベース材17にアルミ製のカバー材18を被せる代わりに、ベース材17上に木製座板20を取付けている。本実施形態は、座板5の上面の地面Gからの高さhが木製座板20の厚み分だけ高くなっている。
【0023】
図7は、本発明の仕切体の第3実施形態を示している。本実施形態は、先に説明した第1実施形態の仕切体と第2実施形態の仕切体を合体したものとなっている。
支柱1a,1bは、第1実施形態の仕切体の座板取付部12を有しない支柱1aと、第2実施形態の仕切体の座板取付部12を有する支柱1bとが混在している。具体的には、左から1,2,3,4番目の支柱1bは座板取付部12を有する支柱1bであり、右端の支柱1aは座板取付部12を有しない支柱1aとなっている。
そして、全ての支柱1a,1bの傾斜部4の上部に跨って横桟2が架設してあり、左から1番目の支柱1bと2番目の支柱1bの座板取付部12と、左から3番目の支柱1bと4番目の支柱1bの座板取付部12に跨って座板5が取付けてある。左から2番目の支柱1bと3番目の支柱1bの間、左から4番目の支柱1bと右端の支柱1aの間には、座板5を有していない。
【0024】
本実施形態の仕切体は、
図9に示すように、全体が柵としての機能を有しながら、座板5が設けてないところでは横桟2に寄り掛かって休むことができ、座板5が設けてあるところでは座板5に腰を下ろして休むこともできるので、使い勝手がさらに向上する。
【0025】
以上に述べたように本仕切体(第1実施形態)は、支柱1a,1a,…と横桟2とを備え、支柱1aは、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部3と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部4を有し、横桟2は、すべての支柱1a,1a,…の傾斜部4に跨って架設してあることで(
図1,2参照)、歩行エリアから見て圧迫感が和らげられるとともに、横桟2に寄り掛かかって休むことができるので、使い勝手が良い。
【0026】
本仕切体(第2実施形態)は、支柱1b,1bと横桟2と座板5とを備え、支柱1bは、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部3と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部4を有し、横桟2は、すべての支柱1b,1bの傾斜部4に跨って架設してあり、座板5は、すべての支柱1b,1bの鉛直部3上に跨って架設してあることで(
図4,5参照)、歩行エリアから見て圧迫感が和らげられるとともに、座板5と横桟2に体重を預けて休むことができるので、使い勝手が良い。
【0027】
本仕切体(第3実施形態)は、支柱1a,1b,…と横桟2と座板5とを備え、支柱1a,1bは、下端部から中間部にわたって設けた鉛直部3と、中間部から歩行エリアと反対側に傾斜して上方にのびる傾斜部4を有し、横桟2は、すべての支柱1a,1b,…の傾斜部4に跨って架設してあり、座板5は、いくつかの支柱1b,…の鉛直部3上に跨って架設してあることで(
図7参照)、歩行エリアから見て圧迫感が和らげられるとともに、横桟2に寄り掛かったり、座板5と横桟2に体重を預けたりして休むことができるので、使い勝手が良い。
【0028】
本仕切体(第2,3実施形態)は、座板5の上面の地面からの高さh(
図5参照)が450mm~600mmであるため、短時間座板5に腰を下ろして休憩するのに適しており、また、立ち上がろうとしたときに立ち上がりやすい。
本仕切体(第1,2,3実施形態)は、横桟2の上縁の地面からの高さH(
図1参照)が、800mm~950mmであることで、横桟2に寄り掛かって休むのに都合が良い。
本仕切体(第2,3実施形態)は、見込方向の幅寸法W(
図5参照)が370mm~390mmであるため、歩行者の邪魔になりにくい。
【0029】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。支柱、横桟及び座板の材質、形状は、適宜変更することができる。支柱の本数、間隔は、適宜変更することができ、そのうちの任意の支柱間に座板を設置することができる。本発明の仕切体が設置される場所は、特に限定されるものではなく、歩道や公園、駅やバス停などの待ち合い所など、あらゆる場所に設置することができる。
【符号の説明】
【0030】
1a,1b 支柱
2 横桟
3 鉛直部
4 傾斜部
5 座板