IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167461
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】調理器具及び調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20241127BHJP
   A47J 36/16 20060101ALI20241127BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
A47J37/06 361
A47J36/16 Z
F24C7/02 501J
F24C7/02 551P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083559
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】岡本 雄希
【テーマコード(参考)】
3L086
4B040
4B055
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086AA13
3L086BB07
3L086BB20
3L086DA24
4B040AA03
4B040AA08
4B040AD04
4B040AD08
4B040AD12
4B055AA01
4B055BA26
4B055CC70
4B055CD59
(57)【要約】
【課題】調理器具が調理室に取り付けられている状態であっても、撹拌機能を実行するか否かを切り替えられる調理器具及び調理器具を備えた調理器を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る調理器具は、調理室を有する調理器本体と、前記調理室に配置され、鉛直方向に延びる軸線を中心とする互いに反対方向である第1方向及び第2方向に回転可能な回転テーブルと、を備えた調理器用の調理器具であって、前記回転テーブルの上方に設けられ、前記軸線を中心とする回転が規制された態様で配置可能な回転規制部材と、前記回転規制部材に設けられ、前記回転テーブルから離れる方向に変位可能で、かつ前記回転テーブル上の被調理物を撹拌可能な撹拌部材と、を備え、前記撹拌部材は、前記回転テーブルの回転方向に基づいて、前記回転テーブルから離れる方向に変位するか否かが切り替えられる。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理室を有する調理器本体と、
前記調理室に配置され、鉛直方向に延びる軸線を中心とする互いに反対方向である第1方向及び第2方向に回転可能な回転テーブルと、を備えた調理器用の調理器具であって、
前記回転テーブルの上方に設けられ、前記軸線を中心とする回転が規制された態様で配置可能な回転規制部材と、
前記回転規制部材に設けられ、前記回転テーブルから離れる方向に変位可能で、かつ前記回転テーブル上の被調理物を撹拌可能な撹拌部材と、を備え、
前記撹拌部材は、前記回転テーブルの回転方向に基づいて、前記回転テーブルから離れる方向に変位するか否かが切り替えられる、調理器具。
【請求項2】
前記撹拌部材は、前記被調理物からの前記回転テーブルの回転方向に作用する外力に基づいて前記回転テーブルから離れる方向に変位可能であり、
前記回転テーブルの回転方向である前記第1方向及び前記第2方向のうち、前記第2方向に前記回転テーブルが回転した場合にのみ、前記第2方向に作用する外力によって前記撹拌部材の前記回転テーブルから離れる方向への変位を規制する規制部材をさらに備える、請求項1に記載の調理器具。
【請求項3】
前記撹拌部材は、上面視において前記軸線から径方向の外側に延びる第1仮想線上に位置し、かつ水平方向に延びる軸部周りに揺動可能に吊り下げられ、
前記規制部材は、前記第1仮想線を基準とする前記第2方向の前側に前記撹拌部材が揺動することを規制する、請求項2に記載の調理器具。
【請求項4】
前記軸部は、前記第1仮想線の延びる方向を軸方向とする、請求項3に記載の調理器具。
【請求項5】
前記軸部は、前記第1仮想線と交差する方向を軸方向とする、請求項3に記載の調理器具。
【請求項6】
前記軸部は、上面視において前記軸部の軸方向と直交する第2仮想線と前記回転テーブルの外周とが交差し、かつ前記第1仮想線を基準とする前記第2方向の前側に位置する第1仮想点との間隔が、上面視において前記第2仮想線と前記回転テーブルの外周とが交差し、かつ前記第1仮想線を基準とする前記第2方向の後側に位置する第2仮想点との間隔よりも小さくなるように配置される、請求項5に記載の調理器具。
【請求項7】
前記撹拌部材は、前記軸線を間に挟んで一対設けられる、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の調理器具。
【請求項8】
前記撹拌部材の先端部は、前記軸線に近づく方向に湾曲している、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の調理器具。
【請求項9】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の調理器具を備えた調理器であって、
前記回転テーブルの回転を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記撹拌部材による撹拌機能を実行するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記回転テーブルの回転方向を前記第1方向又は前記第2方向に制御する回転制御部と、を有する、調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器具及び調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理室を有する調理器本体と、調理室に配置され、回転軸を中心として回転する回転テーブルとを備える調理器の調理室において、回転テーブルの上方に、回転軸を中心とする回転が規制された態様で配置可能な回転規制部材と、回転規制部材に取り付けられており、鉛直方向に変位可能な変位部を有する撹拌部材と、を備える調理器具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-129685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の調理器具では、調理器具が調理室に取り付けられている状態では、撹拌部材が回転規制部材から離れる方向、すなわち、回転テーブルに近づく方向に付勢されているため、常時、被調理物が撹拌される状態となる。このため、調理器具が調理室に取り付けられている状態では、調理中に撹拌機能を実行するか否かを切り替えたり、撹拌機能を必要としない調理を行ったりすることは困難である。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、調理器具が調理室に取り付けられている状態であっても、撹拌機能を実行するか否かを切り替えられる調理器具及び調理器具を備えた調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る調理器具は、調理室を有する調理器本体と、前記調理室に配置され、鉛直方向に延びる軸線を中心とする互いに反対方向である第1方向及び第2方向に回転可能な回転テーブルと、を備えた調理器用の調理器具であって、前記回転テーブルの上方に設けられ、前記軸線を中心とする回転が規制された態様で配置可能な回転規制部材と、前記回転規制部材に設けられ、前記回転テーブルから離れる方向に変位可能で、かつ前記回転テーブル上の被調理物を撹拌可能な撹拌部材と、を備え、前記撹拌部材は、前記回転テーブルの回転方向に基づいて、前記回転テーブルから離れる方向に変位するか否かが切り替えられる。
【0007】
本発明の一態様に係る調理器は、前記調理器具を備えた調理器であって、前記回転テーブルの回転を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記撹拌部材による撹拌機能を実行するか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、前記回転テーブルの回転方向を前記第1方向又は前記第2方向に制御する回転制御部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】調理器の模式的正面図である。
図2】扉の描画を省略した調理器の模式的正面図である。
図3】調理器具及び回転テーブルの斜視図である。
図4】調理器具及び回転テーブルの上面図である。
図5】撹拌器の斜視図である。
図6】撹拌器の断面図である。
図7】軸部を示す撹拌器の部分拡大図である。
図8A】回転テーブルが第1方向に回転した場合における撹拌部材に作用する外力を示す調理器具及び回転テーブルの上面図である。
図8B】回転テーブルが第2方向に回転した場合における撹拌部材に作用する外力を示す調理器具及び回転テーブルの上面図である。
図9A】回転テーブルが第1方向に回転した場合における撹拌部材を示す調理器具及び回転テーブルの断面図である。
図9B】回転テーブルが第2方向に回転した場合における撹拌部材を示す調理器具及び回転テーブルの断面図である。
図10】変形例に係る調理器具及び回転テーブルの上面図である。
図11】調理器の内部構成を示すブロック図である。
図12A】一の調理メニューにおける調理シーケンスを示す表である。
図12B】他の調理メニューにおける調理シーケンスを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、調理器1の模式的正面図である。図2は、扉12の描画を省略した調理器1の模式的正面図である。以下では、後述の調理室11が開口する側を前側とし、その反対側を後側とし、調理器1が載置される側を下側とし、その反対側を上側と規定して説明する。
【0011】
図1及び図2に示す調理器1は、例えば、被調理物を加熱等することにより調理する器具である。具体的に、本実施形態の調理器1は、被加熱物を加熱する加熱調理器である。
【0012】
調理器1は、調理室11を有する調理器本体10と、調理室11の開口を開閉可能な扉12と、調理室11内に配置される回転テーブル13と、回転テーブル13を回転させる駆動部14と、調理室11内に配置される被調理物を加熱する加熱部15と、調理器1への各種の指示を受け付ける操作部16と、を備える。
【0013】
調理器本体10は、前方に開口する調理室11を有する。調理室11の形状は特に限定されない。本実施形態では、調理室11は、直方体状である。具体的には、調理器本体10は、底壁11a、側壁11b及び天井壁11cを有する。底壁11aと、天井壁11cとは、上下方向において調理室11を介して対向している。底壁11aの周縁部と、天井壁11cの周縁部とは、側壁11bにより接続されている。これら底壁11a、側壁11b及び天井壁11cが調理室11を区画形成している。
【0014】
扉12は、調理室11の開口を開閉可能に設けられている。調理器1では、扉12を開けることにより、調理室11の開口への被調理物等の配置や取り出しを可能としている。
【0015】
回転テーブル13は、円板状である。回転テーブル13は、調理室11内に配置される。具体的には、回転テーブル13は、底壁11aの上方に配置されている。回転テーブル13は、シャフトSにより支持されている。シャフトSは、回転テーブル13から下方に向かって調理室11の外部にまで延びている。シャフトSの下端は、調理室11の下方に設けられた駆動部14に接続されている。
【0016】
駆動部14は、シャフトSを回転駆動させる。シャフトSの回転に伴って、シャフトSの軸線Aを中心として回転テーブル13は回転する。軸線Aは、鉛直方向に延びる。回転テーブル13は、駆動部14を用いて、軸線Aを中心とする互いに反対方向である第1方向R1及び第2方向R2に回転可能である。
【0017】
加熱部15は、調理器本体10に設けられる。加熱部15は、被調理物を加熱可能なものであれば特に限定されない。加熱部15は、例えば、マイクロ波発生装置や、抵抗加熱可能な発熱体等により構成することができる。具体的には、本実施形態では、加熱部15は、マイクロ波発生装置の一種であるマグネトロンにより構成されている。マイクロ波発生装置は、マイクロ波を発生させる。マイクロ波は、水分子に含まれる酸素と水素との間の結合の伸縮運動を促進させる。このため、マイクロ波の照射により、水を含む被調理物を加熱することができる。
【0018】
操作部16は、調理器本体10に設けられる。操作部16は、調理器1の運転開始や、運転停止、各種調理メニューの選択等の調理器1への各種の指示を受け付ける。
【0019】
調理器1により被調理物を調理する際には、まず、扉12を開け、調理室11内の回転テーブル13上に被調理物そのものや、被調理物を入れた容器を配置する。次に、扉12を閉め、ユーザが操作部16を操作することにより被調理物の調理を開始することができる。操作部16が操作されると、加熱部15による加熱が開始されるとともに回転テーブル13が駆動部14によって回転駆動される。例えば、被調理物の加熱が終了すると、加熱部15による加熱と回転テーブル13の回転が停止される。
【0020】
上記の調理器1には、後述する調理器具2が好適に用いられる。
【0021】
以下では、図3及び図4を用いて、調理器具2の概要について説明する。図3は、調理器具2及び回転テーブル13の斜視図である。図4は、調理器具2及び回転テーブル13の上面図である。
【0022】
調理器具2は、調理器1により被調理物を調理中に撹拌するための部材である。調理器具2は、例えば、100℃以下、好ましくは、常温において液体を含む被調理物を撹拌しながら調理するのに好適である。
【0023】
図3及び図4に示すように、調理器具2は、容器20と、撹拌器21と、を備える。なお、調理器具2は、容器20と、撹拌器21とを備えているが、これに限らず、撹拌器21のみであってもよい。
【0024】
容器20は、被調理物を収容する部材である。容器20は、調理器1の回転テーブル13の上に配置される。容器20は、被調理物の収容空間を形成している凹部20aを有する。容器20は、有底状の耐熱容器であればよい。容器20は、具体的には、鍋であってもよいし、フライパンであってもよいし、タッパー等であってもよい。容器20の周囲には、容器20を回転テーブル13上に位置決めする囲い壁部140が設けられる。
【0025】
撹拌器21は、容器20内に収容された被調理物を撹拌するための器具である。詳細には、撹拌器21は、調理器1の調理室11に対して取り付けられる。撹拌器21は、撹拌器21が調理室11に取り付けられた状態で、回転テーブル13の上に配置された容器20が回転テーブル13とともに回転することにより、容器20内に収容された被調理物を撹拌する。
【0026】
図3及び図4に示すように、撹拌器21は、回転テーブル13の上方に設けられた回転規制部材22と、回転規制部材22に設けられ、容器20内の被調理物を撹拌可能な撹拌部材23と、を備える。
【0027】
回転規制部材22は、軸線Aを中心とする回転が規制された態様で調理室11内に配置可能である。回転規制部材22は、細長形状を有しており、両端部が調理器本体10の対向する一対の内側壁に当接することによって調理器本体10に対する回転が規制される部材である(図2参照)。回転規制部材22は、例えば、耐熱性を有する樹脂材料から形成される。回転規制部材22は、例えば、調理室11の幅方向を長手方向とするプレートである。回転規制部材22は、その長手方向における長さは、調理室11の幅寸法及び奥行き寸法のうちの短いほうよりも長い。このため、回転規制部材22が調理室11内に水平(回転テーブル13の載置面と平行)に配置されたときに、両端部が調理器本体10の対向する一対の内側壁に当接し、回転が規制される。
【0028】
なお、回転規制部材22は、調理室11に回転規制された状態で配置可能な部材である限りにおいて、特に限定されない。例えば、回転規制部材22は、調理器本体10の内壁に設けられた凹凸と係合する凹凸を有する部材であってもよいし、調理器本体10の内壁に設けられた凹部に挿入されることにより固定可能な部材であってもよいし、例えば、磁力等により調理器本体10に対して固定可能な部材であってもよい。また、回転規制部材22は、プレート状に形成されることに限らず、棒状に形成されてもよい。
【0029】
撹拌部材23は、回転規制部材22から下方に延びる細長形状を有する。撹拌部材23は、例えば、耐熱性を有する樹脂材料から形成される。撹拌部材23は、回転テーブル13が回転することにより、容器20内に収容される被調理物に接触することで、被調理物を撹拌可能である。
【0030】
以下では、図5から図8までを用いて、撹拌器21の詳細な構成について説明する。図5は、撹拌器21の斜視図である。図5は、撹拌器21を斜め下方からみた斜視図である。図6は、撹拌器21の断面図である。図6は、撹拌器21の軸部24を通る鉛直面で切断した図である。図7は、軸部24を示す撹拌器21の部分拡大図である。図8Aは、回転テーブル13が第1方向R1に回転した場合における撹拌部材23に作用する外力F1を示す調理器具2及び回転テーブル13の上面図である。図8Bは、回転テーブル13が第2方向R2に回転した場合における撹拌部材23に作用する外力F2を示す調理器具2及び回転テーブル13の上面図である。図8A及び図8Bでは、回転規制部材22の描画を省略している。
【0031】
撹拌部材23は、回転テーブル13から離れる方向に変位可能である。本実施形態では、撹拌部材23は、回転規制部材22に揺動可能に支持されることで、回転テーブル13から離れる方向に変位可能としている。
【0032】
撹拌器21は、撹拌部材23を揺動可能に支持する軸部24と、撹拌部材23の軸部24周りの揺動範囲を規制する規制部材25と、をさらに備える。
【0033】
図5に示すように、回転規制部材22は、本体部22aと、本体部22aの下部に設けられ、撹拌部材23が揺動可能に取り付けられる取付部材22bと、を備える。本体部22aは、左右方向に延びるプレート状の部材である。取付部材22bは、本体部22aの前後方向に横断する板状部材である。
【0034】
軸部24は、取付部材22bの側面から外方に突出して設けられる。具体的には、軸部24は、取付部材22bにおいて、本体部22aから前後方向に突出する突出端部に設けられる。軸部24は、例えば、耐熱性を有する樹脂材料から形成される。
【0035】
図6に示すように、撹拌部材23は、軸部24周りに揺動可能に吊り下げられる。撹拌部材23の上端部には、軸部24に挿入するための孔部23aが設けられる。撹拌部材23の孔部23aを軸部24に挿入することで、撹拌部材23は、軸部24に揺動可能に支持される。
【0036】
図7に示すように、軸部24は、軸方向に延びる複数のスリット24aと、軸方向の外端部において径が大きく形成された複数の拡径部24bと、を有する。軸部24は、複数のスリット24aが周方向に間隔をあけて設けられることで、スリット24aを間に挟んで隣り合う部分が径方向の内側に撓むことを可能にしている。複数の拡径部24bのそれぞれは、軸方向の外端部から内側に向けて径が大きくなるように形成される。
【0037】
以上の構成において、撹拌部材23は、拡径部24bを径方向の内側に撓ませた状態で孔部23aを軸部24に挿入させることで、軸部24に揺動可能に取り付けられる。撹拌部材23が軸部24に取り付けられた状態では、拡径部24bが径方向の内側に撓んだ状態から元の状態に戻るため、撹拌部材23が軸部24から外れることを規制できる。
【0038】
撹拌部材23は、軸線Aを間に挟んで一対設けられているが、これに限らず、1つ、または3つ以上であってもよい。撹拌部材23が3つ以上である場合、軸線Aを中心として周方向に間隔をあけて設けられればよい。同様に、軸部24は、軸線Aを間に挟んで一対設けられているが、これに限らず、撹拌部材23に対応した数だけ設けられればよい。
【0039】
また、撹拌部材23の先端部は、軸線Aに近づく方向に湾曲している。ここでの軸線Aに近づく方向とは、軸線Aを中心とする径方向における軸線Aに近づく方向でもよいし、軸部24の軸方向における軸線Aに近づく方向であってもよい。
【0040】
撹拌部材23は、被調理物からの回転テーブル13の回転方向に作用する外力に基づいて回転テーブル13から離れる方向に変位可能である。具体的には、撹拌部材23は、回転テーブル13の回転方向である第1方向R1及び第2方向R2のうち、回転テーブル13が第1方向R1に回転した場合にのみ、被調理物からの外力によって、回転テーブル13から離れる方向に変位可能である。すなわち、撹拌部材23は、回転テーブル13が第2方向R2に回転した場合には、被調理物からの外力が加えられたとしても、回転テーブル13から離れる方向に変位しない。
【0041】
図8を用いて、被調理物からの回転テーブル13の回転方向に作用する外力について説明する。被調理物からの回転テーブル13の回転方向に作用する外力とは、回転テーブル13の回転に伴って撹拌部材23が被調理物から押される方向に作用する外力である。以下の説明では、上面視において、軸線Aから軸部24を通って径方向の外側に延びる仮想線を第1仮想線L1と定義する。
【0042】
図8Aに示す回転テーブル13の回転方向が第1方向R1である場合、被調理物Fからの回転テーブル13の回転方向に作用する外力とは、第1方向R1における接線方向に作用する外力F1を少なくとも含む。
【0043】
同様に、図8Bに示す回転テーブル13の回転方向が第2方向R2である場合、被調理物Fからの回転テーブル13の回転方向に作用する外力とは、第2方向R2における接線方向に作用する外力F2を少なくとも含む。
【0044】
図8A及び図8Bに示すように、軸部24は、回転テーブル13上において軸線Aから偏心した位置に設けられることで、撹拌部材23は、回転テーブル13の回転方向に応じて主として反対方向の外力が加えられる。本実施形態では、軸部24は、左右方向を軸方向としている。仮に、規制部材25が設けられていない場合には、回転テーブル13が第1方向R1に回転すると、撹拌部材23は回転テーブル13から離れる方向(図6に示す第4方向R4)に揺動し、回転テーブル13が第2方向R2に回転すると、撹拌部材23は回転テーブル13から離れる方向(図6に示す第3方向R3)に揺動する。
【0045】
そこで、図6及び図7に示すように、規制部材25は、回転テーブル13が第2方向R2に回転した場合にのみ、第2方向R2に作用する外力によって撹拌部材23の回転テーブル13から離れる方向への変位(揺動)を規制する。具体的には、規制部材25は、被調理物を撹拌可能な撹拌位置から第2方向R2の前側に撹拌部材23が揺動することを規制している。言い換えれば、規制部材25は、被調理物を撹拌可能な撹拌位置から第3方向R3に揺動することを規制している。第2方向R2の前側とは、第1仮想線L1を基準としたときの第2方向R2の下流側である。撹拌位置とは、撹拌部材23が略下方に向けて延びて回転テーブル13に近づく位置である。なお、撹拌位置では、撹拌部材23の先端部が回転テーブル13に近づいた位置であればよく、撹拌部材23は、鉛直下方に向けて延びてもよいし、鉛直下方に対して傾斜した方向であってもよい。
【0046】
規制部材25は、例えば、撹拌部材23に設けられ、回転規制部材22に接触可能なストッパである。本実施形態では、規制部材25は、撹拌部材23の上端部から上方に突出する突起である。規制部材25は、撹拌部材23が撹拌位置から第3方向R3に揺動したときに、回転規制部材22の前面もしくは後面に接触するように設けられる。これにより、撹拌部材23が撹拌位置よりも第3方向R3に揺動することを規制している。
【0047】
図8A及び図8Bに示すように、軸部24は、上面視において、第2仮想線L2上において、第1仮想点P1との間隔S1が、第2仮想点P2との間隔S2よりも小さくなるように配置される。第2仮想線L2とは、上面視において軸部24の軸方向と直交する線である。第1仮想点P1とは、第2仮想線L2と回転テーブル13の外周とが交差し、かつ第1仮想線L1を基準とする第2方向R2の前側に位置する仮想点である。第2仮想点P2とは、第2仮想線L2と回転テーブル13の外周とが交差し、かつ第1仮想線L1を基準とする第2方向R2の後側に位置する仮想点である。
【0048】
以上のように、軸部24は、上面視において、第2仮想線L2上において、第1仮想点P1との間隔S1が、第2仮想点P2との間隔S2よりも小さくなるように配置されることで、軸部24を中心とする第2方向R2の後側(第1方向R1の前側)のスペースを第2方向R2の前側(第1方向R1の後側)のスペースよりも大きくとることができるため、撹拌部材23の揺動スペースを大きくとることができる。ゆえに、撹拌部材23をより上方に揺動させることができるため、撹拌部材23をより被調理物から離れさせることができる。
【0049】
以下では、図9を用いて、回転テーブル13の回転方向に基づく撹拌部材23の変位について説明する。図9Aは、回転テーブル13が第1方向R1に回転した場合における撹拌部材23を示す調理器具2及び回転テーブル13の断面図である。図9Bは、回転テーブル13が第2方向R2に回転した場合における撹拌部材23を示す調理器具2及び回転テーブル13の断面図である。図9A及び図9Bは、軸部24を通る鉛直面で切断した断面図である。
【0050】
図9Aに示すように、回転テーブル13が第1方向R1に回転した場合、回転テーブル13上の被調理物から第1方向R1に作用する外力によって、撹拌部材23は、回転テーブル13から離れる方向、具体的には、第1方向R1における前側に揺動するため、被調理物に対して撹拌動作が行われない、もしくは、被調理物の表面をなでる動作に留まり、撹拌動作が積極的に行われることが抑制された状態(以下、退避状態ともいう)となる。
【0051】
図9Bに示すように、回転テーブル13が第2方向R2に回転した場合、回転テーブル13上の被調理物から第2方向R2に作用する外力が加えられたとしても、規制部材25によって撹拌部材23は、回転テーブル13から離れる方向、具体的には、第2方向R2における前側に揺動することが規制されるため、被調理物に対して撹拌動作が行われる状態(以下、撹拌状態)となる。
【0052】
以上のように、調理器具2では、撹拌部材23は、回転テーブル13の回転方向に基づいて、回転テーブル13から離れる方向に変位するか否かが切り替えられる。これにより、調理器具2が調理室11に取り付けられている状態であっても、回転テーブル13の回転方向を切り替えることで、撹拌動作を行うか否かを切り替えることができる。ゆえに、調理中に撹拌動作を行うか否かを切り替えたり、撹拌動作を必要としない調理メニューの調理を行ったりすることができる。
【0053】
なお、軸部24は、第1仮想線L1の延びる方向と交差する方向(本実施形態では、左右方向)を軸方向としているが、これに限らない。例えば、軸部24は、第1仮想線L1の延びる方向を軸方向としてもよい。
【0054】
図10を用いて、変形例に係る調理器具3について説明する。図10は、調理器具3及び回転テーブル13の上面図である。図10では、回転規制部材の描画を省略している。以下では、上記の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
【0055】
調理器具3は、容器30と、撹拌器31と、を備える。容器30は、容器20と同一の構成である。撹拌器31は、回転規制部材32と、2つの撹拌部材33と、を備える。撹拌部材33は、回転規制部材32に設けられた軸部34周りに揺動可能に支持される。回転規制部材32は、回転規制部材22と同一の構成である。
【0056】
変形例では、軸部34は、第1仮想線L1の延びる方向を軸方向としている点で、上記実施形態と異なる。撹拌部材33は、軸部34周りに揺動されるため、回転テーブル13の回転に伴って撹拌部材33が被調理物から押される方向と、撹拌部材33の揺動方向が、上面視において略一致する。そのため、被調理物からの外力によって撹拌部材33を退避状態へと揺動させることが容易である。したがって、撹拌部材33の変位を容易とする観点からは、変形例がより好適である。一方、撹拌部材33をより上方に変位させる観点からは、上記実施形態がより好適である。
【0057】
図11を用いて、回転テーブル13の回転制御について説明する。図11は、調理器1の内部構成を示すブロック図である。
【0058】
調理器1は、制御部40と、記憶部50と、駆動部14と、加熱部15と、操作部16と、温度検知部17と、開閉検知部18と、を備える。
【0059】
制御部40は、記憶部50と、駆動部14と、加熱部15と、操作部16と、温度検知部17と、開閉検知部18と、に接続されている。
【0060】
制御部40は、調理器1を制御する。制御部40は、記憶部50に記憶されている各種のプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現している。制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサ等により構成されている。
【0061】
記憶部50は、調理器1の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。
【0062】
駆動部14は、回転テーブル13を回転させる。加熱部15は、調理室11内に配置される被調理物を加熱する。操作部16は、調理器1の各種の指示を受け付ける。温度検知部17は、調理室11に収容される被調理物の温度を検知する。開閉検知部18は、扉12の開閉を検知する。
【0063】
制御部40は、操作部16の操作に基づいて、駆動部14及び加熱部15などの動作を制御する。例えば、制御部40は、温度検知部17の検知結果に基づいて、加熱部15による加熱温度の調整や、加熱の終了などの制御を行う。また、制御部40は、開閉検知部18の検知結果に基づいて、駆動部14及び加熱部15などの制御を行う。例えば、扉12が開かれたときに、制御部40は、駆動部14による駆動を停止し、加熱部15による加熱を終了する。
【0064】
制御部40は、撹拌部材23による撹拌機能を実行するか否かを判定する判定部41と、判定部41の判定結果に基づいて、回転テーブル13の回転方向を第1方向R1又は第2方向R2に制御する回転制御部42と、を有する。
【0065】
以下では、図12を用いて、回転テーブル13の回転制御について説明する。図12では、加熱時間に関連付けられた調理シーケンスを示す表である。図12では、横線が加熱時間を表し、縦線が撹拌機能の有無を表している。図12Aは、一の調理メニューの調理シーケンスを示す表である。図12Bは、他の調理メニューの調理シーケンスを示す表である。図12Aに示す調理メニューは、例えば、カレーである。図12Bに示す調理メニューは、例えば、パスタである。
【0066】
調理メニューには、加熱温度、加熱時間、撹拌機能のON/OFF等を含む調理シーケンスが紐づけられている。調理メニューに紐づけられた調理シーケンスは、記憶部50に記憶されてもよいし、外部から通信部等を介して取得してもよい。
【0067】
図12Aに示す調理メニューに紐づけられた調理シーケンスは、加熱時間に撹拌機能のON/OFFが対応付けられた調理シーケンスであり、具体的には、加熱時間20分までは、撹拌機能をOFFとし、加熱時間20分~30分までは、撹拌機能をONとする調理シーケンスである。
【0068】
図12Bに示す調理メニューに紐づけられた調理シーケンスは、加熱時間に撹拌機能のON/OFFが対応付けられた調理シーケンスであり、具体的には、加熱時間10分までは、撹拌機能をOFFとし、加熱時間10分~15分までは、撹拌機能をONとする調理シーケンスである。
【0069】
判定部41は、ユーザの操作部16の操作等により選択された調理メニューの調理シーケンスに基づいて、撹拌機能を実行する工程(以下、撹拌工程ともいう)があるか否かを判定する。図12Aに示す調理シーケンスでは、加熱時間20分から30分まで撹拌機能がONであるため、判定部41は撹拌工程があると判定する。同様に、図12Bに示す調理シーケンスでは、加熱時間10分から15分までが撹拌機能がONであるため、判定部41は撹拌工程があると判定する。
【0070】
回転制御部42は、判定部41の判定結果に基づいて、回転テーブル13の回転を制御する。
【0071】
回転制御部42は、判定部41によって、撹拌工程があると判定された場合、撹拌工程において、回転テーブル13の回転方向が第2方向R2となるように回転テーブル13の回転を制御する。なお、加熱調理が行われる全工程のうち、撹拌工程と、撹拌機能を実行しない工程(以下、非撹拌工程ともいう)とがある場合、回転制御部42は、撹拌工程において、回転テーブル13の回転方向が第2方向R2となるように回転テーブル13の回転を制御し、非撹拌工程において、回転テーブル13の回転方向が第1方向R1となるように回転テーブル13の回転を制御する。
【0072】
例えば、図12Aに示す調理シーケンスでは、回転制御部42は、加熱時間20分までは、回転テーブル13の回転方向が第1方向R1となるように回転テーブル13の回転を制御し、加熱時間20分から30分までは、回転テーブル13の回転方向が第2方向R2となるように回転テーブル13の回転を制御し、加熱時間が30分になると、回転テーブル13の回転を停止させる。
【0073】
同様に、図12Bに示す調理シーケンスでは、回転制御部42は、加熱時間10分までは、回転テーブル13の回転方向が第1方向R1となるように回転テーブル13の回転を制御し、加熱時間10分から15分までは、回転テーブル13の回転方向が第2方向R2となるように回転テーブル13の回転を制御し、加熱時間が15分になると、回転テーブル13の回転を停止させる。
【0074】
なお、回転制御部42は、判定部41によって、撹拌工程がないと判定された場合、加熱調理が行われる全工程が、非撹拌工程となることから、全工程において、回転テーブル13の回転方向が第1方向R1となるように回転テーブル13の回転を制御する。
【0075】
また、回転制御部42は、判定部41によって、撹拌工程がないと判定された場合、回転テーブル13の回転方向が第1方向R1となるように回転テーブル13の回転を制御することで、撹拌機能を実行しないようにしているが、これに限らず、判定部41によって、撹拌工程がないと判定された場合、回転テーブル13の回転を停止させるように回転テーブル13の回転を制御することで、撹拌機能を実行しないようにしてもよい。
【0076】
なお、上記の調理シーケンスでは、撹拌工程は、加熱時間に基づいて紐づけられているが、これに限らず、加熱温度等に紐づけられてもよい。また、判定部41は、調理メニューに紐づけられた調理シーケンスに基づいて、撹拌工程があるか否かを判定しているが、これに限らず、ユーザが自ら設定した調理シーケンスや、調理メニューに対応付けられていない調理シーケンスに基づいて、撹拌工程があるか否かを判定してもよい。
【0077】
以上のように、撹拌工程の有無に応じて回転テーブル13の回転方向を切り替えることで、調理器具2(または調理器具3)が調理室11に取り付けられている状態であっても、撹拌機能を実行するか否かを切り替えることができる。ゆえに、調理中に撹拌機能を行うか否かを切り替えたり、撹拌機能を必要としない調理メニューの調理を行ったりすることができる。
【0078】
以上の構成において、調理器具2(又は調理器具3)は、調理室11を有する調理器本体10と、調理室11に配置され、鉛直方向に延びる軸線Aを中心とする互いに反対方向である第1方向R1及び第2方向R2に回転可能な回転テーブル13と、を備えた調理器1用の調理器具であって、回転テーブル13の上方に設けられ、軸線Aを中心とする回転が規制された態様で配置可能な回転規制部材22と、回転規制部材22に設けられ、回転テーブル13から離れる方向に変位可能で、かつ回転テーブル13上の被調理物を撹拌可能な撹拌部材23と、を備える。撹拌部材23は、回転テーブル13の回転方向に基づいて、回転テーブル13から離れる方向に変位するか否かが切り替えられる。
【0079】
これにより、調理器具2が調理室11に取り付けられている状態であっても、回転テーブル13の回転方向を切り替えることで、撹拌動作を行うか否かを切り替えることができる。ゆえに、調理中に撹拌動作を行うか否かを切り替えたり、撹拌動作を必要としない調理メニューの調理を行ったりすることができる。
【0080】
撹拌部材23は、被調理物からの回転テーブル13の回転方向に作用する外力に基づいて回転テーブル13から離れる方向に変位可能である。調理器具2は、回転テーブル13の回転方向である第1方向R1及び第2方向R2のうち、第2方向R2に回転テーブル13が回転した場合にのみ、第2方向R2に作用する外力によって撹拌部材23の回転テーブル13から離れる方向への変位を規制する規制部材25をさらに備える。
【0081】
これにより、回転テーブル13が一方の方向に回転した場合にのみ、撹拌部材23が回転テーブル13から離れる方向へ変位することを規制できるため、回転テーブル13の回転方向に基づいて、撹拌部材23によって被調理物に対して撹拌動作が行われる状態(以下、撹拌状態)と、被調理物に対して撹拌動作が行われない、もしくは、被調理物の表面をなでる動作に留まり、撹拌動作が積極的に行われることを抑制した状態(退避状態)とに切り替えることができる。
【0082】
撹拌部材23は、上面視において軸線Aから径方向の外側に延びる第1仮想線L1上に位置し、かつ水平方向に延びる軸部24(または軸部34)周りに揺動可能に吊り下げられる。規制部材25は、第1仮想線L1を基準とする第2方向R2の前側に撹拌部材23が揺動することを規制する。
【0083】
軸部34は、第1仮想線L1の延びる方向を軸方向とする。これにより、回転テーブル13の回転に伴って撹拌部材33が被調理物から押される方向と、撹拌部材33の揺動方向が、上面視において略一致する。そのため、被調理物からの外力によって撹拌部材33を退避状態へと揺動させることが容易である。
【0084】
軸部24は、第1仮想線L1と交差する方向を軸方向とする。軸部24は、上面視において軸部24の軸方向と直交する第2仮想線L2と回転テーブル13の外周とが交差し、かつ第1仮想線L1を基準とする第2方向R2の前側に位置する第1仮想点P1との間隔S1が、上面視において第2仮想線L2と回転テーブル13の外周とが交差し、かつ第1仮想線L1を基準とする第2方向R2の後側に位置する第2仮想点P2との間隔S2よりも小さくなるように配置される。
【0085】
以上のように、軸部24は、上面視において、第2仮想線L2上において、第1仮想点P1との間隔S1が、第2仮想点P2との間隔S2よりも小さくなるように配置されることで、軸部24を中心とする第2方向R2の後側(第1方向R1の前側)のスペースを第2方向R2の前側(第1方向R1の後側)のスペースよりも大きくとることができるため、撹拌部材23の揺動スペースを大きくとることができる。ゆえに、撹拌部材23をより上方に揺動させることができるため、退避状態において撹拌部材23をより被調理物から離れさせることができる。
【0086】
撹拌部材23は、軸線Aを間に挟んで一対設けられる。これにより、撹拌部材23による撹拌動作をより効果的に行うことができる。
【0087】
撹拌部材23の先端部は、軸線Aに近づく方向に湾曲している。これにより、撹拌部材23による撹拌動作をより効果的に行うことができる。
【0088】
調理器具2(または調理器具3)を備えた調理器1であって、調理器1は、回転テーブル13の回転を制御する制御部40をさらに備える。制御部40は、撹拌部材23による撹拌機能を実行するか否かを判定する判定部41と、判定部41の判定結果に基づいて、回転テーブル13の回転方向を第1方向R1又は第2方向R2に制御する回転制御部42と、を有する。
【0089】
以上のように、回転テーブル13の回転方向を切り替えることで、撹拌機能を実行するか否かを切り替えることができる。ゆえに、調理中に撹拌機能を実行するか否かを切り替えたり、撹拌機能を必要としない調理メニューの調理を行ったりすることができる。
【0090】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。また、本発明の実施形態のうちいくつか或いはすべてを組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 調理器、2 調理器具、3 調理器具、10 調理器本体、11 調理室、13 回転テーブル、22 回転規制部材、23 撹拌部材、24 軸部、25 規制部材、33 撹拌部材、34 軸部、40 制御部、41 判定部、42 回転制御部、A 軸線、L1 第1仮想線、L2 第2仮想線、P1 第1仮想点、P2 第2仮想点、R1 第1方向、R2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B