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特開2024-167462マップ生成装置、マップ生成プログラム、および、マップ生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167462
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】マップ生成装置、マップ生成プログラム、および、マップ生成システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241127BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G09B29/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083560
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青柳 貴久
(72)【発明者】
【氏名】西岡 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】谷口 琢也
【テーマコード(参考)】
2C032
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB03
2C032HC08
5H181AA01
5H181AA21
5H181AA28
5H181BB05
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE07
5H181EE13
5H181EE14
5H181EE15
(57)【要約】
【課題】リアルタイム性を損なうことなくダイナミックマップを生成することができるマップ生成装置を提供する。
【解決手段】センサ(2)から取得したダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含むか否か、および、追跡対象オブジェクトに関する情報であるか否か、を識別する識別部(11)と、識別部(11)が識別したダイナミックマップ生成用情報について、2次元変換後マップ生成用情報に変換する第1変換部(12)と、2次元変換後マップ生成用情報に基づき、追跡対象オブジェクトを2次元空間上で追跡し、動きがあった追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を抽出する追跡部(14)と、2次元変換後マップ生成用情報について、3次元変換後マップ生成用情報に変換する第2変換部(15)と、3次元変換後マップ生成用情報に基づき、ダイナミックマップを生成するマップ生成部(16)とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域に存在する物体を検知する少なくとも1つのセンサ、から、当該センサが検知した前記物体に関する情報を、ダイナミックマップを生成するためのダイナミックマップ生成用情報として取得し、取得した前記ダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含む前記ダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、その動きを追跡する必要がある追跡対象オブジェクトに関する前記ダイナミックマップ生成用情報であるか否か、を識別する識別部と、
前記識別部が、前記3次元の情報を含む前記ダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、前記追跡対象オブジェクトに関する前記ダイナミックマップ生成用情報であると識別した前記ダイナミックマップ生成用情報について、2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報に変換する第1変換部と、
前記第1変換部が変換した前記2次元変換後マップ生成用情報に基づき、前記追跡対象オブジェクトを2次元空間上で追跡し、動きがあった前記追跡対象オブジェクトに関する前記2次元変換後マップ生成用情報を抽出する追跡部と、
前記追跡部が抽出した前記2次元変換後マップ生成用情報について、3次元空間情報である3次元変換後マップ生成用情報に変換する第2変換部と、
前記第2変換部が変換した前記3次元変換後マップ生成用情報に基づき、前記ダイナミックマップを生成するマップ生成部
とを備えたマップ生成装置。
【請求項2】
前記第1変換部は、前記識別部が前記3次元の情報を含む前記ダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、前記追跡対象オブジェクトに関する前記ダイナミックマップ生成用情報であると識別した前記ダイナミックマップ生成用情報から、前記追跡対象オブジェクトの高さ方向を示す情報を削除することで、前記ダイナミックマップ生成用情報を前記2次元変換後マップ生成用情報に変換する
ことを特徴とする請求項1記載のマップ生成装置。
【請求項3】
前記第2変換部は、前記2次元変換後マップ生成用情報に前記追跡対象オブジェクトの高さ方向の情報を付け足すことで、前記2次元変換後マップ生成用情報を前記3次元変換後マップ生成用情報に変換する
ことを特徴とする請求項1記載のマップ生成装置。
【請求項4】
前記第1変換部は、前記識別部が前記3次元の情報を含む前記ダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、前記追跡対象オブジェクトに関する前記ダイナミックマップ生成用情報であると識別した前記ダイナミックマップ生成用情報から、前記追跡対象オブジェクトの高さ方向を示す情報を削除することで、前記ダイナミックマップ生成用情報を前記2次元変換後マップ生成用情報に変換するとともに、削除した前記追跡対象オブジェクトの高さ方向を示す情報を記憶部に記憶させ、
前記第2変換部は、前記2次元変換後マップ生成用情報に、前記第1変換部が記憶させた前記追跡対象オブジェクトの高さ方向を示す情報を付け足すことで、前記2次元変換後マップ生成用情報を前記3次元変換後マップ生成用情報に変換する
ことを特徴とする請求項1記載のマップ生成装置。
【請求項5】
前記第1変換部は、前記記憶部に対して、前記ダイナミックマップ生成用情報を前記2次元変換後マップ生成用情報に変換した際に削除した前記追跡対象オブジェクトの高さ方向を示す情報の記憶を、更新用期間経過ごとに行わせる
ことを特徴とする請求項4記載のマップ生成装置。
【請求項6】
コンピュータを、
対象領域に存在する物体を検知する少なくとも1つのセンサ、から、当該センサが検知した前記物体に関する情報を、ダイナミックマップを生成するためのダイナミックマップ生成用情報として取得し、取得した前記ダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含む前記ダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、その動きを追跡する必要がある追跡対象オブジェクトに関する前記ダイナミックマップ生成用情報であるか否か、を識別する識別部と、
前記識別部が、前記3次元の情報を含む前記ダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、前記追跡対象オブジェクトに関する前記ダイナミックマップ生成用情報であると識別した前記ダイナミックマップ生成用情報について、2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報に変換する第1変換部と、
前記第1変換部が変換した前記2次元変換後マップ生成用情報に基づき、前記追跡対象オブジェクトを2次元空間上で追跡し、動きがあった前記追跡対象オブジェクトに関する前記2次元変換後マップ生成用情報を抽出する追跡部と、
前記追跡部が抽出した前記2次元変換後マップ生成用情報について、3次元空間情報である3次元変換後マップ生成用情報に変換する第2変換部と、
前記第2変換部が変換した前記3次元変換後マップ生成用情報に基づき、前記ダイナミックマップを生成するマップ生成部
として機能させるためのマップ生成プログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のマップ生成装置と、
前記対象領域に存在する前記物体を検知する前記センサ
とを備えたマップ生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダイナミックマップを生成するマップ生成装置、マップ生成プログラム、および、マップ生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地図情報を利用した種々のサービスが提供されている。その中の一つとして、例えば、ダイナミックマップを利用した自動運転またはアドバンス運転が挙げられる。
ダイナミックマップは、高精度3次元地図に、周辺車両の情報または交通情報等の道路交通に関する種々の情報をリアルタイムで紐づけて生成されるデジタル地図である。
例えば、自動運転可能な車両は、ダイナミックマップ上の情報と車両に搭載されているセンサが検知した情報とを照合しながら自動運転制御を行う。自動運転可能な車両は、ダイナミックマップに基づいて、実世界に存在するオブジェクトの位置または種別、さらには当該オブジェクトの時系列の動きの変化を正確に把握できることが重要である。そのためには、ダイナミックマップの内容が、実世界において検知されるオブジェクトの時系列の動きの変化を捉え、実世界における情報に近づけられた内容となっていることが重要である。
実世界において検知されるオブジェクトの時系列の動きの変化を捉える技術として、例えば、特許文献1には、少なくとも1つのセンサを使用して検知された3次元空間の空間情報を経時的に取得して3次元空間内の少なくとも1つのオブジェクトを識別し、識別された少なくとも1つのオブジェクトを含む感知された3次元空間、を追跡する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11507101号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、3次元空間内のオブジェクトの追跡にあたり、3次元空間の空間情報を経時的に取得しているため、追跡のための情報量が増大する。特に、追跡するオブジェクトが多数存在する場合には、CPU処理量が逼迫する。
従来技術のような技術を用いてダイナミックマップを生成しようとすると、ダイナミックマップの生成および提供に遅延を生じる等、ダイナミックマップを用いたシステムにおけるリアルタイム性が損なわれる可能性があるという課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、リアルタイム性を損なうことなくダイナミックマップを生成することができるマップ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るマップ生成装置は、対象領域に存在する物体を検知する少なくとも1つのセンサ、から、当該センサが検知した物体に関する情報を、ダイナミックマップを生成するためのダイナミックマップ生成用情報として取得し、取得したダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、その動きを追跡する必要がある追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報であるか否か、を識別する識別部と、識別部が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報であると識別したダイナミックマップ生成用情報について、2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報に変換する第1変換部と、第1変換部が変換した2次元変換後マップ生成用情報に基づき、追跡対象オブジェクトを2次元空間上で追跡し、動きがあった追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を抽出する追跡部と、追跡部が抽出した2次元変換後マップ生成用情報について、3次元空間情報である3次元変換後マップ生成用情報に変換する第2変換部と、第2変換部が変換した3次元変換後マップ生成用情報に基づき、ダイナミックマップを生成するマップ生成部とを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、マップ生成装置は、リアルタイム性を損なうことなくダイナミックマップを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るマップ生成装置の構成例を示す図である。
図2】実施の形態1において、マップ生成装置が生成するダイナミックマップの一例のイメージを示す図である。
図3】実施の形態1に係るマップ生成装置の動作について説明するためのフローチャートである。
図4図3のステップST2の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図5図3のステップST4の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図6図6Aおよび図6Bは、実施の形態1に係るマップ生成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るマップ生成装置1の構成例を示す図である。
実施の形態1に係るマップ生成装置1は、例えば、路側に設置されている路側装置100に搭載される。
マップ生成装置1は、センサ2、車両3、管制センター4、および、Webサーバ5から、ダイナミックマップを生成するための情報(以下「ダイナミックマップ生成用情報」という。)を取得し、ダイナミックマップを生成する。なお、実施の形態1では、既にダイナミックマップが存在し、マップ生成装置1が参照可能な場所に記憶されているものとする。実施の形態1において、マップ生成装置1がダイナミックマップを生成するとは、既に存在しているダイナミックマップの内容を更新することを含む。
マップ生成装置1は、生成したダイナミックマップを、車両3に出力する。
【0010】
ここで、まず、ダイナミックマップについて説明する。
ダイナミックマップは、車両3が、道路またはその周辺に係る自車両の位置を車線レベルで特定できる高精度3次元地図に、周辺車両の情報または交通情報等の道路交通に関する種々の情報をリアルタイムで紐づけて生成されるデジタル地図である。
ダイナミックマップは、自動運転またはアドバンス運転にて用いられる。具体的には、車両3は、例えば、ダイナミックマップ上の情報と車両3に搭載されているセンサ2(図1では図示省略)から取得した情報とを照合しながら自動運転制御を行う。車両3は、ダイナミックマップ上にリアルタイムで紐付けされた種々の情報と、センサ2から取得した情報を照合しながら走行することで、自車位置の正確な特定、または、障害物等のいち早い検知が可能となるほか、予測に基づいた円滑な走行が可能になる。なお、車両3は、自動運転可能な車両(以下「自動運転車両」という。)を想定している。
【0011】
ダイナミックマップは、静的情報、準静的情報、準動的情報、および、動的情報で構成される。すなわち、ダイナミックマップ生成用情報には、静的情報、準静的情報、準動的情報、および、動的情報が含まれる。
静的情報は、高精度3次元地図情報である。高精度3次元地図情報には、路面情報、車線情報、建物の位置情報等が含まれる。
準静的情報には、交通規制の予定に関する情報、道路工事の予定に関する情報、または、広域気象予報情報等が含まれる。
準動的情報には、事故情報、渋滞情報、交通規制情報、道路工事情報、または、狭域気象予報情報等が含まれる。
動的情報には、周辺車両情報、歩行者情報、または、信号情報等が含まれる。
【0012】
ダイナミックマップは、静的情報である高精度3次元地図情報に、準静的情報、準動的情報、および、動的情報が紐づけられて生成される。なお、高精度3次元地図情報に対して、準静的情報、準動的情報、および、動的情報を紐づけるための紐づけルールは、予め設定されている。
【0013】
動的情報は、ダイナミックマップへの反映頻度が高い。動的情報の反映頻度は、1秒に1回等、非常に多い。すなわち、動的情報は、ダイナミックマップにおいてリアルタイムで反映が必要な情報である。例えば、動的情報がダイナミックマップにリアルタイムで反映されていないと、ダイナミックマップは実世界とは異なる情報を示すものとなる。その結果、例えば、車両3は、正しい自動運転制御が行えなくなる。
準動的情報も、動的情報ほどではないものの、ダイナミックマップへの反映頻度が高い。
一方、準静的情報および静的情報は、動的情報および準動的情報と比べて、ダイナミックマップへの反映頻度は低い。準静的情報および静的情報の反映頻度は、1日に1回等、少ない。すなわち、準静的情報および静的情報は、例えばダイナミックマップにおいてリアルタイムで反映されていなかったとしても、車両3は、自動運転制御を行うことができる。
【0014】
上述のとおり、ダイナミックマップにおいて、動的情報と、準動的情報と、準静的情報と、静的情報をダイナミックマップに反映するタイミングはそれぞれ異なる。
マップ生成装置1は、予め決められている動的情報の反映タイミング、予め決められている準動的情報の反映タイミング、予め決められている準静的情報の反映タイミング、および、予め決められている静的情報の反映タイミングで、動的情報、準動的情報、準静的情報、または、静的情報が反映されたダイナミックマップを生成する。すなわち、マップ生成装置1は、予め決められている動的情報の反映タイミング、予め決められている準動的情報の反映タイミング、予め決められている準静的情報の反映タイミング、および、予め決められている静的情報の反映タイミングで、ダイナミックマップを更新する。マップ生成装置1は、ダイナミックマップを生成する都度、生成後のダイナミックマップを車両3に出力する。
実施の形態1では、マップ生成装置1は、動的情報の反映タイミングを迎えたものとして、マップ生成装置1について説明する。
【0015】
ここで、図2は、実施の形態1において、マップ生成装置1が生成するダイナミックマップの一例のイメージを示す図である。
図2に示すように、ダイナミックマップにおいて、静的情報、準静的情報、準動的情報、および、動的情報を反映する必要がある領域は、予め、複数のエリアにエリア分けされている。
図2では、一例として、ダイナミックマップにおいて、第1エリア~第36エリアが設定されているものとしている。
実施の形態1において、マップ生成装置1は、エリアごとにダイナミックマップの生成を行う。
【0016】
図1の説明に戻る。
図1に示すように、マップ生成装置1は、センサ2、車両3、管制センター4、および、Webサーバ5と接続される。
【0017】
センサ2は、路側装置100に搭載されている。センサ2は、例えば、カメラ、レーダ、LiDAR等のセンシングデバイスである。
センサ2は、物体を検出する対象とする領域(以下「対象領域」という。)のセンシングを行い、対象領域に存在している物体を検知する。実施の形態1において、対象領域は、路側装置100周辺の3次元空間である。
センサ2が検知する物体には、建物、路面、樹木、その他の障害物等の静止物体と、車両3、歩行者、動物、その他の移動物体等の動体とが含まれる。
センサ2は、検知した物体に関する情報(以下「物体情報」という。)を、ダイナミックマップ生成用情報として、マップ生成装置1に出力する。
なお、センサ2は、検知した物体ごとに、物体情報を生成し、ダイナミックマップ生成用情報として、マップ生成装置1に出力する。物体情報には、当該物体の種別(建物の種別、路面の種別、樹木の種別、車両3の種別等)を示す情報と、当該物体の位置情報と、当該物体の移動速度を示す情報が含まれる。物体の種別は、例えば、数値(例えば、車両3の種別であれば「0:普通車」、「1:軽車両」、「2:トラック」等)であらわされる。物体の位置情報には、例えば、物体の3次元空間における位置に関する情報、および、物体の高さに関する情報が含まれる。物体の3次元空間における位置は、いわゆるワールド座標系であらわされる。物体の高さは、例えば、物体の位置を示すいわゆるワールド座標系のz座標をm単位にした値であらわされる。また、物体の移動速度は、例えば、16方向の向き(0~15の値)と、時速であらわされる。
上述のとおり、センサ2が検知する物体には、静止物体と動体とが含まれる。つまり、物体情報は、静止物体に関する情報、言い換えれば、静的情報、または、動体に関する情報、言い換えれば、動的情報である。
【0018】
なお、図1では、路側装置100に搭載されているセンサ2のみ図示されているが、マップ生成装置1には複数のセンサ2が接続され得る。
例えば、マップ生成装置1は、他の路側装置100に搭載されているセンサ2とも接続され得るし、車両3が搭載しているセンサ2(図示省略)とも接続され得る。車両3が搭載しているセンサ2は、車両3に関する情報を検知し、検知した車両3に関する情報を、ダイナミックマップ生成用情報として、マップ生成装置1に出力する。車両3に関する情報には、車両3の種別を特定可能な情報、車両3の位置情報、車両3の移動速度に関する情報等が含まれている。車両3の位置情報には、例えば、車両3の3次元空間における位置に関する情報、および、車両3の高さに関する情報が含まれる。車両3の3次元空間における位置は、いわゆるワールド座標系であらわされる。車両3の高さは、例えば、車両3の位置を示すいわゆるワールド座標系のz座標をm単位にした値であらわされる。車両3の移動速度は、例えば、16方向の向き(0~15の値)と、時速であらわされる。
車両3に関する情報は、言い換えれば、動的情報である。
【0019】
車両3は、自動運転車両であり、マップ生成装置1から出力されたダイナミックマップを用いて自動運転制御を行う。
また、上述のとおり、車両3、より詳細には、車両3が搭載しているセンサ2は、車両3に関する情報を、ダイナミックマップ生成用情報として、マップ生成装置1に出力する。
なお、図1では、車両3は1台のみ図示しているが、車両3は1台に限らない。マップ生成装置1には複数台の車両3が接続され得る。
【0020】
管制センター4は、道路に関するあらゆる情報を、ダイナミックマップ生成用情報として、マップ生成装置1に出力する。道路に関するあらゆる情報には、路面情報、車線情報、および、建物の位置情報等を含む高精度3次元地図情報、言い換えれば、静的情報が含まれる。
路面情報には、例えば、路面の状態に関する情報と、路面の凹凸に関する情報が含まれる。路面の状態は、例えば、「0:乾燥」、「1:湿潤」、または、「2:凍結」であらわされる。路面の凹凸は、例えば、凹凸幅であらわされる。また、車線情報には、例えば、車線の数、交差点の有無に関する情報が含まれる。車線の数は、例えば、0~9の数値であらわされる。交差点の有無は、例えば、「0:有」、または、「1:無」であらわされる。建物の位置情報には、例えば、建物の位置に関する情報、建物の配置数、および、建物の高さに関する情報が含まれる。建物の位置は、いわゆるワールド座標系であらわされる。建物の配置数は、例えば、整数値であらわされる。建物の高さは、例えば、建物の位置を示すいわゆるワールド座標系のz座標をm単位にした値であらわされる。
【0021】
Webサーバ5は、交通情報システム(図示省略)が備えるWebサーバ、または、気象情報システム(図示省略)が備えるWebサーバ等であり、交通に関する情報、および、気象に関する情報を、ダイナミックマップ生成用情報として、マップ生成装置1に出力する。交通に関する情報、および、気象に関する情報には、交通規制の予定に関する情報、道路工事の予定に関する情報、および、広域気象予報情報等の準静的情報と、事故情報、渋滞情報、交通規制情報、道路工事情報、および、狭域気象予報情報等の準動的情報とが含まれる。
広域気象予報情報および狭域気象予報情報を含む気象情報には、例えば、天候の状態に関する情報、降雨量、降雪量、風の方向に関する情報、または、風の強さに関する情報が含まれる。天候の状態に関する情報は、例えば、「0:晴れ」、「1:くもり」、「2:雨」、または、「3:雪」であらわされる。降雨量および降雪量は、例えば、mm単位であらわされる。風の方向に関する情報は、例えば、16方向を0~15とした値であらわされる。風の強さに関する情報は、例えば、0~17の値であらされる。
渋滞情報、交通規制情報、事故情報、および、道路工事の予定に関する情報は、例えば、「0:有」、または、「1:無」であらわされる。
なお、図1では、Webサーバ5は1台のみ図示しているが、Webサーバ5は1台に限らない。マップ生成装置1には複数台のWebサーバ5が接続され得る。
【0022】
マップ生成装置1は、図1に示すように、識別部11、第1変換部12、記憶部13、追跡部14、第2変換部15、マップ生成部16、および、通信部17を備える。
【0023】
識別部11は、センサ2から、ダイナミックマップ生成用情報を取得する。また、識別部11は、管制センター4およびWebサーバ5から、通信部17を介して、ダイナミックマップ生成用情報を取得する。識別部11は、その他の路側装置100に搭載されているセンサ2または車両3に搭載されているセンサ2から、通信部17を介して、ダイナミックマップ生成用情報を取得してもよい。
識別部11は、取得したダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、その動きを追跡する必要がある物体に関するダイナミックマップ生成用情報であるか否か、を識別する。なお、実施の形態1において、3次元の情報とは、高さ方向を示す情報を想定している。また、実施の形態1において、「動き」とは、物体の位置が変化することによる当該物体の動きを想定している。
【0024】
より詳細には、まず、識別部11は、センサ2から取得したダイナミックマップ生成用情報について、動的情報であるか静的情報であるかを識別する。識別部11は、ダイナミックマップ生成用情報が、センサ2が検知した移動し得る物体、言い換えれば、その位置が変わり得る物体、である動体に関する情報である場合、当該ダイナミックマップ生成用情報を、動的情報であると識別する。
動的情報は、上述のとおり、動体の高さに関する情報を含む。
また、移動し得る物体である動体は、ダイナミックマップを生成するにあたり、その動きを追跡する必要がある物体である。当該物体の位置が変化した場合、ダイナミックマップ上、変化した位置に当該物体が反映され、ダイナミックマップの更新が行われなければならない。
よって、識別部11は、センサ2から出力された、動的情報であるダイナミックマップ生成用情報について、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、その動きを追跡する必要がある物体に関するダイナミックマップ生成用情報であると識別する。
実施の形態1において、このように、動的情報で示されている物体、言い換えれば、センサ2が検知した動体である物体、であって、その動きを追跡する必要がある物体を、「追跡対象オブジェクト」ともいう。
【0025】
識別部11は、ダイナミックマップ生成用情報が、センサ2が検知した移動し得ない物体、言い換えれば、その位置が変わらない物体、である静止物体に関する情報である場合、当該ダイナミックマップ生成用情報を、静的情報であると識別する。
静的情報は、上述のとおり、静止物体の高さに関する情報を含む。
ただし、静止物体は、基本的にその位置は変わらない。静止物体は、ダイナミックマップを生成するにあたり、その動きを追跡する必要がない物体である。
よって、識別部11は、センサ2から出力された、静的情報であるダイナミックマップ生成用情報について、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、その動きを追跡する必要がない物体に関するダイナミックマップ生成用情報であると識別する。
【0026】
また、識別部11は、管制センター4から取得したダイナミックマップ生成用情報について、静的情報であると識別する。
なお、管制センター4から取得されるダイナミックマップ生成用情報には、上述のとおり、高精度3次元地図情報が含まれており、当該高精度3次元地図情報には、道路に関するあらゆる情報が含まれる。道路に関する情報には、センサ2が検知する上記静止物体に関する情報も含まれている。管制センター4から取得される「静的情報」と重複する可能性はあるが、実施の形態1では、センサ2からも「静的情報」が取得されるものとする。
識別部11は、管制センター4から出力された、静的情報であるダイナミックマップ生成用情報について、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、その動きを追跡する必要がない物体に関するダイナミックマップ生成用情報であると識別する。
【0027】
また、識別部11は、Webサーバ5から取得したダイナミックマップ生成用情報について、準静的情報であるか準動的情報であるかを識別する。より詳細には、識別部11は、Webサーバ5から取得したダイナミックマップ生成用情報のうち、交通規制の予定に関する情報、道路工事の予定に関する情報、および、広域気象予報情報等を示す情報を準静的情報であると識別する。また、識別部11は、Webサーバ5から取得したダイナミックマップ生成用情報のうち、事故情報、渋滞情報、交通規制情報、道路工事情報、および、狭域気象予報情報等を示す情報を準動的情報であると識別する。
準静的情報および準動的情報は、上述のとおり、高さに関する情報を含んではいない。
また、準静的情報および準動的情報は、その位置が変わる物体に関する情報ではない。つまり、準静的情報および準動的情報は、その動きを追跡する必要がない事象に関する情報である。
よって、識別部11は、Webサーバ5から出力された準静的情報および準動的情報であるダイナミックマップ生成用情報について、3次元の情報を含まないダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、その動きを追跡する必要がない事象に関するダイナミックマップ生成用情報であると識別する。
【0028】
識別部11は、取得したダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、その動きを追跡する必要がある物体の情報であるか否か、を識別すると、ダイナミックマップへの反映タイミングを迎えた情報を抽出し、第1変換部12に出力する。
このとき、識別部11は、ダイナミックマップ生成用情報に、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であるか否かを示すフラグ(以下「3次元情報フラグ」という。)と、追跡する必要がある物体のダイナミックマップ生成用情報であるか否かを示すフラグ(以下「追跡フラグ」という。)と、動的情報であるか、準動的情報であるか、準静的情報であるか、静的情報であるかの識別結果を示す情報(以下「識別結果情報」という。)と、当該ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報とを付与して、第1変換部12に出力する。
3次元情報フラグには、例えば、「0:3次元の情報を含まない」または「1:3次元の情報を含む」が設定される。追跡フラグには、例えば、「0:追跡の必要なし」または「1:追跡の必要あり」が設定される。識別結果情報には、例えば、「1:動的情報」、「2:準動的情報」、「3:準静的情報」、「4:静的情報」が設定される。
ここでは、動的情報の反映タイミングを迎えたものとしているので、識別部11は、動的情報に識別したダイナミック生成用情報、詳細には、追跡対象オブジェクトに関する物体情報に、3次元の情報を含むことを示す3次元情報フラグと、追跡の必要があることを示す追跡フラグと、動的情報であることを示す識別結果情報と、ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報とを付与して、第1変換部12に出力する。
【0029】
第1変換部12は、識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報について、高さ方向を示す情報を含む3次元空間情報から、高さ方向を示す情報を含まない2次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報(以下「2次元変換後マップ生成用情報」という。)に、変換する。
なお、第1変換部12は、識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報について、当該ダイナミックマップ生成用情報が3次元の情報を含み、かつ、追跡の必要がある物体に関するダイナミックマップ生成用情報である場合に、上記変換を行う。第1変換部12は、ダイナミックマップ生成用情報に付与されている3次元情報フラグと、追跡フラグとから、ダイナミックマップ生成用情報が3次元の情報を含み、かつ、追跡の必要がある物体に関するダイナミックマップ生成用情報であるか否かを判定すればよい。
ここでは、識別部11から出力されるダイナミックマップ生成用情報は動的情報と識別されたダイナミックマップ生成用情報である。当該ダイナミックマップ生成用情報には、3次元の情報を含むことを示す3次元情報フラグと、追跡の必要があることを示す追跡フラグとが付与されている。詳細には、ダイナミックマップ生成用情報は、追跡対象オブジェクトの位置情報(追跡対象オブジェクトの3次元空間における位置に関する情報、および、追跡対象オブジェクトの高さに関する情報)を含む3次元空間情報である。よって、第1変換部12は、上記変換を行う。
【0030】
実施の形態1において、第1変換部12が行う、3次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報を2次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報、すなわち、2次元変換後マップ生成用情報、に変換する処理を、「第1変換処理」という。
【0031】
第1変換処理において、第1変換部12は、ダイナミックマップ生成用情報から、追跡対象オブジェクトの高さ方向を示す情報を削除することで、当該ダイナミックマップ生成用情報を2次元変換後マップ生成用情報に変換する。具体的には、第1変換部12は、ダイナミックマップ生成用情報について、追跡対象オブジェクトの高さ方向を示すz座標を削除することで3次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報から2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報への変換を行う。
そして、第1変換部12は、2次元空間情報とした2次元変換後マップ生成用情報に、3次元情報フラグ、追跡フラグ、識別結果情報、および、ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報を付与して、追跡部14に出力する。第1変換部12は、3次元情報フラグ、追跡フラグ、識別結果情報、および、ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報を、識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報に付与されている情報とすればよい。
【0032】
また、第1変換処理において、第1変換部12は、削除した高さ方向を示す情報(以下「変換時高さ情報」という。)、詳細には、ここでは、削除したz座標、を、記憶部13に記憶させる。このとき、第1変換部12は、変換時高さ情報に、追跡対象オブジェクトを特定可能な情報(ID)と、第1変換処理を行った日時に関する情報と、2次元変換後マップ生成用情報への変換元となったダイナミックマップ生成用情報に付与されていた3次元情報フラグ、追跡フラグ、識別結果情報、および、ダイナミックマップ生成用情報の取得日時に関する情報とを対応付けて、記憶部13に記憶させる。なお、センサ2が検知する物体には、当該物体を特定可能な情報(ID)が付与されているものとする。
【0033】
ここで、第1変換部12は、変換時高さ情報の、記憶部13への記憶を、第1変換処理を行う都度行う必要はない。
第1変換部12は、例えば、予め設定された期間(以下「高さ更新用期間」という。)経過ごとに、変換時高さ情報の、記憶部13への記憶を行う。
追跡対象オブジェクトは、時間の経過とともにその位置が変わり得るため、追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報、すなわち、動的情報、をダイナミックマップに反映する際は、ダイナミックマップ生成用情報のダイナミックマップへの反映のタイミングにて、ダイナミックマップ生成用情報が取得される都度、当該追跡対象オブジェクトを追跡する必要がある。一方、追跡対象オブジェクトについて、その高さは、基本的には変わらないと想定される。例えば、車両3の高さは時間が経過しても変わらない。よって、第1変換部12は、変換時高さ情報の、記憶部13への記憶を、第1変換処理を行う都度行うことを必須としない。ただし、例えば、自転車に乗っている人は、自転車から降りて歩きだすこともあり得る。この場合、当該人の高さが変わり得る。同様に、例えば、しゃがんでいた人が立ち上がることもあり得る。また、以前センサ2によって検知された追跡対象オブジェクトの位置情報が誤りであったこともあり得る。
そこで、第1変換部12は、高さ更新用期間が経過した場合は、変換時高さ情報に変化があり得るとして、変換時高さ情報の、記憶部13への記憶を行う。
【0034】
なお、第1変換部12は、高さ更新用期間が経過していなくても、ダイナミックマップ生成用情報、ここでは、動的情報、の、ダイナミックマップへの反映が行われるタイミングになってはじめて出現した追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報について第1変換処理を行う場合は、変換時高さ情報の、記憶部13への記憶を行う。第1変換部12は、はじめて出現した追跡対象オブジェクトであるか否かを、すでに記憶済の、変換時高さ情報に対応付けられている追跡対象オブジェクトを特定可能な情報(ID)から判定できる。
【0035】
第1変換部12は、記憶部13に対して、ダイナミックマップ生成用情報を2次元変換後マップ生成用情報に変換した際に削除した追跡対象オブジェクトの高さ方向を示す情報、すなわち、変換時高さ情報の記憶を、更新用期間経過ごとに行わせるようにすることで、記憶部13への変換時高さ情報の記憶に係る処理を必要最低限の回数に絞り、処理負荷を軽くすることができる。
【0036】
記憶部13は、変換時高さ情報を記憶する。
なお、図1では、記憶部13はマップ生成装置1に備えられるものとしているが、これは一例に過ぎない。
記憶部13は、マップ生成装置1の外部の、マップ生成装置1が参照可能な場所に備えられていてもよい。
【0037】
追跡部14は、第1変換部12から出力された2次元変換後マップ生成用情報に基づき、追跡対象オブジェクトの動きを時系列で追跡する。実施の形態1において、追跡部14が「時系列で追跡する」とは、直近の2次元変換後マップ生成用情報に基づく追跡対象オブジェクトの位置からの、位置の変化を追うことをいう。具体的には、直近の2次元変換後マップ生成用情報に基づくある追跡対象オブジェクトが、最新の2次元変換後マップ生成用情報に基づくある追跡対象オブジェクトと同じものかどうかを判定し、同じであれば、その追跡対象オブジェクトに、同じ追跡対象オブジェクトであると判別可能な情報(ID等。なお、ここでいうIDはダイナミックマップ上のIDである)を付与していくことである。つまり、位置が変化し得る追跡対象オブジェクトについて、同じであると判定された追跡対象オブジェクトには、時間が経過しても、ずっと同じIDが付与されるようにすることである。
詳細には、追跡部14は、例えば、第1変換部12から出力された2次元変換後マップ生成用情報を、追跡部14のバッファに記憶しておく。追跡部14は、予め設定された期間分の2次元変換後マップ生成用情報を、バッファに記憶しておくようにすればよい。追跡部14は、追跡対象オブジェクトに付与されているIDと、記憶している時系列の2次元変換後マップ生成用情報に基づけば、各追跡対象オブジェクトの動きを追跡できる。言い換えれば、追跡部14は、追跡対象オブジェクトに付与されているIDと、記憶している時系列の2次元変換後マップ生成用情報に基づけば、各追跡対象オブジェクトの位置の変化を追うことができる。
追跡部14は、各追跡対象オブジェクトについて、2次元の情報、すなわち、x,y座標で示された位置の変化を追跡する。言い換えれば、追跡部14は、各追跡対象オブジェクトを、2次元空間上で追跡する。
【0038】
追跡部14は、追跡した結果、位置の変化があった追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を抽出し、第2変換部15に出力する。このとき、追跡部14は、抽出した2次元変換後マップ生成用情報と、追跡対象オブジェクトの位置の変化量を示す情報とを対応付けて、第2変換部15に出力してもよい。
なお、追跡部14は、ダイナミックマップを生成するタイミングになってはじめて出現した追跡対象オブジェクトである場合、言い換えれば記憶しておいた時系列の2次元変換後マップ生成用情報の中に、追跡対象オブジェクトに付与されているIDにてつきあう2次元変換後マップ生成用情報がない場合、追跡対象オブジェクトについて、位置の変化があったとする。
【0039】
第2変換部15は、記憶部13に記憶されている変換時高さ情報を参照し、追跡部14から出力された2次元変換後マップ生成用情報、より詳細には、位置の変化があった追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報について、高さに関する情報を含まない2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報から、高さに関する情報を含む3次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報(以下「3次元変換後マップ生成用情報」という。)に、変換する。
第2変換部15は、2次元変換後マップ生成用情報に追跡対象オブジェクトの高さ方向の情報を付け足すことで、2次元変換後マップ生成用情報を3次元変換後マップ生成用情報に変換する。具体的には、第2変換部15は、2次元変換後マップ生成用情報について、追跡対象オブジェクトの高さを示すz座標を付け足すことで、2次元空間情報から3次元空間情報への変換を行う。
第2変換部15は、2次元変換後マップ生成用情報と変換時高さ情報を、追跡対象オブジェクトを特定可能な情報(ID)でつき合わせることで、付け足すz座標を特定できる。
実施の形態1において、第2変換部15が行う、2次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報、すなわち、2次元変換後マップ生成用情報を、3次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報に変換する処理を、「第2変換処理」という。
第2変換部15は、3次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報に変換した後の3次元変換後マップ生成用情報を、マップ生成部16に出力する。
【0040】
マップ生成部16は、第2変換部15から出力された3次元変換後マップ生成用情報に基づいてダイナミックマップを生成する。
例えば、今、マップ生成装置1が第3エリアのダイナミックマップを生成しており、3次元変換後マップ生成用情報が、追跡対象オブジェクトである普通車(ID001)に関する3次元変換後マップ生成用情報であったとする。この場合、マップ生成部16は、普通車(ID001)が、3次元変換後マップ生成用情報で示されている内容で反映された、第3エリアのダイナミックマップを生成する。
例えば、3次元変換後マップ生成用情報で示される普通車(ID001)の位置が(20,30)の地点であり、当該普通車(ID001)の高さが2.0mであったとすると、マップ生成部16は、第3エリアのダイナミックマップについて、普通車(ID001)を、(20,30)の地点における2.0mの普通車となるよう更新する。
これにより、普通車(ID001)の位置および高さが、更新前のダイナミックマップで反映されていた位置および高さから、最新の位置および高さに更新される。なお、マップ生成部16は、3次元変換後マップ生成用情報に基づく追跡対象オブジェクト(上述の例では普通車(ID001))以外の動体、言い換えれば、追跡部14によって動きがないと判定された動体、については、ダイナミックマップに反映されている内容から、更新しない。
なお、ここでは、マップ生成部16は、追跡部14によって動きがないと判定された動体についてはダイナミックマップに反映されている内容から更新しないものとしているが、これは一例に過ぎない。例えば、追跡部14は、動きがない動体を含む全ての追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を抽出し、第2変換部15は、全ての追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を3次元変換後マップ生成用情報に変換してマップ生成部16に出力し、マップ生成部16は、動きがないと判定された動体を含む、全ての追跡対象オブジェクトについて、ダイナミックマップに反映されている内容から更新するようにしてもよい。
【0041】
マップ生成部16は、生成したダイナミックマップを、通信部17を介して、車両3に出力する。
マップ生成部16は、生成したダイナミックマップを、通信部17を介して、管制センター4に出力してもよい。
管制センター4では、例えば、管制センター4に設けられている表示制御装置(図示省略)が、管制室等に備えられている表示装置(図示省略)にダイナミックマップを表示させる。例えば、管制官等のユーザは、表示装置を確認することで、ダイナミックマップを確認する。
そして、ユーザは、例えば、ダイナミックマップにある物体の配置によって、車両3へ最適なルート指示を行う。例えば、何かの障害物で道がふさがれていれば、ユーザは、別の道を通るように車両3に指示する。
また、ユーザは、例えば、表示装置に表示されたダイナミックマップを、車両3等の追跡に使用することもできる。例えば、ユーザは、構内に入ってきた車両3がどこに駐車されたかを判定し、別の車両3に指示を送って、車両3が駐車された場所まで、向かわせて荷物、または、人を回収する。
【0042】
通信部17は、5G(5th Generation)またはLTE(Long Term Evolution)等の規格により通信する。
通信部17は、管制センター4またはWebサーバ5等からダイナミックマップ生成用情報を取得し、識別部11に出力する。
また、通信部17は、マップ生成部16が生成したダイナミックマップを、車両3または管制センター4に出力する。
また、通信部17は、管制センター4にて演算され出力された車両3の経路情報を、車両3に出力することもできる。例えば、管制センター4にて、ユーザは、ダイナミックマップを確認した結果、物体の配置によって、車両3の最適な経路を設定し、設定した経路情報を、通信部17を介して車両3に出力することで、最適な経路を指示する。例えば、何かの障害物で道がふさがれていれば、ユーザは、別の道を通るよう、車両3の最適な経路を設定し、設定した経路情報を、通信部17を介して車両3に出力する。
また、通信部17は、管制センター4から出力された車両3に対する各種指示を、指示された車両3に出力することもできる。例えば、管制センター4にて、ユーザは、ダイナミックマップに基づき車両3等を追跡し、構内に入ってきた車両3がどこに駐車されたかを判定すると、当該車両3が駐車された場所まで、別の車両3に向かわせて荷物、または、人を回収する指示を、通信部17を介して、別の車両3に出力する。
【0043】
実施の形態1に係るマップ生成装置1の動作について説明する。
図3は、実施の形態1に係るマップ生成装置1の動作について説明するためのフローチャートである。
マップ生成装置1は、ダイナミックマップを生成するタイミングになるたびに、図3のフローチャートで示すような動作を繰り返す。
なお、ここでは、マップ生成装置1は、動的情報の反映タイミングを迎えたものとして、マップ生成装置1の動作について説明する。
【0044】
識別部11は、センサ2から、ダイナミックマップ生成用情報を取得する。また、識別部11は、管制センター4およびWebサーバ5から、通信部17を介して、ダイナミックマップ生成用情報を取得する。識別部11は、その他の路側装置100に搭載されているセンサ2または車両3に搭載されているセンサ2から、通信部17を介して、ダイナミックマップ生成用情報を取得してもよい。
そして、識別部11は、取得したダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、その動きを追跡する必要がある物体に関するダイナミックマップ生成用情報であるか否か、を識別する(ステップST1)。
識別部11は、上記識別を行うと、ダイナミックマップへの反映タイミングを迎えた情報、すなわち、動的情報であるダイナミックマップ生成用情報、を抽出し、第1変換部12に出力する。
【0045】
第1変換部12は、第1変換処理を行う(ステップST2)。
第1変換部12は、追跡部14に2次元変換後マップ生成用情報を出力するとともに、変換時高さ情報を記憶部13に記憶させる。
【0046】
追跡部14は、ステップST2にて第1変換部12から出力された2次元変換後マップ生成用情報に基づき、追跡対象オブジェクトの動きを時系列で追跡する(ステップST3)。
追跡部14は、追跡した結果、位置の変化があった追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を抽出し、第2変換部15に出力する。
【0047】
第2変換部15は、第2変換処理を行う(ステップST4)。
第2変換部15は、3次元変換後マップ生成用情報を、マップ生成部16に出力する。
【0048】
マップ生成部16は、ステップST4にて第2変換部15から出力された3次元変換後マップ生成用情報に基づいてダイナミックマップを生成する(ステップST5)。
マップ生成部16は、生成したダイナミックマップを、通信部17を介して、車両3に出力する。
マップ生成部16は、生成したダイナミックマップを、通信部17を介して、管制センター4に出力してもよい。
【0049】
図4は、図3のステップST2の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0050】
第1変換部12は、追跡対象オブジェクトの追跡中であるか否かを判定する(ステップST21)。すなわち、第1変換部12は、図3のステップST1にて識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報が、ダイナミックマップ生成用情報、ここでは、動的情報、の、ダイナミックマップへの反映が行われるタイミングになってはじめて出現した追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報であるか否かを判定する。
【0051】
追跡対象オブジェクトの追跡中である場合(ステップST21の“YES”の場合)、言い換えれば、図3のステップST1にて識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報が、ダイナミックマップ生成用情報、ここでは、動的情報、の、ダイナミックマップへの反映が行われるタイミングになってはじめて出現した追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報ではない場合、第1変換部12は、高さ更新用期間が経過したか否かを判定する(ステップST22)。
【0052】
高さ更新用期間が経過した場合(ステップST22の“YES”の場合)、および、上記ステップST21において追跡対象オブジェクトの追跡中でないと判定した場合(ステップST21の“NO”の場合)、言い換えれば、図3のステップST1にて識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報が、当該ダイナミックマップ生成用情報、ここでは、動的情報、の、ダイナミックマップへの反映が行われるタイミングになってはじめて出現した追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報である場合、第1変換部12は、ダイナミックマップ生成用情報について、3次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報から、2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報への変換を行う(ステップST23)。そして、第1変換部12は、2次元変換後マップ生成用情報に、3次元情報フラグ、追跡フラグ、識別結果情報、および、ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報を付与して、追跡部14に出力する。
また、第1変換部12は、変換時高さ情報を、記憶部13に記憶させる(ステップST24)。
【0053】
高さ更新用期間が経過していないと判定した場合(ステップST22の“NO”の場合)、第1変換部12は、ダイナミックマップ生成用情報について、3次元空間情報であるダイナミックマップ生成用情報から、2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報への変換を行い(ステップST25)、2次元変換後マップ生成用情報に、3次元情報フラグ、追跡フラグ、識別結果情報、および、ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報を付与して、追跡部14に出力する。
【0054】
なお、記憶部13に記憶された変換時高さ情報は、例えば、ダイナミックマップの生成が完了した際、または、マップ生成装置1の電源がオフにされた際に初期化される。
【0055】
図5は、図3のステップST4の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0056】
第2変換部15は、追跡部14から、2次元変換後マップ生成用情報を取得する(ステップST31)。
第2変換部15は、記憶部13に記憶されている変換時高さ情報を取得する(ステップST32)。
【0057】
第2変換部15は、ステップST31にて取得した2次元変換後マップ生成用情報と、ステップST32にて取得した変換時高さ情報とに基づき、2次元変換後マップ生成用情報について、2次元変換後マップ生成用情報から3次元変換後マップ生成用情報に変換する(ステップST33)。
第2変換部15は、3次元変換後マップ生成用情報を、マップ生成部16に出力する。
【0058】
なお、図5のフローチャートでは、ステップST31の処理が行われた後、ステップST32の処理が行われるものとしているが、これは一例に過ぎない。
例えば、ステップST31の処理とステップST32の処理の順番は逆でもよいし、ステップST31の処理とステップST32の処理とが並行して行われてもよい。
【0059】
このように、マップ生成装置1は、センサ2が検知した物体に関する物体情報を、ダイナミックマップ生成用情報として取得し、取得したダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、追跡対象オブジェクトに関する前記ダイナミックマップ生成用情報であるか否か、を識別する。マップ生成装置1は、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報であると識別したダイナミックマップ生成用情報について、2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報に変換して、変換した2次元変換後マップ生成用情報に基づき、追跡対象オブジェクトを2次元空間上で追跡し、動きがあった追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を抽出する。そして、マップ生成装置1は、抽出した2次元変換後マップ生成用情報について、3次元空間情報である3次元変換後マップ生成用情報に変換し、3次元変換後マップ生成用情報に基づき、ダイナミックマップを生成する。
これにより、マップ生成装置1は、センサ2が検知した物体であって、時系列で追跡が必要な物体(追跡対象オブジェクト)の動きの追跡のための情報量を少なくすることができ、CPU処理量の逼迫を低減できる。その結果、マップ生成装置1は、ダイナミックマップの生成および配信に遅延を生じさせないようにできる。すなわち、マップ生成装置1は、リアルタイム性を損なうことなくダイナミックマップを生成することができる。そして、マップ生成装置1は、リアルタイム性が損なわれていないダイナミックマップを提供することができる。
【0060】
図6Aおよび図6Bは、実施の形態1に係るマップ生成装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
実施の形態1において、識別部11と、第1変換部12と、追跡部14と、第2変換部15と、マップ生成部16の機能は、処理回路1001により実現される。すなわち、マップ生成装置1は、取得したダイナミックマップセンサ生成用情報に基づいてダイナミックマップを生成する制御を行うための処理回路1001を備える。
処理回路1001は、図6Aに示すように専用のハードウェアであっても、図6Bに示すようにメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサ1004であってもよい。
【0061】
処理回路1001が専用のハードウェアである場合、処理回路1001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0062】
処理回路がプロセッサ1004の場合、識別部11と、第1変換部12と、追跡部14と、第2変換部15と、マップ生成部16の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1005に記憶される。プロセッサ1004は、メモリ1005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、識別部11と、第1変換部12と、追跡部14と、第2変換部15と、マップ生成部16の機能を実行する。すなわち、マップ生成装置1は、プロセッサ1004により実行されるときに、上述の図3のステップST1~ステップST5の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1005を備える。また、メモリ1005に記憶されたプログラムは、識別部11と、第1変換部12と、追跡部14と、第2変換部15と、マップ生成部16の処理の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ1005とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0063】
なお、識別部11と、第1変換部12と、追跡部14と、第2変換部15と、マップ生成部16の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、識別部11およびマップ生成部16については専用のハードウェアとしての処理回路1001でその機能を実現し、第1変換部12と、追跡部14と、第2変換部15についてはプロセッサ1004がメモリ1005に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
記憶部13は、例えば、メモリ等で構成される。
また、マップ生成装置1は、センサ2等の装置と、有線通信また無線通信を行う入力インタフェース装置1002および出力インタフェース装置1003を備える。
【0064】
なお、以上の実施の形態1では、マップ生成装置1が動的情報の反映タイミングを迎えたものとして、マップ生成装置1によるダイナミックマップの生成について説明したが、マップ生成装置1は、例えば、準動的情報の反映タイミングを迎えた場合は、準動的情報が反映されたダイナミックマップの生成を行い、準静的情報の反映タイミングを迎えた場合は、準静的情報が反映されたダイナミックマップの生成を行い、静的情報の反映タイミングを迎えた場合は、静的情報が反映されたダイナミックマップの生成を行う。
【0065】
例えば、準動的情報の反映タイミングを迎えた場合、識別部11は、準動的情報に識別したダイナミックマップ生成用情報、言い換えれば、事故情報、渋滞情報、交通規制情報、道路工事情報、および、狭域気象予報情報等を示す情報に、3次元の情報を含まないことを示す3次元情報フラグと、追跡の必要ではないことを示す追跡フラグと、準動的情報であることを示す識別結果情報と、ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報とを付与して、第1変換部12に出力する。
【0066】
第1変換部12は、識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報が準動的情報である場合、第1変換処理を行わず、そのまま、当該ダイナミックマップ生成用情報を、追跡部14に出力する。事故情報、渋滞情報、交通規制情報、道路工事情報、および、狭域気象予報情報等は、いずれも、その動きを追跡する必要がない情報であり、基本的に、高さ方向を示す情報は含んでいない。よって、第1変換部12は第1変換処理を行わない。
【0067】
追跡部14は、第1変換部12から出力された、準動的情報であるダイナミックマップ生成用情報、詳細には、事故情報、渋滞情報、交通規制情報、道路工事情報、および、狭域気象予報情報等を、そのまま、第2変換部15を介して、マップ生成部16に出力する。
マップ生成部16は、識別部11から、第1変換部12、追跡部14、および、第2変換部15を介して出力されたダイナミックマップ生成用情報に基づき、ダイナミックマップを生成する。なお、識別部11が、直接、ダイナミックマップ生成用情報をマップ生成部16に出力してもよい。
【0068】
例えば、準静的情報の反映タイミングを迎えた場合も、マップ生成装置1は、上述の、準動的情報の反映タイミングを迎えた場合と同様の処理を行う。
【0069】
例えば、静的情報の反映タイミングを迎えた場合、識別部11は、静的情報に識別したダイナミック生成用情報、言い換えれば、高精度3次元地図情報、および、静止物体に関する物体情報に、3次元の情報を含むことを示す3次元情報フラグと、追跡の必要がないことを示す追跡フラグと、静的情報であることを示す識別結果情報と、ダイナミックマップ生成用情報を取得した日時に関する情報とを付与して、第1変換部12に出力する。
【0070】
第1変換部12は、識別部11から出力されたダイナミックマップ生成用情報が静的情報である場合、第1変換処理を行わず、そのまま、当該ダイナミックマップ生成用情報を、追跡部14に出力する。高精度3次元地図情報、および、静止物体に関する物体情報は、いずれも、時間とともに内容が変わらない情報であるため、ダイナミックマップを生成するにあたり、その動きを追跡する必要はない。よって、第1変換部12は、第1変換処理を行わない。なお、静的情報は高さ方向を示す情報を含んではいるが、上述のとおり、追跡する必要がない物体(建物等)の高さ方向を示す情報であるため、第1変換部12は第1変換処理を行わない。
【0071】
追跡部14は、第1変換部12から出力された、静的情報であるダイナミックマップ生成用情報、詳細には、高精度3次元地図情報、および、静止物体に関する物体情報を、そのまま、第2変換部15を介して、マップ生成部16に出力する。
マップ生成部16は、識別部11から、第1変換部12、追跡部14、および、第2変換部15を介して出力されたダイナミックマップ生成用情報に基づき、ダイナミックマップを生成する。なお、識別部11が、直接、ダイナミックマップ生成用情報をマップ生成部16に出力してもよい。
【0072】
また、以上の実施の形態1では、既にダイナミックマップが存在しているものとしたが、これは一例に過ぎない。マップ生成装置1が、新規のダイナミックマップを生成してもよい。
【0073】
また、以上の実施の形態1では、マップ生成装置1は、路側装置100に搭載されているものとしたが、これは一例に過ぎない。
マップ生成装置1は、例えば、センサ2に搭載されていてもよいし、センサ2と通信によって接続されているサーバ(図示省略)に搭載されてもよい。
また、例えば、識別部11、第1変換部12、追跡部14、第2変換部15、または、マップ生成部16のうちの一部がサーバに備えられてもよい。
【0074】
以上のように、実施の形態1によれば、マップ生成装置1は、対象領域に存在する物体を検知する少なくとも1つのセンサ2、から、当該センサ2が検知した物体に関する情報を、ダイナミックマップを生成するためのダイナミックマップ生成用情報として取得し、取得したダイナミックマップ生成用情報が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であるか否か、および、その動きを追跡する必要がある追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報であるか否か、を識別する識別部11と、識別部11が、3次元の情報を含むダイナミックマップ生成用情報であり、かつ、追跡対象オブジェクトに関するダイナミックマップ生成用情報であると識別したダイナミックマップ生成用情報について、2次元空間情報である2次元変換後マップ生成用情報に変換する第1変換部12と、第1変換部12が変換した2次元変換後マップ生成用情報に基づき、追跡対象オブジェクトを2次元空間上で追跡し、動きがあった追跡対象オブジェクトに関する2次元変換後マップ生成用情報を抽出する追跡部14と、追跡部14が抽出した2次元変換後マップ生成用情報について、3次元空間情報である3次元変換後マップ生成用情報に変換する第2変換部15と、第2変換部15が変換した3次元変換後マップ生成用情報に基づき、ダイナミックマップを生成するマップ生成部16とを備えるように構成した。そのため、マップ生成装置1は、センサ2が検知した物体であって、時系列で追跡が必要な物体(追跡対象オブジェクト)の動きの追跡のための情報量を少なくすることができ、CPU処理量の逼迫を低減できる。その結果、マップ生成装置1は、ダイナミックマップの生成および配信に遅延を生じさせないようにできる。すなわち、マップ生成装置1は、リアルタイム性を損なうことなくダイナミックマップを生成することができる。
【0075】
なお、本開示は、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 路側装置、1 マップ生成装置、11 識別部、12 第1変換部、13 記憶部、14 追跡部、15 第2変換部、16 マップ生成部、17 通信部、2 センサ、3 車両、4 管制センター、5 Webサーバ、1001 処理回路、1002 入力インタフェース装置、1003 出力インタフェース装置、1004 プロセッサ、1005 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6