(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167466
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】医用レポート表示装置、医用レポート表示システム、プログラム及び医用レポート表示方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083564
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒川 晋哉
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD04
4C601DD14
4C601EE11
4C601KK10
4C601KK25
4C601KK28
4C601KK32
4C601KK35
4C601KK49
4C601LL15
4C601LL21
(57)【要約】
【課題】超音波診断におけるユーザーの利便性を向上させる。
【解決手段】超音波診断装置(医用レポート表示装置)は、超音波信号を送受信する超音波探触子と、超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、を備える。超音波診断装置は、超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された医用レポート(第1医用レポート)を取得する。超音波診断装置は、超音波画像と医用レポートの少なくとも一部である参照用レポート(第2医用レポート)とを表示部に表示させる。検査画面440には、超音波画像領域80、参照用レポート領域90が含まれる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号を送受信する超音波探触子と、
前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、
前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得部と、
前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御部と、
を備える医用レポート表示装置。
【請求項2】
前記第2医用レポートを編集するための編集操作と、前記編集された第2医用レポートを保存するための保存操作とを受け付ける受付部を備える、
請求項1に記載の医用レポート表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2医用レポートが編集された場合に、前記表示部に表示された前記第2医用レポートを、前記編集された内容に更新して前記表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置。
【請求項4】
前記第2医用レポートには、光学画像が含まれる、
請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部に表示された前記第2医用レポートの所定の位置が選択された状態で、前記超音波画像が選択された場合に、前記所定の位置に、前記選択された超音波画像を表示させる、
請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示部に表示された前記第2医用レポートの所定の位置が選択された状態で、前記超音波画像の計測値が計測された場合に、前記所定の位置に、前記計測値を表示させる、
請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置。
【請求項7】
前記第1医用レポートは構造化された構造化レポートであり、
前記制御部は、前記構造化レポートの少なくとも一部を抽出し、当該抽出された部分を再構成した前記第2医用レポートを、前記表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置。
【請求項8】
超音波信号を送受信する超音波探触子と、
前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、
前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得部と、
前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御部と、
を備える医用レポート表示システム。
【請求項9】
超音波信号を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、を備える医用レポート表示装置のコンピューターを、
前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得部、
前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
超音波信号を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、を備える医用レポート表示装置における医用レポート表示方法であって、
前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得工程と、
前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御工程と、
を含む医用レポート表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用レポート表示装置、医用レポート表示システム、プログラム及び医用レポート表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療従事者の業務改善が求められている。例えば、コメディカル等に医師の業務を移管するタスクシェアやタスクシフトが行われるようになってきている。
超音波診断においても、コメディカル等を含む複数の医療従事者で医用レポートを共有したいというニーズが増加している。
【0003】
特許文献1には、医用画像に対する医用レポートを作成する医用レポート作成装置に関する技術が開示されている。この装置は、所見欄の文字列中に、参照画像のアドレス情報のハイパーリンクを付加する。
特許文献2には、所望の医用画像を指定した順序に対応して、医用レポート内の医用画像の位置を決定する医用レポート作成装置が開示されている。
【0004】
また、従来、透析医療では、血液透析患者のシャントを管理するために、シャントエコー検査が行われている。シャントは、透析のための血液の出入り口である。機能評価では、シャント肢の上腕動脈で、平均血流量(FV)、血管抵抗指数(RI)が計測される。形態評価では、シャント肢の全長に渡り、動脈からシャント静脈までの血管走行や形態が確認され、血管の位置が記録される。このような検査結果を記録したレポートは、シャントマップと呼ばれている。シャントマップの目的は、血管の走行や特徴を事前に把握し、穿刺ミスを減らすことである。シャントマップは、患者のQOLの向上に繋がる。また、シャントマップの別の目的は、医療従事者間で患者の血管の状態を共有することである。
【0005】
シャントマップを作成する際、ユーザーは、準備段階として、カメラで患者の腕の写真を撮影する。また、ユーザーは、超音波により血管の走行状態を確認し、超音波画像を取得し、超音波画像上で所定の距離・深さ等の計測を行う。
その後、ユーザーは、レポート作成画面において、患者情報、検査情報等を入力し、カメラで撮影した画像を貼り付け、マッピング情報を記入する。また、ユーザーは、レポート作成画面において、超音波画像を貼り付け、計測結果やコメントを入力し、医用レポート(シャントマップ)を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4389011号公報
【特許文献2】特許第6345487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、医師が医用レポートを利用する際には、医用レポートを印刷物として確認するか、PC(Personal Computer)のモニター上で確認する場合が多い。そのため、医師が超音波診断の検査時に医用レポートを参照する場合、超音波診断装置の画面を含めて複数の媒体や画面を見る必要があり、利便性が悪かった。
【0008】
また、特許文献1及び特許文献2においても、医用レポートの使用方法(表示、編集、共有)については、言及されていない。
【0009】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、超音波診断におけるユーザーの利便性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、超音波信号を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得部と、前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御部と、を備える医用レポート表示装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用レポート表示装置において、前記第2医用レポートを編集するための編集操作と、前記編集された第2医用レポートを保存するための保存操作とを受け付ける受付部を備える。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置において、前記制御部は、前記第2医用レポートが編集された場合に、前記表示部に表示された前記第2医用レポートを、前記編集された内容に更新して前記表示部に表示させる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置において、前記第2医用レポートには、光学画像が含まれる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置において、前記制御部は、前記表示部に表示された前記第2医用レポートの所定の位置が選択された状態で、前記超音波画像が選択された場合に、前記所定の位置に、前記選択された超音波画像を表示させる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置において、前記制御部は、前記表示部に表示された前記第2医用レポートの所定の位置が選択された状態で、前記超音波画像の計測値が計測された場合に、前記所定の位置に、前記計測値を表示させる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用レポート表示装置において、前記第1医用レポートは構造化された構造化レポートであり、前記制御部は、前記構造化レポートの少なくとも一部を抽出し、当該抽出された部分を再構成した前記第2医用レポートを、前記表示部に表示させる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、超音波信号を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得部と、前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御部と、を備える医用レポート表示システムである。
【0018】
請求項9に記載の発明は、超音波信号を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、を備える医用レポート表示装置のコンピューターを、前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得部、前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0019】
請求項10に記載の発明は、超音波信号を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子により受信された超音波信号から超音波画像を生成する生成部と、を備える医用レポート表示装置における医用レポート表示方法であって、前記超音波画像と同じ患者を対象とした、外部装置と共有された第1医用レポートを取得する取得工程と、前記超音波画像と前記第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部に表示させる制御工程と、を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、超音波診断におけるユーザーの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態における医用画像システムのシステム構成図である。
【
図2】医用レポートサーバーの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】超音波診断装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5A】医用レポートに含まれる項目とタグの例である。
【
図5B】医用レポートから抽出される抽出項目の例である。
【
図7】超音波診断装置により実行される医用レポート表示処理を示すフローチャートである。
【
図8】超音波診断装置に表示される検査画面の例である。
【
図10A】画像追加処理を説明するための検査画面の例である。
【
図10B】画像追加処理を説明するための検査画面の例である。
【
図10C】画像追加処理を説明するための検査画面の例である。
【
図10D】画像追加処理を説明するための検査画面の例である。
【
図11】計測値追加処理を示すフローチャートである。
【
図12A】計測値追加処理を説明するための検査画面の例である。
【
図12B】計測値追加処理を説明するための検査画面の例である。
【
図12C】計測値追加処理を説明するための検査画面の例である。
【
図12D】計測値追加処理を説明するための検査画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る医用レポート表示装置、医用レポート表示システム、プログラム及び医用レポート表示方法の実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0023】
〔医用画像システムの構成〕
図1に、本実施の形態における医用レポート表示システムとしての医用画像システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像システム100は、医用レポートサーバー10、超音波診断装置40(医用レポート表示装置)、クライアント端末50を備える。また、医用画像システム100は、PACS(Picture Archiving and Communication System)20、電子カルテサーバー30等を備える。医用画像システム100内の各装置は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。医用画像システム100内の各装置は、HL7(Health Level Seven)やDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じている。医用画像システム100内の各装置間の通信は、HL7やDICOMに則って行われる。なお、超音波診断装置40、クライアント端末50の台数は、特に限定されない。
【0024】
医用レポートサーバー10は、医用レポートを記憶し、患者ごと、検査ごとに医用レポートを管理する。医用レポートサーバー10において管理されている医用レポートは、超音波診断装置40、クライアント端末50等から利用可能である。すなわち、医用レポートサーバー10において管理されている医用レポートは、複数の装置(超音波診断装置40、クライアント端末50等)により共有されている。医用レポートサーバー10において管理されている医用レポートは、複数のユーザー(医療従事者)により共有されている。医用レポートサーバー10は、外部装置から医用レポートの取得要求があった場合に、当該取得要求に応じて、要求された医用レポートを当該外部装置に送信する。
【0025】
PACS20は、各種モダリティーにおいて生成された医用画像の画像データを記憶し、患者ごと、検査ごとに医用画像を管理する。PACS20は、外部装置から医用画像の取得要求があった場合に、当該取得要求に応じて、要求された医用画像の画像データを当該外部装置に送信する。
【0026】
電子カルテサーバー30は、クライアント端末50からの操作指示に応じて、患者に対する診療行為や診断結果を記録した電子カルテ情報を生成する。また、電子カルテサーバー30は、クライアント端末50からの操作指示に応じて、患者に対する検査を依頼するための検査オーダーを生成する。
【0027】
超音波診断装置40は、患者の検査対象部位により反射した超音波を画像化する装置である。超音波診断装置40は、医療施設の診察室等に設置されている。超音波診断装置40は、病室等に移動可能であってもよい。超音波診断装置40は、医師、技師等の医療従事者によって操作される。
【0028】
クライアント端末50は、医師等の医療従事者により使用されるコンピューター装置である。クライアント端末50として、PC、タブレット端末、電子カルテ端末等が挙げられる。医療従事者は、クライアント端末50において、医用レポートの作成、編集及び閲覧、電子カルテの作成、検査オーダーの生成、医用画像の閲覧等を行う。
【0029】
〔医用レポートサーバーの構成〕
図2は、医用レポートサーバー10の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、医用レポートサーバー10は、制御部11、記憶部12、通信部13等を備える。
【0030】
制御部11は、医用レポートサーバー10の各部の動作を制御する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。CPUは、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムを読み出す。CPUは、読み出したプログラムをRAMに展開し、展開したプログラムに従って各種処理を実行する。ROMは、医用レポートサーバー10に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種プログラムや、各種データ等を記憶する。RAMは、CPUにより実行される各種プログラム、及び、これらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0031】
記憶部12は、各種データを、書き込み及び読み出し可能に記憶する。記憶部45は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成される。記憶部12には、ユーザー管理テーブル121、レポート管理テーブル122が記憶されている。記憶部12は、医用レポート記憶領域123を有する。
【0032】
ユーザー管理テーブル121は、医用レポートサーバー10を利用するユーザー(医療従事者)を管理するためのテーブルである。ユーザー管理テーブル121には、ユーザーごとに、ユーザーの識別情報(ユーザーID)、ユーザー名、所属診療科等が対応付けられて格納されている。
【0033】
レポート管理テーブル122は、医用レポートを管理するためのテーブルである。レポート管理テーブル122には、医用レポートごとに、患者ID、患者氏名、検査情報、医用レポートの識別情報(レポートID)、医用レポートの作成者、医用画像の識別情報(画像ID)等が対応付けられて格納される。
【0034】
医用レポート記憶領域123には、医用レポートサーバー10において管理されている複数の医用レポートが記憶されている。
医用レポートは、例えば、画像診断レポートである。画像診断レポートは、医師(画像診断医)が医用画像を読影し、読影結果を報告するために作成する画像診断報告書である。画像診断レポートは、閲覧者が、画像から得られる情報を正しく理解して、治療に役立てるための報告書である。
【0035】
医用レポートは、構造化された構造化レポートである。構造化レポートは、画像検査に対する診断の目的と画像の特徴をわかりやすくまとめるためのテンプレートにより構成される。構造化レポートは、最適なレポートを作成する仕組みを提供する。構造化レポートは、必要な評価項目や記入内容が構造化された上で、フリーテキストでも入力できるように設計されている。ユーザーが構造化レポートのテンプレートにデータを入力していくと、最終的に画像、計測値等を含むレポートが完成する。
構造化レポートでは、レポートの記載内容が統一されるため、情報の共有が容易である。特定の疾患を対象とした画像診断レポートが予め構造化(テンプレート化)されることで、記載される情報が絞られ、レポート作成者のスキルによらず、一定の品質が得られる。
【0036】
医用レポートには、光学画像が含まれる場合がある。光学画像は、カメラ機能により撮影された画像(写真)である。光学画像は、可視光を検出して画像化したものである。光学画像として、検査対象の写真が用いられる。検査対象は、例えば、患者の腕、足、首等である。
例えば、ユーザーは、クライアント端末50として、カメラ機能を有するタブレット端末を用いて、医用レポートを作成することがある。この場合、クライアント端末50では、カメラ機能により撮影された光学画像を医用レポートに貼り付けることができる。「画像を医用レポートに貼り付ける」とは、医用レポート上の所定の領域に画像を配置することである。
なお、クライアント端末50において、カメラから取り込んだ光学画像を医用レポートに貼り付けてもよい。また、クライアント端末50において、光学画像が保存されている装置から光学画像を取得し、この光学画像を医用レポートに貼り付けてもよい。
【0037】
通信部13は、ネットワークインターフェース等により構成される。通信部13は、通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0038】
〔超音波診断装置の構成〕
図3は、超音波診断装置40の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、超音波診断装置40は、制御部41、超音波探触子42、生成部43、表示部44、記憶部45、操作部46、通信部47等を備える。
【0039】
制御部41は、超音波診断装置40の各部の動作を制御する。制御部41は、CPU、ROM、RAMを備える。CPUは、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムを読み出す。CPUは、読み出したプログラムをRAMに展開し、展開したプログラムに従って各種処理を実行する。ROMは、超音波診断装置40に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種プログラムや、各種データ等を記憶する。RAMは、CPUにより実行される各種プログラム、及び、これらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0040】
超音波探触子42は、超音波信号を送受信する。超音波探触子42は、患者の生体等の被検体内に対して超音波信号(送信超音波)を送信する。超音波探触子42は、被検体内で反射した超音波(反射超音波:エコー)の超音波信号を受信する。
【0041】
生成部43は、超音波探触子42により受信された超音波信号から超音波画像を生成する。生成部43は、送受信部43A、信号処理部43B、画像処理部43Cを有する。
【0042】
送受信部43Aは、送信部及び受信部を備える。
送信部は、制御部41の制御に従って、超音波探触子42に電気信号である駆動信号を供給し、超音波探触子42に送信超音波を発生させる回路である。送信部は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備える。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる。遅延回路は、超音波探触子42の振動子のそれぞれに対応した個別経路ごとに、遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させる。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させる。
【0043】
受信部は、制御部41の制御に従って、超音波探触子42から電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備える。増幅器は、各振動子に対応した個別経路ごとに、受信信号を、予め設定された増幅率で増幅させる。A/D変換回路は、増幅された受信信号をアナログ-デジタル変換(A/D変換)する。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、各振動子に対応した個別経路ごとに遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算して音線データを生成する。
【0044】
信号処理部43Bは、制御部41の制御に従って、送受信部43Aから出力される音線データに対して信号処理を行い、被検体内の内部状態を超音波画像データとして画像化する。例えば、信号処理部43Bは、音線データに対して包絡線検波処理や対数圧縮等を実施し、ダイナミックレンジやゲインの調整を行って輝度変換する。信号処理部43Bは、受信エネルギーとしての輝度値を有する画素からなるB(Brightness)モード画像データを生成する。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。信号処理部43Bは、A(Amplitude)モード、M(Motion)モード、ドプラ法による画像モード等、他の画像モードの超音波画像データを生成してもよい。
【0045】
画像処理部43Cは、制御部41の制御に従って、設定中の各種画像パラメーターに応じて、信号処理部43Bから出力された画像データに画像処理を施す。
【0046】
表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイ等の表示パネルを有する。表示部44は、制御部41の制御に従って、表示パネルの表示画面上に各種表示情報を表示する。
【0047】
記憶部45は、各種データを、書き込み及び読み出し可能に記憶する。記憶部45は、例えば、HDD、SSD等により構成される。
【0048】
操作部46は、ユーザーによる操作を受け付けて、操作に応じた操作信号を制御部41に出力する。
操作部46は、各種キー、エンコーダー(回転つまみ)、マウス、トラックボール等の操作要素を有する。操作部46は、各操作要素を介して各種操作入力を受け付け、その操作信号を制御部41に出力する。
操作部46は、表示部44に積層されたタッチパネルを有する。操作部46は、表示画面に対するユーザーの入力を受け付け、タッチ操作の位置に応じた操作信号を制御部41に出力する。
【0049】
通信部47は、ネットワークインターフェース等により構成される。通信部47は、通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0050】
超音波診断装置40が備える各部について、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能が、集積回路等のハードウェア回路として実現されてもよい。また、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能が、ソフトウェアにより実行されてもよい。この場合、このソフトウェアは、ROM、光ディスク又はハードディスク等に記憶されており、このソフトウェアが演算処理器により実行される。
【0051】
制御部41は、外部装置と共有された医用レポート(第1医用レポート)を取得する。制御部41は、表示部44に表示される超音波画像と同じ患者を対象とした医用レポートを取得する。すなわち、制御部41は、取得部として機能する。
【0052】
「共有された医用レポート」は、サーバー上に置かれた状態の医用レポートである。本実施の形態では、「共有された医用レポート」は、医用レポートサーバー10において管理されている医用レポートである。
「外部装置と共有された医用レポート」の「外部装置」は、医用レポートサーバー10において管理されている医用レポートを利用可能な装置のうち、自装置以外の装置である。「外部装置」は、例えば、自装置以外の超音波診断装置40、クライアント端末50等である。医用レポートが医用レポートサーバー10に保存されることで、複数の装置(超音波診断装置40、クライアント端末50等)において、医用レポートを利用可能となる。
【0053】
制御部41は、超音波画像と第1医用レポートの少なくとも一部である第2医用レポートとを表示部44に表示させる。以下、第2医用レポートを「参照用レポート」という。第1医用レポートの少なくとも一部(参照用レポート)には、例えば、対象患者の患者情報が含まれる。患者情報には、過去の超音波画像、計測値、患者ID等が含まれる。過去の超音波画像は、対象患者に対する過去の超音波検査で得られた超音波画像である。計測値は、対象患者に対する画像検査で得られた画像から計測された値である。
【0054】
制御部41は、構造化レポート(第1医用レポート)の少なくとも一部を抽出する。制御部41は、構造化レポートから抽出された部分を再構成した参照用レポートを、表示部44に表示させる。つまり、制御部41は、第1医用レポートから意味的に必要な部分を抽出して再構成することで、参照用レポートを生成する。制御部41は、医用レポートを単に画像化して表示するのではない。
【0055】
図4は、医用レポート60の例である。医用レポート60は、シャントマップの例である。
【0056】
図5Aは、医用レポート60(構造化レポート)に含まれる項目61とタグ62の例である。構造化レポートにおいて、各項目61の情報は、各項目61に対応するタグ62が付されて管理されている。
【0057】
図5Bは、医用レポート60から抽出される抽出項目63A~63Jの例である。抽出項目63A~63Jは、参照用レポートが表示される際に、医用レポート60から抽出される項目である。抽出項目63A~63Jは、一般的に、超音波検査に必要な情報である。抽出項目63A~63Jは、予め記憶部45に記憶されている。なお、抽出項目63A~63Jは、ユーザーが任意に設定可能としてもよい。
制御部41は、医用レポート60から抽出項目63A~63Jを抽出し、参照用レポートを生成する。
【0058】
図6は、参照用レポートの表示テンプレート70である。参照用レポートの表示テンプレート70には、「患者ID」領域71A、「氏名」領域71B、「生年月日」領域71C、「血液量」領域71D、「既往歴」領域71E、「腕の写真」領域71F、「画像1」領域71G、「深さ1」領域71H、「画像2」領域71I、「深さ2」領域71J等が含まれる。
「患者ID」領域71Aには、患者IDが表示される。
「氏名」領域71Bには、患者の氏名が表示される。
「生年月日」領域71Cには、患者の生年月日が表示される。
「血液量」領域71Dには、FV(血液量)が表示される。
「既往歴」領域71Eには、既往歴が表示される。
「腕の写真」領域71Fには、患者の腕の写真が表示される。
「画像1」領域71Gには、1番目の超音波画像が表示される。
「深さ1」領域71Hには、1番目の超音波画像において計測された深さが表示される。
「画像2」領域71Iには、2番目の超音波画像が表示される。
「深さ2」領域71Jには、2番目の超音波画像において計測された深さが表示される。
【0059】
制御部41は、医用レポート60(
図4参照)から抽出項目63A~63J(
図5B参照)を抽出し、参照用レポートの表示テンプレート70(
図6参照)に基づいて、各項目の情報を配置する。制御部41は、このようにして、医用レポート60とは表示態様が異なる参照用レポートを生成する。
【0060】
操作部46は、参照用レポートを編集するための編集操作と、編集された参照用レポートを保存するための保存操作とを受け付ける。すなわち、操作部46は、受付部として機能する。
【0061】
制御部41は、参照用レポートが編集された場合に、表示部44に表示された参照用レポートを、編集された内容に更新する。制御部41は、更新された参照用レポートを表示部44に表示させる。
【0062】
制御部41は、表示部44に表示された参照用レポートの所定の位置が選択された状態で、超音波画像が選択された場合に、所定の位置に、選択された超音波画像を表示させる。ここで、参照用レポートに対する編集操作には、所定の位置を選択する操作、超音波画像を選択する操作等が含まれる。
【0063】
制御部41は、表示部44に表示された参照用レポートの所定の位置が選択された状態で、超音波画像の計測値が計測された場合に、所定の位置に、計測値を表示させる。ここで、参照用レポートに対する編集操作には、所定の位置を選択する操作、計測位置を指定する操作、計測を指示する操作等が含まれる。
【0064】
〔超音波診断装置の動作〕
次に、超音波診断装置40における動作について説明する。
図7は、超音波診断装置40により実行される医用レポート表示処理を示すフローチャートである。医用レポート表示処理は、制御部41のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0065】
ユーザー(医療従事者)は、超音波診断装置40を使用する際、操作部46からユーザーIDを入力する。制御部41は、入力されたユーザーIDを取得する。
なお、超音波診断装置40がICカードの読取装置を備えていてもよい。この場合、読取装置が、ユーザーが所持するICカードからユーザーIDを読み取る。
【0066】
また、ユーザーは、超音波診断装置40において、操作部46から検査対象とする患者を指定する。例えば、ユーザーは、操作部46から患者ID、患者氏名等を入力する。制御部41は、入力された患者ID、患者氏名等を取得する。
【0067】
制御部41は、送受信部43Aを制御して、超音波探触子42に超音波信号の送受信を行わせる(ステップS1)。超音波探触子42は、超音波信号を送受信する。
【0068】
次に、制御部41は、生成部43を制御して、超音波画像を生成させる(ステップS2)。生成部43は、超音波探触子42により受信された超音波信号から超音波画像を生成する。
ステップS1及びステップS2の処理は、超音波検査が終了するまで、繰り返し継続される。
【0069】
次に、制御部41は、通信部47を介して、医用レポートサーバー10から、共有された医用レポートのうち、超音波画像と同じ患者を対象とした医用レポート(第1医用レポート)を取得する(ステップS3)。例えば、制御部41は、通信部47を介して、医用レポートサーバー10に医用レポートの取得要求を送信する。取得要求には、患者を特定するための情報(患者ID、患者氏名等)が含まれる。なお、制御部41は、検査日、レポート作成日等から、医用レポートを検索してもよい。
【0070】
医用レポートサーバー10の制御部11は、通信部13を介して、超音波診断装置40から医用レポートの取得要求を受信する。制御部11は、レポート管理テーブル122を参照し、取得要求に含まれる患者を特定するための情報と対応付けられているレポートIDを取得する。制御部11は、取得したレポートIDに基づいて、医用レポート記憶領域123に記憶されている複数の医用レポートの中から、検査対象患者の医用レポートを読み出す。制御部11は、通信部13を介して、要求元の超音波診断装置40に、検査対象患者の医用レポートを送信する。
【0071】
次に、超音波診断装置40の制御部41は、取得された医用レポートから所定の項目を抽出し、参照用レポートを生成する(ステップS4)。例えば、制御部41は、医用レポートから、
図5Bに示す抽出項目63A~63Jを抽出する。制御部41は、元々の医用レポートから所定の項目を抽出するだけでなく、医用レポートの表示態様、各項目の配置、各項目が占める面積等を変更する。
【0072】
次に、制御部41は、超音波画像と参照用レポートとを表示部44に表示させる(ステップS5)。
【0073】
図8に、表示部44に表示される検査画面440の例を示す。
検査画面440には、超音波画像領域80、参照用レポート領域90が含まれる。
超音波画像領域80には、超音波検査の対象とされている患者の超音波画像が表示される。
参照用レポート領域90には、参照用レポートが表示される。参照用レポート領域90には、「患者ID」領域91A、「氏名」領域91B、「生年月日」領域91C、「血液量」領域91D、「既往歴」領域91E、「腕の写真」領域91F、「画像1」領域91G、「深さ1」領域91H、「画像2」領域91I、「深さ2」領域91Jが含まれる。また、参照用レポート領域90には、レポート保存ボタンB1が含まれる。
【0074】
参照用レポート領域90に含まれる各領域91A~91Jは、それぞれ、参照用レポートの表示テンプレート70(
図6参照)に含まれる各領域71A~71Jに対応している。
例えば、「患者ID」領域91Aには、患者IDが表示されている。
「腕の写真」領域91Fには、患者の腕の写真が表示されている。
「画像1」領域91Gには、1番目の過去の超音波画像が表示されている。
「深さ1」領域91Hには、1番目の過去の超音波画像において計測された深さが表示されている。
「画像2」領域91Iには、2番目の過去の超音波画像が表示されている。
「深さ2」領域91Jには、2番目の過去の超音波画像において計測された深さが表示されている。
なお、各領域91A~91Jにおいて、データがない項目は空欄とされる。
レポート保存ボタンB1は、参照用レポートの保存を指示するためのボタンである。
【0075】
次に、制御部41は、操作部46から、参照用レポートに対する編集操作があったか否かを判断する(ステップS6)。
参照用レポートに対する編集操作があった場合には(ステップS6;YES)、制御部41は、編集に応じて、表示部44における参照用レポートの表示を更新する(ステップS7)。
【0076】
例えば、ユーザーは、
図8に示す検査画面440において、参照用レポート領域90の文字が表示されている領域91E等を選択する。この操作に応じて、制御部41は、選択された領域を、編集可能な状態とする。制御部41は、操作部46(キーボード等)から入力された文字を、選択された領域に表示させる。
ユーザーは、検査画面440において、参照用レポート領域90の計測値が表示されている領域91H,91J等を選択する。この操作に応じて、制御部41は、選択された領域を、編集可能な状態とする。制御部41は、操作部46(テンキー等)から入力された数値を、選択された領域に表示させる。
ユーザーは、検査画面440において、参照用レポート領域90の画像が表示されている領域91G,91I等を選択する。この操作に応じて、制御部41は、選択された領域を、編集可能な状態とする。制御部41は、操作部46から選択された画像を、選択された領域に表示させる。
ステップS7の後、処理はステップS5に戻る。
【0077】
ステップS6において、参照用レポートに対する編集操作がない場合には(ステップS6;NO)、制御部41は、操作部46から、参照用レポートに対する保存操作があったか否かを判断する(ステップS8)。
参照用レポートに対する保存操作があった場合には(ステップS8;YES)、制御部41は、参照用レポートを保存する(ステップS9)。
【0078】
例えば、ユーザーは、
図8に示す検査画面440において、レポート保存ボタンB1を押下する。制御部41は、レポート保存ボタンB1の押下に応じて、参照用レポートを記憶部45に保存する。また、制御部41は、レポート保存ボタンB1の押下に応じて、参照用レポートを保存する旨の指示を、通信部47を介して、医用レポートサーバー10に送信する。また、制御部41は、参照用レポートが編集された場合には、編集された内容を、医用レポートサーバー10に送信する。
【0079】
医用レポートサーバー10の制御部11は、通信部13を介して、超音波診断装置40から参照用レポートを保存する旨の指示を受信する。制御部11は、医用レポート記憶領域123に記憶されている医用レポートのうち、保存を指示された参照用レポートに対応する医用レポートを、編集された内容で上書き保存する。なお、制御部11は、保存を指示された参照用レポートを、新規の医用レポート(別ファイル)として、医用レポート記憶領域123に保存してもよい。医用レポートサーバー10に保存されている医用レポートを上書きするか、参照用レポートを別ファイルとして保存するかを、ユーザーが選択可能としてもよい。また、制御部11は、参照用レポートとして超音波診断装置40に表示されている部分と、元々の医用レポートの表示されていない部分と、を合わせて保存してもよい。また、制御部11は、医用レポートを編集したユーザーのユーザーID等を、レポート管理テーブル122等に記録してもよい。
ステップS9の後、処理はステップS5に戻る。
【0080】
ステップS8において、参照用レポートに対する保存操作がない場合には(ステップS8;NO)、制御部41は、操作部46から、検査終了指示があったか否かを判断する(ステップS10)。
検査終了指示がない場合には(ステップS10;NO)、処理はステップS5に戻る。
【0081】
ステップS10において、検査終了指示があった場合には(ステップS10;YES)、医用レポート表示処理が終了する。
【0082】
次に、編集操作の具体例として、画像追加処理について説明する。
図9に示す画像追加処理は、医用レポート表示処理(
図7参照)のステップS6及びステップS7に相当する処理である。
【0083】
図10Aに、表示部44に表示される検査画面441Aの例を示す。
検査画面441Aには、超音波画像領域80、画像一覧81、画像保存ボタンB2、参照用レポート領域140が含まれる。
【0084】
超音波画像領域80には、超音波検査の対象とされている患者の超音波画像が表示される。
画像一覧81には、超音波検査において保存された複数の超音波画像のサムネイル画像が表示される。
画像保存ボタンB2は、検査中の超音波画像に対して保存を指示するためのボタンである。
参照用レポート領域140には、参照用レポートが表示される。
【0085】
まず、制御部41は、操作部46からの操作により、表示部44に表示されている参照用レポートの所定の位置が選択されたことを検出する(ステップS11)。
例えば、ユーザーは、
図10Aに示す検査画面441Aにおいて、参照用レポート領域140から貼り付け領域141を選択する(ユーザー操作U1)。
【0086】
次に、制御部41は、操作部46からの操作により、画像保存ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS12)。
画像保存ボタンが押下された場合には(ステップS12;YES)、制御部41は、表示部44に表示されている超音波画像を記憶部45に保存する(ステップS13)。
次に、制御部41は、保存された超音波画像を、画面内の画像一覧に追加する(ステップS14)。
【0087】
例えば、
図10Bに示す検査画面441Bにおいて、ユーザーが画像保存ボタンB2を押下する(ユーザー操作U2)。この操作に応じて、制御部41は、超音波画像領域80に表示されている超音波画像を記憶部45に保存する。また、制御部41は、
図10Cに示す検査画面441Cのように、画像一覧81に、保存された超音波画像のサムネイル画像81Aを追加する。
【0088】
ステップS14の後、又は、ステップS12において、画像保存ボタンが押下されない場合には(ステップS12;NO)、処理はステップS15に移行する。
ステップS15において、制御部41は、操作部46からの操作により、画像一覧からいずれかの超音波画像が選択されたか否かを判断する。
画像一覧からいずれかの超音波画像が選択されない場合には(ステップS15;NO)、処理はステップS12に戻る。
【0089】
ステップS15において、画像一覧からいずれかの超音波画像が選択された場合には(ステップS15;YES)、処理はステップS16に移行する。
ステップS16において、制御部41は、参照用レポートの所定の位置に、選択された超音波画像を表示させる。
【0090】
例えば、
図10Cに示す検査画面441Cにおいて、参照用レポート領域140内の貼り付け領域141が選択された状態で、ユーザーが画像一覧81のサムネイル画像81Bを選択する(ユーザー操作U3)。この操作に応じて、制御部41は、
図10Dに示す検査画面441Dのように、参照用レポート領域140内の貼り付け領域141に、サムネイル画像81Bに対応する超音波画像を表示させる。
以上で、画像追加処理が終了する。
【0091】
なお、
図10Bに示す検査画面441Bにおいて、ユーザーが画像保存ボタンB2を押下した場合に、制御部41が、超音波画像領域80に表示されている超音波画像を、参照用レポート領域140内の貼り付け領域141に追加してもよい。
【0092】
次に、編集操作の別の具体例として、計測値追加処理について説明する。
図11に示す計測値追加処理は、医用レポート表示処理(
図7参照)のステップS6及びステップS7に相当する処理である。
【0093】
図12Aに、表示部44に表示される検査画面442Aの例を示す。
検査画面442Aには、超音波画像領域80、距離計測ボタン82、深さ計測ボタン83、参照用レポート領域150が含まれる。
【0094】
超音波画像領域80には、超音波検査の対象とされている患者の超音波画像が表示される。
距離計測ボタン82は、超音波画像領域80に表示されている超音波画像に対する距離の計測を指示するためのボタンである。
深さ計測ボタン83は、超音波画像領域80に表示されている超音波画像に対する深さの計測を指示するためのボタンである。
参照用レポート領域150には、参照用レポートが表示される。
【0095】
まず、制御部41は、操作部46からの操作により、表示部44に表示されている参照用レポートの所定の位置が選択されたことを検出する(ステップS21)。
例えば、ユーザーは、
図12Aに示す検査画面442Aにおいて、参照用レポート領域150から貼り付け領域151を選択する(ユーザー操作U11)。
【0096】
次に、制御部41は、操作部46からの操作により、計測項目が選択されたことを検出する(ステップS22)。
例えば、ユーザーは、
図12Aに示す検査画面442Aにおいて、深さ計測ボタン83を押下する(ユーザー操作U12)。この操作に応じて、制御部41は、
図12Bに示す検査画面442Bのように、超音波画像領域80に、始点カーソルC1、終点カーソルC2、計測値領域84を表示させる。始点カーソルC1は、超音波画像上の体表面を示す位置に自動的に表示される。終点カーソルC2は、深さの計測における終点を指示するためのカーソルである。終点カーソルC2は、ユーザーの操作により、移動可能である。計測値領域84には、始点カーソルC1から終点カーソルC2までの深さが表示される。
また、検査画面442Bには、確定ボタンB3が含まれる。確定ボタンB3は、計測値(深さ)の確定を指示するためのボタンである。
【0097】
次に、制御部41は、操作部46からの操作により、超音波画像上で計測位置が指定されたことを検出する(ステップS23)。
次に、制御部41は、指定された計測位置に応じた計測値を算出する。制御部41は、計測値を表示部44に表示させる(ステップS24)。
【0098】
例えば、ユーザーは、
図12Bに示す検査画面442Bにおいて、操作部46を操作して、終点カーソルC2を任意の位置に移動させる(ユーザー操作U13)。この操作に応じて、制御部41は、
図12Cに示す検査画面442Cのように、計測値領域84に、その時の終点カーソルC2の位置に応じた深さを表示させる。
【0099】
次に、制御部41は、操作部46から、確定ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS25)。
確定ボタンが押下されない場合には(ステップS25;NO)、処理はステップS23に戻る。
【0100】
ステップS25において、確定ボタンが押下された場合には(ステップS25;YES)、制御部41は、参照用レポートの所定の位置に、計測値を表示させる(ステップS26)。
例えば、ユーザーは、
図12Cに示す検査画面442Cにおいて、参照用レポート領域150内の貼り付け領域151が選択された状態で、ユーザーが確定ボタンB3を押下する(ユーザー操作U14)。この操作に応じて、制御部41は、
図12Dに示す検査画面442Dのように、参照用レポート領域150内の貼り付け領域151に、計測値(深さ)を追加する。
以上で、計測値追加処理が終了する。
【0101】
なお、
図12Cに示す検査画面442Cにおいて、ユーザーが計測値領域84を選択した場合に、制御部41が、計測値領域84に表示されている計測値を、参照用レポート領域150内の貼り付け領域151に追加してもよい。
【0102】
また、計測値追加処理のステップS23において、ユーザーは、超音波画像上で、計測項目に応じた数の計測位置を指定すればよい。例えば、
図12Aに示す検査画面442Aにおいて、ユーザーが距離計測ボタン82を押下した場合には、距離測定の両端となる始点及び終点(2か所)を指定する。
【0103】
本実施の形態によれば、超音波診断装置40の制御部41は、外部装置と共有された医用レポートの少なくとも一部(参照用レポート)を、超音波画像とともに、表示部44に表示させる。ユーザーは、超音波検査中に、超音波診断装置40の表示部44に表示される画面上で、参照用レポートを確認できる。そのため、ユーザーは、表示部44以外の画面や媒体を見る必要がない。よって、超音波診断装置40の制御部41は、超音波診断におけるユーザーの利便性を向上させることができる。
【0104】
制御部41は、元々の医用レポートとは態様を変えて、参照用レポートを表示させることができる。例えば、制御部41は、表示する項目を限定するとともに、各項目の配置や面積等を変更することで、参照用レポートが超音波画像を覆うことを回避できる。
【0105】
制御部41は、参照用レポートとして、検査に必要な超音波画像を貼り付ける枠が設けられたテンプレートを用いることができる。ユーザーは、参照用レポート内の足りないところを埋めるように、検査を進めていく。ユーザーは、超音波診断装置40の表示部44に表示される画面上で、必要な超音波画像を漏れなく取得できているか否かを確認できる。このようにして、制御部41は、検査の漏れを防止できる。
【0106】
医用レポートサーバー10において管理されている医用レポートは、複数の装置から利用可能となっている。つまり、医用レポートが複数の装置により共有されている。そのため、複数の医療従事者が医用レポートに対する作業(作成、編集等)をすることができる。
【0107】
超音波診断装置40において、操作部46は、参照用レポートに対する編集操作及び保存操作を受け付ける。制御部41は、操作部46からの操作に応じて、参照用レポートを変更したり、保存したりすることができる。ユーザーは、超音波検査時に、超音波診断装置40の表示部44に表示される画面上で、参照用レポートを編集できる。また、ユーザーは、編集された内容で、参照用レポートの保存を指示できる。
【0108】
制御部41は、参照用レポートが編集された場合に、参照用レポートを、編集された内容に更新し、更新された参照用レポートを表示部44に表示させる。よって、ユーザーは、編集された参照用レポートを確認できる。
【0109】
制御部41は、参照用レポートの所定の位置が選択された状態で、超音波画像が選択された場合に、所定の位置に、選択された超音波画像を表示させる。これにより、ユーザーは、簡単な操作で、超音波画像を含むレポートを作成できる。
【0110】
制御部41は、参照用レポートの所定の位置が選択された状態で、超音波画像の計測値が計測された場合に、所定の位置に、計測値を表示させる。これにより、ユーザーは、簡単な操作で、計測値を含むレポートを作成できる。
【0111】
構造化レポートは、レポートに含まれる各データがタグ付けされた状態で管理されている。そのため、制御部41は、容易に、医用レポートから所定の項目を抽出し、再構成することができる。
【0112】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用レポート表示装置、医用レポート表示システム、プログラム及び医用レポート表示方法の例であり、これに限定されない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0113】
参照用レポート(第2医用レポート)は、第1医用レポートの少なくとも一部であればよい。参照用レポートに、第1医用レポートの全ての項目が含まれていてもよい。
【0114】
上記実施の形態では、超音波診断装置40の制御部41が、医用レポートから所定の項目を抽出する場合について説明した。これに代えて、医用レポートサーバー10の制御部11が、医用レポートの一部を抽出し、医用レポートの一部を超音波診断装置40に提供してもよい。
【0115】
上記実施の形態では、医用レポートサーバー10が、複数の装置により共有された医用レポートを管理する場合について説明した。これに代えて、医用レポートサーバー10の機能が、PACS20又は電子カルテサーバー30に搭載されていてもよい。つまり、PACS20又は電子カルテサーバー30が、複数の装置により共有された医用レポートを管理してもよい。
【0116】
また、上記実施の形態において説明した各処理を、医用画像システム100内の複数の装置が分担して行ってもよい。
【0117】
各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピューター読み取り可能な媒体としては、上記の例に限定されない。また、プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用してもよい。
【符号の説明】
【0118】
10 医用レポートサーバー
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 PACS
30 電子カルテサーバー
40 超音波診断装置
41 制御部
42 超音波探触子
43 生成部
43A 送受信部
43B 信号処理部
43C 画像処理部
44 表示部
45 記憶部
46 操作部
47 通信部
50 クライアント端末
100 医用画像システム
121 ユーザー管理テーブル
122 レポート管理テーブル
123 医用レポート記憶領域
N 通信ネットワーク