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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167515
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】医用情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20241127BHJP
   G16H 15/00 20180101ALI20241127BHJP
【FI】
G16H10/60
G16H15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083636
(22)【出願日】2023-05-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業、大学発新産業創出プログラム(START)、大学・エコシステム推進型スタートアップ・エコシステム形成支援、「みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】大塚 忠司
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 友基
(72)【発明者】
【氏名】山本 卓
(72)【発明者】
【氏名】成田 一衛
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】セキュリティを担保しつつ、医用情報を簡易に提供することができる医用情報提供システムを提供する。
【解決手段】医用情報提供システム1は、医療機関2の専用ネットワークN1と接続可能な医用端末3及び情報伝送用サーバ5と、情報提供用サーバ6と、情報伝送用サーバ5と情報提供用サーバ6を接続する単方向通信ケーブル7と、を備える。情報伝送用サーバ5は、特定の被検体の医用情報に含まれる特定情報Cと、特定の被検体の識別情報Aである特定識別情報とを情報提供用サーバ6へ伝送する。情報提供用サーバ6は、携帯端末8から特定情報Cの提供要求があり、且つ、特定識別情報が携帯端末8に記憶されている識別情報と一致すると、携帯端末8に特定情報Cを送信し、携帯端末8への特定情報Cの送信が完了したことを含む消去条件が成立すると、記憶している特定情報Cを消去する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関の専用ネットワークと接続可能な情報端末である医用端末と、
前記専用ネットワークと接続可能であり、被検体毎の医用情報、及び、被検体毎の識別情報を記憶する情報伝送用サーバと、
前記医療機関で携帯される携帯端末へ情報を提供するための情報提供用サーバと、
前記情報伝送用サーバと前記情報提供用サーバを接続し、前記情報伝送用サーバから前記情報提供用サーバへ単方向通信で情報を伝送する単方向通信ケーブルと、を備え、
前記情報伝送用サーバは、
前記医用端末から前記専用ネットワークを介して受けた伝送指示に応じて、特定の被検体の医用情報に含まれる特定情報と、前記特定の被検体の識別情報である特定識別情報とを前記情報提供用サーバへ伝送し、
前記情報提供用サーバは、
前記情報伝送用サーバから伝送された前記特定情報と前記特定識別情報とを記憶し、
前記携帯端末から前記特定情報の提供要求があり、且つ、前記特定識別情報が前記携帯端末に記憶されている識別情報と一致すると、前記携帯端末に前記特定情報を送信し、
予め定められた前記特定情報の消去条件が成立すると、記憶している前記特定情報を消去し、
前記消去条件は、前記携帯端末への前記特定情報の送信が完了したことを含む、
医用情報提供システム。
【請求項2】
前記医用端末は、前記情報提供用サーバへのアクセスを許可するための二次元コードを生成し、
前記携帯端末は、前記医用端末によって生成された前記二次元コードを読み込んだことに応じて、前記情報提供用サーバへの前記提供要求を行い、
前記消去条件は、前記二次元コードが生成されてから予め定められた期間が経過したことを含む、
請求項1に記載の医用情報提供システム。
【請求項3】
前記専用ネットワークと接続可能な医用サーバをさらに備え、
前記情報伝送用サーバは、前記医用端末と前記医用サーバの少なくともいずれかから、前記専用ネットワークを介して、被検体毎の医用情報、及び、被検体毎の識別情報を受信して記憶する、
請求項1又は2に記載の医用情報提供システム。
【請求項4】
前記情報伝送用サーバは、
予め定められたタイミングの度に、記憶している被検体毎の医用情報から、前記タイミングより前の第1期間における情報を纏めた第1レポートを被検体毎に生成し、
前記伝送指示が前記第1期間の情報照会を示す場合、前記特定の被検体に対応する前記第1レポートを、前記特定情報として前記情報提供用サーバへ伝送し、
前記伝送指示が前記第1期間よりも前の第2期間の情報照会を示す場合、記憶している被検体毎の医用情報から、前記第2期間における前記特定の被検体に関する情報を纏めた第2レポートを生成し、生成した前記第2レポートを前記特定情報として前記情報提供用サーバへ伝送する、
請求項1又は2に記載の医用情報提供システム。
【請求項5】
前記医用端末は、前記専用ネットワークを介して取得した前記特定情報を表示可能であり、
前記携帯端末は、前記情報提供用サーバから受信した前記特定情報を表示可能である、
請求項4に記載の医用情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療機関には、例えばHIS(Hospital Information System)といった、電子カルテシステムを中心とした包括的なシステムが導入されている。特許文献1には、HIS等の医療機関の専用ネットワークと通信可能な医用画像診断システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-49837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療機関の専用ネットワークから、医用情報を患者等の携帯端末に直接送信することは、セキュリティの観点から許容されない。現状では、医用情報を患者等に提供する場合には、セキュリティを考慮して、医用情報を出力した、紙、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の媒体を患者等に提供しており、手間がかかっている。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、セキュリティを担保しつつ、医用情報を簡易に提供することができる医用情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る医用情報提供システムは、
医療機関の専用ネットワークと接続可能な情報端末である医用端末と、
前記専用ネットワークと接続可能であり、被検体毎の医用情報、及び、被検体毎の識別情報を記憶する情報伝送用サーバと、
前記医療機関で携帯される携帯端末へ情報を提供するための情報提供用サーバと、
前記情報伝送用サーバと前記情報提供用サーバを接続し、前記情報伝送用サーバから前記情報提供用サーバへ単方向通信で情報を伝送する単方向通信ケーブルと、を備え、
前記情報伝送用サーバは、
前記医用端末から前記専用ネットワークを介して受けた伝送指示に応じて、特定の被検体の医用情報に含まれる特定情報と、前記特定の被検体の識別情報である特定識別情報とを前記情報提供用サーバへ伝送し、
前記情報提供用サーバは、
前記情報伝送用サーバから伝送された前記特定情報と前記特定識別情報とを記憶し、
前記携帯端末から前記特定情報の提供要求があり、且つ、前記特定識別情報が前記携帯端末に記憶されている識別情報と一致すると、前記携帯端末に前記特定情報を送信し、
予め定められた前記特定情報の消去条件が成立すると、記憶している前記特定情報を消去し、
前記消去条件は、前記携帯端末への前記特定情報の送信が完了したことを含む。
【0007】
前記医用端末は、前記情報提供用サーバへのアクセスを許可するための二次元コードを生成し、
前記携帯端末は、前記医用端末によって生成された前記二次元コードを読み込んだことに応じて、前記情報提供用サーバへの前記提供要求を行い、
前記消去条件は、前記二次元コードが生成されてから予め定められた期間が経過したことを含む、ようにしてもよい。
【0008】
前記医用情報提供システムは、前記専用ネットワークと接続可能な医用サーバをさらに備え、
前記情報伝送用サーバは、前記医用端末と前記医用サーバの少なくともいずれかから、前記専用ネットワークを介して、被検体毎の医用情報、及び、被検体毎の識別情報を受信して記憶する、ようにしてもよい。
【0009】
前記情報伝送用サーバは、
予め定められたタイミングの度に、記憶している被検体毎の医用情報から、前記タイミングより前の第1期間における情報を纏めた第1レポートを被検体毎に生成し、
前記伝送指示が前記第1期間の情報照会を示す場合、前記特定の被検体に対応する前記第1レポートを、前記特定情報として前記情報提供用サーバへ伝送し、
前記伝送指示が前記第1期間よりも前の第2期間の情報照会を示す場合、記憶している被検体毎の医用情報から、前記第2期間における前記特定の被検体に関する情報を纏めた第2レポートを生成し、生成した前記第2レポートを前記特定情報として前記情報提供用サーバへ伝送する、ようにしてもよい。
【0010】
前記医用端末は、前記専用ネットワークを介して取得した前記特定情報を表示可能であり、
前記携帯端末は、前記情報提供用サーバから受信した前記特定情報を表示可能である、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セキュリティを担保しつつ、医用情報を簡易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る医用情報提供システムの構成を示す図である。
図2】(a)は同上実施形態に係る医用端末の構成を示す図であり、(b)は同上実施形態に係る携帯端末の構成を示す図である。
図3】同上実施形態に係る情報伝送用サーバが記憶する情報の概念図である。
図4】同上実施形態に係る情報伝送用サーバが実行する処理を示し、(a)はレポート事前生成処理のフローチャートであり、(b)は情報伝送処理のフローチャートである。
図5】同上実施形態に係る情報提供用サーバが実行する情報提供処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示す医用情報提供システム1は、病院、医院などの医療機関2で使用され、被検体の医用情報を提供するためのシステムである。この実施形態の被検体は患者である。
【0015】
医用情報提供システム1は、医用端末3と、医用サーバ4と、情報伝送用サーバ5と、情報提供用サーバ6と、単方向通信ケーブル7と、携帯端末8と、を備える。
【0016】
医用端末3、医用サーバ4及び情報伝送用サーバ5は、医療機関2に専用のローカルネットワークである専用ネットワークN1を介して互いに通信可能である。これらの各構成は、専用ネットワークN1と通信接続可能な通信モジュールを備えるものとする。専用ネットワークN1は、例えば、HIS(Hospital Information System)ネットワークであり、医療機関2において予め定められた特定のコンピュータにのみ接続が許可される。したがって、その他のコンピュータ(例えば、後述の携帯端末8など)は、専用ネットワークN1への接続が許可されない。図1では、専用ネットワークN1を示す枠線で囲まれた構成が、当該ネットワークに接続可能であることを表している。
【0017】
情報提供用サーバ6と携帯端末8とは、医療機関2内に設けられた公衆ネットワークN2を介して互いに通信可能である。情報提供用サーバ6及び携帯端末8は、公衆ネットワークN2と通信接続可能な通信モジュールを備えるものとする。公衆ネットワークN2は、例えば、図示せぬ無線アクセスポイントを備える公衆無線LAN(Local Area Network)であり、患者等の医療機関2の来訪者用に公開されている。図1では、公衆ネットワークN2を示す枠線で囲まれた構成が、当該ネットワークに接続可能であることを表している。
【0018】
医用端末3は、医療機関2の医師等の医療者が使用する情報端末であり、PC(Personal Computer)、タブレット端末などから構成される。なお、医用端末3は、専用ネットワークN1に接続可能な任意の情報端末を指し、複数台あってもよいことは勿論である。医用端末3は、診察室で医師が使用する情報端末の他、臨床工学技士等が使用する検査装置を含んでいてもよい。
【0019】
医用端末3は、図2(a)に示すように、制御部30と、記憶部31と、撮影部32と、入力部33と、表示部34とを備える。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えるマイクロコントローラである。記憶部31は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリである。記憶部31は、アプリケーションプログラムを含む、制御部30が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを必要に応じて記憶する。撮影部32は、デジタルカメラであり、操作に応じて患者の部位を撮影可能である。入力部33は、マウス、キーボード、タッチパッド等の入力装置である。表示部34は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等の表示ディスプレイである。医用端末3がタッチパネルを有していれば、表示ディスプレイと入力部33としてのタッチパッドとによって当該タッチパネルが構成される。記憶部31には、入力部33を用いた指示入力に応じて、制御部30が後述の二次元コードを生成するためのプログラムが予め格納されている。制御部30の制御により、表示部34は、後述のように生成される二次元コードを、図1に示すように表示可能である。
【0020】
医用サーバ4は、専用ネットワークN1に接続が許可された端末(医用端末3、情報伝送用サーバ5等)に、医用のデータを提供する。医用サーバ4は、例えば、医療機関2に複数設けられ、それぞれ、画像サーバ、電子カルテサーバ、検査システムサーバ等の周知の医用サーバである。画像サーバは、例えばDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)サーバである。なお、各医用サーバ4間でデータの送受信が可能であってもよい。
【0021】
情報伝送用サーバ5は、医用端末3と医用サーバ4の少なくともいずれかと専用ネットワークN1を介して通信を行い、医用端末3と医用サーバ4の少なくともいずれかから、図3に示す患者毎のIDである識別情報A、及び、患者毎の医用情報Bを受信して記憶する。医用情報Bは、医療に用いられる種々の情報のうち、任意の情報から構成される。例えば、医用情報Bは、(i)既往歴、受診歴など電子カルテに記載される情報、(ii)超音波画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像、X線画像などの画像情報、(iii)任意の臓器の機能評価、形態評価を示す評価情報、などを含んでいてもよい。したがって、医用情報Bは、任意の患者に関する時系列データを通常は含む。例えば、識別情報A及び医用情報Bは、医療者によって医用端末3に対して実行された入力操作に応じて、情報伝送用サーバ5に蓄積される。
【0022】
また、情報伝送用サーバ5は、特定情報Cを記憶する。特定情報Cは、特定の患者(被検体)の医用情報Bに含まれる情報である。特定情報Cは、医用情報Bの一部であってもよいし、医用情報Bの全てであってもよいし、医用情報Bの一部に基づいて生成される情報であってもよいし、医用情報Bの全てに基づいて生成される情報であってもよい。
【0023】
本実施形態では、情報伝送用サーバ5が医用情報Bに基づき、特定情報Cを生成する例を説明する。したがって、情報伝送用サーバ5のROM等の不揮発性メモリには、医用情報Bに基づいて特定情報Cを生成するためのプログラム(以下、生成プログラムとも呼ぶ。)が格納されている。特定情報Cは、医用情報Bから、所定期間における情報を纏めて構成されるレポートである。レポートの内容は、医用情報Bに基づいて作成可能であれば任意であるが、例えば、患者及びその関係者に対して、治療経過、治療計画への理解を補助する内容であればよい。レポートには、テキストだけでなく、写真、グラフ、表などが含まれていてもよいことは勿論である。本実施形態のレポートとしては、詳細は後述するが、生成されるタイミングが異なる第1レポート及び第2レポートがある。医用端末3は、専用ネットワークN1を介して取得した特定情報Cを、上記レポートの内容を示す画像として表示部34に表示可能である。また、後述の情報提供処理を経て、携帯端末8は、情報提供用サーバ6から受信した特定情報Cを、上記レポートの内容を示す画像として、後述の表示部84に表示可能である、
【0024】
図3は、識別情報A、医用情報B及び特定情報Cの対応関係を概念的に示す。例えば、「患者1」を特定の患者とすると、この特定の患者に対応する識別情報A、医用情報B及び特定情報Cは、「A1」、「B1」及び「C1」であることが分かる。以下では、特定の患者(被検体)の識別情報を「特定識別情報」と呼ぶことがある。なお、破線の矢印は、患者1の特定情報Cである「C1」は、医用情報Bである「B1」に基づき生成されることを示している。このように、情報伝送用サーバ5は、一の患者の識別情報Aと紐付けられた医用情報B及び特定情報Cを格納する。医療機関2内の種々の医用端末3から、情報伝送用サーバ5にアクセスすることができる。したがって、患者毎の識別情報A、医用情報B及び特定情報Cは、医療機関2において共有される。
【0025】
情報提供用サーバ6は、携帯端末8へ情報を提供するためのサーバである。
【0026】
単方向通信ケーブル7は、情報伝送用サーバ5と情報提供用サーバ6を接続し、情報伝送用サーバ5から情報提供用サーバ6へ単方向通信で情報を伝送する。単方向通信は、単向通信(simplex)とも呼ばれる。単方向通信ケーブル7は、例えば、RS-232C方式のケーブル、FT232Hを使用した高速通信対応のUSB(Universal Serial Bus)-シリアル変換モジュールが組み込まれたケーブル等であればよい。
【0027】
携帯端末8は、医療機関2で携帯される情報端末であり、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ等である。携帯端末8には、専用ネットワークN1への接続が許可されない。携帯端末8としては、医療機関2に来訪した患者が携帯するものだけでなく、患者の家族、保護者、後見人など、患者(被検体)の関係者が携帯するものであってもよい。さらには、携帯端末8は、看護師などの医療者が携帯し、且つ、専用ネットワークN1への接続が許可されない端末であってもよい。
【0028】
携帯端末8は、図2(b)に示すように、制御部80と、記憶部81と、撮影部82と、入力部83と、表示部84とを備える。これらの各種構成は医用端末3と同様であるため、以下では医用端末3と異なる機能について主に説明する。
【0029】
制御部80は、二次元コードを読み取って情報提供用サーバ6にアクセスする処理を、記憶部81に格納されているアプリケーションプログラム(以下、専用アプリと言う。)に従って実行する。専用アプリは、例えば、医療機関2から示されるURL(Uniform Resource Locator)によってダウンロード可能であればよい。
【0030】
記憶部81には、医療機関2における被検体(患者)のIDである識別情報Dが格納される。例えば、当該識別情報Dは、専用アプリをダウンロードする際に、携帯端末8の入力部83を用いた操作によって入力され、記憶部81に記憶される。また、記憶部81には、後述の情報提供処理の実行に応じて、携帯端末8が特定情報Cを取得した場合には、取得した特定情報Cが記憶される。
【0031】
撮影部82は、スマートフォンに内蔵されたデジタルカメラであり、図1に示すように、医用端末3に表示された二次元コードを読み取るために用いられる。入力部83及び表示部84は、スマートフォンのタッチパネルを構成する。
【0032】
情報伝送用サーバ5及び情報提供用サーバ6の各々は、CPU、ROM、RAM等を備える制御部と、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、を備える。
【0033】
情報伝送用サーバ5の制御部において、CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、図4(a)、(b)に示すレポート事前生成処理、情報伝送処理を実行可能である。これらの処理の実行前には、情報伝送用サーバ5の記憶装置に、患者毎の識別情報Aと、患者毎の医用情報Bとが記憶されているものとする。
【0034】
情報提供用サーバ6の制御部において、CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、図5に示す情報提供処理を実行可能である。情報提供用サーバ6は、情報提供処理を実行することで携帯端末8に特定情報Cを提供可能である。情報提供処理の実行前には、情報提供用サーバ6は、情報伝送用サーバ5から特定情報Cを受信し、情報提供用サーバ6の記憶装置に特定情報Cが記憶されているものとする。
【0035】
以下、レポート事前生成処理、情報伝送処理、情報提供処理を順に説明する。
【0036】
(レポート事前生成処理)
図4(a)に示すように、まず、情報伝送用サーバ5(CPU)は、ROM等の不揮発性メモリに予め定められた生成タイミングであるか否かを判別する(ステップS501)。この生成タイミングは、例えば、毎日の所定時刻であるが、任意に設定可能であり、数日おきの所定時刻、一週間毎の所定時刻などであってもよい。
【0037】
生成タイミングであれば(ステップS501;Yes)、情報伝送用サーバ5は、生成プログラムに基づいて、記憶している患者毎の医用情報Bから、生成タイミングより前の「第1期間」における情報を纏めた第1レポートを患者毎に生成し、記憶する(ステップS502)。この第1期間は、よく参照されると想定される、予め設定された期間であり、例えば、数ヶ月、1年、複数年といった期間であればよい。例えば、第1期間の長さは、ROM等の不揮発性メモリに予め記憶される。
【0038】
ステップS502の実行後、又はステップS501でNoの場合、情報伝送用サーバ5は、レポート事前生成処理を終了する。情報伝送用サーバ5は、当該処理を所定の制御周期で繰り返し実行する。例えば、情報伝送用サーバ5は、ステップS502の処理を実行する度に、前回生成した第1レポートを今回生成した第1レポートに更新すればよい。続いて、同じく情報伝送用サーバ5が実行する情報伝送処理について説明する。
【0039】
(情報伝送処理)
情報伝送用サーバ5は、例えば、専用ネットワークN1を通じて医用端末3からの伝送指示を受信したことを契機に、図4(b)に示す情報伝送処理を開始する。この伝送指示は、特定の患者の特定情報Cと、この特定の患者の識別情報A(特定識別情報)とを、単方向通信ケーブル7によって情報提供用サーバ6に伝送するための指示である。
【0040】
まず、情報伝送用サーバ5(CPU)は、受信した伝送指示が前述の第1期間の情報照会を示すものであるか否かを判別する(ステップS511)。伝送指示が第1期間の情報照会を示していれば(ステップS511;Yes)、情報伝送用サーバ5は、特定の患者に対応する第1レポートを、特定情報Cとして情報提供用サーバ6へ伝送する(ステップS512)。つまり、情報伝送用サーバ5は、前述のレポート事前生成処理で事前に生成し、記憶した第1レポートを特定情報Cとして情報提供用サーバ6へ伝送する。
【0041】
ステップS511で、伝送指示が第1期間の情報照会を示していない場合(ステップS511;No)、つまり、当該伝送指示が第1期間よりも前の第2期間の情報照会を示す場合、情報伝送用サーバ5は、生成プログラムに基づいて、記憶している患者毎の医用情報Bから、第2期間における特定の被検体に関する情報を纏めた第2レポートを生成する(ステップS513)。そして、情報伝送用サーバ5は、生成した第2レポートを特定情報Cとして情報提供用サーバ6へ伝送する(ステップS514)。なお、第2期間は、第1期間よりも前の期間であれば任意であり、第1期間より前の全ての期間であってもよいし、第1期間より前であって、伝送指示が示す特定の期間であってもよい。
【0042】
ステップS512又はS514の実行後、情報伝送用サーバ5は、情報伝送処理を終了する。続いて、情報提供用サーバ6が実行する情報提供処理について説明する。
【0043】
(情報提供処理)
図5に示すように、まず、情報提供用サーバ6(CPU)は、携帯端末8から特定情報Cの提供要求があったか否かを判別する(ステップS601)。携帯端末8による提供要求は以下のように行われる。
【0044】
医療者による入力部33を用いた指示入力に応じて、医用端末3は、図1に示すように、二次元コードを表示する。医用端末3の制御部30によって生成される二次元コードは、例えば、ワンタイムパスワードと、携帯端末8に提供を許可する特定情報Cのデータ固有のIDと、特定の患者(被検体)の識別情報Aである特定識別情報と、二次元コードの生成時刻を示すタイムスタンプを含む暗号化データを示す。携帯端末8は、前述の専用アプリに従って撮影部82で、医用端末3に表示された二次元コードを読み込むと、情報提供用サーバ6に特定情報Cの提供要求を行う。
【0045】
図5に戻って、携帯端末8から提供要求があった場合(ステップS601;Yes)、情報提供用サーバ6は、記憶している特定識別情報と、携帯端末8の識別情報Dが一致しているか否かを判別する(ステップS602)。例えば、情報提供用サーバ6は、携帯端末8からの提供要求と共に識別情報Dを受信し、受信した識別情報Dが特定識別情報と一致しているか否かを判別する。あるいは、情報提供用サーバ6は、認証済を示す信号を携帯端末8から取得した際に、識別情報Dと特定識別情報とが一致していると判別してもよい。この場合、携帯端末8は、二次元バーコードの読み込みに応じて取得した特別識別情報が、識別情報Dと一致する際に、認証済を示す信号を提供要求とともに情報提供用サーバ6に送信する。
【0046】
特定識別情報と識別情報Dが一致した場合(ステップS602;Yes)、情報提供用サーバ6は、携帯端末8へ特定情報Cを送信する(ステップS603)。
【0047】
特定識別情報と識別情報Dが一致しない場合(ステップS602;No)、情報提供用サーバ6は、携帯端末8へエラーを示すエラー信号を送信することで、エラー報知を実行する(ステップS604)。エラー信号の受信に応じて、携帯端末8の表示部84には、「IDが一致しません」、「データ送信が許可されません」等のエラーメッセージが表示される。
【0048】
ステップS603の実行後、ステップS604の実行後、又はステップS601でNoの場合、情報提供用サーバ6は、特定情報Cの消去条件が成立したか否かを判別する(ステップS605)。当該消去条件は、携帯端末8への特定情報Cの送信が完了したこと、及び、二次元コードが生成されてから予め定められた期間が経過したことを含む。例えば、情報提供用サーバ6は、携帯端末8から特定情報Cのダウンロードが完了した旨の信号を受信すると、消去条件が成立したと判別する。また、情報提供用サーバ6は、二次元コードの生成時刻を示すタイムスタンプを取得した携帯端末8から、タイムアウトを示す信号を受信すると、消去条件が成立したと判別する。二次元コードの生成時刻からタイムアウトまでの期間は任意に設定可能であるが、情報セキュリティの観点から、例えば2分、5分といった比較的短い期間であればよい。
【0049】
特定情報Cの消去条件が成立していない場合(ステップS605;No)、情報提供用サーバ6は、ステップS601に戻って処理を実行する。一方、特定情報Cの消去条件が成立した場合(ステップS605;Yes)、情報提供用サーバ6は、情報伝送用サーバ5から受信し、記憶している特定情報Cを消去する(ステップS606)。例えば、ステップS606で、情報提供用サーバ6のCPUは、情報提供用サーバ6の記憶装置に記憶されている特定情報Cを直ちに消去する。また、当該CPUは、情報提供用サーバ6のRAMに一時的に記憶された特定情報Cに関連するデータを併せて消去してもよい。なお、ステップS606において、情報提供用サーバ6は、特定情報Cと共に特定識別情報(特定情報Cに対応する識別情報A)を消去することが好ましいが、少なくとも、特定情報Cを消去すればよい。
【0050】
上記のように、二次元コードが生成されてから予め定めた期間が経過した場合にも、情報提供用サーバ6から特定情報Cが消去される。この場合、医用端末3は、医療者による指示入力に応じて新たに二次元コードを生成したことを契機に、情報伝送用サーバ5から情報提供用サーバ6に特定情報Cを新たに送信させればよい。
【0051】
ステップS606に続いて、情報提供用サーバ6は、記憶装置に特定情報Cの残存がないか否かを判別する(ステップS607)。残存が認められる場合(ステップS607;No)、情報提供用サーバ6は、特定情報Cの残存がなくなる(ステップS607;Yes)まで、ステップS606の実行を繰り返し行う。そして、情報提供用サーバ6は、特定情報Cの残存がなくなると(ステップS607;Yes)、情報提供処理を終了する。情報提供用サーバ6は、当該処理を所定の制御周期で繰り返し実行する。
【0052】
情報提供処理を実行する際の一連の操作は、迅速に行われ、医療者と同じ診療室内にいる被検体(患者)に対し、医療者の目の前で行われるようにデザインされている。仮にデータ破損、送受信エラーがあった場合には、その場で医療者が不成功を確認でき、再度、医用端末3を操作することで、二次元コードを提示することができる。以上が情報提供処理である。
【0053】
なお、専用ネットワークN1内には、医療機関2に専用のNTP(Network Time Protocol)サーバ(図示せず)が設けられており、医用端末3、医用サーバ4、及び情報伝送用サーバ5は、当該専用のNTPサーバによりタイムスタンプが同期される。当該タイムスタンプを用い、医用サーバ4から医用端末3へのデータ伝送、情報伝送用サーバ5を介した医用端末5から情報提供用サーバ6へのデータ伝送等が行われる。一方、公衆ネットワークN2はインターネットに接続され、公衆ネットワークN2内に設けられた情報提供用サーバ6には、インターネット上で現在時刻を送信するNTPサーバによりタイムスタンプが同期される。これにより、医用端末5から、情報伝送用サーバ5及び情報提供用サーバ6を介して、携帯端末8へ特定情報Cを安全に伝送することができる。
【0054】
本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態に適宜の変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0055】
(変形例)
以上では被検体が患者である例を示したが、被検体は患畜であってもよい。つまり、医用情報提供システム1は、医療機関2としての動物病院で用いられてもよい。
【0056】
情報伝送用サーバ5が、医用情報Bと、上記の生成プログラムとに基づいて生成する特定情報Cとしてのレポートの構成及び態様は、全ての患者に共通なものに限られず、患者毎に最適化されたものであってもよい。また、「第1期間」の長さも、全ての患者に共通でなくともよく、患者毎に異なる長さであってもよい。例えば、生成プログラムは、医用情報Bに含まれる、患者毎の受診歴、診断名などを学習データとして機械学習を実行し、レポートの構成及び態様と、第1期間の長さとの少なくともいずれかを、患者毎に最適化するプログラムを含んでいてもよい。
【0057】
また、特定情報Cは、情報伝送用サーバ5によって医用情報Bに基づいて生成される例に限られない。情報提供用サーバ6又は携帯端末8が取得可能な特定情報Cは、上記のように情報伝送用サーバ5によって生成されたレポートではなく、医用情報Bの少なくとも一部であればよい。そして、医用情報Bの少なくとも一部としての特定情報Cを取得した、情報提供用サーバ6又は携帯端末8において、上述のレポートが生成されてもよい。この場合、レポートを生成する処理は、情報伝送用サーバ5に記憶される生成プログラムと同様であればよい。
【0058】
情報伝送用サーバ5は、ステップS502の処理を実行する度に、前回生成した第1レポートを今回生成した第1レポートに更新してもよいし、今回生成した第1レポートを記憶するだけでなく、前回以前に生成した第1レポートを時系列で所定期間だけ記憶し続けてもよい。
【0059】
以上では、情報伝送用サーバ5が、医用端末3と医用サーバ4の少なくともいずれかから、専用ネットワークN1を介して、被検体毎の医用情報、及び、被検体毎の識別情報を受信して記憶する例を示した。しかしながら、セキュリティを担保できる限りにおいて、情報伝送用サーバ5が記憶する被検体毎の医用情報及び被検体毎の識別情報の少なくとも一部は、クラウドによる外部ストレージから受信するものであってもよい。セキュリティを担保できる限りにおいて、当該外部ストレージに記憶される被検体毎の医用情報及び被検体毎の識別情報の少なくとも一部は、医用情報提供システム1を利用している他の医療機関から当該外部ストレージにアップロードされたものであってもよい。また、医用端末3又は情報伝送用サーバ5は、クラウドを介して、医用情報提供システム1を利用している他の医療機関に、医用情報B、特定情報C等を提供可能であってもよい。
【0060】
医用端末3から情報伝送用サーバ5に対して行われる伝送指示の契機は任意である。例えば、伝送指示は、医療者の指示入力に応じて実行されるものであってもよいし、二次元コードの生成と共に自動的に実行されてもよい。また、医用端末3は生成した二次元コードをプリンタから紙に出力(印刷)し、携帯端末8は紙に印刷された二次元コードを読み込んでもよい。
【0061】
以上に説明した各処理を実行するプログラムは、着脱自在の記録媒体により配布・提供されてもよい。また、プログラムは、その実行対象の機器と接続された他の機器からダウンロードされるものであってもよい。また、プログラムの実行対象の機器は、他の機器と電気通信ネットワークなどを介して各種データの交換を行うことによりプログラムに従う各処理を実行してもよい。
【0062】
(効果)
以上に説明した医用情報提供システム1が奏する効果を以下に説明する。
【0063】
(1)医用情報提供システム1は、前述のように、医用端末3、情報伝送用サーバ5、情報提供用サーバ6及び単方向通信ケーブル7を備える。
情報伝送用サーバ5は、医用端末3から専用ネットワークN1を介して受けた伝送指示に応じて、特定の被検体の医用情報Bに含まれる特定情報Cと、特定の被検体の識別情報Aである特定識別情報とを情報提供用サーバ6へ(単方向通信ケーブル7を通じて)伝送する。
情報提供用サーバ6は、携帯端末8から特定情報Cの提供要求があり、且つ、特定識別情報が携帯端末8に記憶されている識別情報Dと一致すると、携帯端末8に特定情報Cを送信する。そして、情報提供用サーバ6は、予め定められた特定情報Cの消去条件が成立すると、記憶している特定情報Cを消去する。この消去条件は、携帯端末8への特定情報Cの送信が完了したことを含む。
【0064】
上記(1)の構成によれば、単方向通信ケーブル7で接続された情報伝送用サーバ5及び情報提供用サーバ6を設けるだけで、個人情報の院外漏洩を防ぎつつも、携帯端末8に特定情報Cを提供することができる。また、携帯端末8に特定情報Cを提供すると、直ちに情報提供用サーバ6から特定情報Cが消去されるため、個人情報の院外漏洩をより効果的に防ぐことができる。つまり、医用情報提供システム1によれば、セキュリティを担保しつつ、医用情報を簡易に提供することができる。
【0065】
(2)医用端末3は、情報提供用サーバ6へのアクセスを許可するための二次元コードを生成してもよい。この場合、携帯端末8は、医用端末3によって生成された二次元コードを読み込んだことに応じて、情報提供用サーバ6への提供要求を行い、消去条件は、二次元コードが生成されてから予め定められた期間が経過したことを含む。
【0066】
上記(2)の構成によれば、携帯端末8を携帯する患者等に対し、簡易な操作により情報提供用サーバ6へアクセスさせることができ、且つ、個人情報の院外漏洩をより効果的に防ぐことができる。
【0067】
(3)医用情報提供システム1は、専用ネットワークN1と接続可能な医用サーバ4をさらに備え、情報伝送用サーバ5は、医用端末3と医用サーバ4の少なくともいずれかから、専用ネットワークN1を介して、被検体毎の医用情報、及び、被検体毎の識別情報を受信して記憶してもよい。
【0068】
上記(3)の構成によれば、医療機関2内で用いられる種々のデータを、情報伝送用サーバ5に医用情報Bとして容易に集約することができる。また、医療機関2の医療者の情報共有も図ることができる。
【0069】
(4)情報伝送用サーバ5は、予め定められたタイミング(前述の生成タイミング)の度に、記憶している被検体毎の医用情報Bから、そのタイミングより前の第1期間における情報を纏めた第1レポートを被検体毎に生成する。
そして、情報伝送用サーバ5は、伝送指示が第1期間の情報照会を示す場合、特定の被検体に対応する第1レポートを、特定情報Cとして情報提供用サーバ6へ伝送する。
一方、情報伝送用サーバ5は、伝送指示が第1期間よりも前の第2期間の情報照会を示す場合、記憶している被検体毎の医用情報から、第2期間における特定の被検体に関する情報を纏めた第2レポートを生成し、生成した第2レポートを特定情報Cとして情報提供用サーバ6へ伝送する。
【0070】
上記(4)の構成によれば、よく参照されると想定される第1期間における医用データ(第1レポート)を予め演算して生成することができ、これにより、当該医療データを利用者に閲覧させたい場合に短時間で提供することができる。
【0071】
(5)医用端末3は、専用ネットワークN1を介して取得した特定情報Cを表示可能であり、携帯端末8は、情報提供用サーバ6から受信した特定情報Cを表示可能である。
【0072】
上記(5)の構成によれば、特定情報Cを可視化されたレポートとして用いることができ、患者との情報共有が図れるとともに、患者教育も図ることができる。さらには、医療者同士の情報共有も図ることができる。
【0073】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0074】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0075】
1…医用情報提供システム、2…医療機関
3…医用端末
30…制御部、31…記憶部、32…撮影部、33…入力部、34…表示部
4…医用サーバ
5…情報伝送用サーバ、A…識別情報、B…医用情報、C…特定情報
6…情報提供用サーバ
7…単方向通信ケーブル
8…携帯端末、D…識別情報
80…制御部、81…記憶部、82…撮影部、83…入力部、84…表示部
N1…専用ネットワーク、N2…公衆ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5