(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167539
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】光検出装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083684
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】冨田 健
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA03
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA03
4M118DD04
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118FA33
4M118GA02
4M118GC09
4M118GD04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】転送トランジスタの相互コンダクタンス(gm)を高める光検出装置を提供する。
【解決手段】光検出装置である固体撮像装置1Aは、厚さ方向で互いに反対側に位置する第1の面部及び第2の面部を有する半導体層と、半導体層の厚さ方向に延伸する分離領域31で区画されて半導体層に設けられた光電変換領域22と、光電変換領域で半導体層の第1の面部側に設けられたゲート電極43を有し、かつ、光電変換で光電変換された信号電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタTRと、を備えている。そして、光電変換領域は、光電変換部及び電荷保持部が設けられた本体部23と、平面視で本体部から分離領域側に突出する突起部24aと、を含み、転送トランジスタのゲート電極は、光電変換領域の本体部及び突起部に亘って設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向で互いに反対側に位置する第1の面部及び第2の面部を有する半導体層と、
前記半導体層の厚さ方向に延伸する分離領域で区画されて前記半導体層に設けられた光電変換領域と、
光電変換部で光電変換された信号電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタと、
を備え、
前記光電変換領域は、前記光電変換部及び前記電荷保持部が設けられた本体部と、平面視で前記本体部から前記分離領域側に突出する突起部と、を含み、
前記転送トランジスタは、前記半導体層の前記第1の面部側で前記光電変換領域の本体部及び突起部に亘って設けられたゲート電極を有する、光検出装置。
【請求項2】
前記本体部及び突起部は、前記ゲート電極のゲート幅方向に沿って並んでいる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記本体部は、平面形状が方形状で構成され、
前記突起部は、平面視で前記本体部の2つの辺側にそれぞれ設けられ、
前記ゲート電極は、ゲート幅方向の一端側及び他端側が2つの前記突起部と重畳している、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記本体部は、平面形状が方形状で構成され、
前記突起部は、平面視で前記本体部の延伸方向が異なる2つの辺側にそれぞれ設けられ、
前記ゲート電極は、ゲート幅方向の一端側及び他端側が2つの前記突起部と重畳している、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記ゲート電極は、一端側と他端側との間に曲がり部を有する、請求項4に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記ゲート電極は、前記半導体層の前記第1の面部の外側にゲート絶縁膜を介して設けられている、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記ゲート電極は、前記半導体層の前記第1の面部の外側にゲート絶縁膜を介して設けられ、かつ前記本体部及び前記突起部に亘って延伸する頭部と、前記頭部から前記半導体層の内部に突出し、かつゲート絶縁膜を介して前記半導体層と隣り合う脚部と、を有する、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記突起部は、前記半導体層の厚さ方向に沿って延伸している、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記本体部は、前記半導体層の前記第2の面部側での幅が前記第1の面部側での幅よりも幅広になっている、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項10】
光検出装置と、
被写体からの像光を前記光検出装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記光検出装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
を備え、
前記光検出装置は、
厚さ方向で互いに反対側に位置する第1の面部及び第2の面部を有する半導体層と、
前記半導体層の厚さ方向に延伸する分離領域で区画されて前記半導体層に設けられた光電変換領域と、
光電変換部で光電変換された信号電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタと、
を備え、
前記光電変換領域は、前記光電変換部及び前記電荷保持部が設けられた本体部と、平面視で前記本体部から前記分離領域側に突出する突起部と、を含み、
前記転送トランジスタは、前記光電変換領域の前記本体部及び前記突起部に亘って設けられたゲート電極を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術(本開示に係る技術)は、光検出装置及び電子機器に関し、特に、光電変換領域に転送トランジスタを有する光検出装置及びそれを備えた電子機器に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置や測距装置などの光検出装置は、光電変換部で光電変換された信号電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタを備えている。特許文献1には、プレーナ型の転送トランジスタが開示されている。また、特許文献2には、基板に浅いトレンチ分離(STI)のための溝を形成し、この溝内に絶縁膜を介して埋め込まれた埋込ポリシリコン電極に電圧を印加することで蓄積時にはSTI側壁のピンニングを強化し、画素領域Pウエルと、埋め込みポリシリコン電極とに電圧を印加することで転送時には信号電荷の転送を改善した撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-068751号公報
【特許文献2】特開2006-120804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、高解像のイメージセンサが市場で求められており、画素サイズを縮小したイメージセンサの開発が進められている。
【0005】
しかしながら、画素サイズの縮小化は、光電変換領域及びこの光電変換領域に配置される転送トランジスタを微細化する必要があり、転送トランジスタの相互コンダクタンス(gm)が低下する。そこで、光電変換領域を区画する分離領域に着目し、本技術をなした。
【0006】
本技術の目的は、転送トランジスタの相互コンダクタンス(gm)の向上を図ることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本技術の一態様に係る光検出装置は、
厚さ方向で互いに反対側に位置する第1の面部及び第2の面部を有する半導体層と、
上記半導体層の厚さ方向に延伸する分離領域で区画されて上記半導体層に設けられた光電変換領域と、
光電変換部で光電変換された信号電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタと、
を備えている。
そして、上記光電変換領域は、上記光電変換部及び上記電荷保持部が設けられた本体部と、平面視で上記本体部から上記分離領域側に突出する突起部と、を含み、
上記転送トランジスタは、上記光電変換領域の上記本体部及び上記突起部に亘って設けられたゲート電極を有する。
【0008】
(2)本技術の他の態様に係る電子機器は、
上記光検出装置と、
被写体からの像光を上記検出装置の撮像面上に結像される光学レンズと、
上記光検出装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置の一構成例を示すチップレイアウト図である。
【
図2】本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図3】本技術の第1実施形態に係る画素及び画素回路の一構成例を示す等価回路図である。
【
図4】
図1の画素アレイ部に含まれる画素ブロックの一構成例を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図4のa4-a4切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図6】
図4において転送トランジスタのゲート電極を省略した平面図である。
【
図7】
図4の画素ブロックに含まれる1つの光電変換領域の平面パターンを模式的に示す平面図である。
【
図8】
図7のa7-a7切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図9】転送トランジスタのゲート電極の構成を説明するための図である。
【
図10】本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置の製造方法の工程を模式的に示す平面図である。
【
図11】
図10のa10-a10切断線に沿った縦断面図構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図13A】
図12のa12-a12切断線に沿った縦断面図構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図13B】
図12のb12-b12切断線に沿った縦断面図構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図14A】
図12に引き続く工程を模式的に示す図であって、
図12のa12-a12切断線と同じ位置での縦断面構造を示す縦断面図である。
【
図14B】
図12に引き続く工程を模式的に示す図であって、
図12のb12-b12切断線と同じ位置での縦断面構造を示す縦断面図である。
【
図15】
図14Aに引き続く工程を模式的に示す図であって、
図12のb12-b12切断線と同一の位置での縦断面構造を示す縦断面図である。
【
図16】
図15に引き続く工程を模式的に示す図であって、
図12のb12-b12切断線と同じ位置での縦断面構造を示す縦断面図である。
【
図17A】突起部を含まない光電変換領域に転送トランジスタのゲート電極を設けた従来技術において、ゲート電極の直下の半導体層におけるポテンシャルの一例を示す図である。
【
図17B】光電変換領域の本体部及び突起部に亘って転送トランジスタのゲート電極を設けた本技術の第1実施形態において、ゲート電極の直下の半導体層におけるポテンシャルの一例を示す図である。
【
図18A】本技術の第1実施形態の変形例1-1を模式的に示す平面図である。
【
図18B】
図18Aのa18-a18切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図19】本技術の第1実施形態の変形例1-2を模式的に示す平面図である。
【
図20】本技術の第1実施形態の変形例1-3を模式的に示す平面図である。
【
図21】本技術の第1実施形態の変形例1-4を模式的に示す平面図である。
【
図22】本技術の第1実施形態の変形例1-5を模式的に示す縦断面図である。
【
図23】本技術の第2実施形態に係る固体撮像装置において、画素アレイ部に含まれる画素ブロックの一構成例を模式的に示す平面図である。
【
図24】
図22のa23-a23切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図25】
図23において転送トランジスタのゲート電極を省略した平面図である。
【
図26】本技術の第2実施形態に係る固体撮像装置において、画素アレイ部に含まれる画素ブロックの一構成例を模式的に示す平面図である。
【
図27】
図26のa26-a26切断線に沿った縦断面構造を模式的に示す縦断面図である。
【
図28】本技術の第3実施形態の変形例3-3を模式的に示す平面図である。
【
図29】本技術の第3実施形態の変形例3-4を模式的に示す平面図である。
【
図30】本技術の第3実施形態の変形例3-5を模式的に示す縦断面図である。
【
図31】本技術の第4実施形態に係る電子機器の一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本技術の実施形態を詳細に説明する。
なお、以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
【0011】
また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0012】
また、以下の実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものではない。即ち、本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
また、以下の説明における上下等の方向の定義は、単に説明の便宜上の定義であって、本技術の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば上下は左右に変換して読まれ、180°回転して観察すれば上下は反転して読まれることは勿論である。
【0014】
また、以下の実施形態では、空間内で互に直交する三方向において、同一平面内で互に直交する第1の方向及び第2の方向をそれぞれX方向、Y方向とし、第1の方向及び第2の方向のそれぞれと直交する第3の方向をZ方向とする。そして、以下の実施形態では、後述する半導体層21の厚さ方向をZ方向として説明する。
【0015】
〔第1実施形態〕
この第1実施形態では、光検出装置として、裏面照射型CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである固体撮像装置に本技術を適用した一例について説明する。
また、この第1実施形態では、転送トランジスタとして、プレーナ型の転送トランジスタについて説明する。
【0016】
≪固体撮像装置の全体構成≫
まず、固体撮像装置1Aの全体構成について説明する。
図1に示すように、本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置1Aは、平面視したときの二次元平面形状が方形状の半導体チップ2を主体に構成されている。即ち、固体撮像装置1Aは、半導体チップ2に搭載されており、半導体チップ2を固体撮像装置1Aとみなすことができる。この固体撮像装置1A(101)は、
図31に示すように、光学レンズ102を介して被写体からの像光(入射光106)を取り込み、撮像面上に結像された入射光106の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0017】
図1に示すように、固体撮像装置1Aが搭載された半導体チップ2は、互いに直交するX方向及びY方向を含む二次元平面において、中央部に設けられた方形状の画素アレイ部2Aと、この画素アレイ部2Aの外側に画素アレイ部2Aを囲むようにして設けられた周辺部2Bと、を備えている。半導体チップ2は、製造プロセスにおいて、後述の半導体層21を含む半導体ウエハをチップ形成領域毎に小片化することによって形成される。したがって、以下に説明する固体撮像装置1Aの構成は、半導体ウエハを小片化する前のウエハ状態においても概ね同様である。即ち、本技術は、半導体チップの状態及び半導体ウエハの状態において適用が可能である。
【0018】
画素アレイ部2Aは、例えば
図31に示す光学レンズ(光学系)102により集光される光を受光する受光面である。そして、画素アレイ部2Aには、X方向及びY方向を含む二次元平面において複数の画素3(センサ画素)が行列状に配置されている。換言すれば、画素3は、二次元平面内で互いに直交するX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されている。
【0019】
図1に示すように、周辺部2Bには、複数のボンディングパッド14が配置されている。複数のボンディングパッド14の各々は、例えば、半導体チップ2の二次元平面における4つの辺の各々の辺に沿って配列されている。複数のボンディングパッド14の各々は、半導体チップ2と外部装置とを電気的に接続する入出力端子として機能する。
【0020】
<ロジック回路>
半導体チップ2は、
図2に示すロジック回路13を備えている。
図2に示すように、ロジック回路13は、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6、出力回路7及び制御回路8などを含む。ロジック回路13は、電界効果トランジスタとして、例えば、nチャネル導電型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)及びpチャネル導電型のMOSFETを有するCMOS(Complementary MOS)回路で構成されている。
【0021】
図2に示す垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成されている。垂直駆動回路4は、所望の画素駆動線10を順次選択し、選択した画素駆動線10に画素3を駆動するためのパルスを供給し、各画素3を行単位で駆動する。即ち、垂直駆動回路4は、画素アレイ部2Aの各画素3を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素3の光電変換部が受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素3からの画素信号を、垂直信号線11を通してカラム信号処理回路5に供給する。
【0022】
図2に示すカラム信号処理回路5は、例えば画素3の列毎に配置されており、1行分の画素3から出力される信号に対して画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えばカラム信号処理回路5は、画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。
【0023】
図2に示す水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成されている。水平駆動回路6は、水平走査パルスをカラム信号処理回路5に順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から信号処理が行われた画素信号を水平信号線12に出力させる。
【0024】
図2に示す出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線12を通して順次に供給される画素信号に対し、信号処理を行って出力する。信号処理としては、例えば、バッファリング、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理等を用いることができる。
【0025】
図2に示す制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等に出力する。
【0026】
<画素ブロック>
半導体チップ2は、
図3に示す画素ブロック15及び画素回路(読出し回路)16を備えている。
【0027】
図3及び
図4に示すように、画素ブロック15は、複数の画素3を含む。この第1実施形態の画素ブロック15は、これに限定されないが、例えば、平面視でX方向及びY方向のそれぞれの方向に互いに隣り合って2つずつ並んで配置された2×2配置の4つの画素3(3a,3b,3c,3d)を一単位として含む。
図3及び
図4Aでは、主に1つの画素ブロック15を図示しているが、画素ブロック15は、X方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置され、
図1に示す画素アレイ部2Aを構築している。
【0028】
図3に示すように、1つの画素ブロック15に含まれる4つの画素3a、3b、3c及び3dの各々は、互いに共通の構成要素を有している。具体的には、1つの画素ブロック15に含まれる4つの画素3a、3b、3c及び3dの各々は、光電変換部27と、この光電変換部27で光電変換された信号電荷を保持(蓄積)する電荷保持部としての浮遊拡散領域(フローティングディフュージョン(Floating Diffusion)領域)FDと、この光電変換部27で光電変換された信号電荷を浮遊拡散領域FDに転送する転送トランジスタTRと、を備えている。また、1つの画素ブロック15に含まれる4つの画素3a、3b、3c及び3dの各々は、
図5Aに示す半導体層21の光電変換領域22を更に備えている。そして、光電変換部27、浮遊拡散領域FD及び転送トランジスタTRの各々は、
図5に示すように、光電変換領域22に設けられている。
【0029】
(光電変換部)
図3に示す光電変換部27は、例えばpn接合型のフォトダイオード(PD)で構成され、受光量に応じた信号電荷を生成する。また、光電変換部27は、生成した信号電荷を一時的に保持(蓄積)する。
【0030】
光電変換部27は、カソード側が転送トランジスタTRのソース領域と電気的に接続され、アノード側が基準電位線(例えばグランド)と電気的に接続されている。
【0031】
(転送トランジスタ)
図3に示す転送トランジスタTRは、光電変換部27で光電変換された信号電荷を浮遊拡散領域FDに転送する。転送トランジスタTRは、ソース領域が光電変換部27のカソード側と電気的に接続され、ドレイン領域が浮遊拡散領域FDと電気的に接続されている。そして、転送トランジスタTRのゲート電極は、
図2に示す画素駆動線10のうちの転送トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
【0032】
(浮遊拡散領域)
図3Aに示す浮遊拡散領域FDは、光電変換部27から転送トランジスタTRを介して転送された信号電荷を一時的に蓄積して保持する。
【0033】
<画素回路>
図3に示すように、画素回路16は、その入力側が浮遊拡散領域FDと電気的に接続されている。この第1実施形態の画素回路16は、例えば画素ブロック15毎に設けられ、1つの画素ブロック15に含まれる4つの画素3(3a,3b,3c,3d)で共有されている。
【0034】
ここで、この第1実施形態では、一例として、4つの画素3を一単位とする1つの画素ブロック15に1つの画素回路16を割り与えた回路構成としているが、この第1実施形態に限定されるものではない。例えば、2つ以上の画素3を一単位とする1つの画素ブロック15に1つの画素回路16を割り与えた回路構成としてもよく、また、複数の画素3を一単位とする複数の画素ブロック15に1つの画素回路16を割り与えた回路構成としてもよい。また、1つの画素3に1つの画素回路16を割り与えた回路構成としてもよい。
【0035】
図3に示す画素回路16は、その入力段が、1つの画素ブロック15に含まれる4つの画素3(3a,3b,3c,3d)の各々の浮遊拡散領域FDと電気的に接続されている。そして、この画素回路16は、この4つの画素3(3a,3b,3c,3d)の各々の浮遊拡散領域FDに保持された信号電荷を読出し、読み出した信号電荷に基づく画素信号を出力する。換言すれば、画素回路16は、光電変換部27(フォトダイオードPD)で光電変換された信号電荷を、この信号電荷に基づく画素信号に変換して出力する。
【0036】
図3に示すように、画素回路16は、これに限定されないが、画素トランジスタQとして、例えば、増幅トランジスタAMPと、選択トランジスタSELと、リセットトランジスタRSTと、切替トランジスタFDGと、を備えている。これらの画素トランジスタQ(AMP,SEL,RST,FDG)と、上述の転送トランジスタTRとは、絶縁ゲート型の電界効果トランジスタとして、例えばゲート絶縁膜が酸化シリコン(SiO
2)膜からなるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成されている。また、これらの画素トランジスタとしては、ゲート絶縁膜が窒化シリコン(Si
3N
4)膜、或いは窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜などの積層膜からなるMISFET(Metal Insulator Semiconductor FET)でも構わない。
【0037】
画素回路16に含まれる画素トランジスタQ(AMP,SEL,RST,FDG)のうち、選択トランジスタSELと、リセットトランジスタRSTと、切替トランジスタFDGとは、主にスイッチング素子として機能する。そして、残りの増幅トランジスタAMPは、主に増幅素子として機能する。
【0038】
図3に示す増幅トランジスタAMPは、ソース領域が選択トランジスタSELのドレイン領域と電気的に接続され、ドレイン領域が電源線Vdd及びリセットトランジスタRSTのドレイン領域と電気的に接続されている。そして、増幅トランジスタAMPのゲート電極は、4つの画素3(3a,3b,3c,3d)の各々の浮遊拡散領域FD及びリセットトランジスタRSTのソース領域と電気的に接続されている。
【0039】
図3に示す選択トランジスタSELは、ソース領域が垂直信号線11(VSL)と電気的に接続され、ドレイン領域が増幅トランジスタAMPのソース領域と電気的に接続されている。そして、選択トランジスタSELのゲート電極は、
図2に示す画素駆動線10のうちの選択トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
【0040】
図3に示すリセットトランジスタRSTは、ソース領域が切替トランジスタFDGのドレインと電気的に接続され、ドレイン領域が電源線Vdd及び増幅トランジスタAMPのドレイン領域と電気的に接続されている。そして、リセットトランジスタRSTのゲート電極は、
図2に示す画素駆動線10のうちのリセットトランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
【0041】
図3に示す切替トランジスタFDGは、ドレイン領域がリセットトランジスタRSTのソース領域と電気的に接続され、ドレイン領域が増幅トランジスタAMPのゲート電極及び画素3の浮遊拡散領域FDと電気的に接続されている。そして、切替トランジスタFDGのゲート電極は、
図2に示す画素駆動線10のうちの切替トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
なお、選択トランジスタSEL及び切替トランジスタFDGは、必要に応じて省略してもよい。
【0042】
選択トランジスタSELを省略する場合は、増幅トランジスタAMPのソース領域が垂直信号線11(VSL)と電気的に接続される。また、切替トランジスタFDGを省略する場合は、リセットトランジスタRSTのソース領域が増幅トランジスタAMPのゲート電極及び浮遊拡散領域FDと電気的に接続される。
【0043】
図3に示す転送トランジスタTRは、転送トランジスタTRがオン状態となると、光電変換部27(フォトダイオードPD)で生成された信号電荷を浮遊拡散領域FDに転送する。
【0044】
図3に示すリセットトランジスタRSTは、リセットトランジスタRSTがオン状態となると、浮遊拡散領域FDの電位(信号電荷)を電源線Vddの電位にリセットする。選択トランジスタSELは、画素回路16からの画素信号の出力タイミングを制御する。
【0045】
図3に示す増幅トランジスタAMPは、画素信号として、浮遊拡散領域FDに保持された信号電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、ソースフォロア型のアンプを構成しており、光電変換部27(フォトダイオードPD)で生成された信号電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力するものである。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、浮遊拡散領域FDの電位を増幅し、その電位に応じた電圧を、垂直信号線11(VSL)を介してカラム信号処理回路5に出力する。
【0046】
図3に示す切替トランジスタFDGは、浮遊拡散領域FDによる電荷保持を制御すると共に、増幅トランジスタAMPで増幅される電位に応じた電圧の増倍率を調整する。
【0047】
この第1実施形態に係る固体撮像装置1Aの動作時には、画素3の光電変換部27で生成された信号電荷が画素3の転送トランジスタTRを介して浮遊拡散領域FDに保持(蓄積)される。そして、浮遊拡散領域FDに保持された信号電荷が画素回路16により読み出されて、画素回路16の増幅トランジスタAMPのゲート電極に印加される。画素回路16の選択トランジスタSELのゲート電極には水平ラインの選択用制御信号が垂直シフトレジスタから与えられる。そして、選択用制御信号をハイ(H)レベルにすることにより、選択トランジスタSELが導通し、増幅トランジスタAMPで増幅された、浮遊拡散領域FDの電位に対応する電流が垂直信号線11に流れる。また、画素回路16のリセットトランジスタRSTのゲート電極に印加するリセット用制御信号をハイ(H)レベルにすることにより、リセットトランジスタRSTが導通し、浮遊拡散領域FDに蓄積された信号電荷をリセットする。
【0048】
図3に示す光電変換部27、転送トランジスタTR及び浮遊拡散領域FDの各々は、後述する半導体層21(
図5参照)に搭載されている。また、これに限定されないが、
図3に示す画素回路16に含まれる画素トランジスタQ(AMP,SEL,RST,FDG)も、例えば半導体層21に搭載されている。
【0049】
≪固体撮像装置の具体的な構成≫
次に、半導体チップ2(固体撮像装置1A)の具体的な構成について、
図4から
図9を用いて説明する。
【0050】
図4及び
図5では、図面を見易くするため、後述する多層配線層の図示を省略している。また、
図1は半導体チップ2の光入射面側を描いているが、
図4は半導体チップ2の光入射面側とは反対側(多層配線層側)から見た平面図である。
【0051】
図5示すように、半導体チップ2は、厚さ方向(Z方向)において互いに反対側に位置する第1の面部S1及び第2の面部S2を有する半導体層21と、この半導体層21の厚さ方向に延伸する分離領域31と、この分離領域31で区画されて半導体層21に設けられた光電変換領域22と、を備えている。
【0052】
また、半導体チップ2は、光電変換部27で光電変換された信号電荷を電荷保持部としてのn型の浮遊拡散領域FDに転送する転送トランジスタTRを更に備えている。
【0053】
また、半導体チップ2は、図示を省略しているが、半導体層21の第1の面部S1側に設けられた多層配線層を更に備えている。また、半導体チップ2は、半導体層21の第2の面部S2側に、この第2の面部S2側から順次設けられた平坦化膜51、光学フィルタ53及びマイクロレンズ(オンチップレンズ)54の各々を更に備えている。
【0054】
ここで、半導体層21の第1の面部S1を主面部又は素子形成面部、第2の面部S2を裏面部と呼ぶこともある。そして、この第1実施形態に係る固体撮像装置1Aは、半導体層21の第2の面部S2側から入射した入射光を、半導体層21の光電変換領域22に設けられた光電変換部27(フォトダイオードPD)で光電変換する。したがって、この第1実施形態では、半導体層21の第2の面部S2を光入射面部と呼ぶこともある。
【0055】
図4に示すように、1つの画素ブロック15に含まれる4つの画素3(3a,3b,3c,3d)の各々は、平面視でX方向及びY方向のそれぞれの方向に2つずつ配置され、2×2のレイアウト配置になっている。即ち、
図1に示す画素アレイ部2Aには、4つの画素3(3a,3b,3c,3d)を一単位とする画素ブロック15がX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されている。
【0056】
<平坦化膜、光学フィルタ及びマイクロレンズ>
図5に示す平坦化膜51は、半導体層21の第2の面部S2側に、半導体層21の第2の面部S2を覆うようにして設けられ、半導体層21の第2の面部S2側を平坦化している。
図5に示す光学フィルタ53及びマイクロレンズ54は、それぞれ画素3毎に設けられている。光学フィルタ53は、半導体チップ2の光入射面側(第2の面部S2側)から入射した入射光を色分離する。マイクロレンズ54は、照射光を集光し、集光した光を画素3に効率良く入射させる。
【0057】
<半導体層>
図5に示すように、半導体層21は、半導体層21の厚さ方向(Z方向)に延伸する分離領域31と、この分離領域31で区画された光電変換領域22とを備えている。光電変換領域22は、画素3毎に設けられている。半導体層21としては、Si基板、SiGe基板、InGaAs基板などを用いることができる。この第1実施形態では、これに限定されないが、半導体層21として例えば単結晶シリコンからなるp型の半導体基板を用いている。
【0058】
<分離領域>
(平面形状)
図4に示すように、分離領域31は、平面視でX方向に延伸する第1部分31xと、Y方向に延伸する第2部分31yと、を含む。そして、分離領域31は、第1部分31xと第2部分31yとが同一平面で互いに交差する交差部(交点部)を更に含む。この第1実施形態では第1部分31xと第2部分31yとが例えば直交している。
【0059】
第1部分31xは、Y方向に所定の間隔を空けて繰り返し配置されている。また、第2部分31yは、X方向に所定の間隔を空けて繰り返し配置されている。即ち、分離領域31は、平面視での平面パターンが格子状の平面パターンになっている。
【0060】
図4に示すように、1つの光電変換領域22に対応する分離領域31は、平面視での平面形状が方形状の環状平面パターン(リング状平面パターン)になっており、1つの光電変換領域22の周囲を取り囲んでいる。そして、1つの画素ブロック15に対応する分離領域31は、方形状の環状平面パターンの中に、第1部分31xと第2部分31yとが互いに直交して配置された十字状平面パターンを有する複合平面パターンになっている。
【0061】
図4に示すように、1つの画素ブロック15に対応する分離領域31は、第1部分31xと第2部分31yとの交差部(交点部)31xyが画素ブロック15の中央部に位置する。そして、この交差部31xyを取り囲むようにして4つの画素3(3a,3b,3c,3d)の各々の光電変換領域22が行列状に配置されている。
【0062】
(断面形状)
図5に示すように、分離領域31は、半導体層21の厚さ方向(Z方向)に延伸し、かつ平面視で互いに隣り合う2つの光電変換領域22の間を電気的及び光学的に分離している。そして、分離領域31は、例えば、半導体層21に掘り込み部33を形成して光電変換領域22を区画及び分離する掘り込み型、所謂トレンチ型になっている。
【0063】
分離領域31は、これに限定されないが、例えば、半導体層21の第1の面部S1と第2の面部S2とに亘って延伸する掘り込み部33と、この掘り込み部33に設けられた分離絶縁膜34と、を含む。即ち、分離領域31は、半導体層21の第1の面部S1と第2の面部S2とに亘って延伸している。分離絶縁膜34としては、例えば酸化シリコン膜を用いることができる。この第1実施形態において、掘り込み部33は、例えば分離絶縁膜34で埋め込まれている。
【0064】
<光電変換領域>
図4及び
図6に示すように、光電変換領域22は、平面視で周囲を分離領域31によって囲まれ、かつ平面形状が方形状になっている。具体的には、光電変換領域22は、X方向に延伸し、かつY方向に離間する2つの第1部分31xと、Y方向に延伸し、かつX方向に離間する2つの第2部分31yとで取り囲まれている。そして、光電変換領域22は、第1部分31x及び第2部分31yによって区画され、かつ他の光電変換領域22と分離されている。
【0065】
図4から
図6に示すように、光電変換領域22は、上述の光電変換部27及びn型の浮遊拡散領域FDが設けられた本体部23と、平面視で本体部23から分離領域31側に突出する突起部24aと、を含む。
【0066】
<本体部>
図4及び
図6に示すように、本体部23は、平面形状が4つの辺23a,23b,23c,23dを有する方形状で構成されている。4つの辺23a,23b,23c,23dのうち、2つの辺23a及び23bは、Y方向に延伸し、かつX方向において互いに反対側に位置している。残りの2つの辺23c及び23dは、X方向に延伸し、かつY方向において互いに反対側に位置している。
【0067】
図5に示すように、本体部23は、光電変換部27と、転送トランジスタTRと、n型の浮遊拡散領域FDと、を有する。また、本体部23は、p型のウエル領域25と、n型の半導体領域26と、n型の中継領域RAと、p型の給電用コンタクト領域WCと、を更に有する。
【0068】
(p型のウエル領域、n型の半導体領域及びn型の中継領域)
図5に示すように、p型のウエル領域25は、光電変換領域22の本体部23において、半導体層21の第1の面部S1側と第2の面部S2側とに亘って広範囲で設けられている。p型のウエル領域25は、p型の半導体領域で構成されている。
【0069】
図5に示すように、n型の半導体領域26は、光電変換領域22の本体部23において、p型のウエル領域25の中に設けられている。即ち、n型の半導体領域26は、上面部、下面部及び4つの側面部の全体がp型のウエル領域25で囲まれている。n型の半導体領域26は、半導体層21の第1の面部S1及び第2の面部S2、並びに分離領域31から離間している。
【0070】
図5に示すように、n型の中継領域RAは、光電変換領域22の本体部23において、半導体層21の第1の面部S1とn型の半導体領域26との間に、n型の半導体領域26と接して設けられている。n型の中継領域RAは、n型の半導体領域26よりも不純物濃度が高いn型の半導領域で構成されている。
【0071】
なお、この第1実施形態では、n型の半導体領域26とn型の中継領域RAとを別々の構成要素として説明しているが、n型の中継領域RAは、n型の半導体領域26の一部とみなすこともできる。
【0072】
(光電変換部)
図5に示す光電変換部27は、光電変換領域22の本体部23において、p型のウエル領域25と、n型の半導体領域26と、n型の中継領域RAと、を含む。そして、光電変換部27は、このp型のウエル領域25と、n型の半導体領域26及びn型の中継領域RAとのpn接合によるpn接合型のフォトダイオード(PD)として構成されている。
【0073】
光電変換部27は、半導体層21の第2の面部S2側からn型の半導体領域26に入射した光をn型の半導体領域26で信号電荷に光電変換すると共に、光電変換した信号電荷をp型のウエル領域25とn型の半導体領域26及びn型の中継領域RAとのpn接合部で一時的に保持(蓄積)する。
【0074】
(n型の浮遊拡散領域)
図4に示すように、n型の浮遊拡散領域FDは、光電変換領域22の本体部23において、平面視で本体部23の辺23bと辺23cとで挟まれた角部側に設けられている。そして、
図5に示すように、n型の浮遊拡散領域FDは、半導体層21の第1の面部S1側において、p型のウエル領域25に設けられている。そして、n型の浮遊拡散領域FDは、平面視でn型の半導体領域26と重畳し、かつ半導体層21の厚さ方向(Z方向)においてn型の半導体領域26から離間している。即ち、n型の浮遊拡散領域FDと、n型の半導体領域26との間に、p型のウエル領域25が設けられている。n型の浮遊拡散領域FDは、n型の半導体領域26よりも不純物濃度が高いn型の半導領域で構成されている。
【0075】
(p型の給電用コンタクト領域)
図4に示すように、p型の給電用コンタクト領域WCは、光電変換領域22の本体部23において、平面視で本体部23の辺23aと辺23dとで挟まれた角部側に設けられている。即ち、p型の給電用コンタクト領域WCは、平面視で本体部23の4つの角部のうち、n型の浮遊拡散領域FDが設けられた角部と対角線上に位置する角部側に設けられている。そして、
図5に示すように、p型の給電用コンタクト領域WCは、半導体層21の第1の面部S1側において、p型のウエル領域25に設けられている。そして、p型の給電用コンタクト領域WCは、平面視でn型の半導体領域26と重畳し、かつn型の半導体領域26から離間している。このp型の給電用コンタクト領域WCは、p型の半導体領域で構成され、n型のウエル領域25と電気的に接続されている。
【0076】
(転送トランジスタ)
図5に示すように、転送トランジスタTRは、光電変換領域22の本体部23において、半導体層21の第1の面部S1側に設けられている。転送トランジスタTRは、半導体層21の第1の面部S1側に設けられたゲート電極43と、このゲート電極43と半導体層21との間に設けられたゲート絶縁膜42と、を有する。また、転送トランジスタTRは、ソース領域として機能するn型の半導体領域26及びn型の中継領域RAと、ドレイン領域として機能するn型の浮遊拡散領域FDと、チャネル形成領域として機能するp型のウエル領域25と、を更に有する。この転送トランジスタTRは、これに限定されないが、例えばnチャネル導電型で構成されている。また、転送トランジスタTRは、半導体層21の第1の面部S1の外側にゲート絶縁膜42を介してゲート電極43が設けられたプレーナ型で構成されている。
【0077】
図4に示すように、転送トランジスタTRは、平面視で本体部23の4つの角部のうち、n型の浮遊拡散領域FDが設けられた角部側に偏って設けられている。そして、転送トランジスタTRのゲート電極43は、p型の給電用コンタクト領域WC側よりもn型の浮遊拡散領域FD側に設けられている。
【0078】
転送トランジスタTRは、
図5を参照して説明すると、ゲート電極43にゲート電圧が印加されてオン状態となったとき、光電変換部27のn型の中継領域RAと、n型の浮遊拡散領域FDとを電気的に繋ぐ電荷転送路(チャネル)がp型のウエル領域25に形成される。そして、光電変換部27のn型の半導体領域26で光電変換された信号電荷が、n型の中継領域RA(光電変換部27)から電荷転送路(チャネル)を通ってn型の浮遊拡散領域FDに転送される。
【0079】
<突起部>
図4及び
図6に示すように、突起部24aは、平面視で本体部23の辺側に設けられている。この第1実施形態では、本体部23の2つの辺23b,23c側にそれぞれ設けられている。そして、
図5に示すように、突起部24aは、半導体層21の厚さ方向(Z方向)に沿って延伸し、半導体層21の第1の面部S1側と第2の面部S2側とに亘って設けられている。突起部24aは、後で詳細に説明するが、
図8に示すように、平面視でゲート電極43と重畳する位置に設けられている。
【0080】
<ゲート電極と突起部との関係>
図7及び
図8に示すように、転送トランジスタTRのゲート電極43は、半導体層21の第1の面部S1側において、光電変換領域22の本体部23及び突起部24に亘って設けられている。即ち、転送トランジスタTRは、光電変換領域22の本体部23及び突起部24に亘って設けられたゲート電極43を有する。
【0081】
図7及び
図8に示すように、突起部24は、平面視で本体部23の2つの辺23b,23c側にそれぞれ設けられている。そして、転送トランジスタTRのゲート電極43は、ゲート幅方向Wgdの一端側及び他端側が2つの突起部24と重畳している。この第1実施形態において、突起部24aは、平面視で本体部23の4つの辺23a,23b,23c,23dのうち、延伸方向が異なる2つの辺23b,23c側にそれぞれ設けられている。そして、転送トランジスタTRのゲート電極43は、ゲート幅方向Wgdの一端側及び他端側が2つの突起部24aと重畳している。そして、光電変換領域22の本体部23及び突起部24aは、ゲート電極43のゲート幅方向Wgdに沿って並んでいる。
【0082】
図7及び
図8に示すように、ゲート電極43は、平面視で本体部23の辺23bと23cとで挟まれた角部から離間し、かつ本体部23の辺23b及び辺23cに対して斜めに延伸する傾斜部分43aと、傾斜部分43aの一端側から本体部23の辺23b側の突起部24aに向かって延伸する第1直線部分43bと、傾斜部分43aの一端側とは反対側の他端側から本体部23の辺23c側の突起部24aに向かって延伸する第2直線部分43cと、を有する。即ち、ゲート電極43は、第1直線部分43b及び第2直線部分43cの各々が光電変換領域22の本体部23及び突起部24aに亘って延伸している。そして、ゲート電極43は、平面形状が略L字形状で構成されている。この第1実施形態のゲート電極43は、平面視で一端側と他端側との間に曲がり部を有する。
【0083】
ここで、
図9を参照して説明すると、ゲート電極43の短手方向がゲート長方向であり、ゲート電極43の長手方向がゲート幅方向Wgdである。この第1実施形態ではゲート電極43の平面形状が傾斜部分43a、第1直線部分43b及び第2直線部分43cを含む略L字形状になっているので、ゲート幅方向Wgdもゲート電極43の略L字形状に沿う方向となる。そして、ゲート電極43のゲート幅Wgは、平面視でゲート電極43が半導体層21と重畳する重畳領域において、傾斜部分43a、第1直線部分及43b及び第2直線部分43cの各々のゲート幅方向Wgdの長さを含む。この第1実施形態では、ゲート電極43の全体が半導体層21と重畳しているので、ゲート電極43の一端側から他端側までの長さがゲート幅Wgとなる。
【0084】
なお、
図8に示すように、この第1実施形態では、突起部24aにもn型のウエル領域25が設けられているが、n型の半導体領域26は突起部24aに設けられていない。
【0085】
<画素トランジスタ>
図4に示すように、光電変換領域22は、これに限定されないが、
図3の画素回路16に含まれる画素トランジスタQを更に備えている。この第1実施形態では、例えば、
図4に示すように、1つの画素ブロック15に含まれる4つの画素3(3a,3b,3c,3d)のうち、画素3aの光電変換領域22は画素トランジスタQとして増幅トランジスタAMPを更に有し、画素3bの光電変換領域22は画素トランジスタQとして選択トランジスタSELを更に有し、画素3cの光電変換領域22は画素トランジスタQとしてリセットトランジスタRSTを更に有し、画素3dの光電変換領域22は切替トランジスタFDGを更に有する。
【0086】
なお、この第1実施形態では、画素回路16に含まれる画素トランジスタQを光電変換領域22に設けた場合について説明しているが、画素トランジスタQは半導体層21に積層された他の半導体層に設けてもよい。
【0087】
≪固体撮像装置の製造方法≫
次に、本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置1Aの製造方法について、
図10から
図16を用いて説明する。
この第1実施形態では、固体撮像装置1Aの製造方法に含まれる分離領域31及び光電変換領域22の製造に特化して説明する。
また、
図10から
図16では、
図4及び
図5に示す1つの画素ブロック15に対応する画素ブロック形成領域17を例示している。したがって、画素ブロック形成領域17は、各々が掘り込み部形成領域33Zで取り囲まれた4つの光電変換領域22を含む。
【0088】
まず、
図10(平面図)及び
図11(縦断面図)に示すように、半導体層21にp型のウエル領域25及びn型の半導体領域26を形成する。p型のウエル領域25は、半導体層21の光電変換領域22及び掘り込み部形成領域33Zを含む全域に亘って形成する。n型の半導体領域26は、光電変換領域22毎に選択的に形成する。
図10では、1つの画素ブロック形成領域17において、まだ区画されていない4つの光電変換領域22を例示している。そして、4つの光電変換領域22の各々は、X方向及びY方向のそれぞれの方向に2つずつ並ぶ2×2の配置になっている。p型のウエル領域25及びn型の半導体領域26の各々は、周知のフォトリソグラフィ技術及び不純物イオン注入法によって形成することができる。
【0089】
この工程において、n型の半導体領域26は、p型のウエル領域25の中に設けられており、上面部側、下面部側及び4つの側面部側(六面部)がp型のウエル領域25で取り囲まれている。
【0090】
また、この工程において、各光電変換領域22は、まだ区画されておらず、この後の工程で掘り込み部33(
図13A及び
図13B参照)が形成される掘り込み部形成領域33Zで周囲を仮想的に取り囲まれている。掘り込み部形成領域33Zは、物理的に形成されているものではないが、各光電変換領域22の周囲を取り囲む格子状の平面パターンに設定されている。
【0091】
ここで、この第1実施形態の固体撮像装置1Aの製造では、半導体層21のZ方向の厚さを薄くする薄厚化工程(
図16参照)が実施される。この薄厚化工程において、半導体層21は、
図11に示す薄厚化線S2aまで薄く加工される。
【0092】
次に、掘り込み部形成領域33Zを選択的にエッチングし、
図12(平面図)、
図13A(縦断面図)及び
図13B(縦断面図)に示すように、光電変換領域22の周囲を取り囲み、かつ半導体層21の第1の面部S1から第2の面部S2側に向かって延伸する掘り込み部33を形成する。
掘り込み部33は、光電変換領域22が、本体部23と、この本体部23から掘り込み部33側に突出する突起部24aと、を含む形状となるように形成する。掘り込み部33は、各光電変換領域22の周囲を取り囲む格子状平面パターンで形成する。掘り込み部33は、この後の薄厚化工程で実施される半導体層21の薄厚化線S2aよりも深く形成する。掘り込み部33は、例えば、周知のフォトリソグラフィ技術及び異方性ドライエッチング技術を用いて、半導体層21の掘り込み部形成領域33Zを選択的にエッチングすることによって形成することができる。
【0093】
この工程において、光電変換領域22は、掘り込み部33によって区画及び分離され、かつ本体部23及び突起部24aを含む形状で形成される。本体部23は、平面形状が4つの辺23a,23b,23c,23dを有する方形状で形成される。突起部24aは、平面視で本体部23の4つの辺23a,23b,23c,23dのうち、延伸方向が異なる2つの辺23b,23c側にそれぞれ形成される。そして、突起部24aは、この後の工程で形成されるゲート電極43と重畳する位置に形成される。そして、突起部24aは、半導体層21の第1の面部S1から第2の面部S2側に向かって延伸する。
【0094】
次に、半導体層21に掘り込み部33を形成して光電変換領域22を区画した後、図示していないが、洗浄工程を実施する。
【0095】
この洗浄工程において、光電変換領域は、本体部と、この本体部から掘り込み部側に突出する突起部とを含む構成になっているので、洗浄液の蒸発に起因する毛細管力(表面張力)による光電変換領域22の撓み(倒れ込み)を生じ難くする耐性応力を向上させることができる。
【0096】
次に、洗浄工程を実施した後、
図14A及び
図14Bに示すように、掘り込み部33の内部に分離絶縁膜34を選択的に形成する。分離絶縁膜34は、掘り込み部33の内部を埋め込むように形成する。
【0097】
掘り込み部33の内部の分離絶縁膜34は、例えば、掘り込み部33の内部を含む半導体層21の第1の面部S1上の全面に分離絶縁膜34を形成し、その後、半導体層21の第1の面部S1上の分離絶縁膜34をCMP法やエッチバック法などにより選択的に除去することによって形成することができる。分離絶縁膜34としては、例えば、酸化シリコン膜を用いることができる。
【0098】
この工程において、掘り込み部33と、この掘り込み部33の内部に設けられた分離絶縁膜34と、を含む分離領域31が形成される。そして、光電変換領域22が分離領域31で区画され、かつ互いに隣り合う他の光電変換領域22と電気的及び光学的に分離される。
【0099】
次に、各光電変換領域22において、
図15に示すように、ゲート電極43を含む転送トランジスタTRを形成すると共に、図示していないが、n型の中継領域RA、n型の浮遊拡散領域FD、p型の給電用コンタクト領域WC及び画素トランジスタQなどを形成する。ゲート電極43、n型の中継領域RA、n型の浮遊拡散領域FD、p型の給電用コンタクト領域WC及び画素トランジスタQなどは、
図4及び
図5に示す位置に形成する。
【0100】
この工程において、
図15に示すように、ゲート電極43は、半導体層21の第1の面部S1の外側にゲート絶縁膜42を介在して形成される。そして、ゲート電極43は、平面視で光電変換領域22の本体部23及び突起部24aに亘って形成される。
【0101】
次に、図示していないが、半導体層21の第1の面部S1側に多層配線層を形成し、その後、
図16に示すように、半導体層21の第2の面部S2側を、例えばCMP法で薄厚化線S2aまで切削して半導体層21の厚さを薄くする薄厚化工程を実施する。
この工程において、半導体層21の第1の面部S1側から半導体層21の厚さ方向(Z方向)に沿って延伸し、かつ半導体層21の第2の面部S2に到達する分離領域31が形成されると共に、この分離領域31で区画され、かつ本体部23及び突起部24aを含む光電変換領域22が形成される。
【0102】
この後、半導体層21の第2の面部S2側に、平坦化膜51、光学フィルタ53及びマイクロレンズ54をこの順で形成することにより、
図4Aから
図5Bに示す状態となる。
【0103】
≪第1実施形態の主な効果≫
次に、この第1実施形態の主な効果について、
図17A及び
図17Bを参照して説明する。
図17Aは、突起部を含まない光電変換領域に転送トランジスタTRのゲート電極43を設けた従来技術において、ゲート電極43の直下の半導体層21におけるポテンシャルの一例を示す図である。
図17Bは、光電変換領域22の本体部23及び突起部24aに亘って転送トランジスタTRのゲート電極43を設けた本技術の第1実施形態において、ゲート電極43の直下の半導体層21におけるポテンシャルの一例を示す図である。
【0104】
なお、従来技術の
図17Aでは、本技術の第1実施形態と同一の部分には同様の符号を付している。
【0105】
図17Aに示すように、下向きをポテンシャルのプラスとしたとき、ゲート電極43の直下の半導体層21(平面視でゲート電極43と重畳する半導体層21)におけるポテンシャルは、ゲート電極43のゲート幅方向Wgdの端になるほど小さい。これは、ゲート電極43のゲート幅方向Wgdの中央に比べて、ゲート電極43のゲート幅方向Wgdの端ではゲート電極43の外からのバイアスがないため、ポテンシャルが小さくなる。このため、ゲート電極43のゲート幅方向Wgdの端では、電流駆動力、即ち相互コンダクタンス(gm)が劣化する。
【0106】
一方、画素サイズの縮小化に伴う転送トランジスタTRの微細化により、ゲート電極43のゲート幅Wgが短くなるため、転送トランジスタTRの相互コンダクタンスは劣化していく。
【0107】
これに対し、
図17Bに示すように、この第1実施形態の光電変換領域22は、本体部23と、この本体部23から分離領域31側に突出する突起部24aとを含む。そして、この第1実施形態の転送トランジスタTRは、半導体層21の第1の面部S1側で光電変換領域22の本体部23及び突起部24aに亘って設けられたゲート電極43を有する。即ち、この第1実施形態では、従来の光電変換領域に相当する本体部23から突起部24aにゲート電極43を半導体層21の第1の面部S1の面方向に延伸させている。
【0108】
このため、
図17Aに示す従来技術と比較して、ゲート電極43のゲート幅Wgが長くなり、実効的に使われるポテンシャルを大きくすることができ、転送トランジスタTRの相互コンダクタンス(gm)を改善、即ち相互コンダクタンス(gm)の向上を図ることができる。
【0109】
次に、製造プロセス上のメリットについて、
図12、
図13A及び
図13Bを参照し、従来の光電変換領域の場合と比較して説明する。
【0110】
この第1実施形態の製造プロセスにおいて、
図12、
図13A及び
図13Bに示すように、掘り込み部33を形成して光電変換領域22を区画した後、洗浄工程が実施される。
【0111】
この洗浄工程において、従来の光電変換領域では、単純な直方体の形状になっているため、
図12、
図13A及び
図13Bを参照して説明すれば、洗浄液の蒸発に起因する毛細管力(表面張力)により、光電変換領域が掘り込み部33側に倒れ込むように撓むことがある。そして、この撓みにより、平面視で隣り合う2つの光電変換領域の間における掘り込み部33の開口端側(半導体層21の第1の面部S1側)の幅が設計値よりも狭くなる幅狭現象が生じる。この幅狭現象が生じた場合、掘り込み部33の内部への膜の埋め込みが困難となり、歩留まりの低下の要因となる。
【0112】
近年、赤外光を扱うデバイスでは、量子効率QEを改善するために、半導体層21のZ方向の厚さを厚くし、光電変換領域における半導体層21内の光路長を伸ばす検討が行われている。しかしながら、半導体層21の厚さの増加に伴い掘り込み部33のアスペクト比が大きく(高く)なり、光電変換領域の掘り込み部33側への倒れ込みが顕著になる。
【0113】
これに対し、この第1実施形態の光電変換領域22は、従来の光電変換領域に相当する本体部23から掘り込み部33側に突出する突起部24aを有している。このため、半導体層21に掘り込み部33を形成して光電変換領域22を区画した後の洗浄工程において、洗浄液の蒸発に起因する毛細管力(表面張力)による光電変換領域22の撓み(倒れ込み)を生じ難くする耐性応力を向上させることができ、掘り込み部33の内部への膜の埋め込みが容易となる。
【0114】
したがって、この第1実施形態に係る固体撮像装置1Aによれば、従来の単純な直方体形状の光電変換領域の場合と比較して製造歩留まりの向上を図ることができる。
【0115】
なお、光電変換領域22に突起部24aを持たせる方法として、一部を除いて光電変換領域22の平面サイズを縮小させる方法と、分離領域31の一部の幅を狭くする方法とがある。何れの方法においても、平面視で本体部23から分離領域31側に突起部24aが突出する形状となる。
【0116】
≪第1実施形態の変形例≫
<変形例1-1>
上述の第1実施形態では、
図8に示すように、n型の半導体領域26が光電変換領域22の本体部23に選択的に設けられた場合について説明したが、本技術は、
図8に示すn型の半導体領域26に限定されるものでない。
例えば、
図18A及び
図18Bに示すように、n型の半導体領域26は、光電変換領域22の本体部23及び突起部24aに亘って設けてもよい。換言すれば、n型の半導体領域26は、本体部23から突起部24aに食み出す構成としてもよい。この場合、n型の半導体領域26の体積が増大するので、飽和信号量Qsをより改善することができる。
【0117】
なお、
図18A及び
図18Bでは、転送トランジスタTR、n型の浮遊拡散領域FD、給電用コンタクト領域WC、平坦化膜51、光学フィルタ53及びマイクロレンズ54などの図示を省略している。
【0118】
<変形例1-2>
また、上述の第1実施形態では、
図6に示すように、光電変換領域22の本体部23から分離領域31側に突出する突起部として、転送トランジスタTRのゲート電極43と重畳する突起部24aを設けた場合について説明したが、突起部としては、転送トランジスタTRのゲート電極43と重畳する突起部24aに限定されるものではない。
【0119】
例えば、
図19に示すように、転送トランジスタTRのゲート電極43と重畳する突起部24aとは別に、光電変換領域22の本体部23から分離領域31側に突出する突起部24bを設けてもよい。この突起部24bは、平面視で光電変換領域22の本体部23の4つの辺23a,23b,23c,23dのうち、平面視でゲート電極43と重畳する突起部24aが配置される辺以外の辺側に配置することが好ましい。上述の実施形態1では、本体部23の辺23b側と辺23c側とに突起部24aを設けているので、突起部24bは、本体部23の辺23a側と辺24d側とに設けることが好ましい。
【0120】
また、
図19に示すように、突起部24bは、平面視で互いに隣り合う2つの光電変換領域22において、X方向やY方向で隣り合わないように位置をずらすことが好ましい。また、突起部24bは、平面視で互いに隣り合う2つの光電変換領域22において、平面視で突起部24aと隣り合わない位置に設けることが好ましい。
【0121】
<変形例1-3,1-4>
また、上述の第1実施形態では、転送トランジスタTRのゲート電極43の平面形状を、
図7に示すように、略L字形状とした場合について説明したが、本技術は、平面形状が略L字形状のゲート電極43に限定されるものではない。
【0122】
例えば、
図20に示すように、平面形状がL字形状のゲート電極43を有する転送トランジスタTRにおいても、本技術を適用することができる。L字形状のゲート電極43は、X方向において、平面視で光電変換領域22の本体部23と重畳する一端側から本体部23の辺23b側の突起部24aに向かって延伸する第1直線部分43bと、Y方向において、平面視で第1直線部分43bの一端側から本体部23の辺23c側の突起部24aに向かって延伸する第2直線部分43cと、を有する。この変形例1-3のゲート電極43においても、平面視で一端側と他端側との間に曲がり部を有する。
また、
図21に示すように、平面形状がI字形状のゲート電極43を有する転送トランジスタTRにおいても、本技術を適用することができる。I字形状のゲート電極43は、中間部が光電変換領域22の本体部23と重畳し、互いに反対側に位置する一端側及び他端側が光電変換領域22の本体部23の互いに反対側に位置する2つの辺側の突起部24aと個別に重畳するように延伸する。
図21では、一例としてY方向に延伸するゲート電極43を例示しているが、ゲート電極43がX方向に延伸する場合にも本技術を適用することができる。
<変形例1-5>
また、上述の第1実施形態では、半導体層21の厚さ方向(Z方向)に直線状に延伸する分離領域31について説明したが、本技術は上述の第1実施形態の分離領域31に限定されるものではない。
例えば、
図22に示すように、分離領域31は、半導体層21の厚さ方向(Z方向)において、半導体層21の第1の面部S1側に設けられた第1縦部分31z
1と、この第1縦部分31z
1から半導体層21の第2の面部S2側に向かって延伸し、かつ幅が第1縦部分31z
1の幅よりも幅狭の第2縦部分31z
2と、この第1縦部分31z
1の幅と第2縦部分31z
2の幅との違いによる段差部31zsと、を含む構成としてもよい。この変形例1-5の場合、上述の第1実施形態と比較してn型の半導体領域26の体積が増大するので、飽和信号量Qsをより改善することができる。
なお、
図22は、
図10のa10-a10切断線と同一位置での縦断面構造を示す縦断面図である。
また、
図22では、平坦化膜51、光学フィルタ53及びマイクロレンズ54などの図示を省略している。
【0123】
〔第2実施形態〕
本技術の第2実施形態に係る固体撮像装置1Bは、基本的に上述の第1実施形態と同様の構成になっており、1つの画素ブロック15に含まれる4つの光電変換領域22(4つの画素3a,3b,3c,3d)の各々のn型の浮遊拡散領域FD及び転送トランジスタTRの配置が異なっている。
【0124】
即ち、
図23(平面図)、
図24(
図23のa23-a23切断線に沿った縦断面図)及び
図25(
図23において転送トランジスタのゲート電極を省略した平面図)に示すように、この第2実施形態の1つの画素ブロック15に含まれる4つの光電変換領域22(4つの画素3a,3b,3c,3d)の各々のn型の浮遊拡散領域FDは、平面視で分離領域31の交差部31xyを取り囲むようにして交差部31xyの外側に、交差部31xyと互いに隣り合って設けられている。
【0125】
また、
図23から
図25に示すように、1つの画素ブロック15に含まれる4つの光電変換領域22(4つの画素3a,3b,3c,3d)の各々の転送トランジスタRTは、平面視で分離領域31の交差部31xy側に偏って設けられている。そして、この4つの光電変換領域22の各々の転送トランジスタTRのゲート電極43は、平面視で分離領域31の交差部31xyを囲むようにしてn型の浮遊拡散領域FDの外側に設けられている。
【0126】
この第2実施形態の場合、4つの光電変換領域22の各々のゲート電極43が平面視で互いに隣り合うので、平面視で互いに隣り合う2つのゲート電極43の何れか一方のゲート電極43を光電変換領域22の突起部24aと重畳させる構成とすることが好ましい。
【0127】
この第2実施形態に係る固体撮像装置1Bにおいても、上述の第1実施形態に係る固体撮像装置1Aと同様の効果が得られる。
【0128】
〔第3実施形態〕
本技術の第3実施形態に係る固体撮像装置1Cは、基本的に上述の第1実施形態と同様の構成になっており、転送トランジスタの構成が異なっている。
【0129】
即ち、
図26(平面図)及び
図27(
図26のa26-a26切断線に沿った縦断面図)に示すように、本技術の第3実施形態に係る固体撮像装置1Cは、上述の第1実施形態の
図4及び
図5に示す転送トランジスタTRに替えて、転送トランジスタTRVを備えている。その他の構成は、上述の第1実施形態と概ね同様である。
【0130】
図26及び
図27に示すように、転送トランジスタTRVは、半導体層21の第1の面部S1側に設けられている。転送トランジスタTRVは、半導体層21の第1の面部S1側に設けられたゲート電極46と、このゲート電極46と半導体層21との間に設けられたゲート絶縁膜42と、を有する。また、転送トランジスタTRVは、ソース領域及びドレイン領域として機能するn型の半導体領域26及びn型の浮遊拡散領域FDと、チャネル形成領域として機能するp型のウエル領域25と、を更に有する。この転送トランジスタTRVは、これに限定されないが、例えばバーチカル型で構成されている。
【0131】
図26及び
図27に示すように、転送トランジスタTRVのゲート電極46は、半導体層21の第1の面部S1の外側にゲート絶縁膜42を介在して設けられた頭部47と、この頭部47から半導体層21の内部に突出し、かつゲート絶縁膜42を介在して半導体層21と互いに隣り合う脚部48と、を有する。この第1実施形態のゲート電極46は、これに限定されないが、例えば、脚部48が頭部47よりも幅狭になっている。
【0132】
ゲート電極46の脚部48は、半導体層21の掘り込み部45にゲート絶縁膜42を介在して設けられ、かつn型の半導体領域26に到達している。
【0133】
ゲート電極46の頭部47は、これに限定されないが、例えば上述の第1実施形態のゲート電極43と同様の構成になっている。具体的には、ゲート電極46の頭部47は、半導体層21の第1の面部S1側において、光電変換領域22の本体部23及び突起部24に亘って設けられている。そして、ゲート電極46の頭部47は、ゲート幅方向Wgdの一端側及び他端側が光電変換領域22の2つの突起部24aと重畳している。
【0134】
図26及び
図27に示すように、ゲート電極46の頭部47は、平面視で本体部23の辺23bと23cとで挟まれた角部から離間し、かつ本体部23の辺23b及び辺23cに対して斜めに延伸する傾斜部分47aと、傾斜部分47aの一端側から本体部23の辺23b側の突起部24aに向かって延伸する第1直線部分47bと、傾斜部分47aの一端側とは反対側の他端側から本体部23の辺23c側の突起部24aに向かって延伸する第2直線部分47cと、を有する。即ち、ゲート電極46の頭部47は、第1直線部分47b及び第2直線部分47cの各々が光電変換領域22の本体部23及び突起部24aに亘って延伸している。そして、ゲート電極46の頭部47は、上述の第1実施形態と同様に平面形状が略L字形状で構成されている。
【0135】
ここで、
図9を参照して説明すると、ゲート電極46の頭部47の短手方向がゲート長方向であり、ゲート電極43の長手方向がゲート幅方向Wgdである。この第3実施形態ではゲート電極46の頭部47の平面形状が傾斜部分47a、第1直線部分47b及び第2直線部分47cを含む略L字形状になっているので、ゲート幅方向Wgdもゲート電極46の頭部47の略L字形状に沿う方向となる。そして、ゲート電極46の頭部47のゲート幅Wgは、平面視でゲート電極46の頭部47が半導体層21と重畳する重畳領域において、傾斜部分47a、第1直線部分及47b及び第2直線部分47cの各々のゲート幅方向Wgdの長さを含む。この第3実施形態では、ゲート電極46の頭部47の全体が半導体層21と重畳しているので、頭部47の一端側から他端側までの長さがゲート幅Wgとなる。
【0136】
ゲート電極46の脚部48は、頭部47の傾斜部分47aと一体化されている。頭部47及び脚部48を含むゲート電極46は,上述の第1実施形態のゲート電極43と同様に、例えば抵抗値を低減する不純物が導入された多結晶シリコン膜で構成されている。
【0137】
この第3実施形態の転送トランジスタTRVも、ゲート電極46にゲート電圧が印加されてオン状態となったとき、n型の半導体領域26と、n型の浮遊拡散領域FDとを電気的に繋ぐ電荷転送路(チャネル)がp型のウエル領域25に形成される。そして、光電変換部27のn型の半導体領域26で光電変換された信号電荷が、n型の半導体領域26から電荷転送路を通ってn型の浮遊拡散領域FDに転送される。
【0138】
この第3実施形態に係る固体撮像装置1Cにおいても、上述の第1実施形態に係る固体撮像装置1Aと同様の効果が得られる。
【0139】
≪第3実施形態の変形例≫
<変形例3-1>
上述の第3実施形態では、
図27に示すように、n型の半導体領域26が光電変換領域22の本体部23に選択的に設けられた場合について説明したが、上述の変形例1-1と同様に、n型の半導体領域26を、光電変換領域22の本体部23及び突起部24aに亘って設けてもよい。
<変形例3-2>
【0140】
また、図示していないが、上述の変形例1-2と同様に、転送トランジスタTRVのゲート電極46と重畳する突起部24aとは別に、光電変換領域22の本体部23から分離領域31側に突出する突起部24bを設けてもよい。
【0141】
<変形例3-3>
また、上述の第3実施形態では、ゲート電極46の頭部47の平面形状を、
図26に示すように、略L字形状とした場合について説明したが、本技術は、平面形状が略L字形状のゲート電極46に限定されるものではない。
【0142】
例えば、
図28に示すように、頭部47の平面形状がL字形状で構成されたゲート電極46を有する転送トランジスタTRVにおいても、本技術を適用することができる。L字形状の頭部47は、X方向において、平面視で光電変換領域22の本体部23と重畳する一端側から本体部23の辺23b側の突起部24aに向かって延伸する第1直線部分46bと、Y方向において、平面視で第1直線部分46bの一端側から本体部23の辺23c側の突起部24aに向かって延伸する第2直線部分46cと、を有する。この変形例3-3の場合、ゲート電極の脚部48は、平面視で第1直線部分46bと第2直線部分46cとの連結部に一体的に連結されている。この変形例3-3のゲート電極46においても、平面視で一端側と他端側との間に曲がり部を有する。
【0143】
<変形例3-4>
また、
図29に示すように、頭部47の平面形状がI字形状のゲート電極46を有する転送トランジスタTRVにおいても、本技術を適用することができる。I字形状の頭部47は、中間部が光電変換領域22の本体部23と重畳し、互いに反対側に位置する一端側及び他端側が光電変換領域22の本体部23の互いに反対側に位置する2つの辺側の突起部24aと個別に重畳するように延伸する。
図29では、一例としてY方向に延伸するゲート電極46の頭部47を例示しているが、ゲート電極46の頭部47がX方向に延伸する場合にも本技術を適用することができる。この変形例3-4の場合、ゲート電極46の脚部48は、平面視で頭部47の中間部に一体的に連結されている。
【0144】
<変形例3-5>
また、
図30に示すように、頭部47の平面形状がY字形状のゲート電極46を有する転送トランジスタTRVにおいても、本技術を適用することができる。Y字形状の頭部47は、平面視で本体部23の辺23bと23cとで挟まれた角部から離間し、かつ本体部23の辺23b及び辺23cに対して斜めに延伸する傾斜部分47aと、傾斜部分47aの一端側から本体部23の辺23b側の突起部24aに向かって延伸する第1直線部分47bと、傾斜部分47aの一端側から本体部23の辺23c側の突起部24aに向かって延伸する第2直線部分47cと、を有する。この変形例3-5の場合、ゲート電極46の脚部48は、平面視で傾斜部分47aに一体的に連結されている。また、この変形例3-5のゲート電極46においても、平面視で一端側と他端側との間に曲がり部を有する。
【0145】
〔第4実施形態〕
≪電子機器への応用例≫
本技術(本開示に係る技術)は、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、又は、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0146】
図31は、本技術の第4実施形態に係る電子機器(例えば、カメラ)の概略構成を示す図である。
【0147】
図31に示すように、電子機器100は、固体撮像装置101と、光学レンズ102と、シャッタ装置103と、駆動回路104と、信号処理回路105とを備えている。この電子機器100は、固体撮像装置101として、本技術の第1実施形態に係る固体撮像装置1Aを電子機器(例えばカメラ)に用いた場合の実施形態を示す。
【0148】
光学レンズ102は、被写体からの像光(入射光106)を固体撮像装置101の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置101内に一定期間にわたって信号電荷が蓄積される。シャッタ装置103は、固体撮像装置101への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路104は、固体撮像装置101の転送動作及びシャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路104から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置101の電荷転送を行なう。信号処理回路105は、固体撮像装置101から出力される信号(画素信号(画像信号)に各種信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶され、或いはモニタに出力される。
【0149】
このような構成により、固体撮像装置101において、転送トランジスタTRの相互コンダクタンス(gm)の向上が図られているため、第4実施形態の電子機器100の画質性能の向上を図ることができる。
【0150】
なお、上述の実施形態の固体撮像装置を適用できる電子機器100としては、カメラに限られるものではなく、他の電子機器にも適用することができる。例えば、携帯電話機やタブレット端末等のモバイル機器向けカメラモジュール等の撮像装置に適用してもよい。
【0151】
また、本技術は、上述したイメージセンサとしての固体撮像装置の他、ToF(Time of Flight)センサと呼称され、距離を測定する測定する測距センサなども含む光検出装置全般に適用することができる。測距センサは、物体に向かって照射光を発光し、その照射光が物体の表面で反射されて返ってくる反射光を検出し、照射光が発光されてから反射光が受光されるまでの飛行時間に基づいて物体までの距離を算出するセンサである。この測距センサにおいても、上述した画素トランジスタを採用することができる。
【0152】
なお、本技術は、以下のような構成としてもよい。
(1)
厚さ方向で互いに反対側に位置する第1の面部及び第2の面部を有する半導体層と、
前記半導体層の厚さ方向に延伸する分離領域で区画されて前記半導体層に設けられた光電変換領域と、
光電変換部で光電変換された信号電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタと、
を備え、
前記光電変換領域は、前記光電変換部及び前記電荷保持部が設けられた本体部と、平面視で前記本体部から前記分離領域側に突出する突起部と、を含み、
前記転送トランジスタは、前記半導体層の前記第1の面部側で前記光電変換領域の本体部及び突起部に亘って設けられたゲート電極を有する、光検出装置。
(2)
前記本体部及び突起部は、前記ゲート電極のゲート幅方向に沿って並んでいる、上記(1)に記載の光検出装置。
(3)
前記本体部は、平面形状が方形状で構成され、
前記突起部は、平面視で前記本体部の2つの辺側にそれぞれ設けられ、
前記ゲート電極は、ゲート幅方向の一端側及び他端側が2つの前記突起部と重畳している、上記(1)又は(2)に記載の光検出装置。
(4)
前記本体部は、平面形状が方形状で構成され、
前記突起部は、平面視で前記本体部の延伸方向が異なる2つの辺側にそれぞれ設けられ、
前記ゲート電極は、ゲート幅方向の一端側及び他端側が2つの前記突起部と重畳している、上記(1)又は(2)に記載の光検出装置。
(5)
前記ゲート電極は、一端側と他端側との間に曲がり部を有する、上記(4)に記載の光検出装置。
(6)
前記ゲート電極は、前記半導体層の前記第1の面部の外側にゲート絶縁膜を介して設けられている、上記(1)から(5)の何れかに記載の光検出装置。
(7)
前記ゲート電極は、前記半導体層の前記第1の面部の外側にゲート絶縁膜を介して設けられ、かつ前記本体部及び前記突起部に亘って延伸する頭部と、前記頭部から前記半導体層の内部に突出し、かつゲート絶縁膜を介して前記半導体層と隣り合う脚部と、を有する、上記(1)から(5)の何れかに記載の光検出装置。
(8)
前記突起部は、前記半導体層の厚さ方向に沿って延伸している、上記(1)から(7)の何れかに記載の光検出装置。
(9)
前記本体部は、前記半導体層の前記第2の面部側での幅が前記第1の面部側での幅よりも幅広になっている、上記(1)から(7)の何れかに記載の光検出装置。
(10)
光検出装置と、
被写体からの像光を前記光検出装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記光検出装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路と、
を備え、
前記光検出装置は、
厚さ方向で互いに反対側に位置する第1の面部及び第2の面部を有する半導体層と、
前記半導体層の厚さ方向に延伸する分離領域で区画されて前記半導体層に設けられた光電変換領域と、
光電変換部で光電変換された信号電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタと、
を備え、
前記光電変換領域は、前記光電変換部及び前記電荷保持部が設けられた本体部と、平面視で前記本体部から前記分離領域側に突出する突起部と、を含み、
前記転送トランジスタは、前記光電変換領域の前記本体部及び前記突起部に亘って設けられたゲート電極を有する、電子機器。
【0153】
本技術の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本技術が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本技術の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0154】
1A,1B,1C 固体撮像装置
2 半導体チップ
2A 画素アレイ部
2B 周辺部
3 画素
4 垂直駆動回路
5 カラム信号処理回路
6 水平駆動回路
7 出力回路
8 制御回路
10 画素駆動線
11 垂直信号線
12 水平信号線
13 ロジック回路
14 ボンディングパッド
15 画素ブロック
16 画素回路
21 半導体層
22 光電変換領域
23 本体部
23a,23b,23c,23d 辺
24a,24b 突起部
25 p型のウエル領域
26 n型の半導体領域
27 光電変換部
31 分離領域
31x 第1部分
31y 第2部分
31xy 交差部
31z1 第1縦部分
31z2 第2縦部分
33 掘り込み部
33Z 掘り込み部形成領域
34 分離絶縁膜
42 ゲート絶縁膜
43 ゲート電極
43a 傾斜部分,43b 第1直線部分,43c 第2直線部分
45 掘り込み部
46 ゲート電極
47 頭部
47a 傾斜部分,47b 第1直線部分,47c 第2直線部分
48 脚部
51 平坦化膜
53 光学フィルタ
54 マイクロレンズ
100 電子機器
101 固体撮像装置
102 光学レンズ(光学系)
103 シャッタ装置
104 駆動回路
105 信号処理回路
AMP 増幅トランジスタ
FD n型の浮遊拡散領域
FDG 切替トランジスタ
RA n型の中継領域
RST リセットトランジスタ
SEL 選択トランジスタ
S1 第1の面部
S2 第2の面部
TR,TRV 転送トランジスタ
WC 給電用コンタクト領域