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特開2024-167541画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167541
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241127BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G15/08 322Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083689
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 大雅
【テーマコード(参考)】
2H077
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA12
2H077AA25
2H077AB03
2H077AB14
2H077AC02
2H077DA16
2H077DA34
2H077DA78
2H077GA04
2H270KA59
2H270LA71
2H270LA75
2H270LA87
2H270MD12
2H270NC07
2H270ND13
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたことを安価かつ自動的に検知する。
【解決手段】画像形成装置は、トナーを使用する現像器と、現像器にトナーを供給するトナーボトルを接続する接続部と、トナーボトルから排出されたトナーを貯留するための中間ホッパーと、画像形成装置を制御する制御部とを備える。制御部は、トナーボトルの回転数及び中間ホッパー内のトナー排出量に基づいて、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定し、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量の変化に基づいて、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを使用する現像器と、
前記現像器に前記トナーを供給するトナーボトルを接続する接続部と、
前記トナーボトルから排出された前記トナーを貯留するための中間ホッパーと、
画像形成装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記トナーボトルの回転数及び前記中間ホッパー内のトナー排出量に基づいて、前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定し、
前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量の変化に基づいて、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定する、画像形成装置。
【請求項2】
前記トナーボトルの回転を検知するための第1回転検知部をさらに含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記中間ホッパーは、前記現像器に前記トナーを供給可能に構成される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間ホッパーから前記現像器に前記トナーを搬送するためのスクリューと、
前記スクリューの回転を検知するための第2回転検知部とをさらに備える、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記スクリューの回転数から、前記中間ホッパー内のトナー排出量を推定し、
前記中間ホッパー内のトナー排出量を前記トナーボトルの回転数で除算することにより、前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置内のトナーボトルが前記新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定することは、前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量と予め決められた基準量とを比較することを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置内のトナーボトルが前記新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定することは、前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量が、前記予め決められた基準量未満から、前記予め決められた基準量以上に変化したことに基づいて、前記トナーボトルの交換が行われたと判定することを含む、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記接続部は、前記トナーボトルを回転可能に構成され、
前記トナーボトルは、
排出口を備え、
前記排出口が下向きになったことに基づいて前記トナーを排出する、請求項1~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記トナーボトルの前記排出口を上向きにして、前記トナーボトルの回転を停止させる、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記中間ホッパー内の前記トナーの減りを検知するためのトナー残量検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記中間ホッパー内のトナー残量を一定に保つために、前記トナーボトルを回転させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定するための前記スクリューの最低回転数を設定する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記スクリューを回転させるステッピングモーターをさらに備える、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記トナーボトルの交換に関する情報を他の装置に送信する通信部をさらに備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
画像形成装置の制御方法であって、
トナーボトルを回転させて、中間ホッパーにトナーを供給することと、
前記中間ホッパーから現像器にトナーを供給することと、
前記トナーボトルの回転数及び前記中間ホッパー内のトナー排出量に基づいて、前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定することと、
前記トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量の変化に基づいて、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定することとを含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関し、より特定的には、トナーボトルの交換検知機能に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーを用いて印刷を行う画像形成装置が広く利用されている。このような画像形成装置は、トナーボトルの交換を要する。メーカーは、ユーザーによる新品のトナーボトルの開封数を把握することで、トナーボトルの在庫の適正化及び迅速な供給を行い得る。しかしながら、従来、ユーザーが、画像形成装置内のトナーボトルを新品に交換したことをメーカーに通知する必要があった。これはユーザーにとって負担であり、ユーザーは、必ずしもトナーボトルの交換の有無をメーカーに通知するとは限らない。そのため、メーカーは、ユーザーによる新品のトナーボトルの開封数を正確に把握することができなかった。既存の検知技術(IC(Integrated Circuit)チップやバーコード)を使用することにより、トナーボトルの交換を自動検知することは可能である。しかし、これらの技術は製品のコストアップに繋がってしまう。そこで、安価かつ自動的にトナーボトルの交換を検知する技術が望まれている。
【0003】
トナーボトルの交換を検知する技術に関し、例えば、特開2016-031518号公報(特許文献1)は、「トナーで現像を行う現像部、補給用の磁性のトナーを収容するトナー収容体、トナー収容体のトナーを現像部に搬送する補給搬送部、補給搬送部のトナーの量に応じた値を出力するトナーセンサー、トナーセンサーの出力値に基づき新品のトナー収容体に交換されたか否かを判断する判断部と、を含む。新品のトナー収容体は、第1トナーと、第1トナーとは磁性特性が異なる第2トナーが充填され、第2トナーよりも先に第1トナーが補給搬送部に供給する。判断部は、トナーセンサーの出力値が第1トナーに対応する第1トナー出力値帯外の状態から第1トナー出力値帯になったとき、新品のトナー収容体に交換されたと判断する」画像形成装置を開示している([要約]参照)。
【0004】
また、トナーボトルの交換検知に関する他の技術が、例えば、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-031518号公報
【特許文献2】特開2001-159842号公報
【特許文献3】特開2012-032736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によると、トナーの磁性特性を読み取るためのセンサーを必要とし、画像形成装置のコストアップに繋がる可能性がある。したがって、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたことをより安価かつ自動的に検知するための技術が必要とされている。
【0007】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたことをより安価かつ自動的に検知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従うと、画像形成装置が提供される。画像形成装置は、トナーを使用する現像器と、現像器にトナーを供給するトナーボトルを接続する接続部と、トナーボトルから排出されたトナーを貯留するための中間ホッパーと、画像形成装置を制御する制御部とを備える。制御部は、トナーボトルの回転数及び中間ホッパー内のトナー排出量に基づいて、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定し、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量の変化に基づいて、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定する。
【0009】
ある局面において、画像形成装置は、トナーボトルの回転を検知するための第1回転検知部をさらに含む。
【0010】
ある局面において、中間ホッパーは、現像器にトナーを供給可能に構成される。
【0011】
ある局面において、画像形成装置は、中間ホッパーから現像器にトナーを搬送するためのスクリューと、スクリューの回転を検知するための第2回転検知部とをさらに備える。
【0012】
ある局面において、制御部は、スクリューの回転数から、中間ホッパー内のトナー排出量を推定し、中間ホッパー内のトナー排出量をトナーボトルの回転数で除算することにより、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定する。
【0013】
ある局面において、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定することは、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量と予め決められた基準量とを比較することを含む。
【0014】
ある局面において、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定することは、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量が、予め決められた基準量未満から、予め決められた基準量以上に変化したことに基づいて、トナーボトルの交換が行われたと判定することを含む。
【0015】
ある局面において、接続部は、トナーボトルを回転可能に構成される。トナーボトルは、排出口を備え、排出口が下向きになったことに基づいてトナーを排出する。
【0016】
ある局面において、制御部は、トナーボトルの排出口を上向きにして、トナーボトルの回転を停止させる。
【0017】
ある局面において、画像形成装置は、中間ホッパー内のトナーの減りを検知するためのトナー残量検知部をさらに備える。制御部は、中間ホッパー内のトナー残量を一定に保つために、トナーボトルを回転させる。
【0018】
ある局面において、制御部は、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定するためのスクリューの最低回転数を設定する。
【0019】
ある局面において、画像形成装置は、スクリューを回転させるステッピングモーターをさらに備える。
【0020】
ある局面において、画像形成装置は、トナーボトルの交換に関する情報を他の装置に送信する通信部をさらに備える。
【0021】
他の実施の形態に従うと、画像形成装置の制御方法が提供される。制御方法は、トナーボトルを回転させて、中間ホッパーにトナーを供給することと、中間ホッパーから現像器にトナーを供給することと、トナーボトルの回転数及び中間ホッパー内のトナー排出量に基づいて、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量を推定することと、トナーボトルの1回転あたりのトナー排出量の変化に基づいて、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたか否かを判定することとを含む。
【発明の効果】
【0022】
ある実施の形態に従うと、画像形成装置内のトナーボトルが新品のトナーボトルに交換されたことを検知することが可能である。
【0023】
この開示内容の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施の形態に従う画像形成システム10の外観の一例を示す図である。
図2】本実施の形態に従う画像形成装置100の内部の一例を示す図である。
図3】本実施の形態に従う画像形成装置100におけるトナーボトル210から現像器314までの構成の一例を示す図である。
図4】本実施の形態に従うトナーボトル210の外観の一例を示す図である。
図5】トナーボトル210内のトナー残量と、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量との関係の一例を示す図である。
図6】トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を算出する処理手順の一例を示す図である。
図7】トナーボトル210が交換されたか否かを判定する処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、各実施の形態及び各変形例等は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0026】
<A.システム及び装置の構成>
図1は、本実施の形態に従う画像形成システム10の外観の一例を示す図である。画像形成システム10は、複数の装置を組み合わせたものである。一例として、画像形成システム10は、画像形成装置100と、給紙装置110と、その他装置120と、操作ユニット130とを備える。
【0027】
給紙装置110は、媒体を格納するための1つ以上のラックを備える。給紙装置110は、画像形成システム10が印刷命令を受け付けたことに基づいて、ラック内の媒体を画像形成装置100に搬送する。ある局面において、給紙装置110は、媒体のロールを格納してもよい。この場合、給紙装置110は、ロールを回転させることで、媒体を画像形成装置100に搬送する。
【0028】
画像形成装置100は、給紙装置110から搬送されてくる媒体に画像を印刷する。また、画像形成装置100は、画像を印刷された媒体を下流のその他装置120に搬送する。ある局面において、画像形成装置100は、操作ユニット130から印刷命令を入力されたことに基づいて、印刷処理を実行してもよい。他の局面において、画像形成装置100は、ネットワークを介して印刷命令を受信したことに基づいて、印刷処理を実行してもよい。
【0029】
また、画像形成装置100は、1つ以上のトナーボトルを格納可能に構成される。さらに、画像形成装置100は、画像形成ユニット、搬送ユニット及び定着ユニット等のトナー画像を印刷するための任意の構成を備える。画像形成装置100内のトナーボトルが空になった場合、又は、トナーボトル内の残りトナーが少なくなったとする。この場合、ユーザーは、画像形成装置100内のトナーボトルを新品のトナーボトルに交換する必要がある。ユーザーは、交換用のトナーボトルをある程度備蓄することが望ましい。また、画像形成装置100のメーカーは、ユーザーのトナーボトルの使用数(交換数)を把握することが望ましい。メーカーは、ユーザーのトナーボトルの使用数(交換数)を把握することで、適切な数のトナーボトルを在庫し得る。また、メーカーは、ユーザーのトナーボトルの使用数(交換数)を把握することで、適切なタイミングでユーザーにトナーボトルを配送し得る。
【0030】
その他装置120は、印刷後の任意の工程のための装置を含む。一例として、その他装置120は、排紙装置、ステープラー装置及び製本装置等を包含する。また、画像形成システム10は、任意の数のその他装置120を接続可能に構成される。
【0031】
操作ユニット130は、ユーザーからの操作入力を受け付け、当該操作入力を画像形成装置100に出力可能に構成される。また、操作ユニット130は、画像形成装置100から取得した情報を表示可能に構成される。操作ユニット130は、一例として、ディスプレイ、タッチパネル、ボタン及びこれらの組み合わせ等の任意のインターフェイスを備える。また、操作ユニット130は、画像形成システム10の任意の位置に取り付けられてもよい。
【0032】
ある局面において、画像形成システム10は、1つの装置として構成されてもよい。この場合、画像形成システム10は、画像形成装置であるとも言える。他の局面において、画像形成システム10は、図1に示された各装置以外の任意の構成を含んでもよい。さらに、他の局面において、画像形成システム10は、図1に示される構成の一部を含まなくてもよい。
【0033】
図2は、本実施の形態に従う画像形成装置100の内部の一例を示す図である。画像形成装置100は、1つ以上のトナーボトル210を接続可能な接続部200を備える。接続部200は、各々のトナーボトル210を回転可能に構成される。トナーボトル210は、通常色のトナー又は特色と呼ばれる色のトナーを内部に含む。各トナーボトル210内のトナーは、後述される中間ホッパー308(図3参照)を介して、現像器314(図3参照)に搬送される。画像形成装置100は、現像器314に搬送されたトナーを用いて、印刷処理を実行する。
【0034】
図3は、本実施の形態に従う画像形成装置100におけるトナーボトル210から現像器314までの構成の一例を示す図である。図3に示される各構成は、トナーボトル210内のトナーの搬送に関係する。
【0035】
一例として、画像形成装置100は、制御部300と、第1回転検知部304と、トナー搬送ユニット306と、中間ホッパー308と、トナー残量検知部310と、スクリュー312と、第2回転検知部316と、ステッピングモーター318と、現像器314と、通信部319とを備える。
【0036】
制御部300は、画像形成装置100全体を制御する。また、制御部300は、トナーボトル210内のトナーの排出動作の制御を実行する。また、制御部300は、現像器314内のトナーを使用した印刷処理を制御する。さらに、制御部300は、トナーボトル210が交換されたか否かの判定処理を行う。制御部300は、トナーボトル210が交換されたと判定した場合、通信部319にトナーボトル210の交換に関する情報を出力する。トナーボトル210の交換に関する情報は、一例として、トナーボトル210の交換数を示す情報又はトナーボトル210の交換の有無を示す情報である。なお、本明細書において、「トナーボトル210の交換」は、「画像形成装置100内のトナーボトル210を新品のトナーボトルに交換すること」と読み替えてもよい。この場合、例えば、トナーボトル210の交換を検知することは、新品のトナーボトル210の開封を検知することであるとも言える。また、トナーボトル210の交換数は、新品のトナーボトル210の開封数であるとも言える。
【0037】
ある局面において、制御部300は、1つ以上のプロセッサと、メモリーとを含み得る。また、制御部300は、さらにストレージを含み得る。制御部300は、プログラムを実行することにより、トナーボトル210の交換判定等の画像形成装置100の各種機能を実現し得る。
【0038】
プロセッサは、例えば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。ある実施の形態に従うと、集積回路は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのAI(Artificial Intelligence)チップ、又は、これらの組み合わせ等を含んでいてもよい。
【0039】
メモリーは、プロセッサによって実行されるプログラムと、プロセッサによって参照されるデータとを格納する。ある局面において、メモリーは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)等によって実現され得る。
【0040】
ストレージは、不揮発性メモリーであり、プロセッサによって実行されるプログラムおよびプロセッサによって参照されるデータを格納している。その場合、プロセッサは、ストレージからメモリーに読み出されたプログラムを実行し、ストレージからメモリーに読み出されたデータを参照する。ある局面において、ストレージは、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリー等によって実現され得る。
【0041】
通信部319は、他の装置と通信する。通信部319は、制御部300から取得したトナーボトル210の交換に関する情報を他の装置に送信し得る。一例として、通信部319は、トナーボトル210の交換数を示す情報を他の装置に送信してもよい。他の例として、通信部319は、トナーボトル210が交換されたことを示す情報を他の装置に送信してもよい。また、通信部319は、他の装置から印刷命令を受信し得る。通信部319は、受信した印刷命令を制御部300に出力する。制御部300は、印刷命令に基づいて、印刷処理を実行する。ある局面において、通信部319は、トナーボトル210の交換に関する情報をメーカーのサーバーに送信してもよい。
【0042】
通信部319は、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して他の機器と接続される。ある局面において、通信部319は、有線LAN(Local Area Network)ポートおよびWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)モジュール等によって実現され得る。他の局面において、通信部319は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルを用いてデータを送受信し得る。
【0043】
第1回転検知部304は、トナーボトル210の回転を検知する。トナーボトル210は、接続部200に設けられたカップリング(図示せず)により回転する。トナーボトル210の側面には、排出口302が設けられる。トナーボトル210が回転して排出口302が下を向くことで、トナーボトル210内のトナーは外部に排出される。第1回転検知部304は、部品331及びフォトセンサー332から構成されてもよい。一例として、トナーボトル210には、スクリュー溝330が設けられてもよい。この場合、部品331の一端がスクリュー溝330に沈み込んだ場合に、部品331の他端が持ち上がり、フォトセンサーの光を遮る。これにより、第1回転検知部304が出力する信号は変化する。例えば、トナーボトル210が1回転するごとに、第1回転検知部304が出力する信号は1回変化する。制御部300は、第1回転検知部304が出力する信号の変化を検知することで、トナーボトル210が1回転したことを検知し得る。また、第1回転検知部304が出力する信号の変化をカウントすることで、トナーボトル210の回転数をカウントし得る。
【0044】
なお、図3に示される第1回転検知部304及びトナーボトル210の構成は一例にすぎない。第1回転検知部304及びトナーボトル210は、トナーボトル210が1回転したことを検知するための任意の構成を含み得る。ある局面において、トナーボトル210の表面には、スクリュー溝330の代わりにマークが設けられてもよい。この場合、第1回転検知部304は、マークを検知するためのカラーセンサー又はフォトセンサーを含み得る。また、第1回転検知部304は、マークを検知するためのカメラを備えてもよい。他の局面において、トナーボトル210の表面には、トナーボトル210の回転開始位置等を示す任意のマーク又は物体が取り付けられてもよい。併せて、第1回転検知部304は、トナーボトル210の回転開始位置等を示す任意のマーク又は物体を検知するための任意のセンサーを備えてもよい。
【0045】
トナー搬送ユニット306は、内部にスクリューを備える。トナー搬送ユニット306は、スクリューを回転させることで、トナーボトル210から排出されたトナーを中間ホッパー308に搬送する。ある局面において、スクリューは、ステッピングモーター(図示せず)等によって回転する。
【0046】
中間ホッパー308は、トナーを一時的に貯留する。また、中間ホッパー308は、現像器314にトナーを供給可能に構成される。中間ホッパー内のトナーは、スクリュー312によって、排出口から現像器314に排出される。ステッピングモーター318は、スクリュー312を回転させる。現像器314は、中間ホッパー308から供給されたトナーを用いて、現像処理を実行する。
【0047】
第2回転検知部316は、スクリュー312の回転を検知する。ある局面において。第2回転検知部316は、エンコーダ等のセンサーであってもよい。制御部300は、第2回転検知部316が出力する信号を取得する。制御部300は、当該信号から、スクリュー312の回転を検知し得る。また、制御部300は、当該信号から、スクリュー312の回転数を算出し得る。スクリュー312の一回転毎におおよそ一定量のトナーが現像器314に送られる。そのため、制御部300は、スクリュー312の回転数から、中間ホッパー308内のトナー排出量を推定(算出)し得る。
【0048】
トナー残量検知部310は、中間ホッパー308内に設けられる。トナー残量検知部310は、中間ホッパー308内のトナーの減りを検知する。より具体的には、制御部300は、トナー残量検知部310の出力する信号を取得し、当該信号から中間ホッパー308内のトナーの減りを検知する。ある局面において、トナー残量検知部310は、ピエゾ素子であってもよいし、他の任意のセンサーであってもよい。一例として、トナー残量検知部310が出力する信号は、トナー濃度、トナーの量又はトナーの有無を示す信号である。
【0049】
制御部300は、中間ホッパー308内のトナー量を一定に保つように、トナーボトル210及びトナー搬送ユニット306を駆動させる。すなわち、スクリュー312が回転して中間ホッパー308内のトナーが減少すると、トナーボトル210から中間ホッパー308に新たにトナーが供給される。すなわち、制御部300は、中間ホッパー308内のトナー残量を一定に保つために、トナーボトル210を回転させる。
【0050】
図3に示される構成から、制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を推定し得る。制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量の変化に基づいて、トナーボトル210の交換が行われたか否かを判定し得る。判定方法の詳細については、図5を参照して後述する。ここでは、図3に示される構成から、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を推定する手順について説明する。
【0051】
まず、制御部300は、第1回転検知部304により、トナーボトル210の回転数を取得する。また、制御部300は、第2回転検知部316により、スクリュー312の回転数を取得する。次に、制御部300は、スクリュー312の回転数に予め決められた定数を乗算することで、中間ホッパー308から排出されるトナー量を推定する。予め決められた定数は、スクリュー312の回転数あたりのトナー排出量である。
【0052】
前述の通り、中間ホッパー308内のトナー量は一定に保たれる。すなわち、中間ホッパー308から排出されるトナー量と、トナーボトル210から中間ホッパー308に供給されるトナー量は一致する。制御部300は、中間ホッパー308から排出されるトナー量をトナーボトル210の回転数で除算し、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を算出し得る。制御部300は、これらの処理を定期的に行うことで、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量の変動を検知し得る。すなわち、制御部300は、スクリュー312の回転数から、中間ホッパー308内のトナー排出量を推定する。次に、制御部300は、中間ホッパー308内のトナー排出量をトナーボトル210の回転数で除算することにより、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を推定する。
【0053】
実際には、制御部300は、ある程度まとまったトナー排出量を観測するごとに、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を算出し得る。例えば、制御部300は、スクリュー312が一定回数以上回転するごとに、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を算出し得る。
【0054】
図4は、本実施の形態に従うトナーボトル210の外観の一例を示す図である。トナーボトル210は、排出口302を側面に備える。また、トナーボトル210は、スクリュー溝330を備える。トナーボトル210内のトナーは、トナーボトル210が回転すると、スクリュー溝330により排出口302のほうに移動する。前述のように、接続部200は、トナーボトル210を回転可能に構成される。トナーボトル210は、排出口302を備えており、排出口302が下向きになったことに基づいてトナーを排出する。
【0055】
トナーボトル210には、通常色のトナー以外にも特色と呼ばれる特殊な色のトナーが入ることがある。特色のトナーは、通常色のトナーよりも流動性が高いことがある。そのため、排出口302が下向きの状態でトナーボトル210の回転が停止すると、特色のトナーが排出口302から不必要に排出される可能性がある。そこで、制御部300は、トナーボトル210を回転させない場合、トナーボトル210の排出口302を上向きにして、トナーボトル210の回転を停止させる。一例として、トナーボトル210のスクリュー溝330と排出口302との位置関係が常に一定であるとする。この場合、制御部300は、第1回転検知部304がスクリュー溝330を検知した後にトナーボトル210を一定量回転させてから停止させる。こうすることで、制御部300は、トナーボトル210の排出口302を常に上向きにして、トナーボトル210の回転を停止させ得る。
【0056】
<B.トナー交換を検知する仕組み>
図5は、トナーボトル210内のトナー残量と、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量との関係の一例を示す図である。図5を参照して、画像形成装置100(画像形成システム10)が、トナーボトル210の交換を検知する仕組みについて説明する。画像形成装置100は、当該仕組みにより、画像形成装置100内のトナーボトル210が新品のトナーボトル210に交換されたことを検知し得る。なお、画像形成装置100は、筐体のカバーの開閉センサー及び/又は接続部200に設けられたセンサー等によって、トナーボトル210の接続部200への着脱を検出し得る。
【0057】
縦軸は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を示す。縦軸は、縦軸方向(図の上方向)に行くほどトナー排出量が多いことを示す。
【0058】
横軸は、トナーボトル210内のトナー残量を示す。より具体的には、横軸は、トナーボトル210内のトナー残量の変化を示す。横軸は、横軸方向(図の右方向)に行くほどトナー残量が減っていることを示す。すなわち、横軸及び縦軸の交点(横軸の始まり)は、トナーボトル210が新品であり、トナーボトル210内のトナー量が最大となるタイミングを示す。
【0059】
棒グラフ530は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量の変化を時系列に示す。棒グラフ530は、時系列に並んだ複数の棒グラフを含む。棒グラフ530A,530B,530Cは、ある時点におけるトナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を示す。一例として、棒グラフ530Aは、トナーボトル210の交換直後におけるトナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を示す。すなわち、棒グラフ530Aは、新品又はそれに近いトナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を示す。棒グラフ530Bは、トナーボトル210が交換されてから一定量のトナーが消費された時点におけるトナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を示す。棒グラフ530Cは、棒グラフ530Bの時点からさらに一定量のトナーが消費された時点におけるトナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を示す。
【0060】
グラフ510は、棒グラフ530の推移を曲線で示す。グラフ510から分かるように、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量は、交換直後からしばらく増加し、その後減少に転じる。このようにトナー排出量が変化する現象は、トナーボトル210内のトナーの体積によって生じる。
【0061】
より具体的には、トナーボトル210内のトナー残量が満充填に近い場合、トナーボトル210内のトナーの流動性は悪化する。そのため、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量は少なくなる。トナーボトル210内のトナー残量がある程度減少すると、トナーボトル210内のトナーの流動性は向上する。そのため、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量は多くなる。トナーボトル210内のトナー残量がさらに度減少すると、排出可能なトナー量が減るため、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量は徐々に減少する。
【0062】
画像形成装置100は、グラフ510のようにトナー排出量が変化する現象を利用して、トナーボトル210の交換の有無を判定する。まず、画像形成装置100(制御部300)は、制御部300内のメモリーに、予め決められた基準量520(以下、「基準量520」と呼ぶ)を保存する。そして、画像形成装置100(制御部300)は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量と、基準量520とを比較する。
【0063】
グラフ510及び基準量520を参照すると、次のことが分かる。トナーボトル210の交換直後、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量(棒グラフ530A)は、基準量520を下回る。トナーがある程度消費されると、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量(棒グラフ530B)は、基準量520を上回る。その後、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量(棒グラフ530C)は、基準量520を再度下回る。すなわち、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量は、トナーボトル210の全使用期間において、基準量520未満から基準量520以上に一度だけ変化する。
【0064】
これらのことから、制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量が、基準量520未満から基準量520以上に変化したか否かを監視する。制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量が、基準量520未満から基準量520以上に変化した場合、トナーボトル210の交換がされたと判定し得る。すなわち、トナーボトル210の交換が行われたか否かを判定することは、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量と予め決められた基準量520とを比較することを含む。また、トナーボトル210の交換が行われたか否かを判定することは、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量が、予め決められた基準量520未満から、予め決められた基準量520以上に変化したことに基づいて、トナーボトル210の交換が行われたと判定することを含む。
【0065】
ある局面において、制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量が、基準量520以上から基準量520未満に変化した場合、トナーボトル210の交換がされたと判定してもよい。なぜならば、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量は、トナーボトル210の全使用期間において、基準量520以上から基準量520未満に一度だけ変化するためである。
【0066】
上記のように、画像形成装置100は、少なくとも、トナーを使用する現像器314と、現像器314にトナーを供給するトナーボトル210を接続する接続部200と、トナーボトル210から排出されたトナーを貯留するための中間ホッパー308と、画像形成装置100を制御する制御部300とを備える。制御部300は、トナーボトル210の回転数及び中間ホッパー308内のトナー排出量に基づいて、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を推定する。さらに、制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量の変化に基づいて、画像形成装置100内のトナーボトル210が新品のトナーボトル210に交換されたか否かを判定する。
【0067】
すなわち、画像形成装置100は、トナー排出量の変化(推移)に基づいて、交換されたトナーボトル210が新品であるか否かを判定し得る。一例として、トナーボトル210の交換後に、トナーボトル210からのトナー排出量が一旦増加しその後に減少したとする。この場合、画像形成装置100は、画像形成装置100内のトナーボトル210が新品のトナーボトル210に交換されたと判定する。他の例として、トナーボトル210の交換後に、トナーボトル210からのトナー排出量が常に減少したとする。この場合、画像形成装置100は、画像形成装置100内のトナーボトル210が使いかけのトナーボトル210に交換されたことを検出し得る。このような処理により、画像形成装置100は、ユーザーによる新品のトナーボトル210の開封数を正確に検出し得る。また、画像形成装置100は、新品のトナーボトル210の開封数に関する情報をメーカーに送信し得る。これにより、画像形成装置100のメーカーは、トナーボトル210の在庫管理を適切に行い得る。
【0068】
ある局面において、制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を推定するためのスクリュー312の最低回転数を設定してもよい。例えば、最低回転数が10回であるとする。この場合、スクリュー312が10回転したことに基づいて、制御部300は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を推定する。スクリュー312が1回転毎に送り出すトナー量は、常に一定であるとは限らない。そこで、スクリュー312が1回転毎に送り出すトナー量の誤差を吸収するために、制御部300は、最低回転数を設定し得る。最低回転数が10回であれば、スクリュー312が1回転毎に送り出すトナー量は、10回分の平均値となる。
【0069】
上記の判定方法は、既存の画像形成装置に備わるセンサー又は安価なセンサーにより実現可能である。そのため、画像形成装置100(制御部300)は、トナーボトル210の交換の有無を判定するために、特別なIC及びセンサーを必要としない。
【0070】
<C.フローチャート>
次に、図6及び図7を参照して、画像形成装置100(画像形成システム10)の内部処理の手順について説明する。ある局面において、制御部300は、図6及び図7の処理を行うためのプログラムをストレージからメモリーに読み込んで、プロセッサにより当該プログラムを実行してもよい。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
【0071】
図6は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を算出する処理手順の一例を示す図である。画像形成装置100は、図6の処理を定期的に実行することで、現在のトナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を更新し得る。
【0072】
ステップS610において、画像形成装置100は、中間ホッパー308内にトナーが有るか否かを判定する。中間ホッパー308内にトナーが有るとは、中間ホッパー308内に予め決められた量が存在することを意味する。中間ホッパー308内のトナー量が予め決められた量未満である場合、画像形成装置100は、中間ホッパー308内にトナーがないと判定する。一例として、画像形成装置100は、トナー残量検知部310により、中間ホッパー308内に予め決められた量が存在するか否かを検知し得る。画像形成装置100は、中間ホッパー308内にトナーが有ると判定した場合(ステップS610にてYES)、制御をステップS630に移す。そうで無い場合(ステップS610にてNO)、画像形成装置100は、制御をステップS620に移す。
【0073】
ステップS620において、画像形成装置100は、中間ホッパー308にトナーを補給する。より具体的には、画像形成装置100は、トナーボトル210を回転させて、トナーボトル210から中間ホッパー308にトナーを供給する。
【0074】
ステップS630において、画像形成装置100は、トナー排出量のカウント及びトナーボトル210の回転数のカウントを開始する。ここでのトナー排出量は、中間ホッパー308から排出されたトナーの量であり、スクリュー312の回転数から算出される。
【0075】
ステップS640において、画像形成装置100は、トナー排出量が予め決められた量以上か否かを判定する。すなわち、画像形成装置100は、中間ホッパー308内から予め決められた量以上のトナーが排出されたか否かを判定する。一例として、画像形成装置100は、スクリュー312が一定回数以上回転したことに基づいて、トナー排出量が予め決められた量以上になったと判定し得る。画像形成装置100は、トナー排出量が予め決められた量以上であると判定した場合(ステップS640にてYES)、制御をステップS650に移す。そうで無い場合(ステップS640にてNO)、画像形成装置100は、ステップS640の処理を再度実行する。
【0076】
ステップS650において、画像形成装置100は、中間ホッパー308内にトナーが有るか否かを判定する。中間ホッパー308内にトナーが有るとは、中間ホッパー308内に予め決められた量が存在することを意味する。中間ホッパー308内にトナーが有る状態は、中間ホッパー308の排出トナー量と、トナーボトル210から中間ホッパー308への供給トナー量とが等しい状態である。画像形成装置100は、中間ホッパー308内にトナーが有ると判定した場合(ステップS650にてYES)、制御をステップS660に移す。そうで無い場合(ステップS650にてNO)、画像形成装置100は、ステップS650の処理を再度実行する。
【0077】
ステップS660において、画像形成装置100は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を更新する。このように、画像形成装置100は、中間ホッパー308から一定以上のトナーが排出されて、さらに、中間ホッパー308に排出分のトナーが補充されたことを確認する。その上で、画像形成装置100は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量を更新する。
【0078】
図7は、トナーボトル210が交換されたか否かを判定する処理手順の一例を示す図である。画像形成装置100は、図7の処理を図6の処理とは独立して実行し得る。すなわち、画像形成装置100は、図7の処理の実行中に図6の処理を実行してもよい。また、画像形成装置100は、図7の処理の実行中に図6の処理を実行しなくてもよい。
【0079】
ステップS710において、画像形成装置100は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量が予め決められた基準量520以上か否かを判定する。より具体的には、画像形成装置100は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量が、基準量520未満から基準量520以上に変化したか否かを判定する。画像形成装置100は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量が予め決められた基準量520以上であると判定した場合(ステップS710にてYES)、制御をステップS720に移す。そうで無い場合(ステップS710にてNO)、画像形成装置100は、ステップS710の処理を繰り返し実行する。
【0080】
ステップS720において、画像形成装置100は、トナーボトル210の交換指示を出力する。ある局面において、画像形成装置100は、操作ユニット130にトナーボトル210の交換指示を表示してもよい。また、他の局面において、画像形成装置100は、他の装置にトナーボトル210の交換指示を送信してもよい。さらに、他の局面において、画像形成装置100は、操作ユニット130及び他の装置の両方にトナーボトル210の交換指示を出力してもよい。
【0081】
ステップS730において、画像形成装置100は、トナーボトル210の交換を検出したか否かを判定する。ある局面において、画像形成装置100は、交換指示の出力後に、画像形成装置100の筐体が開けられたことに基づいて、トナーボトル210の交換がされたと判定してもよい。画像形成装置100は、筐体のカバーの開閉センサー等により筐体の開閉を検知し得る。他の局面において、画像形成装置100は、交換指示の出力後に、操作ユニット130上でトナーボトル210の交換完了の入力を受け付けたことに基づいて、トナーボトル210の交換がされたと判定してもよい。他の局面において、画像形成装置100は、ステップS730の処理を実行しなくてもよい。この場合、画像形成装置100は、ステップS710,S720の実行後に、ステップS740の処理を実行し得る。
【0082】
ステップS740において、画像形成装置100は、トナーボトル210の交換回数を1増やす。より具体的には、画像形成装置100は、メモリー又はストレージに記憶しているトナーボトル210の交換回数をカウントアップする。ある局面において、画像形成装置100は、トナーボトル210の交換を検知したことに基づいて、トナーボトル210の交換数を示す情報を他の装置に送信してもよい。他の局面において、画像形成装置100は、トナーボトル210の交換を検知したことに基づいて、トナーボトル210の交換の有無を示す情報を他の装置に送信してもよい。
【0083】
以上説明した通り、本実施の形態に従う画像形成システム10(画像形成装置100)は、トナーボトル210の1回転あたりのトナー排出量に基づいて、トナーボトル210が交換されたことを検知する。これにより、画像形成装置100は、特別なIC又はセンサー等の高価な部品を用いることなく、トナーボトル210が交換されたことを検知し得る。さらに、画像形成装置100は、トナーボトル210の交換に関する情報をメーカー等に通知し得る。メーカーは、通知情報を参照することで、ユーザーのトナーボトル210の使用状況に応じて、適正数のトナーボトル210を在庫し得る。さらに、メーカーは、適切なタイミングでユーザーにトナーボトル210を配送し得る。
【0084】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された開示内容は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0085】
10 画像形成システム、100 画像形成装置、110 給紙装置、120 装置、130 操作ユニット、200 接続部、210 トナーボトル、300 制御部、302 排出口、304 第1回転検知部、306 トナー搬送ユニット、308 中間ホッパー、310 トナー残量検知部、312 スクリュー、314 現像器、316 第2回転検知部、318 ステッピングモーター、319 通信部、330 スクリュー溝、331 部品、332 フォトセンサー、510 グラフ、520 基準量。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7