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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167557
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20241127BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/80 F
H01L21/265 601J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083719
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】田島 純平
(72)【発明者】
【氏名】黄 博勤
(72)【発明者】
【氏名】新留 彩
(72)【発明者】
【氏名】梶原 瑛祐
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 年輝
(72)【発明者】
【氏名】蔵口 雅彦
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102FA01
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD10
5F102GJ03
5F102GK04
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR04
5F102GR07
5F102GR12
5F102GV06
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC07
(57)【要約】
【課題】特性を向上できる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体装置は、第1~第3電極、第1、第2半導体領域を含む。第1半導体領域は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。第2半導体領域は、Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む。第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含む。第2半導体部分は、第1領域及び第2領域を含む。第1領域の第2方向における位置は、第2領域の第2方向における位置と、第2電極の第2方向における位置と、の間にある。第1領域におけるフッ素の濃度は第2領域におけるフッ素の濃度よりも高い。または、第1領域はフッ素を含み第2領域はフッ素を含まない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる第1電極と、
前記第1方向に延びる第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への第2方向は、前記第1方向に対して垂直である、前記第2電極と、
前記第1方向に延びる第3電極であって、前記第3電極の前記第2方向における位置は、前記第1電極の前記第2方向における位置と、前記第2電極の前記第2方向における位置と、の間にある、前記第3電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域及び第5部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差し、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は前記第3方向に沿い、前記第3部分領域から前記第3電極への方向は前記第3方向に沿い、前記第4部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における位置と、前記第3部分領域の前記第2方向における位置と、の間にあり、前記第5部分領域の前記第2方向における位置は、前記第3部分領域の前記第2方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における位置と、の間にある、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は前記第3方向に沿い、前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は前記第3方向に沿い、前記第2半導体部分は、第1領域及び第2領域を含み、前記第1領域の前記第2方向における位置は、前記第2領域の前記第2方向における前記位置と、前記第2電極の前記第2方向における前記位置と、の間にあり、前記第1領域におけるフッ素の濃度は前記第2領域におけるフッ素の濃度よりも高い、または、前記第1領域はフッ素を含み前記第2領域はフッ素を含まない、前記第2半導体領域と、
を備えた半導体装置。
【請求項2】
前記第2電極は、第1電極部分及び第2電極部分を含み、
前記第1領域から前記第1電極部分の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1領域の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記第1半導体領域と前記第2電極部分との間にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2領域と前記第1領域との間の境界の前記第2方向における位置は、前記第3電極の前記第2方向における前記位置と、前記第2電極部分の前記第2方向における位置と、の間にある、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1領域の少なくとも一部は、前記第3方向において前記第2電極部分と重ならない、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1領域の一部は、前記第3方向において前記第2部分領域と前記第1電極部分との間にある、請求項2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2半導体部分は、第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第3方向において前記第2部分領域と前記第1電極部分との間にあり、
前記第3領域におけるフッ素の濃度は、前記第1領域におけるフッ素の前記濃度よりも低い、または、前記第3領域はフッ素を含まない、請求項2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2部分領域は、前記第1電極部分と接し、
前記第2半導体部分から前記第1電極部分の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う、請求項2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2半導体部分は、第4領域をさらに含み、
前記第4領域は、前記第3方向において前記第1半導体領域と前記第1領域との間にあり、
前記第4領域におけるフッ素の濃度は、前記第1領域におけるフッ素の前記濃度よりも低い、または、前記第4領域はフッ素を含まない、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
第1絶縁部材をさらに備え、
前記第1絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1領域と前記第2電極部分との間にある、請求項2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1絶縁部材の一部は、前記第1領域と前記第2電極部分との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第3方向において前記第2電極と重ならず、
前記第1絶縁部材の前記一部の前記第3方向に沿う厚さは、前記第1絶縁部材の前記別の一部の前記第3方向に沿う厚さよりも薄い、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2電極に電気的に接続された第2電極導電部材と、
第1絶縁部材と、
第2絶縁部材と、
をさらに備え、
前記第1絶縁部材の少なくとも一部は、前記第2半導体部分と前記第2電極部分との間にあり、
前記第2絶縁部材の少なくとも一部は、前記第2電極部分と前記第2電極導電部材との間にあり、
前記第1絶縁部材は、シリコン及び窒素を含み、
前記第2絶縁部材は、シリコン及び酸素を含み、
前記第2絶縁部材における窒素の濃度は前記第1絶縁部材における窒素の濃度よりも低い、または、前記第2絶縁部材は窒素を含まない、請求項2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
第1絶縁部材をさらに備え、
前記第1絶縁部材は、第1絶縁部及び第2絶縁部を含み、
前記第1絶縁部の少なくとも一部は、前記第3方向において前記第2半導体部分と前記第2絶縁部との間にあり、
前記第1絶縁部は、前記第3方向において前記第2電極部分と重ならず、
前記第2絶縁部の一部は、前記第3方向において前記第1領域と前記第2電極部分との間にあり、
前記第2絶縁部の前記一部は、前記第2方向において前記第1絶縁部と前記第1電極部分との間にある、請求項2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2絶縁部の前記一部におけるフッ素の濃度は、前記第1絶縁部におけるフッ素の濃度よりも高い、または、
前記第2絶縁部の前記一部はフッ素を含み、前記第1絶縁部はフッ素を含まない、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1絶縁部の一部は、前記第3方向において前記第2半導体領域と前記第3電極との間にある、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第2電極は、窒化物領域と、導電領域と、を含み、
前記窒化物領域の一部は、前記第2部分領域と前記導電領域との間にあり、
前記窒化物領域の別の一部は、前記第2絶縁部の前記一部と、前記第2電極部分と、の間にあり、
前記窒化物領域は、ガリウム及び窒素を含む、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第2電極は、窒化物領域と、導電領域と、を含み、
前記窒化物領域は、前記第2部分領域と前記導電領域との間にあり、
前記窒化物領域は、ガリウム及び窒素を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1領域におけるフッ素の濃度は、1×1016cm-3以上1×1018cm-3以下である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第3電極の少なくとも一部は、前記第2方向において前記第1半導体部分と前記第2半導体部分との間にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項19】
構造体を準備し、前記構造体は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域と、Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む第2半導体領域と、第1絶縁膜と、を含み、前記第2半導体領域は第1領域及び第2領域を含み、前記第2領域は、前記第1半導体領域10と前記第1絶縁膜との間にあり、前記第1領域は前記第1絶縁膜に覆われず、
第1領域にフッ素を導入し、前記第1領域におけるフッ素の濃度は前記第2領域におけるフッ素の濃度よりも高い、または、前記第1領域はフッ素を含み前記第2領域はフッ素を含まず、
電極を形成し、前記電極は、第1電極部分及び第2電極部分を含み、前記第1電極部分は前記第1半導体領域の一部と電気的に接続され、前記第2電極部分は前記第1電極部分と電気的に接続され、前記第2電極部分は、前記第1半導体領域から前記第2半導体領域への方向において前記第1領域と重なる、半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記構造体は、第2絶縁膜をさらに含み、
前記第1絶縁膜は、前記第2領域と前記第2絶縁膜の一部との間にあり、
前記第1領域と前記第2絶縁膜との間には前記第1絶縁膜が設けられず、
前記第2絶縁膜はフッ素を含み、
前記フッ素の前記導入は、前記第2絶縁膜に含まれるフッ素の少なくとも一部を前記第1領域に移動させることを含む、請求項19に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体装置において、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-095600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性を向上できる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、第1電極、第2電極、第3電極、第1半導体領域及び第2半導体領域を含む。前記第1電極は、第1方向に延びる。前記第2電極は、前記第1方向に延びる。前記第1電極から前記第2電極への第2方向は、前記第1方向に対して垂直である。前記第3電極は、前記第1方向に延びる。前記第3電極の前記第2方向における位置は、前記第1電極の前記第2方向における位置と、前記第2電極の前記第2方向における位置と、の間にある。前記第1半導体領域は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域及び第5部分領域を含む。前記第1部分領域から前記第1電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する。前記第2部分領域から前記第2電極への方向は前記第3方向に沿う。前記第3部分領域から前記第3電極への方向は前記第3方向に沿う。前記第4部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における位置と、前記第3部分領域の前記第2方向における位置と、の間にある。前記第5部分領域の前記第2方向における位置は、前記第3部分領域の前記第2方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における位置と、の間にある。前記第2半導体領域は、Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む。前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含む。前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は前記第3方向に沿う。前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は前記第3方向に沿う。前記第2半導体部分は、第1領域及び第2領域を含む。前記第1領域の前記第2方向における位置は、前記第2領域の前記第2方向における前記位置と、前記第2電極の前記第2方向における前記位置と、の間にある。前記第1領域におけるフッ素の濃度は前記第2領域におけるフッ素の濃度よりも高い。または、前記第1領域はフッ素を含み前記第2領域はフッ素を含まない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図9図9は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図11図11(a)及び図11(b)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図12図12(a)及び図12(b)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2は、図1のA1-A2線断面図である。
図1及び図2に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、第1電極51、第2電極52、第3電極53、第1半導体領域10及び第2半導体領域20を含む。
【0009】
図1に示すように、第1電極51、第2電極52及び第3電極53は、第1方向D1に延びる。第1電極51から第2電極52への第2方向D2は、第1方向D1に対して垂直である。
【0010】
第1方向D1をY軸方向とする。Y軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Y軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。例えば、第2方向D2は、X軸方向である。
【0011】
第1方向D1における第1電極51の長さは、第2方向D2における第1電極51の長さ(幅)よりも長い。第1方向D1における第2電極52の長さは、第2方向D2における第2電極52の長さ(幅)よりも長い。第1方向D1における第3電極53の長さは、第2方向D2における第3電極53の長さ(幅)よりも長い。第1電極51、第2電極52及び第3電極53は、第1方向に延びるストライプである。
【0012】
第3電極53の第2方向D2における位置は、第1電極51の第2方向D2における位置と、第2電極52の第2方向D2における位置と、の間にある。
【0013】
第1半導体領域10は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。組成比x1は、例えば0以上0.1以下である。第1半導体領域10は、例えば、GaN層である。
【0014】
図2に示すように、第1半導体領域10は、第1部分領域11、第2部分領域12、第3部分領域13、第4部分領域14及び第5部分領域15を含む。第1部分領域11から第1電極51への第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面と交差する。第3方向D3は、例えば、Z軸方向である。
【0015】
第2部分領域12から第2電極52への方向は、第3方向D3に沿う。第3部分領域13から第3電極53への方向は、第3方向D3に沿う。第1部分領域11は、第3方向D3において第1電極51と重なる。第2部分領域12は、第3方向D3において第2電極52と重なる。第3部分領域13は、第3方向D3において第3電極53と重なる。
【0016】
第4部分領域14の第2方向D2における位置は、第1部分領域11の第2方向D2における位置と、第3部分領域13の第2方向D2における位置と、の間にある。第5部分領域15の第2方向D2における位置は、第3部分領域13の第2方向D2における位置と、第2部分領域12の第2方向D2における位置と、の間にある。
【0017】
第2半導体領域20は、Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む。組成比x2は、例えば、0.2以上0.35以下である。第2半導体領域20は、例えば、AlGaN層である。第2半導体領域20は、第1半導体部分21及び第2半導体部分22を含む。第4部分領域14から第1半導体部分21への方向は、第3方向D3に沿う。第5部分領域15から第2半導体部分22への方向は、第3方向D3に沿う。
【0018】
第2半導体部分22は、第1領域22a及び第2領域22bを含む。第1領域22aの第2方向D2における位置は、第2領域22bの第2方向D2における位置と、第2電極52の第2方向D2における位置と、の間にある。第1領域22aにおけるフッ素の濃度は、第2領域22bにおけるフッ素の濃度よりも高い。または、第1領域22aはフッ素を含み、第2領域22bはフッ素を含まない。
【0019】
例えば、第1電極51と第2電極52との間に流れる電流は、第3電極53の電位により制御できる。第3電極53の電位は、第1電極51の電位を基準とした電位で良い。例えば、第1電極51は、ソース電極として機能する。例えば、第2電極52は、ドレイン電極として機能する。例えば、第3電極53は、ゲート電極として機能する。半導体装置110は、例えばトランジスタである。
【0020】
図2に示すように、第1半導体領域10は、第2半導体領域20と対向する部分を含む。この部分にキャリア領域10cが形成される。キャリア領域10cは、例えば、2次元電子ガスである。半導体装置110は、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
【0021】
例えば、第1電極51と第3電極53との間の第2方向D2における距離は、第3電極53と第2電極52との間の第2方向D2における距離よりも短い。より安定した特性が得られる。
【0022】
実施形態において、第2電極52に印加される電圧は、第3電極53に印加される電圧よりも高い。このため、第2電極52の近い領域において、高い電界が集中し、動作が不安定になりやすい。例えば、第2電極52の端部に生じる高い電界によりトラップが生成され易い。これにより、例えば、特性が変化し易くなる。例えば、電流コラプスが生じる場合がある。
【0023】
実施形態においては、上記のように、第2電極52に近い第1領域22aはフッ素を含む。フッ素を第1領域22aにおいては、例えば、トラップの生成が抑制される。これにより、第2電極52に近い領域において高い電界が集中した場合においても、安定した特性が維持し易くなる。例えば、電流コラプスが抑制される。実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置を提供できる。
【0024】
実施形態においては、フッ素の濃度が低い、または、フッ素を含まない第2領域22bが設けられる。例えば、第3電極53と第2電極52との間に対応する第2半導体部分22の全域がフッ素を含む場合に比べて、低いオン抵抗を維持し易い。実施形態によれば、例えば、安定した特性と、低いオン抵抗と、が得られる。
【0025】
実施形態に係る1つの例において、第1領域22aにおけるフッ素の濃度は、1×1016cm-3以上1×1018cm-3以下である。トラップがより安定して抑制できる。一方、第2領域22bにおけるフッ素の濃度は、1×1016cm-3未満である。低いオン抵抗が安定して得易い。
【0026】
1つの例において、フッ素の濃度が違いに異なる第1領域22a及び第2領域22bは、第2半導体領域20へのフッ素のマスクを用いた選択的導入などにより得られる。
【0027】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図3は、半導体装置110の第2電極52を含む部分を拡大して例示している。
図3に示すように、第2電極52は、第1電極部分52a及び第2電極部分52bを含む。第1領域22aから第1電極部分52aの少なくとも一部への方向は、第2方向D2に沿う。第1領域22aの少なくとも一部は、第3方向D3において、第1半導体領域10と第2電極部分52bとの間にある。第1電極部分52aは、第2部分領域12(及び第2半導体部分22)と電気的に接続される。
【0028】
例えば、第2電極部分52bは、ひさし部分である。第2電極部分52bは、ドレイン側のフィールドプレートとして機能しても良い。第2電極部分52bの端部において、高い電界が局所的に生じやすい。フッ素を含む第1領域22aが第2電極部分52bの下に設けられることで、特性がより安定し易くなる。
【0029】
図3において、破線で囲まれた領域10Fはフッ素を含む。第1領域22aの少なくとも一部は、領域10Fに含まれる。図1及び図3に示すように、第2領域22bと第1領域22aとの間の境界22xは、第3電極53と第2電極52との間にある。境界22xの第2方向D2における位置は、第3電極53の第2方向D2における位置と、第2電極部分52bの第2方向における位置と、の間にある。例えば、第1領域22aの少なくとも一部は、第3方向D3において第2電極部分52bと重ならない。第2電極部分52bの第3電極53の側の端部において、高い電界が集中し易い。境界22xの位置が第3電極53の側にあることで、特性を変動させる原因となるトラップをより安定して抑制できる。安定した特性がより得易い。
【0030】
図3に示すように、この例では、フッ素を含む領域は、第1電極部分52aの下には設けられない。例えば、第2半導体部分22は、第3領域22cをさらに含んでも良い。第3領域22cは、第3方向D3において第2部分領域12と第1電極部分52aとの間にある。第3領域22cにおけるフッ素の濃度は、第1領域22aにおけるフッ素の濃度よりも低い。または、第3領域22cはフッ素を含まない。第1電極部分52aと重なる領域がフッ素を含まないことで、例えば、低いコンタクト抵抗が得られる。これにより、低いオン抵抗が得やすくなる。
【0031】
図3に示すように、第2半導体部分22は、第4領域22dをさらに含んで良い。第4領域22dは、第3方向D3において第1半導体領域10と第1領域22aとの間にある。第4領域22dにおけるフッ素の濃度は、第1領域22aにおけるフッ素の濃度よりも低い。または、第4領域22dはフッ素を含まない。
【0032】
例えば、フッ素の濃度が高い領域(第1領域22a)は、第2半導体部分22の表面側に局所的に設けられても良い。特性に影響を与えるトラップは、第2半導体部分22の表面側に生じやすい。フッ素の濃度が高い領域(第1領域22a)が第2半導体部分22の表面側に局所的に設けられることで、特性の変動が効果的に抑制できる。フッ素の濃度が低い第4領域22dが設けられることで、例えば、低いオン抵抗が得易い。
【0033】
図3に示すように、半導体装置110は、第1絶縁部材41をさらに含んで良い。第1絶縁部材41の少なくとも一部は、第1領域22aと第2電極部分52bとの間にある。
【0034】
第1絶縁部材41の一部41pは、第1領域22aと第2電極部分52bとの間にある。第1絶縁部材41の別の一部41qは、第3方向D3において第2電極52と重ならない。第1絶縁部材41の一部41pの第3方向D3に沿う厚さを厚さt41pとする。第1絶縁部材41の別の一部41qの第3方向D3に沿う厚さを厚さt41qとする。厚さt41pは、厚さt41qよりも薄い。第1絶縁部材41の一部41pは、第1領域22aと重なる。このような厚さの差が設けられる場合も、第1領域22aが設けられることで、安定した特性が効果的に得られる。
【0035】
この例では、第1絶縁部材41は、第1絶縁部41a及び第2絶縁部41bを含む。第1絶縁部41aの少なくとも一部は、第3方向D3において第2半導体部分22と第2絶縁部41bとの間にある。第1絶縁部41aは、第3方向D3において第2電極部分52bと重ならない。第2絶縁部41bの一部は、第3方向D3において第1領域22aと第2電極部分52bとの間にある。第2絶縁部41bのこの一部は、第2方向D2において第1絶縁部41aと第1電極部分52aとの間にある。このように、第1絶縁部材41において積層構造が適用されても良い。
【0036】
1つの例において、第1絶縁部41aは、CVD(例えば、LPCVD:Low-Pressure Chemical Vapor Deposition)などにより形成できる。第2絶縁部41bは、例えば、CVD(例えば、PECVD:plasma-enhanced chemical vapor deposition)などにより形成できる。例えば、第1絶縁部41aの膜質は、第2絶縁部41bの膜質よりも高い。より安定した特性が得易い。第1絶縁部材41(第1絶縁部41a及び第2絶縁部41b)は、例えば、シリコン及び窒素を含んで良い。第1絶縁部41a及び第2絶縁部41b)は、例えば、窒化シリコンを含む。安定した特性が得易い。第1絶縁部材41(第1絶縁部41a及び第2絶縁部41b)は、例えば、シリコン及び酸素を含んで良い。
【0037】
図2に示すように、第1絶縁部41aの一部は、第3方向D3において第2半導体領域20と第3電極53との間に設けられても良い。第1絶縁部41aのこの一部は、第3方向D3において第3電極53と重なる。第1絶縁部41aのこの一部は、例えば、ゲート絶縁膜として機能する。
【0038】
図2に示すように、この例では、第3電極53は、第3電極部分53c及び第4電極部分53dを含む。この例では、第3電極部分53cは、第1絶縁部41aの一部と接する。第4電極部分53dは、第3電極部分53cと電気的に接続される。第4電極部分53dは、例えば、ひさし部分である。
【0039】
図2に示すように、この例では、第1電極51は、第5電極部分51e及び第6電極部分51fを含む。第5電極部分51eは、第1部分領域11(及び第1半導体部分21)と電気的に接続される。第6電極部分51fは、第5電極部分51eと電気的に接続される。第6電極部分51fは、例えば、ひさし部分である。
【0040】
図2に示すように、半導体装置110は、基体18s及び窒化物層18bを含んで良い。基体18sと第2半導体領域20との間に第1半導体領域10が設けられる。基体18sと第1半導体領域10との間に窒化物層18bが設けられる。基体18sは、例えば、シリコン基板などで良い。窒化物層18bは、例えば、Al、Ga及び窒素を含む。窒化物層18bは、例えば、AlmGaNを含む。このAlGaN層は、例えばバッファ層である。窒化物層18bは第1半導体領域10と対向する領域を含む。この領域は、炭素を含むGaN層を含んで良い。
【0041】
例えば、図3に例示する構成を含む第1試料において、電圧ストレス試験後のオン抵抗は、電圧ストレス試験前の初期値の値の3倍である。第1領域22aが設けられない第2試料において、電圧ストレス試験後のオン抵抗は、電圧ストレス試験前の初期値の値の6倍である。第1領域22aが設けられることにより、オン抵抗の変動は1/2になる。電圧ストレス試験においては、ゲートオフ状態で定格電圧のドレイン電圧が1000秒印加される。
【0042】
以下、第2電極を含む領域の種々の構成のいくつかの例について説明する。
【0043】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図4に示すように、実施形態に係る半導体装置111において、第1絶縁部材41は、第1絶縁部41a及び第2絶縁部41bを含む。第2絶縁部41bの一部は、第3方向D3において第1領域22aと第2電極部分52bとの間にある。第2絶縁部41bのこの一部におけるフッ素の濃度は、第1絶縁部41aにおけるフッ素の濃度よりも高い。または、第2絶縁部41bのこの一部はフッ素を含み、第1絶縁部41aはフッ素を含まない。このように、第1領域22aと重なる第2絶縁部41bは、フッ素を含んでも良い。フッ素を含む第1領域22aが安定して得易い。1つの例において、フッ素を含む第2絶縁部41bから、フッ素が第1領域22aに供給されても良い。
【0044】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図5に示すように、実施形態に係る半導体装置112において、第2部分領域12は、第1電極部分52aと接する。第2半導体部分22から第1電極部分52aの少なくとも一部への方向は、第2方向D2に沿う。このような半導体装置112においても、フッ素を含む第1領域22aが設けられる。
【0045】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図6に示すように、実施形態に係る半導体装置113において、第1領域22aの一部は、第3方向D3において第2部分領域12と第1電極部分52aとの間にある。このように、フッ素を含む第1領域22aは、第1電極部分52aの下にも設けられて良い。
【0046】
図7は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図7に示すように、実施形態に係る半導体装置114において、第1領域22aは、第1半導体領域10と第1絶縁部41aとの間に設けられても良い。
【0047】
上記の半導体装置111~114において、半導体装置110に関して説明した他の構成が適用されて良い。
【0048】
図8は、第1実施形態に係る半導体装置の一部を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、実施形態に係る半導体装置115において、第2電極52は、窒化物領域52Nと、導電領域52Cと、を含む。窒化物領域52Nの一部は、第2部分領域12と導電領域52Cとの間にある。窒化物領域52Nの別の一部は、第2絶縁部41bの一部と、第2電極部分52bと、の間にある。窒化物領域52Nの材料は、導電領域52Cの材料と異なる。
【0049】
例えば、窒化物領域52Nは、ガリウム及び窒素を含む。窒化物領域52Nは、n形のGaNである。導電領域52Cは、例えば、金属である。このように、第2電極52の一部は、半導体を含んで良い。例えば、より低いオン抵抗が得やすくなる。
半導体装置115においても、フッ素を含む第1領域22aが設けられる。安定した特性が得られる。半導体装置115において、半導体装置110~114に関して説明した構成が適用されて良い。
【0050】
図9は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図9に示すように、実施形態に係る半導体装置120は、第2電極導電部材52P、第1絶縁部材41及び第2絶縁部材42を含む。、第2電極導電部材52P及び第2絶縁部材42を除く構成は、半導体装置110~115の構成が適用されて良い。
【0051】
半導体装置120において、第2電極導電部材52Pは、第2電極52に電気的に接続される。第1絶縁部材41の少なくとも一部は、第2半導体部分22と第2電極部分52bとの間にある。第2絶縁部材42の少なくとも一部は、第2電極部分52bと第2電極導電部材52Pとの間にある。第2電極導電部材52Pは、例えばフィールドプレートとして機能する。電界の集中がより緩和される。
【0052】
第1絶縁部材41は、シリコン及び窒素を含む。第2絶縁部材42は、シリコン及び酸素を含む。第2絶縁部材42における窒素の濃度は、第1絶縁部材41における窒素の濃度よりも低い。または、第2絶縁部材42は窒素を含まない。このような複数の絶縁部材により、より安定した特性が得易い。
【0053】
図9に示すように、第1電極導電部材51Pが設けられて良い。第1電極導電部材51Pは、第1電極51と電気的に接続される。この例では、図9の断面とは異なる位置で、。第1電極導電部材51Pは、第1電極51と電気的に接続される。別の第1電極導電部材51Qが設けられて良い。別の第1電極導電部材51Qは、第1電極51と電気的に接続される。
【0054】
例えば、第2半導体部分22は第1電極導電部材51Pと重なる領域を含んで良い。この領域はフッ素を含んでも良い。トラップの生成がより抑制される。とり安定した特性が得やすくなる。
【0055】
図9に示すように、第2電極導電部材52P、第1電極導電部材51P、及び、第2絶縁部材42の上に、第3絶縁部材43が設けられても良い。第3絶縁部材43は、例えば、窒化シリコンを含んで良い。
【0056】
図10は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10に示すように、実施形態に係る半導体装置121において、第3電極53の少なくとも一部は、第2方向D2において第1半導体部分21と第2半導体部分22との間にある。例えば、第3電極53の少なくとも一部は、第2方向D2において第4部分領域14と第5部分領域15との間にある。半導体装置121において、第3電極53は、例えば、リセス型のゲート電極である。例えば、高いしきい値電圧が得られる。半導体装置121においても、フッ素を含む第1領域22aが設けられる。安定した特性が得られる。
【0057】
半導体装置121において、第1絶縁部41aの一部は、第2方向D2において、第1半導体部分21と第3電極53の少なくとも一部との間にある。第1絶縁部41aの別の一部は、第2方向D2において、第3電極53の少なくとも一部と第2半導体部分22との間にある。
【0058】
(第2実施形態)
第2実施形態は、半導体装置の製造方法に係る。以下では、第2電極52を含む部分の製造方法について説明する。
【0059】
図11(a)及び図11(b)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図11(a)に示すように、実施形態に係る半導体装置の製造方法において、構造体10Bが準備される。
【0060】
構造体10Bは、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域10と、Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む第2半導体領域20と、第1絶縁膜41fと、を含む。第2半導体領域20は、第1領域22a及び第2領域22bを含む。第2領域22bは、第1半導体領域10と第1絶縁膜41fとの間にある。第1領域22aは、第1絶縁膜41fに覆われない。
【0061】
図11(a)に示すように、第1領域22aにフッ素を導入する。例えば、第1絶縁膜41fをマスクとして用いたイオン注入などによりフッ素が導入されて良い。第1領域22aにおけるフッ素の濃度は、第2領域22bにおけるフッ素の濃度よりも高い。または、第1領域22aはフッ素を含み、第2領域22bはフッ素を含まない。
【0062】
図11(b)に示すように、電極50を形成する。電極50は、第1電極部分52a及び第2電極部分52bを含む。第1電極部分52aは第1半導体領域10の一部と電気的に接続される。第2電極部分52bは第1電極部分52aと電気的に接続される。第2電極部分52bは、第1半導体領域10から第2半導体領域20への方向(第3方向D3)において第1領域22aと重なる。
【0063】
このようして、例えば、半導体装置110が得られる。実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置の製造方法を提供できる。
【0064】
上記において、電極50は、第2電極52に対応する。第1絶縁膜41fは、例えば、第1絶縁部41aに対応する。電極50の形成の前に、第2絶縁部41bが形成されて良い。
【0065】
図12(a)及び図12(b)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図12(a)に示すように、実施形態に係る半導体装置の製造方法において、構造体10Bが準備される。この例では、構造体10Bは、第2絶縁膜42fをさらに含む。第1絶縁膜41fは、第2領域22bと第2絶縁膜42fの一部との間にある。第1領域22aと第2絶縁膜42fとの間には第1絶縁膜41fが設けられない。第2絶縁膜42fは、フッ素を含む。
【0066】
図12(b)に示すように、第2絶縁膜42fからフッ素を第1領域22aに移動させる。例えば、熱処理などによる拡散により、フッ素が第2絶縁膜42fから第1領域22aに移動する。これにより、フッ素を含む第1領域22aが得られる。このとき、第1絶縁膜41fにより、フッ素の移動が抑制される。これにより、第2領域22bにおけるフッ素の濃度は低い。または、第2領域22bは、フッ素を実質的に含まない。
【0067】
このように、フッ素の導入は、第2絶縁膜42fに含まれるフッ素の少なくとも一部を第1領域22aに移動させることを含んで良い。このような製造方法により、例えば、半導体装置110が得られる。
【0068】
長さ及び厚さに関する情報は電子顕微鏡観察などにより得られる。材料の組成に関する情報は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)またはEDX(Energy dispersive X-ray spectroscopy)などにより得られる。
【0069】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
第1方向に延びる第1電極と、
前記第1方向に延びる第2電極であって、前記第1電極から前記第2電極への第2方向は、前記第1方向に対して垂直である、前記第2電極と、
前記第1方向に延びる第3電極であって、前記第3電極の前記第2方向における位置は、前記第1電極の前記第2方向における位置と、前記第2電極の前記第2方向における位置と、の間にある、前記第3電極と、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域であって、前記第1半導体領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域及び第5部分領域を含み、前記第1部分領域から前記第1電極への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差し、前記第2部分領域から前記第2電極への方向は前記第3方向に沿い、前記第3部分領域から前記第3電極への方向は前記第3方向に沿い、前記第4部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における位置と、前記第3部分領域の前記第2方向における位置と、の間にあり、前記第5部分領域の前記第2方向における位置は、前記第3部分領域の前記第2方向における前記位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における位置と、の間にある、前記第1半導体領域と、
Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む第2半導体領域であって、前記第2半導体領域は、第1半導体部分及び第2半導体部分を含み、前記第4部分領域から前記第1半導体部分への方向は前記第3方向に沿い、前記第5部分領域から前記第2半導体部分への方向は前記第3方向に沿い、前記第2半導体部分は、第1領域及び第2領域を含み、前記第1領域の前記第2方向における位置は、前記第2領域の前記第2方向における前記位置と、前記第2電極の前記第2方向における前記位置と、の間にあり、前記第1領域におけるフッ素の濃度は前記第2領域におけるフッ素の濃度よりも高い、または、前記第1領域はフッ素を含み前記第2領域はフッ素を含まない、前記第2半導体領域と、
を備えた半導体装置。
【0070】
(構成2)
前記第2電極は、第1電極部分及び第2電極部分を含み、
前記第1領域から前記第1電極部分の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1領域の少なくとも一部は、前記第3方向において、前記第1半導体領域と前記第2電極部分との間にある、構成1に記載の半導体装置。
【0071】
(構成3)
前記第2領域と前記第1領域との間の境界の前記第2方向における位置は、前記第3電極の前記第2方向における前記位置と、前記第2電極部分の前記第2方向における位置と、の間にある、構成2に記載の半導体装置。
【0072】
(構成4)
前記第1領域の少なくとも一部は、前記第3方向において前記第2電極部分と重ならない、構成3に記載の半導体装置。
【0073】
(構成5)
前記第1領域の一部は、前記第3方向において前記第2部分領域と前記第1電極部分との間にある、構成2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0074】
(構成6)
前記第2半導体部分は、第3領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第3方向において前記第2部分領域と前記第1電極部分との間にあり、
前記第3領域におけるフッ素の濃度は、前記第1領域におけるフッ素の前記濃度よりも低い、または、前記第3領域はフッ素を含まない、構成2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0075】
(構成7)
前記第2部分領域は、前記第1電極部分と接し、
前記第2半導体部分から前記第1電極部分の少なくとも一部への方向は、前記第2方向に沿う、構成2~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0076】
(構成8)
前記第2半導体部分は、第4領域をさらに含み、
前記第4領域は、前記第3方向において前記第1半導体領域と前記第1領域との間にあり、
前記第4領域におけるフッ素の濃度は、前記第1領域におけるフッ素の前記濃度よりも低い、または、前記第4領域はフッ素を含まない、構成1~7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0077】
(構成9)
第1絶縁部材をさらに備え、
前記第1絶縁部材の少なくとも一部は、前記第1領域と前記第2電極部分との間にある、構成2~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0078】
(構成10)
前記第1絶縁部材の一部は、前記第1領域と前記第2電極部分との間にあり、
前記第1絶縁部材の別の一部は、前記第3方向において前記第2電極と重ならず、
前記第1絶縁部材の前記一部の前記第3方向に沿う厚さは、前記第1絶縁部材の前記別の一部の前記第3方向に沿う厚さよりも薄い、構成9に記載の半導体装置。
【0079】
(構成11)
前記第2電極に電気的に接続された第2電極導電部材と、
第1絶縁部材と、
第2絶縁部材と、
をさらに備え、
前記第1絶縁部材の少なくとも一部は、前記第2半導体部分と前記第2電極部分との間にあり、
前記第2絶縁部材の少なくとも一部は、前記第2電極部分と前記第2電極導電部材との間にあり、
前記第1絶縁部材は、シリコン及び窒素を含み、
前記第2絶縁部材は、シリコン及び酸素を含み、
前記第2絶縁部材における窒素の濃度は前記第1絶縁部材における窒素の濃度よりも低い、または、前記第2絶縁部材は窒素を含まない、構成2~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0080】
(構成12)
第1絶縁部材をさらに備え、
前記第1絶縁部材は、第1絶縁部及び第2絶縁部を含み、
前記第1絶縁部の少なくとも一部は、前記第3方向において前記第2半導体部分と前記第2絶縁部との間にあり、
前記第1絶縁部は、前記第3方向において前記第2電極部分と重ならず、
前記第2絶縁部の一部は、前記第3方向において前記第1領域と前記第2電極部分との間にあり、
前記第2絶縁部の前記一部は、前記第2方向において前記第1絶縁部と前記第1電極部分との間にある、構成2~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0081】
(構成13)
前記第2絶縁部の前記一部におけるフッ素の濃度は、前記第1絶縁部におけるフッ素の濃度よりも高い、または、
前記第2絶縁部の前記一部はフッ素を含み、前記第1絶縁部はフッ素を含まない、構成12に記載の半導体装置。
【0082】
(構成14)
前記第1絶縁部の一部は、前記第3方向において前記第2半導体領域と前記第3電極との間にある、構成12または13に記載の半導体装置。
【0083】
(構成15)
前記第2電極は、窒化物領域と、導電領域と、を含み、
前記窒化物領域の一部は、前記第2部分領域と前記導電領域との間にあり、
前記窒化物領域の別の一部は、前記第2絶縁部の前記一部と、前記第2電極部分と、の間にあり、
前記窒化物領域は、ガリウム及び窒素を含む、構成12~14のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0084】
(構成16)
前記第2電極は、窒化物領域と、導電領域と、を含み、
前記窒化物領域は、前記第2部分領域と前記導電領域との間にあり、
前記窒化物領域は、ガリウム及び窒素を含む、構成1~10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0085】
(構成17)
前記第1領域におけるフッ素の濃度は、1×1016cm-3以上1×1018cm-3以下である、構成1~15のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0086】
(構成18)
前記第3電極の少なくとも一部は、前記第2方向において前記第1半導体部分と前記第2半導体部分との間にある、構成1~13のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0087】
(構成19)
構造体を準備し、前記構造体は、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1半導体領域と、Alx2Ga1-x2N(0<x2<1、x1<x2)を含む第2半導体領域と、第1絶縁膜と、を含み、前記第2半導体領域は第1領域及び第2領域を含み、前記第2領域は、前記第1半導体領域10と前記第1絶縁膜との間にあり、前記第1領域は前記第1絶縁膜に覆われず、
第1領域にフッ素を導入し、前記第1領域におけるフッ素の濃度は前記第2領域におけるフッ素の濃度よりも高い、または、前記第1領域はフッ素を含み前記第2領域はフッ素を含まず、
電極を形成し、前記電極は、第1電極部分及び第2電極部分を含み、前記第1電極部分は前記第1半導体領域の一部と電気的に接続され、前記第2電極部分は前記第1電極部分と電気的に接続され、前記第2電極部分は、前記第1半導体領域から前記第2半導体領域への方向において前記第1領域と重なる、半導体装置の製造方法。
【0088】
(構成20)
前記構造体は、第2絶縁膜をさらに含み、
前記第1絶縁膜は、前記第2領域と前記第2絶縁膜の一部との間にあり、
前記第1領域と前記第2絶縁膜との間には前記第1絶縁膜が設けられず、
前記第2絶縁膜はフッ素を含み、
前記フッ素の前記導入は、前記第2絶縁膜に含まれるフッ素の少なくとも一部を前記第1領域に移動させることを含む、構成19に記載の半導体装置の製造方法。
【0089】
実施形態によれば、特性を向上できる半導体装置及びその製造方法が提供される。
【0090】
以上、例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる電極、半導体領域、及び絶縁部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0091】
各例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0092】
本発明の実施の形態として上述した半導体装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0093】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
10:第1半導体領域、 10B:構造体、 10F:領域、 10c:キャリア領域、 11~15:第1~第5部分領域、 18b:窒化物層、 18s:基体、 20:第2半導体領域、 21、22:第1、第2半導体部分、 22a~22d:第1~第4領域、 22x:境界、 41~43:第1~第3絶縁部材、 41a、41b:第1、第2絶縁部、 41f:第1絶縁膜、 41p、41q:一部、 42f:第2絶縁膜、 50:電極、 51~53:第1~第3電極、 51P、51Q:第1電極導電部材、 51e、51f:第5、第6電極部分、 52C:導電領域、 52N:窒化物領域、 52P:第2電極導電部材、 52a、52b:第1、第2電極部分、 53c、53d:第3、第4電極部分、 110~115、120、121:半導体装置、 D1~D3:第1~第3方向、 t41p、t41q:厚さ
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