(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167578
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
A47J27/00 109Z
A47J27/00 109A
A47J27/00 109P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083754
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 沙友梨
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 可奈
(72)【発明者】
【氏名】今井 健太
(72)【発明者】
【氏名】森田 賢治
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA40
4B055BA42
4B055CD46
4B055CD73
4B055GB43
(57)【要約】
【課題】外部機器から送信されたメニュー選択情報を確認した上で加熱制御を実行できる炊飯器を提供する。
【解決手段】本発明の炊飯器10は、本体1内に着脱可能に設けられた内釜4と、内釜4を加熱する加熱手段を制御する制御部51と、家電サーバー300と無線通信を行う無線通信部60と、無線通信部60で受信した家電サーバー300からのメニュー選択情報を記憶する記憶部と、炊飯の開始を指示する炊飯/再加熱ボタン317と、を備える。制御部51は、前記記憶部が前記メニュー選択情報を記憶した状態で、炊飯/再加熱ボタン317が炊飯開始の指示を受けた場合に、前記メニュー選択情報に基づいて前記加熱手段を制御する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体内に着脱可能に設けられた内釜と、前記内釜を加熱する加熱手段を制御する制御部と、外部サーバーと無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部で受信した前記外部サーバーからのメニュー選択情報を記憶する記憶部と、炊飯の開始を指示する炊飯開始部と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部が前記メニュー選択情報を記憶した状態で、前記炊飯開始部が炊飯開始の指示を受けた場合に、前記メニュー選択情報に基づいて前記加熱手段を制御することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
請求項1において、
前記無線通信部が前記外部サーバーから受信した前記メニュー選択情報の受け付けを指示する受付指示部を備え、
前記記憶部は、前記受付指示部から前記メニュー選択情報の受け付け指示を受けた場合に、前記メニュー選択情報を記憶することを特徴とする炊飯器。
【請求項3】
請求項2において、
受け付けた前記メニュー選択情報を表示する表示部を備えたことを特徴とする炊飯器。
【請求項4】
請求項3において、
前記メニュー選択情報は、予め前記記憶部に記憶されている第1メニュー選択情報と、予め前記記憶部に記憶されていない前記第1メニュー選択情報とは異なる第2メニュー選択情報であり、
前記表示部は、前記外部サーバーから前記第2メニュー選択情報が送信された場合に、前記第2メニュー選択情報に関連した紐づいた番号を表示することを特徴とする炊飯器。
【請求項5】
請求項4において、
前記表示部は、液晶表示器であることを特徴とする炊飯器。
【請求項6】
請求項3において、
前記本体の上面に開閉可能に設けられた外蓋と、前記外蓋の裏に着脱可能に設けられた内蓋と、を備え、
前記外部サーバーには情報端末装置が接続可能であり、
前記制御部は、炊飯開始指示を受けてから所定時間において前記外蓋が開いていた場合に、前記情報端末装置の表示画面または前記表示部を介して報知することを特徴とする炊飯器。
【請求項7】
請求項6において、
前記制御部は、炊飯開始指示を受けてから所定時間において前記内蓋が前記外蓋の裏面から外れていた場合に、前記情報端末装置の表示画面または前記表示部を介して報知することを特徴とする炊飯器。
【請求項8】
請求項3において、
前記制御部は、炊飯工程が終了後、炊飯工程で実施した前記メニュー選択情報に基づく加熱制御のログデータを前記記憶部から読み出し、前記外部サーバーに送信することを特徴とする炊飯器。
【請求項9】
請求項8において、
前記ログデータは、識別されたIDに関連付けて前記外部サーバーに保存され、異なる炊飯器の記憶部に読込可能であることを特徴とする炊飯器。
【請求項10】
請求項6において、
前記内釜の重量を検出する重量センサを備え、
前記制御部は、前記重量センサが検出した重量に基づいてお米の消費量を算出し、前記外部サーバーに送信することを特徴とする炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の炊飯器は、炊飯メニューを選択するメニュー選択部と、炊飯開始を指示する開始指示部と、無線通信部と、メニュー選択部で選択された炊飯メニューに基づいて加熱制御を行う制御部とを備えている。
【0003】
制御部は、無線通信端末のアプリケーション上に前回とは異なる炊飯メニューのメニュー選択情報を受信したとき、前記メニュー選択部にて選択された連続で実施する炊飯メニューに代えて、前記メニュー選択情報に基づいて加熱制御するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の炊飯器では、無線通信端末から送信された炊飯メニューのメニュー選択情報を受信しているが、メニュー選択情報を受信した際にメニュー選択情報の内容を確認することがなされないまま加熱制御が行われるので、誤ったメニュー選択情報が送信された場合には希望した炊飯調理が実行されないといった課題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決し、外部機器から送信されたメニュー選択情報を確認した上で加熱制御を実行できる炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明は、本体と、前記本体内に着脱可能に設けられた内釜と、前記内釜を加熱する加熱手段を制御する制御部と、外部サーバーと無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部で受信した前記外部サーバーからのメニュー選択情報を記憶する記憶部と、炊飯の開始を指示する炊飯開始部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部が前記メニュー選択情報を記憶した状態で、前記炊飯開始部が炊飯開始の指示を受けた場合に、前記メニュー選択情報に基づいて前記加熱手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外部機器から送信されたメニュー選択情報を確認した上で加熱制御を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る炊飯器10の外観斜視図である。
【
図2】蓋2を開けた状態の炊飯器10の外観斜視図である。
【
図4】本発明の実施例に係る炊飯システムの全体構成図である。
【
図5】本発明の実施例に係る炊飯器10の構成を示すブロック図である。
【
図6】炊飯器10の外蓋21の上面に設置された操作部31と表示部32を示す図である。
【
図7】情報端末装置100、家電サーバー300、炊飯器10のとの間で行われる情報の送受信の流れを示す図である。
【
図8】情報端末装置100から炊飯器10に送信するメニューを選択するための表示内容の一例を示す図である。
【
図9】炊飯器10に送信したメニュー選択情報の表示内容の一例を示す図である。
【
図10】炊飯器10がメニュー選択情報を受信した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図11】メニュー選択情報を選択した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図12】炊飯器10の炊飯工程(加熱制御)が開始された状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図13】炊飯器10の炊飯工程が終了し、保温工程に遷移した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図14】情報端末装置100から炊飯器10に送信する山菜おこわに関するメニュー選択情報の表示内容の一例を示す図である。
【
図15】炊飯器10が山菜おこわに関するメニュー選択情報を受信した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図16】メニュー選択情報を選択した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図17】炊飯/再加熱ボタン317が押下されてから所定時間経過後に外蓋が開いていた状態に報知する表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図18】炊飯/再加熱ボタン317が押下されてから所定時間経過後に外蓋が開いていた状態に報知する表示画面101の表示内容の一例を示す図である。
【
図19】情報端末装置100、家電サーバー300、炊飯器10のとの間で行われる情報の送受信の流れを示す図である。
【
図20】お米の残量を報知する表示画面101の表示内容の一例を示す図である。
【
図21】情報端末装置100、家電サーバー300、炊飯器10のとの間で行われる情報の送受信の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、同一の要素については、全ての図において、原則として同一の符号を付している。また、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。なお、以下に説明する構成はあくまで実施例に過ぎず、本発明に係る実施様態が、以下の具体的様態に限定されることを意図する趣旨ではない。
【実施例0011】
図1は、本発明の実施例に係る炊飯器10の外観斜視図である。炊飯器10は、本体1と、本体1の上部開口を閉塞する蓋2とを備える。蓋2は、ヒンジ24(
図2)を介して回動可能に本体1に取り付けられる。蓋2は、外蓋21と、内蓋22(
図2)とを備える。外蓋21は、外部に露出する。外蓋21の上面には、蒸気口8と、操作部31と、表示部32とが備えられる。蒸気口8は、内釜4(
図2)の内部で生じた蒸気を排気するものである。操作部31は、各種メニューの操作を行うものであり、例えばボタンである。また、操作部31は、表示部32の周囲に配置されている。表示部32は、時刻表示、炊飯の進行状況、各種メニューの設定内容等の各種情報を表示するものであり、例えば液晶表示器等である。使用者は、表示部32を確認しながら操作部31を操作することで、炊飯の開始、各種メニューの設定、タイマー炊飯の設定等を実行できる。
【0012】
図2は、蓋2を開けた状態の炊飯器10の外観斜視図である。蓋2のうち、内蓋22(蓋2)は、内釜4に臨む面26を備える。内釜4は、本体1に着脱可能に備えられ、米を収容可能なものである。米の炊飯により、ご飯が得られる。内釜4は、蓋2を閉じた状態で外釜7(
図3)に収容される。内蓋22(蓋2)は、少なくとも内釜4の上部開口4bを覆うように本体1に取り付けられる。内蓋22の下面周縁部には、蓋2を閉じたときに、内釜4の上端部に有するフランジ部4aと密接するパッキン23が備えられる。パッキン23により、蓋2を閉じた状態で内釜4の上部開口4bが密閉される。
【0013】
例えば炊飯中及び保温工程中、内釜4で発生した蒸気は、蒸気口34及び回収口35を通じて、外蓋21と内蓋22との間に形成された空間である貯留部33(
図3)に流入する。貯留部33に流入した蒸気は、外蓋21を介した外気によって冷やされ、結露水に変化する。従って、貯留部33は、蓋2に備えられ、結露水を貯めるものである。また、内蓋22に結露水が付着した状態で蓋2を直立させた場合、結露水は内蓋22の表面に沿って流れ落ち、ヒンジ24の側に形成された回収口35を通じて、貯留部33に流入する。流入した結露水は、貯留部33に貯留される。
【0014】
図3は、炊飯器10の内部構造を示す断面図である。上記のように、内蓋22には貯留部33が形成される。炊飯器10は、第1加熱機構15(加熱手段)を備える。第1加熱機構15は、蓋2を加熱するものであり、本実施例では内蓋22を加熱する。第1加熱機構15は例えば誘導加熱コイルであり、誘導加熱コイルへの通電により、対向する内蓋22が加熱される。第1加熱機構15は例えば外蓋21に備えられ、第1加熱機構15により、内蓋22の全面が均等に加熱される。
【0015】
また、炊飯器10は、第2加熱機構19(加熱手段)を備える。第2加熱機構19は、内釜4の上部(例えば側面上部)を加熱するものであり、例えば誘導加熱コイルである。誘導加熱コイルへの通電により、対向する内釜4の上部側壁が加熱される。第2加熱機構19により、主に、内釜4に収容された米の上方に存在する側壁(内釜4の側壁)を加熱できる。
【0016】
さらに炊飯器10は、第3加熱機構14(加熱手段)を備える。第3加熱機構14は、内釜4を底部から加熱するものであり、例えば誘導加熱コイルである。誘導加熱コイルへの通電により、対向する内釜4の底部が加熱され、これにより、伝熱性を有する内釜4の全体が加熱される。
【0017】
内蓋22は、内釜4で発生した蒸気が通る内蓋蒸気通路11と、蒸気口8と繋がる外蓋蒸気通路12と、内蓋蒸気通路11の上面に載置され、前記内蓋蒸気通路11を塞ぐ調圧機構13と、を備える。調圧機構13は、調圧ボール13a及び調圧台13bを備える。調圧ボール13aは、調圧台13bの上に備えられる。調圧ボール13aは、制御装置50により動作する開放機構16(例えばソレノイド)によって任意に動かされ、内釜4の圧力を自由に調整できる。調圧台13bは、内蓋22を貫通した内蓋蒸気通路11からの通路を狭くすることで形成される。
【0018】
内釜4内部の蒸気圧が所定圧力より高まると、調圧ボール13aを持ち上げ、外蓋蒸気通路12から圧力が抜け、蒸気口8を通して本体1外に排出される。また、蒸気圧が所定圧力より低くなると、再び調圧ボール13aが内蓋蒸気通路11を塞いで蒸気圧が高まる。この繰り返しで内釜4の内部の圧力が所定圧力に調整される。
【0019】
炊飯器10は制御装置50を備える。制御装置50は、炊飯器10の運転を制御するものであり、第1加熱機構15、第2加熱機構19及び第3加熱機構14の動作(例えば通電及び停止、通電する場合の通電率制御等)を制御する。制御装置50は、これらを制御することで、炊飯工程及び保温工程を実行する。
【0020】
制御装置50は、演算処理を行う制御部51と、記憶部を備えている。記憶部は、所定の炊飯プログラムが記憶された第1記憶部53と、所定の炊飯プログラムを展開すると共に、データを繰り返し、書き込み更新を行うことができる第2記憶部52から構成されている。また、制御装置50には、外部装置と無線通信を行う無線通信部60が接続されている。
【0021】
炊飯器10は、内釜4の温度を測定する第1温度センサ18を備える。第1温度センサ18は、外釜7の底部に備えられ、内釜4の外側底部に接触する。第1温度センサ18による測定値は、内釜4の温度情報として、制御装置50に入力される。炊飯器10は、蓋2(内蓋22)の温度を測定する第2温度センサ25を備える。第2温度センサ25は、内蓋22に接触して備えられる。第2温度センサ25による測定値は、内蓋22の温度情報として、制御装置50に入力される。
【0022】
図4は、本発明の実施例に係る炊飯システムの全体構成図である。
図4において、本実施例の炊飯システムは、炊飯器10、無線LANルーター200、情報端末装置100、家電サーバー300(外部サーバー)により構成されている。
【0023】
炊飯器10は、宅内に設置された無線LANルーター200を介して、宅外の家電サーバー300に無線で接続することができる。炊飯器10が無線通信を行う場合には、無線通信部60を使用する。また、炊飯器10は、無線LANルーター200、家電サーバー300を介して、宅外及び宅内の情報端末装置100と通信を行うことができる。炊飯器10は、宅内の情報端末装置100と通信を行う場合には、無線LANルーター200、家電サーバー300、無線LANルーター200、家電サーバー300を経由する。
【0024】
情報端末装置100は、無線LANルーター200、家電サーバー300を介して、炊飯器10に関するアプリケーションソフトのダウンロード、炊飯メニューの送受信を行うことができる。情報端末装置100と家電サーバー300は、無線LANルーター200を介さずに直接データを送受信しても良い。
【0025】
炊飯メニューを受け付けた炊飯器10は、受け付けた炊飯メニュー従い加熱調理を開始する。さらに、炊飯器10は、調理が終了すると、調理が終了した情報を、無線LANルーター200、家電サーバー300を介して、情報端末装置100に送信する。
【0026】
図5は、本発明の実施例に係る炊飯器10の構成を示すブロック図である。
図6は、炊飯器10の外蓋21の上面に設置された操作部31と表示部32を示す図である。
【0027】
制御装置50には、第1加熱機構15、第2加熱機構19、第3加熱機構14、開放機構16、第1温度センサ18、第2温度センサ25,重量センサ27、外蓋開閉センサ28,内蓋着脱センサ29が接続されている。
【0028】
外蓋21の上部には、操作部31と、表示部32が備えられている。操作部31は、内釜4に収容されたご飯の保温のスタートや、「保温低」「保温高」を選択するスチーム保温ボタン311と、少量のご飯を炊くときに選択する少量ボタン312と、無線LANルーター200を介して無線通信部60が家電サーバー300からのメニュー選択情報を受信し、受信したメニュー選択情報の受け付けを指示するアプリ受付ボタン313(受付指示部)と、お米の種類を選択するお米選択ボタン314と、炊飯コースを選択するコース選択ボタン315と、現在時刻や予約炊飯時刻を設定する選択/時刻ボタン316と、炊飯や予約炊飯の開始を指示する、あるいは保温中の再加熱の開始を指示する炊飯/再加熱ボタン317(炊飯開始部)と、予約炊飯の選択を行う予約ボタン318と、炊飯や保温を停止したり、予約炊飯の取り消しを行う切/とりけしボタン319と、情報を表示する表示部32を備えている。表示部32には、お米の種類、炊飯コース、アプリケーションソフトウェアコース(本実施例では、アプリケーションソフトウェアをアプリと称する)、予約時刻、炊飯完了までの残り時間等の情報が表示される。
【0029】
スチーム保温ボタン311、アプリ受付ボタン313、炊飯/再加熱ボタン317、予約ボタン318には、受付状態、動作状態等が把握できるように報知部311a,313a,317a,318aが備えられている。
【0030】
本実施例の炊飯器10は、前述したように無線通信部60を備えており、無線LANルーター200を介して家電サーバー300との間で情報の送受信を行うことができる。また、情報端末装置100は、家電サーバー300との間で情報の送受信を行うことができ、さらに、情報端末装置100は、家電サーバー300と経由して炊飯器10との間で情報の送受信を行うことができる。
【0031】
以下、情報端末装置100、家電サーバー300、炊飯器10との間で行われる情報の送受信の流れについて説明する。
【0032】
図7は、情報端末装置100、家電サーバー300、炊飯器10のとの間で行われる情報の送受信の流れを示す図である。
図8は、情報端末装置100から炊飯器10に送信するメニューを選択するための表示内容の一例を示す図である。
図9は、炊飯器10に送信したメニュー選択情報の表示内容の一例を示す図である。
図10は、炊飯器10がメニュー選択情報を受信した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
図11は、メニュー選択情報を選択した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
図12は、炊飯器10の炊飯工程(加熱制御)が開始された状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
図13は、炊飯器10の炊飯工程が終了し、保温工程に遷移した状態における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【0033】
炊飯器10では、お米の種類(例えば白米、無洗米、雑穀米、玄米、麦ごはん等)や、コース(例えば極上、快速、炊込み、冷凍用、おかゆ、おこわ等)が選択可能である。お米の種類やコース等はメニュー選択情報として予め炊飯器の記憶部に記憶されている。さらには予め炊飯器10の記憶部に記憶されていない混ぜごはん等のメニュー選択情報を家電サーバー300から受信して一時的に記憶部に記憶し炊飯を行うことが可能である。以下の説明では、メニュー選択情報を識別するために、予め炊飯器の記憶部に記憶されているメニュー選択情報を第1メニュー選択情報と称し、予め炊飯器の記憶部に記憶されていないメニュー選択情報を第2メニュー選択情報と称する場合がある。
【0034】
情報端末装置100には、予め炊飯器10の炊飯工程に関する専用のアプリケーションソフトウェアがダウンロードされ、記憶されている。情報端末装置100の表示画面101に表示されたアプリのアイコンにタッチすると、表示部32には、炊飯コース等を選択するための内容が表示される。
図8に示す例では、使用頻度が高く予め登録された3つの炊飯メニュー(「極上しゃっきり・白米」「極上もちもち・麦ごはん」「極上ふつう・雑穀米」)が表示されている。これらの炊飯メニューは、予め炊飯器10の記憶部に記憶された炊飯プログラムに基づくものである。そして、3つの炊飯メニューの中から「極上しゃっきり・白米」を選択し、「本体に送信」と表示された部分をタッチする。
【0035】
図7に示すように情報端末装置100は、選択されたメニュー選択情報を家電サーバー300に送信し、さらに家電サーバー300は炊飯プログラムを含むメニュー選択情報を炊飯器10に送信する。
【0036】
炊飯器10は、家電サーバー300から送信されたメニュー選択情報を受信し、アプリ受付ボタン313の報知部313aを点滅させると共に、携帯端末装置を模るアイコンを点灯させる(
図10)。なお、
図10では、表示部32に「極上ふつう・白米」のメニューが表示されているが、これは前回炊飯器10のお米選択ボタン314,コース選択ボタン315で選択されたメニュー情報が残っているためである。
【0037】
点滅しているアプリ受付ボタン313が押下されると(
図10)、炊飯器10の制御部51は、「極上しゃっきり・白米」のメニュー選択情報を選択し、第2記憶部52にメニュー選択情報を記憶する。第2記憶部52にメニュー選択情報が記憶されると、アプリ受付ボタン313の報知部313aが点灯し、炊飯/再加熱ボタン317の報知部317aが点滅する(
図11)。さらに、表示部32には、選択された「極上しゃっきり・白米」のメニュー選択情報が表示される。選択された「極上しゃっきり・白米」のメニュー選択情報(第1メニュー選択情報)は、予め炊飯器10の第1記憶部53に記憶されており、制御部51は第1記憶部53から「極上しゃっきり・白米」に関する制御プログラムを読み出し、第2記憶部52に記憶している。
【0038】
点滅している炊飯/再加熱ボタン317が押下されると(
図11)、炊飯器10の制御部51は、記憶部(第2記憶部52、第1記憶部53)に記憶された情報に基づき、第1加熱機構15、第2加熱機構19、第3加熱機構14を制御し、炊飯工程(加熱制御)を開始する。炊飯工程が開始すると、炊飯/再加熱ボタン317が点灯し、炊飯終了までの残り時間が表示部32に表示される(
図12)。
【0039】
図7において、炊飯器10の制御部51は、メニュー選択情報から加熱制御情報を生成し、第2記憶部52に記憶する。加熱制御情報を第2記憶部52に記憶後、制御部51は家電サーバー300から送信され第2記憶部52に保存されたメニュー選択情報を消去する。
【0040】
炊飯工程が終了すると、制御部51は炊飯器10を保温工程に遷移させる。本工程に遷移すると、制御部51はスチーム保温ボタン311の報知部311aを点灯させ、炊飯終了までの時間を0分として表示部32に表示させる(
図13)。
【0041】
図7において、切/とりけしボタン319が押下されると(
図13)、制御部51は、炊飯工程を終了し、炊飯器10を待機状態に遷移させる。待機状態に遷移後、制御部51は、炊飯工程で実施したメニュー選択情報に基づく加熱制御のログデータを第2記憶部52から読み出し、家電サーバー300に送信する。加熱制御のログデータには、実施したメニュー名を含めるようにすると良い。
【0042】
家電サーバー300は、炊飯器10から送信された加熱制御のログデータを保存する。家電サーバー300には、使用者個人のID(Identification)が割り当てられており、炊飯器10から送信された加熱制御のログデータは、使用者個人に識別されたIDに関連付けて保存される。新しい炊飯器10に買い替えを行った場合、これまでに使用してきたメニュー選択情報を再設定する必要がある。本実施例では、メニュー選択情報に関するデータが使用者個人のIDに関連付けて家電サーバー300に保存されているので、新しい炊飯器10に買い替えを行った場合であっても使用者個人のIDに関連付けたメニュー選択情報のデータを読み出し異なる炊飯器10の記憶部に読み込み記憶でき、炊飯器10の使い勝手を向上することができる。
【0043】
以上のように本実施例の炊飯器10は、家電サーバー300から送信されたメニュー選択情報を受信し、アプリ受付ボタン313を押下後、外部機器から送信されたメニュー選択情報を確認した上で炊飯/再加熱ボタン317を押下することにより加熱制御が実行されるので、誤ったメニュー選択情報に基づく加熱制御を抑制することができる。
炊飯器10では、お米に加え、様々な食材を混ぜて炊き上げる混ぜご飯の調理が可能である。以下、実施例2では、混ぜご飯の一例として、山菜おこわを選択したときの動作について説明する。基本的な動作は、実施例1と同様である。ただし、実施例1では、家電サーバー300から送信されるメニュー選択情報は、予め記憶部に記憶されている情報(第1メニュー選択情報)を用いたが、実施例2では予め記憶部に記憶されていない第1メニュー選択情報とは異なる第2メニュー選択情報を用いた例について説明する。
情報端末装置100の表示画面101に表示された内容からメニュー番号A-08を選択する。表示画面101には、山菜おこわの調理に関する情報が表示される。使用者は、表示された山菜おこわの調理に関する情報を見て、材料を準備し、炊飯器10の内釜4に材料を投入する。内釜4の材料を投入後、使用者は表示画面101の「本体に送信」と表示された部分をタッチする。
情報端末装置100は、山菜おこわに関するメニュー選択情報を家電サーバー300に送信し、さらに家電サーバー300は炊飯プログラムを含むメニュー選択情報(第2メニュー選択情報)を炊飯器10に送信する。
炊飯工程が終了すると、制御部51は炊飯器10を保温工程に遷移させる。本工程に遷移すると、制御部51はスチーム保温ボタン311の報知部311aを点灯させ、炊飯終了までの時間を0分として表示部32に表示させる。
切/とりけしボタン319が押下されると、制御部51は、炊飯器10を待機状態に遷移させる。待機状態に遷移後、制御部51は、炊飯工程で実施したメニュー選択情報に基づく加熱制御のログデータを第2記憶部52から読み出し、家電サーバー300に送信する。加熱制御のログデータには、実施したメニュー名(山菜おこわ)を含めるようにすると良い。
家電サーバー300は、炊飯器10から送信された加熱制御のログデータを保存する。家電サーバー300には、使用者個人のID(Identification)が割り当てられており、炊飯器10から送信された加熱制御のログデータは、使用者個人のIDに関連付けて保存される。新しい炊飯器10に買い替えを行った場合、これまでに使用してきたメニュー選択情報を再設定する必要がある。本実施例では、メニュー選択情報に関するデータが使用者個人のIDに関連付けて家電サーバー300に保存されているので、新しい炊飯器10に買い替えを行った場合であっても使用者個人のIDに関連付けたメニュー選択情報のデータを読み出し異なる炊飯器10の記憶部に読み込み記憶でき、炊飯器10の使い勝手を向上することができる。
以上のように本実施例の炊飯器10は、家電サーバー300から送信されたメニュー選択情報を受信し、アプリ受付ボタン313を押下後、外部機器から送信されたメニュー選択情報を確認した上で炊飯/再加熱ボタン317を押下することにより加熱制御が実行されるので、誤ったメニュー選択情報に基づく加熱制御を抑制することができる。