(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167582
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/40 20200101AFI20241127BHJP
D06F 33/60 20200101ALI20241127BHJP
D06F 103/26 20200101ALN20241127BHJP
【FI】
D06F33/40
D06F33/60
D06F103:26
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083760
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】傅 瀛申
(72)【発明者】
【氏名】金内 優
(72)【発明者】
【氏名】井村 真
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 真理
(72)【発明者】
【氏名】松井 康博
(72)【発明者】
【氏名】坂東 昌
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA04
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE12
3B167AE13
3B167BA24
3B167BA84
3B167HA11
3B167HA31
3B167JA01
3B167JA11
3B167JA32
3B167JA52
3B167JA53
3B167JB02
3B167JB03
3B167KA10
3B167KA18
3B167KA63
3B167KA71
3B167KA78
3B167LA23
3B167LA31
3B167LC02
3B167LC08
3B167LE02
3B167LF07
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、ドラム式洗濯機の大型化を抑制しつつ、外槽の重量を変化させて外槽の振動を抑制する。
【解決手段】
本発明のドラム式洗濯機100は、外槽11と、ドラム21と、排水弁15aと、水位センサ25と、排水弁15aの開閉を制御する制御部7と、外槽11の内部空間を衣類から脱水された水の貯留部とする外槽水溜部11aと、を備える。制御部7は、外槽11とドラム21とが同位相で共振する外槽共振区間の通過後から中速脱水区間では、水量が所定値以下の場合に排水弁15aを閉じるように制御し、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間では、排水弁15aを開くように制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を溜める外槽と、前記外槽に内包されたドラムと、前記外槽に溜めた水を外部に排出する排水弁と、前記ドラムの回転速度を検知する回転数センサと、前記外槽に溜めた水量を検知する水位センサと、前記排水弁の開閉を制御する制御部と、備えたドラム式洗濯機において、
前記外槽の内部空間を衣類から脱水された水の貯留部とする外槽水溜部を備え、
前記制御部は、前記外槽と前記ドラムとが同位相で共振する外槽共振区間の通過後から中速脱水区間では、前記水位センサで検知される水量が所定値以下の場合に前記排水弁を閉じるように制御し、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間では、前記排水弁を開くように制御することを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記外槽の振動を検知する外槽振動検知部を備え、
前記制御部は、前記外槽振動検知部の出力に基づいて、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間において、前記排水弁の開閉制御を行うことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
衣類量を検知する衣類量検知部を備え、
前記制御部は、前記衣類量検知部の結果に基づいて、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間において、前記排水弁の開閉制御を行うことを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項4】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記外槽水溜部は、水の貯留部を複数の区画に区分する仕切りを有することを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項5】
請求項4に記載のドラム式洗濯機において、
前記仕切りは、前記外槽水溜部を前方水溜部と後方水溜部とに分けるように設けられ、
前記前方水溜部は、当該前方水溜部に溜められた水を排水する前方排水弁を有し、
前記後方水溜部は、当該後方水溜部に溜められた水を排水する後方排水弁を有することを特徴とするドラム式洗濯機。
【請求項6】
請求項5に記載のドラム式洗濯機において、
前記外槽の振動を検知する外槽振動検知部を備え、
前記前方排水弁と前記後方排水弁とは、前記外槽振動検知部の出力値に基づいて、開閉制御されることを特徴とするドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外槽とドラムが一体に振動する回転速度、すなわち、同相固有振動数に相当する回転速度、を超えるまでは、外槽を重くし、この回転速度を超えたら、最高脱水回転速度に達する前に、外槽を軽くして逆相固有振動数を高めるようにしたドラム式洗濯機が記載されている(段落0018参照)。このために特許文献1のドラム式洗濯機は、液体を溜める貯水容器を外槽の前側に配置し、外槽から貯水容器へ水を供給するための給水バルブと、貯水容器から排水ホースへ水を排出するための排水バルブを設けている(段落0019参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のドラム式洗濯機では、液体を溜める貯水容器のほか、貯水容器へ水を供給するための給水バルブが設けられており、同相固有振動数および逆相固有振動数を変更するための装置が大掛かりなものになる。その結果、特許文献1のドラム式洗濯機では、ドラム式洗濯機の大型化を招く虞があった。
【0005】
本発明の目的は、大型化を抑制しつつ、外槽の重量を変化させて外槽の振動を抑制することができるドラム式洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明のドラム式洗濯機は、
水を溜める外槽と、前記外槽に内包されたドラムと、前記外槽に溜めた水を外部に排出する排水弁と、前記ドラムの回転速度を検知する回転数センサと、前記外槽に溜めた水量を検知する水位センサと、前記排水弁の開閉を制御する制御部と、備えたドラム式洗濯機において、
前記外槽の内部空間を衣類から脱水された水の貯留部とする外槽水溜部を備え、
前記制御部は、前記外槽と前記ドラムとが同位相で共振する外槽共振区間の通過後から中速脱水区間では、前記水位センサで検知される水量が所定値以下の場合に前記排水弁を閉じるように制御し、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間では、前記排水弁を開くように制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ドラム式洗濯機の大型化を抑制しつつ、外槽の重量を変化させて外槽の振動を抑制することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例に係るドラム式洗濯機の斜視図である。
【
図2】
図1のドラム式洗濯機の内側構造を右側面側から見た断面図である。
【
図3】本発明のドラム式洗濯機における脱水工程時のドラム回転数制御の一実施例に係るタイムチャートである。
【
図4】本発明のドラム式洗濯機における脱水工程時の回転数と外槽振動変位との関係を、外槽重量をパラメーターとして描いた模式図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る脱水工程時における排水弁の制御フローである。
【
図6】本発明の実施例1に係る脱水工程時の外槽水溜部の水量変化のタイムチャートである。
【
図7】本発明の実施例2に係る脱水工程時における排水弁の制御フローである。
【
図8】本発明の実施例2に係る脱水工程時における排水弁の制御フローである。
【
図9】本発明の実施例3に係るドラム式洗濯機の内側構造を右側面側から見た断面図である。
【
図10】本発明の実施例3に係るドラム式洗濯機の脱水工程時における前方排水弁および後方排水弁の制御フローである。
【
図11】本発明に係るドラム式洗濯機の制御部の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ドラム式洗濯機は、水を溜める外槽と、外槽に内包され回転可能なドラム(内槽または洗濯兼脱水槽)と、外槽とドラムとを内包する筐体とを備えており、外槽と筐体とはダンパやコイルばねで弾性支持されている。衣類の脱水運転時には、ドラムを高速回転させ、遠心力により脱水を行うため、ドラム内の衣類の分布に偏りが生じると外槽に振動が発生する。ドラムの回転数は、外槽とドラムとが一体となって共振する外槽共振を通過した後、衣類分布の偏り量を小さくするために中速脱水区間(例えば900r/min)で一定時間脱水する中速脱水区間に向かって加速させる。十分に衣類の水分を脱水した後、さらに高速脱水区間(例えば1200r/min)までドラムを加速させ、一定時間脱水した後にドラムを減速させ、脱水工程が終了する。
【0010】
中速脱水区間以下の回転数では外槽とドラムとが一体となって振動するため、外槽の重量を増加させることで振動を抑制できる。一般的には、ウエイトを外槽に設け、外槽の質量を大きくする方法が用いられている。しかし、高速脱水区間よりもさらに高い回転数では、外槽とドラムとが逆位相で共振する回転数(逆相固有振動数)が存在するため、外槽の重量が大きいほど、ドラムと外槽とが逆位相で共振する回転数が低下し、高速脱水区間が共振の裾野と重なり、振動が増加する可能性が生じる。特にドラム内の衣類が多い場合は外槽の重量が想定よりも大きくなるため、高速脱水区間での振動が顕著となる。
【0011】
本発明に係る実施例では、大型化を抑制しつつ、外槽の重量を変化させて外槽の振動を抑制することができる。さらに、使用水量を増加させることなく、外槽共振後から中速脱水区間以下の回転数では外槽の質量を増加させ、高速脱水区間では外槽の質量を減少させるよう排水弁を制御することで、中速脱水区間の回転数と高速脱水区間の両方で振動を抑制することができる。
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
[実施例1]
図1は本発明におけるドラム式洗濯機100の斜視図、
図2はドラム式洗濯機100の内部構造を示す側面図をそれぞれ示す。
図1および
図2を用いて、ドラム式洗濯機100の構成および動作を説明する。
【0013】
図1に示すドラム式洗濯機100の外郭を構成する筐体1は、ベース1aの上に取付けられており、左右の側板1b(
図1では右の側板のみを図示)、前面カバー1c、背面カバー1d(
図2参照)、上面カバー1e、および下部前面カバー1fで構成されている。上面カバー1eには、水道栓からのドラム式洗濯機100に給水するための給水ホース接続口30が設けられている。筐体1は、ベース1aを含めて箱状の外枠を形成し、外枠として十分な強度を有している。
【0014】
ドア2は、前面カバー1cの略中央に設けた、衣類を出し入れするための投入口(図示せず)を塞ぐためのもので、前面カバー1cに設けたヒンジで開閉可能に支持されている。ドア2は、ドア開放取手2aを引くことでロック機構(図示せず)が外れて開き、ドア2を前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じる。前面カバー1cは、後述する外槽11の開口部と略同心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
【0015】
筐体1の上部に設けた操作・表示パネル3は、電源スイッチ4、操作スイッチ5、表示器6を備える。操作・表示パネル3は筐体1の上部に設けた上補強部材13(
図2参照)に取り付けられている制御部7(
図2参照)に電気的に接続されている。制御部7には冷却ファン(図示せず)が取付けられている。また、制御部7は、洗濯機の運転を記録可能なメモリ7b(
図11参照)を備えている。ベース1aの近傍には、排水を行うための排水ホース14が取付けられている。
【0016】
図2に示すドラム式洗濯機100の筐体1の内部には、水を溜める外槽11が設けられる。外槽11の上部には、外槽11の姿勢を保持するために、コイルばねで構成された二組の懸架装置8で、筐体1に接続されている。外槽11の下部は、筐体1に取り付けられた複数本の防振ダンパ24で、筐体1に接続されている。防振ダンパ24と外槽11及び筐体1との接続部は、回転可能な状態で取り付けられる。防振ダンパ24の本数は、2本以上あればよく、その構成は
図2の構成に限定されない。
【0017】
外槽11は、衣類を収納するためのドラム21を内包する。外槽11は、その後側(背面側)に、ドラム21を回転させるためのモータ22を備える。モータ22は、回転軸となるシャフト22aが外槽11を貫通してドラム21と結合されるように、構成されている。モータ22が駆動すると、ドラム21は、正転(ドラム式洗濯機100を正面から見て左回り)、逆転(ドラム式洗濯機100を正面から見て右回り)の両方向に回転駆動される。
図2に示すドラム21の回転軸Azは、ドラム式洗濯機100の前方から後方に向けて水平または、奥側が下になるように傾斜している。なお、
図2は奥側が下になるように傾斜した例を示している。モータ21には回転速度を検知する回転数センサ10が設けられている。
【0018】
ドラム21の内周面には、ドラム21内の洗濯水を外槽11に排水するための複数個の脱水孔21bや、ドラム21の周方向に間隔をおいて、ドラム21内に投入された衣類を持ち上げるための複数個(
図2では1個のみを図示)のバッフル23が設けられている。バッフル23は、ドラム21の前後方向に延在している。
【0019】
ドラム21の前端には、円筒状の流体バランサ21cが設けられている。外槽11は、前方を開口として、後方を閉じた有底の略円筒を形成している。この外槽11の開口部と筺体1の投入口とは、前後方向に伸縮しやすいベローズ16により接続される。ベローズ16は、環状のパッキンであり、ドア2を閉めることで外槽11を水封する。また、筐体1の投入口、外槽11の開口部及びドラム21の開口部は連通しており、ドア2を開くことでドラム21内への衣類の出し入れが可能となる。なお、外槽11は、開口部を含む側と、モータ22の取り付けられる側とに分割することができる。
【0020】
外槽11の下部には、洗濯水や衣類から脱水された水を貯蓄する外槽水溜部11aが備えられている。外槽水溜部11aは、外槽11の内部空間を利用して構成され、外槽11の内部空間との間を仕切る仕切り等は設けられていない。また、外槽11の下部の内部空間に外槽水溜部11aを設けるために、外槽11の周壁11cとドラム21の周壁21dとの間の隙間dは、ドラム21下方の外槽水溜部11aの部位における隙間の方がドラム21の上方における隙間よりも大きい。
【0021】
外槽水溜部11aに備えられた排水口19は、内部排水ホース14と接続されている。糸くず捕集ボックス17には、洗濯水を循環させるための循環ポンプ20が設けられており、循環経路20aを介して水をドラム21内に散布する。外部排水ホース15には排水弁15aが設けられ、排水弁15aを閉じて給水することで外槽11に水を溜め、排水弁15aを開いて外槽11内の水を機外へ排出する。外槽11内に溜められた水の水位は水位センサ25によって検知される。制御部7は、水位センサ25によって検知される水位に基づいて、給水量を制御する。本実施例及び後述する実施例2における水位センサ25は、外槽11内にかかる圧力が液面の高さに比例することを利用した差圧式のものであるが、その構成は差圧式のものに限定されない。
【0022】
さらに外槽11の下部には、外槽11の振動を検知する外槽振動検知部18が設けられており、外槽11の振動変位が予め設定したしきい値を超えると、ドラム21の回転を一時停止させ、衣類アンバランスを修正して脱水工程のやり直しを行う。振動変位がしきい値以下の場合のみ回転速度を上昇させ、過大な振動の発生を抑制している。
【0023】
上記構成を備えたドラム式洗濯機100の動作を説明する。
上記のように構成されたドラム式洗濯機100は、まず利用者が電源スイッチ4を押すことで起動する。そして、利用者は、ドア開放取手2aを引き、ドア2を開いてドラム21内に衣類を投入する。そして、利用者はドア2を閉じた後、操作スイッチ5を操作することでドラム式洗濯機100の運転を開始する。
【0024】
運転が開始されると、ドラム21が回転して注水前の衣類容量を算出する。衣類容量は、モータ22の回転数と電流値とに基づいて算出される。このとき、衣類容量が多い程、モータ22に加わる負荷が大きくなり、電流値が大きくなる。衣類容量は、この電流値に基づいて判定される。そして、衣類容量に基づいて、投入する洗剤量が表示器6に表示される。このとき、算出した衣類容量が多い程、投入する洗剤量も多くなる。利用者は、表示器6の表示を確認して、洗剤容器12内に所定量の洗剤量を投入して、洗い工程を開始する。
【0025】
洗い工程では、給水弁32を開いて給水ホース接続口30から供給した水を、内部給水ホース31および洗剤容器12を介して、洗剤と共に外槽11内に供給する。このとき、算出した衣類容量が多い程、洗い工程での給水量が多くなる。このとき、循環ポンプ20内で未溶解の洗剤と水とが撹拌される。これにより、効率よく洗剤が溶かされ、高濃度の洗剤液が生成される。この動作が所定時間実行された後、ドラム21は正転、停止、逆転、停止を繰り返す洗い動作を所定時間行う。このとき、衣類がバッフル23によって持ち上げられて落下する動作が繰り返されることで、衣類の洗浄が行われる。洗い工程の後、脱水工程が実行される。本実施例における脱水工程の動作は、別途下記で説明する。
【0026】
脱水工程の後、すすぎ工程が実行される。このすすぎ工程では、給水弁32を開いて給水ホース接続口30から供給した水を、給水ホース31および洗剤容器12を介して、外槽11内に供給する。また、洗い工程と同様に、算出した衣類容量が多い程、給水量が多くなる。このすすぎ工程では、洗い工程と同様に、ドラム21の正転、停止、逆転、停止の動作が繰り返される。このとき、バッフル23によって持ち上げられた衣類を落下させる攪拌動作が所定時間実行される。その後、脱水工程およびすすぎ工程を所定回数繰り返し、最終脱水工程に移行する。
【0027】
本実施例の脱水動作を
図3乃至
図5を用いて説明する。
図3は脱水工程におけるドラム21の回転数のタイムチャートを示す。
脱水工程では、ドラム21の回転数を、ドラム21の内周面に衣類を広げながら張り付ける低速回転区間(t1~t2)と、外槽共振区間(t2~t3)と、筐体共振区間(t3~t4)と、筐体共振後区間(t4~t5)とを通過させながら、中速脱水区間(t5~t6)まで上昇させる。このとき、衣類に含まれる水が遠心脱水される。中速脱水区間で衣類に含まれる水を十分に脱水した後、ドラム21の回転数は高速脱水区間まで高められ(t6~t7)、さらに衣類に含まれる水が脱水される。
【0028】
低速回転区間では、ドラム21の回転数をω0(例えば50r/min)まで上昇させる。このとき、洗い工程で水を含んだ衣類がドラム21の回転時にバッフル23によって持ち上げられ、衣類が落下する際にドラム21の内周面に広げられる。ドラム21の回転数がω0に到達したら、ω0におけるアンバランスを検知するため、ドラム21をω0でT1(例えば10秒)時間運転する。
【0029】
低速回転区間のアンバランス検知は、回転変動の大きさによって判定する。なお、回転変動は、例えば、ドラム21が1回転する際、衣類をドラム21の下方から上方に持ち上げる速度(最低速度)と、衣類をドラム21の上方から下方に下げる速度(最高速度)との差分から求められる。回転変動が小さければ小さいほど、バランスがとれていることが確認できる。ω0のアンバランス検知において、回転変動が予め設定した閾値以下であると判定された場合には、ドラム21の回転数がω0からω1(例えば80r/min)に高められる。
【0030】
ドラム21の回転数がω1に到達したら、アンバランス検知を行うため、ω1でT2(例えば5秒)時間運転する。なお、ω0とω1とは、衣類の張り付き具合を検知する回転数であり、ω0は衣類がドラム21の内周面に張り付き始める回転数、ω1は衣類がドラム21の内周面に完全に張り付く回転数である。
【0031】
ω1で所定時間運転した後、ω1のアンバランス検知において、回転変動が予め設定した閾値以下であると判定した場合には、ドラム21の回転数がω2(例えば400r/min)まで高められる。このとき、ドラム21の回転数は外槽11の共振区間を通過する。外槽11の共振区間を通過する際、外槽11の振動変位が所定値よりも小さい場合は、ドラム21の回数数はω3(例えば600r/min)まで高められる。このとき、ドラム21の回転数は筐体1の共振区間を通過する。
【0032】
ドラム21の内周面に張り付いた衣類のアンバランスが大きい場合、ドラム21の回転変動や、外槽11の振動変位は予め設定された閾値よりも大きくなる。この場合、ドラム21の回転数を低下、またはドラム21の回転を停止して、ドラム21の正転と逆転とを繰り返すほぐし動作や、注水が行われ、衣類のアンバランスを修正する動作が行われる。
【0033】
ドラム21の回転数が筐体1の共振区間を通過する際、外槽11の振動振変位が所定値よりも小さい場合は、ドラム21は中速脱水区間の回転数ω4(例えば900r/min)まで加速される(筐体共振後区間)。中速脱水区間では、ドラム21はT3(例えば180秒)で所定時間運転される。
【0034】
中速脱水区間で衣類の水分を十分に脱水することで衣類のアンバランスは小さくなる。この状態で、ドラム21は高速脱水区間の回転数ω5(例えば1200r/min)まで加速される。
【0035】
高速回転区間では、ドラム21はT4(例えば200秒)で所定時間運転される。その後、ドラム21の回転数は0r/minまで下げられ(t8以降)、脱水工程は終了する。
【0036】
上記の脱水工程における外槽11の重量と振動変位の関係を
図4に示す。
外槽11の重量が高いほど、中速脱水区間では外槽11の振動変位は小さくなるが、高速脱水区間では外槽11とドラム21が逆位相で共振する回転数が低下し、共振の裾野と重なることで外槽11の振動変位は増加する特性を持つようになる。そのため、中速脱水区間では外槽11の重量を大きくし、高速脱水区間では重量を小さくすることが望ましい。脱水工程において、排水弁15aを閉じることで、衣類から脱水された水を外槽水溜部11aに貯留して外槽11の重量を増加させることができ、排水弁15aを開いて外槽水溜部11aに貯留した水を排水することで、外槽水溜部11aに水を貯留した状態よりも外槽11の重量を低減することができる。
【0037】
以上のことから、ドラム21の回転数に応じて排水弁15aを開閉することで、外槽11内の残留水量を制御し、外槽11の重量を可変することが外槽11の振動抑制に有効となる。
【0038】
脱水工程における排水弁15aの制御による外槽水溜部11aの水量変化を
図5及び
図6を用いて説明する。
図5では脱水工程における排水弁15aの制御フローを示し、外槽水溜部11aの水量変化の模式図を
図6に示す。なお、
図5の制御フローは制御部7において実行される。
【0039】
脱水工程が開始されると、制御部7は、ドラム21の回転数を上昇させ(S101)、外槽11の共振区間を通過させる(S102)。脱水工程開始から外槽11の共振区間通過までの間は、衣類の含水量が多いことや、ドラム加速中は一定回転時に比べて脱水量が増える観点から、外槽水溜部11aの水量が急増し、回転しているドラム21と水面とが触れることでモータ22の負荷が増加する恐れがあるため、外槽11の共振区間通過前では排水弁15aを開いておく方が望ましい。
【0040】
制御部7は、外槽11の共振区間を通過後、排水弁15aを閉じることで、衣類から脱水された水分を外槽11内に貯留して外槽11の重量を増加させるように、排水弁15aを制御する。この時、水位センサ25で検知した外槽水溜部11aの残留水量が所定値A(例えば、2L)より大きいと判定(S105)された場合には、排水弁15aを開き(S106)、外槽11内の水を外部に排出する。水位が所定値Aよりも小さい場合には排水弁15aを閉じる(S107)ため、外槽11内の水位が所定値Aに収束する制御となる。
【0041】
しかし、衣類から脱水される水量が排水弁15aを開くことによって排出される水量を上回る場合では、排水弁15aを開いても外槽11内の水位が減少しないため、所定値Aに収束せず、回転するドラム21と水面とが触れる恐れがある。そのため、所定値Aは、ドラム21と水面とが触れる水位である限界水量(例えば、3L)よりも小さい値を設定することが望ましい。外槽水溜部11aの残留水量の質量で外槽11の重量を増加させ、外槽11の振動変位を抑制することができる。中速脱水区間に到達するまで(S108)、ドラム21の回転数を上昇させ(S104)、S105~S107を繰り返す。
【0042】
中速脱水区間到達(S108)後は、一定時間T3の間、中間脱水区間(S109)を継続する。
【0043】
高速脱水区間よりも高い回転数には、外槽11とドラム21とが逆位相で共振する回転数が存在する。外槽11の重量が増加することによってこの共振回転数が低下し、高速脱水区間がこの共振の裾野と重なるようになる。このため、外槽11の振動が増加することから、高速脱水区間では外槽11の重量を小さくすることが望ましい。すなわち、高速脱水区間への加速区間では、排水弁15aを開き(S110)、外槽水溜部11aの残留水量を減少させることで、外槽11の重量を小さくすることが有効となる。
【0044】
高速脱水区間到達(S113)後は、排水弁15aを開いた状態で一定時間T4の間、脱水を継続する(S114)。その後、ドラム21を停止させ(S115)、脱水工程を終了する。
【0045】
上述した本実施例のドラム式洗濯機100は、水を溜める外槽11と、外槽11に内包されたドラム21と、外槽11に溜めた水を外部に排出する排水弁15aと、ドラム21の回転速度を検知する回転数センサ10と、外槽11に溜めた水量を検知する水位センサ25と、排水弁15aの開閉を制御する制御部7と、外槽11の内部空間を衣類から脱水された水の貯留部とする外槽水溜部11aと、を備える。制御部7は、外槽11とドラム21とが同位相で共振する外槽共振区間の通過後から中速脱水区間では、水位センサ25で検知される水量が所定値以下の場合に排水弁15aを閉じるように制御し、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間では、排水弁15aを開くように制御する。
【0046】
[実施例2]
実施例2は、実施例1と基本構成は同様であり、高速脱水区間への加速区間における排水弁15aの開閉の制御方法が異なる。
【0047】
高速脱水区間への加速区間における排水弁15aの開閉制御は、外槽振動検知部18で検知した外槽11の振動変位に基づいて行っても良い。中速脱水区間以降における、外槽11の振動変位を用いた排水弁15aの制御フローを
図7に示す。なお、
図7の制御フローは制御部7において実行される。
【0048】
中速脱水区間到達後、一定時間T3の間、脱水を継続し(S109)、高速脱水区間までドラム21を加速させる。この時、中速脱水区間における外槽11の振動変位と高速脱水区間への加速区間中の外槽11の振動変位との差分が、ある所定値Bを超える場合は、外槽11とドラム21とが逆位相で振動する共振の裾野であると判定する(S116)。共振の裾野と判定した場合は、排水弁15aを開き(S117)、外槽11の重量を小さくすることで、逆位相で振動する共振回転数を高くし、外槽11の振動を抑制する。また、実施例1と同様に外槽水溜部11aの水量が所定値Aよりも小さいかを同時に判定し(S116)、水量が所定値Aを超える場合は、排水弁15aを開くよう制御する(S117)。
【0049】
上記のように、高速脱水区間への加速区間で、外槽11の振動変位に基づいて排水弁15aを制御することで、排水弁15aを適切なタイミングで開くことができるため、外槽11の重量が十分に小さく高速脱水区間でも共振の裾野とならない場合では、外槽11の振動変位を抑制できる。高速脱水区間に到達(S113)後も、一定時間T4が経過するまで(S118)、S116の判定を繰り返す。一定時間T4が経過した後、排水弁15aを開き(S119)、ドラム21を停止させ(S115)、脱水工程を終了する。
【0050】
上述した本実施例のドラム式洗濯機100は、外槽11の振動を検知する外槽振動検知部18を備え、制御部7は、外槽振動検知部18の出力に基づいて、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間において、排水弁15aの開閉制御を行う。
【0051】
高速脱水区間への加速区間での排水弁15aの開閉制御は、外槽11の振動変位の代わりに、運転開始時に検知した衣類容量に基づいて行っても良い。例えば、衣類容量が多い場合には、衣類容量が少ない場合と比較して、低い回転数で共振の裾野となる。ゆえに、衣類容量から共振の裾野となる回転数を推定でき、外槽11の振動変位に基づいて排水弁15aの制御を行った場合と同様にして、排水弁15aを適切なタイミングで開くことができる。
【0052】
中速脱水区間以降における、衣類容量に基づく排水弁15aの制御フローを
図8に示す。なお、
図8の制御フローは制御部7において実行される。
【0053】
図8に示す制御フローでは、
図7の制御フローと比較して、S117で排水弁15aを開くS116の条件が異なる。
【0054】
中速脱水区間に到達してから一定時間T3経過(S109)した後、運転開始時に検知した衣類容量が所定値Cよりも大きい場合に、制御部7は、衣類容量の重量によって逆位相で共振する回転数が低下しているものと判定し、排水弁15aを開くように制御する(S117)。排水弁15aを開くことで、外槽水溜部11a内の水が排出され、外槽11の重量が小さくなることで、逆位相で共振する回転数の低下が抑制される。このために衣類量検知部41(
図11参照)が設けられる。
【0055】
また、実施例1と同様に、外槽水溜部11aの水量が所定値Aよりも小さいかを同時に判定する(S116)。水量が所定値Aを超える場合に、制御部7は排水弁15aを開くよう制御する(S117)。
【0056】
上記の通り、脱水工程において、ドラム21の回転数及び外槽水溜部11aの水量に応じて排水弁15aの開閉を制御することで、外槽11の重量を変化させ、中速脱水区間および高速脱水区間の両方で、外槽11の振動を抑制することができる。
【0057】
上述した本実施例のドラム式洗濯機100は、衣類量を検知する衣類量検知部41を備え、制御部7は、衣類量検知部41の結果に基づいて、高速脱水区間及び高速脱水区間への加速区間において、排水弁15aの開閉制御を行う。
【0058】
[実施例3]
実施例3では、実施例1と基本構成は同様であり、外槽11で洗濯水を貯蓄する空間である水溜部に仕切り11bが設けられている点と、脱水工程での排水弁15aの制御手法とが異なる。
【0059】
実施例3におけるドラム式洗濯機100の内部構造の側面図を
図9に示す。なお、外槽11の下部に設けられる防振ダンパ24は簡潔化のため、図示を省略している。
【0060】
仕切り11bは、脱水工程中に脱水された水分を分割するように外槽11の外槽水溜部11aに設けられる。ここで仕切り11bの形状は、外槽水溜部11a内の水によるスロッシングの固有振動数を考慮すると良い。スロッシングの固有振動数は外槽水溜部11aの形状と水深とによって決定され、開発段階で把握可能である。そのため、外槽11の共振区間通過後にドラム21の回転周波数とスロッシングの固有振動数とが一致しない形状となるように、仕切り11bの形状や寸法、配置位置を決定することが望ましい。
【0061】
加えて、仕切り11bは外槽水溜部11aを前後方向に分割するように設けられており、分割された前方の空間(前方水溜部)11a1には排水ホース(前方排水ホース)14bと前方排水弁15bとが設けられ、後方の空間(後方水溜部)11a2には排水ホース(後方排水ホース)14cと後方排水弁15cとが設けられているため、前方の空間と後方の空間とで残留水量、すなわち重量が片寄るように水を貯留することができる。
【0062】
以下に、脱水工程における前方排水弁15bと後方排水弁15cとの開閉制御を説明する。外槽11の共振区間通過後から中速脱水区間において、実施例1と同様に外槽水溜部11aの水量が所定値Aより小さい条件では、前方排水弁15b及び後方排水弁15cを閉じるよう制御する。この制御によって外槽水溜部11a内に衣類から脱水された水を貯留し、外槽11の重量を大きくすることで、外槽11の振動変位を抑制できる。
【0063】
中速脱水区間到達以降における前方排水弁15bと後方排水弁15cとの開閉制御を、
図10を用いて説明する。
図10は、実施例3に係るドラム式洗濯機100の脱水工程時における前方排水弁15bおよび後方排水弁15cの制御フローを示す。なお、
図10の制御フローは制御部7において実行される。
【0064】
ドラム21は、外槽11に固定されたモータ22のシャフトを介して接続される片持ち構造となっており、外槽11に同じ重量を増加させる際、外槽11の前方を増加させた場合と後方を増加させた場合とでは、前方を増加させた方が逆位相の共振回転数の低下が大きく、後方を増加させた場合では低下が小さくなる。以上のことから、中速脱水区間よりも高い回転数領域では、外槽水溜部11aの前方よりも後方に水を溜める方が望ましい。
【0065】
そのため制御部7は、中速脱水区間で一定時間T3の間、脱水(S109)を行った後、前方排水弁15bを開き(S120)、外槽水溜部11aの前方に貯蓄した水を減少させることで、外槽11の前方の重量を小さくするように制御する。次に、外槽水溜部11aの水量が所定値A’よりも小さい条件下(S121)では、後方排水弁15cを閉じる(S122)ことで外槽11の後方に水を貯留し、逆位相の共振回転数の低下を防止しながらも、高い回転数領域で貯留した水を用いて外槽11の重量を増加させて振動を抑制することができる。所定値A’よりも水量が大きいと判定された場合(S121)には、後方排水弁15cを開くことで外槽水溜部11aの後方に貯蓄した水を機外に排水し、ドラム21と水面とが接触することを防止する。なお、所定値A’は所定値Aと同様、水面とドラム21とが接触する限界水量よりも小さい値に設定される。
【0066】
特に、ドラム21の後方位置に衣類アンバランスが発生する条件では、外槽11の後方に主に加振力が加わる。この場合、外槽水溜部11aの後方に貯留した水によって、高い回転数領域においても外槽11の振動変位を抑制することが有効である。
【0067】
高速脱水区間に到達(S113)するまで、S121の判定と排水弁15cの開閉制御とを繰り返しながらドラム21を加速させる(S112)。高速脱水区間到達(S113)後は一定速度で時間T4の間、脱水(S118)し、その間もS121の判定と排水弁15cの開閉制御とを繰り返す。
【0068】
高速脱水区間での脱水を終えた後は、後方排水弁15cを開き(S124)、外槽水溜部11a内の水を機外に排出しながら、ドラム21の回転速度を停止するまで減少させ(S115)、脱水工程を終了する。
【0069】
上述した本実施例のドラム式洗濯機100は、下記の特徴を有する。
【0070】
外槽水溜部11aは、水の貯留部を複数の区画に区分する仕切り11bを有する。
仕切り11bは、外槽水溜部11aを前方水溜部11a1と後方水溜部11a2とに分けるように設けられる。前方水溜部11a1は、前方水溜部11a1に溜められた水を排水する前方排水弁15bを有する。後方水溜部11a2は、後方水溜部11a2に溜められた水を排水する後方排水弁15cを有する。
【0071】
また、上記の前方排水弁15bと後方排水弁15cとの制御フローは一例であり、上記の制御フローに限定されない。例えば、上記の制御手法に加えて、
図7の排水弁15aの制御フローと同様に、中速脱水区間で検知した振動変位と高速脱水区間への加速区間で検知した振動変位との差分を考慮して、前方排水弁15bおよび後方排水弁15cの開閉を制御しても良い。
【0072】
この場合、ドラム式洗濯機100は外槽11の振動を検知する外槽振動検知部18を備え、前方排水弁15bと後方排水弁15cとは、外槽振動検知部18の出力値に基づいて、開閉制御される。
【0073】
或いは、
図8の排水弁15aの制御フローと同様に、衣類容量を考慮して、前方排水弁15bおよび後方排水弁15cの開閉を制御しても良い。
【0074】
例えば、衣類容量や含水量が大きく外槽11の重量が大きくなるために、逆位相の共振回転数が低下することによって振動が増加する条件では、高速脱水区間への加速区間で後方排水弁15cを開くことによって、さらに逆位相の共振回転数が低下することを防ぐことができる。また、衣類容量や含水量が小さく逆位相の共振回転数の低下が起こらない条件に対しては、高速脱水区間への加速区間および高速脱水区間で前方排水弁15bを閉じたままとすることで外槽11の重量を増加させ、さらに振動を抑制することができる。
【0075】
図11に、上述した実施例で使用される制御部7の構成を示す。なお、
図11では、
図5,7,8,10の制御フローに関連する機器のみを図示する。
制御部7は、少なくともCPU11aとメモリ11bとを有し、上述した各制御フローを実行する。メモリ11bは制御プログラムや脱水運転における回転速度及び時間等を記憶する。
【0076】
制御部7には時間を計測するためのタイマー40、回転センサ10及び水位センサ25等が接続される。制御部7は、タイマー40、回転センサ10、水位センサ25、外槽振動検知部18、及び衣類量検知部41等から、上述した制御フローを実行するために必要な情報を得る。なお、外槽振動検知部18は実施例2の
図7で説明した制御フローに必要な構成であり、この制御フローを実施しない場合は不要である。また、衣類量検知部41は実施例2の
図8で説明した制御フローに必要な構成であり、この制御フローを実施しない場合は不要である。
【0077】
また制御部7には、制御対象として、モータ22、排水弁15a、前方排水弁15b、後方排水弁15c等が接続される。排水弁15aは実施例1及び実施例2で使用される排水弁であり、前方排水弁15bおよび後方排水弁15cは実施例3で使用される排水弁である。従って、実施例1及び実施例2のドラム式洗濯機100は、前方排水弁15bおよび後方排水弁15cは必要なく、排水弁15aを制御対象として備えていればよい。実施例3のドラム式洗濯機100は、排水弁15aは必要なく、前方排水弁15bおよび後方排水弁15cを制御対象として備える。
【0078】
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0079】
7…制御部、10…回転数センサ、11…外槽、11a…外槽水溜部、11a1…前方水溜部、11a2…後方水溜部、11b…仕切り、15a…排水弁、15b…前方排水弁、15c…後方排水弁、18…外槽振動検知部、21…ドラム、25…水位センサ、41…衣類量検知部、100…ドラム式洗濯機。