(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167596
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ストリンガー用フック
(51)【国際特許分類】
A01K 97/00 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
A01K97/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083783
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 永裕
【テーマコード(参考)】
2B109
【Fターム(参考)】
2B109FA02
(57)【要約】
【課題】係止状態が解除され難く操作性も良好なストリンガー用フックを提供することを課題とする。
【解決手段】フック本体2とばね3とを備え、水中で魚を保持するストリンガーに用いられるストリンガー用フック1であって、フック本体2は、基部11と、基部11に連続し外周にばね3が装着されるばね保持部と、ばね保持部に対して側方に張り出す張出部15と、張出部15に連続し湾曲状を呈するとともに魚が挿通される魚保持部17と、魚保持部17に連続し基部11側に向けて延設されている先端部18と、を有し、先端部18がばね3の内周縁で係止される第一係止状態と、第一係止状態からばね3が収縮することで先端部18が解放され、先端部18が張出部15に係止される第二係止状態と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック本体と当該フック本体に装着されるばねとを備え、水中で魚を保持するストリンガーに用いられるストリンガー用フックであって、
前記フック本体は、
基部と、
前記基部に連続し外周に前記ばねが装着されるばね保持部と、
前記ばね保持部に対して側方に張り出す張出部と、
前記張出部に連続し湾曲状を呈するとともに前記魚が挿通される魚保持部と、
前記魚保持部に連続し前記基部側に向けて延設される先端部と、を有し、
前記先端部が前記ばねの内周縁で係止される第一係止状態と、
前記第一係止状態から前記ばねが収縮することで前記先端部が解放され、前記先端部が前記張出部に係止される第二係止状態と、を備えていることを特徴とするストリンガー用フック。
【請求項2】
前記第二係止状態において、前記先端部は前記張出部と前記ばねとの間に位置していることを特徴とする請求項1に記載のストリンガー用フック。
【請求項3】
前記張出部の内縁は、前記ばねの外周縁よりも内側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のストリンガー用フック。
【請求項4】
前記先端部は、前記張出部側に常時付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のストリンガー用フック。
【請求項5】
前記第一係止状態及び第二係止状態において、前記先端部が前記ばねの長さ方向の中心よりも上に位置していることを特徴とする請求項1に記載のストリンガー用フック。
【請求項6】
前記魚保持部は、前記ばねの軸方向に沿って延設される直線部と、当該直線部に連続する湾曲部を少なくとも備えていることを特徴とする請求項1に記載のストリンガー用フック。
【請求項7】
前記フック本体は、前記張出部に連続し前記ばねに対して当該張出部とは反対側に延設される延設部を有し、
前記第一係止状態又は前記第二係止状態から、前記ばねの端部が前記延設部に係止される第三係止状態を備えていることを特徴とする請求項1に記載のストリンガー用フック。
【請求項8】
前記ばねの前記延設部側の端部は、当該ばねを軸周りに回転させた際に前記延設部に当該端部が係止するようにばねピッチが設定されていることを特徴とする請求項7に記載のストリンガー用フック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中で魚を保持するストリンガーに用いられるストリンガー用フックに関する。
【背景技術】
【0002】
水中で魚を保持するストリンガーに用いられるストリンガー用フックが知られている。ストリンガー用フックは係止状態に様々なタイプがあり、例えば、特許文献1に示すスナップ式又は特許文献2に示すばね式がある。スナップ式は、平面視U字状を呈する係止部に自由端となる先端部を係止させるタイプである。付勢に抗して先端部を係止部から移動させことで係止状態が解除される。ばね式は、フック本体のばね保持部に装着されたばねの内周縁に自由端となる先端部を係止させるタイプである。ばねの付勢に抗してばねを収縮させることで先端部の移動が自由になり、係止状態が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3129061号公報
【特許文献2】実開昭55-58882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ストリンガー用フックは、泳いでいる状態でも魚を保持するため、魚が暴れると係止部には、引張、圧縮、ねじれ又はこれらの複合的な力が作用する。よって、スナップ式において、魚が暴れて係止部に大きな力が作用すると係止状態が解除されて魚が逃げてしまうおそれがある。また、ばね式においても、波で岩や岸壁等と衝突してばねがずり上がったり、収縮したりすると係止状態が解除されて魚が逃げてしまうおそれがある。つまり、ストリンガー用フックは、魚が暴れたり、波等の外的要因があったりしても係止状態を維持可能な構造である必要がある。一方で、係止部を強固にしすぎたり、操作の手間が多くなったりすると、操作性が悪くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、係止状態が解除され難く操作性も良好なストリンガー用フックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、フック本体と当該フック本体に装着されるばねとを備え、水中で魚を保持するストリンガーに用いられるストリンガー用フックであって、前記フック本体は、基部と、前記基部に連続し外周に前記ばねが装着されるばね保持部と、前記ばね保持部に対して側方に張り出す張出部と、前記張出部に連続し湾曲状を呈するとともに前記魚が挿通される魚保持部と、前記魚保持部に連続し前記基部側に向けて延設される先端部と、を有し、前記先端部が前記ばねの内周縁で係止される第一係止状態と、前記第一係止状態から前記ばねが収縮することで前記先端部が解放され、前記先端部が前記張出部に係止される第二係止状態と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第一係止状態である場合に、外的要因によって当該係止状態が解除されたとしても第二係止状態に移行する。これにより、係止状態が解除され難くなっている。また、ばねを収縮させつつ、先端部を操作することで係止又は解除することができるため、操作性も良好である。
【0008】
また、前記第二係止状態において、前記先端部は前記張出部と前記ばねとの間に位置していることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、先端部の移動がばねによって阻止されるため、第二係止状態であっても係止状態が解除され難くなっている。
【0010】
また、前記張出部の内縁は、前記ばねの外周縁よりも内側に位置していることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、張出部に先端部を安定して係止させることができる。
【0012】
また、前記先端部は、前記張出部側に常時付勢されていることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、先端部が外れ難くなり、第一係止状態及び第二係止状態において安定して係止させることができる。
【0014】
また、前記第一係止状態及び第二係止状態において、前記先端部が前記ばねの長さ方向の中心よりも上に位置していることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、先端部が外れ難くなり、第一係止状態及び第二係止状態において安定して係止させることができる。
【0016】
また、前記魚保持部は、前記ばねの軸方向に沿って延設される直線部と、当該直線部に連続する湾曲部を少なくとも備えていることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、直線部と近い位置の湾曲部に魚が保持されやすくなるため、フック本体が変形し難くなる。
【0018】
また、前記フック本体は、前記張出部に連続し前記ばねに対して当該張出部とは反対側に延設される延設部を有し、前記第一係止状態又は前記第二係止状態から、前記ばねの端部が前記延設部に係止される第三係止状態を備えていることが好ましい。
【0019】
本発明によれば、第三係止状態では延設部にばねの端部が係止されているため、ばねの収縮が阻止され、係止状態がより外れ難くなる。
【0020】
また、前記ばねの前記延設部側の端部は、当該ばねを軸周りに回転させた際に前記延設部に当該端部が係止するようにばねピッチが設定されていることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、ばねを回転させるだけで第三係止状態に移行することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のストリンガー用フックによれば、係止状態が解除され難く操作性も良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係るストリンガー用フックを示す側面図(第一係止状態)である。
【
図7】本実施形態に係るストリンガー用フックを示す側面図(解除状態)である。
【
図8】本実施形態に係るストリンガー用フックを示す側面図(第二係止状態)である。
【
図10】本実施形態に係るストリンガー用フックを示す側面図(第三係止状態・第一係止状態由来)である。
【
図11】本実施形態に係るストリンガー用フックを示す側面図(第三係止状態・第二係止状態由来)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態に係るストリンガー用フック1について図面を参照しながら説明する。以下の説明において、「上下」、「左右」を言うときは
図1に示した方向を基準とし、「前後」を言うときは
図3に示す方向を基準とする。「上下」、「左右」、「前後」は説明の便宜上付すものであって、本発明の方向を限定するものではない。各実施形態において、同一の部分については同様の符号を付し詳細な説明は省略する。
【0025】
ストリンガー用フック1は、
図1に示すように、フック本体2と、ばね3とを備えている。ストリンガー用フック1は、水中で泳がせた状態で魚(図示省略)を保持する道具である。ストリンガー用フック1の魚保持部17に魚が係止されるとともに、基部11に取付られたスイベルS及び連結部材Rを介して陸や船等の固定部に係留される。連結部材Rは、例えば、スナップ、ロープ、カラビナ又はこれらの複合部材等を用いることができる。ロープを用いる場合は、ロープホルダにロープを巻き付けてもよい。
【0026】
フック本体2は、基部11と、第一ばね保持部12と、折返し部13と、第二ばね保持部14と、張出部15と、延設部16と、魚保持部17と、先端部18と、を備えている。フック本体2は、一定の外径を備える一本の細長の金属部材を曲げ加工して形成されている。
【0027】
基部11は、フック本体2の上部に形成されており、湾曲状を呈する。基部11には、スイベルSを介して連結部材Rが取り付けられている。基部11の左右方向幅は、ばね3が上方に抜けないように、ばね3の外径よりも大きくなっている。
【0028】
第一ばね保持部12は、基部11の一方側から連続し、ばね3の中心軸Cに沿って直線状に延設されている。折返し部13は、第一ばね保持部12の下端から連続し、上方に向けて湾曲しながら折り返された部位である。
【0029】
第二ばね保持部14は、基部11の他方側から連続し、ばね3の軸方向に沿って直線状に延設されている。第一ばね保持部12と第二ばね保持部14とは概ね平行になっている。
図3に示すように、第一ばね保持部12及び第二ばね保持部14は互いに離間するとともに、前後方向の中心位置において対向するように配置されている。第一ばね保持部12及び第二ばね保持部14でばね3を保持する「ばね保持部」を構成している。
【0030】
張出部15は、第二ばね保持部14から連続し、ばね3の中心軸Cから側方(左側)に、第二ばね保持部14に対して垂直に延設されている。張出部15は、
図3に示すように、平面視U字状を呈する。張出部15の幅(前後方向の隙間)は、先端部18の外径よりも若干大きくなっている。張出部15は、直線部15aと、湾曲部15bと、直線部15cとを備えている。
【0031】
直線部15aは、第二ばね保持部14に連続し、左側に直線状に延設されている。湾曲部15bは、直線部15aに連続し湾曲する部位である。直線部15cは、湾曲部15bと延設部16との間において直線状に延設されている。直線部15cの内縁15dは、ばね3の外周縁31(最も前側の縁部)よりも内側(中心軸C側)に位置している。
なお、張出部15は、第二ばね保持部14から連続し側方に張り出すとともに先端部18を係止可能な形状であればよく、例えば、平面視V字、W字状等の他の形状であってもよい。
【0032】
延設部16は、
図1及び
図2に示すように、張出部15に連続し、ばね3に対して張出部15とは反対側まで直線状に延設されている。延設部16は、中心軸Cに対して概ね直交し、折返し部13近傍まで延設されている。
【0033】
魚保持部17は、
図1に示すように、第一直線部19と、湾曲部20と、第二直線部21とを備えている。第一直線部19は、延設部16に連続し、下方に向けて直線状に延設されている。
【0034】
湾曲部20は、第一直線部19の下端に連続し、下方に凸となるように湾曲している。第二直線部21は、湾曲部20に連続しばね3に向けて直線状に延設されている。第二直線部21は、中心軸Cに対して傾斜している。
図2に示すように、第二直線部21と先端部18との境界部22あたりが、張出部15(延設部16)に位置するようになっている。
【0035】
先端部18は、第二直線部21に連続し、上方に向けて直線状に延設されている。先端部18は、
図3に示すように、ばね3の内周縁32に接触している。先端部18は、一本の金属部材を曲げ加工しているため、左側(張出部15側)に向けて常時付勢されている。
図2に示すように、先端部18の先端の位置は適宜設定すればよいが、本実施形態ではばね3の長さ方向(上下方向)の中心よりも上に位置している。
【0036】
ばね3は、コイルばねであってばね保持部(第一ばね保持部12及び第二ばね保持部14)の外周に装着されている。ばね3は、上側は基部11により、下側は折返し部13により上下方向の移動が規制されている。
図6に示すように、ばね3の上側の端部3aのばねピッチは、ほぼゼロになっている。つまり、端部3aは隣り合うばね3の構成部位同士が密接している。一方、ばね3の下側の端部3bのばねピッチは、ばね3の他の部位と同じか、それよりも大きくなっている。つまり、端部3bは隣り合うばね3の構成部位同士が離間している。
【0037】
次に、各係止状態、解除状態について説明する。本実施形態のストリンガー用フック1では、使用状況に応じて第一係止状態、第二係止状態、第三係止状態及び解除状態にすることができる。第三係止状態は、第一係止状態由来のパターンと、第二係止状態由来のパターンがある。
【0038】
<第一係止状態>
第一係止状態は、
図1に示す状態である。つまり、第一係止状態では、先端部18が外側に向けて付勢されつつばね3の内周縁32(
図3参照)に係止されている。先端部18は、ばね3によって覆われた状態となっている。また、ばね3の端部3bは、延設部16よりも上に位置している。
【0039】
<解除状態>
解除状態は、
図7に示す状態である。第一係止状態から解除状態にする際は、まず、ばね3を先端部18が完全に露出するまで上方に収縮させる。その後、魚保持部17を把持しつつ、
図3に示すように、先端部18の付勢に抗して先端部18を右方向に移動させ、折返し部13の外側及びばね3の外側に移動(
図3の矢印F参照)させると
図7の解除状態となる。解除状態では、先端部18が解放されるため、釣った魚を挿通させることができる。解放状態から第一係止状態にする際には、解除する手順と反対のことを行えばよい。
【0040】
<第二係止状態>
第二係止状態は、
図8に示す状態である。第一係止状態から第二係止状態にする際は、ばね3を先端部18が完全に露出するまで上方に収縮させる。そうすると、先端部18には付勢力が作用しているため、先端部18は自動的に張出部15に位置し、第二係止状態となる。第二係止状態においても、先端部18の先端の位置はばね3の長さ方向(上下方向)の中心よりも上に位置している。また、ばね3の端部3bは、延設部16よりも上に位置している。
【0041】
第二係止状態においても、先端部18に付勢力が作用しているため、張出部15に係止された状態が維持される。
図9に示すように、第二係止状態を平面視すると、先端部18は張出部15とばね3との間に位置する。換言すると、第二係止状態では、先端部18の移動は、ばね3を収縮させない限り、ばね3によって阻止される。
【0042】
第二係止状態から第一係止状態に戻す場合は、ばね3を上方に収縮させつつ、先端部18の付勢に抗して先端部18をばね3の内部まで移動させ、ばね3の収縮を開放させて先端部18をばね3で覆うことで先端部18がばね3の内周縁32に係止される。
一方、第二係止状態から解除状態にする場合は、前記した<解除状態>の手順と同じである。
【0043】
<第三係止状態・第一係止状態由来>
第三係止状態・第一係止状態由来は、
図10に示す状態である。第一係止状態からばね3を中心軸C周りに一方向に回転させることで、フック本体2に対してばね3が下方に移動し、ばね3の端部3bが延設部16に巻き付く。これにより、ばね3の収縮が阻止される。さらにばね3を回転させると、ばね3の端部3bが第二直線部21にも巻き付く。これにより、ばね3の収縮がより強固に阻止される。なお、ばね3を逆方向に回転させると第三係止状態から第一係止状態に戻すことができる。
【0044】
<第三係止状態・第二係止状態由来>
第三係止状態・第二係止状態由来は、
図11に示す状態である。第二係止状態からばね3を中心軸C周りに回転させることで、ばね3が下方に移動し、ばね3の端部3bが延設部16に巻き付く。これにより、ばね3の収縮が阻止される。なお、ばね3を逆方向に回転させると第三係止状態から第一係止状態に戻すことができる。
【0045】
以上説明した本実施形態に係るストリンガー用フック1によれば、第一係止状態である場合に、外的要因によって当該第一係止状態が解除されたとしても第二係止状態に移行する。これにより、係止状態が解除され難くなっている。また、ばね3を収縮させつつ、先端部18を操作することで係止又は解除することができるため、操作性も良好である。
【0046】
また、本実施形態では、
図9に示す第二係止状態において、先端部18は張出部15とばね3との間に位置し、先端部18の移動がばね3によって阻止されるため、第二係止状態であっても係止状態が解除され難くなっている。
【0047】
また、
図9に示すように、本実施形態では、張出部15の内縁15dは、ばね3の外周縁31よりも内側に位置しているため、第二係止状態において張出部15に先端部18を安定して係止させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、先端部18は、張出部15側に常時付勢されているため、先端部18が外れ難くなり、第一係止状態及び第二係止状態において安定して係止させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、第一係止状態及び第二係止状態において、先端部18がばね3の長さ方向の中心よりも上に位置しているため、先端部18が外れ難くなり、第一係止状態及び第二係止状態において安定して係止させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、魚保持部17は、ばね3の軸方向に沿って延設される第一直線部(直線部)19と、第一直線部19に連続する湾曲部20を備えている。これにより、第一直線部(直線部)19に近い位置の湾曲部20に魚が保持されやすくなるため、フック本体2が変形し難くなる。
【0051】
また、本実施形態では、フック本体2は、張出部15に連続しばね3に対して当該張出部15とは反対側に延設される延設部16を有し、第一係止状態又は第二係止状態から、ばね3の端部3bが延設部16に係止される第三係止状態を備えている。これにより、第三係止状態では延設部16にばね3の端部3bが係止されているため、ばね3の収縮が阻止され、係止状態がより外れ難くなる。
【0052】
また、本実施形態では、ばね3の延設部16側の端部3bは、当該ばね3を軸周りに回転させた際に延設部16に当該端部3bが係合するようにばねピッチが設定されている。これにより、ばね3を回転させるだけで第一係止状態又は第二係止状態から第三係止状態に移行することができる。逆に、ばね3を回転させるだけで第三係止状態から第一係止状態又は第二係止状態に移行することができる。
【0053】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 ストリンガー用フック
2 フック本体
3 ばね
11 基部
12 第一ばね保持部(ばね保持部)
13 折返し部
14 第二ばね保持部(ばね保持部)
15 張出部
16 延設部
17 魚保持部
18 先端部
19 第一直線部(直線部)
20 湾曲部
21 第二直線部(直線部)
C 中心軸
R 連結部材
S スイベル