(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167602
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083795
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100136353
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 建吾
(72)【発明者】
【氏名】松村 宗洋
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181DD07
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】自車両による危険運転を検出することが可能な情報処理装置を得る。
【解決手段】情報処理装置は、自車両とすれ違いを行う対象物を検出する対象物検出部と、前記自車両と前記対象物との距離を検出する距離検出部と、前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出する角速度検出部と、前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う危険運転判定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両とすれ違いを行う対象物を検出する対象物検出部と、
前記自車両と前記対象物との距離を検出する距離検出部と、
前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出する角速度検出部と、
前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う危険運転判定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記自車両が走行している道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを判定する道路判定部をさらに備え、
前記危険運転判定部は、前記自車両が走行している道路が歩道又は路側帯であると前記道路判定部によって判定された場合には前記判定処理を行い、前記自車両が走行している道路が車道であると前記道路判定部によって判定された場合には前記判定処理を行わない、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
加速度センサによって検出された加速度の検出データを取得する加速度取得部をさらに備え、
前記道路判定部は、前記加速度取得部によって取得された前記検出データに基づき段差を横断する走行を検出した場合には、前記自車両が走行している前記道路が歩道であると判定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
カメラによって撮影された前記自車両の前方領域の映像データを取得し、前記映像データを解析する映像解析部をさらに備え、
前記道路判定部は、前記映像解析部による前記映像データの解析結果に基づいて、前記自車両が走行している前記道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを判定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記危険運転判定部は、前記自車両が走行している前記道路が歩道又は路側帯であると前記道路判定部によって判定された場合において、前記自車両が走行している歩道又は路側帯と前記対象物が進行している歩道又は路側帯とが同一である場合には前記判定処理を行い、前記自車両が走行している歩道又は路側帯と前記対象物が進行している歩道又は路側帯とが同一でない場合には前記判定処理を行わない、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記自車両の前記進行方向に対する前記対象物の相対角度を検出する角度検出部をさらに備え、
前記危険運転判定部は、前記距離が第1しきい値未満であり、かつ、前記相対角度が第2しきい値未満である場合に、前記判定処理を開始する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記自車両の絶対速度の検出データを取得する速度取得部をさらに備え、
前記危険運転判定部は、前記距離が前記第1しきい値未満であり、前記相対角度が前記第2しきい値未満であり、かつ、前記絶対速度が第3しきい値以上である場合に、前記判定処理を開始する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記危険運転判定部は、前記開始時点と前記完了時点との間の前記距離の変化量と前記相対角速度の変化量とに基づいて前記判定処理を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記危険運転判定部は、前記距離の前記変化量と前記相対角速度の前記変化量とに基づいて合計変化量を算出し、前記合計変化量が第4しきい値以上である場合に、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であると判定する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記危険運転判定部は、前記判定期間における前記距離の最小値と前記相対角速度の最大値とに基づいて前記判定処理を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記危険運転判定部は、前記距離の前記最小値が第5しきい値以下であり、かつ、前記相対角速度の前記最大値が第6しきい値以上である場合に、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であると判定する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記危険運転判定部によって前記自車両の前記すれ違いが危険運転であると判定された場合に危険運転の累積回数を加算し、前記累積回数が第7しきい値以上となった場合に前記自車両の最高速度を制限する制御部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記危険運転判定部によって前記自車両の前記すれ違いが危険運転でないと判定された場合に前記累積回数を減算する、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置を、
自車両とすれ違いを行う対象物を検出する対象物検出手段と、
前記自車両と前記対象物との距離を検出する距離検出手段と、
前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出する角速度検出手段と、
前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う危険運転判定手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
情報処理装置が、
自車両とすれ違いを行う対象物を検出し、
前記自車両と前記対象物との距離を検出し、
前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出し、
前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自車両の周辺を走行する他車両による危険運転を検出する車載器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、自車両による危険運転を検出することについては、何ら検討されていない。
【0005】
本開示は、自車両による危険運転を検出することが可能な情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、自車両とすれ違いを行う対象物を検出する対象物検出部と、前記自車両と前記対象物との距離を検出する距離検出部と、前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出する角速度検出部と、前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う危険運転判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、自車両による危険運転を検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係る危険運転判定システムの構成を簡略化して示す図である。
【
図2】情報処理部が実行する判定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】自車両と歩行者との安全なすれ違いを模式的に示す図である。
【
図4】自車両と歩行者との危険なすれ違いを模式的に示す図である。
【
図5】危険運転判定部による判定処理の第1の例を示す図である。
【
図6】危険運転判定部による判定処理の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見)
電動自転車又は電動キックスケータ等のマイクロモビリティが普及しつつある。一部のマイクロモビリティは、最高速度が制限されることによって、車道又は路側帯のみならず歩道を走行することも可能である。従って、路側帯又は歩道上において、マイクロモビリティと歩行者とのすれ違いが発生し得る。
【0010】
そこで、マイクロモビリティと歩行者とのすれ違いが発生した状況において、マイクロモビリティによる危険運転を防止して歩行者の安全を確保すべく、マイクロモビリティによる歩行者とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出する必要がある。
【0011】
かかる課題を解決するために、本発明者は、自車両と対象物との距離と、自車両の進行方向に対する対象物の相対角速度とを検出し、当該距離及び相対角速度に基づく判定処理によって自車両による危険運転を高精度に検出できるとの知見を得て、本開示を想到するに至った。
【0012】
次に、本開示の各態様について説明する。
【0013】
本開示の第1態様に係る情報処理装置は、自車両とすれ違いを行う対象物を検出する対象物検出部と、前記自車両と前記対象物との距離を検出する距離検出部と、前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出する角速度検出部と、前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う危険運転判定部と、を備える。
【0014】
第1態様によれば、危険運転判定部が、距離検出部によって検出された自車両と対象物との距離と、角速度検出部によって検出された自車両の進行方向に対する対象物の相対角速度とに基づいて、自車両のすれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行うことにより、自車両による対象物とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0015】
本開示の第2態様に係る情報処理装置は、第1態様において、前記自車両が走行している道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを判定する道路判定部をさらに備え、前記危険運転判定部は、前記自車両が走行している道路が歩道又は路側帯であると前記道路判定部によって判定された場合には前記判定処理を行い、前記自車両が走行している道路が車道であると前記道路判定部によって判定された場合には前記判定処理を行わないと良い。
【0016】
第2態様によれば、自車両が走行している道路が、対象物とのすれ違いが発生し得る歩道又は路側帯である場合と、対象物とのすれ違いが発生し得ない車道である場合とで、制御内容を異ならせることができる。例えば、自車両が走行している道路が車道である場合には判定処理を行わないことにより、自車両の最高速度を制限する制御も行われないため、車道走行中の他の車両との関係で自車両が危険な状況に陥ることを回避できる。
【0017】
本開示の第3態様に係る情報処理装置は、第2態様において、加速度センサによって検出された加速度の検出データを取得する加速度取得部をさらに備え、前記道路判定部は、前記加速度取得部によって取得された前記検出データに基づき段差を横断する走行を検出した場合には、前記自車両が走行している前記道路が歩道であると判定すると良い。
【0018】
第3態様によれば、地図情報等によっては自車両が走行している道路が車道であるか路側帯であるか歩道であるかを判定できない場合であっても、加速度の検出データを用いて段差横断走行を検出することにより、自車両が走行している道路が歩道であることを高精度に判定できる。
【0019】
本開示の第4態様に係る情報処理装置は、第2態様において、カメラによって撮影された前記自車両の前方領域の映像データを取得し、前記映像データを解析する映像解析部をさらに備え、前記道路判定部は、前記映像解析部による前記映像データの解析結果に基づいて、前記自車両が走行している前記道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを判定すると良い。
【0020】
第4態様によれば、地図情報等によっては自車両が走行している道路が車道であるか路側帯であるか歩道であるかを判定できない場合であっても、カメラによって撮影された映像データを解析することにより、自車両が走行している道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを高精度に判定できる。
【0021】
本開示の第5態様に係る情報処理装置は、第2~第4態様のいずれか一つにおいて、前記危険運転判定部は、前記自車両が走行している前記道路が歩道又は路側帯であると前記道路判定部によって判定された場合において、前記自車両が走行している歩道又は路側帯と前記対象物が進行している歩道又は路側帯とが同一である場合には前記判定処理を行い、前記自車両が走行している歩道又は路側帯と前記対象物が進行している歩道又は路側帯とが同一でない場合には前記判定処理を行わないと良い。
【0022】
第5態様によれば、自車両が走行している歩道又は路側帯と対象物が進行している歩道又は路側帯とが異なる場合には、自車両と対象物との危険なすれ違いは発生しないため、危険運転判定部による判定処理を行わないことにより、不要な処理が行われることを回避できる。
【0023】
本開示の第6態様に係る情報処理装置は、第1~第5態様のいずれか一つにおいて、前記自車両の前記進行方向に対する前記対象物の相対角度を検出する角度検出部をさらに備え、前記危険運転判定部は、前記距離が第1しきい値未満であり、かつ、前記相対角度が第2しきい値未満である場合に、前記判定処理を開始すると良い。
【0024】
第6態様によれば、危険運転判定部は、自車両と対象物との距離が第1しきい値未満であり、かつ、自車両の進行方向に対する対象物の相対角度が第2しきい値未満である場合に判定処理を開始することにより、自車両と対象物との危険なすれ違いが発生し得る状況で判定処理を適切に開始することができる。
【0025】
本開示の第7態様に係る情報処理装置は、第6態様において、前記自車両の絶対速度の検出データを取得する速度取得部をさらに備え、前記危険運転判定部は、前記距離が前記第1しきい値未満であり、前記相対角度が前記第2しきい値未満であり、かつ、前記絶対速度が第3しきい値以上である場合に、前記判定処理を開始すると良い。
【0026】
第7態様によれば、危険運転判定部は、自車両と対象物との距離が第1しきい値未満であり、自車両の進行方向に対する対象物の相対角度が第2しきい値未満であり、かつ、自車両の絶対速度が第3しきい値以上である場合に判定処理を開始することにより、自車両と対象物との危険なすれ違いが発生し得る状況で判定処理を適切に開始することができる。
【0027】
本開示の第8態様に係る情報処理装置は、第1~第7態様のいずれか一つにおいて、前記危険運転判定部は、前記開始時点と前記完了時点との間の前記距離の変化量と前記相対角速度の変化量とに基づいて前記判定処理を行うと良い。
【0028】
第8態様によれば、危険運転判定部は、距離の変化量と相対角速度の変化量とを用いることによって、自車両による対象物とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0029】
本開示の第9態様に係る情報処理装置は、第8態様において、前記危険運転判定部は、前記距離の前記変化量と前記相対角速度の前記変化量とに基づいて合計変化量を算出し、前記合計変化量が第4しきい値以上である場合に、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であると判定すると良い。
【0030】
第9態様によれば、危険運転判定部は、合計変化量と第4しきい値とを比較することによって、自車両による対象物とのすれ違いが危険運転であることを簡易かつ高精度に検出できる。
【0031】
本開示の第10態様に係る情報処理装置は、第1~第7態様のいずれか一つにおいて、前記危険運転判定部は、前記判定期間における前記距離の最小値と前記相対角速度の最大値とに基づいて前記判定処理を行うと良い。
【0032】
第10態様によれば、危険運転判定部は、距離の最小値と相対角速度の最大値とを用いることによって、自車両による対象物とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0033】
本開示の第11態様に係る情報処理装置は、第10態様において、前記危険運転判定部は、前記距離の前記最小値が第5しきい値以下であり、かつ、前記相対角速度の前記最大値が第6しきい値以上である場合に、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であると判定すると良い。
【0034】
第11態様によれば、危険運転判定部は、距離の最小値と第5しきい値とを比較し、相対角速度の最大値と第6しきい値とを比較することによって、自車両による対象物とのすれ違いが危険運転であることを簡易かつ高精度に検出できる。
【0035】
本開示の第12態様に係る情報処理装置は、第1~第11態様のいずれか一つにおいて、前記危険運転判定部によって前記自車両の前記すれ違いが危険運転であると判定された場合に危険運転の累積回数を加算し、前記累積回数が第7しきい値以上となった場合に前記自車両の最高速度を制限する制御部をさらに備えると良い。
【0036】
第12態様によれば、危険運転の累積回数が第7しきい値以上となった場合に制御部が自車両の最高速度を制限することにより、それ以降の危険運転の発生を防止できる。
【0037】
本開示の第13態様に係る情報処理装置は、第12態様において、前記制御部は、前記危険運転判定部によって前記自車両の前記すれ違いが危険運転でないと判定された場合に前記累積回数を減算すると良い。
【0038】
第13態様によれば、危険運転判定部によって自車両のすれ違いが危険運転でないと判定された場合には、制御部が危険運転の累積回数を減算することにより、自車両の最高速度を制限する処理が開始されるまでの猶予回数を増やすことができる。
【0039】
本開示の第14態様に係るプログラムは、情報処理装置を、自車両とすれ違いを行う対象物を検出する対象物検出手段と、前記自車両と前記対象物との距離を検出する距離検出手段と、前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出する角速度検出手段と、前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う危険運転判定手段と、として機能させるためのプログラムである。
【0040】
第14態様によれば、危険運転判定手段が、距離検出手段によって検出された自車両と対象物との距離と、角速度検出手段によって検出された自車両の進行方向に対する対象物の相対角速度とに基づいて、自車両のすれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行うことにより、自車両による対象物とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0041】
本開示の第15態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が、自車両とすれ違いを行う対象物を検出し、前記自車両と前記対象物との距離を検出し、前記自車両の進行方向に対する前記対象物の相対角速度を検出し、前記すれ違いの開始時点から前記すれ違いの完了時点までの判定期間において、前記距離と前記相対角速度とに基づいて、前記自車両の前記すれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行うと良い。
【0042】
第15態様によれば、自車両と対象物との距離と、自車両の進行方向に対する対象物の相対角速度とに基づいて、自車両のすれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行うことにより、自車両による対象物とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0043】
本開示は、このような方法又は装置に含まれる特徴的な各構成をコンピュータに実行させるプログラム、或いはこのプログラムによって動作するシステムとして実現することもできる。また、このようなコンピュータプログラムを、CD-ROM等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【0044】
(本開示の実施形態)
以下、本開示の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。また、以下の実施形態で示される構成要素、構成要素の配置位置、接続形態、及び動作の順序等は、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。本開示は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本開示の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0045】
図1は、本開示の実施形態に係る危険運転判定システムの構成を簡略化して示す図である。危険運転判定システムは、危険運転判定装置1、サーバ装置2、及び速度センサ3を備えている。
【0046】
危険運転判定装置1は、例えば、自車両を運転するユーザが装着するヘルメットに搭載されている。自車両は、本実施形態の例では電動自転車又は電動キックスケータ等のマイクロモビリディである。あるいは、危険運転判定装置1は、マイクロモビリティに搭載されていても良い。サーバ装置2は、クラウドサーバ等である。速度センサ3は、自車両の絶対速度を計測する車速センサであり、マイクロモビリティに搭載されている。
【0047】
危険運転判定装置1は、情報処理部11、記憶部12、通信部13,14、距離センサ15、GPS受信機16、加速度センサ17、及びカメラ18を備えている。
【0048】
情報処理部11は、CPU又はGPU等のプロセッサを用いて構成されている。
【0049】
記憶部12は、半導体メモリ等を用いて構成されており、距離データ35、相対角速度データ36、及び累積回数値37を記憶している。
【0050】
通信部13は、LTE等のサーバ装置2との通信規格に対応する通信モジュールを用いて構成されている。
【0051】
通信部14は、BLE等のマイクロモビリティとの通信規格に対応する通信モジュールを用いて構成されている。
【0052】
距離センサ15は、赤外線、レーザ、又は超音波等を用いた左右一対の測距センサであり、自車両と対象物との距離を測定してその測距データを出力する。対象物は、自車両とすれ違いを行う歩行者、自転車、又は他のマイクロモビリティ等であり、以下の例では歩行者とする。
【0053】
GPS受信機16は、GPS衛星から送信されたGPS信号を受信する。但し、GPSではなく他のGNSSを用いても良い。
【0054】
加速度センサ17は、静電容量方式又はピエゾ抵抗方式等の任意の加速度センサである。
【0055】
カメラ18は、CMOSイメージセンサ等を用いて構成されており、自車両の進行方向の前方領域を撮影してその映像データを出力する。
【0056】
なお、GPS受信機16、加速度センサ17、及びカメラ18については、危険運転判定装置1への実装を省略し、自車両を運転するユーザが所持するスマートフォン等に搭載されているGPS受信機、加速度センサ、及びカメラからの信号又はデータを通信部14が受信しても良い。
【0057】
情報処理部11は、コンピュータ読み取り可能なROM等の不揮発性記録媒体から読み出したプログラムをプロセッサが実行することによって実現される機能として、対象物検出部20、距離検出部21、角度検出部22、角速度検出部23、速度取得部24、加速度取得部25、映像解析部26、道路判定部27、危険運転判定部28、及び制御部29を備えている。換言すれば、上記プログラムは、危険運転判定装置1に搭載される情報処理装置としての情報処理部11を、対象物検出部20(対象物検出手段)、距離検出部21(距離検出手段)、角度検出部22(角度検出手段)、角速度検出部23(角速度検出手段)、速度取得部24(速度取得手段)、加速度取得部25(加速度取得手段)、映像解析部26(映像解析手段)、道路判定部27(道路判定手段)、危険運転判定部28(危険運転判定手段)、及び制御部29(制御手段)として機能させるためのプログラムである。
【0058】
対象物検出部20は、例えばカメラ18から取得した映像データに基づいて、自車両とすれ違いを行う対象物を検出する。
【0059】
距離検出部21は、例えばカメラ18から取得した映像データと距離センサ15から取得した測距データとに基づいて、自車両と対象物との距離を検出し、検出した時系列の距離データ35を記憶部12に記憶する。
【0060】
角度検出部22は、例えば一対の距離センサ15から取得した一対の測距データに基づいて、自車両の進行方向に対する対象物の相対角度を検出する。
【0061】
角速度検出部23は、角度検出部22によって検出された相対角度の単位時間あたりの変化量を算出することによって、自車両の進行方向に対する対象物の相対角速度を検出し、検出した時系列の相対角速度データ36を記憶部12に記憶する。
【0062】
速度取得部24は、速度センサ3によって計測された自車両の絶対速度の検出データを、通信部14を介して取得する。
【0063】
加速度取得部25は、加速度センサ17によって検出された加速度の検出データを取得する。
【0064】
映像解析部26は、カメラ18によって撮影された自車両の前方領域の映像データを取得し、取得した映像データを解析する。
【0065】
道路判定部27は、自車両が走行している道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを判定する。歩道は、ガードレール又は縁石等によって車道と区切られた歩行用道路である。路側帯は、歩道のない道路の端に設けられた歩行用道路である。第1の例として、道路判定部27は、サーバ装置2からダウンロードし記憶部12に記憶されている地図情報と、GPS信号から算出した現在地情報とに基づいて、自車両が走行している道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを判定する。第2の例として、道路判定部27は、映像解析部26による映像データの解析結果に基づいて、自車両が走行している道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを判定する。第3の例として、道路判定部27は、加速度取得部25によって取得された加速度の検出データに基づき、段差を横断する自車両の走行を検出した場合には、自車両が走行している道路が歩道であると判定する。車道と商業施設の駐車場出入口との間の歩道区間には段差が設けられていることが多く、マイクロモビリディが駐車場出入口を横切って当該区間を走行する場合には、当該区間への侵入時及び当該区間からの退出時の各々において段差横断が発生する。
【0066】
危険運転判定部28は、自車両と対象物とのすれ違いの開始時点から完了時点までの判定期間において、距離検出部21によって検出された距離と角速度検出部23によって検出された相対角速度とに基づいて、歩行者に対する自車両のすれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う。判定処理の詳細については後述する。
【0067】
制御部29は、危険運転判定部28によって自車両のすれ違いが危険運転であると判定された場合に危険運転の累積回数値37を加算し、累積回数値37がしきい値以上となった場合に自車両の最高速度を制限する制御を行う。
【0068】
図2は、情報処理部11が実行する判定処理の流れを示すフローチャートである。危険運転判定部28は、自車両と歩行者とのすれ違いの開始時点から完了時点までの判定期間において、当該判定処理を実行する。危険運転判定部28は、距離検出部21によって検出された上記距離が第1しきい値未満であり、かつ、角度検出部22によって検出された上記相対角度が第2しきい値未満である場合に、当該判定処理を開始する。第1しきい値は例えば10mに設定されており、第2しきい値は例えば10度に設定されているが、この例に限られない。望ましくは、危険運転判定部28は、距離検出部21によって検出された上記距離が第1しきい値未満であり、角度検出部22によって検出された上記相対角度が第2しきい値未満であり、かつ、速度取得部24によって取得された上記絶対速度が第3しきい値以上である場合に、すれ違いが開始されたと判定して当該判定処理を開始する。第3しきい値は例えば時速3kmに設定されているが、この例に限られない。危険運転判定部28は、角度検出部22によって検出された上記相対角度が例えば90度となった場合に、すれ違いが完了したと判定して当該判定処理を終了する。
【0069】
まずステップS01において道路判定部27は、自車両が走行している道路が車道であるか否かを判定する。
【0070】
自車両が走行している道路が車道である場合(ステップS01:YES)、道路判定部27は、ステップS02以降の判定処理を実行せずに、ステップS01の処理を繰り返し実行する。
【0071】
自車両が走行している道路が歩道又は路側帯である場合(ステップS01:NO)、次にステップS02において危険運転判定部28は、例えば映像解析部26による映像データの解析結果に基づいて、自車両が走行している歩道又は路側帯と歩行者が進行している歩道又は路側帯とが同一であるか否かを判定する。
【0072】
自車両が走行している歩道又は路側帯と歩行者が進行している歩道又は路側帯とが同一でない場合(ステップS02:NO)、危険運転判定部28は、ステップS03以降の判定処理を実行せずに、ステップS01,S02の処理を繰り返し実行する。
【0073】
自車両が走行している歩道又は路側帯と歩行者が進行している歩道又は路側帯とが同一である場合(ステップS02:YES)、次にステップS03において距離検出部21は、自車両と歩行者との距離を検出し、検出した時系列の距離データ35を記憶部12に記憶する。
【0074】
次にステップS04において角速度検出部23は、自車両の進行方向に対する対象物の相対角速度を検出し、検出した時系列の相対角速度データ36を記憶部12に記憶する。
【0075】
次にステップS05において危険運転判定部28は、歩行者に対する自車両のすれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行う。
【0076】
図3は、自車両60と歩行者50との安全なすれ違いを模式的に示す図であり、
図4は、自車両60と歩行者50との危険なすれ違いを模式的に示す図である。
図3,4の各々において、左図はすれ違いの開始時点(時刻T1)における状況を示しており、右図はすれ違いの完了時点(時刻T2)における状況を示している。
図3,4では、自車両60の絶対速度は一定であるものとする。
【0077】
図3,4に示すように、時刻T1における自車両60と歩行者50との距離はL0である。
【0078】
図3に示すように、安全なすれ違いでは自車両60が歩道40上で歩行者50を大きく避けたことにより、時刻T2における自車両60と歩行者50との距離はL1となっている。
【0079】
図4に示すように、危険なすれ違いでは自車両60が歩道40上で歩行者50を大きく避けなかったことにより、時刻T2における自車両60と歩行者50との距離はL1(<L2)となっている。
【0080】
図5は、危険運転判定部28による判定処理の第1の例を示す図である。グラフの横軸は相対角速度ωであり、縦軸は距離Lである。危険運転判定部28は、記憶部12に記憶されている距離データ35及び相対角速度データ36に基づき、時刻T1における測定点P0と時刻T2における測定点P1又は測定点P2とをグラフ上にプロットする。
【0081】
測定点P0に対応する相対角速度ωはω0であり、距離LはL0である。測定点P1は、安全なすれ違いが行われた場合の測定点であり、測定点P1に対応する相対角速度ωはω1であり、距離LはL1である。測定点P2は、危険なすれ違いが行われた場合の測定点であり、測定点P2に対応する相対角速度ωはω2(>ω1)であり、距離LはL2である。
【0082】
危険運転判定部28は、時刻T1と時刻T2との間の距離Lの変化量ΔLと相対角速度ωの変化量Δωとに基づいて判定処理を行う。
【0083】
グラフ上に測定点P1がプロットされた場合、危険運転判定部28は、変化量ΔL1(=L0-L1)と変化量Δω1(=ω1-ω0)とを算出し、式(1)により変化量ΔL1と変化量Δω1との合計変化量Wを算出する。
【0084】
W=α×(ΔL1)2+β×(Δω1)2 ・・・(1)
【0085】
ここで、α,βは0より大きい重み係数であり、α+β=1である。
【0086】
グラフ上に測定点P2がプロットされた場合、危険運転判定部28は、変化量ΔL2(=L0-L2)と変化量Δω2(=ω2-ω0)とを算出し、式(2)により変化量ΔL2と変化量Δω2との合計変化量Wを算出する。
【0087】
W=α×(ΔL2)2+β×(Δω2)2 ・・・(2)
【0088】
危険運転判定部28は、合計変化量Wが第4しきい値未満である場合には、自車両60のすれ違いは安全運転であると判定し、合計変化量Wが第4しきい値以上である場合には、自車両60のすれ違いは危険運転であると判定する。
【0089】
図6は、危険運転判定部28による判定処理の第2の例を示す図である。グラフの横軸は相対角速度ωであり、縦軸は距離Lである。危険運転判定部28は、距離データ35及び相対角速度データ36に基づき、時刻T1における測定点P0と時刻T2における測定点P1又は測定点P2とをグラフ上にプロットする。
【0090】
測定点P0に対応する相対角速度ωはω0であり、距離LはL0である。測定点P1は、安全なすれ違いが行われた場合の測定点であり、測定点P1に対応する相対角速度ωはω1であり、距離LはL1である。測定点P2は、危険なすれ違いが行われた場合の測定点であり、測定点P2に対応する相対角速度ωはω2(>ω1)であり、距離LはL2である。
【0091】
危険運転判定部28は、時刻T1と時刻T2との間における距離Lの最小値(この例の場合は距離L1又は距離L2)と相対角速度ωの最大値(この例の場合は相対角速度ω1又は相対角速度ω2)とに基づいて判定処理を行う。
【0092】
グラフ上に測定点P1がプロットされた場合、危険運転判定部28は、距離L1と第5しきい値Lthとを比較し、相対角速度ω1と第6しきい値ωthとを比較する。
【0093】
グラフ上に測定点P2がプロットされた場合、危険運転判定部28は、距離L2と第5しきい値Lthとを比較し、相対角速度ω2と第6しきい値ωthとを比較する。
【0094】
危険運転判定部28は、距離L1若しくは距離L2が第5しきい値Lth超である場合、又は、相対角速度ω1若しくは相対角速度ω2が第6しきい値ωth未満である場合には、自車両60のすれ違いは安全運転であると判定する。また、危険運転判定部28は、距離L1若しくは距離L2が第5しきい値Lth以下であり、かつ、相対角速度ω1又は相対角速度ω2が第6しきい値ωth以上である場合には、自車両60のすれ違いは危険運転であると判定する。
【0095】
図2を参照して、自車両60のすれ違いが危険運転であると危険運転判定部28によって判定された場合(ステップS05:YES)、次にステップS06において制御部29は、記憶部12に記憶されている累積回数値37に「1」を加算することによって累積回数値37を更新する。
【0096】
次にステップS07において制御部29は、更新後の累積回数値37が第7しきい値以上であるか否かを判定する。
【0097】
更新後の累積回数値37が第7しきい値以上である場合(ステップS07:YES)、次にステップS08において制御部29は、自車両60の最高速度を現在の設定値未満に制限する制御信号を通信部14から自車両60のコントローラ(図略)に送信することにより、自車両60の最高速度を制限する。なお、制御部29は、自車両60が走行している道路が歩道又は路側帯から車道に切り替わったと道路判定部27が判定した場合には、最高速度の制限状態を解除しても良い。
【0098】
自車両60のすれ違いが安全運転であると危険運転判定部28によって判定された場合(ステップS05:NO)、次にステップS09において制御部29は、記憶部12に記憶されている累積回数値37から「1」を減算することによって累積回数値37を更新した後、ステップS01以降の処理を繰り返す。
【0099】
本実施形態によれば、危険運転判定部28が、距離検出部21によって検出された自車両60と歩行者50との距離Lと、角速度検出部23によって検出された自車両60の進行方向に対する歩行者50の相対角速度ωとに基づいて、自車両60のすれ違いが危険運転であるか否かの判定処理を行うことにより、自車両60による歩行者50とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0100】
また、自車両60が走行している道路が、歩行者50とのすれ違いが発生し得る歩道又は路側帯である場合と、歩行者50とのすれ違いが発生し得ない車道である場合とで、制御内容を異ならせることができる。例えば、自車両60が走行している道路が車道である場合には判定処理を行わないことにより、自車両60の最高速度を制限する制御も行われないため、車道走行中の他の車両との関係で自車両60が危険な状況に陥ることを回避できる。
【0101】
また、地図情報等によっては自車両60が走行している道路が車道であるか路側帯であるか歩道であるかを判定できない場合であっても、加速度の検出データを用いて段差横断走行を検出することにより、自車両60が走行している道路が歩道であることを高精度に判定できる。
【0102】
また、地図情報等によっては自車両60が走行している道路が車道であるか路側帯であるか歩道であるかを判定できない場合であっても、カメラ18によって撮影された映像データを解析することにより、自車両60が走行している道路が車道であるか歩道又は路側帯であるかを高精度に判定できる。
【0103】
また、自車両60が走行している歩道又は路側帯と歩行者50が進行している歩道又は路側帯とが異なる場合には、自車両60と歩行者50との危険なすれ違いは発生しないため、危険運転判定部28による判定処理を行わないことにより、不要な処理が行われることを回避できる。
【0104】
また、危険運転判定部28は、自車両60と歩行者50との距離が第1しきい値未満であり、かつ、自車両60の進行方向に対する歩行者50の相対角度が第2しきい値未満である場合に判定処理を開始することにより、自車両60と歩行者50との危険なすれ違いが発生し得る状況で判定処理を適切に開始することができる。
【0105】
また、危険運転判定部28は、自車両60と歩行者50との距離が第1しきい値未満であり、自車両60の進行方向に対する歩行者50の相対角度が第2しきい値未満であり、かつ、自車両60の絶対速度が第3しきい値以上である場合に判定処理を開始することにより、自車両60と歩行者50との危険なすれ違いが発生し得る状況で判定処理を適切に開始することができる。
【0106】
また、危険運転判定部28は、距離Lの変化量ΔLと相対角速度ωの変化量Δωとを用いることによって、自車両60による歩行者50とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0107】
また、危険運転判定部28は、合計変化量Wと第4しきい値とを比較することによって、自車両60による歩行者50とのすれ違いが危険運転であることを簡易かつ高精度に検出できる。
【0108】
また、危険運転判定部28は、判定期間における距離Lの最小値と相対角速度ωの最大値とを用いることによって、自車両60による歩行者50とのすれ違いが危険運転であることを高精度に検出できる。
【0109】
また、危険運転判定部28は、距離Lの最小値と第5しきい値とを比較し、相対角速度ωの最大値と第6しきい値とを比較することによって、自車両60による歩行者50とのすれ違いが危険運転であることを簡易かつ高精度に検出できる。
【0110】
また、危険運転の累積回数値37が第7しきい値以上となった場合に制御部29が自車両60の最高速度を制限することにより、それ以降の危険運転の発生を防止できる。
【0111】
また、危険運転判定部28によって自車両60のすれ違いが危険運転でないと判定された場合には、制御部29が危険運転の累積回数値37を減算することにより、自車両60の最高速度を制限する処理が開始されるまでの猶予回数を増やすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示は、マイクロモビリディを用いた交通システムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 危険運転判定装置
3 速度センサ
11 情報処理部
12 記憶部
15 距離センサ
16 GPS受信機
17 加速度センサ
18 カメラ
20 対象物検出部
21 距離検出部
22 角度検出部
23 角速度検出部
24 速度取得部
25 加速度取得部
26 映像解析部
27 道路判定部
28 危険運転判定部
29 制御部
35 距離データ
36 相対角速度データ
37 累積回数値