(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167622
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】加湿器及び加湿器の制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20241127BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20241127BHJP
【FI】
F24F6/00 D
F24F6/00 A
F24F11/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083825
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池内 端
(72)【発明者】
【氏名】辻 大輔
【テーマコード(参考)】
3L055
3L260
【Fターム(参考)】
3L055BB11
3L055DA03
3L055DA11
3L260AB14
3L260BA06
3L260BA16
3L260CB75
3L260FB61
(57)【要約】
【課題】タンクを乾燥させるスペースを必要とせず、短時間で効率よく乾燥させてタンクにカビを発生させにくくすることができる加湿器を提供する。
【解決手段】加湿器10は、水タンクと、前記水タンクに固定されている超音波振動子と、前記水タンクと連通し、前記超音波振動子により生成した霧状の水滴を外部に放出する水滴吹出口と、円筒状に形成されて軸心を上下方向に向け、前記上下方向における平面視において前記超音波振動子が内部に位置するように前記水タンク内に配置された略漏斗形状の部材であって、前記略漏斗形状の部材の側壁を内外に連通するように連通孔部が形成された水滴誘導部材と、前記水タンク内部に送風可能に設けられ、前記霧状の水滴を前記水滴吹出口から放出させるファンと、前記超音波振動子及び前記ファンを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記超音波振動子を起動させることなく前記ファンを駆動して前記水タンク内部に送風して前記水タンク内部の水滴を乾燥させるよう制御する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水タンクと、
前記水タンクに固定されている超音波振動子と、
前記水タンクと連通し、前記超音波振動子により生成した霧状の水滴を外部に放出する水滴吹出口と、
円筒状に形成されて軸心を上下方向に向け、前記上下方向における平面視において前記超音波振動子が内部に位置するように前記水タンク内に配置された略漏斗形状の部材であって、前記略漏斗形状の部材の側壁を内外に連通するように連通孔部が形成された水滴誘導部材と、
前記水タンク内部に送風可能に設けられ、前記霧状の水滴を前記水滴吹出口から放出させるファンと、
前記超音波振動子及び前記ファンを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記超音波振動子を起動させることなく前記ファンを駆動して前記水タンク内部に送風して前記水タンク内部の水滴を乾燥させるよう制御することを特徴とする加湿器。
【請求項2】
前記水タンクの水量を計測する水位センサを有し、
前記制御部は、
前記水位センサによって前記水タンクの水量が所定量以上であると計測された場合、前記ファンを駆動して前記水タンク内部に送風するとともに前記超音波振動子を起動させて前記霧状の水滴を前記水滴吹出口から放出させるよう制御する通常運転モードと、
前記水位センサによって計測された前記水タンクの水量にかかわりなく、前記超音波振動子を起動させることなく前記ファンを駆動して前記水タンク内部に送風して前記水タンク内部に付着した水滴を乾燥させるよう制御する乾燥モードと、
を制御することを特徴とする請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記制御部は、
所定のボタンが所定時間に亘って操作されたことに応じて前記乾燥モードに移行させることを特徴とする請求項2に記載の加湿器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記乾燥モードに移行してから所定時間が経過したことに応じて前記乾燥モードを終了することを特徴とする請求項2に記載の加湿器。
【請求項5】
前記制御部は、前記乾燥モード及び前記通常運転モードとは別に、
第1所定時間の間、前記超音波振動子を起動して前記ファンを停止し、第2所定時間の間、前記超音波振動子を停止して前記ファンを起動するフォグモードを備えることを特徴とする請求項2に記載の加湿器。
【請求項6】
水タンクに設けられる超音波振動子を起動して霧状の水滴を発生させ、ファンを駆動して前記前記水タンクの水滴吹出口から前記霧状の水滴を放出させうる水滴放出工程と、
水位センサによって検出される前記水タンクの水量にかかわらず、前記超音波振動子を起動せずに前記ファンを駆動して、前記水タンク内部に送風し前記水タンク内部の水滴を乾燥させる乾燥工程と、
を有することを特徴とする加湿器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿器及び加湿器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特に乾燥しやすい季節には、屋内を加湿する加湿器が用いられている。従来の加湿器は、ミストとして放出させる水を溜めるタンクが本体に備えられており、このタンクを定期的に洗浄する必要がある。従来の加湿器を洗浄する際には、分解してタンク及びその付属物(以下、タンクを例示する)を取り出して水洗いにより清掃し、その後、タンクが本体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開1991-168547号公報
【特許文献2】特開2001-104441号公報
【特許文献3】特開2006-010135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タンク内の湿気は外部に逃げにくいため、タンクに水気が残っていると、乾燥に掛かる時間が長くなったりカビが発生しやすくなるおそれがあった。また、洗浄直後のタンクを本体に取り付ける代わりに、タンクを乾燥させてから本体に取り付けようとする場合においては、乾燥時間に亘ってタンクを配置するスペースを確保する必要があった。
【0005】
本発明は、タンクを乾燥させるスペースを必要とせず、短時間で効率よく乾燥させてタンクにカビを発生させにくくすることができる加湿器及び加湿器の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加湿器は、水タンクと、前記水タンクに固定されている超音波振動子と、
前記水タンクと連通し、前記超音波振動子により生成した霧状の水滴を外部に放出する水滴吹出口と、円筒状に形成されて軸心を上下方向に向け、前記上下方向における平面視において前記超音波振動子が内部に位置するように前記水タンク内に配置された略漏斗形状の部材であって、前記略漏斗形状の部材の側壁を内外に連通するように連通孔部が形成された水滴誘導部材と、前記水タンク内部に送風可能に設けられ、前記霧状の水滴を前記水滴吹出口から放出させるファンと、前記超音波振動子及び前記ファンを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記超音波振動子を起動させることなく前記ファンを駆動して前記水タンク内部に送風して前記水タンク内部の水滴を乾燥させるよう制御する。
【0007】
本発明の加湿器の制御方法は、水タンクに設けられる超音波振動子を起動して霧状の水滴を発生させ、ファンを駆動して前記前記水タンクの水滴吹出口から前記霧状の水滴を放出させうる水滴放出工程と、水位センサによって検出される前記水タンクの水量にかかわらず、前記超音波振動子を起動せずに前記ファンを駆動して、前記水タンク内部に送風し前記水タンク内部の水滴を乾燥させる乾燥工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タンクを乾燥させるスペースを必要とせず、短時間で効率よく乾燥させてタンクにカビを発生させにくくすることができる加湿器及び加湿器の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る加湿器を前方側から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る加湿器を後方側から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る加湿器の上面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る加湿器の分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る加湿器の
図3のV-V断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る加湿器の
図3のVI-VI断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る加湿器の本体部を上方側から見た斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る加湿器の水タンクを下方側から見た斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る加湿器における水タンクの水滴誘導部材を上方前側から見た斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る加湿器における水タンクの水滴誘導部材を下方後側から見た斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る加湿器における蓋体の内面側を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る加湿器の蓋体を取り外した状態を示す上面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る加湿器の
図12におけるXIII-XIII断面に相当する断面構成例を示す断面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る加湿器の制御フローを示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る加湿器の制御フローを示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る加湿器の
図12におけるXIII-XIII断面に相当する断面構成例を示す断面図である。
【
図17】水滴誘導部材の底部において超音波振動子の近傍に設けられた超音波増幅部材の構成例を示す斜視図である。
【
図18】
図17に示す水滴誘導部材の底部に設けられた超音波増幅部材を拡大して表した構成例を示す斜視図である。
【
図19】超音波振動子近傍の超音波増幅部材の模式的な断面構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図に基づいて以下説明する。
図1、
図2に示す加湿器10は、略円柱状に形成されている。加湿器10は、タンク本体21が透明に形成される水タンク20を有する。タンク本体21の上部には、蓋体30が水タンク20に着脱自在に設けられている。
図3にも示すように、蓋体30には、霧状の水滴が外部に放出される水滴吹出口31が設けられている。水タンク20は、水タンク20の下側の本体部40に着脱自在に設けられている。本体部40は、タッチボタンや表示ランプ等を備える操作パネル41が設けられて、電源の入切や各種の設定を行うことができる。なお、以下の説明においては、操作パネル41側を正面(前)側とし、その反対側を背面(後)側として説明する。また、蓋体30側を上、本体部40側を下とし、加湿器10を正面から見て右側を右、左側を左として説明する。
【0011】
図4に示すように、加湿器10は、蓋体30と、水タンク20と、本体部40を分離することができる。水タンク20は、タンク本体21に着脱自在に設けられる略円筒状の水滴誘導部材28を備える。加湿器10は、水タンク20(後述するタンク本体21)の外部に水を流通させて霧状の水滴を生成することが無いので、洗浄は水タンク20のタンク本体21の内部のみ行えばよく、使い勝手が良いものとされている。
【0012】
図5~
図7に示すように、本体部40は、底部を底面42とする略有底円筒状に形成されている。本体部40は、内径が水タンク20よりも若干大きく形成されている。底面42には、水タンク20が載置される。本体部40の底面42の略中央には、前後方向に複数の接続端子が配置される接続端子部43が設けられている。接続端子部43の右側の、底面42の縁部近傍には、空気孔42aが設けられている。空気孔42aは、
図5に示すように、底面42から本体部40の下面に亘って貫通する孔である。空気孔42aは、水タンク20が底面42に載置される際に、底面42と水タンク20(後述する下部ケース24)の下面との間の空気を外部に抜くための貫通孔である。
【0013】
底面42の外周には、底面42から立設するようにして略円環状の環状部44が形成されている。環状部44の上面44aには、正面側に操作パネル41が設けられている。この操作パネル41のタッチボタンのうち特定のタッチボタンは、数秒に亘って押し込まれること、即ち、いわゆる長押し操作を行うことが可能となっている。上面44aは、径外方向に向けて下るように傾斜して形成されている。環状部44の背面側には凹部44bが形成されている。凹部44bには、後述する水タンク20のダクト22が挿入される。凹部44bの正面側には、凹部44bに向けて開口する送風口45が設けられている。送風口45には、4つの孔部が、環状部44の内周面から延長される仮想円に沿って設けられている。
【0014】
一方、
図5、
図6に示すように、本体部40の内部にはファン46が設けられている。ファン46は、本実施形態においてはシロッコファンにより構成され、
図6に示すように吐出口46aが上方を向いて配置されている。吐出口46aの上方には、吐出口46aに覆い被さるように、内面が凹状に湾曲して形成されるダクト部45aが設けられている。ダクト部45aの後方側には、前述の送風口45が設けられている。ダクト部45aにより、ファン46の吐出口46aからの送風空気は、凹部44bに対応して開口する送風口45に流通される。
【0015】
なお、本体部40の下面には、フィルタ等を備えて開口する空気取込口46bが形成されている。本体部40の下面には、脚部40aが突出して形成されていて、加湿器10(本体部40)を載置する机上等の載置面と、本体部40の下面との間に隙間を形成し、空気取込口46bから外部空気が取り込まれる。
【0016】
また、本体部40の内部には、水タンク20に固定されている超音波振動子25、発光部26、水位センサ27(以上後述)やファン46を制御する制御部47を含む制御装置400が設けられている。制御部47は、少なくとも1つのプロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)やマイコン等により構成される。制御部47は、ヒートシンク47a上に設けられている。制御装置400は、図示しない記憶部等を備える。記憶部は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等で構成され、制御プログラムや設定情報等が記憶される。制御装置400は、操作パネル41や接続端子部23,43と電気的に接続されて、操作信号の送受信や電源供給が行われる。なお、加湿器10は、本体部40の背面下部に設けられる電源端子40b(
図2参照)からAC電源アダプタを介して電源が供給される。
【0017】
図8及び
図4~
図6に示す水タンク20は、タンク本体21を備える。タンク本体21は、略有底筒状の透明部材からなり、霧状の水滴を発生させるための水が貯留される。タンク本体21の開口縁は、
図6に特に示すように、垂直な壁状の円環状に形成される環状壁部21cが形成されている。
図5に示すように、タンク本体21の環状壁部21cの左右には、環状壁部21cの内側に、凹状(タンク本体21の内部には凸状)の取手21aが形成されている。
【0018】
図4、
図6に示すように、タンク本体21の背面側には、水位センサ27が設けられている。水位センサ27は、上側と下側の2か所にセンサが設けられ、該センサは静電容量センサ等の接触方式又は電波式等の非接触方式を用いることができる。水位センサ27により、タンク本体21内に貯留される水の過不足が検出され、操作パネル41の表示ランプ等により報知される。水位センサ27は、タンク本体21の背面側の外周から突出するように形成されるセンサケース部21b内に設けられている。
【0019】
タンク本体21の背面側には、ダクト22が設けられている。ダクト22は、断面略コ字状に形成されて、センサケース部21bに対して背面側から覆い被さるように設けられている。ダクト22の上端は屈曲して形成されて、前方に向けて開口する上開口部22aが設けられている。ダクト22の下端は、下方に向けて開口される下開口部22bが形成されている。
【0020】
したがって、ファン46の駆動によって吐出口46aからの空気は、ダクト部45a、送風口45、ダクト22、上開口部22aの順に通過し、水滴誘導部材28の外周面近傍に到達する。
【0021】
図8に示すように、タンク本体21の下面側には、略有底円筒状の下部ケース24が設けられている。下部ケース24は、タンク本体21と略同径とされている。下部ケース24は、ダクト22の下開口部22bに対応する背面側の外周面から下面に亘って凹部24aが形成されている。下部ケース24の略中央部には、前後方向に亘って延びる凹溝24bが設けられている。凹溝24bは、凹部24aと後端で接続している。凹溝24bには、前後方向に複数の接続端子が配置される接続端子部23が設けられている。また、下部ケース24の下面には、下面から突出するように複数の脚部24cが設けられて、本体部40に載置した際に、底面42と下部ケース24の下面が密着しないようにされている。
【0022】
図4、
図5に示すように、下部ケース24の内部には、超音波振動子25が設けられている。超音波振動子25は、タンク本体21の下面に設けられる開口部21dから、超音波振動子25において振動する面である振動面25aが臨まれるよう配置される。
図5に示すように、超音波振動子25と開口部21dの縁部との接続部25bはシールされている。超音波振動子25は、加湿器10の軸心CLから水平方向にオフセットして設けられている。
【0023】
より詳細には、
図12に示すように、超音波振動子25は、平面視において水滴誘導部材28の円筒部28a(後述)の内部に配置される。さらに、超音波振動子25は、水平面に平行な中心線(前後方向の中心線FB-CL及び左右方向の中心線LR-CL)のうち、中心線LR-CL上であって、中心線FB-CLよりも右側にズレて配置されている。またさらに、
図13に示すように、超音波振動子25は、振動面25aが前方に向かうように傾斜して配置されている。
【0024】
また、
図4~
図6に示すように、下部ケース24の内部には、発光部26が設けられている。発光部26は、略円環状の基板26aに設けられる半導体発光素子である発光ダイオード(LED)とされている。発光部26は、軸心CLに対して放射状に等角に3個配置されている。発光部26は、何れも水滴誘導部材28の円筒部28aよりも外側であるタンク本体21内に位置している。発光部26から発する光は、透明に形成されるタンク本体21の下面を透過する。
【0025】
図9、
図10に示すように、水滴誘導部材28は、略円筒状に形成されている。具体的には、水滴誘導部材28は、例えば円筒状に形成されて軸心を上下方向に向け、その上下方向における平面視において超音波振動子25が内部に位置するように水タンク20内に配置された略漏斗形状の部材(後述する円筒部28a)である。水滴誘導部材28は、後述するように当該略漏斗形状の部材の側壁を内外に連通するように連通孔部28fが形成されている。水滴誘導部材28の下側には、略一定の外内径で形成される円筒部28aが形成されている。円筒部28aの上側には、円筒部28aと連続して、水滴誘導部材28の上端部に向かって漸次拡開する拡開部28bが形成されている。拡開部28bの上端からは、略円環状に形成される下環状壁部28cが形成されている。下環状壁部28cの外径は、タンク本体21の環状壁部21cの内径よりも若干小さい程度で形成されている(
図6参照)。
【0026】
下環状壁部28cは、水平な円環板状の段部板28dを介して、略円環状に形成される上環状壁部28eと接続されている。上環状壁部28eの外径は、タンク本体21の環状壁部21cの外径よりも若干大きく形成されている(
図6参照)。水滴誘導部材28の左右には、それぞれ下環状壁部28cの外側面から凹状に形成される凹部28c1が設けられている。凹部28c1は、タンク本体21の取手21aが挿入可能な大きさの凹部として形成されている(
図5参照)。また、水滴誘導部材28の背面側には、下環状壁部28cから凹状に形成される凹部28c2が設けられている。
図6に示すように、凹部28c2は、ダクト22の上開口部22aを含む上端部分が入り込む大きさに形成されている。上開口部22aと対向する凹部28c2の部位は、凹湾曲状部28c3とされ、上開口部22aからの送風をタンク本体21の底部に向けて誘導する。
【0027】
図9、
図10に戻り、水滴誘導部材28には、円筒部28aから拡開部28bに亘って、背面側に複数の連通孔部28fが設けられている。連通孔部28fは、水平方向(左右方向)に長いスリット28f1が、上下方向に複数配置されて構成される。連通孔部28fにより、水滴誘導部材28の内外が連通される。スリット28f1は、下側のスリット28f1よりも上側のスリット28f1の方が長く形成されている。これは、後述するように、連通孔部28fは空気を水滴誘導部材28の内外に流通させる開口であるところ、水位が高いときには、下側のスリット28f1が水中に位置して機能せずに水面よりも上側のスリット28f1が機能し、水位が低いときには水面より上に多数のスリット28f1が位置して空気流通に利用できる。このように、水位によって使用できるスリット28f1の数が変化しても、空気の流通量を略均一とするため、下側のスリット28f1よりも上側のスリット28f1の方を長く形成している。
【0028】
最上部のスリット28f11の上部には、一番長いスリット28f11と略同じ長さで水滴誘導部材28の内側に突出する突起28gが設けられている。また、円筒部28aの下端開口の背面側には、円筒部28aの内面から突出するように突起28hが設けられている。突起28hは、下面に凹状の孔部が形成されている。
【0029】
また、
図10に示すように、水滴誘導部材28の主に拡開部28bの外周面には、水滴誘導部材28(加湿器10)の軸心CLを中心とする渦巻状の複数の溝28k1からなる溝部28kが設けられている。溝28k1は、細い溝とされていて、水滴誘導部材28の底面視において時計回りに湾曲して形成されている。
【0030】
図5、
図6に示すように、水滴誘導部材28は、水タンク20のタンク本体21の内部に配置される。このとき、水滴誘導部材28の段部板28dは、タンク本体21の上端に当接するようにして載置される。水タンク20の取手21aに対応するタンク本体21の上面は、凹部28c1に対応する段部板28dの下面と当接する。
【0031】
図11に示すように、蓋体30は、円板部32の外周に円環状の環状壁部33が形成されている。
図5に示すように、環状壁部33は、水滴誘導部材28の上環状壁部28e及びタンク本体21の環状壁部21cよりも外形が大きく形成されて、上環状壁部28e及び環状壁部21cを覆うことができる程度に高さが設定されている。環状壁部33の内周面と上環状壁部28eの外周面との間には隙間が形成されている。当該隙間は、水が滞留することによりシールされる。これにより、蓋体30の周縁部から、霧状の水滴が外部に漏れだすことが低減されている。
【0032】
図11に戻り、円板部32には、上面側から見て円環状の凹溝32aが形成されている(
図1、
図2も参照)。蓋体30の内面には、水滴吹出口31に対応して規制壁部34が設けられている。規制壁部34は、蓋体30(円板部32)の内面から壁状に立設し、水滴吹出口31の開口の蓋体30の径内方向側の内縁及び蓋体30の円周方向の側縁に形成されている。
【0033】
本実施形態においては、加湿器10は、運転モードとして、後述するように、通常運転モード、フォグモード及び乾燥モードを備えている。
【0034】
加湿器10における霧状の水滴の生成と、外部への放出についての動作を説明する。
図13のように、本体部40に、所定水位まで水を入れた水タンク20を載置して、水滴誘導部材28及び蓋体30をタンク本体21にセットする。通常運転モードでは、制御部47は、水位センサ27に、タンク本体21内に貯留される水の過不足を検出させ(以下「水切れ検出機能」ともいう)、水タンク20の水が所定水位(水面W3)以上であることを条件として、超音波振動子25を起動可能としている。この通常運転モードでは、超音波振動子25が連続的に起動される。すると、超音波振動子25の振動面25aからの振動エネルギーにより、水面に水柱W1が形成される。このとき、振動面25aは、連通孔部28fと反対側の前方に傾斜して設けられるので、水柱W1も傾斜して形成される。
【0035】
水柱W1が形成されると、連続して伝達される振動エネルギーが発散されて、水滴W2が生成される。無数に発生する水滴W2は、霧状に視認でき、重力により下方に溜まってくる。なお、連通孔部28fの上部に設けられる突起28gにより拡開部28bの内面に付着した水滴W2等の水がせき止められるので、スリット28f1が水により塞がれてしまうことが抑制される。
【0036】
ここで仮に、超音波振動子25の振動面25aが水平に設けられている場合には、水柱W1も垂直に形成される。垂直に形成された水柱W1の場合には、水柱W1の自重で、形成された水柱W1が潰されてしまい、霧状の水滴W2の生成効率が悪くなる。しかしながら、本実施形態における傾斜して形成される水柱W1では、水柱W1が自重により潰されてしまうことが低減されている。
【0037】
また、超音波振動子25は、軸心CLからオフセットして配置されるため、水滴誘導部材28の円筒部28aに寄せて配置されている。よって、傾斜して形成される水柱W1が崩れて落下する水は、円筒部28aから拡開部28bに亘る水滴誘導部材28の内面に当接して、該内面上を流れて水面W3に落下する。従って、水柱W1が崩れた水が直接に水面W3に落下することが無いので、水しぶきによる音の発生を抑制することができる。特に、拡開部28bが拡開する程度と、超音波振動子25の振動面25aが傾斜する程度を調整することで、落下し始める水柱W1からの水を拡開部28bの内面で受けるように設定し、効率よく水滴W2を生成しつつ、適切に静音化させることができる。
【0038】
通常運転モードでは、超音波振動子25が起動している間、ファン46も起動している。ファン46が起動しているときには、ファン46により水滴吹出口31から霧状の水滴W2を外部に放出することができる。ファン46からの送風は、以下のように流通する。ファン46の吐出口46aからの送風(矢印F1)は、ダクト部45aにより送風口45から吐出して、下開口部22bを介してダクト22内を流通する(矢印F2,F3)。ダクト22を流通する送風空気は、上開口部22aを介して凹部28c2の凹湾曲状部28c3を介してタンク本体21の内部であって、水滴誘導部材28の外側に流入する(矢印F4)。これにより、タンク本体21の内部における水滴誘導部材28の外側の圧力が高まると、連通孔部28fを介して、水滴誘導部材28の内部に、水滴誘導部材28の外側の空気が流入する。
【0039】
超音波振動子25とファン46を連続的に起動させることにより、連続的に水滴W2が生成されつつ、水滴誘導部材28の内部に空気が流入する。すると、水滴誘導部材28の内部の圧力が高まり、霧状の水滴W2は、水滴吹出口31を介して外部に放出される。このとき、蓋体30の規制壁部34により、比較的粒の小さい水滴W2は、空気の流れに乗って規制壁部34の下側や側方を回り込んで水滴吹出口31から外部に放出されるが、比較的粒の大きな水滴W2は、規制壁部34に貼りついて、やがて水面W3に落下する。このように、規制壁部34により、比較的大きな粒の水滴W2が外部に放出されることが規制されるので、加湿器10を設置した周りを湿潤させてしまうことを抑制することができる。
【0040】
一方、加湿器10は、視覚的に楽しむことができる運転モードとしてフォグモードを備えている。フォグモードによる運転は、
図14に示すフローチャートに従って動作する。このフォグモードにおいては、制御部47は、通常運転モードと同様に、水位センサ27に、タンク本体21内に貯留される水の過不足を検出させ、水タンク20の水が所定水位(水面W3)以上であることを条件として、超音波振動子25を起動可能とする。
【0041】
ステップS01;制御部47は、設定した所定時間(第1所定時間)の間、超音波振動子25を起動させる。このとき、ファン46は起動させず、停止している。これにより、水滴W2の生成(霧化)が行われるが、ファン46が停止しているので、生成された水滴W2は水滴吹出口31から外部に放出されることが無く、水滴誘導部材28の内部に貯留されつつ、連通孔部28fを介して水滴誘導部材28の内部から外部に放出され、タンク本体21の内部に溜まる。第1所定時間は、例えば「7秒」に設定することができる。
【0042】
ステップS02;制御部47は、所定時間(第1所定時間)の経過後、設定した所定時間(第1待機時間)の間、超音波振動子25及びファン46共に停止させる。水滴誘導部材28の内部に貯留した水滴W2は、連通孔部28fを介して水滴誘導部材28の外部に放出され続け、タンク本体21内に留まる。第1待機時間は、例えば「30秒」として、第1所定時間より長い時間とすることができる。
【0043】
ステップS03;制御部47は、設定した所定時間(第2所定時間)の間、超音波振動子25は停止させたままファン46を起動させる。すると、水滴誘導部材28の外側のタンク本体21内に溜まった霧状の水滴W2は、ファン46から送り込まれた空気と共に連通孔部28fを介して水滴誘導部材28の内部に流入し、水滴吹出口31から加湿器10の外部に放出される。第2所定時間は、例えば「20秒」とすることができる。
【0044】
ステップS04;制御部47は、ファン46を所定時間(第2待機時間)の間停止させる。ファン46は、電源供給が停止されても惰性で回転するが、このステップS04により、ファン46は完全に停止する。第2待機時間は、例えば「5秒」とすることができる。
【0045】
以上のステップS01~S04を繰り返すことで、タンク本体21の水面上に、水滴W2が霧状に溜まり、この溜まった霧状の水滴が水滴吹出口31から放出される様子が繰り返される。従って、タンク本体21に徐々に溜まっていく霧状の水滴W2の様子を見て楽しめると共に、水滴W2は通常運転モードと同様に水滴吹出口31から外部に放出されるので、加湿器10の本来機能である室内の加湿の機能を損なわずに、加湿器10の動作を見て楽しむことができる。
【0046】
このように、制御部47による加湿器10の制御方法は、ステップS01~S02を含む水滴貯留工程と、ステップS03~ステップS04を含む水滴放出工程と、を有する。すなわち、水滴貯留工程は、水タンク20に設けられる超音波振動子25を起動して霧状の水滴W2を発生させて、水滴吹出口31から霧状の水滴W2を放出させるファン46を停止して水タンク20に霧状の水滴W2を貯留する。そして、水滴放出工程は、ファン46を起動して、水滴貯留工程で貯留した霧状の水滴W2を水吹出口から放出させる。
【0047】
さらに、制御部47は、発光部26を制御して、適宜のタイミングで発光させて、加湿器10の使用者が光を見て楽しむことができるよう演出することができる。ここで、発光部26からの光は、水滴誘導部材28の湾曲する拡開部28bの外周面に照射される。そして、拡開部28bの外周面には、湾曲する溝部28kが形成されているので、発光部26から照射される光が乱反射し、間接照明の効果が発揮される。
【0048】
すなわち、加湿器10では、霧のようにみえる水滴W2が水タンク20の水面上に徐々に滞留し、放出されつつ、発光部26からの光による間接照明の効果で水タンク20の内部をぼんやりと光らせることができるので、落ち着いた雰囲気の演出を効果的に行うことができる。
【0049】
上述したように加湿器10は、運転モードとして、乾燥モードを備えている。使用者は、目視によってタンク本体21内の水の水位が特定水位(例えば底から2cm程度)以下(または、水が抜かれた状態)であることを確認し、操作パネル41の特定のタッチボタンを長押し操作すると、乾燥モードに移行する。タンク本体21内に貯留されうる水の水位は上述のように水位センサ27によって計測されうるが、制御部47は、水位センサ27による水タンク20の水位にかかわりなく、乾燥モードに移行させ、超音波振動子25を起動させることなくファン46を起動させることが可能となる。乾燥モードにおける運転は、
図15に示すフローチャートに従って動作する。
【0050】
ステップS11;制御部47は、乾燥モードにおいて、操作パネル41における他のタッチボタンの操作態様に応じて、ファン46の駆動時間を設定する。ここで、ファン46の駆動時間としては、1時間、4時間及び8時間のいずれかを設定することができる。
【0051】
ステップS12;制御部47は、設定された駆動時間に応じてファン46を起動する。ここでは、例えば4時間が設定されたものとして以下説明する。制御部47は、4時間に亘ってファン46の駆動を継続するよう制御する。乾燥モードでは、上述した通常運転モードやフォグモードと異なり、超音波振動子25が起動されずにファン46が駆動される。
【0052】
ステップS13;制御部47は、ファン46の駆動時間が4時間を超えたか否かを判定し、4時間を超えていないと判断した場合にはステップS12に戻ってこれを実行する一方、4時間を超えていると判断した場合には乾燥モードを終了する。
【0053】
次に、乾燥モードにおける空気の流通について説明する。
図16に示すように、本体部40に、使用者の目視により水量が特定水位(例えば底から2cm以下とした水面W4)以下とした(または水が抜かれた)水タンク20を載置することにより、水滴誘導部材28及び蓋体30をタンク本体21にセットする。
【0054】
ファン46からの送風は、以下のように流通する。ファン46の吐出口46aからの送風(矢印F1)は、ダクト部45aにより送風口45から吐出して、下開口部22bを介してダクト22内を流通する(矢印F2,F3)。ダクト22を流通する送風空気は、上開口部22aを介して凹部28c2の凹湾曲状部28c3を介してタンク本体21の内部であって、水滴誘導部材28の外側に流入する(矢印F4)。これにより、タンク本体21の内部における水滴誘導部材28の外側の圧力が高まると、連通孔部28fを介して、水滴誘導部材28の内部に、水滴誘導部材28の外側の空気が流入する(矢印F5)。
【0055】
水滴誘導部材28の内部に流入した空気は、水滴誘導部材28の内部において対流し、水滴誘導部材28の内部に付着した水滴を気化させることに寄与する。水滴誘導部材28の内部を対流する空気は、所定時間に亘って水滴誘導部材28の内部を対流して上記付着した水滴の水分を吸収した後に、水滴誘導部材28の上部に配置された連通孔部28fから加湿器10の外部に放出される(矢印F6)。このような乾燥モードにおける風の流路は、フォグモードにおける霧状の水滴の流路と一致していることになる。
【0056】
上述したステップS12~S13等を繰り返し実行することで、水タンク20及びその付属品、特にタンク本体21の内周面に付着していた水滴が蒸発しやすくなるため、水タンク20及びその付属品、特にタンク本体21の内周面にカビが発生しにくい状態とすることができる。
【0057】
次に、超音波振動子25の機能を増強する構成に関する変形例について説明する。
図17は、水滴誘導部材28における円筒部28aの底部において超音波振動子25の近傍に設けられる超音波増幅部材99の構成例を示す斜視図である。
図18は、
図17に示す水滴誘導部材28における円筒部28aの底部に設けられた超音波増幅部材99を拡大して表した構成例を示す斜視図である。なお、
図18においては、超音波振動子25の図示が省略されている。
【0058】
超音波増幅部材99は、ホーン形状の円環部99aと、この円環部99aの円環部分の直径方向におけるほぼ両端部近傍から各々延びる2本の腕部99b,99cとを備えている。これら2本の腕部99b,99cについては、共に、一方の端部が円環部99aに連続するように構成されており、他方の端部が円弧形状の支持部99dの端部に連続するように構成されている。
【0059】
水滴誘導部材28における円筒部28aの底部には、その内周面の縁部近傍の一部に沿って平行に形成された円弧形状の基部99eが設けられている。円弧形状の基部99eの外周面は、水滴誘導部材28における円筒部28aの底部の内周面に接している。一方、円弧形状の基部99eの内周面は、円弧形状の支持部99dの外周面に接している。したがって、円弧形状の支持部99dは、円弧形状の基部99eとともに、水滴誘導部材28における円筒部28aの底部の縁部近傍の内周面に沿って略平行となるように設けられている。
【0060】
図17に示すように、円環部99aの円環部分の直径は、超音波振動子25の開口部21dの直径とほぼ同様の直径であり、円環部99aは、開口部21d付近の円環部99aを通して超音波振動子25の振動面25aが臨まれる構成となっている。
【0061】
このような構成により、起動された超音波振動子25においては、
図19(A)の模式的な構成例に比べると、
図19(B)の模式的な構成例(
図17及び
図18に示す超音波増幅部材99に対応)の方が、振動面25aからの振動エネルギーが周囲に拡散しにくくなるため、集中的にタンク本体21内の水に伝わり、より効率良く水面に水柱W1を形成することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることは無く、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、水滴誘導部材28を設けない場合であっても、制御部47は、超音波振動子25が起動しているときにはファン46を停止するよう制御するという制御方法(水滴貯留工程及び水滴放出工程)を備えることで、水タンク20の内部に霧状の水滴が貯留される様子を見て楽しむことができる。そして、制御部47は、ファン46を起動しているときには超音波振動子25を停止するよう制御することで、水タンク内部に貯留された霧状の水滴を一気に外部に放出するという演出効果を得ることができる。
【0063】
しかしながら、水滴誘導部材28を備えることで、水滴W2の外部への放出を適切に行うことができるだけではなく、水滴W2が生成される様子を隠しつつ、使用者からは見え難い背面側に設けられた連通孔部28fから水滴W2をタンク本体21に流入させることができるので、より幻想的な演出行うことができる。なお、水滴誘導部材28は、円筒状に形成してもよい。
【0064】
また、水タンク20のタンク本体21は、内部に霧状の水滴が貯留されている様子が視認できればよく、着色透明や、適宜開口を設けて内部が視認できる構成としてもよい。
【0065】
また、制御部47は、上述した水切れ検出機能を用いて、水タンク20の水量が水面W3以上であるを判定されている状態で、操作パネル41の特定のタッチボタンを長押し操作を行って乾燥モードと仕様とした場合に、アラートを発出するようにしても良い。
【0066】
また、加湿器10は、水タンク20の着脱を検知可能なタンク着脱検知部(図示せず)を備えており、制御部47が、一定期間内に水タンク20の装着が検出されない状態で、操作パネル41の特定のタッチボタンを操作して乾燥モードとしようとした場合、操作ミスと判断し、アラートを発出するようにしても良い。このような構成とすると、水タンク20を洗浄した後に乾燥モードで乾燥させようとした場合に、乾燥対象となるはずであった水タンク20が存在しないことを操作者に知らせることができる。
【0067】
また、加湿器10は、水タンク20のタンク本体21の上部に蓋体30が完全に装着されていることを検知可能な蓋着脱検知部(図示せず)を備えており、制御部47が、蓋体30がタンク本体21の上部に完全に装着されている状態で、操作パネル41の特定のタッチボタンを操作して乾燥モードとしようとした場合、操作ミスと判断し、蓋体30の一部を乾燥させることができない旨のアラートを発出するようにしても良い。このような構成とすると、蓋体30を含め、より確実に水タンク20を乾燥させることができる。
【0068】
また、加湿器10は、制御部47が、光や音の出力を伴う水切れ通知機能を用いて、乾燥モードにおいて設定された乾燥時間(ファン46の駆動時間)を経過したことを通知するよう制御しても良い。
【0069】
また、加湿器10は、湿度計(図示せず)を備えており、制御部47が、加湿器10が配置されている部屋の湿度に応じて、乾燥モードにおいて設定された乾燥時間を長くしたり短くするよう制御するようにしても良い。
【符号の説明】
【0070】
10 加湿器 20 水タンク
21 タンク本体 21a 取手
21b センサケース部 21c 環状壁部
21d 開口部 22 ダクト
22a 上開口部 22b 下開口部
23 接続端子部 24 下部ケース
24a 凹部 24b 凹溝
24c 脚部 25 超音波振動子
25a 振動面 25b 接続部
26 発光部 26a 基板
27 水位センサ 28 水滴誘導部材
28a 円筒部 28b 拡開部
28c 下環状壁部 28c1 凹部
28c2 凹部 28c3 凹湾曲状部
28d 段部板 28e 上環状壁部
28f 連通孔部 28f1 スリット
28f11 スリット 28g 突起
28h 突起 28k 溝部
28k1 溝 30 蓋体
31 水滴吹出口 32 円板部
32a 凹溝 33 環状壁部
34 規制壁部 40 本体部
40a 脚部 40b 電源端子
41 操作パネル 42 底面
42a 空気孔 43 接続端子部
44 環状部 44a 上面
44b 凹部 45 送風口
45a ダクト部 46 ファン
46a 吐出口 46b 空気取込口
47 制御部 47a ヒートシンク
99 超音波増幅部材 99a 円環部
99b 腕部 99c 腕部
99d 支持部 99e 基部
400 制御装置