IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
  • 特開-画像形成装置 図6
  • 特開-画像形成装置 図7
  • 特開-画像形成装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167632
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083842
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】神沢 直樹
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA28
2H171GA04
2H171HA11
2H171HA12
2H171HA15
2H171HA23
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA28
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA34
2H171KA02
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171LA03
2H171LA08
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB16
2H171QB32
2H171QC05
2H171QC22
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA32
2H171WA23
2H171WA27
(57)【要約】
【課題】従来、本体に対して開閉可能なカバー部材を有する画像形成装置が知られているが、カバー部材の開閉において、更なる操作性の向上が求められている。
【解決手段】スタッカカバー35と、カムプレート112と、ステー111と、引張バネ113とを備え、ステー111は、カムプレート112のカム部と当接するカムフォロア115を有し、カム部は、スタッカカバー35が、カムフォロア115と、開閉角23°までの回動で当接するカム領域R1と、開閉角35°までの回動で、カム領域R1以外で当接するカム領域R2と、開閉角45°までの回動で、カム領域R1及びカム領域R2以外で当接するカム領域R3とを有し、カムフォロア115が受ける力が、カム領域R1又はカム領域R3と当接する際にはステー111に対して開方向に作用し、カム領域R2と当接する際にはステー111に対して閉方向に作用する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に対して、開位置と閉位置との間で開閉自在なカバー部材と、
前記本体に設けられ、前記カバー部材の開閉に伴って移動可能に設けられたカム部材と、
前記本体に対して、第1の回動軸を中心に回動自在に設けられ、前記カバー部材を支持する支持部材と、
前記カム部材を付勢する第1の付勢部材と
を備え、
前記支持部材は、
前記第1の付勢部材の付勢力によって、前記カム部材のカム部と当接する当接部材を有し、
前記カム部は、
前記カバー部材が前記閉位置にある状態から第1の角度まで回動した場合に、前記当接部材と当接する第1のカム部と、
前記カバー部材が前記閉位置にある状態から前記第1の角度より大きい第2の角度まで回動した場合に、前記第1のカム部以外で前記当接部材と当接する第2のカム部と、
前記カバー部材が前記閉位置にある状態から前記第2の角度より大きい第3の角度まで回動した場合に、前記第1のカム部及び前記第2のカム部以外で前記当接部材と当接する第3のカム部とを有し、
前記カバー部材が開く際に、前記支持部材が回動する方向を開方向とし、該開方向と反対の方向を閉方向とすると、
前記当接部材が、前記第1のカム部又は前記第3のカム部と当接する際に、前記当接部材に付与される力が前記支持部材に対して前記開方向に作用し、
前記当接部材が、前記第2のカム部と当接する際に、前記当接部材に付与される力が前記支持部材に対して前記閉方向に作用することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カム部材は、第2の回動軸を中心に回動自在に設けられ、
前記第3のカム部は、前記第1のカム部及び/又は前記第2のカム部よりも前記第2の回動軸に近いことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記本体に対して、前記カバー部材を開く方向に付勢する第2の付勢部材を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー部材が前記閉位置にあるとき、前記本体に設けられた被係合部と前記カバー部材に設けられた係合部とが係合することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カム部は、
前記カム部材に孔が設けられることによって形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カム部材において、前記第1の付勢部材による付勢力を受ける力点から前記第2の回動軸までの距離は、前記カム部から前記第2の回動軸までの距離より長いことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カム部材は、前記第1の回動軸が嵌入し、且つ前記カバー部材が所定の回動範囲で回動する際に前記第1の回動軸が当接しない回避孔を設けたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特にカバーの開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置本体に対して開閉可能なカバー部材を有する画像形成装置が知られている。
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-168505号公報(第6頁、図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像形成装置本体に対するカバー部材の開閉において、更なる操作性の向上が求められている。本発明は、カバー部材の操作性を向上させた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像形成装置は、本体と、前記本体に対して、開位置と閉位置との間で開閉自在なカバー部材と、前記本体に設けられ、前記カバー部材の開閉に伴って移動可能に設けられたカム部材と、前記本体に対して、第1の回動軸を中心に回動自在に設けられ、前記カバー部材を支持する支持部材と、前記カム部材を付勢する第1の付勢部材とを備え、
前記支持部材は、前記第1の付勢部材の付勢力によって、前記カム部材のカム部と当接する当接部材を有し、
前記カム部は、前記カバー部材が前記閉位置にある状態から第1の角度まで回動した場合に、前記当接部材と当接する第1のカム部と、前記カバー部材が前記閉位置にある状態から前記第1の角度より大きい第2の角度まで回動した場合に、前記第1のカム部以外で前記当接部材と当接する第2のカム部と、前記カバー部材が前記閉位置にある状態から前記第2の角度より大きい第3の角度まで回動した場合に、前記第1のカム部及び前記第2のカム部以外で前記当接部材と当接する第3のカム部とを有し、
前記カバー部材が開く際に、前記支持部材が回動する方向を開方向とし、該開方向と反対の方向を閉方向とすると、
前記当接部材が、前記第1のカム部又は前記第3のカム部と当接する際に、前記当接部材に付与される力が前記支持部材に対して前記開方向に作用し、前記当接部材が、前記第2のカム部と当接する際に、前記当接部材に付与される力が前記支持部材に対して前記閉方向に作用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の画像形成装置によれば、カバー部材の、ホップアップ動作、開位置の維持、更には閉位置と開位置の間の所望の回動位置の維持が比較的単純が構成で可能となるため、操作性の向上、コストの削減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に基づく実施の形態1の画像形成装置の要部構成を示す要部構成図である。
図2】画像形成装置の外観斜視図であり(a)は、スタッカカバーが閉じた状態を示し、(b)は、スタッカカバーが開いた状態を示している。
図3図2(b)に示すスタッカカバーが開いた状態の画像形成装置において、画像形成装置本体の左右のサイドカバー、及びスタッカカバーの左右のサイドカバーを取り外した図で、(a)はその外観斜視図であり、(b)は(a)の点線囲み部の部分拡大図である。
図4】スタッカカバーが閉位置にあるときの動作説明に供する図であり、(a)は、左側のスタッカカバー保持部の要部構成図であり、(b)はその部分拡大図である。
図5】スタッカカバーが、回動領域の中間部にあるときの動作説明に供する図であり、(a)は左側のスタッカカバー保持部の要部構成図であり、(b)はその部分拡大図である。
図6】スタッカカバーが開位置近傍にあるときの動作説明に供する図であり、(a)は、左側のスタッカカバー保持部の要部構成図であり、(b)はその部分拡大図である。
図7】自重モーメントMt、補助モーメントMb、及びこれらの各モーメントを合成した合成モーメントMsと開閉角θとの関係を示すグラフである。
図8】ロック手段の基本的な動作の説明に供する図であり、(a)は、スタッカカバーが閉位置にある状態を示し、(b)は、スタッカカバーが開位置にある状態を示し、(c)は、スタッカカバーが閉位置に至る直前の状態を示し、(d)は、スタッカカバーが閉位置に至った状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明に基づく実施の形態1の画像形成装置1の要部構成を示す要部構成図である。
【0009】
同図に示すように、画像形成装置1は、例えばタンデム型カラー電子写真式プリンタとしての構成を備え、給紙カセット10は、内部に記録用紙が積載され、画像形成装置1に着脱自在に装着される。ピックアップローラ21は、接触した状態で対に配置された給紙ローラ22及び分離ローラ23と共に給紙部20を構成している。ピックアップローラ21及び給紙ローラ22は、図示しない回転駆動手段によって回転駆動され、分離ローラ23は、図示しないトルク発生手段によって、反回転方向にトルクを発生している。
【0010】
従って、ピックアップローラ21は、給紙カセット10内から当接した最上部の記録用紙を引き出し、給紙ローラ22及び分離ローラ23は、例えば、記録用紙が複数同時に引き出されたような場合にも、一枚ずつこの記録用紙を順次搬送路に繰り出す。
【0011】
記録用紙の搬送方向(点線矢印で示す)における、給紙部20の下流側の搬送路には、順に、レジストローラ31、搬送ローラ32が配置されている。レジストローラ31は、このレジストローラ31を加圧して搬送力を生み出す連れ回りのプレッシャローラ33と対をなし、搬送ローラ32は、この搬送ローラ32を加圧して搬送力を生み出す連れ回りのプレッシャローラ34と対をなしている。レジストローラ31のローラ対は記録用紙の斜行を矯正し、搬送ローラ32のローラ対は画像形成部に記録用紙を送り込む。
【0012】
画像形成部は、着脱自在に直列に並べられた4つの現像ユニット51K,51Y,51M,51C(特に区別する必要がない場合には51と付す)と、現像ユニット51により形成されたトナー現像を、記録用紙の上面にクローン力により転写する転写部60からなる。直列に並べられた4つの現像ユニット51は、構成的には全て同じであり、使用されるトナーの色、即ちブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)と、その動作タイミングのみが異なる。ここでは用紙搬送方向の上流側から順に、ブラック(K)用の現像ユニット51K、イエロー(Y)用の現像ユニット51Y、マゼンタ(M)用の現像ユニット51M、及びシアン(C)用の現像ユニット51Cが配列されている。
【0013】
従って、ここでは代表してブラック(K)の現像ユニット51Kの内部構成について以下に説明する。
【0014】
現像ユニット51Kは、トナー現像を担持する感光体ドラム52K、感光体ドラム52Kの表面を帯電させる帯電ローラ53、LEDヘッド57Kによる露光によって感光体ドラム52Kの帯電した表面に形成された静電潜像に、摩擦帯電によりトナー現像を形成する現像ローラ54、現像ローラ54にトナーを供給するトナー供給ローラ55、転写後に感光体ドラム52Kの表面に残る残トナーを掻き落とすクリーニングブレード56などを備える。尚、各現像ユニット51に用いられているドラムやローラは、図示しない駆動モータからギアなどを経由して動力が伝達される。
【0015】
転写部60は、記録用紙を静電吸着して搬送する転写ベルト61、転写ベルト61を駆動するドライブローラ62、ドライブローラ62と対をなして転写ベルト61を張架するテンションローラ63、現像ユニット51の各感光体ドラム52K,52Y,52M,52C(特に区別する必要がない場合には52と付す)にそれぞれが対向して圧接するように配置され、トナー現像を記録用紙に転写するよう電圧を印加する転写ローラ67K,67Y,67M,67C(特に区別する必要がない場合には67と付す)等を備える。
【0016】
現像ユニット51と転写ベルト61は同期して駆動され、転写ベルト61に静電吸着された記録用紙に各色のトナー現像を順次重ね合わせて転写する。このようにして画像形成部でトナー現像を転写された記録用紙は、トナー現像を熱と圧力で記録用紙に融着させる定着ユニット70へ送り出される。
【0017】
定着ユニット70は、ヒータ等の熱源を備えて記録用紙に上方から接する加熱ローラ71と、従動して回転する加圧ローラ72とを備え、加熱した加熱ローラ71とこれに圧接する加圧ローラ72によって記録用紙を搬送することで加熱及び加圧し、記録用紙にトナー画像を定着する。
【0018】
記録用紙の搬送方向における、定着ユニット70の下流側の搬送路には、順に、排出ローラ対81,82が配置され、定着ユニット70から排出される定着済みの記録用紙を経路に沿って搬送し、排出トレイ83へと排出する。
【0019】
一方、記録用紙に両面印刷する場合には、経路切り替えレバー90によって、定着ユニット70から排出される、一方の記録面に定着済みの記録用紙を搬送ローラ91側に送り込み、搬送ローラ91は、これを両面搬送ユニット92に送り込む。
【0020】
両面搬送ユニット92では、反転ローラ93によって、送り込まれた記録用紙を一旦反転引込み経路97に引込んだ後、反転ローラ93の反転により、今度は引き込んだ記録用紙の後端部を前端部として搬送ローラ94に送り込み、更に搬送ローラ94,95,96によって再度レジストローラ31に送り込む。レジストローラ31に送り込まれた記録用紙は、印刷されていない他方の記録面を上にして再度画像形成部に送り込まれ、一方の記録面と同様にして他方の記録面に印刷された後、排出トレイ83に排出される。
【0021】
ここでLEDヘッド57K,57Y,57M,57C(特に区別する必要がない場合には57と付す)は、それぞれ対応するLEDヘッドホルダ40K,40Y,40M,40C(特に区別する必要がない場合には40と付す)によって保持され、各LEDヘッドホルダ40はカバー部材としてのスタッカカバー35によって保持されている。
【0022】
更にスタッカカバー35は、後述するように、排出ローラ対81の近傍にあって感光体ドラム52の回転軸方向に延在する回動軸を回動中心として矢印B方向に回動し、画像形成装置1の上部を図1に示す閉じた状態から開放する。このとき、LEDヘッドホルダ40に保持されたLEDヘッド57も一緒に移動し、それぞれ対応する現像ユニット51の載置位置から離間する方向に移動する(図2参照)。
【0023】
尚、図1の画像形成装置1は、水平面上に載置されているものとし、感光体ドラム52K、52Y、52M、52Cの回転軸方向をY方向とし、水平面と平行で且つ感光体ドラム52の回転軸方向と直交する方向をX方向とし、これら両軸と直交する方向をZ方向としている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各方向が示される場合、これらの方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ方向は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置1を構成する際の配置方向を示している。従って、ここではZ方向が鉛直方向となる。
【0024】
図2は、画像形成装置1の外観斜視図であり、同図(a)は、スタッカカバー35が閉じた状態を示し、同図(b)は、スタッカカバー35が開いた状態を示している。
尚、画像形成装置1を、その正面である矢印A方向(X方向マイナス側)からみて、前(手前側)後(奥側)左右を特定する場合がある。
【0025】
これらの図に示すように、スタッカカバー35は、後述するように、画像形成装置1本体の骨格を構成する筐体110(図3)によって回動自在に保持され、後述するロック手段によって同図(a)に示すように閉じた状態の閉位置にロックされ、またロック解除されることにより同図(b)に示すように開いて、画像形成装置1の上部を開放可能に構成されている。これにより、記録用紙の搬送途中でのジャムの解除や、定着ユニット70、現像ユニット51等の交換が可能となる。
【0026】
尚、上記したように、例えば画像形成装置1の、給紙カセット10、スタッカカバー35等のように、着脱可能な或いは可動な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を装置本体と称す場合がある。
【0027】
図2(b)に示すように、画像形成装置1の左右両側には、画像形成装置1本体とスタッカカバー35との間に亘って形成され、スタッカカバー35の回動に寄与する左側のスタッカカバー保持部101(L)及び右側のスタッカカバー保持部101(R)が配設されている。
【0028】
尚、左右のスタッカカバー保持部101(L),101(R)は、そのY軸方向の中央部で交わる仮想基準面(X-Z平面)に対して面対称に形成されている。このため面対称に形成されているこれらの部材には符号の末尾に「(L)」、「(R)」の符号を付けて区別し、またこれらの部材では、構成、動作が左右対称であるため、これらを一方のみで説明する場合がある。
【0029】
図3は、図2(b)に示すスタッカカバー35が開いた状態の画像形成装置1において、画像形成装置1本体の左右のサイドカバー102(L),102(R)、及びスタッカカバー35の左右のサイドカバー103(L),103(R)を取り外した図で、同図(a)はその外観斜視図であり、同図(b)は同図(a)の点線囲み部200の部分拡大図である。
【0030】
図3(b)に示すように、スタッカカバー35は、その左右側部に配設されたビーム121(L),121(R)が、画像形成装置1本体の骨格をなす筐体110の後方上部左右に配設された支点軸110a(L),110a(R)によって回動自在に保持されることによって、Y方向に延在する仮想軸回りに、画像形成装置1本体に回動自在に保持されている。ビーム121(L)には、その回動中心からの放射方向に略沿ってスライドガイド孔121a(L)が形成されている。また、スタッカカバー35の、閉位置から開く方向に回動したときの回動角を開閉角θとする。
【0031】
図3(b)に示すように、筐体110の左側の側面130(L)には、ここに植立する第1の回動軸としての支持軸110b(L)によって支持部材としてのステー111(L)が回動自在に保持され、同じくここに植立する第2の回動軸としての支持軸110c(L)によってカム部材としてのカムプレート112(L)が回動自在に保持されている。ステー111(L)及びカムプレート112(L)は、側面130(L)に平行な互いに異なる仮想面を回動し、ここでは、ステー111(L)の方が、側面130(L)により近くに位置している。
【0032】
カムプレート112(L)は、平面部112a(L)とこの平面部112a(L)から反L字状に延在する腕部112b(L)からなり、その平面部112a(L)には、縁部がカムとして作用する孔としてのカム孔112c(L)と支持軸110c(L)を中心とした円弧状の回避孔としての円弧孔112d(L)が形成されている。円弧上に形成された円弧孔112d(L)には支持軸110bの頭部が嵌入し、カムプレート112(L)が後述する所定の範囲で回動しても支持軸110bとカムプレート112(L)とが接触しないように構成されている。
【0033】
一方、腕部112b(L)には、後述する第1の付勢部材としての引張バネ113が係止される力点としてのフック112e(L)が形成されている。
【0034】
ステー111(L)は、略L字状に形成された部材であり、その一方の端部に形成されたポスト111a(L)が、ビーム121(L)のスライドガイド孔121a(L)に嵌入して摺動可能に係合し、他端に形成されて植立するポスト軸111bには円筒状回転部材である当接部材としてのカムフォロア115(L)が回転自在に保持されている。
【0035】
このカムフォロア115(L)を備えたポスト軸111bは、カムプレート112(L)のカム孔112c(L)の内側に配置され、カム孔112c(L)の縁部にガイドされて摺動する。この際、カムフォロア115(L)は、この摺動時の摩擦を解消して移動を円滑にする。カム孔112c(L)は、その縁部の一部形状が、後述するようにスタッカカバー35の開閉角θにより、カムフォロア115(L)との接圧方向を切り替えるように3段階のカムプロフィールにより形成されている。
【0036】
更に、側面130(L)に植立する支持軸110d(L)には、プーリ116(L)が回転自在に保持されている。このプーリ116(L)には、引張バネ113(L)がU字状に巻き付き、その両端部がカムプレート112(L)の腕部112b(L)に形成された一対のフック112eに係止されている。これにより引張バネ113(L)は、カムプレート112(L)の腕部112b(L)を引っ張る方向に付勢する。尚、ここでは引張バネ113(L)を用いたが、同様の付勢を生ずるものであればこの形態に限定されるものではなく、例えば、圧縮バネやトーションバネによるものであってもよい。
【0037】
以上の構成において、スタッカカバー35を開閉するときの、左右のスタッカカバー保持部101(L)、(R)の動作について説明する。尚、左右のスタッカカバー保持部101(L)、(R)は画像形成装置1の左右で面対称に形成されて動作するため、ここでは、左側のスタッカカバー保持部101(L)の動作についてのみ説明する。
【0038】
(スタッカカバー35の開閉角θが、0°≦θ<23°の範囲にある場合の動作)
図4は、スタッカカバー35がこの領域の閉位置にあるときの動作説明に供する図であり、同図(a)は、左側のスタッカカバー保持部101(L)の要部構成図であり、同図(b)はその部分拡大図である。本領域において、スタッカカバー保持部101(L)は、スタッカカバー35を開く方向に付勢するが、その動作について説明する。
【0039】
このとき引張バネ113(L)は、付勢力F1でカムプレート112(L)の腕部112b(L)を同方向に引っ張るため、カムプレート112(L)には、支持軸110c(L)回りにモーメントMc1が同方向(時計回り)に発生する。これによりカムプレート112(L)は、カム孔112c(L)の縁部に当接しているカムフォロア115を付勢力Fc1で同方向に付勢する。
【0040】
尚、ポスト軸111b(L)に回転自在に保持されたカムフォロア115は、カム孔112c(L)の縁部との間に生じる移動摩擦を抑制するため、移動が円滑になり、更に付勢力Fc1を、縁部との接線方向と垂直な方向にロスなく伝えることができる。
【0041】
この付勢力Fc1の方向が、図4(b)に示すように、ポスト軸111b(L)から支持軸110b(L)に向かう方向より時計回り側にあって、ステー111(L)の回動軸である支持軸110b(L)までの最短距離が距離L1となるように構成されている。即ち、この時カムフォロア115と当接するカム孔112c(L)の縁部は、当接部での接線方向が付勢力Fc1と直交する方向となるように形成されている。
【0042】
従って、ステー111(L)には、その回転軸である支持軸110b(L)の回りにモーメントMs1が同方向(反時計回り)に発生し、そのポスト111a(L)とビーム121(L)のスライドガイド孔121a(L)との当接部において、ステー111(L)を付勢力Fs1で同方向(スライドガイド孔121a(L)の延在方向と直交する方向)に付勢する。これにより、ステー111(L)を備えるスタッカカバー35には、回動軸である支点軸110a(L)回りにモーメントMb1が同方向(反時計回り)に発生するため、スタッカカバー35は開く方向に付勢される。
【0043】
尚、スタッカカバー35が、開閉角0°の閉位置から開閉角23°未満の間で回動すると、カムフォロア115(L)は、図4(b)に示すカム孔112c(L)の縁部の第1のカム領域R1を移動することとなる。ここで、この第1のカム領域R1のカム孔112c(L)の縁部は、カムフォロア115(L)との当接部での付勢力Fc1の方向が、図4(a)で示した場合と同様に、ポスト軸111bから支持軸110bに向かう方向より時計回り側にあって、ステー111(L)の回動軸である支持軸110b(L)までの最短距離が略一定(L1)となるように形成されている。尚、開閉角0°より大きく、開閉角23°未満の何れかの角度が第1の角度に相当する。
【0044】
従って、スタッカカバー35は、開閉角0°(閉じた状態)~開閉角23°未満の間で回動する時、常に開く方向に付勢される。
【0045】
(スタッカカバー35の開閉角θが、23°<θ<35°の範囲にある場合の動作)
図5は、スタッカカバー35がこの領域の中間部にあるときの動作説明に供する図であり、同図(a)は、左側のスタッカカバー保持部101(L)の要部構成図であり、同図(b)はその部分拡大図である。本領域において、スタッカカバー保持部101(L)は、スタッカカバー35を閉じる方向に付勢するが、その動作について説明する。
【0046】
このとき引張バネ113(L)は、付勢力F2でカムプレート112(L)の腕部112b(L)を同方向に引っ張るため、カムプレート112(L)には、支持軸110c(L)回りにモーメントMc2が同方向(時計回り)に発生する。これによりカムプレート112(L)は、カム孔112c(L)の縁部に当接しているカムフォロア115を付勢力Fc2で同方向に付勢する。
【0047】
この付勢力Fc2の方向が、図5(b)に示すように、ポスト軸111b(L)から支持軸110b(L)に向かう方向より反時計回り側にあって、ステー111(L)の回動軸である支持軸110b(L)までの最短距離が距離L2となるように構成されている。即ち、この時カムフォロア115と当接するカム孔112c(L)の縁部は、当接部での接線方向が付勢力Fc2と直交する方向となるように形成されている。
【0048】
従って、ステー111(L)には、その回転軸である支持軸110b(L)の回りにモーメントMs2が同方向(時計回り)に発生し、そのポスト111a(L)とビーム121(L)のスライドガイド孔121a(L)との当接部において、ステー111(L)を付勢力Fs2で同方向(スライドガイド孔121a(L)の延在方向と直交する方向)に付勢する。これにより、ステー111(L)を備えるスタッカカバー35には、回動軸である支点軸110a(L)回りにモーメントMb2が同方向(時計回り)に発生するため、スタッカカバー35は閉じる方向に付勢される。
【0049】
尚、スタッカカバー35が、その開閉角θが、23°<θ<35°の間で回動すると、カムフォロア115(L)は、図5(b)に示すカム孔112c(L)の縁部の第2のカム領域R2を移動することとなる。ここで、この第2のカム領域R2のカム孔112c(L)の縁部は、カムフォロア115(L)との当接部での付勢力Fc2の方向が、ポスト軸111bから支持軸110bに向かう方向より反時計回り側にあって、ステー111(L)の回動軸である支持軸110b(L)までの最短距離が略一定(L2)となるように形成されている。尚、開閉角23°より大きく、開閉角35°未満の何れかの角度が第2の角度に相当する。
【0050】
従って、スタッカカバー35は、その開閉角θが、23°<θ<35°の範囲で回動するとき、常に閉じる方向に付勢される。
【0051】
(スタッカカバー35の開閉角θが、35°<θ≦45°の範囲にある場合の動作)
図6は、スタッカカバー35がこの領域の開位置近傍にあるときの動作説明に供する図であり、同図(a)は、左側のスタッカカバー保持部101(L)の要部構成図であり、同図(b)はその部分拡大図である。本領域において、スタッカカバー保持部101(L)は、スタッカカバー35を開く方向に付勢するが、その動作について説明する。
【0052】
このとき引張バネ113(L)は、付勢力F3でカムプレート112(L)の腕部112b(L)を同方向に引っ張るため、カムプレート112(L)には、支持軸110c(L)回りにモーメントMc3が同方向(時計回り)に発生する。これによりカムプレート112(L)は、カム孔112c(L)の縁部に当接しているカムフォロア115を付勢力Fc3で同方向に付勢する。
【0053】
この付勢力Fc3の方向が、図6(b)に示すように、ポスト軸111b(L)から支持軸110b(L)に向かう方向より時計回り側にあって、ステー111(L)の回動軸である支持軸110b(L)までの最短距離が距離L3となるように構成されている。即ち、この時カムフォロア115と当接するカム孔112c(L)の縁部は、当接部での接線方向が付勢力Fc3と直交する方向となるように形成されている。
【0054】
従って、ステー111(L)には、その回転軸である支持軸110b(L)の回りにモーメントMs3が同方向(反時計回り)に発生し、そのポスト111a(L)とビーム121(L)のスライドガイド孔121a(L)との当接部において、ステー111(L)を付勢力Fs3で同方向(スライドガイド孔121a(L)の延在方向と直交する方向)に付勢する。これにより、ステー111(L)を備えるスタッカカバー35には、回動軸である支点軸110a(L)回りにモーメントMb3が同方向(反時計回り)に発生するため、スタッカカバー35は開く方向に付勢される。
【0055】
尚、スタッカカバー35が、その開閉角θが、35°<θ≦45°(開位置)の間で回動すると、カムフォロア115(L)は、図6(b)に示すカム孔112c(L)の縁部の第3のカム領域R3を移動することとなる。ここで、この第3のカム領域R3のカム孔112c(L)の縁部は、カムフォロア115(L)との当接部での付勢力Fc3の方向が、ポスト軸111bから支持軸110bに向かう方向より時計回り側にあって、ステー111(L)の回動軸である支持軸110b(L)までの最短距離が略一定(L3)となるように形成されている。尚、開閉角35°より大きく、開閉角45°までの何れかの角度が第3の角度に相当する。
【0056】
従って、スタッカカバー35は、開閉角θが、35°<θ≦45°の範囲で回動するとき、常に閉じる方向に付勢される。
【0057】
尚、スタッカカバー35は、図示しない規制手段により、開位置の開閉角45°以上に開かないように同方向への回動が規制されているものである。この規制手段としては、例えば、カムプレート112(L)の円弧孔112d(L)の端部が支持軸110b(L)に当接し、それ以上の回動が阻止されるようにしてもよいし、スタッカカバー35に直接作用し、開閉角45°以上の回動を止めるストッパを設けてもよい。
【0058】
尚、カムプレート112(L)のカム孔112c(L)の縁部のカム領域R1,R2,R3の全領域がカム部に相当し、第1のカム領域R1が第1のカム部に相当し、第2のカム領域R2が第2のカム部に相当し、第3のカム領域R3が第3のカム部に相当する。
【0059】
ここで、カムプレート112の、支持軸110c(L)からフック112e(L)までの距離が、支持軸110c(L)からカム領域R1、カム領域R2、及びカム領域R3までの距離より長くなるように構成されている。これによるモーメントの効果により、引張バネ113(L)による付勢力Fに対する、各カム領域においてカムフォロア115を付勢する付勢力Fc1,Fc2,Fc3のレベルを上げることが出来る。
【0060】
また、図4図5及、及び図6をみると、開閉角θが大きくなるに従って、引張バネ113は単純に縮んでいくように思われるが、実際には、開閉角θが大きくなる過程で伸びたり縮んだりを繰り返すように動作する。
【0061】
ここで、スタッカカバー35の自重による支点軸110a(L)回りの自重モーメントをMtとして、自重モーメントMtによってスタッカカバー35が閉じる方向を正(+)値と定義する。また、上記した引張バネ113(L)の引張に起因して発生する支点軸110a(L)回りのモーメントMb1,Mb2,Mb3を総称して補助モーメントMbとし、補助モーメントMbによってスタッカカバー35が開く方向を正(+)値と定義する。
【0062】
図7のグラフは、以上の定義に基づいて、自重モーメントMt、補助モーメントMb、及び自重モーメントMtと補助モーメントMbを合成した合成モーメントMsと、開閉角θとの関係を示すグラフである。
【0063】
同グラフに示すように、補助モーメントMbは、
0°≦θ<23° 及び 35°<θ≦45° の範囲では+側で推移し、
23°<θ<35° の範囲で-側で推移し、
θ=23°、θ=35°では、カムプレート112からの力が支持軸110b方向と重なるため、Mb=0となる。
一方、自重モーメントは、当然のことながら、 0°≦θ≦45° の範囲で常に+側で推移する。
【0064】
またこのグラフにおいて、
・合成モーメントMsがプラス、即ち
Mt<Mbのとき、スタッカカバー35は、開く方向に回動(以後、開動作と称す)し、
・合成モーメントMsがマイナス、即ち
Mt>Mbのとき、スタッカカバー35は、閉じる方向に回動(以後、開動作と称す)する。
【0065】
本実施の形態では、図7のグラフからもわかるように、スタッカカバー35の開閉角θによって、各モーメントは以下のように設定されている。
(1)0°(閉位置)≦θ<20°の範囲にある場合、 Mt<Mb とし、
(2)20°<θ<37°の範囲にある場合、 Mt>Mb とし、
(3)37°<θ≦45°(開位置)の範囲にある場合、 Mt<Mb
(4)θ=20°、θ=37°の場合 Mt=Mb
としている。
【0066】
従って、スタッカカバー35が上記(1)の範囲にあって自由状態になった場合、スタッカカバー35は、開閉角20°近傍まで開動作して停止し、一方、スタッカカバー35が上記(2)の範囲で自由状態にされると、スタッカカバー35は、逆に開閉角20°近傍まで閉動作して停止する。更に、スタッカカバー35の開閉角θが37°を超えた上記(3)の範囲で自由状態にされると、開位置である開閉角45°まで開動作して開位置で停止する。以後、開閉角37°近傍で、スタッカカバー35に対する付勢方向が逆転する回動角を分岐角と称し、開閉角20°近辺で回動が停止する位置を中間停止位置と称す場合がある。
【0067】
ここで、スタッカカバー35を閉位置にロックし、またロックを解除するロック手段について簡単に説明する。図8はロック手段の基本的な動作の説明に供する図であり、同図(a)は、スタッカカバー35が閉位置にある状態を示し、同図(b)は、スタッカカバー35が開位置にある状態を示し、同図(c)は、スタッカカバー35が閉位置に至る直前の状態を示し、同図(d)は、スタッカカバー35が閉位置に至った状態を示す。
【0068】
同図(a)において、係合部としてのロックプレート151は、スタッカカバー35本体に一体的に配設され、係合凹部151aと先端部に先細りに形成された傾斜部151bとが形成されている。一方被係合部としての規制部材152は、画像形成装置1本体にX方向と平行にスライド可能に保持され、ロックプレート151に向かう矢印C方向に付勢されている。但し、ロックプレート151の係合凹部151aに嵌入可能な規制位置で同方向への移動が規制されている。また規制部材152は、操作者が操作する図示しないロック解除ボタンと連動し、ロック解除ボタンが例えば押圧されるのに伴って、付勢に抗して矢印Cとは反対方向に、係合凹部151aから外れる退避位置(点線で示す)まで移動するように構成されている。
【0069】
従って、ロックプレート151は、規制部材152が係合凹部151aから外れると、同図(b)に示すようにスタッカカバー35の開動作に伴って上方に移動し、操作者がスタッカカバー35を閉じようとすると、閉位置の直前で、その傾斜部151bbiが規制位置に止まっている規制部材152を矢印Cと反対方向に押し除けながら同図(d)に示す閉位置に至る。このとき規制部材152が係合凹部151aに嵌入するため、ロックプレート151、更にはスタッカカバー35が閉位置にロックされる。
【0070】
従って、操作者が、図示しないロック解除ボタンによりそのロックを解除すると、閉位置にロックされたスタッカカバー35は自ら開動作し、開閉角20°近辺の中間停止位置まで回動した後、回動を停止してその状態を維持する。
【0071】
操作者は、中間停止位置にあるスタッカカバー35を閉じる場合、閉位置まで付勢力に抗して押し下げることによってスタッカカバー35を閉位置にロックすることが出来る。一方、操作者は、中間停止位置にあるスタッカカバー35を更に開く場合、分岐角までは付勢力に抗してこれを押し上げることになり、この途中で解放した場合、スタッカカバー35は再び中間停止位置もどるが、分岐角を超えた段階でスタッカカバー35は自ら開動作を開始し、開位置にいたった段階で停止し、その状態を維持する。
【0072】
ここでは画像形成装置1の左側のスタッカカバー保持部101(L)の構成、動作、作用について説明したが、前記したように、左右のスタッカカバー保持部101(L),(R)は、Y軸方向の中央部で交わる仮想基準面(X-Z平面)に対して面対称に形成され、動作するため、右側のスタッカカバー保持部101(R)についての説明は省略する。
【0073】
尚、本実施の形態では、引張バネ113のみによって、スタッカカバー35を開く方向に付勢する力を得たが、これに加え、スタッカカバー35を直接、支点軸110a回りに開く方向に付勢する、例えばトーションコイルバネ等を設けてもよい。この場合、例えば図7に示すグラフにおいて、スタッカカバー35の自重モーメントMtを小さくするように作用するため、引張バネ113の負荷を軽減できるなどの効果を得ることが出来る。
【0074】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置1によれば、スタッカカバー35が閉位置にある閉じた状態でロックを解除することにより、いわゆるポップアップ動作が行われるので、操作者が、閉じた状態のスタッカカバー35を持ち上げる動作が不要となり操作性が向上する。
【0075】
また、スタッカカバー35が自由状態の時、開閉角20°近辺の回動停止位置で回動を停止するため、開閉する際の勢いが一端抑制され、操作者のけがや、部品損傷といった事故を防止できる。
【0076】
また、回動停止位置の開閉角を20°程度に設定できるため、ジャム解除やユニット交換作業(現像ユニット51、転写ベルト61、定着ユニット70等)ができなく、それらの作業をするには更に開く必要があり、周辺部品(例えばLEDヘッド57等)にぶつけることによる部品破損等のトラブルを防ぐことができる。
【0077】
また、スタッカカバー35の開閉に際して、回動停止位置や分岐角を境に、バネ部材に起因して発生する付勢力の方向が適切に設定できるため、操作性に優れ、開閉動作を円滑に且つ安全に行うことが出来る。
【0078】
更に、カムプレート112のカム孔112cによるカム機構を利用した構成としているため、比較的簡単な構成で上記した複雑な動作を実施できるため、スペースの効率化、部品点数の削減、故障発生確率の低減等に寄与できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本実施の形態では画像形成装置としてカラープリンタを用いて説明したが、単色プリンタ、複写機、FAX、更にこれらを複合させた複合機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 画像形成装置、 10 給紙カセット、 20 給紙部、 21 ピックアップローラ、 22 給紙ローラ、 23 分離ローラ、 31 レジストローラ、 32 搬送ローラ、 33 プレッシャローラ、 34 プレッシャローラ、 35 スタッカカバー、 40 LEDヘッドホルダ、 51 現像ユニット、 52 感光体ドラム、 53 帯電ローラ、 54 現像ローラ、 55 トナー供給ローラ、 56 クリーニングブレード、 57 LEDヘッド、 60 転写部、 61 転写ベルト、 62 ドライブローラ、 63 テンションローラ、 67 転写ローラ、 70 定着ユニット、 71 加熱ローラ、 72 加圧ローラ、 81 排出ローラ対、 82 排出ローラ対、 83 排出トレイ、 90 経路切り替えレバー、 91 搬送ローラ、 92 両面搬送ユニット、 93 反転ローラ、 94 搬送ローラ、 95 搬送ローラ、 96 搬送ローラ、 101 スタッカカバー保持部、 102 サイドカバー、 103 サイドカバー、 110 筐体、 110a 支点軸、 110b 支持軸、 110c 支持軸、 110d 支持軸、 111 ステー、 111a ポスト、 111b ポスト軸、 112 カムプレート、 112a 平面部、 112b 腕部、 112c カム孔、 112d 円弧孔、 112e フック、 113 引張バネ、 115 カムフォロア、 116 プーリ、 121 ビーム、 121a スライドガイド孔、 130 側面、 151 ロックプレート、 151a 係合凹部、 151b 傾斜部、 152 規制部材。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8