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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167661
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241127BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
G03G21/00 384
G03G15/08 347
G03G15/08 322Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083886
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】翠 一人
(72)【発明者】
【氏名】木村 公一
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅則
(72)【発明者】
【氏名】藤本 聖也
【テーマコード(参考)】
2H077
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AA31
2H077DA15
2H077DA24
2H077DA32
2H077DA52
2H077DA82
2H077DB01
2H077DB25
2H077GA04
2H270LA87
2H270LA90
2H270MB01
2H270MB27
2H270MC30
2H270MD02
2H270MD17
2H270MH01
2H270PA83
(57)【要約】
【課題】同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な画像形成装置の利便性を高めること。
【解決手段】画像形成装置(10)は、供給制御部(8d)及び設定処理部(8f)を備える。前記供給制御部(8d)は、同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器(7)が装着可能な複数の装着部のうち一つの特定の装着部(5)に装着される前記現像剤容器(7)から現像剤を供給する第1モードと前記複数の装着部(5)に装着される複数の現像剤容器(7)から順次又は並行して現像剤を供給する第2モードとを切り替える。前記設定処理部(8f)は、前記特定の装着部をユーザー操作に基づいて設定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な複数の装着部のうち一つの特定の装着部に装着される前記現像剤容器から現像剤を供給する第1モードと前記複数の装着部に装着される複数の現像剤容器から順次又は並行して現像剤を供給する第2モードとを切り替える供給制御部と、
前記特定の装着部をユーザー操作に基づいて設定する設定処理部と、
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記設定処理部は、前記複数の装着部のうちユーザー操作により指定された一つの装着部を前記特定の装着部として設定する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定処理部は、前記複数の装着部のうち装着されている現像剤容器の現像剤の残量が最も多いこと及び最も少ないことのいずれかの選択条件をユーザー操作に応じて選択し、当該選択条件に応じて、装着されている前記現像剤容器の現像剤の残量が最も多い前記装着部、又は、装着されている前記現像剤容器の現像材の材料が最も少ない前記装着部を前記特定の装着部として設定する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定処理部は、前記画像形成装置の電源が投入された場合に、前記複数の装着部に装着されている現像剤容器内の現像剤の残量を取得し、当該残量と前記選択条件とに基づいて前記特定の装着部を設定する、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記現像剤の色ごとに対応する前記複数の装着部を備えており、
前記設定処理部は、前記現像剤の色ごとに前記特定の装着部を設定する、
請求項1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
プロセッサが、
同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な複数の装着部のうち一つの特定の装着部に装着される前記現像剤容器から現像剤を供給する第1モードと前記複数の装着部に装着される複数の現像剤容器から順次又は並行して現像剤を供給する第2モードとを切り替える切替ステップと、
前記特定の装着部をユーザー操作に基づいて設定する設定ステップと、
を実行する画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、同一色の現像剤に対応する二つの現像剤容器が装着可能な画像形成装置が知られている。また、一方の現像剤容器から現像剤を排出させる駆動部に異常が発生した場合に、他方の現像剤容器から現像剤を排出させる駆動部が自動的に使用される画像形成装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-167058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、同一色の現像剤に対応する二つの現像剤容器が装着可能な画像形成装置が、同一色の現像剤について一つの現像剤容器のみを使用する第1モードと二つの現像剤容器を使用する第2モードとを切り替え可能な構成を有することも考えられる。ここで、動作モードが第1モードである場合に使用される現像剤容器がいずれか一方の現像剤容器に固定されていると、当該第1モードで他方の現像容器を使用することができない。
【0005】
本発明の目的は、同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な画像形成装置の利便性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、供給制御部及び設定処理部を備える。前記供給制御部は、同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な複数の装着部のうち一つの特定の装着部に装着される前記現像剤容器から現像剤を供給する第1モードと前記複数の装着部に装着される複数の現像剤容器から順次又は並行して現像剤を供給する第2モードとを切り替える。前記設定処理部は、前記特定の装着部をユーザー操作に基づいて設定する。
【0007】
本発明の他の局面に係る画像形成方法は、プロセッサが切替ステップ及び設定ステップを実行する。前記切替ステップは、同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な複数の装着部のうち一つの特定の装着部に装着される前記現像剤容器から現像剤を供給する第1モードと前記複数の装着部に装着される複数の現像剤容器から順次又は並行して現像剤を供給する第2モードとを切り替える。前記設定ステップは、前記特定の装着部をユーザー操作に基づいて設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な画像形成装置の利便性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置における制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置におけるトナー供給部の構成図である。
図4図4は、実施形態に係る画像形成装置における表示画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置における表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る画像形成装置で実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7A図7Aは、実施形態に係る画像形成装置における表示画面の一例を示す図である。
図7B図7Bは、実施形態に係る画像形成装置における表示画面の一例を示す図である。
図7C図7Cは、実施形態に係る画像形成装置における表示画面の一例を示す図である。
図7D図7Dは、実施形態に係る画像形成装置における表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像形成装置10の構成]
本実施形態に係る画像形成装置10は、シート9に画像を形成するプリント処理を実行可能である。図1に示される画像形成装置10は、プリンターである。なお、画像形成装置10が、複写機、ファクシミリ装置または複合機などであってもよい。
【0012】
図1に示されるように、画像形成装置10は、主筐体1、シート収容部2、搬送装置3、プリント装置4、トナー供給部50、制御装置8、操作装置801および表示装置802を備える。主筐体1は、搬送装置3、プリント装置4、トナー供給部50および制御装置8を収容する筐体である。
【0013】
主筐体1内には、シート9の通路である搬送路300も設けられている。搬送装置3は、シート給送機構30および複数組の搬送ローラー対31を含む。シート給送機構30は、シート収容部2に収容されたシート9を1枚ずつ搬送路300へ送り出す。複数組の搬送ローラー対31は、シート9を搬送路300に沿って搬送する。複数組の搬送ローラー対31のうちの1組は、プリント装置4によって画像が形成されたシート9を搬送路300から排出トレイ1x上へ排出する。
【0014】
プリント装置4は、搬送路300に沿って搬送されるシート9に対する前記プリント処理を実行する。プリント装置4は、シート9に画像を形成するプリント部の一例である。図1に示される例では、プリント装置4は、電子写真方式で前記プリント処理を実行する。なお、他の実施形態として、画像形成装置10は、電子写真方式に限らずインクジェット方式の画像形成装置であってもよい。
【0015】
電子写真方式のプリント装置4は、露光装置40と1つ以上の画像形成部4xと転写装置44と定着装置46とを備える。図1に示されるプリント装置4は、タンデム式のカラープリント装置である。この場合、プリント装置4は、複数の現像色に対応する複数の画像形成部4xを備える。なお、他の実施形態として、画像形成装置10は、カラープリント装置に限らずモノクロプリント装置であってもよい。
【0016】
図1に示される例では、プリント装置4は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の現像色に対応する4つの画像形成部4xを備える。
【0017】
画像形成部4x各々は、感光体41、帯電装置42、現像装置43および第1クリーニング装置45を備える。感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を帯電させる。
【0018】
露光装置40は、帯電した感光体41の表面にレーザー光を走査することにより、感光体41の表面に静電潜像を書き込む。現像装置43は、感光体41の表面にトナーを供給することにより前記静電潜像をトナー像へ現像する。
【0019】
転写装置44は、感光体41の表面の前記トナー像を、搬送路300に沿って搬送されるシート9に転写する。タンデム式のプリント装置4において、転写装置44は、中間転写ベルト441、複数の一次転写装置442、二次転写装置443および第2クリーニング装置444を備える。複数の一次転写装置442は、複数の画像形成部4xに対応して設けられている。
【0020】
中間転写ベルト441は、その一部が複数の画像形成部4xに沿う状態で回転する。複数の一次転写装置442は、複数の画像形成部4xの感光体41の表面の前記トナー像を中間転写ベルト441の表面へ転写する。これにより、複数の色の前記トナー像が合成されたカラートナー像が中間転写ベルト441の表面に形成される。
【0021】
二次転写装置443は、中間転写ベルト441の表面の前記カラートナー像をシート9へ転写する。定着装置46は、シート9上の前記カラートナー像を加熱および加圧することにより前記カラートナー像をシート9に定着させる。なお、シート9は、用紙などのシート状の画像形成媒体である。
【0022】
トナー供給部50は、トナーをプリント装置4における複数の画像形成部4xの現像装置43へ供給する。トナー供給部50は、複数の装着部5を含む。装着部5各々は、トナーコンテナ7が取り外し可能に装着される部分である。
【0023】
トナー供給部50は、複数の装着部5に装着された複数のトナーコンテナ7内のトナーを現像色ごとに複数の画像形成部4xの現像装置43へ供給する。トナーは、現像剤の一例である。トナーコンテナ7各々は、現像剤を収容する現像剤容器の一例である。
【0024】
操作装置801は、人の操作を受け付ける装置である。例えば、操作装置801は、タッチパネルおよび操作ボタンのうちの一方または両方を含む。
【0025】
表示装置802は、各種の情報を表示可能である。例えば、表示装置802は、液晶表示装置などのパネル表示装置である。制御装置8は、画像形成装置10が備える各種の電気機器を制御する。
【0026】
図2に示されるように、制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)80、RAM(Random Access Memory)81、二次記憶装置82、信号インターフェイス83および通信装置84などを備えるコンピューターである。
【0027】
CPU80は、コンピュータープログラムを実行することにより各種の制御およびデータ処理を実行するプロセッサである。RAM81は、CPU80により実行される前記コンピュータープログラムおよび各種のデータを一時記憶する。
【0028】
二次記憶装置82は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置82は、CPU80により実行される前記コンピュータープログラムおよび各種のデータを記憶する。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置82として採用される。
【0029】
信号インターフェイス83は、各種のセンサーの検出信号をデジタルの検出データへ変換する。前記検出データは、CPU80へ伝送される。
【0030】
通信装置84は、ネットワークを通じて1つ以上のホスト装置を含む複数の外部装置との通信を実行する。CPU80は、通信装置84を通じて前記外部装置各々との通信を実行する。前記ホスト装置は、画像形成装置10に前記プリント処理を要求する情報処理装置である。
【0031】
CPU80は、前記コンピュータープログラムに従って各種のステップを含む画像形成方法を実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主制御部8a、状態判定部8b、プリント制御部8c、供給制御部8d、ロック制御部8e、及び設定処理部8fなどを含む(図2参照)。
【0032】
主制御部8aは、各種の要求を受け付ける処理、および、要求に応じた処理を他のモジュールに実行させる制御を実行する。例えば、主制御部8aは、操作装置801または通信装置84を通じてプリント要求を受け付ける。さらに主制御部8aは、前記プリント要求に応じた処理をプリント制御部8cに実行させる。
【0033】
状態判定部8bは、画像形成装置10における各種のセンサーの検出状態および各種の機器の動作状態に応じて、画像形成装置10の各種の状態を判定する。
【0034】
プリント制御部8cは、搬送装置3およびプリント装置4を制御する。プリント制御部8cは、搬送装置3にシート9を搬送させつつ、プリント装置4に前記プリント処理を実行させる。
【0035】
供給制御部8dは、トナー供給部50を制御することにより、トナー供給部50からプリント装置4へのトナーの供給を制御する。
【0036】
本実施形態において、トナー供給部50は、複数の現像色それぞれについて一対の装着部5を備える(図3参照)。トナー供給部50は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれについて一対の装着部5を備える。
【0037】
換言すれば、トナー供給部50は、同一色のトナーを収容する2つのトナーコンテナ7の装着が可能である。これにより、画像形成装置10において、トナーコンテナ7の交換中においても、前記ダウンタイムが発生しないように対処することも可能である。
【0038】
ところで、画像形成装置10のユーザーまたは管理者は、トナーコンテナ7各々のトナー空状態が検出されたときに、トナーコンテナ7を交換する。
【0039】
前記トナー空状態は、トナーコンテナ7にトナーが残っていない状態である。なお、トナー有り状態は、トナーコンテナ7にトナーが残っている状態はトナー有り状態である。前記トナー空状態は、現像剤空状態の一例であり、前記トナー有り状態は、現像剤有り状態の一例である。
【0040】
さらに、前記ユーザーまたは前記管理者は、トナーコンテナ7各々におけるトナー残量が少ない状態が検出されたときに、在庫用のトナーコンテナ7を発注する場合もある。
【0041】
画像形成装置10が、現像色ごとに複数の装着部5を備える場合、トナーコンテナ7の発注または交換などに関し、様々な運用が考えられる。そのため、画像形成装置10において、前記ユーザーまたは前記管理者による多様な運用のニーズに対応できることが望まれる。
【0042】
以下、前記ユーザーまたは前記管理者による多様な運用のニーズに対応するための画像形成装置10の構成および機能について説明する。
【0043】
トナー供給部50は、4組の装着部セット5xを備える(図3参照)。4組の装着部セット5xは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーに対応している。イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックは、それぞれ現像色の一例である。
【0044】
4組の装着部セット5xは、それぞれ一対の装着部5を含む。従って、トナー供給部50は、8個の装着部5を含む。4組の装着部セット5x各々において、一対の装着部5は、同一色の2つのトナーコンテナ7が装着される。なお、以下では、4組の装着部セット5xに含まれる装着部5の一方を第1装着部5a、他方を第2装着部5bと称することがある。
【0045】
4組の装着部セット5xは、ブラックのトナーに対応する1組の黒色装着部セット51と、3つの彩色のトナーに対応する3組の彩色装着部セット52と、を含む。3組の彩色装着部セット52は、イエロー、マゼンタおよびシアンに対応している。
【0046】
図3に示される例において、1組の黒色装着部セット51に装着される一対のトナーコンテナ7は、3組の彩色装着部セット52に装着される3対のトナーコンテナ7各々よりもトナーの収容量が大きい。
【0047】
トナー供給部50は、供給機構53と、8個の装着部5に対応する8個のロック機構6および8個のトナー量センサー5sと、をさらに備える。
【0048】
後述するように、4組の装着部セット5xそれぞれについて、一対の装着部5の一方が対象装着部として選択される。以下の説明において、4組の装着部セット5xそれぞれにおける一対のトナーコンテナ7のうち前記対象装着部に装着された1つを対象コンテナと称することがある。
【0049】
供給機構53は、4組の装着部セット5xそれぞれについて、前記対象コンテナから対応する現像装置43へトナーを供給する。即ち、4組の装着部セット5xそれぞれにおいて、前記対象コンテナが供給機構53によるトナーの供給元となる。
【0050】
8個のロック機構6は、4組の装着部セット5xに対応する4組のロック機構セット6xに区分される(図3参照)。4組のロック機構セット6xは、1組の黒色装着部セット51と3組の彩色装着部セット52とに対応している。4組のロック機構セット6xは、それぞれ一対の装着部5に対応する一対のロック機構6を含む。
【0051】
なお、8個のロック機構6は、4組の装着部セット5xに対応する4対のロック機構6であるともいえる。同様に、8個のトナー量センサー5sは、4組の装着部セット5xに対応する4対のトナー量センサー5sであるともいえる。
【0052】
8個のトナー量センサー5sは、8個の装着部5に装着された8個のトナーコンテナ7各々内のトナー量を検出する。例えば、トナー量センサー5s各々は、透磁率センサーである。
【0053】
なお、トナー量センサー5s各々が、トナーコンテナ7各々のトナーの貯留レベルを検出する複数のフォトセンサーであってもよい。また、トナー量センサー5s各々が、トナーコンテナ7各々の重量を計測するロードセルであってもよい。
【0054】
状態判定部8bは、トナー量センサー5s各々の検出結果に基づいて装着部5各々に装着されたトナーコンテナ7各々のトナー残量を判定する。本実施形態において、状態判定部8bは、トナーコンテナ7各々について、前記トナー空状態および前記トナー有り状態のいずれであるかを判定することも可能である。
【0055】
供給制御部8dは、前記対象コンテナの前記トナー有り状態が状態判定部8bによって検出されていることを条件に、前記対象コンテナのトナーを現像装置43へ供給する動作を供給機構53に実行させる。
【0056】
即ち、供給機構53は、前記対象コンテナの前記トナー有り状態が検出されていることを条件に、前記対象コンテナのトナーを現像装置43へ供給する動作を実行する。
【0057】
さらに状態判定部8bは、トナーコンテナ7各々について、前記トナー有り状態の一種であるトナー少量状態であるか否かを判定する。前記トナー少量状態は、複数のトナーコンテナ7のうちの判定対象の1つのトナー残量が基準量よりも少ない状態である。
【0058】
前記基準量は、予め定められる。例えば、主制御部8aは、操作装置801に対する操作に応じて前記基準量を設定することができる。
【0059】
さらに状態判定部8bは、トナー量センサー5s各々の検出結果に基づいて装着部5各々が装着有り状態および非装着状態のいずれであるかを判定する。
【0060】
前記装着有り状態は、複数の装着部5のうち判定対象の1つにトナーコンテナ7が装着されている状態である。前記非装着状態は、複数の装着部5のうち判定対象の1つにトナーコンテナ7が装着されていない状態である。
【0061】
即ち、トナー量センサー5s各々は、装着部5各々が前記装着有り状態および前記非装着状態のいずれであるかを検出する装着センサーを兼ねている。
【0062】
状態判定部8bは、複数の装着部5のうち判定対象の1つについて、前記装着有り状態が判定されているときに、前記トナー空状態または前記トナー有り状態を判定する処理を実行する。装着部5各々において、前記非装着状態は、前記トナー空状態および前記トナー有り状態のいずれでもない不定状態である。
【0063】
複数のトナー量センサー5sおよび状態判定部8bは、8個の装着部5に装着された8個のトナーコンテナ7それぞれにおけるトナー残量を検出する。本実施形態において、状態判定部8bが前記トナー残量を判定することは、状態判定部8bが前記トナー残量を検出することと同義である。
【0064】
例えば、状態判定部8bは、周期的にトナーコンテナ7各々の前記トナー残量を検出する。状態判定部8bは、周期的に装着部5各々が前記装着有り状態および前記非装着状態のいずれであるかを判定し、さらに前記プリント処理が実行されるごとにトナーコンテナ7各々の前記トナー残量を検出してもよい。
【0065】
ロック機構6各々は、ロック状態と解除状態とに選択的に切り替わりが可能な機構である。ロック機構6各々の前記ロック状態は、トナーコンテナ7各々について対応する装着部5各々からの取り外しを不可能にする状態である。ロック機構6各々の前記解除状態は、トナーコンテナ7各々について対応する装着部5各々からの取り外しを可能する状態である。
【0066】
本実施形態において、ロック機構6各々は、コンテナカバー6a、カバーセンサー6bおよびカバー係止機構6cを備える。コンテナカバー6aは、主筐体1における8個の装着部5の1つに通じる開口を開閉可能である。
【0067】
カバー係止機構6cは、入力されるロック制御信号に従って、コンテナカバー6aを閉位置に係止する状態と、コンテナカバー6aの係止を解除する状態と、に選択的に切り替わる。例えば、カバー係止機構6cは、前記ロック制御信号に従って状態が切り替わるソレノイドなどを含む。
【0068】
カバー係止機構6cがコンテナカバー6aを前記閉位置に係止している状態が、ロック機構6の前記ロック状態である。カバー係止機構6cがコンテナカバー6aの係止を解除している状態が、ロック機構6の前記解除状態である。
【0069】
カバーセンサー6bは、コンテナカバー6aがカバー閉状態およびカバー開状態のいずれであるかを検出する。前記カバー閉状態は、コンテナカバー6aが前記閉位置に存在する状態である。前記カバー開状態は、コンテナカバー6aが前記閉位置に存在しない状態である。
【0070】
トナーコンテナ7各々が対応する装着部6各々に対して着脱されるときに、対応するコンテナカバー6aが開かれる。例えば、カバーセンサー6bは、非接触式のフォトセンサーまたは接触式のマイクロスイッチなどである。
【0071】
CPU80における前記複数の処理モジュールは、ロック制御部8eをさらに含む(図2参照)。ロック制御部8eは、ロック機構6各々のカバー係止機構6cに前記ロック制御信号を出力することにより、ロック機構6各々を制御する。
【0072】
ロック制御部8eは、前記ロック制御信号を出力することにより、4組の装着部セット5xそれぞれの一対のロック機構6の両方について残量対応ロック制御を実行する。前記残量対応制御は、一対のトナーコンテナ7各々についての状態判定部8bによるトナー残量の検出状態に応じて、対応する一対のロック機構6各々を前記ロック状態および前記解除状態の一方に制御することである。
【0073】
具体的に、ロック制御部8eは、前記トナー有り状態が検出されているトナーコンテナ7に対応するロック機構6を前記ロック状態にする。一方、ロック制御部8eは、前記トナー有り状態が検出されていないトナーコンテナ7に対応するロック機構6を前記解除状態にする。
【0074】
供給制御部8dは、4組の装着部セット5xそれぞれについて、一対の装着部5から1つの前記対象装着部を選択する。供給制御部8dは、4組の装着部セット5xそれぞれについて1つの前記対象装着部を選択する。
【0075】
ところで、同一色の現像剤に対応する二つのトナーコンテナ7が装着可能な画像形成装置10が、同一色の現像剤について一つのトナーコンテナ7のみを使用する第1モードと二つのトナーコンテナ7を使用する第2モードとを切り替え可能な構成を有することも考えられる。ここで、動作モードが第1モードである場合に使用されるトナーコンテナ7がいずれか一方のトナーコンテナ7に固定されていると、当該第1モードで他方のトナーコンテナ7を使用することができない。これに対し、本実施形態に係る画像形成装置10では、同一色の現像剤に対応する複数のトナーコンテナ7が装着可能な画像形成装置10の利便性が高められている。
【0076】
以下の説明において、装着部セット5xそれぞれにおける一対のトナーコンテナ7のうち、前記対象装着部に装着されている1つを対象コンテナと称する。装着部セット5xそれぞれにおいて、前記対象コンテナが、供給機構53によるトナーの供給元になる。
【0077】
供給制御部8dは、初期状態として、一対の装着部5の一方を前記対象装着部として選択している。その後、画像形成装置10が後述の複数モードである場合、供給制御部8dは、例えば、前記対象コンテナについての状態判定部8bの判定状態が前記トナー有り状態から前記トナー空状態へ変化したときに、他方の装着部5を前記対象装着部として選択する。これにより、複数の装着部5に装着される複数のトナーコンテナ7から順次トナーが供給されることになる。また、画像形成装置10が後述の複数モードである場合、供給制御部8dは、例えば、画像形成装置10でプリント処理が実行されるごとに一対の装着部5を交互に前記対象装着部として選択する。これにより、複数の装着部5に装着される複数のトナーコンテナ7から並行してトナーが供給されることになる。そのため、前記複数モードではダウンタイムの発生が回避され得る。一方、画像形成装置10が後述の固定モード又は残量モードなどの単独モードである場合、供給制御部8dは、前記対象コンテナについての状態判定部8bの判定状態が前記トナー有り状態から前記トナー空状態へ変化したときであっても、他の前記対象装着部を選択しない。
【0078】
[動作モード]
本実施形態に係る画像形成装置10は、各色のトナーに対応する装着部セット5xにおける前記対象装着部の選択に関して複数の動作モードを有する。具体的に、前記動作モードには、固定モード、残量モード、及び複数モードなどが含まれる。そして、供給制御部8dは、各色のトナーに対応する装着部セット5xの動作モードに従って装着部セット5x各々における前記対象装着部を選択する。
【0079】
[固定モード]
装着部セット5xの動作モードが固定モードに設定されている場合、供給制御部8dは、ユーザー操作に応じて同一色のトナーに対応する複数の装着部5のうち予め指定された一つの装着部5を前記対象装着部として選択する。即ち、前記固定モードは、同一色に対応する複数の装着部5のうち一の装着部5のみが使用される動作モードであって、本発明に係る第1モードの一例である。
【0080】
なお、ロック制御部8eは、動作モードが固定モードである装着部セット5xについては、前記対象装着部をロック機構6によってロック状態にし、前記対象装着部ではない他の装着部5はロック機構6によって解除状態にする。さらに、ロック制御部8eは、前記対象装着部ではない他の装着部5からトナーコンテナ7が取り外された場合には、当該装着部5へのトナーコンテナ7が装着できないように当該装着部5をロック機構6によってロック状態にする。
【0081】
[残量モード]
装着部セット5xの動作モードが残量モードに設定されている場合、供給制御部8dは、同一色に対応する複数の装着部5のうちトナー残量がユーザー操作によって予め設定された使用条件を満たす装着部5を選択する。即ち、前記残量モードも、同一色に対応する複数の装着部5のうち一の装着部5のみが使用される動作モードであって、本発明に係る第1モードの一例である。
【0082】
そのため、前記固定モード又は前記残量モードである場合、供給制御部8dは、前記対象コンテナについての状態判定部8bの判定状態が前記トナー有り状態から前記トナー空状態へ変化しても、他の前記対象装着部を選択しない。なお、画像形成装置10では、前記固定モード又は前記残量モードのいずれか一方のみを本発明に係る第1モードとして有していてもよい。
【0083】
[複数モード]
装着部セット5xの動作モードが複数モードに設定されている場合、供給制御部8dは、初期状態として、前記対象コンテナについての状態判定部8bの判定状態が前記トナー有り状態から前記トナー空状態へ変化したときに、新たな前記対象装着部を選択する。即ち、前記複数モードは、同一色に対応する複数の装着部5が順次又は並行して使用される動作モードであって、本発明に係る第2モードの一例である。
【0084】
なお、ロック制御部8eは、動作モードが複数モードである装着部セット5xについては、前記対象装着部をロック機構6によってロック状態にし、前記対象装着部ではない他の装着部5はロック機構6によって解除状態にする。これにより、画像形成装置10では、前記ダウンタイムが発生しないようにトナーコンテナ7を交換することも可能である。
【0085】
設定処理部8fは、トナーの色ごとに対応する装着部セット5xそれぞれの動作モードをユーザー操作に応じて設定する。ここで、図4及び図5を参照しつつ、設定処理部8fによるユーザー操作に応じた装着部セット5xの動作モードの設定方法の一例について説明する。
【0086】
[動作モード選択処理]
設定処理部8fは、動作モード選択開始イベントが発生したときに、装着部セット5xそれぞれの動作モードを切り替えるステップを含む動作モード選択処理を実行する。例えば、前記動作モード選択開始イベントは、画像形成装置10の電源が投入されたことである。また、前記動作モード選択開始イベントは、操作装置801によって動作モード選択開始操作が検出されることである。さらに、前記動作モード選択開始イベントは、通信装置84が外部の端末装置から開始司令を受信したことであってもよい。例えば、前記動作モード選択処理におけるユーザー操作は、操作装置801に対する操作である。また、前記ユーザー操作は、通信装置84が通信可能な外部の端末装置に対する操作であってもよい。
【0087】
まず、設定処理部8fは、前記動作モード選択処理において、図4に示されるような第1メニュー画面g1を出力する。本実施形態で説明する第1メニュー画面g1などの各種の表示画面の出力先は、画像形成装置10の表示装置802または外部の端末装置である。なお、本実施形態で説明する第1メニュー画面g1などの各種の表示画面は、表示装置802又は外部の端末装置の表示画面のサイズに応じて一度に全体が表示されるものであってもよく、スクロール操作などに応じて全体が表示されるものであってもよい。
【0088】
第1メニュー画面g1は、各色(Y、M、C、Bk)に対応する4組の装着部セット5xそれぞれについて、前記固定モード、前記残量モード、又は前記複数モードのいずれかを選択する選択メニューg11を含む。
【0089】
具体的に、選択メニューg11には、前記固定モード、前記残量モード、及び前記複数モードの3つの選択候補が表示される。設定処理部8fは、第1メニュー画面g1におけるユーザー操作に応じて前記選択候補のいずれかを選択する。なお、第1メニュー画面g1では、例えば全ての色について前記複数モードが初期選択されており、設定処理部8fは、ユーザー操作に応じて、前記固定モード、前記残量モード、又は前記複数モードを択一的に選択する。
【0090】
次に、設定処理部8fは、第1メニュー画面g1において第2メニュー画面g2を表示させるための操作キーk1の操作が行われた場合に、図5に示されるような第2メニュー画面g2を出力する。
【0091】
第2メニュー画面g2は、各色に対応する4組の装着部セット5xそれぞれについて、第1メニュー画面g1で選択された動作モードにおいて装着部5を選択するための選択条件を選択する選択メニューg21を含む。
【0092】
具体的に、第1メニュー画面g1で選択された動作モードが前記固定モードである装着部セット5xに対応する選択メニューg21には、装着部セット5xのうちいずれか一つの装着部5を特定の装着部として指定するための選択候補が表示される。例えば、図5に示される例では、装着部セット5xに含まれる二つの第1装着部5a及び第2装着部5bが選択候補として表示されている。そして、設定処理部8fは、選択メニューg21におけるユーザー操作に応じて第1装着部5a及び第2装着部5bのいずれかを特定の装着部として設定する。
【0093】
また、第1メニュー画面g1で選択された動作モードが前記残量モードである装着部セット5xに対応する選択メニューg21には、装着部セット5xのうちトナー残量が最も多いものを最優先にするか、残量が最も少ないものを最優先にするかを前記選択条件として選択するための選択候補が表示される。そして、設定処理部8fは、選択メニューg21におけるユーザー操作に応じて前記選択条件のいずれかを特定の装着部として設定する。
【0094】
なお、第1メニュー画面g1で選択された動作モードが前記複数モードである装着部セット5xに対応する選択メニューg21には選択候補が表示されない。また、第1メニュー画面g1で全ての装着部セット5xの動作モードとして前記複数モードが選択されている場合には第2メニュー画面g2は表示されなくてもよい。さらに、前記動作モードが前記複数モードである場合であって、装着部セット5xが3つ以上の装着部5を含む場合、第2メニュー画面g2では、使用候補となる装着部5の数、及び、当該使用候補を3つ以上の装着部5から選択することが可能であってもよい。
【0095】
その後、設定処理部8fは、第2メニュー画面g2において動作モードの設定処理を確定させるための操作キーk2の操作が行われた場合に、第1メニュー画面g1及び第2メニュー画面g2でユーザー操作によって選択された設定内容を確定する。具体的に、設定処理部8fは、装着部セット5xそれぞれと第1メニュー画面g1で選択された動作モード及び選択条件とを対応付けた対応情報を二次記憶装置82に記憶する。なお、前記動作モードが前記固定モードである場合、前記選択条件は前記特定の装着部のユーザーによる指定内容である。これにより、供給制御部8dは、前記対応情報に基づいて装着部セット5xにおいて使用する装着部5を選択し、当該装着部5に装着されているトナーコンテナ7からトナーを供給することになる。
【0096】
[装着部設定処理]
以下、図6に示されるフローチャートを参照しつつ、設定処理部8fが実行する装着部設定処理の手順の一例について説明する。なお、設定処理部8fは、装着部設定開始イベントが発生したときに装着部設定処理を実行する。即ち、前記動作モード設定処理が実行された後であっても前記装着部設定開始ベントが発生するまでの間は前記対象装着部が変更されない。例えば、前記装着部設定開始イベントは、画像形成装置10の電源投入、省電力モードから通常動作モードへの遷移、予め設定された特定期間の経過、又は予め設定された特定タイミングの到来などのいずれか一又は複数である。
【0097】
<ステップS11>
ステップS11において、供給制御部8dは、二次記憶装置82に記憶されている前記対応情報に基づいて、処理対象の装着部セット5xの動作モードが前記複数モードであるか否かを判断し、処理を分岐する。具体的に、動作モードが前記複数モードである場合には(S11:Yes)、処理がステップS12に移行し、動作モードが前記複数モードでない場合には(S11:No)、処理がステップS13に移行する。
【0098】
<ステップS12>
ステップS12において、供給制御部8dは、前記複数モードにおいて予め設定された既定の装着部5を前記対象装着部として設定する。これにより、次に前記装着部設定処理が実行されるまでの間、供給制御部8dは、ステップS12で設定された前記対象装着部に装着されたトナーコンテナ7からプリント装置4へのトナーの供給を制御することになる。
【0099】
具体的に、画像形成装置10の前記複数モードにおいて、装着部セット5xに含まれる装着部5が予め設定された順序で使用される場合、供給制御部8dは、ステップS12において当該順序に従って装着部5を設定する。一方、画像形成装置10の前記複数モードにおいて、装着部セット5xに含まれる装着部5が並行して使用される場合、供給制御部8dは、ステップS12において、前回の装着部設定処理で前記対象装着部として設定された装着部5とは異なる装着部を設定する。なお、前回の装着部設定処理で前記対象装着部として設定された装着部5の情報は、例えば前記ステップS12の設定に応じて供給制御部8dによって二次記憶装置82に記憶される。また、ステップS12では、画像形成装置10の前記複数モードにおいて装着部セット5xに含まれる装着部5が並行して使用される場合、供給制御部8dは、状態判定部8bによって判定される装着部5各々に装着されたトナーコンテナ7各々のトナー残量が多い装着部5を前記対象装着部として設定してもよい。
【0100】
<ステップS13>
ステップS13において、供給制御部8dは、二次記憶装置82に記憶されている前記対応情報に基づいて、処理対象の装着部セット5xの動作モードが前記固定モードであるか否かを判断し、処理を分岐する。具体的に、動作モードが前記固定モードである場合には(S13:Yes)、処理がステップS14に移行し、動作モードが前記固定モードでない場合(前記残量モードである場合)には(S13:No)、処理がステップS15に移行する。
【0101】
例えば、図4に示される例では、イエロー(Y)に対応する装着部セット5xについて前記複数モードが選択されており、マゼンタ(M)及びブラック(Bk)に対応する装着部セット5xについて前記固定モードが選択されており、シアン(C)に対応する装着部セット5xについて前記残量モードが選択されている。
【0102】
<ステップS14>
ステップS14において、供給制御部8dは、二次記憶装置82に記憶されている前記対応情報に基づいて、処理対象の装着部セット5xに対応する前記選択条件として予め指定された一つの特定の装着部5を前記対象装着部として設定する。これにより、次に前記装着部設定処理が実行されるまでの間、供給制御部8dは、ステップS14で設定された前記対象装着部に装着されたトナーコンテナ7からプリント装置4へのトナーの供給を制御することになる。
【0103】
例えば、図5に示される例では、マゼンタ(M)に対応する装着部セット5xについて第1装着部5aが選択されており、ブラック(Bk)に対応する装着部セット5xについて第2装着部7bが選択されている。この場合、マゼンタ(M)に対応する装着部セット5xについては、特定の装着部である第1装着部5aが前記対象装着部として設定され、ブラック(Bk)に対応する装着部セット5xについては、特定の装着部である第2装着部7bが前記対象装着部として設定される。
【0104】
<ステップS15>
ステップS15において、供給制御部8dは、状態判定部8bによって判定される装着部5各々に装着されたトナーコンテナ7各々のトナー残量の情報を取得する。
【0105】
<ステップS16>
ステップS16において、供給制御部8dは、二次記憶装置82に記憶されている前記対応情報に基づいて、トナー残量が処理対象の装着部セット5xに対応する前記選択条件を満たす特定の装着部5を前記対象装着部として設定する。これにより、その後、供給制御部8dは、次に前記装着部設定処理が実行されるまでの間は、ステップS16で設定された前記対象装着部に装着されたトナーコンテナ7からプリント装置4へのトナーの供給を制御することになる。
【0106】
例えば、図5に示される例では、シアン(C)に対応する装着部セット5xについては、残量が最も多いことが前記選択条件として選択されている。この場合、シアン(C)に対応する装着部セット5xについては、第1装着部5a及び第2装着部5bのうち装着されているトナーコンテナ7のトナー残量が最も多い特定の装着部が前記対象装着部として設定される。なお、他の実施形態として、ステップS16では、前記動作モード選択処理において前記動作モードとして前記残量モードが選択されたときに状態判定部8bによって判定される装着部5各々に装着されたトナーコンテナ7各々のトナー残量に基づいて前記対象装着部が選択されてもよい。
【0107】
以上説明したように、画像形成装置10では、前記固定モード又は前記残量モード(第1モード)に設定された装着部セット5xについて、予め行われるユーザー操作に基づいて前記対象装着部が任意に設定される。そのため、画像形成装置10では、一方の装着部5のみが使用される動作モードにおいてユーザーの意図に関係なく予め定められた一方の装着部5のみが使用されるような構成に比べて高い利便性が実現される。
【0108】
なお、画像形成装置10は、装着部セット5xの装着部5各々に装着されているトナーコンテナ7が予め設定された特定種類のトナーコンテナであるか否かを判定することが可能であってもよい。この場合、供給制御部8dは、装着部セット5xの装着部5のいずれか一つのみに前記特定種類のトナーコンテナが装着されている場合には、当該特定種類のトナーコンテナが装着された装着部5を前記対象装着部として設定してもよい。装着部セット5xの動作モードが前記残量モードである場合、供給制御部8dは、前記対象装着部の選択候補となる装着部5を、当該装着部5のうち前記特定種類のトナーコンテナが装着されている装着部5に限定してもよい。一方、装着部セット5xの動作モードが前記固定モードである場合、供給制御部8dは、前記対象装着部の選択候補となる装着部5を、当該装着部5のうち前記特定種類のトナーコンテナが装着されている装着部5に限定せず、他の種類のトナーコンテナが装着された装着部5も前記対象装着部の選択候補としてもよい。
【0109】
[他の実施形態]
ここで、図7Aないし図7Dを参照しつつ、装着部セット5xそれぞれにおける動作モードの設定方法の他の例について説明する。
【0110】
まず、設定処理部8fは、前記動作モード選択処理において、図7Aに示されるような第1メニュー画面g3を出力する。第1メニュー画面g3は、各色(Y、M、C、Bk)に対応する4組の装着部セット5xそれぞれについて、単独モード又は前記複数モードのいずれかを選択する選択メニューg31を含む。設定処理部8fは、第1メニュー画面g3におけるユーザー操作に応じて前記単独モード又は前記複数モードのいずれかを選択する。
【0111】
続いて、設定処理部8fは、第1メニュー画面g3において第2メニュー画面g4を表示させるための操作キーk3の操作が行われた場合に、図7Bに示されるような第2メニュー画面g4を出力する。第2メニュー画面g4は、第1メニュー画面g3で前記単独モードが選択された装着部セット5xについて、さらに固定モード又は残量モードのいずれかを選択するための選択メニューg41を含む。設定処理部8fは、第2メニュー画面g4におけるユーザー操作に応じて前記固定モード又は前記残量モードのいずれかを選択する。なお、第1メニュー画面g3で選択された動作モードが前記複数モードである装着部セット5xに対応する選択メニューg41には選択候補が表示されない。また、第1メニュー画面g3で全ての装着部セット5xの動作モードとして前記複数モードが選択されている場合には第2メニュー画面g4が表示されなくてもよい。
【0112】
次に、設定処理部8fは、第2メニュー画面g4において第3メニュー画面g5を表示させるための操作キーk4の操作が行われた場合に、図7Cに示されるような第3メニュー画面g5を出力する。第3メニュー画面g5は、第2メニュー画面g4で前記固定モードが選択された装着部セット5xについて装着部5のいずれか一つを前記対象装着部として選択するための選択条件を選択する選択メニューg51を含む。設定処理部8fは、第3メニュー画面g5におけるユーザー操作に応じて装着部5のいずれか一つを選択する。なお、第2メニュー画面g4で選択された動作モードが前記複数モード又は前記残量モードである装着部セット5xに対応する選択メニューg51には選択候補が表示されない。また、第1メニュー画面g3で全ての装着部セット5xの動作モードとして前記複数モード又は前記残量モードが選択されている場合には第3メニュー画面g5が表示されなくてもよい。
【0113】
一方、設定処理部8fは、第3メニュー画面g5において第4メニュー画面g6を表示させるための操作キーk5の操作が行われた場合に、図7Dに示されるような第4メニュー画面g6を出力する。第4メニュー画面g6は、第2メニュー画面g4で前記残量モードが選択された装着部セット5xについてトナー残量に基づいて装着部5を前記対象装着部として選択するための選択条件を選択する選択メニューg61を含む。設定処理部8fは、第3メニュー画面g5におけるユーザー操作に応じて装着部5のいずれか一つを選択する。なお、第2メニュー画面g4で選択された動作モードが前記複数モード又は前記固定モードである装着部セット5xに対応する選択メニューg51には選択候補が表示されない。また、第1メニュー画面g3で全ての装着部セット5xの動作モードとして前記複数モード又は前記固定モードが選択されている場合には第4メニュー画面g6が表示されなくてもよい。
【0114】
その後、設定処理部8fは、第4メニュー画面g6において動作モードの設定処理を確定させるための操作キーk6の操作が行われた場合に、第1メニュー画面g3ないし第4メニュー画面g6でユーザー操作によって選択された設定内容を確定する。
【0115】
また、前述の実施形態では、設定処理部8fが、ユーザー操作に応じて複数の装着部セット5xのそれぞれについての前記動作モードを個別に設定することが可能である。一方、他の実施形態として、設定処理部8fは、ユーザー操作に応じて複数の装着部セット5xの全てについての前記動作モードを纏めて設定することが可能であってもよい。さらに、他の実施形態として、設定処理部8fは、ユーザー操作に応じて複数の装着部セット5xのうち1組の黒色装着部セット51と3組の彩色装着部セット52との前記動作モードをそれぞれ設定することが可能であってもよい。また、設定処理部8fは、複数のトナーの色のうち任意の色の選択を受け付けた後、当該選択された色のみについて前記動作モード及び前記選択条件などを設定することが可能であってもよい。
【0116】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成および各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0117】
<付記1>
同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な複数の装着部のうち一つの特定の装着部に装着される前記現像剤容器から現像剤を供給する第1モードと前記複数の装着部に装着される複数の現像剤容器から順次又は並行して現像剤を供給する第2モードとを切り替える供給制御部と、
前記特定の装着部をユーザー操作に基づいて設定する設定処理部と、
を備える、画像形成装置。
【0118】
<付記2>
前記設定処理部は、前記複数の装着部のうちユーザー操作により指定された一つの装着部を前記特定の装着部として設定する、
付記1に記載の画像形成装置。
【0119】
<付記3>
前記設定処理部は、前記複数の装着部のうち装着されている現像剤容器の現像剤の残量が最も多いこと及び最も少ないことのいずれかの選択条件をユーザー操作に応じて選択し、当該選択条件に応じて、装着されている前記現像剤容器の現像剤の残量が最も多い前記装着部、又は、装着されている前記現像剤容器の現像材の材料が最も少ない前記装着部を前記特定の装着部として設定する、
付記1又は2に記載の画像形成装置。
【0120】
<付記4>
前記設定処理部は、前記画像形成装置の電源が投入された場合に、前記複数の装着部に装着されている現像剤容器内の現像剤の残量を取得し、当該残量と前記選択条件とに基づいて前記特定の装着部を設定する、
請求項3に記載の画像形成装置。
【0121】
<付記5>
前記画像形成装置は、前記現像剤の色ごとに対応する前記複数の装着部を備えており、
前記設定処理部は、前記現像剤の色ごとに前記特定の装着部を設定する、
付記1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【0122】
<付記6>
プロセッサが、
同一色の現像剤に対応する複数の現像剤容器が装着可能な複数の装着部のうち一つの特定の装着部に装着される前記現像剤容器から現像剤を供給する第1モードと前記複数の装着部に装着される複数の現像剤容器から順次又は並行して現像剤を供給する第2モードとを切り替える切替ステップと、
前記特定の装着部をユーザー操作に基づいて設定する設定ステップと、
を実行する画像形成方法。
【符号の説明】
【0123】
5 :装着部
5x :装着部セット
7 :トナーコンテナ
8 :制御装置
8a :主制御部
8b :状態判定部
8c :プリント制御部
8d :供給制御部
8e :ロック制御部
8f :設定処理部
10 :画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D