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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167689
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】受注支援装置および受注支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241127BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083929
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦野 真穂
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 雄平
(72)【発明者】
【氏名】井上 鉄平
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA02
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】未受注の案件情報が大量に登録されている場合にも、受注向上のために問題のある案件を効率よく抽出し、対策の支援を行う技術を提供する。
【解決手段】 受注支援装置であって、未受注の案件について、所定の案件属性別に受注あるいは失注の確率を推定した結果を用いて、所定の基準に応じた案件を抽出する案件抽出部と、案件について、推定を行った時期が異なる確率間で変動量が多いものに係る案件属性を原因として推定する原因推定部と、案件抽出部が抽出した案件を表示するとともに、原因推定部が推定した原因を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未受注の案件について、所定の案件属性別に受注あるいは失注の確率を推定した結果を用いて、所定の基準に応じた前記案件を抽出する案件抽出部と、
前記案件について、前記推定を行った時期が異なる前記確率間で変動量が多いものに係る前記案件属性を原因として推定する原因推定部と、
前記案件抽出部が抽出した案件を表示するとともに、前記原因推定部が推定した前記原因を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする受注支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受注支援装置であって、
前記案件抽出部は、前記確率のうち受注の確率が所定の確率未満となる前記案件を抽出する、
ことを特徴とする受注支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の受注支援装置であって、
前記案件抽出部は、前記確率のうち失注の確率が所定の確率以上となる前記案件を抽出する、
ことを特徴とする受注支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の受注支援装置であって、
前記案件抽出部は、前記確率のうち受注の確率が最大となる時期が所定の基準日を跨いで後ろ倒しとなる前記案件を抽出する、
ことを特徴とする受注支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の受注支援装置であって、
前記案件属性には、少なくとも、前記案件の顧客の業種、重要度、受注予定日の変動回数、受注金額の変動回数、あるいは導入形態の変動回数のいずれかが含まれる、
ことを特徴とする受注支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の受注支援装置であって、
前記原因推定部は、受注あるいは失注の確率の推定を行った推定実施時について2以上の指定を受け付け、指定された2以上の前記推定実施時の間における前記確率の差分の累積を前記変動量とする、
ことを特徴とする受注支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載の受注支援装置であって、
前記確率は、所定の期間別に推定されており、
前記原因推定部は、同期間についての前記確率の差分の累計を通期で加算して前記変動量とする、
ことを特徴とする受注支援装置。
【請求項8】
情報処理装置を用いた受注支援方法であって、
前記情報処理装置は、
未受注の案件について、所定の案件属性に基づいて受注あるいは失注の確率を推定した結果を用いて、所定の基準に応じた前記案件を抽出する案件抽出ステップと、
前記案件について、前記推定を行った時期が異なる前記確率の変動量が多いものに係る前記案件属性を原因として推定する原因推定ステップと、
前記案件抽出ステップにて抽出した案件を表示するとともに、前記原因推定ステップにて推定した前記原因を表示する表示ステップと、
を実施することを特徴とする受注支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受注支援装置および受注支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、過去案件の受失注決着情報や営業活動履歴情報を蓄積することにより、様々な案件情報を管理し、閲覧できるようになりつつある。そしてさらには、未受注案件に対し、今後の受注可能性、受注時期、または失注等を予測する様々な受失注予測手法が開発され、案件管理に活用されるようになった。
【0003】
特許文献1には、「集計情報算出手段は、受注の実績を示す過去案件の項目を担当者ごとに集計した集計情報を算出し、ポイント算出手段は、集計情報をもとに担当者ごとの評価ポイントを算出する。フィードバックポイント登録手段は、フィードバック記憶手段に記憶された評価ポイント付き未確定案件にフィードバックポイントを対応付けて登録する。合計ポイント算出手段は、フィードバック記憶手段に記憶されたフィードバックポイントに評価ポイントを加算した合計ポイントを担当者ごとに算出する。未確定案件読取手段は、ポイント付き未確定案件記憶手段に記憶された合計ポイントの大きさに従って未確定案件を読み取る」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-049353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大規模な企業等では未受注案件が膨大に存在し、営業担当者は未受注案件の管理負荷が大きく、重要な案件の重要な局面で受注向上のために適切ではない行動をとってしまう可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、未受注の案件情報が大量に登録されている場合にも、受注向上のために問題のある案件を効率よく抽出し、対策の支援を行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係る受注支援装置は、未受注の案件について、所定の案件属性別に受注あるいは失注の確率を推定した結果を用いて、所定の基準に応じた前記案件を抽出する案件抽出部と、前記案件について、前記推定を行った時期が異なる前記確率間で変動量が多いものに係る前記案件属性を原因として推定する原因推定部と、前記案件抽出部が抽出した案件を表示するとともに、前記原因推定部が推定した前記原因を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、受注に問題が発生するおそれのある案件を抽出し、問題となる可能性の高い原因を示すことで受注を支援する技術を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】受注支援装置の構成例を示す図である。
図2】受注支援装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図3】受注支援処理のシーケンスの例を示す図である。
図4】問題案件抽出処理の処理フローの例を示す図である。
図5】属性別確率情報の詳細なデータの例を示す図である。
図6】属性別確率履歴情報の詳細なデータの例を示す図である。
図7】予測結果情報の詳細なデータの例を示す図である。
図8】予測結果履歴情報の詳細なデータの例を示す図である。
図9】案件抽出条件リストの詳細なデータの例を示す図である。
図10】問題案件情報の詳細なデータの例を示す図である。
図11】問題案件表示画面の例を示す図である。
図12】問題原因表示画面の例を示す図である。
図13】属性別変動量表示画面の例を示す図である。
図14】問題原因特定情報の詳細なデータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0011】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0012】
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。例えば、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種情報は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。また、これらの表現で説明される識別情報は、実施例において記号、数値、自然言語、又はそれらの組み合わせ等を用いて表すが、識別情報はこれら以外の形式でもよい。
【0013】
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0014】
実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
【0015】
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施例において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0016】
また、本発明は典型的には情報処理装置により実現されるものであるが、本発明の機能を有するプラットフォームとして実現されてもよい。
【0017】
図1は、受注支援装置の構成例を示す図である。受注支援装置100は、受注支援システム10の一部を構成する装置である。受注支援システム10には、受注支援装置100と、ネットワーク200を介して、ユーザ端末300と、データ管理装置400と、が通信可能に接続されて構成される。
【0018】
ネットワーク200は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VPN(Virtual Private Network)、インターネット等の一般公衆回線を一部又は全部に用いた通信網、携帯電話通信網等、のいずれか又はこれらの複合したネットワークである。なお、ネットワーク200は、Wi-Fi(登録商標)や5G(Generation)等の無線による通信網であってもよい。
【0019】
ユーザ端末300は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。案件管理担当者は、ユーザ端末300を用いて、受注支援装置100に対して、案件抽出条件リスト125を登録し、問題案件の抽出を指示し、問題原因の特定を指示する。ユーザ端末300は、問題案件情報126および問題原因特定情報127を含む画面情報を受注支援装置100から得て、案件管理担当者が確認可能なように表示する。
【0020】
データ管理装置400は、例えばSFA(Sales Force Automation)等のシステム、またはそれに準じるデータを蓄積したデータ管理装置である。データ管理装置400は、データを格納する記憶装置と、データ送受信を実施するコンピュータによって構成することができる。データ管理装置400は、受注支援装置100から要求された情報を読み出して受注支援装置100に受け渡す。
【0021】
受注支援装置100は、データ管理装置400に対し、案件抽出条件リスト125を登録し、必要な情報を受け渡す。また、受注支援装置100は、要求した情報をデータ管理装置400から受け取る。受注支援装置100は、PCまたはサーバーコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成することができ、処理部110と、記憶部120と、入力部130と、通信部140と、を備える。
【0022】
処理部110は、案件抽出部111と、原因推定部112と、表示部113と、を備える。案件抽出部111は、未受注の案件について、所定の案件属性別に受注あるいは失注の確率を推定した結果を用いて、所定の基準に応じた案件を抽出する。具体的には、案件抽出部111は、受注あるいは失注の確率のうち受注の確率が所定の確率未満となる案件を抽出する。また、案件抽出部111は、受注あるいは失注の確率のうち失注の確率が所定の確率以上となる案件を抽出する。なお、案件抽出部111は、受注あるいは失注の確率のうち受注の確率が最大となる時期が所定の基準日を跨いで後ろ倒しとなる案件を抽出するものであってよい。
【0023】
原因推定部112は、案件について、推定を行った時期が異なる受注あるいは失注の確率間で変動量が多いものに係る案件属性を原因として推定する。具体的には、原因推定部112は、確率の推定を行った推定実施時について2以上の指定を受け付け、指定された2以上の推定実施時の間における確率の差分の累積を変動量とする。その際、原因推定部112は、同期間についての受注あるいは失注の確率の差分の累計を通期で加算して変動量とするものであってよい。
【0024】
表示部113は、案件抽出部111が抽出した案件を表示するとともに、原因推定部112が推定した原因を表示する。なお、表示先は、ユーザ端末300の画面、あるいは受注支援装置100自身の表示装置15(後述)であってもよい。
【0025】
記憶部120は、属性別確率情報121と、属性別確率履歴情報122と、予測結果情報123と、予測結果履歴情報124と、案件抽出条件リスト125と、問題案件情報126と、問題原因特定情報127と、を記憶する。各データの詳細については後述する。
【0026】
図2は、受注支援装置のハードウェア構成の例を示す図である。受注支援装置100は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、補助記憶装置14と、表示装置15と、入力装置16と、メディア読取装置17と、通信装置18と、を有する。
【0027】
CPU11は、各種演算を実行するユニットである。CPU11は、補助記憶装置14からRAM12にロードした所定の受注支援プログラムを実行することにより、各種処理を実行する。受注支援プログラムは、例えば、OS(Operating System)プログラム上で実行可能なアプリケーションプログラムである。受注支援プログラムは、例えば、メディア読取装置17を介して可搬型記憶媒体から、補助記憶装置14にインストールされてもよい。なお、CPU11は、CPUのみに限られるものではなく、上述のようにGPU(Graphics Processing Unit)、FPGAやASIC、CPLD等を含むプロセッサであればよい。
【0028】
例えば、案件抽出部111と、原因推定部112と、表示部113とは、補助記憶装置14に記憶されているプログラムをRAM12にロードしてCPU11で実行することで実現可能である。
【0029】
RAM12は、CPU11により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要なデータなどを格納するメモリである。
【0030】
ROM13は、受注支援装置100の起動に必要なプログラムなどを格納するメモリである。
【0031】
補助記憶装置14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの装置である。フラッシュメモリなどを用いたSSD(Solid State Drive)であってもよい。
【0032】
表示装置15は、例えば、CRTディスプレイ、LCD(Liquid Crystal
Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの装置である。
【0033】
入力装置16は、例えば、キーボード、マウス、マイク、タッチパネルなどの装置である。
【0034】
メディア読取装置17は、CD-ROMやDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬性を有する可搬型記憶媒体の情報を読み出す装置である。
【0035】
通信装置18は、外部装置との間でデータの送受信を行う装置である。例えば、有線LANカード、無線LANカード、ダイヤルアップルータ、赤外線通信装置などの装置である。
【0036】
記憶部120は、CPU11がRAM12又は補助記憶装置14を利用することにより実現可能である。入力部130は、CPU11が入力装置16と、通信装置18とを利用することで実現可能である。通信部140は、CPU11が通信装置18を利用することで実現可能である。
【0037】
図3は、受注支援処理のシーケンスの例を示す図である。このシーケンスの例では、案件管理担当者による受注支援装置100への起動命令に従い、受注支援装置100は、案件の受失注及び受失注時期の予測結果情報123と、それら予測結果の履歴情報(予測結果履歴情報124)と、予測計算の過程で算出する案件の所定の属性(顧客の業種、重要度、受注予定日の変動回数、受注金額の変動回数あるいは導入形態変動回数等。本実施形態において、案件属性と表記することがある)に着目した場合に受失注が発生する確率の予測を含む属性別確率情報121と、案件の所定の属性に着目した場合に受失注が発生する確率の予測の履歴情報である属性別確率履歴情報122と、をデータ管理装置400から取得する。さらに、受注支援装置100は、必要に応じ、案件抽出条件リスト125に沿って、問題案件を抽出して問題案件情報126を作成し、各案件が問題となった原因となる案件の属性情報の推定結果である問題原因特定情報127を提示する。以下、受注支援処理のシーケンスについて説明する。
【0038】
案件管理担当者は、ユーザ端末300を用い、受注支援装置100に対し、問題案件抽出を起動するよう指示する。更に、案件管理担当者は、問題案件の抽出条件である案件抽出条件リスト125をユーザ端末300を用い登録する(ステップS01)。但し、既にデータ管理装置400に登録済みの案件抽出条件リスト125を活用する場合、または、問題案件の抽出条件の指定が不要、あるいは、後処理にて画面から問題案件の抽出条件を指定する場合は、案件抽出条件リスト125を登録しなくてもよいものとする。
【0039】
受注支援装置100の案件抽出部111は、問題案件抽出の起動指示および案件抽出条件リスト125を受け取ると、データ管理装置400に対し、予測結果情報123、およびその履歴情報である予測結果履歴情報124の伝送を要求する(ステップS02)。
【0040】
データ管理装置400は、受注支援装置100から要求を受け取ると、予測結果情報123、予測結果履歴情報124を受注支援装置100に送信する(ステップS03)。
【0041】
受注支援装置100の案件抽出部111は、予測結果情報123、予測結果履歴情報124を受け取り、先にユーザ端末300から登録した案件抽出条件リスト125を用いて、問題案件抽出処理を実施する(ステップS04)。問題案件抽出処理の詳細については、後述する。
【0042】
案件抽出部111は、予測結果情報123、予測結果履歴情報に含まれる案件を対象として、案件抽出条件リスト125に含まれる条件を満たす案件を問題案件として抽出し、抽出した問題案件を含めて問題案件情報126をデータ管理装置400に格納する(ステップS05)。
【0043】
そして、表示部113は、問題案件情報126を案件管理担当者が確認できるように所定の表示画面を構成し、ユーザ端末300に表示させる(ステップS06)。表示画面の詳細については、後述する。
【0044】
次に、案件管理担当者は、ユーザ端末300を用い、受注支援装置100に対し、問題原因特定処理を起動するよう指示する(ステップS07)。
【0045】
受注支援装置100の原因推定部112は、問題原因特定処理の起動指示を受け取ると、データ管理装置400に対し、属性別確率情報121、およびその履歴情報である属性別確率履歴情報122の伝送を要求する(ステップS08)。
【0046】
データ管理装置400は、受注支援装置100から要求を受け取ると、属性別確率情報121、および属性別確率履歴情報122を受注支援装置100に送信する(ステップS09)。
【0047】
そして、受注支援装置100の原因推定部112は、属性別確率情報121および属性別確率履歴情報122を受け取ると、問題原因特定処理を実施する(ステップS10)。問題原因特定処理においては、まず、原因推定部112は、問題案件抽出結果より案件管理担当者が問題原因を特定する必要があると判断した案件の指定をユーザ端末300の表示画面を用いて受け付ける。そして、原因推定部112は、指定された案件の属性別の確率情報を属性別確率情報121から抽出し、表示部113がユーザ端末300に表示させる。案件管理担当者は表示画面の情報を確認することで、受失注の決着にはどの属性の影響が大きいのかを確認することができる。
【0048】
更に、問題原因の詳細な分析を行うために、原因推定部112は、最新の属性別確率情報121と過去の属性別確率情報である属性別確率履歴情報122との差分を比較し分析する。その際、分析対象の案件に対し、原因推定部112は、予測立案日を最新の日付の他に1以上の日付の指定を受け付ける。また、原因推定部112は、詳細確認を行う属性の指定に関しても、1以上の日付の指定を受け付ける。
【0049】
また、原因推定部112は、指定された案件の属性別確率情報121と属性別確率履歴情報122の差分を分析した結果を、問題原因特定情報127としてデータ管理装置400に格納する(ステップS11)。
【0050】
さらに、表示部113は、案件管理担当者が問題案件として指定した案件の問題原因の属性を特定できるように問題原因特定情報127を含む所定の表示画面を構成し、ユーザ端末300に表示させる(ステップS12)。表示画面の詳細については、後述する。
【0051】
以上が、受注支援処理のシーケンスの例である。受注支援処理によれば、膨大な登録のある未受注の案件から、所定の条件に応じて問題案件を抽出することが可能となる。また、抽出された案件について、問題の原因となっている案件の属性を示すことが可能となる。そのため、受注に問題が発生するおそれのある案件を抽出し、問題となる可能性の高い原因を示すことで受注を支援することができる。
【0052】
図4は、問題案件抽出処理の処理フローの例を示す図である。問題案件抽出処理は、受注支援処理のステップS04において実施される処理である。
【0053】
まず、案件抽出部111は、指定された案件抽出条件を読み取る(ステップS041)。具体的には、案件抽出部111は、予め格納された案件抽出条件リスト125(図9参照)のうちから指定された抽出条件があれば当該案件抽出条件リスト125を読み取る。なお、案件抽出条件リスト125が指定されない場合には、案件抽出部111は、案件抽出条件リスト125と同様の情報として、問題事象と、指定日と、閾値と、フラグと、の組み合わせの入力を受け付ける。
【0054】
ここで、問題事象とは、問題案件として抽出する対象の案件が満たす条件をいう。例えば、問題事象として、「受注日後ろ倒し」、「受注確率減」、「失注対策」等が含まれる。指定日とは、問題事象に含まれるパラメータの一つとして、基準とする日がある場合に当該基準とする日をいう。閾値とは、問題事象に含まれるパラメータの一つとして基準とするKPI(Key Performance Indicator)がある場合に当該KPIの閾値をいう。フラグとは、案件抽出条件リスト125に含まれる条件のうち、案件抽出部111により利用される案件抽出条件を識別する情報をいう。
【0055】
例えば、問題事象の条件「受注日後ろ倒し」とは、問題事象として受注予測日が後倒しされている案件を抽出する条件である。その抽出条件は、予測結果履歴情報124では受注と予測された日付(受注予測日)が指定日(例えば、2023年3月31日)以前であった案件が、最新の予測結果情報123では受注予測日が指定日より後の日付に後倒しとなっていることである。なお、案件抽出部111は、フラグが「1」でない抽出条件については、問題案件として抽出しない。
【0056】
ここで、受注予測日は、予測結果情報123および予測結果履歴情報124(図7図8参照)に含まれている場合にはその日である。含まれていない場合は、予測結果情報123および予測結果履歴情報124に含まれる各案件の期間別確率が最も高い時期、あるいは、予測開始日から先々の日付へ順に受注確率を足し合わせた時の累積受注確率が50%以上となった時期を受注予定日として定めることができる。受注予測日の決め方は案件の特性などにより様々なため、前述以外であっても構わない。
【0057】
また例えば、問題事象の条件「受注確率減」とは、問題事象として受注確率が減少している案件を抽出する条件である。その抽出条件は、予測結果履歴情報124の指定日(例えば、2023年3月31日)の受注確率が閾値(例えば、60%)を上回っていた案件について、予測結果情報123の同指定日の受注確率が該閾値を下回ることである。なお、案件抽出部111は、フラグが「1」でない抽出条件については、問題案件として抽出しない。
【0058】
また例えば、問題事象の条件「失注対策」とは、問題事象として失注確率が閾値を超えている案件を抽出する条件である。その抽出条件は、予測結果情報123の予測開始日を始期として経時的に失注確率を累積させた累積失注率が閾値(例えば、50%)を上回ることである。問題案件を抽出する。なお、案件抽出部111は、フラグが「1」でない抽出条件については、問題案件として抽出しない。
【0059】
そして、案件抽出部111は、指定日に応じた選別(ステップS042)、閾値による選別(ステップS043)、フラグによる選別(ステップS044)を行う。上述のように、問題案件の抽出処理においては、抽出対象の問題事象に応じて指定日と閾値の用い方が異なるため、案件抽出部111は、問題事象に応じて指定日と閾値とフラグを用いて抽出を行う。
【0060】
例えば、案件抽出部111は、問題事象「受注日後ろ倒し」については、予測結果履歴情報124では受注と予測された日付(受注予測日)が指定日(例えば、2023年3月31日)以前であった案件が、最新の予測結果情報123では受注予測日が指定日より後の日付に後倒しとなっている案件を選別する。また、案件抽出部111は、フラグが「1」でない場合には、問題案件として抽出しない。なお、案件抽出部111は、問題事象「受注日後ろ倒し」の問題の重大度合いを示す点数を算出するようにしてもよい。例えば、案件抽出部111は、予測結果情報123の受注予測日と予測結果履歴情報124の受注予測日の差分を各案件の点数とすることができる。
【0061】
また例えば、案件抽出部111は、問題事象「受注確率減」については、予測結果履歴情報124の指定日(例えば、2023年3月31日)の受注確率が閾値(例えば、60%)を上回っていた案件について、予測結果情報123の同指定日の受注確率が該閾値を下回る案件を選別する。また、案件抽出部111は、フラグが「1」でない場合には、問題案件として抽出しない。なお、案件抽出部111は、問題事象「受注確率減」の問題の重大度合いを示す点数を算出するようにしてもよい。例えば、案件抽出部111は、予測結果履歴情報124の指定日が含まれる所定期間の受注確率と、予測結果情報123の同期間の受注確率と、の差分を点数とすることができる。
【0062】
また例えば、案件抽出部111は、問題事象「失注対策」については、予測結果情報123の予測開始日を始期として経時的に失注確率を累積させた累積失注率が閾値(例えば、50%)を上回る案件を選別する。また、案件抽出部111は、フラグが「1」でない場合には、問題案件として抽出しない。
【0063】
以上が、問題案件抽出処理の処理フローの例である。問題案件抽出処理によれば、抽出する所定の条件に応じて問題案件を抽出することができる。
【0064】
受注支援処理のステップS10において実施される問題原因特定処理においては、問題原因の詳細な分析を行うために、原因推定部112は、最新の属性別確率情報121と過去の属性別確率情報である属性別確率履歴情報122との差分を比較し分析する。当該処理は、指定された案件の属性に基づく受失注確率を複数時点で比較して受失注確率の変動量の累積が大きい属性は結果に大きな影響を与えているという考えに基づき、変動量の累積が大きい属性を問題の原因として推定する処理である。
【0065】
問題原因特定処理によれば、最新の属性別確率情報121と過去の属性別確率情報である属性別確率履歴情報122とを参照して、受失注確率の変動量の累積が大きい属性を問題の原因として推定することができる。
【0066】
図5は、属性別確率情報の詳細なデータの例を示す図である。属性別確率情報121は、予測結果情報123を算出する過程で算出され、属性別に所定の時期についての受失注の確率情報である。属性別確率情報121には、案件名、予測立案日、属性、予測区分、期間別の確率情報が含まれる。
【0067】
属性は、例えば、案件の項目に含まれる業種、重要度、受注予定日の更新回数、受注金額の更新回数あるいは更新内容を含む情報である。この確率情報は、所定のアルゴリズムを用いて算出される時期別の情報であればよく、本実施形態では外部の装置により演算した結果をデータ管理装置400から受け取るものとしている。しかし、これに限られるものではなく、原因推定部112が所定のアルゴリズムにより算出するものであってもよい。
【0068】
また、この確率情報は、通期で、かつ、同一属性の予測区分「受注」と「失注」を合わせたもの全体を「1」とする。言い換えると、例えば「案件1」の属性「受注予定日」についての確率情報は、予測区分「受注」と「失注」についての確率情報を通期で合算すると、「1」となる値である。同様に、「案件1」の属性「重要度」についての確率情報も、予測区分「受注」と「失注」についての確率情報を通期で合算すると、「1」となる。すなわち、属性別確率情報121は、受失注別かつ時期別の確率情報を属性毎に含むものといえる。
【0069】
図6は、属性別確率履歴情報の詳細なデータの例を示す図である。属性別確率履歴情報122は、最新および過去に算出した属性別確率情報121の履歴を蓄積した情報である。したがって、属性別確率情報121と同様に、属性別確率履歴情報122には、案件名、予測立案日、属性、予測区分、期間別の確率情報が含まれる。
【0070】
図7は、予測結果情報の詳細なデータの例を示す図である。予測結果情報123は、未受注の案件の所定の時期についての受失注の確率情報である。予測結果情報123には、案件名、予測立案日、予測区分、期間別の確率情報が含まれる。
【0071】
また、この確率情報は、通期で、かつ、予測区分「受注」と「失注」を合わせたもの全体を「1」とする。言い換えると、例えば「案件1」の確率情報は、予測区分「受注」と「失注」についての確率情報を通期で合算すると、「1」となる値である。同様に、「案件2」の確率情報も、予測区分「受注」と「失注」についての確率情報を通期で合算すると、「1」となる。すなわち、予測結果情報123は、受失注の決着状況や受失注時期、受失注の時期別確率情報を含むものといえる。
【0072】
図8は、予測結果履歴情報の詳細なデータの例を示す図である。予測結果履歴情報124は、最新および過去に算出した予測結果情報123の履歴を蓄積した情報である。したがって、予測結果情報123と同様に、予測結果履歴情報124には、案件名、予測立案日、予測区分、期間別の確率情報が含まれる。
【0073】
図9は、案件抽出条件リストの詳細なデータの例を示す図である。案件抽出条件リスト125は、案件抽出部111の入力となる情報であり、ファイルとして記憶部120に事前に用意される。ただし、これに限られるものではなく、利用者が案件抽出を実施する際に画面から入力する、あるいは、データ管理装置400に情報が格納済みであればその格納済みデータを用いる、のいずれの方法をとってもよい。案件抽出条件リスト125は、問題事象、指定日、閾値およびフラグが含まれる。
【0074】
図10は、問題案件情報の詳細なデータの例を示す図である。問題案件情報126は、案件抽出部111からの出力情報である。問題案件情報126は、案件名、問題事象、予測区分、指定日、閾値、予測立案日および点数の情報を含む。
【0075】
図11は、問題案件表示画面の例を示す図である。問題案件表示画面500は、問題案件抽出処理の開始に必要な入力を受け付け、案件抽出結果の出力を表示する画面の一例である。本画面は、抽出条件入力領域501と、予測立案日選択領域502と、案件抽出部111を実行するための問題案件抽出の起動指示ボタン503と、案件抽出結果をリスト表示する問題案件リスト表示504と、受失注確率分布グラフ表示505と、を含む。
【0076】
抽出条件入力領域501は、案件抽出条件リスト125のデータ項目の入力を受け付ける領域である。具体的には、抽出条件入力領域501は、問題事象と、指定日と、閾値と、の入力を受け付ける。なお、事前に案件抽出条件リスト125に条件の登録がある場合は、問題事象の欄に案件抽出条件リスト125の項目を選択項目として提示する。利用者が問題事象として抽出したい内容を選択すると、抽出条件入力領域501は、問題事象の欄で選択された項目に合わせて案件抽出条件リスト125に登録されている指定日および閾値の値を読み取って画面表示を更新する。そして、抽出条件入力領域501は、指定日および閾値の修正入力を受け付ける。
【0077】
予測立案日選択領域502は、受失注確率の予測が行われた日の指定入力を受け付ける領域である。具体的には、予測立案日選択領域502は、データ管理装置400に格納されている予測結果情報123および予測結果履歴情報124の予測立案日を選択可能な候補として表示し、さらにはデフォルトで最新の予測を行った日付と直近の予測を行った日付にチェックを入れて表示する。予測立案日選択領域502は、受失注確率の予測が行われた日の指定入力を受け付ける。なお、3以上の予測立案日に複数チェックが付けられた場合、案件抽出部111は、指定された予測立案日の古い順に最新の予測結果との比較を行って案件の抽出を行う。
【0078】
起動指示ボタン503は、入力を受け付けると、抽出条件入力領域501と、予測立案日選択領域502と、の入力を受け付けて、受注支援処理のシーケンスのステップS01を開始させる。
【0079】
問題案件リスト表示504は、問題案件の抽出処理において作成された問題案件情報126から、案件の番号、問題案件の案件名、点数を読み取ってリスト表示する。
【0080】
受失注確率分布グラフ表示505は、問題案件リスト表示504のチェック欄につけられたチェックのある案件について、予測立案日ごとに受失注確率分布をグラフとして表示する。また、受失注確率分布グラフ表示505は、受失注確率分布グラフ表示505の受失注確率分布のラジオボタン「〇:受注 〇:失注」のうち、択一的に選択された項目の確率分布を表示させる。例示した受失注確率分布では、「受注」が選択されており、予測立案日が2022年10月のときは2023年3月が最も受注確率が高いが、予測立案日が2023年1月のときは2023年4月が最も受注確率が高くなっており、案件1は受注予測日が3月から4月に指定日の2023年3月31日を超えて後倒しされた問題案件であることが確認できる。
【0081】
図12は、問題原因表示画面の例を示す図である。問題原因表示画面510は、問題原因特定処理の開始に必要な入力を受け付け、原因の属性を読み解くためのグラフを表示する画面の一例である。問題原因表示画面510には、案件選択領域511と、予測立案日選択領域512と、問題原因特定処理を実行するための属性別分布表示あるいは属性別履歴表示の起動指示ボタン513と、確率分布を表示する対象の属性をリスト表示する属性リスト表示514と、属性別確率分布グラフ表示515と、を含む。
【0082】
案件選択領域511は、問題案件情報126の案件名を選択項目として表示して、表示させたい案件の選択を受け付ける。
【0083】
予測立案日選択領域512は、受失注確率の予測が行われた日の指定入力を受け付ける領域である。具体的には、予測立案日選択領域512は、データ管理装置400に格納されている属性別確率情報121および属性別確率履歴情報122の予測立案日を選択可能な候補として表示し、さらにはデフォルトで最新の予測を行った日付にチェックを入れて表示する。予測立案日選択領域512は、受失注確率の予測が行われた日の指定入力を受け付ける。
【0084】
起動指示ボタン513は、入力を受け付けると、案件選択領域511と、予測立案日選択領域512と、の入力を受け付けて、受注支援処理のシーケンスのステップS07を開始させる。
【0085】
属性リスト表示514は、属性別確率情報121および属性別確率履歴情報122の属性を選択可能にリスト表示する。いずれかの属性のチェックボックスにチェック入力を受け付けると、属性リスト表示514は、属性別確率分布グラフ表示515に属性別の受失注確率分布を表示する。
【0086】
属性別確率分布グラフ表示515は、横軸が時期、縦軸が受注確率あるいは失注確率を表しており、その表示内容の切り替えはグラフ上部のラジオボタン「〇:受注 〇:失注」を選択し直すことでなされる。属性別確率分布は、属性に基づいて予測された確率分布が表示され、確率が高いほど、予測結果情報の受注確率あるいは失注確率への影響度が大きいことを示している。本例では、「受注」が選択されており、高い受注確率となっている属性が2つ(破線、二点鎖線)あることが示されている。それらの確率分布を選択すると、属性別変動量表示画面520に遷移する。
【0087】
図13は、属性別変動量表示画面の例を示す図である。属性別変動量表示画面520は、問題原因表示画面510において属性の選択を受け付けると、該属性に基づく受失注確率の変動量を表示する画面の一例である。属性別変動量表示画面520には、案件選択領域511と、予測立案日選択領域512と、問題原因特定処理を実行するための属性別分布表示あるいは属性別履歴表示の起動指示ボタン513と、確率分布を表示する対象の属性と、その点数とをリスト表示する属性点数リスト表示524と、属性別履歴グラフ表示525と、を含む。
【0088】
属性点数リスト表示524は、属性別確率情報121および属性別確率履歴情報122の属性と、当該属性に基づく確率分布への影響の度合いを点数化した情報を選択可能にリスト表示する。いずれかの属性のチェックボックスにチェック入力を受け付けると、属性点数リスト表示524は、属性別履歴グラフ表示525に、属性別に、予測立案日ごとの受失注確率分布を重ねて表示し、予測立案日間の変動量を可視化させる。
【0089】
例えば、本例の属性点数リスト表示524では、点数が大きい順に受注予定日、受注金額、導入形態、重要度、業種となっていることが示されている。重要度の確率分布が高い値を示す属性であったが、属性別履歴グラフ表示525の下段のグラフを参照すると、属性としての重要度は、予測立案日による確率の変化幅は少ない(ほぼ同レベルで変動幅がない)ことが示されている。これに対して、属性別履歴グラフ表示525の上段のグラフを参照すると、受注予定日の確率分布は、予測立案日による確率の変化幅が大きい(2023年1月の確率分布は、2022年10月の確率分布と大きく異なる)ことが示されている。これより、問題原因は受注予定日の変化であることが示されているといえる。
【0090】
図14は、問題原因特定情報の詳細なデータの例を示す図である。問題原因特定情報127は、受注支援処理の問題原因特定処理のアウトプットの一つとなる情報、すなわち問題の原因となる属性を明示する情報である。問題原因特定情報127には、案件名、問題事象、予測区分、指定日、閾値、予測日、属性、点数が含まれる。このうち、点数が最も高い属性が問題の原因と推定される属性である。
【0091】
以上が、本発明の実施形態に係る受注支援システム10の例である。なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、削除をすることも可能である。
【0092】
例えば、上記した実施形態では、受失注確率分布は他のシステムで算出した結果を用いる例を示したが、これに限られず、受注支援装置100において算出するものであってもよいし、データ管理装置400あるいはユーザ端末300において算出する構成についても適用することが可能である。
【0093】
上記の各部、各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各部、各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0094】
なお、上述した実施形態にかかる制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【符号の説明】
【0095】
10:受注支援システム、100:受注支援装置、110:処理部、111:案件抽出部、112:原因推定部、113:表示部、120:記憶部、121:属性別確率情報、122:属性別確率履歴情報、123:予測結果情報、124:予測結果履歴情報、125:案件抽出条件リスト、126:問題案件情報、127:問題原因特定情報、130:入力部、140:通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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