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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167702
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】積層型フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/09 20060101AFI20241127BHJP
   H01P 1/205 20060101ALI20241127BHJP
   H01G 4/40 20060101ALI20241127BHJP
   H01G 4/33 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H03H7/09 Z
H01P1/205 B
H01G4/40 A
H01G4/33 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083954
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芦田 裕太
(72)【発明者】
【氏名】後藤 哲三
(72)【発明者】
【氏名】立松 雅大
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 敬悟
(72)【発明者】
【氏名】照井 智理
(72)【発明者】
【氏名】澤口 修平
【テーマコード(参考)】
5E082
5J006
5J024
【Fターム(参考)】
5E082AB03
5E082BC39
5E082CC03
5E082DD13
5E082EE04
5E082EE23
5E082FF05
5E082FG04
5E082GG10
5E082KK08
5E082LL13
5J006HA02
5J006HA11
5J006JA01
5J006JA11
5J006JA21
5J006LA01
5J006LA22
5J006NA08
5J006NB07
5J006NC02
5J024AA01
5J024AA10
5J024BA11
5J024CA02
5J024CA04
5J024CA06
5J024DA04
5J024DA25
5J024DA33
5J024EA03
5J024KA03
(57)【要約】
【課題】小型が可能な積層型フィルタ装置を実現する。
【解決手段】フィルタ装置1は、積層体50と、第1の共振器11および第2の共振器12と、第1の共振器11と第2の共振器12とを容量結合させるように構成されたキャパシタC1,C2と、積層体50の第2の面50Bよりも積層体50の第1の面50Aにより近い位置に配置された第1のグランド導体層113と、第1の面50Aよりも第2の面50Bにより近い位置に配置された第2のグランド導体層681とを備えている。第1および第2の共振器11,12は、それぞれ、第1のグランド導体層113に対して所定の間隔を開けて配置された第1端11a,12aと、第2のグランド導体層681に対して所定の間隔を開けて配置された第2端11b,12bとを有している。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の誘電体層を含み、前記複数の誘電体層の積層方向において互いに反対側に位置する第1の面および第2の面を有する積層体と、
第1の端子と、
第2の端子と、
回路構成上、前記第1の端子と前記第2の端子との間に配置された第1の共振器および第2の共振器と、
前記第1の共振器と前記第2の共振器とを容量結合させるように構成されたキャパシタと、
前記第2の面よりも前記第1の面により近い位置に配置された第1のグランド導体層と、
前記第1の面よりも前記第2の面により近い位置に配置された第2のグランド導体層とを備え、
前記第1の共振器と前記第2の共振器の各々は、前記第2のグランド導体層よりも前記第1のグランド導体層により近い位置に配置され且つ前記第1のグランド導体層に対して所定の間隔を開けて配置された第1端と、前記第1のグランド導体層よりも前記第2のグランド導体層により近い位置に配置され且つ前記第2のグランド導体層に対して所定の間隔を開けて配置された第2端とを有していることを特徴とする積層型フィルタ装置。
【請求項2】
前記第1の共振器と前記第2の共振器は、前記積層体内において磁気結合するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項3】
前記積層型フィルタ装置は、所定の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるように構成され、
前記第1の共振器と前記第2の共振器は、前記通過帯域において前記容量結合を主結合として結合するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の積層型フィルタ装置。
【請求項4】
前記積層型フィルタ装置は、所定の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるように構成され、
前記第1の共振器と前記第2の共振器は、前記通過帯域において前記磁気結合を主結合として結合するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の積層型フィルタ装置。
【請求項5】
前記第1の共振器と前記第2の共振器は、前記積層体内において隣接していることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項6】
前記積層体は、更に、前記キャパシタを構成するためのキャパシタ用導体層を含み、
前記キャパシタ用導体層は、前記積層方向において、前記第1のグランド導体層と前記第1の共振器と前記第2の共振器の各々の前記第1端との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項7】
前記積層体は、更に、前記キャパシタを構成するためのキャパシタ用導体層を含み、
前記キャパシタ用導体層は、前記積層方向において、前記第2のグランド導体層と前記第1の共振器と前記第2の共振器の各々の前記第2端との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタ装置。
【請求項8】
更に、回路構成上、前記第1の端子と前記第1の共振器との間に設けられた第3の共振器と、
回路構成上、前記第2の端子と前記第2の共振器との間に設けられた第4の共振器とを備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の積層型フィルタ装置。
【請求項9】
前記第1の共振器と前記第3の共振器は、前記積層体内において磁気結合するように構成され、
前記第2の共振器と前記第4の共振器は、前記積層体内において磁気結合するように構成されていることを特徴とする請求項8記載の積層型フィルタ装置。
【請求項10】
前記第3の共振器と前記第4の共振器の各一端は、前記第1のグランド導体層または前記第2のグランド導体層に電気的に接続されていることを特徴とする請求項8記載の積層型フィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体内に設けられた複数の共振器を含む積層型フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置に用いられる電子部品の一つには、複数の共振器を備えたバンドパスフィルタがある。特に小型の通信装置に用いられるバンドパスフィルタには、小型化が求められる。小型化に適したバンドパスフィルタとしては、積層された複数の誘電体層と複数の導体層とを含む積層体を用いたものが知られている。
【0003】
複数の共振器としては、複数の誘電体層の積層方向に延在する導体によって構成されたものが知られている。例えば、特許文献1には、互いに電磁界結合する複数の共振器を備えたフィルタ装置が開示されている。複数の共振器の各々は、複数の誘電体層の積層方向に延在するビアによって構成されたインダクタを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2022/215353号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたフィルタ装置のように、それぞれ複数の誘電体層の積層方向に延在する導体によって構成された複数の共振器を含む積層型フィルタ装置を小型化すると、複数の導体間の間隔が小さくなり、その結果、複数の共振器間の結合が強くなりすぎる場合がある。これにより、所望の特性を実現することができない場合があった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の誘電体層の積層方向に延在する複数の導体を含む積層型フィルタ装置であって、小型化が可能な積層型フィルタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の積層型フィルタ装置は、積層された複数の誘電体層を含み、複数の誘電体層の積層方向において互いに反対側に位置する第1の面および第2の面を有する積層体と、第1の端子と、第2の端子と、回路構成上、第1の端子と第2の端子との間に配置された第1の共振器および第2の共振器と、第1の共振器と第2の共振器とを容量結合させるように構成されたキャパシタと、第2の面よりも第1の面により近い位置に配置された第1のグランド導体層と、第1の面よりも第2の面により近い位置に配置された第2のグランド導体層とを備えている。第1の共振器と第2の共振器の各々は、第2のグランド導体層よりも第1のグランド導体層により近い位置に配置され且つ第1のグランド導体層に対して所定の間隔を開けて配置された第1端と、第1のグランド導体層よりも第2のグランド導体層により近い位置に配置され且つ第2のグランド導体層に対して所定の間隔を開けて配置された第2端とを有している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の積層型フィルタ装置では、第1の共振器と第2の共振器は、容量結合している。また、第1の共振器と第2の共振器の各々は、上述のように規定された第1端と第2端を有している。これらのことから、本発明によれば、小型が可能な積層型フィルタ装置を実現することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の回路構成の一例を示す回路図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の外観を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における1層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図4】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における2層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図5】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における3層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図6】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における4層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図7】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における5層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図8】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における6層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図9】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における7層目ないし15層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図10】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における16層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図11】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における17層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図12】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における18層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
図13】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
図14】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の通過減衰特性の第1の例を示す特性図である。
図15】本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置の通過減衰特性の第2の例を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る積層型フィルタ装置(以下、単にフィルタ装置と記す。)1の構成の概略について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るフィルタ装置1の回路構成を示す回路図である。フィルタ装置1は、第1の端子2と、第2の端子3と、複数の共振器とを備えている。第1および第2の端子2,3の各々は、信号の入力または出力のための端子である。すなわち、第1の端子2に信号が入力される場合には、第2の端子3から信号が出力される。第2の端子3に信号が入力される場合には、第1の端子2から信号が出力される。
【0011】
複数の共振器は、回路構成上、第1の端子2と第2の端子3の間に設けられている。また、複数の共振器は、回路構成上隣接する2つの共振器が磁気結合するように構成されている。なお、本出願において、「回路構成上」という表現は、物理的な構成における配置ではなく、回路図上での配置を指すために用いている。
【0012】
図1に示したように、本実施の形態では特に、複数の共振器は、第1の共振器11と、第2の共振器12と、第3の共振器13と、第4の共振器14とを含んでいる。第1の共振器11と第2の共振器12は、回路構成上、第1の端子2側からこの順に設けられている。第3の共振器13は、回路構成上、第1の端子2と第1の共振器11との間に設けられている。第4の共振器14は、回路構成上、第2の端子3と第2の共振器12との間に設けられている。第1ないし第4の共振器11~14は、第1の共振器11と第2の共振器12が回路構成上隣接して磁気結合し、第1の共振器11と第3の共振器13が回路構成上隣接して磁気結合し、第2の共振器12と第4の共振器14が回路構成上隣接して磁気結合するように構成されている。図1において、記号Mを付した曲線は、2つの共振器間の磁気結合を表している。
【0013】
第1の共振器11は、第1端11aと、第2端11bとを有している。第2の共振器12は、第1端12aと、第2端12bとを有している。フィルタ装置1は、更に、それぞれ第1の共振器11と第2の共振器12とを容量結合させるように構成されたキャパシタC1,C2を備えている。キャパシタC1は、第1の共振器11の第1端11aと第2の共振器12の第1端12aとを接続している。キャパシタC2は、第1の共振器11の第2端11bと第2の共振器12の第2端12bとを接続している。
【0014】
フィルタ装置1は、更に、キャパシタC3,C4,C5,C6を備えている。キャパシタC3は、回路構成上、第1の共振器11の第1端11aとグランドとの間に設けられている。キャパシタC4は、回路構成上、第1の共振器11の第2端11bとグランドとの間に設けられている。キャパシタC5は、回路構成上、第2の共振器12の第1端12aとグランドとの間に設けられている。キャパシタC6は、回路構成上、第2の共振器12の第2端12bとグランドとの間に設けられている。第1および第2の共振器11,12は、いずれも、両端が開放された両端開放型の1/2波長共振器である。
【0015】
フィルタ装置1は、更に、キャパシタC7,C8を備えている。キャパシタC7は、第1の端子2と第3の共振器13の一端とを接続している。キャパシタC8は、第2の端子3と第4の共振器14の一端とを接続している。
【0016】
第3および第4の共振器13,14の各他端は、グランドに電気的に接続されている。第3および第4の共振器13,14は、いずれも、一端が短絡され他端が開放された片端短絡型の1/4波長共振器である。なお、本出願において、「電気的に接続」という表現は、金属導体を介して電気的に接続する場合を含むが、キャパシタを介して接続する場合を含まない。
【0017】
キャパシタC1~C8は、いずれも、浮遊容量ではない、意図的に設けられたキャパシタである。
【0018】
本実施の形態では、第1ないし第4の共振器11~14およびキャパシタC1~C8は、フィルタ装置1が、所定の周波数帯域内の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとして機能するように構成されている。
【0019】
次に、図2を参照して、フィルタ装置1のその他の構成について説明する。図2は、フィルタ装置1の外観を示す斜視図である。
【0020】
フィルタ装置1は、更に、誘電体よりなり、第1の端子2、第2の端子3、第1ないし第4の共振器11~14ならびにキャパシタC1~C8を一体化するための積層体50を備えている。積層体50は、積層された複数の誘電体層と、複数の導体(複数の導体層および複数のスルーホール)とを含んでいる。第1ないし第4の共振器11~14ならびにキャパシタC1~C8は、積層体50内に設けられた複数の導体によって構成されている。
【0021】
積層体50は、複数の誘電体層の積層方向Tの両端に位置する第1の面50Aおよび第2の面50Bと、第1の面50Aと第2の面50Bを接続する4つの側面50C~50Fとを有している。側面50C,50Dは互いに反対側を向き、側面50E,50Fも互いに反対側を向いている。側面50C~50Fは、第1の面50Aおよび第2の面50Bに対して垂直になっている。
【0022】
ここで、図2に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、積層方向Tに平行な一方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。また、「積層方向Tから見たとき」という表現は、Z方向または-Z方向に離れた位置から対象物を見ることを意味する。
【0023】
図2に示したように、第1の面50Aは、積層体50における-Z方向の端に位置する。第1の面50Aは、積層体50の底面でもある。第2の面50Bは、積層体50におけるZ方向の端に位置する。第2の面50Bは、積層体50の上面でもある。側面50Cは、積層体50における-X方向の端に位置する。側面50Dは、積層体50におけるX方向の端に位置する。側面50Eは、積層体50における-Y方向の端に位置する。側面50Fは、積層体50におけるY方向の端に位置する。
【0024】
フィルタ装置1は、更に、積層体50の第1の面50Aに設けられた電極111,112を備えている。電極111は、側面50Cの近傍に配置されている。電極112は、側面50Dの近傍に配置されている。電極111は第1の端子2に対応し、電極112は第2の端子3に対応する。従って、第1および第2の端子2,3は、積層体50の第1の面50Aに設けられている。
【0025】
フィルタ装置1は、更に、積層体50の第1の面50Aに設けられた第1のグランド導体層113を備えている。第1のグランド導体層113は、グランドに接続される。
【0026】
次に、図3ないし図12を参照して、積層体50を構成する複数の誘電体層および複数の導体の一例について説明する。この例では、積層体50は、積層された18層の誘電体層を有している。以下、この18層の誘電体層を、下から順に1層目ないし18層目の誘電体層と呼ぶ。また、1層目ないし18層目の誘電体層を符号51~68で表す。
【0027】
図3ないし図11において、複数の円は複数のスルーホールを表している。誘電体層51~67の各々には、複数のスルーホールが形成されている。複数のスルーホールは、それぞれ、スルーホール用の孔に導体ペーストを充填することによって形成される。複数のスルーホールの各々は、電極、導体層または他のスルーホールに接続されている。以下の説明では、複数のスルーホールの各々と、電極、導体層または他のスルーホールとの接続関係については、1層目ないし18層目の誘電体層51~68が積層された状態における接続関係について説明している。また、図3ないし図11では、複数のスルーホールのうちの複数の特定のスルーホールに、それぞれ符号を付している。
【0028】
図3は、1層目の誘電体層51のパターン形成面を示している。誘電体層51のパターン形成面には、電極111,112と、第1のグランド導体層113とが形成されている。
【0029】
図3において符号51T1,51T2を付したスルーホールは、それぞれ電極111,112に接続されている。なお、以下の説明では、符号51T1を付したスルーホールを、単にスルーホール51T1と記す。また、スルーホール51T1以外の符号を付したスルーホールについても、スルーホール51T1と同様に記す。図3に示したスルーホール51T7,51T8,51T9,51T10は、第1のグランド導体層113に接続されている。
【0030】
図4は、2層目の誘電体層52のパターン形成面を示している。誘電体層52のパターン形成面には、キャパシタ用の導体層521が形成されている。また、スルーホール51T1,51T2,51T7,51T8,51T9,51T10は、それぞれ、図4に示したスルーホール52T1,52T2,52T7,52T8,52T9,52T10に接続されている。
【0031】
図5は、3層目の誘電体層53のパターン形成面を示している。誘電体層53のパターン形成面には、導体層531,532が形成されている。図5に示したスルーホール53T3,53T4は、それぞれ導体層531,532に接続されている。スルーホール52T1,52T2,52T7,52T8,52T9,52T10は、それぞれ、図5に示したスルーホール53T1,53T2,53T7,53T8,53T9,53T10に接続されている。
【0032】
図6は、4層目の誘電体層54のパターン形成面を示している。誘電体層54のパターン形成面には、導体層541,542が形成されている。スルーホール53T1,53T2は、それぞれ導体層541,542に接続されている。スルーホール53T3,53T4,53T7,53T8,53T9,53T10は、それぞれ、図6に示したスルーホール54T3,54T4,54T7,54T8,54T9,54T10に接続されている。
【0033】
図7は、5層目の誘電体層55のパターン形成面を示している。スルーホール54T3,54T4,54T7,54T8,54T9,54T10は、それぞれ、図7に示したスルーホール55T3,55T4,55T7,55T8,55T9,55T10に接続されている。
【0034】
図8は、6層目の誘電体層56のパターン形成面を示している。誘電体層56のパターン形成面には、導体層561,562が形成されている。図8に示したスルーホール56T5,56T6は、それぞれ導体層561,562に接続されている。スルーホール55T3,55T4,55T7,55T8,55T9,55T10は、それぞれ、図8に示したスルーホール56T3,56T4,56T7,56T8,56T9,56T10に接続されている。
【0035】
図9は、7層目ないし15層目の誘電体層57~65の各々のパターン形成面を示している。スルーホール56T3,56T4,56T5,56T6,56T7,56T8,56T9,56T10は、それぞれ、誘電体層57に形成されたスルーホール57T3,57T4,57T5,57T6,57T7,57T8,57T9,57T10に接続されている。また、誘電体層57~65では、上下に隣接する同じ符号のスルーホール同士が互いに接続されている。
【0036】
図10は、16層目の誘電体層66のパターン形成面を示している。誘電体層66のパターン形成面には、導体層661,662が形成されている。誘電体層65に形成されたスルーホール57T3,57T4は、それぞれ導体層661,662に接続されている。誘電体層65に形成されたスルーホール57T5,57T6,57T7,57T8,57T9,57T10、それぞれ、図10に示したスルーホール66T5,66T6,66T7,66T8,66T9,66T10に接続されている。
【0037】
図11は、17層目の誘電体層67のパターン形成面を示している。誘電体層67のパターン形成面には、キャパシタ用の導体層671が形成されている。スルーホール66T5,66T6,66T7,66T8,66T9,66T10は、それぞれ、図11に示したスルーホール67T5,67T6,67T7,67T8,67T9,67T10に接続されている。
【0038】
図12は、18層目の誘電体層68のパターン形成面を示している。誘電体層68のパターン形成面には、第2のグランド導体層681が形成されている。スルーホール67T5,67T6,67T7,67T8,67T9,67T10は、第2のグランド導体層681に接続されている。
【0039】
図2に示した積層体50は、1層目の誘電体層51のパターン形成面が積層体50の第1の面50Aになり、18層目の誘電体層68のパターン形成面とは反対側の面が積層体50の第2の面50Bになるように、1層目ないし18層目の誘電体層51~68が積層されて構成される。
【0040】
図13は、1層目ないし18層目の誘電体層51~68が積層されて構成された積層体50の内部を示している。図13に示したように、積層体50の内部では、図3ないし図12に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。
【0041】
以下、図1に示したフィルタ装置1の構成要素と、図2ないし図12に示した積層体50の内部の構成要素との対応関係について説明する。第1の共振器11は、スルーホール53T3,54T3,55T3,56T3,57T3によって構成されている。第2の共振器12は、スルーホール53T4,54T4,55T4,56T4,57T4によって構成されている。
【0042】
第3の共振器13は、スルーホール56T5,57T5,66T5,67T5によって構成されている。第4の共振器14は、スルーホール56T6,57T6,66T6,67T6によって構成されている。
【0043】
キャパシタC1は、導体層521,531,532と、これらの導体層の間の誘電体層52とによって構成されている。キャパシタC2は、導体層661,662,671と、これらの導体層の間の誘電体層66とによって構成されている。
【0044】
キャパシタC3は、第1のグランド導体層113と,導体層531と、これらの導体層の間の誘電体層51,52とによって構成されている。キャパシタC4は、導体層661と,第2のグランド導体層681と、これらの導体層の間の誘電体層66,67によって構成されている。キャパシタC5は、第1のグランド導体層113と,導体層532と、これらの導体層の間の誘電体層51,52によって構成されている。キャパシタC6は、導体層662と,第2のグランド導体層681と、これらの導体層の間の誘電体層66,67によって構成されている。
【0045】
キャパシタC7は、導体層541,561と、これらの導体層の間の誘電体層54,55とによって構成されている。キャパシタC8は、導体層542,562と、これらの導体層の間の誘電体層54,55とによって構成されている。
【0046】
次に、図1ないし図13を参照して、本実施の形態に係るフィルタ装置1の構造上の特徴について説明する。始めに、2つ以上のスルーホールが直列に接続されることによって構成された構造物に関わる特徴について説明する。図13において、符号T3は、スルーホール53T3,54T3,55T3,56T3,57T3が直列に接続されることによって構成された構造物を示している。以下、2つ以上のスルーホールが直列に接続されることによって構成された構造物についても、スルーホールと言う。
【0047】
スルーホールT4は、スルーホール53T4,54T4,55T4,56T4,57T4が直列に接続されることによって構成されている。スルーホールT5は、スルーホール56T5,57T5,66T5,67T5が直列に接続されることによって構成されている。スルーホールT6は、スルーホール56T6,57T6,66T6,67T6が直列に接続されることによって構成されている。
【0048】
前述のように、第1の共振器11はスルーホール53T3,54T3,55T3,56T3,57T3によって構成されていることから、第1の共振器11は、スルーホールT3によって構成されているとも言える。同様に、第2ないし第4の共振器12,13,14は、それぞれ、スルーホールT4,T5,T6によって構成されているとも言える。スルーホールT3,T4は、第1の共振器11と第2の共振器12が積層体50内において磁気結合するように、積層体50内において隣接している。
【0049】
スルーホールT3,T5は、第1の共振器11と第3の共振器13が積層体50内において磁気結合するように、積層体50内において隣接している。スルーホールT4,T6は、第2の共振器12と第4の共振器14が積層体50内において磁気結合するように、積層体50内において隣接している。
【0050】
積層体50は、更に、それぞれ2つ以上のスルーホールが直列に接続されることによって構成されたスルーホールT7,T8,T9,T10を含んでいる。スルーホールT7は、スルーホール51T7,52T7,53T7,54T7,55T7,56T7,57T7,66T7,67T7が直列に接続されることによって構成されている。スルーホールT8は、スルーホール51T8,52T8,53T8,54T8,55T8,56T8,57T8,66T8,67T8が直列に接続されることによって構成されている。スルーホールT9は、スルーホール51T9,52T9,53T9,54T9,55T9,56T9,57T9,66T9,67T9が直列に接続されることによって構成されている。スルーホールT10は、スルーホール51T10,52T10,53T10,54T10,55T10,56T10,57T10,66T10,67T10が直列に接続されることによって構成されている。
【0051】
スルーホールT7~T10の各一端は、第1のグランド導体層113に接続されている。スルーホールT7~T10の各他端は、第2のグランド導体層681に接続されている。
【0052】
スルーホールT7~T10は、第1の共振器11を構成するスルーホールT3と第2の共振器12を構成するスルーホールT4とが並ぶ方向と交差する方向に並んでいる。本実施の形態では特に、スルーホールT3,T4は、X方向に平行な方向に並び、スルーホールT7~T10は、Y方向に平行な方向に並んでいる。ここで、スルーホールT7~T10を結ぶ仮想の線を想定する。この仮想の線は、積層方向Tから見たときに、スルーホールT3,T4の間を通過する。仮想の線は、直線であってもよいし、折れ線であってもよい。スルーホールT7~T10は、第1の共振器11と第2の共振器12との間の磁気結合の強さを調整する機能を有している。
【0053】
ここで、以下のように、周囲スルーホールを定義する。まず、それぞれ2つ以上のスルーホールが直列に接続されることによって構成された複数のスルーホール(スルーホールT3~T6を除く)の各々について、積層体50の側面50C~50Fのうち、そのスルーホールに最も近い側面を特定する。そして、複数のスルーホールのうち、そのスルーホールと特定された側面との間に他のスルーホールが存在しないスルーホールを、周囲スルーホールと定義し、符号T11で表す。複数の周囲スルーホールT11は、側面50C~50Fに沿って配置されている。
【0054】
第2のグランド導体層681は、スルーホールT7~T10および周囲スルーホールT11を介して第1のグランド導体層113に電気的に接続されている。前述のように、第1のグランド導体層113は、グランドに接続される。第1のグランド導体層113がグランドに接続されると、第2のグランド導体層681もグランドに接続される。
【0055】
第1ないし第4の共振器11~14とスルーホールT7~T10は、第1および第2のグランド導体層113,681と周囲スルーホールT11とによって囲まれた空間に配置されている。第1および第2のグランド導体層113,681および周囲スルーホールT11は、第1ないし第4の共振器11~14から周囲へ電磁波が放射されることを防止するシールドとして機能する。
【0056】
次に、第1ないし第4の共振器11~14と第1および第2のグランド導体層113,681に関わる特徴について説明する。第1のグランド導体層113は、積層体50の第2の面50Bよりも積層体50の第1の面50Aにより近い位置に配置されている。本実施の形態では特に、第1のグランド導体層113は、誘電体層51のパターン形成面すなわち積層体50の第1の面50Aの上に配置されている。第2のグランド導体層681は、積層体50の第1の面50Aよりも積層体50の第2の面50Bにより近い位置に配置されている。本実施の形態では特に、第2のグランド導体層681は、誘電体層68のパターン形成面の上に配置されている。すなわち、第2のグランド導体層681は、積層体50の内部に配置されている。
【0057】
前述のように、第1の共振器11は、第1端11aと第2端11bとを有している。本実施の形態では、スルーホールT3のうち導体層531が接続された部分が第1端11aに対応し、スルーホールT3のうち導体層661が接続された部分が第2端11bに対応する。第1端11aは、第2のグランド導体層681よりも第1のグランド導体層113により近い位置に配置され且つ第1のグランド導体層113に対して所定の間隔を開けて配置されている。第2端11bは、第1のグランド導体層113よりも第2のグランド導体層681により近い位置に配置され且つ第2のグランド導体層681に対して所定の間隔を開けて配置されている。第1の共振器11は、積層体50内において、第1のグランド導体層113から第2のグランド導体層681に向かう方向すなわち積層方向Tに延在している。
【0058】
前述のように、第2の共振器12は、第1端12aと第2端12bとを有している。本実施の形態では、スルーホールT4のうち導体層532が接続された部分が第1端12aに対応し、スルーホールT4のうち導体層662が接続された部分が第2端12bに対応する。第1端12aは、第2のグランド導体層681よりも第1のグランド導体層113により近い位置に配置され且つ第1のグランド導体層113に対して所定の間隔を開けて配置されている。第2端12bは、第1のグランド導体層113よりも第2のグランド導体層681により近い位置に配置され且つ第2のグランド導体層681に対して所定の間隔を開けて配置されている。第2の共振器12は、積層体50内において、第1のグランド導体層113から第2のグランド導体層681に向かう方向すなわち積層方向Tに延在している。
【0059】
キャパシタC1を構成する導体層521,531,532は、積層方向Tにおいて、第1のグランド導体層113とスルーホールT3,T4との間に配置されている。従って、導体層521,531,532は、積層方向Tにおいて、第1のグランド導体層113と第1の共振器11の第1端11aおよび第2の共振器12の第1端12aとの間に配置されている。また、キャパシタC2を構成する導体層661,662,671は、積層方向Tにおいて、第2のグランド導体層681とスルーホールT3,T4との間に配置されている。従って、導体層661,662,671は、積層方向Tにおいて、第2のグランド導体層681と第1の共振器11の第2端11bおよび第2の共振器12の第2端12bとの間に配置されている。
【0060】
前述のように、第3の共振器13は、スルーホールT5によって構成されている。また、第4の共振器14は、スルーホールT6によって構成されている。スルーホールT5,T6の各一端は、第2のグランド導体層681に直接接続されている。従って、第3および第4の共振器13,14の各一端は、第2のグランド導体層681に電気的に接続されている。また、第3および第4の共振器13,14の各一端は、第2のグランド導体層681、スルーホールT7~T10および周囲スルーホールT11を介して第1のグランド導体層113に電気的に接続されている。
【0061】
図13に示したように、スルーホールT3~T6が積層体50内においてX方向に平行な方向に並んでいることから、第1ないし第4の共振器11~14が積層体50内においてX方向に平行な方向に並んでいるとも言える。
【0062】
次に、本実施の形態に係るフィルタ装置1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、第1および第2の共振器11,12の各々は、積層体50内において、第1のグランド導体層113から第2のグランド導体層681に向かう方向すなわち積層方向Tに延在している。これにより、本実施の形態によれば、第1および第2の共振器11,12の各々を誘電体層の上に形成された所定の線路長を有する分布定数線路によって構成する場合に比べて、フィルタ装置1の平面形状(積層方向Tから見た形状)を小さくすることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、キャパシタC1,C2によって、第1の共振器11と第2の共振器12との間の容量結合を実現している。これにより、本実施の形態によれば、第1の共振器11と第2の共振器12との間の磁気結合を弱めることができる。また、磁気結合の強さを同じにして比較すると、本実施の形態によれば、第1の共振器11と第2の共振器12が容量結合していない場合に比べて、第1の共振器11と第2の共振器12との間隔を小さくすることができ、その結果、フィルタ装置1の平面形状(積層方向Tから見た形状)を小さくすることができる。
【0064】
以上のことから、本実施の形態によれば、フィルタ装置1を小型化することができる。
【0065】
次に、シミュレーションによって求めたフィルタ装置1の特性の第1の例と第2の例について説明する。シミュレーションでは、主に容量結合の強さを調整しながら、フィルタ装置1の通過減衰特性として、第1の端子2と第2の端子3との間の通過減衰特性を求めている。
【0066】
図14は、フィルタ装置1の通過減衰特性の第1の例を示す特性図である。図15は、フィルタ装置1の通過減衰特性の第2の例を示す特性図である。図14および図15において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。第1の例は、フィルタ装置1の通過帯域における第1の共振器11と第2の共振器12との間の主結合を容量結合にした例である。第2の例は、フィルタ装置1の通過帯域における第1の共振器11と第2の共振器12との間の主結合を磁気結合にした例である。
【0067】
図14および図15から理解されるように、第1の共振器11と第2の共振器12が、フィルタ装置1の通過帯域において、容量結合を主結合として結合するように構成されている場合、通過帯域よりも低域側の周波数領域において減衰極が形成される。これにより、通過帯域よりも低域側の周波数領域であって遮断周波数に近い周波数領域において急峻に変化する通過減衰特性を実現することができる。
【0068】
また、図14および図15から理解されるように、第1の共振器11と第2の共振器12が、フィルタ装置1の通過帯域において、磁気結合を主結合として結合するように構成されている場合、通過帯域よりも高域側の周波数領域における減衰量の絶対値を大きくすることができる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のフィルタは、バンドパスフィルタに限らず、複数の共振器を備えたバンドパスフィルタ以外のフィルタであってもよい。
【0070】
また、第3および第4の共振器13,14の各一端は、第1のグランド導体層113に直接接続されていてもよい。あるいは、第3および第4の共振器13,14の一方の一端が第2のグランド導体層681に直接接続され、第3および第4の共振器13,14の他方の一端が第1のグランド導体層113に接続されていてもよい。
【0071】
また、複数の共振器の数は、4つに限らず、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0072】
また、第1のグランド導体層は、積層体50の内部に設けられていてもよい。また、第2のグランド導体層は、積層体50の第2の面50Bの上に設けられていてもよい。
【0073】
以上説明したように、本発明の積層型フィルタ装置は、積層された複数の誘電体層を含み、複数の誘電体層の積層方向において互いに反対側に位置する第1の面および第2の面を有する積層体と、第1の端子と、第2の端子と、回路構成上、第1の端子と第2の端子との間に配置された第1の共振器および第2の共振器と、第1の共振器と第2の共振器とを容量結合させるように構成されたキャパシタと、第2の面よりも第1の面により近い位置に配置された第1のグランド導体層と、第1の面よりも第2の面により近い位置に配置された第2のグランド導体層とを備えている。第1の共振器と第2の共振器の各々は、第2のグランド導体層よりも第1のグランド導体層により近い位置に配置され且つ第1のグランド導体層に対して所定の間隔を開けて配置された第1端と、第1のグランド導体層よりも第2のグランド導体層により近い位置に配置され且つ第2のグランド導体層に対して所定の間隔を開けて配置された第2端とを有している。
【0074】
本発明の積層型フィルタ装置において、第1の共振器と第2の共振器は、積層体内において磁気結合するように構成されていてもよい。積層型フィルタ装置は、所定の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるように構成されていてもよい。第1の共振器と第2の共振器は、通過帯域において容量結合を主結合として結合するように構成されていてもよい。あるいは、第1の共振器と第2の共振器は、通過帯域において磁気結合を主結合として結合するように構成されていてもよい。
【0075】
また、本発明の積層型フィルタ装置において、第1の共振器と第2の共振器は、積層体内において隣接していてもよい。
【0076】
また、本発明の積層型フィルタ装置において、積層体は、更に、キャパシタを構成するためのキャパシタ用導体層を含んでいてもよい。キャパシタ用導体層は、積層方向において、第1のグランド導体層と第1の共振器と第2の共振器の各々の第1端との間に配置されていてもよいし、積層方向において、第2のグランド導体層と第1の共振器と第2の共振器の各々の第2端との間に配置されていてもよい。
【0077】
また、本発明の積層型フィルタ装置は、更に、回路構成上、第1の端子と第1の共振器との間に設けられた第3の共振器と、回路構成上、第2の端子と第2の共振器との間に設けられた第4の共振器とを備えていてもよい。第1の共振器と第3の共振器は、積層体内において磁気結合するように構成されていてもよい。第2の共振器と第4の共振器は、積層体内において磁気結合するように構成されていてもよい。第3の共振器と第4の共振器の各一端は、第1のグランド導体層または第2のグランド導体層に電気的に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…フィルタ装置、2…第1の端子、3…第2の端子、11…第1の共振器、12…第2の共振器、13…第3の共振器、14…第4の共振器、50…積層体、51~68…誘電体層、511…第1のグランド導体層、521,671…キャパシタ用の導体層、681…第2のグランド導体層、C1~C8…キャパシタ、T3~T10…スルーホール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15