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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167716
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】生活支援システムおよび推論装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20241127BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20241127BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083973
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒川 悠文
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 浩志郎
(72)【発明者】
【氏名】峯澤 聡司
(72)【発明者】
【氏名】辻 麻紀子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの実際の状態に応じて適切に当該ユーザの生活を支援する。
【解決手段】生活支援システムは、ユーザ100の生体情報を取得し、当該生体情報からユーザ100の身体状態を推定する身体状態推定部10と、ユーザ100によって使用される電気機器200から情報を取得し、当該情報からユーザ100の生活パターンを推定する生活パターン推定部20と、身体状態推定部10によって推定された身体状態および生活パターン推定部20によって推定された生活パターンに基づいて、ユーザ100の身体状態が悪化する原因を推定する要改善行動推定部30と、要改善行動推定部30によって推定されたユーザ100の身体状態が悪化する原因に応じてユーザ100の生活の支援を実行するアドバイス内容出力部41と、を備えるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生体情報を取得し、当該生体情報から前記ユーザの身体状態を推定する身体状態推定手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得し、当該情報から前記ユーザの生活パターンを推定する生活パターン推定手段と、
前記身体状態推定手段によって推定された身体状態および前記生活パターン推定手段によって推定された生活パターンに基づいて、前記ユーザの身体状態が悪化する原因を推定する原因推定手段と、
前記原因推定手段によって推定された前記ユーザの身体状態が悪化する原因に応じて前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、
を備える生活支援システム。
【請求項2】
前記支援実行手段は、前記原因推定手段によって推定された前記ユーザの身体状態が悪化する原因に応じて、前記ユーザの身体状態の悪化を未然に防ぐように前記ユーザの生活の支援を実行する請求項1に記載の生活支援システム。
【請求項3】
前記ユーザの生体情報および前記電気機器の情報をサービス会社に提供し、前記ユーザの身体状態が悪化する原因に応じた当該サービス会社のサービスを利用して前記ユーザの生活を支援するように構成された請求項1または請求項2に記載の生活支援システム。
【請求項4】
医療関連機関から取得した前記ユーザの健康状態に関する情報に応じて前記ユーザの生活を支援するように構成された請求項1または請求項2に記載の生活支援システム。
【請求項5】
前記ユーザの生活パターンの情報を保険会社に提供し、特定の生活パターンが継続されている場合に前記保険会社から前記ユーザに対してインセンティブが付与されるように構成された請求項1または請求項2に記載の生活支援システム。
【請求項6】
前記支援実行手段は前記ユーザとは別の第三者に対して、前記ユーザの生活を支援するアドバイスを提供する請求項1または請求項2に記載の生活支援システム。
【請求項7】
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報に応じて、前記ユーザの身体状態の悪化を未然に防ぐように前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、
を備える生活支援システム。
【請求項8】
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
を備え、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報をサービス会社に提供し、提供した情報に応じた当該サービス会社のサービスを利用して前記ユーザの生活を支援するように構成された生活支援システム。
【請求項9】
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報に応じて、前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、
を備え、
前記支援実行手段は、医療関連機関から取得した前記ユーザの健康状態に関する情報に応じて前記ユーザの生活を支援するように構成されている生活支援システム。
【請求項10】
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
を備え、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報を保険会社に提供し、提供した情報に応じて当該保険会社から前記ユーザに対してインセンティブを付与するように構成された生活支援システム。
【請求項11】
ユーザの生体情報および前記ユーザによって使用される電気機器の情報を含む入力データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記入力データから、前記ユーザの身体状態が悪化する原因を推定して推定結果を出力する推論部と、
を備えた推論装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生活支援システムおよび推論装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、生活管理装置が開示されている。この生活管理装置は、入力された疲労度に応じて、ユーザの疲労回復の支援を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-130486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の生活管理装置は、疲労度の入力値に応じて動作するものであり、ユーザが実際に生活している状態を十分に考慮できていないという課題がある。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためのものである。本開示の目的は、ユーザの実際の状態に応じて適切に当該ユーザの生活を支援することができる生活支援システムおよび推論装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る生活支援システムは、ユーザの生体情報を取得し、当該生体情報から前記ユーザの身体状態を推定する身体状態推定手段と、前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得し、当該情報から前記ユーザの生活パターンを推定する生活パターン推定手段と、前記身体状態推定手段によって推定された身体状態および前記生活パターン推定手段によって推定された生活パターンに基づいて、前記ユーザの身体状態が悪化する原因を推定する原因推定手段と、前記原因推定手段によって推定された前記ユーザの身体状態が悪化する原因に応じて前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、を備えるものである。
また、本開示に係る生活支援システムは、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報に応じて、前記ユーザの身体状態の悪化を未然に防ぐように前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、を備えるものである。
また、本開示に係る生活支援システムは、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、を備え、前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報をサービス会社に提供し、提供した情報に応じた当該サービス会社のサービスを利用して前記ユーザの生活を支援するように構成されたものである。
また、本開示に係る生活支援システムは、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報に応じて、前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、を備え、前記支援実行手段は、医療関連機関から取得した前記ユーザの健康状態に関する情報に応じて前記ユーザの生活を支援するように構成されているものである。
また、本開示に係る生活支援システムは、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、を備え、前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報を保険会社に提供し、提供した情報に応じて当該保険会社から前記ユーザに対してインセンティブを付与するように構成されたものである。
また、本開示に係る推論装置は、ユーザの生体情報および前記ユーザによって使用される電気機器の情報を含む入力データを取得するデータ取得部と、前記データ取得部が取得した前記入力データから、前記ユーザの身体状態が悪化する原因を推定して推定結果を出力する推論部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る生活支援システムおよび推論装置によれば、ユーザの実際の状態に応じて適切に当該ユーザの生活を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る生活支援システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る生活支援システムの動作例を示すフローチャートである。
図3】実施の形態1に係る生活支援システムの動作の変形例を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1に係る推論装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、以下の実施の形態およびその変形例によって開示される任意の構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、または、任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る生活支援システムの構成を示す図である。本実施の形態に係る生活支援システムは、ユーザ100の実際の状態に応じて適切に当該ユーザ100の生活を支援することを実現するものである。本実施の形態の生活支援システムは、ユーザ100の生体情報およびユーザによって使用される電気機器200の情報を取得し、取得した情報に応じた動作を行うことを特徴とするものである。なお、生活支援システムの構成要素の少なくとも一部は、ユーザによって使用される電気機器200あるいはスマートフォン等の端末機器300に備えられていてもよい。また、生活支援システムの構成要素の少なくとも一部は、外部のサーバ装置あるいはクラウド等に備えられていてもよい。
【0011】
本実施の形態に係る生活支援システムは、ユーザ100の生体情報を取得し、当該生体情報からユーザ100の身体状態を推定する身体状態推定手段の一例として、身体状態推定部10を備える。身体状態推定部10は、例えば、バイタルセンサ11によって検知された生体情報を取得し、当該生体情報からユーザ100の身体状態を推定する。なお、身体状態推定部10およびバイタルセンサ11は、生体情報を取得する生体情報取得手段の一例でもある。
【0012】
バイタルセンサ11は、例えば、ウェアラブルデバイスとして構成される。なお、バイタルセンサ11は、空調機等の電気機器200に搭載されていてもよい。バイタルセンサ11によって検知される生体情報としては、例えば、心拍数、心拍波形、活動量、体温、発汗量、疲労度およびストレス度等が挙げられる。バイタルセンサ11によって検知された生体情報に基づいてユーザ100の身体状態を推定することで、ユーザ100の体調の悪化あるいは悪化の予兆を検知することができる。
【0013】
身体状態推定部10は、バイタルセンサ11から取得した生体情報に基づいて、リアルタイムでユーザ100の身体状態を推定してもよい。身体状態推定部10は、バイタルセンサ11から取得した生体情報を記憶して、蓄積された生体情報に基づいてユーザ100の身体状態を推定してもよい。生体情報は、身体状態推定部10に記憶されてもよいし、身体状態推定部10の外部に記憶されてもよい。
【0014】
本実施の形態に係る生活支援システムは、ユーザ100によって使用される電気機器200から情報を取得し、当該情報からユーザ100の生活パターンを推定する生活パターン推定手段の一例として、生活パターン推定部20および機器情報記憶部21を備える。なお、機器情報記憶部21は、電気機器200から情報を取得する機器情報取得手段の一例でもある。
【0015】
電気機器200には、ユーザ100によって使用される各種の物が該当し得る。電気機器200としては、例えば、空調機、照明器具、電気掃除機、IHクッキングヒータ、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、給湯機等が挙げられる。機器情報記憶部21は、電気機器200から、運転履歴および操作履歴等の各種の機器情報を取得し、記憶する。機器情報記憶部21は、電気機器200から、例えば、温湿度およびCO2濃度等の環境情報を取得して記憶してもよい。また、機器情報記憶部21は、電気機器200から、例えば、ユーザ100の生体情報あるいはユーザ100の位置情報等を取得してもよい。
【0016】
生活パターン推定部20は、機器情報記憶部21に記憶された各種の情報から、ユーザ100の生活パターンの推定を行う。生活パターンには、室内のユーザ100の在不在に関する情報、室内環境の情報、食事に関する情報、入浴に関する情報、睡眠に関する情報、家事に関する情報、外出に関する情報、等の各種の情報が含まれる。
【0017】
本実施の形態に係る生活支援システムは、身体状態推定手段によって推定された身体状態および生活パターン推定手段によって推定された生活パターンに基づいて、ユーザ100の身体状態が悪化する原因を推定する原因推定手段の一例として、要改善行動推定部30を備える。身体状態推定部10と生活パターン推定部20とは連携して、互いの推定結果を出力する。要改善行動推定部30は、身体状態推定部10と生活パターン推定部20とから出力された推定結果に基づき、ユーザ100の体調の悪化あるいは悪化の予兆を検知した際に、ユーザ100の身体状態の悪化の原因を推定する。要改善行動推定部30は、ユーザ100の身体状態の悪化の原因として、例えば、ユーザ100の生活パターンあるいは具体的な行動内容の推定を行う。
【0018】
本実施の形態に係る生活支援システムは、原因推定手段によって推定されたユーザ100の身体状態が悪化する原因に応じてユーザ100の生活の支援を実行する支援実行手段の一例として、アドバイス内容生成部40およびアドバイス内容出力部41を備える。アドバイス内容生成部40は、要改善行動推定部30の推定結果に応じて、ユーザ100の心身を回復させるためのアドバイスの内容を生成する。アドバイス内容出力部41は、アドバイス内容生成部40によって生成された内容のアドバイスを、ユーザ100に対して出力する。ユーザ100に対するアドバイスの例としては、リラックスをするための空調機および照明器具の設定の提案、栄養に優れたレシピの提案、消化に良いレシピの提案、楽にできる家事の提案、家事代行サービスあるいは宅食サービス等のサービスの利用の提案、等が挙げられる。
【0019】
なお、アドバイス内容出力部41は、専用の機器として構成されてもよいし、例えば、スマートフォン等の端末機器300に搭載されていてもよい。スマートフォン等の端末機器300のアプリケーションを用いて、ユーザ100の生活を支援するアドバイスを実行してもよい。
【0020】
また、本開示における支援実行手段によって実行される生活の支援は、上記したアドバイス内容生成部40およびアドバイス内容出力部41によって行われるようなアドバイスに限られない。例えば、ユーザ100の心身を回復させるように、電気機器200の制御を行ってもよい。例えば、ユーザ100の心身を回復させるように、照明器具を制御したり空調機を制御したりしてもよい。本開示における支援実行手段は、任意の手法によって、ユーザ100の生活の支援を行う。
【0021】
以上に示したように構成された生活支援システムであれば、ユーザ100の実際の状態に応じて身体状態の悪化の原因を推定し、当該原因に応じて適切に当該ユーザの生活を支援することができる。本実施の形態に係る生活支援システムによれば、ユーザ100自身では気づきにくい身体状態の悪化に適切に対処することができる。また、身体状態の悪化の原因を推定することで、一般論としての回復方法ではなくユーザ100の実際の状態に応じた適切な回復方法の提案および実行が可能である。
【0022】
支援実行手段によって実行される生活の支援は、例えば、身体状態の悪化を検知した時点ではなく、身体状態の悪化の予兆を検知した時点で行われてもよい。支援実行手段は、ユーザ100の身体状態の悪化を未然に防ぐようにユーザの生活の支援を実行してもよい。例えば、アドバイス内容生成部40およびアドバイス内容出力部41は、ユーザ100の身体状態が悪化する可能性のある生活パターンでの活動を行わないように、予めアドバイスをしてもよい。また、アドバイス内容生成部40およびアドバイス内容出力部41は、ユーザ100の身体状態が悪化する可能性のある生活パターンを行った時点で、注意喚起を行っても良い。ユーザ100の身体状態の悪化を未然に防ぐためのアドバイスとしては、例えば、入眠時刻および起床時刻の提案、空調機および照明器具の設定の提案、時間および温度等の入浴内容に関する提案、食事の内容および時刻等の提案、家事に従事する時間に関する提案、テレビおよびスマートフォンの利用方法に関する提案、外出時間に関する提案、等が挙げられる。あるいは、ユーザ100の身体状態が悪化する可能性のある生活パターンでの活動を行わないように、自動で電気機器200の制御を行ってもよい。本実施の形態においては、バイタルセンサ11によって取得可能な生体情報だけでなく、電気機器200の情報も併せて取得することで、ユーザ100の実際の状態に応じて身体状態の悪化を未然に防ぐことができる。
【0023】
なお、バイタルセンサ11によって取得する生体情報および電気機器200から取得する情報を、身体状態推定部10および生活パターン推定部20等を介さずに、アドバイス内容生成部40およびアドバイス内容出力部41等の支援実行手段によって行われる支援内容に、直接的に紐づけても良い。例えば、バイタルセンサ11によって取得する生体情報および電気機器200から取得する情報と、取得される情報に応じた適切な支援の内容の情報とが予め紐づけられて、テーブルとして記憶されていてもよい。入力される情報と出力内容とを直接的に紐づけることで、制御処理を簡素化することが可能である。
【0024】
ユーザ100の生活を支援するアドバイスは、例えば、ユーザ100とは別の第三者101に対して提供されてもよい。第三者101としては、例えば、ユーザ100の家族および介護者が該当する。この第三者101は、ユーザ100と同居している人に限らず、遠方に居住している人であってもよい。第三者101によってアドバイスをすることで、第三者101によるユーザ100の生活のサポートをしやすくすることができる。
【0025】
本実施の形態に係る生活支援システムは、家事代行サービスあるいは宅食サービス等の生活を支援するサービスを提供するサービス会社50と連携するように構成されていてもよい。サービス会社50には、バイタルセンサ11によって取得した生体情報および電気機器200から取得した情報が提供される。また、サービス会社50には、身体状態推定部10による推定結果、生活パターン推定部20による推定結果および要改善行動推定部30による推定結果の情報が提供されてもよい。そして、サービス会社50に提供した情報に応じた当該サービス会社50のサービスを利用してユーザ100の生活を支援してもよい。例えば、サービス会社50が提供された情報に応じてサービスの提案あるいは提供を自発的に行っても良いし、サービス会社50を利用するように、アドバイス内容出力部41等からアドバイスを行ってもよい。サービス会社50と連携することで、ユーザ100自身およびユーザ100が利用している電気機器200だけでは対応が難しい状況に対応可能となる。
【0026】
また、本実施の形態に係る生活支援システムは、医療関連機関51と連携するように構成されていてもよい。本開示における医療関連機関51とは、例えば、病院および薬局等の医療機関あるいは健康機器メーカ等である。本開示における医療関連機関は51、例えば、治療履歴、体組成計による計測結果および健康診断情報等の、ユーザ100の健康状態に関する情報を有する機関を意味する。本実施の形態に係る生活支援システムは、医療関連機関51から、ユーザ100の健康状態に関する情報を取得し、取得した健康状態に関する情報に応じてユーザ100の生活を支援するように構成されてもよい。医療関連機関51と連携することで、ユーザ100の健康状態に応じた適切な生活の支援が可能となる。
【0027】
また、本実施の形態に係る生活支援システムは、保険会社52と連携するように構成されていてもよい。保険会社52には、バイタルセンサ11によって取得した生体情報および電気機器200から取得した情報が提供される。また、保険会社52には、身体状態推定部10による推定結果、生活パターン推定部20による推定結果および要改善行動推定部30による推定結果の情報が提供されてもよい。そして、保険会社52に提供した情報に応じて、当該保険会社52からユーザ100に対して保険料が安くなる等のインセンティブを付与してもよい。例えば、健康的な生活に該当する特定の生活パターンが継続されている場合に、保険会社52からユーザ100に対してインセンティブが付与されてもよい。保険会社52からユーザ100に対してインセンティブを付与することで、ユーザ100が健康的な生活を維持するモチベーションを高めることができる。
【0028】
図2は、実施の形態1に係る生活支援システムの動作例を示すフローチャートである。なお、図2のフローチャートにおける各ステップは、同時に行われ得るし、一部を省略してもよいし、順番を入れ替えることも可能である。
【0029】
まず、ユーザ100の生体情報を取得する(ステップS101)。また、ユーザ100によって使用される電気機器200から情報を取得する(ステップS102)。ステップS101において取得した生体情報からユーザ100の身体状態を推定し(ステップS103)、ステップS102において取得した情報からユーザ100の生活パターンを推定する(ステップS104)。
【0030】
次に、ステップS103およびステップS104における推定結果に基づいて、ユーザ100の身体状態が悪化する原因を推定する(ステップS105)。ステップS105の推定結果に応じて、ユーザ100の生活の支援を実行する(ステップS106)。上述の通り、ステップS106における生活の支援は、例えば、身体状態の悪化を検知した時点ではなく、身体状態の悪化の予兆を検知した時点でユーザ100の身体状態の悪化を未然に防ぐように行われてもよい。ステップS106における生活の支援は、例えば、ユーザ100とは別の第三者101に対するアドバイスの提供であってもよい。
【0031】
また、図3は、実施の形態1に係る生活支援システムの動作の変形例を示すフローチャートである。図3におけるステップS201からステップS206は、上述したステップS101からステップS106と同様のため、説明を省略する。上述の通り、ステップS201において取得した生体情報およびステップS202において電気機器200から取得した情報をサービス会社50に提供して、当該サービス会社50との連携による支援を行ってもよい(ステップS207)。医療関連機関51と連携し、医療関連機関51から取得したユーザ100の健康状態に関する情報に応じてユーザ100の生活を支援してもよい(ステップS208)。また、保険会社52と連携して、保険会社52に提供した情報に応じて当該保険会社52からユーザに対してインセンティブが付与されてもよい(ステップS209)。
【0032】
また、図4は、実施の形態1に係る推論装置70の構成を示すブロック図である。生活支援システムの機能の一部、特に、身体状態推定部10、生活パターン推定部20および要改善行動推定部30の機能を実現するに当たっては、推論装置70を活用するとよい。
推論装置70を用いることで、より適切な推定および学習を自動的に実行することが可能となる。
【0033】
推論装置70は、データ取得部71および推論部72を備えている。推論装置70の処理回路には、例えば、図示しないプロセッサ及びメモリが備えられている。推論装置70は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実行し、推論装置70の動作を制御する。すなわち、推論装置70においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、推論装置70のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、推論装置70が備えるデータ取得部71および推論部72の機能が実現される。
【0034】
プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0035】
なお、処理回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。処理回路のそれぞれの一部が専用のハードウェアとして形成され、かつ、これらの処理回路にプロセッサ及びメモリが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0036】
学習済モデル記憶部80には、学習済モデルが記憶されている。学習済モデル記憶部80に記憶される学習済モデルは、データ取得部71への入力データから推論をするためのものである。学習済モデル記憶部80に記憶される学習済モデルは、例えば、学習装置により生成される。学習済モデル記憶部80は、例えば、推論装置70と通信可能に設けられたサーバ装置等に備えられる。また、学習済モデル記憶部80を推論装置70に設けてもよい。
【0037】
推論装置70のデータ取得部71は、推論装置70への入力データを取得する。入力データは、例えば、バイタルセンサ11から取得される生体情報、電気機器200の情報、身体状態推定部の推定結果および生活パターン推定部の推定結果等である。
【0038】
推論装置70の推論部72は、学習済モデル記憶部80に記憶されている学習済モデルを用いて、データ取得部71が取得した入力データから、各種の推定等を行う。推論部72は、データ取得部71が取得した入力データを、学習済モデルに入力することで、入力データから推論される推定結果を出力することができる。このようにして、推論部72は、入力データから各種の推定をするための学習済モデルを用いて、データ取得部71が取得した入力データから推定結果を出力する。具体的な例として、本実施の形態に係る推論装置70は、ユーザ100の生体情報および電気機器200の情報を含む入力データから、ユーザ100の身体状態が悪化する原因を推定して推定結果を出力するように構成されている。
【0039】
また、推論装置70は、モデル更新部73をさらに備えていてもよい。推論装置70のモデル更新部73は、推論部72から出力された推定結果に基づいて、学習済モデルを更新する。このモデルの更新の際、データ取得部71は、推論部72から推定結果が出力された後に、入力データを再度取得する。そして、モデル更新部73は、データ取得部71により再度取得された入力データを用いて、学習済モデル記憶部80に記憶されている学習済モデルを更新する。モデル更新部73は、学習装置による学習済モデルの生成と同様の処理により、学習済モデルを更新できる。モデル更新部73により更新された学習済モデルは、学習済モデル記憶部80に記憶され、次回の推論部72による推論に利用される。学習済モデルの更新にあたっての推定結果の評価は、生活支援自体が自動で行ってもよいし、ユーザによって入力される主観の評価情報を用いて行ってもよい。
【0040】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0041】
(付記1)
ユーザの生体情報を取得し、当該生体情報から前記ユーザの身体状態を推定する身体状態推定手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得し、当該情報から前記ユーザの生活パターンを推定する生活パターン推定手段と、
前記身体状態推定手段によって推定された身体状態および前記生活パターン推定手段によって推定された生活パターンに基づいて、前記ユーザの身体状態が悪化する原因を推定する原因推定手段と、
前記原因推定手段によって推定された前記ユーザの身体状態が悪化する原因に応じて前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、
を備える生活支援システム。
(付記2)
前記支援実行手段は、前記原因推定手段によって推定された前記ユーザの身体状態が悪化する原因に応じて、前記ユーザの身体状態の悪化を未然に防ぐように前記ユーザの生活の支援を実行する付記1に記載の生活支援システム。
(付記3)
前記ユーザの生体情報および前記電気機器の情報をサービス会社に提供し、前記ユーザの身体状態が悪化する原因に応じた当該サービス会社のサービスを利用して前記ユーザの生活を支援するように構成された付記1または付記2に記載の生活支援システム。
(付記4)
医療関連機関から取得した前記ユーザの健康状態に関する情報に応じて前記ユーザの生活を支援するように構成された付記1から付記3の何れか1項に記載の生活支援システム。
(付記5)
前記ユーザの生活パターンの情報を保険会社に提供し、特定の生活パターンが継続されている場合に前記保険会社から前記ユーザに対してインセンティブが付与されるように構成された付記1から付記4の何れか1項に記載の生活支援システム。
(付記6)
前記支援実行手段は前記ユーザとは別の第三者に対して、前記ユーザの生活を支援するアドバイスを提供する付記1から付記6の何れか1項に記載の生活支援システム。
(付記7)
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報に応じて、前記ユーザの身体状態の悪化を未然に防ぐように前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、
を備える生活支援システム。
(付記8)
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
を備え、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報をサービス会社に提供し、提供した情報に応じた当該サービス会社のサービスを利用して前記ユーザの生活を支援するように構成された生活支援システム。
(付記9)
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報に応じて、前記ユーザの生活の支援を実行する支援実行手段と、
を備え、
前記支援実行手段は、医療関連機関から取得した前記ユーザの健康状態に関する情報に応じて前記ユーザの生活を支援するように構成されている生活支援システム。
(付記10)
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記ユーザによって使用される電気機器から情報を取得する機器情報取得手段と、
を備え、
前記生体情報取得手段によって取得した生体情報および前記機器情報取得手段によって取得した情報を保険会社に提供し、提供した情報に応じて当該保険会社から前記ユーザに対してインセンティブを付与するように構成された生活支援システム。
(付記11)
ユーザの生体情報および前記ユーザによって使用される電気機器の情報を含む入力データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記入力データから、前記ユーザの身体状態が悪化する原因を推定して推定結果を出力する推論部と、
を備えた推論装置。
【符号の説明】
【0042】
10 身体状態推定部
11 バイタルセンサ
20 生活パターン推定部
21 機器情報記憶部
30 要改善行動推定部
40 アドバイス内容生成部
41 アドバイス内容出力部
50 サービス会社
51 医療関連機関
52 保険会社
70 推論装置
71 データ取得部
72 推論部
73 モデル更新部
80 学習済モデル記憶部
100 ユーザ
101 第三者
200 電気機器
300 端末機器
図1
図2
図3
図4