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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167729
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】サーバ装置とそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241127BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241127BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241127BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241127BHJP
   B41J 29/393 20060101ALN20241127BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 308
G06F3/12 344
H04N1/00 127A
G03G21/00 396
G03G15/00 303
B41J29/393 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083995
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 聡
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB10
2C061CG02
2C061HH03
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HQ01
2C061HR09
2C061KK25
2H270KA62
2H270LA14
2H270LA20
2H270LD08
2H270MB13
2H270MB25
2H270MB29
2H270NB18
2H270NB22
2H270NC20
2H270ND05
2H270ND06
2H270ND13
2H270ND25
2H270ND28
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC07
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA25
5C062AA35
5C062AB05
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC35
5C062AC61
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの高品質な印刷要求に応えられる画像形成装置を決定するサーバ装置及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】夫々スキャン機能を有する複数の画像形成装置及びそれら複数の画像形成装置の何れかで形成するべき画像を提供するユーザ端末とネットワークを介して通信するサーバ装置であって、印刷ジョブ受信部と、解析部と、機体決定部と、を備える。印刷ジョブ受信部は、ユーザ端末が送信した形成するべき画像を示すジョブ情報を受信する。解析部は、ジョブ情報から画像における濃度を解析する。機体決定部は、第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置において第1の方向と直交する第2の方向に階調性を有する単色の基準画像が形成された基準ペーパを、複数の画像形成装置夫々でスキャンして得られた、画像形成装置夫々の画像品質情報と、濃度情報と、に基づいて、複数の画像形成装置の中から画像を形成するのに適した適正機体を決定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれスキャン機能を有する複数の画像形成装置及び前記複数の画像形成装置の何れかで形成するべき画像を提供するユーザ端末と通信するサーバ装置であって、
前記ユーザ端末が送信した前記形成するべき画像を示すジョブ情報を受信する受信手段と、
前記ジョブ情報から前記画像における濃度に関する濃度情報を解析する解析手段と、
前記濃度情報と、第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置において前記第1の方向と直交する第2の方向に階調性を有する単色の基準画像が形成された基準ペーパを、前記複数の画像形成装置それぞれでスキャンして得られた、前記複数の画像形成装置それぞれの画像品質情報と、に基づいて、前記複数の画像形成装置の中から前記画像を形成するのに適した適正機体を決定する決定手段と、
を備える、サーバ装置。
【請求項2】
前記複数の画像形成装置それぞれにおいて、前記スキャンと画像形成とでは、前記第1の方向及び前記第2の方向が同じ方向であり、
前記解析手段は、前記形成するべき画像が、前記スキャンの前記第1の方向の前記少なくとも2箇所の離間した位置に対応する、前記画像形成の前記第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置に、同一単色濃度部が存在するか解析し、
前記決定手段は、前記同一単色濃度部が存在する場合に、前記適正機体を決定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記複数の画像形成装置の中から、前記画像形成の前記第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置において、前記同一単色濃度部の濃度の濃度差が小さい機体を前記適正機体として決定する、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記サーバ装置は、ネットワークを介して互いに通信可能な第1及び第2のサーバ装置を含み、
前記受信手段及び前記解析手段は、前記第1のサーバ装置に備えられ、
前記決定手段は、
前記第1のサーバ装置に備えられ、前記濃度情報を、前記第2のサーバ装置へ送信する第1の部分と、
前記第2のサーバ装置に備えられ、前記濃度情報と前記画像品質情報とに基づいて前記適正機体を決定し、前記決定した適正機体を前記第1のサーバ装置に通知する第2の部分と、
前記第1のサーバ装置に備えられ、前記適正機体の通知を受信することで、前記適正機体を決定する第3の部分と、
を含む、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記適正機体と決定された前記画像形成装置へ、前記ジョブ情報を送信する送信手段、
をさらに備える、請求項1乃至4の何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記適正機体と決定された前記画像形成装置を示す決定結果を、外部装置へ送信する送信手段、
をさらに備える、請求項1乃至4の何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
それぞれスキャン機能を有する複数の画像形成装置及び前記複数の画像形成装置の何れかで形成するべき画像を提供するユーザ端末と通信するサーバ装置のコンピュータに、
前記ユーザ端末が送信した前記形成するべき画像を示すジョブ情報を受信する機能と、
前記ジョブ情報から前記画像における濃度に関する濃度情報を解析する機能と、
前記濃度情報と、第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置において前記第1の方向と直交する第2の方向に階調性を有する単色の基準画像が形成された基準ペーパを、前記複数の画像形成装置それぞれでスキャンして得られた、前記複数の画像形成装置それぞれの画像品質情報と、に基づいて、前記複数の画像形成装置の中から前記画像を形成するのに適した適正機体を決定する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ装置とそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークプレイスに置かれる画像形成装置は、用紙上に画像を形成する。一般的な画像形成装置は、露光器から画像光を感光体ドラムに照射することにより、感光体ドラムに潜像を形成する。画像形成装置は、この潜像を、顕像化材(現像剤)により可視化することで、可視像を得る。画像形成装置は、この可視像を一旦、転写ベルトに移動させ、この転写ベルトに移動した可視像を更に用紙上に移動させる。そして、画像形成装置は、定着器により、この用紙上に移動した可視像を、用紙に固定(定着)させる。
【0003】
このような画像形成装置の使用形態としては、普通紙に文字を中心に印刷する場合が多かった。しかしながら、従来では版を用いた印刷で行われていた印刷のオンデマンド印刷のニーズに伴い、作今では画像形成装置を使用した、高品質印字のポスタ印刷や特殊紙でのオンデマンドの印刷の機会が増加している。このような印刷は、従来の文字中心の印刷の品質よりも高品質な印刷要求がある。
【0004】
一方で、画像形成装置においては、ハイエンドの機体では、上記の高品質印字のポスタ印刷や特殊紙でのオンデマンド印刷での高品質な印刷要求に応えられるものの、ローエンドの機体では、前記のオンデマンド印刷は可能なものの高品質な印刷要求に応えられない場合がある。また、ハイエンドの機体の中でも、装置のフロント側とリア側で形成される画像の濃度差等は機体毎に若干のレベル差があることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-7659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、ユーザの高品質な印刷要求に応えられる画像形成装置を決定可能とするサーバ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、サーバ装置は、それぞれスキャン機能を有する複数の画像形成装置及びそれら複数の画像形成装置の何れかで形成するべき画像を提供するユーザ端末と通信するサーバ装置であって、受信手段と、解析手段と、決定手段と、を備える。受信手段は、ユーザ端末が送信した形成するべき画像を示すジョブ情報を受信する。解析手段は、ジョブ情報から画像における濃度を解析する。決定手段は、濃度情報と、第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置において第1の方向と直交する第2の方向に階調性を有する単色の基準画像が形成された基準ペーパを、複数の画像形成装置それぞれでスキャンして得られた、複数の画像形成装置それぞれの画像品質情報と、に基づいて、複数の画像形成装置の中から画像を形成するのに適した適正機体を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るサーバ装置を含む印刷システムの概略構成図である。
図2図2は、画像形成装置の構成の一例を示す概略断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るサーバ装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、サーバ装置が備える画像品質データベースに格納される品質情報レコードのデータ構造の一例を示す模式図である。
図5図5は、サーバ装置が備える機器データベースに格納される機器情報レコードのデータ構造の一例を示す模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係るサーバ装置における機器管理処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、基準ペーパの一例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係るサーバ装置における動作管理処理の一例を示す一連のフローチャートの第1の部分を示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係るサーバ装置における動作管理処理の一例を示す一連のフローチャートの第2の部分を示す図である。
図10図10は、基準ペーパの一例を示す図である。
図11図11は、基準ペーパの一例を示す図である。
図12図12は、基準ペーパの一例を示す図である。
図13図13は、基準ペーパの一例を示す図である。
図14図14は、第2実施形態に係るサーバ装置として機能する機器管理サーバ装置及び動作管理サーバ装置を含む印刷システムの概略構成図である。
図15図15は、機器管理サーバ装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
図16図16は、動作管理サーバ装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
図17図17は、機器管理サーバ装置における機器管理処理の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、動作管理サーバ装置における機器管理処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る画像形成装置について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を適宜省略している。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るサーバ装置100を含む印刷システムの概略構成図である。印刷システムは、更に、複数の画像形成装置200と複数のユーザ端末300とを備えている。サーバ装置100は、ネットワークNWを介して、これら画像形成装置200及びユーザ端末300と通信可能に接続され得る。サーバ装置100、画像形成装置200及びユーザ端末300とネットワークNWとの間の接続は、有線接続であっても良いし、無線接続であっても良い。
【0011】
サーバ装置100は、ユーザ端末300からの印刷ジョブを受信し、それを画像形成装置200に送信するプリントサーバであり、機器管理サーバ101と動作管理サーバ102との2つの仮想サーバ機能を備える。機器管理サーバ101は、画像形成装置200及びユーザ端末300を管理する。動作管理サーバ102は、画像形成装置200の動作を制御する。
【0012】
なお、サーバ装置100は、例えば、各地にプリントサービスステーションを展開するプリントサービス会社が運用するサーバ装置であって良く、この場合は、ネットワークNWはインターネット等の公衆ネットワークであることができる。また、サーバ装置100は、会社内に配置された社内サーバ装置で有っても良く、この場合は、ネットワークNWは社内LAN(Local Area Network)であることができる。
【0013】
画像形成装置200は、プリントサービスステーションや社内といったワークプレイスに配置される。
【0014】
ユーザ端末300は、何れかの画像形成装置200での印刷を指示する、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット端末、デジタルカメラ、等の情報処理装置である。ユーザ端末300は、ワークプレイスに有っても良いし、ワークプレイス外にあっても良い。
【0015】
図2は、画像形成装置200の一例を示す概略断面図である。なお、図2において、紙面手前方向が画像形成装置200のフロント方向、紙面奥行き方向が画像形成装置200のリア方向である。画像形成装置200の上下左右方向については、図2中に示した通りである。以下、画像形成装置200について、図2を用いて説明する。
【0016】
画像形成装置200は、電子写真方式によって印刷する。画像形成装置200は、少なくともスキャン機能及びプリント機能を備えた複合装置(multi-function peripherals。以下、MFPと略記する。)である。図2に示すように、画像形成装置200は、一例として、給紙トレイ201、手差しトレイ202、給紙ローラ203、トナーカートリッジ204、画像形成部205、光走査装置206、転写ベルト207、転写ローラ208、定着部209、加熱部210、加圧ローラ211、排紙トレイ212、両面ユニット213、スキャン部214、原稿送り装置215及びコントロールパネル216を含む。
【0017】
画像形成部205は、電子写真方式によって画像を印刷する。すなわち、画像形成部205は、画像形成媒体Pなどに対してトナーを用いて画像を形成する。画像形成媒体Pは、例えば、シート状の紙などである。スキャン部214は、画像が形成された原稿などから画像を読み取る。例えば、画像形成装置200は、スキャン部214を用いて原稿などから読み取った画像を、画像形成部205を用いて画像形成媒体Pに印刷することにより、原稿コピーを実現する。
【0018】
給紙トレイ201は、印刷に用いる画像形成媒体Pを収容する。
【0019】
手差しトレイ202は、画像形成媒体Pを手差しするための台である。
【0020】
給紙ローラ203は、モータの働きにより回転することで、給紙トレイ201又は手差しトレイ202に収容された画像形成媒体Pを給紙トレイ201から搬出する。トナーカートリッジ204は、画像形成部205に供給するためのトナーを蓄える。画像形成装置200は、複数のトナーカートリッジ204を備える。画像形成装置200は、一例として、図2に示すように、トナーカートリッジ2041、トナーカートリッジ2042、トナーカートリッジ2043及びトナーカートリッジ2044の4つのトナーカートリッジ204を備える。トナーカートリッジ2041、トナーカートリッジ2042、トナーカートリッジ2043及びトナーカートリッジ2044は、それぞれがCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)の各色に対応するトナーを蓄える。なお、トナーカートリッジ204が蓄えるトナーの色は、CMYKの各色に限らず、その他の色であっても良い。また、トナーカートリッジ204が蓄えるトナーは、特殊なトナーであっても良い。例えば、トナーカートリッジ204は、所定の温度よりも高い温度で消色して不可視の状態となる、消色可能なトナーを蓄えていても良い。
【0021】
画像形成部205は、現像器及び感光体ドラムなどを備える。現像器は、トナーカートリッジ204から供給されるトナーを用いて、感光体ドラム表面の静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム表面にトナー像が形成される。感光体ドラム表面に形成された画像は、転写ベルト207上に転写(1次転写)される。画像形成装置200は、複数の画像形成部205を備える。画像形成装置200は、一例として、図2に示すように、画像形成部2051、画像形成部2052、画像形成部2053及び画像形成部2054の4つの画像形成部205を備える。画像形成部2051、画像形成部2052、画像形成部2053及び画像形成部2054は、それぞれがCMYKの各色に対応するトナーの供給を受けて画像を形成する。
【0022】
光走査装置206は、LSU(laser scanning unit)などとも呼ばれる。光走査装置206は、画像データに応じて制御するレーザ光により各画像形成部205の感光体ドラム表面に静電潜像を形成する。
【0023】
転写ベルト207は、例えば無端状のベルトであり、ローラの働きにより回転可能である。転写ベルト207は、回転することで、各画像形成部から転写された画像を転写ローラ208の位置に搬送する。
【0024】
転写ローラ208は、互いに対向する2つのローラを備える。転写ローラ208は、転写ベルト207上に形成された画像を、転写ローラ208間を通過する画像形成媒体P上に転写(2次転写)させる。
【0025】
定着部209は、画像が転写された画像形成媒体Pに対して加熱及び加圧を行う。これにより、画像形成媒体P上に転写された画像が定着する。定着部209は、互いに対向する加熱部210と加圧ローラ211とを備える。
【0026】
加熱部210は、例えば、加熱部210を加熱するための熱源を備えるローラである。当該熱源は、例えばヒータである。熱源によって加熱されたローラは、画像形成媒体Pを加熱する。
【0027】
あるいは、加熱部210は、複数のローラに懸架された無端ベルトを備えるものであっても良い。例えば、加熱部210は、板状熱源、無端ベルト、ベルト搬送ローラ、テンションローラ及びプレスローラを備える。無端ベルトは、例えば、フィルム状の部材である。ベルト搬送ローラは、無端ベルトを駆動する。テンションローラは、無端ベルトに張力を与える。プレスローラは、表面に弾性層が形成されている。板状熱源は、発熱部側が無端ベルトの内側に接触し、プレスローラ方向に押圧されることで、プレスローラとの間に所定幅の定着ニップを形成する。板状熱源がニップ領域を形成しつつ加熱する構成のため、通電時における応答性はハロゲンランプによる加熱方式の場合よりも高い。
【0028】
無端ベルトは、例えば厚さ50umのSUS(steel use stainless)基材あるいは70umの耐熱樹脂であるポリイミド上の外側に厚さ200umのシリコンゴム層が形成され、最外周がPFA(perfluoroalkoxy alkane)等の表面保護層で被膜されている。プレスローラは、例えばφ10mmの鉄棒表面に厚さ5mmのシリコンスポンジ層が形成され、最外周がPFA等の表面保護層で被膜されている。
【0029】
板状熱源は、例えば、セラミック基板上にグレーズ層及び発熱抵抗層が積層されている。また、板状熱源は、反対側に余分な熱を逃がすとともに基盤の反りを防ぐために、アルミ製のヒートシンクが接着されている。発熱抵抗層は、例えばTaSiO2などの既知の素材で形成され、主走査方向において所定の長さと個数に分割されている。
【0030】
加圧ローラ211は、加圧ローラ211と加熱部210との間を通過する画像形成媒体Pを加圧する。
【0031】
排紙トレイ212は、印刷が終わった画像形成媒体Pが排出される台である。
【0032】
両面ユニット213は、画像形成媒体Pを、裏面への印刷が可能な状態にする。例えば、両面ユニット213は、ローラなどを用いて画像形成媒体Pをスイッチバックさせることで画像形成媒体Pの表裏を反転させる。
【0033】
スキャン部214は、原稿から画像を読み取る。スキャン部214は、原稿から画像を読み取るためのスキャナに相当する。
【0034】
当該スキャナは、例えば、CCD(charge-coupled device)イメージセンサなどの撮像素子を備える光学縮小方式である。あるいは、当該スキャナは、CMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を備える密着センサ(CIS(contact image sensor))方式である。あるいは、当該スキャナは、その他の公知の方式である。
【0035】
原稿送り装置215は、例えば、ADF(auto document feeder)などとも呼ばれる。原稿送り装置215は、原稿用のトレイに載せられた原稿を次々と搬送する。搬送された原稿は、スキャン部214によって画像が読み取られる。また、原稿送り装置215は、原稿の裏面から画像を読み取るためのスキャナを備えていても良い。
【0036】
コントロールパネル216は、ユーザインタフェースとして機能し、画像形成装置200の操作者が操作するためのボタン及びタッチパネルなどを備える。当該タッチパネルは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどのディスプレイとタッチ入力によるポインティングデバイスとが積層されたものである。したがって当該ボタン及びタッチパネルは、画像形成装置200の操作者による操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。また、当該タッチパネルが備えるディスプレイは、画像形成装置200の操作者に各種情報を通知する表示デバイスとして機能する。
【0037】
このようなMFPである画像形成装置200では、一般的に、スキャン部214の画像読み取り性能と、画像形成部205の画像形成性能とは対応している。よって、スキャン部214を用いて原稿などから読み取った画像を、画像形成部205を用いて画像形成媒体Pに印刷することにより原稿コピーを実現する際には、画像形成装置200は、読み取った原稿上の画像の品質で、その画像を画像形成媒体Pに印刷することができる。また、このような画像形成装置200では、画像形成部205を用いてテストパターン画像を印刷し、これをスキャン部214で読み取ることで画像形成部205の状態を判別して、画像形成部205の画像形成動作を調節するような、フィードバック制御も実施可能となっている。
【0038】
図3は、第1実施形態に係るサーバ装置100の回路構成の一例を示すブロック図である。サーバ装置100は、一例として、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14を含み、プロセッサ11に、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14の各部を、アドレスバス,データバスなどのバスライン15で接続する。
【0039】
プロセッサ11は、サーバ装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、サーバ装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えば、CPU(central processing unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ11は、マルチコア/マルチスレッドのものであって良く、複数の処理を並行して実行することができる。また、プロセッサ11は、MPU(micro processing unit)であっても良い。更には、プロセッサ11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Digital Signal processor)、SoC(system on a chip)、PLD(programmable logic device)、等の集積回路を含む、他の多様な形式で実現されても良い。また、プロセッサ11は、これらのうちの複数を組み合わせたものであっても良い。
【0040】
プロセッサ11は、メインメモリ12または補助記憶デバイス13に予め記憶されているプログラムをメインメモリ12に展開する。プログラムは、サーバ装置100のプロセッサ11に後述する各部を実現させる制御プログラムを含む。プロセッサ11は、メインメモリ12に展開されるプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0041】
メインメモリ12は、サーバ装置100の主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではOS(Operating System)又はプログラムを記憶する。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば、メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を含む。例えば、メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を含む。
【0042】
補助記憶デバイス13は、サーバ装置100の補助記憶部分に相当する。例えば、補助記憶デバイス13は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、等である。補助記憶デバイス13は、上述のプログラム、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ11での処理によって生成されるデータを記憶する。
【0043】
メインメモリ12又は補助記憶デバイス13が記憶するプログラムの1つに、後述する制御プログラムがある。コンピュータ装置の譲渡は一般に、制御プログラムなどのプログラムがメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれても良い。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルなコンピュータ可読記憶媒体に記録して、あるいは通信ネットワークを介した通信により行うことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS等と協働してその機能を実現させるものであっても良い。
【0044】
通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークNWを介して、サーバ装置100を画像形成装置200及びユーザ端末300と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0045】
なお、サーバ装置100のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ装置100は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0046】
ここで、サーバ装置100の補助記憶デバイス13に構成される各部について説明する。補助記憶デバイス13は、例えば、画像品質データベース131、機器データベース132を記憶すると共に、印刷ジョブ記憶部133を含む。なお、図3では、「データベース」を「DB」と略記している。
【0047】
画像品質データベース131は、各画像形成装置200の画像品質情報を管理するためのデータベースであり、登録された画像形成装置200に関連付けられたデータレコードの集合である。このため、画像品質データベース131は、画像形成装置200毎の品質情報レコードを含む。
【0048】
図4は、画像品質データベース131に格納される品質情報レコード1311のデータ構造の一例を示す模式図である。品質情報レコード1311は、フィールドF11,F12等を含む。
【0049】
フィールドF11には、画像形成装置200を識別するために画像形成装置200毎に設定された一意の識別コードである装置ID(identifier)がセットされる。装置IDは、新たな画像形成装置200が印刷システムに参加する際に、当該サーバ装置100の管理者によって任意に設定されることができる。例えば、装置IDは、予め決められた命名ルールに従った名称、画像形成装置200の種別名、製造番号等の一意の番号、等であって良く、また、それらを任意に組み合わせたものとすることもできる。管理者は、この装置IDを、ネットワークNWを介して図示しない管理端末から設定することもできるし、サーバ装置100がキーボード、ディスプレイ等の入出力装置を備える又は接続可能であれば、その入出力装置を使用して設定することができる。また、装置IDは、プロセッサ11によって自動生成されるものであっても良い。
【0050】
フィールドF12には、画像品質情報がセットされる。画像品質情報は、通信インタフェース14により、画像形成装置200から取得することができる。画像品質情報は、画像形成装置200の例えばフロント側とリア側で形成される画像の濃度差等の、画像形成装置200で形成される画像の品質を示す情報である。
【0051】
機器データベース132は、各画像形成装置200及び各ユーザ端末300を管理するためのデータベースであり、登録された画像形成装置200又はユーザ端末300に関連付けられたデータレコードの集合である。このため、機器データベース132は、画像形成装置200及びユーザ端末300毎の機器情報レコードを含む。
【0052】
図5は、機器データベース132に格納される機器情報レコード1321のデータ構造の一例を示す模式図である。機器情報レコード1321は、フィールドF21,F22,F23,F24等を含む。
【0053】
フィールドF21には、画像形成装置200毎又はユーザ端末300毎に設定された一意の識別コードである装置IDがセットされる。画像形成装置200の装置IDは、画像品質データベース131におけるそれと同一の識別コードが設定される。ユーザ端末300の装置IDについても、画像形成装置200の場合と同様に、新たなユーザ端末300が印刷システムに参加する際に、当該サーバ装置100の管理者によって任意に設定されることができ、或いは、プロセッサ11によって自動生成されることができる。
【0054】
フィールドF22には、装置IDで示される画像形成装置200又はユーザ端末300のIPアドレス等のネットワークアドレスがセットされる。
【0055】
フィールドF23には、装置IDで示される画像形成装置200又はユーザ端末300の設置位置情報がセットされる。設置位置情報は、画像形成装置200については、プリントサービスステーションに設置されるのであれば、そのサービスステーションの住所であって良く、社内に設置される場合には、建物やフロア等の物理的な位置だけでなく、部署や身分等の論理的な位置であっても良。この設置位置情報は、新たな画像形成装置200が印刷システムに参加する際に、当該サーバ装置100の管理者によって設定されることができる。ユーザ端末300の設置位置情報についても、同様である。但し、ノートPCやタブレット端末といったモバイル端末である場合、設置位置情報は固定ではなく、印刷を行う都度、ユーザ端末300から通知され、更新セットされることができる。この設置位置情報の通知は、後述するように印刷ジョブに含まれても良いし、印刷ジョブの受信に応じてユーザ端末300に問い合わせることで返信されてくるものであっても良い。
【0056】
フィールドF24には、装置IDで示される画像形成装置200の稼働状態情報がセットされる。稼働状態情報は、当該画像形成装置200が電源ONされていて、印刷可能な状態にあるか否かを示す。この稼働状態情報は、画像形成装置200から電源ON/OFFに応じて、或いは、一定時間おきに送信されてくる情報に従ってセットされるものであっても良いし、サーバ装置100から一定時間おきに画像形成装置200へ問合せを行い、返答の有無に従ってセットされるものであっても良い。本実施形態では、ユーザ端末300の稼働状態については管理する必要は無い。
【0057】
印刷ジョブ記憶部133は、ユーザ端末300から送信されてきた印刷ジョブを一時記憶する記憶部である。印刷ジョブは、形成するべき画像を示す情報に加えて、ユーザ端末300を示す情報、印刷を行う機体として規定した画像形成装置200を示す情報、等の付帯情報を含む、ジョブ情報である。付帯情報は、ユーザ端末300の設置位置情報を含んでも良い。
【0058】
次に、サーバ装置100のプロセッサ11に実装される各部について説明する。プロセッサ11は、例えば、画像品質取得部111、機器情報取得部112、印刷ジョブ受信部113、解析部114、機体決定部115及び印刷ジョブ送信部116を実装する。プロセッサ11に実装される各部は、各機能と言うこともできる。プロセッサ11に実装される各部は、プロセッサ11及びメインメモリ12を含む制御部に実装されると言うこともできる。ここで、画像品質取得部111及び機器情報取得部112によって、機器管理サーバ101が実現され、印刷ジョブ受信部113、解析部114、機体決定部115及び印刷ジョブ送信部116によって、動作管理サーバ102が実現され得る。
【0059】
画像品質取得部111は、通信インタフェース14を介して、各画像形成装置200から画像品質情報を取得する。画像品質取得部111は、取得した画像品質情報を、画像品質データベース131に記憶させる。具体的には、画像品質取得部111は、例えば、機器データベース132の機器情報レコード1321のフィールドF22に対して、画像品質情報を送信してきた画像形成装置200のネットワークアドレスを検索キーとして検索し、発見された機器情報レコード1321のフィールドF21にセットされている装置IDを取得する。画像品質取得部111は、画像品質データベース131の品質情報レコード1311のフィールドF11に対して、この取得した装置IDを検索キーとして検索し、発見された品質情報レコード1311のフィールドF12に、取得した画像品質情報をセットする。
【0060】
なお、機器データベース132に、画像品質情報を送信してきた画像形成装置200のネットワークアドレスがフィールドF22にセットされた機器情報レコード1321が発見できなかった場合には、画像品質取得部111は、通信インタフェース14によりネットワークNWを介して当該サーバ装置100の管理者の管理端末へ、或いは、当該サーバ装置100が入出力装置を備える又は接続されていれば、その入出力装置を使用して、新規の画像形成装置200が印刷システムに参加したことを報知することができる。画像品質取得部111は、管理者によって当該新規の画像形成装置200の登録作業が実施されて画像品質データベース131及び機器データベース132に新規レコードが追加されるまで、補助記憶デバイス13の図示しない一時保存領域に、画像品質情報を保持しておく。画像品質データベース131及び機器データベース132に新規レコードが追加されたならば、画像品質取得部111は、保持しておいた画像品質情報を新規の品質情報レコード1311のフィールドF12にセットする。また、管理者へ報知するのではなく、画像品質取得部111は、予め決められた規則に従って新規の装置IDを発行し、画像品質データベース131及び機器データベース132に新規レコードを追加するようにしても良い。こうして画像品質データベース131及び機器データベース132に新規レコードが追加されたならば、画像品質取得部111は、追加された品質情報レコード1311のフィールドF11に発行した装置IDをセットし、フィールドF12に取得した画像品質情報をセットする。また、画像品質取得部111は、追加された機器情報レコード1321のフィールドF21に発行した装置IDをセットし、フィールドF22に画像品質情報を送信してきた画像形成装置200のネットワークアドレスをセットする。更に、画像品質取得部111は、その追加された機器情報レコード1321のフィールドF24に、当該画像形成装置200が電源ONされていて、印刷可能な状態にあることを示す稼働状態情報をセットする。
【0061】
機器情報取得部112は、通信インタフェース14を介して、各画像形成装置200及び各ユーザ端末300から機器情報を取得する。機器情報取得部112は、取得した機器情報を、機器データベース132に記憶させる。具体的には、機器情報取得部112は、機器情報として画像形成装置200から稼働状態情報を取得した場合には、機器データベース132の機器情報レコード1321のフィールドF22に対して、稼働状態情報の取得元である画像形成装置200のネットワークアドレスを検索キーとして検索し、発見された機器情報レコード1321のフィールドF24に、その取得した稼働状態情報をセットする。また、機器情報としてユーザ端末300から設置位置情報を取得した場合には、機器データベース132の機器情報レコード1321のフィールドF22に対して、設置位置情報の取得元である画像形成装置200のネットワークアドレスを検索キーとして検索し、発見された機器情報レコード1321のフィールドF23に、その取得した設置位置情報をセットする。
【0062】
なお、機器データベース132に、機器情報の送信元である画像形成装置200のネットワークアドレスがフィールドF22にセットされた機器情報レコード1321が発見できなかった場合には、機器情報取得部112は、画像品質取得部111と同様にして、画像品質データベース131及び機器データベース132に新規レコードを追加させることができる。そして、機器情報取得部112は、機器データベース132の新規の機器情報レコード1321のフィールドF23に、取得した稼働状態情報をセットする。
【0063】
また、機器データベース132に、機器情報の送信元であるユーザ端末300のネットワークアドレスがフィールドF22にセットされた機器情報レコード1321が発見できなかった場合には、機器情報取得部112は、当該サーバ装置100の管理者に、新規のユーザ端末300が印刷システムに参加したことを報知したり、予め決められた規則に従って新規の装置IDを発行したりして、機器データベース132に新規の機器情報レコード1321を追加させる。そして、機器情報取得部112は、機器データベース132の新規の機器情報レコード1321のフィールドF23に、取得した設置位置情報をセットする。
【0064】
印刷ジョブ受信部113は、通信インタフェース14を介して、ユーザ端末300から送信されてきた印刷ジョブを受信する。印刷ジョブ受信部113は、受信した印刷ジョブを、印刷ジョブ記憶部133に記憶させる。具体的には、印刷ジョブ受信部113は、機器データベース132の機器情報レコード1321のフィールドF22に対して、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300のネットワークアドレスを検索キーとして検索し、発見された機器情報レコード1321のフィールドF21に記憶されている装置IDを取得する。印刷ジョブ受信部113は、その取得した装置IDに紐付けて、受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部133に記憶させる。
【0065】
なお、機器情報取得部112は、印刷ジョブ記憶部133に記憶された印刷ジョブに付帯情報としてユーザ端末300の設置位置情報が含まれているか否か確認する。そして、設置位置情報が含まれていれば、機器情報取得部112は、前述のように、その設置位置情報を取得し、それを機器データベース132の対応する機器情報レコード1321のフィールドF23にセットする。また、設置位置情報が含まれていない場合には、機器情報取得部112は、前述のように、印刷ジョブの送信元のユーザ端末300に設置位置情報を問い合わせて、それを機器データベース132の対応する機器情報レコード1321のフィールドF23にセットすることができる。
【0066】
解析部114は、印刷ジョブ記憶部133に記憶された印刷ジョブから、形成するべき画像における濃度を解析する。
【0067】
機体決定部115は、解析部114が解析した濃度と、画像品質データベース131に記憶された画像品質情報と、機器データベース132に記憶された設置位置情報と、に基づいて、複数の画像形成装置の中から、印刷ジョブで示される印刷に使用する画像形成装置200を決定する。
【0068】
具体的には、機体決定部115は、まず、印刷ジョブを実施するのに適した、つまり、形成するべき画像を高品質に印刷することが可能な適正機体を抽出する。機体決定部115は、この抽出を、解析部114が解析した濃度と、画像品質データベース131の各品質情報レコード1311のフィールドF12にセットされている画像品質情報と、に基づいて実施する。例えば、機体決定部115は、画像形成装置200の画像品質情報それぞれについて、解析した濃度の濃度差を確認し、その濃度差が少ない画像形成装置200を適正機体として抽出する。そして、その抽出した適正機体の画像形成装置200の装置IDを、品質情報レコード1311のフィールドF11より取得する。
【0069】
次に、機体決定部115は、機器データベース132の機器情報レコード1321のフィールドF23にセットされた設置位置情報により、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300の位置を確認する。そして、機体決定部115は、適正機体として抽出した画像形成装置200の装置IDがフィールドF21にセットされている品質情報レコード1311のフィールドF23にセットされている設置位置情報と、確認したユーザ端末300の位置と、の関係を確認する。設置位置情報とユーザ端末300の位置との関係が予め決められた位置条件に合致する場合、機体決定部115は、その画像形成装置200を、使用機体として選定する。
【0070】
なお、予め決められた位置条件は、例えば、ユーザ端末300の現在位置からの距離等の物理的な条件であることができる。或いは、予め決められた位置条件は、ユーザ端末300の使用者の部署や身分と画像形成装置200の設置部署や設置位置との関係等の論理的な条件を含んでも良い。位置条件は、サーバ装置100の管理者やユーザ端末300のユーザが任意に設定できるようにしても良い。
【0071】
このように、機体決定部115は、印刷システムに参加する複数台の画像形成装置200をユーザ端末300毎に限定し、その限定した画像形成装置200の中から抽出した適正機体を、印刷ジョブで示される印刷に使用する使用機体として決定することができる。なお、使用機体として決定する画像形成装置200の台数は1台に限らず、複数台有っても良い。複数台の画像形成装置200が使用機体として決定される場合には、位置条件との合致度により順位付けしても良い。
【0072】
印刷ジョブ送信部116は、通信インタフェース14により、機体決定部115が決定した使用機体である画像形成装置200に、印刷ジョブを送信する。機体決定部115が決定した使用機体が複数台の画像形成装置200を含む場合には、印刷ジョブ送信部116は、最上位に順位付けされた画像形成装置200に印刷ジョブを送信することができる。なお、印刷ジョブ送信部116は、印刷ジョブの送信先の画像形成装置200が何れであるのかを示す情報を、通信インタフェース14により印刷ジョブの送信元のユーザ端末300へ通知する。
【0073】
また、印刷システムでは、印刷ジョブの送信元のユーザ端末300のユーザが、何れかの画像形成装置200の設置場所まで移動し、当該画像形成装置200のコントロールパネル216からの印刷実行指示を受けて、当該画像形成装置200での印刷を開始する利用形態がある。このような場合には、印刷ジョブ送信部116は、使用機体と決定した画像形成装置200に直ちに印刷ジョブを送信するのではなく、何れかの画像形成装置200からの印刷実行指示が通信インタフェース14により受信されるのを待つ。そして、印刷実行指示を受信すると、印刷ジョブ送信部116は、決定した使用機体に当該画像形成装置200が含まれるか否か確認し、使用機体に含まれれば、通信インタフェース14により当該画像形成装置200へ印刷ジョブを送信する。
【0074】
これに対して、決定した使用機体に当該画像形成装置200が含まれない場合には、印刷ジョブ送信部116は、当該画像形成装置200での印刷ではなく、決定した使用機体による印刷をユーザにリコメンドする。具体的には、印刷ジョブ送信部116は、決定した使用機体についての情報を、通信インタフェース14により当該画像形成装置200へ送信することで、そのコントロールパネル216に表示させる。そして、印刷ジョブ送信部116は、通信インタフェース14により、ユーザのコントロールパネル216の操作による使用機体の選択結果を受信すると、通信インタフェース14によりその選択された画像形成装置200へ印刷ジョブを送信する。なお、機体決定部115が決定した使用機体が複数台の画像形成装置200を含む場合には、リコメンドは、その複数台の画像形成装置200をユーザに提示することができ、これにより、それら複数台の使用機体の中からユーザが所望する機体で印刷を実行することが可能となる。
【0075】
このような構成のサーバ装置100は、図示しない電源スイッチのON操作により電源が投入されると、制御プログラムが起動し、機器管理サーバ101及び動作管理サーバ102としての情報処理を実行する。
【0076】
以下、サーバ装置100における機器管理サーバ101としての情報処理である機器管理処理と、動作管理サーバ102としての情報処理である動作管理処理と、について詳細に説明する。
【0077】
図6は、本実施形態に係るサーバ装置100における機器管理処理の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示すと共に以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用することができる。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶された制御プログラムに基づいてこの処理を実行する。なお、ここでは、印刷システムに参加する画像形成装置200及びユーザ端末300のそれぞれについて、画像品質データベース131及び機器データベース132に、各装置IDがセットされたデータレコードが登録済みであるとする。
【0078】
サーバ装置100のプロセッサ11は、ACT101において、画像品質取得部111として動作して、通信インタフェース14により、何れかの画像形成装置200から送信されてきた画像品質情報を受信したか否か判定する。
【0079】
画像形成装置200は、任意の時点に、スキャン部214により基準ペーパをスキャンすることで、当該画像形成装置200の画像形成部205が形成する画像の品質を示す画像品質情報を生成し、ネットワークNWを介してサーバ装置100に、その生成した画像品質情報を送信することができる。基準ペーパは、画像形成装置200の副走査方向つまりスキャン部214及び画像形成部205の副走査方向に、階調性を有する単色の基準画像が形成された原稿である。基準画像の色は、画像形成部205が形成する画像の色に対応する。画像形成装置200が例えば黒一色のモノクロ画像を形成する画像形成装置では、黒一色分の画像形成部205しか有さないので、基準ペーパは1枚で良い。これに対して、図2に示したようなCMYKの4色用に、画像形成部2051、画像形成部2052、画像形成部2053及び画像形成部2054の4つの画像形成部205を備える画像形成装置200に対しては、CMYKそれぞれの色の画像が形成された4枚の基準ペーパが使用される。
【0080】
図7は、基準ペーパRPの一例を示す図である。この例では、基準ペーパRPには、スキャン部214及び画像形成部205の主走査方向である画像形成装置200の前後方向におけるフロント側とリア側の2箇所の離間した位置のそれぞれに、単色で且つ副走査方向に階調性を有する基準画像が形成されている。すなわち、基準画像は、副走査方向に離間して整列配置した濃度が異なる複数の矩形画像の列を、主走査方向に離間して2つ配置したものである。
【0081】
画像形成装置200のメーカ、販売者、或いは印刷システムの管理者は、基準となる高品質の画像形成装置を用いて、基準用紙にこのような基準画像を形成することで基準ペーパRPを準備する。準備された基準ペーパRPは、例えば画像形成装置200の保守点検を実施するサービスマンに配布されたり、画像形成装置200に添付されたりすることができる。或いは、各画像形成装置200にて、全画像形成装置に共通である基準画像を、予め用意された基準用紙上に形成させることで、基準ペーパRPを準備するものとしても良い。サービスマン又は画像形成装置200のユーザは、画像形成装置の設置時、保守点検時、トナーカートリッジ204の交換時、等の任意の時点に、この準備された基準ペーパRP上の基準画像を、画像形成装置200のスキャン部214に読み取らせる。これにより、画像形成装置200は、基準画像の読み取り結果を画像品質情報としてサーバ装置100へ送信する。
【0082】
図6の説明に戻る。
プロセッサ11は、画像品質情報を受信したという判定に基づき(ACT101、YES)、ACT102において、受信した画像品質情報を、画像品質データベース131に記憶させる。具体的には、プロセッサ11は、画像品質情報を送信してきた画像形成装置200のネットワークアドレスに基づいて、機器データベース132より装置IDを取得し、その装置IDに対応する画像品質データベース131の品質情報レコード1311に、画像品質情報をセットする。その後、プロセッサ11は、上記ACT101の処理動作に移行する。
【0083】
また、プロセッサ11は、画像品質情報を受信していないという判定に基づき(ACT101、NO)、ACT103において、機器情報取得部112として動作して、通信インタフェース14により、何れかの画像形成装置200又は何れかのユーザ端末300から送信されてきた機器情報を受信したか否か判定する。プロセッサ11は、機器情報を受信していないという判定に基づき(ACT103、NO)、上記ACT101の処理動作に移行する。
【0084】
これに対して、プロセッサ11は、機器情報を受信したという判定に基づき(ACT103、YES)、ACT104において、受信した機器情報を、機器データベース132に記憶させる。具体的には、プロセッサ11は、機器情報として稼働状態情報を受信した場合には、その稼働状態情報を送信してきた画像形成装置200のネットワークアドレスに基づいて、機器データベース132の該当する機器情報レコード1321に、その受信した稼働状態情報をセットする。また、機器情報としてユーザ端末300から設置位置情報を受信した場合には、プロセッサ11は、その設置位置情報を送信してきたユーザ端末300のネットワークアドレスに基づいて、機器データベース132の該当する機器情報レコード1321に、その受信した設置位置情報をセットする。その後、プロセッサ11は、上記ACT101の処理動作に移行する。
【0085】
図8及び図9は、本実施形態に係るサーバ装置100における動作管理処理の一例を示す一連のフローチャートである。なお、図8及び図9に示すと共に以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用することができる。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶された制御プログラムに基づいてこの処理を実行する。プロセッサ11は、この処理と図6に示した機器管理処理とを併行して同時に実行することができる。なお、特に説明が無い限り、プロセッサ11の処理は、ACTn(nは、自然数。)の後、ACT(n+1)へと遷移するものとする。
【0086】
サーバ装置100のプロセッサ11は、ACT111において、印刷ジョブ受信部113として動作して、何れかのユーザ端末300から送信されてきた印刷ジョブを受信したか否か判定する。プロセッサ11は、印刷ジョブを受信していないという判定に基づき(ACT111、NO)、このACT111の処理動作を繰り返す。即ち、プロセッサ11は、印刷ジョブを受信したと判定するまで、このACT111の処理動作を継続する。プロセッサ11は、印刷ジョブを受信するのを待つと言うこともできる。
【0087】
プロセッサ11は、印刷ジョブを受信したという判定に基づき(ACT111、YES)、ACT112において、受信した印刷ジョブを、印刷ジョブ記憶部133に記憶させる。具体的には、プロセッサ11は、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300のネットワークアドレスに基づいて機器データベース132よりの送信元のユーザ端末300の装置IDを取得し、その装置IDに紐付けて、受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部133に記憶させる。
【0088】
プロセッサ11は、ACT113において、解析部114として動作して、印刷ジョブ記憶部133に記憶された印刷ジョブを解析し、1枚の用紙に形成するべき画像において、フロント側とリア側とで同一単色濃度部が有るか否か判定する。プロセッサ11は、この判定を、画像形成部205の色毎に実行する。プロセッサ11は、同一単色濃度部が無いという判定に基づき(ACT113、NO)、後述するACT117の処理動作に移行する。
【0089】
これに対して、同一単色濃度部が有るという判定に基づき(ACT113、YES)、プロセッサ11は、ACT114において、印刷ジョブ記憶部133に記憶された印刷ジョブから、その同一単色濃度部の濃度を解析する。
【0090】
ACT115において、プロセッサ11は、機体決定部115として動作して、ACT114で解析した濃度と、画像品質データベース131に記憶された画像品質情報と、に基づいて、複数の画像形成装置200の中から、適正機体を抽出する。具体的には、プロセッサ11は、ACT114で解析した単色の濃度について、画像品質データベース131に記憶された各画像形成装置200の画像品質情報で示されるフロント側とリア側の2箇所の離間した位置での濃度差を確認する。プロセッサ11は、この濃度差が少ない、つまり、規定の濃度差以下である画像形成装置200を、適正機体として抽出する。ここで、多くの場合、複数台の画像形成装置200が適正機体として抽出される。
【0091】
ACT116において、プロセッサ11は、ACT115で適正機体として抽出された複数台の画像形成装置200の中から、使用機体を選定する。プロセッサ11は、この使用機体の選定を、機器データベース132に記憶された設置位置情報に基づいて実施する。具体的には、プロセッサ11は、適正機体として抽出した各画像形成装置200の中で、機器データベース132に記憶された稼働状態が印刷可能な状態を示すものを絞り込む。そして、プロセッサ11は、機器データベース132に記憶された設置位置情報により、それら絞り込んだ各画像形成装置200の設置位置と、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300の設置位置と、を確認する。プロセッサ11は、両者の関係が予め決められた位置条件に合致する画像形成装置200を、使用機体として選定する。
【0092】
このようにして、プロセッサ11は、印刷システムに参加する複数台の画像形成装置200をユーザ端末300毎に限定し、その限定した画像形成装置200の中から抽出した適正機体を、印刷ジョブで示される印刷に使用する使用機体として決定する。プロセッサ11は、選定したつまり決定した使用機体を示す情報、例えば装置IDを、メインメモリ12の揮発性のメモリ領域に記憶する。なお、使用機体として決定する画像形成装置200は複数台有っても良く、プロセッサ11は、それら複数台の使用機体を、位置条件との合致度により順位付けすることができる。
【0093】
ACT117において、プロセッサ11は、印刷ジョブ送信部116として動作して、使用機体が規定済みであるか否か判定する。具体的には、プロセッサ11は、印刷ジョブ記憶部133に記憶された印刷ジョブが、印刷を行う画像形成装置200を指定する情報を含むか否かを判定する。例えば、ユーザ端末300においてユーザが印刷に使用する画像形成装置200を指定していたり、予めユーザ端末300毎に使用する画像形成装置200が設定されていたりする場合が有り得る。プロセッサ11は、使用機体が規定済みでないという判定に基づき(ACT117、NO)、後述するACT123の処理動作に移行する。
【0094】
これに対して、使用機体が規定済みであるという判定に基づき(ACT117、YES)、プロセッサ11は、ACT118において、ACT116で使用機体が選定済みであるか否か判定する。具体的には、プロセッサ11は、メインメモリ12の揮発性のメモリ領域に使用機体が記憶されているか否かを判定する。
【0095】
プロセッサ11は、使用機体が選定済みでないという判定に基づき(ACT118、NO)、ACT119において、通信インタフェース14により、印刷ジョブにおいて使用機体として規定されている規定機体の画像形成装置200へ印刷ジョブを送信する。
【0096】
ACT120において、プロセッサ11は、送信済みの印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部133から消去する。その後、プロセッサ11は、上記ACT111の処理動作に移行する。
【0097】
また、使用機体が選定済みであるという判定に基づき(ACT118、YES)、プロセッサ11は、ACT121において、通信インタフェース14により、メインメモリ12に使用機体として記憶されている、選定機体である画像形成装置200へ、印刷ジョブを送信する。なお、メインメモリ12に使用機体が複数台記憶されていた場合には、プロセッサ11は、それら記憶された使用機体の内、最上位に順位付けされているものを選定機体とする。
【0098】
プロセッサ11は、ACT122において、通信インタフェース14により、印刷ジョブの送信先の画像形成装置200が何れであるのか、つまり、どの画像形成装置200で印刷を実行したかを示す印刷先情報を通知する。この印刷先情報の通知先は、例えば、印刷ジョブにおいて使用機体として規定されている規定機体の画像形成装置200であって良い。この印刷先情報の通知を受信した画像形成装置200では、コントロールパネル216により、印刷された用紙を取りに来たユーザに対して、当該画像形成装置では適正な印刷が行えないため、印刷先情報で示される画像形成装置200で印刷される旨のメッセージを提示することができる。或いは、通知先は、印刷ジョブの送信元のユーザ端末300であっても良い。ユーザ端末300では、この印刷先情報に従って、印刷先の画像形成装置200をユーザに提示することができる。勿論、規定機体の画像形成装置200と印刷ジョブの送信元のユーザ端末300の両方に印刷先情報を通知しても構わない。その後、プロセッサ11は、上記ACT120の処理動作に移行する。
【0099】
また、使用機体が規定済みでないという判定に基づき(ACT117、NO)、プロセッサ11は、ACT123において、通信インタフェース14により、何れかの画像形成装置200から印刷選択情報を受信したか否か判定する。例えば、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300のユーザは、使用機体を規定していない場合、任意の画像形成装置200のコントロールパネル216を操作して、当該画像形成装置200での印刷ジョブの実行を指示する。なおその際、印刷ジョブが複数有る場合には、ユーザは、実行する印刷ジョブを選択することができる。画像形成装置200は、ユーザによって選択された印刷ジョブを実行するために、その選択された印刷ジョブを示す印刷選択情報をサーバ装置100へ送信する。サーバ装置100のプロセッサ11は、印刷選択情報を受信していないという判定に基づき(ACT123、NO)、このACT123の処理動作を繰り替え。即ち、プロセッサ11は、印刷選択情報を受信したと判定するまで、このACT123の処理動作を継続する。プロセッサ11は、印刷選択情報を受信するのを待つと言うこともできる。
【0100】
プロセッサ11は、印刷選択情報を受信したという判定に基づき(ACT123、YES)、ACT124において、ACT116で使用機体が選定済みであるか否か判定する。具体的には、プロセッサ11は、メインメモリ12の揮発性のメモリ領域に使用機体が記憶されているか否かを判定する。
【0101】
プロセッサ11は、使用機体が選定済みでないという判定に基づき(ACT124、NO)、ACT125において、ACT123で受信した印刷選択情報で示される選択機体の画像形成装置200へ、通信インタフェース14により、印刷ジョブ記憶部133に記憶されている印刷ジョブを送信する。
【0102】
ACT126において、プロセッサ11は、送信済みの印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部133から消去する。その後、プロセッサ11は、上記ACT111の処理動作に移行する。
【0103】
また、使用機体が選定済みであるという判定に基づき(ACT124、YES)、プロセッサ11は、通信インタフェース14により、ACT123で受信した印刷選択情報の送信元である画像形成装置200へ、メインメモリ12に使用機体として記憶されている、1台以上の選定機体のリストを送信する。この選定機体のリストを受信した画像形成装置200は、コントロールパネル216にそのリストを表示すると共に、当該画像形成装置では適正な印刷が行えないため、そのリストから印刷に使用する画像形成装置を選択するよう要請するメッセージを表示することができる。そして、画像形成装置200は、ユーザによる画像形成装置の選択操作を受けて、その選択操作に応じた使用機体選択情報を、サーバ装置100に返信する。
【0104】
ACT128において、プロセッサ11は、通信インタフェース14により、選定機体のリストの送信先である画像形成装置200から使用機体選択情報を受信したか否か判定する。プロセッサ11は、使用機体選択情報を受信していないという判定に基づき(ACT128、NO)、このACT128の処理動作を繰り替え。即ち、プロセッサ11は、使用機体選択情報を受信したと判定するまで、このACT128の処理動作を継続する。プロセッサ11は、使用機体選択情報を受信するのを待つと言うこともできる。
【0105】
使用機体選択情報を受信したという判定に基づき(ACT128、YES)、プロセッサ11は、ACT129において、通信インタフェース14により、使用機体選択情報で示される選択機体の画像形成装置200へ、印刷ジョブ記憶部133に記憶されている印刷ジョブを送信する。なお、その後、プロセッサ11は、上記ACT126の処理動作に移行する。
【0106】
なお、画像品質情報を取得するのに使用する基準ペーパRPは、図7に示したものに限定されない。例えば、図10に示すように、スキャン部214及び画像形成部205の副走査方向である画像形成装置200の左右方向における2箇所の離間した位置のそれぞれに、単色で且つ主走査方向に階調性を有する基準画像が形成された基準ペーパRPとしても良い。更には、図11に示すように、主走査方向である画像形成装置200の前後方向と、副走査方向である画像形成装置200の左右方向との、少なくとも2箇所、この例では5箇所の離間した位置のそれぞれに、単色で且つ副走査方向に階調性を有する基準画像が形成された基準ペーパRPとしても良い。
【0107】
また、図7に示した基準ペーパRPでは、副走査方向に離間して整列配置した濃度が異なる複数の矩形画像の列を、主走査方向に離間して2つ配置した基準画像としてるが、図12に示すように、それぞれ副走査方向にリニアに階調が変化する画像を、主走査方向に離間して2つ配置した基準画像とすることもできる。また、図13に示すように、主走査方向に同一濃度が連続し、副走査方向にリニアに階調が変化する画像を基準画像とする基準ペーパRPとしても良い。この場合、スキャンして読み取った基準画像の内、主走査方向である画像形成装置200の前後方向の2箇所における読み取り結果を、画像品質情報とすることで、図7の基準ペーパRPを用いた場合と同様の画像品質情報が得られる。
【0108】
以上のように、それぞれスキャン機能を提供するスキャン部214を有する複数の画像形成装置200及びそれら複数の画像形成装置200の何れかで形成するべき画像を提供するユーザ端末300とネットワークNWを介して通信する本実施形態に係るサーバ装置100においては、プロセッサ11は、印刷ジョブ受信部113として動作して、ユーザ端末300が送信した形成するべき画像を示すジョブ情報である印刷ジョブを受信して、その受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部133に記憶させる。このように、プロセッサ11は、受信手段として機能する。また、プロセッサ11は、解析部114として動作して、印刷ジョブ記憶部133に記憶した印刷ジョブから、形成するべき画像における濃度を解析する。このように、プロセッサ11は、解析手段として機能する。そして、プロセッサ11は、機体決定部115として動作して、その解析した濃度と、第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置において第1の方向と直交する第2の方向に階調性を有する単色の基準画像が形成された基準ペーパRPを、複数の画像形成装置200のそれぞれでスキャンして得られた、複数の画像形成装置200それぞれの画像品質情報と、に基づいて、複数の画像形成装置200の中から印刷ジョブで示される画像を形成するのに適した適正機体を決定する。このように、プロセッサ11は、決定手段として機能する。
このように、本実施形態に係るサーバ装置100においては、プロセッサ11は、画像形成装置200の画像形成部205の画像形成性能と対応する画像読み取り性能を持っているスキャン部214によって、基準画像が形成された基準ペーパRPを読み取ることで得られた画像品質情報を用いて、印刷ジョブで示される画像を形成するのに適した画像形成性能を当該画像形成装置200が備えているか確認することで、複数の画像形成装置200の中から当該画像を形成するのに適した適正機体を決定する。よって、サーバ装置100は、ユーザの高品質な印刷要求に応えられる画像形成装置200を決定することができる。
【0109】
ここで、複数の画像形成装置200それぞれにおいて、スキャン部214のスキャンと画像形成部205の画像形成とでは、第1の方向及び第2の方向が同じ方向であり、プロセッサ11は、形成するべき画像が、スキャン部214の第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置に対応する、画像形成部205の第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置に、同一単色濃度部が存在するか解析し、同一単色濃度部が存在する場合に、適正機体を決定する
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は、第1の方向の2箇所の離間した位置に同一単色濃度部が存在するような高品質な印刷が必要な場合にのみ、適正機体を決定する処理を実施し、それ以外の場合にはその処理を実施しないので、無駄となる処理を省くことができる。
【0110】
なお、プロセッサ11は、複数の画像形成装置200の中から、画像形成部205の第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置において、同一単色濃度部の濃度の濃度差が小さい機体を適正機体として決定する。
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は、第1の方向の少なくとも2箇所の離間した位置における同一単色濃度部の濃度差が小さい、高品質な印刷を実現できる画像形成装置200を適正機体として決定することができる。
【0111】
ここで、第1の方向は、スキャン及び画像形成の主走査方向であり、第2の方向は、スキャン及び画像形成の副走査方向である。
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は、主走査方向の例えばフロント側とリア側等の2箇所の離間した位置に同一単色濃度部が存在する画像を形成するのに適した適正機体を決定することができる。
【0112】
また、プロセッサ11は、複数の画像形成装置200の内、ユーザ端末300の使用機体として限定されている画像形成装置200の中から、適正機体を決定する。
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は、適正機体として決定する画像形成装置200の範囲を限定することができるので、よりユーザに適した適正機体を決定することが可能となる。例えば、サーバ装置100は、機器データベース132に記憶された位置情報に基づいて、ユーザ端末300のユーザが利用可能な画像形成装置200を限定することができる。
【0113】
また、本実施形態に係るサーバ装置100は、複数の画像形成装置200それぞれで得られた画像品質情報を記憶する記憶手段として機能する画像品質データベース131をさらに備える。
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は複数の画像形成装置200の画像品質情報を一括管理することで、容易に適正機体を決定することができる。
【0114】
また、本実施形態に係るサーバ装置100においては、プロセッサ11は、印刷ジョブ送信部116として動作して、適正機体と決定された画像形成装置200へ、印刷ジョブ記憶部133に記憶されたジョブ情報である印刷ジョブを送信する。このように、プロセッサ11は、送信手段として機能する。
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は、適正機体として決定した画像形成装置200に印刷ジョブを実行させて、ユーザの高品質な印刷要求に応える印刷結果を得ることが可能となる。
【0115】
また、本実施形態に係るサーバ装置100においては、プロセッサ11は、印刷ジョブ送信部116として動作して、適正機体と決定された画像形成装置200を示す決定結果を外部装置へ送信する。このように、プロセッサ11は、送信手段として機能する。
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300等の外部装置に、適正機体がどの画像形成装置200であるのかを示す決定結果を提示させることができる。
【0116】
また、外部装置は、ジョブ情報である印刷ジョブの送信元であるユーザ端末を使用するユーザが操作する画像形成装置を含み、プロセッサ11は、ユーザが操作する画像形成装置200からの、適正機体と決定された画像形成装置200の選択操作に応じて、選択された画像形成装置200へ、ジョブ情報である印刷ジョブを送信する。
よって、本実施形態に係るサーバ装置100は、ユーザが操作する画像形成装置に提示された適正機体を見たユーザに、実際の印刷に使用する画像形成装置200を選択させられるようになる。
【0117】
[第2実施形態]
第1実施形態に係るサーバ装置100は、機器管理サーバ101と動作管理サーバ102との2つの仮想サーバ機能を備えている。これら2つの仮想サーバ機能を、2つの物理的に分離したサーバ装置によって実現するようにしても良い。
【0118】
図14は、第2実施形態に係るサーバ装置として機能する機器管理サーバ装置400及び動作管理サーバ装置500を含む印刷システムの概略構成図である。機器管理サーバ装置400は、機器管理サーバ101に対応し、例えば、画像形成装置200の保守点検を実施する保守点検会社が運用するサーバ装置であることができる。動作管理サーバ装置500は、動作管理サーバ102に対応し、例えば、プリントサービス会社が運用するサーバ装置や社内サーバ装置等であることができる。
【0119】
図15は、機器管理サーバ装置400の回路構成の一例を示すブロック図である。機器管理サーバ装置400は、一例として、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43及び通信インタフェース44を含み、プロセッサ41に、メインメモリ42、補助記憶デバイス43及び通信インタフェース44の各部を、アドレスバス,データバスなどのバスライン45で接続する。プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、通信インタフェース44及びバスライン45は、第1実施形態に係るサーバ装置100のプロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14及びバスライン15と同様のハードウェア構成を有する。
【0120】
ここで、機器管理サーバ装置400の補助記憶デバイス43に構成される各部について説明する。補助記憶デバイス43は、例えば、画像品質データベース431及び機器データベース432を記憶する。なお、図15では、「データベース」を「DB」と略記している。
【0121】
画像品質データベース431は、各画像形成装置200の画像品質情報を管理するためのデータベースであり、登録された画像形成装置200に関連付けられたデータレコードの集合である。この画像品質データベース431は、第1実施形態に係るサーバ装置100における画像品質データベース131と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0122】
また、機器データベース432は、各画像形成装置200及び各ユーザ端末300を管理するためのデータベースであり、登録された画像形成装置200又はユーザ端末300に関連付けられたデータレコードの集合である。この機器データベース432についても、第1実施形態に係るサーバ装置100における機器データベース132と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0123】
次に、機器管理サーバ装置400のプロセッサ41に実装される各部について説明する。プロセッサ41は、例えば、画像品質取得部411、機器情報取得部412、問合せ受信部413、機体決定部414及び機体通知部415を実装する。プロセッサ41に実装される各部は、各機能と言うこともできる。プロセッサ41に実装される各部は、プロセッサ41及びメインメモリ42を含む制御部に実装されると言うこともできる。
【0124】
画像品質取得部411は、各画像形成装置200から送信されてくる画像品質情報を、通信インタフェース44を介して取得して、画像品質データベース431に記憶させる。この画像品質取得部411は、第1実施形態に係るサーバ装置100における画像品質取得部111と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0125】
機器情報取得部412は、各画像形成装置200及び各ユーザ端末300から送信され来る機器情報を、通信インタフェース44を介して取得して、機器データベース432に記憶させる。この機器情報取得部412、第1実施形態に係るサーバ装置100における機器情報取得部112と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0126】
問合せ受信部413は、動作管理サーバ装置500からネットワークNWを介して送信されてくる問合せを受信する。この問合せは、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300の装置IDと、印刷ジョブから解析した形成するべき画像における濃度を示す濃度情報と、を含むことかできる。問合せ受信部413は、受信した問合せを機体決定部414に伝達する。
【0127】
機体決定部414は、問合せ受信部413が受信した問合せの内容と、画像品質データベース431に記憶された画像品質情報と、機器データベース432に記憶された設置位置情報と、に基づいて、複数の画像形成装置200の中から、印刷ジョブで示される印刷に使用する使用機体を決定する。この機体決定部414は、第1実施形態に係るサーバ装置100における機体決定部115と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0128】
機体通知部415は、機体決定部414が使用機体として決定した画像形成装置200を示す使用機体情報を、通信インタフェース44により動作管理サーバ装置500へ通知する。使用機体情報は、使用機体として決定した画像形成装置200の装置ID及びネットワークアドレスを含むことができる。
【0129】
図16は、動作管理サーバ装置500の回路構成の一例を示すブロック図である。
動作管理サーバ装置500は、一例として、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53及び通信インタフェース54を含み、プロセッサ51に、メインメモリ52、補助記憶デバイス53及び通信インタフェース54の各部を、アドレスバス,データバスなどのバスライン55で接続する。プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インタフェース54及びバスライン55は、第1実施形態に係るサーバ装置100におけるプロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14及びバスライン15と同様のハードウェア構成を有する。
【0130】
ここで、動作管理サーバ装置500の補助記憶デバイス53に構成される各部について説明する。補助記憶デバイス53は、例えば、印刷ジョブ記憶部531を含む。印刷ジョブ記憶部531は、ユーザ端末300から送信されてきた印刷ジョブを一時記憶する記憶部である。印刷ジョブは、形成するべき画像を示す情報、ユーザ端末300を示す情報、印刷を行う機体として規定した画像形成装置200を示す情報、ユーザ端末300の設置位置情報、等の付帯情報を含むジョブ情報である。
【0131】
次に、動作管理サーバ装置500のプロセッサ51に実装される各部について説明する。プロセッサ51は、例えば、印刷ジョブ受信部511、解析部512、問合せ部513及び印刷ジョブ送信部514を実装する。プロセッサ51に実装される各部は、各機能と言うこともできる。プロセッサ51に実装される各部は、プロセッサ51及びメインメモリ52を含む制御部に実装されると言うこともできる。
【0132】
印刷ジョブ受信部511は、ユーザ端末300から送信されてきた印刷ジョブを、通信インタフェース54を介して受信して、印刷ジョブ記憶部531に記憶させる。この印刷ジョブ受信部511は、第1実施形態に係るサーバ装置100における印刷ジョブ受信部113と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0133】
解析部512は、印刷ジョブ記憶部531に記憶された印刷ジョブから、形成するべき画像における濃度を解析する。この解析部512は、第1実施形態に係るサーバ装置100における解析部114と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0134】
問合せ部513は、解析部512が解析した濃度を示す濃度情報と、印刷ジョブの送信元であるユーザ端末300の装置IDと、を含む問合せを、通信インタフェース54により機器管理サーバ装置400へ送信する。更に、問合せ部513は、この問合せに対する返答として機器管理サーバ装置400から通知される使用機体情報を通信インタフェース54を介して受信する。
【0135】
印刷ジョブ送信部514は、問合せ部513が受信した使用機体情報に含まれる使用機体として決定した画像形成装置200の装置ID及びネットワークアドレスに基づいて、印刷ジョブ記憶部531に記憶さている印刷ジョブを、使用機体である画像形成装置200に通信インタフェース54を介して送信する。この印刷ジョブ送信部514は、使用機体の伝達元が異なる点を除いては、第1実施形態に係るサーバ装置100における印刷ジョブ送信部116と同様のものであり、よって、その詳細説明は省略する。
【0136】
図17は、機器管理サーバ装置400における機器管理処理の一例を示すフローチャートである。なお、図17に示すと共に以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用することができる。プロセッサ41は、図示しない電源スイッチのON操作により電源が投入されると、メインメモリ42又は補助記憶デバイス43に記憶された制御プログラムが起動し、その制御プログラムに基づいてこのフローチャートに示す情報処理を実行する。なお、ここでは、印刷システムに参加する画像形成装置200及びユーザ端末300のそれぞれについて、画像品質データベース431及び機器データベース432に、各装置IDがセットされたデータレコードが登録済みであるとする。
【0137】
機器管理サーバ装置400のプロセッサ41が実行するACT401、ACT402及びACT404の処理動作については、第1実施形態に係るサーバ装置100での機器管理処理におけるACT101、ACT102及びACT104の処理動作と同様である。また、ACT403での判定とその判定結果がYESである場合の処理動作については、第1実施形態に係るサーバ装置100での機器管理処理におけるACT103の判定とその判定結果がYESである場合の処理動作と同様である。よって、それらの詳細説明は省略する。
【0138】
本第2実施形態においては、機器管理サーバ装置400のプロセッサ41は、ACT403における機器情報を受信していないという判定に基づき(ACT403、NO)、ACT405において、問合せ受信部413として動作して、通信インタフェース14により、動作管理サーバ装置500からの問合せを受信したか否か判定する。プロセッサ41は、問合せを受信していないという判定に基づき(ACT405、NO)、上記ACT401の処理動作に移行する。
【0139】
図18は、動作管理サーバ装置500における機器管理処理の一例を示すフローチャートである。なお、図18に示すと共に以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用することができる。プロセッサ51は、図示しない電源スイッチのON操作により電源が投入されると、メインメモリ52又は補助記憶デバイス53に記憶された制御プログラムが起動し、その制御プログラムに基づいてこのフローチャートに示す情報処理を実行する。
【0140】
動作管理サーバ装置500のプロセッサ51が実行するACT501、ACT502及びACT504の処理動作については、第1実施形態に係るサーバ装置100での動作管理処理におけるACT111、ACT112及びACT114の処理動作と同様である。また、ACT503での判定とその判定結果がYESである場合の処理動作については、第1実施形態に係るサーバ装置100での機器管理処理におけるACT113の判定とその判定結果がYESである場合の処理動作と同様である。よって、それらの詳細説明は省略する。
【0141】
本第2実施形態においては、動作管理サーバ装置500のプロセッサ51は、ACT503における同一単色濃度部が無いという判定に基づき(ACT503、NO)、後述するACT507の処理動作に移行する。
【0142】
また、本第2実施形態においては、プロセッサ51は、ACT504で印刷ジョブ記憶部133に記憶された印刷ジョブから同一単色濃度部の濃度を解析した後、ACT505において、問合せ部513として動作して、通信インタフェース54により、機器管理サーバ装置400へ問合せを送信する。
【0143】
その後、プロセッサ51は、ACT506において、問合せに対する返答として機器管理サーバ装置400から通知される使用機体情報を通信インタフェース54を介して受信したか否か判定する。プロセッサ51は、使用機体情報を受信していないという判定に基づき(ACT506、NO)、このACT506の処理動作を繰り返す。即ち、プロセッサ51は、使用機体情報を受信したと判定するまで、このACT506の処理動作を継続する。プロセッサ51は、使用機体情報を受信するのを待つと言うこともできる。
【0144】
図17の説明に戻る。
機器管理サーバ装置400のプロセッサ41は、問い合わせを受信したという判定に基づき(ACT405、YES)、ACT406において、機体決定部414として動作して、受信した問合せに含まれる濃度情報で示される濃度と、画像品質データベース431に記憶された画像品質情報と、に基づいて、複数の画像形成装置200の中から、適正機体を抽出する。このACT406の処理動作は、受信した問合せに含まれる濃度情報で示される濃度を使用することを除いては、第1実施形態に係るサーバ装置100での動作管理処理におけるACT115の処理動作と同様であり、よって、その詳細説明は省略する。
【0145】
ACT407において、プロセッサ41は、ACT406で適正機体として抽出された複数台の画像形成装置200の中から、使用機体を選定する。このACT407の処理動作は、第1実施形態に係るサーバ装置100での動作管理処理におけるACT116の処理動作と同様であり、よって、その詳細説明は省略する。
【0146】
ACT408において、プロセッサ41は、機体通知部415として動作して、使用機体として選定した画像形成装置200を示す使用機体情報を、通信インタフェース44により動作管理サーバ装置500へ通知する。その後、プロセッサ41は、上記ACT401の処理動作に移行する。
【0147】
図18の説明に戻る。
動作管理サーバ装置500のプロセッサ51は、使用機体情報を受信したという判定に基づき(ACT506、YES)、ACT507において、印刷ジョブ送信部514として動作して、印刷ジョブ送信処理を実行する。この印刷ジョブ送信処理は、第1実施形態に係るサーバ装置100での動作管理処理におけるACT117乃至ACT126の処理動作と同様である。よって、その詳細説明は省略する。この印刷ジョブ送信処理におけるACT120又はACT126と同様の印刷ジョブ消去の処理動作を実施後、プロセッサ51は、上記ACT501の処理動作に移行する。
【0148】
以上のように、本第2実施形態に係るサーバ装置としての動作管理サーバ装置500のプロセッサ51は、印刷ジョブ受信部511として動作して、ユーザ端末300が送信した形成するべき画像を示すジョブ情報である印刷ジョブを受信して、その受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部531に記憶させる。このように、プロセッサ51は、受信手段として機能する。また、プロセッサ51は、解析部512として動作して、印刷ジョブ記憶部531に記憶した印刷ジョブから、形成するべき画像における濃度を解析する。このように、プロセッサ51は、解析手段として機能する。また、プロセッサ51は、問合せ部513として動作して、その解析した濃度を示す濃度情報を機器管理サーバ装置400へ送信する。機器管理サーバ装置400のプロセッサ41は、問合せ受信部413として動作して、この動作管理サーバ装置500からの問い合わせを受信すると、機体決定部414として動作して、受信した問合せに含まれる濃度情報と、スキャンの主走査方向の少なくとも2箇所の離間した位置においてスキャンの副走査方向に階調性を有する単色の基準画像が形成された基準ペーパRPを、複数の画像形成装置200のそれぞれでスキャンして得られた、複数の画像形成装置200それぞれの画像品質情報と、に基づいて、複数の画像形成装置200の中から印刷ジョブで示される画像を形成するのに適した適正機体を決定する。プロセッサ41は、機体通知部415として動作して、決定した適正機体を動作管理サーバ装置500へ通知する。問合せ部513として機能している動作管理サーバ装置500のプロセッサ51は、この適正機体の通知を受信することで、適正機体を決定する。このように、動作管理サーバ装置500のプロセッサ51は、決定手段の第1及び第3の部分として機能し、機器管理サーバ装置400のプロセッサ41は、決定手段の第2の部分として機能する。
このように、本第2実施形態に係るサーバ装置においても、第1実施形態に係るサーバ装置100と同様に、画像形成装置200の画像形成部205の画像形成性能と対応する画像読み取り性能を持っているスキャン部214によって、基準画像が形成された基準ペーパRPを読み取ることで得られた画像品質情報を用いて、印刷ジョブで示される画像を形成するのに適した画像形成性能を当該画像形成装置200が備えているか確認することで、複数の画像形成装置200の中から当該画像を形成するのに適した適正機体を決定する。よって、第2実施形態に係るサーバ装置は、ユーザの高品質な印刷要求に応えられる画像形成装置200を決定することができる。
【0149】
以上、上記第1及び第2実施形態について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、先ず、濃度に基づいて適正機体を抽出し、それら抽出した適正機体を位置情報により限定することで使用機体を選定している。しかしながら、先に、位置情報により抽出対象となる画像形成装置200を限定してから、適正機体を抽出し、抽出された適正機体を使用機体として選定するという手順としても構わない。
【0150】
また、上記実施形態では、サーバ装置100のメインメモリ12又は補助記憶デバイス13、機器管理サーバ装置400のメインメモリ42又は補助記憶デバイス43、及び、動作管理サーバ装置500のメインメモリ52又は補助記憶デバイス53に、制御プログラムが事前に記憶されているものとした。この点に関しては、サーバ装置100、機器管理サーバ装置400及び動作管理サーバ装置500が備える書き込み可能な記憶デバイスに、これらサーバ装置とは個別に譲渡された制御プログラムが管理者などの操作に応じて書き込まれても良い。これら制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルなコンピュータ可読記憶媒体に記憶して、或いはネットワークを介した通信により行うことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0151】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0152】
さらに、これら実施形態及びその変形は、特許請求の範囲に記載された発明に加えて、下記の発明も含み得る。
(1)
前記第1の方向は、前記スキャン及び前記画像形成の主走査方向であり、
前記第2の方向は、前記スキャン及び前記画像形成の副走査方向である、
請求項3に記載のサーバ装置。
(2)
前記決定手段は、前記複数の画像形成装置の内、前記ユーザ端末の使用機体として限定されている画像形成装置の中から、前記適正機体を決定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
(3)
前記複数の画像形成装置それぞれで得られた前記画像品質情報を記憶する記憶手段、
をさらに備える、請求項1に記載のサーバ装置。
(4)
前記外部装置は、前記ジョブ情報の送信元である前記ユーザ端末を使用するユーザが操作する画像形成装置を含み、
前記送信手段は、前記ユーザが操作する画像形成装置からの、前記適正機体と決定された前記画像形成装置の選択操作に応じて、その選択された前記画像形成装置へ、前記ジョブ情報を送信する、
請求項5に記載のサーバ装置。
【符号の説明】
【0153】
11,41,51…プロセッサ、 12,42,52…メインメモリ、 13,43,53…補助記憶デバイス、 14,44,54…通信インタフェース、 15,45,55…バスライン、 100…サーバ装置、 101…機器管理サーバ、 102…動作管理サーバ、 111,411…画像品質取得部、 112,412…機器情報取得部、 113,511…印刷ジョブ受信部、 114,512…解析部、 115,414…機体決定部、 116,514…印刷ジョブ送信部、 131,431…画像品質データベース、 1311…品質情報レコード、 132,432…機器データベース、 1321…機器情報レコード、 133,531…印刷ジョブ記憶部、 200…画像形成装置、 205,2051,2052,2053,2054…画像形成部、 214…スキャン部、 216…コントロールパネル、 300…ユーザ端末、 400…機器管理サーバ装置、 413…問合せ受信部、 415…機体通知部、 500…動作管理サーバ装置、 513…問合せ部、 NW…ネットワーク、 RP…基準ペーパ。

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