IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 味の素株式会社の特許一覧

特開2024-167735駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム
<>
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図1
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図2
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図3
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図4
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図5
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図6
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図7
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図8
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図9
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図10
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図11
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図12
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図13
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図14
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図15
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図16
  • 特開-駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167735
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A23P 20/20 20160101AFI20241127BHJP
【FI】
A23P20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084009
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畠山 洸一
(72)【発明者】
【氏名】中島 裕貴
【テーマコード(参考)】
4B048
【Fターム(参考)】
4B048PE13
4B048PK03
4B048PK06
4B048PK08
4B048PP03
4B048PS20
(57)【要約】
【課題】包装物で被包装物を包装して商品を製造する際の製造歩留の向上を図る。
【解決手段】商品生成システムは、被包装物を包装する包装帯を、被包装物を包装可能な大きさにカットして包装物を生成する包装帯カット部と、包装帯カット部により生成された包装物に被包装物を載置する被包装物載置部と、包装物で被包装物を包装した商品を生成するように、包装物に所定の包装加工処理を施す包装部と、生成された商品を移動路に移載する移載機と、を備える。駆動制御装置は、商品生成システムの停止を指示する停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、包装帯カット部、被包装物載置部、包装部、及び、移載機の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する。これにより、不良品の発生を極力抑制でき、商品の製造歩留の向上を図ることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
被包装物を包装する包装帯を、前記被包装物を包装可能な大きさにカットして包装物を生成する包装帯カット部と、
前記包装帯カット部により生成された前記包装物に前記被包装物を載置する被包装物載置部と、
前記包装物で前記被包装物を包装した商品を生成するように、前記包装物に所定の包装加工処理を施す包装部と、
生成された前記商品を移動路に移載する移載機と、
を備えた商品生成システムを駆動制御する駆動制御装置であって、
商品生成システムの停止を指示する停止指示信号を検出する検出部と、
前記検出部で前記停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントするカウント部と、
前記検出部で前記停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する停止制御部と、
を有することを特徴とする駆動制御装置。
【請求項2】
前記カウント部は、前記検出部で前記停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素をカウントし、又は、停止制御された前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機を駆動状態に復帰させる復帰指示信号が前記検出部で検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントし、
前記検出部で前記停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素に基づいて、或いは、前記検出部で前記復帰指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素に基づいて、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機を、前記停止制御部で停止制御された順序、かつ、所定の時間差で駆動状態に復帰させる復帰制御部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
【請求項3】
前記包装帯の移動方向に対して直交する方向である幅方向に沿って連続して設けられ、照射された電磁波の電磁波量に応じたレベルのセンサ出力を、前記停止指示信号として出力する電磁波センサと、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯を介して電磁波を照射し、又は、前記包装帯で反射された電磁波を照射する電磁波照射部と、
を備えた包装帯破れ検出部を、さらに備え、
前記包装帯破れ検出部は、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯を介して電磁波を照射している場合、前記電磁波照射部から前記包装帯に照射された電磁波が、前記包装帯の破損個所を介して前記電磁波センサに、直接的に照射されている間、レベルが上昇する前記停止指示信号を出力し、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯で反射された電磁波を照射している場合、前記電磁波照射部から前記包装帯に照射された電磁波が、前記包装帯の破損個所を介して透過することで非反射状態となっている間、レベルが低下する前記停止指示信号を出力すること、
を特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置。
【請求項4】
操作された際に前記停止指示信号を出力する停止指示出力部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項3に記載の駆動制御装置。
【請求項5】
前記電磁波センサは、前記電磁波の電磁波量をそれぞれ検出する複数のセンサ素子をアレイ状に接続して構成されており、
前記停止制御部は、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯を介して電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値以上上昇した前記センサ素子の数が第1の閾値以上の数である場合に、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の停止制御を行い、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯で反射された電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値未満に低下した前記センサ素子の数が第2の閾値以上の数である場合に、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の停止制御を行うこと、
を特徴とする請求項4に記載の駆動制御装置。
【請求項6】
前記復帰制御部は、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯を介して電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値以上上昇した前記センサ素子の数が前記第1の閾値未満の数である場合に、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の復帰制御を行い、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯で反射された電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値未満に低下した前記センサ素子の数が前記第2の閾値未満の数である場合に、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の復帰制御を行うこと、
を特徴とする請求項5に記載の駆動制御装置。
【請求項7】
前記商品生成システムは、
前記包装帯の巻取を行う巻取ローラ部と、
前記包装帯カット部の位置、前記被包装物載置部の位置、前記包装部の位置、及び、前記移載機の位置に、所定の載置板を順に移動させる載置板移動部と、をさらに備え、
前記停止制御部は、前記巻取ローラ部及び前記載置板移動部の駆動を維持した状態で、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の停止制御を行うこと、
を特徴とする請求項6に記載の駆動制御装置。
【請求項8】
前記停止制御部は、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯を介して電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値以上上昇した前記センサ素子の数が前記第1の閾値よりも大きな値の第3の閾値以上の数である場合に、前記巻取ローラ部、前記載置板移動部、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の停止制御を行い、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯で反射された電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値未満に低下した前記センサ素子の数が前記第2の閾値よりも大きな値の第4の閾値以上の数である場合に、前記巻取ローラ部、前記載置板移動部、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の停止制御を行うこと、
を特徴とする請求項7に記載の駆動制御装置。
【請求項9】
前記商品生成システムは、
前記移載機により前記移動路に移載された前記商品を包装するラッピング装置、及び、前記ラッピング装置により包装された前記商品を箱詰めする箱詰め装置を備え、
前記停止制御部は、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯を介して電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値以上上昇した前記センサ素子の数が前記第1の閾値よりも大きな値の第3の閾値以上の数である場合に、前記巻取ローラ部、前記載置板移動部、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、前記移載機と共に、前記ラッピング装置に前記商品を移送する移送路及び前記箱詰め装置に前記商品を移送する移送路を所定の順序で停止制御し、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯で反射された電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値未満に低下した前記センサ素子の数が前記第2の閾値よりも大きな値の第4の閾値以上の数である場合に、前記巻取ローラ部、前記載置板移動部、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、前記移載機と共に、前記ラッピング装置に前記商品を移送する移送路及び前記箱詰め装置に前記商品を移送する移送路を所定の順序で停止制御すること、
を特徴とする請求項8に記載の駆動制御装置。
【請求項10】
前記復帰制御部は、前記停止制御部により停止制御された順序と反対の順序で、前記ラッピング装置に前記商品を移送する移送路、前記箱詰め装置に前記商品を移送する移送路、前記移載機、前記包装部、前記被包装物載置部、前記包装帯カット部、前記載置板移動部、及び、前記巻取ローラ部を、駆動状態に復帰させること、
を特徴とする請求項9に記載の駆動制御装置。
【請求項11】
前記商品生成システムは、
前記移載機により前記移動路に移載された前記商品を包装するラッピング装置、及び、前記ラッピング装置により包装された前記商品を箱詰めする箱詰め装置を備え、
前記停止制御部は、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯を介して電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値以上上昇したことを示す前記停止指示信号が、前記カウント部で所定時間以上検出された場合に、前記巻取ローラ部、前記載置板移動部、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、前記移載機と共に、前記ラッピング装置に前記商品を移送する移送路及び前記箱詰め装置に前記商品を移送する移送路を所定の順序で停止制御し、
前記電磁波センサに対して、前記包装帯で反射された電磁波を照射している場合、前記レベルが所定の閾値未満に低下したことを示す前記停止指示信号が、前記カウント部で所定時間以上検出された場合に、前記巻取ローラ部、前記載置板移動部、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、前記移載機と共に、前記ラッピング装置に前記商品を移送する移送路及び前記箱詰め装置に前記商品を移送する移送路を所定の順序で停止制御すること、
を特徴とする請求項8に記載の駆動制御装置。
【請求項12】
前記復帰制御部は、前記停止制御部により停止制御された順序と反対の順序で、前記ラッピング装置に前記商品を移送する移送路、前記箱詰め装置に前記商品を移送する移送路、前記移載機、前記包装部、前記被包装物載置部、前記包装帯カット部、前記載置板移動部、及び、前記巻取ローラ部を、駆動状態に復帰させること、
を特徴とする請求項11に記載の駆動制御装置。
【請求項13】
前記巻取ローラ部は、前記包装帯の巻取を行う圧延ローラであり、
前記載置板移動部は、前記包装帯カット部により生成された前記包装物が載置される前記載置板を、前記包装帯カット部の位置、前記被包装物載置部の位置、前記包装部の位置、及び、前記移載機の位置に、順に移動させるモルダー回転盤であること、
を特徴とする請求項7~請求項12のうち、いずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項14】
前記被包装物、及び前記被包装物を包装する包装帯は、共に食品であること、
を特徴とする請求項13に記載の駆動制御装置。
【請求項15】
少なくとも、
被包装物を包装する包装帯を、前記被包装物を包装可能な大きさにカットして包装物を生成する包装帯カット部と、
前記包装帯カット部により生成された前記包装物に前記被包装物を載置する被包装物載置部と、
前記包装物で前記被包装物を包装した商品を生成するように、前記包装物に所定の包装加工処理を施す包装部と、
生成された前記商品を移動路に移載する移載機と、
を備えた商品生成システムを駆動制御する駆動制御装置の駆動制御方法であって、
検出部が、商品生成システムの停止を指示する停止指示信号を検出する検出ステップと、
カウント部が、前記検出ステップで前記停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントするカウントステップと、
停止制御部が、前記検出ステップで前記停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する停止制御ステップと、
を有することを特徴とする駆動制御方法。
【請求項16】
前記カウントステップでは、前記検出ステップで前記停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素をカウントし、又は、停止制御された前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機を駆動状態に復帰させる復帰指示信号が前記検出ステップで検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントし、
復帰制御部が、前記検出ステップで前記停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素に基づいて、或いは、前記検出ステップで前記復帰指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素に基づいて、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機を、前記停止制御ステップで停止制御された順序、かつ、所定の時間差で駆動状態に復帰させる復帰制御ステップを、さらに備えること、
を特徴とする請求項15に記載の駆動制御方法。
【請求項17】
少なくとも、
被包装物を包装する包装帯を、前記被包装物を包装可能な大きさにカットして包装物を生成する包装帯カット部と、
前記包装帯カット部により生成された前記包装物に前記被包装物を載置する被包装物載置部と、
前記包装物で前記被包装物を包装した商品を生成するように、前記包装物に所定の包装加工処理を施す包装部と、
生成された前記商品を移動路に移載する移載機と、
を備えた商品生成システムを駆動制御するコンピュータの駆動制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
商品生成システムの停止を指示する停止指示信号を検出する検出部と、
前記検出部で前記停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントするカウント部と、
前記検出部で前記停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する停止制御部として機能させること、
を特徴とする駆動制御プログラム。
【請求項18】
前記コンピュータは、
前記カウント部として機能した際に、前記検出部で前記停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素をカウントし、又は、停止制御された前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機を駆動状態に復帰させる復帰指示信号が前記検出部で検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントし、
前記検出部で前記停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素に基づいて、或いは、前記検出部で前記復帰指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素に基づいて、前記包装帯カット部、前記被包装物載置部、前記包装部、及び、前記移載機を、前記停止制御部で停止制御された順序、かつ、所定の時間差で駆動状態に復帰させる復帰制御部として、さらに機能すること、
を特徴とする請求項17に記載の駆動制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、小麦粉等を練って作成した帯状の麺帯を所定の大きさにカットして、いわゆる皮を生成し、この皮に具を載置し、載置された具を皮で包み込み、皮の端の部分を圧着加工することで、餃子を生成する成型機が知られている。同様に、ビニールの包装帯を所定の大きさにカットして包装紙を生成し、この包装紙に飴等の菓子を載置し、載置された菓子を包装するように包装紙を包装加工することで、包装紙に包装された菓子を生成する成型機が知られている。
【0003】
また、特許文献1(特開2017-189162号公報)には、型に沿った形状の食品を安定して成型する食品の成型装置が開示されている。この食品の成型装置は、支持装置上に配置された左型及び右型と、左型及び右型を互いに接近及び離反する第一アクチュエータを有する型打装置、支持装置及び型打装置の駆動を制御する制御装置とを備える。
【0004】
左型及び右型は、それぞれ第一型を備え、左型の第一型及び(又は)右型の第一型は、成型凹部を備える。また、左型及び(又は)右型は、第一型内で移動可能な可動型と、可動型を対向する第一型に対して接近及び離反する第二アクチュエータを備える。
【0005】
制御装置は、第一アクチュエータを駆動させ、左型及び右型を互いに接近させて左型、右型及び支持装置で囲む内部空間を形成した後、第二アクチュエータを駆動させて可動型を対向する第一型に対し接近させ、内部空間を縮小させる。これにより、型に沿った形状の食品を安定して成型することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-189162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、具又は菓子等の被包装物を、皮又は包装紙等の包装物で包装して商品を製造する場合、不良品となる商品を発生させないことが好ましい。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、包装物で被包装物を包装して商品を製造する際の製造歩留の向上を図ることを可能とした駆動制御装置、駆動制御方法、及び、駆動制御プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る駆動制御装置は、少なくとも、被包装物を包装する包装帯を、被包装物を包装可能な大きさにカットして包装物を生成する包装帯カット部と、包装帯カット部により生成された包装物に被包装物を載置する被包装物載置部と、包装物で被包装物を包装した商品を生成するように、包装物に所定の包装加工処理を施す包装部と、生成された商品を移動路に移載する移載機と、を備えた商品生成システムを駆動制御する駆動制御装置であって、商品生成システムの停止を指示する停止指示信号を検出する検出部と、検出部で停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントするカウント部と、検出部で停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、包装帯カット部、被包装物載置部、包装部、及び、移載機の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する停止制御部と、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る駆動制御方法は、少なくとも、被包装物を包装する包装帯を、被包装物を包装可能な大きさにカットして包装物を生成する包装帯カット部と、包装帯カット部により生成された包装物に被包装物を載置する被包装物載置部と、包装物で被包装物を包装した商品を生成するように、包装物に所定の包装加工処理を施す包装部と、生成された商品を移動路に移載する移載機と、を備えた商品生成システムを駆動制御する駆動制御装置の駆動制御方法であって、検出部が、商品生成システムの停止を指示する停止指示信号を検出する検出ステップと、カウント部が、検出ステップで停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントするカウントステップと、停止制御部が、検出ステップで停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、包装帯カット部、被包装物載置部、包装部、及び、移載機の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する停止制御ステップと、を有する。
【0011】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る駆動制御プログラムは、少なくとも、被包装物を包装する包装帯を、被包装物を包装可能な大きさにカットして包装物を生成する包装帯カット部と、包装帯カット部により生成された包装物に被包装物を載置する被包装物載置部と、包装物で被包装物を包装した商品を生成するように、包装物に所定の包装加工処理を施す包装部と、生成された商品を移動路に移載する移載機と、を備えた商品生成システムを駆動制御するコンピュータの駆動制御プログラムであって、コンピュータを、商品生成システムの停止を指示する停止指示信号を検出する検出部と、検出部で停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントするカウント部と、検出部で停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、包装帯カット部、被包装物載置部、包装部、及び、移載機の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する停止制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、包装物で被包装物を包装して商品を製造する際の製造歩留の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態の製造ユニットのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態の製造ユニットに含まれる餃子製造システムのブロック図である。
図3図3は、餃子製造システムに含まれる駆動制御装置のブロック図である。
図4図4は、餃子製造システムに設けられている麺破れ検出部の要部の構成を示す図である。
図5図5は、麺破れ検出部の検出出力の一例を示す図である。
図6図6は、麺破れ検出部における麺帯の破れ検出動作を説明するための図である。
図7図7は、成型機の各部の停止タイミング及び復帰タイミングの設定画面の一例を示す図である。
図8図8は、成型機の各部の停止制御及び復帰制御のトリガとする、麺破れ検出部の所定の閾値を超えた光センサの個数を設定するセンサ閾値設定画面の一例を示す図である。
図9図9は、成型機の各部を順に停止させる停止動作の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、停止させた成型機の各部を順に、駆動状態に復帰させる復帰動作の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、成型機の各部を順に停止させるタイミング、及び、停止させた成型機の各部を順に、駆動状態に復帰させるタイミングを示す図である。
図12図12は、停止させた成型機の各部を順に、駆動状態に復帰させている途中で、再度、停止制御に移行する動作を示すフローチャートである。
図13図13は、停止させた成型機の各部を順に、駆動状態に復帰させている途中で、再度、停止制御に移行した際の、各部を順に停止させるタイミング、及び、停止させた成型機の各部を順に、駆動状態に復帰させるタイミングを示す図である。
図14図14は、所定時間以上の異常が検出された場合に、成型機全体を停止制御する動作を説明するための図である。
図15図15は、所定時間以上の異常が検出された場合に、成型機全体を停止制御する動作の流れを示すフローチャートである。
図16図16は、麺破れ検出部により、復帰不可となる異常値が検出された場合に、成型機全体を停止制御する動作の流れを示す図である。
図17図17は、異常発生時に、成型機と共に、実施の形態の製造ユニットの各部の順に停止し、また、順に復帰させる動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した実施の形態となる製造システムを、図面に基づいて詳細に説明する。この製造システムは、商品として生成した餃子をラッピングして箱詰めするシステムとなっている。
【0015】
なお、本発明は、この他、例えばビニール又はセロハン等の包装帯をカットして包装紙を生成し、この包装紙で飴又はチョコレート等の菓子、或いは、金属部材又はプラスチック部材等を包装して商品を製造するシステムに適用可能である。または、麺帯をカットして皮を生成し、この皮で具材を包装することで春巻き又は焼売を製造するシステムに適用可能である。
【0016】
このように、本発明は、帯状の包装帯をカットして包装物を生成し、この包装物で被包装物を包装した商品を製造するシステムであれば、どのようなシステムにも適用可能である。以下に説明する餃子の製造システムは、本発明のあくまでも一例として理解されたい。
【0017】
(システム構成)
まず、図1において、実施の形態となる製造システム200は、図1に示すように、駆動制御装置1及び餃子製造ユニット100を備えている。
【0018】
(餃子製造ユニットの構成)
餃子製造ユニット100は、餃子を製造する成型機2、成型された餃子を蒸し加工を施す蒸し庫3、蒸し加工された餃子の粗熱を除去する予冷加工を行う予冷庫4、予冷加工された餃子に凍結加工を施すフリーザ5を有している。また、餃子製造ユニット100は、凍結加工された餃子を包装紙で包装するラッピング処理を施すラッピング装置6、及び、ラッピング処理された餃子を箱詰めする箱詰め装置7を有している。
【0019】
また、餃子製造ユニット100は、成型機2で成型された餃子を蒸し庫3に移動する本流コンベア8、本流コンベア8で移送された餃子を、蒸し庫3内を移動するように移送する蒸し庫ネット9、蒸し加工された餃子を、予冷庫4内を移動するように移送する予冷庫ネット10を有している。
【0020】
また、餃子製造ユニット100は、予冷庫4で粗熱が除去された餃子をフリーザ5まで移送するフリーザ前チョコネット11と、予冷庫4で粗熱が除去された餃子を、フリーザ5内を移動するように移送するフリーザネット12とを有している。
【0021】
また、餃子製造ユニット100は、フリーザ5で凍結された餃子を、ラッピング装置6まで移送するラッピング前ネット13と、ラッピング前ネット13で移送された餃子を、ラッピング装置6内を移動するように移送するラッピングコンベア14とを有している。
【0022】
また、餃子製造ユニット100は、ラッピングされた餃子を、箱詰め装置7内を移動するように移送する箱詰めコンベア15を有している。
【0023】
また、餃子製造ユニット100は、本流コンベア8を駆動する本流コンベア駆動部16と、蒸し庫ネット9を駆動する蒸し庫ネット駆動部17と、予冷庫ネット10を駆動する予冷庫ネット駆動部18とを有している。
【0024】
また、餃子製造ユニット100は、フリーザ前チョコネット11を駆動するフリーザ前チョコネット駆動部19と、フリーザネット12を駆動するフリーザネット駆動部20と、ラッピング前ネット13を駆動するラッピング前ネット駆動部21とを有している。
【0025】
また、餃子製造ユニット100は、ラッピングコンベア14を駆動するラッピングコンベア駆動部22と、箱詰めコンベア15を駆動する箱詰めコンベア駆動部23とを有している。
【0026】
また、餃子製造ユニット100は、成型機2に設けられ、餃子の皮を生成する麺帯の破れを検出する麺破れ検出部24と、蒸し庫3の温度異常、移送される餃子の滞留等を検出する蒸し庫異常センサ25と、予冷庫4の温度異常、移送される餃子の滞留等を検出する予冷異常センサ26とを有している。
【0027】
また、餃子製造ユニット100は、フリーザ5の温度異常、移送される餃子の滞留等を検出するフリーザ異常センサ27と、ラッピング装置6におけるラッピング異常等を検出するラッピング異常センサ28と、箱詰め装置7の箱詰め異常等を検出する箱詰め異常センサ29とを有している。
【0028】
また、餃子製造ユニット100は、監視作業者等により操作される操作部30を有している。この操作部30には、餃子製造ユニット100を製造待機状態とするための待機ボタン31、及び、待機状態とした餃子製造ユニット100を、再び駆動状態に復帰させるための解除ボタン32が設けられている。
【0029】
詳しくは、後述するが、麺破れ検出部24で麺破れの異常が検出されると、駆動制御装置1は、成型機2の各部を所定の順序及び所定の時間差で、自動で停止制御する。また、麺破れの異常が非検出となると、駆動制御装置1は、成型機2の各部を、停止させた順序と反対の順序かつ所定の時間差で、自動で復帰制御する。
【0030】
また、駆動制御装置1は、蒸し庫異常センサ25~箱詰め異常センサ29で異常が検出され、又は、待機ボタン31が操作されると、本流コンベア8~箱詰めコンベア15を所定の順序で停止制御する。また、駆動制御装置1は、解除ボタン32が操作されると、停止制御していた本流コンベア8~箱詰めコンベア15を、停止制御した順序と逆の順序で停止制御する。
【0031】
餃子製造ユニット100には、例えばモニタ装置又はスピーカ装置等の待機報知部64が設けられている。待機ボタン31が操作され、成型機2の各部、及び、本流コンベア8~箱詰めコンベア15が停止制御されると、例えば現在、システムが待機中であることを示すメッセージがモニタ装置に表示され、又は、現在、システムが待機中であることを示す音声メッセージ又は電子音がスピーカ装置を介して出力される。
【0032】
(成型機の構成)
次に、成型機2は、図2に示すように、皮部材を圧延して麺帯を生成する圧延ローラ51と、生成された麺帯に張り付き防止用等の粉を振りかける粉振り機構52と、麺帯を所定の大きさに繰り抜いて餃子の皮を生成する皮抜き部53とを有している。
【0033】
また、成型機2は、餃子の皮に具材を充填する具充填機構54、具材が充填された皮を2つ折りにし、2つ折りにした皮の半円の外周部近傍の端部に圧力を加えることで、成型された餃子を生成する圧着部55を有している。
【0034】
また、成型機2は、圧延ローラ51を駆動するローラ駆動部57、粉振り機構52を駆動する粉振り駆動部58、皮抜き部53を駆動する皮抜き駆動部59、具充填機構54を駆動する具充填駆動部60、圧着部55を駆動する圧着駆動部61を有している。
また、成型機2は、圧延ローラ51により生成された麺帯の破れを検出する麺破れ検出部24と、成型された餃子が収納されたトレイを本流コンベア8に移載するトレイ入れ62の移載異常を検出するトレイ入れセンサ63とを有している。
【0035】
また、成型機2は、餃子の皮及び具材が載置される複数の載置板42を、所定の円の外周に沿って順に移動させるモルダー回転盤41と、モルダー回転盤41の回転位置を検出する回転検出部66と、検出されたモルダー回転盤41の回転位置に基づいて、モルダー回転盤41を回転駆動する回転盤駆動部56とを有している。
【0036】
モルダー回転盤41の回転検出部66としては、一例として、回転軸に設けるカム部材及びフォトカプラで形成してもよい。または、回転検出部66としては、機械式(接触式)の回転検出部、光学式の回転検出部、磁気式の回転検出部、電磁誘導式の回転検出部等を用いることができる。
【0037】
モルダー回転盤41には、餃子の皮及び具材が載置される載置板42が、この載置板42を移動させる円の外周に沿って、等間隔で例えば8つ設けられている。各載置板42は、餃子の皮及び具材が載置される皮載置部43を、それぞれ2つ備えている。この皮載置部43に、皮抜き部53で例えば円板形状に繰り抜かれた餃子の皮KWが載置される。
【0038】
皮抜き部53で繰り抜かれた餃子の皮KWが載置板42に載置されると、駆動制御装置1は、皮KWが載置された載置板42を、具充填機構54の位置まで移動させるように、回転盤駆動部56を介してモルダー回転盤41を回転制御する。具充填機構54は、載置板42の皮KWに対して具材GUを充填する。駆動制御装置1は、具材GUが充填された皮KWが載置された載置板42を、圧着部55の位置まで移動させるように、回転盤駆動部56を介してモルダー回転盤41を回転制御する。
【0039】
圧着部55は、載置板42の皮載置部43を略中心から2つ折りの状態に変形させる。これにより、皮載置部43に載置されている円板形状の皮KWが、外周部同士を重ね合わせるように2つ折りとなり、具材GUを包装した状態となる。この状態で、圧着部55は、皮KWの外周部近傍に圧力を加える。これにより、2つ折りとされた皮KWの外周部近傍同士が、皮KWの内部に具材GUを包装した状態で密着し、商品となる餃子GYが生成される。なお、圧着部55は、皮KWの外周部近傍に、いわゆる「ひだ」を形成するように、皮KWを圧着する。
【0040】
生成された餃子は、図示しないトレイに収納され、トレイ入れ62により、本流コンベア8に移載される。本流コンベア8に移載された餃子を収納したトレイは、図1に示した蒸し庫3により蒸し加工され、予冷庫4により粗熱が除去されたうえで、フリーザ5により凍結加工され、ラッピング装置6により袋詰めされて製品化される。製品化された餃子は、箱詰め装置7により、所定の数がまとめられて箱詰めされ、商店、デパートメントストア等に移送される。
【0041】
(駆動制御装置の構成)
次に、駆動制御装置1は、図3に示すように記憶部82、制御部83、通信インターフェース部84及び入出力インターフェース部85を備えている。入出力インターフェース部85には、入力装置86、表示部87、及び、外部記憶装置88が接続されている。入力装置86としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。表示部87としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等を用いることができる。外部記憶装置88としては、外部接続されるカード状又はスティック状の半導体記憶媒体等を用いることができる。
【0042】
通信インターフェース部84は、例えばLAN(Local Area Network)等のプライベート網のネットワーク50に接続される(インターネット等の広域網でもよい)。駆動制御装置1は、この通信インターフェース部84及びネットワーク50を介して、図1に示した成型機2の他、本流コンベア駆動部16~箱詰めコンベア駆動部23等に接続されている。
【0043】
記憶部82としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部82には、成型機2を含む餃子製造ユニット100を待機状態、停止状態、復帰状態等に制御する駆動制御プログラムが記憶されている。また、記憶部82には、成型機2等を待機状態とするタイミング、停止状態とするタイミング、及び、復帰状態とするタイミング等を示す設定データが記憶されている。
【0044】
(駆動制御装置の機能構成)
次に、制御部83は、記憶部82に記憶されている駆動制御プログラムを実行することで、表示制御部91、異常検出部92、停止制御部93、復帰制御部94、データ生成部95、記憶制御部96、及び、カウント部97として機能する。
【0045】
表示制御部91は、上述の成型機2等を待機状態とするタイミング、停止状態とするタイミング、及び、復帰状態とするタイミング等を示す設定データの設定画面等を表示部87に表示する。
【0046】
異常検出部92は、検出部の一例であり、商品生成システムの停止を指示する停止指示信号を検出する。停止指示信号は、成型機2の麺破れ検出部24の異常検出信号、蒸し庫異常センサ25~箱詰め異常センサ29の異常検出信号、及び、待機ボタン31が操作された際に駆動制御装置1に供給される待機信号である。
【0047】
カウント部97は、異常検出部92で停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントする。制御部83には、タイマ65で時刻をカウントして生成された計時信号が供給されている。カウント部97は、異常検出部92で停止指示信号が検出されてから経過した時間を検出する場合、このタイマ65からの計時信号に基づいて時間をカウントして検出する。
【0048】
または、モルダー回転盤41には、上述のように、カム部材及びフォトカプラ等の回転検出部66、又は、機械式(接触式)の回転検出部66、光学式の回転検出部66、磁気式の回転検出部66、又は、電磁誘導式の回転検出部66が設けられている。回転検出部66は、モルダー回転盤41が例えば1/8回転する毎に「1サイクル」をカウントする。なお、回転検出部66は、モルダー回転盤41が例えば1/4回転する毎、又は、1/2回転する毎等のように、所定の回転をする毎に「1サイクル」をカウントする設定としてもよい。
【0049】
すなわち、図2に示したようにモルダー回転盤41には8つの載置板42が設けられている。一つの載置板42を次の載置板42の位置まで移動させる回転量が、モルダー回転盤41の1/8回転の回転量である。カウント部97は、異常検出部92で停止指示信号が検出されてから経過した時間的要素をカウントする場合、この1/8回転の回転量を「1サイクル」としてカウントする(サイクルは、時間的要素の一例)。
【0050】
停止制御部93は、異常検出部92で停止指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素数に基づいて、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の駆動を、所定の順序、かつ、所定の時間差で停止制御する。この「所定の時間差」は、カウント部97でカウントされる、タイマ65からの計時信号に基づく「時間」、又は、回転検出部66の回転検出出力に基づく「サイクル」である。
【0051】
また、カウント部97は、異常検出部92で停止指示信号が非検出となってから経過した時間(タイマ65の時間)又は時間的要素(サイクル)をカウントし、又は、停止制御された包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)を駆動状態に復帰させる復帰指示信号が前記検出部で検出されてから経過した時間又は時間的要素をカウントする。
【0052】
復帰制御部94は、異常検出部92で停止指示信号が非検出となってから経過した時間(タイマ65の時間)又は時間的要素(サイクル)に基づいて、或いは、異常検出部92で復帰指示信号(解除ボタン32の操作による解除信号)が検出されてから経過した時間又は時間的要素に基づいて、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)を、停止制御部93で停止制御された順序、かつ、所定の時間差(タイマの時間差又はサイクル差)で駆動状態に復帰させる。
【0053】
また、成型機2は、包装帯破れ検出部の一例として麺破れ検出部24を有している。この麺破れ検出部24は、包装帯の一例である麺帯Mの移動方向に対して直交する方向である幅方向に沿って連続して設けられ、照射された電磁波の電磁波量に応じたレベルのセンサ出力を、停止指示信号として出力する電磁波センサ(図4の符号24a)を備える。また、麺破れ検出部24は、電磁波センサに対して、麺帯Mを介して電磁波を照射し、又は、麺帯Mで反射された電磁波を照射する電磁波照射部(図4の符号24b)を備える。
【0054】
電磁波照射部(図4の符号24a)としては、「光」の他、電波又は電磁波等を照射する電磁波照射部を用いることができる。
【0055】
包装帯破れ検出部(麺破れ検出部24)は、電磁波センサに対して、麺帯Mを介して電磁波を照射している場合、電磁波照射部から麺帯Mに照射された電磁波が、麺帯Mの破損個所を介して電磁波センサに、直接的に照射されている間、レベルが上昇する停止指示信号を出力する。
【0056】
また、包装帯破れ検出部(麺破れ検出部24)は、電磁波センサに対して、麺帯Mで反射された電磁波を照射している場合、電磁波照射部から麺帯Mに照射された電磁波が、麺帯Mの破損個所を介して透過することで非反射状態となっている間、レベルが低下する停止指示信号を出力する。
【0057】
包装帯破れ検出部(麺破れ検出部24)は、麺帯Mの破損を検出して停止指示信号を出力するが、監視員等の操作者により操作された際に、停止指示信号を出力する停止指示出力部を設けてもよい。図1に示す操作部30が、この停止指示出力部の一例である。操作部30jは、待機ボタン31が操作された際に停止指示信号を出力する。
【0058】
また、包装帯破れ検出部(麺破れ検出部24)の電磁波センサは、電磁波の電磁波量をそれぞれ検出する複数のセンサ素子をアレイ状に接続して構成されている。
【0059】
停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mを介して電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値以上上昇したセンサ素子の数が第1の閾値以上の数である場合に、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の停止制御を行う。
【0060】
または、停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mで反射された電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値未満に低下したセンサ素子の数が第2の閾値以上の数である場合に、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の停止制御を行う。
【0061】
復帰制御部94は、電磁波センサに対して、麺帯Mを介して電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値以上上昇したセンサ素子の数が第1の閾値未満の数である場合に、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の復帰制御を行う。
【0062】
また、復帰制御部94は、電磁波センサに対して、麺帯Mで反射された電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値未満に低下したセンサ素子の数が第2の閾値未満の数である場合に、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の復帰制御を行う。
【0063】
また、上述のように、商品生成システムの一例である実施の形態の製造システム200の成型機2は、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の他、麺帯Mの巻取を行う巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)を有している。また、成型機2は、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の各位置に、載置板42を順に移動させる載置板移動部(モルダー回転盤41)を有している。
【0064】
停止制御部93は、巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)及び載置板移動部(モルダー回転盤41)の駆動を維持した状態で、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の停止制御を行う。
【0065】
また、停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mを介して電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値以上上昇したセンサ素子の数が第1の閾値よりも大きな値の第3の閾値以上の数である場合に、巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の停止制御を行う。
【0066】
また、停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mで反射された電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値未満に低下したセンサ素子の数が第2の閾値よりも大きな値の第4の閾値以上の数である場合に、巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)の停止制御を行う。
【0067】
また、商品生成システムの一例である実施の形態の製造システム200は、図1に示したように、成型機2のトレイ入れ62により移動路(本流コンベア8)に移載された商品(餃子GY)を包装するラッピング装置6、及び、ラッピング装置6により包装された商品(餃子GY)を箱詰めする箱詰め装置7を備えている。
【0068】
停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mを介して電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値以上上昇したセンサ素子の数が第1の閾値よりも大きな値の第3の閾値以上の数である場合に、巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)と共に、ラッピング装置に6に商品を移送する移送路(ラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14)及び箱詰め装置7に商品を移送する移送路(箱詰めコンベア15)を所定の順序で停止制御する。
【0069】
または、停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mで反射された電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値未満に低下したセンサ素子の数が第2の閾値よりも大きな値の第4の閾値以上の数である場合に、巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)と共に、ラッピング装置に6に商品を移送する移送路(ラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14)及び箱詰め装置7に商品を移送する移送路(箱詰めコンベア15)を所定の順序で停止制御する。
【0070】
復帰制御部94は、検出部(異常検出部92)で停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素に基づいて、或いは、検出部(異常検出部92)で復帰指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素に基づいて、停止制御部93により停止制御された順序と反対の順序で、ラッピング装置6に商品を移送する移送路(ラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14)及び箱詰め装置7に商品を移送する移送路(箱詰めコンベア15)移載機(トレイ入れ62)、包装部(圧着部55)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装帯カット部(皮抜き部53)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、及び、巻取ローラ部(圧延ローラ51)を、駆動状態に復帰させる。
【0071】
または、停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mを介して電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値以上上昇したことを示す停止指示信号が、カウント部97で所定時間以上検出された場合に、巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)と共に、ラッピング装置に6に商品を移送する移送路(ラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14)及び箱詰め装置7に商品を移送する移送路(箱詰めコンベア15)を所定の順序で停止制御する。
【0072】
または、停止制御部93は、電磁波センサに対して、麺帯Mで反射された電磁波を照射している場合、レベルが所定の閾値未満に低下したことを示す停止指示信号が、カウント部97で所定時間以上検出された場合に、巻取ローラ部(図2の圧延ローラ51)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、包装帯カット部(皮抜き部53)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装部(圧着部55)、及び、移載機(トレイ入れ62)と共に、ラッピング装置に6に商品を移送する移送路(ラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14)及び箱詰め装置7に商品を移送する移送路(箱詰めコンベア15)を所定の順序で停止制御する。
【0073】
復帰制御部94は、検出部(異常検出部92)で停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素に基づいて、或いは、検出部(異常検出部92)で復帰指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素に基づいて、停止制御部93により停止制御された順序と反対の順序で、ラッピング装置6に商品を移送する移送路(ラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14)及び箱詰め装置7に商品を移送する移送路(箱詰めコンベア15)移載機(トレイ入れ62)、包装部(圧着部55)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装帯カット部(皮抜き部53)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、及び、巻取ローラ部(圧延ローラ51)を、駆動状態に復帰させる。
【0074】
データ生成部95は、表示制御部91により表示された設定画面を介して設定される、成型機2等を待機状態とするタイミング、停止状態とするタイミング、及び、復帰状態とするタイミング等を示す設定データを生成する。記憶制御部96は、生成された設定データを記憶部82に記憶させる。
【0075】
なお、包装帯の巻取を行う圧延ローラ51は、巻取ローラ部の一例であり、モルダー回転盤41は、載置板移動部の一例である。モルダー回転盤41は、包装帯カット部(皮抜き部53)により生成された包装物が載置される載置板を、包装帯カット部(皮抜き部53)の位置、被包装物載置部(具充填機構54)の位置、包装部(圧着部55)の位置、及び、移載機(トレイ入れ62)の位置に、順に移動させる。
【0076】
また、一例として、被包装物、及び被包装物を包装する包装帯は、共に食品であることとして説明を行う。
【0077】
(麺破れ検出部の構成)
次に、成型機2に設けられている麺破れ検出部24の構成を説明する。麺破れ検出部24は、図4(a)に示すように電磁波の一例である「光」を麺帯Mの幅方向(麺帯Mの巻取方向に2次元上で直交する方向)に沿って照射する発光部24aを有している。また、麺破れ検出部24は、発光部24aから麺帯Mを透過する光を受光する受光センサアレイ24bを有している。
【0078】
なお、発光部24a側に受光センサアレイ24bを設け、この受光センサアレイ24bで、発光部24aから麺帯Mに照射されることで反射される反射光を受光してもよい。
【0079】
受光センサアレイ24bは、図4(b)に示すように、複数の受光素子68を、麺帯Mの短手方向に沿って例えば一列に設けて構成されている。この受光センサアレイ24bは、麺帯Mを透過した発光部24aからの光を、各受光素子68で受光し、この受光光量を示す受光信号を停止指示信号として出力する。
【0080】
なお、図4(b)の例は、麺帯Mの短手方向に沿って一列に複数の受光素子68を設けて受光センサアレイ24bを構成した例であったが、麺帯Mの短手方向のセンシングをカバー可能な並べ方であれば、各受光素子68を、どのように並べて受光センサアレイ24bを構成してもよい。例えば、麺帯Mの短手方向の長さに満たない長さに、受光素子68を一列に並べて構成した受光センサアレイ片を設け、この複数の受光センサアレイ片を麺帯Mの短手方向の長さに相当するように、一列に連続して設けてもよい。
【0081】
または、隣接する各受光センサアレイ片の端部同士が重なるように、段差を持って、麺帯Mの短手方向に沿って各受光センサアレイ片を設けてもよい。この場合、各受光センサアレイ片を階段状に設けてもよいし、各受光センサアレイ片を互い違いに設けてもよい。各受光センサアレイ片を互い違いに設ける場合、例えば第1の受光センサアレイ片が設けられた列の次の列に、第1の受光センサアレイ片と連続するように(又は一部の受光素子68が重なるように)第2の受光センサアレイ片を設け、第1の受光センサアレイ片と同じ列に、第2の受光センサアレイ片と連続するように(又は一部の受光素子68が重なるように)第3の受光センサアレイ片を設ける等のように、各受光センサアレイ片を麺帯Mの短手方向に沿って並べて受光センサアレイ24bを構成する。
【0082】
ここで、図4(c)は、麺帯Mに破れが生じていない場合における、受光光量の検出形態を示している。この図4(c)からわかるように、麺帯Mに破れが生じていない場合、発光部24aから麺帯Mに照射された殆どの光は、麺帯Mにより反射される。このため、受光センサアレイ24bの受光光量に応じて生成される停止指示信号は、図5(a)に点線で示す所定の閾値未満のレベル(=基準レベル)となる。
【0083】
これに対して、図6(a)に示すように、麺帯Mに破れHが生じている場合、図6(b)に示すように、発光部24aから麺帯Mに照射された殆どの光が、麺帯Mの破れHを介して受光センサアレイ24bに受光される。このため、受光センサアレイ24bの受光光量に応じて生成される停止指示信号は、図5(b)に点線で示す所定の閾値以上のレベルとなる。
【0084】
詳しくは後述するが、停止制御部93は、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の設定データとして設定されている第1の閾値以上の数である間、成型機2の各部等の停止制御を行う。すなわち、図5(b)は、一つの受光素子68の受光光量を示しており、停止制御部93は、この図5(b)に示す受光素子68のように、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の設定データとして設定されている第1の閾値以上の数である間、成型機2の各部等の停止制御を行う。
【0085】
復帰制御部94は、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の設定データとして設定されている第1の閾値未満の数となった際に、成型機2の各部等の駆動を再開する復帰制御を行う。
【0086】
なお、以上の例は、麺破れ検出部24が、発光部24aから麺帯Mを介して照射される光を受光センサアレイ24bで受光する構成となっている場合における、各部の停止制御及び復帰制御の例である。麺破れ検出部24が、発光部24a側に受光センサアレイ24bを設け、この受光センサアレイ24bで、発光部24aから麺帯Mに照射することで反射される反射光を受光する構成の場合、停止制御部93は、所定の閾値未満の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の設定データとして設定されている第2の閾値以上の数である間、成型機2の各部等の停止制御を行う。
【0087】
また、この場合、復帰制御部94は、所定の閾値未満の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の設定データとして設定されている第2の閾値未満の数となった際に、成型機2の各部等の駆動を再開する復帰制御を行う。
【0088】
(各部の停止タイミング及び復帰タイミングの設定動作)
成型機2の各部等の停止タイミング及び復帰タイミングは、設定画面に基づいて設定するようになっている。監視員等の操作者により設定画面の表示が指定されると、表示制御部91は、図7に例示する設定画面を表示部87に表示する。この設定画面は、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が第1の閾値以上の数となった際に、どのような順序及び時間差で成型機2の各部を停止させるか、ということを設定する設定画面となっている。
【0089】
また、この設定画面は、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が第1の閾値未満の数となった際に、どのような順序及び時間差で成型機2の各部の駆動を復帰させるか、ということを設定する設定画面となっている。
【0090】
具体的には、この設定画面では、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が第1の閾値以上の数となった際に、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に各部を停止する設定となっている。操作者は、例えば「第1の閾値超過後→2サイクル後→粉振り機構52→切」、又は、「6サイクル後→皮抜き部53→切」等のように、各部を停止させるサイクル数を、入力装置86を介して入力操作する。
【0091】
図7の例は、第1の閾値超過から2サイクル後に粉振り機構52を停止(切)し、ここから6サイクル後に皮抜き部53を停止し、ここから2サイクル後に具充填機構54を停止し、ここから2サイクル後に圧着部55を停止し、ここから2サイクル後にトレイ入れ62を停止する設定となっている。
【0092】
また、この設定画面では、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が第1の閾値未満の数となった際に、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に各部を駆動状態へと復帰させる設定となっている。操作者は、例えば「第1の閾値未満に復帰後→2サイクル後→粉振り機構52→入(駆動状態へ復帰)」、又は、「6サイクル後→皮抜き部53→入」等のように、各部を駆動状態へと復帰させるサイクル数を、入力装置86を介して入力操作する。
【0093】
図7の例は、第1の閾値未満に復帰から2サイクル後に粉振り機構52を駆動状態へと復帰させ(入)、ここから6サイクル後に皮抜き部53を復帰させ、ここから2サイクル後に具充填機構54を復帰させ、ここから2サイクル後に圧着部55を復帰させ、ここから2サイクル後にトレイ入れ62を復帰させる設定となっている。
【0094】
データ生成部95は、このような成型機2の各部の停止及び復帰を示す設定データを生成し、記憶制御部96は、この設定データを記憶部82に記憶させる。
【0095】
また、このような設定データの「有効」及び「無効」は、図7に示す有効ボタン70又は無効ボタン71で設定される。すなわち、操作者により、上述の停止及び復帰のタイミングが設定され、有効ボタン70が操作されると、操作者により設定された停止及び復帰のタイミングを示す設定データが有効となる。そして、停止制御部93又は復帰制御部94により、設定データに基づく各部の停止制御又は復帰制御が行われる。
【0096】
なお、無効ボタン71が操作されると、操作者により設定された停止及び復帰のタイミングを示す設定データは無効となる。この場合、設定データに基づく停止制御部93又は復帰制御部94による各部の停止制御又は復帰制御は行われない。また、戻るボタン73が操作されると、表示制御部91は、例えば各部のモニタ画面等に表示画面を戻す。
【0097】
次に、操作者により、図7の設定画面に表示されたセンサ閾値設定ボタン72が操作されると、表示制御部91は、図8に示すセンサ閾値設定画面を表示部87に表示する。このセンサ閾値設定画面は、上述の各部の停止制御、復帰制御、及び、成型機2全体の停止制御を行う閾値を設定する画面となっている。すなわち、このセンサ閾値設定画面では、成型機2の各部の停止制御を開始するタイミングを示す閾値(第1の閾値に相当)、停止制御した成型機2の各部を駆動状態に復帰させるタイミングを示す閾値、及び、成型機2全体を停止制御するタイミングを示す閾値(第3の閾値に相当)の設定が行われる。
【0098】
具体的には、図8に示すセンサ閾値設定画面では、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、何個以上となった際に、第1の閾値の超過と見做して各部の停止制御を開始するか、ということを設定する。操作者により、例えば「1個以上」と入力された場合は、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が「1個以上」となった際に、第1の閾値の超過と見做して成型機2の各部の停止制御が開始される設定となる。
【0099】
また、図8に示すセンサ閾値設定画面では、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、何個以下となった際に、第1の閾値の超過が解消されたものと見做して、各部の復帰制御を開始するか、ということを設定する。操作者により、例えば「0個以上」と入力された場合は、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が「0個以上」となった際に、第1の閾値の超過が解消されたものと見做して成型機2の各部の復帰制御が開始される設定となる。
【0100】
また、図8に示すセンサ閾値設定画面では、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の第1の閾値よりも大きな数として、何個以上となった際に、第3の閾値の超過と見做して成型機2全体の停止制御を行うか、ということを設定する。操作者により、例えば「5個以上」と入力された場合は、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が「5個以上」となった際に、第3の閾値の超過と見做して成型機2全体の停止制御を行う設定となる。
【0101】
データ生成部95は、このような設定に対応する設定データを生成する。記憶制御部96は、生成された設定データを記憶部82に記憶させる。なお、表示制御部91は、センサ閾値設定画面の閉じるボタン74が操作されると、このセンサ閾値設定画面を閉じて、図7に示した設定画面を表示部87に表示する。
【0102】
(成型機の各部の停止制御及び復帰制御)
次に、図9は、成型機2の各部の停止制御の流れを示すフローチャートであり、図10は、停止制御した成型機2の各部を駆動状態に復帰させる復帰制御の流れを示すフローチャートである。
【0103】
(成型機の各部の停止制御)
まず、図9のフローチャートを用いて、成型機2の各部の停止制御の流れを説明する。ステップS1では、異常検出部92が、異常の有無を判別する。具体的には、異常検出部92は、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の第1の閾値で示される数以上の数となった際に異常が発生したものと検出する。
【0104】
すなわち、図6(a)及び図6(b)を用いて説明したように、麺帯Mに破れHが生じていると、この破れHの大きさに応じた数の受光素子68が、閾値以上の受光光量を示すようになる。異常検出部92は、この閾値以上の受光光量を示す受光素子68の数が、上述の設定データで設定されている閾値(図8参照)以上の数である場合に、停止指示信号が発生したものと認識し、異常の発生を検出する。または、操作者により待機ボタン31が操作され、操作部30から待機信号が供給されると、異常検出部92は、停止指示信号が発生したものと認識し、異常の発生を検出する。
【0105】
ここで、図11(a)~図11(h)は、成型機2の各部の動作状態を示しており、一つの四角は、モルダー回転盤41が1/8回転する「1サイクル」の期間を示している。また、白色の四角は、運転期間(駆動期間)を示し、左斜線の四角は、停止期間(待機期間)を示している。また、黒色の四角は、異常発生の検出期間である、閾値以上の受光光量を示す受光素子68の数が、設定データで設定されている閾値(図8参照)以上となっている期間、又は、待機ボタン31が操作され、待機信号が供給され続けている期間を示している。
【0106】
上述のように、異常検出部92により異常の発生が検出されると、図11(a)及び図11(b)に示すようにモルダー回転盤41及び圧延ローラ51を駆動したままの状態で、カウント部97が、回転検出部66の回転検出信号に基づいて、異常検出部92により異常の発生が検出されてから経過したサイクルをカウントする。
【0107】
すなわち、回転検出部66は、モルダー回転盤41が1/8回転する毎にハイレベル(又はローレベルでもよい)となる回転検出信号を駆動制御装置1に供給する。カウント部97は、このハイレベルの回転検出信号の数をカウントすることで、モルダー回転盤41のサイクル数をカウントする。
【0108】
停止制御部93は、異常検出部92による異常の発生の検出から、カウント部97のカウント値を監視している。停止制御部93は、ステップS3において、異常検出部92による異常の発生の検出から「2サイクル」が、カウント部97によりカウントされたか否かを判別する。図11(c)に示す最初の黒色の四角で示すサイクルが、異常検出部92により異常の発生が検出されたサイクルである。停止制御部93は、この最初の黒色の四角のサイクルから2サイクルが経過したか否かを判別する。
【0109】
この「2サイクル」は、図7に示した設定画面で設定された、粉振り機構52を停止制御するタイミングである。このため、停止制御部93は、最初の黒色の四角のサイクルである、異常の発生の検出から2サイクルが経過したものと判別すると(ステップS3:Yes)、ステップS4において、図11(d)に示すように、粉振り駆動部58を介して粉振り機構52を停止制御する。
【0110】
次に、停止制御部93は、ステップS5において、粉振り機構52を停止制御してから「6サイクル」が経過したか否か(カウント部97で6サイクルがカウントされたか否か)を判別する。粉振り機構52を停止制御してから「6サイクル」が経過したものと判別すると(ステップS5:Yes)、ステップS6において、図11(e)に示すように、皮抜き駆動部59を介して皮抜き部53を停止制御する。
【0111】
次に、停止制御部93は、ステップS7において、タイマ65からの計時信号に基づいて、皮抜き部53を停止制御してから「1秒」が経過したか否かを判別する。皮抜き部53を停止制御してから「1秒」が経過したものと判別すると(ステップS7:Yes)、ステップS8において、図11(f)に示すように、具充填駆動部60を介して具充填機構54を停止制御する。
【0112】
なお、この例では、停止制御部93は、皮抜き部53を停止制御してから「1秒」の経過をカウントして具充填機構54を停止制御したが、他の各部の停止制御と同様に、所定のサイクルがカウントされた際に停止制御を行ってもよい。
【0113】
次に、停止制御部93は、ステップS9において、具充填機構54を停止制御してから「2サイクル」が経過したか否か(カウント部97で2サイクルがカウントされたか否か)を判別する。具充填機構54を停止制御してから「2サイクル」が経過したものと判別すると(ステップS9:Yes)、ステップS10において、図11(g)に示すように、圧着駆動部61を介して圧着部55を停止制御する。
【0114】
次に、停止制御部93は、ステップS11において、圧着部55を停止制御してから「2サイクル」が経過したか否か(カウント部97で2サイクルがカウントされたか否か)を判別する。圧着部55を停止制御してから「2サイクル」が経過したものと判別すると(ステップS11:Yes)、ステップS12において、図11(h)に示すように、トレイ入れ62を停止制御する。
【0115】
このように成型機2の各部を停止制御すると、制御部83は、例えば現在、システムが待機中であることを示すメッセージを、待機報知部64を介して表示し、又は、現在、システムが待機中であることを示す音声メッセージ又は電子音を、スピーカ装置を介して出力する。
【0116】
このように粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に所定のサイクル差(時間差)で停止制御することで、破れが生じている皮で餃子が生産される不都合を防止できる。また、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順で各部を停止制御した際には、モルダー回転盤41の各載置板42上に餃子の皮、成型された餃子等が載置されていない状態とすることができる。このため、以下に説明する復帰制御では、異常が非検出となった際に即座に餃子の生産を再開可能とすることができる。
【0117】
さらに換言すると、停止制御部93は、異常が検出されると、モルダー回転盤41の各載置板42上に餃子の皮、成型された餃子等が載置されていない状態とするサイクル差(時間差)で、粉振り機構52、皮抜き部53、具充填機構54、圧着部55及びトレイ入れ62を停止制御する。
【0118】
(成型機の各部の復帰制御)
次に、図10のフローチャートを用いて、成型機2の各部を停止状態から駆動状態に復帰させる復帰制御の流れを説明する。ステップS21では、異常検出部92が、異常が検出されてから上限となる時間内に、この異常が解除されたか否かを判別する。
【0119】
具体的には、記憶部82には、異常が継続して検出される時間の上限値が上述の設定データとして記憶されている。この上限値に相当する時間を超えて異常が検出されるということは、麺帯Mに連続した大きな破れHが生じており、一旦、餃子の成型を停止してメンテナンスを行うことが好ましいことを意味している。
【0120】
このため、上限値に相当する時間を超えて異常が検出された場合には(ステップS21:No)、ステップS33に処理が進み、停止制御部93が、既に停止制御している粉振り機構52、皮抜き部53、具充填機構54、圧着部55及びトレイ入れ62と共に、圧延ローラ51を停止制御する。これにより、一旦、餃子の成型が停止している間に、作業員等は適宜メンテナンスを行い、このメンテナンス後に、再度、餃子の成型を再開することとなる。
【0121】
次に、ステップS21において、このような上限値となる時間内に、異常が解除されたものと判別した場合(ステップS21:Yes)、復帰制御部94は、異常が解除されてから「2サイクル」が、カウント部97によりカウントされたか否かを判別する。図11(c)に示す最後の黒色の四角で示すサイクルが、異常検出部92により異常の発生が検出された最後のサイクルである。復帰制御部94は、この最後の黒色の四角のサイクルから2サイクルが経過したか否かを判別する。換言すると、復帰制御部94は、異常の発生が非検出となってから2サイクルが経過したか否かを判別する。
【0122】
なお、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、上述の第1の閾値で示される数未満の数となった際に異常が非検出の状態となる。または、操作部30の解除ボタン32が操作されることで、解除信号が駆動制御装置1に供給されることで異常が非検出の状態となる。
【0123】
異常が非検出となると、復帰制御部94は、以下に説明するように、停止制御部93で停止した順序、及び、下記のサイクル差(時間差)で各部を復帰制御する。すなわち、異常が非検出となって2サイクルが経過すると(ステップS22:Yes)、復帰制御部94は、ステップS23に進み、粉振り駆動部58を介して粉振り機構52を駆動状態に復帰させる。
【0124】
次に、復帰制御部94は、ステップS24において、粉振り機構52を復帰させてから「6サイクル」が経過したか否か(カウント部97で6サイクルがカウントされたか否か)を判別する。粉振り機構52を復帰させてから「6サイクル」が経過したものと判別すると(ステップS24:Yes)、復帰制御部94は、ステップS25において、図11(e)に示すように、皮抜き駆動部59を介して皮抜き部53を駆動状態に復帰させる。
【0125】
次に、復帰制御部94は、ステップS26において、タイマ65からの計時信号に基づいて、皮抜き部53を復帰させてから「1.5秒」が経過したか否かを判別する。皮抜き部53を復帰させてから「1.5秒」が経過したものと判別すると(ステップS26:Yes)、復帰制御部94は、ステップS27において、図11(f)に示すように、具充填駆動部60を介して具充填機構54を駆動状態に復帰させる。
【0126】
なお、この例では、復帰制御部94は、皮抜き部53を復帰させてから「1.5秒」の経過をカウントして具充填機構54を復帰させたが、他の各部の復帰制御と同様に、所定のサイクルがカウントされた際に復帰させてもよい。
【0127】
次に、復帰制御部94は、ステップS28において、具充填機構54を復帰させてから「2サイクル」が経過したか否か(カウント部97で2サイクルがカウントされたか否か)を判別する。具充填機構54を復帰させてから「2サイクル」が経過したものと判別すると(ステップS28:Yes)、復帰制御部94は、ステップS29において、図11(g)に示すように、圧着駆動部61を介して圧着部55を駆動状態に復帰させる。
【0128】
次に、復帰制御部94は、ステップS30において、圧着部55を復帰させてから「2サイクル」が経過したか否か(カウント部97で2サイクルがカウントされたか否か)を判別する。圧着部55を復帰させてから「2サイクル」が経過したものと判別すると(ステップS30:Yes)、復帰制御部94は、ステップS31において、図11(h)に示すように、トレイ入れ62を駆動状態に復帰させる。
【0129】
すなわち、異常が検出されると、停止制御部93は、モルダー回転盤41及び圧延ローラ51を駆動した状態で、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に、図7に示した設定画面で設定されたサイクル差(又は時間差)で停止制御を行う。
【0130】
また、異常が非検出となると、復帰制御部94は、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に、図7に示した設定画面で設定されたサイクル差(又は時間差)で駆動状態に復帰させる。この復帰の際は、モルダー回転盤41及び圧延ローラ51の駆動状態が維持されており、また、上述のようにモルダー回転盤41の各載置板42上には、載置された餃子の皮又は成型された餃子等が残っていない状態であるため、成型機2を餃子の生産状態に、迅速に復帰させることができる。このような各部の停止制御及び復帰制御は、ステップS32で製造システム200の運転終了が検出されるまでの間、繰り返し実行される。
【0131】
なお、このような復帰制御が完了すると、制御部83は、それまで出力していた、システムが待機中であることを示すメッセージ又は音声等を非出力状態とするように、待機報知部64を制御する。
【0132】
また、カウント部97は、具充填駆動部60を監視することで、具充填機構54により具の充填が行われた回数もカウントしている。表示制御部91は、具の充填が行われた回数を表示部87に表示する。また、カウント部97は、麺破れ検出部24で麺破れが検出されることで、成型機2が待機状態となった回数をカウントしている。表示制御部91は、この待機状態となった回数も表示部87に表示する。記憶制御部96は、このような具の充填が行われた回数及び待機状態となった回数を示す情報を、入出力インターフェース部85を介して外部記憶装置88に供給して記憶させる。このような具の充填が行われた回数及び待機状態となった回数等の情報は、成型機2の駆動状態等の検討に用いられる。また、具の充填が行われた回数及び待機状態となった回数等の情報は、洗浄ボタンが操作され洗浄が行われたタイミングでリセットされる。
【0133】
(復帰動作中に異常が検出された場合の動作)
次に、上述の復帰動作中に、再度、麺破れ又は待機ボタン31の操作等の異常が検出された場合における駆動制御装置1の動作を説明する。図12のフローチャートは、上述のステップS21で異常が非検出となり(異常解除)、2サイクル経過後に粉振り機構52を復帰制御し(ステップS23)、ここから6サイクル経過に皮抜き部53を復帰制御した例である(ステップS25)。
【0134】
この皮抜き部53を復帰させた際に、ステップS41に示すように、異常検出部92が、再度、麺破れ等の異常の発生を検出したものとする。図13(c)は、このように異常が、一旦、非検出となってから例えば9サイクル後に、再度、異常が検出された状態を示している。また、図13(c)は、この再度の異常が、例えば6サイクル分、続いたことを示している。
【0135】
異常検出部92で再度、異常の発生が検出されると、図9のフローチャートのステップS2に処理が戻り、図13(a)及び図13(b)に示すように、モルダー回転盤41及び圧延ローラ51の駆動状態を維持したうえで、図13(d)~図13(h)に示すように、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に、図7に示した設定画面で設定されたサイクル差(又は時間差)で停止状態に制御される。
【0136】
また、異常が非検出となると、復帰制御部94は、図10のフローチャートに従って、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に、図7に示した設定画面で設定されたサイクル差(又は時間差)で駆動状態に復帰させる。
【0137】
(復帰制限時間超過により成型機を全停止させる動作)
次に、異常が検出されてから、上述の設定データで予め設定した時間内に復帰制御が行えない場合に、成型機2を全停止させる動作を説明する。換言すると、設定されたサイクルの間に復帰条件を満たさず、設備を自動停止させる場合の動作を説明する。設定されたサイクルは、例えば「30サイクル」とする。
【0138】
この場合、停止制御部93は、図14(c)の最初の黒色の四角で示すように、最初の異常検出をトリガとして、図14(d)~図14(h)に示すように、上述の所定のサイクル差(時間差)で、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に各部を停止制御する。この段階では、図14(a)及び図14(b)に示すように、モルダー回転盤41及び圧延ローラ51の駆動状態は維持される。
【0139】
次に、図14(c)に示すように、カウント部97により、最初に異常が検出されたサイクルから30サイクルがカウントされ、この間に、異常が非検出とならない場合、停止制御部93は、図14(a)及び図14(b)に示すように、モルダー回転盤41及び圧延ローラ51を停止状態に制御する。
【0140】
最初に異常が検出されてから、例えば30サイクルの間、異常が検出され続けるということは、麺帯Mに長く連続する破れが発生している等のような、大きなトラブルが発生していることを示す。このような場合は、成型機2全体を停止制御する。これにより、トラブルに対応するメンテナンスを行うことができ、このメンテナンス後に餃子の生成を再開することができる。
【0141】
(大きな麺破れを示す異常により成型機を全停止させる動作)
次に、麺破れ検出部24の受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、大きな麺破れを示す数である場合に、成型機2全体を停止させる動作を説明する。
【0142】
すなわち、停止制御部93は、図15のフローチャートのステップS52に示す「所定以上のセンサで異常が検出されたか?」との処理を常時行うことで、大きな麺破れの有無を、常に監視している。すなわち、停止制御部93は、受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、例えば30個等の、大きな麺破れを示す数であるか否かを常に監視している。
【0143】
停止制御部93は、図16(c)に示す最初の黒色の四角のタイミングで異常が検出されたとすると、図16(a)及び図16(b)に示すようにモルダー回転盤41及び圧延ローラ51の駆動を維持しつつ、図15のステップS51、及び、図16(d)~図16(h)に示すように、所定のサイクル差(時間差)で、粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62の順に各部を停止制御する。
【0144】
この停止制御の間、図16(c)に網目模様の四角で示すように、受光センサアレイ24bにおける、所定の閾値以上の受光光量を検出した受光素子68の数が、例えば30個等の、大きな麺破れを示す数を検出したとする(ステップS52:Yes)。これにより、図15のフローチャートのステップS53に処理が進み、停止制御部93は、この大きな麺破れを示す受光素子68の数を検出した次のサイクルから圧延ローラ51を停止制御する。
【0145】
また、停止制御部93は、図15のフローチャートのステップS54において、圧延ローラ51を停止制御したから例えば7サイクルが、カウント部97でカウントされたか否かを判別する。そして、停止制御部93は、カウント部97で7サイクルがカウントされると(ステップS54:Yes)、ステップS55において、図16(a)に示すようにモルダー回転盤41を停止制御する。
【0146】
粉振り機構52→皮抜き部53→具充填機構54→圧着部55→トレイ入れ62に続いて、圧延ローラ51→モルダー回転盤41が順に停止制御され、成型機全体が停止制御される。これにより、大きな麺破れのトラブルに対応するメンテナンスを行うことができる。餃子の生成は、このメンテナンス後に再開される。
【0147】
(製造システムの停止制御及び復帰制御)
以上の例は、成型機2の各部を順次、停止制御し、また、復帰制御する例であったが、駆動制御装置1は、異常が検出されると、このような成型機2の停止制御及び復帰制御と共に、製造システム200のコンベア等を順に停止制御し、異常が非検出となった際に、停止制御したコンベア等を、順に駆動状態に復帰させるようになっている。
【0148】
図17のフローチャートは、このような製造システム200のコンベア等の停止制御及び復帰制御の流れを示すフローチャートである。この図17のフローチャートのステップS61において、まず、麺破れ等の異常が検出され、蒸し庫異常センサ25~箱詰め異常センサ29で異常が検出され、又は、異常の発生を示す待機ボタン31が操作されると、停止制御部93は、ステップS62において、上述のように成型機2の各部を順に停止制御する。
【0149】
次に、停止制御部93は、ステップS63において、図1に示す本流コンベア駆動部16を介して本流コンベア8を停止制御する。次に、停止制御部93は、ステップS64において、蒸し庫ネット駆動部17を介して蒸し庫ネット9を停止制御すると共に、予冷庫ネット駆動部18を介して予冷庫ネット10を停止制御する。
【0150】
次に、停止制御部93は、ステップS65において、フリーザ前チョコネット駆動部19を介してフリーザ前チョコネット11を停止制御する。次に、停止制御部93は、ステップS66において、フリーザネット駆動部20を介してフリーザネット12を停止制御する。
【0151】
さらに、停止制御部93は、ラッピング装置に6に商品を移送するラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14、及び、箱詰め装置7に商品を移送する箱詰めコンベア15を順に停止制御する。
【0152】
復帰制御部94は、検出部(異常検出部92)で停止指示信号が非検出となってから経過した時間又は時間的要素に基づいて、或いは、検出部(異常検出部92)で復帰指示信号が検出されてから経過した時間又は時間的要素に基づいて、停止制御部93により停止制御された順序と反対の順序で、ラッピング装置6に商品を移送する移送路(ラッピング前ネット13及びラッピングコンベア14)及び箱詰め装置7に商品を移送する移送路(箱詰めコンベア15)移載機(トレイ入れ62)、包装部(圧着部55)、被包装物載置部(具充填機構54)、包装帯カット部(皮抜き部53)、載置板移動部(モルダー回転盤41)、及び、巻取ローラ部(圧延ローラ51)を、駆動状態に復帰させる。
【0153】
このように各部が停止制御されると、制御部83は、例えば現在、システムが待機中であることを示すメッセージを、待機報知部64を介して表示し、又は、現在、システムが待機中であることを示す音声メッセージ又は電子音を、スピーカ装置を介して出力する。
【0154】
次に、復帰制御部94は、ステップS67において、麺破れ等の異常が非検出となり、蒸し庫異常センサ25~箱詰め異常センサ29での異常検出が非検出となり、又は、待機状態の解除ボタン32の操作を検出すると、ステップS68において、箱詰めコンベア駆動部23、ラッピングコンベア駆動部22及びラッピング前ネット駆動部21を介して、箱詰め装置7に商品を移送する箱詰めコンベア15、ラッピング装置に6に商品を移送するラッピングコンベア14、及び、ラッピング前ネット13の順に、復帰制御(運転再開)を行う。また、復帰制御部94は、ステップS67において、フリーザネット駆動部20を介してフリーザネット12を復帰制御(運転再開)する。次に、ステップS69では、復帰制御部94は、フリーザ前チョコネット駆動部19を介してフリーザ前チョコネット11を復帰制御する。
【0155】
次に、ステップS70では、復帰制御部94は、蒸し庫ネット駆動部17を介して蒸し庫ネット9を復帰制御すると共に、予冷庫ネット駆動部18を介して予冷庫ネット10を復帰制御する。次に、ステップS71では、復帰制御部94は、本流コンベア駆動部16を介して本流コンベア8を復帰制御する。そして、復帰制御部94は、ステップS72において、上述のように成型機2の各部を順に復帰制御する。
【0156】
すなわち、異常が検出されると、停止制御部93が、成型機2の各部→本流コンベア8→蒸し庫ネット9及び予冷庫ネット10→フリーザ前チョコネット11→フリーザネット12の順に各部を停止制御し、異常が非検出となると、復帰制御部94が、フリーザネット12→フリーザ前チョコネット11→蒸し庫ネット9及び予冷庫ネット10→本流コンベア8→成型機2の各部の順に各部を復帰制御する。
【0157】
このような復帰制御が完了すると、制御部83は、それまで出力していた、システムが待機中であることを示すメッセージ又は音声等を非出力状態とするように、待機報知部64を制御する。
【0158】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の製造システム200は、異常が検出されると、所定のサイクル差又は時間差で成型機2の各部を順に停止制御する。また、異常が検出されると、所定の時間差で製造システム200の各部(本流コンベア8、蒸し庫ネット等)を順に停止制御する。これにより、異常検出時に餃子の生成を自動停止することができ、多くの不良品が生成され、また、無駄に具を使用する不都合を防止して、餃子の製造歩留の向上を図ることができる。
【0159】
また、異常非検出時となると、所定のサイクル差又は時間差で成型機2の各部を、停止制御した順に復帰制御する。また、異常が検出されると、所定の時間差で製造システム200の各部(本流コンベア8、蒸し庫ネット等)を、停止制御した順とは反対の順序で復帰制御する。これにより、異常非検出時となった際に餃子の製造を自動で復帰させることができ、異常時に餃子の製造を停止する時間を最低限の時間に抑制することができる。
【0160】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0161】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0162】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0163】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0164】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0165】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0166】
また、駆動制御装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0167】
例えば、駆動制御装置1が備える処理機能、特に制御部83及び制御部83にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて駆動制御装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部83を構成する。
【0168】
また、この駆動制御装置1の駆動制御プログラムは、駆動制御装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0169】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための駆動制御プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0170】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した駆動制御装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0171】
記憶部82は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0172】
また、駆動制御装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0173】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明は、包装物で非包装物を包装した商品を製造する機器であれば、どのような機器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0175】
1 駆動制御装置
2 成型機
3 蒸し庫
4 予冷庫
5 フリーザ
6 ラッピング装置
7 箱詰め装置
8 本流コンベア
16 本流コンベア駆動部
24 麺破れ検出部
24a 発光部
24b 受光センサアレイ
31 待機ボタン
32 解除ボタン
42 載置板
43 皮載置部
51 圧延ローラ
52 粉振り機構
53 皮抜き部
54 具充填機構
55 圧着部
56 回転盤駆動部
57 ローラ駆動部
58 粉振り駆動部
59 皮抜き駆動部
60 具充填駆動部
61 圧着駆動部
62 トレイ入れ
63 トレイ入れセンサ
64 待機報知部
65 タイマ
66 回転検出部
68 受光素子
82 記憶部
83 制御部
84 通信インターフェース部
85 入出力インターフェース部
86 入力装置
87 表示部
88 外部記憶装置
91 表示制御部
92 異常検出部
93 停止制御部
94 復帰制御部
95 データ生成部
96 記憶制御部
97 カウント部
100 餃子製造ユニット
200 製造システム
M 麺帯
H 麺帯に発生した破れ
KW 餃子の皮
GU 餃子の具材
GY 餃子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17