(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167736
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】容器、容器用のシート材
(51)【国際特許分類】
B65D 5/44 20060101AFI20241127BHJP
B65D 5/20 20060101ALI20241127BHJP
B65D 21/032 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B65D5/44 B
B65D5/44 E
B65D5/20 Z
B65D21/032
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084010
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】大竹 純一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 敦
(72)【発明者】
【氏名】丸下 梓
(72)【発明者】
【氏名】中村 瞭介
【テーマコード(参考)】
3E006
3E060
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA02
3E006CA03
3E006DA04
3E006DB03
3E006DB10
3E060AA08
3E060AB12
3E060BB01
3E060BB02
3E060BC04
3E060CD01
3E060CD12
3E060DA11
3E060DA18
(57)【要約】
【課題】剛性を高めることができると共にフランジの切れ目や段差をなくす。
【解決手段】容器(1)には、第1、第2の方向に沿って延びるフランジ(11)と、フランジの第1の方向に沿った内縁に連なる一対の第1の内側壁と、フランジの第2の方向に沿った内縁に連なる一対の第2の内側壁と、一対の第1の内側壁に外側から接する一対の第1の外側壁(23)と、一対の第2の内側壁に外側から接する一対の第2の外側壁(34)と、一対の第1の外側壁及び一対の第2の外側壁に囲まれる底壁(27)と、フランジの第1の方向に沿った外縁(14a)で折り返された一対の折返片(22)と、が設けられている。フランジに一対の折返片を介して一対の第1の外側壁が連なり、一対の第1の外側壁の一方の下辺(24a)に底壁が連なり、底壁の一対の側辺(28)に一対の第2の外側壁が連なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材(5、51、71、91、111)を折り曲げることによって組み立てられる容器(1、50、70、90、110)であって、
交差する第1の方向及び第2の方向に沿って枠状に延びるフランジ(11、52、72、92、112)と、
前記フランジの第1の方向に沿った内縁(13a)に連なる一対の第1の内側壁(21、55、75、95、115)と、
前記フランジの第2の方向に沿った内縁(13b)に連なる一対の第2の内側壁(31、56、76、96、116)と、
前記一対の第1の内側壁に対して外側から接する一対の第1の外側壁(23、58、78、98、118)と、
前記一対の第2の内側壁に対して外側から接する一対の第2の外側壁(34、59、79、99、119)と、
前記一対の第1の外側壁及び前記一対の第2の外側壁に囲まれる底壁(27、61、81、101、121)と、
前記フランジの第1の方向に沿った外縁(14a)で折り返された一対の折返片(22、57、77、97、117)と、を備え、
前記フランジに前記一対の折返片を介して前記一対の第1の外側壁が連なり、
前記一対の第1の外側壁の下辺のいずれか一方の下辺(24a)に前記底壁が連なり、
前記底壁の第1の方向に離間する一対の側辺(28)に前記一対の第2の外側壁が連なることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記一対の第2の外側壁から前記フランジの下面に沿って第2の方向に一対の突片(36、64,84、104、124)が突き出していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記一対の突片の先端部は矩形状であり、当該一対の突片の先端部の下側角部(38)が湾曲していることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記一対の第2の内側壁及び前記一対の第2の外側壁の間に位置する4つのフラップ(35、63、83、103、123)を備え、
前記一対の第1の外側壁の第1の方向に離間する一対の側辺(25)に前記各フラップが連なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記一対の第2の内側壁の第2の方向に離間する一対の側辺(32)が前記一対の第1の外側壁を折り曲げる際のガイドとして機能し、
前記一対の第2の内側壁の下辺(33)が前記底壁を折り曲げる際のガイドとして機能することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器。
【請求項6】
前記フランジの第2の方向に沿った一対の枠部を下側から支える一対の支持片(85)を備え、
前記一対の第2の外側壁の上辺に前記一対の支持片が連なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器。
【請求項7】
容器を組み立てるために用いられる容器用のシート材であって、
交差する第1の方向及び第2の方向に沿って枠状に延びるフランジと、
前記フランジの第1の方向に沿った内縁に連なる一対の第1の内側壁と、
前記フランジの第2の方向に沿った内縁に連なる一対の第2の内側壁と、
前記フランジの第1の方向に沿った外縁で折り返される一対の折返片と、
前記一対の折返片を介して前記フランジに連なる一対の第1の外側壁と、
前記一対の第1の外側壁のいずれか一方と第2の方向に連なる底壁と、
前記底壁を第1の方向で挟むように当該底壁に連なる一対の第2の外側壁と、を備え、
前記容器の組み立てによって前記一対の第1の内側壁に対して外側から前記一対の第1の外側壁が接し、前記一対の第2の内側壁に対して外側から前記一対の前記第2の外側壁が接することを特徴とする容器用のシート材。
【請求項8】
前記底壁が、一方の第1の外側壁と第2の方向に連なる底壁半部(126)と、他方の第1の外側壁と第2の方向に連なる他底壁半部(127)と、から成り、
前記一対の第2の外側壁が、前記底壁半部を第1の方向で挟むように当該底壁半部に連なる一対の側壁半部(128)と、前記他底壁半部を第1の方向で挟むように当該他底壁半部に連なる一対の他側壁半部(129)と、から成ることを特徴とする請求項7に記載の容器用のシート材。
【請求項9】
第2の方向で一方の第1の外側壁とは逆側で前記底壁に連なる継ぎ代を備え、
前記容器の組み立てによって他方の第1の外側壁に対して外側から前記継ぎ代が継ぎ合わせれることを特徴とする請求項7に記載の容器用のシート材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、容器用のシート材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート材を折り曲げることによって、フランジ付きの有底形状に形成された容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の容器用のシート材では、矩形状の底壁の四辺に第1の折線を介して側壁が連結され、四方の各側壁には第2の折線を介してフランジ片が連結されている。容器の組み立て時には、底壁に対して各側壁が第1の折線に沿って立ち上げられ、各側壁に対して各フランジ片が第2の折線に沿って外向きに倒される。隣り合うフランジ片同士が接した状態でフィルムが貼着されて容器の形状が保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、容器の剛性を高めるために側壁を2重にすることが望まれている。しかしながら、特許文献1に記載の容器の側壁を2重にして剛性が高められても、容器のフランジが4つのフランジ片から成るため、隣り合うフランジ片の間に微小な切れ目が生じている。このため、容器がトップシールによって封緘されると、フランジの切れ目から空気がリークするおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、剛性を高めることができると共にフランジの切れ目や段差をなくすことができる容器及びシート材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の容器は、シート材を折り曲げることによって組み立てられる容器であって、交差する第1の方向及び第2の方向に沿って枠状に延びるフランジと、前記フランジの第1の方向に沿った内縁に連なる一対の第1の内側壁と、前記フランジの第2の方向に沿った内縁に連なる一対の第2の内側壁と、前記一対の第1の内側壁に対して外側から接する一対の第1の外側壁と、前記一対の第2の内側壁に対して外側から接する一対の第2の外側壁と、前記一対の第1の外側壁及び前記一対の第2の外側壁に囲まれる底壁と、前記フランジの第1の方向に沿った外縁で折り返された一対の折返片と、を備え、前記フランジに前記一対の折返片を介して前記一対の第1の外側壁が連なり、前記一対の第1の外側壁の下辺のいずれか一方の下辺に前記底壁が連なり、前記底壁の第1の方向に離間する一対の側辺に前記一対の第2の外側壁が連なっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一対の第1の内側壁に一対の第1の外側壁が重ねられ、一対の第2の内側壁に一対の第2の外側壁が重ねられて容器の剛性が高められている。フランジの内縁には一対の第1、第2の内側壁が連なり、フランジの外縁には一対の折返片を介して一対の第1の外側壁が連なっている。また、一方の第1の外側壁には底壁を介して一対の第2の外側壁が連なっている。1枚のシート材を組み立てることで2重の側壁を持った容器が形成される。また、容器のフランジが切れ目や段差がない環状に形成されているため、容器がトップシールによって封緘されてもフランジから空気がリークし難くい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態の容器を上方から見た斜視図である。
【
図2】第1の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。
【
図3】第1の実施形態の複数の容器を積み重ねた状態を示す斜視図である。
【
図6】第1の実施形態の容器の組み立て作業の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態の容器の組み立て作業の一例を示す図である。
【
図8】第2の実施形態の容器のシート材の平面図である。
【
図9】第2の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。
【
図10】第3の実施形態の容器のシート材の平面図である。
【
図11】第3の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。
【
図12】第4の実施形態の容器のシート材の平面図である。
【
図13】第4の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。
【
図14】第5の実施形態の容器のシート材の平面図である。
【
図15】第5の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本実施形態の容器について説明する。各図に付される矢印Fr、Rr、L、R、U、Loは、それぞれ包装箱の前側、後側、左側、右側、上側、下側を示している。また、本実施形態では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態の容器を上方から見た斜視図である。
図2は第1の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。
図3は第1の実施形態の複数の容器を積み重ねた状態を示す斜視図である。
図4は比較例の容器を下方から見た斜視図である。
図5は第1の実施形態のシート材の平面図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、容器1は、食品トレイやブリスタートレイ等に使用されるものであり、シート材5(
図5参照)をトレイ型に組み立てることで形成される。容器1は上面視矩形状に形成されており、容器1の上面の開口縁にはフランジ11が設けられている。フランジ11は、前後方向(第1の方向)及び左右方向(第2の方向)に沿って矩形枠状に延びている。フランジ11の一対の縦枠部12は前後方向に延び、フランジ11の一対の横枠部15は左右方向に延びて、フランジ11の四隅において一対の縦枠部12と一対の横枠部15が切れ目なく連なっている。
【0012】
一対の縦枠部12の内縁13aには一対の第1の内側壁21が連なり、一対の縦枠部12の内縁13aから一対の第1の内側壁21が立ち下がっている。一対の第1の内側壁21は基端側の縦寸法が先端側の縦寸法よりも長い段状に形成されている。一対の縦枠部12の外縁14aでは一対の折返片22が折り返されており、一対の縦枠部12に対して下側から一対の折返片22が接している。一対の縦枠部12には一対の折返片22を介して一対の第1の外側壁23が連なり、一対の第1の内側壁21に一対の第1の外側壁23が外側から接している。一対の第1の外側壁23は台形状に形成されている。
【0013】
一対の第1の内側壁21の外面に一対の第1の外側壁23が貼着されており、容器1の左右の両側壁が一対の第1の内側壁21及び一対の第1の外側壁23によって部分的に2重に形成されている。一対の第1の外側壁23よりも一対の第1の内側壁21が小さく形成されているが、一対の第1の内側壁21が前後方向に長く形成されることで貼着代が広く確保されている。一対の第1の外側壁23の左方(一方)の下辺24aには底壁27が連なり、右方(他方)の下辺24bには継ぎ代29が連なっている。底壁27に対して継ぎ代29が下側から接し、底壁27の下面に継ぎ代29が貼着されている。
【0014】
一対の横枠部15の内縁13bには一対の第2の内側壁31が連なり、一対の横枠部15の内縁13bから一対の第2の内側壁31が立ち下がっている。底壁27の縦方向に離間する一対の横辺28に一対の第2の外側壁34が連なり、底壁27の一対の横辺28から一対の第2の外側壁34が立ち上がり、一対の第2の外側壁34が一対の第2の内側壁31に外側から接している。一対の第2の内側壁31及び一対の第2の外側壁34は共に台形状に形成されている。一対の第2の内側壁31の外面に一対の第2の外側壁34が貼着されており、容器1の前後の両側壁が一対の第2の内側壁31及び一対の第2の外側壁34によって2重に形成されている。
【0015】
一対の第2の内側壁31と一対の第2の外側壁34の間には4つのフラップ35が位置している。各フラップ35は一対の第1の外側壁23の前後方向に離間する一対の側辺25に連なっている。各フラップ35が一対の第2の内側壁31と一対の第2の外側壁34の間に入り込むことで、一対の第1の外側壁23及び一対の第2の外側壁34の稜線に段差は生じるが、一対の第1の外側壁23及び一対の第2の外側壁34の稜線の隙間を無くすことができる。よって、容器1に対してフィルム等を貼着しなくても、一対の第1の外側壁23及び一対の第2の外側壁34を連ねて容器1のトレイ形状を保つことができる。
【0016】
図2及び
図3に示すように、一対の第2の外側壁34からフランジ11の下面に沿って横方向に一対の突片36が突き出している。各突片36は、複数の容器1が積み重ねられた場合に、複数の容器1のフランジ11の間に介在される。各突片36の上辺は当該突片36が形成された容器1のフランジ11に下側から接し、各突片36の下辺は1つ下の容器1のフランジ11に上側から接している。各突片36の高さ分だけ、上下の容器1のフランジ11の間に隙間が空けられている。複数の容器1が積み重ねられても、複数のフランジ11の間に隙間が空くことで容器1が分離し易くなっている。
【0017】
各突片36の先端部が矩形状に形成されており、各突片36の上側角部37が角張っており、各突片36の下側角部38が湾曲している。複数の容器1が積み重ねられた場合に、1つ下の容器1に接する下側角部38が潰れ難くなり、下側角部38を起点にした突片36の破損が防止される。また、下側角部38が丸みを帯びているため、突片36の下側角部38に指先が触れても痛みを感じることがない。また、本実施形態では、第1の外側壁23ではなく、第2の外側壁34に突片36が設けられているため、第1の外側壁23に連なるフラップ35を十分な大きさで形成することができる。
【0018】
例えば、
図4の比較例に示す容器40のように、第1の外側壁41の側辺42に突片43が形成することもできる。しかしながら、第1の外側壁41の側辺42に突片43を形成した分だけ、第1の外側壁41の側辺42に連なるフラップ44の高さを小さくしなければならない。このため、シート材が組み立てられることで、小型のフラップ44が第2の内側壁(不図示)と第2の外側壁46の間に入り込むが、第1の外側壁41及び第2の外側壁46の稜線の一部には隙間47が生じてしまう。このため、容器40の四隅に隙間47が空くことで、十分な強度を確保することができない恐れがある。
【0019】
図5に示すように、容器1用のシート材5はコートボール紙を所定形状に切り抜いて形成されている。シート材5の紙目方向が左右方向に合わせられ、紙目方向に直交する方向が前後方向に合わせられている。シート材5には、一対の縦枠部12と一対の横枠部15から成るフランジ11が形成されている。一対の縦枠部12の内縁には第1の折線L1を介して一対の第1の内側壁21が連なり、一対の横枠部15の内縁には第2の折線L2を介して一対の第2の内側壁31が連なっている。フランジ11の内側では、段状の第1の内側壁21と台形状の第2の内側壁31が切込みを挟んで隣接している。
【0020】
一対の縦枠部12の外縁には、第3の折線L3を介して一対の折返片22が連なっている。一対の折返片22は、一対の縦枠部12に沿って直線状に延びて一対の縦枠部12と略同幅に形成されている。一対の折返片22には、一対の縦枠部12側とは逆側に第4の折線L4を介して一対の第1の外側壁23が連なっている。左側(一方側)の第1の外側壁23には折返片22とは逆側に第5の折線L5を介して底壁27が連なり、右側(他方側)の第1の外側壁23には折返片22とは逆側に第6の折線L6を介して継ぎ代29が連なっている。継ぎ代29は底壁27よりも左右寸法が小さな矩形状に形成されている。
【0021】
各第1の外側壁23の前後両側には第7の折線L7を介して一対のフラップ35が連なり、底壁27の前後両側には第8の折線L8を介して一対の第2の外側壁34が連なっている。各第2の外側壁34の一対の角部から左右方向外側に一対の突片36が突き出している。第2の外側壁34と左側のフラップ35が切込みを挟んで左右方向で隣接しており、第2の外側壁34の突片36とフラップ35は隙間Cを空けて前後方向で隣接している。突片36とフラップ35の間に隙間Cが空けられることで、シート製造時に突片36の下側角部38に対してR加工が施し易くなっている。
【0022】
なお、
図5において、二点鎖線で示す折線L1-L4はリード罫で形成されており、破線で示す折線L5-L8は罫線で形成されている。罫線とはシート材5を直線状に押し潰した折線を示し、リード罫とは罫線上に複数の切込みを断続的に形成した折線を示している。特に、折線L3がリード罫で形成されることで、フランジ11に対して一対の折返片22が折り返し易くなっている。折線L1-L8は、シート材5を折ることができれば、どのように形成されていてもよい。例えば、折線L1-L8の全てがリード罫で形成されていてもよいし、折線L1-L8の全てが罫線で形成されていてもよい。
【0023】
図6及び
図7を参照して、容器の組み立て作業について説明する。
図6及び
図7は、第1の実施形態の容器の組み立て作業の一例を示す図である。なお、容器は、作業者の手作業によって組み立てられてもよいし、製函機によって自動的又は半自動的に組み立てられてもよい。ここでは、一例として、作業者が容器を組み立てる場合について説明するが、組み立て作業の作業順序は適宜変更が可能である。
【0024】
図6(A)に示すように、シート材5(
図5参照)の裏面が上方に向けられており、シート材5が第1-第8の折線L1-L8(
図5参照)に沿って折られることで容器1が組み立てられる。また、一対の第1の内側壁21の裏面、継ぎ代29の裏面、一対の第2の外側壁34の裏面の計5個所に両面テープ39が設けられている。本実施形態では、両面テープ39によってシート同士が接着されるが、接着個所や接着方法は特に限定されない。先ず、一対の第2の内側壁31がフランジ11に対して第2の折線L2に沿って折られて、フランジ11に対して一対の第2の内側壁31が上向きに起こされる。
【0025】
次に、
図6(B)に示すように、一対の折返片22がフランジ11に対して第3の折線L3に沿って折り返されると共に、一対の第1の外側壁23が一対の折返片22に対して第4の折線L4に沿って折られて、フランジ11に対して一対の第1の外側壁23が上向きに起こされる。このとき、一対の第1の外側壁23と各フラップ35の間の第7の折線L7が一対の第2の内側壁31の側辺32に突き当たるように、一対の第1の外側壁23と一対の第2の内側壁31の折り曲げ角度が調整される。一対の第2の内側壁31の側辺32が一対の第1の外側壁23を折り曲げる際のガイドとして機能している。
【0026】
次に、
図7(A)に示すように、一対の第1の内側壁21がフランジ11に対して第1の折線L1に沿って折られて、フランジ11に対して一対の第1の内側壁21が上向きに起こされる。一対の第1の内側壁21が両面テープ39を介して一対の第1の外側壁23に接着される。一対の第1の内側壁21及び一対の第1の外側壁23によって容器1の左右の両側壁が部分的に2重に形成されている。また、各フラップ35が一対の第1の外側壁23に対して第7の折線L7に沿って折られて、一対の第2の内側壁31の外側に各フラップ35が位置付けられる。
【0027】
次に、
図7(B)に示すように、底壁27が左側の第1の外側壁23に対して第5の折線L5に沿って折られて、第1の外側壁23に対して底壁27が横向きに倒される。このとき、底壁27と一対の第2の外側壁34の間の第8の折線L8が一対の第2の内側壁31の下辺33(
図7(A)参照)に突き当たるように底壁27の折り曲げ角度が調整される。一対の第2の内側壁31の下辺33が底壁27を折り曲げる際のガイドとして機能している。このように、本実施形態では、一対の第2の内側壁31をガイドにして、一対の第1の外側壁23及び底壁27を折り曲げることで容器1の組み立て性が向上されている。
【0028】
そして、一対の第2の外側壁34が底壁27に対して第8の折線L8に沿って折られて、底壁27に対して一対の第2の外側壁34が下向きに倒される。一対の第2の外側壁34が両面テープ39を介して一対の第2の内側壁31に接着される。一対の第2の内側壁31及び一対の第2の外側壁34によって容器1の前後の両側壁が2重に形成されている。また、継ぎ代29が右側の第1の外側壁23に対して第6の折線L6に沿って折られて、第1の外側壁23に対して継ぎ代29が横向きに倒される。継ぎ代29が両面テープ39を介して底壁27に接着されて、シート材5から容器1が組み立てられる。
【0029】
以上、第1の実施形態によれば、一対の第1の内側壁21に一対の第1の外側壁23が重ねられ、一対の第2の内側壁31に一対の第2の外側壁34が重ねられて容器1の剛性が高められている。フランジ11の内縁13a、13bには一対の第1、第2の内側壁21、31が連なり、フランジ11の外縁14aには一対の折返片22を介して一対の第1の外側壁23が連なっている。また、一方の第1の外側壁23には底壁27を介して一対の第2の外側壁34が連なっている。1枚のシート材5を組み立てることで2重の側壁を持った容器1が形成される。また、容器1のフランジ11が切れ目や段差がない環状に形成されているため、容器1がトップシールによって封緘されてもフランジ11から空気がリークし難くい。
【0030】
<第2の実施形態>
図8及び
図9を参照して、第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態の容器のシート材の平面図である。
図9は、第2の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。なお、第2の実施形態は、一対の折返片の形状が第1の実施形態と相違する。したがって、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0031】
図8に示すように、シート材51の一対の縦枠部53の内縁には第1の折線L11を介して一対の第1の内側壁55が連なり、一対の横枠部54の内縁には第2の折線L12を介して一対の第2の内側壁56が連なっている。一対の縦枠部53の外縁には、第3の折線L13を介して一対の折返片57が連なっている。一対の折返片57のフランジ52側の略半部が一対の第2の折線L12の前後間隔よりも長く形成されており、一対の折返片57の逆側の略半部が一対の第2の折線L12の前後間隔と略同じ長さに形成されている。すなわち、一対の縦枠部53に沿った一対の折返片57の略半部が一対の横枠部54側にはみ出ている。
【0032】
一対の折返片57には、一対の縦枠部53側とは逆側に第4の折線L14を介して一対の第1の外側壁58が連なっている。左側の第1の外側壁58には折返片57とは逆側に第5の折線L15を介して底壁61が連なり、右側の第1の外側壁58には折返片57とは逆側に第6の折線L16を介して継ぎ代62が連なっている。各第1の外側壁58の前後両側には第7の折線L17を介して一対のフラップ63が連なり、底壁61の前後両側には第8の折線L18を介して一対の第2の外側壁59が連なっている。各第2の外側壁59の一対の角部から左右方向外側に一対の突片64が突き出している。
【0033】
図9に示すように、容器50が組み立てられると、フランジ52の一対の縦枠部53に対して一対の折返片57が下側から接している。上記したように、一対の折返片57の略半部が一対の横枠部54側(フランジ52の角部側)にはみ出ているため、一対の折返片57によって一対の縦枠部53だけでなく一対の横枠部54も部分的に補強されて剛性が高められている。容器50がトップシールに封緘されても、容器50からトップシールを剥がす際にフランジ52が折れ難くなっている。第2の実施形態においても、1枚のシート材51から2重の側壁を持った容器50が形成されて剛性が十分に確保される。
【0034】
<第3の実施形態>
図10及び
図11を参照して、第3の実施形態について説明する。
図10は、第3の実施形態の容器のシート材の平面図である。
図11は、第3の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。なお、第3の実施形態は、一対の横枠部を補強する一対の支持片を設けた点で第2の実施形態と相違する。したがって、第3の実施形態では、第2の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0035】
図10に示すように、シート材71の一対の縦枠部73の内縁には第1の折線L21を介して一対の第1の内側壁75が連なり、一対の横枠部74の内縁には第2の折線L22を介して一対の第2の内側壁76が連なっている。一対の縦枠部73の外縁には、第3の折線L23を介して一対の折返片77が連なっている。一対の折返片77には、一対の縦枠部73側とは逆側に第4の折線L24を介して一対の第1の外側壁78が連なっている。左側の第1の外側壁78には折返片77とは逆側に第5の折線L25を介して底壁81が連なり、右側の第1の外側壁78には折返片77とは逆側に第6の折線L26を介して継ぎ代82が連なっている。
【0036】
各第1の外側壁78の前後両側には第7の折線L27を介して一対のフラップ83が連なり、底壁81の前後両側には第8の折線L28を介して一対の第2の外側壁79が連なっている。各第2の外側壁79の一対の角部から左右方向外側に一対の突片84が突き出している。一対の第2の外側壁79には底壁81とは逆側に第9の折線29を介して一対の支持片85が連なっている。一対の支持片85は一対の第2の外側壁79よりも左右方向に長く形成されている。なお、第9の折線29は、第1-第4の折線L21-L24と同様にリード罫によって形成されている。
【0037】
図11に示すように、容器70が組み立てられると、一対の支持片85が一対の第2の外側壁79の上辺に連なり、一対の支持片85によって一対の横枠部74が下側から支えられている。一対の支持片85は一対の横枠部74に両面テープ等で接着されている。一対の折返片77と一対の支持片85によって一対の縦枠部73及び一対の横枠部74が補強されてフランジ72の剛性が全周に亘って高められている。第3の実施形態においても、1枚のシート材71から2重の側壁を持った容器70が形成されて剛性が十分に確保される。
【0038】
<第4の実施形態>
図12及び
図13を参照して、第4の実施形態について説明する。
図12は、第4の実施形態の容器のシート材の平面図である。
図13は、第4の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。なお、第4の実施形態は、継ぎ代が底壁に連なる点で第2の実施形態と相違する。したがって、第4の実施形態では、第2の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0039】
図12に示すように、シート材91の一対の縦枠部93の内縁には第1の折線L31を介して一対の第1の内側壁95が連なり、一対の横枠部94の内縁には第2の折線L32を介して一対の第2の内側壁96が連なっている。一対の縦枠部93の外縁には、第3の折線L33を介して一対の折返片97が連なっている。一対の折返片97には、一対の縦枠部93側とは逆側に第4の折線L34を介して一対の第1の外側壁98が連なっている。左側の第1の外側壁98には折返片97とは逆側に第5の折線L35を介して底壁101が連なっている。底壁101の左側には第6の折線L36を介して略台形状の継ぎ代102が連なっている。
【0040】
各第1の外側壁98の前後両側には第7の折線L37を介して一対のフラップ103が連なり、底壁101の前後両側には第8の折線L38を介して一対の第2の外側壁99が連なっている。各第2の外側壁99の一対の角部から左右方向外側に一対の突片104が突き出している。一対の第2の外側壁99が台形状に形成されており、底壁101よりも第2の外側壁99が左側に広がっている。底壁101の左側の空きスペースを利用して継ぎ代102が設けられることで、右側の第1の外側壁98に継ぎ代102を連ねる構成よりもシート材91の紙幅を小さくすることができる。
【0041】
図13に示すように、容器90が組み立てられると、底壁101に連なる継ぎ代102が右側の第1の外側壁98に接着される。第4の実施形態においても、1枚のシート材91から2重の側壁を持った容器90が形成されて剛性が十分に確保される。
【0042】
<第5の実施形態>
図14及び
図15を参照して、第5の実施形態について説明する。
図14は、第5の実施形態の容器のシート材の平面図である。
図15は、第5の実施形態の容器を下方から見た斜視図である。なお、第5の実施形態は、底壁及び第2の外側壁が左右に分割されている点で第2の実施形態と相違する。したがって、第5の実施形態では、第2の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0043】
図14に示すように、シート材111の一対の縦枠部113の内縁には第1の折線L41を介して一対の第1の内側壁115が連なり、一対の横枠部114の内縁には第2の折線L42を介して一対の第2の内側壁116が連なっている。一対の縦枠部113の外縁には、第3の折線L43を介して一対の折返片117が連なっている。一対の折返片117には、一対の縦枠部113側とは逆側に第4の折線L44を介して一対の第1の外側壁118が連なっている。左側の第1の外側壁118には折返片117とは逆側に第5の折線L45を介して左底壁半部(底壁半部)126が連なり、右側の第1の外側壁118には折返片117とは逆側に第6の折線L46を介して右底壁半部(他底壁半部)127が連なっている。
【0044】
各第1の外側壁118の前後両側には第7の折線L47を介して一対のフラップ123が連なっている。左底壁半部126の前後両側には第8の折線L48を介して一対の左側壁半部(側壁半部)128が連なり、右底壁半部127の前後両側には第9の折線L49を介して一対の右側壁半部(他側壁半部)129が連なっている。一対の左側壁半部128の右側の角部から右側に一対の突片124が突き出し、一対の右側壁半部129の左側の角部から左側に一対の突片124が突き出している。継ぎ代を設けずにシート材111から容器110が組み立てられる構造なので、シート材111の紙幅を小さくすることができる。
【0045】
図15に示すように、容器110が組み立てられると、左側の第1の外側壁118の下辺に左底壁半部126が連なり、右側の第1の外側壁118の下辺に右底壁半部127が連なっている。左底壁半部126及び右底壁半部127によって底壁121が形成されている。左底壁半部126の前後方向に離間する一対の横辺に一対の左側壁半部128が連なり、右底壁半部127の前後方向に離間する一対の横辺に一対の右側壁半部129が連なっている。一対の左側壁半部128及び一対の右側壁半部129によって一対の第2の外側壁119が形成されている。第5の実施形態においても、1枚のシート材111から2重の側壁を持った容器110が形成されて剛性が十分に確保される。
【0046】
なお、上記各実施形態では、容器が上面視矩形状に形成されているが、容器は第1の方向及び第2の方向に沿って枠状に延びるフランジ付きの有底形状に形成されていればよい。
【0047】
また、上記各実施形態では、第1の内側壁が段状に形成され、第2の内側壁が台形状に形成されているが、第1の内側壁が台形状に形成され、第2の内側壁が段状に形成されていてもよい。
【0048】
また、上記各実施形態では、第2の外側壁の側辺から矩形状の突片が突き出しているが、突片は第2の外側壁の側辺からフランジの下面に沿って突き出すように形成されていれば、突片の形状は特に限定されない。例えば、突片の上辺が水平に延び、突片の下片が先端に向かって高くなるように傾斜する台形状に形成されていてもよい。
【0049】
また、容器はトップシールによって封緘されてもよいし、容器はトップシールによって封緘されなくてもよい。さらに、容器の表面にはフィルムが貼着されてもよいし、容器の表面にはフィルムが貼着されなくてもよい。
【0050】
また、上記各実施形態では、容器がコートボール紙によって形成されたが、容器の材質は特に限定されない。例えば、容器が厚紙や樹脂製の板等によって形成されてもよい。
【0051】
以上の通り、第1態様は、シート材(5、51、71、91、111)を折り曲げることによって組み立てられる容器(1、50、70、90、110)であって、交差する第1の方向及び第2の方向に沿って枠状に延びるフランジ(11、52、72、92、112)と、フランジの第1の方向に沿った内縁(13a)に連なる一対の第1の内側壁(21、55、75、95、115)と、フランジの第2の方向に沿った内縁(13b)に連なる一対の第2の内側壁(31、56、76、96、116)と、一対の第1の内側壁に対して外側から接する一対の第1の外側壁(23、58、78、98、118)と、一対の第2の内側壁に対して外側から接する一対の第2の外側壁(34、59、79、99、119)と、一対の第1の外側壁及び一対の第2の外側壁に囲まれる底壁(27、61、81、101、121)と、フランジの第1の方向に沿った外縁(14a)で折り返された一対の折返片(22、57、77、97、117)と、を備え、フランジに一対の折返片を介して一対の第1の外側壁が連なり、一対の第1の外側壁の下辺のいずれか一方の下辺(24a)に底壁が連なり、底壁の第1の方向に離間する一対の側辺(横辺28)に一対の第2の外側壁が連なる。この構成によれば、一対の第1の内側壁に一対の第1の外側壁が重ねられ、一対の第2の内側壁に一対の第2の外側壁が重ねられて容器の剛性が高められている。フランジの内縁には一対の第1、第2の内側壁が連なり、フランジの外縁には一対の折返片を介して一対の第1の外側壁が連なっている。また、一方の第1の外側壁には底壁を介して一対の第2の外側壁が連なっている。1枚のシート材を組み立てることで2重の側壁を持った容器が形成される。また、容器のフランジが切れ目や段差がない環状に形成されているため、容器がトップシールによって封緘されてもフランジから空気がリークし難くい。
【0052】
第2態様は、第1態様において、一対の第2の外側壁からフランジの下面に沿って第2の方向に一対の突片(36、64,84、104、124)が突き出している。この構成によれば、複数の容器が積み重ねられた場合に、複数の容器のフランジの間に突片が介在する。各突片の高さ分だけ上下の容器のフランジの間に隙間が空くことで容器が分離し易くなっている。
【0053】
第3態様は、第2態様において、一対の突片の先端部は矩形状であり、当該一対の突片の先端部の下側角部(38)が湾曲している。この構成によれば、複数の容器が積み重ねられた場合に、下側の容器に接する突片の下側角部が潰れ難くなり、下側角部を起点にした突片の破損が防止される。
【0054】
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1態様において、一対の第2の内側壁及び一対の第2の外側壁の間に位置する4つのフラップ(35、63、83、103、123)を備え、一対の第1の外側壁の第1の方向に離間する一対の側辺(25)に各フラップが連なる。この構成によれば、4つのフラップによって一対の第1の外側壁と一対の第2の外側壁の稜線の隙間を無くすことができる。
【0055】
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1態様において、一対の第2の内側壁の第2の方向に離間する一対の側辺(32)が一対の第1の外側壁を折り曲げる際のガイドとして機能し、一対の第2の内側壁の下辺(33)が底壁を折り曲げる際のガイドとして機能する。この構成によれば、一対の第2の内側壁をガイドにして、一対の第1の外側壁及び底壁を折り曲げることで容器の組み立て性が向上される。
【0056】
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか1態様において、前記フランジの第2の方向に沿った一対の枠部を下側から支える一対の支持片(85)を備え、前記一対の第2の外側壁の上辺に前記一対の支持片が連なる。この構成によれば、一対の折返片と一対の支持片によってフランジの剛性が全周に亘って高められている。
【0057】
第7態様は、容器を組み立てるために用いられる容器用のシート材であって、交差する第1の方向及び第2の方向に沿って枠状に延びるフランジと、前記フランジの第1の方向に沿った内縁に連なる一対の第1の内側壁と、前記フランジの第2の方向に沿った内縁に連なる一対の第2の内側壁と、前記フランジの第1の方向に沿った外縁で折り返される一対の折返片と、前記一対の折返片を介して前記フランジに連なる一対の第1の外側壁と、前記一対の第1の外側壁のいずれか一方と第2の方向に連なる底壁と、前記底壁を第1の方向で挟むように当該底壁に連なる一対の第2の外側壁と、を備え、前記容器の組み立てによって前記一対の第1の内側壁に対して外側から前記一対の第1の外側壁が接し、前記一対の第2の内側壁に対して外側から前記一対の前記第2の外側壁が接する。この構成によれば、1枚のシート材から2重の側壁を持った容器を容易に組み立てることができる。容器がトップシールによって封緘されてもフランジから空気がリークし難くい。
【0058】
第8態様は、第7態様において、底壁が、一方の第1の外側壁と第2の方向に連なる底壁半部(左底壁半部126)と、他方の第1の外側壁と第2の方向に連なる他底壁半部(右底壁半部127)と、から成り、一対の第2の外側壁が、底壁半部を第1の方向で挟むように当該底壁半部に連なる一対の側壁半部(左側壁半部128)と、他底壁半部を第1の方向で挟むように当該他底壁半部に連なる一対の他側壁半部(右側壁半部129)と、から成る。この構成によれば、継ぎ代を設けずにシート材から容器が組み立てられる構造なので、シート材の紙幅を小さくすることができる。
【0059】
第9態様は、第7態様において、第2の方向で一方の第1の外側壁とは逆側で底壁に連なる継ぎ代を備え、容器の組み立てによって他方の第1の外側壁に対して外側から継ぎ代が継ぎ合わせれる。この構成によれば、シート材の紙幅を小さくすることができる。
【0060】
なお、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0061】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、実用新案登録請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0062】
1、50、70、90、110 :容器
5、51、71、91、111 :シート材
11、52、72、92、112 :フランジ
13a :フランジの内縁
13b :フランジの内縁
14a :フランジの外縁
21、55、75、95、115 :第1の内側壁
22、57、77、97、117 :折返片
23、58、78、98、118 :第1の外側壁
24a :第1の外側壁の下辺
27、61、81、101、121:底壁
28 :底壁の横辺(側辺)
31、56、76、96、116 :第2の内側壁
32 :第2の内側壁の側辺
33 :第2の内側壁の下辺
34、59、79、99、119 :第2の外側壁
35、63、83、103、123:フラップ
36、64,84、104、124:突片
38 :下側角部
85 :支持片
126 :左底壁半部(底壁半部)
127 :右底壁半部(他底壁半部)
128 :左側壁半部(側壁半部)
129 :右側壁半部(他側壁半部)