(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167738
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】シャッターケース
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
E06B9/17 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084012
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】張 俊偉
(57)【要約】
【課題】ケース板の上側の係止状態が外れた時のケース板の落下を防止する。
【解決手段】
上側係止部(73、710)、下側係止部720を備え、開口幅方向に連設された複数枚の湾曲ケース板7A~7Eからなる丸ケースにおいて、各湾曲ケース板を、隣接する湾曲ケース板の幅方向端部同士を重ねた状態で、前記上側係止部を前記上側ケース止め材に係止し、前記下側係止部を前記下側ケース止め材に係止することで前記丸ケースを形成しており、前記丸ケースには、湾曲ケース板が隣接する湾曲ケース板の重なり部が解消される方向へ移動することを規制する横ずれ規制手段(螺子19)が設けてある。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に取り付けた左右のブラケットと、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる上側ケース止め材と、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる下側ケース止め材と、
上側係止片、下側係止片を備え、開口幅方向に連設された複数枚の湾曲ケース板からなる丸ケースと、
を備え、
各湾曲ケース板を、隣接する湾曲ケース板の幅方向端部同士を重ねた状態で、前記上側係止片を前記上側ケース止め材に係止し、前記下側係止片を前記下側ケース止め材に係止することで前記丸ケースを形成しており、
前記丸ケースには、湾曲ケース板が隣接する湾曲ケース板の重なり部が解消される方向へ移動することを規制する横ずれ規制手段が設けてある、
シャッターケース。
【請求項2】
前記横ずれ規制手段は、前記重なり部位を形成する端部同士を連結する止着部材である、
請求項1に記載のシャッターケース。
【請求項3】
前記横ずれ規制手段は、前記重なり部位に近接して、下側の湾曲ケース板から突設された突起である、
請求項1に記載のシャッターケース。
【請求項4】
前記突起は螺子であり、
前記螺子の軸部は、前記重なり部位に近接して、下側の湾曲ケース板に固定されており、
前記螺子の頭部は、前記重なり部を形成する上側の湾曲ケース板の端部に部分的に被さっている、
請求項3に記載のシャッターケース。
【請求項5】
前記横ずれ規制手段は、シャッターケースに対して着脱可能である、
請求項1~3いずれか1項に記載のシャッターケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャッターケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
重量シャッター等のシャッターケースとして、いわゆる丸ケースが知られている(特許文献1、2)。丸ケースは、金属製板材を断面視弧状に湾曲して形成されたケース板からなり、湾曲させたケース板の上端部、下端部を、躯体に設けた上側ケース止め材、まぐさ近傍等に設けた下側ケース止め材にそれぞれ係止させることで取り付けられる。丸ケースの上下端部を係止させる際に、ケース板を上端部と下端部を近づける方向に弾性変形させ、弾性変形されたケース板が拡開する弾性力によって係止状態が保持される。
【0003】
しかしながら、丸ケースの弾性力を超える振動が地震等の影響で作用した場合、あるいは、何らかの理由(丸ケースの取付時の施工性向上のため意図せず塑性変形させてしまう等)で丸ケースの弾性力が弱くなっている場合(この場合、上端の係止状態が外れやすくなっている)には、丸ケースの上端部の係止状態が外れてしまうおそれがある。丸ケースの上端部の係止状態が外れると丸ケースが保持されずに落下してしまうおそれがある。このような丸ケースの落下は極めて起こり難いと考えられるが、万が一に備えておくことが望ましい。特許文献1、2には、ケース板の上側の係止状態が外れた場合にケース板の落下を防止する手段が開示されている。
【0004】
このような重量シャッターの丸ケースは、ケース板の端部同士を重ねた状態で設置されており、この重ね代によりケース板が外れ難い状態となっているが、大型地震等でシャッターケースが激しい振動を受けた時に、ケース板が横ずれして重ね代が無くなることでケース板の上端が上部ケース止め材から外れ易くなってしまうおそれがある。
【特許文献1】特許第6453106号
【特許文献2】特許第6838896号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ケース板が横ずれすることで、上側の係止状態が外れ易くなることを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
躯体に取り付けた左右のブラケットと、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる上側ケース止め材と、
左右のブラケット間に亘って開口幅方向に延びる下側ケース止め材と、
上側係止片、下側係止片を備え、開口幅方向に連設された複数枚の湾曲ケース板からなる丸ケースと、
を備え、
各湾曲ケース板を、隣接する湾曲ケース板の幅方向端部同士を重ねた状態で、前記上側係止片を前記上側ケース止め材に係止し、前記下側係止片を前記下側ケース止め材に係止することで前記丸ケースを形成しており、
前記丸ケースには、湾曲ケース板が隣接する湾曲ケース板の重なり部が解消される方向へ移動することを規制する横ずれ規制手段が設けてある、
シャッターケース。
【0007】
1つの態様では、前記横ずれ規制手段は、前記重なり部位を形成する端部同士を連結する止着部材である。
1つの態様では、前記止着部材は、螺子(ビス)である。
なお、前記止着部材は、ブラインドリベット等でもよい。
【0008】
1つの態様では、前記横ずれ規制手段は、前記重なり部位に近接して、下側の湾曲ケース板から突設された突起である。
1つの態様では、前記突起は、螺子(ビス)である。
1つの態様では、前記突起は螺子であり、
前記螺子の軸部は、前記重なり部位に近接して、下側の湾曲ケース板に固定されており、
前記螺子の頭部は、前記重なり部を形成する上側の湾曲ケース板の端部に部分的に被さっている。
【0009】
1つの態様では、前記横ずれ規制手段は、シャッターケースに対して着脱可能である。
1つの態様では、前記横ずれ規制手段は螺子から形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るシャッターケースは、湾曲ケース板が幅方向に横ずれすることを規制する横ずれ規制手段を備えることで、大型地震等でシャッターケースが激しい振動を受けた時に、ケース板が横ずれして重ね代が無くなることでケース板の上端が上部ケース止め材から外れ易くなることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係るシャッターケースの正面図である。
【
図2】本実施形態に係るシャッターケースを示す開口部上方部位の縦断面図(
図1における矢視縦断面図)である。
【
図3】本実施形態に係るケース板の取付状態を示す図であり、ケース板の上側係止部は上側ケース止め材に係止しており、ケース板の下側係止部は、下側ケース止め材に対して第1の係止位置にある。
【
図4】第2の係止位置にあるケース板の下側係止部を拡大して示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る横ずれ規制手段を備えたシャッターケースの正面図である。
【
図7】第1実施形態に係る横ずれ規制手段を説明する図である。
【
図8】第2実施形態に係る横ずれ規制手段を備えたシャッターケースの正面図である。
【
図10】第2実施形態に係る横ずれ規制手段を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[A]シャッターケースの全体構成
図1は、建物開口部上方部位(本実施形態に係るシャッターケースを含む)の正面図であり、
図2は、同縦断面図である。壁体Wには、天井Cの上方に位置して、開口幅方向に間隔を設けて左右のブラケット1が持ち出し状に対向して設けてある。左右のブラケット1間には、巻取シャフト2が支持されており、巻取シャフト2には、ガイドレールGによって建物開口部上方のシャッターケース内に案内されたシャッターカーテン3が巻装される。
【0013】
ブラケット1は、上縁10、下縁11、基端縁12、先端縁13を備えた方形の板体から形成されており、基端縁12には基端片120が折曲形成されており、基端片120を壁体Wに当接させてボルトBで固定することで、上記板体が壁体Wから垂直に延びている。本明細書において、ある要素が壁体Wに近い部位と、壁体Wから遠い部位を備えている場合に、壁体Wに近い側を第1側、壁体Wから遠い側を第2側という。
【0014】
ブラケット1の下縁11には下片110が折曲形成されており、左右のブラケット1間において、下片110の長さ方向中央部位間には、取付部材4の長さ方向の両端部位がそれぞれ固定されている。取付部材4は、上面40、下面41、第1側の第1垂直面42、第2側の第2垂直面43から断面視正方形状を有する方形パイプである(
図3)。
【0015】
図2に示すように、取付部材4には開口幅方向に延びる長尺状の支持部材14が設けてあり、建物開口部上方には天井Cに近接してまぐさ15、16が離間対向して設けてあり、その間をシャッターカーテン3が通るようになっている。支持部材14には、まぐさ15の上方に位置して、スムーサ17、エマーゼンシースイッチ18が設けてある。
【0016】
左右のブラケット1の上縁10と基端縁12とで形成された角部(すなわちブラケット1の第1側の上方部位)間には、上側ケース止め材5の長さ方向両端部がそれぞれ固定されている。取付部材4の第2側部位である第2垂直面43には、長さ方向に亘って下側ケース止め材6が固定されている。
【0017】
シャッターケースは複数枚の湾曲状のケース板7を開口幅方向に連設してなる丸ケースからなり、各ケース板7の上端、下端をそれぞれ上側ケース止め材5、下側ケース止め材6に取り付けることで、ケース板7の内側面と壁体Wとの間に巻取シャフト2に巻き取られたシャッターカーテン3の収容空間が形成される。
【0018】
ケース板7は、上下端部を近づける方向に弾性変形させることで、上側係止部、下側係止部を、それぞれ上側ケース止め材5、下側ケース止め材6に係止させ、弾性変形されたケース板が拡開する(上下端部が離隔する方向)弾性力によって係止状態が保持される。
【0019】
図1に示す態様では、シャッターケースは、5枚のケース板7A、7B、7C、7D、7Eから形成されているが、シャッターケースを構成するケース板7の枚数は、開口幅寸法や各ケース板の幅寸法によって変わり得るものであり限定されない。各ケース板7A、7B、7C、7D、7Eは端部が重なるように取り付けられている。重なり部の幅寸法(重なり代)は、例えば、20mm以上である。
【0020】
図示の態様では、中央のケース板7Cが最も下側に位置しており、左右のケース板7A、7Eが最も上側に位置している。より具体的には、中央のケース板7Cの幅方向左側の端部に、隣接するケース板7Bの幅方向右側の端部が上から重なっており、中央のケース板7Cの幅方向右側の端部に、隣接するケース板7Dの幅方向左側の端部が上から重なっており、ケース板7Bの幅方向左側の端部に隣接するケース板7Aの右側端部が上から重なっており、ケース板7Dの幅方向右側の端部に隣接するケース板7Eの左側端部が上から重なっている。複数枚のケース板の重なりの態様(隣接するケース板のどちらが外側、内側に位置するか等)は図示の態様に限定されない。
【0021】
図2、
図3に示すように、ケース板(丸ケース)7は、断面視ないし側面視において、弧状部70と、弧状部70の上端から第1側(壁体W)に向かって上向き傾斜状に延びる上側傾斜部71と、弧状部70の下端から第1側(壁体W)に向かって下向き傾斜状に延びる下側傾斜部72と、上側傾斜部71の先端に上側に向かって折り返された上側折曲辺73と、からなる。本実施形態では、上側傾斜部71の先端部位710と上側折曲辺73とから上側係止部が形成されており、下側傾斜部72の先端部位から下側係止部720が形成されている。本実施形態では、上側傾斜部71、下側傾斜部72は、断面視直線状に延びる平面である。本実施形態に係るケース板7は重量シャッターのケース板であって、大きさにもよるが、一般的に5~20kgの鋼板から形成されている。隣接するケース板7の端部は全体(弧状部70、上側傾斜部71、下側傾斜部72、上側折曲辺73)に亘って重なり部を備えている。
図6、
図9では、ケース板7Aの上側折曲辺73Aとケース板7Bの上側折曲辺73Bが重なった状態が示されている。
【0022】
図1に示すように、上側ケース止め材5は、開口幅方向に延びる長尺材であって、
図3に示すように、断面視ないし側面視において、壁体Wに沿って延びる垂直辺50と、垂直辺50の下端から第2側へ向かって水平状に延びる下辺51と、垂直辺50の上端から第2側へ向かって水平状に延びる上辺52と、上辺52の先端から垂下する上側垂直辺53と、から形成されている。下辺51の突出寸法(第1側から第2側へ向かう)は、上辺52の突出寸法よりも大きい寸法を有している。上側垂直辺53の下端と下辺51の上面との間に、ケース板7の上側係止部を受け入れる開口が形成されており、上側ケース止め材5の上側垂直辺53が、ケース板7の上側係止部が係止する被係止部となっている。
【0023】
図1に示すように、下側ケース止め材6は、開口幅方向に延びる長尺材であって、
図3に示すように、断面視ないし側面視において、水平状の底辺60と、底辺60の第1側端部から垂直状に立ち上がる第1垂直辺61と、底辺60の第2側端部から垂直状に立ち上がる第2垂直辺62と、第1垂直辺61の上端から第2側に向かって水平状に延びる短尺の第1上側水平辺63と、第2垂直辺62の上端から第1側に向かって水平状に延びる短尺の第2上側水平辺64と、からなる。第1上側水平辺63と第2上側水平辺64との間にケース板7の下側係止部720を受け入れる開口が形成されており、当該開口から下側ケース止め材6の内部空間にケース板7の下側係止部720が受け入れられる。下側ケース止め材6は、第1垂直辺61を取付部材4の第2垂直面43に固定(例えば溶接)することで取り付けられる。
【0024】
図3を参照しつつ、ケース板7の上側係止部(上側折曲辺73+上側傾斜部71の先端部位710)と上側ケース止め材5との係止について説明する。上側折曲辺73を、上側ケース止め材5の上側垂直辺53の下端と下辺51との間の開口から差し入れ、上側ケース止め材5の上側垂直辺53に係止させる。係止状態では、上側垂直辺53の下端がケース板7の上側傾斜部71の先端部位710の上面に当接している。上側ケース止め材の形状・構成、上側係止部の形状・構成は図示の態様に限定されるものではない。
【0025】
図3を参照しつつ、ケース板7の下側係止部(下側傾斜部72の先端部位)720と下側ケース止め材6との係止について説明する。下側傾斜部72の先端部位を、下側ケース止め材6の第1上側水平辺63と第2上側水平辺64との間の開口から差し入れ、下側傾斜部72の先端を下側ケース止め材6の底辺60の第1側端部、すなわち、底辺60と第1垂直辺61との角部に当接係止させる。
【0026】
本実施形態において、ケース板7の上側の係止状態が外れた時には、ケース板7の挙動に応じて、下側係止部720が第1の係止位置から第2の係止位置(
図4参照)に移動し、下側係止部720の第1部位720Aの上面が当接点P1で上側被係止部(第1上側水平辺63)の下側に当接することで、丸ケースのさらなる変形・回転によって当該下側係止部がさらに上方に回転することが規制され、下側係止部720の第2部位720Bが当接点P2で第2上側水平辺64に当接する。当接点P2が支点、当接点P1が作用点となって、丸ケースの自重による下向きの力Fが、作用点である当接点P1に上向きの力として作用し、当接点P1に生じる摩擦力(上側が外れて自由となったケース板7の自重によって作用する)によって、下側係止部が抜け出すように第2側へ移動することが規制され(てこの原理により、丸ケースが落下しようとする力が大きいほど、当接部P1に生じる摩擦力も大きくなる)、丸ケースの下側係止部の第2の係止位置が保持されることによって、上側の係止状態が外れた丸ケースの落下を防止することができる。ケース板7の上側の係止状態が外れた場合にケース板7の脱落を防止する手段の詳細については、特許文献2を参照することができる。
【0027】
[B]横ずれ規制手段
[B-1]第1実施形態
図5~
図7を参照しつつ、横ずれ規制手段の第1実施形態について説明する。
図7に示すように、第1実施形態に係る横ずれ規制手段は、隣接するケース板7´、7´´の幅方向端部の重なり部74において、螺子19でケース板7´の端部とケース板7´´の端部を固定するものである。湾曲状のケース板7の周方向の部位において、螺子19を固定する部位や箇所は限定されないが、作業性等を考慮すると、弧状部70の最も膨出した部位(第2側部位)の1箇所(高さ方向中間部位)に螺子19を固定することが1つの望ましい態様であると考えられる(
図6参照)。横ずれ規制手段を螺子19から形成することで、螺子19を取り外すことで、ケース板7を取り外して、シャッターケース内の巻取シャフト2やその他の構成要素のメンテナンスを行うことができる。
【0028】
図5に示す態様では、5枚のケース板7A~7Eからなるシャッターケースにおいて、中央のケース板7Cの幅方向左側の端部に、隣接するケース板7Bの幅方向右側の端部が上から重なっており、中央のケース板7Cの幅方向右側の端部に、隣接するケース板7Dの幅方向左側の端部が上から重なっており、ケース板7Bの幅方向左側の端部に隣接するケース板7Aの右側端部が上から重なっており、ケース板7Dの幅方向右側の端部に隣接するケース板7Eの左側端部が上から重なっており、ケース板7Aとケース板7Bの重なり部を螺子19で固定し、ケース板7Eとケース板7Dの重なり部を螺子19で固定している。
【0029】
ケース板7Aとケース板7Bの重なり部を螺子19で固定することで、ケース板7A及びケース板7Bの幅方向の移動が規制され、ケース板7Eとケース板7Dの重なり部を螺子19で固定することで、ケース板7E及びケース板7Dの幅方向の移動が規制されている。中央のケース板7Cの幅方向端部は、ケース板7B、ケース板7Dの端部に押さえ付けられているのでケース板7Cは横ずれし難い構成となっている。なお、ケース板7Cの幅方向一方あるいは両方の端部と隣接するケース板7B、ケース板7Dの端部との重なり部を螺子19で固定してもよい。複数枚のケース板の重なりの態様(どのケース板が上側で、どのケース板が下側に位置するか)によって、螺子19を設けるケース板が選択され得ることが当業者に理解される。
【0030】
[B-2]第2実施形態
図8~
図10を参照しつつ、横ずれ規制手段の第2実施形態について説明する。
図10に示すように、第2実施形態に係る横ずれ規制手段は、隣接するケース板7´、7´´の幅方向端部の重なり部74に近接して、下側の湾曲ケース板7´´に螺子20が固定されており、螺子20の頭部200は湾曲ケース板7´´から浮き上がっており、螺子20の軸部201の基端部位(頭部200に隣接する部位)が上側の湾曲ケース板7´の端縁に近接ないし当接しており、螺子20の頭部200は、重なり部74を形成する上側の湾曲ケース板7´の端部に部分的に被さっている(近接ないし当接している)。重なり部74において、螺子20の頭部200は、重なり部74を形成する上側の湾曲ケース板7´の端部に部分的に被さることで、上側の湾曲ケース板7´が外れる方向への移動が規制される。
【0031】
湾曲状のケース板7の周方向の部位において、螺子20を固定する部位や箇所は限定されないが、作業性等を考慮すると、弧状部70の最も膨出した部位(第2側部位)の1箇所(高さ方向中間部位)に螺子20を固定することが1つの望ましい態様であると考えられる(
図9参照)。横ずれ規制手段を螺子20から形成することで、螺子20を取り外すことで、シャッターケース内の巻取シャフト2やその他の構成要素のメンテナンスを行うことができる。
【0032】
図8に示す態様では、5枚のケース板7A~7Eからなるシャッターケースにおいて、中央のケース板7Cの幅方向左側の端部に、隣接するケース板7Bの幅方向右側の端部が上から重なっており、中央のケース板7Cの幅方向右側の端部に、隣接するケース板7Dの幅方向左側の端部が上から重なっており、ケース板7Bの幅方向左側の端部に隣接するケース板7Aの右側端部が上から重なっており、ケース板7Dの幅方向右側の端部に隣接するケース板7Eの左側端部が上から重なっており、各重なり部において、下側のケース板には、重なり部に近接して螺子20が固定されており、螺子20の頭部200は、重なり部を形成する上側のケース板の端部に部分的に被さっている。
【0033】
より具体的には、ケース板7Aとケース板7Bの重なり部に近接してケース板7Bに螺子20が固定されており、螺子20の頭部200は、重なり部を形成する上側のケース板7Aの端部に部分的に被さっており、ケース板7Bとケース板7Cの重なり部に近接してケース板7Cに螺子20が固定されており、螺子20の頭部200は、重なり部を形成する上側のケース板7Bの端部に部分的に被さっており、ケース板7Cとケース板7Dの重なり部に近接してケース板7Cに螺子20が固定されており、螺子20の頭部200は、重なり部を形成する上側のケース板7Dの端部に部分的に被さっており、ケース板7Dとケース板7Eの重なり部に近接してケース板7Dに螺子20が固定されており、螺子20の頭部200は、重なり部を形成する上側のケース板7Eの端部に部分的に被さっている。複数枚のケース板の重なりの態様(どのケース板が上側で、どのケース板が下側に位置するか)によって、螺子20を設けるケース板が選択され得ることが当業者に理解される。
【0034】
隣接するケース板7´、7´´の重なり部74に近接して、下側の湾曲ケース板7´´に螺子20を設け、螺子20の軸部201の基端部位(頭部200に隣接する部位)が上側の湾曲ケース板7´の端縁に近接ないし当接させることで、隣接するケース板7´、7´´が重なり部74において、近づく方向(重なり代が大きくなる方向)への移動が規制され、結果として、当該ケース板7´´の他端の重なり部が小さくなる方向への移動が規制される。
【0035】
図8において、ケース板7Bに着目すると、ケース板7Bの左側への移動は、ケース板7Bの幅方向左側端部に、ケース板7Aの右端とケース板7Bの重なり部に近接して固定した螺子20の軸部201の基端部位がケース板7Aの右端に当接することで規制され、ケース板7Bの右側への移動は、ケース板7Cの幅方向左側端部に、ケース板7Bの右端とケース板7Cの重なり部に近接して固定した螺子20の軸部201の基端部位にケース板7Bの右端が当接することで規制される。
【符号の説明】
【0036】
5 上側ケース止め材
6 下側ケース止め材(下側被係止部)
7 ケース板(丸ケース)
74 重なり部
19 螺子
20 螺子
200 頭部