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特開2024-16775取引システム、取引方法及び取引プログラム
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  • 特開-取引システム、取引方法及び取引プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016775
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】取引システム、取引方法及び取引プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240131BHJP
【FI】
G06Q30/02 346
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022128467
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】522319000
【氏名又は名称】葉 立三
(72)【発明者】
【氏名】五味淵 民江
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】所定のデジタルアセットを認証することにより商品の取引条件を変更することができる。
【解決手段】商品を第1取引条件で取引される商品取引部と、商品に対応づけされているノンファジブルトークンを認証する認証部と、ノンファンジブルトークンを認証すると、第1取引条件を商品に紐づけられている第2取引条件に変更する取引条件変更部と、を備える取引システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を第1取引条件で取引される商品取引部と、
前記商品に対応づけされているノンファンジブルトークンを認証する認証部と、
前記ノンファンジブルトークンを認証すると、前記第1取引条件を前記商品に紐づけられている第2取引条件に変更する取引条件変更部と、
を備える取引システム。
【請求項2】
さらに、ユーザから前記ノンファンジブルトークンの購入リクエストがある場合、前記ユーザが前記ノンファンジブルトークンの購入条件を満たすか否かの判断を行うデジタルアセット取引部と、
前記ノンファンジブルトークンを発行するデジタルアセット発行部と、
を備える請求項1に記載の取引システム。
【請求項3】
前記取引条件変更部は、前記商品に対応する前記ノンファンジブルトークンを複数認証した場合、前記商品に対応する前記第1取引条件または前記第2取引条件とは異なる第3取引条件に変更する、
請求項1に記載の取引システム。
【請求項4】
商品を第1取引条件で取引されるステップと、
前記商品に対応するノンファンジブルトークンを認証するステップと、
前記ノンファンジブルトークンを認証すると、前記第1取引条件を前記商品に紐づけられている第2取引条件に変更するステップと、
を備える取引方法。
【請求項5】
商品を第1取引条件で取引されるステップと、
前記商品に対応するノンファンジブルトークンを認証するステップと、
前記ノンファンジブルトークンを認証すると、前記第1取引条件を前記商品に紐づけられている第2取引条件に変更するステップと、
を備える取引プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引システム、取引方法及び取引プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アイテムの取引システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6404435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されている技術は、電子取引において商品(アイテム)の価値はユーザ間であらかじめに決められた価値で取引するものとなっている。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、ユーザは、所定のデジタルアセットを所有することにより商品の取引条件を変更することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、上記した目的を達成するために、本発明に関わる取引システムは、商品を第1取引条件で取引される商品取引部と、前記商品に対応するノンファジブルトークンを認証する認証部と、前記ノンファンジブルトークンを認証すると、前記第1取引条件を前記商品に紐づけられている第2取引条件に変更する取引条件変更部とを備える。
【0007】
また、上記取引システムは、さらに、ユーザから前記ノンファンジブルトークンの購入リクエストがある場合、前記ユーザが前記ノンファンジブルトークンの購入条件を満たすか否かの判断を行うデジタルアセット取引部と、前記ノンファンジブルトークンを発行するデジタルアセット発行部とを備えてもよい。
【0008】
また、前記取引条件変更部は、前記商品に対応する前記ノンファンジブルトークンを複数認証した場合、前記商品に対応する前記第1取引条件または前記第2取引条件とは異なる第3取引条件に変更してもよい。
【0009】
また、上記した目的を達成するために、本発明に関わる取引方法は、商品を第1取引条件で取引されるステップと、前記商品に対応するノンファジブルトークンを認証するステップと、前記ノンファンジブルトークンを認証すると、前記第1取引条件を前記商品に紐づけられている第2取引条件に変更するステップとを備える。
【0010】
また、上記した目的を達成するために、本発明に関わる取引プログラムは、商品を第1取引条件で取引されるステップと、前記商品に対応するノンファジブルトークンを認証するステップと、前記ノンファンジブルトークンを認証すると、前記第1取引条件を前記商品に紐づけられている第2取引条件に変更するステップとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザは、所定のデジタルアセットを所有することにより商品の取引条件を変更することのでき、商取引を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る取引システムの全体構成例を示す図である。
図2】サーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】サーバ装置のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態におけるユーザがNFTを購入する際の動作を説明する図である。
図5】本実施形態おいてユーザが商品を購入する際の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る取引システム1の全体構成例を示す図である。本実施形態の取引システム1は、少なくともサーバ装置2、ユーザ端末3、ブロックチェーンネットワーク4と、を含んで構成されており、それぞれ通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークは、例えば、インターネット、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0015】
ブロックチェーンネットワーク4は、複数のノード(コンピュータ)により構成されており、例えば、台帳データをブロックチェーンの仕組みにより分散して管理することで改ざん困難に管理される。ブロックチェーンによる管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。ブロックチェーンネットワーク4は、例えば、イーサリアムなどにより構築することができる。
【0016】
イーサリアムなどのブロックチェーンネットワークは、ファンジブルトークンや、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)等のトークンを発行することができる。NFTは、ファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。代替性を有さないトークンは、他のトークンとは価値が異なることがあり、また、他のNFTと区別される独自の価値を有することがある。このため、NFTは、他のNFTと区別可能とする固有の識別子(NFT―ID)を有する。
【0017】
NFTは、ブロックチェーンネットワーク上において取引可能である。NFTの取引履歴は、ブロックチェーンネットワーク上において記録されるので、ブロックチェーンネットワークでは、NFTの所有者及び所有者履歴も記録される。
【0018】
NFTは、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTをNFT―21トークンと呼ぶ。本実施形態は、一例として、NFTは、NFT―721トークンであるものとして説明する。なお、本実施形態におけるブロックチェーンネットワークは、イーサリアムに限らず、例えば、Polygon、Polkadotなど他のブロックチェーンネットワークでも良く、また、本実施形態におけるNFTは、各々のブロックチェーンネットワークにより発行されでもよい。
【0019】
NFTは、ファンジブルトークンと同様に、ブロックチェーンネットワーク上で取引可能である。
【0020】
本実施形態の取引システム1は、商品やサービスの取引促進を支援するものである。本実施形態の取引システム1は、例えば、商品販売やサービスを提供する業者は、商取引を優遇可能とするデジタルアセットをユーザに提供することができる。そして、ユーザは、そのデジタルアセットの認証を受けることで、一般の取引条件よりも優遇された条件で取引することができる。本実施形態では、商品の取引を例に説明する。また、本実施形態におけるデジタルアセットは、ノンファンジブルトークン(以下NFT)とするが、これに限らずファンジブルトークンであってもよい。
【0021】
サーバ装置2は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションのような汎用コンピュータとしてもよいし、携帯電話やスマートフォン等の電子端末でも良いし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0022】
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信装置204、入力装置205、出力装置206と、を含んで備えている。記憶装置203は、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどであり、各種のデータやプログラムを記憶することができる。通信装置204は、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどであり、通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。入力装置205は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどであり、様々なデータを入力するすることができる。出力装置206は、例えば、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどであり、データを出力することができる。なお、後述するサーバ装置2の各機能部は、CPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現されることができる。また、サーバ装置2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現されることができる。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0023】
図3は、サーバ装置2のソフトウェアの構成例を示す図である。サーバ装置2は、デジタルアセット取引部211、デジタルアセット発行部212、商品取引部213、認証部214、取引条件変更部215、移転処理部216、アセット情報記憶部217、商品情報記憶部218と、を含んで備える。
【0024】
アセット情報記憶部217は、NFTに関する情報(NFT情報)を含んで記憶する機能を有している。NFT情報は、例えば、NFTを特定するための情報(NFT―ID)、NFTの発行残存数、NFTの発行期間などが含まれる。また、アセット情報記憶部217は、後述する商品特定情報を記憶してもよく、商品特定情報とNFT情報を紐づけてもよい。例えば、所定の商品におけるNFTの発行残存数やNFTの発行期間等のように紐づけすることができる。
【0025】
商品情報記憶部218は、商品に関する情報が(商品情報)と、商品取引時にユーザに付与する優遇に関する情報(優遇情報)と、NFTを取得するための情報(NFT取得条件)と、を含んで記憶する機能を有している。商品情報には、例えば、商品ID等商品を特定する情報(商品特定情報)、商品に関するコンテンツ、商品の説明、商品におけるステークホルダーの情報(商品ステークホルダー情報)、販売価格(第1取引条件)、販売数、在庫数などを含むことができる。商品ステークホルダー情報は、例えば、商品の製造業者、販売業者、流通業者、協業者など商品にしてあらゆる利害関係者に関する情報を含むことができる。なお、商品特定情報は、商品が複数、またはパッケージで販売されるときは、パッケージID等パッケージ特定情報であってもよい。
【0026】
商品に関するコンテンツ(商品コンテンツ)は、例えば、静止画、動画などの画像コンテンツや、音声コンテンツ、文章コンテンツであってもよく、コンテンツの用途は、広告、ゲーム、教育等あらゆる用途に使用されてもよい。また、商品に関するコンテンツは、商品に直接的、間接的に関係するコンテンツ(例、商品の画像など)でもよいし、商品に関係なく指定されたコンテンツ(例、指定されたアニメキャラクタなど)であってもよい。また、商品に関するコンテンツは、商品情報記憶部218以外の記憶部で別途記憶されてもよい。
【0027】
優遇情報は、例えば、商品の取引条件が変更されるトリガーとなる変更条件と、変更される取引の条件(第2取引条件)が含まれ得る。変更条件は、例えば、ユーザが所定のNFTと関連している事が認められる事を含むことができる。例えば、正当のユーザが所定のNFTを所有していると認証された時、所定のNFTを所有する正当のユーザから紹介された時、ユーザが所定のNFTを正当のユーザから借用したと認められた時などを含むことができる。
【0028】
第2取引条件は、第1取引条件とは異なる取引条件であり、例えば、第1取引条件よりも優遇される取引条件であってもよい。例えば、第1取引条件よりも経済面で優遇される条件(経済優遇条件)でもよいし、サービス面で優遇される条件(サービス優遇条件)でもよい。経済優遇条件は、例えば、価格の割引など価格に関する優遇や、商品の無料追加など商品に関する優遇であってもよい。サービス優遇条件は、経済優遇条件以外においてユーザに優遇するもので、例えば、ユーザにクーポン券等の特典を与えてもよいし、イベントの参加権や優先参加権を与えてもよい。イベントは、例えば、新商品を優先的に紹介してもよいし、新商品の購入権や新商品に関するNFTの購入権を優先的に与えてもよい。また、第2取引条件は、経済優遇条件とサービス優遇条件を組み合わせても良い。
【0029】
また、第2取引条件は、予めに商品情報記憶部218に記憶されてもよいし、サーバ装置2があらかじめ記憶されている演算プログラムにより第1取引条件に基づいて第2取引条件を決めてもよい。たとえば、サーバ装置2には、所定の割引プログラムが記憶されており、割引プログラムは、認証したNFTの件数に応じて割引額を演算して決定してもよい。
【0030】
また、第2取引条件は、複数の異なる取引条件として設けてもよい。例えば、ランクに応じて優遇度の異なる取引条件を設けても良いし、経済優遇条件における取引条件、サービス優遇取引条件における取引条件、経済優遇条件とサービス優遇条件を組合わせた取引条件等を並存させてもよく、場合に応じて上記の取引条件の何れかを第2取引条件として設定してもよいし、ユーザの選択や指定により第2取引条件として設定してもよい。また、所定の商品のみを優遇することだけでなく、当該商品を扱う業者が扱っている他の商品等指定されている商品をも優遇してもよいし、業者との利害関係者が扱う商品等をも優遇してもよい。
【0031】
NFT取得条件は、ユーザがNFTを取得することができる条件である。例えば、所定の対価を支払うことをNFTの取得条件としてもよい。所定の対価は、例えば、所定の金額でもよいし、所定数の商品購入数であってもよい。購入する商品は、NFTに紐づける商品であってもよいし、指定されている他の商品であってもよい。また、対価の支払い以外にもNFTの取得条件を設けてもよい。例えば、ユーザからのアプローチを取得条件としてもよい。ユーザからのアプローチは、例えば、ユーザによるNFT取得の意思表示でもよいし、所定のユーザからの推薦や紹介を条件としてもよい。また、所定の業者からの推薦や紹介等のアプローチでもよい。例えば、業者から所定のユーザを指定してもよいし、業者が所定の条件を満たすユーザを抽選して指定してもよい。
【0032】
また、NFT取得条件は、状況に応じて取得難易度を変動してもよい。例えば、ダイナミックプライシングのようにNFTの発行数や発行残存数に応じて取得条件を変動してもよく、例えばNFTの発行できる残存数が少なくなるほど取得するための対価を高くするなど取得するハードルを変動してもよいし、所定残存数以下だと一律に取得するハードルを高くするなど変動してもよい。また、NFTの発行期間に応じて取得条件を変動してもよく、例えば、NFTの発行期間が終わりに近ければ近いほど取得するための対価を低くするなどハードルを変動してもよいし、NFTの発行期間が所定期間過ぎると一律に取得するハードルを低くするなど変動してもよい。
【0033】
商品情報記憶部218は、サーバ装置2のメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現するようにしてもよいし、ブロックチェーンネットワーク4が管理する分散台帳で実現するようにしてもよい。また、これに限らず、他のブロックチェーンネットワークで管理されてもよい。
【0034】
デジタルアセット取引部211は、ユーザとNFTに関する取引を行う機能を有している。デジタルアセット取引部211は、ユーザのリクエストに応じてNFTの取引を行うことができる。リクエストには、ユーザを特定するユーザ特定情報、商品情報等が含まれ得る。デジタルアセット取引部211は、リクエストに含まれる商品情報に基づいて商品情報記憶部218から商品に対応するNFT取得条件を読み出し、NFT取得条件を満たすか否かについて判断する。デジタルアセット取引部211は、ユーザにおけるNFT取得条件を満たしていると判断すると後述するデジタルアセット発行部212にNFTを発行させることができる。また、デジタルアセット取引部211は、ユーザが取得条件を満たさなくても、条件を満たす意思表示があればNFT取得条件を満たすと見なすこともできる。また、デジタルアセット取引部211は、NFT取得条件をアセット情報記憶部217から読み出し、出力装置206にNFTの取得条件表示させることができる。
【0035】
デジタルアセット発行部212は、デジタルアセット取引部211からの指示により、NFTを発行することができる。デジタルアセット発行部212は、ブロックチェーンネットワーク4において、リクエストに指定されている商品情報を紐付けたNFT(例えば、NFTのメタデータに商品特定情報を設定することができる。)を発行し、ユーザのウォレットに格納することができる。また、NFTに紐づける情報として、商品特定情報以外にも業者特定情報を含んでもよい。
【0036】
また、デジタルアセット発行部212は、ユーザに付与する優遇情報をNFTに設定してNFTを発行することもできる。例えば、デジタルアセット発行部212は、指定された商品に対応する第2取引条件を商品情報記憶部218から読み出し、第2取引条件を含む情報をNFTのメタデータに設定することができる。
【0037】
デジタルアセット発行部212は、NFTを発行すると、アセット情報記憶部217内に記憶されているNFTの発行残存数を更新することもできる。例えば、NFTを発行すると、アセット情報記憶部217内のNFT発行残存数を減らした分を更新することができる。また、デジタルアセット発行部212は、アセット情報記憶部217内のNFT発行残存数が0になると、NFTを発行しない処理をすることができる。また、デジタルアセット発行部212は、出力装置206206にNFT発行残存数を表示させることができる。
【0038】
商品取引部213は、ユーザと商品に関する取引を行う機能を有している。例えば、商品取引部213は、商品情報等を商品情報記憶部218から読み出し、デフォルトの状態で出力装置206に商品コンテンツ、商品の内容、販売価格(第1取引条件)などを含んで表示させることができる。また、商品取引部213は、決済する機能をも有してもよい。また、商品取引部213は、ユーザにNFTの認証を提案することができる。
【0039】
認証部214は、NFTを認証する機能を含んで有している。認証部214は、ユーザがリクエストした1又は複数のNFTを認証する機能を含んで備えている。例えば、認証部214は、ブロックチェーンネットワーク4からNFTの所有者(例えば、NFTが格納されているウォレットのアドレス)からユーザを認証することができる。また、認証部214は、認証するNFTから商品情報を特定することができる。例えば、認証部214は、NFTーID、商品特定情報(例えば、メタデータ等)、コントラクトアドレス等に基づいて商品情報記憶部218から商品情報等に紐づけることがきる。
【0040】
取引条件変更部215は、NFTの認証を経て、商品の第1取引条件を第2取引条件に変更する機能を含んで有している。例えば、取引条件変更部215は、NFTに設定されている商品情報等のメタデータに基づいて商品情報記憶部218から対応する第2取引条件を読み取って、商品取引部213に第1取引条件から第2取引条件に変更させることができる。なお、NFTに第2取引条件のメタデータが含まれている場合は、そのメタデータを読み取ってもよい。
【0041】
移転処理部216は、NFTを移転するための処理を行う。移転処理部216は、NFTを移転させるリクエストに応じてNFTを移転するための処理を行うことができる。リクエストには、NFTを特定するNFT―IDと、移転先のユーザを特定する情報(例えば、ウォレットのアドレスなど)とが含まれる。移転処理部216は、NFT―IDが示すNFTの所有者をブロックチェーンネットワーク4から特定し、特定した所有者のウォレットから、移転先のユーザのウォレットにNFTを移転するためのトランザクションを発行することにより、NFTを移転させることができる。
【0042】
図4は、本実施形態におけるユーザがNFTを購入する際の動作を説明する図である。
【0043】
サーバ装置2は、ユーザは、NFTを購入するリクエストを行う(S301)。ユーザにおけるNFT取得条件を満たすか否かを判断する(S302:YES)。取得条件を満たす場合は、NFTを発行する(S303)。
【0044】
図5は、本実施形態においてユーザが商品を購入する際の動作を説明する図である。
【0045】
ユーザが商品を購入するリクエストを行う(S401)。サーバ装置2は、出力装置206にリクエストされた商品情報と第1取引条件を表示させる(S402)、サーバ装置2は、ユーザにNFT認証の要否を確認し、ユーザからのNFT認証を行う(S403)。サーバ装置2がNFTを認証成功すると、サーバ装置2は、取引条件を第2取引条件に変更する(S404:YES)。
【0046】
以上のようにして、本実施形態の取引システム1によれば、ユーザが所有する所定のNFTを認証することにより、取引条件を優遇されることで、商取引を促進することができる。
【0047】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0048】
上記実施形態では、認証するNFTは一つであり、NFTを認証することにより第1取引条件を第2取引条件に変更するものとしたが、これに限らず、複数のNFTを認証して、取引条件を変更してもよい。
【0049】
例えば、認証部214は、指定されたNFTを所定の条件で複数認証すると、取引条件を第1取引条件、第2取引条件とは異なる第3取引条件に変更してもよい。所定の条件は、例えば、複数のユーザを同一のグループとして見なすことができる条件であり、例えば、指定し合う複数のユーザが同一の商品を購入する際に、それぞれの持つNFTを認証することを条件としてもよいし、指定された複数のNFTを所定のタイミングで認証することを条件としてもよい。また、同一の商品に限らず、同じ業者の商品や指定された商品等に適用されてもよい。第3取引条件は、第1取引条件、第2取引条件よりも経済面で優遇される条件(経済優遇条件)でもよいし、サービス面で優遇される条件(サービス優遇条件)でもよい。または、両方の条件を組み合わせたものでもよい。
【0050】
第3取引条件は、予めに商品情報記憶部218に記憶されてもよいし、サーバ装置2があらかじめ記憶されている演算プログラムにより第1取引条件または第2取引条件に基づいて第3取引条件を決めてもよい。たとえば、サーバ装置2には、所定の割引プログラムが記憶されており、割引プログラムは、認証したNFTの件数に応じて割引額を演算して決定してもよい。
【0051】
また、上記実施形態で、NFTを認証すると第1取引条件から第2取引条件に変更することできたが、これに限らず、NFTの認証に加えてさらに第2取引条件へ変更するための条件を設けてもよい。例えば、取引条件変更部215は、NFTの認証に加えて所定以上の購入金額や所定以上の商品購買数を条件(購買条件)として設けてもよい。この場合、NFTのを認証する前後にユーザに購買条件を提示してもよい。そして、ユーザが購入条件を満たした場合、または満たす意思表示を示した場合に、取引条件変更部215は、商品取引部213に第2取引条件へ変更させることができる。
【符号の説明】
【0052】
001 取引システム
002 サーバ装置
003 ユーザ端末
004 ブロックチェーンネットワーク
211 デジタルアセット取引部
212 デジタルアセット発行部
213 商品取引部
214 認証部
215 取引条件変更部
216 移転処理部
217 アセット情報記憶部
218 商品情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5