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特開2024-167750情報処理装置、表示方法、及びアプリケーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167750
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示方法、及びアプリケーション
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241127BHJP
   B41J 29/38 20060101ALN20241127BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 306
G06F3/12 324
G06F3/12 387
G06F3/12 328
G06F3/12 332
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084028
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和則
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AS02
2C061AS13
2C061BB10
2C061CG02
2C061CH00
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061HH03
2C061HJ10
(57)【要約】
【課題】PSAを用いた印刷処理において、PSAに関連付けられたプリンタドライバに応じて適切なユーザインタフェース画面の表示が可能な情報処理装置等を提供する。
【解決手段】プリンタドライバと協働し、デバイスに応じた印刷設定のサポートが可能なアプリケーションを記憶する記憶部と、前記アプリケーションに基づき、ユーザインタフェース画面を表示する表示部と、前記アプリケーションの起動の際に、前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバを判定する制御部とを備え、前記制御部は、前記アプリケーションに関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定する情報処理装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタドライバと協働し、デバイスに応じた印刷設定のサポートが可能なアプリケーションを記憶する記憶部と、
前記アプリケーションに基づき、ユーザインタフェース画面を表示する表示部と、
前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバを判定する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記アプリケーションに関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記プリンタドライバがIPP(Internet Printing Protocol)クラスドライバであると判定した場合と、前記プリンタドライバがユニバーサルプリントクラスドライバであると判定した場合とで、異なる表示内容の前記ユーザインタフェース画面を表示するよう決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示内容は、
前記ユニバーサルプリントクラスドライバがサポートしていない一部の前記印刷設定に関する内容であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユニバーサルプリントクラスドライバがサポートしていない一部の前記印刷設定には、原稿サイズ、用紙サイズと用紙タイプとが含まれることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
オペレーティングシステムが管理するデバイス情報から取得した互換性識別子に基づき、前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバが前記IPPクラスドライバであるか又は前記ユニバーサルプリントクラスドライバであるかを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記互換性識別子が取得できなかった場合、前記デバイス情報から取得したドライバ名称に基づき、前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバが前記IPPクラスドライバであるか又は前記ユニバーサルプリントクラスドライバであるかを判定することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記ユーザインタフェース画面に、前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバを識別可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
印刷動作の開始毎に前記デバイスの選択をトリガとして、前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記アプリケーションの起動の際に、前記アプリケーションに関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
プリンタドライバと協働し、デバイスに応じた印刷設定のサポートが可能なアプリケーションを記憶し、
前記アプリケーションに基づき、ユーザインタフェース画面を表示し、
前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバを判定し、
前記アプリケーションに関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することを特徴とする表示方法。
【請求項11】
プリンタドライバと協働し、デバイスに応じた印刷設定のサポートが可能なアプリケーションであって、
ユーザインタフェース画面を表示し、
関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することを特徴とするアプリケーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置を提供するベンダーによって供給されるプリンタドライバは、印刷装置の能力を最大限に発揮できるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ベンダーによって供給されるプリンタドライバは、印刷装置を利用するユーザが個別に導入する必要がある。したがって、例えば、ネットワーク環境等が整備されておらずプリンタドライバの入手が困難のユーザにとっては、ベンダーが供給するプリンタドライバの導入は困難が伴うものであった。
【0003】
一方、オペレーティングシステム(OS)に予め組み込まれている標準プリンタドライバ(以降、単にプリンタドライバと称する)は、印刷装置を利用するユーザが個別に導入する必要はないものの、多種の印刷装置に対応するため、利用可能な機能が標準的な機能に制限されている。
【0004】
このような状況を鑑みて、近年、プリンタドライバを利用した印刷をサポートする印刷サポートアプリケーション(PSA:Print Support Application)を導入することで、印刷装置の能力を十分に利用するための取り組みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-235173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、PSAを用いた印刷処理において、PSAに関連付けられたプリンタドライバに応じて適切なユーザインタフェース画面の表示が可能な情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る情報処理装置は、プリンタドライバと協働し、デバイスに応じた印刷設定のサポートが可能なアプリケーションを記憶する記憶部と、前記アプリケーションに基づき、ユーザインタフェース画面を表示する表示部と、前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバを判定する制御部とを備え、前記制御部は、前記アプリケーションに関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することを特徴としている。
【0008】
また、本開示に係る表示方法は、プリンタドライバと協働し、デバイスに応じた印刷設定のサポートが可能なアプリケーションを記憶し、前記アプリケーションに基づき、ユーザインタフェース画面を表示し、前記アプリケーションに関連付けられた前記プリンタドライバを判定し、前記アプリケーションに関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することを特徴としている。
【0009】
また、本開示に係るアプリケーションは、プリンタドライバと協働し、デバイスに応じた印刷設定のサポートが可能なアプリケーションであって、ユーザインタフェース画面を表示し、関連付けられている前記プリンタドライバに応じて、前記ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、PSAを用いた印刷処理において、PSAに関連付けられたプリンタドライバに応じて適切なユーザインタフェース画面の表示が可能な情報処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置の接続形態を説明する図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成を説明する図である。
図3】デバイス情報を説明する図である。
図4】第1実施形態に係る印刷装置の機能構成を説明する図である。
図5】第1実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図7】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図8】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図9】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図10】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図11】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図12】第1実施形態に係る動作例を説明する図である。
図13】第2実施形態に係る動作例を説明する図である。
図14】第3実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
図15】第4実施形態に係る処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的内容は、以下の記載に限定されるものではない。
【0013】
複合機等の印刷装置を制御して印刷ジョブを処理させる場合、情報処理装置は、OS(Operating System)にインストールした専用プリンタドライバや、OSの標準機能として設けられたプリンタドライバを介して印刷ジョブを生成する。一般的に、OSにインストールして使用される専用プリンタドライバは、印刷装置のベンダーにより印刷装置毎に提供され、当該印刷装置の能力を十分に発揮できるように構成させている。
【0014】
一方、プリンタドライバは、多く(多種)の印刷装置での印刷を可能とする汎用性を持たせるために、各印刷装置において共通する機能をサポートするに留まる場合が多い。近年、プリンタドライバを用いた印刷ジョブを処理する場合においても、専用プリンタドライバを用いた場合と同様の印刷結果を求める声が多くなっている。また、OSを提供するベンダーにより、OSの安定性やセキュリティを向上させるため、プリンタドライバの機能拡張を図る取り組みもなされている。
【0015】
上記取り組みの一態様として、プリンタドライバによる印刷ジョブの処理をサポートするPSAが知られている。一般的に、PSAは、OSや印刷装置を提供するベンダー等によりアプリケーションとして供給される。PSAは、関連付けられたプリンタドライバと協働し、取得した印刷装置の能力情報に基づき、当該印刷装置の機能が十分に発揮できるように構成されている。例えば、PSAは、プリンタドライバに基づく印刷ジョブに対して、PDL(Page Description Language)の変更や、PJL(Print Job Language)コマンドを付与することができる。
【0016】
ところで、関連付けられるプリンタドライバに応じて、PSAがサポート可能な印刷機能は異なる。例えば、Airprint(登録商標)や、Mopria(登録商標)といった印刷サービスを利用してスマートフォンやタブレット等のモバイル端末からワイヤレスで印刷を行う場合に適用されるIPP(Internet Printing Protocol)クラスドライバと、ユニバーサルプリントに対応したデバイスがクラウドサービスを介して印刷を行う場合に適用されるユニバーサルプリントクラスドライバとでは、PSAがサポートする原稿サイズ、用紙サイズや、用紙タイプが異なる。ユーザが、戸惑いやストレス無く印刷設定を行うためには、関連付けられたプリンタドライバに応じて適切なユーザインタフェース画面の表示制御が求められていた。
【0017】
PSAを用いた印刷処理において、PSAに関連付けられたプリンタドライバに応じて適切なユーザインタフェース画面の表示が可能な情報処理装置を以下の実施形態で実現する。
【0018】
[1 第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置としての端末装置10と、印刷装置としての複合機30との接続形態の一例を説明する図である。
【0019】
第1実施形態に係る端末装置10は、特定のOSに基づく動作が可能なコンピュータとして構成することができる。端末装置10は、OSに予め組み込まれているプリンタドライバに基づき印刷ジョブを生成し、複合機30にネットワークNWを介して送信することができる。複合機30は、プリント、コピー、ファクス、イメージ送信等の各ジョブを一つの筐体で実現可能な印刷装置である。複合機30は、端末装置10から受信した印刷ジョブに基づく画像を記録紙に形成することができる。
【0020】
ところで、図1では、複合機30がネットワークNWに接続された形態を示したが、複合機30は、ネットワークNWに接続された不図示の他のネットワークNWに接続されてもよく、複数台数の複合機30がネットワークNWに接続されていてもかまわない。さらに、複合機30は、例えば、プリンタやファクス装置等の特定の機能に特化した印刷装置であってもかまわない。
【0021】
[1.2 機能構成]
[1.2.1 端末装置10について]
端末装置10の機能構成について説明する。図2は、端末装置10の機能構成を説明する図である。端末装置10は、制御部11と、表示部13と、操作入力部15と、通信部17と、記憶部19とを備える。
【0022】
制御部11は、端末装置10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部19に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。
【0023】
表示部13は、各種情報をユーザ等に対して表示する表示装置である。表示部13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等により構成することができる。
【0024】
操作入力部15は、ユーザ等により情報の入力を受付ける入力装置である。操作入力部15は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置を用いることができる。
【0025】
通信部17は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、電話回線等を介して他の装置(複合機30等)と通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。なお、通信部17は、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Irda、ワイヤレスUSB等の(近距離)無線通信技術に関するインタフェースを備えてもよい。
【0026】
記憶部19は、端末装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する記憶装置である。記憶部19は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置により構成することができる。
【0027】
第1実施形態において、記憶部19は、制御プログラム191と、アプリケーションプログラム192とを記憶し、デバイス情報記憶領域193と、印刷設定記憶領域194と、画面情報記憶領域195とを確保する。
【0028】
制御プログラム191は、端末装置10を統括的に制御する際に、制御部11が読み出すプログラムである。制御プログラム191を読み出した制御部11はOSとして機能し、表示部13、操作入力部15、通信部17等のハードウェアの駆動の制御、OS上で駆動するアプリケーションの起動や終了、ファイル管理等を行う。また、制御プログラム191を読み出した制御部11は、例えば、プラグアンドプレイ機能等に基づき、印刷装置としての複合機30等の(新たな)接続を検知した場合、当該複合機30を認識して使用するための必要な処理(例えば、デバイス情報の取得等)を行う。
【0029】
制御プログラム191は、ドライバプログラム1911と、IPPクライアントプログラム1912とを含む。ドライバプログラム1911は、OS上で動作する(標準)プリンタドライバである。本開示では、PSAに関連付けることが可能なプリンタドライバとして、IPPクラスドライバと、ユニバーサルプリントクラスドライバとの2種のプリンタドライバがドライバプログラム1911として記憶されているものとして説明する。IPPクライアントプログラム1912は、IPPに基づき、複合機30との間で印刷ジョブのやり取りを行う際に制御部11が読み出すプログラムである。IPPクライアントプログラム1912を読み出した制御部11は、IPPに基づき、複合機30の検索、能力情報の取得要求又は生成した印刷ジョブを複合機30に対して送信する。
【0030】
アプリケーションプログラム192は、ユーザによる起動指示を受けて制御部11が読み出すプログラムである。アプリケーションプログラム192を読み出した制御部11は、例えば、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等のユーザの目的に応じた特定の機能を提供する。アプリケーションプログラム192は、CDやDVD等の記録媒体を用いたインストールや、不図示のサービス提供サーバからのダウンロード等により取得することができる。
【0031】
アプリケーションプログラム192は、印刷サポートプログラム1921を含む。印刷サポートプログラム1921は、制御部11が読み出すことにより、PSAとして機能し、関連付けられたプリンタドライバと協働して印刷結果の改善、向上を行うプログラムである。制御部11は、PSAとして起動する際に、OSが管理するデバイス情報としてのDevice Containersを参照することで、当該PSAに関連付けられたプリンタドライバが、IPPクラスドライバであるかユニバーサルプリントクラスドライバのどちらかであるかを判定する。そして、制御部11は、PSAに関連付けられているプリンタドライバに応じて、印刷設定を受付けるユーザインタフェース画面の表示内容を決定し、画面を生成して表示部13に表示する。制御部11は、ユーザインタフェース画面を介して受付けた印刷設定を記憶部19に記憶する。そして、印刷実行指示の入力を受付けると、制御部11は記憶した印刷設定を反映した印刷ジョブを生成し、対象の複合機30に送信する。
【0032】
デバイス情報記憶領域193は、OSが管理するデバイス情報(Device Containers)を記憶する記憶領域である。Device Containersは、端末装置10に接続された印刷装置(複合機30)を認識して使用するための必要なデバイス情報をContainer単位でグループ化したものである。本開示に係るDevice Containersは、少なくとも、System.Devices.CompatibleIdsと、System.Devices.ModelNameとを含む。
【0033】
System.Devices.CompatibleIdsは、複合機30のCompatibleId(互換性識別子)の集合を表す。互換性識別子は、OSがデバイスの互換性に基づき、インストールするドライバプログラムを決定する際に用いられる識別子である。一般的に、互換性識別子は複合機のベンダーによって設定され、例えば、ベンダーID、プロダクトID、シリアル番号等の識別子を表す文字列から構成することができる。OSが管理するSystem.Devices.CompatibleIdsは、デバイスから取得した互換性識別子の集合であるが、当該互換性識別子は、IPPクラスドライバであるかユニバーサルプリントクラスドライバによってその値が異なる。よって、制御部11は、System.Devices.CompatibleIdsから互換性識別子(値)を取得して参照することにより、PSAに関連付けられたプリンタドライバが、IPPクラスドライバであるかユニバーサルプリントクラスドライバのどちらかであるかを判定することができる。
【0034】
System.Devices.ModelNameは、制御部11がSystem.Devices.CompatibleIdsから互換性識別子を取得できなかった場合に、参照するDevice Containersのモデル名である。Device Containersには、モデル名として、IPPクラスドライバ又はユニバーサルプリントクラスドライバのそれぞれに対応したドライバ名称が設けられている。制御部11はSystem.Devices.ModelNameからドライバ名称を取得することにより、PSAに関連付けられたプリンタドライバが、IPPクラスドライバであるかユニバーサルプリントクラスドライバのどちらかであるかを判定することができる。
【0035】
図3(a)は、Series“Model-01~Model-17”で表される複合機に対する互換性識別子の付与例を説明する図である。図3(a)では、例えば、Series“Model-01~Model-05”に対し、IPPクラスドライバ用の互換性識別子(CompartibleID for IPP)として“AAAAPDL1”又はユニバーサルプリントクラスドライバ用の互換性識別子(CompartibleID for UP)として“AAAAPDLUP1”の何れかの識別子が付された場合の例示である。同様に、例えば、Series“Model-13~Model-17”は、IPPクラスドライバ用の互換性識別子(CompartibleID for IPP)として“AAAAPDL2”又はユニバーサルプリントクラスドライバ用の互換性識別子(CompartibleID for UP)として“AAAAPDLUP2”の何れかの識別子が付された場合の例示である。
【0036】
制御部11は、例えば、“Model-01~Model-05”に対して付された互換性識別子が、“AAAAPDL1”である場合は、PSAに関連付けられたプリンタドライバはIPPクラスドライバであると判定する。一方、付された互換性識別子が、“AAAAPDLUP1”である場合、制御部11は、PSAに関連付けられたプリンタドライバはユニバーサルプリントクラスドライバであると判定する。
【0037】
図3(b)は、Device Containersのモデル名として、IPPクラスドライバに対応したドライバ名称 “IPP Class Driver”又はユニバーサルプリントクラスドライバに対応したドライバ名称 “Universal Print Class Driver”の何れかが付された場合の例示である。制御部11は、図3(a)で例示したSystem.Devices.CompatibleIdsから互換性識別子を取得できなかった場合に、Device Containersのモデル名として付されたドライバ名称を参照することにより、PSAに関連付けられたプリンタドライバがIPPクラスドライバ又はユニバーサルプリントクラスドライバのどちらかであると判定することができる。
【0038】
再び図2に戻り、印刷設定記憶領域194は、印刷設定を受付けるユーザインタフェース画面を介して受付けた印刷設定を記憶する記憶領域である。
【0039】
画面情報記憶領域195は、印刷処理を実行させる複合機30の選択を受付けるための設定画面や、プリンタドライバに応じた印刷設定を受付けるユーザインタフェース画面の画面情報(画像/画面コンテンツ)を記憶する記憶領域である。
【0040】
[1.2.2 複合機30について]
次に、複合機30の機能構成について説明する。図4は、複合機30の機能構成図である。複合機30は、制御部31と、表示部33と、操作入力部35と、画像形成部37と、画像入力部39と、通信部41と、記憶部43とを備える。
【0041】
制御部31は、複合機30全体を制御する。制御部31は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される。制御部31は、記憶部43に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、その機能を実現する。
【0042】
表示部33は、各種情報をユーザ等に対して表示する表示装置である。表示部33は、例えば、LCDや有機ELディスプレイ等により構成することができる。
【0043】
操作入力部35は、ユーザ等による情報の入力を受付ける入力装置である。操作入力部35は、例えば、ハードキーやソフトウェアキーといった操作キー、ボタン等の各種入力装置により構成することができる。なお、操作入力部35は、表示部33を介しての入力が可能なタッチパネルとして構成することができる。この場合、タッチパネルの入力方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった一般的な方式を採用することができる。
【0044】
画像形成部37は、不図示の給紙トレイから用紙を給紙し、印刷ジョブに含まれるドキュメントデータに基づく画像を形成した後、不図示の排紙部に排紙する。画像形成部37は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。この場合、画像形成部37は、トナー色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等)に対応した不図示のトナーカートリッジがから供給されるトナーを用いて画像形成を行う。
【0045】
画像入力部39は、原稿を走査することにより、ドキュメントデータを生成する。画像入力部39は、例えば、CCD(Charge Coupled device)、CIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサを備え、自動原稿送り装置(ADF:Automatic document feeder)や、原稿を載置して読み取るためのフラットベット等を有するスキャナ装置として構成することができる。画像入力部39は、原稿画像からの反射光像をイメージセンサで読取ることで画像データを生成することが可能な構成であれば、その構成に特に制限はない。なお、画像入力部39は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬性記憶媒体に記憶されたドキュメントデータや、端末装置10から送信された印刷ジョブを取得可能なインタフェースとして構成することも可能である。
【0046】
通信部41は、例えば、LAN、WAN、インターネット、電話回線、ファクス回線等のネットワークNWを介して他の装置(端末装置10)と通信を行うための有線/無線の何れか又はその両方のインタフェースを備える。また、通信部41は、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near field communication)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Irda、ワイヤレスUSB等の(近距離)無線通信技術に関するインタフェースを備えてもよい。
【0047】
記憶部43は、複合機30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部43は、例えば、RAM、HDD、SSD、ROM等の記憶装置により構成することができる。
【0048】
第1実施形態において、記憶部43は、制御プログラム431と、ジョブ実行プログラム432と、IPPサーバプログラム433とを記憶する。
【0049】
制御プログラム431は、複合機30を統括的に制御する際に制御部31が読み出すプログラムである。制御プログラム431を読み出した制御部31は、表示部33、操作入力部35、画像形成部37、画像入力部39、通信部41等の駆動を制御する。
【0050】
ジョブ実行プログラム432は、プリント、コピー、ファクス、イメージ送信等のジョブを実行する際に制御部31が読み出すプログラムである。
【0051】
IPPサーバプログラム433は、IPPに基づき、クライアントデバイスとしての端末装置10との間で印刷ジョブのやり取りを行う際に制御部31が読み出すプログラムである。端末装置10による検索の応答、能力情報の取得要求に対する応答、又は端末装置10から送信された印刷ジョブを取得する。
【0052】
[1.3 処理の流れ]
次に、第1実施形態に係る処理の流れについて図5のフローチャートを用いて説明する。図5は、第1実施形態に係る処理の流れとして、PSAの起動の際に、端末装置10の制御部11が実行する処理を説明するフローチャートである。端末装置10の制御部11は、とりわけ、印刷サポートプログラム1921を読み出すことにより図5で説明する処理を実行する。
【0053】
制御部11は、例えば、不図示のスタートメニューに含まれるPSAアイコンが選択された場合や、プリンタドライバのセットアップの際に、PSAの起動指示の入力を受付ける(ステップS100)。
【0054】
制御部11は、印刷サポートプログラム1921を読み出すことにより、PSAを起動する。PSAの起動に伴い、制御部11は、図3で例示したDevice ContainersのSystem.Devices.CompatibleIDsから互換性識別子を取得できたか否かを判定する(ステップS110)。互換性識別子を取得できたと判定した場合、制御部11はPSAに関連付けられたプリンタドライバは、IPPクラスドライバであるか否かを判定する(ステップS110;Yes→ステップS120)。一方、互換性識別子が取得できなかったと判定した場合、制御部11は、Device ContainersのSystem.Devices ModelNameからドライバ名称を取得する(ステップS110;No→ステップS130)。
【0055】
PSAに関連付けられたプリンタドライバは、IPPクラスドライバであると判定した場合、制御部11は、表示部13に表示するユーザインタフェース画面をIPPクラスドライバ用の表示内容に決定し、処理を終了する(ステップS120;Yes→ステップS140)。一方、PSAに関連付けられたプリンタドライバは、ユニバーサルプリントクラスドライバであると判定した場合、制御部11は、表示部13に表示するユーザインタフェース画面をユニバーサルプリントクラスドライバ用の表示内容に決定し、処理を終了する(ステップS120;No→ステップS150)。
【0056】
[1.4 動作例]
次に、第1実施形態に係る動作例について説明する。図6は、PSAの起動に伴い、当該PSAに関連付けられたプリンタドライバに応じて表示するユーザインタフェース画面W100の表示構成例である。図6では、第1実施形態に係るユーザインタフェース画面W100の構成要素の概略について説明する。
【0057】
ユーザインタフェース画面W100は、印刷設定プルダウンメニューP10と、印刷設定領域R10と、“OK”ボタンB10と、“キャンセル”ボタンB12とを含む。
【0058】
印刷設定プルダウンメニューP10は、印刷設定領域R10において表示する印刷設定(項目)の選択、変更指示を受け付けるプルダウンメニューである。図6は、印刷設定プルダウンメニューP10のメニューとして、“Copies”、“Original Size”、“Output Size”、“Orientation”、・・・・等を主の印刷設定項目として印刷設定領域R10に表示する“Main”が選択された場合の例示である。
【0059】
印刷設定領域R10は、印刷設定プルダウンメニューP10で選択されたメニューに応じて、予め設定された印刷設定項目を表示する領域である。印刷設定領域R10には、各印刷設定項目に対する設定値の選択、変更指示を受付ける選択・変更手段(例えば、プルダウンメニューP12やP14等)、コピー部数“Copies”等の入力を受付ける入力手段が設けられている。
【0060】
“OK”ボタンB10は、印刷設定領域R10での印刷設定の確定指示を受付けるボタンである。“キャンセル”ボタンB12は、印刷設定領域R10での印刷設定のキャンセル指示を受付けるボタンである。
【0061】
第1実施形態において、PSAに関連付けられたプリンタドライバがIPPクラスドライバである場合と、ユニバーサルプリントクラスドライバである場合とで、制御部11は、原稿サイズ及び用紙サイズ、用紙タイプの選択可能範囲が異なるユーザインタフェース画面を生成して表示する。図7は、プリンタドライバがIPPクラスドライバである場合と、ユニバーサルプリントクラスドライバである場合とで、それぞれのユーザインタフェース画面W100で選択可能な原稿サイズ及び用紙サイズを纏めた図である。
【0062】
PSAに関連付けられたプリンタドライバがIPPクラスドライバである場合、印刷設定領域R10のプルダウンメニューP12“Original Size(原稿サイズ)”及びプルダウンメニューP14“Output Size(用紙サイズ)”では、図中点線枠で示した封筒/はがき(2)を含めた原稿サイズが選択可能に表示される。ここで、“Original Size(原稿サイズ)”は、文書作成アプリケーションで作成したものを原稿とし、その原稿サイズを表す。一方、“Output Size(用紙サイズ)”は、印刷装置で印刷(出力)する用紙のサイズを表す。
【0063】
一方、PSAに関連付けられたプリンタドライバがユニバーサルプリントクラスドライバである場合、印刷設定領域R10のプルダウンメニューP12“Original Size”及びプルダウンメニューP14“Output Size”では、図中点線枠で示した封筒/はがき(2)の原稿サイズは非表示となる。
【0064】
図8は、PSAに関連付けられたプリンタドライバがIPPクラスドライバであると判定した場合に、制御部11が表示するユーザインタフェース画面W100Aの表示構成例を説明する図である。図8は、ユーザインタフェース画面W100AのプルダウンメニューP12“Original Size”において、原稿サイズとして“A3”~“100x148(はがき)”が選択可能であり、プルダウンメニューP14“Output Size”において、用紙サイズとして“Same as Original Size”~“100x148(はがき)”が選択可能であることを表した例示である。
【0065】
一方、図9は、PSAに関連付けられたプリンタドライバがユニバーサルプリントクラスドライバであると判定した場合に、制御部11が表示するユーザインタフェース画面W100Bの表示構成例を説明する図である。図9は、ユーザインタフェース画面W100BのプルダウンメニューP12“Original Size”において、原稿サイズとして“A3”~“Monarch” の原稿サイズが選択可能であり、プルダウンメニューP14“Output Size”において、用紙サイズとして“Same as Original Size”~“Monarch”の用紙サイズが選択可能であることを表した例示である。
【0066】
次に、図10は、プリンタドライバがIPPクラスドライバである場合にユーザインタフェース画面W100Aで選択可能な用紙タイプを纏めた図である。なお、プリンタドライバがユニバーサルプリントクラスドライバである場合、用紙タイプは普通紙のみがサポートされるため、図10で例示した用紙タイプを選択することができない。
【0067】
図11は、PSAに関連付けられたプリンタドライバがIPPクラスドライバであると判定した場合に制御部11が表示するユーザインタフェース画面W100Aの他の表示構成例を説明する図である。図11は、印刷設定プルダウンメニューP10のメニューとして、“Output Size”、“Paper Type”を印刷設定項目として印刷設定領域R10に表示する“Paper Source”が選択された場合の例示である。ユーザインタフェース画面W100Aでは、“Paper Type(用紙タイプ)”のプルダウンメニューP16が図10で例示した用紙タイプの選択が可能となるように表示される。なお、用紙タイプは、印刷装置で印刷(出力)する用紙のタイプ(種類)を表す。
【0068】
一方、図12は、PSAに関連付けられたプリンタドライバがユニバーサルプリントクラスドライバであると判定した場合に制御部11が表示するユーザインタフェース画面W100Bの他の表示構成例を説明する図である。図12は、印刷設定プルダウンメニューP10のメニューとして、“Output Size”を印刷設定項目として印刷設定領域R10に表示する“Paper Source”が選択された場合の例示である。ユーザインタフェース画面W100Bでは、用紙タイプの選択に係る“Paper Type”のプルダウンメニューP16は表示されない。
【0069】
以上の様に、第1実施形態によれば、PSAの起動の際に、当該PSAに関連付けられたプリンタドライバを判定し、PSAに関連付けられたプリンタドライバに応じて適切なユーザインタフェース画面を表示することができるため、プリンタドライバに応じてPSAがサポート可能な印刷設定が異なったとしても、ユーザは戸惑いやストレス無く印刷設定を行うことができる。
【0070】
[2 第2実施形態]
第2実施形態は、第1の実施形態の構成において、ユーザインタフェース画面の表示の際に、PSAが関連付けられているプリンタドライバがIPPクラスドライバであるかユニバーサルプリントクラスドライバのどちらかであるのかを明示する形態である。
【0071】
第2実施形態に係る全体構成、端末装置及び複合機の機能構成、及び処理の流れについては、第1実施形態と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0072】
[2.1 動作例]
図13は、制御部11が、PSAに関連付けられたプリンタドライバがIPPクラスドライバであると判定した場合に表示するユーザインタフェース画面W110A(図13(a))と、PSAに関連付けられたプリンタドライバがユニバーサルプリントクラスドライバであると判定した場合に表示するユーザインタフェース画面W110B(図13(b))との表示構成例を説明する図である。図13(a)で例示するユーザインタフェース画面W110Aと、図13(b)で例示するユーザインタフェース画面W110Bとは、PSAに関連付けられたプリンタドライバを明示するプリンタドライバ表示領域R12をそれぞれ備える点が、第1実施形態に係るユーザインタフェース画面W100(ユーザインタフェース画面W100A(図11)、ユーザインタフェース画面W100B(図12))とは異なる。
【0073】
図13(a)で示すユーザインタフェース画面W110Aは、PSAが関連付けられているプリンタドライバがIPPクラスドライバである旨“IPP Class Driver”をプリンタドライバ表示領域R12に表示した例示である。一方、図13(b)で示すユーザインタフェース画面W110Bは、PSAが関連付けられているプリンタドライバがユニバーサルプリントクラスドライバである旨“Universal Print Class Driver”をプリンタドライバ表示領域R12に表示した例示である。
【0074】
以上の様に、第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、PSAに関連付けられたプリンタドライバに応じて表示するユーザインタフェース画面に、関連付けられたプリンタドライバを明示することが可能であるため、ユーザは、何れかのプリンタドライバに基づくインタフェース画面を介して印刷設定を行っているのかを把握しながら、印刷設定を行うことができる。
【0075】
[3 第3実施形態]
第1実施形態又は第2実施形態では、不図示のスタートメニューに含まれるPSAアイコンが選択された場合や、プリンタドライバのセットアップの際に、PSAの起動指示を受付け、当該PSAに関連付けられているプリンタドライバに応じて、ユーザインタフェース画面の表示内容を決定する構成について説明した。第3実施形態では、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等の機能を提供するアプリケーションを介した印刷動作の開始毎に、デバイスの選択をトリガとして、PSAに関連付けられているプリンタドライバに応じて、ユーザインタフェース画面の表示内容を決定する形態について説明する。
【0076】
第3実施形態に係る全体構成、端末装置及び複合機の機能構成については、第1実施形態と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0077】
[3.1 処理の流れ]
第3実施形態に係る処理の流れについて図14のフローチャートを用いて説明する。なお、第1実施形態の図5のフローチャートで説明した処理と同一処理とすることが可能な処理については、同一のステップ番号を付してその説明は省略する。端末装置10の制御部11は、アプリケーションプログラム192、印刷サポートプログラム1921を読み出すことにより図14で説明する処理を実行する。
【0078】
まず、制御部11は、例えば、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等のアプリケーションが起動中か否かを判定する(ステップS200)。制御部11は、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等のアプリケーションが起動中であると判定した場合、不図示の印刷ダイアログ等を介して印刷指示が入力されたか否かを判定する(ステップS200;Yes→ステップS210)。なお、制御部11は、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等のアプリケーションが起動中ではないと判定した場合、当該アプリケーションが起動されるまで待機する(ステップS200;No)。
【0079】
制御部11は、印刷指示が入力されたと判定した場合、印刷を実行させる複合機30の選択を受付ける(ステップS210;Yes→ステップS220)。なお、制御部11は、印刷指示が入力されていないと判定した場合、印刷指示が入力されるまで待機する(ステップS210;No)。
【0080】
制御部11は、印刷を実行させる複合機30の選択を受付けると、当該選択をトリガとしてPSAを起動する(ステップS220→ステップS230)。次いで、制御部11は、図5で説明したステップS110以降の処理を実行する。
【0081】
以上のように、第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等の機能を提供するアプリケーションを介した印刷動作の開始毎に、印刷装置の選択をトリガとして、PSAに関連付けられているプリンタドライバに応じて、ユーザインタフェース画面の表示内容を決定することができるため、アプリケーションに応じて、印刷結果の出力先を変更したい場合等において、ユーザはより柔軟な印刷設定を実施することができる。
【0082】
[4 第4実施形態]
第4実施形態は、印刷の際に選択されたデバイスの印刷機能の解析結果に基づき、ユーザインタフェース画面の表示内容を決定する形態について説明する。
【0083】
第4実施形態に係る全体構成、端末装置及び複合機の機能構成については、第1実施形態と同一構成とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0084】
[4.1 処理の流れ]
第4実施形態に係る処理の流れについて図15のフローチャートを用いて説明する。端末装置10の制御部11は、アプリケーションプログラム192、印刷サポートプログラム1921を読み出すことにより図15で説明する処理を実行する。
【0085】
まず、制御部11は、例えば、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等のアプリケーションが起動中か否かを判定する(ステップS300)。制御部11は、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等のアプリケーションが起動中であると判定した場合、不図示の印刷ダイアログ等を介して印刷指示が入力されたか否かを判定する(ステップS300;Yes→ステップS310)。なお、制御部11は、文書作成、図形描画、インターネット閲覧等のアプリケーションが起動中ではないと判定した場合、当該アプリケーションが起動されるまで待機する(ステップS300;No)。
【0086】
制御部11は、印刷指示が入力されたと判定した場合、印刷を実行させる複合機30の選択を受付ける(ステップS310;Yes→ステップS320)。なお、制御部11は、印刷指示が入力されていないと判定した場合、印刷指示が入力されるまで待機する(ステップS310;No)。
【0087】
制御部11は、印刷を実行させる複合機30の選択を受付けると、当該複合機30が実現可能な印刷機能に関する情報(印刷機能情報)を複合機30から取得する(ステップS330)。
【0088】
PSAは、複合機30から取得した印刷機能情報を解析する(ステップS340)。PSAは、印刷機能情報の解析結果に基づき、複合機30が実現可能な印刷機能に対してサポートが可能か否かを判定する(ステップS350)。
【0089】
複合機30が実現可能な印刷機能に対して機能制限が必要である(サポート不可)と判定した場合、制御部11は対応する印刷機能に制限を課したUIでの表示を決定する(ステップS350;Yes→ステップS360)。一方、複合機30が実現可能な印刷機能に対して機能制限が必要でない(サポート可能)と判定した場合、制御部11は機能制限なしのUIでの表示を決定する(ステップS350;No→ステップS370)。
【0090】
以上のように、第4実施形態によれば、印刷を実行させる印刷装置(複合機)から取得した印刷機能情報に基づき、PSAは機能制限を課したUIを表示するか否かを判定する構成であるため、ユーザは、印刷出力を所望する印刷装置に応じて最適な印刷設定を行うことができる。
【0091】
本開示は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0092】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0093】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0094】
ここで、情報処理装置におけるプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一過性の記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標)Disc等))、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。この場合、記録媒体に記録されたプログラムが情報処理装置のコンピュータにより読み取られ、当該コンピュータにより実行されることで、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される。
【0095】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0096】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、又は諸特徴は、電気回路、例えば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装、実行することも可能である。本明細書で述べた機能を実現するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトロンジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又はこれらを組み合わせたものを含んでもよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本開示の一以上の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0097】
10 端末装置
11 制御部
13 表示部
15 操作入力部
17 通信部
19 記憶部
191 制御プログラム
1911 ドライバプログラム
1912 IPPクライアントプログラム
192、711 アプリケーションプログラム
1921 印刷サポートプログラム
193 デバイス情報記憶領域
194 印刷設定記憶領域
195 画面情報記憶領域
30 複合機
31 制御部
33 表示部
35 操作入力部
37 画像形成部
39 画像入力部
41 通信部
43 記憶部
431 制御プログラム
432 ジョブ実行プログラム
433 IPPサーバプログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15