(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167753
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】移動体制御装置及び移動体制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241127BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084036
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】物品の配送を行うドローンの配送元での待ち時間を短縮し、ドローンによる配送効率を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る移動体制御装置は、複数のステーションに配置するドローンを需要予測に基づいて決定する決定部と、配送先への物品の発注があった場合に、配送元における物品の配送準備が完了する順に、配送元にドローンが到着するように、ステーションから配送元に向けてドローンを発進させる指示部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステーションに配置するドローンを需要予測に基づいて決定する決定部と、
配送先への物品の発注があった場合に、配送元における物品の配送準備が完了する順に、前記配送元に前記ドローンが到着するように、ステーションから前記配送元に向けて前記ドローンを発進させる指示部と
を備える移動体制御装置。
【請求項2】
前記指示部は、前記配送準備が完了する時間に、前記ドローンが前記配送元に到着するように、前記ドローンの発進指示を行う、請求項1に記載の移動体制御装置。
【請求項3】
同一の配送元から物品を配送する発注が複数ある場合、前記ドローンは、前記同一の配送元において、発送準備が完了した物品を優先して配送する、請求項1に記載の移動体制御装置。
【請求項4】
前記指示部は、ステーションに待機するドローンがいない場合、ステーション付近を飛行中のドローンのうち、物品を配送していないドローンを前記配送元に向かわせる、請求項1に記載の移動体制御装置。
【請求項5】
移動体制御装置によって実行される移動体制御方法であって、
複数のステーションに配置するドローンを需要予測に基づいて決定する工程と、
配送先への物品の発注があった場合に、配送元における物品の発送準備が完了する順に、前記配送元に前記ドローンが到着するように、ステーションから前記配送元に向けて前記ドローンを発進させる工程と
を有する、移動体制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、移動体制御装置及び移動体制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のドローンを制御するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドローンが物品を発送する配送元で物品の発送準備が完了していない場合には、ドローンは、物品の発送準備が完了するまで配送元で待機することとなる。そのため、配送元におけるドローンの待機時間が長くなり、ドローンによって物品を配送する場合に、ドローンの配送効率において、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、物品の配送を行うドローンの配送元での待ち時間を短縮し、ドローンによる配送効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る移動体制御装置は、複数のステーションに配置するドローンを需要予測に基づいて決定する決定部と、配送先への物品の発注があった場合に、配送元における物品の配送準備が完了する順に、配送元にドローンが到着するように、ステーションから配送元に向けてドローンを発進させる指示部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、物品の配送を行うドローンの配送元での待ち時間を短縮し、ドローンによる配送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る移動体制御システムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る移動体制御装置の概略を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るドローンの発進処理を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、移動体制御装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
実施形態に係る移動体制御システム1について、
図1を参照し説明する。
図1は、実施形態に係る移動体制御システム1の概略を示す図である。
【0011】
図1に示すように、移動体制御システム1は、移動体制御装置10と、複数のドローン20と、物品管理装置30とを有する。移動体制御システム1に含まれるドローン20の数は、図示のものに限られない。
【0012】
移動体制御装置10は、ネットワークN1を介してドローン20と接続される。また、移動体制御装置10は、ネットワークN2を介して物品管理装置30と接続される。ネットワークN1、N2は、例えばLTE(Long Term Evolution)、5G等のモバイル通信網である。
【0013】
本実施形態では、移動体制御システム1は、ドローン20を使った物品の配送サービスの提供に用いられる。例えば、配送サービスは、ユーザの元に料理を配送するフードデリバリーサービスである。たとえば、物品は、料理である。物品の配送元は、料理を提供する店舗である。
【0014】
ここで、配送サービスには、提供エリアが定められている。ドローン20は、提供エリア内のユーザに対し、物品を配送する。
【0015】
また、提供エリア内、又は提供エリアの付近には、ステーションが設けられる。ステーションは、ドローン20の着陸及び発進が可能な施設である。ステーションは、複数のドローン20を配置可能な平面であってもよい。ステーションは、提供エリア内に、複数設けられる。
【0016】
ドローン20は、ステーションで待機する。配送の指示があった場合、ドローン20は、ステーションから発進し、物品の発送元へ移動する。そして、ドローン20は、発送元において物品を受け取った後に、配送先の位置へ移動する。その後、ドローン20は、配送先からステーションに戻り、指示があるまで待機する。
【0017】
ドローン20は、移動体の一例である。ドローン20は、複数(例えば4つ)の回転翼プロペラを備えたマルチコプターであって、無人での自律飛行を行う。また、ドローン20はバッテリーにより駆動する。
【0018】
ドローン20は、物品を保持するための機構(箱、かご、ロボットアーム等)を有する。また、ドローン20は、保持した物品を指定された配送先に配送する。
【0019】
ドローン20は、ネットワークN1を介して無線通信を行うための通信モジュールを備える。また、ドローン20は、加速度センサ、ジャイロセンサ、光学センサ(カメラ)、等の各種センサを備える。また、ドローン20は、自身の位置を測定するための測位装置を有する。測位装置は、たとえば、GNSS(Global Navigation Satellite System)であり、上空を周回している航法衛星からの電波を受信して測位および計時することができる。また、ドローン20は、飛行制御機能、および、姿勢を制御するための姿勢制御機能等を実行するコンピュータ(例えばマイコン)を有する。
【0020】
ドローン20は、移動体制御装置10から送信される指示信号に基づいて、目的地を設定し、飛行する。指示信号は、たとえば、ドローン20が待機するステーションの位置情報、ドローン20が物品を受け取る発送元(たとえば、店舗)の位置情報、または、ドローン20が物品を配送する配送先の位置情報を含む。
【0021】
また、ドローン20が待機するステーションと同じ場所、又は異なる場所に、ドローン20のバッテリーを充電するための充電用ステーションが設けられる。例えば、ドローン20のバッテリーは、ドローン20が充電用ステーションに備えられたドックに入ることで充電される。また、充電ステーションでは、ドローン20のバッテリーが充電済みのバッテリーに交換されてもよい。
【0022】
また、各ステーションから発進したドローン20が、配送元で物品を受け取り、物品を配送可能な範囲があらかじめ定められているものとする。例えば、範囲は、ステーションを中心とした所定の半径の円によって表される。
【0023】
ステーションの配置、および、この範囲は、配送サービスの対象となる居住者の数、ドローン20の航続距離、時間経過による物品の質の低下(例えば食品の劣化)の許容度合い等に基づき決定される。
【0024】
物品管理装置30は、たとえば、物品の発送元に設けられる。物品管理装置30は、移動体制御装置10から、物品の発注情報を取得する。物品の発注情報は、配送する物品(たとえば、料理)の情報、および、配送先の情報などを含む。配送先の情報は、配送先の位置情報、および、物品を発注したユーザの情報などを含む。
【0025】
なお、物品の発注情報は、たとえば、ユーザの端末装置から、ネットワークN2を介して物品管理装置30によって取得されてもよい。物品の発注情報は、他の装置を経由して物品管理装置30によって取得されてもよい。物品の発注情報は、たとえば、電話によって受け付けられて入力されてもよい。物品管理装置30は、移動体制御装置10と一体であってもよい。
【0026】
物品管理装置30は、発注情報に基づいて、物品の発送準備予測情報を生成する。発送準備予測情報は、物品の発送準備が完了する時間の情報を含む。たとえば、物品が、料理である場合、発送準備予測情報は、料理が完成する時間の情報を含む。換言すると、物品が、料理である場合、発送準備予測情報は、料理が完成すると予測される時間の情報を含む。物品の発送準備予測情報は、たとえば、物品管理装置30への入力操作に基づいて生成される。物品管理装置30は、物品の発送準備予測情報を移動体制御装置10に送信する。
【0027】
次に、
図2を用いて、移動体制御装置10の構成を説明する。
図2は、実施形態に係る移動体制御装置10の概略を示す機能ブロック図である。
【0028】
図2に示すように、移動体制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0029】
通信部11は、ネットワークN1、N2と有線又は無線で接続される。通信部11は、ネットワークN1を介して、ドローン20との間で情報の送受信を行う。通信部11は、ネットワークN2を介して、物品管理装置30との間で情報の送受信を行う。
【0030】
通信部11は、たとえば、ユーザの端末装置から、物品の発注情報を受信する。通信部11は、物品の発注情報を物品管理装置30に送信する。通信部11は、物品管理装置30から、物品の発送準備予測情報を受信する。通信部11は、ドローン20に配置信号を送信する。ドローン20に指示信号を送信する。
【0031】
配置信号は、ドローン20が配置されるステーションの位置情報を含む。指示信号は、ドローン20が配送する物品の配送元の位置情報、および、配送先の位置情報を含む。
【0032】
記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12には、各種プログラム及び各種データ等が記憶される。記憶部12は、需要情報121を記憶する。
【0033】
需要情報121は、提供エリア内の各場所における配送サービスの需要を示す情報である。すなわち、需要情報121は、需要予測に関する情報である。需要情報121は、提供エリアの地理的なマップをグリッドで区切って得られたセルごとの需要を表す。需要は、例えば配送先として指定される場所が各セルに含まれる頻度である。
【0034】
図3は、需要情報121の一例を示す図である。需要情報121は、
図3のようにヒートマップとして可視化され得る。
図3には、提供エリアの地理的マップに重畳されるグリッドが示されている。
【0035】
また、
図3には、ステーション31、ステーション32及びステーション33が示されている。また、範囲311、範囲321及び範囲331は、それぞれステーション31、ステーション32及びステーション33から発進したドローン20が、配送元から物品を配送可能な範囲である。
【0036】
グリッドの列にはアルファベットが対応付けられている。また、グリッドの行には番号が対応付けられている。グリッドのセルは、これらのアルファベットと数字の組み合わせによって表される。例えば、
図3のステーション31が位置するB列の3行目のセルは、セルB3である。
【0037】
また、矩形の範囲は、矩形の左上の頂点のセルと右下の頂点のセルによって表される。例えば、
図3のパターンが付された矩形の範囲は、A1:E6のように表される。
【0038】
ここで、需要情報121は、各セルにおける需要の多さを数値化したものである。需要の多さは、過去の一定期間において各セルが配送先に指定された回数の実績値の合計であってもよい。また、需要の多さは、過去の実績値、居住者数、天候、時間帯等の説明変数を基に予測された、各セルがある期間に配送先に指定される回数であってもよい。予測は、例えば機械学習モデルによって行われる。
【0039】
図3では、需要の多さに応じて、各セルにパターンが付される。例えば、需要が多いセルほど、濃い色、又は密度が大きいパターンで塗りつぶされる。
【0040】
図3の範囲A1:E6は、他のセルに比べて需要が多い。範囲A1:E6の中で、範囲B2:D5はさらに需要が多い。
【0041】
図2に戻り、制御部13は、コントローラであり、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部13は、決定部131と、指示部132と、を有する。
【0042】
決定部131は、複数のステーションに配置するドローン20を決定する。具体的には、決定部131は、需要予測に基づいて、ドローン20を配置するステーションを決定する。たとえば、需要が多い、すなわち、発進するドローン20が多いと予測されるステーションには、多くのドローン20が配置されるように、ドローン20の配置を決定する。これにより、需要が多いステーションにおいて、待機するドローン20の数が不足することが抑制される。また、ドローン20が、各ステーションに効率的に配置される。決定部131は、ドローン20が配置される配置信号を生成し、生成した配置信号を、通信部11を介して、ドローン20に送信する。
【0043】
決定部131は、物品の発注情報に基づいて、物品の発注情報を送信する物品管理装置30を決定する。すなわち、決定部131は、物品の発注情報に基づいて、物品の配送元(店舗)を決定する。たとえば、物品を配送可能な店舗が複数ある場合、配送先に最も近い店舗を、物品の配送元として決定する。物品の発注情報は、決定された配送元の物品管理装置30に、通信部11を介して送信される。
【0044】
決定部131は、物品の発注情報が取得された場合に、物品の発注情報に基づいて、ドローン20を発進させるステーションを決定する。たとえば、決定部131は、決定した物品の配送元に最も近いステーションを、ドローン20を発進させるステーションとして決定する。
【0045】
指示部132は、ドローン20に対する指示信号を生成し、生成した指示信号を、通信部11を介してドローン20に送信する。指示部132は、物品の発送準備予測情報が取得された場合に、物品の発送準備予測情報に基づいて、指示信号を生成する。指示信号が送信されるドローン20は、決定部131によって決定されたステーションに待機しているドローン20である。
【0046】
指示部132は、物品の発注があった場合、すなわち、物品の発注情報が取得された場合に、発送元における物品の配送準備が完了する順に、ドローン20が配送元に到着するように、ステーションから配送元に向けてドローン20を発進させる。
【0047】
具体的には、指示部132は、物品の発送準備予測情報に含まれる物品の発送の準備が完了する時間に、ドローン20が配送元に到着するように、指示信号を生成し、ドローン20に発進指示を行う。
【0048】
指示信号を受信したドローン20は、配送元に向けてステーションから発進し、配送元で物品を受け取る。そして、ドローン20は、配送元から配送先に物品を配送する。物品の配送後、ドローン20は、配置信号を受領し、配置信号に基づいたステーションに向けて飛行する。
【0049】
次に、実施形態に係るドローン20の発進処理について、
図4を参照し説明する。
図4は、実施形態に係るドローン20の発進処理を説明するフローチャートである。発進処理は、移動体制御装置10によって実行される。
【0050】
制御部13は、物品の発注情報を取得する(S100)。制御部13は、物品の発注情報に基づいて、物品の発注情報を送信する物品管理装置30を決定する(S101)。制御部13は、決定した物品管理装置30に、通信部11を介して、物品の発注情報を送信する(S102)。
【0051】
制御部13は、物品の発注情報に基づいて、ドローン20を発進させるステーションを決定する(S103)。
【0052】
制御部13は、物品の発送準備予測情報を取得する(S104)。具体的には、制御部13は、通信部11を介して、物品管理装置30から、物品の発送準備予測情報を取得する。
【0053】
制御部13は、取得した物品の発送準備予測情報に基づいて、ドローン20に対する指示信号を生成する(S105)。制御部13は、発送元における物品の配送準備が完了する順に、配送元にドローン20が到着するように、指示信号を生成する。制御部13は、生成した指示信号を、ドローン20に送信する(S106)。制御部13は、決定したステーションに待機しているドローン20に指示信号を送信する。
【0054】
移動体制御装置10は、決定部131と、指示部132とを備える。決定部131は、複数のステーションに配置するドローン20を需要予測に基づいて決定する。指示部132は、配送先への物品の発注があった場合に、配送元における物品の配送準備が完了する順に、配送元にドローン20が到着するように、ステーションから配送元に向けてドローン20を発進させる。
【0055】
これにより、移動体制御装置10は、ドローン20が、配送元において物品の配送準備の完了を待つための待機時間を短縮することができる。そのため、移動体制御装置10は、ドローン20による配送効率を向上させることができる。
【0056】
指示部132は、配送元における物品の発送準備が完了する時間に、ドローン20が配送元に到着するように、発進指示を行う。
【0057】
これにより、移動体制御装置10は、配送元において物品の配送準備の完了を待つための待機時間を更に短縮することができる。そのため、移動体制御装置10は、ドローン20による配送効率を更に向上させることができる。
【0058】
なお、同一の配送元から物品を配送する発注が複数ある場合、ドローン20は、同一の配送元において、発送準備が完了した物品を優先して配送する。たとえば、物品管理装置30は、発送準備が完了した物品の順番が、発送準備予測情報における順番とは異なった場合、ドローン20における配送変更情報を生成する。配送変更情報は、たとえば、物品管理装置30における入力によって生成される。生成された配送変更情報は、移動体制御装置10に送信されて、移動体制御装置10から、ドローン20に送信される。ドローン20は、配送変更情報を受信すると、配送変更情報に基づいた配送先に物品を配送する。
【0059】
これにより、配送元におけるドローン20の待機時間を短縮することができる。また、ドローン20は、配送元において実際に物品の発送準備が完了した物品を優先して配送することができ、物品を注文したユーザに物品を早期に届けることができる。
【0060】
また、移動体制御装置10は、ステーションに待機するドローン20がいない場合、ステーション付近を飛行中のドローン20のうち、物品を配送していないドローン20に指示信号を送信し、物品を配送していないドローン20を、配送元に向かわせてもよい。
【0061】
これにより、移動体制御装置10は、物品を配送先に早期に届けることができる。また、移動体制御装置10は、ドローン20による配送効率を向上させることができる。
【0062】
図5は、移動体制御装置10として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0063】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0064】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0065】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0066】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0067】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0068】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0069】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0070】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0071】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0072】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0073】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0074】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0075】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0076】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0077】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0078】
1 移動体制御システム
10 移動体制御装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 ドローン
31、32、33 ステーション
121 需要情報
131 決定部
132 指示部