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特開2024-167760投影装置、投影装置の制御方法、プログラム、及びマルチ投影システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167760
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】投影装置、投影装置の制御方法、プログラム、及びマルチ投影システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20241127BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20241127BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20241127BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241127BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20241127BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G5/14 A
G09G5/377 100
G09G5/00 530M
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
H04N5/74 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084047
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】香川 哲也
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA93
2K203FA94
2K203FB03
2K203KA82
2K203KA83
2K203KA85
2K203MA23
2K203MA26
5C058BA23
5C058EA03
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BB04
5C182BB05
5C182BB12
5C182BB23
5C182BC03
5C182BC12
5C182BC14
5C182CA12
5C182CA13
5C182CB12
5C182CB14
5C182CB44
5C182CB54
5C182DA14
5C182DA33
5C182DA35
(57)【要約】
【課題】より簡易に各投影装置における解像度を設定する。
【解決手段】外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置であって、複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される分割画像を第1の画像としたときに、第1の画像の一部または全部を第2の画像として第1の投影装置から第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する制御部と、画像、第1の画像、第2の画像、及び複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、外部機器が参照する投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する決定部と、有し、決定部は、決定した性能情報を外部機器に送信することで分割画像についての解像度を設定する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、前記分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置であって、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する制御部と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する決定部と、有し、
前記決定部は、決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する、
ことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記画像の解像度の情報と前記台数情報に基づき、前記性能情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記外部機器が前記決定部により決定された前記性能情報に基づき出力する前記分割画像の解像度は、前記投影装置における縦合計解像度及び横合計解像度より小さいことを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記第2の画像が入力されていない投影装置における前記分割画像の解像度に基づき、前記外部機器が参照する前記性能情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項5】
前記投影装置の前記台数情報を決定する際、前記第2の画像が入力されない投影装置を1台目とすることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記画像の解像度の情報と、前記第2の画像が入力されない投影装置における前記第1の画像の解像度情報と、前記台数情報とに基づき、前記性能情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記決定部により決定された前記性能情報となるように前記第2の画像が入力されない投影装置以外の投影装置における現在の性能情報を書き換えることを特徴とする請求項6に記載の投影装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2の画像の出力先の投影装置に前記台数情報を送信し、且つ前記台数情報を受信した投影装置は、前記受信した台数情報に1が加算されるようにすることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2の画像を出力する先に接続がない場合、前記台数情報の加算を停止することを特徴とする請求項8に記載の投影装置。
【請求項10】
前記台数情報は、複数の前記投影装置間で送受信され、複数の前記投影装置間で共有されることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記外部機器から前記画像の解像度の情報と、前記第1の画像に前記第2の画像の少なくとも一部を重ねた際における横幅の情報であるブレンド幅情報を取得し、
前記決定部は、少なくとも前記画像の解像度の情報、前記第1の画像の解像度の情報、前記ブレンド幅情報に基づき、前記性能情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項12】
前記台数情報は、CEC(Consumer Electronics Control)を用いて複数の前記投影装置間で送受信されることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項13】
前記台数情報は、ユーザー入力により設定されることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項14】
前記第1の画像には、前記ブレンド幅情報が含まれることを特徴とする請求項11に記載の投影装置。
【請求項15】
前記性能情報とは、EDID(Extended Display Identification Data)であることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
【請求項16】
外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、前記分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置の制御方法であって、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する工程と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する工程と、
前記決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する工程と、を有する、
ことを特徴とする投影装置の制御方法。
【請求項17】
外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、前記分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する工程と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する工程と、
前記決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する工程と、を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
外部機器と、前記外部機器と通信可能に接続される複数の投影装置とを含むマルチ投影システムであって、
前記外部機器は、
1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ出力する出力部を有し、
前記投影装置は、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する制御部と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する決定部と、有し、
前記決定部は、決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する、
ことを特徴とするマルチ投影システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置、投影装置の制御方法、プログラム、及びマルチ投影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来マルチ投影を行う際の構成の一例を図12に示す。図12では、映像ソース機器2000からの本来の画像信号に対してブレンド用の画像生成器(のり代付き画像出力)3000にて隣接するプロジェクタの投影する隣接部に互いにデータの重なり部、所謂のり代を持つ画像信号を生成している。そして、複数の投影装置1000-1から1000-4に対して出力している。そして、投影装置1000-1から1000-4は互いに緩やかに明るさ(ゲイン等)を変えて継ぎ目を目立たせなくするエッジブレンド処理を行っている。
【0003】
また、PCや信号発生器などのソース機器と、ディスプレイやプロジェクタなどのシンク機器を接続する際に、シンク機器の解像度に合わせた最適な解像度をソース機器側が出力できるようにソース機器とシンク機器間で相互通信を行うEDIDが知られている。エッジブレンドのような複数台数で投影を行う場合でもEDIDは有用であるが、マルチ投影を構成する各投影装置がそれぞれ接続され、各投影装置自身がエッジブレンド画像を生成するような場合は、どの程度エッジブレンド幅とするか判断する必要がある。従来のような液晶パネルの解像度がそのままEDIDの解像度情報とするのでは、最適なエッジブレンド幅が分からない。
【0004】
特許文献1では、複数台の投影装置で大きな画面を投影するマルチモードと、明るさを上げるためのスタックモードでそれぞれ適したEDIDを設定する提案がされている。また、特許文献2では、電気的なスケーリングなしに入力画像を最大限投影装置の解像度を活かした投影を行う場合の最適なブレンド用オーバーラップ領域を算出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-39019号公報
【特許文献2】特開2020-17822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1ではマルチモード時に出力機器が各投影装置に最適な解像度を算出することが困難である。また、特許文献2では、ユーザーにブレンド用のガイドを表示するのみで、出力側への最適な解像度を通知することができない。
【0007】
そこで本発明は、より簡易に各投影装置における解像度を設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての投影装置は、外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、前記分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置であって、前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する制御部と、前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する決定部と、有し、前記決定部は、決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より簡易に各投影装置における解像度を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る投影装置のブロック図である。
図2】実施例1に係る入出力部および画像処理部の詳細図である。
図3】実施例1に係る投影装置を用いたマルチ投影システムの構成例を示す図である。
図4】実施例1に係る画像処理部のメモリ動作図である。
図5】実施例1に係る投影装置毎の表示遅延処理のタイミングチャートである。
図6】実施例1に係る横マルチ投影の構成及び表示の例を示す図である。
図7】実施例1に係るマルチ投影システムと異なる構成のマルチ投影システムの構成及び表示の例を示す図である。
図8】実施例1に係るHPDとDDCの動作例を示す図である。
図9】実施例1に係る投影装置の処理を示すフローチャートである。
図10】実施例1に係る投影装置の処理を示すフローチャートである。
図11】実施例2に係る投影装置の処理を示すフローチャートである。
図12】従来例に係る横マルチ投影の構成及び表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について実施例や図を用いて説明する。尚、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略ないし簡略化する。
【0012】
<実施例1>
図1は、実施例1における投影装置(プロジェクタ)1000の機能部を含むブロック図である。投影装置1000は、入出力部100、画像処理部200、表示データ生成部300、パネル駆動部400、パネル部500、光源駆動部601、光源部602、レンズ駆動部701、投影レンズ702を有するように構成される。さらに、投影装置1000は、操作部10、ROM20、RAM30、制御部40、を有するように構成される。
【0013】
PCなどの外部機器から与えられる画像信号は、まず入出力部100に入力される。入出力部100は、HDMI(登録商標)やDVIやディスプレイボート或いはSDIなどのデジタル信号を所定のデジタル信号フォーマットに変換するレシーバなどを備える。また入力された画像信号を出力するHDMI(登録商標)やDVIやディスプレイポート或いはSDI出力などを有する。また、入出力部100内にEDID(Extended Display Identification Data)100-1を有し、自投影装置の解像度やリフレッシュレートの情報が保存されている。入出力部100にて変換されたデジタル画像信号は、画像処理部200に送られる。EDIDは、映像ソース機器2000が参照する投影装置1000の少なくとも表示性能を示す性能情報である。
【0014】
画像処理部200は、入出力部100からの映像入力のフォーマットで例えば、フルHDである1920×1080或いは、4Kである3840×2160、4096×2160等の入力フォーマットを検出する。また、画像処理部200は、画像信号処理専用のDSP(Digital Signal Processor)などで構成される。画像処理部200は、内部での処理に必要な解像度へ変換するスケーリング処理や、トリミング処理、ボタン操作時のメニュー表示等のOSD(On Screen Display)、投影画像を変形するワープ(キーストン補正)処理などを行う。また、画像処理部200は、EDID決定部200-1を兼ねており、本実施例における各投影装置が表示すべき最適な画像解像度情報を算出し、EDIDを決定する。そして、入出力部100のEDID100-1内の情報を更新する。EDID決定部200-1における処理の詳細は後述する。
【0015】
画像処理部200で所定フォーマットに処理されたデジタル信号の画像処理データは、表示データ生成部300に送られ、後述のパネル部500に表示させるための表示データを生成する。具体的には、表示データ生成部300は、パネルの特性に応じた補正(γ補正・輝度ムラ補正等・マルチ投影におけるエッジブレンド処理)を行う。
【0016】
パネル駆動部400は、表示データ生成部300からの表示データをパネルの駆動信号に変換して出力する。パネル部500は、パネル駆動部400からの信号に基づき後述の光源部602からの光を変調する。
【0017】
光源駆動部601は、光源部602を点灯させる為の駆動回路であり、一般的にはDCDCコンバータ等の電源回路で構成されるとともに、定電流或いはPWM等の光量調整を行いながら駆動する。光源駆動部601は制御部40からの駆動制御信号によって、光源部の光量制御も行う。
【0018】
光源部602は、レーザー光源を想定しているが、ランプ光源やLED光源を用いても良い。光源部602から発せられた光は、前述のようにパネル部500で画像信号に基づいて変調され、後述の投影レンズ702を介して不図示の投影面に投影される。
【0019】
レンズ駆動部701は、制御部40からの制御信号に基づき投影レンズ702をシフト動作またはズーム動作をさせる。シフト動作はレンズを光軸と垂直方向に平行移動させる動作であり、投影面における投影画像を平行移動させることができる。また、ズーム動作はレンズを光軸方向に平行移動させる動作であり、投影面における投影画像を拡大縮小させることができる。
【0020】
操作部10は、電源ON/OFFあるいは不図示ピント調整や各種投影モードの設定の入力を受け付ける。操作部10は、投影装置1000本体の側面に配置されたボタンあるいはリモートコントローラー(リモコン)などによって構成される。ROM(Read Only Memory)20は、不揮発性メモリであり、操作部10からの各種設定状態に応じた設定値や、投影レンズ702のシフト位置や焦点位置等の各種設定調整データを記憶する。RAM(Random Access Memory)30は、メモリによって構成される。RAM30は、SRAMやDRAMといった揮発性メモリである。
【0021】
制御部40は、マイクロコンピュータなどのCPUで構成される少なくとも1つのコンピュータである。制御部40は、後述の操作部10やその他のブロック等と信号の送受信を行い、投影装置1000の全般的な制御を行う。
【0022】
図1に示す各機能部のうち、ソフトウェアにより実現される機能については、各機能部の機能提供するためのプログラムがROM20等のメモリに記憶される。そして、そのプログラムをRAM30に読み出して制御部40が実行することにより実現される。
【0023】
ハードウェアにより実現される機能については、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路を生成すればよい。FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略である。また、FPGAと同様にしてゲートアレイ回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現するようにしてもよい。なお、図1に示した機能部の構成は一例であり、複数の機能部が1つの機能部(1つの機能ブロック)を構成するようにしてもよいし、いずれかの機能部が複数の機能部を構成するようにしてもよい。
【0024】
図2は、本発明における入出力部100及び画像処理部200を詳細に示したブロック図である。
【0025】
図2において、入出力部100は複数の入力及び出力を有している。本実施例では、入力及び出力を2系統有する構成として、第1の系統を入力ICA101と出力ICA102、第2の系統を入力ICB103と出力ICB104で構成されている。それぞれの入出力構成は、HDMI(登録商標)やDVIやディスプレイポート或いはSDI或いはその他の信号を受けられる構成であり、その入力に限る物では無くそれぞれの信号に適した入力ICである。次に画像処理部200は、入出力部100の各入力ICからの入力INA~入力INCの入力を受ける。ICは、integrated circuit(集積回路)の頭略語である。
【0026】
画像処理部200内の入出力セレクタ201は、入力INA~入力INBの入力をメモリコントローラ202に入力するか否かを制御部40からの設定に応じて選択される。また入出力セレクタ201は、制御部40からの設定に応じて、入力INA~入力INBの画像信号を出力OUTA~出力OUTBに出力するようにする。
【0027】
メモリコントローラ202は、入出力セレクタからメモリコントローラ202に出力されるように制御された画像データを複数台で投影を行う事により表示を行う画像データを合成する制御動作を行う。即ち、メモリコントローラ202は、画像の合成処理を行う。画像信号の合成は、入力INAからの画像信号を主画像信号とした時、入力INBは横方向に隣接する副画像信号とし、入力INAの主画像信号に対して入力INBの副画像信号を横方向に合成するようにメモリコントローラ202を制御する。また入力Cは縦方向に隣接する副画像信号とし、入力INAの主画像信号に対して入力INCの副画像信号を縦方向に合成するようにメモリコントローラ202を制御する。具体的な合成方法は後述する。
【0028】
以上のような構成を有する投影装置1000により、まずは、以下図3に示す横方向のマルチ投影の合成画像信号生成における、画像合成方法について説明する。図3は、実施例1の投影装置1000を用いた構成例を示す図である。
【0029】
図3に示す構成は、実施例1の投影装置1000におけるマルチ投影システムの構成の一例である。本実施例におけるマルチ投影システムは、映像ソース機器2000と投影装置1000-1、投影装置1000-2、投影装置1000-3、投影装置1000-4で構成されている。映像ソース機器2000と投影装置1000-1、投影装置1000-2、投影装置1000-3、投影装置1000-4はそれぞれ通信可能に接続されている。映像ソース機器2000は、例えば、PC(パーソナルコンピューター)や信号発生器、メディアサーバー等の外部機器であり、本実施例では何れであってもよい。また、投影装置1000-1~1000-4は、上記で説明した投影装置1000と同義である。即ち、投影装置1000-1~1000-4は、図1等における機能部を含むブロックで構成される。本実施例の投影装置1000は、映像ソース機器2000によって1つの画像から分割された分割画像が複数の投影装置にそれぞれ入力された後、分割された複数の画像を並べて投影(マルチブレンド)するマルチ投影システムを構成する投影装置である。
【0030】
映像ソース機器2000から不図示の出力部を介して、例えば15360×2160として、4Kと言われる画像信号3840×2160が横方向に4面繋がった画像信号(分割画像)が投影装置1000に出力される。この際の画像信号は、画像出力インターフェースのHDMI(登録商標)或いはディスプレイポート或いはSDI等から出力する。
【0031】
映像ソース機器2000の表示画面1における画像信号出力は、投影装置1000-1のINAにHDMI(登録商標)やDVIやディスプレイボート或いはSDI等の入力インターフェースに入力される。即ち、表示画面1に表示されている画像が投影装置1000-1に出力される。また、映像ソース機器2000の表示画面2における画像信号出力は、投影装置1000-2のINAのHDMI(登録商標)やDVIやディスプレイボート或いはSDI等の入力インターフェースに入力する。即ち、表示画面2に表示されている画像が投影装置1000-1に出力される。
【0032】
映像ソース機器2000の表示画面3における画像信号出力は、投影装置1000-3のINAのHDMI(登録商標)やDVIやディスプレイボート或いはSDI等の入力インターフェースに入力される。即ち、表示画面1に表示されている画像が投影装置1000-1に出力される。映像ソース機器2000の表示画面4における画像信号出力は、投影装置1000-4のINAのHDMI(登録商標)やDVIやディスプレイボート或いはSDI等の入力インターフェースに入力される。即ち、表示画面1に表示されている画像が投影装置1000-1に出力される。このように、投影装置1000-1~1000-4には、映像ソース機器2000からそれぞれ画像が送信される。尚、図3に示す映像ソース機器2000における表示装置等の画面上に表示されている1つの画像(目標出力画像)は、映像ソース機器2000が4つに分割し、不図示の出力部を介して各投影装置1000に出力(送信)する。そのため、表示画面1~4に表示されている4つの画像は、映像ソース機器2000によって1つの画像(目標出力画像)から分割された分割画像である。当該分割画像は、映像ソース機器2000の処理部(不図示)等によって分割される。
【0033】
映像ソース機器2000における、上記した画像信号の入力(画像の入力)により、それぞれの投影装置1000-1~1000-4のINAに主画像(第1の画像)の画像信号(映像信号)が入力される。以下、投影装置1000-1のINAに入力される画像を主画像Aとする。また、投影装置1000-2のINAに入力される画像を主画像Bとする。また、投影装置1000-3のINAに入力される画像を主画像Cとする。また、投影装置1000-1のINAに入力される画像を主画像Dとする。
【0034】
投影装置1000-1のINAには、表示画面1に表示されている画像である主画像Aの画像信号が入力される。また、投影装置1000-1のINBには、投影装置1000-2のINAに入力された主画像Bの画像信号(副画像A)が入力される。副画像Aは、投影装置1000-2のINAに入力された主画像Bと同一の画像でよいが、これに限らず主画像Bの一部または全部、或いは主画像Bに所定の画像処理を行った画像であってよい。ここで、主画像Bの投影装置1000-1のINBへの入力は、入出力セレクタ201により投影装置1000-2のOUTAから投影装置1000-1のINBに接続されることで入力される。
【0035】
上記画像入力によって投影装置1000-1は、INAに主画像(第1の画像)、INBに副画像(第2の画像)が入力された状態となり、各入力ICを介した画像信号を入力A、入力Bに出力する。その入力A、入力Bからの画像信号を入出力セレクタはメモリコントローラ202に出力するように設定される。
【0036】
メモリコントローラ202は、図4に示す様に入力Aの主画像をラインメモリ1に入力Bの副画像をラインメモリ2に横方向画像データをそれぞれの画像データを書き込む。図4は、実施例1に係る画像処理部のメモリ動作図である。
【0037】
メモリコントローラ202は、主画像のラインメモリ1に書き込んでいる画像データに続けて副画像データのラインメモリ2を順に読み込む。即ち、主画像のラインメモリ1の画像データ3840個に対して副画像データのラインメモリ2の画像データ(例えば、256個)を加えた画像データ(4096個)を読み出しフレームメモリであるDDR205に書き込む。この横方向の主画像プラス副画像の画像データを縦方向のライン数2160のライン数分繰り返しフレームメモリであるDDR205に書き込む。この時点で、図4に示す投影画像前の画像データがDDR205には生成される。
【0038】
DDR205に書き込まれた画像データは、スケーラーフォーマッタ203によって拡大縮小の既知のフォーマット横:4096、縦:2400の合成画像データ化される。この時縦:2400に対して画像は2160なので上下に120ライン分は黒等のブランクの画像データとなる。投影画像前の合成画像データは更に投影画像を変形させるキーストン補正等を含むワープ回路204の補正を行って画像処理後データとして出力する。
【0039】
本実施例においては、前述の通り、パネル部500の表示領域を横方向の画素数H:4096画素、縦方向の画素数V:2160画素として、その画素数に最適な画像データ横方向の画素数H:4096画素、縦方向の画素数V:2160画素で表示出力する。
【0040】
詳細には、図5に例示するタイミングチャートの様に画像データのDDR205への書き込みを行う。図5は、実施例1における投影装置毎の表示遅延処理のタイミングチャートである。映像ソース機器2000から各投影装置1000に入力される複数の画像データは、映像ソース機器2000内でタイミングを同期化されている。
【0041】
以下、図5に例示するタイミングチャート説明においては、投影装置1000-1をPJ1と表す。また、投影装置1000-2はPJ2と表す。図5では、PJ1とPJ2の主画像のVsyncは、Hsync及び主画像データが同期したタイミングで入力される。
【0042】
PJ2に入力された主画像は、入力Aからの画像データを、入出力セレクタ201を介して出力(A)として出力される。この際の画像データを出力は、出力ICA103からHDMI(登録商標)やDVIやディスプレイボート或いはSDI等の画像信号として出力される。出力される信号はPJ1のINBに入力され、その後入力ICB3を介して入力BにPJ1副画像入力Hsync、PJ1副画像入力データとして入出力セレクタに入力される。PJ1副画像はPJ1/2主画像入力信号よりも入出力セレクタ201、出力ICA102の回路を介した影響で図5中に示している遅延したタイミングで入力される。
【0043】
よって、PJ1の主画像データ及び副画像データのメモリコントローラ202のラインメモリへの書き込まれるタイミングは、異なるタイミングとなる。そして、この遅延におけるタイミングを合わせるためメモリコントローラ202はラインメモリに主画像データが横方向の3860画素分はラインメモリに書き込まれる。更に、遅延した副画像データがラインメモリに書き込まれ、PJ1主/副画像データとして主画像データ3840に続けて副画像データ256をDDR205に書き込む。このように入力に遅延を吸収してDDR202への書き込みを行う。そしてDDR205から読み込みスケーラーフォーマッタ203にて処理を行い、画像データ横方向の画素数H:4096画素、縦方向の画素数V:2160画素で合成画像データを出力する。
【0044】
投影装置1000-2のINAには、表示画面2に表示されている画像である主画像Bの画像信号が入力される。また、投影装置1000-2のINBには、投影装置1000-3のINAに入力された主画像Cの画像信号(副画像B)が入力される。副画像Bは、投影装置1000-3のINAに入力された主画像Cと同一の画像でよいが、これに限らず主画像Cの一部または全部、或いは主画像Cに所定の画像処理を行った画像であってよい。ここで、主画像Cの投影装置1000-2のINBへ入力は、入出力セレクタ201により投影装置1000-3のOUTAから投影装置1000-2のINBに接続されることでされる。上記画像入力によって投影装置1000-2は、INAに主画像(第1の画像)、INBに副画像(第2の画像)が入力された状態となる。
【0045】
尚、投影装置1000-2の場合でも、上記した投影装置1000-1と同様の処理とすることができる。即ち、メモリコントローラ202とDDR205とスケーラーフォーマッタ203にて処理を行い画像データ横方向の画素数H:4096画素、縦方向の画素数V:2160画素で合成画像データを出力する。
【0046】
投影装置1000-3のINAには、表示画面3に表示されている画像である主画像Cの画像信号が入力される。また、投影装置1000-3のINBには、投影装置1000-4のINAに入力された主画像Dの画像信号(副画像C)が入力される。副画像Cは、投影装置1000-4のINAに入力された主画像Dと同一の画像でよいが、これに限らず主画像Dの一部または全部、或いは主画像Dに所定の画像処理を行った画像であってよい。ここで、主画像Dの投影装置1000-3のINBへ入力は、入出力セレクタ201により投影装置1000-4のOUTAから投影装置1000-3のINBに接続されることでされる。上記画像入力によって投影装置1000-3は、INAに主画像(第1の画像)、INBに副画像(第2の画像)が入力された状態となる。
【0047】
尚、投影装置1000-3の場合でも、上記した投影装置1000-1と同様の処理とすることができる。即ち、メモリコントローラ202とDDR205とスケーラーフォーマッタ203から画像データ横方向の画素数H:4096画素、縦方向の画素数V:2160画素で合成画像データを出力する。
【0048】
投影装置1000-4のINAには、表示画面4に表示されている画像である主画像Dの画像信号が入力される。また、投影装置1000-4のINBは他の投影装置と接続されていない。そして、図3に示すように、本実施例における投影装置1000-4は、一番端の投影装置、即ち、投影装置1000-4から隣接する投影装置への接続を数珠繋ぎで投影装置1000-1まで行っている。従って、投影装置1000-4のINAに主画像(第1の画像)は入力されるが、INBには、副画像の入力はされない。そのため、投影装置1000-4は、INAに入力された表示画面4の画像データのまま投影を行う。
【0049】
パネル部500の縦の表示領域2400画素に対して画像データは、パネルの表示領域の中心で上下に120画素分とワープ回路204によって縮小された表示領域を黒として投影画像データを生成して表示データ生成部300に出力する。画像データの配置についてはパネル部500の表示領域に対して上側或いは下側にしてもよい。
【0050】
上記実施例においては、主画像のラインメモリ1の画像データ3840個に対して副画像データのラインメモリ2の画像データ(例えば、256個)を加えた画像データ(4096個)とした。しかし、この画像データサイズに限らない。例えば、主画像と副画像の画像データサイズが大きければ、最大の画像サイズ4096を出力できるようにスケーラーフォーマッタ203によりスケールダウンして合わせればよい。また主画像と副画像の画像データサイズが小さければ、最大の画像サイズ4096を出力できるようにスケーラーフォーマッタ203によりスケールダウンして合わせればよい。
【0051】
この投影装置1000-1~投影装置1000-4の投影により投影画像の図3の様に投影される。そしてそれぞれの投影装置の投影画像の主画像部と副画像部は、表示データ生成部300の不図エッジブレンド処理回路によりエッジブレンド処理を行う。
【0052】
図6は、実施例1に係る横マルチ投影の構成及び表示の例を示す図である。エッジブレンド処理は、図6に示す様に投影装置1000-1の副画像1-2は、左を100%として左端部に向けて徐々にゲインを0%となる様に下げて投影される。投影装置1000-2の主画像2は、右端部を0%として右重なり部端に向けて徐々にゲインを100%となる様に上げて投影される。その他の投影装置も同様に隣接部にゲインを掛ける事により自然な重なり画像となる様に処理を行い図3に示すような投影画像を実現する。
【0053】
実施例1のマルチ投影システムにおいては、隣接する投影装置から副画像の出力を受けて、主画像との合成画像を生成したが、図7の様に映像ソース機器2000の持つ2系統の出力から主/副画像を入力される構成でもよい。図7は、本実施例に係るマルチ投影システムと異なる構成のマルチ投影システムの構成及び表示の例を示す図また映像ソース機器2000からの不図示分配器等から系統の出力された画像データが入力される構成であってもよい。
【0054】
次に、図8を用いて画像処理部200内のEDID決定部200-1の動作について説明する。図8は、実施例1に係るHPDとDDCの動作例を示す図である。
【0055】
図8では、特に投影装置1000の入出力部100と画像処理部200を取り上げ、投影装置以外の映像ソース機器2000からHDMIケーブルを介して接続されているものとする。EDID決定部200―1では、適切な解像度情報を決定するために、映像ソース機器2000の解像度情報と、マルチ投影を構成する台数情報を必要とする。即ち、映像ソース機器2000に表示されている分割される前の1つの画像における解像度情報と、マルチ投影を構成し夫々が接続されている投影装置1000の台数情報に基づき、適切な解像度を算出し、決定する。
【0056】
まず、映像ソース機器2000の解像度情報の取得方法について説明する。HDMI(登録商標)の内部の信号には、画像データの他にHPD(Hot Plug Detect)やDDC(Display Data Channel)が含まれている。HPDは+5Vが広く使用され、投影装置1000は、HDMIケーブルが接続されると、入出力部100内で+5Vを検知し、映像ソース機器2000が接続されたことを知る。これをきっかけにDDCを使用して映像ソース機器2000との通信を開始する。DDCはI2Cを基本とした送受信が可能である。DDCでの通信内容には、投影装置1000側の機種情報や解像度情報がEDID100-1から送信される。EDID100-1には、投影装置1000のパネル部500の解像度情報が予め保存されている。また、このとき、図2に示す映像ソース機器2000の出力解像度15360×2160をEDID決定部200-1がDDC通信により受信する。もしくは、不図示のユーザーインターフェイスにより、ユーザーからの入力やCEC(Consumer Electronics Control)により受けても良い。
【0057】
次に、マルチ投影システムを構成する台数情報の取得方法について図3を用いて説明する。各投影装置1000-1~1000-4はそれぞれが画像入出力で珠数つなぎに接続されている。投影装置1000-1のINBには投影装置1000-2のOUTAと、投影装置1000-2のINBには投影装置1000-3のOUTAと、投影装置1000-3のINBには投影装置1000-4のOUTAがそれぞれ接続されている。尚、投影装置1000-4のINBには他の投影装置が接続されていない。このとき、各投影装置1000は、まず、自身のINBに入力があるか否かを判断する。判断には、HDMI接続の場合では、HPDにより判断することができる。
【0058】
ここで、INBに入力がある場合は、他の投影装置からの通信を待つ。一方、INBに入力がない場合は、台数情報「1」をOUTAから発信する。本実施例の場合、投影装置1000-4のINBに入力がないため、投影装置1000-4は自身のOUTAから台数情報「1」を投影装置1000-3に送信する。即ち、第2の画像である副画像の入力がない(副画像が入力されない)投影装置1000-4を1台目とする。そして、投影装置1000-3は、待機中に投影装置1000-4から台数情報「1」を受け取る(受信する)。台数情報を受け取った場合は、受け取った値(台数情報の数値)に+1をして、さらに、自身のOUTAから接続されている他の投影装置に出力する。即ち、第2の画像である副画像の出力先の投影装置1000に台数情報を送信し、且つ台数情報を受信した投影装置1000は、受信した台数情報に1が加算されるようにする。
【0059】
ここで、投影装置1000-3は、投影装置1000-4から台数情報「1」を受け取ったため、台数情報「1」に+1をして、「2」とし、投影装置1000-3は自身のOUTAから投影装置1000-2に台数情報「2」を送信する。投影装置1000-2は、待機中に投影装置1000-3から台数情報「2」を受け取る。投影装置1000-2は、投影装置1000-3から台数情報「2」を受け取ったため、台数情報「2」に+1をして、「3」とし、投影装置1000-3は自身のOUTAから台数情報「3」を投影装置1000-1に送信する。投影装置1000-1は待機中に投影装置1000-2から台数情報「3」を受信する。
【0060】
投影装置1000-1は、投影装置1000-3から台数情報「3」を受け取ったため、台数情報「3」に+1をして、台数情報「4」とする。このとき、投影装置1000-1のOUTAには何も接続されていないため、他の投影装置に台数情報を送信することを停止する。この時、台数情報の加算も停止する。このような処理により、マルチ投影構成の台数を設定することができる。さらに、各投影装置1000は数珠繋ぎに接続されているので、台数情報を含む各情報は、各投影装置1000間で送受信される。これにより、各投影装置1000は台数情報を共有することができる。
【0061】
本実施例では、例えば、HDMI(登録商標)にて各投影装置間が接続されている場合、CECに台数情報として送信すればよい。また、HDMI(登録商標)のような信号ケーブルでなくても、不図示の232CケーブルやLANケーブル、その他通信が可能なもの、例えば無線通信で接続されていてもよい。そして、投影装置1000-1は、前取得済の映像ソース機器2000の出力解像度15360×2160とマルチ投影構成の台数4を用いて、EDID決定部200-1にて、投影装置1台あたりの適切な解像度の計算を行い、EDID100-1を決定する。当該解像度の計算は、映像ソース機器2000の画像における解像度の情報を台数情報で除算することで算出できるため、この場合、投影装置1台あたりの適切な解像度は、15360/4=3840となる。
【0062】
算出された解像度3840は、投影装置1000-1のEDID決定部200-1からEDID100-1の値が更新される。更新前にはパネル部500の解像度4096×2160が保存されていたが、3840×2160となるように解像度の情報を更新する。
【0063】
次に、画像処理部200にてHPDのリセットを行う。HPDがリセットされると、再度映像ソース機器2000と投影装置間での通信が行われ、EDID100-1に保存されている解像度3840×2160が映像ソース機器2000に送信される。映像ソース機器2000は、投影装置1000-1からの解像度情報を受け、3840×2160を投影装置1000-1に出力する。
【0064】
このとき、その他のすべての投影装置も同じ解像度であるという前提において、映像ソース機器2000は、投影装置1000-2~4にも、3840×2160の解像度で出力する。このように、映像ソース機器2000が決定されたEDID100-1に基づき、出力する分割画像の解像度は、投影装置に現在保存されている縦合計解像度及び横合計解像度より小さい。
【0065】
尚、投影装置1000-1は台数情報の送信を停止して、台数情報が決定された投影装置であるため、投影装置1000-1が投影装置1台あたりの適切な解像度の計算をすることが効率であるため好ましい。しかしこれに限らず、投影装置1000-1のINBから投影装置1000-2のOUTAに向けて、台数情報「4」を送信し、投影装置1000-2が同様に3840×2160を算出し、EDIDを更新し、映像ソース機器2000へ再通信を行ってもよい。投影装置1000-3、投影装置1000-4についても同様である。また、不図示の232CケーブルやLANケーブル、その他通信が可能なもので接続されていてもよい。尚、上記した計算による解像度としてもよいが、この際の画像(投影する画像)は、エッジブレンド処理を行ったエッジブレンド部を含む解像度になっている。そのため、より適切な解像度としては、以下で説明する図6の処理で算出する解像度はエッジブレンド部を含まない解像度であるため好ましい。
【0066】
次に、図9図10のフローチャートを用いて、本実施例における投影装置1000が行う解像度の算出処理、EDIDの書き換え処理等一連の動作について説明する。マルチ投影構成は図3の構成とする。図9図10は、実施例1に係る投影装置1000の処理を示すフローチャートである。以下の各処理は、投影装置1000の制御部40がROM20等に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。また、各工程(ステップ)について先頭にSを付けて表記することで、工程(ステップ)の表記を省略する。また、以下の処理では、投影装置1000は、4台(投影装置1000-1~1000-4)用いている場合を想定する。
【0067】
まず、S101では、制御部40は、ユーザー操作により電源が入れられたか否かを判定する。判定の結果、電源が入れられていない場合、ユーザー操作により電源入力の判定待ち(ループ)の状態になる。一方、電源が入れられた場合は、S102に進む。尚、S101では、相互に接続されている各投影装置1000の内、いずれか1台の投影装置1000の電源が入れられたか否かを判定する。
【0068】
次に、S102では、制御部40は、入出力部100、画像処理部200、表示データ生成部300を主とした投影装置1000の投影を行うための各種設定をROM20に有する各種設定調整データを基づき行う。
【0069】
次に、S103では、制御部40は、投影を開始する。この際、投影を開始して入力からの画像或いはOSDが表示される。
【0070】
次に、S104では、制御部40は、マルチ設定がONされたか判定する。判定の結果、マルチ設定がONになった場合、S105に進む。一方、マルチ設定がOFFの場合、マルチ設定がONの判定待ち(ループ)の状態になる。マルチ設定は、ユーザーがマルチ投影をするか、単体投影をするかを各投影装置に対してOSD等を用いて設定を行う。通常は、未設定の場合、単体投影になっていることが多いため、本処理の場合は、ユーザーは、投影装置1000-1~1000-4それぞれに対してマルチ投影設定を行う。以下では、投影装置1000-1~1000-4それぞれに対してマルチ投影設定がされたとして説明をする。
【0071】
次に、S105では、制御部40は、投影装置のINAに外部(例えば、映像ソース機器2000)から主画像(画像信号)が入力されているか否かを判定する。判定の結果、INAに外部から主画像が入力されている場合は、S107に進む。一方、INAに外部から主画像(画像信号)が入力されていない場合は、外部から主画像が入力されるまで処理を繰り返す。INAに入力される画像信号がデジタル信号の場合、HPDを用いて入力の検出することができる。ただし、INAの入力される信号は映像ソース機器2000からの信号とする。このとき、映像ソース機器2000から、全解像度情報(分割される前の1つの画像の解像度情報)15360×2160も同時に得る。本処理の判定は、投影装置1000-1~1000-4の制御部40がそれぞれ投影装置のINAに外部から主画像が入力されているかを判定するが、いずれか1つの投影装置1000の制御部40が行ってもよい。そして、本処理においては、外部から投影装置1000-1~1000-4に主画像が入力されたものとして次ステップに進む。
【0072】
次に、S106では、制御部40は、投影装置のINBに副画像(画像信号)の入力を検出する。本処理では、投影装置1000―1~1000-3は、INBに副画像の入力が検出されたものとする。そして、投影装置1000―4のINBには副画像の入力が検出されなかったものとする。本処理でも、INAと同様にHPDを用いて入力を検出すればよい。ただし、INBに入力される信号は、当該投影装置以外の投影装置からの出力信号であるものとする。本処理の判定は、投影装置1000-1~1000-4の制御部40がそれぞれ投影装置のINBに外部から副画像が入力されているかを判定するが、いずれか1つの投影装置の制御部40が行ってもよい。
【0073】
次に、S107では、制御部40は、台数情報取得し、取得した台数情報を送信する。本処理では、S106で投影装置1000-4のINBに入力がなかったため、投影装置1000-4が台数情報を発信する出発点となる。即ち、投影装置1000-4が台数情報の発信元となる。従って、投影装置1000-4は、自身が出発点なので、台数情報「0」に1を加算して台数情報「1」を得る。その後、投影装置1000-4と接続している他の投影装置1000に台数情報「1」を送信する。本処理の場合、投影装置1000-4から投影装置1000-3へと台数情報を送信する。
【0074】
次に、S108では、制御部40は、次に台数情報を送信する装置があるか否かを判定する。判定の結果、次に台数情報を送信する投影装置1000があった場合は、S109に進む。一方、次に台数情報を送信する装置がない場合は、S110に進む。
【0075】
次に、S109では、制御部40は、台数情報を送信する。その後、S108に戻り、同様の処理を繰り返す。尚、本処理では、投影装置1000-1~1000-4が接続され、それぞれの投影装置がマルチ設定されている。従って以下に、各投影装置における具体的な、台数情報の取得及び送信処理について説明する。
【0076】
まず、投影装置1000-3は、INBからの入力を待機している状態で、投影装置1000-4から送信された台数情報を受信する。投影装置1000-3は、投影装置1000-4からの台数情報「1」を受信したので、1を台数情報に加算し、台数情報「2」を得る。次に、投影装置1000-3はOUTAに接続先を検知しているので、投影装置1000-2に対して台数情報「2」を発信する。
【0077】
そして、投影装置1000-2は、INBからの入力を待機している状態で、投影装置1000-3から送信された台数情報を受信する。投影装置1000-2は、投影装置1000-3からの台数情報「2」を受信したので、1を台数情報に加算し、台数情報「3」を得る。次に、投影装置1000-2はOUTAに接続先を検知しているので、投影装置1000-1に対して台数情報「3」を発信する。
【0078】
そして、投影装置1000―1は、INBからの入力を待機している状態で、投影装置1000-2から送信された台数情報を受信する。投影装置1000-1は、投影装置1000-2からの台数情報「3」を受信したので、1を台数情報に加算し、台数情報「4」を得る。次に、投影装置1000-1はOUTAに他の投影装置が接続されていないため、他の投影装置に台数情報の加算及び送信することを停止する。
【0079】
次に、S110では、制御部40は、最適解解像度の算出及び決定を行う。具体的には、S105で得た映像ソース機器2000の全解像度情報15360×2160と、取得した台数情報「4」を用いて各投影装置1000がエッジブレンド部を含まない表示すべき解像度を以下の式(1)で算出する。尚、当該解像度の算出は、台数情報の加算及び送信を停止した投影装置1000-1が行うことが効率がよいため好ましいが、投影装置1000-2~1000-4の何れかの投影装置が行うようにしてもよい。
【0080】
最適解解像度=(全解像度情報-INBに入力がない投影装置の解像度)/(台数情報-1)・・・(1)
【0081】
本実施例の場合、各投影装置1000がエッジブレンド部を含まない表示すべき解像度(最適解像度)としては、(15360-4096)/(4-1)=3755を最適解像度とする。
【0082】
ここで、投影装置1000-4は、INBに副画像(画像信号)の入力がないため、投影装置1000-1~1000-3と同様にエッジブレンド部の幅(横幅)を算出すると投影装置1000-4の投影面の右端に黒画像となり、投影品質がよくない。そこで、投影装置1000-4は、自身のパネル解像度最大を表示できるように計算から投影装置1000-4の解像度を引く。さらに、台数情報も1を引く。残りの構成台数「3」から残りの3台のエッジブレンド部を含まない最適解像度を算出する。このように、映像ソース機器2000の画像の解像度の情報と、副画像が入力されない投影装置における主画像の解像度情報と、台数情報とに基づき、各投影装置1000における最適解解像度の算出することができる。
【0083】
次に、S111では、制御部40は、S111で決定した最適解像度の情報を送信する。上記の処理により、各投影装置がエッジブレンド部を含まない表示すべき解像度は3755であることが分かった。この時点では、投影装置1000-1しか最適解像度情報がわからないため、投影装置1000-1から投影装置1000-2へ最適解像度情報を送信する。また、本実施例では、接続を中継する装置(ハブ)同士を直列に接続するカスケード接続を採用しているため、最適解像度情報を各投影装置1000に送信する必要がある。従って、投影装置1000-2から投影装置1000-3へ最適解像度情報を送信する。さらに、投影装置1000-3から投影装置1000-4へ最適解像度情報を送信する。尚、投影装置1000-4は、上記した投影品質向上のため3755の解像度とせず、現在の解像度(4096)のままとする。
【0084】
次に、S112では、制御部40は、EDIDを書き換える。本処理の場合、投影装置1000-1のEDIDの中身は4096のままとなっているので、投影装置1000-1のEDIDの中身を3755に書き換える。尚、投影装置1000-2、投影装置1000-3も同様である。尚、図3等で最も右端に設置されている投影装置1000-4は、投影品質向上のために、自身のEDID書き換えは行わない。
【0085】
次に、S113では、制御部40は、HPDのリセットを行う。EDID情報を書き換えただけでは、映像ソース機器2000には伝わっていないため、HPDにリセットを掛ける。これにより、映像ソース機器2000との間に再度通信が行われるため、制御部40は、決定した解像度情報3755を映像ソース機器2000に送信する。これにより、各投影装置1000に送信される画像(分割画像)についての解像度を設定することができる。そして、映像ソース機器2000によって、各投影装置1000に3755の解像度で画像信号が送信される。本処理の場合、投影装置1000-1~1000-3に3755の解像度で画像信号が送信される。一方、上記したようにEDIDの書き換えを行っていない投影装置1000-4には、4096の解像度における画像信号が送信される。
【0086】
次に、S114では、制御部40は、映像ソース機器2000からの信号3755×2160を使用して、エッジブレンド部の生成や合成を行う。詳細な動作については前述しているため省略する。本処理を行うことで、投影装置1000-1~1000-3はINAに入力される画像の解像度3755とエッジブレンド用画像の解像度341で投影し、投影装置1000-4はINAに入力される画像の解像度4096を投影することができる。
【0087】
以上、実施例1におけるマルチ投影システムを構成する投影装置1000によれば、複雑な操作を必要とせず、簡易に各投影装置における解像度を設定することができる。
【0088】
尚、本実施例では、図3等に示しているように4台の投影装置(プロジェクタ)1000と映像ソース機器2000を用いて、マルチ投影システムを構成している。しかし、これに限らず、2台以上の投影装置であれば、本実施例におけるマルチ投影システムを構成することができる。
【0089】
尚、本実施例のよう4台の投影装置を用いる場合、INBに副画像の入力のない1台目の投影装置である投影装置1000-4を第1の投影装置とする。そして、投影装置1000-3を第2の投影装置、投影装置1000-3を第3の投影装置、投影装置1000-4を第4の投影装置とすることができる。また、INBに副画像の入力のない1台目の投影装置である投影装置1000-4を第1の投影装置とし、第1の投影装置と接続される他の投影装置を第2の投影装置としてもよい。
【0090】
尚、2台の投影装置を用いる場合も同様に、INBに副画像の入力のない1台目の投影装置を第1の投影装置とし、第1の投影装置と接続されていると2台目の投影装置を第2の投影装置とすることができる。また、台数情報は各投影装置1000間で送信される台数情報に1を加算していくことで設定することができたが、ユーザー入力によって設定されてもよい。
【0091】
<実施例2>
図3のマルチ投影システムの構成及び図11のフローチャートを参照して実施例2のマルチ投影システムを構成する投影装置1000の説明を行う。実施例2の各機能部やハードウェア構成を含む構成は実施例1の構成と同様であるため、説明を省略する。実施例2では実施例1との差異点として、最適解像度の算出方法が異なる。以下に、予め映像ソース機器2000側の信号(画像信号、映像信号)内にエッジブレンド幅(主画像に副画像の少なくとも一部を重ねた際における横幅の情報)が定義されている場合における解像度の算出方法を説明する。
【0092】
図11は、実施例2に係る投影装置1000の処理を示すフローチャートである。以下の各処理は、投影装置1000の制御部40がROM20等に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。また、各工程(ステップ)について先頭にSを付けて表記することで、工程(ステップ)の表記を省略する。また、以下の処理では、投影装置1000は、4台(投影装置1000-1~1000-4)用いている場合を想定する。また、図8及び図9のフローチャートと同様の処理については説明を省略する。
【0093】
まず、S201~S204の処理を行う。次に、S205では、制御部40は、投影装置のINAに外部(例えば、映像ソース機器2000)から主画像(画像信号)が入力されているか否かを判定する。判定の結果、INAに外部から主画像が入力されている場合は、S206に進む。一方、外部から主画像(画像信号)が入力されていない場合は、外部から主画像が入力されるまで処理を繰り返す。INAに入力される画像信号がデジタル信号の場合、HPDを用いて入力の検出することができる。ただし、INAの入力される信号は映像ソース機器2000からの信号とする。本処理の判定は、投影装置1000-1~1000-4の制御部40がそれぞれ投影装置のINAに外部から主画像が入力されているかを判定するが、いずれか1つの投影装置の制御部40が行ってもよい。そして、本処理においては、外部から投影装置1000-1~1000-4に主画像が入力されたものとして次ステップに進む。
【0094】
このとき、制御部40は、映像ソース機器2000から、全解像度情報15360×2160の情報も同時に得るとともに、マルチ投影に必要なエッジブレンド幅の情報を得る。例えば、256画素とする。
【0095】
次に、S206では、制御部40は、最適解解像度の算出を行う。各投影装置のEDID100-1の解像度情報は予めEDID内に保存されている(ここでは4096とする)。そのため、予め保存されている解像度と先に得たエッジブレンド情報を用いて、EDID決定部200-1でマルチ投影に最適な解像度を以下の式(2)で算出する。
【0096】
マルチ投影に最適な解像度=予め保存されている解像度-エッジブレンド幅・・・(2)
【0097】
本実施例では、マルチ投影に最適な解像度(最適解像度)は、4096-256=3840とすることができる。
【0098】
次に、S207では、制御部40は、EDIDを書き換える。本処理の場合、投影装置1000-1のEDID100-1の中身は4096のままとなっているので、投影装置1000-1のEDID100-1の中身を3840に書き換える。尚、投影装置1000-2~1000-4も同様である。
【0099】
次に、S208では、制御部40は、HPDのリセットを行う。EDID情報を書き換えただけでは、映像ソース機器2000には伝わっていないため、HPDにリセットを掛ける。これにより、映像ソース機器2000との間に再度通信が行われるため、制御部40は、解像度情報3840を映像ソース機器2000に送信する。そして、映像ソース機器2000によって、各投影装置1000に3840の解像度で画像信号が送信される。本処理の場合、は投影装置1000-1~1000-4に3840の解像度で画像信号が送信される。
【0100】
次に、S209では、制御部40は、投影装置のINBに副画像(画像信号)が入力されているか否を判定する。判定の結果、INBに副画像が入力されている場合は、S210に進む。一方、INBに副画像が入力されていない場合は、処理を終了する。本処理では、投影装置1000―1~1000-3は、INBに副画像の入力が検出されたものとする。そして、投影装置1000―4のINBには副画像の入力が検出されなかったものとする。本処理でも、INAと同様にHPDを用いて入力を検出すればよい。ただし、INBに入力される信号は、当該投影装置以外の投影装置からの出力信号であるものとする。本処理の判定は、投影装置1000-1~1000-4の制御部40がそれぞれ投影装置のINBに外部から副画像が入力されているかを判定するが、いずれか1つの投影装置の制御部40が行ってもよい。
【0101】
次に、S210では、制御部40は、映像ソース機器2000からの信号3840×2160を使用して、エッジブレンド部の生成や合成を行う。詳細な動作については、実施例1と同様であるため説明を省略する。本処理では、INBに副画像の入力が検出された投影装置1000―1~1000-3がエッジブレンド部の生成や合成を行う。本処理を行うことで、投影装置1000-1~1000-3はINAに入力される画像の解像度3840とエッジブレンド用画像の解像度256で投影し、投影装置1000-4はINAに入力される画像の解像度3840を投影することができる。尚、本処理の場合、投影装置1000-4はINBに画像の入力がない投影装置であるため、投影装置1000-4のパネル部の右端から256画素分は黒投影(黒表示)となる。
【0102】
以上、実施例2におけるマルチ投影システムを構成する投影装置1000によれば、実施例1と同様に、複雑な操作を必要とせず、簡易に各投影装置における解像度設定することができる。
【0103】
以上説明した上記各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【0104】
本実施例の開示は、以下の構成、方法、プログラム、及びシステムを含む。
【0105】
(構成1)
外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、前記分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置であって、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する制御部と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する決定部と、有し、
前記決定部は、決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する、
ことを特徴とする投影装置。
【0106】
(構成2)
前記決定部は、前記画像の解像度の情報と前記台数情報に基づき、前記性能情報を決定することを特徴とする構成1に記載の投影装置。
【0107】
(構成3)
前記外部機器が前記決定部により決定された前記性能情報に基づき出力する前記分割画像の解像度は、前記投影装置における縦合計解像度及び横合計解像度より小さいことを特徴とする構成1または2に記載の投影装置。
【0108】
(構成4)
前記決定部は、前記第2の画像が入力されていない投影装置における前記分割画像の解像度に基づき、前記外部機器が参照する前記性能情報を決定することを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載の投影装置。
【0109】
(構成5)
前記投影装置の前記台数情報を決定する際、前記第2の画像が入力されない投影装置を1台目とすることを特徴とする構成1乃至4のいずれか1つに記載の投影装置。
【0110】
(構成6)
前記決定部は、前記画像の解像度の情報と、前記第2の画像が入力されない投影装置における前記第1の画像の解像度情報と、前記台数情報とに基づき、前記性能情報を決定することを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の投影装置。
【0111】
(構成7)
前記決定部は、前記決定部により決定された前記性能情報となるように前記第2の画像が入力されない投影装置以外の投影装置における現在の性能情報を書き換えることを特徴とする構成6に記載の投影装置。
【0112】
(構成8)
前記制御部は、前記第2の画像の出力先の投影装置に前記台数情報を送信し、且つ前記台数情報を受信した投影装置は、前記受信した台数情報に1が加算されるようにすることを特徴とする構成1乃至7のいずれか1つに記載の投影装置。
【0113】
(構成9)
前記制御部は、前記第2の画像を出力する先に接続がない場合、前記台数情報の加算を停止することを特徴とする構成8に記載の投影装置。
【0114】
(構成10)
前記台数情報は、複数の前記投影装置間で送受信され、複数の前記投影装置間で共有されることを特徴とする構成1乃至9のいずれか1つに記載の投影装置。
【0115】
(構成11)
前記制御部は、前記外部機器から前記画像の解像度の情報と、前記第1の画像に前記第2の画像の少なくとも一部を重ねた際における横幅の情報であるブレンド幅情報を取得し、
前記決定部は、少なくとも前記画像の解像度の情報、前記第1の画像の解像度の情報、前記ブレンド幅情報に基づき、前記性能情報を決定することを特徴とする構成1に記載の投影装置。
【0116】
(構成12)
前記台数情報は、CEC(Consumer Electronics Control)を用いて複数の前記投影装置間で送受信されることを特徴とする構成1乃至11のいずれか1つに記載の投影装置。
【0117】
(構成13)
前記台数情報は、ユーザー入力により設定されることを特徴とする構成1乃至12のいずれか1つに記載の投影装置。
【0118】
(構成14)
前記第1の画像には、前記ブレンド幅情報が含まれることを特徴とする構成11に記載の投影装置。
【0119】
(構成15)
前記性能情報とは、EDID(Extended Display Identification Data)であることを特徴とする構成1乃至14のいずれか1つに記載の投影装置。
【0120】
(構成16)
外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、前記分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置の制御方法であって、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する工程と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する工程と、
前記決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する工程と、を有する、
ことを特徴とする投影装置の制御方法。
【0121】
(構成17)
外部機器によって1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ入力し、前記分割画像を並べて投影するマルチ投影システムを構成する投影装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する工程と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する工程と、
前記決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する工程と、を実行させることを特徴とするプログラム。
【0122】
(構成18)
外部機器と、前記外部機器と通信可能に接続される複数の投影装置とを含むマルチ投影システムであって、
前記外部機器は、
1つの画像から分割された分割画像を複数の投影装置にそれぞれ出力する出力部を有し、
前記投影装置は、
前記複数の投影装置のうち第1の投影装置へ入力される前記分割画像を第1の画像としたときに、前記第1の画像の一部または全部を第2の画像として前記第1の投影装置から前記第1の投影装置とは異なる第2の投影装置に出力されるように制御する制御部と、
前記画像、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記複数の投影装置の台数の情報である台数情報に基づき、前記外部機器が参照する前記投影装置の少なくとも表示性能を示す情報である性能情報を決定する決定部と、有し、
前記決定部は、決定した前記性能情報を前記外部機器に送信することで前記分割画像についての解像度を設定する、
ことを特徴とするマルチ投影システム。
【0123】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。その場合、そのプログラム、該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0124】
1000 投影装置
10 操作部
20 ROM
30 RAM
40 制御部
100 入出力部
100-1 EDID
200 画像処理部
200-1 EDID決定部
300 表示データ生成部
400 パネル駆動部
500 パネル部
601 光源駆動部
602 光源部
701 レンズ駆動部
702 投影レンズ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12