(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167761
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 19/24 20060101AFI20241127BHJP
B01F 23/237 20220101ALI20241127BHJP
B01F 23/231 20220101ALI20241127BHJP
B01J 19/12 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B01J19/24 A
B01F23/237
B01F23/231
B01J19/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084048
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】岡本 政邦
(72)【発明者】
【氏名】籔内 真
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏昌
【テーマコード(参考)】
4G035
4G075
【Fターム(参考)】
4G035AB05
4G035AC15
4G035AE02
4G035AE13
4G075AA03
4G075AA62
4G075AA65
4G075BA04
4G075BA05
4G075BB05
4G075BB07
4G075BD27
4G075CA14
4G075CA32
4G075CA54
4G075DA02
4G075EB01
4G075EB31
4G075EC21
4G075FC04
(57)【要約】
【課題】十分量の原料ガスを水中に配置可能な製造装置を提供する。
【解決手段】製造装置100は、マイクロバブル又はウルトラファインバブルのうちの少なくとも一方の気泡を含んで構成される原料ガスの微小気泡9を水中に生成する気泡生成装置1と、前記水中で前記原料ガスから目的成分への生成反応を促進する触媒2と、前記水中での微小気泡9の状態を決定する把握機構6と、把握機構6による結果に基づいて気泡生成装置1を制御する制御装置7とを備える。触媒2は、光の照射により前記生成反応を促進する光触媒を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロバブル又はウルトラファインバブルのうちの少なくとも一方の気泡を含んで構成される原料ガスの微小気泡を水中に生成する気泡生成装置と、
前記水中で前記原料ガスから目的成分への生成反応を促進する触媒と、を備える
ことを特徴とする製造装置。
【請求項2】
前記触媒は、光の照射により前記生成反応を促進する光触媒を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記水中での前記微小気泡の状態を把握する把握機構と、
前記把握機構による把握結果に基づいて前記気泡生成装置を制御する制御装置とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記把握機構により把握された前記水中での前記微小気泡の存在量が所定範囲になるように、前記気泡生成装置を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の製造装置。
【請求項5】
前記水中に生成した前記目的成分を前記水から分離する分離装置を備え、
前記分離装置は、
前記目的成分を含む水相と、前記水相に隣接する気相とを含み、
前記気相から遠ざかる方向に向けて前記水相中に電場を印加する印加装置を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項6】
前記原料ガスは、窒素又は酸化窒素のうちの少なくとも一方を含み、
前記目的成分は、アンモニアを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項7】
前記原料ガスは、酸化炭素を含み、
前記目的成分は、アルコールを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項8】
前記水中に生成した前記目的成分を前記水から分離する分離装置を備え、
前記分離装置は、前記目的成分を含む前記水の少なくとも一部を加熱する加熱機構を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項9】
前記加熱機構は、前記加熱機構による加熱時の水温における前記原料ガスの水への溶解度をS1、前記目的成分の水への溶解度をS2としたときに、S2/S1の値が100以上である場合に、備えられる
ことを特徴とする請求項8に記載の製造装置。
【請求項10】
前記分離装置は、前記原料ガスと前記目的成分とを分離する蒸留装置を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の製造装置。
【請求項11】
前記水中に生成した前記目的成分を前記水から分離する分離装置と、
前記水のpH、又は、前記水中での前記目的成分の濃度のうちの少なくとも一方の指標を測定するセンサによる測定結果に基づいて、前記分離装置での前記水中からの前記目的成分の分離のし易さを制御する制御装置と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項12】
前記触媒は、光の照射により前記生成反応を促進する光触媒を含み、
前記水中に生成した前記目的成分を前記水から分離する分離装置と、
前記光触媒に照射される光の量に基づいて、前記分離装置での前記水中からの前記目的成分の分離のし易さを制御する制御装置と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項13】
一対の電極と、
一対の電極に接続される太陽電池と、を備え、
前記一対の電極のうちの一方の電極は、光の照射により前記生成反応を促進する光触媒を前記触媒として含む光電極であり、
前記一対の電極のうちの他方の電極の表面において前記生成反応が進行する
ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項14】
前記一方の電極は光透過性を有して構成され、
前記太陽電池は、前記一方の電極を透過した光が前記太陽電池に供給されるように配置される
ことを特徴とする請求項13に記載の製造装置。
【請求項15】
マイクロバブル又はウルトラファインバブルのうちの少なくとも一方の気泡を含んで構成される原料ガスの微小気泡を水中に生成する気泡生成ステップと、
前記水中で前記原料ガスから目的成分への生成反応を促進する触媒ステップと、を含む
ことを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の化学物質の自然界への流出により引き起こされている地球温暖化及び環境汚染のため、今後の生物多様性の喪失が懸念されている。社会活動で自然界に放出される化学物質の中でも反応性窒素は排出量が多く、亜酸化窒素は二酸化炭素の約300倍の効果を示す温室効果ガスでありオゾン層を破壊する気体でもある。生態系を回復し持続可能な社会活動を実現するため、環境から反応性窒素の削減が好ましい。そのためには、反応性窒素を回収し例えばアンモニアに変換することで、例えば発電燃料、動植物の肥料及び飼料として再利用する窒素循環社会を実現できる。
【0003】
窒素循環社会の実現には、反応性窒素をアンモニアに効率よく変換することが一つの課題である。現在の窒素のアンモニアへの変換技術では大きなエネルギが使用されるため、低エネルギで生産可能な自然エネルギを利用したグリーンアンモニア変換技術が注目を集めている。グリーンアンモニア変換技術は、太陽光及び光触媒を利用したアンモニアへの変換方法であり、有力な候補の一つである。
【0004】
特許文献1の請求項1には「光触媒の存在下で液体原料と気体原料とに光を照射して光触媒反応を行う光触媒反応装置であって、前記光を照射する照射手段と、前記光に対して透明であり、内部に前記光触媒と前記液体原料とを加圧状態で収容する反応容器と、前記液体原料中に前記気体原料をバブリング状態で供給するバブリング装置とを備えることを特徴とする光触媒反応装置。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の装置では、液体原料を加圧状態で収容した反応容器に、原料ガスの気泡が供給される(段落0043)。しかし、ガスの中には水への溶解度が小さいガスが存在し、液体原料の加圧では、水中への原料ガスの配置が不十分である。
本開示が解決しようとする課題は、十分量の原料ガスを水中に配置可能な製造装置及び製造方法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の製造装置は、マイクロバブル又はウルトラファインバブルのうちの少なくとも一方の気泡を含んで構成される原料ガスの微小気泡を水中に生成する気泡生成装置と、前記水中で前記原料ガスから目的成分への生成反応を促進する触媒と、を備える。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、十分量の原料ガスを水中に配置可能な製造装置及び製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】水へのアンモニアの溶解度を示すグラフである。
【
図4】本開示の製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】別の実施形態に係る製造装置を示す模式図である。
【
図6】別の実施形態に係る製造装置を示す模式図である。
【
図7】別の実施形態に係る製造装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための形態(実施形態と称する)を説明する。以下の一の実施形態の説明の中で、適宜、一の実施形態に適用可能な別の実施形態の説明も行う。本開示は以下の一の実施形態に限られず、異なる実施形態同士を組み合わせたり、本開示の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形したりできる。また、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。更に、同じ機能を有するものは同じ名称を付すものとする。図示の内容は、あくまで模式的なものであり、図示の都合上、本開示の効果を著しく損なわない範囲で実際の構成から変更したり、図面間で一部の部材の図示を省略したり変形したりすることがある。また、同じ実施形態で、必ずしも全ての構成を備える必要はない。
【0011】
図1は、本開示の製造装置100を示す模式図である。製造装置100は、例えば窒素等の原料ガスから、例えばアンモニア等の目的成分を製造する装置である。なお、原料ガス及び目的成分はこれらに限定されず、製造装置100は、例えば二酸化炭素等から、メタノール等のアルコールを製造するようにしてもよい。製造は、原料ガスから目的成分を生成する化学反応(即ち生成反応)によって実行される。生成反応は水中で進行する。本開示において「水」は、一般的な水(例えば水道水、工業用水等)でもよく、純水(H
2O)でもよい。また、製造装置100で使用される水は、溶質を含まない水(溶媒)のみでもよく、溶質を含む水溶液でもよい。水温は、特に制限されないが、特に断らない限り例えば15℃以上30℃以下にできる。
【0012】
製造装置100は、気泡生成装置1と、反応槽21と、分離装置3と、光源8と、把握機構6と、制御装置7と、を備える。これらのうち、気泡生成装置1と、分離装置3と、反応槽21とは、管101によって接続され、
図1において実線矢印F1で示すように水及び微小気泡9が循環する(即ち一方向に流れる)。
【0013】
気泡生成装置1は、原料ガスの微小気泡9を水中に生成するものである。微小気泡9は、マイクロバブル(以下、適宜「MB」という)又はウルトラファインバブル(以下、適宜「UFB」という)のうちの少なくとも一方の気泡を含んで構成される。MBの物性は、例えばISO 20480-1:2017において定義され、MBは例えば1μm以上100μm未満の気泡径を有するバブルのことである。MBは、UFBの合体により生成する。UFBの物性は、同ISOにおいて定義される。UFBは、例えば1μm未満の気泡径を有するバブルのことであり、従来「ナノバブル」といわれていた気泡である。
【0014】
MB及びUFBは、水中を浮上せず水中に滞留する性質を有する。また、MB及びUFBは、気液界面が大きくなるという性質も有する。更に、MB及びUFBは、気泡内部の圧力が高いという性質も有する。そして、MB及びUFBは、気泡が負に帯電するという性質を有する。従って、微小気泡9は、単に微小(例えば100μm未満)ではなく、上記ISOで規定されるMB又はUFBのうちの少なくとも一方の気泡を含むことで、これらの特徴的な性質を利用して、十分量の原料ガスを水中に配置(気泡として水中に存在)させることができる。
【0015】
微小気泡9は、MB又はUFBのうちの少なくとも一方の気泡以外の気泡を含んでもよい。ただし、MB又はUFBのうちの少なくとも一方の気泡以外の気泡を含む場合、そのような気泡は、積極的に含ませるのではなく、MB又はUFBのうちの少なくとも一方の生成時に不可避的に含まれることになった気泡であることが好ましい。
【0016】
原料ガスは、目的成分の原料となるガスであり、通常は水に難溶性の性質を有する。本開示において難溶性の原料ガスは、製造装置100で使用される水の温度(例えば20℃)及び気体の圧力(例えば1013hPa)において、水1Lあたり、0.1mol以下の溶解度を有するガスをいう。このようなガスは、例えば、上記の窒素の他、酸化窒素(一酸化窒素又は二酸化窒素のうちの少なくとも一方)、酸化炭素(一酸化炭素又は二酸化炭素のうちの少なくとも一方)等であるが、これらに限られない。原料ガスは、通常は、目的成分の種類に応じて決定される。
【0017】
本開示の例では、原料ガスは、窒素又は酸化窒素のうちの少なくとも一方を含み、目的成分は、アンモニアを含む。窒素又は酸化窒素のうちの少なくとも一方を使用することで、アンモニアを生成できる。窒素は、例えば反応性窒素の無害化によって得られる。
【0018】
別の実施形態では、原料ガスは、酸化炭素を含み、目的成分は、アルコールを含む。アルコールは、例えば炭素数1以上3以下のアルコールを含む。酸化炭素を使用することで、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等の例えば炭素数1以上3以下のアルコール等を生成できる。
【0019】
気泡生成装置1は、微細化機構41を収容した微細化槽42と、導入装置5とを含む。原料ガスは、導入装置5により微細化槽42内の水中に導入される。導入装置5は、例えば、送気ポンプである。導入装置5は、
図1において破線で示す電気信号線を通じて、制御装置7に接続される。制御装置7の説明は後記する。微細化槽42では、原料ガスは、微細化機構41によって微細化され微小気泡9が生成する。微細化機構41は、例えば、攪拌翼である。気泡生成装置1で生成した微小気泡9は、
図1において実線矢印F1で示す水流方向で下流側の反応槽21に流れる。
【0020】
反応槽21は、触媒2を収容するものである。触媒2は、製造装置100に備えられ、水中で原料ガスから目的成分への生成反応を促進するものである。以下、単に「生成反応」というときは、ここでいう「生成反応」という。触媒2を構成する成分、構造、物性等の条件は、目的成分の種類、生成反応の条件(水温、水圧等)等に応じて適宜決定すればよい。
【0021】
触媒2は、光の照射により生成反応を促進する光触媒を含む。このような触媒を使用することで、触媒2に照射する光の量の制御(光量制御)により、生成反応の速度を制御できる。このため、生成反応の進行を容易に制御できる。ただし、触媒2は、光触媒以外の触媒を含んでもよいし、光触媒以外の触媒であってもよい。触媒2は、本開示の例では、例えばレーザ回折散乱法に基づく平均粒径として例えば1μm以上1mm以下の粒子状を有する。従って、触媒2は、通常は水中で浮遊する。触媒2を粒子状にすることで、触媒2の比表面積を増やし、触媒性能を向上できる。
【0022】
製造装置100において、不図示の送液ポンプにより、実線矢印F1の方向に水流が生じている。そこで、水流に寄らず反応槽21に触媒2を留めておくため、反応槽21に接続される2つの管101のうちの少なくとも下流側の管101には、フィルタ(不図示)を設置してもよい。本開示の例では、設備の簡略化のためにフィルタは設置されず、例えば粒子状の触媒2は、水とともに製造装置100の管101内を循環する。
【0023】
反応槽21は例えば光透過性の材料(樹脂、ガラス等)製の壁により区画されることで構成される。反応槽21の内部には、反応槽21の外部に設置された光源8から光が照射される。これにより、触媒2が光を受けて、触媒2は触媒機能を発揮できる。照射される光の波長は、特に制限されず、触媒2が触媒機能を発揮するために使用される波長にすればよい。
【0024】
製造装置100は、把握機構6を備える。把握機構6は、例えば反応槽21において、水中での微小気泡9の状態を把握するものである。ここでいう「状態」は、例えば、微小気泡9の大きさ(径)、水中での濃度等である。把握機構6は、例えば反応槽21の外部に設置されるカメラである。カメラが、光透過性の材料により構成される壁を通じて反応槽21の内部を撮影することで、微小気泡9を撮影できる。そして、撮影により得られた画像中の微小気泡9の状態を確認することで、微小気泡9の状態を把握できる。特に、例えば画像上での色彩の相違に基づいて、微小気泡9の大きさ、微小気泡の数(即ち濃度)を把握(決定)できる。把握機構6は、
図1において破線で示す電気信号線を通じて、制御装置7に接続される。制御装置7の説明は後記する。
【0025】
反応槽21で生成した目的成分(不図示)は、
図1において実線矢印F1で示す水流方向で下流側の分離装置3に流れる。目的成分は、難溶性でもよく、水に容易に溶解する成分でもよい。本開示の例では、目的成分はアンモニアを含み、アンモニアは水に容易に溶解する。従って、目的成分であるアンモニアが水に溶解し、アンモニアは、外部から視認不可能な形態で水とともに分離装置3に流れる。
【0026】
分離装置3は、水中に生成した目的成分を水から分離するものである。分離装置3は、筐体31の内部に水相32と気相33とを含む。水相32は、目的成分を含む水であり、反応槽21から流れてきた水により構成される相である。気相33は、水相32の上方に形成され、水相32に隣接する相である。
【0027】
分離装置3は、目的成分を含む水の少なくとも一部を加熱する加熱機構11を備える。本開示の例では、加熱機構11は、反応槽21から分離装置3に流れてきた、目的成分を含む水の全てを加熱する。加熱により水温が上昇し、目的成分の溶解度が低下する。これにより、水相32に存在する目的成分を気相33に移行させて、目的成分を水から分離できる。また、減圧よりも分離装置3の槽構成を簡略化でき、容易に分離できる。なお、分離装置3では、MB又はUFB(双方でもよい)は、MB及びUFBの特性により、加熱機構11による水の加熱によっても水中に留まる。従って、微小気泡9の一部は、分離装置3の下流側に備えられる気泡生成装置1に戻される。
【0028】
図2は、水へのアンモニアの溶解度を示すグラフである。
図3は、水への窒素の溶解度を示すグラフである。
図2及び
図3において、横軸は水温、縦軸は、水1mLあたりへのアンモニア又は窒素の溶解量(単位はmL)である。
図2において縦軸のスケールは0mLから1400mL迄である。
図3において縦軸のスケールは0mLから0.03mLである。
【0029】
図2に示すように、アンモニアは20℃で1mLの水に約700mL溶解する。従って、アンモニアは非常に高い溶解度を示し、水中で生成した直後に水に溶解する。一方で、
図3に示すように、窒素は、20℃で1mLの水に約0.015mL溶解する。従って、窒素は非常に低い溶解度を示し、水中では気泡として存在する。
【0030】
アンモニアの飽和水溶液を20℃から100℃に加熱すると、水中のアンモニアの気相への放出量は、約600mLである。一方で、窒素の飽和水溶液を20℃から100℃に加熱すると、水中の窒素の気相への放出量は、約0.006mLである。従って、約100000倍の放出量の差が存在する。従って、加熱機構11(
図1)が水を加熱すると、分離装置3において水から生成する気体の殆どはアンモニアである。このため、アンモニアを高濃度で得ることができる。特に、上記のように、MB及びUFBは、水の加熱によっても消滅しない。従って、水中に微小気泡9が存在していても、微小気泡9中の原料ガスが気相に移動し難いため、アンモニアを高濃度で得ることができる。
【0031】
このように、加熱機構11は、加熱機構11による加熱温度(加熱時の水温。例えば100℃)における原料ガスの水への溶解度をS1、目的成分の水への溶解度をS2としたときに、S2/S1の値(S2をS1で除した値)が100以上、好ましくは1000以上、より好ましくは10000以上である場合に、備えられることが好ましい。即ち、原料ガスと目的成分との溶解度の差が大きいほど、加熱機構11を備えることが好ましい。このようにすることで、溶存している原料ガス及び目的成分のうち、加熱によって目的成分を優先的に回収できる。
【0032】
このような関係を満たす目的成分としては、例えば、上記アンモニア、アルコール(メタノール、エタノール等)のほか、塩化水素等でもよい。
【0033】
図1に戻って、分離装置3で目的成分を分離した後の水は、残存する微小気泡9とともに、実線矢印F1で示す水流方向で下流側の反応槽21に流れる。
【0034】
気泡生成装置1及び把握機構6は、上記のように制御装置7に接続される。制御装置7は、把握機構6による把握結果に基づいて気泡生成装置1を制御するものである。このようにすることで、反応槽21での微小気泡9の状態に基づいて、気泡生成装置1による微小気泡9の生成を制御できる。
【0035】
制御装置7は、把握機構6により把握された水中での微小気泡9の存在量が所定範囲になるように、気泡生成装置1を制御する。これにより、適切な量の原料ガスを導入でき、反応槽21での反応効率を向上できる。例えば、原料ガスの供給量が過剰であると、光源8からの光が遮られ、触媒2に光が到達し難くなる。この結果、触媒2を用いた目的成分の製造効率が低下する。一方で、原料ガスの供給量が不足しても、目的成分の製造効率が低下する。そこで、把握機構6が、例えば微小気泡9の量、濃度、サイズ等を測定することで微小気泡9の水中での存在量を決定する。そして、この存在量が所定範囲に入るように気泡生成装置1による微小気泡9の生成量が例えばフィードバック制御される。所定範囲は、例えば、実験、試運転、シミュレーション等によって事前に決定できる。
【0036】
制御装置7は、例えばCPU(Central Processing Unit)1001、RAM(Random Access Memory)1002、ROM(Read Only Memory)1003、I/F(Inter Face)1004、バス1005等を備えて構成される。CPU1001、RAM1002、ROM1003及びI/F1004は、例えばバス1005を介して接続される。制御装置7は、ROM1003に格納されている所定の制御プログラム(例えば本開示の製造方法)がRAM1002に展開され、CPU1001によって実行されることにより具現化される。製造装置100における各種機器、外部のネットワーク等との信号及び情報の授受は、ハードウェア的にはI/F1004を通じて行われる。
【0037】
図4は、本開示の製造方法を示すフローチャートである。本開示の製造方法は、例えば窒素等の原料ガスから、例えばアンモニア等の目的成分を製造する方法である。本開示の製造方法は、例えば、上記
図1に示す製造装置100を用いて実行できる。そこで、以下、適宜
図1を参照しながら、
図4が説明される。
【0038】
本開示の製造方法は、気泡生成ステップS1及び触媒ステップS2を含む。
図4には、説明の便宜上、触媒ステップS2の後、制御が終了することが図示されるが、通常は、上記
図1に示すように、微小気泡9の生成(気泡生成ステップS1)と触媒2を用いた生成反応(触媒ステップS2)とが同時に進行する。
【0039】
気泡生成ステップS1は、MB又はUFBのうちの少なくとも一方の気泡を含んで構成される原料ガスの微小気泡9を水中に生成するステップである。微小気泡9の生成は、例えば、気泡生成装置1によって実行できる。触媒ステップS2は、水中で原料ガスから目的成分への生成反応を促進するステップである。触媒ステップS2は、例えば、触媒2と微小気泡9とを反応槽21で接触させることで実行できる。
【0040】
本開示の製造装置100及び製造方法によれば、十分量の原料ガスを水中に配置できる。これにより、目的成分の製造を効率的に実行できる。即ち、上記のように、MB又はUFBは、気液界面が大きく、しかも気泡内部の圧力が高いという性質を有する。このため、水中での原料ガス量を増加できる。また、MB又はUFBは、水中に滞留する性質を有する。このため、触媒2と気体ガスとの直接接触の頻度を上昇できる。これにより、触媒2に原料ガスを容易に供給できる。
【0041】
また、MB又はUFBは、水中を浮上せず滞留する性質から、気泡の浮上を考慮しない柔軟な装置構成を採用できる。これにより、装置構成の柔軟性を向上できる。更に、MB又はUFBは、水中を浮上せず滞留する性質から、これらの濃度、数、大きさ等を測定し、その濃度又は個数を制御できる。これにより、反応に適正な条件にMB又はUFBを随時調整でき、適切な反応条件に制御できる。
【0042】
図5は、別の実施形態に係る製造装置100を示す模式図である。
図5に示す製造装置100は、以下で説明する事項以外は、上記
図1に示した製造装置100での説明と同様である。
【0043】
図5に示す製造装置100では、原料ガスは二酸化炭素を含み、目的成分は炭素数1~3のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノールのうちの少なくとも1種)である。二酸化炭素は、上記窒素よりは水への溶解度が高いものの、水に容易に溶解するとはいえない気体である。
【0044】
製造装置100に備えられる分離装置3は、印加装置20を備える。印加装置20は、気相33から遠ざかる方向に向けて水相32中に電場E1(電界)を印加するものである。上記のように、MB及びUFBは負電荷を有する。このため、気相33から遠ざかる方向に電場E1を印加することで、微小気泡9を実線矢印D1の方向に移動できる。これにより、微小気泡9を気相33から遠ざけて、微小気泡9を気相33に移行し難くできる。このような効果は、例えば二酸化炭素のような、容易に水に溶解するとはいえないまでも、溶解度がある程度高い原料ガスに特に有効である。
【0045】
印加装置20は一対の電極201,201及び電源装置(不図示)を備え、一対の電極201,201間に電源装置が電圧を印加することで、一対の電極201,201間に電場E1が生じる。電極201,201は、水相32及び気相33にそれぞれ配置される。これにより、水相32中に電場E1を発生できる。印加する電圧は、例えば電極201,201間の距離等に応じて決定すればよい。また、印加する電圧は、例えば、生成反応の進行状態に応じて制御してもよい。例えば、印加する電圧は、生成反応があまり進行せず微小気泡9の存在量が相対的に多いときに相対的に高電圧にし、生成反応が特に進行して微小気泡9の存在量が相対的に少ないときに相対的に低電圧にできる。
【0046】
上記のように、MB又はUFBは、水中を浮上せず滞留する。このため、分離装置3において、生成した目的成分と原料ガスの混合を抑制し易くできる。また、上記のように、MB又はUFBは、気泡が負に帯電する。印加装置20を用いた原料ガスの電気泳動により、微小気泡9の移動方向を制御でき、目的成分への原料ガスの混合を抑制できる。これらにより、生成した目的成分と原料ガスとが何れも気体であっても、分離装置3において、これらを容易に分離できる。また、MB及びUFBが負に帯電するため、原料ガスの電気泳動により、触媒2への微小気泡9の供給量を制御できる。
【0047】
また、
図5に示す製造装置100では、触媒2は、例えば基板に固定されることで板状を有し、反応槽21に固定されている。このため、触媒2による生成反応を安定的に実行できる。
【0048】
図6は、別の実施形態に係る製造装置100を示す模式図である。目的成分を生成する反応の効率には、原料ガスの量(濃度)以外に、別の要因が影響する。例えば、光触媒に照射される光の量(光量)、水のpH、水中での目的成分の濃度等である。原料ガス量が同じであっても、例えば光量が異なれば、触媒2による触媒性能が異なる。このため、目的成分の生成量が異なる。また、原料ガス量が同じであっても、例えばpHが異なれば、反応平衡の観点で生成反応の進み易さが異なり、目的成分の生成量が異なる。更に、原料ガス量が同じであっても、例えば水中での目的成分の濃度が異なれば、反応平衡の観点で生成反応の進み易さが異なり、目的成分の生成量が異なる。そこで、
図6に示す製造装置100は、原料ガスの量以外の要因について更に考慮することで、更に高い製造効率を図る。
【0049】
図6に示す製造装置100は、上記
図1に示した製造装置100において、更に、目的成分測定器12、温度測定器13、光量測定器14、pH測定器15、流量調整機構16、冷却装置17及び蒸留装置18を備える。
【0050】
目的成分測定器12は、生成した目的成分の量(例えば濃度)を測定するものである。目的成分測定器12は、反応槽21と分離装置3との間に備えられる目的成分測定器121と、分離装置3と気泡生成装置1との間に備えられる目的成分測定器122とを含む。これらにより、分離効率を把握できる。温度測定器13は、分離装置3での水の温度を測定するものである。温度測定器13は、分離装置3に備えられる。光量測定器14は、触媒2に照射される光量を測定するものである。光量測定器14は、反応槽21の外側に備えられる。pH測定器15は、反応槽21での水のpHを測定するものである。pH測定器15は、反応槽21に備えらえる。流量調整機構16は、製造装置100を循環する水の流量を調整する機構(例えばポンプ)である。流量調整機構16は、分離装置3と気泡生成装置1との間に備えられる。冷却装置17は、分離装置3において加熱されることで昇温した水温を冷却するものである。冷却装置17は、分離装置3と気泡生成装置1との間に備えられる。
【0051】
分離装置3は、原料ガスと目的成分とを分離する蒸留装置18を備える。蒸留装置18を備えることで、沸点の差を利用して、原料ガス(例えば二酸化炭素)と目的成分(アルコール)とを分離でき、アルコールを高濃度化できる。
図6に示す例では、蒸留装置18は加熱機構11を兼ねるため、加熱機構11と蒸留装置18とは同じ部材である。
【0052】
制御装置7は、水のpH、又は、水中での目的成分の濃度のうちの少なくとも一方の指標を測定するセンサによる測定結果に基づいて、分離装置3での水中からの目的成分の分離のし易さを制御する。水のpHを測定するセンサは、例えばpH測定器15である。水中での目的成分の濃度を測定するセンサは、目的成分測定器12である。従って、これらの少なくとも一方の測定に基づいて分離のし易さを制御することで、生成反応を適切に実行できる。
【0053】
具体的には例えば、目的成分が例えばアンモニアの場合、目的成分の量が増えると、水のpHも大きくなる。従って、生成量が増えるほどpHが大きくなる目的成分の場合において、pHが所定の第1pHよりも高い第2pHになったときに、制御装置7は、例えば、流量調整機構16による流量を、第1pH時の第1流量から第2流量に低下させる。これにより、分離装置3を流れる水の流量を低下でき、分離装置3での分離時間を長くできる。このため分離量を増やすことができ、水中の目的成分量を減らせるため、化学平衡を考えたときに正反応を進み易くできる。
【0054】
また、アンモニアの場合とは反対に、目的成分が酸性物質の場合、生成量が増えるにつれてpHが小さくなる。このため、生成量が増えるほどpHが小さくなる目的成分の場合には、pHが所定の第1pHよりも低い第2pHになったときに、制御装置7は、例えば、流量調整機構16による流量を、第1pH時の第1流量から第2流量に低下させる。このようにすることで、化学平衡を考えたときに正反応を進み易くできる。
【0055】
なお、この場合において、流量調整機構16による流量制御に代えて、又は、流量制御とともに、次に説明する温度制御を行ってもよい。また、第1pH、第2pH、第1流量及び第2流量は、例えば、実験、試運転、シミュレーション等によって予め決定できる。
【0056】
また、目的成分の濃度が高くなると、生成反応の化学平衡を考えたときに正反応が進み難くなる。そこで、目的成分の濃度が所定の第1濃度よりも高い第2濃度になったときに、制御装置7は、分離装置3での加熱機構11による加熱温度を、第1濃度時の第1温度から第2温度に昇温する。これにより、分離装置3での分離量を増やすことができ、水中の目的成分量を減らせるため、化学平衡を考えたときに正反応を進み易くできる。
【0057】
なお、この場合において、温度制御に代えて、又は、温度制御とともに、上記した流量調整機構16による流量制御を行ってもよい。また、第1濃度、第2濃度、第1温度及び第2温度は、例えば、実験、試運転、シミュレーション等によって予め決定できる。
【0058】
なお、流量制御又は温度制御の少なくとも一方に代えて、又は、これらの少なくとも一方とともに、原料ガスの導入量を、第1量から第2量に増加させてもよい。増加させることで、化学平衡が右方向(正反応)に進み易くできる。第1量及び第2量は、例えば、実験、試運転、シミュレーション等によって予め決定できる。
【0059】
更に、制御装置7は、光触媒に照射される光の量(例えば光量変化)に基づいて、分離装置3での水中からの目的成分の分離のし易さを制御する。光量が多いほど目的成分の生成量が増える。従って、生成反応の化学平衡の観点から、光量が多いほど目的成分の分離量を増やすことが好ましい。そこで、光量が所定の第1光量よりも多い第2光量になったとき、制御装置7は、例えば、流量調整機構16による流量を、第1光量時の第1流量から第2流量に低下させる。これにより、分離装置3を流れる水の流量を低下でき、分離装置3での分離時間を長くできる。このため分離量を増やすことができ、水中の目的成分量を減らせるため、化学平衡を考えたときに正反応を進み易くできる。第1光量、第2光量、第1流量及び第2流量は、例えば、実験、試運転、シミュレーション等によって予め決定できる。
【0060】
また、加熱機構11は、蒸留装置18を含む。これにより、沸点の差を利用して目的成分を原料ガスから分離でき、目的成分を高濃度化できる。
【0061】
図7は、別の実施形態に係る製造装置100を示す模式図である。上記のように、MB及びUFBは、水中で浮上せずに水中に滞留する。このため、微小気泡9の気泡への移行抑制のための制限が無く、複雑な装置構成が可能である。そこで、
図7に示す製造装置100では、光電極を用いて光触媒反応に利用しない余剰太陽光が有効活用される。これにより、エネルギロスを抑制できる。余剰太陽光は、分離装置3での加熱機構11の熱源に使用される。そして、反応槽21では、電場の印加により微小気泡9を電気泳動し、目的成分の生成反応が制御される。
【0062】
図7に示す製造装置100は、一対の電極50,51と、一対の電極50,51に接続される太陽電池22とを備える。太陽電池22は、電極50,51の間に挟まれるように、例えば導電線によって電気的に電極50,51に接続される。一対の電極50,51のうち、一方の電極50は、光の照射により生成反応を促進する光触媒を触媒2として含む光電極である。従って、電極50は、光によって酸化反応が進行する光電極である。このような光触媒は、これらに限定されないが、例えば金属酸化物、金属窒化物等の金属化合物である。一対の電極50,51のうちの他方の電極51の表面において生成反応が進行する。このようにすることで、光触媒を用いた生成反応を特に促進できる。
【0063】
上記
図1~
図6に示す実施形態では、光触媒の表面で酸化反応及び還元反応の両方が進行するが、
図7に示す実施形態では、酸化反応と還元反応とが別々の場所で行われる。具体的には、電極50において酸化反応が行われる。電極50は、例えば、光触媒を例えば透明電極の表面に層状に配置して構成される。電極50は、反応槽21の外部に設置される。これにより、例えば空気中の水分から酸素が生成する。一方、電極51において還元反応が行われる。電極51は、反応槽21の内部に備えられる例えば金属板である。電極51における例えば窒素の還元反応により、アンモニアが生成する。
【0064】
また、一方の電極50は光透過性を有して構成される。太陽電池22は、一方の電極50を透過した光が太陽電池22に供給されるように配置される。このようにすることで、電極50において酸化反応で使用されなかった太陽光を透過させ、太陽電池22に至らせることができる。これにより、太陽光を無駄なく利用できる。太陽電池22で生じた電力は、光電極の駆動に使用される。
【0065】
また、太陽電池22は光透過性を有して構成される。光によって発熱する発熱体24は、太陽電池22を透過した光が発熱体24に供給されるように配置される。このようにすることで、太陽電池22で発電で使用されなかった太陽光を透過させ、発熱体24に至らせることができる。これにより、太陽光を無駄なく利用できる。発熱体24は例えば、黒鉛等の黒色発熱体である。これらのように、電極50と、太陽電池22と、発熱体24とは、光の照射方向にそれぞれ少なくとも一部が重なるように配置される。これにより、光は、電極50、太陽電池22及び発熱体24の順に到達できる。
【0066】
発熱体24は加熱機構11として機能する。このため、発熱体24を備えることで、加熱機構11で使用される電力を削減できる。更に、分離装置3は、更に蒸留装置18を備える。これにより、沸点の差を利用して目的成分を原料ガスから分離でき、目的成分を高濃度化できる。
図7に示す例では、加熱機構11と蒸留装置18とは別部材として備えられる。
【0067】
加熱機構11である発熱体24が、発熱体24の周辺の水を加熱(予熱)する。これにより、溶解度が低下し、水に溶解していたアンモニアが気泡状に変化し、気相33に至る。このとき、溶存していた僅かな窒素も気泡状に変化し、気相33に至る。気相33は蒸留装置18に供給され、蒸留装置18では、アンモニアが窒素から分離される。これにより、アンモニアが高濃度化する。
【0068】
反応槽21では、印加装置20によって、微小気泡9は、水流とは反対方向に向かおうとする。即ち、印加装置20は、微小気泡9を水流に逆らって反応槽21に留めることができる程度の電場E2を印加する。これにより、微小気泡9は水流に寄らず反応槽21にとどまり、反応槽21での微小気泡9の滞留時間を制御できる。
【符号の説明】
【0069】
1 気泡生成装置
10 目的成分
100 製造装置
101 管
11 加熱機構
12 目的成分測定器
121 目的成分測定器
122 目的成分測定器
13 温度測定器
14 光量測定器
15 pH測定器
16 流量調整機構
18 蒸留装置
2 触媒
20 印加装置
21 反応槽
22 太陽電池
24 発熱体
3 分離装置
31 筐体
32 水相
33 気相
41 微細化機構
42 微細化槽
5 導入装置
50 電極
51 電極
6 把握機構
7 制御装置
8 光源
9 微小気泡
S1 気泡生成ステップ
S2 触媒ステップ