(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167769
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20241127BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B65D81/34 B
B65D77/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084075
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(72)【発明者】
【氏名】林 裕義
【テーマコード(参考)】
3E013
3E067
【Fターム(参考)】
3E013BB06
3E013BB09
3E013BC01
3E013BC04
3E013BC13
3E013BD01
3E013BD15
3E013BE02
3E013BH44
3E013BH45
3E013BJ06
3E067AB01
3E067BA07A
3E067BB25A
3E067EA06
3E067EA11
3E067FA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】氷等の固形物や飲料を容器に追加することができ、飲料と固形物の追加を行った後に固形物の誤飲を抑制する蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせを提供する。
【解決手段】蓋体が、縁部を有する容器に接合可能に形成され、前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に接合領域対応部と小開口部とを有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能で、下記の条件を満たす部分として定められるマージン部を有する。1:前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の開口縁から外側に形成された部分。2:前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に形成された開口部と前記開口部を囲む縁部とを有する容器に対して前記開口部を覆うように前記縁部に取り付けられた接合領域を形成した状態で用いられ、
前記接合領域に対応する接合領域対応部と、前記開口部よりも小さな開口面積に形成されており、開口縁を有する小開口部とを有するベース部と、
前記小開口部を開閉可能に形成され、外周縁を有する小蓋部と、
前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部と、
前記外周縁と前記開口縁とを繋げる接続構造とを備え、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記脆弱部は、前記接合領域対応部の外縁から所定距離だけ中央に向かった位置に形成されている、
蓋体。
【請求項2】
前記脆弱部は、前記接合領域対応部の内縁から所定距離だけ外縁が形成されている方向に向かった位置に形成されている、請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有する、
蓋体。
【請求項4】
前記庇部は、下記の条件1及び条件2を満たす部分として定められるマージン部である、
請求項1又は3に記載の蓋体。
条件1: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の前記開口縁から外側に形成された部分である。
条件2: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
【請求項5】
前記ベース部の平面視上、前記マージン部の面積は、前記小開口部の面積よりも小さい、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
前記マージン部は、該マージン部の内縁と前記マージン部の外縁とが非同心状となるように形成されている、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項7】
前記マージン部は、前記マージン部の外縁から前記マージン部の内縁に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
請求項4に記載の蓋体。
【請求項8】
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項9】
前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
請求項8に記載の蓋体。
【請求項10】
前記小蓋部が前記小開口部を閉鎖した場合に、前記タブ部材の一部が、前記ベース部の平面視上、前記小開口部の前記開口縁に交差する、
請求項9に記載の蓋体。
【請求項11】
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記ベース部には、前記爪部に接触する位置に受け部が設けられており、
前記爪部と前記受け部が前記保持構造形成部を形成する、
請求項8に記載の蓋体。
【請求項12】
前記ベース部の外周縁に延出部を形成している、
請求項3に記載の蓋体。
【請求項13】
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられており、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記延出部と前記爪部が前記保持構造形成部を形成する、
請求項12に記載の蓋体。
【請求項14】
前記延出部と前記小蓋部の先端との間に前記ヒンジ部が形成されている、
請求項12又は13に記載の蓋体。
【請求項15】
前記接合領域対応部の内側の部分に陥没部が形成されている、
請求項1又は3に記載の蓋体。
【請求項16】
前記小蓋部の外周縁に張出部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記張出部に対応する凹形状部が形成されている、
請求項1又は3に記載の蓋体。
【請求項17】
前記小蓋部の外周縁に没入部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記没入部に対応する凸形状部が形成されている、
請求項1又は3に記載の蓋体。
【請求項18】
前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁とを繋げる接続構造が形成されており、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記小蓋部が前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、前記脆弱部が破壊される、
請求項1又は3に記載の蓋体。
【請求項19】
前記脆弱部は、連結部と切れ目の組み合わせ構造、及び/又は、ハーフカット構造を有する、
請求項18に記載の蓋体。
【請求項20】
紙系素材で形成されている、
請求項1又は3に記載の蓋体。
【請求項21】
請求項1又は3に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
【請求項22】
請求項1又は3に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
上端に開口部を形成した容器に飲食料品等(以下においては「内容物」とも言う。)を収容して蓋体を取り付けることで容器内を閉じた状態で提供することが広く行われている。
【0003】
小売店舗(例えばコンビニエンスストア等)や飲食店(例えばファストフード等)等の店舗において店員から顧客に対して内容物を提供する形態として、個々の店舗において容器に内容物を収容して蓋体を取り付ける工程を実施する提供形態が出現している。例えば、提供形態として、コーヒーや炭酸飲料等の飲料を内容物とした場合に、飲料の摂取者が自ら容器に飲料を注ぎ入れて蓋体を取り付ける工程を実施する形態がある。また、摂取者の注文に応じて店員が飲料を注ぎ入れて蓋体を取り付ける工程を実施する形態がある。
【0004】
容器に蓋体を取り付ける方法としては、熱プレス等の方法を用いて蓋体を容器の上端の開口部の外周を形成する縁部に接合する方法が知られている。飲料が内容物となる場合、蓋体には、例えば、飲み口となる小開口部が形成されており、未使用時には小開口部が蓋部で覆われている。このような蓋体を取り付けた蓋体付き容器では、摂取者が容器内の飲料を飲み口から飲んだ後、その容器に飲料を追加する(注ぎ足す)場合に、飲み口に正確に飲料を注ぎ入れることが困難である。特に、容器に飲料の他に氷等の固形物と追加する場合に、氷を正確に容器に収容することが困難である。これについては、特許文献1に示すように、容器の縁部から蓋体を剥がし取る(取り除く)構造が考えられる。
また、蓋体付き容器として、特許文献2に示すような口部の縁部に蓋体を融着させた容器が知られている。このような容器は、コーヒーなどの飲料、みそ汁及び各種の総菜などの内容物を収容する等の様々な用途で使用されている。このような蓋体付き容器において使用される蓋体としては、プラスチックを用いたフィルム材が広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-84128号公報
【特許文献2】特開2015-101357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載の技術のように、容器の縁部から蓋体を取り除くと、容器に氷等の固形物と飲料が収容された状態で、容器の上端の縁部に口をつけて容器の縁部から飲料を摂取する可能性があり、氷等の固形物を誤飲する虞がある。このような虞は、特に幼児等の子供が飲料を容器の縁部から摂取する場合には特に重大な問題となりうる。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、氷等の固形物や飲料を容器に追加することができるとともに、飲料と固形物の追加を行った後に飲料を摂取する場合において固形物の誤飲を抑制することが可能な蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の(1)から(20)にかかる発明を要旨としている。
【0009】
(1)上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有する、
蓋体。
(2)前記庇部は、下記の条件1及び条件2を満たす部分として定められるマージン部である、
上記(1)に記載の蓋体。
条件1: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の前記開口縁から外側に形成された部分である。
条件2: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
(3)前記ベース部の平面視上、前記マージン部の面積は、前記小開口部の面積よりも小さい、
上記(2)に記載の蓋体。
(4)前記マージン部は、該マージン部の内縁と前記マージン部の外縁とが非同心状となるように形成されている、
上記(2)に記載の蓋体。
(5)前記マージン部は、前記マージン部の外縁から前記マージン部の内縁に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
上記(2)に記載の蓋体。
(6)前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記(1)に記載の蓋体。
(7)前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
上記(6)に記載の蓋体。
(8)前記小蓋部が前記小開口部を閉鎖した場合に、前記タブ部材の一部が、前記ベース部の平面視上、前記小開口部の前記開口縁に交差する、
上記(7)に記載の蓋体。
(9)前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記ベース部には、前記爪部に接触する位置に受け部が設けられており、
前記爪部と前記受け部が前記保持構造形成部を形成する、
上記(6)に記載の蓋体。
(10)前記ベース部の外周縁に延出部を形成している、
上記(1)に記載の蓋体。
(11)前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられており、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記延出部と前記爪部が前記保持構造形成部を形成する、
上記(10)に記載の蓋体。
(12)前記延出部と前記小蓋部の先端との間に前記ヒンジ部が形成されている、
上記(10)又は(11)に記載の蓋体。
(13)前記接合領域対応部の内側の部分に陥没部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(14)前記小蓋部の外周縁に張出部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記張出部に対応する凹形状部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(15)前記小蓋部の外周縁に没入部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記没入部に対応する凸形状部が形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(16)前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁とを繋げる接続構造が形成されており、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記小蓋部が前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、前記脆弱部が破壊される、
上記(1)に記載の蓋体。
(17)前記脆弱部は、連結部と切れ目の組み合わせ構造、及び/又は、ハーフカット構造を有する、
上記(16)に記載の蓋体。
(18)紙系素材で形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(19)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
(20)上記(1)に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、氷等の固形物や飲料を容器に追加することができるとともに、飲料と固形物の追加を行った後に飲料を摂取する場合において固形物の誤飲を抑制することが可能であり、且つ再閉蓋状態の安定性に優れた蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図1Bは、
図1AのA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図3】
図3Aは、蓋体付き容器の一実施例を示す斜視図である。
図3Bは、
図3AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の変型例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図6】
図6は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図8】
図8Aは、
図7のC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図8Bは、蓋体に保持構造が形成された場合の一実施例を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図9Bは、第1の実施形態の変型例6にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の変型例3にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態の変型例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図15】
図15Aは、第1の実施形態の変型例4にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図15Bは、
図15AのD-D線縦断面の状態を模式的に説明するための断面図である。
【
図17】
図17は、
図1の一点鎖線で囲まれた領域XSの部分を拡大した状態を模式的に示す平面図である。
【
図18】
図18は、第1の実施形態にかかる蓋体において小蓋部の外周縁と小開口部の開口縁の境界の例を模式的に示す平面図である。
【
図20】
図20(a)は、第4の実施形態の一実施例を説明するための平面図である。
図20(b)は、
図20(a)のA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図21】
図21(a)は、第4の実施形態の一実施例を説明するための平面図である。
図21(b)は、
図21(a)のB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図22】
図22(a)、
図22(b)は、第4の実施形態の変形例の一実施例を説明するための平面図である。
【
図23】
図23(a)、
図23(b)は、第4の実施形態の変形例の一実施例を説明するための平面図である。
【
図24】
図24(a)、
図24(b)は、第4の実施形態の変形例の一実施例を説明するための平面図である。
【
図25】
図25は、第4の実施形態の変形例の一実施例を説明するための平面図である。
【
図26】
図26(a)、
図26(b)は、第4の実施形態の一実施例における変位容易化構造を説明するための平面図である。
図26(c)は、
図26(b)のC-C線縦断面を模式的に示す断面図である。
【
図27】
図27は、第4の実施形態の変形例の一実施例を説明するための平面図である。
【
図28】
図28は、第4の実施形態の一実施例を説明するための部分拡大断面図である。
【
図29】
図29は、第4の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付けた蓋体付き容器の一例を示す斜視図である。
【
図31】
図31は、第4の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付けた蓋体付き容器の一例を示す斜視図である。
【
図32】
図32は、第4の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付けた蓋体付き容器の一例を示す断面図である。
【
図33】
図33(a)は、第5の実施形態の一実施例を説明するための平面図である。
図33(b)は、
図33(a)のE-E線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図34】
図34(a)は、
図33(a)のF-F線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図34(b)は、
図33(a)のG-G線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図34(c)は、
図33(a)のH-H線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図35】
図35は、第5の実施形態の一実施例を説明するための平面図である。
【
図36】
図36は、第5の実施形態の一実施例を説明するための平面図である。
【
図37】
図37は、第5の実施形態の一実施例を説明するための断面図である。
【
図38】
図38は、第5の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付けた蓋体付き容器の一例を示す斜視図である。
【
図39】
図39は、第5の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付けた蓋体付き容器の一例を示す断面図である。
【
図40】
図40は、第5の実施形態の一実施例を説明するための部分拡大断面である。
【
図41】
図41(a)は、第6の実施形態の一実施例を説明するための平面図である。
図41(b)は、
図41(a)のI-I線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図42】
図42は、第6の実施形態の変形例にかかる蓋体を容器に取り付けた蓋体付き容器の一例を示す斜視図である。
【
図43】
図43Aは、第7の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図43Bは、
図43AのA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図44】
図44は、第7の実施形態の蓋体を容器に取り付けた状態の一実施例を説明するための断面図である。
【
図45】
図45は、第7の実施形態の蓋体を容器に取り付けた状態の一実施例を説明するための平面図である。
【
図46】
図46Aは、第8の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図46Bは、
図46AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図47】
図47は、第8の実施形態の蓋体を容器に取り付けた状態の一実施例を説明するための断面図である。
【
図48】
図48は、第8の実施形態の蓋体を容器に取り付けた状態の一実施例を説明するための平面図である。
【
図49】
図49Aは、第7の実施形態の変形例1にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図49Bは、
図49AのC-C線縦断面の状態を模式的に示す図である。
【
図51】
図51Aは、第7の実施形態の変形例5にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図51Bは、第7の実施形態の変形例4にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
【
図53】
図53Aは、第8の実施形態の変形例1にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図53Bは、
図53AのD-D線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図54】
図54Aは、第8の実施形態の変形例2にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図54Bは、
図54AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図55】
図55Aは、第9の実施形態に係る蓋体の一実施例を説明するための平面図である。
図55Bは、
図55AのF-F線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【
図56】
図56は、第10の実施形態の蓋体付き容器の一実施例を表す平面図である。
【
図57】
図57は、
図56のA-A線縦断面の状態を示し、蓋体付き容器の断面を模式的に示す断面図である。
【
図59】
図59は、第11の実施形態の蓋体付き容器の一実施例を表す平面図である。
【
図60】
図60は、第12の実施形態の蓋体付き容器の一実施例を表す平面図である。
【
図61】
図61は、第13の実施形態の蓋体付き容器の一実施例を表す平面図である。
【
図62】
図69は、第14の実施形態に係る蓋体の一実施例を表す平面図である。
【
図63】
図70は、第14の実施形態の蓋体を容器に取り付けた状態を説明するための断面図である。
【
図64】
図64は、第7の実施形態から第9の実施形態に係る蓋体の一実施例を示す模式図である。
【
図65】
図65は、第7の実施形態から第9の実施形態に係る蓋体の一実施例を示す模式図である。
【
図66】
図66は、第1の実施形態に係る蓋体の一実施例を示す模式図である。
【
図67】
図67は、第7の実施形態から第9の実施形態に係る蓋体の一実施例を示す模式図である。
【
図68】
図68は、第1の実施形態に係る蓋体の一実施例を示す模式図である。
【
図69】
図69は、第1の実施形態に係る蓋体の一実施例を示す模式図である。
【
図70】
図70は、第1の実施形態に係る蓋体の一実施例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る蓋体について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明に係る蓋体は、コーヒーカップのような各種の飲料物を入れる容器(カップ)に対して用いられる蓋体を例として挙げて説明するが、飲料物を入れる容器の蓋体に限定されるものではなく、例えば総菜など飲料物以外の食料品を収容する容器の蓋体としても適用することが可能である。また、本発明に係る蓋体は、飲食物以外の各種物品、例えばボルトやナット等といった部品や、上記した以外の物品を収容することのできる容器にも適用することができる。さらに6、本発明に係る蓋体は、平面視したときの形状が円形状であるものの例を用いて以下においては説明するが、蓋体の形状は平面視したときに円形状であるものに限定されることはなく、楕円形状、矩形状、三角形状などの多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等、円形状以外の各種の形状にも適用することができる。
【0013】
以下、本発明に関係した実施形態及び適用例について、順次、図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、以下において説明する各実施の形態及び変形例、適用例については、それぞれを適宜組み合わせて適用してもよい。
【0014】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。
図1から
図70の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(後側が+X方向、前側が-X方向)であるものとし、Z軸方向を法線とする平面上に定められた互いに直交するX軸及びY軸に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、さらにX軸とY軸で貼られた平面であるXY平面が水平面であるものとし、これらに基づき説明を行う。
図1から
図70の各図に示す大きさ等の相対的な大小比率は便宜上の記載であり、特に限定しない限り、実際の大小比率を限定するものではない。
【0015】
[1 第1の実施形態]
[1-1 構成]
第1の実施形態にかかる蓋体1は、
図3A、
図3B等を用いて後述するように、上端に形成された開口部102と開口部102の外周を形成する上端縁部となる縁部103とを有する容器に接合可能に形成されている。
図3A、
図3Bは、
図1A、
図1B及び
図2に示す蓋体1を容器101に接合した蓋体付き容器150の例を示す斜視図、断面図である。蓋体1は、縁部103に沿って接合されて用いることができるものである。蓋体1において、蓋体1の平面視上、縁部103に接合される領域を接合領域Rと呼ぶ。
図1Aは、蓋体1の一実施例を示す平面図である。
図1Bは、
図1AのA-A線縦断面を模式的に示す断面図である。
図2は、後述するマージン部10の領域及び小開口部6の領域の例を示す図である。なお、容器101としては、開口部102の縁部103に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器101が、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。
【0016】
接合領域Rは、
図1A、
図1Bの例では、容器101の開口部102に応じた形状で開口部102に沿っておおむね環状に形成される領域に対応している。蓋体1と容器101との接合領域Rが、連続的に接合されていない場合には、隣り合う接合領域Rで挟まれた部分且つ縁部103に向かい合う部分についても接合領域対応部5に含まれるものとする。
【0017】
(蓋体の材質)
蓋体1の材質は、特に限定されないが、紙系素材であることが好ましい。紙系素材としては、繊維原料のスラリーを網上に抄き取り、乾燥ないし押圧乾燥、抄紙してシート状にして得られる、いわゆる紙や、パルプ系繊維等からなる原料シートを粉砕機で粉砕して得られる粉砕パルプ等の開繊繊維原料を空気流によって積繊し、積繊体の繊維相互をバインダーで固定して得られるいわゆるエアレイドシート等、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される所謂紙類の他、化学繊維紙、合成紙、耐水紙、コート紙、代替紙、羊皮紙、羊毛紙、ガラス繊維紙、ストーンペーパー、陶紙等や、これらを複数枚積層したもの等が挙げられる。また、紙系素材としては、パルプだけからなるもののほか、非パルプ系の天然繊維や合成繊維、再生繊維等の繊維を含むものであっても良いが、パルプを50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、更に80質量%以上含むものが好ましいが、特にパルプ100質量%からなるものが好ましい。紙系素材は、合成樹脂や天然樹脂のフィルムや不織布、木箔等の木質系素材等、さらにはアルミ箔等の素材との複合材料も用いることができるが、複合材料とする場合、複合材料全体としてパルプを50質量%以上含有することが好ましく、特に80質量%以上のパルプを含むものが好ましい。パルプ含有分の高いほど、紙系素材が生分解されやすくなるため好ましい。
【0018】
なお、蓋体1は、全体を上記した紙系素材で形成されていることが好適である。ただし、このことは一部もしくは全部が紙系素材とは異なる材質で形成されていることを禁止するものではない。例えば、蓋体1は、後述のベース部2A1のみを紙系素材と樹脂製のフィルム材の積層体などで形成されてよい。この場合、蓋体1のうちフィルム材の配置された面を容器101側に向けた状態で押圧法、ヒートシール法や超音波溶着法などのシール方法を適宜用いることで、蓋体1を容器101に接合することが容易となる。これらの点を考慮し、蓋体1は、紙系素材を含む積層体でも好ましく用いられる。なお、小蓋部3についても紙系素材を含む積層体を用いられてよい。
【0019】
蓋体1は、
図1A、
図1B等に示すように、ベース部2A1と小蓋部3とヒンジ部7を有する。
【0020】
(ベース部)
ベース部2A1は、接合領域対応部5を有し且つ小開口部6を形成する部分として定められる。ベース部2A1は、後述する小蓋部3の変位の基準を定める部分とすることができる。なお、
図1Aの例では、蓋体1の平面視上、ベース部2A1と小蓋部3が蓋体1の露出面70を形成している。
【0021】
(接合領域対応部)
接合領域対応部5は、接合領域R(容器101の縁部103に向かい合う領域且つ容器101に接合される領域)に対応した蓋体1の部分である。接合領域対応部5は、蓋体付き容器150においては、蓋体1のうち蓋体1と容器101との接合部151を形成する部分である。具体的には、蓋体1の平面視上(
図1Aの例ではZ軸方向(上下方向)を視線方向とした場合)、ベース部2A1のうち接合領域Rを形成する部分が接合領域対応部5として定められる。接合領域対応部5は、通常、
図1Aに示すように環状に形成されている。特に、
図3A、
図3Bに示すように、容器101の縁部103がおおむね円環状に形成されている場合には、接合領域Rが円環状となり、接合領域対応部5についても蓋体1の平面視上、おおむね円環状となる。接合領域対応部5の外縁は、接合領域Rの外縁の位置に応じて定められる。接合領域対応部5の外縁は、ベース部2A1の外周縁2Aに位置していてもよいし、
図1Aの例に示すようにベース部2A1の外周縁2Aよりも内側に位置してもよい。
【0022】
(小開口部)
小開口部6は、容器101に対する蓋体1の対向面73Aと容器101に対する蓋体1の非対向面(蓋体1の露出面70)を貫通形成するように形成される。小開口部6は、蓋体1の平面視上、接合領域対応部5に対応する部分の内側に容器101の開口部102よりも開口面積の小さな状態となるように形成されている。小開口部6は、蓋体1を容器101に接合させた状態において、容器101の空間部105にある内容物(例えば飲料物や食物など)の出入口を開口形成するためのものである。小開口部6は、後述する小蓋部3との組み合わせで開口形成部4を形成している。
【0023】
(開口形成部)
図1A等に示すように、開口形成部4は、小開口部6及び小蓋部3を有している部分として定められる。開口形成部4では、小蓋部3の変位に伴い小開口部6が開閉する。開口形成部4は、
図1Aに示すように小蓋部3が小開口部6を閉じている状態と、小蓋部3が変位して小開口部6が開口している状態となるように形成されている。ベース部2A1を基準とした小蓋部3を引き上げるように小蓋部3を回動させた場合に、小開口部6が露出し、露出口となる。すなわち開口形成部4は、容器101に蓋体1を取り付けた状態で小蓋部3を引き上げると、小開口部6から容器101の空間部105を視認できるように小開口部6と小蓋部3を組み合わせている。
【0024】
なお、小開口部6が露出口となった状態においては、後述するように追加の飲料等の液体や氷等の固形物の供給口とされることができる。また、容器101の内部(空間部105)に飲料等の液体が存在している場合においては、小開口部6は、飲料等の飲み口や注出口として使用されてもよい。
【0025】
(小蓋部)
蓋体1には、小蓋部3が設けられている。小蓋部3は、小開口部6を開閉可能に被覆可能に形成される。
図1Aの例では、小蓋部3は、
図3Bにも示すように、ベース部2A1に対して引き上げた状態に変位できるように形成されており、小蓋部3を引き上げる際に小開口部6が形成される(開かれる)。
図1Aに示す例では、小蓋部3で小開口部6を閉じた状態で、小蓋部3の外周輪郭形状が小開口部6の開口縁6Gの形状に沿うように小蓋部3の形状を定めることができる。この場合、小蓋部3で小開口部6を閉じた状態で、小蓋部3の外周縁3Aの端面を小開口部6の開口縁6Gの端面に接触させることが容易となる。
【0026】
図1Aの例に示す蓋体1においては、小蓋部3は、蓋体1の平面視上、接合領域対応部5よりも内側(中心CT側)に設けられている。小蓋部3が持ち上げられた状態となるように小蓋部3が変位(回動)する。小蓋部3はヒンジ部7でベース部2A1に繋がっている。ヒンジ部7を支軸として小蓋部3が持ち上げられるにつれ、小開口部6が露出する。
【0027】
小蓋部3の形状や構造は、後述するマージン部10を形成するような形状や構造となっていれば、特に限定されない。
図1Aの例の場合、小蓋部3の外周縁3Aのうち前端縁部75Aの形状が、接合領域Rの内側に位置しており、前端縁部75Aから基端部74Aに向かって小蓋部3の幅Wが広がるように形成されている。小蓋部の幅Wは、次のように特定される。すなわち、小蓋部の外周縁の所定位置SB1として、位置SB1を通りヒンジ部7の延びる方向に沿った直線DLを想定した場合に、直線DLと小蓋部の外周縁の交差位置(ただし位置SB1とは異なる位置)(対応位置SB2)が定められる。そして、位置SB1と位置SB2の距離が定められ、この距離が幅Wとして規定される。
【0028】
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図1等に示すように小蓋部3に蓋体1の中心CTが位置している場合に限定されず、
図9Aに示すように小蓋部3が蓋体1の中心CTを含まないように構成されてもよい。
【0029】
蓋体1においては、小蓋部3が立ち上げられた状態では、上記したように、小開口部6が露出した状態となる。この状態を開蓋状態と呼ぶ。小蓋部3で小開口部6が覆われた状態を閉蓋状態と呼ぶ。
【0030】
蓋体1においては、開蓋状態となった後(小蓋部3が立ち上げられることで小開口部6が露出した後)でも、再度、閉蓋状態とされることが可能であり、閉蓋状態とされた場合に小蓋部3の外周縁3Aの端面(外周端面)にベース部2A1の小開口部6の開口縁6Gの端面が向かい合うことができる。
【0031】
(ヒンジ部)
上述したように、蓋体1は、ヒンジ部7を有する。ヒンジ部7は、小蓋部3の外周縁3Aに沿った2つの基端部74Aを結ぶ線分に対応した部分でおおむね構成されており、ベース部2A1と小蓋部3との境界部分に対応する。ヒンジ部7は、小蓋部3が回動する際の回動軸となる部分である。ただし、小蓋部3が回動する場合には、ヒンジ部7の位置で小蓋部3が一定の角度でベース部2A1から立ち上がる場合のみならず、
図3B等に示すようにヒンジ部7から小蓋部3の前端縁部75Aにむかって小蓋部3が徐々に湾曲しながら立ち上がる場合が含まれるものとする。
【0032】
ベース部2A1は、少なくともヒンジ部7で小蓋部3に繋がっている。ヒンジ部7は、ベース部2A1と小蓋部3との境界として定められた部分であれば特に構造を限定されない。ヒンジ部7は、後述する接続構造17と同様に、ミシン目構造やハーフカット部であってもよい。
【0033】
(ベース部と小蓋部との接続構造)
蓋体1においては、ベース部2A1の小開口部6の開口縁6Gと小蓋部3の外周縁3Aで接続された構造(接続構造17)が形成されてもよい。接続構造17は、小蓋部3より脆弱な部分である脆弱化部として構成されていることが好適である。接続構造17が脆弱化部であることで、小蓋部3がヒンジ部7を軸として前記ベース部2A1に対して回動する場合に、脆弱化部が破壊されることができる。すなわち、小蓋部3は、ベース部2A1に対しておおむね接続構造17に沿って分離されながら、ベース部2A1に対して立ち上げられる。
【0034】
図1の例では、接続構造17の構造は、
図17に示すように、連続部18Aと切断部18Bの組み合わせ構造となっている。
図17は、
図1の一点鎖線で囲まれた領域XSの拡大平円図であり、接続構造17の一実施例を模式的に示す図である。組み合わせ構造は、例えば、小開口部6の開口縁6Gの端面と小蓋部3の外周縁3Aの端面とが向き合う部分長手方向に沿って連続部18Aと切断部18Bの組み合わせ構造が交互に並ぶ構造(いわゆるミシン目構造)である。また、接続構造17は、ミシン目構造に限定されず、例えば、
図18に示すようにハーフカット部16であってもよい。ハーフカット部16とは、
図18に示すように、蓋体1の厚み方向に途中まで切り込まれた部分として特定される。ハーフカット部16とは、蓋体1の厚み方向に蓋体1の厚みの半分まで切れ込まれた部分に限定されない。ハーフカット部16は、蓋体1を貫通させることを避けつつ蓋体1の厚みの半分以上切れ込まれた構造や、蓋体1の厚みの半分に満たない程度に蓋体1の厚み方向に切れ込まれた構造を含む。このハーフカット部16の構造は、蓋体1の厚み方向に切り込まれた切込み深さが接続構造17の全体に亘って一定の深さとなるように形成されていてもよいし、切込み深さの深い箇所と浅い箇所とが交互に繰り返されるように形成されていても良い。また、切込み深さがある一方の箇所から他方の箇所に向けてだんだんと深さが変化するように形成されていてもよい。ハーフカット部16の切込み深さをこのように変化させて形成することによって、小蓋部3の開けやすさと小蓋部3を開封する前の状態での接続構造17における接続強度を強く維持することが可能になる。なお、この接続構造17は、ミシン目構造とハーフカット構造とを組み合わせて形成してもよい。ここでのミシン目構造とハーフカット構造との組み合わせとは、ミシン目構造のように切り込まれた箇所と切り込まれていない箇所とが交互に繰り返して形成されており、かつ切り込まれた箇所の切込みが蓋体1の厚み方向に貫通せずに蓋体1に対して所定深さだけ切り込まれるように形成されている態様である。なお、このときの切り込まれた箇所の切込み深さは、それぞれ同じにしてもよいし、場所に応じて変化させてもよい。また一つの切込みにおける切込み深さを変えるように形成してもよい。
【0035】
なお、接続構造17が連続部18Aと切断部18Bを有する場合においては、連続部18Aがハーフカット部16に対応する構造を有してもよい。
【0036】
(庇部)
蓋体1は、庇部を有する。庇部は、ベース部2A1の一部として形成される。庇部は、ベース部2A1の平面視上、ベース部2A1のうち接合領域対応部5の内縁から内側且つ小開口部6の開口縁6Gから外側に形成された部分として構成される。蓋体1に庇部が形成されていることで、小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、小開口部6を飲み口として飲料等を摂取する際に固形物が庇部にぶつかり、固形物の誤飲が抑制される。蓋体1における庇部として、
図1等の例ではマージン部10が形成されている。以下の説明では、庇部がマージン部10である場合を例として説明を続ける。
【0037】
(マージン部)
蓋体1は、
図1A、
図1B、
図2等に示すように、マージン部10を有している。マージン部10は、下記条件1及び条件2を満たす部分として定められる。
【0038】
条件1 ベース部2A1の平面視上、マージン部10は、ベース部2A1のうち接合領域対応部5の内縁から内側に形成された部分である。
【0039】
条件2 ベース部2A1の平面視上、マージン部10とヒンジ部7とを結ぶ線分を想定した場合に、線分が小開口部6の開口縁6Gを通過する。
【0040】
ベース部2A1の平面視上とは、
図1A、
図1BにおいてはZ軸方向に沿って+Z側から-Z側に向かう方向を視線方向としてベース部2A1を見た場合を示すものとする。
【0041】
条件1に関しては、マージン部10は、ベース部2A1に形成される部分であるため、小蓋部3から外れた部分となる。また、条件2については、例えば、
図1Aに示すように、マージン部10の位置P1とヒンジ部7の位置P2とを結ぶ線分Mを想定した場合に、線分Mが小開口部6の開口縁6Gを通過する。マージン部10は、ヒンジ部7の位置から見た場合に、開口縁6Gの位置から外側の部分となる。したがって、
図2の例では、マージン部10は、接合領域対応部5、小蓋部3とは異なる部分として、
図2のハッチングを附した部分S1として特定される。なお、ハッチングを附した部分S2は、小開口部6に対応する部分である。
図1の例では、部分S2は、小蓋部3にも対応している。
図2は、
図1の蓋体1についてマージン部10となる部分を示すための平面図である。
【0042】
(マージン部の面積と小開口部の面積)
マージン部10の大きさは、特に限定されるものではないが、ベース部2A1の平面視上、マージン部10の面積が、小開口部6の面積よりも小さいことが好適である。すなわち、
図2の例では、マージン部10に対応する部分S1の面積が、小開口部6に対応する部分S2の面積よりも小さい。この場合、小開口部6の大きさがマージン部10の大きさよりも大きくなっているため、蓋体付き容器150が、小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、容器101の空間部105に、飲料等の液体や氷等の個体を追加することが容易となる。なお、マージン部10の面積、及び小開口部6の面積を特定する基準については、マージン部10の面積及び小開口部6の面積のいずれについても、蓋体1の平面視上(
図2において+Z方向から-Z方向に向かう方向を視線方向とした場合)における面積を示すものとする。ここに示す面積を特定する基準は、後述する第1の部分の面積についても同様である。
【0043】
(マージン部の面積と第1の部分の面積)
マージン部10の面積は、接合領域対応部5の第1の部分5Eの面積よりも大きいことが好ましい。ここに第1の部分5Eは、次のように特定される部分である。
【0044】
ヒンジ部7に沿って外方向に延長した延長線MEでベース部2A1を2つの部分に区分けした状態を想定した場合に、小開口部6を含む部分に形成される接合領域対応部5の部分が第1の部分5Eとして定められ、接合領域対応部5のうち第1の部分5Eを除く部分が第2の部分5Fとして定められる。
【0045】
マージン部10の面積が接合領域対応部5の第1の部分5Eの面積よりも大きい場合、第1の部分5Eに対してマージン部10を上下方向にやや撓ませることが容易となる。小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、小開口部6を飲み口として飲料等を摂取する際に固形物がマージン部にぶつかった際に、マージン部が撓みやすくなり、固形物からマージン部に負荷される力を緩衝しやすくなる。
【0046】
(マージン部の形状)
マージン部10の形状は、小開口部6と接合領域対応部5の形状に応じて定められるが、マージン部10の内縁10Cとマージン部10の外縁10Dとが非同心状となるように形成されていることが好ましい。ここに非同心状とは、マージン部10の内縁10Cの輪郭形状と、マージン部10の外縁10Dの輪郭形状の少なくともいずれか一方が、蓋体1の中心CTを中心とした円弧状から外れていることを示す。
図1の例では、マージン部10の内縁10Cの輪郭形状が非円弧状に形成されており、蓋体1の中心CTを中心とした円弧状から外れている。ただし、このことは、
図9A、
図9Bの例に示すように、マージン部10の内縁10Cの輪郭形状と、マージン部10の外縁10Dの輪郭形状が、蓋体1の中心CTを中心とした円弧状となっていることを禁止するものではない。
図9A、
図9Bの例は、第1の実施形態の蓋体1の他の一実施例を示す平面図である。
【0047】
(延出部)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、ベース部2A1の外周縁2Aに延出部7Cが形成されてもよい。
図1A、
図1Bの例では、延出部7Cの位置は、閉蓋状態において小蓋部3の先端を形成する前端縁部75Aと延出部7Cとの間にヒンジ部7が位置しているように、ベース部2A1の外周縁2Aに定められている。延出部7Cの形状は特に限定されないが、
図1Aの例では、延出部7Cの外周縁7Dが、凸状になだらかに湾曲した山形形状になるように延出部7Cの形状が定められている。
【0048】
延出部7Cが形成されていると、延出部7Cに蓋体1に対応する容器101を示す印や文字等を配置させることができる。例えば、延出部7CにS、M、L等の文字を印刷等によって配置する。そして、容器101のサイズがスモールサイズである場合には、Sの文字が印刷された蓋体1を使用し、容器101のサイズがミディアムサイズである場合には、Mの文字が印刷された蓋体1を使用し、容器101のサイズがラージサイズである場合には、Lの文字が印刷された蓋体1を使用するように、容器101と蓋体1の種類が対応づける。これにより、容器101に蓋体1を接合する場合に、誤ったサイズの異なる組み合わせで容器101と蓋体1の接合を行ってしまう虞を抑制することができる。
【0049】
また、蓋体1に延出部7Cが形成されている場合、延出部7Cを摘みとして使用することができる。そして、
図1に示す例のように、小蓋部3の先端を形成する前端縁部75Aと延出部7Cとの間にヒンジ部7が位置しているように、ベース部2A1の外周縁2Aに延出部7Cが定められていることで、小蓋部3の前端縁部75Aの位置と延出部7Cの位置ができるだけ離れた状態とすることができる。このように小蓋部3の前端縁部75Aの位置と延出部7Cの位置ができるだけ離れていることで、人が延出部7Cを手で摘んで蓋体1を持ち運んでも、蓋体1を摘まんだ者が、蓋体1の小蓋部3に触れてしまう虞を抑制することができ、人の手の接触による小蓋部3の汚染を抑制することができる。
【0050】
[1-2 作用及び効果]
従来における容器の縁部に蓋体を接合させたタイプの蓋体付き容器では、容器の縁部から蓋体を取り除かれると、容器に氷等の固形物と飲料が収容された状態で、容器の上端の縁部に口をつけて容器の縁部から飲料を摂取する可能性があった。このため、飲料を摂取する際に、容器の縁から氷等の固形物が一緒に流れ出て摂取者が固形物を誤飲する虞があった。
【0051】
第1の実施形態にかかる蓋体1では、マージン部10が設けられている。したがって、蓋体付き容器150に口をつけて飲料を摂取する場合に、容器101の空間部105から氷等の固形物が一緒に流れ出ようとしても、液体は小開口部から流れ出るものの、氷等の固形物はマージン部10で流れ出ることが制約されやすくなり、摂取者が固形物を誤飲する虞を抑制することができるようになる。
【0052】
また、第1の実施形態にかかる蓋体1では、小開口部6は、マージン部10よりも大きい面積を有するため、小開口部6から飲料等を追加で注ぎ入れることができる。さらに、飲料等を追加で注ぎ入れた後は、下記に示す本発明の第7から9の実施形態に係る蓋と同様の作用を得ることにより、小開口部6を小蓋部3により再閉止することも可能になる。さらに、このように再閉止した場合にもやはり後述する実施形態に係る蓋体と同様に密閉性を確保することが可能である。
【0053】
第1の実施形態の変型例について、さらに説明を続ける。
【0054】
[1-3 変形例]
(変形例1)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図4に示すように、小蓋部3の外周縁3Aに張出部3F「が形成されていてもよい。この場合、小開口部6の開口縁6Gには、張出部3Fに対応する凹形状部が形成されている。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例1と称呼する。
図4は、第1の実施形態の変型例1にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0055】
(張出部)
図4の例では、張出部3Fが、前端縁部75Aで小蓋部3の外側に向かう方向に凸状に延出した部分となっている。張出部3Fとは、小蓋部3の平面視上における小蓋部3の外周縁3Aの形状について、張出部3Fに対応した部分の周囲の外周縁3Aに比べて外方向に突出した輪郭形状を有する部分として特定することができる。そして、小開口部6の開口縁6Gには、張出部3Fに対応する凹形状部3Kが形成されている。
図4の例では、凹形状部3Kは、張出部3Fと嵌り合う形状に形成されている。これにより、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖する際に張出部3Fの基端が小開口部6の開口縁6Gで係止されやすくなり、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態を安定させやすくすることができる。
【0056】
(変形例2)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図13に示すように、小蓋部3の外周縁3Aに没入部3Iが形成されていてもよい。この場合、小開口部6の開口縁6Gには、没入部3Iに対応する凸形状部3Jが形成されている。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例2と称呼する。
図13は、第1の実施形態の変型例2にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0057】
(没入部)
没入部3Iは、前端縁部75Aからやや小蓋部3の基端部74Aに向かった所定の位置で小蓋部3の内側に向かう方向に小蓋部3を抉った形状とされた部分となっている。
図13の例では、没入部3Iは、前端縁部75Aから2つの側端縁部76それぞれにやや小蓋部3の基端部74Aに向かった所定の位置でそれぞれ小蓋部3の内側に向かう方向に小蓋部3をU字状に抉った形状とされた部分となっている。
【0058】
(凸形状部)
小開口部6の開口縁6Gには、没入部3Iに対応する凸形状部3Jが形成されている。凸形状部3Jは、没入部3Iと嵌り合う形状に形成されており、
図13の例では舌片状に形成されている。これにより、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖する際に没入部3Iが小開口部6の開口縁6Gの凸形状部3J又はその近傍で係止されやすくなり、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態を安定させやすくすることができる。
【0059】
(変形例3)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図10に示すように、ベース部2A1において切り込み部8が設けられてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例3と称呼する。
図10は、第1の実施形態の変型例3にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0060】
(切り込み部)
第1の実施形態の変形例3では、切り込み部8が十字型に形成されている。切り込み部8は、蓋体のベース2部を構成する部材を上下方向に貫通させることで形成することができる。第1の実施形態の変形例3では、切り込み部8が形成されていることで、切り込み部8をストロー等の差し込み口として用いることができる。また、後述するように、小蓋部3で小開口部6を開けた状態で保持するための爪部23Bが設けられている場合においては、切り込み部8は、爪部23Bの差し入れ用の通孔として用いることができる。この場合、切り込み部8は、後述する保持構造形成部30の一部を兼ねており、すなわち爪部23Bと切り込み部8が保持構造形成部30を構成する。なお、切り込み部8の形状は、ストロー等の差し込み口として使用可能な形状であれば、十字形状に限定されず、C字状や舌片状等の各種の形状が用いられてよい。
【0061】
(変形例4)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図15A、
図15Bに示すように、接合領域対応部5の内側の部分に陥没部2Bが形成されていてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例4と称呼する。
図15Aは、第1の実施形態の変型例4にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図15Bは、
図15AのD-D線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【0062】
(陥没部)
陥没部2Bは、蓋体1を形成するための部材(ブランク材と称呼することがある)にエンボス加工を施すことで形成することができる。陥没部2Bの形成される範囲は、接合領域対応部5の内側の部分であれば特に限定されないが、小蓋部3を含む部分であることが好ましい。小蓋部3を含む部分が陥没部2Bとなっていることで蓋体1の露出面70側に飲料等の液体がこぼれ出た場合においても、陥没部2Bに液体を誘導することが容易となり、蓋体1の外側に液体がこぼれ落ちる虞を抑制することができる。
【0063】
(変形例5)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図16Aに示すように、マージン部10は、そのマージン部10の外縁10Dからマージン部10の内縁10Cに向かって斜め下方向または斜め上方向に傾斜する傾斜部19を有していてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例5と称呼する。
図16Aは、第1の実施形態の変型例5にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す断面図である。
図16Aは、
図15Bに対応する断面と同様の位置での断面を示す図に対応している。これは、
図16Bについても同様である。
【0064】
(傾斜部)
傾斜部19は、マージン部10の全体に形成されてもよいし一部に形成されてもよい。傾斜部19の傾斜状態については、蓋体1の閉蓋状態から小蓋部3を持ち上げて開蓋状態を形成する際に小蓋部3とマージン部10の内縁10C(小開口部6の開口縁6G)との接触部分で傾斜部19の傾斜状態が変動できることが好ましい。例えば、小蓋部3が持ち上げられることに伴って、マージン部10もやや上方向(+Z方向)に持ち上がり、傾斜部19の傾斜状態が、斜め下方向に傾斜した状態から、斜め上方向に傾斜した状態又は水平状態となるようにマージン部10に傾斜部19が形成されてよい。これは、閉蓋状態で小蓋部3の外周縁3Aとマージン部10の内縁10C(小開口部6の開口縁6G)との間に摩擦力が存在するように小蓋部3と小開口部6とが接触することで実現することができる。
【0065】
第1の実施形態の変形例5では、傾斜部19が形成されていることで、マージン部10の外縁10Dを軸としてマージン部10の内縁10Cが上下方向(Z軸方向)に撓みやすくなる。したがって、第1の実施形態の変形例4によれば、蓋体付き容器150において容器の空間部に飲料等や固形物が収容され且つ小開口部を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、小開口部を飲み口として飲料等を摂取する際に固形物がマージン部にぶつかった際に、マージン部が上下方向に撓みやすくなり、固形物からマージン部に負荷される力を緩衝しやすくなる。
【0066】
(傾斜部の他例)
傾斜部19は、マージン部10のみならず
図16Bに示すように接合領域対応部5の内側全体に形成されていてもよい。
図16Bは、第1の実施形態の変型例5にかかる蓋体1の他の一実施例を模式的に示す断面図である。この場合、傾斜部19は、接合領域対応部5の内縁から蓋体1の内側に向かって傾斜する傾斜面を形成する部分となる。
【0067】
(変形例6)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図1等に示すように小蓋部3が前端縁部75Aからヒンジ部7に向かって幅Wが徐々に大きくなる場合に限定されず、
図9Bに示すように小蓋部3が前端縁部75Aからヒンジ部7に向かった所定の位置まで幅Wが徐々に大きくなり、さらにその所定の位置からヒンジ部7に向かって幅Wが徐々に小さくなっていてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例6と称呼する。
図9Bは、第1の実施形態の変型例6にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図9Bの例では、マージン部10の内縁10Cとマージン部10の外縁10Dが同心状となるように形成されている。
【0068】
(変形例7)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、
図19A、
図19Bに示すように小蓋部3の基端部74Aに応力調整部27が形成されてよい。このような構成を有する蓋体1を、第1の実施形態の変型例7と称呼する。
図19A、
図19Bは、第1の実施形態の変型例7にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図19Aの例では、応力調整部27は、小蓋部3の基端部74Aで外方向にU字状に湾曲した部分となっている。
図19Bの例では、応力調整部27は、小蓋部3の基端部74Aに形成されたおおむね円形の通孔の部分となっている。応力調整部27が設けられていることで、ヒンジ部7を軸として小蓋部3を回動させる際に、小蓋部3の基端部74Aにかかる応力の一点集中化を抑えることができ、基端部74Aからベース部2A1に向かって蓋体1が裂けてヒンジ部7を軸とした小蓋部3の回動が不十分になる虞を減じることができる。なお、応力調整部27が形成されている場合、小蓋部3の基端部74Aには、応力調整部27が含まれるものとする。したがって、
図19A、
図19Bに示すように、ヒンジ部7は、おおむね応力調整部27の端を結ぶ直線に対応した位置に形成される。したがって、小蓋部3とマージン部10は、それぞれ
図19A、
図19Bでハッチングを付した部分として定めることができる。
【0069】
[2 第2の実施形態]
[2-1 構成]
第2の実施形態にかかる蓋体1は、第1の実施形態において、
図5等に示すように、小蓋部3に摘み部24が設けられている。このような構成を有する蓋体1を、第2の実施形態と称呼する。
図5は、第2の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0070】
第2の実施形態にかかる蓋体1は、小蓋部3に摘み部24を設けた構成を除いて第1の実施形態と同様でよいため、小蓋部3に摘み部24を設けた構成を除く他の構成(ベース部2A1、ヒンジ部7やマージン部10等)についての説明を省略する。
【0071】
(摘み部)
図5に示す第2の実施形態の例では、小蓋部3で小開口部6を閉鎖した状態において、小蓋部3の露出面(蓋体1の露出面70)側である上面側に摘み部24が設けられている。摘み部24の構造は、ヒンジ部7を軸として小蓋部3を回動させることができるものであれば特に限定されないが、
図5の例では、摘み部24としてタブ部材31が設けられている。
【0072】
(タブ部材)
図5の例では、小蓋部3で小開口部6を閉鎖した状態において、タブ部材31は、タブ部材31の一端部31Aを小蓋部3に接合されており、タブ部材31の他端部31Bを自由端としている。タブ部材31のうち小蓋部3に接合された部分をタブ接合部18と呼ぶ。タブ部材31のうちタブ接合部18を除き、タブ部材31の自由端側の部分(他端部31B側の部分)は、人の手でタブ部材31を摘むことができる程度の大きさと形状に形成されていれば、特にその形状や構造を限定されるものではない。タブ部材31の材質は、第1の実施形態において説明した蓋体1の材質と同様でよく、紙系素材で構成されてよい。
【0073】
蓋体1において、小蓋部3におけるタブ部材31の取り付け位置や取り付け方向は特に限定されるものはないが、
図5の例では、タブ部材31は、小蓋部3の先端寄りの位置(すなわち前端縁部75Aの近傍)において小蓋部3に接合している。
【0074】
タブ部材31を小蓋部3に接合するための方法(すなわちタブ接合部18の形成方法)は、超音波接合やヒートシール、接着剤による接合などといった各種の方法を例示することができる。タブ接合部18の形成方法としては、上記したもののうち接合のしやすさや接合の強度等といった観点から、超音波接合が好ましい。小蓋部3におけるタブ接合部18の形成位置は、タブ部材31を持ち上げることで小蓋部3を立ち上げる(小蓋部3を回動させる)ことを容易とする観点からは、小蓋部3の中央部からずれた位置であることが好ましい。
【0075】
(タブ部材の向き(取り付け方向))
蓋体1においては、
図5の例では、タブ部材31の一端部31Aよりも、タブ部材31の他端部31B側(自由端側)が、ヒンジ部7側に近位となるように配置されている。ただしこれは一例であり、タブ部材31の向きは
図5の例に示す方向以外の向きとなっていてもよい。例えば、タブ部材31の一端部31Aよりも、タブ部材31の他端部31B側がヒンジ部7から離れた位置となるようにタブ部材31が配置されていてもよい。
【0076】
[2-2 作用及び効果]
第2の実施形態にかかる蓋体1によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態にかかる蓋体1では、摘み部24が設けられていることで、小蓋部3を容易に引き上げることができるようになる。
【0077】
第2の実施形態の変型例について、さらに説明を続ける。
【0078】
[2-3 変形例]
(変形例1)
第2の実施形態にかかる蓋体1において摘み部24としてタブ部材31が設けられている場合には、
図11に示すように、小蓋部3が小開口部6を閉鎖した状態において、タブ部材31の一部が、ベース部2A1の平面視上、小開口部6の開口縁6Gに交差してもよい。このような構成を有する蓋体1を、第2の実施形態の変型例1と称呼する。
図11は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0079】
図11では、タブ部材31の一方端(一端部31A)側の端縁が小開口部6の開口縁6Gに交差し、タブ部材31のうちベース部2A1の上面に重なる部分を重なり部35と称呼する。重なり部35が形成されている場合、小蓋部3で小開口部6を開いた後に、再び小蓋部3で小開口部6を閉鎖する際に、重なり部35を小開口部6に下方向(-Z方向)に押し込むことで、小開口部6よりも下方側で重なり部35が小開口部6の開口縁6Gに掛け止めされた状態が形成される。これにより、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態をより安定化させることができる。
【0080】
なお、重なり部35が上記したような小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態をより安定化させる機能を発揮しやすくなる観点からは、第1の実施形態の変形例1でも説明したように小蓋部3が張出部3Fを形成されていることが好ましい。この場合、
図12に示すように、小蓋部3が張出部3Fを形成されている場合、張出部3Fからタブ部材31の一方端(一端部31A)側の一部分が外方向に延び出ており、その延び出た部分が重なり部35となっていることが好ましい。
図12は、第2の実施形態の変型例1にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図12の例に示す蓋体1の場合、タブ部材31の重なり部35を小開口部6の開口縁6Gの下側(対向面73A側)でより確実に掛け止めされた状態を形成することができ、小蓋部3で小開口部6を再閉鎖した状態をより安定化させることができる。
【0081】
(変形例2)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、
図6の例に示すように、ヒンジ部7を軸としてベース部2A1に対して小蓋部3を回動して小開口部6を開放した状態で小蓋部3を保持する保持構造を形成する部分である保持構造形成部30を有していてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第2の実施形態の変型例1と称呼する。
図6は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0082】
(保持構造形成部)
保持構造形成部30の構成は特に限定されるものではない。例えば、
図6に示す蓋体1の例では、爪部23Bと受け部33が保持構造形成部30を形成している。
【0083】
(爪部)
爪部23Bは、
図6の例に示すように、後述する受け部33に対して掛け止めや差し込み等によって係止することが可能な構造を有する部分であればよい。
図6の例では、爪部23Bは、摘み部24の例としてのタブ部材31に設けられている。また、この例では、爪部23Bは、タブ部材31の所定位置におおむね山型形状等の輪郭形状に形成された切り込み部分で形成される。
【0084】
(受け部)
受け部33は、爪部23Bを係り止め又は差し込みができるような形状に形成されている。
図6の例では、受け部33は、ベース部2A1の所定位置での切り込みによって形成されたスリット部となっている。受け部33は、小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させた際に爪部23Bに向い合うことができる位置に形成される。
【0085】
(保持構造の形成)
蓋体1において小蓋部3を立ち上げる場合等では摘み部が引き上げられる。このとき、タブ部材31を引き上げるとともにタブ部材31の自由端側(他端部31B側)の所定部分を折り曲げることで爪部23Bが下方向又は上方向に突出した形状となる。そして、小蓋部3の爪部23Bが受け部33に向い合う位置又はその位置の近傍位置に到達するまで小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させる。そしてタブ部材31の爪部23Bを受け部33に掛け止め又は差し込みする。これにより小開口部6を露出させた状態で小蓋部3を保持する保持構造が形成される。
【0086】
上記の説明では、保持構造形成部30が、受け部33としてスリット部が形成されている場合について説明したが、受け部33に対応する構造はスリット部に限定されない。
【0087】
(保持構造形成部の他例)
蓋体1のベース部2A1に延出部7Cが設けられている場合、
図7に示すように、延出部7Cが受け部の機能を兼ねた部分とされてもよい。
図7は、第2の実施形態の変型例2にかかる蓋体1の一実施例(保持構造形成部の他例)を模式的に示す平面図である。
【0088】
図7に示す蓋体1は、
図6の例と同様に爪部23Bが摘み部24(
図7ではタブ部材31)に形成されており、爪部23Bと延出部7Cとが保持構造形成部30を形成している。
図7の例では、延出部7Cは、小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させた際に延出部7Cの外周縁7Dが爪部23Bに向い合うことができるように、形成される。
【0089】
(保持構造の形成)
図7の例に示す蓋体1においても、
図6の例と同様に、小蓋部3を立ち上げる場合等ではタブ部材31が、
図8Aの矢印F方向に、引き上げられる。
図8Aは、
図7のC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図7の例では、
図6の例と同様に、タブ部材31を引き上げるとともにタブ部材31の自由端側(他端部31B側)の所定部分を折り曲げることで爪部が下方向又は上方向に突出した形状となる。そして、小蓋部3の爪部23Bが延出部7Cの外周縁7Dに向い合う位置又はその位置の近傍位置に到達するまで小蓋部3を回動させるようにタブ部材31を変位させる。そして、
図8Bに示すように、小蓋部3の爪部23Bを延出部7Cに掛け止め又は差し込みする。これにより小開口部6を空間部105の露出口とした状態で小蓋部3を保持する保持構造が形成される。
図8Bは、保持構造を一実施例を説明するための断面図である。
【0090】
なお、
図66に示すように、タブ部材31に代えて、小蓋部3から突出片を突出形成して摘み部を形成し、この摘み部24を操作することによって小蓋部3を開閉するように機能させても良い。このとき、接続構造17における脆弱部の位置は接合領域対応部の外縁から所定距離だけ中央に向かった位置に形成されていることが好ましく、かつ接合領域対応部の内縁から所定距離だけ外縁が形成されている方向に向かった位置であることがより好ましい。脆弱部を上記した位置へ形成することによって、蓋体付き容器として使用しているときに蓋体の上に内容物が収容された蓋体付き容器が積み重ねられた時の重量によって脆弱部が破損するといったことを防止することができ、スタッキング性を向上させることが可能になる、なお、
図66に示すように小蓋部3から突出片を突出形成させて摘み部を形成した場合、摘み部と容器の縁部とが重なる箇所は蓋体1における接合領域対応部において接合されているのと同様にヒートシール等によって接合することで、さらに上記した脆弱部の破損の虞を低減することができる。なお、摘み部を形成する際は、接続構造17における脆弱部の先端部分は、ハーフカット構造であってもよいし、蓋体の厚み方向に貫通する切込みであってもよいが、脆弱部の先端以外の部分がハーフカット構造であるときは、小蓋部3をきれいに開口させる観点から脆弱部の先端部分は切込みを形成しておき、先端以外の部分をハーフカット構造にしておくといった構成にすると、小蓋部3がきれいに開いて小開口部を開口形成することができる。
本実施形態に係る蓋体1は、
図68に示すように脆弱部とタブ、十字形状に形成された切込みを設けても良い。このように蓋体1を形成した場合には、例えばストローを挿入して内容物を摂取する場合には十字形状に形成された切込みにストロー状物を挿入し、さらにストロー状物を用いずに内容物を摂取する場合にはタブを操作して小蓋部3を回動させ小開口部を開口形成させて、小開口部に口を当てて摂取することができる。また、蓋体付き容器において再度容器内に内容物を入れるときは摘み部を操作して脆弱部を破いて開口部を開口形成し、内容物を再度入れることができる。また、特に内容物が冷たい飲料の場合のように、容器内に氷など固形物を入れている場合には、使用者が内容物を摂取し終えて容器を廃棄するときに、容器内に残った氷などの固形物をこの開口部から廃棄することもできる。また、
図69に示すのは、
図68に示す蓋体1に窓部を形成したものである。この窓部は蓋体1の本体の一部分に形成した開口孔と、開口孔の形成領域の少なくとも一部(好ましくは開口孔の形成領域の全域)を覆う光透過可能な窓蓋材とを有する。窓蓋材は、透明や半透明な素材を例示することができる。このような素材としては、着色又は非着色の透明又は半透明の樹脂フィルム、セロファン紙、グラシン紙等、透明な紙系素材であるセルロースナノファイバー(セルロースミクロフィブリル)から形成された透明な紙等を例示することができる。窓蓋材の配置は、例えば開口部を覆うように配置した状態で開口部の周囲に窓蓋材を貼付することで実現することができる。透明や半透明な素材で構成される窓蓋材を貼着した窓部を設けることにより、蓋体1が容器101に接合された状態(閉蓋された状態)のまま、容器101の内容物を確認することができる。なお、窓部の形状は図示したものに限らず、任意の大きさ、形状に形成することができる。例えば、窓部は、脆弱部が形成されている箇所を避けて形成してもよいし、他の形態であっても良い。
図70に示すのは、本実施形態に係る蓋体1の他の形態である。この形態の蓋体1は
図69に示す蓋体1と基本的な構成は共通しており、形状が四角形状であることが
図69に示す蓋体とは相違している。
【0091】
[3 第3の実施形態]
第3の実施形態にかかる蓋体1は、
図14A、
図14Bに示すように、複数のマージン部が設けられていてもよい。このような構成を有する蓋体1を、第3の実施形態と称呼する。
図14Aは、第3の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示す平面図である。
図14Bは、マージン部10を説明するための図である。第3の実施形態にかかる蓋体1においても、第1の実施形態と同様に小蓋部3、ベース部2A1及びヒンジ部7が設けられている。第3の実施形態にかかる蓋体1は、マージン部10が複数形成されている点、及び小蓋部3と小開口部6の形成部分(位置)が異なる点を除いて、第1の実施形態と同様でよいため、これらの他の点についての説明を省略する。
【0092】
(小蓋部3と小開口部の形成部分)
第3の実施形態においては、小蓋部3の前端縁部75Aが接合領域対応部5に重なる位置に形成されている。また、小開口部6の開口縁6Gは、小蓋部3の外周縁3Aに対応しているため、小蓋部と同様に、小開口部6の一部が接合領域対応部5に重なっている。このため、
図14Aに示す第3の実施形態の例においては、開蓋状態(ヒンジ部7を軸として小蓋部3を回動させて小開口部を露出させた状態)で、容器101の縁部103の一部と小開口部で容器の空間部105を露出させる開口部分(露出口となる部分)が形成される。
【0093】
(マージン部)
マージン部10は、第1の実施形態と同様に定義される。したがって
図14の例では、マージン部10として、第1マージン部10Aと第2マージン部10Bが形成される。
【0094】
(第1マージン部及び第2マージン部の面積と小開口部の面積)
第1マージン部10A、第2マージン部10Bの大きさは、それぞれ特に限定されるものではないが、ベース部2A1の平面視上、第1マージン部10Aの面積及び第2マージン部10Bの面積の合計が、小開口部6の面積(
図14Aの例では、小蓋部3の面積にも対応している)よりも小さいことが好適である。すなわち、
図14Bの例では、第1マージン部10Aに対応する部分S11と第2マージン部10Bに対応する部分S12の合計面積が、小開口部6に対応する部分S2の面積(小蓋部3の面積)よりも小さいことが好適である。この場合、小開口部6の大きさ(部分S1の面積)がマージン部10の大きさ(部分S11と部分S12の面積の合計)よりも大きくなっているため、蓋体付き容器150が、小開口部6を開いた状態(開蓋状態)とされた場合において、容器101の空間部105に、飲料等の液体や氷等の個体を追加することが容易となる。
【0095】
[4 適用例]
第1の実施形態にかかる蓋体1は、
図3A、
図3Bに示すように蓋体付き容器150に用いることができる。
図3Aは、第1の実施形態にかかる蓋体1を、上端に形成された開口部102を有する容器101の開口部102の外周を形成する縁部103に接合させた実施例を示す斜視図である。
図3Bは、
図3AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図3A、
図3Bを用いて蓋体付き容器150について説明を続ける。
【0096】
(蓋体付き容器)
蓋体付き容器150は、容器101と蓋体1とが接合する接合部151を有しており、接合部151を形成する蓋体1の領域が接合領域Rとなる。蓋体1と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。以下では第1の実施形態にかかる蓋体1を蓋体付き容器150に使用した場合を例として説明する。
【0097】
図3A、
図3Bに示す例では、容器101は、上方向にむかって径が太くなるような(下方向に向かって先細りするような)筒状の側壁104と底面部106を有し内部に空間部105を形成する容器本体110と、容器本体110の上端(側壁104の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器101は開口部102を矩形状に形成されてもよい。容器101は、蓋体1で開口部102を被覆できるものであればよい。また、容器101の内部(空間部105)に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0098】
図3に示す容器では、開口部102の縁部103は、フランジ部を有している。フランジ部は、
図3等に示すように容器本体110を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部109であってもよいし、外側方向に平面上に延びる部分(つば部)として形成されてもよい。
【0099】
また、第1実施形態にかかる蓋体1は、開口部102を有する容器101との組み合わせとされてもよい。
【0100】
上記した[4 適用例]で示したことは、第1実施形態にかかる蓋体1を用いる場合に限定されない。第2の実施形態及び第3の実施形態についても、第1の実施形態にかかる蓋体1と同様に容器101に接合した蓋体付き容器150に用いることができる(図示せず)。
【0101】
次に、本発明に係る蓋体の第4の実施形態から第6の実施形態について説明する。
【0102】
[1 第4の実施形態]
[1-1 構成]
(蓋体)
第4の実施形態にかかる蓋体1は、容器101の開口部102の縁部103に沿って接合されて用いられるものである。蓋体1は、容器101の開口部102に接合された状態において開口部102を覆うように、縁部103に取り付けられた状態(縁部103に接合された状態)を形成することが可能な形状に形成される。蓋体1は、
図20に示すように、容器101の開口部102の縁部103に接合される接合領域Rを有する。
図20は、蓋体1の一実施例を示す図である。容器101としては、縁部103に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器101が、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。
【0103】
蓋体1は、
図20(a)、
図20(b)等に示すように、本体2を備える。蓋体1では、本体2に接合領域Rが含まれる。
図20(a)、
図20(b)は、それぞれ蓋体1の他の実施例の一つを示す平面図と断面図である。
【0104】
(接合領域)
接合領域Rは、蓋体1が容器101の開口部102の上で縁部103に取り付けられた場合に、蓋体1の面のうち開口部102に対する対向面のうち縁部103に接合される領域を形成する部分を示す。接合領域Rは、
図20の例では、蓋体1の平面視上、容器101の開口部102に応じた形状で開口部102に沿っておおむね環状に形成される領域に対応する。接合領域Rの幅W(内外方向に沿った幅)は、開口部102の縁部103の幅と同じ又はその幅よりも細い幅であることが通常である。ただし、このことは接合領域Rの幅Wが、開口部102の縁部103の幅よりも太いことを禁止するものではない。また、接合領域Rは、本体2の外周縁2Aよりも内側に形成されてもよいし、本体2の外周縁2Aまで形成されていてもよい。なお、接合領域Rの内側は、蓋体1の平面視上、蓋体1のうち接合領域Rを形成する部分の内側を形成する部分を示すものとする。接合領域Rの内側は、内側領域Rnと称呼されることがある。接合領域Rの上とは、蓋体1の平面視上、蓋体1の接合領域Rに対応した部分の上面側(露出面70側)であることを示すものとする。
【0105】
(本体)
本体2は、蓋体1を容器101の開口部102の上に取り付けられた状態において開口部102と縁部103を覆う。本体2は、変位容易化構造5bを備える。
【0106】
(変位容易化構造)
本体2において、変位容易化構造5bは、本体2の外周縁2Aに定められた縁部分から本体2の内側に向けて本体2の一部を本体2の他部に対して変位することが可能となるように構成された構造部である。本明細書において、上記した縁部分を第1縁部(
図20(a)等において符号71Aで示す)と称呼し、外周縁2Aのうち第1縁部71Aを除く部分を第2縁部71Bと呼ぶ。また、本体2のうち、第2部分3Dに対して相対的に変位することが可能な部分(上記した本体2の一部)を第1部分3Bとし、本体2の他部(本体のうち第1部分を除く部分)を第2部分3Dと定める。変位容易化構造5bは、案内部6Aを有する。
【0107】
(案内部)
案内部6Aは、縁部分(第1縁部71A)の両端となる第1端部71A1と第2端部71A2から本体2の内側に向かって延びている部分を有する。案内部6Aは、第1部分3Bと第2部分3Dとの少なくとも一部の境界K1を画する。
図20(a)の例では、案内部6Aとして、第1案内部6B及び第2案内部6Cが形成されている。この例では、第1案内部6Bは、第1端部71A1から本体2の内側に向かって延び、第1部分3Bと第2部分3Dとの境界K1を形成する。第2案内部6Cは、第2端部71A2から本体2の内側に向かって延び、第1部分3Bと第2部分3Dとの境界K1を形成する。なお、第1案内部6Bと第2案内部6Cを区別しない場合には、案内部6Aという語で総称する。
【0108】
案内部6Aは、接合領域Rを横断する。また、
図20(a)の例では、案内部6Aは、線状に形成されている。案内部6Aは、第1部分3Bを第2部分3Dに対して変位させる場合に、第1部分3Bと第2部分3Dの境界K1に沿って第1部分3Bと第2部分3Dとの分離構造が形成される部分として定められる。蓋体1と取り付けた容器101の未使用状態から第1部分3Bの変位を行う場合においては、容器101と蓋体1との剥離を伴うことから、接合領域R及びその近傍において、第1部分3Bと第2部分3Dとの境界で強い力が付与されて蓋体1に内部破壊が生じやすい。内部破壊とは、蓋体1を形成する素材(紙系素材等)そのものの内部での層内剥離や、意図しない部分での破断(境界K1以外での破断)を示すものとする。蓋体1に、このような案内部6Aを有する変位容易化構造5bが形成されていることで、接合領域R及びその近傍において第1部分3Bと第2部分3Dとの境界で内部破壊を生じる虞を抑制することができ、第1部分3Bのスムーズな変位を実現することができる。
【0109】
案内部6Aの構造は、特に限定されないが、
図20(a)の例では、上記したように切込構造となっている。ただし、このことは、案内部6Aが切込構造以外の構造であることを規制するものではない。例えば、案内部6Aは、脆弱化構造を有してもよい。
【0110】
なお、本明細書において、切込構造は、容器101に蓋体1を取り付けた場合に口部に対する非対向面(露出面70)側から対向面(裏面)まで全体に貫通したスリット状の貫通構造を示す。脆弱化構造は、例えばミシン目構造やハーフカット構造のように、その構造を付与されていない部分に比べて変位させるために要する力を少なくすることができるような構造部分を示す。ミシン目構造は、
図26(a)に示すように、露出面70から裏面まで貫通する切断部18Bと、切り込みを避けた連続部18Aとが交互に形成された構造を示す。ハーフカット構造は、
図26(b)に示すように、本体2を形成する材料の厚み方向に貫通することを避けながら部分的に切り込まれた部分的切り込み部32を形成した構造(部分的切込構造)を示す。なお、ハーフカット構造は、本体2を構成する材料に対する切り込みの深さを特に限定されない。
図26(a)は、案内部6Aがミシン目構造を有する場合の例を示す平面図であり、
図26(b)は、案内部6Aがハーフカット構造を有する場合の例を示す平面図である。このハーフカット構造は、蓋体1の厚み方向に切り込まれた切込み深さが切込構造の全体に亘って一定の深さとなるように形成されていてもよいし、切込み深さの深い箇所と浅い箇所とが交互に繰り返されるように形成されていても良い。また、切込み深さがある一方の箇所から他方の箇所に向けてだんだんと深さが変化するように形成されていてもよい。ハーフカット部16の切込み深さをこのように変化させて形成することによって、小蓋部3の開けやすさと小蓋部3を開封する前の状態での切込構造における接続強度を強く維持することが可能になる。なお、この切込構造は、ミシン目構造とハーフカット構造とを組み合わせて形成してもよい。ここでのミシン目構造とハーフカット構造との組み合わせとは、ミシン目構造のように切り込まれた箇所と切り込まれていない箇所とが交互に繰り返して形成されており、かつ切り込まれた箇所の切込みが蓋体1の厚み方向に貫通せずに蓋体1に対して所定深さだけ切り込まれるように形成されている態様である。なお、このときの切り込まれた箇所の切込み深さは、それぞれ同じにしてもよいし、場所に応じて変化させてもよい。また一つの切込みにおける切込み深さを変えるように形成してもよい。
【0111】
図20(a)等の例では、第1案内部6Bは、第1端部71A1から接合領域Rの内縁RAまでの部分で形成された第1外側案内部8Aと、第1外側案内部8Aを除く第1内側案内部9Aを有する。また、第2案内部6Cは、第2端部71A2から接合領域Rの内縁RAまでの部分で形成された第2外側案内部8Bと、第2外側案内部8Bを除く第2内側案内部9Bを有する。
【0112】
案内部6Aでは、第1外側案内部8Aと第1内側案内部9Aとで、構造が異なってもよい。例えば、第1外側案内部8Aではハーフカット構造が形成されており、第1内側案内部9Aでは切込構造が形成されてもよい。このことは、第2外側案内部8Bと第2内側案内部9Bについても同様である。
【0113】
変位容易化構造5bにおいては、第1案内部6Bと第2案内部6Cは、本体2の内側に向かって互いに近づいていくように延びている。これは一例であり、後述する第4の実施形態の変形例1等でも示すように第1案内部6Bと第2案内部6Cは、それらの少なくとも一方が接合領域Rの内縁RAに沿って形成されていてもよい。ただし、後述するように第1部分3Bの形状を第1縁部71Aから本体2の内側に向かって先細り形状とする観点からは、第1案内部6Bと第2案内部6Cは、第1端部71A1、第2端部71A2それぞれから本体2の内側に向かって互いに近づいていくように延びていることが好ましい。
【0114】
また、第1案内部6B及び第2案内部6Cについて、第1案内部6Bのうち接合領域Rに重なる部分(第1重なり部)の長さと、第2案内部6Cのうち前記接合領域Rに重なる部分(第2重なり部)の長さとが異なっていてもよい。
【0115】
このような場合、第1重なり部での粘着部分の長さと、第2重なり部での粘着部分の長さとを異ならせることができる。この場合、第1部分を変位させる際、第1外側案内部8Aや第2外側案内部8Bでは容器101と蓋体1との粘着を解消しながら(剥離させながら)第1部分の変位が行われるため、使用者はある程度大きな力を用いて第1部分を変位させる。第1内側案内部9Aや第2内側案内部9Bでは容器101と蓋体1との粘着を解消するための力は不要となるため、使用者は比較的小さな力を用いて第1部分を変位させることができる。このため、第1外側案内部8Aから第1内側案内部9Aに移行するタイミングと、第2外側案内部8Bから第2内側案内部9Bに移行するタイミングで蓋体に負荷される力が急に変化する。このとき、第1内側案内部9Aや第2内側案内部9Bで使用者によって力をかけた状態が続いてしまうと、蓋体に必要以上の負荷がかかる。そこで、第1重なり部での粘着部分の長さと、第2重なり部での粘着部分の長さとを異ならせることで、第1外側案内部8Aから第1内側案内部9Aに移行するタイミングと、第2外側案内部8Bから第2内側案内部9BNに移行するタイミングとをずらすことが容易となり、蓋体に必要以上の負荷がかかりにくくすることができる。
【0116】
(ヒンジ部)
図20(a)、
図20(b)の例に示すように、変位容易化構造5bは、ヒンジ部7を有していることが好ましい。ヒンジ部7は、案内部6Aの内側端に繋がっている。
図20(a)、
図20(b)の例では、第1案内部6Bと第2案内部6Cのそれぞれの内側端に対してヒンジ部7の端がつながっている。すなわち、内側案内部(第1内側案内部9A、第2内側案内部9B)の端部のうち外側案内部(第1外側案内部8A、第2外側案内部8B))との連結端側とは逆側にある端部で、案内部6Aはヒンジ部7の端部に繋がる。ヒンジ部7の構造は、切込構造以外であれば特に限定されず、非形成構造でもよいし、脆弱化構造でもよい。
【0117】
ヒンジ部7は、第1部分3Bが第2部分3Dに対して変位することをスムーズにすることができる。例えば、
図20(a)、
図20(b)の例では、蓋体1の未使用時においては、接合領域Rのうち第1部分3Bに対応する領域で第1部分3Bが容器101に接合された状態となっており、第1部分3Bの変位が規制されている。
図21(a)、
図21(b)に示すように、蓋体1の使用時には、第1部分3Bの外周縁(第1縁部71Aの外側端)から第1部分3Bを第2部分3Dに対して立ち上げる。このとき、第1部分3Bは容器101の縁部103から剥離される。そして、おおむね案内部6Aに沿って第1部分3Bと第2部分3Dが分離しながら第1部分3Bが第2部分3Dに対して徐々に立ち上がる。案内部6Aが、第1部分3Bと第2部分3Dとの境界を規定する。
【0118】
第1部分3Bと第2部分3Dの分離が案内部6Aの内側端まで進むと、ヒンジ部7が形成されていることから、
図21(b)に示すように第1部分3Bはヒンジ部7を軸として第2部分3Dに対してさらにスムーズに矢印F方向に回動することができる。そして第1部分3Bはヒンジ部7を軸として第2部分の露出面70側に向き合う位置までスムーズに折り返されることができる。このように、ヒンジ部7は、第1部分の変位をよりスムーズにすることができる部分となる。なお、ヒンジ部7は、第1部分3Bと第2部分3Dの分離部分をスムーズに形成する観点からは脆弱化構造を形成していることが好ましい。ただし、これは一例であり、ヒンジ部7を非形成部としてもよい。非形成部とは、切込構造及び脆弱化構造の形成を省略されている部分であることを示すものとする。
【0119】
(第1部分)
第1部分3Bは、容器101に蓋体1を取り付けた状態において変位容易化構造5bで変位させることができる部分として定められる。また、第1部分3Bは、蓋体1の平面視上、本体2の外周縁2Aの一部(第1縁部71A)を基端として本体2の内側に向かって接合領域Rの内側に広がる所定の領域を形成する部分(内側領域Rnに定められた所定の部分)として定められる。
【0120】
(第1部分の形状)
第1部分3Bの形状は、変位容易化構造5bの案内部6Aのレイアウトに応じて定められる。
図20の例では、第1部分3Bが、2つの側縁部77としての第1側縁部77Aと第2側縁部77Bと、側縁部77の内側端で側縁部77に繋がる内縁部73とを有し、本体2の外周縁2Aのうち第1部分3Bに対応する第1縁部71Aは、第1部分3Bの前端縁部を兼ねる。第1部分3Bでは、前端縁部(第1縁部71A)から内縁部73に向かう方向に、第1側縁部77Aと第2側縁部77Bが本体2の内側に向かって互いに交差する方向(互いに近づいていくように)に延びている。第1側縁部77Aは、第1案内部6Bで第1部分3Bと第2部分3Dが分離するにつれて形成される。第2側縁部77Bは、第2案内部6Cで第1部分3Bと第2部分3Dが分離するにつれて形成される。
【0121】
第1部分3Bの形状は、特に限定されるものではないが、
図20(a)等に示すように、本体2の外周縁のうち第1部分3Bの基端(第1縁部71A)から本体2の内側に向かって先細りした形状を有することが好適である。
【0122】
このような第1部分3Bの形状は、例えば、案内部6Aのレイアウトとして、上記したように第1案内部6Bと第2案内部6Cが本体の内側に向かって交差する方向に延びるような第1案内部と第2案内部のレイアウトが採用されることで実現することができる。
【0123】
第1部分3Bがこのような形状に形成されている場合、第1部分3Bを第2部分3Dに対して変位させる際に、案内部6Aの延びる方向に沿って、第1部分3Bと第2部分3Dの分離を生じさせやすくなる。そして、第1部分3Bと第2部分3Dの分離に伴い、上記した第1側縁部77Aと、第2側縁部77Bが形成される。なお、変位容易化構造5bのヒンジ部7は、内縁部73に対応する部分を形成する。
【0124】
(第2部分)
第2部分3Dは、蓋体1の平面視上、本体2のうち第1部分3Bで形成される領域を除く領域を形成する部分として定められ、すなわち本体2のうち第1部分3Bを除く部分である。
図20の例では、第2部分3Dの少なくとも一部と第1部分3Bの少なくとも一部の境界K1は案内部6Aで分断された構造となっている。この例では、後述するヒンジ部7が、第2部分3Dと第1部分3Bとの境界K1が連続した構造部分となっている。また、
図21(a)に示すように、第2部分3Dのうち、第2部分3Dと第1部分3Bとの境界K1に対応した部分は、第1部分3Bの輪郭の一部に対応した凹状の輪郭形状を有する部分となっている。
【0125】
(小開口部)
なお、
図32に示すように第1部分3Bが変位された際(
図21(a)等の例では、第1部分3Bがヒンジ部7を軸として折り返された際)には、
図31に示すように、蓋体1と容器101とで開口部102よりも開口面積が小さい小開口部6が形成される。
図31、
図32は、第4の実施形態にかかる蓋体1を容器101に取り付けた蓋体付き容器150において、第1部分3Bを変位させた状態を説明する図である。これは、第1部分3Bの大きさとして小開口部6が形成できるような大きさを定められていることで実現することができる。また、小開口部6が形成された場合に、小開口部6から容器101の開口部102や空間部105が露出する。小開口部6は、蓋体1の平面視上、容器101の縁部103と、第2部分3Dの向き合い面3Hの形成部分とヒンジ部7で囲まれた領域で形成される。このような蓋体1によれば、飲料を空間部105に注入された容器101の開口部102に蓋体1を取り付けられた場合に、使用者が蓋体1の小開口部6を飲み口として容器101の内部の飲料を摂取することができる。
【0126】
(突出部)
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、突出部11が設けられていることが好ましい。突出部11は、本体2の外周縁2Aのうち第1部分3Bに対応する部分から外側に向かって突出した部分である。この突出部11は、第1部分3Bを第2部分3Dに対して変位させる際に第1部分3Bを引き上げる摘みとして機能することができる。例えば、突出部11の先端部11Aやその近傍の部分をつまんだ状態で引き上げることで突出部11に伴って第1部分3Bが引き上げられる。なお先端部11Aとは、突出部11の先端を含む所定の部分を示す。突出部11と第1部分3Bとの境界K2は、本体2の外周縁2Aの一部に位置しており、境界K2に沿って脆弱化構造が形成されていてもよい。この脆弱化構造は、変位容易化構造5bで説明した脆弱化構造と同様の構造でよい。
【0127】
突出部11の大きさは特に限定されるものではないが、
図20(a)、
図20(b)の例では、第1部分3Bの第1縁部71Aの全体から外側方向に延び出た部分となっており、蓋体1の平面視上、三日月状に形成されている。
【0128】
図20(a)の例に示す第4の実施形態にかかる蓋体1においては、突出部11がその突出部11の内側に爪部23Bを有し且つ第2部分3Dに受部20が形成されている。ただし、このことは、蓋体1が爪部23Bと受部20を有する場合に限定するものではない。蓋体1が爪部23Bと受部20の少なくともいずれか一方を省略されていてもよい。
【0129】
(爪部)
変形例5においては、爪部23Bは、突出部11に形成された爪形成部23Cを突出部11から垂下させた状態とすることで形成される。爪形成部23Cは、切込構造で形成されている。爪形成部23Cは、突出部11の先端部11Aから本体2に向かって凸状の形状に形成されている。使用者が突出部11のうち先端部11Aやその近傍部分等を摘まんだ状態としつつ爪形成部23Cの先端部24Bの部分を下方向に向けるように爪形成部23Cの基端24Aから爪形成部23Cを折り曲げることで、爪形成部23Cが突出部11から垂下した状態となる。このとき垂下した部分が爪部23Bとなる。
【0130】
(受部)
受部20は、爪部23Bを差し込み可能な形状を有している。具体的に
図20(a)の例では、受部20は、突出部11の爪部23Bを差し入れ可能な形状に形成された切込構造となっている。変形例5においては、
図21(b)に示すように第1部分3Bがヒンジ部7を軸として第2部分3Dの上面側に折り返されることに伴って、突出部11は、第1部分3Bと一体的に変位する。
図21(b)は、第1部分3Bを第2部分3Dの上面側(露出面70上)に折り返した状態を示す平面図である。
【0131】
このとき、突出部11は、爪部23Bが受部20に差し込み可能となるような位置に変位する。すなわち、爪部23Bと受部20の相対的な位置については、第1部分3Bがヒンジ部7を軸として第2部分3Dの上面側に折り返された場合に、爪部23Bと受部20とが向かい合うような位置となっている。そして、突出部11の爪部23Bが受部20に差し込まれた場合には、第1部分3Bを第2部分3Dの上面側に折り返した状態を安定的に維持することができる。
【0132】
[1-2 作用及び効果]
第4の実施形態にかかる蓋体1によれば、変位容易化構造5bが形成されており、変位容易化構造5bによって第1部分3Bを第2部分3Dに対してスムーズに変位させることができる。このとき、第1部分3Bと第2部分3Dとの境界で内部破壊が生じにくくなっている。このため、第1部分3Bが第2部分3Dに対して変位することで小開口部6が形成された後、再び第1部分3Bで小開口部6をできるだけ隙間なく塞ぐことが容易となる。なお、第1部分3Bが第2部分3Dに対して少なくとも部分的に分離した状態で、小開口部6が露出した状態を開蓋状態と呼ぶ。第1部分3Bで小開口部6が覆われた状態を閉蓋状態と呼ぶ。一旦、開蓋状態が形成された後に再び閉蓋状態となった状態を再閉蓋状態と呼ぶ。
【0133】
従来は、蓋体付き容器の内部に飲料などの液体が収容された場合、蓋体の内容物を摂取するために、使用者は、蓋体を形成するフィルム材を剥して容器の口部を露出させていた。この場合、その後、露出した口部の部分を再び蓋体で覆われた状態(再閉蓋状態と呼ぶことがある)にしようとしても、蓋体で口部を覆った状態が解除されやすかった。さらには、蓋体で口部を塞いで蓋体と口部との間に大きさの隙間ができやすかった。このような場合、蓋体と口部の隙間から液体が漏れ出やすくなる。
この点、本発明に係る蓋体1によれば、開蓋状態を形成する際に第1部分3Bと第2部分3Dとが案内部6Aに沿って分離されやすいため、
図28に示すように、第1部分3Bの側縁部77の端面72Cと、その端面72Cに対して向かい合う第2部分の面(向き合い面3H)とが整合しやすく、再閉蓋状態において、第1部分3Bの側縁部77の端面72Cと、その端面72Cに対して向かい合う第2部分の面(向き合い面3H)とが接触した状態となりやすい。
【0134】
図28は、第1部分3Bと第2部分3Dとの接触状態を説明するための要部拡大図である。
図28に示すような状態において蓋体1が紙系素材で形成されている場合には、紙系素材の繊維が、端面72Cと向き合い面3Hで露出しやすく、端面72Cと向き合い面3Hで摩擦を生じやすくなる。この場合、第1部分3Bと第2部分3Dが互いに摩擦を生じて第1部分3Bが第2部分3Dから簡単に離脱してしまう虞が抑制され、第1部分3Bで小開口部6を再閉鎖した状態をより安定的に保持することができる。ただし、蓋体1においては、開蓋状態となった際に少なくとも案内部6Aは第1部分3Bと第2部分3Dを分断する部分となっているため、再閉蓋状態となっても通気性を確保することができ、第1部分3Bと第2部分3Dの境界の少なくとも一部から蒸気を通じることは可能となる。
【0135】
[1-3 変形例]
次に、第4の実施形態にかかる蓋体1の変形例について述べる。
【0136】
(変形例1)
第4の実施形態にかかる蓋体1の例では、第1内側案内部9Aと第2内側案内部9Bは、本体2の内側に向かって交差する方向にのびているが、第1内側案内部9Aと第2内側案内部9Bのレイアウトは、
図20で示した形状に特に限定されない。第4の実施形態にかかる蓋体1は、第1内側案内部9Aと第2内側案内部9Bの少なくとも一方は、
図23(a)等に示すように、接合領域Rの内縁RAに沿って延びるように形成されてもよい(変形例1)。
【0137】
図23(a)は、第4の実施形態の変形例1にかかる蓋体1の一実施例を示す平面図である。
図23(a)の例では、第1内側案内部9Aと第2内側案内部9Bの両方が、接合領域Rの内縁RAに沿った形状に形成される。また、この場合、第1部分3Bは、接合領域Rの内側の部分で、接合領域Rの内縁RAに沿って広がる輪郭形状を少なくとも一部に有する形状にて形成される。そして、それぞれの第1内側案内部9Aと第2内側案内部9Bの端部(第1外側案内部8A及び第2外側案内部8Bに繋がるほうの端部とは異なるほうの端部)に対してヒンジ部7の端部が繋がっている。
【0138】
(変形例2)
第4の実施形態の変形例1にかかる蓋体1の例では、第1内側案内部9Aと第2内側案内部9Bが接合領域Rの内縁RAに沿って形成され、且つ、ヒンジ部7が形成されていたが、
図23(b)に示すように、ヒンジ部7が省略されてもよい(変形例2)。
図23(b)は、第4の実施形態の変形例2にかかる蓋体1の一実施例を示す平面図である。この例では、第1部分3Bのうち接合領域Rの内側に形成された部分が、接合領域Rの内縁RAに沿った形状に形成される。
【0139】
図23(b)において、第1内側案内部9Aの端部9A1と第2内側案内部9Bの端部9B1がつながっている。このような場合、案内部6Aの第1内側案内部9Aと第2内側案内部9Bが接合領域Rの内縁RAに沿って形成され、ヒンジ部7が省略されているため、第1部分3Bを第2部分3Dに対して境界K1に沿って完全に分離することが容易となる。なお、この場合、小開口部6は、容器101の縁部103の一部(第1部分3Bの変位によって露出した部分に形成された縁部103の部分)と第2部分3Dの向き合い面3H(内側の端面)とで囲まれた部分にて形成される。
【0140】
(変形例3)
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、
図27に示すように、変位容易化構造5bは、案内部6Aに、第1部分3Bから第2部分3Dに向かって突出するように湾曲した突状湾曲部14を形成していてもよい(変形例3)。
図27は、第4の実施形態の変形例3の蓋体の一実施例を示す平面図である。第1部分3Bにおいて、突状湾曲部14に対応する部分が凸部15を形成する。
図27に示す例では、第1部分3Bのうち接合領域Rの内側に形成された部分に、凸部15が形成されている。このとき、第2部分3Dは、凸部15の輪郭に対応した凹状形状部15Cを形成する。
【0141】
変形例3によれば、第1部分3Bと第2部分3Dとの境界K1の長さが増え、第1部分3Bの端面72Cと第2部分3Dの向き合い面3Hの面積を増やすことができる。これにより、第1部分3Bで小開口部6を再閉鎖した再閉蓋状態をより安定的に保持することができる。
【0142】
(変形例4)
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、
図22(b)に示すように、第2部分3Dに受部20が形成されている場合に、突出部11の先端部11Aが、受部20の形状に対応した形状に形成されていてもよい。(変形例4)。
図22(b)は、第4の実施形態の変形例4にかかる蓋体の一実施例を示す平面図である。
【0143】
変形例4においては、受部20は、突出部11の先端部11Aを差し入れ可能な形状に形成された切れ込みとなっている。変形例4においては、第1部分3Bがヒンジ部7を軸として第2部分3Dの上面側(露出面70側)に折り返されることに伴って、突出部11は、第1部分3Bと一体的に変位する。このとき、突出部11は、その先端部11Aが受部20に差し込み可能となるような位置に変位する。そして、突出部11の先端部11Aが受部20に差し込まれた場合には、第1部分3Bを第2部分3Dの上面側に折り返した状態を安定的に維持することができる。
【0144】
(変形例5)
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、
図22(b)に示すように、第1部分3Bがその第1部分3Bの内側に爪部23Bを有し且つ第2部分3Dに受部20が形成されていてもよい(変形例5)。
図22(b)は、第4の実施形態の変形例5にかかる蓋体の一実施例を示す平面図である。爪部23Bと受部20の構造や、爪部23Bと受部20の相対的な位置は、変形例5と同様でよい。この場合において変形例5と同様の効果を得ることができる。
【0145】
(変形例6)
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、
図25に示すように、本体2の外周縁2Aのうち第2部分3Dに対応する部分の一部から外側方向に突出した突出部22が形成されていてもよい(変形例6)。
図25は、第4の実施形態の変形例6にかかる蓋体の一実施例を示す図である。この場合、本体2の外周縁2Aのうち第1部分3Bに対応する部分のから突出した突出部11を第1突出部11Bと称呼する。そして本体2の外周縁2Aのうち第2部分に対応する部分のから突出した突出部22を第2突出部22Aと称呼する。第1突出部11Bと第2突出部22Aは、蓋体1の平面視上、第1突出部11Bと第2突出部22Aの間に本体2の中心CPが存在しているように配置されていることが好ましい。この場合、例えば容器101に蓋体1を取り付ける作業者が第2突出部22Aをつまんで蓋体1を容器101に取り付ける作業を行い、容器101の使用者が第1突出部11Bをつまんで第1部分3Bを第2部分3Dに対して変位させることができる。すなわち、使用者以外の者が第1突出部11Bに触れることによって第1突出部11Bやその周囲が汚染される可能性が抑制される。
【0146】
(変形例7)
第4の実施形態の変形例7にかかる蓋体1においては、第1突出部11Bに爪部23Bを形成し、第2突出部22Aに受部20を形成してもよい(図示しない)。爪部23Bと受部20の構造や、爪部23Bと受部20の相対的な位置は、変形例5と同様でよい。この場合において変形例5と同様の効果を得ることができる。
【0147】
(変形例8)
第4の実施形態にかかる蓋体1においては、
図24(a)、
図24(b)に示すように、突出部11の外周縁75B又は本体2の外周縁2Aにタブ部材31が設けられていてもよい(変形例8)。
図24(a)、
図24(b)は、第4の実施形態の変形例8にかかる蓋体1の一実施例を示す平面図である。
図24(a)に示す蓋体1においては、複数のタブ部材31が、突出部11の外周縁75Bに設けられている。
図24(b)に示す蓋体1においては、複数のタブ部材31が、本体2の外周縁2Aのうち第2部分3Dに対応する部分(第2縁部71B)に設けられている。
図24(a)、
図24(b)は、一例であり、タブ部材31の数等はこの図に示されたものに限定されない。なお、それぞれのタブ部材31には、予め定められた内容の文字や図形等の飾り絵を印刷した印刷部が形成されていることが好適である。印刷部が形成されている場合、タブ部材31の露出面側、裏面側の両面に印刷部が形成されていることが好ましい(図示しない)。
【0148】
(変形例9)
第4の実施形態の変形例9にかかる蓋体1は、爪部23Bを受部20に係止させず、蓋体1や容器101の縁部103等といった所定の場所に係止させるように構成してもよい。このように爪部23Bを係止させることで、小開口部6を開口形成した状態や、開口形成した小開口部6を再度閉止させた状態を維持することができる。なお、小開口部6の開口形成した状態を維持することのできる構成や小開口部6を再度閉止させた状態を維持することのできる構成は上記した以外のものであってもよい。
【0149】
[2 第5の実施形態]
[2-1 構成]
(蓋体)
第5の実施形態にかかる蓋体1は、
図33(a)、
図33(b)に示すように、蓋体1の平面視上、本体2の接合領域Rの非形成面(露出面70)には接合領域Rの内側に対応する領域(接合領域Rの内側領域Rn)に溝80が形成されている。
図33(a)、
図33(b)は、第2実施形態の変形例1にかかる蓋体1の一実施例を示す図である。第5の実施形態にかかる蓋体1は、溝80を形成している他の構成(変位容易化構造5b等)については第4の実施形態と同様であるので、それらの説明を省略する。
【0150】
(溝)
第2実施形態にかかる蓋体1において、溝80は、接合領域Rの内側領域Rnで、接合領域Rの内縁RAに沿って延びるように形成されていることが好ましい。溝80の深さは特に限定されないが、
図34(a)、
図34(b)、
図34(c)に示すように第1部分3Bに対して遠い位置から溝80の延びる方向に沿って第1部分3Bに近づくにつれて徐々に深くなっているように構成されていることが好ましい。
図34(b)、
図34(c)にも示すとおり、第1部分3Bに対して遠い位置での溝80の深さD2は、溝80の延びる方向に沿って第1部分3Bに近い位置での溝80の深さD1よりも浅い。また、溝80は、
図33(a)、
図34(a)の例に示すように、第1部分3Bと第2部分3Dにも形成されていることが好ましい。この例では、第1部分3Bと第2部分3Dの境界K1を交差するように溝80が延びている。これは、溝80が案内部6Aに対しても交差するように形成されていることで実現することができる。また、
図33(a)の例では、溝80は、第1部分3Bを横断するように形成されている。この例では、第1部分3Bでは、溝80が内縁RAに沿った曲線状に延びた形状に形成されている。
【0151】
この例では、溝80は、接合領域Rの内縁RAに沿ってC字状に形成されている。ただし、これは溝80の全体の形状の一例であり、溝80の形状は特に限定されない。溝80は、例えば、
図35に示すように、環状に形成されてもよい。
溝80が形成されている場合においても、案内部6Aは、切込構造を形成していてよいし、例えばハーフカット構造などの脆弱構造を形成していてもよい。ただし、案内部6Aがハーフカット構造を形成している場合においては、溝80がその深さを深くした状態とされ且つ溝80が案内部6Aを跨いで(第1部分3Bと第2部分3Dの境界K1を跨いで)形成されていても、案内部6Aと溝80の交差する位置で隙間がより生じにくくなる。
【0152】
(凸型条部)
蓋体1においては、
図33(b)に示すように、溝80の形成位置に対応した位置且つ溝80の形成面(露出面70)とは逆面側の位置が凸型条部82となっていることが好ましい。この場合、
図39に示すように、凸型条部82が、容器101の開口部102の縁部103の内面側に接するような位置に形成されていることが好ましい。また、凸型条部82の高さは、容器101の開口部102の縁部103に対して蓋体1の露出面70の面方向のズレを生じにくい程度の高さを確保されていることが好ましい。このような凸型条部82は、蓋体1にエンボス加工を施すことで実現することができる。エンボス加工により、蓋体1の露出面70側に溝80が形成され、溝80の形成位置に対応する逆面側の位置に溝80の深さに対応した高さの凸型条部82が形成される。そして、溝80を容器101の開口部102の縁部103の内側に沿って形成することで、
図39に示すように、凸型条部82を、容器101の開口部102の縁部103の内端に沿い、且つ、容器101の開口部102の縁部103の内面側に接するように形成することができる。なお、
図39は、蓋体1を容器101に配置した一例を示す断面図である。
【0153】
このような凸型条部82が形成されていることで、容器101の開口部102を覆うように蓋体1を配置する際に、容器101に対する蓋体1の位置あわせを行うことが容易となる。
【0154】
[2-2 作用及び効果]
第2実施形態にかかる蓋体1によれば、液体を収容した容器101の開口部102に対して蓋体1を接合した場合に、蓋体1の露出面70上に容器101内部から液体が漏れ出たとしても、蓋体1の外側に液体がこぼれる前に、溝80に液体が流れ落ちるようにすることが可能となる。また、溝80が第1部分に向かって深くなるように形成されている場合には、溝80に流れこんだ液体を第1部分の位置に向かって流下させることができる。そして、第1部分を引き上げて小開口部6を露出させることで液体を小開口部6から容器内へと垂れ落ちるようにすることができる。なお、
図38に示すように、第5の実施形態についても、第4の実施形態と同様に、小開口部6は、第1部分3Bを変位させた際に形成されており、例えば、ヒンジ部7、第2部分の向き合い面3Hに対応する部分と、縁部3Gとで囲まれた部分に形成される。
【0155】
また、溝80が第1部分3Bに形成されている場合、
図40に示すように、再閉蓋状態を形成する場合に第1部分3Bを容器101の縁部103に押し付けた際、第1部分3Bは、その溝80の位置でややたわみを生じ、そのたわみからの回復力により容器101の縁部103を強く押し付けることができ、第1部分3Bと縁部103との接触をより強めることができると考えられる。これにより、第1部分3Bで小開口部6をよりしっかりと塞ぐことができる。
【0156】
[2-3 変形例]
第5の実施形態の変形例について述べる。
【0157】
(変形例1)
図36に示す第5の実施形態にかかる蓋体では、溝80の形成数は、複数でもよい。また、溝80のレイアウトについて、
図36に示すように、溝80は、同心状に複数形成されてもよい。
図36は、第5の実施形態の変形例1にかかる蓋体1の平面図である。この第5の実施形態の変形例1に示すように溝80の形成数が複数である場合、開口部102の径の異なる複数種類の容器101に対して、1種類の蓋体1を多種類の容器101の開口部102を覆うために用いることができる。
【0158】
(変形例2)
第5の実施形態にかかる蓋体では、溝80が環状に形成されている場合に、
図37に示すように、本体2が、蓋体1の平面視上、溝80よりも内側領域に対応する部分(内側領域部90)のほうが、溝80よりも外側領域に対応する部分(外側領域部91)よりも上側に位置しているように形成されていてもよい。
図37は、第5の実施形態の変形例2にかかる蓋体1の一実施例を示す断面図である。第5の実施形態の変形例2にかかる蓋体1によれば、液体を収容した容器101に蓋体1を取り付けた場合に、蓋体1の露出面70の内側領域部90上に液体が漏れ出たとしても、液体を蓋体1の露出面70上で内側領域部90から溝80に流れ込ませやすくなる。
【0159】
[3 第6の実施形態]
[3-1 構成]
(蓋体)
第3実施形態にかかる蓋体1においては、
図41に示すように、第2部分3Dに、接合領域Rの内側(内側領域Rn)に、接合領域Rの非形成面(露出面70)の所定領域を凹状にした凹み部85が形成されていてもよい。
図41は、第3実施形態にかかる蓋体1の一実施例を示す図である。第6の実施形態にかかる蓋体1は、凹み部85を形成している他の構成(変位容易化構造5b等)については第4の実施形態と同様であるので、それらの説明を省略する。
【0160】
(凹み部)
凹み部85は、第2部分3Dにおいて接合領域Rの内縁RAから本体2の中央に向かった所定の位置までの領域に形成されている。また、
図41の例では、凹み部85の底面87は、接合領域Rの内縁RAのうち第1部分3Bに対応した部分から最も遠い位置を基準位置STPとした場合に、基準位置STPから第1部分3Bに向かって下り傾斜した傾斜面を有している。ただし、このことは、凹み部85の底面87が平面であることを禁止するものではない。
【0161】
(隆起部)
蓋体1においては、凹み部85の形成面(露出面70)とは逆面側の位置が隆起部86となっていることが好ましい。この場合、隆起部86の外周端が、容器101の開口部102の縁部103の内面側に接するように形成されていることが好ましい。また、隆起部86の高さは、容器101の開口部102に対してズレを生じにくい程度の高さを確保されていることが好ましい。このような隆起部86は、蓋体1にエンボス加工を施すことで実現することができる。エンボス加工により、蓋体1の露出面70側に凹み部85が形成され、凹み部85の形成位置に対応する逆面側の位置に凹み部85の深さに対応した高さの隆起部86が形成される。そして、凹み部85の輪郭形状が容器101の開口部102に沿う形状となるように凹み部85が形成されることで、隆起部86を、容器101の開口部102の縁部103の内面側に接するように形成することができる。
【0162】
[3-2 作用及び効果]
第3実施形態にかかる蓋体1によれば、液体を収容した容器101の開口部102に対して蓋体1を接合した場合に、蓋体1の露出面70上に容器101内部から液体が漏れ出たとしても、蓋体1の外側に液体がこぼれる前に、凹み部85に液体が流れ落ちるようにすることが可能となる。
【0163】
[3-3 変形例]
第6の実施形態の変形例について述べる。
【0164】
(変形例)
第6の実施形態にかかる蓋体1によれば、
図42に示すように、凹み部85が本体2の全体に形成されていてもよい。
図42は、第6の実施形態の変形例にかかる蓋体1の一実施例を示す図である。第6の実施形態の変形例にかかる蓋体1では、凹み部85は本体2の外周縁2Aから本体2の中央に向かってすり鉢状に沈み込む形状となっている。第6の実施形態の変形例にかかる蓋体1によれば、液体を収容した容器101の開口部102に対して蓋体1を接合した場合に、蓋体1の露出面70上のどの位置に液体が漏れ出たとしても、蓋体1の外側に液体がこぼれる前に、凹み部85に液体が流れ落ちるようにすることが可能となる。
【0165】
[4 適用例]
第4の実施形態にかかる蓋体1は、
図29、
図30等に示すように蓋体付き容器150に用いることができる。
図29、
図30は、それぞれ第1実施形態にかかる蓋体1を、開口部102を有する容器101の開口部102の縁部103に接合させた実施例を示す斜視図及び断面図である。蓋体付き容器150は、容器101と蓋体1とが接合する接合部151を有しており、接合部151を形成する蓋体1の領域が接合領域Rとなる。蓋体1と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。以下では第4の実施形態にかかる蓋体1を蓋体付き容器150に使用した場合を例として説明する。
【0166】
容器101は、上方向にむかって径が太くなるような筒状の側壁104と底面部106を有し内部に空間部105を形成する本体と、本体の上端(側壁104の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器は口部を矩形状に形成されてもよい。容器は、蓋体で口部を被覆できるものであればよい。また、容器の内部に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0167】
図29,
図30に示す容器では、開口部102の縁部103に、容器の本体を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部109が形成されていたが、容器101はこれに限定されない。開口部102の縁部103に側壁104の端面が露出していてもよいし、開口部102の縁部103に、容器101の開口部102の外側に向かって延びるつば部が形成されていてもよい。
【0168】
また、第4の実施形態にかかる蓋体は、口部を有する容器との組み合わせとされてもよい。
【0169】
上記した[4 適用例]で示したことは、第4の実施形態にかかる蓋体1を用いる場合に限定されず、第5の実施形態から第6の実施形態についても同様である。
【0170】
本発明にかかる蓋体の第7の実施形態から第9の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0171】
[1 第7の実施形態]
[1-1 構成]
(蓋体)
第7の実施形態にかかる蓋体1は、
図44等を用いて後述するように容器101の開口部102の端縁から外側方向の部分として特定される縁部103に沿って接合されて用いられるものである。したがって、蓋体1は、開口部102を有する容器101に対して縁部103に接合される接合領域Rを形成することが可能となるように形成される。また、蓋体1は、容器101の開口部102に接合された状態において開口部102を覆うように、縁部103に取り付けられた状態(縁部103に接合された状態)を形成することが可能な形状に形成される。
【0172】
蓋体1は、
図43に示すように、容器101の開口部102の上端側に形成された縁部103に接合される接合領域Rを有する。
図43は、蓋体1の一実施例を示す図である。容器101としては、開口部102の端縁に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器101が、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。
【0173】
蓋体1は、
図43A、
図43B等に示すように、本体2を備える。蓋体1では、本体2に接合領域Rが含まれる。
図43A、
図43Bは、それぞれ蓋体1の他の実施例の一つを示す平面図と断面図である。
【0174】
(接合領域)
接合領域Rは、容器101の開口部102の上端に形成される端縁102Aから外側方向の部分として特定される縁部103に蓋体1が取り付けられた場合に、蓋体1の面のうち開口部102に対する対向面のうち縁部103に接合される領域を示す。また、蓋体1において、本体2のうち接合領域Rを形成する部分を接合領域対応部5と呼ぶ。接合領域Rは、
図43A、
図43Bの例では、容器101の開口部102に応じた形状で開口部102に沿っておおむね環状に形成される領域に対応している。またこの場合、接合領域対応部5は、接合領域Rを含む環状部分として定められる。蓋体1と容器101との接合領域Rが、連続的に接合されていない場合には、隣り合う接合領域Rで挟まれた部分についても接合領域対応部5に含まれるものとする。
【0175】
接合領域Rの幅(内外方向に沿った幅)(すなわち接合領域対応部5の幅)は、開口部102の縁部103の幅と同じ又はその幅よりも細い幅であることが通常である。ただし、このことは接合領域Rの幅が、開口部102の縁部103の幅よりも太いことを禁止するものではない。また、接合領域Rは、本体2の外周縁2Aよりも内側に形成されてもよいし、本体2の外周縁2Aまで形成されていてもよい。
【0176】
蓋体1の平面視上(すなわち本体2の平面視上)、接合領域Rの内縁端(すなわち接合領域対応部5の内縁端5c)は、
図43の例では、開口部102の端縁からやや外側に位置しているが、これは一例であり、開口部102の端縁102Aの直上からおおきく外側に位置してもよいし、開口部102の端縁102Aの直上に位置してもよいし、開口部102の端縁102Aの直上よりも内側であってもよい。なお、蓋体1の平面視上とは、
図43A、
図43BにおいてはZ軸方向に沿って+Z側から-Z側に向かう方向を視線方向として蓋体1を見た場合を示すものとする。本体2の平面視上についても、蓋体1の平面視上と同様に+Z側から-Z側に向かう方向を視線方向として本体2を見た場合を示す場合として定められる。
【0177】
なお、蓋体1の平面視上、本体2のうち、接合領域Rの内側の領域は、内側領域Rnと称呼されることがある。また、接合領域Rの上とは、蓋体1の平面視上、蓋体1の接合領域Rに対応した部分の上面側(露出面70側)であることを示すものとする。
【0178】
(本体)
本体2は、
図43Aに示すように、蓋体1を容器101の開口部102の上に取り付けられた状態において開口部102と縁部103を覆う。本体2は、接合領域Rに対応する部分(接合領域対応部5)を有しており、接合領域Rを含む外側部72と、外側部72の内縁72Aから内側の部分で構成された内側部72Dとを有する。なお、内外方向については、本体2の中心CTから外側に向かう方向を外側方向とし、本体2の外周縁2Aから中心CTに向かう方向を内側方向とする。
【0179】
(外側部)
蓋体1の平面視上における、本体2のうち、接合領域Rの内縁(すなわち接合領域対応部5の内縁端5c)から外側の部分を、外側部72と称呼する。
【0180】
(内側部)
蓋体1の平面視上における、接合領域Rの内側(すなわち接合領域対応部5の内側)とは、蓋体1のうち接合領域Rを形成する部分の内側を形成する部分を示すものとする。この部分を、内側部72Dと称呼する。
【0181】
(第1の部分と第2の部分)
本体2は、第1の部分3Cと第2の部分3Eを備える。
図43の例では、第1の部分3Cと第2の部分3Eとの境界で構成される境界部5aは、案内部6Aとヒンジ部7とを有する。案内部6Aとヒンジ部7との組み合わせで、第1の部分3Cの回動を容易化する変位容易化構造を形成することができる。
【0182】
(第1の部分)
第1の部分3Cは、本体2のうち、その本体2を容器101の縁部103に接合させた状態で開口部102を露出させるように上方向に回動される部分として定められた部分を示す。ここに、第1の部分3Cが回動するとは、第1の部分3Cが後述するヒンジ部7を軸として回転するように変位することを示す。第1の部分3Cが回動する場合には、第1の部分3Cの形状に変形が伴ってもよい。第1の部分3Cを上方向に回動させることは、例えば、第1の部分3Cを引き上げることで実現することができる。第1の部分3Cの形状は特に限定されないが、
図43A等の例では、蓋体1の平面視上、おおむね半円状の形状に形成されている。また、この例では、第1の部分3Cは、内側部72D(すなわち接合領域対応部5の内側)に形成されている。
【0183】
(第2の部分)
第2の部分3Eは、本体2のうち第1の部分3Cを除く部分を示す。
【0184】
(境界部)
本体2において、境界部5aは、非回動状態における第1の部分3Cと第2の部分3Eの境界として定めた部分を示す。非回動状態とは、本体2の状態のうち、第2の部分3Eに対して第1の部分3Cを回動させことを規制された状態を示すものとする。例えば、非回動状態は、蓋体1の未使用時においては第1の部分3Cを回動させていない状態となる。
【0185】
(案内部とヒンジ部)
境界部5aは、案内部6Aとヒンジ部7とを有する。
【0186】
ヒンジ部7は、上方変位状態を形成する場合に第1の部分3Cの回動軸となる部分で定められる。なお、上方変位状態は、第2の部分3Eに対して第1の部分3Cを上方向(
図43Bの例では+Z側の変位をもたらす方向、+F方向)に回動させた本体2の状態として特定される。
【0187】
なお、第1の部分3Cを上方向に回動させるとは、第1の部分3Cを水平面(
図43Aの例では本体2の上面(露出面70)にも対応し、X軸とY軸で張られたXY平面に対応する)に対して垂直に交差する平面の面方向に沿った方向に回動する場合のほか、第1の部分3Cを水平面に対して斜めに交差する平面の面方向に沿った方向に回動する場合も含まれる。
【0188】
案内部6Aは、上方変位状態を形成する場合に第1の部分3Cと第2の部分3Eとの分離を生じさせようとする位置を定める。案内部6Aは、上方変位状態を形成する場合に第1の部分3Cと第2の部分3Eとの分離を生じることを予定された位置を規定する部分として定められる。
【0189】
(案内部)
図43A、
図43Bの例においては、案内部6Aは、境界部5aのうち、ヒンジ部7の端部(一方の端部7A、他方の端部7B)を基端として、ヒンジ部7から離れる方向に延びる部分として特定される。この例では、案内部6Aの一方の端部6Dがヒンジ部7の一方の端部7Aに繋がり、案内部6Aの他方の端部6Eがヒンジ部7の他方の端部7Bと繋がっている。
【0190】
また、案内部6Aは、ヒンジ部7から離れる方向に凸状の形状に形成され、前端部6Fを有しており、また、線状(曲線状)に延びている。ただし、これは一例であり、案内部6Aの形状は、凸状に限定されず、また、案内部6Aは、
図43Aに示すような線状(曲線状)とは異なる状態で形成さてもよい。
【0191】
(案内部と接合領域との位置関係)
図43Aの例では、案内部6Aは、接合領域Rの内側に形成されており、すなわち内側部72Dに形成されている。案内部6Aは、第1の部分3Cを第2の部分3Eに対して回動させる場合に、第1の部分3Cと第2の部分3Eとの分離構造が形成される部分となることができる。
【0192】
(案内部と開口部との位置関係)
また、
図43Aの例では、案内部6Aは、容器101に蓋体1を接合した状態で、おおむね容器101の開口部102の端縁102Aの直上(+Z方向側)よりやや内側に沿った位置となるように形成されている。ただし、これは一例であり、案内部6Aの少なくとも一部が、開口部102の端縁102Aの直上に位置してもよく、また、端縁102Aに沿っていなくてもよく、案内部6Aは、蓋体1の平面視上、開口部102の端縁102Aよりもおおきく内側に位置してもよいが、第1の部分3Cを下方向に回動させて下方変位状態を形成した場合に第1の部分3Cを容器101の内周面104Aに接触させやすくする観点からは、開口部102の端縁102Aの直上又は端縁102Aよりも外側に位置していることが好ましい。
【0193】
案内部6Aの構造は、特に限定されないが、上記したように脆弱化構造となっている。ただし、このことは、案内部6Aが切込構造以外の構造であることを規制するものではない。
例えば、案内部6Aは、切込構造を有してもよい。
【0194】
なお、本明細書において、切込構造は、容器101に蓋体1を取り付けた場合に開口部102に対する非対向面(露出面70)側から対向面(裏面)まで全体に貫通したスリット状の貫通構造を示す。脆弱化構造は、例えばミシン目構造やハーフカット構造のように、その構造を付与されていない部分に比べて変位させるために要する力を少なくすることができるような構造部分を示す。
【0195】
ミシン目構造は、露出面70から裏面まで貫通する切込部と、切り込みを避けた連続部とが交互に形成された構造を示す。ハーフカット構造は、本体2を形成する材料の厚み方向に貫通することを避けながら部分的に切り込まれた部分的切り込み部を形成した構造(部分的切込構造)を示す。なお、ハーフカット構造は、本体2を構成する材料に対する切り込みの深さを特に限定されない。
【0196】
案内部6Aでは、部分的に構造が異なってもよい。例えば、案内部6Aの前端部6F近傍ではハーフカット構造が形成されており、そのほかの部分では切込構造が形成されてもよい。案内部6Aの前端部6F付近が接合領域対応部5に位置している場合、案内部6Aの全体が切込構造であっても、意図せず第1の部分3Cが開くことが容器101と蓋体1との接合構造(接合部151)によって抑制されている。
【0197】
(ヒンジ部)
図43A、
図43Bの例に示すように、境界部5aは、ヒンジ部7を有している。この例では、案内部6Aのそれぞれの端部6D、6Eに対してヒンジ部7の端部7A、7Bがつながっている。ヒンジ部7の構造は、切込構造以外であれば特に限定されず、非形成構造でもよいし、脆弱化構造でもよい。非形成構造とは、切込構造及び脆弱化構造の形成を省略されている部分であることを示すものとする。すなわち、ここにいう非形成構造は、第1の部分3Cを上方向又は下方向に回動させた際にヒンジ部7が顕在化するように本体2が構成されていることを示す。
【0198】
蓋体1の使用時には、第1の部分3Cを第2の部分3Eに対して立ち上げられる。このとき、おおむね案内部6Aに沿って第1の部分3Cと第2の部分3Eが分離しながらヒンジ部7を軸として第1の部分3Cが第2の部分3Eに対して回動しながら徐々に立ち上がる。ヒンジ部7は、第1の部分3Cと第2の部分3Eの分離部分をスムーズに形成する観点からは脆弱化構造を形成していることが好ましい。ただし、これは一例であり、上述したようにヒンジ部7を非形成構造としてもよい。
【0199】
(ヒンジ部と接合領域との位置関係)
図43Aの例では、ヒンジ部7は、接合領域Rの内側に形成されており、すなわち内側部72Dに形成されている。ただしこれは一例であり、ヒンジ部7は、蓋体1の平面視上、その少なくとも一方の端部(7A、7B)が接合領域Rの直上に形成されてもよいし、接合領域Rの外側に形成されてもよい。
【0200】
(ヒンジ部と開口部との位置関係)
また、
図43Aの例では、ヒンジ部7の端部7A、7Bは、容器101に蓋体1を接合した状態で、おおむね容器101の開口部102の端縁102Aの直上よりもやや内側の位置となるように形成されている。ただし、これは一例であり、ヒンジ部7の少なくとも一方の端部(7A、8B)が、開口部102の端縁102Aの直上に形成されてもよいし、端縁102Aの直上よりも外側の位置に形成されてもよい。ヒンジ部7の端部7A、7Bは、第1の部分3Cを下方向に回動させて下方変位状態を形成した場合に第1の部分3Cを容器101の内周面104Aに接触させやすくする観点からは、蓋体1の平面視上、開口部102の端縁102Aの直上又は端縁102Aよりも外側に位置していることが好ましい。
【0201】
(露出口)
なお、
図44に示すように第1の部分3Cが変位された状態(上方変位状態)では、開口部102から空間部105を露出させる露出口6Hが形成される。蓋体1によれば、飲料やお味噌汁等の液体類を空間部105に注入された容器101の開口部102に蓋体1を取り付けられた場合に、使用者が蓋体1の露出口6Hを飲み口として容器101の内部の液体類を摂取することができる。
【0202】
(下方変位状態)
本体2は、
図43B、
図44に示すように、下方変位状態を形成できるように構成されている。ここに、下方変位状態とは、本体2の状態のうち、ヒンジ部7を回動軸として第2の部分3Eよりも下方向(
図43Bの例では-Z側の変位をもたらす方向、-F方向)に第1の部分3Cを押し下げた状態(下方向に第1の部分3Cを回動させた状態)として定められる。第1の部分3Cを下方向に回動させるとは、第1の部分3Cを水平面(
図43Aの例では、本体2の上面(露出面70)にも対応し、XY平面に対応する)に対して垂直に交差する平面の面方向に回動する場合のほか、第1の部分3Cを水平面に対して斜めに交差する平面の面方向に回動する場合も含まれる。
図43A、
図43Bの例では、第1の部分3Cを下方向に回動させる場合には、第1の部分3Cがヒンジ部7を回動軸として-F方向に回動する。
【0203】
本体2の第1の部分3Cが上方変位状態となるように回動した後に第1の部分3Cが露出口6Hを再び塞ぐように第1の部分3Cが下方向に押し下げられた場合に、第1の部分3Cは非回動状態に対応する位置に戻される。さらに、第1の部分3Cが下方向に押されることで、ヒンジ部7を回動軸として第2の部分3Eよりもさらに下方向に第1の部分3Cを押し下げた状態として定められる。特に、蓋体1の全体が、紙系素材を有する構造となっている場合には、本体2も紙系素材を有するため、第1の部分3Cに撓みが生じた状態を形成することができ、第1の部分3Cに下方向の撓みを有する状態で、第2の部分3Eよりもさらに下方向に第1の部分3Cを押し下げた状態を形成することができる。
【0204】
なお、後述するタブ部材31が第1の部分3Cに設けられている場合には、第1の部分3Cのうちタブ部材31を接合させている部分(後述するタブ接合部18)は、第1の部分3Cのうち他の設けられている部分(タブ接合部18以外の部分)よりもこしが強い。このように、タブ部材31が第1の部分3Cに設けられている場合には、第1の部分3Cにこしの強さに差を付与することができるため、特に効率的に、タブ部材31を接合したタブ接合部18の部分の近傍を下方に突出させるように第1の部分3Cに下方向の撓みを有する状態を形成できる。このため、蓋体1を容器101に接合した状態で下方変位状態が形成された場合に第1の部分3Cにおける撓みからの回復力により、第1の部分3Cをより強く容器101の内周面104Aに接触させることが可能となる。
【0205】
(タブ部材)
図43A、
図43Bなどの例に示すように、蓋体1は、第1の部分3Cにタブ部材31を取り付けられていることが好ましい。第1の部分3Cにおけるタブ部材31の取り付け位置や取り付け方向は特に限定されるものはないが、
図43A、
図43Bの例では、タブ部材31は、第1の部分3Cの先端寄り(前端寄り)の位置(すなわち案内部6Aの前端部6Fの近傍)において第1の部分3Cと接合している。このとき、タブ部材31と第1の部分3Cとの接合部分はタブ接合部18と称呼される。この例では、タブ接合部18は、タブ部材31の一端部21Aに形成されている。また、この例では、第1の部分3Cの先端寄りの位置に、タブ接合部18が形成されている。タブ部材31を第1の部分3Cに接合するための方法(すなわちタブ接合部18の形成方法)は、超音波接合やヒートシール、接着剤による接合などといった各種の方法を例示することができる。タブ接合部18の形成方法としては、上記したもののうち接合のしやすさや接合の強度等といった観点から、超音波接合が好ましい。第1の部分3Cにおけるタブ接合部18の形成位置は、タブ部材31を持ち上げることで第1の部分3Cを立ち上げることを容易とする観点からは、第1の部分3Cの中央部からずれた位置であることが好ましい。また、この観点から、第1の部分3Cにヒンジ部7から離れた位置、且つ、本体2の中央部から離れた位置に取り付けられていることが好ましい。すなわち、タブ部材31は、第1の部分3Cの先端寄りの位置に取り付けられていることが好ましい。
【0206】
第1の部分3Cにおいて、タブ部材31がヒンジ部7よりも離れた先端寄りの位置において接合されていれば、ヒンジ部7(支点)に対する力点までの距離を広げることができる。
【0207】
(摘み部)
図43Aの例では、タブ部材31は、タブ部材31の一端部21Aを第1の部分3Cに接合されており、タブ部材31の他端部21Bに摘み部を形成している。摘み部24は、タブ部材31をつまむことができる程度の大きさと形状に形成されていれば、特にその形状や構造を限定されるものではない。
【0208】
(タブ部材の向き(取り付け方向))
蓋体1においては、
図43Aの例では、タブ部材31の一端部21Aよりも、タブ部材の他端側が、前記本体の中心側に位置している。ただしこれは一例であり、タブ部材の向きは
図43Aの例に示す方向以外の向きとなっていてもよい。例えば、タブ部材の一端部よりも、タブ部材の他端側が、本体の外側に向けられるように位置していてもよい。
【0209】
[1-2 作用及び効果]
第7の実施形態にかかる蓋体1は、
図44に示すように、容器101の縁部103に接合されて用いられることができるものである。したがって、蓋体1は、開口部102を有する容器101に対して縁部103に接合される接合領域Rを形成することが可能となるように形成される。容器101は、開口部102から下方向に向かって開口径が小さくなるように、すなわち下方向に向かって先細り形状となるように形成されているものを好適に用いることができる。また、容器101と蓋体1との接合力をより強める観点から、容器は、上端縁部にフランジ部を有するものであることが好適である。なお、これらのことは蓋体1を取りつけられる容器101の形状を限定するものではない。ただし、容器のスタッキング性を考慮すれば、容器は、その外周面についても、底面部にむかって先細りする形状に形成されていることが好適である。また、フランジ部は、
図43では、外方向に延び出た平面状の構造となっているが、フランジ部の構造はこれに限定されない。フランジ部の形状は、外向きにカールが形成された構造を有してもよい。
【0210】
第7の実施形態にかかる蓋体1によれば、下方変位状態を形成可能となるように第1の部分3Cが形成されており、容器101に蓋体1を接合した状態で、蓋体1の平面視上、案内部6Aが開口部102の端縁102Aの近傍に形成されている。容器101の内周面104Aが底面部106に向かって先細り形状となっている場合には、
図45に示すように、想定領域の少なくとも一部を容器101の内周面104Aよりも外側に位置させるか、または、想定領域が容器101の内周面104Aに接するようにすることができる。ただし、想定領域とは、第1の部分3Cに撓みを生じることなく第1の部分3Cを下方向に押し下げた場合に想定される案内部6Aの通過する領域を示す。
図45は、蓋体1を容器101に取り付けた場合に、蓋体1の本体2が下方変位状態を形成している状態の一実施例を示す平面図である。
【0211】
また、想定領域の一部が容器101の内周面104Aよりも外側に位置する場合おいて、第1の部分3Cが紙系素材等に例示されるような撓み性を有する素材で形成されている場合には、第1の部分3Cが第2の部分3Eに対してよりも下方向に変位させた場合に、第1の部分3Cに撓みを生じながら、第1の部分3Cの外周縁(案内部6Aに対応する部分)を容器101の内周面104Aに接触させた状態を形成することが可能となる。また、想定領域が容器101の内周面104Aに接する場合には、第1の部分3Cが第2の部分3Eに対してよりも下方向に変位させた場合に、第1の部分の外周縁(案内部6Aに対応する部分)を容器101の内周面104Aに接した状態を形成することが可能となる。このような場合、
図44、
図45に示すように、容器101の空間部105のうち蓋体1の下側面(露出面70とは逆側の面)と容器101の内周面104Aで囲まれた空間の部分(部分空間)が閉鎖され、容器101の空間部105の少なくとも一部(部分空間)を再閉鎖した状態を形成することができる。なお、第1の部分3Cが第2の部分3Eに対して上方向に回動した状態(上方変位状態)で、露出口6Hが形成された状態を開蓋状態と呼ぶことがある。また、第1の部分3Cが下方に回動した状態(下方変位状態)となって、空間部105の部分空間がおおむね閉鎖された(閉鎖された)状態(すなわち蓋体1で空間部105の部分が覆われた状態)を閉蓋状態と呼ぶ。一旦、開蓋状態が形成された後に再び閉蓋状態となった状態(空間部105の部分空間が再閉鎖された状態)を再閉蓋状態と呼ぶ。なお、
図44において、上方変位状態の一例として+F方向に第1の部分3Cを回動させた状態を第1の部分3Cを実線で示した位置からおおむね上側の部分に破線で示している。また、
図44には、下方変位状態の一例として-F方向に第1の部分3Cを回動させた状態を第1の部分3Cを実線で示した位置からおおむね下側の部分に破線で示している。これは、
図47についても同様である。
従来の蓋体及び蓋体付き容器は、内部に飲料などの液体が収容された場合、蓋体の内容物を摂取するために、使用者は、蓋体を形成するフィルム材を剥して容器の口部を露出させていた。この場合、その後、露出した口部の部分を再び蓋体で覆われた状態(再閉蓋状態と呼ぶことがある)にしようとしても、蓋体で口部を覆った状態が解除されやすい。さらには、蓋体で口部を塞いで蓋体と口部との間に大きさの隙間ができやすく、このような場合、蓋体と口部の隙間から液体が漏れ出やすくなりがちであった。したがって、蓋体には、蓋体付き容器で用いられた場合における再閉蓋状態の安定性を向上させる点で改善が求められていた。この点、本発明に係る蓋体によれば、上記した従来の課題を解決し、再閉止時が簡単にでき、かつ再閉止時の密閉性も確保することが可能になる。
【0212】
次に、第7の実施形態にかかる蓋体1の変型例について述べる。変形例には、上記に示す蓋体1の実施例にさらに構成を追加したものや削除したもの等について例示される。
【0213】
[1-3 変型例]
(変形例1)
第7の実施形態にかかる蓋体1においてタブ部材31が設けられている場合にあっては、タブ部材31に係止部が設けられていてもよい。このような形態を、第7の実施形態の変型例1と称呼する。
【0214】
(係止部)
係止部は、蓋体1において第1の部分3Cを引き上げた場合に第1の部分3Cの位置を維持することを可能とする係止構造を形成する部分である。第7の実施形態の変型例1にかかる蓋体1においては、係止部の構成は特に限定されない。
【0215】
例えば、係止部は、
図49A、
図49Bに示すように、保持部23を例示することができる。保持部23としては、タブ部材31の面方向に対して下向きに突出することができるように形成されている構造を例示できる。ここでは、係止部が保持部23である場合を例として説明を続ける。なお、このことは、係止部を保持部23とする場合に蓋体1を限定するものではない。係止部は、蓋体1や容器101の所定の位置に対して係止されることで、タブ部材31の変位を規制できるような構造であればよい。
【0216】
(保持部)
保持部23は、タブ部材31における一端部21Aと他端部21Bとの間の位置に形成されていることが好ましい。また、タブ部材31に切込み線23Aを入れることによってタブ部材31を折り曲げた際に爪状に突出した部分を形成できるように構成されたものを例示することができる。保持部23の形状は三角形状を例示することができるが、これに限定されない。例えば、保持部23の形状は半円形状や四角形状などの多角形状、楕円形状などの形状を任意に採用して用いることができる。
【0217】
(係止受部)
第7の実施形態の変型例1においては第2の部分3Eに、係止受部が設けられてもよい。係止受部は、第2の部分において係止部を受入れ可能な形状に形成されている。係止受部の位置は、係止部の位置に応じて定めされてよい。係止受部の形成位置については、タブ部材31を引き上げることで第1の部分3Cを立ち上げ、さらに第2の部分3Eの上面側に折り返し、そして第1の部分3Cとともにタブ部材31を第2の部分3Eの上面側に重ねた場合(上方変位状態を形成した場合)に、係止部に対して向かい合う位置に、係止受部が形成されていることが好適である。
【0218】
係止受部は、特に限定されるものではないが、
図49A、
図49Bの例では、第2の部分の所定の位置に形成された線状の切り込み(差し込み部26)で形成されている。差し込み部26は、本体2の厚み方向に沿って本体2を貫通する切り込み部分となっている。差し込み部26に保持部23が差し込まれることで、タブ部材31の位置が維持されやすくなり、上方変位状態を維持しやすくなる。なお、差し込み部26は、係止受部の一例であり、係止受部の構成は、差し込み部26に限定されない。例えば、蓋体1において係止部が形成されているのとは反対側に位置する端縁部に保持部23を引っ掛ける等して係止することとしてもよいし、これ以外の構成であってもよい。
【0219】
(変形例2)
第7の実施形態にかかる蓋体1では、蓋体1の平面視上、ヒンジ部7の少なくとも一部が接合領域Rの外周端(すなわち接合領域対応部5の外端5D)よりも内側に形成されており、
図43Aの例では、ヒンジ部7が、接合領域Rの外周端よりも内側に形成されていた。
【0220】
第7の実施形態にかかる蓋体1においては、
図43Aの例に限定されず、
図50A、
図50Bに示すように、ヒンジ部7の少なくとも一方の端部(端部7Aと端部7Bの少なくともいずれか一方)が、蓋体1の平面視上、接合領域Rに重なるように配置されてよい。このとき、接合領域Rに重なるヒンジ部7の端部(端部7Aと端部7Bの少なくともいずれか一方)を除く他の部分が、内側部72Dに形成されていてもよい。このような形態を、第7の実施形態の変型例2と称呼する。変形例2では、ヒンジ部7が接合領域Rの外周端(接合領域対応部5の外端5D)よりも内側に形成されている状態となっている。この場合、案内部6Aについては、
図50Aに示すように案内部6Aの一部を接合領域Rの内側(内側部72D)に位置させていてもよいし、
図50Bに示すように案内部6Aを接合領域Rに位置させていてもよい。
【0221】
第7の実施形態の変型例2によれば、例えばヒンジ部7の端部7Aが接合領域Rに位置している場合で、ヒンジ部7の端部7Aと案内部6Aの端部6Aが繋がっている場合には、案内部6Aの端部6Dを接合領域Rに位置させることができる。これにより、蓋体1を容器101に取り付けた状態で蓋体1を下方変位状態とすることで容器101を蓋体1で再閉鎖する際において、案内部6Aの端部6Dでもより確実に容器101の空間部105の部分空間を閉鎖した状態とすることができる。これは、ヒンジ部7の端部7Bが接合領域Rに位置している場合で、ヒンジ部7の端部7Bと案内部6Aの端部6Dが繋がっている場合についても同様である。
【0222】
(変形例3)
第7の実施形態にかかる蓋体1においては、本体2を容器101の縁部103に接合させた場合に、本体2の平面視上(蓋体1の平面視上)、ヒンジ部7の少なくとも一方の端部(端部7Aと端部7Bの少なくともいずれか一方)が、開口部102の端縁102Aよりも外側に位置していてもよい。
【0223】
(変形例4)
図43Aの例では、案内部6Aが、接合領域Rの外周端よりも内側に形成されていた場合の例が示されている。第7の実施形態にかかる蓋体1は、これに限定されず、案内部6Aの一部が外側部72に形成されていてもよい。このような形態を、第7の実施形態の変型例4と称呼する。第7の実施形態の変型例4では、案内部6Aの一部が内側部72Dに形成されている。第7の実施形態の変型例4においては、例えば、
図51Bに示すように、案内部6Aの前端部6Fを含む所定の部分が外側部72に形成され、案内部6Aのその他の部分が内側部72Dに形成されてもよい。この場合、案内部6Aの一部が外側部72に形成されていることで、蓋体1の平面視上、案内部6Aの一部を接合領域Rに重なる位置とすることができ、第1の部分3Cの一部を接合領域Rに位置させることができるようになる。これにより、案内部6Aが切込構造を有していても、意図せずに第1の部分3Cが回動することが規制される。
【0224】
(変形例5)
第7の実施形態にかかる蓋体1においては、本体2を容器101の縁部103に接合させた場合に、
図51Aに示すように、接合領域対応部5と案内部6Aとの離間距離がヒンジ部7に近い位置(端部6D、6E)から案内部6Aの前端部6Fに向かって徐々に変化するように形成されていてもよい。このような形態を、第7の実施形態の変型例5と称呼する。第7の実施形態の変型例5にかかる蓋体1では、非回動状態では、本体2の平面視上、案内部6Aは、案内部6Aの延びる方向に沿ってヒンジ部7と案内部6Aとがつながる位置(端部6D、6E)から離れた位置ほど、接合領域Rに対応した部分から離間するように形成されている。
【0225】
第7の実施形態にかかる蓋体1によれば、本体2を容器101の縁部103に接合させた場合に、蓋体1が下方変位状態とされた際、第1の部分3Cのうちヒンジ部7に近い部分でより密接に容器101の内周面104Aに対して第1の部分3Cを密着させた状態を形成することが容易となる。
【0226】
(変形例6)
第7の実施形態にかかる蓋体1においては、
図43Aの例では、第1の部分3Cと第2の部分3Eとの境界部5aのヒンジ部7の位置を本体2の中央付近に配置しているが、ヒンジ部7の位置は、本体2の中央付近とは異なる位置とされてよい。ただし、蓋体1を容器101の縁部103に接合させた場合にあって、下側変位状態を形成した場合に、第1の部分3Cの外周縁が容器101の内周面104Aに接するようにヒンジ部7の位置が定められる。第1の部分3Cは、
図52Aに示すように、ヒンジ部7の位置が案内部6Aの前端部6Fにより近い位置に配置されてもよい。第1の部分3Cは、
図52Bに示すように、ヒンジ部7の位置が案内部6Aの前端部6Fにより遠い位置に配置されてもよい。
【0227】
次に、第8の実施形態について説明する。
【0228】
[2 第8の実施形態]
[2-1 構成]
(蓋体)
第8の実施形態にかかる蓋体1は、
図46A、
図46Bに示すように第7の実施形態と同様に、本体2を有しており、本体2に接合領域Rが形成される。また、第8の実施形態にかかる蓋体1は、第7の実施形態と同様に、内側部72Dと外側部72とを有する。ただし、第8の実施形態にかかる蓋体1においては、第7の実施形態で説明されたタブ部材31が省略されてよい。第8の実施形態の説明では、第7の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0229】
第8の実施形態にかかる蓋体1は、突出部11が形成されており、第1の部分3Cの一部が接合領域Rを横断し、且つ、第1の部分3Cうち接合領域Rを横断した部分が突出部11に連なっている(繋がっている)。
【0230】
(延出部)
突出部11は、本体2の外周縁2Aのうち所定の一部分から外側に向かって突出した部分である。この突出部11は、第1の部分3Cを第2の部分3Eに対して回動させる際に第1の部分3Cを引き上げる摘みとして機能することができるような大きさ及び形状に形成されている。例えば、突出部11の先端部11Aやその近傍の部分をつまんだ状態で引き上げることで突出部11の変位に伴って、後述するように突出部11に連なる第1の部分3Cが引き上げられる。
【0231】
(第1の部分と第2の部分)
第8の実施形態では、本体2は、第1の部分3Cと第2の部分3Eを有しているが、第1の部分3Cが上記したように突出部11に繋がっているように形成されている。第1の部分3Cと第2の部分3Eの境界部5aは、第7の実施形態と同様に案内部6Aとヒンジ部7を有する。ただし、案内部6Aは、第7の実施形態と異なり、本体2において突出部11とヒンジ部7との間の領域(間部領域RV)を横断することを避けるように形成されている。
図46Aの例では、案内部6Aとして、案内部6Aの一方の端部6Dを基端とする第1の案内部60と、案内部6Aの他方の端部6Eを基端とする第2の案内部61とが形成されている。第1の案内部60は、その基端(端部6A)からヒンジ部7から離れるように間部領域RVに近づく方向に向かって弧状に延び、間部領域RVのやや外側の位置で突出部11に向かって曲がり、本体2の外周縁(蓋体1の外周縁2A)まで延び出ている。第2の案内部61は、第1の案内部60と同様に、第2の案内部61の基端(端部6D)からヒンジ部7から離れるように間部領域RVに近づく方向に向かって弧状に延び、間部領域RVのやや外側の位置で突出部11に向かって曲がり、本体2の外周端(蓋体1の外周縁2A)まで延び出ている。ただし、これは一例であり、第1の案内部60と第2の案内部61の構成は、この例に限定されるものではない。なお、
図46Aにおいては、間部領域RVは、2点鎖線で囲まれた領域で示されている。このことは、
図53A、
図54Aについても同様である。
【0232】
例えば、第1の案内部60は、端部6Aからヒンジ部7から離れるように間部領域RVに近づく方向に向かって弧状に延び、間部領域RVのやや外側の位置に端部を形成していてもよい。第2の案内部61についても、第1の案内部60と同様に、端部6Dからヒンジ部7から離れるように間部領域RVに近づく方向に向かって弧状に延び、間部領域RVのやや内側の位置に端部を形成していてもよい。この場合、未使用時には第2の部分3Eと第1の部分3Cとが部分的に境界の喪失した状態となっており、上方変位状態又は下方変位状態の形成に合わせて(突出部11を引き上げて案内部6Aに沿って本体2の一部を立ち上げ、露出口6Hを露出させる場合に)第1の部分3Cが形成される。
【0233】
第8の実施形態にかかる蓋体1では、第7の実施形態と同様に、
図47、
図48に示すように、下方変位状態を形成可能となるように第1の部分3Cが形成されている。
図47は、蓋体1を容器101に取り付けた場合の一実施例を示す断面図である。
図48は、蓋体1を容器101に取り付けた場合に、蓋体1の本体2が下方変位状態を形成している状態の一実施例を示す平面図である。
【0234】
[2-2 作用及び効果]
第8の実施形態にかかる蓋体1は、第7の実施形態と同様に、容器101の縁部103に接合されて用いられることができるものである。
【0235】
第8の実施形態にかかる蓋体1によれば、蓋体1の使用時(容器101の縁部103に接合されて用いられる場合)には、突出部11を引き上げることで第1の部分3Cが第2の部分3Eに対して立ち上げられる。このとき、おおむね案内部6Aに沿って第1の部分3Cと第2の部分3Eが分離しながらヒンジ部7を軸として第1の部分3Cが第2の部分3Eに対して回動しながら徐々に立ち上がる。このとき、第8の実施形態にかかる蓋体1では、上方変位状態が形成される。
【0236】
第8の実施形態にかかる蓋体1によれば、第7の実施形態と同様に、下方変位状態を形成可能となるように第1の部分3Cが形成されている。また、容器101に蓋体1を接合した状態で、蓋体1の平面視上、案内部6Aが開口部102の端縁102Aの近傍に形成されている。このため、例えば、第1の部分3Cが第2の部分3Eに対してよりも下方向に変位させた場合に、
図48に示すように、第1の部分3Cの外周縁(案内部6Aに対応する部分)を容器101の内周面104Aに接触させた状態を形成することが可能となる。なお、突出部11は、第1の部分3Cに繋がっており、第1の部分3Cに追従するように形状に撓みや変形を付与されながら、容器101の内周面104Aに接触させた状態を形成することができる。
【0237】
したがって第8の実施形態にかかる蓋体1によれば、上方変位状態を形成することで開蓋状態を形成した後に、再閉蓋状態を形成することができる。
【0238】
次に、第7の実施形態にかかる蓋体1の変型例について述べる。
【0239】
[2-3 変型例]
(変形例1)
第8の実施形態にかかる蓋体1においては、
図53A、
図53Bに示すように、折り曲げ補助部が形成されていてもよい。このような形態を、第7の実施形態の変型例1と称呼する。
【0240】
(折り曲げ補助部)
折り曲げ補助部12は、蓋体1を容器101の縁部103に接合した状態で、蓋体1に下方変位状態を形成する際に、延出部が第1の部分3Cに対して立ち上がる位置を案内する部分となっている。
【0241】
折り曲げ補助部12は、本体2を容器101の縁部103に接合させた場合に、本体2の平面視上、第1の部分3Cには、突出部11からヒンジ部7に向かった位置(間部領域RVの内側の位置)、且つ、開口部102の端縁102Aよりも内側の位置(本体2の中央寄りの位置)に折り曲げ補助部12が形成されている。折り曲げ補助部12は、
図53の例では、切込構造を有しているが、これに限定されず、脆弱化構造を有してもよい。
【0242】
(変形例2)
第8の実施形態にかかる蓋体1においては、突出部11に係止部が設けられていてもよい。係止部は、第7の実施形態の変型例1で説明した係止部と同様に構成されてよい。例えば、係止部は、
図54A、
図54Bに示すように、保持部23でもよい。保持部23は、第7の実施形態の変型例1で説明した保持部23と同様に形成されてよい。ただし、保持部23は、突出する方向が保持部23とは逆向きであることが好適である。
【0243】
(係止受部)
第8の実施形態の変型例2においては第2の部分に、係止受部が設けられてもよい。係止受部は、第7の実施形態の変型例1で説明した係止受部と同様に構成されてよい。例えば、係止受部は、
図54A、
図54Bに示すように、差し込み部26でもよい。差し込み部26は、第7の実施形態の変型例1で説明した差し込み部26と同様に形成されてよい。ただし、差し込み部26を形成される位置は、ヒンジ部7を軸として第1の部分3Cを折り返して第2の部分3Eに第1の部分3Cを向かい合わせた場合に保持部23に向き合わせることが可能な位置であることが好適である。保持部23に向き合わせることが可能な位置となる場合には、第1の部分3Cを撓ませた状態で差し込み部26と保持部23とを向い合せることができる場合も含まれる。
【0244】
[3 第9の実施形態]
[3-1 構成]
(蓋体)
第9の実施形態にかかる蓋体1は、
図55A、
図55Bに示すように、本体2に接合領域Rに低接着性領域RPEが形成され、低接着性領域RPEとヒンジ部7との間の領域(間部領域RV)を横断することを避けるように案内部6Aが形成されており、且つ、突出部11を省略したことを除き、第8の実施形態にかかる蓋体1と同様に形成されている。
図55Aの例では、低接着性領域RPEは、一点鎖線で囲まれた領域で示されている。
【0245】
(接合領域)
第9の実施形態にかかる蓋体1は、本体2の接合領域Rに低接着性領域RPEが形成されている。低接着性領域RPEは、接合領域Rにおいて低接着性領域RPEの外側の接着性と低接着性領域RPEの接着性を比較した場合に、接着性の低い部分(剥離容易な部分)として特定される。
【0246】
(案内部)
案内部6Aは、低接着性領域RPEとヒンジ部7との間の領域(間部領域RV)を横断することを避けるように形成されている。これは、例えば、案内部6Aとして、第8の実施形態で説明したように第1の案内部60と第2の案内部61を形成することで実現することができる。
図55A、
図55Bの例では、第1の案内部60と第2の案内部61はいずれも間部領域RVのやや内側で曲がって本体2の外縁部71Cに向かって延び、低接着性領域RPEを横断している。ただし、これは一例であり、案内部6Aの構成は、
図55A、
図55Bに限定されない。なお
図55Aの例では、間部領域RVは、二点鎖線で囲まれた領域で示されている。
【0247】
[3-2 作用及び効果]
第9の実施形態にかかる蓋体1は、第8の実施形態と同様に、容器101の縁部103に接合されて用いられることができるものである。第9の実施形態にかかる蓋体1では、第8の実施形態で説明した突出部11にかえて外側部72のうち低接着性領域RPEから外側の領域を摘み部として用いることで、第8の実施形態で説明したように、上方変位状態及び下方変位状態を形成することができる。そして、第9の実施形態にかかる蓋体1によれば、第8の実施形態と同様に、再閉蓋状態を形成することができる
【0248】
[4 適用例]
第7の実施形態から第8の実施形態にかかる蓋体1は、
図44や
図47等に示すように蓋体付き容器150に用いることができる。
図44、
図47は、それぞれ第7の実施形態、第8の実施形態にかかる蓋体1を、開口部102を有する容器101の開口部102の端縁102Aから外側の部分である縁部103に接合させた実施例を示す断面図である。蓋体付き容器150は、容器101と蓋体1とが接合する接合部151を有しており、接合部151を形成する蓋体1の領域が接合領域Rとなる。蓋体1と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。以下では第7の実施形態にかかる蓋体1を蓋体付き容器150に使用した場合を例として説明する。
【0249】
図44等に示す例では、容器101は、上方向にむかって径が太くなるような(下方向に向かって先細りするような)筒状の側壁104と底面部106を有し内部に空間部105を形成する容器本体110と、容器本体110の上端(側壁104の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器101は開口部102を矩形状に形成されてもよい。容器101は、蓋体1で開口部102を被覆できるものであればよい。また、容器101の内部(空間部105)に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0250】
図44に示す容器では、開口部102の端縁102Aから外側の部分で形成される縁部103は、フランジ部108を有している。フランジ部108は、
図44、
図47等に示すように容器本体110を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部であってもよいし、外側方向に平面上に延びる部分(つば部)として形成されてもよい。
【0251】
また、第7の実施形態にかかる蓋体1は、開口部102を有する容器101との組み合わせとされてもよい。
【0252】
また、
図64及び
図65に示すように、小蓋部を開いたときに、該小蓋部の裏側に付着した水滴などを容器内へ流れ落とすことができるような構成にすることが好ましい。このような構成としては、
図64に示すようにしてタブ部材31に形成されている保持部23を摘み部に形成された孔状の保持受部26に下側から挿入して小蓋部13が開いた状態を維持する際、小蓋部13の開いた部分が水平、又は蓋体1において小蓋部13にタブ部材が取り付けられている一端側を上端部として、該上端部から蓋体の中央へ向く方に向かって下り傾斜するように構成することが好ましい。このように小蓋部13を配置することで、開封時に蓋体の裏面に付着した水滴などを容器内に流し落とすことができ、蓋体を操作するとき、例えば使用者が一度開けた小蓋部13を再度閉じようとするときなどに、蓋体の裏面に付着した水滴などで手を濡らしたり汚すことを大きく低減することが可能になる。また。このときに、水滴をより容器内へスムーズに流れ落とすために、蓋体に水滴を案内する案内部500を形成することがより好ましい。案内部500の形状は種々考えられ、例えば、蓋体1の成形時に予めエンボス加工などにより筋状の案内部500を形成しておくことや、また使用者が蓋体を開けようとするときに、蓋体が折り曲げやすくなるように所定の加工をしておくことが好ましい。また、小蓋部を一度開けた後に再封止する場合、小蓋部が再封止した状態を維持しやすくする趣旨で、小蓋部13の輪郭線に沿った形状の少なくとも一部に、
図67に示すような波形形状501などを採用することが好ましい。このような形状にすることで、小蓋部が引っかかりやすくなり、再封止した後の状態を維持しやすくすることも可能になる。
【0253】
上記した[4 適用例]で示したことは、第7の実施形態にかかる蓋体1を用いる場合に限定されず、
図47に示すように第8の実施形態にかかる蓋体1を用いる場合にも適用できる。また、[4 適用例]で示したことは、第9の実施形態についても同様に適用されてよい。
【0254】
次に、本発明に係る蓋体の第10の実施形態から第13の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0255】
[1 第10の実施形態]
[1-1 構成]
(蓋体付き容器)
第10の実施形態にかかる蓋体付き容器150は、容器101と、容器101に取り付けられる蓋体1とを備える。また、蓋体付き容器150は、容器101と蓋体1とを接合する接合部50を有する。また、第10の実施形態では、蓋体1の小蓋部3に別体のタブ部材31が設けられている場合を例として説明するが、これは一例であり、小蓋部にタブ部材が設けられていない場合を排除するものではない。また、タブ部材は、小蓋部とは別体のものを小蓋部に設けている場合に限定されず、タブ部材に対応する部分が小蓋部に一体的に形成されていてもよい。また、第10の実施形態の説明では、蓋体付き容器150の平面視上、容器101の横断面において容器101の形状が円形状である場合を例としているが、容器101の形状はこれに限定されず、容器101の横断面において容器101の形状が矩形状でも多角形状でも曲線と直線を組み合わせた形状であってもよい。
【0256】
(蓋体)
蓋体1は、容器101の後述する縁部103に沿って容器101に接合されて用いられるものである。
図56の例では、蓋体1の平面視上、蓋体1の外周輪郭の形状がおおむね円形であるが、これに限定されず、例えば蓋体1の外周輪郭の形状が矩形状や楕円形状などであってもよい。蓋体1は、容器101の後述する開口部102の少なくとも一部を覆うことができるような形状に形成されている。
図56の例では、蓋体1は、小蓋部3で小開口部6を閉じた状態(小開口部6の領域が小蓋部3でおおむね覆われた状態)において開口部102の全域を被覆するように形成されている。なお、開口部102の全域を被覆する場合には、開口部102を完全に覆いつくす場合や、容器内の空気を外部に逃がすための小孔や所定の機能を有するスリット部や切り欠き部などの細かな孔構造を蓋体1の本体部や小蓋部に形成されている場合が含まれる。
【0257】
蓋体1は、小開口部6を有する本体2と、小開口部6を覆う小蓋部3を備える。また、
図56の例に示すように、蓋体1は、小蓋部3に接続されるタブ部材31を備えられてよい。蓋体1では、小蓋部3と小開口部6とで開口形成部4が形成される。
【0258】
(本体部)
本体2は、後述する接合部50を形成する部分を有し、ヒンジ部7を介して小蓋部3に繋がっている。
図56の例では、本体2は、小蓋部3を持ち上げて小開口部6を形成する前の状態において、小蓋部3に対し、ヒンジ部7の他に、本体2の小開口部6の端縁部と小蓋部3の端縁部とを連結する接続構造17で繋がっていることが好ましい。接続構造17の構造は、本体2の小開口部6の端縁部と小蓋部3の端縁部とが向き合う部分の長手方向に沿った所定の位置で、局所的に小開口部6の端縁部と小蓋部3の端縁部とを連結した構造となっている。なお、接続構造17は、
図56Bに示すようなミシン目構造(
図56Bでは、切断部18Bと接続構造17の交互配置構造)であってもよいし、
図58に示すようにハーフカット部16であってもよい。また、この場合、ハーフカット部16は、本体2の小開口部6の端縁部に沿って小開口部6の端縁部(外周縁3Aをなす部分)の全域に形成されてもよいし、局所的に形成されてもよい。このハーフカット部16の構造は、蓋体1の厚み方向に切り込まれた切込み深さが接続構造17の全体に亘って一定の深さとなるように形成されていてもよいし、切込み深さの深い箇所と浅い箇所とが交互に繰り返されるように形成されていても良い。また、切込み深さがある一方の箇所から他方の箇所に向けてだんだんと深さが変化するように形成されていてもよい。ハーフカット部16の切込み深さをこのように変化させて形成することによって、小蓋部3の開けやすさと小蓋部3を開封する前の状態での接続構造17における接続強度を強く維持することが可能になる。なお、この接続構造17は、ミシン目構造とハーフカット構造とを組み合わせて形成してもよい。ここでのミシン目構造とハーフカット構造との組み合わせとは、ミシン目構造のように切り込まれた箇所と切り込まれていない箇所とが交互に繰り返して形成されており、かつ切り込まれた箇所の切込みが蓋体1の厚み方向に貫通せずに蓋体1に対して所定深さだけ切り込まれるように形成されている態様である。なお、このときの切り込まれた箇所の切込み深さは、それぞれ同じにしてもよいし、場所に応じて変化させてもよい。また一つの切込みにおける切込み深さを変えるように形成してもよい。
【0259】
(開口形成部)
図56等に示すように、開口形成部4は、小蓋部3の変位に伴い小開口部6が開閉する部分として定義される。開口形成部4は、小開口部6及び小蓋部3を有している部分として定められる。開口形成部4は、
図56に示すように小蓋部3が小開口部6を閉じている状態と、小蓋部3が変位して小開口部6が開口している状態となるように形成されている。開口形成部4は、蓋体1の中心CTから外側へ向かう方向(外方向)の所定位置まで中心CTからずれた位置に形成されている。
【0260】
開口形成部4は、容器101に蓋体1を取り付けた状態で小蓋部3を開くと、容器101の空間部105が小開口部6を通じて視認することができるように構成される。
【0261】
(小開口部)
小開口部6は、容器101に対する蓋体1の対向面73Aと容器101に対する蓋体1の非対向面(蓋体1の露出面70)を貫通形成するように形成される。小開口部6は、蓋体1の平面視上、接合部50に対応する部分の内側に開口部102よりも開口面積の小さな状態となるように形成されている。小開口部6は、蓋体付き容器150において、容器101の空間部105にある内容物(例えば飲料物や飲食物など)の出入口を開口形成するためのものである。本体2に対して小蓋部3を引き上げた場合に、小開口部6が露出する。
【0262】
(小蓋部)
蓋体1には、小蓋部3が設けられている。小蓋部3は、小開口部6を開閉可能に被覆する。
図56の例では、小蓋部3は、本体2に対して引き上げた状態に変位できるように形成されており、小蓋部3を引き上げる際に小開口部6が形成される。
【0263】
図56の例に示す蓋体1においては、小蓋部3は、蓋体1の平面視上、接合部50に対応する部分よりも内側(中心CT側)に設けられている。
図56に示す例では、小蓋部3に対してタブ接合部18で接合されたタブ部材31の動きに連動して、小蓋部3が持ち上げられた状態となるように小蓋部3が変位(回動)する。本体2と小蓋部3はヒンジ部7で繋がっている。ヒンジ部7を支軸として小蓋部3が持ち上げられるにつれ、小開口部6が露出する。なお、
図56の例では、蓋体1の平面視上、蓋体1の露出面70を形成する部分のうち小蓋部3を除いた部分が本体2となる。
【0264】
小蓋部3の形状や構造は、特に限定されない。また、小蓋部3の形状は、
図56に示すように、小蓋部3の外周縁3Aの少なくとも一部が接合部50に対応する部分(接合部50を形成する部分)に沿って延びているような輪郭形状を有していることが好ましい。
図56の例の場合、小蓋部3の外周縁3Aのうち前端縁部75Aの形状が、接合領域Rの内側端に沿った形状となっている。また、このとき、前端縁部75Aの形状は縁部103の内側端に沿った形状となりやすい。このような小蓋部3の形状は第10の実施形態にかかる蓋体1の小蓋部3に適用されてよい。以下、蓋体1の説明では、特に明示しない限り、
図56に示すような小蓋部3が用いられている場合を例として説明を続ける。なお、
図56に示す小蓋部3の例では、外周縁3Aは、前端縁部75A、前端縁部75Aとヒンジ部7とをつなぐ側端縁部76で構成されている。
【0265】
小蓋部3の外周縁3Aは、上述したように接続構造17で本体2に繋がっていてもよい。
【0266】
第11の実施形態にかかる蓋体1においては、小蓋部3が立ち上げられることで小開口部6が露出した後においても小蓋部3で小開口部6を覆う状態とすることができる。小蓋部3が立ち上げられた状態では、小開口部6が露出した状態となる。この状態を開蓋状態と呼ぶ。小蓋部3で小開口部6が覆われた状態を閉蓋状態と呼ぶ。
【0267】
蓋体1においては、開蓋状態となった後でも閉蓋状態とされることが可能であり、閉蓋状態とされた場合に小蓋部3の外周縁3Aの端面(外周端面)に本体2の小開口部6の位置に形成された端面が向かい合うことができる。
【0268】
(ヒンジ部)
上述したように、蓋体1には、ヒンジ部7が形成されており、ヒンジ部7は、本体2に対して小蓋部3を回動可能に繋ぐ。ヒンジ部7は、接続構造17と同様にミシン目構造やハーフカット部であってもよい。
【0269】
(タブ部材)
タブ部材31は、
図56の例に示すように他端部16Bを含む部分で形成された摘み部24を有する。
【0270】
図56の例では、タブ部材31は、タブ部材31の一端部16Aで小蓋部3に接合されており、この接合によりタブ接合部18が形成されている。小蓋部3におけるタブ接合部18に対応する部分の位置は限定されないが、
図56の例では、タブ接合部18が小蓋部3の先端寄りの部分(一端部14Aに近い位置)に接合されている。
【0271】
(接合部)
蓋体付き容器150においては、蓋体1と容器101の接合される部分として接合部50が形成されている。接合部50は、互いに幅の異なる部分として少なくとも幅太部51と、幅太部よりも幅の細い幅細部52とを有する。接合部50の幅は、蓋体1の平面視上、接合部50の長手方向(矢印F方向)を直交する方向且つ本体2の面方向に沿った接合部50のサイズを示す(
図56、
図58から
図61においてH1、H2)。
【0272】
接合部のうち相対的に幅の太い部分として定められた部分が幅太部51(幅がH1)として特定され、幅太部51を除く部分(幅太部51の幅以下の幅となる部分(幅がH2))を幅細部52として定められる。幅太部51と幅細部52の境界位置は、幅太部51に含まれるものとして定義される。したがって、幅太部51から幅細部52に向かって接合部50が徐々に幅細になる場合は、徐々に幅細になる部分は幅太部51に含まれるものとする。接合部50は、幅太部51の長手方向(矢印F方向)に沿った2つの端部に幅細部52が繋がった状態となる。これにより、幅太部51と幅細部52との境界近傍に負荷された力を幅細部のほうに逃すことができる。
【0273】
(幅太部と小蓋部の配置)
蓋体付き容器150においては、幅太部51と小蓋部3の配置が次に示す条件1を満たしている。
【0274】
条件1: 小開口部を小蓋部で被覆した状態で、蓋体の平面視上、蓋体の中心を起点として幅太部に交差する半直線を想定した場合に、少なくとも1つの半直線が、小蓋部に交差する。
【0275】
図56の例では、少なくとも蓋体の中心を起点として幅太部51に交差する半直線M1は、小蓋部3の存在領域を通過しており、すなわち小蓋部3に交差している。半直線M1は、幅太部51の中心CLから幅太部51の長手方向Fに沿ってややずれた位置に交差する半直線となっている。
【0276】
(容器)
容器101は、上方向にむかって径が太くなるような筒状の側壁部107と底面部106を有し内部に空間部105を形成する本体と、本体の上端(側壁部107の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は縁部103で囲まれており、縁部103は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器101は縁部103を矩形状に形成されてもよい。容器101は、蓋体1で開口部102を被覆できるものであればよい。また、容器101の内部に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
図57に示す容器101では、縁部103に、容器101の本体部101Aを形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部109が形成されていたが、容器101はこれに限定されない。縁部103に側壁部107の端面が露出していてもよいし、縁部103に、容器101の開口部102の外側に向かって延びるつば部が形成されていてもよい。
【0277】
[1-2 製造方法]
蓋体付き容器150は、蓋体1を容器101の開口部102の上に配置し、蓋体1と容器101とを接合して接合部50を形成することで製造することができる。蓋体1と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着や、ヒートシール等の接合方法と適宜用いることができる。
【0278】
[1-3 作用及び効果]
第10の実施形態にかかる蓋体付き容器150によれば、接合部50は、互いに幅の異なる部分を有し、幅太部51と蓋体1の中心とを結ぶ半直線の少なくとも一つが、蓋体の平面視上、小蓋部に交差する。これにより小蓋部及び小開口部の少なくとも一部の近くに幅太部が位置した状態が形成されやすくなり、小蓋部及び小開口部の近傍部分の強度が強く、小蓋部及び小開口部から離れた部分の強度が相対的に強くなりにくくなる。このため、小蓋部を摘まんで引き上げた場合に、小蓋部に力がかかっても、幅太部により小開口部の形状を安定させやすくなる。また、小蓋部にかかる力を幅細部に逃がしやすくすることができる。
【0279】
[2 第11の実施形態]
上記第10の実施形態の説明においては、蓋体付き容器には、タブ部材31が設けられていた。タブ部材31は、第10の実施形態で説明したものに限定されない。
図59に示すように、第10の実施形態にかかる蓋体付き容器であって、タブ部材31で小蓋部3を引き上げた状態とした場合にタブ部材31を着脱自在に固定する固定構造形成部21が設けられていてもよい。以下、この実施形態を、第11の実施形態と称呼する。
図59は、第11の実施形態にかかる蓋体付き容器に用いられる蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0280】
(固定構造形成部)
固定構造形成部21は、タブ部材31を引き上げた状態でタブ部材31の位置を着脱自在に固定することができる構造であれば特に限定されない。例えば、
図59の例では、固定構造形成部21は、爪部23Bと受部25とで形成されている。爪部23Bは、摘み部を折り曲げることで下方向に突出する部分となっている。また、受部25は、本体2にスリット状に形成されている。受部25は、小蓋部3を引き上げてタブ部材31を本体2上に位置させた場合に爪部23Bに向かい合う位置に形成されている。
【0281】
(作用及び効果)
第11の実施形態にかかる蓋体付き容器150によれば、固定構造形成部21が設けられていることで、小蓋部3を引き上げて小開口部6を形成した状態を維持することができる。
【0282】
[3 第12の実施形態]
上記第10の実施形態の蓋体付き容器においては、第10の実施形態で示した条件1の他に、
図60に示すように、幅太部51と小蓋部3の配置が後述する条件2を満たしていてもよい。以下、この実施形態を、第12の実施形態と称呼する。
図59は、第11の実施形態にかかる蓋体付き容器に用いられる蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0283】
幅太部51と小蓋部3の配置について、条件2は次の通りである。
【0284】
条件2: 小開口部を前記小蓋部で被覆した状態で、蓋体の平面視上、ヒンジ部の中心は、前記半直線のうち蓋体の中心を起点として幅太部の長手方向に沿った幅太部の中央を通る線から外れた位置に形成されている。
【0285】
図60に示す例では、蓋体1の平面視上、ヒンジ部の中心HPは、前記半直線のうち蓋体の中心CTを起点として幅太部51の長手方向に沿った幅太部51の中心CLを通る線(半直線MCL)から外れた位置に形成されている。なお、ヒンジ部7の中心HPとは、ヒンジ部7の2つの端部7A、15Bの中間位置を示す。
【0286】
(作用及び効果)
第12の実施形態にかかる蓋体付き容器150によれば、ヒンジ部7の中心CTが半直線MCLからずれていることで、ヒンジ部7の一方の端部7Aに対する幅太部51の中心CLの離間距離と他方の端部7Bに対する幅太部51の中心CLの離間距離を異ならせることができる。例えば、幅太部51の中心CLに対して端部7Bが近く、端部7Aが遠い位置となるように配置することができる。この場合、小蓋部3を引き上げる際に、端部7Aの形状が端部7Bよりも変動しやすくなり、小蓋部3のうち持ち上がりやすい部分と相対的に持ち上がりにくい部分を形成させることができ、小蓋部3を一度に持ち上げずに部分的に徐々に持ち上げることが容易となる。
【0287】
[4 第13の実施形態]
上記第10の実施形態の蓋体付き容器においては、
図61に示すように、接合部50は、幅太部51と幅細部52を複数個所に形成していてもよい。この実施形態を、第4の実施形態と称呼する。
図61は、第13の実施形態にかかる蓋体付き容器に用いられる蓋体の一実施例を模式的に示す平面図である。
【0288】
次に、本発明に係る蓋体の第14の実施形態について説明する。
【0289】
(蓋体)
蓋体1は、容器101の開口部102の縁部103に沿って接合されて用いられるものである。蓋体1は、容器101の開口部102に接合された状態において開口部102を覆うような形状に形成される。蓋体1は、
図62に示すように、容器101の開口部102の縁部103に接合される接合領域Rを有する。
図62は、蓋体1の一実施例を示す図である。
【0290】
(接合領域)
接合領域Rは、容器101の開口部102に応じた形状で開口部102に沿って環状に形成される領域である。接合領域Rの幅W(内外方向に沿った幅)は、開口部102の縁部103の幅と同じ又はその幅よりも細い幅であることが通常である。ただし、このことは接合領域Rの幅Wが、開口部102の縁部103の幅よりも太いことを禁止するものではない。また、接合領域Rは、蓋体1の外周端71Dよりも内側に形成されてもよいし、
図62に示すように、蓋体1の外周端71Dまで形成されていてもよい。
図62は、蓋体1の一実施例を示す平面図である。
【0291】
蓋体1は、小開口部6を有する本体2と、小開口部6を覆う小蓋片13と、タブ部材31と、を備える。蓋体1では、小蓋片13と小開口部6とで開口形成部4が形成される。
【0292】
(開口形成部)
図62等に示すように、開口形成部4は、上記したように小開口部6及び小蓋片13を有している。開口形成部4は、小蓋片13及び小開口部6は、
図62に示すように小蓋片13が小開口部6を閉じている状態と、小蓋片13が開いて小開口部6が開口している状態となるように形成されている。開口形成部4は、蓋体1の中央部から外側へ向かう方向の所定位置までずれた位置に設けられている。
【0293】
開口形成部4は、容器101に蓋体1を取り付けた状態で小蓋片13を開くと、容器101の空間部105が小開口部6を通じて視認することができるようになっている。
【0294】
(開口部)
開口形成部4を構成する小開口部6は、容器101に対する蓋体1の対向面と容器101に対する蓋体1の非対向面(蓋体1の露出面70)を貫通形成するように形成される。小開口部6は、例えば蓋体1を容器101に取り付けた場合には、容器101の空間部105にある内容物(例えば飲料物や飲食物など)の出入口を開口形成するためのものである。蓋体1では、小蓋片を引き上げた場合に、小開口部6が露出するように形成される。
【0295】
(小蓋片)
蓋体1には、小蓋片13が設けられている。小蓋片13は、本体に対して引き上げた状態に変位できるように形成されており、蓋体1では、小蓋片13を引き上げる際に小開口部6が形成される。
【0296】
図62の例に示す蓋体1においては、小蓋片13は、蓋体1の平面視上(上下方向を視線方向)、蓋体1の露出面70のうち接合領域Rの内側に対応する領域(以下、単に接合領域Rの内側の領域、又は内側領域Rnと呼ぶことがある)に設けられている。小蓋片13は、接合領域Rを含む本体2に連結されている。
図62に示すように、蓋体1においては、小蓋片13に対して第1接合部210Aで接合されたタブ部材31の動きに連動して、小蓋片13が持ち上げられた状態となるように小蓋片13が変位する。小蓋片13は、本体2と小蓋片13との連結部分をヒンジ部としており、連結部分を支軸として小蓋片13が持ち上げられるにつれ、小開口部6が露出する。小蓋片13は、蓋体1の平面視上、接合領域Rの内側に設けられている。以下では、小蓋片13の外周縁3Aのうち、小蓋片13が持ち上げられる際の支軸となる連結部分(ヒンジ部)をヒンジ連結部74と呼ぶ。なお、本体2は、蓋体1の平面視上、蓋体1の露出面70を形成する部分のうち小蓋片13を除いた部分で構成される。
【0297】
小蓋片13の形状や構造は、特に限定されない。また、小蓋片13の形状は、
図62に示すように、小蓋片13の外周縁3Aの少なくとも一部が接合領域Rの内側端に沿って延びているような輪郭形状を有していることが好ましい。
図62の例の場合、小蓋片13の外周縁3Aのうち前端縁部75Aの形状が、接合領域Rの内側端に沿った形状となっている。また、このとき、前端縁部75Aの形状は開口部102の縁部103の内側端に沿った形状となりやすい。このような小蓋片13の形状は第1実施形態にかかる蓋体1の小蓋片13に適用されてよい。以下、蓋体1の説明では、特に明示しない限り、
図62に示すような小蓋片13が用いられている場合を例として説明を続ける。なお、
図62に示す小蓋片13の例では、外周縁3Aは、前端縁部75Aとヒンジ連結部74、前端縁部75Aとヒンジ連結部74とをつなぐ側端縁部76で構成されている。
【0298】
小蓋片13の外周縁3Aは、ヒンジ連結部74を除いた部分について、本体2に対して切断された状態である切断部を形成していてもよいし、部分的に接合された状態である脆弱部を形成していてもよい。脆弱部は、小蓋片13と本体2との境界に沿って切込み線が設けられることで形成することができる。脆弱部は、小蓋片13と本体2との境界で、短い長さの切込み線と点状接合部を交互に並べた構造(ミシン目構造)を設けることや、
図62の例に示すように、ハーフカット構造が形成されることで形成することができる。ハーフカット構造は、蓋体1の厚み方向に所定の深さまで切り込まれた構造を示すことができる。このとき、ハーフカット構造における切り込みの深さは、蓋体1の厚みの半分以上、蓋体1の厚み未満であることが好ましい。なお、ヒンジ連結部74については、脆弱部であってもよい。
【0299】
本実施形態にかかる蓋体1においては、小蓋片13が立ち上げられることで小開口部6が露出した後においても小蓋片13で小開口部6を覆う状態とすることができる。小蓋片13が立ち上げられた状態では、小開口部6が露出した状態となる。この状態を開蓋状態と呼ぶ。小蓋片13で小開口部6が覆われた状態を閉蓋状態と呼ぶ。
【0300】
蓋体1においては、
図62に示すように、開蓋状態となった後でも閉蓋状態とされることが可能であり、閉蓋状態とされた場合に小蓋片13の外周縁3Aの端面73a(外周端面)に本体2の小開口部6の位置に形成された端面が向かい合うことができる。このとき、本体2の端面のうち小蓋片13の外周縁3Aの端面73aに向かい合う部分が向き合い面となる。第2実施形態にかかる蓋体1においては、外周縁3Aの端面73aと向き合い面が接触して接触部を形成することが好ましい。この場合、蓋体1では、閉蓋状態で、接触部でしっかりと小開口部6を覆った状態を形成することができる。ただし、蓋体1においては、開蓋状態となった際に小蓋片13と本体2とが分断されている部分を生じるため、通気性を確保することができ、小蓋片13と本体2の間から蒸気を通じることは可能となる。
【0301】
(タブ部材)
タブ部材31は、小蓋片13に接合する第1の部分210と、小蓋片13を引き上げた状態で本体に接合可能な第2の部分211を有する。
【0302】
図62の例では、第1の部分210は、タブ部材31の一端部21Aとなっている。第1の部分210を接合される小蓋片13の部分は限定されないが、
図62の例では、第1の部分210が小蓋片13の先端寄りの部分(一端部13aに近い位置)に接合されている。
【0303】
第2の部分211は、タブ部材における第1接合部210Aよりも他端部21b側に寄った部分となっている。タブ部材は、
図62の例に示すように他端部21bを含む部分に摘み部24を形成していることが好ましい。この場合、第2の部分211は、摘み部24よりも一端部21A側に形成されていることが好ましい。第2の部分211は、本体2に対して接合可能に形成されており、また第2の部分211の位置は小蓋片13を引き上げた状態で本体に接合可能となるような位置となっている。第2の部分211は、第1の部分210から離れた位置でもよいし、境界を接していてもよい。
【0304】
また、蓋体1の平面視上、タブ部材31を蓋体1の露出面70内に収める観点からは、
図62の例に示すようにタブ部材31は、第1の部分210よりも第2の部分211のほうが蓋体1の中心側に位置するように配置されていることが好ましい。ただし、蓋体1の中心から第1の部分210までの距離と蓋体1の中心から摘み部24までの距離が同じとなるように配置されてもよいし、タブ部材31が、第2の部分211よりも第1の部分210のほうが蓋体1の中心側に位置するように配置される場合を禁止するものではない。
【0305】
(第1接合部と第2接合部)
蓋体1では、第1の部分210で小蓋片13を接合した部分で第1接合部210Aが形成される。また、前記第2の部分211と前記本体2とが接合された部分で第2接合部211Aが形成される。
【0306】
蓋体1では、第1接合部210Aにおける第1の部分210と小蓋片13との接合の強さ(接合力)よりも第2接合部211Aにおける第2の部分211と本体2との接合の強さ(接合力)のほうが小さい。これは、例えば第1の部分210と小蓋片13とを超音波接合、ヒートシール、接着剤による接合等により固定し、第2の部分211と本体2を、再剥離性を有する粘着剤で粘着させることで実現することができる。再剥離性を有する粘着剤は、タブ部材31に固定されてよいし、本体2に固定されてもよい。また、第1の部分210、第2の部分211に粘着力の異なる粘着剤を設けてもよい。なお、第1の部分210と小蓋片13との接合力とは、第1の部分210と小蓋片13とを互いに破れずに引き離すために要する力の大きさを示す。第2の部分211と本体2との接合力とは、第2の部分211と本体2とを互いに破れずに引き離すために要する力の大きさを示す。第1の部分210と小蓋片13とを引き離す際に互いに破れを生じる場合が、接合力が最も大きい場合に該当するものとする。
【0307】
蓋体1によれば、飲み口に対応する開口部を簡単かつ衛生的に開けた状態とすることのできる蓋体を得ることができる。
【0308】
(適用例)
蓋体1は、
図63に示すように蓋体付き容器150に用いることができる。
図63は、本実施形態にかかる蓋体1を、開口部102を有する容器101の開口部102の縁部103に接合させた実施例を示す断面図である。蓋体1と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着や、ヒートシール等の接合方法と適宜用いることができる。
【0309】
容器101は、上方向にむかって径が太くなるような筒状の側壁104と底面部106を有し内部に空間部105を形成する本体と、本体の上端(側壁104の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器は口部を矩形状に形成されてもよい。容器は、蓋体で口部を被覆できるものであればよい。また、容器の内部に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0310】
図63に示す容器では、開口部102の縁部103に、容器101の本体を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部109が形成されていたが、容器101はこれに限定されない。開口部102の縁部103に側壁104の端面が露出していてもよいし、開口部102の縁部103に、容器101の開口部102の外側に向かって延びるつば部が形成されていてもよい。
【0311】
また、蓋体は、口部を有する容器との組み合わせとされてもよい。
【0312】
これまで説明したように、本発明に係る蓋体1は、このような多くの態様の蓋体1に対して適用することができる。また、上記した以外の態様の蓋体1に対しても適用することが可能である。以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明係る蓋体を例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してよい。また、上記した蓋体の構成は、それぞれの例の蓋体の構成を独立して用いてもよいし、それぞれの例の蓋体の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0313】
これまで説明したように、本発明に係る蓋体1は、このような多くの態様の蓋体1に対して適用することができる。また、上記した以外の態様の蓋体1に対しても適用することが可能である。以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明係る蓋体を例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してよい。また、上記した蓋体の構成は、それぞれの例の蓋体の構成を独立して用いてもよいし、それぞれの例の蓋体の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0314】
以上の本明細書の説明に基づき、本発明は、次に示す構成を採用されてよい。
[E1]
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成されており、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部とを有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
前記ベース部の平面視上、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の開口縁から外側に庇部を有する、
蓋体。
[E2]
前記庇部は、下記の条件1及び条件2を満たす部分として定められるマージン部である、
上記[E1]に記載の蓋体。
条件1: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部は、前記ベース部のうち前記接合領域対応部の内縁から内側且つ前記小開口部の前記開口縁から外側に形成された部分である。
条件2: 前記ベース部の平面視上、前記マージン部と前記ヒンジ部とを結ぶ線分を想定した場合に、該線分が前記小開口部の前記開口縁を通過する。
[E3]
前記ベース部の平面視上、前記マージン部の面積は、前記小開口部の面積よりも小さい、
上記[E2]に記載の蓋体。
[E4]
前記マージン部は、該マージン部の内縁と前記マージン部の外縁とが非同心状となるように形成されている、
上記[E2]又は[E3]に記載の蓋体。
[E5]
前記マージン部は、前記マージン部の外縁から前記マージン部の内縁に向かって下方に傾斜する傾斜部を有する、
上記[E2]から[E4]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E6]
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、
上記[E1]から[E5]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E7]
前記摘み部は、タブ部材を有しており、
前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、
上記[E6]に記載の蓋体。
[E8]
前記小蓋部が前記小開口部を閉鎖した場合に、前記タブ部材の一部が、前記ベース部の平面視上、前記小開口部の前記開口縁に交差する、
上記[E7]に記載の蓋体。
[E9]
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記ベース部には、前記爪部に接触する位置に受け部が設けられており、
前記爪部と前記受け部が前記保持構造形成部を形成する、
上記[E6]から[E8]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E10]
前記ベース部の外周縁に延出部を形成している、
上記[E1]から[E9]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E11]
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有し、
前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられており、
前記摘み部に爪部が設けられ、
前記延出部と前記爪部が前記保持構造形成部を形成する、
上記[E10]に記載の蓋体。
[E12]
前記延出部と前記小蓋部の先端との間に前記ヒンジ部が形成されている、
上記[E10]又は[E11]に記載の蓋体。
[E13]
前記接合領域対応部の内側の部分に陥没部が形成されている、
上記[E1]から[E12]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E14]
前記小蓋部の外周縁に張出部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記張出部に対応する凹形状部が形成されている、
上記[E1]から[E13]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E15]
前記小蓋部の外周縁に没入部が形成されており、
前記小開口部の前記開口縁には、前記没入部に対応する凸形状部が形成されている、
上記[E1]から[E14]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E16]
前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁とを繋げる接続構造が形成されており、
前記接続構造は、前記小蓋部よりも脆弱な脆弱部であり、
前記小蓋部が前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動する場合に、前記脆弱部が破壊される、
上記[E1]から[E15]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E17]
前記脆弱部は、連結部と切れ目の組み合わせ構造、及び/又は、ハーフカット構造を有する、
上記[E16]に記載の蓋体。
[E18]
紙系素材で形成されている、
上記[E1]から[E17]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E19]
前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して前記小蓋部を回動して前記小開口部を開放した状態で前記小蓋部を保持する保持構造形成部を有している、
上記[E1]から[E18]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E20]
上記[E1]から[E19]のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
[E21]
上記[E1]から[E19]のいずれか1つに記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部と前記開口部の外周を形成する前記縁部とを有する前記容器とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【0315】
また、本発明は、下記の技術的思想を包含するものである。
(F1)口部と前記口部を囲む縁部とを有する容器に対して前記口部を覆うように前記縁部に取り付けられた接合領域を形成した状態で用いられ、
前記接合領域を含む本体を有し、
前記本体は、前記本体の外周縁に定められた縁部分から前記本体の内側に向けて前記本体の一部を前記本体の他部に対して変位することが可能となるように構成された変位容易化構造を備え、
前記本体の前記一部を第1部分とし、前記本体の前記他部を第2部分とした場合に、
前記変位容易化構造は、前記縁部分の第1端部と第2端部のそれぞれから前記第1部分と前記第2部分との境界に沿って延びる案内部を有し、
前記案内部は、前記接合領域を横断する、
蓋体。
(F2)前記変位容易化構造は、さらに、前記案内部に連続し前記接合領域の内側に形成されたヒンジ部を有し、
前記第1部分を前記第2部分に対して変位させる場合に、前記第1部分が前記ヒンジ部を軸として前記第2部分に対して立ち上がる、
上記(F1)に記載の蓋体。
(F3)前記第1部分は、前記縁部分から前記本体の内側に向かって先細りした形状を有する、
上記(F1)又は(F2)に記載の蓋体。
(F4)前記本体には、前記縁部分から外側に向かって突出した突出部が設けられている、
上記(F1)から(F3)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F5)前記変位容易化構造は、前記案内部に連続し前記接合領域の内側に形成されたヒンジ部を有し、
前記突出部は、前記突出部の内側に爪部を有し、
前記第2部分は、受部を有し、
前記第1部分が前記ヒンジ部を軸として前記第2部分の上面側に折り返された場合に、
前記爪部と前記受部とが向かい合う、
上記(F4)に記載の蓋体。
(F6)前記変位容易化構造は、前記案内部に連続し前記接合領域の内側に形成されたヒンジ部を有し、
前記第2部分は、受部を有し、
前記第1部分を前記第2部分に対して変位させる場合に前記第1部分と一体的に変位し、前記第1部分が前記ヒンジ部を軸として前記第2部分の上面側に折り返された場合に、
前記突出部が前記受部に差し込み可能な位置に変位する、
上記(F4)に記載の蓋体。
(F7)前記縁部分の前記第1端部と前記第2端部のそれぞれから前記第1部分と前記第2部分との境界に沿って延びる案内部を、それぞれ第1案内部及び第2案内部とした場合に、
前記第1案内部のうち前記接合領域に重なる部分の長さと、前記第2案内部のうち前記接合領域に重なる部分の長さとが異なる、
上記(F1)から(F6)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F8)前記縁部分の前記第1端部と前記第2端部のそれぞれから前記第1部分と前記第2部分との境界に沿って延びる案内部を、それぞれ第1案内部及び第2案内部とした場合に、
前記第1案内部は、前記第1端部から前記接合領域の内縁までの部分で形成された第1外側案内部と、前記第1外側案内部を除く第1内側案内部を有し、
前記第2案内部は、前記第2端部から前記接合領域の前記内縁までの部分で形成された第2外側案内部と、前記第2外側案内部を除く第2内側案内部を有し、
前記第1内側案内部と前記第2内側案内部の少なくとも一方が前記接合領域の前記内縁沿って形成されている
上記(F1)から(F6)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F9)前記案内部は、切込構造、又は脆弱化構造を有する
上記(F1)から(F8)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F10)前記変位容易化構造は、前記第1部分の全体を前記第2部分から分離可能に形成されている、
上記(F1)から(F9)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F11)前記変位容易化構造は、前記案内部に、前記第1部分から前記第2部分に向かって突出するように湾曲した突状湾曲部を形成している、
上記(F1)から(F10)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F12)少なくとも前記第2部分には、前記接合領域の内側に、前記接合領域の非形成面を凹状にした凹み部が形成されており、
前記接合領域の内縁のうち前記縁部分から最も遠い位置を基準位置とした場合に、前記凹み部は、該基準位置から前記第1部分に向かって下り傾斜した傾斜面を有する、
上記(F1)から(F11)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F13)前記接合領域の内側には、前記接合領域の非形成面を凹状にした溝が形成されている、
上記(F1)から(F11)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F14)前記溝が第1部分を横切る曲線状に延びている、
上記(F13)に記載の蓋体。
(F15)前記溝が環状に形成されている、
上記(F13)又は(F14)に記載の蓋体。
(F16)前記本体は、前記溝よりも内側の内側領域のほうが、前記溝よりも外側の外側領域よりも上側に位置する、
上記(F13)から(F15)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F17)前記溝は、同心状に複数形成されている、
上記(F13)から(F16)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F18)前記溝は、前記第1部分に対して離れた位置から前記溝の延びる方向に沿って前記第1部分に近くなるにつれて該溝の深さが徐々に大きくなるように形成されている、
上記(F13)から(F17)のいずれか1項に記載の蓋体。
(F19)開口部を有する容器と、
上記(F1)から(F18)のいずれか1項に記載の蓋体と、を備え、
容器の開口部の端縁と蓋体の接合領域とを接合する接合部が形成されている、
蓋体付き容器。
(F20)前記接合部は、圧着法又は熱融着法により形成されている、
上記(F19)に記載の蓋体付き容器。
(F21)開口部を有する容器と、上記(F1)から(F18)のいずれか1項に記載の蓋体とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【0316】
さらに、本発明は、下記に示す技術的思想をも包含するものである。
(G1)開口部を有する容器に対して前記開口部の端縁から外側の部分で構成された上端縁部に接合される接合領域を形成することが可能となるように形成されており、
前記接合領域に対応する部分を有する本体を備え、
前記本体は、前記本体を前記容器の前記開口部の端縁に接合させた状態で前記開口部を露出させるように上方向に回動される部分として定められた第1の部分と、該第1の部分を除く第2の部分とを有し、
前記第2の部分に対して前記第1の部分を回動させることを規制された非回動状態における前記第1の部分と前記第2の部分の境界部は、前記第2の部分に対して前記第1の部分を前記上方向に回動させた状態として定められる上方変位状態を形成する場合に前記第1の部分の回動軸となるヒンジ部と、前記上方変位状態を形成する場合に前記第1の部分と前記第2の部分との分離を生じさせようとする位置を定める案内部とを有し、
且つ、前記本体は、前記ヒンジ部を前記回動軸として前記第2の部分よりも下方向に前記第1の部分を押し下げた状態として定められる下方変位状態を形成できるように構成されている、
蓋体。
(G2)前記ヒンジ部の少なくとも一方の端部は、前記本体の平面視上、前記接合領域に重なる位置に形成されている、
上記(G1)に記載の蓋体。
(G3)前記本体は、前記接合領域の内縁から外側の領域に対応する部分を有する環状の外側部と前記外側部よりも内側の部分で形成される内側部とを有し、
前記案内部の少なくとも一部は、前記内側部に形成されている、
上記(G1)または(G2)に記載の蓋体。
(G4)前記本体を前記容器の前記上端縁部に接合させた場合に、前記本体の平面視上、前記外側部が、前記開口部の前記端縁よりも外側に位置している、
上記(G3)に記載の蓋体。
(G5)前記本体を前記容器の前記上端縁部に接合させた場合に、前記本体の平面視上、前記ヒンジ部の少なくとも一方の端部が、前記開口部の前記端縁よりも外側に位置している、
上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G6)前記本体を前記容器の前記上端縁部に接合させた場合に、前記非回動状態では、前記本体の平面視上、前記案内部は、前記案内部の延びる方向に沿って前記ヒンジ部と前記案内部との境界から離間するにつれて、前記接合領域に対応した部分から離間するように形成されている、
上記(G1)から(G5)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G7)前記第1の部分に、タブ部材が接合されている、
上記(G1)から(G6)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G8)前記本体の平面視上、前記タブ部材と前記第1の部分との接合部分として定められるタブ接合部は、前記ヒンジ部よりも前記案内部の前端に近い位置に形成されている、
上記(G7)に記載の蓋体。
(G9)前記タブ部材は、該タブ部材の一端部を前記第1の部分に接合されており、
前記タブ部材は、該タブ部材の他端部に摘み部を形成している、
上記(G7)または(G8)に記載の蓋体。
(G10)前記タブ部材の前記一端部よりも、前記タブ部材の他端側が、前記本体の中心側に位置している、
上記(G9)に記載の蓋体。
(G11)前記タブ部材は、係止部を有する、
上記(G7)から(G10)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G12)前記第2の部分は、前記係止部を受入れ可能な形状に形成された係止受部を有する、
上記(G11)に記載の蓋体。
(G13)前記本体は、該本体の外周縁の一部に外方向に延出された延出部を備えており、
前記第1の部分の一部は、前記接合領域を横断しており、且つ、前記延出部に連なっている、
上記(G1)から(G6)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G14)前記本体を前記容器の前記上端縁部に接合させた場合に、前記本体の平面視上、前記第1の部分には、前記延出部から前記ヒンジ部に向かった位置、且つ、前記開口部の前記端縁よりも内側の位置に折り曲げ補助部が形成されている、
上記(G13)に記載の蓋体。
(G15)前記本体は、紙系素材により形成されている、
上記(G1)から(G14)のいずれかに記載の蓋体。
(G16)前記容器は、前記開口部から下方向に向かって開口径が小さくなるように形成されている、
上記(G1)から(G15)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G17)前記容器は、前記上端縁部にフランジ部を有する、
上記(G1)から(G16)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G18)前記下方変位状態において、前記第1の部分の前記案内部が前記容器の内周面に接触する、
上記(G1)から(G17)のいずれか1項に記載の蓋体。
(G19)前記開口部と前記開口部の端縁から外側の部分で形成される上端縁部とを有する容器と、
(G1)から(G18)のいずれか1項に記載の蓋体と、を備え、
容器の上端縁部と蓋体の接合領域とを接合する接合部が形成されている、
蓋体付き容器。
(G20)接合部は、圧着又は熱融着により形成されている、
上記(G19)に記載の蓋体付き容器。
(G21)前記容器は、前記開口部から下方向に向かって開口径が小さくなるように形成されている、上記(G19)または(G20)に記載の蓋体付き容器。
(G22)前記容器は、前記上端縁部にフランジ部を有する、
上記(G19)から(G21)のいずれか1項に記載の蓋体付き容器。
(G23)前記下方変位状態において、前記第1の部分の前記案内部が前記容器の内周面に接触する、
上記(G19)から(G22)のいずれか1項に記載の蓋体付き容器。
(G24)前記開口部と前記開口部の端縁から外側の部分で形成される上端縁部とを有する容器と、上記(G1)から(G18)のいずれか1項に記載の蓋体とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【0317】
また、本発明は、下記に示す技術的思想を包含する。
(H1)上端に形成された開口部を有する容器と、前記容器に取り付けられ且つ前記開口部を覆う蓋体とを備え、
前記容器は、前記開口部を取り囲む縁部を有し、
前記縁部に沿って前記容器と前記蓋体とを接合する接合部を有し、
前記蓋体は、前記蓋体の平面視上、前記接合部に対応する部分の内側に前記開口部よりも開口面積の小さな小開口部を形成する本体部と、該小開口部を開閉可能に被覆する小蓋部と、前記本体部に対して前記小蓋部を回動可能に繋ぐヒンジ部とを有し、
前記接合部は、互いに幅の異なる部分として少なくとも幅太部と、前記幅太部よりも幅の細い幅細部とを有し、
前記小開口部を前記小蓋部で被覆した状態で、前記蓋体の平面視上、前記蓋体の中心を起点として前記幅太部に交差する半直線を想定した場合に、少なくとも1つの前記半直線が、前記小蓋部に交差する、
蓋体付き容器。
(H2)前記接合部は、少なくとも互いに幅の異なる部分として少なくとも前記幅太部と、前記幅太部の2つの端部に繋がり前記幅太部よりも幅の細い前記幅細部とを有する、
上記(H1)に記載の蓋体付き容器。
(H3)前記蓋体の前記本体部は、紙系素材で形成されている、
上記(H1)又は(H2)に記載の蓋体付き容器。
(H4)前記小開口部を前記小蓋部で被覆した状態で、前記蓋体の平面視上、前記ヒンジ部の中心が、前記半直線のうち前記蓋体の中心を起点として前記幅太部の長手方向に沿った前記幅太部の中央を通る線から外れた位置に形成されている、
上記(H1)から(H3)のいずれかに記載の蓋体付き容器。
(H5)前記蓋体の前記小蓋部に、タブ部材が設けられている、
上記(H1)から(H4)のいずれかに記載の蓋体付き容器。
【0318】
また、本発明は、下記に示す技術的思想も包含する。
(I1)容器の口部の周縁に接合される接合領域を有する蓋体であって、
前記容器に対する接合時に前記口部を覆う形状を有し、
開口部を有する本体と、
前記開口部を覆う小蓋片と、
タブ部材と、を備え、
前記小蓋片は、該小蓋片の外周縁の少なくとも一部で前記本体に対して連結され、且つ、前記本体に対して引き上げた状態に変位できるように形成されており、
前記小蓋片を引き上げた場合に、前記開口部が露出するように形成されており、
前記タブ部材は、前記小蓋片に接合する第1の部分と、前記小蓋片を引き上げた状態で前記本体に接合可能な第2の部分を有し、
前記第1の部分と前記小蓋片とが接合された部分を第1接合部とし、前記第2の部分と前記本体とが接合された部分を第2接合部とした場合に、
前記第1接合部における前記第1の部分と前記小蓋片との接合の強さよりも前記第2接合部における前記第2の部分と前記本体との接合の強さのほうが小さい、
蓋体。
(I2)口部を有する容器と、上記(I1)に記載の蓋体とを有する、
容器と蓋体の組み合わせ。
(I3)口部を有する容器と、上記(I1)に記載の蓋体とを有し、
容器の口部が前記蓋体で被覆されている、
蓋体付き容器。
【符号の説明】
【0319】
1 :蓋体
2 :ベース部
2A :外周縁
3 :小蓋部
3A :外周縁
4 :ヒンジ部
5 :接合領域対応部
6 :小開口部
6A :開口縁
7 :延出部
7A :外周縁
8 :切り込み部
10 :マージン部
10A :第1マージン部
10B :第2マージン部
11A :内縁
11B :外縁
12 :陥没部
13 :張出部
14 :没入部
15A :第1の部分
15B :第2の部分
16 :ハーフカット部
17 :接続構造
18A :連続部
18B :切断部
19 :傾斜部
20 :開口形成部
21 :摘み部
23 :凹形状部
24 :凸形状部
26 :応力調整部
30 :保持構造形成部
31 :タブ部材
31A :一端部
31B :他端部
32 :爪部
33 :受け部
34 :タブ接合部
35 :部
72 :露出面
73 :対向面
74 :基端部
75 :前端縁部
76 :側端縁部
101 :容器
102 :開口部
103 :縁部
104 :側壁
105 :空間部
107 :底部
108 :カール部
110 :容器本体
150 :蓋体付き容器
151 :接合部
CT :中心
F :矢印
M :線分
ME :延長線
R :接合領域
S1 :部分
S11 :部分
S12 :部分
S2 :部分
SB1 :所定位置
SB2 :対応位置
XS :領域