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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167778
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084095
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀和
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC21
5E353CC22
5E353DD19
5E353EE53
5E353EE54
5E353EE89
5E353GG01
5E353HH09
5E353HH11
5E353HH51
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK01
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】部品実装機において新種の基板や部品を使用して実装基板を生産する場合であっても、精度の高い生産計画を作成することが可能な部品実装システムを提供する。
【解決手段】部品実装システム1は、基板データPDに基づく生産要素の動作に応じて実装基板を生産する部品実装機20と、使用実績データD1と搭載時間実績データD2とを対応付けて記憶する記憶装置4と、部品実装機20における実装基板の生産計画PSを作成する生産計画装置5と、を備える。生産計画装置5は、記憶装置4に記憶された各使用実績データD1の中から基板データPDと関連性を有する関連実績データを特定し、当該関連実績データと対応付けられた搭載時間実績データD2に基づいてサイクルタイムSTを算出し、当該サイクルタイムSTに基づいて生産計画PSを作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品が搭載された実装基板を生産するための動作を行う複数の生産要素を有し、前記基板、前記部品及び各前記生産要素の各情報を含む基板データに基づいて、前記実装基板を生産する部品実装機と、
前記部品実装機における前記実装基板の生産に使用された前記基板、前記部品及び各前記生産要素の各情報を含む使用実績データと、各前記生産要素の動作に応じて前記基板に1つの前記部品を搭載するのに要した搭載時間の実績を示す搭載時間実績データと、を対応付けて、前記基板に対する前記部品の搭載ごとに記憶する記憶装置と、
前記部品実装機における前記実装基板の生産の計画を示す生産計画を作成する生産計画装置と、を備え、
前記生産計画装置は、
前記基板に対する前記部品の搭載ごとの各前記使用実績データの中から前記基板データと関連性を有する関連実績データを特定し、前記関連実績データと対応付けられた前記搭載時間実績データに基づいて、前記部品実装機において前記基板データに応じて1枚の前記実装基板を生産するのに要する時間を示すサイクルタイムを算出する算出処理と、
前記サイクルタイムに基づいて、前記生産計画を作成する生産計画作成処理と、を行う、部品実装システム。
【請求項2】
前記部品実装機は、前記基板を搬送する搬送部と、各前記生産要素のエラーを検出する検出部と、を有し、
前記記憶装置は、前記搬送部による前記基板の搬送に要した搬送時間の実績を示す搬送時間実績データと、前記検出部によるエラーの検出に応じた各前記生産要素の動作の停止時間の実績を示す停止時間実績データと、を前記使用実績データに対応付けて記憶し、
前記生産計画装置は、前記算出処理において、前記搬送時間実績データ及び前記停止時間実績データを参照して前記サイクルタイムを算出する、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記生産計画装置は、前記算出処理において、各前記使用実績データと前記基板データとを比較し、
各前記使用実績データの中から、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記部品の情報同士が一致するデータを、前記関連実績データとして特定し、
前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記部品の情報同士が一致しない場合には、各前記使用実績データの中から、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる各前記生産要素の少なくとも一部の情報同士が一致するデータを、前記関連実績データとして特定する、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記生産計画装置は、前記算出処理において、各前記使用実績データと前記基板データとを比較し、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記基板の情報同士が一致しない場合、各前記使用実績データの中から、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記部品の情報同士が一致するデータを、前記関連実績データとして特定する、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記記憶装置は、各前記生産要素を準備する準備作業に要した準備時間の実績を示す準備時間実績データを記憶し、
前記生産計画装置は、前記生産計画作成処理において、前記準備時間実績データを参照して前記生産計画を作成する、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記記憶装置は、各前記生産要素に対する保守作業に要した保守時間の実績を示す保守時間実績データを記憶し、
前記生産計画装置は、前記生産計画作成処理において、前記保守時間実績データを参照して前記生産計画を作成する、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項7】
前記記憶装置は、前記部品実装機における前記実装基板の生産を一時的に停止させる休憩時間に関する休憩時間データを記憶し、
前記生産計画装置は、前記生産計画作成処理において、前記休憩時間データを参照して前記生産計画を作成する、請求項1に記載の部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装基板を生産する部品実装機を備えた部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
部品を基板に搭載する搭載ヘッドなどの複数の生産要素の動作に応じて実装基板を生産する部品実装機を備えた部品実装システムが知られている。部品実装機では、生産計画に従って実装基板が生産される。生産計画は、実装基板の生産に使用される生産要素を準備する準備作業の計画を立てる際に利用され、又は、実装基板の生産終了時期の見込みを立てる際に利用される。このため、生産計画は、精度の高い計画であることが要求される。
【0003】
特許文献1には、精度の高い生産計画を作成するための技術が開示されている。この技術では、部品実装機における実装基板の生産時間の実績と、作業者が部品実装機に対して作業をする作業時間の実績と、に基づいて、生産計画が作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-160638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される技術では、使用実績のある基板や部品を用いた実装基板の生産に対しては、精度の高い生産計画を作成することができる。しかし、使用実績のない新種の基板や部品を用いた実装基板の生産に対しては、精度の高い生産計画を作成するができない、という課題がある。
【0006】
本発明の目的は、部品実装機において新種の基板や部品を使用して実装基板を生産する場合であっても、精度の高い生産計画を作成することが可能な部品実装システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る部品実装システムは、基板に部品が搭載された実装基板を生産するための動作を行う複数の生産要素を有し、前記基板、前記部品及び各前記生産要素の各情報を含む基板データに基づいて、前記実装基板を生産する部品実装機と、前記部品実装機における前記実装基板の生産に使用された前記基板、前記部品及び各前記生産要素の各情報を含む使用実績データと、各前記生産要素の動作に応じて前記基板に1つの前記部品を搭載するのに要した搭載時間の実績を示す搭載時間実績データと、を対応付けて、前記基板に対する前記部品の搭載ごとに記憶する記憶装置と、前記部品実装機における前記実装基板の生産の計画を示す生産計画を作成する生産計画装置と、を備える。前記生産計画装置は、前記基板に対する前記部品の搭載ごとの各前記使用実績データの中から前記基板データと関連性を有する関連実績データを特定し、前記関連実績データと対応付けられた前記搭載時間実績データに基づいて、前記部品実装機において前記基板データに応じて1枚の前記実装基板を生産するのに要する時間を示すサイクルタイムを算出する算出処理と、前記サイクルタイムに基づいて、前記生産計画を作成する生産計画作成処理と、を行う。
【0008】
この部品実装システムによれば、部品実装機において、基板、部品及び各生産要素の情報を含む基板データに基づき実装基板を生産する際の生産計画が、生産計画装置によって作成される。生産計画装置は、基板に対する部品の搭載ごとの、基板、部品及び各生産要素の使用実績を示す使用実績データの各々と、基板データとを比較することにより、各使用実績データの中から基板データと関連性を有する関連実績データを特定する。生産計画装置は、使用実績のない新種の基板や部品の情報が基板データに含まれている場合であっても、使用実績データに含まれる基板、部品及び各生産要素の少なくとも何れか1つの情報を手掛かりに、各使用実績データの中から基板データと関連性を有する関連実績データを特定することができる。
【0009】
基板データと関連性を有する関連実績データを特定すると、生産計画装置は、当該関連実績データと対応付けられた搭載時間実績データに基づいて、基板データに応じて1枚の実装基板を生産するのに要する時間を示すサイクルタイムを算出し、当該サイクルタイムに基づいて生産計画を作成する。この場合、生産計画のもととなるサイクルタイムは、基板データと関連性を有する使用実績データと対応付けられた搭載時間実績データに基づき算出される。このため、生産計画装置は、基板データに関連した搭載時間実績データに応じたサイクルタイムに基づいて、精度の高い生産計画を作成することができる。
【0010】
上記の部品実装システムにおいて、前記部品実装機は、前記基板を搬送する搬送部と、各前記生産要素のエラーを検出する検出部と、を有している。前記記憶装置は、前記搬送部による前記基板の搬送に要した搬送時間の実績を示す搬送時間実績データと、前記検出部によるエラーの検出に応じた各前記生産要素の動作の停止時間の実績を示す停止時間実績データと、を前記使用実績データに対応付けて記憶する。そして、前記生産計画装置は、前記算出処理において、前記搬送時間実績データ及び前記停止時間実績データを参照して前記サイクルタイムを算出する。
【0011】
この態様では、生産計画装置は、搭載時間実績データに加えて、搬送時間実績データ及び停止時間実績データを参照してサイクルタイムを算出する。この場合、サイクルタイムは、部品実装機における実装基板の生産の実情に即して、基板に対する部品の搭載時間、各生産要素のエラーに応じた停止時間、及び、搬送部による基板の搬送時間の各実績が考慮されたデータとなる。このようなサイクルタイムに基づき作成される生産計画は、部品実装機における実装基板の生産の実情に即した、より精度の高い生産計画となる。
【0012】
上記の部品実装システムにおいて、前記生産計画装置は、前記算出処理において、各前記使用実績データと前記基板データとを比較する。そして、前記生産計画装置は、各前記使用実績データの中から、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記部品の情報同士が一致するデータを、前記関連実績データとして特定する。一方、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記部品の情報同士が一致しない場合には、前記生産計画装置は、各前記使用実績データの中から、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる各前記生産要素の少なくとも一部の情報同士が一致するデータを、前記関連実績データとして特定する。
【0013】
各使用実績データと基板データとの比較において、使用実績データ及び基板データにそれぞれ含まれる部品の情報同士が一致する場合、使用実績のある部品の情報が基板データに含まれていることになる。この場合、生産計画装置は、各使用実績データの中から、使用実績データ及び基板データにそれぞれ含まれる部品の情報同士が一致するデータを、基板データと関連性を有する関連実績データとして特定する。一方、各使用実績データと基板データとの比較において、使用実績データ及び基板データにそれぞれ含まれる部品の情報同士が一致しない場合、使用実績のない新種の部品の情報が基板データに含まれていることになる。この場合、生産計画装置は、各使用実績データの中から、使用実績データ及び基板データにそれぞれ含まれる各生産要素の少なくとも一部の情報同士が一致するデータを、基板データと関連性を有する関連実績データとして特定する。
【0014】
上記の部品実装システムにおいて、前記生産計画装置は、前記算出処理において、各前記使用実績データと前記基板データとを比較し、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記基板の情報同士が一致しない場合、各前記使用実績データの中から、前記使用実績データ及び前記基板データにそれぞれ含まれる前記部品の情報同士が一致するデータを、前記関連実績データとして特定する。
【0015】
各使用実績データと基板データとの比較において、使用実績データ及び基板データにそれぞれ含まれる基板の情報同士が一致しない場合、使用実績のない新種の基板の情報が基板データに含まれていることになる。この場合、生産計画装置は、各使用実績データの中から、使用実績データ及び基板データにそれぞれ含まれる部品の情報同士が一致するデータを、基板データと関連性を有する関連実績データとして特定する。
【0016】
上記の部品実装システムにおいて、前記記憶装置は、各前記生産要素を準備する準備作業に要した準備時間の実績を示す準備時間実績データを記憶する。この場合、前記生産計画装置は、前記生産計画作成処理において、前記準備時間実績データを参照して前記生産計画を作成する。
【0017】
この態様では、生産計画装置は、サイクルタイムに加えて、準備時間実績データを参照して生産計画を作成する。この場合、生産計画装置は、部品実装機における実装基板の生産に必要な各生産要素を準備する準備作業の時間が組み込まれた生産計画を作成することができる。
【0018】
上記の部品実装システムにおいて、前記記憶装置は、各前記生産要素に対する保守作業に要した保守時間の実績を示す保守時間実績データを記憶する。この場合、前記生産計画装置は、前記生産計画作成処理において、前記保守時間実績データを参照して前記生産計画を作成する。
【0019】
この態様では、生産計画装置は、サイクルタイムに加えて、保守時間実績データを参照して生産計画を作成する。この場合、生産計画装置は、部品実装機における各生産要素に対する保守作業の時間が組み込まれた生産計画を作成することができる。
【0020】
上記の部品実装システムにおいて、前記記憶装置は、前記部品実装機における前記実装基板の生産を一時的に停止させる休憩時間に関する休憩時間データを記憶する。この場合、前記生産計画装置は、前記生産計画作成処理において、前記休憩時間データを参照して前記生産計画を作成する。
【0021】
この態様では、生産計画装置は、サイクルタイムに加えて、休憩時間データを参照して生産計画を作成する。この場合、生産計画装置は、部品実装機を操作するオペレータの休憩時間が組み込まれた生産計画を作成することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、部品実装機において新種の基板や部品を使用して実装基板を生産する場合であっても、精度の高い生産計画を作成することが可能な部品実装システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る部品実装システムの構成を概略的に示す図である。
図2】部品実装システムに備えられる部品実装機の構成を示す平面図である。
図3】部品実装機のヘッドユニットの部分を拡大して示す図である。
図4】部品実装機における実装基板の生産の際に参照される基板データを示す図である。
図5】部品実装システムに備えられる記憶装置に記憶される各種のデータを示す図である。
図6】部品実装システムに備えられる生産計画装置が行う算出処理を説明する図である。
図7】生産計画装置が行う生産計画作成処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る部品実装システムについて、図面に基づいて説明する。
【0025】
[部品実装システムの全体構成]
図1に示される部品実装システム1は、プリント基板等の基板上に電子部品等の部品が搭載された実装基板を生産するシステムである。部品実装システム1は、少なくとも1台の部品実装機20を備えた生産ライン2と、生産管理装置3と、記憶装置4と、生産計画装置5とを備える。部品実装システム1では、生産ライン2の各部品実装機20と生産管理装置3とがデータ通信可能に接続されるとともに、生産管理装置3と生産計画装置5とがデータ通信可能に接続される。また、生産計画装置5と記憶装置4とがデータ通信可能に接続される。生産管理装置3及び生産計画装置5は、例えばパーソナルコンピュータによって構成される。記憶装置4は、例えばサーバ装置によって構成される。
【0026】
記憶装置4は、生産ライン2の部品実装機20における実装基板の生産に関する各種の実績のデータ等を記憶する。生産管理装置3は、部品実装機20における実装基板の生産に必要な各種の情報を含む基板データPDを、生産計画装置5に送信する。生産計画装置5は、部品実装機20における実装基板の生産の計画を示す生産計画PSを基板データPDに対応して作成し、その作成した生産計画PSを生産管理装置3に送信する。生産管理装置3は、生産計画装置5により作成された生産計画PSとともに基板データPD及び生産プログラムPPを部品実装機20に送信する。
【0027】
部品実装機20は、生産計画PSに従って、基板データPDに対応した実装基板の生産を行う。この際、部品実装機20は、生産プログラムPPに記録された情報に基づいて制御されることにより、基板に部品を搭載して実装基板を生産する。
【0028】
[部品実装機について]
部品実装機20について、図2及び図3を参照しながら説明する。なお、以下では、方向関係については水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて説明する。また、X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-X側」と称する。同様に、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-Y側」と称する。
【0029】
部品実装機20は、本体フレーム21と、搬送ユニット23と、部品供給ユニット24と、ヘッドユニット25と、基板支持ユニット28と、を備える。
【0030】
本体フレーム21は、部品実装機20を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状に形成されている。搬送ユニット23は、X軸方向に延びるコンベアによって構成される搬送部であり、本体フレーム21に配置される。搬送ユニット23は、基板PBをX軸方向に搬送する。搬送ユニット23上を搬送される基板PBは、所定の作業位置(基板PB上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持ユニット28によって位置決めされる。基板支持ユニット28は、プッシュアップピンにより基板PBを支持することにより、当該基板PBを位置決めする。
【0031】
部品供給ユニット24は、本体フレーム21におけるY軸方向の+Y側及び-Y側のそれぞれの領域部分に、搬送ユニット23を挟んで配置される。部品供給ユニット24は、本体フレーム21において、フィーダ24Fが複数並設された状態で装着される領域であって、後述のヘッドユニット25に備えられる搭載ヘッド251による保持対象の部品ごとに、各フィーダ24Fのセット位置が区画されている。フィーダ24Fは、部品供給ユニット24に着脱自在に装着される。フィーダ24Fは、実装基板を生産するための動作として、部品を供給する動作を行う生産要素の一例である。フィーダ24Fは、複数の部品を保持し、その保持した部品をフィーダー内に設定された所定の部品供給位置に供給する。フィーダ24Fは、部品を供給可能に構成されていれば、その部品供給方式は特に限定されない。フィーダ24Fとしては、例えば、テープを担体として部品を供給する方式のテープフィーダ、部品が載置されたトレイを移動させることにより部品を供給する方式のトレイフィーダ、筒状のスティックに収納された部品を当該スティックから押し出しながら供給する方式のスティックフィーダなどを採用することができる。
【0032】
ヘッドユニット25は、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y軸方向に延びる固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。また、移動フレーム27には、X軸方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。そして、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX軸方向に移動する。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給ユニット24と搬送ユニット23により搬送された基板PBの所定の作業位置とにわたって移動可能である。
【0033】
ヘッドユニット25は、図3に示されるように、複数の搭載ヘッド251を備えている。搭載ヘッド251は、実装基板を生産するための動作として、基板PBに部品を搭載する動作を行う生産要素の一例である。搭載ヘッド251は、部品供給ユニット24から部品を取り出すとともに、その取り出した部品を基板PB上に搭載(実装)する部品搭載動作を行う。搭載ヘッド251には、その先端(下端)に吸着ノズル2511が装着されている。吸着ノズル2511は、実装基板を生産するための動作として、部品を吸着保持する動作を行う生産要素の一例である。吸着ノズル2511は、部品供給ユニット24に配列されたフィーダ24Fにより供給された部品を吸着して保持する。吸着ノズル2511は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル2511に負圧が供給されることで当該吸着ノズル2511による部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
【0034】
図2に示されるように、本体フレーム21上において部品供給ユニット24と搬送ユニット23との間には、部品認識カメラC1が設置されている。部品認識カメラC1は、例えばCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)やCCD(Charged-coupled device)等の撮像素子を備えた撮像カメラである。部品認識カメラC1は、生産要素としてのフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511のうちの、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511のエラーを検出することが可能な検出部の一例である。部品認識カメラC1は、フィーダ24Fの部品供給位置から、搬送ユニット23により搬送された基板PBの作業位置へ向かってヘッドユニット25が移動している間において、搭載ヘッド251の吸着ノズル2511によって吸着保持された部品を、下方側から撮像して部品認識画像を取得する。部品実装機20においては、部品認識カメラC1により取得された部品認識画像に基づいて、吸着ノズル2511に吸着保持された部品の姿勢などが判定される。吸着ノズル2511に対する部品の姿勢が異常である場合などに、エラーが検出される。
【0035】
部品実装機20における実装基板の生産時においては、1枚の基板PBあたりに複数種の部品が搭載される。更に、基板PBの種類ごとに搭載される部品の種類が異なる。このため、部品供給ユニット24には、種類の異なる部品を供給する複数のフィーダ24FがX軸方向に配列される。
【0036】
部品実装機20において基板データPDに応じた複数種の基板PBに対応して実装基板を生産するときには、オペレータは、生産計画装置5により作成された生産計画PSを確認しながら、実装基板の生産に必要なフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511を準備する準備作業の計画を立てるとともに、実装基板の生産終了時期の見込みを立てる。準備作業は、オペレータ又は作業ロボットによって行われる。
【0037】
[生産管理装置について]
生産管理装置3は、部品実装機20における実装基板の生産の際に参照される基板データPDと生産プログラムPPとを、部品実装機20に送信する。
【0038】
基板データPDは、部品実装機20における実装基板の生産に必要な各種の情報が含まれたデータである。図4に示されるように、基板データPDは、生産数情報PD1と、基板種情報PD2と、部品情報PD3と、フィーダ情報PD4と、ヘッド情報PD5と、ノズル情報PD6と、搭載位置情報PD7と、が対応付けられたデータである。
【0039】
生産数情報PD1は、部品実装機20における実装基板の生産数を示す情報である。基板種情報PD2は、部品実装機20における実装基板の生産に使用される基板PBの種類を示す情報である。部品情報PD3は、部品実装機20における実装基板の生産に使用される部品の情報である。部品情報PD3には、部品の種類を示す情報と、部品のサイズを示す情報と、1枚の基板PBに搭載される部品の部品数を示す情報とが登録されている。フィーダ情報PD4は、部品実装機20における実装基板の生産に使用されるフィーダ24Fの情報である。フィーダ情報PD4には、フィーダ24Fの種類を示す情報と、フィーダ24Fの部品供給ユニット24におけるセット位置を示す情報とが登録されている。ヘッド情報PD5は、部品実装機20における実装基板の生産に使用される搭載ヘッド251を示す情報である。ノズル情報PD6は、部品実装機20における実装基板の生産に使用される吸着ノズル2511を示す情報である。搭載位置情報PD7は、基板PB上に設定された部品の搭載位置に関する座標の情報である。
【0040】
図4には、基板データPDA、基板データPDB、及び基板データPDCの3つの基板データPDが例示されている。基板データPDAは、基板種情報PD2で示される基板種が「B1」の基板PBに対応して実装基板を生産するためのデータである。基板データPDBは、基板種情報PD2で示される基板種が「B2A」の基板PBに対応して実装基板を生産するためのデータである。基板データPDCは、基板種情報PD2で示される基板種が「B2B」の基板PBに対応して実装基板を生産するためのデータである。
【0041】
生産プログラムPPは、基板データPDに対応付けられて設定される。生産プログラムPPは、基板データPDに含まれる基板種情報PD2で示される複数種の基板PBに対応して複数種の実装基板を部品実装機20において生産するときの、部品実装機20の制御に関する情報が記録されたプログラムである。生産プログラムPPに記録された部品実装機20の制御に関する情報としては、搭載ヘッド251による基板PBに対する各部品の搭載順序を示す搭載順序情報、基板PB上における各部品の搭載位置を示す搭載位置情報、部品供給ユニット24におけるフィーダ24Fの配列を示すフィーダ配列情報、などの情報が挙げられる。生産プログラムPPに対応した部品供給ユニット24におけるフィーダ24Fの配列は、基板PBに対する部品の搭載時にヘッドユニット25の移動量がなるべく小さくなるように設定される。
【0042】
[記憶装置について]
記憶装置4は、部品実装機20における実装基板の生産に関する各種の実績のデータ等を記憶する。図5に示されるように、記憶装置4は、使用実績データD1と、搭載時間実績データD2と、停止時間実績データD3と、搬送時間実績データD4と、準備時間実績データD5と、保守時間実績データD6と、休憩時間データD7と、を記憶する。記憶装置4は、部品搭載区分情報D0で示される基板PBに対する部品の搭載の部品搭載単位ごとに、使用実績データD1と、搭載時間実績データD2と、停止時間実績データD3と、搬送時間実績データD4と、を対応付けて記憶する。
【0043】
使用実績データD1は、プログラム情報D11と、実装機情報D12と、基板種情報D13と、部品情報D14と、フィーダ情報D15と、ヘッド情報D16と、ノズル情報D17とを含むデータである。プログラム情報D11は、部品実装機20における実装基板の生産に使用された生産プログラムPPを特定するための情報である。実装機情報D12は、実装基板の生産に使用された部品実装機20を特定するための情報である。基板種情報D13は、部品実装機20における実装基板の生産に使用された基板PBの種類を特定するための情報である。部品情報D14は、部品実装機20における実装基板の生産に使用された部品を特定するための情報である。部品情報D14には、部品の種類を示す情報と、部品のサイズを示す情報とが登録されている。フィーダ情報D15は、部品実装機20における実装基板の生産に使用されたフィーダ24Fを特定するための情報である。フィーダ情報D15には、フィーダ24Fの種類を示す情報と、フィーダ24Fの部品供給ユニット24におけるセット位置を示す情報とが登録されている。ヘッド情報D16は、部品実装機20における実装基板の生産に使用された搭載ヘッド251を特定するための情報である。ノズル情報D17は、部品実装機20における実装基板の生産に使用された吸着ノズル2511を特定するための情報である。
【0044】
図5には、部品搭載区分情報D0で示される6つの部品搭載単位の各々に対応して、使用実績データD1A、使用実績データD1B、使用実績データD1C、使用実績データD1D、使用実績データD1E、及び使用実績データD1Fの、6つの使用実績データD1が例示されている。
【0045】
搭載時間実績データD2は、部品実装機20における生産要素を示すフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511の動作に応じて基板PBに1つの部品を搭載するのに要した搭載時間の実績を示すデータである。搭載時間実績データD2で示される搭載時間は、搭載ヘッド251の吸着ノズル2511が、フィーダ24Fにより供給された部品を吸着保持した時点から、その吸着保持した部品を基板PBに搭載した時点までの時間を示す。搭載時間実績データD2は、部品搭載区分情報D0で示される部品搭載単位ごとの使用実績データD1の各々に対応付けられている。
【0046】
停止時間実績データD3は、部品認識カメラC1などによるエラーの検出に応じたフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511の動作の停止時間の実績を示すデータである。停止時間実績データD3で示される停止時間は、フィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511の動作が、エラーに起因して停止した時点から、エラーの解消に応じて停止の解除がされた時点までの時間を示す。停止時間実績データD3は、部品搭載区分情報D0で示される部品搭載単位ごとの使用実績データD1の各々に対応付けられている。
【0047】
搬送時間実績データD4は、部品実装機20における1枚の実装基板の生産に際し、搬送ユニット23による基板PBの搬送に要した搬送時間の実績を示すデータである。搬送時間実績データD4は、部品搭載区分情報D0で示される部品搭載単位ごとの使用実績データD1の各々に対応付けられている。
【0048】
準備時間実績データD5は、部品実装機20における実装基板の生産に必要なフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511などを準備する準備作業に要した準備時間の実績を示すデータである。準備時間実績データD5は、例えば、部品実装機20における実装基板の生産に使用された部品の情報を示す部品情報D14と対応付けられている。
【0049】
保守時間実績データD6は、部品実装機20における実装基板の生産に使用されたフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511などに対する保守作業に要した保守時間の実績を示すデータである。保守時間実績データD6は、例えば、部品実装機20における実装基板の生産に使用された搭載ヘッド251の情報を示すヘッド情報D16と対応付けられている。
【0050】
休憩時間データD7は、部品実装機20における実装基板の生産を一時的に停止させる時間であって、部品実装機20を操作するオペレータの休憩時間に関する情報を示すデータである。
【0051】
[生産計画装置について]
生産計画装置5は、記憶装置4に記憶された各種のデータを参照しながら、部品実装機20における実装基板の生産の計画を示す生産計画PSを基板データPDに対応して作成する装置である。生産計画装置5は、図6に示される算出処理S1と、図7に示される生産計画作成処理S2とを行うことにより、生産計画PSを作成する。
【0052】
(算出処理)
算出処理S1において、生産計画装置5は、部品搭載区分情報D0で示される部品搭載単位ごとの使用実績データD1の各々と、基板データPDとを比較することにより、各使用実績データD1の中から基板データPDと関連性を有する関連実績データを特定する。生産計画装置5は、使用実績のない新種の基板や部品の情報が基板データPDに含まれている場合であっても、使用実績データD1に含まれる基板種情報D13、部品情報D14、フィーダ情報D15、ヘッド情報D16、及びノズル情報D17の少なくとも何れか1つの情報を手掛かりに、各使用実績データD1の中から基板データPDと関連性を有する関連実績データを特定することができる。
【0053】
各使用実績データD1の中から関連実績データを特定する処理について、図4に示される基板データPDA,PDB,PDCと、図5に示される使用実績データD1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1Fとの比較を想定して、より詳細に説明する。
【0054】
各使用実績データD1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1Fと基板データPDAとの比較において、使用実績データD1に含まれる基板種情報D13と基板データPDAに含まれる基板種情報PD2とが一致する場合、使用実績のある基板PBの情報が基板データPDAに含まれていることになる。図4及び図5の例では、使用実績データD1A,D1B,D1Cに含まれる基板種情報D13と基板データPDAに含まれる基板種情報PD2とが一致している。この場合、生産計画装置5は、各使用実績データD1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1Fの中から、基板データPDAの基板種情報PD2と一致する基板種情報D13が含まれる使用実績データD1A,D1B,D1Cを、基板データPDAと関連性を有する関連実績データとして特定する。
【0055】
各使用実績データD1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1Fと基板データPDBとの比較において、使用実績データD1に含まれる基板種情報D13と基板データPDBに含まれる基板種情報PD2とが一致しない場合、使用実績のない新種の基板PBの情報が基板データPDBに含まれていることになる。このような状況において、使用実績データD1に含まれる部品情報D14と基板データPDBに含まれる部品情報PD3とが一致する場合、使用実績のある部品の情報が基板データPDBに含まれていることになる。図4及び図5の例では、使用実績データD1D,D1Eに含まれる部品情報D14と基板データPDBに含まれる部品情報PD3とが一致している。この場合、生産計画装置5は、各使用実績データD1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1Fの中から、基板データPDBの部品情報PD3と一致する部品情報D14が含まれる使用実績データD1D,D1Eを、基板データPDBと関連性を有する関連実績データとして特定する。
【0056】
各使用実績データD1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1Fと基板データPDCとの比較において、使用実績データD1に含まれる基板種情報D13と基板データPDCに含まれる基板種情報PD2とが一致しない場合、使用実績のない新種の基板PBの情報が基板データPDCに含まれていることになる。このような状況において、使用実績データD1に含まれる部品情報D14と基板データPDCに含まれる部品情報PD3とが一致しない場合、使用実績のない新種の部品の情報が基板データPDCに含まれていることになる。この場合、生産計画装置5は、使用実績データD1に含まれるフィーダ情報D15、ヘッド情報D16及びノズル情報D17と、基板データPDCに含まれるフィーダ情報PD4、ヘッド情報PD5及びノズル情報PD6と、を比較し、少なくとも一部の情報同士が一致するか否かを判断する。図4及び図5の例では、使用実績データD1Fに含まれるフィーダ情報D15、ヘッド情報D16及びノズル情報D17と、基板データPDCに含まれるフィーダ情報PD4、ヘッド情報PD5及びノズル情報PD6とが一致している。この場合、生産計画装置5は、各使用実績データD1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1Fの中から、基板データPDCのフィーダ情報PD4、ヘッド情報PD5及びノズル情報PD6の少なくとも一部と一致するフィーダ情報D15、ヘッド情報D16及びノズル情報D17が含まれる使用実績データD1Fを、基板データPDCと関連性を有する関連実績データとして特定する。
【0057】
基板データPDと関連性を有する関連実績データを特定すると、生産計画装置5は、当該関連実績データと対応付けられた搭載時間実績データD2に基づいて、基板データPDに応じて1枚の実装基板を生産するのに要する時間を示すサイクルタイムSTを算出する。本実施形態では、生産計画装置5は、搭載時間実績データD2に加えて、関連実績データと対応付けられた停止時間実績データD3及び搬送時間実績データD4を参照して、サイクルタイムSTを算出する。この場合、サイクルタイムSTは、部品実装機20における実装基板の生産の実情に即して、基板PBに対する部品の搭載時間、フィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511の動作エラーに応じた停止時間、搬送ユニット23による基板PBの搬送時間の各実績が考慮されたデータとなる。このようなサイクルタイムSTに基づき作成される後記の生産計画PSは、部品実装機20における実装基板の生産の実情に即した、より精度の高い生産計画PSとなる。
【0058】
(生産計画作成処理)
算出処理S1においてサイクルタイムSTを算出すると、生産計画装置5は、図7に示される生産計画作成処理S2を行う。生産計画装置5は、サイクルタイムSTに基づいて、基板データPDに対応した生産時間PTを算出する。生産時間PTは、基板データPDの基板種情報PD2に示される基板種の基板PBに対応した実装基板を、基板データPDの生産数情報PD1に示される生産数で生産するのに要する時間を示す。生産計画装置5は、基板データPDの生産数情報PD1に示される生産数をサイクルタイムSTに乗算することにより、基板データPDの基板種情報PD2に示される基板種の実装基板の生産時間PTを求める。図7の例では、生産計画装置5は、基板データPDAの基板種情報PD2に示される基板種「B1」の実装基板の生産時間PTと、基板データPDBの基板種情報PD2に示される基板種「B2A」の実装基板の生産時間PTと、基板データPDCの基板種情報PD2に示される基板種「B2B」の実装基板の生産時間PTと、を算出する。
【0059】
生産計画装置5は、サイクルタイムSTに応じた生産時間PTに基づいて、生産計画PSを作成する。生産計画装置5は、例えば、生産時間PTが時間軸に沿って延びる図形要素として示されるガントチャートを、生産計画PSとして作成する。上述の通り、生産計画PSのもととなるサイクルタイムSTは、基板データPDと関連性を有する使用実績データD1と対応付けられた搭載時間実績データD2に基づき算出される。このため、生産計画装置5は、基板データPDに関連した搭載時間実績データD2に応じたサイクルタイムSTに基づいて、精度の高い生産計画PSを作成することができる。
【0060】
本実施形態では、生産計画装置5は、生産計画PSを作成する際に、記憶装置4に記憶された準備時間実績データD5、保守時間実績データD6、及び休憩時間データD7を認識する。
【0061】
生産計画装置5は、サイクルタイムSTに加えて、準備時間実績データD5を参照して生産計画PSを作成する。この場合、生産計画装置5は、部品実装機20における実装基板の生産に必要なフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511を準備する準備作業に要する準備時間TPが組み込まれた生産計画PSを作成することができる。
【0062】
また、生産計画装置5は、サイクルタイムSTに加えて、保守時間実績データD6を参照して生産計画PSを作成する。この場合、生産計画装置5は、部品実装機20における実装基板の生産に必要なフィーダ24F、搭載ヘッド251及び吸着ノズル2511に対する保守作業に要する保守時間TMが組み込まれた生産計画PSを作成することができる。
【0063】
また、生産計画装置5は、サイクルタイムSTに加えて、休憩時間データD7を参照して生産計画PSを作成する。この場合、生産計画装置5は、部品実装機20を操作するオペレータの休憩時間TRが組み込まれた生産計画PSを作成することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 部品実装システム
2 生産ライン
20 部品実装機
23 搬送ユニット(搬送部)
24F フィーダ(生産要素)
25 ヘッドユニット
251 搭載ヘッド(生産要素)
2511 吸着ノズル(生産要素)
3 生産管理装置
4 記憶装置
5 生産計画装置
D1 使用実績データ
D2 搭載時間実績データ
D3 停止時間実績データ
D4 搬送時間実績データ
D5 準備時間実績データ
D6 保守時間実績データ
D7 休憩時間データ
PD 基板データ
PS 生産計画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7