(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167784
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】医療行為を仲介する仲介システムおよび医療行為の仲介を情報処理装置に実行させる方法
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20241127BHJP
G16H 40/20 20180101ALI20241127BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084107
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】521131708
【氏名又は名称】株式会社AMECA
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】馮 暁暁
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】外国人の患者が紹介者に直接金銭を支払わずして、紹介者を介して日本国で医療行為を受けられるようにするシステムを提供する。
【解決手段】システム1は、紹介者支払先を紹介者IDと関連付けて紹介者データベースに記録し、紹介者の紹介者IDを患者IDと関連付けて患者データベースに登録し、患者の予約情報を予約データベースに記録する。患者の支払い処理を行う決済部から取得した特定情報に基づき、予約データベースから支払いのなされた予約を特定し、特定した予約に関連付けられた紹介者支払先を特定して支払い処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外国人の患者を紹介する紹介者を介して、外国人の患者へ国内の病院で実施する医療行為を仲介するシステムであって、
前記システムはネットワークを介して、紹介者の操作する紹介者端末と、患者の支払いを決済する決済部とに接続されており、
前記紹介者端末から取得した紹介者の紹介者支払先を、紹介者IDと関連付けて紹介者データベースに記録する、紹介者登録部と、
前記紹介者端末から取得した患者の氏名などの患者に関する情報を、前記紹介者IDとともに患者IDと関連付けて患者データベースに登録する、患者登録部と、
前記紹介者端末から取得した、紹介者から予約した患者が特定の病院で特定の医療行為を受ける予約情報を受け付ける予約受付部と、
前記紹介者へ紹介料を支払う処理を実行する紹介料支払い部と、を有し、
前記予約受付部は、前記紹介者ID、前記患者ID、病院ID、費用を少なくとも含む情報を予約IDと関連付けて予約データベースに記録し、
前記紹介料支払い部は、
前記紹介者データベース、前記患者データベース、前記予約データベースの少なくとも一つに含まれる少なくとも一つの特定情報を含む支払い情報を取得して患者の支払い処理を行う前記決済部から取得した前記特定情報に基づき、前記予約データベースから支払いのなされた前記予約IDを特定し、
前記紹介者データベースに基づき、特定した前記予約IDに関連付けられた前記紹介者IDに関連付けられた前記紹介者支払先を特定し、
特定した前記紹介者支払先へ紹介料の支払い処理を実行する、医療行為を仲介する仲介システム。
【請求項2】
前記患者データベースに登録された情報に基づき、前記患者に関する問診票を生成する問診票生成部を有する、請求項1に記載の仲介システム。
【請求項3】
前記紹介者登録部は、前記紹介者の紹介料に関する情報を、前記紹介者IDに関連付けて前記紹介者データベースに記録する、請求項1に記載の仲介システム。
【請求項4】
紹介者端末から支払い準備信号を取得すると、紹介者端末へ病院IDと紹介者IDと支払金額を含む情報をQRコードとして表示させる、請求項1に記載の仲介システム。
【請求項5】
外国人の患者を紹介する紹介者を介して、外国人の患者へ国内の病院で実施する医療行為の仲介を情報処理装置に実行させる方法であって、
前記情報処理装置は、メモリと、メモリに記録されたコンピュータ可読命令を実行するプロセッサと、記録部と、を有する
前記情報処理装置はネットワークを介して、紹介者の操作する紹介者端末と、患者の支払いを決済する決済部とに接続されており、
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を実行すると、
前記紹介者端末から紹介者の紹介者支払先を、紹介者IDと関連付けて紹介者データベースとして前記記録部に記録させ、
前記紹介者端末から取得した患者の氏名などの患者に関する情報を、前記紹介者IDとともに患者IDと関連付けて患者データベースとして前記記録部に登録させ、
前記紹介者端末から、紹介者が予約した患者が特定の病院で特定の医療行為を受ける予約情報を取得させ、
紹介者へ紹介料を支払う処理を実行させ、
前記予約情報の取得に際し、前記紹介者端末から、前記紹介者ID、前記患者ID、病院ID、費用を少なくとも含む情報を取得し、それらを予約IDと関連付けて予約データベースとして前記記録部に記録させ、
前記紹介料の支払いに際し、
前記紹介者データベース、前記患者データベース、前記予約データベースの少なくとも一つに含まれる少なくとも一つの特定情報を含む支払い情報を取得して患者の支払い処理を処理する前記決済部から前記特定情報を取得させ、前記特定情報に基づき前記予約データベースから支払いのなされた前記予約IDを特定させ、
前記紹介者データベースに基づき、特定した前記予約IDに関連付けられた前記紹介者IDに関連付けられた前記紹介者支払先を特定させ、
特定した前記紹介者支払先への紹介料の支払い処理を実行させる、医療行為の仲介を前記情報処理装置に実行させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療行為を仲介する仲介システムおよび医療行為の仲介を情報処理装置に実行させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院が外国人に医療行為を提供することが行われている。特定の病院が特定の医療行為について高い技術を保有している場合、外国人もその病院でその医療行為を受けたいと望む場合がある。あるいは漠然と、外国で提供される医療行為よりも、日本国内で提供される医療行為の質が高いと判断し、外国人が日本国で医療行為を受けたいと望む場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように外国人が日本国で医療行為を受けたいと望む場合、個人が特定の病院で予約を取ることは難しい。あるいは、個人は日本国でどのような病院が特定の医療行為に優れているか、把握できない場合も多い。
そこで、日本国に在住している同国人に、特定の医療行為を提供する病院を紹介して欲しいなどと依頼することがある。同国人、特に同国人の親戚縁者であればなおのこと、患者はこの紹介者を信頼して、医療行為を受ける心理的なハードルが下がる。また、日本国の医療事情を知らない患者は、この紹介者に病院を紹介してもらったりなどして、さらに医療行為を受ける心理的なハードルが下がる。
この場合、外貨から円貨への為替の問題や支払いの煩雑さなどの理由、あるいは単に紹介者が親戚だからという信用から、患者は紹介者を介して治療費を支払うことが多い。しかし、紹介者が治療費を着服してしまったり、あるいは、患者が個人である紹介者に多額の治療費を送金することをためらうことがある。
そこで本発明者は、患者が第三者にお金を支払い、直接紹介者にお金を支払わずにすむようにすれば、患者は紹介者を介して気軽に日本で医療行為を受けられるのではないかと考えた。
本発明は、外国人の患者が紹介者に直接金銭を支払わずして、紹介者を介して日本国で医療行為を受けられるようにする仲介システムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面によれば、
外国人の患者を紹介する紹介者を介して、外国人の患者へ国内の病院で実施する医療行為を仲介するシステムであって、
前記システムはネットワークを介して、紹介者の操作する紹介者端末と、患者の支払いを決済する決済部とに接続されており、
前記紹介者端末から取得した紹介者の紹介者支払先を、紹介者IDと関連付けて紹介者データベースに記録する、紹介者登録部と、
前記紹介者端末から取得した患者の氏名などの患者に関する情報を、前記紹介者IDとともに患者IDと関連付けて患者データベースに登録する、患者登録部と、
前記紹介者端末から取得した、紹介者から予約した患者が特定の病院で特定の医療行為を受ける予約情報を受け付ける予約受付部と、
前記紹介者へ紹介料を支払う処理を実行する紹介料支払い部と、を有し、
前記予約受付部は、前記紹介者ID、前記患者ID、病院ID、費用を少なくとも含む情報を予約IDと関連付けて予約データベースに記録し、
前記紹介料支払い部は、
前記紹介者データベース、前記患者データベース、前記予約データベースの少なくとも一つに含まれる少なくとも一つの特定情報を含む支払い情報を取得して患者の支払い処理を行う前記決済部から取得した前記特定情報に基づき、前記予約データベースから支払いのなされた前記予約IDを特定し、
前記紹介者データベースに基づき、特定した前記予約IDに関連付けられた前記紹介者IDに関連付けられた前記紹介者支払先を特定し、
特定した前記紹介者支払先へ紹介料の支払い処理を実行する、医療行為を仲介するシステムが提供される。
【0006】
また本開示の一側面によれば、
外国人の患者を紹介する紹介者を介して、外国人の患者へ国内の病院で実施する医療行為の仲介を情報処理装置に実行させる方法であって、
前記情報処理装置は、メモリと、メモリに記録されたコンピュータ可読命令を実行するプロセッサと、記録部と、を有する
前記情報処理装置はネットワークを介して、紹介者の操作する紹介者端末と、患者の支払いを決済する決済部とに接続されており、
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を実行すると、
前記紹介者端末から紹介者の紹介者支払先を、紹介者IDと関連付けて紹介者データベースとして前記記録部に記録させ、
前記紹介者端末から取得した患者の氏名などの患者に関する情報を、前記紹介者IDとともに患者IDと関連付けて患者データベースとして前記記録部に登録させ、
前記紹介者端末から、紹介者が予約した患者が特定の病院で特定の医療行為を受ける予約情報を取得させ、
紹介者へ紹介料を支払う処理を実行させ、
前記予約情報の取得に際し、前記紹介者端末から、前記紹介者ID、前記患者ID、病院ID、費用を少なくとも含む情報を取得し、それらを予約IDと関連付けて予約データベースとして前記記録部に記録させ、
前記紹介料の支払いに際し、
前記紹介者データベース、前記患者データベース、前記予約データベースの少なくとも一つに含まれる少なくとも一つの特定情報を含む支払い情報を取得して患者の支払い処理を処理する前記決済部から前記特定情報を取得させ、前記特定情報に基づき前記予約データベースから支払いのなされた前記予約IDを特定させ、
前記紹介者データベースに基づき、特定した前記予約IDに関連付けられた前記紹介者IDに関連付けられた前記紹介者支払先を特定させ、
特定した前記紹介者支払先への紹介料の支払い処理を実行させる、医療行為の仲介を前記情報処理装置に実行させる方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外国人の患者が紹介者に直接金銭を支払わずして、紹介者を介して日本国で医療行為を受けられるようにする仲介システムおよび方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示のシステムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、仲介サーバの記録部が記録するデータベースを示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の仲介方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、紹介者データベースに記録される情報を示す図である。
【
図5】
図5は、患者データベースに記録される情報を示す図である。
【
図6】
図6は、予約データベースに記録される情報を示す図である。
【
図7】
図7は、病院データベースに記録されている情報を示す図である。
【
図8】
図8は、決済部が仲介サーバへ送信する情報を示す図である。
【
図9】
図9は、支払い時に特定情報を伝達するための手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、外国人の患者が紹介者に直接金銭を支払わずして、紹介者を介して日本国で医療行為を受けられるようにするシステムを提供する。このために、本開示のシステムは、紹介者と患者とが直接金銭の授受を行わなくてもよいように、紹介者と患者とを仲介する。
【0010】
より具体的には、仲介サーバを運営する仲介業者は、幅広い外国人と伝手のある人物を紹介者と契約し、紹介者から患者を紹介してもらう。仲介業者は、紹介者から患者を紹介してもらう見返りに、紹介料を支払う。
【0011】
紹介者は、例えば日本国以外の出身の外国人である。あるいは、外国人の家族や親戚を有する日本人や、外国人の知人の多い日本人であってもよい。また、紹介者は、日本の医療事情に通じていることが好まれる。患者がある特定の医療行為を望んでいる場合にその医療行為を提供するのに適した病院を紹介できることが、紹介者には望まれる。
【0012】
<仲介システム1>
図1は、本開示の仲介システム1の全体構成図である。
図1に示すように、仲介システム1は、仲介サーバ2と、決済部3、紹介者端末4、患者端末5、病院端末6を有している。仲介サーバ2は、インターネットなどの通信網7を介して決済部3、紹介者端末4、患者端末5、病院端末6と接続されている。
【0013】
紹介者端末4は、紹介者が操作する端末である。紹介者端末4は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピューターである。紹介者端末4は少なくとも、キーボードやタッチパネルなど紹介者の操作を受け付けて信号を出力する入力部と、モニタなどの表示部と、各種信号を外部機器と通信する通信部とを有する。紹介者は、紹介者端末4を操作して、仲介サーバ2へ各種情報を送信する。
【0014】
患者端末5は、患者が操作する端末である。患者端末5は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピューターである。患者端末5は少なくとも、キーボードやタッチパネルなど患者の操作を受け付けて信号を出力する入力部と、モニタなどの表示部と、各種信号を外部機器と通信する通信部とを有する。患者は、患者端末5を操作して、仲介サーバ2へ各種情報を送信する。
【0015】
病院端末6は、病院に設置されている端末である。病院端末6は、病院の職員が操作する端末である。病院端末6は少なくとも、キーボードやタッチパネルなど病院の職員の操作を受け付けて信号を出力する入力部と、モニタなどの表示部と、各種信号を外部機器と通信する通信部とを有する。病院の職員は、病院端末6を操作して、仲介サーバ2へ各種情報を送信する。
【0016】
決済部3は、決済処理を行う。決済部3は、例えば信販会社や銀行などの金融機関によって運営される。決済部3は、仲介サーバ2の他に、紹介者端末4や患者端末5、病院端末6にも接続されている。決済部3は、患者端末5から支払い情報を受け取ると、決済処理を行う。決済部3は、決済処理の結果の一部を仲介サーバ2へ送信する。
【0017】
仲介サーバ2は、基本的には、本仲介サービスを提供する仲介業者が運営する。仲介サーバ2は、プログラムを記録したメモリと、メモリに記録されたプログラムを実行するプロセッサと、ハードディスクなどの不揮発性メモリを備えたサーバで構成される。仲介業者がサーバを保有していてもよいし、仲介業者がサーバ提供事業者から提供されるサーバに以下に詳述する機能を実装してもよい。仲介サーバ2は、プログラムを実行すると、以下に詳述する仲介方法を実行するように構成されている。
【0018】
図1に示したように、仲介サーバ2は、紹介者の情報を登録する紹介者登録部21と、患者の情報を登録する患者登録部22と、患者の医療行為の予約情報を受け付ける予約受付部23と、紹介者へ紹介料の支払い処理を行う紹介料支払い部24と、各種データベースを記録する記録部25とを有している。
【0019】
図2は、仲介サーバ2の記録部25が記録するデータベースを示している。
図2に示したように、記録部25は、紹介者に関する情報を記録した紹介者データベース31と、患者に関する情報を記録した患者データベース32と、病院に関する情報を記録した病院データベース33と、患者の予約情報を記録した予約データベース34とを備えている。各々のデータベースの詳細は後述する。
【0020】
<仲介方法>
図3は、本開示の仲介方法のフローチャートである。
図3に示したように、本開示の仲介サービスは、およそ、以下の工程を経て成立する。
1.紹介者が自身の情報を仲介サーバ2へ登録し(STEP01)、
2.紹介者が紹介する患者の情報を仲介サーバ2へ登録し(STEP02)、
3.紹介者が患者の希望する医療行為を受けられるように特定の病院へ予約し、その予約情報を仲介サーバ2へ登録し(STEP03)、
4.医療行為が実施された後に、患者が医療費と紹介料を含む金額を決済部3を通じて支払い(STEP04)、
5.仲介サーバ2は決済部3から特定の予約情報についての支払いがなされたと確認した後に(STEP05)、当該予約情報の紹介者へ、紹介料を支払う(STEP06)。
以下、各々の工程について詳細に説明する。
【0021】
まず紹介者は、紹介者端末4を操作し、自身の情報を仲介サーバ2へ登録する(STEP01)。仲介サーバ2の紹介者登録部21は、紹介者の情報を紹介者データベース31に記録する。
図4は、紹介者データベース31に記録される情報を示す図である。
図4に示すように、これから仲介サーバ2へ新規に登録しようとする紹介者は、自身が紹介料の支払いを受ける銀行口座などの振込先情報(支払先)を、紹介者端末4を介して仲介サーバ2へ送信する。仲介サーバ2の紹介者登録部21は、受け付ける紹介者に新規の紹介者IDを発行し、この紹介者IDとともに取得した振込先情報を紹介者データベース31に記録する。紹介者IDは、各々の紹介者を識別可能な情報である。
なお紹介者登録部21は
図4に示すように、振込先情報の他に、紹介者の氏名、紹介者の住所、紹介者の連絡先、紹介者が話せる言語、紹介者が紹介した患者の人数、などの情報を紹介者データベース31に記録してもよい。
【0022】
次に紹介者は紹介者端末4を操作し、医療行為を仲介しようとする患者の情報を、仲介サーバ2へ登録する(STEP02)。仲介サーバ2の患者登録部22は、患者の情報を患者データベース32に記録する。
図5は、患者データベース32に記録される情報を示す図である。
図5に示すように、紹介者は、医療機関に紹介しようとする患者の情報を、紹介者端末4を介して仲介サーバ2へ送信する。仲介サーバ2の患者登録部22は、受け付ける患者に新規の患者IDを発行し、この患者IDを、少なくとも紹介者IDに関連付けて患者データベース32に記録する。患者IDは、各々の患者を識別可能な情報である。
なお患者登録部22は
図5に示すように、患者IDと紹介者IDの他に、患者の氏名、患者の住所、患者の連絡先、患者が話せる言語、希望する医療行為などを患者データベース32に記録してもよい。
【0023】
以上のように紹介者と患者の情報を仲介サーバ2へ登録した後、紹介者は、患者の希望する期間や医療費、あるいは病院の場所などを考慮して、患者が希望する医療行為を提供する病院を探し、患者のために予約を当該病院に申し込む。
なお仲介サーバ2は、後述する病院データベース33に基づいて、紹介者へ病院を紹介したり、予約の仲介を行うように構成してもよい。
【0024】
なおこのときに、予約を申し込んだ後に病院から当該医療行為についての説明や患者への確認などをすることがあり、紹介者は患者に付き添って当該説明や確認を一緒に受けたり、あるいは、患者の代わりに当該説明や確認を受けたりすることもある。このような予約の後の説明や確認の予定日時や、当該説明・確認を受けたか否か、あるいは誰が当該説明・確認を受けたか、といったことも患者データベース32に記録されるように構成されていてもよい。
【0025】
当該病院で当該予約が受け付けられたら、紹介者は、予約に関する情報を紹介者端末4を介して仲介サーバ2へ送信する(STEP03)。仲介サーバ2の予約受付部23は、予約に関する情報を予約データベース34に記録する。
図6は、予約データベース34に記録される情報を示す図である。
図6に示すように、予約受付部23は、紹介者端末4を介して紹介者ID、患者ID、病院ID、費用を少なくとも含む情報を取得し、新たに取得した予約情報について新たな予約IDを発行し、予約IDに関連付けてこれらの情報を予約データベース34に記録する。
費用とは、当該病院が提供する医療行為が予定している医療費である。費用は、金額情報が記録されていてよい。あるいは医療行為ごとに固定金額が設定されており、それらが別途データベースに記録されている場合には、当該固定料金の金額を指し示す情報が費用として予約データベース34に記録されていてもよい。例えば、眉毛の整形は一律〇万円、PCR検査は一律〇千円などである。
【0026】
なお病院IDとは、各々の病院を識別可能な情報である。仲介サーバ2の記録部25には、
図7に示す病院データベース33が記録されている。この病院データベース33には、病院IDに関連付けて、病院の名称、病院の連絡先、病院の住所、病院の支払先、病院が提供する医療サービスの内容などが登録されている。
紹介者が紹介者端末4を介して病院の名称などを仲介サーバ2に送信すると、仲介サーバ2は当該病院の名称に一致する病院IDを特定し、当該病院IDを予約IDに関連付けて予約データベース34に記録する。
【0027】
図3に戻り、予約情報が予約データベース34に記録された後に、予約日時に患者が病院で医療行為を受ける。医療行為が終わった後、患者は医療費と仲介料を含む費用を支払う(STEP04)。以降の説明では、患者がクレジットカードを用いて費用を支払うものとする。
【0028】
費用の支払いに当たり、まず病院の職員は、病院端末6に医療費と紹介料を含む金額を表示させる。患者は金額を確認し、クレジットカードを病院端末6に読み取らせて決済を行う。すると、病院端末6から決済部3へ少なくとも、患者の氏名(クレジットカードの名義)、支払先(病院の支払先)、病院への医療費の金額と、紹介者への紹介料の金額の情報が送信される。
【0029】
クレジットカードの信販会社が運営する決済部3は、病院端末6から当該決済の情報を受信すると、医療費の金額を病院の支払先へ、紹介料の金額を仲介事業者の支払先へ、それぞれ送金する。また、決済部3は、当該決済に係る送金を行った後に、当該決済に係る情報を仲介サーバ2へ送信する。
【0030】
図8は、決済部3が仲介サーバ2へ送信する情報を示す図である。
図8に示すように、本例では、決済部3は仲介サーバ2へ、支払日2023年4月25日に、ABCという人物から123病院へがん治療について15万円の支払いがあったこと、また、同日にABCという人物からVWZ仲介会社へ紹介者XYZについて5万円の支払いがあったことを示す情報を伝達する。
【0031】
仲介サーバ2の紹介料支払い部24は、決済部3から
図8に示した情報を取得し、取得した決済情報が予約データベース34に記録されているどの予約に該当するかを特定する(STEP05)。
【0032】
本例では紹介料支払い部24は、
図8に示したように、支払日、患者の氏名、病院の名称、仲介会社の名称、がん治療という細目、紹介者の氏名、医療費の金額、紹介料の金額の情報を取得する。紹介料支払い部24は、これらの情報に合致する予約情報を、
図6に示した予約データベース34から特定する。本例では紹介料支払い部24は、予約ID:1に関連付けて記録された支払日や患者の氏名と情報と一致していると判定し、決済部3から取得した情報は予約ID:1に関するものであると特定する。
【0033】
紹介料支払い部24は、このようにして決済部3から、紹介者データベース31、患者データベース32、予約データベース34の少なくとも一つに含まれる少なくとも一つの特定情報を含む支払い情報を取得する。取得した特定情報に基づき、予約データベース34から支払いのなされた予約IDを特定し、特定した予約IDに関連付けられた紹介者IDを特定し、
図1の紹介者データベース31に基づき紹介者の支払先へ紹介料を支払う(STEP06)。
【0034】
このように本開示に係る医療行為を仲介する仲介システム1は、
外国人の患者を紹介する紹介者を介して、外国人の患者へ国内の病院で実施する医療行為を仲介するシステムであって、
前記システムはネットワークを介して、紹介者の操作する紹介者端末4と、患者の支払いを決済する決済部3とに接続されており、
前記紹介者端末4から取得した紹介者の紹介者支払先を、紹介者IDと関連付けて紹介者データベース31に記録する、紹介者登録部21と、
前記紹介者端末4から取得した患者の氏名などの患者に関する情報を、前記紹介者IDとともに患者IDと関連付けて患者データベース32に登録する、患者登録部22と、
前記紹介者端末4から取得した、紹介者から予約した患者が特定の病院で特定の医療行為を受ける予約情報を受け付ける予約受付部23と、
前記紹介者へ紹介料を支払う処理を実行する紹介料支払い部24と、を有し、
前記予約受付部23は、前記紹介者IDと前記患者IDと、病院ID、費用を少なくとも含む情報を予約IDと関連付けて予約データベース34に記録し、
前記紹介料支払い部24は、
前記紹介者データベース31、前記患者データベース32、前記予約データベース34の少なくとも一つに含まれる少なくとも一つの特定情報を含む支払い情報を取得して患者の支払い処理を行う前記決済部3から取得した前記特定情報に基づき、前記予約データベース34から支払いのなされた前記予約IDを特定し、
前記紹介者データベース31に基づき、特定した前記予約IDに関連付けられた前記紹介者IDに関連付けられた前記紹介者支払先を特定し、
特定した前記紹介者支払先へ紹介料の支払い処理を実行する。
【0035】
また、本開示に係る医療行為の仲介を情報処理装置に実行させる方法は、
外国人の患者を紹介する紹介者を介して、外国人の患者へ国内の病院で実施する医療行為の仲介を情報処理装置に実行させる方法であって、
前記情報処理装置は、メモリと、メモリに記録されたコンピュータ可読命令を実行するプロセッサと、記録部25と、を有する
前記情報処理装置はネットワークを介して、紹介者の操作する紹介者端末4と、患者の支払いを決済する決済部3とに接続されており、
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を実行すると、
前記紹介者端末4から紹介者の紹介者支払先を、紹介者IDと関連付けて紹介者データベース31として前記記録部25に記録させ、
前記紹介者端末4から取得した患者の氏名などの患者に関する情報を、前記紹介者IDとともに患者IDと関連付けて患者データベース32として前記記録部25に登録させ、
前記紹介者端末4から、紹介者が予約した患者が特定の病院で特定の医療行為を受ける予約情報を取得させ、
紹介者へ紹介料を支払う処理を実行させ、
前記予約情報の取得に際し、前記紹介者端末4から、前記紹介者ID、前記患者ID、病院ID、費用を少なくとも含む情報を取得し、それらを予約IDと関連付けて予約データベース34として前記記録部25に記録させ、
前記紹介料の支払いに際し、
前記紹介者データベース31、前記患者データベース32、前記予約データベース34の少なくとも一つに含まれる少なくとも一つの特定情報を含む支払い情報を取得して患者の支払い処理を処理する前記決済部3から前記特定情報を取得させ、前記特定情報に基づき前記予約データベース34から支払いのなされた前記予約IDを特定させ、
前記紹介者データベース31に基づき、特定した前記予約IDに関連付けられた前記紹介者IDに関連付けられた前記紹介者支払先を特定させ、
特定した前記紹介者支払先への紹介料の支払い処理を実行させる。
【0036】
本開示に係る仲介システム1および方法によれば、例えば同国人の紹介者という患者にとって心理的に頼れる人物を頼って日本国で医療サービスを受けることができ、かつ、患者と紹介者との間の金銭トラブルを回避することができる。このため、外国人の患者が日本国で医療行為を気軽に受けやすくなる。
【0037】
上述した仲介システム1において、仲介サーバ2は、患者データベース32に登録された情報に基づき、患者に関する問診票を生成する問診票生成部26を有してもよい。
【0038】
患者データベース32には、患者の氏名や支払元情報の他に、年齢、性別、既往歴、持病などの情報が含まれていてもよい。これらの情報を使って仲介サーバ2の問診票生成部26は、問診票を自動的に作成する。問診票は、病院ごとに異なるフォーマットが求められることが多いため、病院データベース33に問診票のフォーマットが記録されていてもよい。例えば紹介者は患者の病院の予約を取り付けた後に紹介者端末4を操作すると、問診票生成部26は、予約した病院の問診票フォーマットを病院データベース33から呼び出し、患者データベース32に記録されている患者の情報を問診票フォーマットに埋め込み、患者の予約した病院に適したフォーマットの問診票を自動的に生成する。
【0039】
上述した仲介システム1において、紹介者登録部21は、紹介者の紹介料に関する情報を、紹介者IDに関連付けて紹介者データベース31に記録するように構成してもよい。
【0040】
紹介者登録部21は、仲介業者が紹介者へ支払う仲介料を紹介者に応じて変えたい場合がある。例えば紹介人数の多い仲介者には高額の紹介料を支払いたい、あるいは、高額の医療費が伴う医療行為の仲介をした紹介者には高額の紹介料を支払いたい場合がある。このような場合には、紹介者データベース31に、紹介者IDに関連付けてこの紹介者に定めた紹介料の金額を記録しておくことができる。紹介料支払い部24は、紹介料を支払う際に、紹介者データベース31を参照し、紹介料を支払う紹介者の紹介者IDに関連付けられた紹介料の金額を読み出し、当該紹介者の支払先へ読み出した紹介料の金額を支払うように構成することができる。
【0041】
上述した仲介システム1において、紹介者端末4から支払い準備信号を取得すると、紹介者端末4へ病院IDと紹介者IDと支払金額を含む情報をQRコード(登録商標)として表示させるように構成してもよい。
上述した説明では、患者がクレジットカードにより決済を行う例を説明したが、本発明はこれに限られず、電子マネー決済などを用いてもよい。このように電子マネー決済を用いる場合には、決済に付属して特定の情報を伝達することが容易である。そこで電子マネー決済の場合には、以下の手順を踏むことにより、支払いのなされた予約IDを特定するための特定情報を確実に仲介サーバ2が取得することができる。この手順を
図9を用いて説明する。
【0042】
図9に示すように、まず紹介者は、患者の支払いに先立ち、紹介者端末4を操作して仲介サーバ2にこれから支払いを行う予約に関する情報を照会する(STEP11)。例えば紹介者は紹介者端末4を操作して紹介者IDと患者IDを仲介サーバ2に送信する。
次に、仲介サーバ2は照会のあった予約情報から必要な情報を紹介者端末4に送信する(STEP12)。例えば、仲介サーバ2は取得した紹介者IDおよび患者IDに関連付けられている予約IDを予約データベース34から特定する。仲介サーバ2は特定した予約IDから、病院IDを特定し、病院データベース33を参照して病院IDに関連付けられた病院の支払先を特定する。また、仲介サーバ2は特定した予約IDから、医療費の金額および紹介料の金額を特定する。仲介サーバ2は、これらの病院の支払先情報、医療費の金額および紹介料の金額を紹介者端末4に送信する。
紹介者端末4は、受信した病院の支払先情報、医療費の金額および紹介料の金額と、予約ID、紹介者IDおよび患者IDといった情報を含むQRコードを生成し、紹介者端末4の表示部に表示させる(STEP13)。
【0043】
患者は患者端末5で紹介者端末4に表示されるQRコードを読み取る(STEP14)。
患者端末5は、QRコードを読み取り、QRコードに含まれる病院の支払先情報、医療費の金額、紹介料の金額、予約ID、紹介者IDおよび患者IDを取得する。患者は、患者端末5により取得した病院の支払先へ医療費の金額を支払う。また患者は、患者端末5により仲介事業者の支払先へ紹介料の金額を、予約ID、紹介者IDおよび患者IDを付して支払う(STEP15)。なお、仲介事業者の支払先は紹介者端末4に表示されるQRコードに含まれていてもよいし、患者端末5に記録されていてもよい。
【0044】
このような構成によれば、決済部3へは、医療費の金額、紹介料の金額、予約ID、紹介者IDおよび患者IDといった予約IDを予約データベース34から特定するための特定情報が確実に送信される。このため、決済部3から特定情報が仲介サーバ2へ伝達されるように構成すれば、より確実に支払いのなされた予約IDを特定しやすくなる。なお、ここで説明した仲介サーバ2から紹介者端末4へ送信される情報は例示であって、医療費の金額、紹介料の金額、予約ID、紹介者IDおよび患者IDの少なくとも一つが送信されるように構成してもよい。
【0045】
なおPCR検査など医療行為に固定の金額が設定されている場合には仲介サーバ2は紹介者端末4に医療費の金額を伝達しなくてもよい。同様に、紹介料に固定の金額が設定されている場合には、仲介サーバ2は紹介者端末4に紹介料の金額を伝達しなくてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0047】
例えば上述の説明では、紹介者データベースや患者データベースなどはそれぞれ独立したデータベースとして説明したが、本発明はこれに限られない。例えば患者データベースに記録されると説明した患者の情報や予約データベースに記録される情報も、紹介者データベースにまとめて記録されるように構成されていてもよい。
【0048】
なお、決済は医療行為の実施された日と異なる場合には、紹介料支払い部は、支払日を予約の特定の処理には用いなくてもよい。あるいは、予約データベースには、医療行為の実施される日が記録されるのではなく、支払予定日が記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 仲介システム
2 仲介サーバ
3 決済部
4 紹介者端末
5 患者端末
6 病院端末
7 通信網
21 紹介者登録部
22 患者登録部
23 予約受付部
24 紹介料支払い部
25 記録部
26 問診票生成部
31 紹介者データベース
32 患者データベース
33 病院データベース
34 予約データベース