(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167809
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】監視制御システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/12 20060101AFI20241127BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20241127BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H02J3/12
H02J3/00 170
H02J13/00 301A
H02J13/00 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084153
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小藤 健太郎
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AB05
5G064AC05
5G064AC09
5G064CB03
5G064CB08
5G064DA03
5G066AA03
5G066AE01
5G066AE05
5G066AE09
5G066DA01
(57)【要約】
【課題】本開示は、設定情報又は接続情報の変更に対応可能な監視制御システムを提供する。
【解決手段】高圧配電系統と低圧配電系統とを接続し、前記高圧配電系統と前記低圧配電系統との間における電圧の変換を行う複数の柱上変圧器と、前記複数の柱上変圧器の少なくともいずれかに接続する複数のスマートメータと、を含む配電系統を監視及び制御する監視制御システムであって、前記複数の柱上変圧器のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報及び前記複数のスマートメータのそれぞれが接続する前記柱上変圧器に関する接続情報の少なくともいずれかを推定する制御部を備える監視制御システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧配電系統と低圧配電系統とを接続し、前記高圧配電系統と前記低圧配電系統との間における電圧の変換を行う複数の柱上変圧器と、前記複数の柱上変圧器の少なくともいずれかに接続する複数のスマートメータと、を含む配電系統を監視及び制御する監視制御システムであって、
前記複数の柱上変圧器のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報及び前記複数のスマートメータのそれぞれが接続する前記柱上変圧器に関する接続情報の少なくともいずれかを推定する制御部を備える、
監視制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記低圧配電系統における第1電力データ及び前記高圧配電系統における第2電力データに基づいて、前記設定情報を推定する、
請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の柱上変圧器における第1柱上変圧器について、前記第1柱上変圧器と接続する第1スマートメータが計測する前記第1電力データと、前記第2電力データとに基づいて、前記第1柱上変圧器に関する前記設定情報を推定する、
請求項2に記載の監視制御システム。
【請求項4】
前記配電系統は、前記高圧配電系統に、センサ開閉器を備え、
前記制御部は、前記センサ開閉器が計測する前記第2電力データに基づいて、前記設定情報を推定する、
請求項3に記載の監視制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数のスマートメータのそれぞれの位置情報と、前記複数のスマートメータのそれぞれが計測した第1電力データと、に基づいて、前記複数のスマートメータのそれぞれをクラスタリングし、
前記制御部は、前記複数のスマートメータについてクラスタリングした結果に基づいて、前記接続情報を推定する、
請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項6】
前記設定情報と、前記接続情報と、を記憶するデータベースを更に備え、
前記制御部は、推定した前記設定情報及び前記接続情報の少なくともいずれかに基づいて、前記データベースに記憶された前記設定情報及び前記接続情報の少なくともいずれかを更新する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の監視制御システム。
【請求項7】
前記設定情報と、前記接続情報と、を記憶するデータベースを更に備え、
推定した前記設定情報が前記データベースに記憶された前記設定情報と異なる場合、又は、推定した前記接続情報が前記データベースに記憶された前記接続情報と異なる場合、前記制御部は、推定した前記設定情報又は前記接続情報に関連する前記柱上変圧器及び前記スマートメータを表示部に提示する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の監視制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記配電系統に接続され、前記配電系統における電力を制御する制御機器を制御する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の監視制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配電系統のフィーダ電圧が、配電用変電所からの線路長が長くなるに従って送出電圧から降下することが開示されている。また、特許文献1には、柱上変圧器のタップは、二次側電圧(需要家への供給電圧)が所定の基準電圧範囲内となるよう当該電圧降下に応じて選定されていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配電系統における管理及び制御を行う監視制御システムが求められている。配電系統を制御するために、例えば、柱上変圧器におけるタップ設定の情報である設定情報及び柱上変圧器に接続されている需要者の情報である接続情報が用いられる。設定情報及び接続情報は、例えば、運用を行っている間に、使用状態に応じて変更される場合がある。
【0005】
本開示は、設定情報又は接続情報の変更に対応可能な監視制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、高圧配電系統と低圧配電系統とを接続し、前記高圧配電系統と前記低圧配電系統との間における電圧の変換を行う複数の柱上変圧器と、前記複数の柱上変圧器の少なくともいずれかに接続する複数のスマートメータと、を含む配電系統を監視及び制御する監視制御システムであって、前記複数の柱上変圧器のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報及び前記複数のスマートメータのそれぞれが接続する前記柱上変圧器に関する接続情報の少なくともいずれかを推定する制御部を備える監視制御システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の監視制御システムによれば、設定情報又は接続情報の変更に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る監視制御システムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る監視制御システムの機能構成について説明する図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る監視制御システムにおける制御部のハードウエア構成について説明する図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る監視制御システムにおける処理について説明する図である。
【
図5】
図5は、低圧配電系統における電圧降下対策について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0011】
本実施形態に係る監視制御システムについて説明する。本実施形態に係る監視制御システムは、配電系統を監視及び制御する。本実施形態に係る監視制御システムが監視及び制御する配電系統は、複数の柱上変圧器と、複数のスマートメータと、を含む。複数の柱上変圧器のそれぞれは、高圧配電系統と低圧配電系統とを接続し、高圧配電系統と低圧配電系統との間における電圧の変換を行う。また、複数のスマートメータのそれぞれは、複数の柱上変圧器の少なくともいずれかに接続する。本実施形態に係る監視制御システムは制御部を備える。制御部は、複数の柱上変圧器のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報及び複数のスマートメータのそれぞれが接続する柱上変圧器に関する接続情報の少なくともいずれかを推定する。
【0012】
本実施形態に係る監視制御システムについて、例を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る監視制御システムの一例である監視制御システム1の概略を示す図である。
【0013】
監視制御システム1は、例えば、一般家庭、事業者に例示される需要者Hに、適正な電圧で電力を供給するように、配電系統を監視及び制御する。監視制御システム1が監視する配電系統は、配電用変圧器10から、フィーダ遮断器13を介して電力が供給される高圧配電系統HLと、柱上変圧器11により電圧変換されて電力が供給される低圧配電系統LLと、を含む。
【0014】
監視制御システム1は、制御部20を備える。監視制御システム1における制御部20は、配電系統に設置される制御機器を制御する。制御部20は、配電用変圧器10と、高圧自動電圧調整器14と、無効電力補償器16と、を制御する。なお、監視制御システム1における制御部20が制御する制御機器の例として、配電用変圧器10、高圧自動電圧調整器14及び無効電力補償器16について説明するが、制御部20が制御する制御機器は、上記の例に限らない。
【0015】
また、制御部20は、配電系統に設置される計測機器から計測結果を取得する。制御部20は、スマートメータ12において測定した低圧配電系統LLにおける電力データ(第1電力データ)と、センサ開閉器15において測定した高圧配電系統HLにおける電力データ(第2電力データ)と、を取得する。なお、監視制御システム1における制御部20が計測結果を取得する計測機器の例として、スマートメータ12及びセンサ開閉器15について説明するが、制御部20が計測結果を取得する計測機器は、上記の例に限らない。
【0016】
さらに、制御部20は、配電系統に設置される計測機器が計測した計測結果に基づいて、制御機器を制御する。制御部20は、低圧配電系統LLにおける電力データ及び高圧配電系統HLにおける電力データに基づいて、配電用変圧器10、高圧自動電圧調整器14及び無効電力補償器16のそれぞれを制御する。
【0017】
[配電用変圧器10]
配電用変圧器10は、変電所において、電圧が60キロボルト以上である特別高圧と呼ばれる電力を、電圧が例えば6600ボルトである高圧と呼ばれる電力に降圧する変圧器である。配電用変圧器10は、降圧する電圧を調整が可能である。
【0018】
配電用変圧器10は、例えば、負荷時タップ切換変圧器(LRT:Load Ratio control Transfomer)である。制御部20は、タップを離散的に変更することにより、配電用変圧器10における変圧比を変更する。制御部20は、配電用変圧器10に、タップ値を直接指令してもよいし、タップの上げ下げを指令してもよい。また、制御部20は、配電用変圧器10に、LDC(Line voltage Drop Compensation)整定値、例えば、ベクトルLDCの場合はレジスタンス及びリアクタンス、スカラーLDCの場合はインピーダンス、を指令してもよい。
【0019】
[柱上変圧器11]
柱上変圧器11は、高圧配電系統HLと低圧配電系統LLとを接続し、高圧配電系統HLと低圧配電系統LLとの間における電圧の変換を行う。柱上変圧器11は、複数のタップを備える。柱上変圧器11は、高圧配電系統HLにおける電圧に応じて、複数のタップのいずれかを選択して用いられる。柱上変圧器11において、選択されたタップに関する情報は、タップ電圧に関する設定情報として記録される。
【0020】
[スマートメータ12]
スマートメータ12は、低圧配電系統LLにおける電力データを測定する。スマートメータ12は、例えば、有効電力量、無効電力量、電圧を測定する。スマートメータ12が、需要者Hにおける電力データを、短い周期、例えば、5分から30分、で測定することにより、配電系統をより精密に制御できる。
【0021】
スマートメータ12は、需要者Hのそれぞれに設置される。各需要者Hにおけるスマートメータ12から出力される電力データは、一度、スマートメータ管理装置17により集約される。そして、スマートメータ管理装置17において集約された電力データは、制御部20に送られる。
【0022】
[フィーダ遮断器13]
フィーダ遮断器13は、変電所において、予め定められた電流値を超える電流を検知したときに、線路を開放して電力を遮断する。
【0023】
[高圧自動電圧調整器14]
高圧自動電圧調整器14は、高圧配電系統HLにおける電圧が規定の電圧範囲に納まるように調整する。高圧自動電圧調整器14は、高圧配電系統HLにおける線路の途中に直列に接続される。高圧自動電圧調整器14は、例えば、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)、サイリスタ式自動電圧調整器(TVR:Thyristor type step Voltage Regulator)である。制御部20は、高圧自動電圧調整器14におけるタップを離散的に変更することにより、高圧自動電圧調整器14における変圧比を変更する。
【0024】
制御部20は、高圧自動電圧調整器14に、タップ値を直接指令してもよいし、タップの上げ下げを指令してもよい。また、制御部20は、高圧自動電圧調整器14に、LDC整定値、例えば、ベクトルLDCの場合はレジスタンス及びリアクタンス、スカラーLDCの場合はインピーダンス、を指令してもよい。
【0025】
[センサ開閉器15]
センサ開閉器15は、内蔵のセンサにより、例えば、高圧配電系統HLにおける電圧を電力データとして計測する。また、センサ開閉器15は、高圧配電系統HLにおける経路を開放又は接続する。
【0026】
センサ開閉器15で測定した電力データは、制御部20に送信される。制御部20は、センサ開閉器15から、高圧配電系統HLにおける電力データを取得する。
【0027】
[無効電力補償器16]
無効電力補償器16は、負荷状態において無効電力を変化させて、無効電力補償を行う。無効電力補償器16は、高圧配電系統HLにおける線路の途中に並列に接続される。無効電力補償器16は、例えば、静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)である。制御部20は、無効電力補償器16によって高圧配電系統HLに無効電力を供給又は消費することにより、高圧配電系統HLにおける電圧を調整する。
【0028】
[スマートメータ管理装置17]
スマートメータ管理装置17は、複数のスマートメータ12における測定結果を取得する。そして、スマートメータ管理装置17は、取得した複数のスマートメータ12における測定結果を、制御部20に送信する。
【0029】
なお、制御部20が制御する制御機器は、上記の例に限らない。例えば、制御部20は、直並列形の総合電力潮流制御装置(UPFC:Unified Power Flow Controller)を制御することにより、高圧配電系統HLにおける電圧を制御してもよい。また、例えば、制御部20は、AVR(Automatic Voltage Regulator)付きの柱上変圧器を制御することにより、高圧配電系統HLにおける電圧に基づいて、低圧配電系統LLが所望の電圧になるように制御してもよい。
【0030】
例えば、制御部20は、分路リアクトル(SSR:Step Switched Reactor)、力率改善コンデンサ(SSC:Step Switched Capacitor)を制御することにより、高圧配電系統HLにおける電圧を制御してもよい。制御部20は、分路リアクトル(SSR)又は力率改善コンデンサ(SSC)に、スイッチのオン指令又はオフ指令を指示して制御してもよい。
【0031】
例えば、制御部20は、分散電源におけるパワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System)を制御することにより、高圧配電系統HLにおける電圧を制御してもよい。制御部20は、分散電源におけるパワーコンディショナ(PCS)に、無効電力指令を指令して制御してもよいし、力率を指令して制御してもよい。
【0032】
制御部20が制御機器に指示する指令は上記に限らず、例えば、不感帯、動作時限、スロープリアクトル(ドループ)を、制御機器に指令してもよい。
【0033】
[制御部20]
制御部20について説明する。
図2は、本実施形態に係る監視制御システムの一例である監視制御システム1における制御部20の機能構成について説明する図である。なお、
図2において、制御部20に関連する要素についても記載している。
【0034】
制御部20は、電力データ取得部21と、設定情報更新部22と、システム制御部23と、データベース25と、機器接続部27と、表示制御部28と、を備える。
【0035】
(電力データ取得部21)
電力データ取得部21は、計測機器から配電系統における測定データを取得する。電力データ取得部21は、スマートメータ12から低圧配電系統LLにおける電力データを取得する。より具体的には、電力データ取得部21は、スマートメータ管理装置17から、スマートメータ12において測定した低圧配電系統LLにおける電力データを取得する。また、電力データ取得部21は、センサ開閉器15から高圧配電系統HLにおける電力データを取得する。電力データ取得部21は、機器接続部27を介して、スマートメータ管理装置17及びセンサ開閉器15のそれぞれから電力データを取得する。
【0036】
(設定情報更新部22)
設定情報更新部22は、電力データ取得部21により取得した低圧配電系統LLにおける電力データ及び高圧配電系統HLにおける電力データに基づいて、後述する設定情報25a及び接続情報25bのそれぞれを推定する。そして、設定情報更新部22は、推定した設定情報25a及び接続情報25bのそれぞれに基づいて、データベース25に記憶している設定情報25a及び接続情報25bのそれぞれを更新する。
【0037】
(システム制御部23)
システム制御部23は、電力データ取得部21により取得した低圧配電系統LLにおける電力データ及び高圧配電系統HLにおける電力データと、設定情報25a及び接続情報25bと、に基づいて、制御機器を制御する。
【0038】
(データベース25)
データベース25は、処理に必要なデータを保存する。データベース25は、複数の柱上変圧器11のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報25aと、複数のスマートメータ12のそれぞれが接続する柱上変圧器に関する接続情報25bと、を少なくとも記憶する。
【0039】
複数の柱上変圧器11のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報25aは、複数の柱上変圧器11のそれぞれにおいて、どのタップ電圧に設定したかを示す情報である。
【0040】
複数のスマートメータ12のそれぞれが接続する柱上変圧器に関する接続情報25bは、複数のスマートメータ12のそれぞれがどの柱上変圧器に接続しているかを示す情報である。
【0041】
(機器接続部27)
機器接続部27は、制御部20に接続する制御機器及び計測機器と接続して、通信を行う。
【0042】
具体的に説明すると、機器接続部27は、配電用変圧器10、高圧自動電圧調整器14及び無効電力補償器16のそれぞれに接続する。機器接続部27は、配電用変圧器10、高圧自動電圧調整器14及び無効電力補償器16のそれぞれに、制御指令等を送信する。また、機器接続部27は、センサ開閉器15及びスマートメータ管理装置17のそれぞれに接続する。機器接続部27は、センサ開閉器15及びスマートメータ管理装置17のそれぞれから、測定結果等を受信する。
【0043】
(表示制御部28)
表示制御部28は、結果等を表示するためのデータを作成する。そして、表示制御部28は、表示部30を所望の表示を行うように制御する。
【0044】
次に、制御部20のハードウエア構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る監視制御システムの一例である監視制御システム1における制御部20のハードウエア構成について説明する図である。
【0045】
制御部20は、例えば、プログラム処理装置、いわゆる、コンピュータによって実現される。制御部20は、例えば、
図3に示すハードウエア構成により実現される。
【0046】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20a、RAM(Random Access Memory)20b及びROM(Read Only Memory)20cを備える。また、制御部20は、ストレージI/F(Interface)20d、通信I/F20e、外部I/F20f及び表示I/F20gを備える。CPU20a、RAM20b、ROM20c、ストレージI/F20d、外部I/F20f及び表示I/F20gのそれぞれは、バスBに接続する。
【0047】
ストレージI/F20dには、例えば、記憶媒体20Sが接続される。外部I/F20fには、制御機器と、計測機器と、が接続される。
【0048】
CPU20aは、ROM20cや記憶媒体20Sなどの記憶装置からプログラム(アプリ、アプリケーション)をRAM20b上に読み出し、処理を実行する演算装置である。
【0049】
RAM20bは、例えば、プログラム(アプリ、アプリケーション)等を一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0050】
ROM20cは、例えば、電源を切ってもプログラム(アプリ、アプリケーション)等を保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM20cには、起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)などのプログラム、OS(Operating System)設定やネットワーク設定などの各種設定が格納されている。
【0051】
ストレージI/F20dは、記憶媒体20Sなどの外部装置とのインタフェースである。制御部20はストレージI/F20dを利用して記憶媒体20Sの読み取り及び書き込みを行うことができる。
【0052】
記憶媒体20Sは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)である。
【0053】
通信I/F25iは、インターネットなどの外部のネットワークに接続するインタフェースである。通信I/F25iは、例えば、有線の通信方式を用いて外部のネットワークに接続する。
【0054】
外部I/F20fは、外部からの入力処理を行う。外部I/F20fには、制御機器と、計測機器と、が接続される。具体的には、外部I/F20fには、配電用変圧器10、高圧自動電圧調整器14、無効電力補償器16、センサ開閉器15及びスマートメータ管理装置17のそれぞれが接続される。
【0055】
制御部20における処理について説明する。
【0056】
(処理1)複数の柱上変圧器のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報25a
配電系統において、配電線敷設時に計画した柱上変圧器のタップ電圧設定(タップ電圧初期計画)がある。柱上変圧器のタップ電圧設定(タップ電圧初期計画)は、例えば、「高圧配電線の潮流が順潮流である」ことを前提として設定される。
【0057】
柱上変圧器11のタップ電圧設定は、例えば、配電変電所に近いエリアは高圧配電系統の電圧が高いことから、柱上変圧器タップの1次電圧を高く設定する(例えば、6750ボルト)。また、柱上変圧器のタップ電圧設定は、例えば、配電変電所から遠いエリアは高圧配電系統の電圧が低いことから、柱上変圧器タップの1次電圧を低く設定する(例えば、6450ボルト)。
【0058】
上述のように、柱上変圧器のタップ電圧設定を行うことにより、配電線途中の電圧調整機器の設置を少なくしつつ、低圧配電系統の電圧降下を抑えることができる。
【0059】
一方、初期計画から需要設備が変更したり、分散電源が新設又は撤去されたりすることによって、低圧配電系統における電圧が所望の範囲に収まらなくなる場合がある。低圧配電系統における電圧が所望の範囲に収まるように、現場作業員がタップ電圧設定を変更することがある。現場作業員が、例えば、低圧系統の需要家から要請を受けて、探索的にタップ電圧設定を変更するような場合、必ずしもタップ電圧設定の変更記録は残されないことがある。
【0060】
したがって、送配電事業者が初期計画段階で定めたタップ電圧設定と、送配電事業者が現在管理しているタップ電圧設定と、実際の柱上変圧器で設定されているタップ電圧設定とは局所的に乖離がある場合がある。
【0061】
配電変電所又は高圧配電線の線路途中に設置された電圧調整機器、例えば、配電用変圧器(LRT)、自動電圧調整器(SVR)、静止型無効電力補償装置(SVC)、による電圧適正化を、監視制御システムが一括管理する集中電圧制御の普及が進められている。しかし、柱上変圧器のタップ電圧設定が初期計画のエリアから外れている場合又はタップ電圧設定の変更が記録されていない場合、低圧配電系統の電圧適正化が困難である。したがって、監視制御システムによる集中電圧制御機能は、高圧配電系統の電圧適正化に留まる場合がある。
【0062】
そこで、監視制御システム1において、集中電圧制御が低圧配電系統の電圧適正化を行うために、柱上変圧器11のタップ電圧設定を適正に管理する必要がある。監視制御システム1において、柱上変圧器11のタップ電圧設定を適正に管理するために、設定情報更新部22は、柱上変圧器11におけるタップ電圧設定を推定する。そして、設定情報更新部22は、推定したタップ電圧設定に基づいて、複数の柱上変圧器のそれぞれにおけるタップ電圧に関する設定情報25aを更新する。
【0063】
具体的な処理について説明する。
【0064】
(ステップS10)
設定情報更新部22は、スマートメータ管理装置17から、スマートメータ12によって測定された低圧配電系統LLにおける電力データ、より具体的には、電圧データを取得する。スマートメータ12は、低圧需要家の系統電圧を送配電事業者に送信できるようになっている。
【0065】
(ステップS20)
設定情報更新部22は、センサ開閉器15によって測定された高圧配電系統HLにおける電力データ、より具体的には、電圧データを取得する。
【0066】
(ステップS30)
設定情報更新部22は、データベース25から複数のスマートメータ12のそれぞれが接続する柱上変圧器11に関する接続情報25bを取得する。
【0067】
(ステップS40)
設定情報更新部22は、高圧配電系統HLにおける電圧値V1と、低圧配電系統LLにおける電圧値V2との比率から柱上変圧器11のタップ電圧設定を推定する。設定情報更新部22が、複数の柱上変圧器11における柱上変圧器A(特許請求の範囲における第1柱上変圧器の一例)について、タップ電圧設定を推定する場合を例として説明する。設定情報更新部22は、柱上変圧器Aに関する高圧配電系統HLにおける電圧値V1を取得する。そして、設定情報更新部22は、複数のスマートメータ12の中で、柱上変圧器Aに接続するスマートメータA(特許請求の範囲における第1スマートメータの一例)を接続情報25bから取得する。そして、スマートメータAに関する低圧配電系統LLにおける電圧値V2を取得する。そして、設定情報更新部22は、電圧値V1と電圧値V2との比率から柱上変圧器Aのタップ電圧設定を推定する。
【0068】
(ステップS50)
設定情報更新部22は、推定したタップ電圧設定により、設定情報25aを更新する。設定情報25aを更新する場合、例えば、設定情報更新部22は、データベース25に保存している設定情報25aにおけるタップ電圧設定と、ステップS40において推定したタップ電圧設定とを比較する。そして、設定情報更新部22は、データベース25に保存している設定情報25aにおけるタップ電圧設定と、ステップS40において推定したタップ電圧設定とが所定の値離れていた場合に、設定情報25aを更新してもよい。
【0069】
具体的な例について説明する。例えば、
図1における柱上変圧器11aにおいて、タップ電圧設定が6750ボルトとして管理されているとする。言い換えると、柱上変圧器11aにおけるタップ電圧設定の管理値が6750ボルトとする。一方、柱上変圧器11aにおける実際のタップ電圧設定は、6600ボルトとする。
【0070】
ステップS40において、設定情報更新部22が、高圧配電系統HLにおける電圧値V1と、低圧配電系統LLにおける電圧値V2との比率から柱上変圧器11aのタップ電圧設定を推定する。柱上変圧器11aにおいて、電圧値V1と電圧値V2の比率から、タップ電圧設定が6750ボルトを含む所定の範囲内、例えば、6750±75ボルトであれば、設定情報更新部22は、設定情報25aにおけるタップ電圧設定は適正であると判断する。
【0071】
一方、柱上変圧器11aにおいて、電圧値V1と電圧値V2の比率から、タップ電圧設定が6750ボルトを含む所定の範囲外であれば、設定情報更新部22は、設定情報25aにおけるタップ電圧設定は適正ではないと判断する。そして、設定情報更新部22は、設定情報25aにおけるタップ電圧設定を、ステップS40において推定したタップ電圧設定に更新する。
【0072】
なお、上記の例では、設定情報更新部22が、設定情報25aにおけるタップ電圧設定を更新しているが、管理者が、設定情報25aにおけるタップ電圧設定を変更してもよい。例えば、データベース25に保存している設定情報25aにおけるタップ電圧設定と、ステップS40において推定したタップ電圧設定とが所定の値離れている柱上変圧器11を、表示部30を介して、管理者(ユーザ)に提示してもよい。管理者(ユーザ)は、表示部30に提示された柱上変圧器11について、データベース25に保存している設定情報25aを変更してもよい。例えば、管理者(ユーザ)は、表示部30に提示された柱上変圧器11について、実際の設定を確認後、データベース25に保存している設定情報25aを変更してもよい。言い換えると、監視制御システム1は、管理者(ユーザ)に対して、設定を変更するように支援するようにしてもよい。
【0073】
本実施形態に係る監視制御システムによれば、柱上変圧器におけるタップ電圧設定を推定することによって、実際の柱上変圧器におけるタップ電圧設定を導出できる。実際の柱上変圧器におけるタップ電圧設定を導出することにより、本実施形態に係る監視制御システムは、低圧配電系統の電圧を把握することができる。そして、本実施形態に係る監視制御システムは、高圧配電系統及び低圧配電系統のそれぞれにおいて、電圧適正化できる。
【0074】
(処理2)複数のスマートメータのそれぞれが接続する柱上変圧器に関する接続情報25b
高圧配電系統に設置された柱上変圧器と、低圧配電系統との対応関係は、記録されていない場合がある。例えば、低圧配電系統の負荷又は分散電源出力が新設される場合、既設の柱上変圧器の定格容量を上回る場合がある。既設の柱上変圧器の定格容量を上回る場合、例えば、柱上変圧器を新設し、低圧配電系統を分割する場合がある。
【0075】
例えば、柱上変圧器を新設し、低圧配電系統を分割する場合、現場作業員の判断で系統分割の作業を行うと、系統分割作業がすべて情報システムに正確に記録されているとは限らない。対応する接続関係データ(エリアデータ)の不整合があると、配電系統集中電圧制御が適正電圧を維持できないおそれがある。
【0076】
そこで、監視制御システム1において、集中電圧制御が低圧配電系統の電圧適正化を行うために、柱上変圧器11とスマートメータ12との接続関係を推定する。監視制御システム1において、柱上変圧器11とスマートメータ12との接続関係を推定するために、設定情報更新部22は、複数のスマートメータ12と、柱上変圧器11との接続関係を推定する。
【0077】
具体的な処理について説明する。
【0078】
(ステップS110)
設定情報更新部22は、複数のスマートメータ12のそれぞれが設置されている地理的な位置情報を取得する。設定情報更新部22は、例えば、複数のスマートメータ12のそれぞれが設置されている緯度及び経度の情報を取得する。
【0079】
(ステップS120)
設定情報更新部22は、複数のスマートメータ12のそれぞれにおける電力データ、具体的には、電圧データ、を取得する。
【0080】
(ステップS130)
設定情報更新部22は、位置情報と、電圧データと、に基づいて、複数のスマートメータ12に対してクラスタリング(教師なし学習)を行う。そして、設定情報更新部22は、同じ柱上変圧器タップ電圧のエリアをグループ化する。設定情報更新部22が、位置情報と、電圧データと、に基づいてクラスタリングするのは、スマートメータの位置が近いと、同じ柱上変圧器又は同じ柱上変圧器タップ電圧設定エリアに属する可能性が高いという先見情報に基づく。
【0081】
図4は、本実施形態に係る監視制御システムの一例である監視制御システム1における処理について説明する図である。
図4の横軸は、スマートメータ12の位置情報(XY座標)を示す。
図4の縦軸は、スマートメータ12において測定した電圧データを示す。
図4における点Pは、複数のスマートメータ12のそれぞれをプロットした点を示す。線C1、線C2、線C3及び線C4のそれぞれは、クラスタリングしたグループを示す。
【0082】
図4に示すように、設定情報更新部22は、スマートメータ12における位置及び電圧値のそれぞれが近い場合に、同じグループであると判定する。同じグループと判定されたスマートメータ12は、同じ柱上変圧器11に接続されていると判断する。
【0083】
(ステップS140)
設定情報更新部22は、クラスタリングしたグループに基づいて、接続情報25bを更新する。接続情報25bを更新する場合、例えば、設定情報更新部22は、データベース25に保存している接続情報25bにおける柱上変圧器11とスマートメータ12との接続情報と、ステップS140において推定した接続情報とを比較する。そして、設定情報更新部22は、データベース25に保存している接続情報25bにおける柱上変圧器11とスマートメータ12との接続情報と、ステップS140において推定した接続情報とが異なっていた場合に、接続情報25bを更新してもよい。
【0084】
なお、実際の柱上変圧器11と、スマートメータ12との接続において、同じタップ電圧設定である複数の柱上変圧器11を、一つの仮想的な柱上変圧器11としてまとめてもよい。同じタップ電圧設定である複数台の柱上変圧器11を一つの柱上変圧器11としても、監視制御システム1は電圧制御できる。
【0085】
本実施形態に係る監視制御システムによれば、柱上変圧器とスマートメータとの接続関係を推定できる。実際の柱上変圧器とスマートメータとの接続関係を導出することにより、本実施形態に係る監視制御システムは、制御機器を適正に制御できる。そして、本実施形態に係る監視制御システムは、高圧配電系統及び低圧配電系統のそれぞれにおいて、電圧適正化できる。
【0086】
(処理3)低圧配電系統LLにおける電圧降下対策
上述の例では、低圧配電系統LL等において電圧降下の影響を考慮していない。また、上述の例では、逆潮流の場合、低圧配電系統LL等において電圧上昇の影響を考慮していない。
【0087】
そこで、設定情報更新部22は、スマートメータ12が測定した有効電力データ及び無効電力データを用いて、柱上変圧器11からスマートメータ12までの低圧配電系統LLにおける電圧降下又は電圧上昇を計算する。設定情報更新部22が低圧配電系統LLにおける電圧降下又は電圧上昇を計算することにより、スマートメータ12における電圧データを柱上変圧器の低圧送り出し電圧又は高圧に基づいて補正して精度を向上できる。設定情報更新部22が低圧配電系統LLにおける電圧降下又は電圧上昇を計算することにより、スマートメータ12における低圧末端を柱上変圧器低圧送り出し電圧又は高圧(柱上変圧器1次側電圧)に基づいて補正して精度を向上できる。
【0088】
図5は、低圧配電系統における電圧降下対策について説明する図である。なお、
図5において、簡単のために、高圧配電系統HL及び低圧配電系統LLにおける配線を1本の線で表示しているが、実際は三相高圧及び単相2線式である。
【0089】
柱上変圧器11における2次側電圧を補正するために、通常は低圧配電系統LLにおけるインピーダンスINP1を用いる。設定情報更新部22は、例えば、柱上変圧器11における巻き線抵抗及び漏れインダクタンスを考慮したインピーダンスINP2(低圧換算)をインピーダンスINP1に加算してもよい。
【0090】
例えば、電圧補正値をVc、負荷電流における電流値をI1、スマートメータ12における電圧測定値をV1とすると、下記の式1を満たす。
【0091】
Vc =(INP1+INP2)×I1+V1 ・・・ 式1
【0092】
インピーダンス及び負荷電流のそれぞれは、絶対値(実効値)で計算してもよいし、有効分及び無効分のそれぞれを考慮した複素数計算であってもよい。
【0093】
例えば、絶対値計算(実効値)の場合、以下の式の通りである。なお、スマートメータを略してSMとして示す。
【0094】
負荷電流 = √(SM有効電力の2乗+SM無効電力の2乗)÷SM電圧
インピーダンス = √(抵抗の2乗 + インダクタンスの2乗)
電圧補正値 = インピーダンス×負荷電流+SM電圧
【0095】
例えば、複素数計算の場合、以下の式の通りである。
【0096】
負荷電流 = (SM有効電力÷SM電圧)-j ×(SM無効電力÷SM電圧)
インピーダンス = 抵抗 + j×インダクタンス
電圧補正値 = |インピーダンス×負荷電流+SM電圧|
ただし、jは虚数単位である。| |は絶対値を示す。
【0097】
(処理4)情報の更新支援
柱上変圧器のタップ電圧設定が実地と合わない箇所について、エリアデータを修正する又は現地のタップ電圧設定をデータに合わせる工事の計画をすることで、より電圧適正化を行うことが求められている。
【0098】
監視制御システム1は、内部に記録された柱上変圧器11と複数のスマートメータ12との接続関係に基づいて、複数のスマートメータ12のそれぞれについて、スマートメータ12が設置される低圧配電系統LLの上位柱上変圧器のタップ電圧設定を取得する。また、監視制御システム1は、複数のスマートメータ12のそれぞれについて、スマートメータ12が設置される低圧配電系統LLにおける上位柱上変圧器の近傍の高圧配電線電圧を取得する。
【0099】
そして、監視制御システム1は、高圧配電線電圧をタップ電圧設定で除して低圧電圧に換算し、低圧電圧換算値と各スマートメータ12における電圧値とを比較する。
【0100】
監視制御システム1は、低圧電圧換算値と各スマートメータ12における電圧値との差が閾値を超えた場合、当該スマートメータ12及び柱上変圧器の判定箇所を、表示部30に表示する。該当箇所を表示部30に表示することにより、送配電事業者が調査すべき実地場所を把握できる。また、該当箇所を表示部30に表示することにより、送配電事業者が効率的な調査及びデータ修正ができる。
【0101】
なお、監視制御システム1は、下記のようにして、高圧配電線電圧を取得する。
【0102】
・柱上変圧器11を設置した点の近傍におけるセンサ開閉器15のデータ
・柱上変圧器11を設置した点の近傍におけるフィーダ遮断器13のデータ
・高圧配電線の電圧、電流、位相等の電力データから、監視制御システム1が潮流計算等を行ない、柱上変圧器11の設置した点における高圧電圧を推定したデータ
【0103】
また、監視制御システム1は、下記のようにして、低圧配電線電圧を取得する。
【0104】
例えば、高圧配電系統における電圧値が6800ボルト、タップ電圧設定が6600ボルト、低圧定格電圧を101ボルト、とすると、低圧配電系統LLにおける電圧値V2は、下記のようになる。
【0105】
V2 = 6800/6600×101
= 104.1 ボルト
【0106】
なお、ここで、タップ電圧設定はタップ電圧設定推定値ではなく、推定前のタップ電圧設定値である。
【0107】
なお、上記の動作例は、本実施形態に係る監視制御システムにおける動作の一例であって、本実施形態に係る監視制御システムは、上記の動作に限定されない。また、上記の動作例で示した数値についても、本実施形態に係る監視制御システムにおける動作を説明するために例として用いる数値であって、本実施形態に係る監視制御システムにおける動作は、当該数値に限定されない。
【0108】
以上、監視制御システムを実施形態により説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本開示の範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 監視制御システム
10 配電用変圧器
11 柱上変圧器
12 スマートメータ
13 フィーダ遮断器
14 高圧自動電圧調整器
15 センサ開閉器
16 無効電力補償器
17 スマートメータ管理装置
20 制御部
21 電力データ取得部
22 設定情報更新部
23 システム制御部
25 データベース
25a 設定情報
25b 接続情報
27 機器接続部
28 表示制御部
30 表示部
H 需要者
HL 高圧配電系統
LL 低圧配電系統