IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アズビル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-センサ装置 図1
  • 特開-センサ装置 図2
  • 特開-センサ装置 図3
  • 特開-センサ装置 図4
  • 特開-センサ装置 図5
  • 特開-センサ装置 図6
  • 特開-センサ装置 図7
  • 特開-センサ装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167811
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/58 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
G01F1/58 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084155
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 偉明
(72)【発明者】
【氏名】島田 隆之
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035BE04
(57)【要約】
【課題】リード線の引き回し部分における耐圧性の向上を実現することを課題とする。
【解決手段】センサ装置は、電極を介して起電力を検出する検出部および起電力を物理量へ変換する変換部を貫通する貫通孔に挿通されるリード線と、変換部側のリード線の外周面に充填されたポッティング材と、ポッティング材よりも検出部側の位置で変換部の筐体の内面および前記リード線の外周を封止するOリングと、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を介して起電力を検出する検出部および前記起電力を物理量へ変換する変換部を貫通する貫通孔に挿通されるリード線と、
前記変換部側のリード線の外周面に充填されたポッティング材と、
前記ポッティング材よりも前記検出部側の位置で前記変換部の筐体の内面および前記リード線の外周を封止するOリングと、
を有することを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記Oリングのサイズおよび前記変換部の筐体の内面の径は、前記Oリングの潰し率に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
複数のOリングは、直列に重ねて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記ポッティング材は、弾性ポッティング材であることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサ装置は、電磁流量計であることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
センサ装置の測定原理の1つとして、物理現象に伴って発生する起電力を検出することにより物理量を測定するタイプのセンサ装置が存在する。このようなセンサ装置の例として、流体が磁界中を通過する流れによって発生する起電力を利用して流量を測定する電磁流量計が挙げられる。
【0003】
電磁流量計は、流体が通過する測定管内に磁界を発生させ、流体の通過により発生する起電力を検出する検出部と、検出部により検出される起電力を流体の流量へ変換する変換部とを有する。
【0004】
例えば、電磁流量計の利用シーンの例として、爆発性雰囲気の環境が想定され得ることから、電磁流量計の変換部は耐圧防爆構造とされる側面がある。このような側面から、電磁流量計では、リード線、例えば励磁コイルに接続される励磁線や電極に接続される信号線が変換部へ引き回される際、検出部および変換部の境界部分でリード線の外周面にポッティング材が充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6741622号公報
【特許文献2】特開平8-271303号公報
【特許文献3】特開2023-026686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のようにリード線の外周面にポッティング材を充填したとしても、リード線およびポッティング材の間で十分な固着性が得られるとは限らない。このため、電磁流量計の変換部の内部が加圧されると、リード線およびポッティング材の間に漏れが発生するので、耐圧試験を満足する耐圧性が確保することが困難である。また、電磁流量計の変換部の内部に熱を加えると、リード線およびポッティング材の間で線膨張係数が異なることが一因となって剥離が発生するので、熱安定試験を満足する耐圧性およびシール性を確保することが困難である。
【0007】
本願はこのような課題を解決するためのものであり、リード線の引き回し部分における耐圧性の向上を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係るセンサ装置は、電極を介して起電力を検出する検出部および前記起電力を物理量へ変換する変換部を貫通する貫通孔に挿通されるリード線と、前記変換部側のリード線の外周面に充填されたポッティング材と、前記ポッティング材よりも前記検出部側の位置で前記変換部の筐体の内面および前記リード線の外周を封止するOリングと、を有する。
【0009】
上記のセンサ装置において、前記Oリングのサイズおよび前記変換部の筐体の内面の径は、前記Oリングの潰し率に基づいて設定されてもよい。
【0010】
上記のセンサ装置において、複数のOリングは、直列に重ねて配置されてもよい。
【0011】
上記のセンサ装置において、前記ポッティング材は、弾性ポッティング材であってもよい。
【0012】
上記のセンサ装置において、前記センサ装置は、電磁流量計であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
上記のセンサ装置によれば、リード線の引き回し部分における耐圧性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】電磁流量計の外観構成を示す正面図である。
図2】従来技術における耐圧防爆構造の一例を示す図である。
図3】リード線の引き回し部分を示す断面図である。
図4】Oリングの取付例を示す図である。
図5】加圧時のポッティング材及びOリングの機能を説明する図である。
図6】加圧時のポッティング材及びOリングの機能を説明する図である。
図7】リード線の余長処理を説明する模式図である。
図8】リード線の引き回し部分の組み立て方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本願に係るセンサ装置の実施の形態(以下、「実施形態」と記載)について説明する。
【0016】
<全体構成>
図1は、電磁流量計1の外観構成を示す正面図である。図1に示す電磁流量計1は、流体が磁界中を通過する流れによって発生する起電力を利用して流量を測定するものである。図1に示すように、電磁流量計1は、検出部3と、変換部5とを有する。
【0017】
検出部3には、パイプ状に形成された測定管で流体が流れる方向に対して直交する方向に磁界を印加させる励磁コイルが含まれてよい。さらに、検出部3には、測定管の内周面に励磁コイルが印加する磁界と直交する方向に対向する配置で一対の信号電極が設けられてよい。これら一対の信号電極により、励磁コイルが発生される磁界中を流体が流れることで流速に比例して生じる起電力が取り出される。変換部5は、検出部3により検出される起電力を流体の流量へ変換する。なお、ここでは、信号電極が測定管内の内周面に設置される接液式を例に挙げたが、流体の起電力を流体と電極間の静電容量を介して検出する容量式(非接液式)であってもよい。
【0018】
電磁流量計1では、リード線L1およびリード線L2が検出部3から首部4を経由して変換部5へ引き回される。例えば、リード線L1は、検出部3の一対の信号電極に接続された信号線である。また、リード線L2は、検出部3の励磁コイルに接続された励磁線である。以下、リード線L1およびリード線L2の個体を区別しない場合、リード線L1およびリード線L2のことを指して「リード線L」と表記する場合がある。
【0019】
ここで、電磁流量計1の利用シーンとして、爆発性雰囲気の環境が想定され得ることから、電磁流量計1の変換部5は、耐圧防爆構造とされる側面がある。
【0020】
<課題の一側面>
しかしながら、上記の背景技術の欄で説明した通り、検出部3および変換部5の境界部分でリード線Lの外周面にポッティング材を充填するだけでは、耐圧性が確保できない場合がある。
【0021】
図2は、従来技術における耐圧防爆構造の一例を示す図である。図2には、検出部3および変換部5を接続する首部4の内部構成が模式化されている。図2に示すように、首部4には、4本のリード線L11、L12、L21およびL22が検出部3から変換部5へ引き回されている。このうち、リード線L11およびリード線L12は、検出部3の一対の信号電極に接続された信号線である。一方、リード線L21およびリード線L22は、検出部3の励磁コイルに接続された励磁線である。例えば、従来技術では、4本のリード線L11、L12、L21およびL22の外周面にポッティング材41が充填された耐圧防爆構造を有する。
【0022】
しかし、上記の従来技術における耐圧防爆構造では、リード線L11、L12、L21およびL22と、ポッティング材41との間で十分な固着性が得られるとは限らない。この場合、電磁流量計1の変換部5の内部が加圧されると、リード線L11、L12、L21およびL22と、ポッティング材41との間に漏れが発生するので、耐圧防爆規格の加圧試験を満足する耐圧性を確保することが困難である。
【0023】
さらに、リード線L11、L12、L21およびL22の被覆材が非粘着性とされる場合、固着性がより悪化するので、リード線の被覆材の材料選択の幅が狭まる一面もある。例えば、リード線の表面性状を向上させる側面から、FEP(Fluorinated Ethylene Propylene)などの非粘着コーティングをリード線に適用する実装も期待されるが、このような実装が困難となる。
【0024】
また、電磁流量計1の変換部5の内部に熱を加えると、リード線L11、L12、L21およびL22と、ポッティング材41との間で線膨張係数が異なることが一因となって剥離が発生する。このため、耐圧防爆規格の熱安定試験を満足する耐圧性およびシール性を確保することが困難である。
【0025】
<課題解決アプローチの一側面>
<2重のシール構造>
そこで、本実施形態に係る電磁流量計1では、変換部5側のリード線Lの外周面に充填されたポッティング材と、ポッティング材よりも検出部3側の位置で変換部5の筐体の内面およびリード線の外周を封止するOリングとを含む2重のシール構造を採用する。
【0026】
<Oリング>
まず、上記2重のシール構造のうちOリングについて説明する。図3は、リード線の引き回し部分を示す断面図である。図3には、図1に示す電磁流量計1のうち破線で示す枠に対応する範囲の断面図を抜粋してその拡大図が示されている。図3に示すように、変換部5の筐体50には、第1のプレート51および第2のプレート52をボルト53Aおよびボルト53Bで締め付けることにより、第1のプレート51および第2のプレート52が固定される。
【0027】
図4は、Oリングの取付例を示す図である。図4の上部には、図3に示すリード線の引き回し部分のうち一点鎖線で示す枠に対応する範囲の拡大図が示されている。さらに、図4の下部には、リード線およびOリングが当接する第1のプレート51および第2のプレート52の部位を説明する便宜上、リード線およびOリングが未装着である状態の第1のプレート51および第2のプレート52が示されている。
【0028】
図4に示すように、第1のプレート51および第2のプレート52には、リード線L1を挿通する第1の挿通穴54Aおよびリード線L2を挿通する第2の挿通穴54Bが設けられる。このうち、第1の挿通穴54Aの内径は、リード線L1の径d1に対応する一方で、第2の挿通穴54Bの内径は、リード線L2の径d2に対応する。
【0029】
さらに、第1のプレート51の第1の挿通穴54Aには、2枚のOリング11Aおよび11Bをはめ込む第1のザグリ部51Aが設けられるとともに、第1のプレート51の第2の挿通穴54Bには、2枚のOリング11Cおよび11Dをはめ込む第2のザグリ部51Bが設けられる。以下、Oリング11A~11Dの個体を区別しない場合、Oリング11A~11Dのことを指して「Oリング11」と表記する場合がある。
【0030】
ここで、第1のザグリ部51Aの内径D1およびリード線L1の径d1は、Oリング11Aおよび11Bの潰し率が適正範囲に収まる範囲に設定される。また、同様に、第2のザグリ部51Bの内径D2およびリード線L2の径d2は、Oリング11Cおよび11Dの潰し率が適正範囲に収まる範囲に設定される。
【0031】
例えば、Oリング11のサイズ選定および各ザグリ部の内径の設計は、次に挙げる2つの条件に基づいて実施される。すなわち、リード線Lの外径やOリング11のザグリ部の内径は、いずれも製造時にばらつきが生じることがあるので、これら2つのばらつきが生じる場合でも、Oリング11の潰し率が適正範囲、例えば10%~30%程度に収める必要がある。さらに、リード線Lの外径が細く、市販されているサイズのOリングに合わせてザグリ部の内径の設計が必要である。
【0032】
<ポッティング材>
次に、上記2重のシール構造のうちポッティング材について説明する。図3に示すように、リード線L1の外周面およびリード線L2の外周面と、変換部5の筐体50の内面との間には、ポッティング材10が充填される。このようなポッティング材10には、あくまで一例として、変換部5の筐体50と相性が良い弾性ポッティング材を用い、弾性ポッティング材を塗布した上で硬化させることができる。なお、Oリング11には、ポッティング材10の硬化を阻害しにくい材質が選定されることが好ましい。
【0033】
<効果の一側面>
<耐圧性およびシール性の獲得>
上記のポッティング材10および上記のOリング11の2重のシール構造により、リード線Lの引き回し部分において耐圧防爆規格を満足する耐圧性およびシール性を獲得できる。
【0034】
以下、耐圧性およびシール性を獲得できる機序について説明する。上記のポッティング材10に使用される弾性ポッティング材は、弾性域で一定の弾性力、例えばポアソン比で言えば0.5前後を有する。このため、変換部5の内部、例えば図3の例では上側から圧力を受けた場合、硬化後のポッティング材10が縦方向に圧縮されるとともに横方向に伸長する。このような横方向のひずみにより、ポッティング材10の周辺部品の1つであるリード線L1およびリード線L2への面圧が増加するので、摩擦力およびシール性が向上する。
【0035】
ここで、電磁流量計1の変換部5の内部が高温に加熱された状態では、ポッティング材10およびリード線Lの線膨張係数が異なる。このため、ポッティング材10およびリード線Lの剥離が発生する場合があるが、上記の2重のシール構造によれば、剥離の発生時であっても耐圧性およびシール性を満足できる。
【0036】
図5および図6は、加圧時のポッティング材10及びOリング11の機能を説明する図である。図5には、変換部5の内部、すなわち上側からポッティング材10が高圧力を受ける場合が示される。この場合、図5に示すように、前述の通り、硬化後のポッティング材10が縦方向に圧縮されるとともに横方向に伸長することにより、ポッティング材10によるリード線L1およびリード線L2への面圧が増加する。これにより、ポッティング材10と、リード線L1およびリード線L2との間の摩擦力が増加するので、剥離の発生時であっても耐圧性およびシール性を満足できる。
【0037】
一方、図6には、変換部5の内部からポッティング材10が低圧力を受ける場合が示されている。この場合、図6に示すように、ポッティング材10およびリード線Lの剥離により、リード線L1およびリード線L2に沿って漏れが発生する。このようにリード線L1に沿って発生する漏れがOリング11Aおよび11Bにより封止されるとともに、リード線L2に沿って発生する漏れがOリング11Cおよび11Dにより封止される。したがって、剥離の発生時であっても耐圧性およびシール性を満足できる。
【0038】
<液面低下の抑制>
上記のポッティング材10および上記のOリング11の2重のシール構造により、リード線LおよびOリング11と変換部5の筐体50の間にシール性が確保される。このようなシール性の確保により、リード線L1やリード線L2の線径にばらつきが生じる場合でも、ポッティング材10の漏れが抑制される。したがって、ポッティング材10の硬化後に発生する液面の低下を抑制し、ポッティング奥行h1(図6参照)が基準値以上である状態を維持できる。
【0039】
さらに、たとえリード線L1が挿通する第1の挿通穴54Aの内径およびリード線L1の径d1のギャップによりポッティング材10の漏れが発生する場合でも、Oリング11Aにより封止される。加えて、リード線L1が挿通する第1の挿通穴54Aに2つのOリング11AおよびOリング11Bを直列に重ねて配置することにより、上部のOリング11Aをポッティング材10の漏れ防止用として機能させるとともに、下部のOリング11Bをシール性確保用として機能させることができる。なお、リード線L2が挿通する第2の挿通穴54Bについても上記の第1の挿通穴54Aと同様のことが言えるのは言うまでもない。
【0040】
<リード線の余長処理>
電磁流量計1の検出部3側におけるリード線Lの余長をなくす側面から、上記のポッティング材10をリード線Lの外周面に充填する前に、リード線Lを変換部5側から引っ張り上げて組み立てることができる。
【0041】
図7は、リード線の余長処理を説明する模式図である。図7には、本実施形態における電磁流量計1のリード線の余長処理を従来例と比較して説明する側面から、リード線の引き回し部分の構成が左から従来例1、従来例2、本実施形態の順に示されている。
【0042】
図7の左側には、従来例1として、リード線Lの心線の一部が位置決めプレート21の上部で露出されるとともに、その露出部がポッティング樹脂22により気密に閉塞される例が示されている。このような従来例1によれば、リード線Lの位置が位置決めプレート21により固定されるので、ポッティング樹脂22の硬化後にリード線Lを上側へ引っ張り上げることが困難である。
【0043】
図7の中央には、従来例2として、リード線Lの途中に中間部品23が追加される例が示されている。このような従来例2においても、リード線Lの位置が中間部品23により固定されるので、リード線Lを上側へ引っ張り上げることが困難である。
【0044】
図7の右側には、本実施形態に係るリード線の引き回し部分が示されている。本実施形態に係るリード線の引き回し部分によれば、リード線Lを上側から引っ張り上げると、リード線Lが上側へ滑ることにより検出部3側の余長を削減できる。このようにリード線Lが引っ張り上げられる際、Oリング11がザグリ部に引っ掛かって係止するので、Oリング11の潰し率に変化はなく、シール性への悪影響もない。
【0045】
<リード線の引き回し部分の組み立て方法>
次に、本実施形態に係るリード線の引き回し部分の組み立て方法について説明する。図8は、リード線の引き回し部分の組み立て方法の流れを示すフローチャートである。
【0046】
図8に示すように、ステップS1では、リード線Lが第1のプレート51に挿通される。例えば、図4に示す例で言えば、リード線L1が第1のプレート51の第1の挿通穴54Aに挿通されるとともに、リード線L2が第1のプレート51の第2の挿通穴54Bに挿通される。
【0047】
次に、ステップS2では、Oリング11が第1のプレート51のザグリ部まで挿嵌される。例えば、図4に示す例で言えば、Oリング11A、Oリング11Bの順にOリング11AおよびOリング11Bが第1のザグリ部51Aまで挿嵌される。さらに、Oリング11C、Oリング11Dの順にOリング11CおよびOリング11Dが第2のザグリ部51Bまで挿嵌される。
【0048】
続いて、ステップS3では、リード線Lが第2のプレート52に挿通される。例えば、図4に示す例で言えば、リード線L1が第2のプレート52の第1の挿通穴54Aに挿通されるとともに、リード線L2が第2のプレート52の第2の挿通穴54Bに挿通される。
【0049】
そして、ステップS4では、第1のプレート51および第2のプレート52をボルト53Aおよびボルト53Bで締め付けることにより、第1のプレート51および第2のプレート52が変換部5の筐体50に取り付けられる。
【0050】
次に、ステップS5では、リード線L1およびリード線L2が変換部5側、すなわち上部側から引っ張り上げられる。これにより、検出部3側におけるリード線L1およびリード線L2の余長が削減される。
【0051】
その後、ステップS6では、ポッティング材10のポッティング奥行h1が基準値以上となるまでポッティング材10がリード線L1およびリード線L2の外周面に充填される。
【0052】
これらステップS1からステップS6までの組み立て手順によれば、首部4の内部の空間内で組み立てずともよく、首部4の外部で組み立てを実施できるので、リード線の引き回し部分の簡易な組み立てを実現できる。
【0053】
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の応用が可能である。
【0054】
例えば、上記の実施形態では、センサ装置の一例として、電磁流量計1を例示したが、これに限定されず、物理現象に伴って発生する起電力を検出することにより物理量を測定する任意のセンサ装置で上記の2重のシール構造が実現されてよい。このような2重のシール構造は、電磁流量計1以外にも、あくまで一例として、温度センサや圧力センサなどに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 電磁流量計
10 ポッティング材
11A,11B,11C,11D Oリング
3 検出部
4 首部
5 変換部
51 第1のプレート
51A 第1のザグリ部
51B 第2のザグリ部
52 第2のプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8