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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167831
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20241127BHJP
   H10B 43/50 20230101ALI20241127BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241127BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20241127BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B43/50
H01L29/78 371
H01L21/88 T
H01L21/88 R
H01L21/90 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084186
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】中島 博臣
(72)【発明者】
【氏名】小池 豪
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH08
5F033HH18
5F033HH19
5F033HH33
5F033JJ01
5F033JJ08
5F033JJ18
5F033JJ33
5F033KK19
5F033NN06
5F033NN07
5F033QQ48
5F033RR04
5F033RR06
5F033TT02
5F033VV07
5F033VV16
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083PR05
5F083PR33
5F083ZA01
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH15
5F101BH16
(57)【要約】
【課題】好適な配線層を形成することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、第1基板を備える。前記装置はさらに、前記第1基板の上方に設けられ、第1方向に互いに離間された複数の第1電極層と、前記複数の第1電極層内に設けられ、前記第1方向に延び、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部と、前記複数の第1電極層の上方に設けられ、前記半導体層の一端に電気的に接続され、金属層である第2電極層と、を含むメモリセルアレイを備える。前記装置はさらに、前記第1基板の上方に設けられた第1プラグを備える。前記装置はさらに、前記第1プラグの上方に設けられ、前記第2電極層を介して前記第1プラグに電気的に接続され、金属層である第1配線層を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板の上方に設けられ、第1方向に互いに離間された複数の第1電極層と、前記複数の第1電極層内に設けられ、前記第1方向に延び、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部と、前記複数の第1電極層の上方に設けられ、前記半導体層の一端に電気的に接続された第1金属層と、を含むメモリセルアレイと、
前記第1基板の上方に設けられた第1プラグと、
前記第1プラグの上方に設けられ、前記第1金属層を介して前記第1プラグに電気的に接続さた第1配線層と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第1金属層と前記第1配線層との間に設けられた第1絶縁膜をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1配線層は、前記第1絶縁膜内に設けられた第2プラグを介して前記第1プラグに電気的に接続されている、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1配線層は、バリアメタル層と、前記バリアメタル層上に設けられた配線材層とを含み、
前記バリアメタル層および配線材層は、前記第2プラグにも含まれる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1配線層は、バリアメタル層と、前記バリアメタル層上に設けられた配線材層とを含み、
前記バリアメタル層および前記配線材層は、前記第2プラグには含まれない、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1金属層は、
前記複数の第1電極層の上方に設けられ、前記半導体層の一端に電気的に接続された第1部分と、
前記第1部分と分離され、前記第1プラグおよび前記第1配線層に電気的に接続された第2部分と、
を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1部分は、ソース線である、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1部分は、前記半導体層と接するように前記半導体層上に設けられている、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1部分は、前記半導体層とショットキー接合により電気的に接続されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1部分は、不純物原子を含む前記半導体層と非ショットキー接合により電気的に接続されている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1配線層は、ボンディングパッドを含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1配線層は、前記第2部分と複数の箇所で電気的に接続された第3部分を含む、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1配線層は、前記第1部分と電気的に接続された第4部分をさらに含む、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項14】
第1基板の上方に設けられ、第1方向に互いに離間された複数の第1電極層と、前記複数の第1電極層内に設けられ、前記第1方向に延び、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部と、前記複数の第1電極層の上方に設けられ、前記半導体層の一端に電気的に接続された第1金属層と、を含むメモリセルアレイを形成し、
前記第1基板の上方に第1プラグを形成し、
前記第1プラグの上方に設けられ、前記第1金属層を介して前記第1プラグに電気的に接続された第1配線層を形成する、
ことを含む半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1金属層上に第1絶縁膜を形成することをさらに含み、
前記第1配線層は、前記第1絶縁膜上に形成される、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1配線層は、前記第1絶縁膜内に設けられた第2プラグを介して前記第1プラグに電気的に接続される、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1配線層は、前記第2プラグと同時に形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1配線層は、前記第2プラグが形成された後に形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2プラグは、前記第1絶縁膜内に形成された第1凹部内に、溶けた金属を流し込むことで形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記複数の第1電極層および前記柱状部は、第2基板の上方に形成され、
前記第2基板は、前記複数の第1電極層および前記柱状部が前記第1基板の上方に配置されるように前記第1基板と貼り合わされ、前記第1基板と貼り合わされた後に除去され、
前記第1金属層は、前記第2基板が除去された後に、前記複数の第1電極層の上方に形成される、
請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元半導体メモリの複数の配線層を順に形成する場合、少なくともいずれかの配線層の形状が好適でない形状になる場合がある。例えば、ソース線を含む下部配線層と、ボンディングパッドを含む上部配線層とを順に形成する場合、上部配線層の形状が好適でない形状になる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開US2021/0217768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適な配線層を形成することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、第1基板を備える。前記装置はさらに、前記第1基板の上方に設けられ、第1方向に互いに離間された複数の第1電極層と、前記複数の第1電極層内に設けられ、前記第1方向に延び、電荷蓄積層および半導体層を含む柱状部と、前記複数の第1電極層の上方に設けられ、前記半導体層の一端に電気的に接続され、金属層である第2電極層と、を含むメモリセルアレイを備える。前記装置はさらに、前記第1基板の上方に設けられた第1プラグを備える。前記装置はさらに、前記第1プラグの上方に設けられ、前記第2電極層を介して前記第1プラグに電気的に接続され、金属層である第1配線層を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図2】第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
図3】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/4)である。
図4】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/4)である。
図5】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/4)である。
図6】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/4)である。
図7】第1実施形態の半導体装置の構造を示す別の断面図である。
図8】第1実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
図9】第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
図10】第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す平面図である。
図11】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/6)である。
図12】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/6)である。
図13】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/6)である。
図14】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/6)である。
図15】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(5/6)である。
図16】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(6/6)である。
図17】第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図18】第2実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
図19】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/6)である。
図20】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/6)である。
図21】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/6)である。
図22】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/6)である。
図23】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(5/6)である。
図24】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(6/6)である。
図25】第3実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図26】第3実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
図27】第4実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図28】第4実施形態の半導体装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図29】第4実施形態の半導体装置の動作を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1図29において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0009】
本実施形態の半導体装置は、例えば3次元半導体メモリを備える。本実施形態の半導体装置は、後述するように、アレイチップ1を含むアレイウェハと、回路チップ2を含む回路ウェハとを貼り合わせることで製造される。
【0010】
アレイチップ1は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ11と、メモリセルアレイ11下の層間絶縁膜12とを備える。層間絶縁膜12は例えば、SiO膜(シリコン酸化膜)とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0011】
回路チップ2は、アレイチップ1下に設けられている。図1は、アレイチップ1と回路チップ2との貼合面Sを示している。回路チップ2は、層間絶縁膜12下の層間絶縁膜13と、層間絶縁膜13下の基板14とを備える。層間絶縁膜13は例えば、SiO膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。基板14は例えば、Si(シリコン)基板などの半導体基板である。基板14は、第1基板の例である。
【0012】
図1は、基板14の表面に平行でかつ互いに垂直なX方向およびY方向と、基板14の表面に垂直なZ方向とを示している。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差している。本明細書においては、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向とは一致していなくてもよい。Z方向は、第1方向の例である。
【0013】
アレイチップ1は、メモリセルアレイ11内の複数の電極層として、複数のワード線WLと、ソース側選択線SGSと、ドレイン側選択線SGDとを備える。ソース側選択線SGSは、これらのワード線WLの上方に配置されており、ドレイン側選択線SGDは、これらのワード線WLの下方に配置されている。これらのワード線WL、ソース側選択線SGS、およびドレイン側選択線SGDは、第1電極層の例である。メモリセルアレイ11は、これらのワード線WL、ソース側選択線SGS、およびドレイン側選択線SGDを貫通する複数の柱状部CLを含む。これらの柱状部CLは、Z方向に延びている。
【0014】
図1は、メモリセルアレイ11内の階段構造部21と、階段構造部21内に設けられた複数の梁部22とを示している。これらの梁部22は、Z方向に延びている。各ワード線WLは、コンタクトプラグ23を介してワード配線層24と電気的に接続されている。各柱状部CLは、ビアプラグ25を介してビット線BLと電気的に接続されており、かつ、ソース線SLと電気的に接続されている。ソース線SLは、ソース側選択線SGSの上方に設けられており、ビット線BLは、ドレイン側選択線SGDの下方に設けられている。ソース線SLは、各柱状部CLと接するように各柱状部CL上に設けられている。ソース線SLは、メモリセルアレイ11の一部となっている。ソース線SLのさらなる詳細については、後述する。
【0015】
なお、図1では、最上位の電極層である1つの電極層のみが、ソース側選択線SGSとなっているが、最上位側にある複数の電極層が、ソース側選択線SGSとなっていてもよい。同様に、図1では、最下位の電極層である1つの電極層のみが、ドレイン側選択線SGDとなっているが、最下位側にある複数の電極層が、ドレイン側選択線SGDとなっていてもよい。
【0016】
回路チップ2はさらに、複数のトランジスタ31と、複数のコンタクトプラグ32と、配線層33と、配線層34と、配線層35と、複数のビアプラグ36と、複数の金属パッド37とを備える。
【0017】
各トランジスタ31は、基板14上に順に設けられたゲート絶縁膜31aおよびゲート電極31bと、基板14内に設けられたソース領域およびドレイン領域(不図示)とを含む。各コンタクトプラグ32は、対応するトランジスタ31のゲート電極31b、ソース領域、またはドレイン領域上に設けられている。配線層33は、コンタクトプラグ32上に設けられており、複数の配線を含む。配線層34は、配線層33上に設けられており、複数の配線を含む。配線層35は、配線層34上に設けられており、複数の配線を含む。ビアプラグ36は、配線層35上に設けられている。金属パッド37は、ビアプラグ36上に設けられている。金属パッド37は例えば、Cu(銅)層を含む金属層である。回路チップ2は、アレイチップ1の動作を制御する回路として機能する。この回路は、トランジスタ31などにより構成されており、金属パッド37に電気的に接続されている。
【0018】
アレイチップ1はさらに、複数の金属パッド41と、複数のビアプラグ42と、配線層43と、配線層44と、複数のビアプラグ45と、配線層46と、配線層47と、パッシベーション絶縁膜48とを備える。ビアプラグ45は、第1プラグの例である。配線層46は、第1金属層の例である。配線層47の一部は、第1配線層の例である。
【0019】
金属パッド41は、金属パッド37上に設けられている。金属パッド41は例えば、Cu層を含む金属層である。上記の回路は、金属パッド37、41などを介してメモリセルアレイ11に電気的に接続されており、金属パッド37、41などを介してメモリセルアレイ11の動作を制御する。ビアプラグ42は、金属パッド41上に設けられている。配線層43は、ビアプラグ42上に設けられており、複数の配線を含む。配線層44は、配線層43上に設けられており、複数の配線を含む。上記のビット線BLは、配線層44に含まれている。ビアプラグ45は、配線層44上に設けられている。ビアプラグ45は例えば、金属層で形成された金属プラグである。
【0020】
配線層46は、ビアプラグ45上に配置されており、かつ、ソース側選択線SGSの上方に配置されている。配線層46は例えば、W(タングステン)層を含む金属層である。配線層46は、配線46a、46bなどの複数の配線を含む。配線46aは、ビアプラグ45と接するようにビアプラグ45上に設けられている。配線46bは、メモリセルアレイ11の上方に設けられている。配線46bは、上記のソース線SLである。配線46bは、第1部分の例である。配線46aは、第2部分の例である。
【0021】
配線層47は、層間絶縁膜12上に配置されており、かつ、層間絶縁膜12を介して配線層46の上方に配置されている。配線層47は例えば、Al(アルミニウム)層を含む金属層である。配線層47は、配線47aなどの複数の配線を含む。配線47aは、配線46aと接するように配線46a上に設けられている。配線47aの一部は、本実施形態の半導体装置の外部接続パッド(ボンディングパッド)として機能する。配線47aの一部は、第3部分の例である。
【0022】
パッシベーション絶縁膜48は、配線層47および層間絶縁膜12上に設けられ、配線47aの上面を露出させる開口部Pを有する。配線47aにおける開口部Pに露出した部分は、上記の外部接続パッドとして機能する。配線47aは、開口部Pを介してボンディングワイヤ、半田ボール、金属バンプなどにより実装基板や他の装置に接続可能である。パッシベーション絶縁膜48は例えば、SiO膜およびSiN膜(シリコン窒化膜)を含む積層絶縁膜である。
【0023】
図2は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
【0024】
図2は、図1に示すメモリセルアレイ11を示している。メモリセルアレイ11は、Z方向に交互に積層された複数の電極層51aおよび複数の絶縁膜51bを含む積層膜51を備える。これらの電極層51aは、Z方向に互いに離間されている。各電極層51aは例えば、上記のワード線WL、ソース側選択線SGS、またはドレイン側選択線SGDとして機能する。図2では、最上位の電極層51aがソース側選択線SGSとなっており、最下位の電極層51aがドレイン側選択線SGDとなっており、その他の電極層51aがワード線WLとなっている。これらの電極層51aは、第1電極層の例である。各電極層51aは例えば、W層を含む金属層である。各絶縁膜51bは、例えばSiO膜である。
【0025】
図2はさらに、図1に示す複数の柱状部CLのうちの1つを示している。各柱状部CLは、積層膜51内に設けられ、Z方向に延びる柱状の形状を有する。各柱状部CLは、積層膜51の側面に設けられたブロック絶縁膜52と、ブロック絶縁膜52の側面に設けられた電荷蓄積層53と、電荷蓄積層53の側面に設けられたトンネル絶縁膜54と、トンネル絶縁膜54の側面に設けられたチャネル半導体層55と、チャネル半導体層55の側面に設けられたコア絶縁膜56とを含む。各柱状部CLは、ワード線WLと共にセルトランジスタ(メモリセル)を構成しており、ソース側選択線SGSと共にソース側選択トランジスタを構成しており、ドレイン側選択線SGDと共にドレイン側選択トランジスタを構成している。
【0026】
ブロック絶縁膜52は例えば、SiO膜である。電荷蓄積層53は例えば、SiN膜などの絶縁膜である。電荷蓄積層53は、ポリシリコン層などの半導体層でもよい。電荷蓄積層53は、3次元半導体メモリの信号電荷を蓄積することが可能である。トンネル絶縁膜54は例えば、SiO膜またはSiON膜(シリコン酸窒化膜)である。チャネル半導体層55は例えば、ポリシリコン層である。チャネル半導体層55は、3次元半導体メモリのチャネルとして機能する。チャネル半導体層55は、半導体層の例である。コア絶縁膜56は例えば、SiO膜である。
【0027】
図3図6は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0028】
図3は、複数のアレイチップ1を含むアレイウェハW1と、複数の回路チップ2を含む回路ウェハW2とを示している。図3のアレイウェハW1の向きは、図1のアレイチップ1の向きとは逆になっている。本実施形態では、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせることで半導体装置を製造する。図3は、貼合のために向きを反転される前のアレイウェハW1を示しており、図1は、貼合のために向きを反転されて貼合およびダイシングされた後のアレイチップ1を示している。
【0029】
図3はさらに、アレイウェハW1の上面S1と、回路ウェハW2の上面S2とを示している。アレイウェハW1は、メモリセルアレイ11の下方に基板15を備える。基板15は例えば、Si基板などの半導体基板である。基板15は、第2基板の例である。
【0030】
本実施形態ではまず、図3に示すように、アレイウェハW1の基板15上にメモリセルアレイ11、層間絶縁膜12a(=層間絶縁膜12の一部)、階段構造部21、金属パッド41、ビアプラグ45などを形成し、回路ウェハW2の基板14上に層間絶縁膜13、トランジスタ31、金属パッド37などを形成する。次に、図4に示すように、上面S1と上面S2とが対向するように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜12aと層間絶縁膜13とが接着される。次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2をアニールする。これにより、金属パッド41と金属パッド37とが接合される。このようにして、基板15と基板14とが、層間絶縁膜12a、13を挟むように貼り合わされて、メモリセルアレイ11やビアプラグ45などが、基板14の上方に形成(配置)される。
【0031】
次に、基板15をCMP(Chemical Mechanical Polishing)またはウェットエッチングにより除去し、基板14をCMPまたはウェットエッチングにより薄化する(図5)。これにより、層間絶縁膜12a、柱状部CL、梁部22、ビアプラグ45などが露出する。
【0032】
次に、層間絶縁膜12a、柱状部CL、梁部22、およびビアプラグ45上に配線層46を形成し、層間絶縁膜12a上に配線層46を介して層間絶縁膜12b(=層間絶縁膜12の残部)を形成する(図6)。層間絶縁膜12bは、第1絶縁膜の例である。配線層46は、ビアプラグ45と接するようにビアプラグ45上に設けられた配線46aと、メモリセルアレイ11の上方に設けられた配線46b(ソース線SL)とを含むように形成される。
【0033】
次に、層間絶縁膜12b上に配線層47を形成する(図6)。その結果、配線層47が、層間絶縁膜12bを介して配線層46の上方に形成されて、層間絶縁膜12bが、配線層46と配線層47との間に介在することとなる。配線層47は、配線46aを露出させる開口部を層間絶縁膜12b内に形成した後に、層間絶縁膜12b上に形成される。その結果、配線層47は、配線46aと接するように配線46a上に設けられた配線47aを含むように形成される。
【0034】
次に、層間絶縁膜12bおよび配線層47上にパッシベーション絶縁膜48を形成し、パッシベーション絶縁膜48内に開口部Pを形成する(図6)。その結果、開口部Pに配線47aが露出する。
【0035】
その後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する。このようにして、図1に示す半導体装置が製造される。
【0036】
なお、図1は、層間絶縁膜12と層間絶縁膜13との境界面や、金属パッド41と金属パッド37との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、例えば金属パッド41の側面や金属パッド37の側面の傾きや、金属パッド41の側面と金属パッド37の側面との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0037】
図7は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す別の断面図である。
【0038】
図7は、図1の一部を拡大して示している。図7は、上述の層間絶縁膜12、ビアプラグ45、配線層46、配線層47、およびパッシベーション絶縁膜48を示している。層間絶縁膜12は、上述の層間絶縁膜12a、12bを含む。
【0039】
配線層46は、配線46aと、配線46b(ソース線SL)と、配線46cとを含む。配線46aは、層間絶縁膜12aおよびビアプラグ45上に形成されている。配線46bは、層間絶縁膜12a上に形成されており、かつ、メモリセルアレイ11(図1)の上方に配置されている。配線46cは、層間絶縁膜12a上に形成されている。配線層46は例えば、W層を含む金属層である。図7に示す配線層46は、金属層のみで形成されており、半導体層は含んでいない。よって、図7では、配線層46に含まれる金属層が、ビアプラグ45に含まれる金属層と接している。なお、配線46cは、後述する例のように、配線46bの一部となっていてもよい。
【0040】
層間絶縁膜12bは、絶縁膜61と、絶縁膜62と、絶縁膜63とを含む。絶縁膜61は、配線層46上に形成されている。絶縁膜62は、絶縁膜61上に形成されており、絶縁膜61の絶縁材料と異なる種類の絶縁材料で形成されている。絶縁膜63は、配線層46、絶縁膜61、および絶縁膜62を貫通しており、絶縁膜61の絶縁材料および/または絶縁膜62の絶縁材料と異なる種類の絶縁材料で形成されている。配線46a、配線46b、および配線46cは、絶縁膜63により互いに分離されている。
【0041】
配線層47は、配線47aと、配線47bとを含む。配線47aは、層間絶縁膜12b内で配線46a上に形成された部分R1と、層間絶縁膜12b外で層間絶縁膜12b上に形成された部分R2とを含む。部分R1は、ビアプラグとして機能する。部分R2は、ボンディングパッドとして機能する。部分R1は、第2プラグの例である。部分R2は、第3部分の例である。配線47bは、層間絶縁膜12b上に形成されている。
【0042】
配線層47は、下部バリアメタル層64と、上部バリアメタル層65と、配線材層66とを含む。配線材層66は、配線層47内の主たる層であり、下部バリアメタル層64と上部バリアメタル層65は、配線材層66の下敷となる層である。下部バリアメタル層64と上部バリアメタル層65は、バリアメタル層の例である。下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66は、層間絶縁膜12bおよび配線層46上に順に形成されている。下部バリアメタル層64は、例えばTi(チタン)層である。上部バリアメタル層65は、例えばTiN膜(チタン窒化膜)である。配線材層66は、例えばAl層である。図7では、配線層47に含まれる金属層(下部バリアメタル層64)が、配線層46に含まれる金属層と接している。
【0043】
本実施形態では、配線47aの部分R1と部分R2が、同じ配線材料により同時に形成される。具体的には、部分R1は、下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66を含んでおり、部分R2も、下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66を含んでいる。一方、後述する第2実施形態では、配線47aの部分R1と部分R2が、異なる配線材料により順番に形成される。
【0044】
配線47aと配線47bは、配線層47内に形成されたパッシベーション絶縁膜48により互いに分離されている。パッシベーション絶縁膜48はさらに、配線47aの部分R1上にも形成されている。図7はさらに、パッシベーション絶縁膜48の開口部P内で配線47aの部分R2上に形成された半田67と、半田67と電気的に接続されたボンディングワイヤ68とを示している。
【0045】
本実施形態では、絶縁膜61、62の合計膜厚が、配線層46の膜厚よりも厚くなっており、かつ、配線層47の膜厚(部分R2の膜厚)よりも薄くなっている。ただし、絶縁膜61、62の合計膜厚は、配線層46の膜厚より配線層47の膜厚に近くなっている。よって、配線層47の膜厚と絶縁膜61、62の合計膜厚との差は、絶縁膜61、62の合計膜厚と配線層46の膜厚との差より小さくなっている。一方、後述する第2実施形態では、配線層47の膜厚と絶縁膜61、62の合計膜厚との差が、絶縁膜61、62の合計膜厚と配線層46の膜厚との差より大きくなっている。
【0046】
本実施形態では、部分R1、すなわち、配線層47の一部が、層間絶縁膜12bに形成された開口部内に埋め込まれている。図7は、層間絶縁膜12bにおいて当該開口部が形成された領域VAを示している。領域VAの詳細については、後述する。
【0047】
図8は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
【0048】
図8は、図7に示す半導体装置の平面構造の一例を示している。図8は、複数のビアプラグ45と、配線層47(配線47a)と、絶縁膜63と、開口部Pと、領域VAなどを示している。
【0049】
図8では、絶縁膜63が、平面視で環状の形状を有している。これにより、配線層46は、絶縁膜63の環の内側に位置する配線46aと、絶縁膜63の環の外側に位置する配線46bとに分離されている。この場合、図7に示す配線46cは、配線46bの一部となっている。図8では、開口部Pや領域VAが、平面視で絶縁膜63の環の内側に位置している。領域VAは、上述のように、配線47aの部分R1に対応している。
【0050】
図9は、第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0051】
本比較例の半導体装置(図9)は、おおむね第1実施形態の半導体装置(図7)と同様の構造を有する。ただし、本比較例の半導体装置は、配線層46の代わりに配線層46’を備える。
【0052】
配線層46’は、配線46a’と、配線46b’と、配線46c’と、配線46d’とを含む。配線46a’~46d’はいずれも、層間絶縁膜12a上に形成されているが、ビアプラグ45上には形成されていない。配線46b’は、配線46bと同様に、ソース線SLとなっている。配線層46’は、層間絶縁膜12a上に順に形成された半導体層71、半導体層72、および半導体層73を含む。なお、配線46c’は、配線46a’の一部となっていてもよく、配線46d’は、配線46b’の一部となっていてもよい。
【0053】
本比較例の層間絶縁膜12bは、絶縁膜74と、絶縁膜75と、絶縁膜76と、絶縁膜77と、絶縁膜78とを含む。絶縁膜74は、配線層46’上に形成されている。絶縁膜75は、絶縁膜74上に形成されている。絶縁膜76は、配線層46’、絶縁膜74、および絶縁膜75を貫通している。絶縁膜77は、絶縁膜75、76上に形成されている。絶縁膜78は、絶縁膜77および層間絶縁膜12a上に形成されている。
【0054】
本比較例の配線層47は、第1実施形態の配線層47と同様に、配線47aと、配線47bとを含む。ただし、本比較例の配線47aは、絶縁膜78内でビアプラグ45、層間絶縁膜12a、および絶縁膜78上に配置されており、かつ、絶縁膜78外で絶縁膜78上に配置されている。よって、本比較例の配線47aは、配線層46’ではなく、ビアプラグ45に接している。
【0055】
本比較例では、絶縁膜74、75、77、78の合計膜厚が、配線層46’の膜厚よりも厚くなっている。一方、絶縁膜74、75、77、78の合計膜厚は、配線層47の膜厚より薄くなっていてもよいし、配線層47の膜厚より厚くなっていてもよい。本比較例の絶縁膜74、75、77、78の合計膜厚は、第1実施形態の絶縁膜61、62の合計膜厚に対応している。
【0056】
本比較例では、配線層47の一部が、配線層46’および絶縁膜74~77に形成された開口部内に埋め込まれている。図9は、配線層46’および絶縁膜74~77において当該開口部が形成された領域BAを示している。また、本比較例では、配線層47の一部が、絶縁膜78に形成された開口部内に埋め込まれている。図9は、絶縁膜78において当該開口部が形成された領域VAを示している。図9に示す領域VA内の配線層47は、図7に示す領域VA内の配線層47(部分R1)と同様に、ビアプラグとして機能する。
【0057】
図10は、第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す平面図である。
【0058】
図10は、図9に示す半導体装置の平面構造の一例を示している。図9は、複数のビアプラグ45と、配線層47(配線47a)と、絶縁膜78と、開口部Pと、領域BAと、領域VAなどを示している。
【0059】
図10では、絶縁膜78の形状が、領域BAや領域VAを規定している。例えば、領域BAは、絶縁膜78の側面と配線46a’の側面との界面により規定され、領域VAは、絶縁膜78の側面と配線47aの側面との界面により規定されている。図10では、図9に示す配線46c’は、配線46a’の一部となっている。
【0060】
ここで、第1実施形態(図7)と比較例(図9)とを比較する。
【0061】
本比較例の配線層46’は、半導体層71~73で形成されている。一般に、金属層のビアプラグ上に、半導体層の配線を直接形成することは好ましくない。よって、本比較例では、配線層46’の領域BAに開口部を形成して、ビアプラグ45上から配線層46’を除去している。また、本比較例では、絶縁膜78の領域VAの開口部を形成して、この開口部内に配線層47を埋め込んでいる。よって、本比較例の配線47aは、ビアプラグ45上に直接形成されている。
【0062】
その結果、本比較例の配線47aの上面は、領域BAの外周付近に段差を有し、領域VAの外周付近にも段差を有する。この場合、配線47aのEM劣化が段差により引き起こされるおそれがある。さらに、配線47aの段差が、半導体装置のZ方向の寸法を大きくし、半導体装置の小型化の妨げになるおそれがある。
【0063】
一方、本実施形態の配線層46は、金属層で形成されている。その結果、配線層46’の領域BAの開口部に相当する開口部を配線層46に形成する必要がなくなる。よって、本実施形態では、配線46aがビアプラグ45上に形成され、配線47aが配線46a上に形成されている。
【0064】
その結果、本実施形態の配線47aの上面は、領域VAの外周付近にしか段差を有していない。これにより、配線47aのEM劣化が段差により引き起こされるおそれを低減することが可能となる。さらには、半導体装置のZ方向の寸法を小さくすることが可能となり、半導体装置を小型化することが可能となる。このように、本実施形態によれば、配線47aの形状を好適な形状にすることが可能となる。
【0065】
図11図16は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0066】
図11は、図4と同様に、回路ウェハW2と貼り合わされた直後のアレイウェハW1を示している。図11では、基板15が、層間絶縁膜12aおよびビアプラグ45上に配置されている。
【0067】
まず、基板15を、CMPまたはウェットエッチングにより除去する(図12)。その結果、層間絶縁膜12aおよびビアプラグ45が露出する。次に、層間絶縁膜12aおよびビアプラグ45上に、配線層46、絶縁膜61、および絶縁膜62を順に形成する(図12)。次に、リソグラフィおよびRIE(Reactive Ion Etching)により、絶縁膜62、絶縁膜61、および配線層46を貫通する開口部H1を形成する(図12)。その結果、配線層46から配線46a~46cが形成される。配線46aは、ビアプラグ45に接するようにビアプラグ45上に形成される。
【0068】
次に、開口部H1内に絶縁膜63を形成する(図13)。その結果、絶縁膜61~63を含む層間絶縁膜12bが形成される。次に、リソグラフィおよびRIEにより、絶縁膜62、61を貫通する開口部H2を形成する(図13)。本実施形態の開口部H2は、ビアプラグ45の上方に形成される。
【0069】
次に、層間絶縁膜12bおよび配線層46上に、下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66を順に形成する(図14)。その結果、部分R1、R2を含む配線層47が形成される。部分R1は、開口部H2内で、配線46aに接するように配線46a上に形成される。部分R2は、開口部H2外で、層間絶縁膜12b上に形成される。開口部H2は、ビアプラグとして機能する部分R1を埋め込むビアホールとして使用される。図14はさらに、配線層47において部分R1上に形成された窪み部H3を示している。
【0070】
なお、本実施形態の部分R1と部分R2は、いずれも下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66により形成される。そのため、本実施形態の部分R1と部分R2は、図14の工程で同時に形成される。
【0071】
次に、リソグラフィおよびRIEにより、配線層47を貫通する開口部H4を形成する(図15)。その結果、配線層47から配線47a、47bが形成される。配線47aは、部分R1、R2を含むように形成される。
【0072】
次に、配線層47上にパッシベーション絶縁膜48を形成し、パッシベーション絶縁膜48内に開口部Pを形成する(図16)。パッシベーション絶縁膜48は、窪み部H3および開口部H4内にも形成される。次に、開口部P内の配線47aとボンディングワイヤ68とを半田67により電気的に接続する(図16)。このようにして、本実施形態の半導体装置が製造される。
【0073】
以上のように、本実施形態では、ビアプラグ45上に配線47aではなく配線46aを形成し、配線46a上に配線47aを形成する。よって、本実施形態によれば、配線47aの形状を好適な形状にすることが可能となる。例えば、領域BAに起因する段差が形成されないように、配線47aを形成することが可能となる。
【0074】
(第2実施形態)
図17は、第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0075】
本実施形態の半導体装置(図17)は、おおむね第1実施形態の半導体装置(図7)と同様の構造を有する。ただし、本実施形態の配線層47は、下部バリアメタル層64と、上部バリアメタル層65と、配線材層66と、金属層81とを含む。金属層81は、例えばAl層である。
【0076】
本実施形態の配線層47は、第1実施形態の配線層47と同様に、配線47aと、配線47bとを含む。また、本実施形態の配線47aは、層間絶縁膜12b内で配線46a上に形成された複数の部分R1と、層間絶縁膜12b外で層間絶縁膜12b上に形成された部分R2とを含む。
【0077】
本実施形態では、配線47aの部分R1と部分R2が、異なる配線材料により順番に形成される。具体的には、部分R1は、金属層81を含み、部分R2は、下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66を含んでいる。部分R1は、層間絶縁膜12b内に金属層81を形成することで形成される。部分R2は、部分R1の形成後に、層間絶縁膜12bおよび金属層81上に、下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66を順に形成することで形成される。
【0078】
第1実施形態の配線47aの上面は、領域VAの外周付近に段差を有しているが、本実施形態の配線47aの上面は、このような段差を有していない。理由は、本実施形態の部分R1が、下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66により部分R2と同時に形成されず、金属層81により部分R2より前に形成されるからである。よって、本実施形態によれば、配線47aのEM劣化が段差により引き起こされるおそれをさらに低減することが可能となる。
【0079】
本実施形態では、絶縁膜61、62の合計膜厚が、第1実施形態と同様に、配線層46の膜厚より厚くなっており、かつ、配線層47の膜厚(部分R2の膜厚)より薄くなっている。ただし、本実施形態の絶縁膜61、62の合計膜厚は、第1実施形態とは異なり、配線層47の膜厚より配線層46の膜厚に近くなっている。よって、本実施形態では、配線層47の膜厚と絶縁膜61、62の合計膜厚との差は、絶縁膜61、62の合計膜厚と配線層46の膜厚との差より大きくなっている。
【0080】
別言すると、第1実施形態の絶縁膜61、62の合計膜厚は厚くなっており、本実施形態の絶縁膜61、62の合計膜厚は薄くなっている。よって、本実施形態によれば、半導体装置のZ方向の寸法をさらに小さくすることが可能となり、半導体装置をさらに小型化することが可能となる。比較例では金属層46’と金属層47との間の耐圧確保のために絶縁膜74、75、77、78の合計膜厚を厚くする必要があるが、本実施形態ではその必要がなく、そのことも、本実施形態の絶縁膜61、62の合計膜厚は薄くできる理由である。
【0081】
なお、本実施形態の各部分R1は、Z方向の寸法が小さいだけでなく、平面形状の面積も小さい。この場合、層間絶縁膜12b内に小さい凹部を形成し、小さい凹部内に金属層81を形成する必要がある。この凹部は、Z方向の寸法が小さいだけでなく、平面形状の面積も小さいため、アスペクト比が高い。このような凹部内に金属層81を形成することは難しい。そこで、本実施形態の金属層81は、溶けた金属(例えばアルミニウム)を凹部内に流し込み、流し込んだ金属を固化させることで形成される。これにより、このような凹部内に金属層81を好適に形成することが可能となる。
【0082】
図18は、第2実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
【0083】
図18は、図17に示す半導体装置の平面構造の一例を示している。図18は、複数のビアプラグ45と、配線層47(配線47a)と、絶縁膜63と、開口部Pなどを示している。図18はさらに、配線47aの複数の部分R1を示している。各部分R1は、金属層81で形成されている。
【0084】
図18でも、図8と同様に、絶縁膜63が、平面視で環状の形状を有している。これにより、配線層46は、絶縁膜63の環の内側に位置する配線46aと、絶縁膜63の環の外側に位置する配線46bとに分離されている。この場合、図17に示す配線46cは、配線46bの一部となっている。図18では、開口部P、部分R1、およびコンタクトプラグ45が、平面視で絶縁膜63の環の内側に位置している。
【0085】
図19図24は、第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0086】
図19は、図4図11と同様に、回路ウェハW2と貼り合わされた直後のアレイウェハW1を示している。図19では、基板15が、層間絶縁膜12aおよびビアプラグ45上に配置されている。
【0087】
まず、基板15を、CMPまたはウェットエッチングにより除去する(図20)。その結果、層間絶縁膜12aおよびビアプラグ45が露出する。次に、層間絶縁膜12aおよびビアプラグ45上に、配線層46、絶縁膜61、および絶縁膜62を順に形成する(図20)。次に、リソグラフィおよびRIEにより、絶縁膜62、絶縁膜61、および配線層46を貫通する開口部H1を形成する(図20)。その結果、配線層46から配線46a~46cが形成される。配線46aは、ビアプラグ45に接するようにビアプラグ45上に形成される。
【0088】
次に、開口部H1内に絶縁膜63を形成する(図21)。その結果、絶縁膜61~63を含む層間絶縁膜12bが形成される。次に、リソグラフィおよびRIEにより、絶縁膜62、61を貫通する複数の開口部(凹部)H2を形成する(図13)。これらの開口部H2は、第1凹部の例である。
【0089】
次に、これらの開口部H2内に金属層81を形成する(図22)。その結果、これらの開口部H2内に複数の部分R1が形成される。各部分R1は、対応する開口部H2内で、配線46aに接するように配線46a上に形成される。本実施形態の金属層81は、溶けた金属を凹部内に流し込み、流し込んだ金属を固化させることで形成される。
【0090】
次に、層間絶縁膜12bおよび金属層81上に、下部バリアメタル層64、上部バリアメタル層65、および配線材層66を順に形成する(図22)。その結果、部分R1、R2を含む配線層47が形成される。部分R2は、開口部H2外で、層間絶縁膜12bおよび金属層81上に形成される。
【0091】
次に、リソグラフィおよびRIEにより、配線層47を貫通する開口部H4を形成する(図23)。その結果、配線層47から配線47a、47bが形成される。配線47aは、部分R1、R2を含むように形成される。
【0092】
次に、配線層47上にパッシベーション絶縁膜48を形成し、パッシベーション絶縁膜48内に開口部Pを形成する(図24)。パッシベーション絶縁膜48は、開口部H4内にも形成される。次に、開口部P内の配線47aとボンディングワイヤ68とを半田67により電気的に接続する(図24)。このようにして、本実施形態の半導体装置が製造される。
【0093】
以上のように、本実施形態では、ビアプラグ45上に配線47aではなく配線46aを形成し、配線46a上に配線47aを形成する。よって、本実施形態によれば、配線47aの形状を好適な形状にすることが可能となる。例えば、領域BA、VAに起因する段差が形成されないように、配線47aを形成することが可能となる。
【0094】
(第3実施形態)
図25は、第3実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0095】
本実施形態の半導体装置(図25)は、おおむね第1実施形態の半導体装置(図7)と同様の構造を有する。ただし、本実施形態の配線層47は、配線47aと配線47cとを含む。配線47aと配線47cは、パッシベーション絶縁膜48により互いに分離されている。本実施形態では、配線47aが、符号P1、P2で示す複数の箇所で配線46aと接しており、配線47cが、符号P3で示す箇所で配線46bと接している。配線47cの一部は、第4部分の例である。以下、符号P1、P2、P3で示す領域をそれぞれ「領域P1、P2、P3」と表記する。
【0096】
図26は、第3実施形態の半導体装置の構造を示す平面図である。
【0097】
図26は、配線47aの平面形状の例を示している。図25は、図26に示すX-X’線に沿ったXZ断面を示している。図26に示す配線47aは、パッシベーション絶縁膜48の開口部Pの下方に位置する3つの領域P1で配線46aと接しており、かつ、その他の場所に位置する3つの領域P2で配線46aと接している。図25は、これらの領域P1のうちの1つと、これらの領域P2のうちの1つとを例示している。
【0098】
各領域P1は、X方向またはY方向に延びる長方形の形状を有する。本実施形態では、各領域P1の下方に複数のビアプラグ45が配置されている。一方、各領域P2は、Y方向に延びる長方形の形状を有する。本実施形態では、複数の領域P2が、Y方向に延びる同じ直線上に配置されている。本実施形態の配線47aは、領域P1、P2を含むメイン部分と、メイン部分からX方向に突出した複数の突出部分とを含んでいる。
【0099】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置と同様に、図11図16に示す工程により製造可能である。ただし、本実施形態の半導体装置を製造する際には、図13に示す工程で、複数の開口部H2を、領域P1~P3に対応する箇所に形成する。
【0100】
本実施形態によれば、配線層47を領域P1~P3で配線層46と接するようにすることで、例えば、配線層46の電位を配線層47により好適に制御することが可能となる。
【0101】
(第4実施形態)
図27は、第4実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0102】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置と同様の構造を有する。本実施形態の半導体装置はさらに、図27に示す構造を有する。図27は、積層膜51と、積層膜51内に設けられた柱状部CLと、柱状部CL上に設けられた配線46b(ソース線SL)とを示している。
【0103】
図27の柱状部CLでは、チャネル半導体層55の上端部Eが、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、およびトンネル絶縁膜54の上面に対し、+Z方向に突出している。配線46bは、上端部Eでチャネル半導体層55と接するように、チャネル半導体層55上に設けられている。本実施形態では、金属層である配線46bが、チャネル半導体層55とショットキー接合により電気的に接続されている。ショットキー接合のさらなる詳細については、後述する。
【0104】
なお、本実施形態のチャネル半導体層55は、p型不純物原子もn型不純物原子も含んでいないが、代わりに、少なくとも上端部E内にp型不純物原子またはn型不純物原子を含んでいてもよい。これにより、金属層である配線46bを、チャネル半導体層55と非ショットキー接合により電気的に接続することが可能となる。
【0105】
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置と同様に、図11図16に示す工程により製造可能である。ただし、本実施形態の半導体装置を製造する際には、図12に示す工程で、配線46bを、各柱状部CLのチャネル半導体層55上に形成する。
【0106】
図28は、第4実施形態の半導体装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【0107】
図28は、本実施形態の半導体装置の読出動作の例を示している。図28は、ビット線BL、ドレイン側選択線SGD、選択ワード線WL、非選択ワード線WL、ソース側選択線SGS、およびソース線SLといった配線の電圧を示している。
【0108】
読出動作の開始前には、ビット線BL、ドレイン側選択線SGD、選択ワード線WL、非選択ワード線WL、ソース側選択線SGS、およびソース線SLの電圧は、例えば接地電圧VSSである。読出動作が開始すると、ビット線BLに電圧VBLが印加され、ドレイン側選択線SGDに電圧VSGDが印加され、選択ワード線WLに電圧VCGが印加され、非選択ワード線WLに電圧VREADが印加され、ソース側選択線SGSにVSGSが印加される。
【0109】
電圧VBLは、接地電圧VSSより高い電圧である。電圧VSGDは、読出動作において、選択されたブロックのドレイン側選択トランジスタをオンさせる電圧である。電圧VCGは、セルトランジスタに記憶されたデータを判定するための読出電圧である。電圧VCGが印加されたセルトランジスタは、記憶するデータの値ごとに設定された閾値電圧に応じてオン状態またはオフ状態になる。電圧VREADは、記憶するデータの値によらずにセルトランジスタをオンさせる電圧である。電圧VSGSは、読出動作において、選択されたブロックのソース側選択トランジスタをオンさせる電圧である。
【0110】
図28に示す配線にこれらの電圧が印加されると、本実施形態の半導体装置のNANDストリングのチャネル半導体層55内にチャネルが形成される。そして、選択ワード線WLに接続されたセルトランジスタの閾値電圧に応じて、チャネル電流が流れる。センスアンプユニットでは、NANDストリングの状態に応じてセンスノードの電圧が変化する。その後、シーケンサが制御信号をアサートすると、センスアンプユニットが、センスノードの電圧に基づいて、セルトランジスタの閾値電圧を判定する。本実施形態の半導体装置は、この閾値電圧の判定結果に基づいて、読出データを確定させる。読出動作が終了すると、各配線の状態が、読出動作の開始前の状態に戻される。
【0111】
図29は、第4実施形態の半導体装置の動作を説明するためのグラフである。
【0112】
図29は、読出動作時のNANDストリングにおけるバンド構造の例を示している。図29において、縦軸はエネルギーを示し、横軸はNANDストリングのチャネルからソース線SLまでの領域を示している。図29に示すように、NANDストリングのチャネルとソース線SLとの間には、ショットキー障壁が形成されている。
【0113】
読出動作では、非選択ワード線WLに電圧VREADが印加され、ソース側選択線SGSに電圧VSGSが印加され、ドレイン側選択線SGDに電圧VSGDが印加されることで、伝導帯のエネルギーが下がる。これにより、チャネルとソース線SLとの間に形成されたショットキー障壁の厚さが低減される。そして、ソース線SLからNANDストリングNSのチャネルに向かって、電子(図29に示す「e」)が供給される。つまり、本実施形態の読出動作では、ショットキー接合に対する逆方向バイアスが印加され、ソース線SLからチャネルに向かったトンネル電流が利用される。
【0114】
本実施形態によれば、金属層である配線46b(ソース線SL)をチャネル半導体層55上に形成しても、半導体装置をメモリとして動作させることが可能となる。
【0115】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0116】
1:アレイチップ、2:回路チップ、
11:メモリセルアレイ、12:層間絶縁膜、12a:層間絶縁膜、
12b:層間絶縁膜、13:層間絶縁膜、14:基板、15:基板、
21:階段構造部、22:梁部、23:コンタクトプラグ、
24:ワード配線層、25:ビアプラグ、
31:トランジスタ、31a:ゲート絶縁膜、31b:ゲート電極、
32:コンタクトプラグ、33:配線層、34:配線層、
35:配線層、36:ビアプラグ、37:金属パッド、
41:金属パッド、42:ビアプラグ、43:配線層、44:配線層、
45:ビアプラグ、46:配線層、46a:配線、46b:配線、
46c:配線、46’:配線層、46a’:配線、46b’:配線、
46c’:配線、46d’:配線、47:配線層、47a:配線、
47b:配線、47c:配線、48:パッシベーション絶縁膜、
51:積層膜、51a:電極層、51b:絶縁膜、
52:ブロック絶縁膜、53:電荷蓄積層、54:トンネル絶縁膜、
55:チャネル半導体層、56:コア絶縁膜、
61:絶縁膜、62:絶縁膜、63:絶縁膜、
64:下部バリアメタル層、65:上部バリアメタル層、
66:配線材層、67:半田、68:ボンディングワイヤ、
71:半導体層、72:半導体層、73:半導体層、74:絶縁膜、
75:絶縁膜、76:絶縁膜、77:絶縁膜、78:絶縁膜、
81:金属層
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