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特開2024-167847プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167847
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241127BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K3/46 B
H05K3/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084210
(22)【出願日】2023-05-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 良樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 真道
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC13
5E316CC32
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE01
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH31
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB02
5E338BB17
5E338CD02
5E338CD25
5E338EE32
(57)【要約】
【課題】ガス抜き孔の内部にドライフィルムレジストの残留物が残りにくい方法によってガス抜き孔が形成されたプリント配線板を提供すること。
【解決手段】絶縁層と、絶縁層上に形成された導体層と、前記導体層を貫通し前記絶縁層を露出する複数のガス抜き孔と、を有するプリント配線板において、前記ガス抜き孔の平面形状は、多角形であって、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上であり、前記多角形が平行四辺形であってもよい。
【選択図】図2A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、絶縁層上に形成された導体層と、前記導体層を貫通し前記絶縁層を露出する複数のガス抜き孔と、を有するプリント配線板において、
前記ガス抜き孔の平面形状は、多角形であって、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上である。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線板において、前記多角形が略平行四辺形である。
【請求項3】
請求項1に記載のプリント配線板において、前記多角形が略正八角形である。
【請求項4】
絶縁層上にシード層を形成することと、
前記シード層上にドライフィルムレジストを形成することと、
前記ドライフィルムレジストの一部を除去することで開口パターンを形成することと、
前記開口パターン内に金属めっき膜を形成することと、
残りの前記ドライフィルムレジスト及びその下の前記シード層を除去することと、を含むプリント配線板の製造方法において、
前記開口パターンの形成では、少なくとも1つの内角が100度以上の多角形の平面形状として前記ドライフィルムレジストが残るように前記ドライフィルムレジストの一部が除去される。
【請求項5】
請求項4に記載のプリント配線板の製造方法において、前記多角形が略平行四辺形である。
【請求項6】
請求項4に記載のプリント配線板の製造方法において、前記多角形が略八角形である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板及びプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
特許文献1は、絶縁層上に複数の配線を含む第1のパターンと、ガス抜き孔(デガスホール)を含む第2のパターンが形成された配線基板とその製造方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-107860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された配線基板が有するデガスホールの平面形状は、いずれも円形である。このため、配線基板が有するガス抜き孔を形成するために使用されるドライフィルムレジストを配線基板から剥離することが難しい。その結果、ガス抜き孔を形成するために使用された後のドライフィルムレジストが配線基板から十分に剥離されることなく、ドライフィルムレジストの一部が当該配線基板にそのまま残留する懸念がある。
【0005】
本発明は、このような技術的事情に鑑みなされたものであって、ガス抜き孔の内部にドライフィルムレジストの残留物が残りにくい方法によってガス抜き孔が形成されたプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプリント配線板は、絶縁層と、絶縁層上に形成された導体層と、前記導体層を貫通し前記絶縁層を露出する複数のガス抜き孔と、を有するプリント配線板において、前記ガス抜き孔の平面形状は、多角形であって、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上である。
【0007】
本発明に係るプリント配線板の製造方法は、絶縁層上にシード層を形成することと、前記シード層上にドライフィルムレジストを形成することと、前記ドライフィルムレジストの一部を除去することで開口パターンを形成することと、前記開口パターン内に金属めっき膜を形成することと、残りの前記ドライフィルムレジスト及びその下の前記シード層を除去することと、を含むプリント配線板の製造方法において、前記開口パターンの形成では、少なくとも1つの内角が100度以上の多角形の平面形状として前記ドライフィルムレジストが残るように前記ドライフィルムレジストの一部が除去される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガス抜き孔の内部にドライフィルムレジストの残留物が残りにくい方法によってガス抜き孔が形成されたプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るプリント配線板を模式的に示す断面図である。
図2A】本発明に係るプリント配線板のガス抜き孔の平面形状を示した模式図である。
図2B】本発明に係るプリント配線板のガス抜き孔の平面形状を示した模式図である。
図2C】本発明に係るプリント配線板のガス抜き孔の平面形状を示した模式図である。
図3A】本発明に係るプリント配線板の製造方法の一工程を説明するための図である。
図3B】本発明に係るプリント配線板の製造方法の一工程を説明するための図である。
図3C】本発明に係るプリント配線板の製造方法の一工程を説明するための図である。
図3D】本発明に係るプリント配線板の製造方法の一工程を説明するための図である。
図3E】本発明に係るプリント配線板の製造方法の一工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<プリント配線板の構造>
図1は、本発明に係るプリント配線板を模式的に示す断面図であり、特に、電源層またはGND層の部分を示した図である。図1に示されるように、プリント配線板100は、絶縁層101と当該絶縁層101上に形成された複数の配線111と電源層またはGND層112と当該電源層またはGND層112に形成され導体層102を貫通する複数のガス抜き孔105とを有している。絶縁層101と導体層102はコア基板C上のビルドアップ層L1に形成される。
【0011】
絶縁層101は、無機粒子と絶縁性樹脂とを含んで形成されていてもよい。無機粒子は、シリカ、アルミナ、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等からなる無機フィラーであってもよい。絶縁性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂であってもよい。
【0012】
導体層102は、絶縁層101の表面上に形成されている。導体層102は、複数の配線111と、電源層またはGND層112とを含む。導体層102に含まれる複数の配線111の厚さ、配線幅/配線間隔(L/S)は、プリント配線板100のデザインに応じて、適宜設定することができる。なお、導体層102に含まれる複数の配線111には、防錆処理が施されていてもよい。導体層102は、金属薄膜からなるシード層(図示しない)と当該シード層上に形成された金属めっき膜(図示しない)とから構成されている。シード層は、無電解銅めっき膜から形成されていてもよい。金属めっき膜は、例えば、電解銅めっき膜から形成されていてもよい。
【0013】
プリント配線板100は、導体層102に含まれる電源層またはGND層112を貫通する複数のガス抜き孔105を有している。ガス抜き孔105は、導体層102を積層方向に貫通しているため、ガス抜き孔105の底部には、絶縁層101が露出している。このため、ガス抜き孔105は、絶縁層101から発生したガスがプリント配線板100の外部方向に向かって移動することができる経路となる。すなわち、ガス抜き孔105は、絶縁層101から発生したガスをプリント配線板100の外部に円滑に排出するガス抜き機能を有する。
【0014】
プリント配線板100が複数のビルドアップ層を備えている場合には、各ビルドアップ層を構成する各絶縁層101からガスが発生する。各絶縁層101から発生したガスは、当該絶縁層101上に形成された導体層102を貫通するガス抜き孔105を経由して、複数のビルドアップ層を通過することによりプリント配線板100の外部に排出される。
【0015】
ガス抜き孔105の平面形状は、本発明では、多角形であり、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上であることを特徴としている。ここで、ガス抜き孔105の平面形状とは、プリント配線板100の平面(上面)側から特定される形状を意味する。ガス抜き孔105の平面形状として取り得る多角形としては、例えば、略四角形(略平行四辺形)、略正五角形、略正六角形、略正七角形、略正八角形、略正十二角形等を挙げることができる。ガス抜き孔105の平面形状である多角形は、少なくとも1つの内角が100度以上である。ガス抜き孔105の平面形状である多角形に含まれる内角は、当該ガス抜き孔105の平面形状である多角形を構成する第1辺と当該第1辺と隣り合う第2辺とにより形成される内角であって、最も大きい角の角度をいう。
そして、ガス抜き孔105の平面形状である多角形は、当該多角形の形状に合わせて、100度以上の内角を複数有していてもよい。また、ガス抜き孔105の平面形状である多角形に含まれる100度以上の内角以外の他の内角の角度は、特に制限されない。
【0016】
図2Aは、プリント配線板100のガス抜き孔105の平面形状を示した模式図である。図2Aに示されるように、ガス抜き孔105の平面形状である多角形が略四角形(略平行四辺形)であり、当該略四角形(略平行四辺形)を構成する第1辺151と当該第1辺151と隣り合う第2辺152との間に形成される内角の角度θが135度であってもよい。
【0017】
図2Bは、プリント配線板100のガス抜き孔105の平面形状を示した模式図である。図2Bに示されるように、ガス抜き孔105の平面形状である多角形が略四角形(略平行四辺形)であり、当該略四角形(略平行四辺形)を構成する第1辺151と当該第1辺151と隣接する第2辺152との間に形成される内角の角度θが120度であってもよい。
【0018】
図2Cは、プリント配線板100のガス抜き孔105の平面形状を示した模式図である。図2Cに示されるように、ガス抜き孔105の平面形状である多角形が略正八角形であり、当該略正八角形を構成する第1辺151と当該第1辺151と隣接する第2辺152との間に形成される内角の角度θが135度であってもよい。
【0019】
さらに、ガス抜き孔105の平面形状である多角形を略正五角形とし、第1辺151と当該第1辺151と隣り合う第2辺152との間に形成される内角の角度θを108度に設定してもよい。また、ガス抜き孔105の平面形状である多角形を略正十二角形とし、第1辺151と当該第1辺151と隣り合う第2辺152との間に形成される内角の角度θを150度に設定してもよい。
【0020】
このように、ガス抜き孔105は、その平面形状が多角形であり、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上であれば、特に制限されることはなく、その範囲内であれば、いずれの形状を採用してもよい。ガス抜き孔105の平面形状は、導体層102の設計に基づいて適宜設定することができる。
【0021】
ガス抜き孔105の平面形状は、プリント配線板100全体にわたって同一であっても、部分的に異なっていてもよい。ガス抜き孔105は、互いに所定の間隔をあけて複数設けることができる。ガス抜き孔105間のピッチは、5μm~50μmであってもよい。
【0022】
さらに、プリント配線板100が有しているガス抜き孔105の平面形状が多角形であり、かつ、少なくとも1つの内角を100度以上に設定することにより、ガス抜き孔105の内部であるガス抜き孔105の角部、ガス抜き孔105の底部、ガス抜き孔105の壁面には、上記所定の平面形状を有するガス抜き孔105を形成する工程において使用されるドライフィルムレジスト(DFR)106の剥膜残りがほぼ残存していない。
すなわち、プリント配線板100は、所定の形態を有するガス抜き孔105を形成することによって、ガス抜き孔105を形成する工程において使用されるドライフィルムレジスト106による剥膜残りの発生を防止することができる。
以下、ドライフィルムレジストによる剥膜残りの発生が防止されたガス抜き孔を有するプリント配線板の製造方法について説明する。
【0023】
<プリント配線板の製造方法>
図3A~Eは、本発明に係るプリント配線板の製造方法を説明するための図である。特に、電源層またはGND層112の部分を示した図である。図3Aに示されるように、絶縁層101上にシード層103を形成する。シード層103は、無電解めっき膜から形成される。
【0024】
図3Bに示されるように、シード層103上に複数の部分を有するドライフィルムレジスト106を形成する。ドライフィルムレジスト106の複数の部分が形成された位置は、後のプリント配線板の製造工程において、ガス抜き孔105が形成される位置となる。
なお、シード層103上に複数の部分を有するドライフィルムレジスト106を形成することは、例えば、ラミネートロール等を用いてシード層上面103Xにドライフィルムを貼り付けた後、露光・現像によって行う。
【0025】
ここで、ガス抜き孔105の平面形状は、多角形であり、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上に設定されている。このため、形成したドライフィルムレジスト106の一部を除去することにより、平面形状が多角形であり、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上であるガス抜き孔105を形成するための開口パターン107を形成する。
【0026】
図3Cに示されるように、開口パターン107内に、例えば、電解銅めっきにより、金属めっき膜104を形成する。
【0027】
図3Dに示されるように、残りのドライフィルムレジスト106を当該シード層103から、例えば、水酸化ナトリウムを用いて剥膜する。ドライフィルムレジスト106の一部を除去することにより形成された残りのドライフィルムレジスト106の平面形状は、絶縁層101から外側に張り出した多角形である。このため、残りのドライフィルムレジスト106をシード層103から剥離する際に角部において適度な応力ひずみを発生させることができる。
【0028】
すなわち、平面形状が多角形であって、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上であるガス抜き孔105を形成するために、残りのドライフィルムレジスト106の平面形状を外側に張り出させて、その複数の部分を、角を付けた形状とし、当該ドライフィルムレジスト106のそれらの部分の角部において適度な応力ひずみを発生させることにより、シード層103から残りのドライフィルムレジスト106を剥膜する際の剥膜性を大きく向上することができる。
【0029】
つまり、プリント配線板100は、ガス抜き孔105の平面形状を所定の形状に設定し、残りのドライフィルムレジスト106の複数の部分の平面形状を、角をつけた形状とすることにより、角部において適度な応力ひずみを発生させることができる。
【0030】
このように、プリント配線板100は、ガス抜き孔105の平面形状が多角形であり、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上である。このため、プリント配線板100は、当該プリント配線板100の製造工程において、残りのドライフィルムレジスト106を剥膜する際に必要となる残り部分の角部において適度な応力ひずみを十分に発生させることができる。
【0031】
その結果、シード層103から残りのドライフィルムレジスト106をきわめて容易に剥膜することができ、かつ完全に除去することができる。そして、導体層102を貫通するガス抜き孔105の内部には、残りのドライフィルムレジスト106による剥膜残りが発生していない。シード層103から残りのドライフィルムレジスト106が除去されることによって、当該ドライフィルムレジスト106の下に形成されていたシード層103のシード層上面103Xが露出する。
【0032】
図3Eに示されるように、金属めっき膜104から露出するシード層103がエッチングされる。これによって、シード層103の下に形成されている絶縁層101が露出する。
このように、絶縁層上面101Xには、導体層102を貫通する複数のガス抜き孔105が形成される。そして、ガス抜き孔105の内部には、ドライフィルムレジスト106の剥膜残りがほぼ発生していない。
【実施例0033】
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
本発明に係るプリント配線板を以下のように製造した。無電解めっき膜からなるシード層が形成された絶縁層を準備し、シード層上にドライフィルムレジストを形成した。ドライフィルムレジストの一部を除去した後、シード層上面と隣接するドライフィルムレジストにより形成される開口パターンに金属めっき膜を形成させた。その後、シード層から当該残りのドライフィルムレジストを剥膜させた後、絶縁層上のシード層をエッチングすることを行った。絶縁層上のシード層をエッチングすることにより、絶縁層上には、導体層を貫通するガス抜き孔(以下、実施例及び比較例において、「デガスホール」という。)が形成される。
実施例1において、プリント配線板が有しているデガスホールの平面形状を平行四辺形とし、当該平行四辺形を構成する第1辺と当該第1辺と隣り合う第2辺との間に形成される内角の角度θを135度とした。
ここで、角度θとは、プリント配線板が有しているデガスホールの平面形状である多角形を構成する第1辺と当該第1辺と隣り合う第2辺とにより形成される内角であって、最も大きい角の角度をいう。
【0035】
デガスホールの面積は、直径DがそれぞれΦ80、Φ90、Φ100、Φ150、Φ200の円形のデガスホールが有するそれぞれの面積Sを算出して、当該面積Sと同一となるように設定して、Φ80、Φ90、Φ100、Φ150、Φ200に対応させた5種類の平面形状が平行四辺形であるデガスホールを形成した。デガスホールの平面形状が平行四辺形の場合と、円形の場合との2つの態様について、目視による観察を行い、ドライフィルムレジストを剥膜した後にプリント配線板に残存するドライフィルムレジストの剥膜残量を測定した。
なお、ドライフィルムレジストには、市販のドライフィルムレジストを使用した。ドライフィルムレジストは、膜厚25μm、現像時間23秒である。ドライフィルムレジストの剥膜残量は、顕微鏡によって測定した。
【0036】
デガスホールの平面形状が平行四辺形である場合に測定されたドライフィルムレジスト剥膜残量と、デガスホールの平面形状が円形である場合に測定されたドライフィルムレジスト剥膜残量とに基づいて、ドライフィルムレジスト剥膜残りデガスホール率を算出した。ドライフィルムレジスト剥膜残りデガスホール率(%)の算出結果を表1に示す。
【0037】
(実施例2~3)
デガスホールの平面形状を異なる形状に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板を製造した。具体的には、実施例2において、デガスホールの平面形状を平行四辺形とし、当該平行四辺形を構成する第1辺と当該第1辺と隣り合う第2辺との間に形成される内角の角度θを120度とした。
【0038】
さらに、実施例3において、デガスホールの平面形状を正八角形とし、当該正八角形を構成する第1辺と当該第1辺と隣り合う第2辺との間に形成される内角の角度θを135度とした。ドライフィルムレジスト剥膜残りデガスホール率(%)の算出結果を表1に示す。
【0039】
(比較例1~3)
プリント配線板が有しているデガスホールの平面形状を実施例1~3と異なる形状に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板を製造した。具体的には、比較例1において、デガスホールの平面形状を円形とした。比較例2において、デガスホールの平面形状を二等辺三角形とした。比較例3において、デガスホールの平面形状を正四角形(正方形)とし、当該正四角形(正方形)を構成する第1辺と当該第1辺と隣り合う第2辺との間に形成される内角の角度θを90度とした。比較例1~3において製造したプリント配線板のドライフィルムレジスト剥膜残りデガスホール率(%)の算出結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から明らかなように、プリント配線板は、当該プリント配線板のデガスホールの平面形状を多角形とし、かつ、少なくとも1つの内角が100度以上に設定することによって、ドライフィルムレジストを容易に剥膜させて、ドライフィルムレジスト剥膜残りデガスホール率を大幅に低減することができる。
【0042】
以上、図示の実施形態に基づき説明したが、本発明に係るプリント配線板は、上述の実施形態に限られず、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で適宜変更することができる。本発明に係るプリント配線板は、ビルドアップ層の形成、配線パターンの微細化、高密度化に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
100 プリント配線板
C コア基板
101 絶縁層
101X 絶縁層上面
111 配線
112 電源層/GND層
102 導体層
L1 第1ビルドアップ層
103 シード層
103X シード層上面
104 金属めっき膜
105 ガス抜き孔
151 第1辺
152 第2辺
106 ドライフィルムレジスト
107 開口パターン
108 金属めっき膜凹部
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E