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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167877
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】ウエーハ及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20241127BHJP
【FI】
H01L29/80 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008907
(22)【出願日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2023083722
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】吉田 学史
(72)【発明者】
【氏名】金子 竜馬
(72)【発明者】
【氏名】名古 肇
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 年輝
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GD10
5F102GJ03
5F102GK04
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR04
5F102GR12
5F102GS04
(57)【要約】
【課題】特性の向上が可能なウエーハ及び半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、ウエーハは、シリコン基板と、第1層と、複数の構造体と、を含む。前記第1層は、アルミニウム及び窒素を含む。前記複数の構造体は、前記シリコン基板から前記第1層への第1方向において前記シリコン基板の一部と前記第1層の一部との間に設けられる。前記複数の構造体は、Ni、Cu、Cr、Mn、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む第1元素と、シリコンと、を含む。前記第1層の別の一部は、前記シリコン基板の別の一部と接する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板と、
アルミニウム及び窒素を含む第1層と、
前記シリコン基板から前記第1層への第1方向において前記シリコン基板の一部と前記第1層の一部との間に設けられた複数の構造体と、
を備え、
前記複数の構造体は、Ni、Cu、Cr、Mn、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む第1元素と、シリコンと、を含み、
前記第1層の別の一部は、前記シリコン基板の別の一部と接した、ウエーハ。
【請求項2】
前記シリコン基板は、第1シリコン領域、第2シリコン領域及び第3シリコン領域を含み、
前記第1方向において、前記複数の構造体は、前記第1シリコン領域と前記第1層との間に設けられ、
前記第1方向と交差する方向において、前記複数の構造体の1つは、前記第2シリコン領域と前記第3シリコン領域との間にある、請求項1に記載のウエーハ。
【請求項3】
前記第2シリコン領域は、前記第1層に対向する基板面を含み、
前記複数の構造体の前記1つは、前記第1層に対向する構造体面を含み、
前記基板面の前記第1方向における位置は、前記構造体面の前記第1方向における位置と一致する、請求項2に記載のウエーハ。
【請求項4】
複数の構造体の前記1つの前記第1方向に沿う構造体厚は、前記第1層の前記第1方向に沿う第1層厚よりも薄い、請求項2に記載のウエーハ。
【請求項5】
前記構造体厚は、5nm以上30nm以下である、請求項4に記載のウエーハ。
【請求項6】
前記第1方向に対して垂直な方向における複数の構造体の前記1つの構造体長は200nm以上5000nm以下である、請求項2に記載のウエーハ。
【請求項7】
前記第1方向に対して垂直な平面における前記複数の構造体の密度は、2×10/cm以上2×10/cm以下である、請求項2に記載のウエーハ。
【請求項8】
前記複数の構造体の前記1つは、前記第2シリコン領域と対向する構造体側面を含み、
前記構造体側面は、前記第1方向に対して傾斜した、請求項2~7のいずれか1つに記載のウエーハ。
【請求項9】
前記複数の構造体の前記1つは、前記第2シリコン領域と対向する構造体側面を含み、
前記構造体側面は、前記シリコン基板の結晶面に沿う、請求項2~7のいずれか1つに記載のウエーハ。
【請求項10】
前記構造体側面は、前記シリコン基板の(111)面に沿う、請求項9に記載のウエーハ。
【請求項11】
前記複数の構造体は、結晶を含む、請求項1に記載のウエーハ。
【請求項12】
前記複数の構造体は、島状である、請求項1に記載のウエーハ。
【請求項13】
前記複数の構造体は、Ni及びシリコンを含む化合物を含む、請求項1に記載のウエーハ。
【請求項14】
前記複数の構造体と、前記第1層の前記一部と、の間に設けられた中間領域をさらに備え、
前記中間領域は、Al、N及びSiを含み、
前記中間領域は、前記第1元素を含まない、または、前記中間領域における前記第1元素の濃度は、前記複数の構造体における前記第1元素の濃度よりも低い、請求項1に記載のウエーハ。
【請求項15】
前記中間領域は、炭素を含み、
前記第1層は炭素を含まない、または、前記第1層における炭素の濃度は、前記中間領域における炭素の濃度よりも低い、請求項14に記載のウエーハ。
【請求項16】
前記中間領域は、炭素を含み、
前記複数の構造体は、炭素を含まない、または、前記複数の構造体における炭素の濃度は、前記中間領域における炭素の濃度よりも低い、請求項14に記載のウエーハ。
【請求項17】
窒化物層をさらに備え、
前記第1層は前記シリコン基板と前記窒化物層との間に設けられ、
前記窒化物層は、Al及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つと、窒素と、を含む、請求項1に記載のウエーハ。
【請求項18】
請求項17に記載のウエーハと、
第1電極と、
第2電極と、
第3電極と、
を備え、
前記窒化物層は、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1窒化物領域と、
Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む第2窒化物領域と、
を含み、
前記第1窒化物領域は、前記第1層と前記第2窒化物領域との間に設けられ、
前記第1電極から前記第2電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第3電極の前記第2方向における位置は、前記第1電極の前記第2方向における位置と、前記第2電極の前記第2方向における位置と、の間にあり、
前記第1窒化物領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、及び、第5部分領域を含み、
前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第3部分領域は、前記第2方向において前記第1部分領域と前記第2部分領域との間にあり、前記第3部分領域から前記第3電極への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第4部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における前記位置と、前記第3部分領域の前記第2方向における前記位置と、の間にあり、
前記第5部分領域の前記第2方向における位置は、前記第3部分領域の前記第2方向における位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における前記位置と、の間にある、
前記第2窒化物領域は、第6部分領域及び第7部分領域を含み、
前記第4部分領域から前記第6部分領域への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第5部分領域から前記第7部分領域への方向は、前記第1方向に沿う、半導体装置。
【請求項19】
絶縁部材をさらに備え、
前記絶縁部材の少なくとも一部は、前記窒化物層と前記第3電極との間に設けられた、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第3電極の少なくとも一部は、前記第2方向において、前記第6部分領域と前記第7部分領域との間にある、請求項18に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウエーハ及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、窒化物を含むウエーハを用いて半導体装置が形成される。ウエーハ及び半導体装置において、特性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-224072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性の向上が可能なウエーハ及び半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、ウエーハは、シリコン基板と、第1層と、複数の構造体と、を含む。前記第1層は、アルミニウム及び窒素を含む。前記複数の構造体は、前記シリコン基板から前記第1層への第1方向において前記シリコン基板の一部と前記第1層の一部との間に設けられる。前記複数の構造体は、Ni、Cu、Cr、Mn、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む第1元素と、シリコンと、を含む。前記第1層の別の一部は、前記シリコン基板の別の一部と接する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係るウエーハを例示する模式的断面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るウエーハを例示する電子顕微鏡像である。
図3図3は、第1実施形態に係るウエーハを例示する顕微鏡像である。
図4図4(a)~図4(c)は、第1実施形態に係るウエーハを例示する顕微鏡像である。
図5図5は、第1実施形態に係るウエーハにおける位置を示す像である。
図6図6は、第1実施形態に係るウエーハにおける元素濃度を例示するグラフである。
図7図7は、第1実施形態に係るウエーハにおける元素濃度を例示するグラフである。
図8図8は、第1実施形態に係るウエーハにおける元素濃度を例示するグラフである。
図9図9は、第1実施形態に係るウエーハにおける元素濃度を例示するグラフである。
図10図10は、第1実施形態に係るウエーハにおける元素濃度を例示するグラフである。
図11図11は、第1実施形態に係るウエーハを例示する元素プロファイルである。
図12図12は、第1実施形態に係るウエーハを例示する元素プロファイルである。
図13図13は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図14図14は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るウエーハを例示する模式的断面図である。
図1に示すように、実施形態に係るウエーハ110は、シリコン基板15、第1層17、及び、複数の構造体16を含む。第1層17は、アルミニウム及び窒素を含む。第1層17は、例えば、AlN層である。
【0009】
シリコン基板15から第1層17への第1方向D1をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0010】
第1層17は、X-Y平面に対して平行な層状である。シリコン基板15は、X-Y平面に沿う。
【0011】
複数の構造体16は、第1方向D1において、シリコン基板15の一部と、第1層17の一部との間に設けられる。例えば、第1層17の別の一部は、シリコン基板15の別の一部と接する。
【0012】
例えば、シリコン基板15は、第1シリコン領域15a、第2シリコン領域15b及び第3シリコン領域15cを含む。第1方向D1において、複数の構造体16は、第1シリコン領域15aと第1層17との間に設けられる。第1方向D1と交差する方向において、複数の構造体16の1つは、第2シリコン領域15bと第3シリコン領域15cとの間にある。第1方向D1と交差する方向は、X-Y平面に沿う任意の方向である。例えば、複数の構造体16は、島状である。複数の構造体16は、互いに不連続である。
【0013】
複数の構造体16は、Ni、Cu、Cr、Mn、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む第1元素と、シリコンと、を含む。第1元素は、例えば、遷移元素である。例えば、複数の構造体16は、Ni及びシリコンを含む化合物を含む。複数の構造体16は、例えば、結晶を含む。
【0014】
このような複数の構造体16が、シリコン基板15と第1層17(AlN層)との間に、分散されて設けられる。これにより、ウエーハ110の応力が緩和され、例えばクラックが抑制される。
【0015】
例えば、Niなどを含む連続層が、シリコン基板15と第1層17との間に設けられる参考例が考えられる。この場合、Niなどを含む層が、シリコン基板15と第1層17との間に連続的に設けられるため、格子定数の不整合に起因して、結晶性が低くなる。
【0016】
これに対して、実施形態においては、不連続な複数の構造体16が設けられる。これにより、格子定数の不整合が緩和される。これにより、高い結晶性を有する複数の構造体16が得られる。結晶性の高い複数の構造体16と、シリコン基板15と、の上に第1層17が形成されることで、第1層17及びその上に形成される窒化物層において、高い結晶性が得られる。実施形態によれば、クラックを抑制しつつ、高い結晶性が得られる。実施形態によれば、特性の向上が可能なウエーハを提供できる。
【0017】
上記のように、例えば、複数の構造体16は、Ni及びシリコンを含む化合物を含む。シリコン基板15の熱膨張係数は、約3.6×10-6/Kである。第1層17(AlN)の熱膨張係数は、約4.2×10-6/Kである。NiSiの熱膨張係数は、約14.4×10-6/Kである。このように、NiSiの熱膨張係数は大きい。これにより、例えば、ウエーハ110の上に各種の層を高温で形成した後に温度を室温の低下させたときにおいて生じる引っ張り応力を低減できる。
【0018】
シリコン基板15の格子定数は、0.543nmである。第1層17(AlN)の格子定数は、0.311nmである。NiSiの格子定数は、0.540nmである。NiSiの格子定数は、シリコン基板15の格子定数と同等である。
【0019】
1つの例において、複数の構造体16は、第1元素(例えばNi)を含む環境で、シリコン基板15を熱処理することで得られる。例えば、熱処理により、シリコン基板15の表面に微量の第1元素が付着する。熱処理により、第1元素は、シリコン基板15中に取り込まれても良い。この際、シリコン基板15の表面に付着する第1元素の量が多いと、連続的な膜が形成されてしまい、不連続な複数の構造体16が得られない。複数の構造体16が設けられたシリコン基板15の上に第1層17を形成することでウエーハ110が得られる。第1層17は、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)などの方法により形成できる。
【0020】
不連続な複数の構造体16が設けられることで、複数の構造体16の結晶性を高めることができる。一方、連続的な膜が設けられる場合は、結晶性が劣化する。劣化した連続的な膜上に第1層17(AlN)を形成すると、第1層17(AlN)の結晶性が劣化する。不連続な複数の構造体16の上に第1層17(AlN)が形成されることで、高品質な第1層17(AlN)が得易い。
【0021】
実施形態において、複数の構造体16は、例えば、Cu及びシリコンの化合物を含んでも良い。この場合も、クラックが抑制されつつ、高い結晶性が得られる。この他、複数の構造体16は、例えば、Ni、Cu、Cr、Mn、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つと、シリコンと、の化合物を含んでも良い。
【0022】
図2は、第1実施形態に係るウエーハを例示する電子顕微鏡像である。
図2は、ウエーハ110の断面のHAADF-STEM(High Angle Annular Dark-Field Scanning Transmission Electron Microscopy)像である。図2では、複数の構造体16の1つが例示されている。第1層17の第1方向D1に沿う厚さを第1層厚t17とする。複数の構造体16の1つの第1方向D1に沿う厚さを構造体厚t16とする。構造体厚t16は、第1層厚t17よりも薄い。
【0023】
構造体厚t16は、例えば、5nm以上30nm以下である。薄い構造体厚t16により、複数の構造体16において、高い結晶性が得易い。構造体厚t16が過度に厚いと、結晶性が低くなる場合がある。構造体厚t16が過度に薄いと、応力の緩和効果が小さくなり、クラックの抑制効果が低くなる。
【0024】
図2に示すように、第1方向D1に対して垂直な方向における複数の構造体16の1つの長さを構造体長16Lとする。実施形態において、構造体長16Lは、例えば、200nm以上5000nm以下である。構造体長16Lが過度に長いと、例えば、結晶性が低くなる場合がある。構造体長16Lが過度に短いと、クラックの抑制効果が低くなる場合がある。
【0025】
図2に示すように、ウエーハ110は、窒化物層10Lをさらに含んで良い。第1層17は、シリコン基板15と窒化物層10Lとの間に設けられる。窒化物層10Lは、Al及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つと、窒素と、を含む。窒化物層10Lは、例えば、AlGaN層13、積層構造体14及び第1窒化物領域11などを含んで良い。実施形態において、複数の構造体16が設けられることで、窒化物層10Lにおいて、高い結晶性が得られる。窒化物層10Lの例については後述する。
【0026】
図3は、第1実施形態に係るウエーハを例示する顕微鏡像である。
図3は、ウエーハ110の光学顕微鏡写真像である。図3は、第1層17が形成される前のシリコン基板15及び複数の構造体16を例示している。
【0027】
図3に例示する明るい複数の点が、複数の構造体16に対応する。図3の像中の暗い領域は、複数の構造体16が存在しない領域に対応する。暗い領域は、例えば、シリコン基板15の表面に対応する。暗い領域は、例えば、複数の構造体16が存在しない、窒化物層10Lに対応する。図3に示すように、複数の構造体16は、島状(点状)である。
【0028】
例えば、X-Y平面(第1方向D1に対して垂直な平面)における複数の構造体16の密度は、例えば、2×10/cm以上2×10/cm以下である。密度が過度に高いと、例えば、複数の構造体16の一部が互いに連続し易くなる。結晶性が低下する場合がある。密度が過度に低いと、例えば、応力の緩和の効果が小さくなり、クラックの抑制効果が小さくなる。
【0029】
図4(a)~図4(c)は、第1実施形態に係るウエーハを例示する顕微鏡像である。
これらの図は、ウエーハ110の断面のHAADF-STEM像である。図4(a)は、複数の構造体16の1つを含む部分のHAADF-STEM像である。図4(b)は、図4(a)の領域Q1の拡大像である。図4(c)は、図4(a)の領域Q2の拡大像である。
【0030】
図4(b)に示すように、第1シリコン領域15aと第1層17との間に複数の構造体16の1つが設けられる。第2シリコン領域15bは、第1層17に対向する基板面15fを含む。複数の構造体16の1つは、第1層17に対向する構造体面16fを含む。基板面15fの第1方向D1における位置は、構造体面16fの第1方向D1における位置と一致する。第1シリコン領域15aの上面は、複数の構造体16の1つの上面と揃っている。
【0031】
図4(b)に示すように、複数の構造体16の1つは、第2シリコン領域15bと対向する構造体側面16sを含む。構造体側面16sは、第1方向D1に対して傾斜する。例えば、構造体側面16sは、シリコン基板15の結晶面に沿う。1つの例において、構造体側面16sは、シリコン基板15の(111)面に沿う。高い結晶性を有する複数の構造体16において、シリコン基板15の結晶面に沿った傾斜した構造体側面16sが得られる。
【0032】
図4(b)及び図4(c)に示すように、複数の構造体16において、結晶格子が観察される。
【0033】
図4(b)に示すように、複数の構造体16と第1層17との間に、中間領域16Mが設けられても良い。中間領域16Mは、例えば、遷移領域である。中間領域16Mについては後述する。
【0034】
以下、ウエーハ110における元素の分析結果の例について説明する。
図5は、第1実施形態に係るウエーハにおける位置を示す像である。
図6図10は、第1実施形態に係るウエーハにおける元素濃度を例示するグラフである。
図5において、図4(a)のHAADF-STEM像と同じ像中に、ウエーハ110中の位置が示されている。図6は、図5に示す第1位置P1における分析結果に対応する。図7は、図5に示す第2位置P2における分析結果に対応する。図8は、図5に示す第3位置P3における分析結果に対応する。図9は、図5に示す第4位置P4における分析結果に対応する。図10は、図5に示す第5位置P5における分析結果に対応する。
【0035】
第1位置P1は、第1シリコン領域15aに対応する。第2位置P2は、複数の構造体16の1つの中に対応する。第3位置P3は、第1層17に対応する。Z軸方向において、第1位置P1と第3位置P3との間に第2位置P2がある。第4位置P4は、第2シリコン領域15bに対応する。第5位置P5は、第3シリコン領域15cに対応する。図6図10は、TEM-EDXによる分析結果である。この例では、第1元素は、Niである。
【0036】
図7に示すように、第2位置P2において、第1元素(Ni)が検出される。この例では、Niの原子濃度は、25.8atm%である。一方、図6及び図8に示すように、第1位置P1及び第3位置P3において、第1元素(Ni)は検出されない。図9及び図10に示すように、第4位置P4及び第5位置P5においても、第1元素(Ni)は検出されない。互いに不連続な複数の構造体16が形成されている。
【0037】
図11は、第1実施形態に係るウエーハを例示する元素プロファイルである。
図11は、ウエーハ110の複数の構造体16の1つの断面を3次元アトムプローブで分析した結果を例示している。断面は、第1方向D1に平行である。図11の横軸は、Z軸方向における位置pZである。縦軸は、検出された元素の濃度C1(原子%)である。
【0038】
図11に示すように、シリコン基板15において、シリコンが検出される。第1層17において、Al及びNが検出される。構造体16において、Ni(第1元素)及びシリコンが検出される。
【0039】
図11に示すように、ウエーハ110は、中間領域16Mを含んでも良い(図4(b)参照)。中間領域16Mは、複数の構造体16と、第1層17の一部と、の間に設けられる。図11に示すように、中間領域16Mは、Al、N及びSiを含む。中間領域16Mは、例えば、遷移領域である。
【0040】
中間領域16Mは、第1元素(例えばNi)を含まない。または、中間領域16Mにおける第1元素の濃度は、複数の構造体16における第1元素の濃度よりも低い。以下に説明するように、中間領域16Mにおいて、炭素などが検出されても良い。
【0041】
図12は、第1実施形態に係るウエーハを例示する元素プロファイルである。
図12は、ウエーハ110の複数の構造体16の1つの断面を3次元アトムプローブで分析した結果を例示している。断面は、第1方向D1に平行である。図12の横軸は、Z軸方向における位置pZである。左の縦軸は、炭素、シリコン及びAlの濃度C1(原子%)である。右の縦軸は、ボロンの濃度C(b)(原子%)である。図12においてシリコン及びAlのプロファイルは、図11に例示したシリコン及びAlのプロファイルと同じである。
【0042】
図12に示すように、中間領域16Mは、炭素を含んで良い。一方、第1層17は炭素を含まない。または、第1層17における炭素の濃度は、中間領域16Mにおける炭素の濃度よりも低い。複数の構造体16は、炭素を含まない。または、複数の構造体16における炭素の濃度は、中間領域16Mにおける炭素の濃度よりも低い。
【0043】
炭素を含む中間領域16Mが設けられることで、より良好な特性が得られる。例えば、炭素は、中間領域16Mに局所的に存在する。例えば、第1層17における炭素の悪影響が抑制される。中間領域16Mにおいて、Bの濃度が局所的に高くても良い。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態は、半導体装置に係る。
図13は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図13に示すように、実施形態に係る半導体装置120は、第1実施形態に係るウエーハ110と、第1電極51と、第2電極52と、第3電極53と、を含む。半導体装置120は、絶縁部材61を含んで良い。
【0045】
既に説明したように、ウエーハ110は、シリコン基板15、第1層17、及び、複数の構造体16を含む。この例では、ウエーハ110は、窒化物層10Lを含む。窒化物層10Lは、AlGaN層13、積層構造体14及び第1窒化物領域11などを含む。
【0046】
積層構造体14は、複数の第1膜14aと、複数の第2膜14bと、を含む。複数の第1膜14aの1つは、複数の第2膜14bの1つと、複数の第2膜14bの別の1つと、の間に設けられる。複数の第2膜14bの1つは、複数の第1膜14aの1つと、複数の第1膜14aの別の1つと、の間に設けられる。
【0047】
第1層17と第1窒化物領域11との間に、AlGaN層13が設けられる。AlGaN層13と第1窒化物領域11との間に、積層構造体14が設けられる。
【0048】
第1窒化物領域11は、例えば、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。組成比x1は、例えば、0以上0.15以下である。第1窒化物領域11は、例えば、GaN層である。
【0049】
この例では、窒化物層10Lは、第2窒化物領域12を含む。第2窒化物領域12は、例えば、Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む。組成比x2は、例えば、0.15よりも高く、0.3以下である。第2窒化物領域12は、例えば、AlGaN層である。
【0050】
第1窒化物領域11は、第1層17と第2窒化物領域12との間に設けられる。第1電極51から第2電極52への方向は、第1方向D1と交差する第2方向D2に沿う。第2方向D2は、例えば、X軸方向である。第3電極53の第2方向D2における位置は、第1電極51の第2方向D2における位置と、第2電極52の第2方向D2における位置と、の間にある。
【0051】
第1窒化物領域11は、第1部分領域11a、第2部分領域11b、第3部分領域11c、第4部分領域11d、及び、第5部分領域11eを含む。第1部分領域11aから第1電極51への方向は、第1方向D1に沿う。第2部分領域11bから第2電極52への方向は、第1方向D1に沿う。第3部分領域11cは、第2方向D2において第1部分領域11aと第2部分領域11bとの間にある。第3部分領域11cから第3電極53への方向は、第1方向D1に沿う。
【0052】
第4部分領域11dの第2方向D2における位置は、第1部分領域11aの第2方向D2における位置と、第3部分領域11cの第2方向D2における位置と、の間にある。第5部分領域11eの第2方向D2における位置は、第3部分領域11cの第2方向D2における位置と、第2部分領域11bの第2方向D2における位置と、の間にある。
【0053】
第2窒化物領域12は、第6部分領域12f及び第7部分領域12gを含む。第4部分領域11dから第6部分領域12fへの方向は、第1方向D1に沿う。第5部分領域11eから第7部分領域12gへの方向は、第1方向D1に沿う。
【0054】
例えば、第1電極51と第2電極52との間に流れる電流は、第3電極53の電位により制御できる。第3電極53の電位は、例えば、第1電極51の電位を基準にした電位で良い。第1電極51は、例えば、ソース電極として機能する。第2電極52は、例えば、ドレイン電極として機能する。第3電極53は、例えば、ゲート電極として機能する。半導体装置120は、例えば、トランジスタである。
【0055】
第1窒化物領域11は、第2窒化物領域12に対応する部分を含む。この部分にキャリア領域が形成される。キャリア領域は、例えば、2次元電子ガスである。半導体装置120は、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
【0056】
図13に示すように、絶縁部材61の少なくとも一部61pは、窒化物層10Lと第3電極53との間に設けられる。絶縁部材61は、必要に応じて設けられ、省略されても良い。
【0057】
半導体装置120においては、第3電極53の少なくとも一部は、第2方向D2において、第6部分領域12fと第7部分領域12gとの間に設けられる。第3電極53の少なくとも一部は、第2方向D2において、第4部分領域11dと第5部分領域11eとの間に設けられても良い。半導体装置120において、例えば、ノーマリオフ特性が得られる。
【0058】
図14は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図14に示すように、実施形態に係る半導体装置121においても、ウエーハ110と、第1電極51と、第2電極52と、第3電極53と、を含む。半導体装置121においては、第1方向D1において、第3部分領域11cと第3電極53との間に、第2窒化物領域12が設けられる。半導体装置121においては、ノーマリオン動作が得られる。
【0059】
実施形態に係る半導体装置120及び121において、高い結晶性に基づいて、例えば、低いオン抵抗が得易い。クラックが抑制される。
【0060】
実施形態において、形状などに関する情報は、例えば、電子顕微鏡観察などにより得られる。組成及び元素濃度に関する情報は、例えば、EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)、または、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)などにより得られても良い。
【0061】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
シリコン基板と、
アルミニウム及び窒素を含む第1層と、
前記シリコン基板から前記第1層への第1方向において前記シリコン基板の一部と前記第1層の一部との間に設けられた複数の構造体と、
を備え、
前記複数の構造体は、Ni、Cu、Cr、Mn、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む第1元素と、シリコンと、を含み、
前記第1層の別の一部は、前記シリコン基板の別の一部と接した、ウエーハ。
【0062】
(構成2)
前記シリコン基板は、第1シリコン領域、第2シリコン領域及び第3シリコン領域を含み、
前記第1方向において、前記複数の構造体は、前記第1シリコン領域と前記第1層との間に設けられ、
前記第1方向と交差する方向において、前記複数の構造体の1つは、前記第2シリコン領域と前記第3シリコン領域との間にある、構成1に記載のウエーハ。
【0063】
(構成3)
前記第2シリコン領域は、前記第1層に対向する基板面を含み、
前記複数の構造体の前記1つは、前記第1層に対向する構造体面を含み、
前記基板面の前記第1方向における位置は、前記構造体面の前記第1方向における位置と一致する、構成2に記載のウエーハ。
【0064】
(構成4)
複数の構造体の前記1つの前記第1方向に沿う構造体厚は、前記第1層の前記第1方向に沿う第1層厚よりも薄い、構成2または3に記載のウエーハ。
【0065】
(構成5)
前記構造体厚は、5nm以上30nm以下である、構成4に記載のウエーハ。
【0066】
(構成6)
前記第1方向に対して垂直な方向における複数の構造体の前記1つの構造体長は200nm以上5000nm以下である、構成2~5のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0067】
(構成7)
前記第1方向に対して垂直な平面における前記複数の構造体の密度は、2×10/cm以上2×10/cm以下である、構成2~6のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0068】
(構成8)
前記複数の構造体の前記1つは、前記第2シリコン領域と対向する構造体側面を含み、
前記構造体側面は、前記第1方向に対して傾斜した、構成2~7のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0069】
(構成9)
前記複数の構造体の前記1つは、前記第2シリコン領域と対向する構造体側面を含み、
前記構造体側面は、前記シリコン基板の結晶面に沿う、構成2~7のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0070】
(構成10)
前記構造体側面は、前記シリコン基板の(111)面に沿う、構成9に記載のウエーハ。
【0071】
(構成11)
前記複数の構造体は、結晶を含む、構成1~10のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0072】
(構成12)
前記複数の構造体は、島状である、構成1~11のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0073】
(構成13)
前記複数の構造体は、Ni及びシリコンを含む化合物を含む、構成1~12のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0074】
(構成14)
前記複数の構造体と、前記第1層の前記一部と、の間に設けられた中間領域をさらに備え、
前記中間領域は、Al、N及びSiを含み、
前記中間領域は、前記第1元素を含まない、または、前記中間領域における前記第1元素の濃度は、前記複数の構造体における前記第1元素の濃度よりも低い、構成1~13のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0075】
(構成15)
前記中間領域は、炭素を含み、
前記第1層は炭素を含まない、または、前記第1層における炭素の濃度は、前記中間領域における炭素の濃度よりも低い、構成14に記載のウエーハ。
【0076】
(構成16)
前記中間領域は、炭素を含み、
前記複数の構造体は、炭素を含まない、または、前記複数の構造体における炭素の濃度は、前記中間領域における炭素の濃度よりも低い、構成14に記載のウエーハ。
【0077】
(構成17)
窒化物層をさらに備え、
前記第1層は前記シリコン基板と前記窒化物層との間に設けられ、
前記窒化物層は、Al及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つと、窒素と、を含む、構成1~16のいずれか1つに記載のウエーハ。
【0078】
(構成18)
構成17に記載のウエーハと、
第1電極と、
第2電極と、
第3電極と、
を備え、
前記窒化物層は、
Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む第1窒化物領域と、
Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む第2窒化物領域と、
を含み、
前記第1窒化物領域は、前記第1層と前記第2窒化物領域との間に設けられ、
前記第1電極から前記第2電極への方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿い、
前記第3電極の前記第2方向における位置は、前記第1電極の前記第2方向における位置と、前記第2電極の前記第2方向における位置と、の間にあり、
前記第1窒化物領域は、第1部分領域、第2部分領域、第3部分領域、第4部分領域、及び、第5部分領域を含み、
前記第1部分領域から前記第1電極への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第2部分領域から前記第2電極への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第3部分領域は、前記第2方向において前記第1部分領域と前記第2部分領域との間にあり、前記第3部分領域から前記第3電極への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第4部分領域の前記第2方向における位置は、前記第1部分領域の前記第2方向における前記位置と、前記第3部分領域の前記第2方向における前記位置と、の間にあり、
前記第5部分領域の前記第2方向における位置は、前記第3部分領域の前記第2方向における位置と、前記第2部分領域の前記第2方向における前記位置と、の間にある、
前記第2窒化物領域は、第6部分領域及び第7部分領域を含み、
前記第4部分領域から前記第6部分領域への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第5部分領域から前記第7部分領域への方向は、前記第1方向に沿う、半導体装置。
【0079】
(構成19)
絶縁部材をさらに備え、
前記絶縁部材の少なくとも一部は、前記窒化物層と前記第3電極との間に設けられた、構成18に記載の半導体装置。
【0080】
(構成20)
前記第3電極の少なくとも一部は、前記第2方向において、前記第6部分領域と前記第7部分領域との間にある、構成18または19に記載の半導体装置。
【0081】
ウエーハ110において、高温から室温の低下させたときにおいて生じる引っ張り応力を低減できる。シリコン基板15の(111)面の格子定数は、0.384nmで良い。第1層17(AlN)のa軸の格子定数は、0.311nmで良い。NiSiの(111)面の格子定数は、0.382nmで良い。NiSiの格子定数は、シリコン基板15の格子定数と同等である。格子定数の値は、室温における値である。複数の構造体16は、例えば、Mn及びシリコンの化合物を含んで良い。
【0082】
複数の第1膜14aは、例えば、Alz1Ga1-z1N(0<z1≦1)を含む。組成比z1は、例えば、0.75以上1以下である。1つの例において、複数の第1膜14aは、AlN層である。複数の第2膜14bは、例えば、Alz2Ga1-21N(0≦z2<1、z2<z1)を含む。組成比z2は、例えば、0.05以上0.3以下である。1つの例において、複数の第2膜14bは、例えば、Al0.13Ga0.87N層である。
【0083】
実施形態によれば、特性の向上が可能なウエーハ及び半導体装置を提供できる。
【0084】
本願明細書において、「電気的に接続される状態」は、複数の導電体が物理的に接してこれら複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。「電気的に接続される状態」は、複数の導電体の間に、別の導電体が挿入されて、これらの複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。
【0085】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ウエーハに含まれる、基板、層及び構造体などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0086】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0087】
その他、本発明の実施の形態として上述したウエーハ及び半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのウエーハ及び半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0088】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
10L:窒化物層、 11、12:第1、第2窒化物領域、 11a~11e:第1~第5部分領域、 12f、12g:第6、第7部分領域、 13:AlGaN層、 14:積層構造体、 14a、14b:第1、第2膜、 15:シリコン基板、 15a~15c:第1~第3シリコン領域、 15f:基板面、 16:構造体、 16L:構造体長、 16M :中間領域、 16f:構造体面、 16s :構造体側面、 17:第1層、 51~53:第1~第3電極、 61:絶縁部材、 61p:一部、 110:ウエーハ、 120、121:半導体装置、 C(B)、C1:濃度、 D1、D2:第1、第2方向、 P1~P5:第1~第5位置、 Q1、Q2:領域、 pZ:位置、 t16:構造体厚、 t17:第1層厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14