(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167881
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】光源モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 4/28 20160101AFI20241127BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241127BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
F21S4/28
F21S2/00 230
F21S2/00 310
F21S2/00 312
F21V7/09 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055538
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】112118894
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年4月11日 ASUSTek COMPUTER INC.(エイスーステック コンピューター インコーポレイテッド)に卸した
(71)【出願人】
【識別番号】517364444
【氏名又は名称】誠屏科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廖俊謙
(72)【発明者】
【氏名】李信宏
(72)【発明者】
【氏名】呉中豪
(57)【要約】
【課題】光源モジュールを提供する。
【解決手段】光源(LS)とリフレクタ(RF)とを備える光源モジュール(10)を提供する。光源(LS)は出光面(LSe)を有する。リフレクタ(RF)は、光源(LS)から発せられる照明光の伝達経路上に設置される。照明光はリフレクタ(RF)によって反射された後、目標平面上に照射される。リフレクタ(RF)は第1反射面(RS1)と第2反射面(RS2)とを備える。第1反射面(RS1)は光源(LS)の出光面(LSe)に向けて設置され、平面である。第2反射面(RS2)は第1反射面(RS1)から屈曲しながら延伸する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標平面に照明を提供でき、出光面を有する、光源と、
前記光源が発する照明光の伝達経路上に設置されたリフレクタであって、前記照明光は、前記リフレクタによって反射されてから前記目標平面上に照射される、前記リフレクタと、を備えた光源モジュールであって、
前記リフレクタが、前記光源の前記出光面に向かって設置され、且つ平面である、第1反射面と、前記第1反射面から屈曲しながら延伸された、第2反射面と、を備えることを特徴とする、前記光源モジュール。
【請求項2】
前記光源の前記出光面の法線方向と前記目標平面との間に夾角Aがあり、前記第1反射面と前記目標平面との間に夾角Bがあり、前記照明光中で前記光源の前記出光面から垂直に出射される主ビームが前記第1反射面に反射された後の光経路と前記目標平面の法線方向との間に夾角θ0があり、且つ以下の関係式:
B=45°-(A+θ0)/2
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載された光源モジュール。
【請求項3】
前記夾角Aが10度から30度の範囲内にある、請求項2に記載された光源モジュール。
【請求項4】
前記第1反射面と前記光源に対して鏡像となるように配置された第1鏡像光源を更に備え、前記第1鏡像光源と前記目標平面との間は前記目標平面の法線方向に沿って第1距離d1を有し、前記第1鏡像光源の前記目標平面上にある正投影と照射領域の幾何学中心との間は第2距離d2を有し、且つ以下の関係式:
θ0=tan-1[3sin(θ)cos(θ)/(cos2(θ)-2sin2(θ))]、
その内θ=tan-1(d2/d1)、
を満たすことを特徴とする、請求項2に記載された光源モジュール。
【請求項5】
開口、前記光源、前記リフレクタが設置された筐体を更に備え、且つ前記照明光が前記開口を通って前記目標平面上に照射されることを特徴とする、請求項1に記載された光源モジュール。
【請求項6】
前記第1反射面と前記光源に対して鏡像となるように配置された第1鏡像光源を更に備え、前記筐体は、前記開口を定義して前記光源に近いエッジを有しており、且つ前記第1鏡像光源と前記筐体の前記エッジとの仮想線が、前記リフレクタの前記第1反射面と前記第2反射面との間の曲げ部を通過することを特徴とする、請求項5に記載された光源モジュール。
【請求項7】
前記第2反射面は前記光源の前記出光面の法線方向に沿って前記出光面と重ならないことを特徴とする、請求項1に記載された光源モジュール。
【請求項8】
開口、前記光源、前記リフレクタが設置された筐体を更に備え、且つ前記照明光が前記筐体の前記開口を通って前記目標平面上に照射され、前記第1反射面と前記目標平面との間には夾角Bがあり、前記第2反射面と前記目標平面との間には夾角Cがあり、前記夾角Bは前記夾角Cよりも大きく、且つ夾角Cは0以上であることを特徴とする、請求項7に記載された光源モジュール。
【請求項9】
前記光源の前記出光面が前記目標平面から離れるように傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載された光源モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明技術に関するものであり、特に光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非対称な光学設計を採用したモニターライトバーが、光が直接スクリーンに当たることによる眩しさや長時間の使用による目の疲れなどの不快な問題を回避できるため、市場での受け入れ性が徐々に拡大している。現行のモニターライトバーにおいて、照明パターンを調整する方法は主に2つに分けられる。1つはレンズを用いて集光したり調光したりする方法であり、もう1つは反射シェードを使用して照明光を反射させ、照明パターンを再形成する方法である。しかし、現行の反射シェードを使用したモニターライトバーにおいて、照明範囲全体の照度と照明の均一性の両方を兼ね備えた設計が存在していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、照明範囲内の全体的な照度と照明の均一性がより優れた光源モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的の一部または全部、或いは他の目的を実現するために、本発明の一実施例は光源モジュールを提供する。光源モジュールは、光源とリフレクタとを備える。光源は出光面を有する。リフレクタは、光源から発せられる照明光の伝達経路上に設置される。照明光はリフレクタによって反射された後、目標平面上に照射される。リフレクタは第1反射面と第2反射面とを備える。第1反射面は光源の出光面に向けて設置され、平面である。第2反射面は第1反射面から屈曲しながら延伸する。
【0005】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールの光源の出光面の法線方向と目標平面との間に夾角Aがある。第1反射面と目標平面との間に夾角Bがある。照明光中で光源の出光面から垂直に出射される主ビームが第1反射面に反射された後の光経路と目標平面の法線方向との間に夾角θ0があり、且つ以下の関係式:B=45°-(A+θ0)/2 を満たす。
【0006】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールの夾角Aは10度から30度の範囲にある。
【0007】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールは、第1反射面と光源に対して鏡像となるように配置された第1鏡像光源を更に備える。第1鏡像光源と目標平面との間は目標平面の法線方向に沿って第1距離d1を有する。第1鏡像光源の目標平面上にある正投影と照射領域の幾何学中心との間は第2距離d2を有し、且つ以下の関係式:
θ0=tan-1[3sin(θ)cos(θ)/(cos2(θ)-2sin2(θ))]、
その内θ=tan-1(d2/d1)、
を満たす。
【0008】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールは、開口のある筐体を更に備える。光源とリフレクタは筐体内に設置され、照明光は筐体の開口を通って目標平面上に照射される。
【0009】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールは、第1反射面と光源に対して鏡像となるように配置された第1鏡像光源を更に備える。筐体は開口を定義し、光源に近いエッジを有しており、且つ第1鏡像光源と筐体のエッジとの仮想線が、リフレクタの第1反射面と第2反射面との間の曲げ部を通過する。
【0010】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールの第2反射面は、光源の出光面の法線方向に沿って出光面と重ならない。
【0011】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールは、開口のある筐体を更に備える。光源とリフレクタは筐体内に設置され、照明光は筐体の開口を通って目標平面上に照射される。第1反射面と目標平面との間には夾角Bがある。第2反射面と目標平面との間には夾角Cがある。夾角Bは夾角Cよりも大きく、且つ夾角Cは0以上である。
【0012】
本発明の一実施例において、前記光源モジュールの光源の出光面は、目標平面から離れるように傾斜している。
【0013】
上記の理由から、本発明の一実施例である光源モジュールにおいて、リフレクタが光源からの照明光を目標平面上に反射させることができる。リフレクタ内の光源の出光面に向けて設置された第1反射面は、より多くの照明光を反射し、より均等に目標平面上を照射することができる。また、第1反射面から屈曲しながら延伸する第2反射面は、光源から大きな角度で照射される照明光を目標平面上の特定の領域に反射させ、更に照明範囲全体の照度と照明の均一性を向上させることができる。
【0014】
本発明の上記の特徴と利点をより明瞭に理解するために、以下では実施例を具体的に挙げ、添付図面とともに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の光源モジュールの概略的な断面図である。
【
図3】
図1の光源モジュールの異なる夾角θ
0の条件下で目標平面上の照度の異なる夾角θに対する分布曲線図である。
【
図4】
図1の光源モジュールの異なる夾角θ
0の条件下で目標平面上の照度の異なる照射位置に対する分布曲線図である。
【
図5】
図1の光源モジュールの異なる目標平面の長さの条件下における評価値Eの異なる夾角θ
0に対する分布曲線図である。
【
図6】本発明の別の光源モジュールの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の上述した及び他の技術的内容、特徴及び効果に関して、以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施例を詳しく説明し、明確にする。以下の実施例において言及される方向用語、例えば、上、下、左、右、前または後などは、添付した図面を参照するための方向に過ぎない。したがって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0017】
図1は、本発明の光源モジュールの概略的な断面図である。
図2Aと
図2Bは、
図1の光源モジュールの拡大図である。
図3は、
図1の光源モジュールの異なる夾角θ
0の条件下で目標平面上の照度の異なる夾角θに対する分布曲線図である。
図4は、
図1の光源モジュールの異なる夾角θ
0の条件下で目標平面上の照度の異なる照射位置に対する分布曲線図である。
図5は、
図1の光源モジュールの異なる目標平面の長さの条件下における評価値Eの異なる夾角θ
0に対する分布曲線図である。
【0018】
図1と
図2Aを参照すると、光源モジュール10は光源LSとリフレクタRFを備える。光源LSは出光面LSeを有し、出光面LSeから照明光ILBを発することができる。リフレクタRFは、光源LSからの照明光ILBの伝達路上に設置される。光源モジュール10は、目標平面TPに照明を提供することができる。具体的には、光源LSからの照明光ILBは、リフレクタRFによって反射された後、目標平面TP上に照射される。
【0019】
本実施例において、光源モジュール10は殻体SHを更に備えることができ、光源LSとリフレクタRFは殻体SHの内部に設置される。殻体SHには開口OPがある。照明光ILBは殻体SHの開口OPを通って目標平面TP上に照射される。より具体的には、本実施例の光源モジュール10は、モニターライトバーとして用いられるが、これに限定されるものではない。
【0020】
更に、光源LSの出光面LSeは、目標平面TPから離れるように傾斜している。例えば、光源LSの出光面LSeの法線方向と仮想平面IPとの間に0より大きい夾角Aがあり、仮想平面IP(
図2A参照)は
図1の目標平面TPに平行である。好ましくは、夾角Aは10度から30度の範囲内にある。
【0021】
リフレクタRFは第1反射面RS1と第2反射面RS2を備える。第1反射面RS1は光源LSの出光面LSeに向けて設置される。第2反射面RS2は第1反射面RS1から屈曲しながら延伸する。特に注意すべきは、リフレクタRFの第1反射面RS1と第2反射面RS2はともに平面であることである。光源モジュール10には、第1反射面RS1と光源LSに対して、鏡像となるように配置された第1鏡像光源MLS1があり、つまり、第1鏡像光源MLS1はリフレクタRFの第1反射面RS1の反対側に位置する。
【0022】
別の観点から言えば、光源LSから発せられる照明光ILBは、リフレクタRFの第1反射面RS1による反射後の光経路が、光の進行方向とは逆向きに延伸し、第1鏡像光源MLS1で交わる。つまり、照明光ILBは第1鏡像光源MLS1から発せられ、且つ任意の反射部材または光屈折部材によって光経路の方向が変わらない光束と見なすことができる(
図1と
図2Aを参照)。
【0023】
注意すべきは、本実施例において、殻体SHは開口OPを定義し、光源LSに近いエッジSHeを有しており、且つ第1鏡像光源MLS1と殻体SHのエッジSHeとの仮想線ILがリフレクタRFの第1反射面RS1と第2反射面RS2との間の曲げ部BPを通過することである。この仮想線ILを超える第1鏡像光源MLS1からの光は殻体SHによって遮蔽されるため、ここでは第1反射面RS1から第2反射面RS2に転換するように選択され、ランプの最良の照明効率を達成する。本実施例では、仮想線ILは目標平面TPの法線方向(例えば方向Z)に平行である。
【0024】
本実施例において、光源LSから発せられる照明光ILBのうち出光面LSeから垂直に出射される主ビームLBM(例えば出光形状における光エネルギーが最大となる部分)が、第1反射面RS1に反射された後の光経路と目標平面TPの法線方向(例えば方向Z)との間に夾角θ0がある。第1反射面RS1と仮想平面IP(目標平面TPに平行)との間に0より大きい夾角Bがある。
【0025】
主ビームLBMの光経路と目標平面TPの法線方向との間の必要な夾角θ0及び光源LSの出光面LSeの法線方向と仮想平面IPとの間の夾角Aに基づいて、リフレクタRFの第1反射面RS1と仮想平面IPとの間の夾角Bは以下の関係式(1):
B=45°-(A+θ0)/2 を使用して計算できる。
【0026】
図1を参照すると、本実施例において、第1鏡像光源MLS1と目標平面TPとの間は目標平面TPの法線方向に沿って第1距離d
1を有し、光源モジュール10は目標平面TP上の照射領域(例えば、
図1の目標平面TP上における最左端の照明光ILBの位置から最右端の照明光ILBの位置までの範囲)内の任意の点の位置(例えば、光源モジュール10の目標平面TP上にある照射領域の幾何学中心GC)と第1鏡像光源MLS1の目標平面TP上にある正投影との間は第2距離d
2を有する。したがって、目標平面TP上の照射領域内の任意の点の位置と第1鏡像光源MLS1の仮想線と目標平面TPの法線方向との間の夾角θはtan
-1(d
2/d
1)と等しい。
【0027】
より具体的には、目標平面TP上の照射領域内の任意の点の位置は、第1鏡像光源MLS1の位置に対して夾角θにより定義される。例えば、第1距離d1が450mmであり、且つ目標平面TP上の照射領域の長さが400mmの場合、目標平面TP上の照射領域の幾何学中心GC(即ち、第2距離d2は200mmである)に対応する夾角θは約24度である。
【0028】
前述の夾角θと夾角θ0の定義によって、目標平面TP上の照射領域内の任意の点の位置で受ける照度比率LRは、以下の関係式(2):
LR=cos(θ0-θ)・cos2(θ)で表される。
【0029】
関係式(2)から、目標平面TP上の照射領域内の任意の点の位置の照度比率は、異なる夾角θ
0の条件下で夾角θに対する分布曲線として示すことができ、
図3に示されている。例えば、最大の照度比率を目標平面TP上の照射領域の幾何学中心GC(即ち、夾角θが24度の位置、
図3の破線の位置)に設定する場合、夾角θ
0が60度の分布曲線の最大照度比率に対応する夾角θは24度に最も近い。
【0030】
別の観点から言えば、目標平面TP上の照射領域内の特定の夾角θに対応する位置で最大の照度比率を得るためには、以下の関係式(3):
θ0=tan-1 [3sin(θ)cos(θ)/(cos2(θ)-2sin2(θ))]、
により夾角θ0の最適な設計値を取得できる。したがって、最大の照度比率を目標平面TP上の照射領域の幾何学中心GCに設定する場合、夾角θ0の最適な設計値は65.5度である。そして、前記関係式(1)に基づいてリフレクタRFの第1反射面RS1と目標平面TPとの間の必要な夾角Bの設計値を取得できる。
【0031】
図3から分かるように、夾角θ
0が60度の場合に得られる夾角Bの設計値は、目標平面TP上の照射領域の幾何学中心GCに最大の照度比率を提供できるが、目標平面TP上の照射領域全体の照度比率は、
図3の全ての曲線の中で最も低い。目標平面TPの照射領域全体に均等な照度をもたらすには、目標平面TP上の照射領域内の各点の位置が受ける照度比率の合計を同時に考慮する必要がある。
【0032】
説明を容易にするために、d
2=d
1・tan(θ)の変換式によって、
図3における対応する目標平面TP上の照射領域内の異なる位置の夾角θを、
図4に示すように第2距離d
2に変換して表示できる。したがって、
図4における任意の照度比率の曲線と横軸との間の領域の面積は、対応する夾角θ
0の条件下で目標平面TPの照射領域が受ける総照度比率TLRである。以下の表に示すように、夾角θ
0が20度の場合、目標平面TPの照射領域が受ける総照度比率TLRは最大である。
【0033】
【0034】
目標平面TP上の照射領域全体に照明の均一性をもたらすために、
図4の任意の照度比率の曲線の最小照度比率と最大照度比率の比(即ち、照度均一度U%)も評価パラメータの1つとして使用できる。前記照度均一度U%は大きいほど良い。表1に示すように、夾角θ
0が60度の場合、目標平面TP上の照射領域の照度均一度U%が最適である。
【0035】
また、表1は、異なる夾角θ0の条件下で目標平面TP上の照射領域全体の照度と照明の均一性を兼ね備えることができる評価値Eを示しており、評価値Eは前記総照度比率TLRと照度均一度U%の乗積値であり、値が大きいほど良い。
【0036】
表1から分かるように、夾角θ0が40度から50度の範囲にあると、目標平面TP上の照射領域全体の照度と照度均一度の両方を兼ね備えることができる。夾角θ0が30度から40度の範囲にあると、全体の照度を向上させるために照度均一度を犠牲にする。逆に、夾角θ0が50度から60度の範囲にあると、全体の照度を犠牲にして照度均一度を向上させる。
【0037】
一方で、
図1の第1鏡像光源MLS1と目標平面TPとの間の第1距離d
1が固定されている場合、前記評価値Eは、異なる目標平面TPの照射領域の長さ(即ち、
図1の第2距離d
2の2倍の値)の条件下で、夾角θ
0の最適な値を判断するために使用できる。
図5の4つの曲線は、第1距離d
1が固定されて450mmであり、且つ目標平面TPの照射領域の長さがそれぞれ300mm、400mm、500mm、600mmの場合の光源モジュールの評価値Eの夾角θ
0に対する分布を示している。
図5から、異なる目標平面TPの照射領域の長さに対して、最大の評価値Eに対応する夾角θ
0を最適な設計値として選択できることが分かる。
【0038】
図1と
図2Bを参照すると、一方で、リフレクタRFの第2反射面RS2は光源LSの出光面LSeの法線方向に沿って出光面LSeに重ならないように配置されている。そのため、第2反射面RS2の設計により、光源LSから大きな角度で照射される照明光ILBsを目標平面TPの照射領域の特定の領域に反射させ、照明範囲全体の照度と照度均一度を更に向上させることができる。本実施例では、第2反射面RS2は選択的に仮想平面IPと目標平面TPに平行であり、即ち、第2反射面RS2と目標平面TPとの間の夾角は0である。
【0039】
光源モジュール10は、第2反射面RS2と光源LSに対して、鏡像となるように配置された第2鏡像光源MLS2を更に備える。即ち、第2鏡像光源MLS2は、リフレクタRFの第2反射面RS2の反対側に位置する。別の観点から言えば、光源LSから大きな角度で発せられる照明光ILBsは、リフレクタRFの第2反射面RS2に反射された光経路が光の進行方向とは逆向きに延伸し、第2鏡像光源MLS2で交わる。つまり、照明光ILBsは第2鏡像光源MLS2から発せられ、且つ任意の反射部材または光屈折部材によって光経路の方向が変わらない光束と見なすことができる(
図2B参照)。
【0040】
以下、本開示を詳細に説明するために別の実施例が提供されるが、同じ構成要素には同じ符号を付し、同じ技術内容の説明は省略するものとする。省略した部分の説明については上述した実施例を参照する場合があり、その詳細な説明は以下の実施例においては繰り返さない。
【0041】
図6は、本発明の別の光源モジュールの概略的な断面図である。
図6を参照すると、本実施例の光源モジュール10Aと
図2Bの光源モジュール10の違いは、第2反射面の配置方法が異なる点である。具体的には、本実施例において、リフレクタRF-Aの第2反射面RS2”と仮想平面IPとの間の夾角Cは0より大きい。特に説明すると、
図6の仮想平面IPは、例えば
図1の目標平面TPに平行である。つまり、本実施例の第2反射面RS2”は、
図1の目標平面TPに対して傾斜している。
【0042】
したがって、光源LSから大きな角度で発せられる照明光ILBsが、本実施例の第2反射面RS2”に反射されて(または、第2鏡像光源MLS2”から大きな角度で発せられる照明光ILBsとも言える)、
図1の目標平面TP上の照射領域の範囲を更に拡大する(
図2Bと
図6の比較から明らかである)。
【0043】
以上をまとめると、本発明の一実施例である光源モジュールにおいて、リフレクタが光源からの照明光を目標平面上に反射させることができる。リフレクタ内の光源の出光面に向けて設置された第1反射面は、より多くの照明光を反射し、より均等に目標平面上を照射することができる。また、第1反射面から屈曲しながら延伸する第2反射面は、光源から大きな角度で照射される照明光を目標平面上の特定の領域に反射させ、更に照明範囲全体の照度と照明の均一性を向上させることができる。
【0044】
以上、実施例を用いて本発明を開示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者は、本発明の精神範囲から逸脱することなく、いくつかの変更修飾を行うことができる。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により限定されるものとする。
【符号の説明】
【0045】
10、10A:光源モジュール
A、B、C、θ0、θ:夾角
BP:曲げ部
d1:第1距離
d2:第2距離
GC:幾何学中心
IL:仮想線
ILB、ILBs:照明光
IP:仮想平面
LBM:主ビーム
LS:光源
LSe:出光面
MLS1:第1鏡像光源
MLS2、MLS2”:第2鏡像光源
OP:開口
RF、RF-A:リフレクタ
RS1:第1反射面
RS2、RS2”:第2反射面
SH:殻体
SHe:エッジ
TP:目標平面
Z:方向