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▶ アンフェノール イースト アジア エレクトロニック テクノロジー (シェンチェン) カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024167901
(43)【公開日】2024-12-04
(54)【発明の名称】高信頼性小型レセプタクルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20241127BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20241127BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20241127BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R13/52 301H
H01R12/71
H01R43/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024082260
(22)【出願日】2024-05-21
(31)【優先権主張番号】202321248411.3
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202310579405.4
(32)【優先日】2023-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515298350
【氏名又は名称】アンフェノール イースト アジア エレクトロニック テクノロジー (シェンチェン) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amphenol East Asia Electronic Technology (Shen Zhen) Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チン,ジミン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,フェイ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E051
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB17
5E021FC40
5E021LA09
5E021LA12
5E021LA15
5E051BA04
5E051BA08
5E087EE11
5E087FF02
5E087FF18
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM02
5E087RR03
5E087RR12
5E087RR47
5E223AA11
5E223AB58
5E223AB59
5E223AC03
5E223AC12
5E223BA01
5E223BA07
5E223CB22
5E223CB27
5E223CD01
5E223CD15
5E223DA13
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB13
5E223DB33
5E223EA02
5E223EA13
5E223EB03
5E223EB04
5E223EB12
5E223EB32
(57)【要約】
【課題】高信頼性小型レセプタクルコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタは、ハウジング本体と、本体から延在する舌部と、を有する端子アセンブリを含む。内側シェルは、端子アセンブリを取り囲み、本体に向かって突出する内向き部分を備えたテール端部を有する。内側シェルのテール端部は、端子アセンブリを越えて配置され、かつ端子アセンブリの後面に係合するアームを含む。内向き部分及びアームの両方は、内側シェルと一体的に形成される。このような構成は、単一の内側シェルが、嵌合力の下で、端子アセンブリの移動を抑制することを可能にする。外側シェルは、内側シェルの外側に配置される。内側シェルは、外側シェルの嵌合端部に係合して、取り付け力の下で外側シェルの移動を抑制する外向きの突出部を含む。接着剤で作製された封止部は、内側シェルの起伏部上に配置された場合に成形及び硬化され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を取り囲むシェルと、
前記空洞内に配置された端子アセンブリと、を有し、
前記シェルは、
嵌合端部と、
前記嵌合端部に対向し、前記空洞内へと突出する部分を備えるテール端部と、を備え、
前記端子アセンブリは、
前記シェルの本体に係合する本体と、前記本体から嵌合方向に延在する舌部と、を備えるハウジングと、
前記ハウジングによって保持される複数の端子と、を備え、
前記複数の端子のそれぞれは、
前記舌部によって保持される嵌合部分と、
前記ハウジングから外に延在するテール部分と、
前記本体内に保持される中間部分と、を備える、レセプタクルコネクタ。
【請求項2】
前記空洞内へと突出する前記シェルの前記テール端部の前記部分は、
前記嵌合方向に対して垂直に延在する第1のサブ部分と、
前記端子アセンブリの前記ハウジングの前記本体に係合するように、前記嵌合方向に平行に延在する第2のサブ部分と、を備える、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項3】
前記空洞内へと突出する前記シェルの前記テール端部の前記部分は、
前記嵌合方向に対して鈍角に延在する第3のサブ部分を備える、請求項2に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項4】
前記端子アセンブリの前記ハウジングの前記本体は、凹部を備え、
前記シェルの前記テール端部の前記部分は、前記端子アセンブリの前記ハウジングの前記本体の前記凹部内へと突出して、前記ハウジングの前記本体に係合する、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項5】
前記シェルの前記テール端部は、前記端子アセンブリの前記ハウジングを越えて配置され、かつ前記端子アセンブリの後面に当接するように前記空洞内へと延在するアームを備える、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項6】
前記シェルの前記テール端部は、前記シェルの上壁から前記空洞内へと突出する第1の部分を備え、
前記シェルは、前記シェルの底壁から前記空洞内へと突出する第2の部分を備え、
前記底壁は、前記上壁に対向している、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項7】
前記シェルの前記テール端部は、前記端子アセンブリの前記ハウジングを越えて配置され、かつ前記端子アセンブリの後面に係合する複数のアームを備え、
前記複数のアームは、対称な対で配置されている、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項8】
前記シェルの前記嵌合端部は、前記シェルの部分の表面粗さよりも高い表面粗さを有する部分を備え、
前記レセプタクルコネクタは、前記シェルの前記嵌合端部の前記部分に取り付けられた封止部材を備える、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項9】
前記より高い表面粗さを有する前記部分は、0.1mm~5mmの範囲の距離だけ、前記嵌合方向に延在する、請求項8に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項10】
前記シェルの前記嵌合端部は、前記シェルの周囲に延在して、かつ前記より高い表面粗さを有する前記部分と共に角部分を形成するフランジ部分を備え、
前記封止部材は、前記角部分に配置されている、請求項8に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項11】
前記複数の端子のそれぞれについて、
前記テール部分は、前記嵌合方向に対して垂直に延在し、かつ回路基板の表面に取り付けられるように構成された表面を備える、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項12】
前記シェルは、第1のシェルであり、
前記レセプタクルコネクタは、前記第1のシェルの外側に配置された第2のシェルを備え、
前記第2のシェルは、
嵌合端部と、
前記嵌合端部に対向するテール端部と、を備え、
前記テール端部は、前記複数の端子の前記テール部分を越えて延在し、かつ回路基板の正孔内へと挿入されるように構成された複数の脚部を備え、
前記第1のシェルの前記嵌合端部は、前記第2のシェルの嵌合端部を越えて延在する、請求項11に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項13】
前記シェルは、前記テール端部の前記部分よりも前記嵌合端部の近傍に配置された窪みを備え、
前記テール端部の前記部分は、前記窪みよりも深く前記空洞内へと突出している、請求項1に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項14】
ハウジング及び前記ハウジングによって保持される複数の端子を有する端子アセンブリと、
前記端子アセンブリの前記ハウジングを空洞内に取り囲む内側シェルと、
前記内側シェルの一部分を取り囲む外側シェルと、を備え、
前記ハウジングは、本体と、前記本体から嵌合方向に延在する舌部と、を備え、
前記複数の端子のそれぞれは、前記舌部によって保持される嵌合部分と、前記ハウジングから外に延在するテール部分と、前記本体内に保持される中間部分と、を備え、
前記複数の端子の前記テール部分は、前記内側シェルの前記空洞の外に延在し、
前記内側シェルの嵌合端部は、前記外側シェルの嵌合端部を越えて延在し、
前記外側シェルのテール端部は、側壁から延在し、かつ互いから徐々に離れる一対の遷移部分と、前記一対の遷移部分の間の開口部と、を備え、
前記内側シェルの前記テール端部は、前記外側シェルの前記一対の遷移部分の間の前記開口部によって、少なくとも部分的に露出されている、レセプタクルコネクタ。
【請求項15】
前記内側シェルの前記テール端部は、前記空洞内へと突出し、かつ前記端子アセンブリの前記ハウジングの前記本体の凹部に係合する部分を備える、請求項14に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項16】
前記内側シェルの前記テール端部は、前記端子アセンブリの前記ハウジングを越えて配置され、かつ前記端子アセンブリの後面に係合する複数のアームを備える、請求項15に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項17】
前記複数の端子のそれぞれの前記テール部分は、前記嵌合方向に対して垂直に延在し、かつ回路基板の表面に取り付けられるように構成された表面を備え、
前記外側シェルの前記一対の遷移部分のそれぞれは、そこから前記嵌合方向とは反対方向に延在し、かつ前記回路基板の正孔内へと取り付けられるように構成された脚部を有する、請求項16に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項18】
前記内側シェルは、前記嵌合方向への前記外側シェルの移動を抑制するように、前記外側シェルの前記嵌合端部に係合する突出部を備える、請求項17に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項19】
レセプタクルコネクタを製造する方法であって、
空洞を取り囲むシェルを提供することであって、前記シェルが、第1の端部と、前記第2の端部に対向する第2の端部と、を有することと、
本体と前記本体から第1の方向に延在する舌部とを有するハウジングを備える、端子アセンブリを提供することであって、前記本体が凹部を備えることと、
前記端子アセンブリを、前記シェルの前記空洞内へと配置することと、
前記シェルの前記第2の端部の一部分が、前記端子アセンブリの前記本体の前記凹部内に配置されるように、前記端子アセンブリを配置する前又は後に、前記シェルの前記第2の端部の前記部分を、前記空洞内へと突出させることと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記シェルは、前記端子アセンブリの前記ハウジングの前記本体を越えて配置された複数のアームと、外向きに延在する突出部と、を備える、第1のシェルであり、
前記方法は、
前記複数のアームが前記端子アセンブリの後面に当接するように、前記複数のアームを曲げることと、
嵌合端部と、複数の脚部を有するテール端部と、を備える第2のシェルを提供することと、
前記第2のシェルの前記嵌合端部が、前記第1のシェルの前記突出部に係合するまで、前記第2のシェルを前記第1のシェルに嵌め込むことと、を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年5月22日に出願された中国特許出願第202321248411.3号の優先権及び利益を主張する。本出願はまた、2023年5月22日に出願された中国特許出願第202310579405.4号の優先権及び利益を主張する。これらの出願の全内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電子アセンブリを相互接続するように構成された電気コネクタを含むものなどの、相互接続システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気コネクタは、多くの電子システムで使用されている。プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)などの別個の電子サブアセンブリとしてシステムを製造することは、一般的に、より容易であり、費用効果がより高く、こうしたシステムは、電気コネクタと共に接合され得る。分離可能なコネクタを有することは、異なる製造業者によって製造された電子システムの構成要素が容易に組み立てられることを可能にする。分離可能なコネクタはまた、システムが組み立てられた後に、欠陥のある構成要素を交換するか、又はより高性能の構成要素でシステムをアップグレードするために、構成要素を容易に交換することを可能にする。
【0004】
いくつかの電子サブアセンブリを接合するための周知の構成は、1つのプリント回路基板をバックプレーンとして機能させることである。周知のバックプレーンは、多くのコネクタが実装され得るPCBである。バックプレーン内の導電トレースをコネクタ内の信号導体に電気的に接続してもよく、それによって、信号を、コネクタ間でルーティングし得る。「ドーターボード(daughterboard)」、「ドーターカード(daughtercard)」、又は「中間基板(midboard)」と呼ばれるその他のプリント回路基板は、バックプレーンを介して接続されてもよい。例えば、ドーターカードの上に、コネクタが取り付けられてもよい。ドーターカード上に実装されたコネクタは、バックプレーン上に実装されたコネクタに差し込まれてもよい。このようにして、信号は、コネクタ及びバックプレーンを介して、ドーターカード間でルーティングされてもよい。ドーターカードは、バックプレーン内へと直角に差し込まれてもよい。したがって、これらの用途に使用されるコネクタは、直角曲げを含むことがあり、「直角コネクタ」と呼ばれることが多い。
【0005】
コネクタはまた、電子アセンブリを相互接続するためのその他の構成で、使用されてもよい。場合によっては、電子構成要素を搭載し、かつドーターボードを相互接続する、「マザーボード」と呼ばれる別のプリント回路基板に、1つ以上のプリント回路基板が接続される場合もある。このような構成では、マザーボードに接続されたプリント回路基板は、ドーターボードと呼ばれ得るドーターボードは、マザーボードよりも小さい場合が多く、マザーボードに平行に整列されることもある。この構成に使用されるコネクタは、「スタッキングコネクタ(stacking connector)」又は「メザニンコネクタ(mezzanine connector)」と呼ばれることが多い。その他のシステムでは、ドーターボードは、マザーボードに対して垂直であってもよい。
【0006】
コネクタはまた、マザーボードが、プロセッサと、プロセッサとプリンタ又はメモリデバイスなどの周辺機器との間でデータを渡すように構成されたバスと、を有し得るコンピュータにおいて使用されてもよい。コネクタは、マザーボードに実装され、バスに接続され得る。これらのコネクタの嵌合インターフェースは、多くの場合、ケーブルを介して周辺機器に取り付けられるコネクタが、マザーボード上のコネクタ内へと挿入されるように、コンピュータ用の筐体の開口部から露出されてもよい。この構成により、周辺機器をコンピュータに容易に接続することができる。
【0007】
周辺機器の可用性を高めるために、バス、及びバスを介して周辺機器を物理的に接続するために使用されるコネクタが規格化され得る。このようにして、多数の製造業者から入手可能な多数の周辺機器が存在し得る。これらの製品はいずれも規格に準拠したものである限り、規格に準拠したバスを有するコンピュータにおいて使用され得る。このような規格の例としては、コンピュータで一般的に使用されるユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)が挙げられる。規格は、複数の改訂を経て、経時的に、コンピュータに期待されるより高い性能に適合してきた。例えば、ポータブル電子デバイスは、USBレセプタクルコネクタをUSBプラグコネクタと接続することによる充電及び/又は別の電子デバイスとのデータ交換などの様々な目的のために、USBタイプCレセプタクルコネクタを含むことが多い。
【0008】
いくつかのUSBコネクタは、耐水性である。これらのコネクタは、コンピュータの筐体の外側からの水が、コネクタのために残された開口部を通ってコンピュータの筐体に入ることを阻止する、封止部を含んでもよい。
【発明の概要】
【0009】
本出願の態様は、高信頼性小型レセプタクルコネクタに関する。
【0010】
いくつかの実施形態は、レセプタクルコネクタに関する。レセプタクルコネクタは、空洞を取り囲むシェルと、空洞内に配置された端子アセンブリと、を含んでもよい。シェルは、嵌合端部と、嵌合端部に対向し、空洞内へと突出する部分を備えるテール端部と、を含んでもよい。端子アセンブリは、シェルの本体に係合する本体と、本体から嵌合方向に延在する舌部とを備えるハウジングと、ハウジングによって保持される複数の端子であって、複数の端子のそれぞれが、舌部によって保持される嵌合部分と、ハウジングから外に延在するテール部分と、本体内に保持される中間部分と、を備える複数の端子と、を含んでもよい。
【0011】
所望により、空洞内へと突出するシェルのテール端部の部分は、嵌合方向に垂直に延在する第1のサブ部分と、端子アセンブリのハウジングの本体に係合するように嵌合方向に平行に延在する第2のサブ部分と、を備える。
【0012】
所望により、空洞内へと突出するシェルのテール端部の部分は、嵌合方向に対して鈍角で延在する第3のサブ部分を備える。
【0013】
所望により、端子アセンブリのハウジングの本体は凹部を備え、シェルのテール端部の部分は、端子アセンブリのハウジングの本体の凹部内へと突出して、ハウジングの本体に係合する。
【0014】
所望により、シェルのテール端部は、端子アセンブリのハウジングを越えて配置され、かつ端子アセンブリの後面に当接するように空洞内へと延在するアームを備える。
【0015】
所望により、シェルのテール端部は、シェルの上壁から空洞内へと突出する第1の部分を備え、シェルは、シェルの底壁から空洞内へと突出する第2の部分を備え、底壁は上壁に対向する。
【0016】
所望により、シェルのテール端部は、端子アセンブリのハウジングを越えて配置され、かつ端子アセンブリの後面に係合する複数のアームを備え、複数のアームは、対称な対で配置されている。
【0017】
所望により、シェルの嵌合端部は、シェルの部分の表面粗さよりも高い表面粗さを有する部分を備え、レセプタクルコネクタは、シェルの嵌合端部の部分に取り付けられた封止部材を備える。
【0018】
所望により、より高い表面粗さを有する部分は、0.1mm~5mmの範囲の距離だけ、嵌合方向に延在する。
【0019】
所望により、シェルの嵌合端部は、より高い表面粗さを有する部分と共に角部分を形成するようにシェルの周囲に延在するフランジ部分を備え、封止部材は、角部分に配置されている。
【0020】
所望により、複数の端子のそれぞれについて、テール部分は、嵌合方向に対して垂直に延在し、かつ回路基板の表面に取り付けられるように構成された表面を備える。
【0021】
所望により、シェルは、第1のシェルであり、レセプタクルコネクタは、第1のシェルの外側に配置された第2のシェルを備え、第2のシェルは、嵌合端部と、嵌合端部に対向し、複数の端子のテール部分を越えて延在し、回路基板の正孔内へと挿入されるように構成された複数の脚部を含むテール端部と、を備え、第1のシェルの嵌合端部は、第2のシェルの嵌合端部を越えて延在する。
【0022】
所望により、シェルは、テール端部の部分よりも嵌合端部の近傍に配置された窪みを備え、テール端部の部分は、窪みよりも深く空洞内へと突出する。
【0023】
いくつかの実施形態は、レセプタクルコネクタに関する。レセプタクルコネクタは、本体と、本体から嵌合方向に延在する舌部と、を備えるハウジングと、ハウジングによって保持された複数の端子と、を備える端子アセンブリであって、複数の端子のそれぞれは、舌部によって保持された嵌合部分と、ハウジングから外に延在するテール部分と、本体に保持された中間部分と、を備える、端子アセンブリと、端子アセンブリのハウジングを空洞内に取り囲む内側シェルと、内側シェルの一部分を取り囲む外側シェルと、を含んでもよい。複数の端子のテール部分は、内側シェルの空洞の外に延在してもよい。内側シェルの嵌合端部は、外側シェルの嵌合端部を越えて延在してもよい。外側シェルのテール端部は、側壁から延在し、かつ互いから徐々に離れる一対の遷移部分と、一対の遷移部分の間の開口部と、を備えてもよい。内側シェルのテール端部は、外側シェルの一対の遷移部分の間の開口部によって、少なくとも部分的に露出されてもよい。
【0024】
所望により、内側シェルのテール端部は、空洞内へと突出し、かつ端子アセンブリのハウジングの本体の凹部に係合する部分を備える。
【0025】
所望により、内側シェルのテール端部は、端子アセンブリのハウジングを越えて配置され、かつ端子アセンブリの後面に係合する複数のアームを備える。
【0026】
所望により、複数の端子のそれぞれのテール部分は、嵌合方向に対して垂直に延在し、かつ回路基板の表面に取り付けられるように構成された表面を備え、外側シェルの一対の遷移部分のそれぞれは、そこから嵌合方向とは反対方向に延在し、かつ回路基板の正孔内へと取り付けられるように構成された脚部を有する。
【0027】
所望により、内側シェルは、嵌合方向における外側シェルの移動を抑制するように、外側シェルの嵌合端部に係合する突出部を備える。
【0028】
いくつかの実施形態は、レセプタクルコネクタの製造方法に関する。本方法は、空洞を取り囲むシェルを提供することであって、シェルは、第1の端部と、第2の端部に対向する第2の端部とを有する、提供することと、本体と、本体から第1の方向に延在する舌部と、を有するハウジングを備える端子アセンブリを提供することであって、本体が凹部を備える、提供することと、シェルの第2の端部の一部分が端子アセンブリの本体の凹部内に配置されるように、端子アセンブリを配置する前又は後に、シェルの第2の端部の一部分を空洞内へと突出させることと、を含んでもよい。
【0029】
所望により、シェルは、端子アセンブリのハウジングの本体を越えて配置された複数のアームと、外向きに延在する突出部と、を備える第1のシェルである。本方法は、複数のアームが端子アセンブリの後面に当接するように、複数のアームを曲げることと、複数の脚部を有する嵌合端部及びテール端部を備える第2のシェルを提供することと、第2のシェルの嵌合端部が第1のシェルの突出部に係合するまで、第2のシェルを、第1のシェルに嵌め込むことと、を含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態は、電子デバイス用のレセプタクルコネクタに関する。レセプタクルコネクタは、複数の端子の上に成形された絶縁ハウジングを備える端子アセンブリと、中空円筒形状を有するように構成され、端子アセンブリの外側に嵌め込まれる内側シェルと、内側シェル及び端子アセンブリの外側に配置された外側シェルであって、レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続される嵌合方向において、内側シェルの嵌合端部が外側シェルの嵌合端部を越えて延在する、外側シェルと、外側シェルの嵌合端部を越えて延在する内側シェルの外側側壁に取り付けられた封止部材と、を備えてもよく、内側シェルは、内側シェルのテール端部の近傍に設けられ、かつ内側シェルの内側に向かって突出する凹部を備え、凹部は、内側シェルと一体的に形成されている。
【0031】
所望により、内側シェルは、複数の凹部を備え、複数の凹部は、対をなして設けられた第1の凹部及び第2の凹部を含み、第1の凹部は、内側シェルの第1の側壁に設けられ、第2の凹部は、内側シェルの第2の側壁に設けられ、第2の側壁は、嵌合方向に直交する垂直方向において第1の側壁と対向しており、第1の凹部及び第2の凹部は、垂直方向において互いに向かって突出すると共に、互いに離間している。
【0032】
所望により、第1の凹部は、嵌合方向及び垂直方向の両方に直交する水平方向において、第1の側壁のテール端部の中央部に設けられ、第2の凹部は、水平方向において、第2の側壁のテール端部の中央部に設けられている。第1の凹部には、第1の側壁の外側表面に対して内側に凹んだ凹部が形成されており、第2の凹部には、第2の側壁の外側表面に対して内側に凹んだ凹部が形成されている。
【0033】
所望により、端子アセンブリは、絶縁ハウジングのテール端部の近傍に設けられた収容部材を備え、収容部材は、第1の凹部に嵌合する第1の収容部分と、第2の凹部に嵌合する第2の収容部分と、を備え、第1の収容部分と第2の収容部分とは、収容部材の両側に垂直方向に設けられている。レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続された場合、第1の凹部及び第2の凹部は、プラグコネクタの嵌合部の少なくとも一部分と接触又は係合して、プラグコネクタの嵌合部の挿入位置を制限する。
【0034】
所望により、内側シェルは、内側シェルのテール端部に設けられ、かつ嵌合方向と反対方向に凹部を越えて延在するオーバーハングアームを備える。内側シェルが端子アセンブリと組み立てられた場合、オーバーハングアームは、嵌合方向に直交する内側シェルのテール端部面内で、内側シェルの内側に向かう方向に、少なくとも部分的に延在し、絶縁ハウジングのテール端部表面と係合する。
【0035】
所望により、オーバーハングアームは、少なくとも第1の組のオーバーハングアーム及び第2の組のオーバーハングアームを含み、第1の組のオーバーハングアームは、内側シェルの第3の側壁に隣接して設けられ、第2の組のオーバーハングアームは、内側シェルの第4の側壁に隣接して設けられており、第4の側壁は、嵌合方向に直交する水平方向において第3の側壁に対向しており、第1の組のオーバーハングアーム及び第2の組のオーバーハングアームは、内側シェルのテール端部面内の垂直中心軸線を挟んで対称に配置されている。
【0036】
所望により、オーバーハングアームの各組は、対で提供される第1のオーバーハングアーム及び第2のオーバーハングアームを含み、第1のオーバーハングアームは、内側シェルのテール端部に一体的に接続された第1の近位端部と、第1の近位端部に対向する第1の遠位端部と、を備え、第2のオーバーハングアームは、内側シェルのテール端部に一体的に接続された第2の近位端部と、第2の近位端部に対向する第2の遠位端部とを備え、内側シェルが端子アセンブリと組み立てられた場合に、第1のオーバーハングアームの第1の遠位端部及び第2のオーバーハングアームの第2の遠位端部は、内側シェルのテール端部面において、垂直中心軸線に直交する水平中心軸線に向かって延在する。
【0037】
所望により、第1のオーバーハングアームの第1の遠位端部及び第2のオーバーハングアームの第2の遠位端部は、内側シェルが端子アセンブリと組み立てられた場合に、水平中心軸線を挟んで対称に配置される。
【0038】
所望により、内側シェルの外側側壁の外側表面に突出部が設けられ、突出部は、内側シェルの嵌合端部から互いに所定の距離だけ離間して設けられ、外側シェルの嵌合端部と係合する。突出部を設けることにより、外側シェルの嵌合端部が内側シェルの嵌合端部から所定の距離だけ離間するように、内側シェルに対する外側シェルの相対位置が正確に規定され、外側シェルが内側シェルに対して嵌合方向に不所望に移動するリスクが低減され、それによって、位置付け精度及び組み立て効率が向上する。
【0039】
所望により、突出部は、円形断面、楕円形断面、三角形断面、正方形断面、又は不規則形状断面を有するように形成されている。
【0040】
所望により、突出部は、内側シェルの外側側壁における第3の側壁及び/又は第4の側壁の外側表面上に形成され、第4の側壁は、嵌合方向に直交する水平方向において、第3の側壁に対向している。
【0041】
所望により、外側シェルの嵌合端部には、内側シェルの突出部とスナップ嵌めされる凹状嵌合部分が設けられている。
【0042】
所望により、内側シェルのテール端部には、電子デバイスのプリント回路基板に接続された端子アセンブリの端子の少なくとも一部分がアクセスできるように、開口部が設けられている。
【0043】
所望により、内側シェルの嵌合端部の外側側壁には、外側シェルの嵌合端部を越えて延在する起伏部が設けられ、内側シェルの起伏部には封止部材が取り付けられ、起伏部は、斜線パターン、格子パターン、又は所定の記号パターンのうちの少なくとも1つによって形成されたパターン部を含む。したがって、起伏部が設けられたレセプタクルコネクタの内側シェルの外側側壁は、内側シェルの残りの部分の表面粗さよりも高い表面粗さを有し、それによって、封止部材と内側シェルの起伏部との間の接着力を大幅に改善する。封止部材は、内側シェルにしっかりと取り付けられ、封止部材が外れることを効果的に回避し、したがって、防水効率を大幅に改善し、電気コネクタの耐用年数を延長させる。
【0044】
所望により、所定の記号パターンは、星形状、H形状、又はX形状のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
所望により、起伏部は、内側シェルの外側側壁上で、嵌合方向に、内側シェルの近位縁部から0.1mm~5mmの範囲の幅を有する。
【0046】
所望により、封止部材は、弾性の変形可能な部材であり、封止部材は、封止部材が電子デバイスの取り付け部分と接触している場合に弾性変形し、嵌合方向に直交する方向において、電子デバイスの取り付け部分と締まり嵌めを形成するように構成されている。
【0047】
所望により、封止部材は、内側シェルの嵌合端部の周囲に円周方向に連続的に延在する環状形状を有するように構成されており、封止部材は、内側シェルの嵌合端部とのポジティブフィットを形成する(形状及び位置嵌合を形成する)取り付け面を有するように構成されている。
【0048】
所望により、封止部材は、嵌合方向に沿って嵌合端部に傾斜部分を備えてもよく、傾斜部分の傾斜外側表面は、封止部材の嵌合端部面に対して、20度~40度の角度を形成する。
【0049】
所望により、電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法であって、複数の端子上に成形された絶縁ハウジングを備える端子アセンブリを提供することと、中空円筒形状に形成された内側シェルを提供することと、内側シェルが端子アセンブリの少なくとも一部を覆うように、内側シェルを端子アセンブリの外側に嵌め込むことと、外側シェルを提供することと、レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続される嵌合方向において、内側シェルの嵌合端部が外側シェルの嵌合端部を越えて延在するように、外側シェルを内側シェル及び端子アセンブリの外側に取り付けることと、外側シェルの嵌合端部を越えて延在する内側シェルの嵌合端部の外側側壁の一部分に、内側シェルの周方向に沿って接着剤を塗布し、接着剤を硬化させて、外側側壁に取り付けられた封止部材を形成することと、を含み、内側シェルを提供することが、内側シェルのテール端部に凹部を設けることを含み、凹部が、内側シェルの内側に向かって突出するように構成されており、凹部が、内側シェルと一体的に形成される、方法が提供される。
【0050】
所望により、内側シェルは、内側シェル内に複数の凹部を設けることを含み、複数の凹部は、対で配置された第1の凹部及び第2の凹部を含み、第1の凹部は、内側シェルの第1の側壁に設けられ、第2の凹部は、内側シェルの第2の側壁に設けられ、第2の側壁は、嵌合方向に直交する垂直方向において第1の側壁と対向しており、第1の凹部及び第2の凹部は、垂直方向において互いに向かって突出し、互いに離間している。
【0051】
所望により、内側シェルは、内側シェルのテール端部に複数のオーバーハングアームを設けることと、複数のオーバーハングアームが、嵌合方向と反対方向に凹部を越えて延在するように構成することと、を含み、内側シェルが端子アセンブリと組み立てられていない場合に、オーバーハングアームは、少なくとも部分的に内側シェルの外側側壁の遠位周縁部に沿って延在し、内側シェルが端子アセンブリと組み立てられた場合に、オーバーハングアームは、嵌合方向に直交するテール端部面において、内側シェルのテール端部から内側シェルの内側に向かう方向に曲げられ、オーバーハングアームは、絶縁ハウジングのテール端部表面に係合する。
【0052】
所望により、内側シェルは、起伏部を形成するために、レーザ彫刻処理又は放電処理によって、内側シェルの嵌合端部近傍の外側表面の一部分を粗面化すること、又は、起伏部を形成するために、内側シェルの嵌合端部の近傍の外側表面の一部分を、エンボス加工又はローレット加工することを含む。
【0053】
所望により、内側シェルは、内側シェルの外側側壁の外側表面に突出部を設けることを含み、突出部は、内側シェルの嵌合端部から所定の距離だけ離間するように設けられている。
【0054】
いくつかの実施形態は、電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法に関する。本方法は、所定のサイズ及び形状に関して封止部材と一致する接着剤形成ツールを提供することと、内側シェルの嵌合端部に隣接する処理される起伏部を、接着剤形成ツール内に配置し、起伏部において、内側シェルの周方向に接着剤を塗布することと、を含んでもよく、接着剤形成ツール内において、時間加圧式塗布法、ピストンポンプ塗布法、スクリュー定量ポンプ塗布法のうちの1つによって、接着剤は塗布される。
【0055】
これらの技術は、単独で、又は任意の適切な組み合わせで使用されてもよい。前述の概要は、例示として提供されており、限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
添付の図面は、一定の縮尺で描かれていない場合がある。図面では、様々な図に示される同一又はほぼ同一の構成要素のそれぞれは、同様の数字によって表され得る。明確にするために、全ての図面において全ての構成要素に符号が付されているわけではない場合がある。図面は以下の通りである。
図1】いくつかの実施形態による、レセプタクルコネクタの斜視図である。
図2】いくつかの実施形態による、図1のレセプタクルコネクタの分解斜視図である。
図3】いくつかの実施形態による、図1のレセプタクルコネクタの内側シェルの底部後方斜視図である。
図4】別の角度から見た、図3の内側シェルの斜視図である。
図5】いくつかの実施形態による、図1のレセプタクルコネクタの端子アセンブリの斜視図である。
図6】いくつかの実施形態による、図3の内側シェル内に配置された図5の端子アセンブリの平面図である。
図7】いくつかの実施形態による、図6において「E-E」と記された線に沿った、図3の内側シェル内に配置された図5の端子アセンブリの断面図である。
図8】いくつかの実施形態による、内側シェルのオーバーハングアームが定位置に曲げられる前の、図3の内側シェルの背面図である。
図9】いくつかの実施形態による、内側シェルのオーバーハングアームが定位置に曲げられた後の、図3の内側シェルの背面図である。
図10】いくつかの実施形態による、図3の内側シェルの側面図である。
図11】いくつかの実施形態による、図3の内側シェルの平面図である。
図12A】いくつかの実施形態による、図1のレセプタクルコネクタの側面図である。
図12B】いくつかの実施形態による、図1のレセプタクルコネクタの平面図である。
図12C】いくつかの実施形態による、回路基板上に実装された図1のレセプタクルコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明者らは、高信頼性小型レセプタクルコネクタを作製するための技術を認識し、理解した。レセプタクルコネクタは、電子デバイスのシャーシ内に一体化されてもよく、電子デバイスがその他のデバイスと接続することを可能にするために、プラグコネクタなどの嵌合構成要素を受容するように構成されてもよい。既存のレセプタクルコネクタは、プラグコネクタをレセプタクル内に位置付けるために、(例えば、溶接によって)互いに接合された複数の別個の部品を含んでもよい。これらの部品は、嵌合構成要素を挿入/除去するサイクルにわたって印加される力のために、緩んだり分離されたりして、嵌合構成要素間の接触不良又は誤動作を引き起こす場合がある。更に、端子テール部分は、基板ロックを提供するシェルによって覆い隠されることが多く、テールを観察するために高価な3D走査ツールを必要とする。このようなツールは、例えば、端子テール部分とそれらが取り付けられる回路基板との間の共平面性を決定するために必要とされる場合がある。
【0058】
本明細書に記載される技術は、レセプタクル内に嵌合構成要素を確実に位置付けることができる単一の内側シェルを有する小型レセプタクルコネクタを可能にする。内側シェルは、基板ロックを提供する外側シェルの移動を抑制する特徴を有し得る。外側シェルは、基板ロック間に開口部を有してもよく、この開口部を通して、端子テール部分をより安価な2D走査ツールで検査し得る。これらのより安価なツールは、端子テール部分とそれらが取り付けられる回路基板との間の共平面性を決定するために使用されてもよい。
【0059】
本開示の態様によれば、コネクタは、内側シェルと、内側シェル内に配置された端子アセンブリと、内側シェルの外側に配置された外側シェルと、を含んでもよい。外側シェルは、例えば、コネクタをプリント回路基板に実装するために使用されてもよい。内側シェルは、プリント回路基板を取り囲むシャーシの壁の開口部内へと延在してもよい。端子アセンブリは、本体と、本体から嵌合方向に延在する舌部と、を有するハウジングを含んでもよい。複数の端子が、ハウジングによって保持されてもよい。各端子は、舌部によって保持される嵌合部分と、ハウジングから外に延在するテール部分と、本体内に保持される中間部分と、を含んでもよい。テール部分は、回路基板の表面に取り付けるように構成された表面を含んでもよい。
【0060】
内側シェルは、端子アセンブリの舌部を取り囲む嵌合端部と、嵌合端部に対向するテール端部と、を含んでもよい。テール端部は、嵌合力/嵌合解除力下で、端子アセンブリの移動を抑制するように、端子アセンブリのハウジングの本体に突出する内向き部分を含んでもよい。テール端部は、端子アセンブリを越えて配置され、かつ嵌合力/嵌合解除力下で端子アセンブリの移動を抑制するように端子アセンブリの後面に係合するアームを含んでもよい。内向き部分及びアームの両方は、内側シェルと一体的に形成され得る。例えば、内向き部分は、ハウジングの本体と係合するために十分な深さまで、テール端部の選択された部分を内側へと突出させることによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングの本体は、端子アセンブリの移動を抑制するために十分な力を提供するように、内向き部分がその内部に配置されて、本体に係合し得る凹部を含んでもよい。アームは、内側シェルの延長部分であってもよく、したがって、端子アセンブリを越えて配置されてもよい。延長部分は、内側シェルの本体に接続された近位端部と移動し得る遠位端部とを有する、延長部分と内側シェルの本体との間の線を切断することなどによって、内側シェルの本体から部分的に分離されてもよい。例えば、内側シェル内に端子アセンブリを配置した後に、アームは、端子アセンブリの後面に係合するように曲げられてもよい。
【0061】
外側シェルは、嵌合端部と、回路基板の正孔に取り付けるように構成された脚部を有するテール端部と、を含んでもよい。内側シェルは、外側シェルの嵌合端部に係合して、取り付け力下での外側シェルの移動を抑制する、外向き突出部を含んでもよい。外側シェルの上部側壁及び/又は底部側壁は、それらの間に開口部を形成するように、互いから徐々に離れる遷移部分の対を有してもよい。端子のテール部分は、開口部によって少なくとも部分的に露出されてもよく、端子テール部分とそれらが取り付けられる回路基板との間の共平面性を決定するための、より安価な2D走査ツールの使用を可能にする。
【0062】
コネクタは、接着剤から作製された封止部を有してもよく、これは、封止部を位置付ける際に、より柔軟性を提供し得る。成形された接着剤は、起伏部上に配置され、起伏部上で成形及び硬化されて、封止部を形成し得る。代替的に又は追加的に、封止部は、改善された耐水性を提供し得る。1つ以上の特徴が、封止部に機械的完全性を提供するために使用されてもよい。いくつかの実施例では、内側シェルの嵌合端部は、起伏部を有してもよい。その部分は、シェルのその他の部分よりも高い表面粗さを有するように、シェルのその他の部分とは異なって処理されてもよい。異なる処理は、表面を粗くするために、その部分に優先的に実行される処理工程から行われてもよい。代替的又は追加的に、冷間圧延又はめっきなどの、シェルのその他の部分を平滑化する傾向がある処理工程を省略することによって、異なる処理を行ってもよい。いくつかの実施例では、8~12の範囲の放電加工(Electrical Discharge Machining、EDM)を使用することによって、起伏部の所望の表面粗さを得てもよい。より大きいEDMは、より高い粗さ及びより良好な接着をもたらし得ることを理解されたい。いくつかの実施例では、起伏部は、接着性を高めるためのパターンを有してもよい。これらのパターンは、視覚的に観察可能であってもよく、及び/又は*、H、若しくはXなどの記号を備えてもよく、それらは、シェルの嵌合端部の周囲にレーザ刻印されてもよい。いくつかの実施例では、起伏部は、0.5mm~1.5mmの範囲など、0.1mm~5mmの範囲の距離だけ、嵌合方向に延在してもよい。
【0063】
封止部を内側シェルにしっかりと取り付け得るように、内側シェルの嵌合端部の起伏部に、封止部を配置してもよい。いくつかの実施例では、接着剤(例えば、UV接着剤、シリコーン、エポキシ接着剤、又はアンダーフィル(underfill))を、起伏部上に配置し、起伏部上で成形及び硬化させて、封止部を形成してもよい。封止部は、外側シェルの上方に延在するように、嵌合方向において、外側シェルから離間され得る。このような構成は、コネクタが、コネクタの嵌合面が露出される開口部を有する壁に対して、嵌合方向に押圧された場合に、封止部が、嵌合方向に直交する方向に変形することを可能にし、環境汚染物質の侵入を阻止する。封止部はまた、内側シェル及び外側シェルの嵌合端部の間の任意の経路を遮断してもよい。
【0064】
代替的又は追加的に、シールドが貼り付けられるシェルは、唇状部とシェルの表面との間に角部を形成する、唇状部を有してもよい。封止部は、この角部に貼り付けられてもよい。角部における唇状部又はシェルのいずれか又は両方の表面は、封止部の接着を改善するために粗面化されてもよい。
【0065】
以下、添付図面を参照して、本出願によるレセプタクルコネクタの例示的な実施形態を詳細に説明する。説明を明確かつ簡潔にするために、嵌合方向Y、水平方向X、及び垂直方向Zが、図に示され得る。嵌合方向Y、水平方向X、及び垂直方向Zは、互いに直交し得る。嵌合方向Yは、レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続される方向を指し得る。水平方向Xは、レセプタクルコネクタの幅方向を指し得る。垂直方向Zは、レセプタクルコネクタの高さ方向を指し得る。
【0066】
図1及び図2を参照すると、例示的な実施形態におけるレセプタクルコネクタ1は、端子アセンブリ30と、内側シェル20と、外側シェル10と、封止部材40と、を含み得る。内側シェル20は、中空円筒形状を有してもよい。端子アセンブリ30は、複数の端子の上に成形された絶縁ハウジングを含んでもよい。図1及び図2に見られるように、ハウジングは、本体114と、本体から嵌合方向(例えば、方向Y)に延在する舌部116と、を含み得る。各端子は、舌部116によって保持される嵌合部分120と、ハウジングから外に延在するテール部分128と、ハウジングの本体114内に保持される中間部分と、を有してもよい。ハウジングの本体114は、凹部311(収容部分とも称され得る)を含んでもよい。端子アセンブリは、ハウジングの本体114に対して配置された後部封止部118を更に含んでもよい。
【0067】
図1及び図2に見られるように、内側シェル20は、空洞104を取り囲み得る。内側シェル20は、嵌合端部106と、嵌合端部106に対向するテール端部108と、を有してもよい。内側シェル20のテール端部108は、内側シェル20の内側に向かって突出する凹部24を含んでもよい。凹部24は、内側シェル20と一体的に形成され得る。例えば、凹部24は、選択された部分がハウジングの本体114の凹部311内に配置され得るように、及び/又はハウジングの本体114と係合し得るように、テール端部108の選択された部分14を、空洞104内へと突出させることによって形成されてもよい。内側シェル20は、凹部24よりも嵌合端部106側に配置された窪み126を有してもよい。図7に見られるように、凹部24は、窪み126よりも空洞104内に深く突出している。このような構成は、単一の一体的な内側シェルが、嵌合構成要素を挿入するために印加される力による端子アセンブリ30の移動を抑制することを可能にし得る。
【0068】
図1及び図2に戻って参照すると、凹部24は、内側シェル20の内側に向かって突出している。凹部24は、内側シェル20と一体的に形成され得る。レセプタクルコネクタ1と対応するプラグコネクタとが互いに嵌合する場合に、プラグコネクタの嵌合部分の位置が、凹部24によって制限され、したがって、嵌合部分の挿入深さが正確に制御され、過挿入や挿入不足が回避される。本出願によるレセプタクルコネクタ1では、凹部24は内側シェル20の一部であり、例えば、凹部24は、単一のブランクから内側シェル20と一体的に形成されている。追加の構成要素が必要とされる関連技術の技術的解決策と比較して、本出願の技術的解決策は、レセプタクルコネクタ1の構成要素の数を低減し、レセプタクルコネクタ1の構造及びその製造プロセスを単純化し、レセプタクルコネクタのより小型な構造を可能にすると共に、レセプタクルコネクタの耐久性も向上させる。これにより、頻繁な使用によって凹部がずれたり及び/又は外れたりするリスクが低減され、したがって、プラグコネクタとレセプタクルコネクタとの接触安定性及び接続信頼性が向上する。
【0069】
内側シェル20は、端子アセンブリ30の外側に嵌め込まれ得る。外側シェル10は、内側シェル20及び端子アセンブリ30の外側に取り付けられ得る。内側シェル20の嵌合端部106は、レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続される嵌合方向Yにおいて、外側シェル10の嵌合端部110を越えて延在してもよい。封止部材40は、外側シェル10の嵌合端部を越えて延在する内側シェル20の外側側壁の一部分に取り付けられてもよい。
【0070】
図1及び図2に見られるように、外側シェル10は、嵌合端部110と、嵌合端部110に対向するテール端部112と、を含み得る。外側シェル10のテール端部112は、回路基板上にコネクタを保持するために、回路基板1202の正孔内へと挿入されるように構成された脚部122を含んでもよい(図12Cも参照)。側壁21及び側壁23のそれぞれは、内側シェル20のテール端部108が、開口部102によって少なくとも部分的に露出されるように(図12Bも参照)、互いから徐々に離れるように、それらの間に開口部102を形成する一対の遷移部分124を含んでもよい。
【0071】
内側シェル20及び外側シェル30は、金属材料(例えば、鉄、アルミニウム、及びそれらの合金)で作製された金属ハウジングであってもよい。所望により、内側シェル20及び外側シェル30は、鉄から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、導電端子30は、少なくとも2列の導電端子を含んでもよい。端子アセンブリ30は、導電端子間に位置するシールド(例えば、図5に見られるようなシールド502)を更に備え、シールドは、2列の導電端子間の信号干渉を遮蔽するように、構成されている。
【0072】
図3及び図4に示すように、内側シェル20は、複数の凹部24を含んでもよく、凹部24は、対で設けられた第1の凹部241及び第2の凹部242を含む。第1の凹部241は、内側シェル20の第1の側壁21に設けられ、第2の凹部242は、内側シェル20の第2の側壁23に設けられている。第2の側壁23は、嵌合方向Yに直交する垂直方向Zにおいて第1の側壁21と対向し、第1の凹部241及び第2の凹部242は、垂直方向Zにおいて互いに向かって突出し、互いに離間している。第1の凹部241は、内側シェル20の第1の側壁21上の外側表面において、第1の側壁21と一体的に形成されてもよく、第2の凹部242は、内側シェル20の第2の側壁23の外側表面において、第2の側壁23と一体的に形成されてもよいことを理解されたい。複数の凹部のサイズ、数、及び配列位置は、実際の組み立て要件に応じて調整されてもよい。例えば、凹部の数は2つに限定されるものではなく、4つ、6つ、又は8つの凹部を内側シェル20に設けてもよい。
【0073】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の凹部241は、プレス加工及び絞り加工によって、内側シェル20の第1の側壁21から形成されてもよい。第2の凹部242は、プレス加工及び絞り加工によって、内側シェル20の第2の側壁23から形成されてもよい。このような構成は、第1の凹部241及び第2の凹部242が、内側シェル20の一体的部分であることを可能にする。
【0074】
一実施例では、図4に示すように、第1の凹部241は、嵌合方向Y及び垂直方向Zの双方に直交する水平方向Xにおいて、第1の側壁21のテール端部の、中央部に設けられ、第2の凹部242は、水平方向Xにおいて、第2の側壁23のテール端部の中央部に設けられる。第1の凹部241は、第1の側壁21の外側表面に対して内側に凹んだ凹部によって形成されており、第2の凹部242は、第2の側壁23の外側表面に対して内側に凹んだ凹部によって形成されている。
【0075】
いくつかの例示的な実施形態では、図5及び図7に示されるように、端子アセンブリ30は、絶縁ハウジングのテール端部の近傍に設けられた収容部材31を備えてもよい。収容部材31は、第1の凹部241に係合するように構成された第1の収容部分311と、第2の凹部242に係合するように構成された第2の収容部分312と、を備え、第1の収容部分311と第2の収容部分312とは、垂直方向Zにおいて、収容部材31の両側に設けられている。レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続された場合に、第1の凹部241及び第2の凹部242は、プラグコネクタの嵌合部分の少なくとも一部分と接触/係合して、プラグコネクタの嵌合部分の挿入位置を制限する。プラグコネクタの嵌合部分の挿入深さは、収容部材31と、第1の凹部241及び第2の凹部242との、嵌合方向におけるサイズ及び配列位置を提供することによって定義され得る。一実施例では、第1の収容部分311及び第2の収容部分312は両方とも凹状を有するように設けられる。一実施例では、第1の収容部分311及び第2の収容部分312は両方とも、嵌合方向Yに直交する断面において、U字状に形成されている。
【0076】
図7に見られるように、各凹部24は、嵌合構成要素の面に係合して、嵌合構成要素が過度に挿入されることを抑制するように、嵌合方向に垂直に延在する第1のサブ部分702を含んでもよい。各凹部24は、端子アセンブリ30のハウジングの本体114に係合するように、嵌合方向に平行に延在する第2のサブ部分704を含んでもよい。各凹部24は、嵌合方向に対して鈍角αで延在する第3のサブ部分706を更に含んでもよい。
【0077】
凹部の配列及び位置は、所定の挿入深さ及び実際の組み立て要件に従って調整され得ることを理解されたい。第1の凹部241及び第2の凹部242は、レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタに接続された場合に、第1の凹部241及び第2の凹部242がプラグコネクタの嵌合部の少なくとも一部分と接触して、それによって、プラグコネクタの嵌合部分を止めるように、第1の凹部241及び第2の凹部242が、第1の収容部分311及び第2の収容部分312と、それぞれ嵌合する限り、第1の側壁21及び第2の側壁23のテール端部の任意の位置に、それぞれ設けられ得る。
【0078】
いくつかの例示的な実施形態では、図3及び図4に示すように、内側シェル20は、内側シェル20のテール端部に設けられ、かつ嵌合方向Yと反対方向に凹部24を越えて延在するオーバーハングアーム261、263、265、267を備える。内側シェル20が端子アセンブリ30と組み立てられた場合に、オーバーハングアームは、(図9に示されるように)嵌合方向Yに直交する内側シェルのテール端部面(X-Y面)において、内側シェル20の内側に向かう方向に、内側シェル20のテール端部から延在し、絶縁ハウジングのテール端部表面と係合される。
【0079】
内側シェル20のテール端部にオーバーハングアームを設けることにより、内側シェル20が端子アセンブリ30と組み立てられた場合に、オーバーハングアーム26は、内側シェル20のテール端部から、内側シェルの内側に向かう方向に曲げられ、絶縁ハウジングのテール端部と係合して、絶縁ハウジングの位置を制限する。ユーザが、大きな力で、プラグコネクタをレセプタクルコネクタに接続した場合、絶縁ハウジングがレセプタクルコネクタのテール端部から外れるリスクが低減される。
【0080】
いくつかの実施例では、オーバーハングアーム261、263、265、267は、単一の金属ブランクから、内側シェル20と一体的に形成される。このような構成は、オーバーハングアーム261、263、265、267が、内側シェル20の一体部分であることを可能にする。
【0081】
いくつかの例示的な実施形態では、図4に示すように、オーバーハングアームは、少なくとも第1の組のオーバーハングアーム261、263と、第2の組のオーバーハングアーム265、267と、を含む。第1の組のオーバーハングアーム261、263は、内側シェル20の第3の側壁25に隣接して設けられ、第2の組のオーバーハングアーム265、267は、内側シェル20の第4の側壁27に隣接して設けられている。第4の側壁27は、嵌合方向Yに直交する水平方向Xにおいて、第3の側壁25と対向している。図8に示すように、第1の組のオーバーハングアーム261、263及び第2の組のオーバーハングアーム265、267は、嵌合方向Yに直交する内側シェル20のテール端部面内の垂直中心軸線Aを挟んで対称に配置されている。図4に示すように、いくつかの実施形態では、第3の側壁25及び第4の側壁27は両方とも曲線形状を有するように形成されてもよい。
【0082】
いくつかの例示的な実施形態では、オーバーハングアームの各組は、対で提供される第1のオーバーハングアーム261及び第2のオーバーハングアーム263を含む。第1のオーバーハングアーム261は、内側シェル20のテール端部と一体的に接続された第1の近位端部と、第1の近位端部に対向する第1の遠位端部(例えば、自由端部)と、を備え、第2のオーバーハングアーム263は、内側シェル20のテール端部と一体的に接続された第2の近位端部と、第2の近位端部に対向する第2の遠位端部と、を備える。第1の近位端部は、第2の近位端部に接続され、第1の遠位端部及び第2の遠位端部は、内側シェル20が端子アセンブリ30と組み立てられていない場合(図8に示すように)、内側シェル20の遠位周縁部分に沿って延在する。
【0083】
いくつかの実施例では、第1のオーバーハングアーム261及び第2のオーバーハングアーム263並びに内側シェル20の第3の側壁25は、単一のブランクから形成されてもよく、第1のオーバーハングアーム261の第1の近位端部及び第2のオーバーハングアーム263の第2の近位端部は、内側シェル20の第3の側壁25と一体的に形成されている。一実施例では、第1のオーバーハングアーム261及び第2のオーバーハングアーム263のそれぞれは、嵌合方向Yに直交する平面において、(図8に示すように)弓形の断面を有する。
【0084】
いくつかの例示的な実施形態では、図9に示すように、内側シェル20が端子アセンブリ30と組み立てられた場合、第1のオーバーハングアーム261の第1の遠位端部及び第2のオーバーハングアーム263の第2の遠位端部は、内側シェル20のテール端部面において垂直中心軸線Aに直交する水平中心軸線Bに向かって延在し、水平中心軸線Bを挟んで対称に配置される。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態では、図10及び図12Aに示すように、内側シェル20の外側側壁の外側表面に、突出部28が設けられ、突出部28は、内側シェル20の嵌合端部から所定の距離だけ離間し、外側シェル10の嵌合端部と係合するように設けられている。突出部28を設けることによって、内側シェル20に対する外側シェル10の位置は、外側シェル10の嵌合端部が内側シェル20の嵌合端部から所定の距離だけ離間するように制限され、それによって、嵌合方向Yに沿った内側シェル20に対する外側シェル10の望ましくない移動のリスクが低減される。したがって、組み立て精度及び信頼性が向上する。
【0086】
いくつかの例示的な実施形態では、突出部28は、円形断面、楕円形断面、三角形断面、正方形断面、又は不規則形状断面を有するように形成されている。
【0087】
いくつかの例示的な実施形態では、図4に示すように、突出部28は、内側シェル20の外側側壁の、第3の側壁25及び/又は第4の側壁27の外側表面上に形成され、第4の側壁27は、嵌合方向Yに直交する水平方向Xにおいて、第3の側壁25に対向している。
【0088】
一実施例では、内側シェル20の突出部28は、内側シェル20が外側シェル10と組み立てられた場合に、水平方向Xにおける突出部28の高さが外側シェル10の外側表面を越えないように設けられてもよい。外側シェル10の嵌合端部には、内側シェル20の突出部と、スナップ嵌めされる凹状嵌合部分が設けられてもよい。
【0089】
いくつかの例示的な実施形態では、図6に示すように、内側シェル20のテール端部に開口部29が設けられており、この開口部29は、外側シェル10の開口部102と共に、電子デバイスのプリント回路基板に接続された端子アセンブリ30の端子の少なくとも一部分へのアクセスを可能にする。例えば、開口部29及び/又は外側シェル10の開口部102を設けることによって、端子アセンブリ30のテール端部の端子の一部分が露出され、それによって、端子の共平面性及び端子とプリント回路基板との間の接続を検出するプロセスにおいて、検出動作を容易にし得る。これにより、検出コストが低減され、レセプタクルコネクタの組み立て効率が向上する。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態では、図11に示すように、内側シェル20の嵌合端部106は、外側シェル10の嵌合端部を越えて延在する内側シェル20の嵌合端部の外側側壁の一部分に設けられた起伏部22を含んでもよい。起伏部22は、斜線パターン、格子パターン、又は所定の記号パターンのうちの少なくとも1つによって形成されたパターンを含んでもよい。例えば、所定の記号パターンは、星形状、H形状、又はX形状のうちの少なくとも1つを含んでもよい。内側シェル20の起伏部22には、内側シェル20をより強固に保持するための封止部材40が取り付けられてもよい。
【0091】
内側シェル20の嵌合端部106は、内側シェル20の周囲に延在して、かつ起伏部22と共に角部1102を形成するフランジ部分302を遠位端部に含んでもよい。封止部材40は、角部1102に配置されてもよい。封止部材40は、内側シェル20と外側シェル10との間の任意の経路を遮断してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、起伏部が、外側シェルの嵌合端部を越えて延在する内側シェルの嵌合端部の外側側壁の一部分上に設けられ、封止部材が、内側シェルの起伏部上に設けられている。上記技術的解決策によれば、封止部材と内側シェルとの間の非常に密接な取り付けが提供され得、起伏部が設けられたレセプタクルコネクタの内側シェルの外側側壁の一部分は、内側シェルの残りの部分の表面粗さよりも高い表面粗さを有し、それによって、封止部材と内側シェルの起伏部との間の接着力を大幅に改善する。したがって、封止部材が外れるリスクが低減される。したがって、レセプタクルコネクタが電子デバイスの取り付け部分に取り付けられる場合に、レセプタクルコネクタと電子デバイスの取り付け部分との間に、継目なし封止部が生成され、水蒸気/埃が電子デバイスの内部に入るリスクが低減され得る。
【0093】
起伏部22は、内側シェル20の外側側壁上で、嵌合方向Yに、内側シェル20の近位縁部から0.1mm~5mmの範囲の幅を有する。いくつかの実施形態では、起伏部22は、内側シェル20の外側側壁上で、嵌合方向Yに、内側シェル20の近位縁部から0.5mm~3mmの範囲の幅を有する。いくつかの実施形態では、起伏部22は、内側シェル20の外側側壁上で、嵌合方向Yに、内側シェル20の近位縁部から0.5mm~1.5mmの範囲の幅を有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、内側シェルの起伏部22の表面粗さは、EDM8~12の範囲内であってもよい。
【0095】
継ぎ合わせ部材40は、弾性の変形可能な部材であってもよい。封止部材40は、封止部材40が電子デバイスの取り付け部分(例えば、電子デバイスのシェルの一部分)と接触している場合に弾性変形し、嵌合方向Yに直交する方向において、電子デバイスの取り付け部分と締まり嵌めを形成するように構成されている。一実施例では、封止部材は、紫外線硬化型接着剤(UV接着剤)、シリコーン、又はエポキシ樹脂接着剤から作製されてもよい。紫外線硬化型接着剤は、紫外線照射により速やかに硬化して弾性接着フィルムとなり、高い接着強度、耐振動性、耐高温性、及び良好な耐久性などを特徴とする。
【0096】
封止部材40の嵌合方向Yの幅は、0.1mm~5mmの範囲である。本出願によるいくつかの所望の実施形態では、封止部材40は、嵌合方向Yにおいて0.95mmの幅を有してもよい。好ましくは、封止部材40の嵌合方向Yの幅は、1.0mmであってもよい。
【0097】
例示的な実施形態では、封止部材40は、内側シェル20の嵌合端部の周囲に円周方向に連続して延在する環状形状を有するように構成されており、封止部材40は、内側シェル20の嵌合端部と嵌合する形状及び位置を形成する取り付け面を有するように構成されている。封止部材40は、嵌合方向に沿って嵌合端部に傾斜部分41を備えてもよく、傾斜部分41の傾斜外側表面は、封止部材の嵌合端部面に対して、20度~40度の角度を形成する。
【0098】
本出願で使用される「形状及び位置嵌合(ポジティブフィット)」という用語は、2つの嵌合構成要素が、形状及び位置に関して、互いに当接して緊密に嵌合する関係を指し得ることを理解されたい。
【0099】
本出願は、電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法を提供する。いくつかの例示的な実施形態では、電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法は、複数の端子上に成形された絶縁ハウジングを備える端子アセンブリ30を提供することと、中空円筒形状に形成された内側シェル20を提供することと、内側シェル20が端子アセンブリ30の少なくとも一部を覆うように、内側シェル20を端子アセンブリ30の外側に嵌め込むことと、外側シェル10を提供することと、内側シェル20の嵌合端部が、レセプタクルコネクタ1が対応するプラグコネクタと接続される嵌合方向Yにおいて、外側シェル10の嵌合端部を越えて延在するように、外側シェル10を内側シェル20及び端子アセンブリ30の外側に取り付けることと、外側シェル10の嵌合端部を越えて延在する内側シェル20の嵌合端部の外側側壁の一部分に、内側シェル20の周方向に沿って接着剤を塗布し、接着剤を硬化させて、外側側壁に取り付けられた封止部材40を形成することと、を含んでもよい。内側シェルを提供する工程は、内側シェル20のテール端部に凹部24を設け、凹部24が内側シェル20の内側に向かって突出するように構成することを含む。
【0100】
いくつかの実施例では、凹部24は、内側シェル20と一体的に形成され、凹部24は、プレス加工及び絞り加工などの打ち抜きプロセスによって、内側シェル20のテール端部に形成される。打ち抜きプロセスは、打ち抜き装置(プレス)及びツール(ダイ)の助けを借りて、圧力がパネル金属又は非金属に印加されて、パネル金属又は非金属が分離又は塑性変形することを可能にし、したがって、特定の形状、サイズ及び性能要件を有する製品を得る製造技術であることを理解されたい。「プレス加工及び絞り加工」とは、打ち抜きダイを用いて、平板材料を中空構成要素に加工する、又は中空構成要素の形状及びサイズを更に変化させる打ち抜きプロセスを指し得る。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態において、内側シェル20を提供する工程は、内側シェル20上に複数の凹部を形成することを含み、複数の凹部は、対で提供される第1の凹部241及び第2の凹部242を含む。第1の凹部241は、内側シェル20の第1の側壁21に設けられ、第2の凹部242は、内側シェル20の第2の側壁23に設けられ、第2の側壁23は、嵌合方向Yに直交する垂直方向Zにおいて第1の側壁21に対向している。第1の凹部241及び第2の凹部242は、垂直方向に互いに向かって突出し、互いに離隔している。
【0102】
いくつかの例示的な実施形態では、内側シェルを提供する工程は、内側シェル20のテール端部に複数のオーバーハングアーム261、263、265、267を形成することを含む。複数のオーバーハングアームは、嵌合方向Yとは反対方向に凹部24を越えて延在するように構成されている。内側シェル20が端子アセンブリ30と組み立てられていない場合に、オーバーハングアーム261、263、265、267は、内側シェル20の外側側壁の遠位周縁部に沿って延在する。内側シェル20が端子アセンブリ30と組み立てられた場合に、オーバーハングアーム261、263、265、267の少なくとも一部分は、嵌合方向Yに直交するテール端部面において、内側シェル20の内側に向かう方向に、内側シェル20のテール端部から少なくとも部分的に曲げられ、絶縁ハウジングのテール端部表面と係合される。
【0103】
いくつかの実施例では、オーバーハングアーム261、263、265、267は、内側シェル20のプレハブ部材を切断することによって形成される。例えば、内側シェル20の円筒状のプレハブ部材は、第1の側壁21と、垂直方向Zにおいて第1の側壁21に対向する第2の側壁23と、第1の側壁21及び第2の側壁23に接続された第3の側壁25と、水平方向Xにおいて第3の側壁25に対向する第4の側壁27と、を備える。第3の側壁25は、本体部分と、本体部分から第1の側壁及び第2の側壁を越えて嵌合方向Yとは反対方向に延在する突出部分と、を有する。第3の側壁25の突出部分は、第3の側壁の本体部分と突出部分との間に、少なくとも部分的にスリットを形成するように切断又は剪断され、それによって、第1の組のオーバーハングアーム261、263を形成する。同様に、第4の側壁の突出部分は、第4の側壁の本体部分と突出部分との間に少なくとも部分的にスリットを形成するように切断され、それによって、第2の組のオーバーハングアーム265、267を形成する。
【0104】
いくつかの例示的な実施形態では、内側シェル20を提供する工程は、内側シェル20の外側側壁の外側表面に突出部28を形成することを含む。突出部28は、内側シェルの嵌合端部から所定の距離だけ離間するように構成されている。一実施例では、突出部28は、内側シェル20の外側側壁の外側表面に、プレス加工及び絞り加工によって形成されるか、又は予め形成された突出部が、内側シェル20の外側側壁の外側表面の適切な位置に溶接される。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態では、内側シェルを提供する工程は、起伏部22を形成するために、レーザ彫刻処理(ラジウム溶接としても周知である)又は放電処理によって、内側シェル20の嵌合端部の近傍の外側表面の一部分を粗面化すること、又は、起伏部22を形成するために、内側シェル20の嵌合端部の近傍の外側表面の一部分を、エンボス加工又はローレット加工することを含む。
【0106】
いくつかの例示的な実施形態では、電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法は、所定のサイズ及び形状に関して封止部材40と一致する接着剤形成ツールを、提供することと、処理される内側シェル20の嵌合端部の起伏部22を、接着剤形成ツール内に配置し、内側シェル20の周方向において、起伏部22に接着剤を塗布することと、を含んでもよい。いくつかの実施例では、接着剤は、時間加圧式塗布法、ピストンポンプ塗布法、スクリュー定量ポンプ塗布法のうちの1つによって接着剤形成ツール内において塗布される。
【0107】
いくつかの例示的な実施形態では、接着剤は接着剤形成ツール内に受容され、接着剤は、UV接着剤、シリコーン、エポキシ樹脂接着剤のうちの1つから選択されてもよい。
【0108】
本出願の電気コネクタを製造する方法は、上記の特定の実施形態において説明される方法に限定されず、説明される個々の工程は、非網羅的なリストのみを伴い、特定の順序を有さず、工程の順序は、必要に応じて当業者によって調整され得ることを理解されたい。
【0109】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、本開示で説明されている。
1.電子デバイスのためのレセプタクルコネクタ(例えば、1)であって、成形された複数の端子の上に成形された絶縁ハウジングを含む端子アセンブリ(例えば、30)と、中空円筒形状を有するように構成され、端子アセンブリ(例えば、30)の外側に嵌め込まれる内側シェル(例えば、20)と、内側シェル(例えば、20)及び端子アセンブリ(例えば、30)の外側に取り付けられる外側シェル(例えば、10)であって、レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続される嵌合方向(例えば、Y)において、内側シェル(例えば、20)の嵌合端部が外側シェル(例えば、10)の嵌合端部を越えて延在する、外側シェル(例えば、10)と、内側シェル(例えば、20)の外側側壁の一部分に取り付けられ、外側シェル(例えば、10)の嵌合端部を越えて延在する封止部材(例えば、40)と、を備え、内側シェル(例えば、20)が、内側シェル(例えば、20)のテール端部近傍に設けられ、かつ内側シェル(例えば、20)の内側に向かって突出する凹部(例えば、24)を備え、凹部(例えば、24)が、内側シェル(例えば、20)と一体的に形成されていることを特徴とする、電子デバイスのためのレセプタクルコネクタ。
2.内側シェル(例えば、20)が、複数の凹部を備え、複数の凹部が、対をなして設けられた第1の凹部(例えば、241)及び第2の凹部(例えば、242)を含み、第1の凹部(例えば、241)が、内側シェル(例えば、20)の第1の側壁(例えば、21)に設けられており、第2の凹部(例えば、242)が、内側シェル(例えば、20)の第2の側壁(例えば、23)に設けられており、第2の側壁(例えば、23)が、嵌合方向(例えば、Y)に直交する垂直方向(例えば、Z)において、第1の側壁(例えば、21)に対向しており、第1の凹部(例えば、241)及び第2の凹部(例えば、242)が、垂直方向において互いに向かって突出し、互いに離間している、態様1又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
3.第1の凹部(例えば、241)が、嵌合方向(例えば、Y)及び垂直方向(例えば、Z)の両方に直交する水平方向(例えば、X)において、第1の側壁(例えば、21)のテール端部の中央部に設けられ、第2の凹部(例えば、242)が、水平方向(例えば、X)において、第2の側壁(例えば、23)のテール端部の中央部に設けられ、第1の凹部(例えば、241)には、第1の側壁の外側表面に対して内側に窪んだ凹部が形成されており、第2の凹部(例えば、242)には、第2の側壁の外側表面に対して内側に窪んだ凹部が形成されていることを特徴とする、態様2又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
4.端子アセンブリが、絶縁ハウジングのテール端部の近傍に設けられた収容部材(例えば、31)を備え、収容部材(例えば、31)が、第1の凹部(例えば、241)に係合するように構成された第1の収容部分(例えば、311)と、第2の凹部(例えば、242)に係合するように構成された第2の収容部分(例えば、312)と、を備え、第1の収容部分(例えば、311)と第2の収容部分(例えば、312)とが、垂直方向(例えば、Z)において、収容部材(例えば、31)の両側に設けられていることを特徴とする、態様2又は3又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
5.内側シェル(例えば、20)が、内側シェル(例えば、20)のテール端部に設けられ、かつ嵌合方向(例えば、Y)と反対方向に凹部(例えば、24)を越えて延在するオーバーハングアームを備え、内側シェル(例えば、20)が端子アセンブリ(例えば、30)と組み立てられた場合に、オーバーハングアームの少なくとも一部分が、嵌合方向(例えば、Y)に直交するテール端部面において、内側シェル(例えば、20)の内側に向かう方向に延在し、絶縁ハウジングのテール端部表面と係合することを特徴とする、態様1~3のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
6.オーバーハングアームが、少なくとも第1の組のオーバーハングアーム(例えば、261、263)及び第2の組のオーバーハングアーム(例えば、265、267)を含み、第1の組のオーバーハングアームが、内側シェル(例えば、20)の第3の側壁(例えば、25)に隣接して設けられ、第2の組のオーバーハングアームが、内側シェル(例えば、20)の第4の側壁(例えば、27)に隣接して設けられており、第4の側壁(例えば、27)が、嵌合方向(例えば、Y)に直交する水平方向(例えば、X)において、第3の側壁(例えば、25)に対向しており、第1の組のオーバーハングアーム及び第2の組のオーバーハングアームが、内側シェル(例えば、20)のテール端部平面内の垂直中心軸線(例えば、A)を挟んで対称に配置されることを特徴とする、態様5又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
7.各組のオーバーハングアームが、対で設けられた第1のオーバーハングアーム及び第2のオーバーハングアームを含み、第1のオーバーハングアームが、内側シェル(例えば、20)のテール端部に一体的に接続された第1の近位端部と、第1の近位端部に対向する第1の遠位端部と、を備え、第2のオーバーハングアームが、内側シェル(例えば、20)のテール端部に一体的に接続された第2の近位端部と、第2の近位端部に対向する第2の遠位端部と、を備え、内側シェル(例えば、20)が端子アセンブリ(例えば、30)と組み立てられた場合に、第1のオーバーハングアームの第1の遠位端部及び第2のオーバーハングアームの第2の遠位端部が、内側シェル(例えば、20)のテール端部面において、垂直中心軸線(例えば、A)に直交する水平中心軸線(例えば、B)に向かって延在する、態様6又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
8.内側シェル(例えば、20)が端子アセンブリ(例えば、30)と組み立てられた場合に、第1のオーバーハングアームの第1の遠位端部及び第2のオーバーハングアームの第2の遠位端部が、水平中心軸線(例えば、B)を挟んで対称に配置されることを特徴とする、態様7又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
9.内側シェル(例えば、20)の外側側壁の外側表面に突出部(例えば、28)が設けられ、突出部(例えば、28)が、内側シェル(例えば、20)の嵌合端部から所定の距離だけ離間するように構成されており、外側シェル(例えば、10)の嵌合端部と係合することを特徴とする、態様1~3のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
10.突出部(例えば、28)が、円形断面、楕円形断面、三角形断面、正方形断面又は、不規則形状断面を有するように形成されていることを特徴とする、態様9又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
11.突出部(例えば、28)が、内側シェル(例えば、20)の外側側壁の、第3の側壁(例えば、25)及び/又は第4の側壁(例えば、27)の外側表面上に形成され、第4の側壁(例えば、27)が、嵌合方向(例えば、Y)に直交する水平方向(例えば、X)において、第3の側壁(例えば、25)に対向していることを特徴とする、態様9又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
12.外側シェル(例えば、10)の嵌合端部には、内側シェル(例えば、20)の突出部とスナップ嵌めされる凹状嵌合部分が設けられていることを特徴とする、態様9又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
13.内側シェル(例えば、20)のテール端部には、電子デバイスのプリント回路基板に接続された端子アセンブリ(例えば、30)の端子の少なくとも一部分へのアクセスを可能にする開口部(例えば、29)が設けられていることを特徴とする、態様1~3のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
14.内側シェル(例えば、20)の嵌合端部の外側側壁の一部分上に、外側シェル(例えば、10)の嵌合端部を越えて延在する起伏部(例えば、22)が設けられており、封止部材(40)が、内側シェル(20)の起伏部(22)に取り付けられており、起伏部(22)が、斜線パターン、格子パターン、又は所定の記号パターンのうちの少なくとも1つによって形成されたパターンを含むことを特徴とする、態様1~3のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
15.所定の記号パターンが、星形状、H形状、又はX形状のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、態様14又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
16.起伏部(例えば、22)が、内側シェル(例えば、20)の外側側壁上に、内側シェル(例えば、20)の近位縁部から嵌合方向に、0.1mm~5mmの範囲の幅を有することを特徴とする、態様14又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
17.封止部材(例えば、40)が、弾性の変形可能な部材であり、封止部材(例えば、40)が、封止部材(例えば、40)が電子デバイスの取り付け部分と接触している場合に弾性変形し、嵌合方向に直交する方向において、電子デバイスの取り付け部分と締まり嵌めを形成するように構成されていることを特徴とする、態様1~3のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
18.封止部材(例えば、40)が、内側シェル(例えば、20)の嵌合端部の周囲に周方向に連続して延在する環状形状を有するように構成されており、封止部材(例えば、40)が、内側シェル(例えば、20)の嵌合端部とポジティブフィットを形成する取り付け面を有するように構成されていることを特徴とする、態様1~3のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
19.封止部材(例えば、40)が、嵌合方向に沿って、嵌合端部に傾斜部分(例えば、41)を備え、傾斜部分(例えば、41)の傾斜外側表面が、封止部材の嵌合端部面に対して、20度~40度の角度を形成することを特徴とする、態様1~3のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
20.電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法であって、複数の端子上に成形された絶縁ハウジングを備える端子アセンブリ(例えば、30)を提供することと、中空円筒形状を有するように形成された内側シェル(例えば、20)を提供することと、内側シェル(例えば、20)が端子アセンブリ(例えば、30)の少なくとも一部を覆うように、内側シェル(例えば、20)を端子アセンブリ(例えば、30)の外側に嵌め込むことと、外側シェル(例えば、10)を提供することと、レセプタクルコネクタが対応するプラグコネクタと接続される嵌合方向において、内側シェル(例えば、20)の嵌合端部が外側シェル(例えば、10)の嵌合端部を越えて延在するように、外側シェル(例えば、10)を内側シェル(例えば、20)及び端子アセンブリ(例えば、30)の外側に取り付けることと、外側シェル(例えば、10)の嵌合端部を越えて延在する内側シェル(例えば、20)の嵌合端部の外側側壁の一部分に、内側シェル(例えば、20)の周方向に沿って接着剤を塗布し、接着剤を硬化させて、外側側壁に取り付けられた封止部材(例えば、40)を形成することと、を含み、内側シェルを提供することが、内側シェル(例えば、20)のテール端部近傍に凹部(例えば、24)を設け、凹部(例えば、24)が、内側シェル(例えば、20)の内側に向かって突出し、内側シェル(例えば、20)と一体的に形成されるように構成されていることを含む、電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法。
21.内側シェルを提供することが、内側シェル(例えば、20)に複数の凹部を設けることと、複数の凹部が、対をなして設けられた第1の凹部(例えば、241)及び第2の凹部(例えば、242)を含むように構成することと、を含むことを特徴とし、第1の凹部(例えば、241)が、内側シェル(例えば、20)の第1の側壁(例えば、21)に設けられており、第2の凹部(例えば、242)が、内側シェル(例えば、20)の第2の側壁(例えば、23)に設けられており、第2の側壁(例えば、23)が、嵌合方向(例えば、Y)に直交する垂直方向(例えば、Z)において、第1の側壁(例えば、21)に対向しており、第1の凹部(例えば、241)及び第2の凹部(例えば、242)が、垂直方向において互いに向かって突出し、互いに離間している、態様20又は任意のその他の態様に記載の電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法。
22.内側シェルを提供することが、内側シェル(例えば、20)のテール端部に複数のオーバーハングアームを設けることと、オーバーハングアームが、凹部(例えば、24)を越えて嵌合方向とは反対方向に延在するように構成することと、を含むことを特徴とし、オーバーハングアームは、内側シェル(例えば、20)が端子アセンブリ(例えば、30)と組み立てられていない場合に、内側シェル(例えば、20)の外側側壁の遠位周縁部に沿って、少なくとも部分的に延在するように構成されており、オーバーハングアームは、内側シェル(例えば、20)の内側に向かう方向に少なくとも部分的に構成されており、内側シェル(例えば、20)が端子アセンブリ(例えば、30)と組み立てられている場合に、絶縁ハウジングのテール端部表面と係合する、態様20又は任意のその他の態様に記載の電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法。
23.内側シェルを提供することが、内側シェル(例えば、20)の嵌合端部近傍の外側表面の一部分を、レーザ彫刻処理又は放電処理によって粗面化して、起伏部(例えば、22)を形成すること、又は、起伏部(例えば、22)を形成するために、内側シェルの嵌合端部の近傍の外側表面の一部分を、エンボス加工又はローレット加工することを特徴とする、態様20~22のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載の電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法。
24.方法が、所定のサイズ及び形状に関して、封止部材と一致する接着剤形成ツールを提供することと、処理される内側シェルの嵌合端部の起伏部(例えば、22)を、接着剤形成ツール内に配置して、内側シェルに沿って円周方向に、起伏部に接着剤を塗布することと、を含み、接着剤が、接着剤形成ツールにおいて、時間加圧式塗布法、ピストンポンプ塗布法、スクリュー定量ポンプ塗布法のうちの1つによって塗布されることを特徴とする、態様23又は任意のその他の態様に記載の電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法。
25.内側シェルを提供することが、内側シェル(例えば、20)の外側側壁の外側表面に突出部(例えば、28)を提供することと、突出部(例えば、28)が、内側シェル(例えば、20)の嵌合端部から所定の距離だけ離間するように構成することと、を含むことを特徴とする、態様20~22のいずれか一つ又は任意のその他の態様に記載の電子デバイス用のレセプタクルコネクタを製造する方法。
26.レセプタクルコネクタ(例えば、1)は、空洞(例えば、104)を取り囲むシェル(例えば、20)と、空洞内に配置された端子アセンブリ(例えば、30)と、を含んでもよい。シェルは、嵌合端部(例えば、106)と、嵌合端部に対向し、空洞の中へと突出する部分(例えば、24)を備えるテール端部(例えば、108)と、を含んでもよい。端子アセンブリは、シェルの本体に係合する本体(例えば、114)と、本体から嵌合方向(例えば、Y)に延在する舌部(例えば、116)と、を備えるハウジングと、ハウジングによって保持される複数の端子であって、複数の端子のそれぞれが、舌部によって保持される嵌合部分(例えば、120)と、ハウジングから外に延在するテール部分(例えば、128)と、本体内に保持される中間部と、を備える複数の端子と、を含んでもよい。
27.空洞内に突出するシェルのテール端部の部分が、嵌合方向に垂直に延在する第1のサブ部分(例えば、702)と、端子アセンブリのハウジングの本体に係合するように嵌合方向に平行に延在する第2のサブ部分(例えば、704)と、を備える、態様26又は任意のその他の態様のレセプタクルコネクタ。
28.空洞内へと突出するシェルのテール端部の部分が、嵌合方向に対して鈍角で延在する第3のサブ部分(例えば、706)を備える、態様27又は任意のその他の態様のレセプタクルコネクタ。
29.端子アセンブリのハウジングの本体が、凹部(例えば、311)を備え、シェルのテール端部の部分が、端子アセンブリのハウジングの本体の凹部内へと突出して、ハウジングの本体に係合する、態様26又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
30.シェルのテール端部が、端子アセンブリのハウジングを越えて配置され、端子アセンブリの後面に当接するように空洞内へと延在するアーム(例えば、261、263、265、又は267)を備える、態様26又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
31.シェルのテール端部が、シェルの上壁(例えば、21)から空洞内へと突出する第1の部分(例えば、241)を備え、シェルが、シェルの底壁(例えば、23)から空洞内へと突出する第2の部分(例えば、242)を備え、底壁が上壁に対向する、態様26又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
32.シェルのテール端部が、端子アセンブリのハウジングを越えて配置され、かつ端子アセンブリの後面に係合する複数のアームを備え、複数のアームが、対称な対で配置されている、態様26又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
33.シェルの嵌合端部が、シェルの部分の表面粗さよりも高い表面粗さを有する部分(例えば、22)を備え、レセプタクルコネクタが、シェルの嵌合端部の一部分に取り付けられた封止部材(例えば、40)を備える、態様26又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
34.より高い表面粗さを有する部分が、0.1mm~5mmの範囲の距離だけ、嵌合方向に延在する、態様33又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
35.シェルの嵌合端部が、より高い表面粗さを有する部分と共に角部分(例えば、1102)を形成するようにシェルの周囲に延在するフランジ部分(例えば、302)を備え、封止部材が、角部分に配置されている、態様33又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
36.複数の端子のそれぞれについて、テール部分が、嵌合方向に垂直に延在し、かつ回路基板の表面に取り付けられるように構成された表面(例えば、126)を備える、態様26又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
37.シェルが、第1のシェル(例えば、20)であり、レセプタクルコネクタが、第1のシェルの外側に配置された第2のシェル(例えば、10)を備え、第2のシェルが、嵌合端部(例えば、110)と、嵌合端部に対向し、複数の端子のテール部分を越えて延在し、かつ回路基板(例えば、1202)の正孔内へと挿入されるように構成された複数の脚部(例えば、122)を備えるテール端部(例えば、112)と、を備え、第1のシェルの嵌合端部が、第2のシェルの嵌合端部を越えて延在する、態様36又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
38.シェルが、テール端部の部分よりも嵌合端部の近傍に配置された窪み(例えば、126)を備え、テール端部の部分が、窪みよりも深く空洞内へと突出する、態様26又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
39.レセプタクルコネクタは、本体と、当該本体から嵌合方向に延在する舌部と、を備えるハウジングと、ハウジングによって保持された複数の端子と、を備える、端子アセンブリ(例えば、30)を含んでもよく、複数の端子のそれぞれは、舌部によって保持された嵌合部分と、ハウジングから外に延在するテール部分と、本体に保持された中間部分と、を備え、内側シェル(例えば、20)は、空洞内に端子アセンブリのハウジングを取り囲み、外側シェル(例えば、10)は、内側シェルの一部分を取り囲んでいる。複数の端子のテール部分は、内側シェルの空洞の外に延在してもよい。内側シェルの嵌合端部は、外側シェルの嵌合端部を越えて延在してもよい。外側シェルのテール端部は、側壁から延在し、かつ互いから徐々に離れる一対の遷移部分(例えば、124)と、一対の遷移部分の間の開口部(例えば、102)と、を備えてもよい。内側シェルのテール端部(例えば、108)は、外側シェルの一対の遷移部分の間の開口部によって、少なくとも部分的に露出されてもよい。
40.内側シェルのテール端部が、空洞内へと突出し、かつ端子アセンブリのハウジングの本体の凹部に係合する部分(例えば、24)を含む、態様39又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
41.内側シェルのテール端部が、端子アセンブリのハウジングを越えて配置され、かつ端子アセンブリの後面に係合する複数のアーム(例えば、261、263、265、及び/又は267)を備える、態様40又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
42.複数の端子のそれぞれのテール部分が、嵌合方向(例えば、Y)に垂直に延在し、かつ回路基板の表面に取り付けられるように構成された表面(例えば、126)を備え、外側シェルの一対の遷移部分のそれぞれが、そこから嵌合方向とは反対方向に延在し、かつ回路基板の正孔内へと取り付けられるように構成された脚部(例えば、122)を有する、態様41又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
43.内側シェルが、嵌合方向における外側シェルの移動を抑制するように、外側シェルの嵌合端部(例えば、110)に係合する突出部(例えば、28)を備える、態様42又は任意のその他の態様に記載のレセプタクルコネクタ。
44.レセプタクルコネクタ(例えば、1)の製造方法。方法は、空洞を取り囲むシェル(例えば、20)を提供することであって、シェルが、第1の端部(例えば、106)と、第2の端部に対向する第2の端部(例えば、108)とを有する、提供することと、本体(例えば、114)と、本体から第1の方向に延在する舌部(例えば、116)とを有するハウジングを備える端子アセンブリ(例えば、30)を提供することであって、本体が凹部(例えば、311)を備える、提供することと、端子アセンブリをシェルの空洞内に配置することと、シェルの第2の端部の一部分(例えば、24)が端子アセンブリの本体の凹部に配置されるように、端子アセンブリを配置する前又は後に、シェルの第2の端部の一部分を空洞(例えば、104)内へと突出させることと、を含んでもよい。
45.シェルが、端子アセンブリのハウジングの本体を越えて配置された複数のアームと、外向きに延在する突出部(例えば、28)と、を備える第1のシェル(例えば、20)である、態様44又は任意のその他の態様に記載の方法。方法は、複数のアームが端子アセンブリの後面に当接するように、複数のアームを曲げることと、複数の脚部を有する嵌合端部及びテール端部を備える第2のシェル(例えば、10)を提供することと、第2のシェルの嵌合端部が第1のシェルの突出部に係合するまで、第2のシェルを、第1のシェルに嵌め込むことと、を含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施形態の上記のいくつかの態様を説明してきたが、様々な変更、修正、及び改善が、当業者にとって容易に思い浮かぶことを理解されたい。このような変更、修正、及び改善は、本開示の一部であることが意図され、本発明の趣旨及び範囲内にあることが意図される。本教示を様々な実施形態及び実施例と併せて説明してきたが、本教示がこのような実施形態又は実施例に限定されることは意図されていない。それどころか、本教示は、当業者によって理解されるように、様々な代替例、変更例、及び等価物を包含する。
【0111】
一例として、多くの創造的な態様が、直角コネクタを参照して上述されてきたが、本開示の態様はこれらに限定されないことが理解されるべきである。創造的特徴のいずれか1つは、単独であっても、1つ以上のその他の創造的特徴と組み合わされても、垂直コネクタなどのその他のタイプの電気コネクタにも使用され得る。
【0112】
更に、本発明のいくつかの利点が示され得るが、本発明の全ての実施形態が全ての記載された利点を含むわけではないことが理解されるべきである。いくつかの実施形態は、有利なものとして説明される任意の特徴を実装しなくてもよい。したがって、前述の説明及び図面は、単なる例である。
【0113】
また、説明される技術は、方法として具現化されてもよく、その少なくとも一実施例が提供されている。方法の一部として実行される動作は、任意の好適な方式で順序付けられてもよい。したがって、例示的な実施形態では連続した動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る、図示されたものとは異なる順序で動作が実行される実施形態が構築され得る。
【0114】
定義され、使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味に優先すると理解されるべきである。
【0115】
本開示の説明において、「前(front)」、「後(rear)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「横方向(transverse direction)」、「垂直方向(vertical direction)」、「直交(perpendicular)」、「水平(horizontal)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」などの配向語によって示される配向及び位置関係は、本開示の説明を容易にし、説明を簡略化するために、添付の図面に基づいて示されると理解されるべきである。反対の記載がない限り、これらの配向語は、特定の装置又は要素が特に、特定の方向に配置及び構築及び動作されなければならないことを示す又は暗示するものではなく、したがって、本開示に対する限定として理解されるべきではない。「内側(inside)」及び「外側(outside)」という配向語は、各構成要素自体の輪郭に対する内側及び外側を指す。
【0116】
説明を容易にするために、「~上(on)」、「上方(above)」、「上面上(on a upper surface of)」及び「上(upper)」などの空間的に相対的な用語は、1つ以上の構成要素又は特徴と、添付図面に示されるその他の構成要素又は特徴との間の、空間的な位置関係を表すために、使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、添付の図面に示される構成要素の配向を含むだけではなく、使用中又は動作中の異なる配向もまた含むことを理解されたい。例えば、添付図面の構成要素が完全に上下反転された場合、「その他の構成要素又は特徴の上方に(above other components or features)」又は「その他の構成要素又は特徴の上に(on other components or features)」構成要素は、構成要素が「その他の構成要素又は特徴の下方に(below other components or features)」又は「その他の構成要素又は特徴の下に(under other components or features)」ある場合を含む。したがって、「上方」という例示的な用語は、「上方」と「下方(below)」の両方の配向を包含し得る。なお、これらの構成要素又は特徴は、別様に配向されてもよく(例えば、90度又はその他の角度だけ回転される)、本開示は、全てのこれらの場合を含むことが意図される。
【0117】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに留意されたい。本明細書で使用される場合、単数形の表現は、特に指示がない限り、複数形の表現を含む。更に、「含む(including)」及び/又は「備える(comprising)」という用語が本明細書で使用される場合、それは、特徴、工程、動作、部品、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせの存在を示すこともまた理解されたい。
【0118】
数値及び範囲は、近似した値若しくは正確な値又は範囲として、本明細書及び特許請求の範囲に記載され得る。例えば、場合によっては、「約(about)」、「およそ(approximately)」、及び「実質的に(substantially)」という用語は、値に関して使用されてもよい。このような言及は、言及された値並びにその値のプラス及びマイナスの妥当な変動を包含することが意図される。例えば、「約10~約20(between about 10 and about 20)」という句は、いくつかの実施形態では「正確に10~正確に20(between exactly 10 and exactly 20)」、並びにいくつかの実施形態では「10±d1~20±d2(between 10±d1 and 20±d2)」を意味することが意図される。ある値に対する変動量d1、d2は、いくつかの実施形態では、その値の5%未満、いくつかの実施形態では、その値の10%未満、更にいくつかの実施形態では、その値の20%未満であってもよい。大きな範囲の値、例えば、2桁以上の大きさを含む範囲が与えられる実施形態では、値の変動量d1、d2は、最大50%であり得る。例えば、動作可能範囲が2~200に及ぶ場合、「約80(approximately 80)」は、40~120の値を包含してもよく、範囲は、1~300の大きさであってもよい。正確な値のみが意図される場合、「正確に(exactly)」という用語が使用され、例えば、「正確に2~正確に200(between exactly 2 and exactly 200)」である。「本質的に(essentially)」という用語は、値が同じであるか、又は目標値若しくは条件において±3%以内であることを示すために使用される。
【0119】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、反対に明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0120】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/又は(and/or)」という句は、このように結合された要素の「いずれか又は両方(either or both)」、すなわち、結合的に存在する場合もあれば、分離的に存在する場合もある要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」で列挙された複数の要素は、同じように、すなわち、このように結合された要素のうちの「1つ以上(one or more)」と解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に識別される要素以外のその他の要素が、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、所望により存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB(A and/or B)」への言及は、「備える(comprising)」などのオープンエンド言語と併せて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(所望によりB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(所望によりA以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、A及びBの両方(所望によりその他の要素を含む)、などを指し得る。
【0121】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「又は」は、先に定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離した場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、すなわち、いくつかの要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、所望により、追加の列挙されていない項目を含むものとして解釈されるものとする。「のうちの1つのみ(only one of)」又は「のうちの正確に1つ(exactly one of)」などの反対のことを明確に示す用語だけが、又は特許請求の範囲で使用される場合は「からなる(consisting of)」が、いくつかの要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。全般的に、使用される場合、「又は」という用語は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つのみ」、又は「のうちの正確に1つ」などの排他性の用語によって先行される場合のみ、排他的代替物(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない(one or the other but not both)」)を示すものとして解釈されるものとする。特許請求の範囲において使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許法の分野において使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0122】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、1つ以上の要素のリストに関する「少なくとも1つ(at least one)」という句は、要素のリスト内の要素のうちの任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙された各及び全ての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しないと理解されるべきである。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が言及する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定されたこれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、所望により存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」(又は等価的に「A又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A or B)」、又は等価的に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and/or B)」)は、一実施形態では、所望により2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわち、Bの存在を伴わないA(及び所望によりB以外の要素を含む)、別の実施形態では、所望により2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわち、Aの存在を伴わないB(及び所望によりA以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、所望により2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわちA、並びに所望により2つ以上を含む少なくとも1つ、すなわち、B(所望によりその他の要素を含む)、などを指し得る。
【0123】
特許請求の範囲において、並びに上記の明細書において、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「携持する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」などのような移行句は全て、オープンエンドであること、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味することを理解されたい。例えば、一連の工程又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、明確に列挙された工程又はユニットに限定される必要はなく、代わりに、明確に列挙されていない、又はこれらのプロセス、方法、製品、若しくはデバイスに固有のその他の工程又はユニットを、含んでもよい。「~からなる(consisting of)」及び「~から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれ、クローズド又は半クローズドの移行句であるものとする。
【0124】
特許請求の範囲は、その旨が述べられていない限り、記載される順序又は要素に限定されるものとして読まれるべきではない。添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって、形態及び詳細の様々な変更を行われ得ると理解されたい。以下の特許請求の範囲及び等価物の趣旨及び範囲内にある全ての実施形態が、特許請求される。
【0125】
上記明細書と同様に、本特許請求の範囲においても、「第1」、「第2」、「第3」などの順序の用語の使用は、それ自体では、いかなる優先性、先行性、又はある要素の別のものに対する順序、若しくは方法の動作が行われる時間的順序を意味するものでなく、単に、要素を区別するために、特定の名前を有するある要素を(順序の用語の使用がなければ)同じ名前を有する別の要素から区別するためのラベルとして使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
【外国語明細書】